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Title:
FINGER JOINT CUTTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/016707
Kind Code:
A1
Abstract:
A finger joint cutter exhibiting good cutting precision by suppressing occurrence of blow out or lip out. The finger joint cutter has a plurality of blade array groups (44a-44d) each consisting of a plurality of cutting blades (14) arranged at a predetermined pitch L in the direction R of the axis of rotation and cuts a joint finger by making the cutting blades (14) cut simultaneously into the end of a material to be cut. The cutting blade (14) is constituted of any one of a main blade (46) or an auxiliary blade (48). The face (50) of the main blade (46) is tapered to become thinner toward the outer diameter side. The width dimension l1 on the face (54) of the auxiliary blade (48) in the direction R of the axis of rotation is set smaller than the width dimension l2 on the face (50) of the main blade (46) in the direction R of the axis of rotation. The pitch L is set above the width dimension l2 of the main blade (46). Furthermore, the main blade (46) is provided such that it adjoins the auxiliary blade (48) in the direction R of the axis of rotation but the main blades (46) do not adjoin each other in the direction R of the axis of rotation.

Inventors:
ITAYA SEIZO (JP)
TSUCHIYA ATSUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/064816
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 27, 2007
Export Citation:
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Assignee:
KANEFUSA KNIFE & SAW (JP)
ITAYA SEIZO (JP)
TSUCHIYA ATSUSHI (JP)
International Classes:
B27G13/14; B27F1/16
Foreign References:
JP2005280081A2005-10-13
JP2005199467A2005-07-28
Attorney, Agent or Firm:
YAMAMOTO, Yoshichika (6-11 Marunouchi 3-chome,Naka-ku,Nagoya-shi, Aichi 02, JP)
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Claims:
 回転軸方向(R)に所定のピッチ(L)で並ぶ複数の切削刃(14)からなる刃列群(44a,44b,44c,44d)を複数備え、回転する各刃列群(44a,44b,44c,44d)の切削刃(14)を刃列群(44a,44b,44c,44d)毎に被削材(32)の端部に同時に切り込ませて、該被削材(32)の端部に同一のピッチ(L)で並ぶ複数の継ぎ手フィンガ(24)を削成するようにしたフィンガジョイントカッタ(40,60)において、
 前記切削刃(14)は、前記継ぎ手フィンガ(24)の谷部(26)および斜面部(30)を削成する主刃(46)または継ぎ手フィンガ(24)の谷部(26)近傍を削成する補助刃(48)の何れかであり、
 前記主刃(46)のすくい面(50)を、外径側へ向けて先細りとなる山形状に形成し、
 前記補助刃(48)のすくい面(54)における内径側の部位の回転軸方向(R)の幅寸法(l 1 )を、前記主刃(46)のすくい面(50)における内径側の部位の回転軸方向(R)の幅寸法(l 2 )よりも小さく設定し、
 前記ピッチ(L)は、前記主刃(46)の幅寸法(l 2 )以上に設定され、
 前記主刃(46)は、前記補助刃(48)に対し回転軸方向(R)に隣接すると共に、該
主刃(46)同士が回転軸方向(R)に隣接しないよう設けられている
ことを特徴とするフィンガジョイントカッタ。
 前記刃列群(44a,44b,44c,44d)は、複数の切削刃(14)が一体に構成され、回転軸挿通用の軸孔(10)が開設された本体(12)の外周縁に刃列群(44a,44b,44c,44d)毎に配設されている請求項1記載のフィンガジョイントカッタ。
 前記切削刃(14)は、回転軸挿通用の軸孔が開設されて前記ピッチ(L)と同一の厚みを有する単位カッタ(62)の外周縁に個々に設けられ、該単位カッタ(62)を、各切削刃(14)が回転軸方向(R)に整列して前記刃列群(44a,44b,44c,44d)を構成するよう複数積層した請求項1記載のフィンガジョイントカッタ。
 前記主刃(46)および補助刃(48)間に画成される刃底部(34)の回転軸方向(R)の幅寸法(l 3 )は、該主刃(46)および補助刃(48)の刃先部(22)における回転軸方向(R)の幅寸法(l 4 )よりも大きく設定されている請求項1~3の何れか一項に記載のフィンガジョイントカッタ。
Description:
フィンガジョイントカッタ

 この発明は、フィンガジョイントカッタ 関し、更に詳細には、継ぎ手用のフィンガ( 以下、「継ぎ手フィンガ」と云う)の谷部付 における外表面や先端部に欠損や割れ等を ずることなく良好に切削し得るフィンガジ イントカッタに関するものである。

 無垢の木材から切出しに際して生ずる端 や、小径木の間伐材を有効に利用する手段 して、フィンガジョイント工法による集成 の製造が広く実施されている。このフィン ジョイント工法は、前記端材や間伐材を、 えば横幅50mm、厚み20mmで任意の長さを有す 矩形状板材に切断した後、該板材(被削材)の 両端の木口に手指状の継ぎ手フィンガを、フ ィンガジョイントカッタの突出歯部に設けた 各切削刃によって削成し、各板材の継ぎ手用 フィンガ同士を接着剤を介して順次噛み合わ せた後、長手方向へ圧縮して接合することで 、長尺な接合材を得る工法である。

 従来のフィンガジョイント工法で使用さ ているフィンガジョイントカッタは、大き 分けて2種存在する。1つは、図8(a)に示すよ に、回転軸挿通用の軸孔10が開設されたボ ィ12の外周縁において略半径方向に突出する 突出歯部42に設けられ、継ぎ手フィンガ24,24 の溝部37(図9参照)を削成する切削刃13が回転 方向Rに連続して配設されたフィンガジョイ ントカッタ(以下、「同位相タイプ」と云う)1 6であり、もう1つは、同図(b)に示すように、 削刃13が回転軸方向Rに1つおきに配設された フィンガジョイントカッタ(以下、「異位相 イプ」と云う)18である。なお、以下の説明 おいて、切削刃13が回転することで描く軌跡 を「回転軌跡面」と称すれば、図8(a)に示す 位相タイプのフィンガジョイントカッタ16は 、同一の回転軌跡面上に4つの切削刃13が設け られているのに対し、図8(b)に示す異位相タ プのフィンガジョイントカッタ18では、同一 の回転軌跡面上に2つの切削刃13が設けられ、 かつ隣接する回転軌跡面の切削刃13は、互い 90°の位相差をもって配設されている。また 、図8(b)において、実線で示された切削刃13が 同一の回転軌跡面上に設けられたものを表し 、一点鎖線で示す切削刃13は、隣接する他の 転軌跡面上に設けられたものを表している

 前述した何れのタイプのフィンガジョイ トカッタ16,18においても、各切削刃13は、そ のすくい面20が外径に向けて先細りとなる山 状に形成され、その刃先部22と傾斜部分で るスカーフ部28,28とにより、図9に示す如く 被削材(被削材)32の木口に手指状の継ぎ手フ ンガ24を削成する。すなわち、切削刃13の刃 先部22は継ぎ手フィンガ24の谷部26を、スカー フ部28,28は継ぎ手フィンガ24の斜面部30,30の切 削に夫々供される。

 図10は、同位相タイプおよび異位相タイ のフィンガジョイントカッタ16,18により、被 削材32を切削する様子を比較して示す説明図 ある。図10(a)に示すように、同位相タイプ フィンガジョイントカッタ16は、同一の回転 軌跡面上の切削刃13についてみると、最初に 削した切削刃(第1切削刃13a)から次の切削刃( 第2切削刃13b)が到来するまでにカッタは4分の 1回転している。一方、図10(b)に示すように、 異位相タイプのフィンガジョイントカッタ18 は、同一の回転軌跡面を基準とすると、第1 切削刃13aから次の第2切削刃13bが到来するま に、カッタ18は半回転する必要がある。なお 、図10(b)の中央の図は、他の回転軌跡面上の 削刃13(一点鎖線で示す)が被削材32を切削し いる状態である。

 すなわち、同位相タイプのフィンガジョ ントカッタ16は、任意の切削刃13から次の切 削刃13が切削位置に到来するまでの周期(以下 、「切削周期」と云う)が、前記異位相タイ のフィンガジョイントカッタ18の切削周期に 比べて短いため、その間の被削材32の移動量( 送材量)は小さくなる(図10の場合、異位相タ プに比べて移動量は略半分となる)。従って 同位相タイプのフィンガジョイントカッタ1 6では、被削材32をショートサイクルで何回も 細かく切削し得るので、切削時に一の切削刃 13が一回の切削において被削材32に与える負 は異位相タイプに比べ略半分となる。する 、送材速度を大きくし過ぎると切削刃13が被 削材32から抜ける(ディスエンゲイジ:disengage) に、該切削刃13が被削材32の強度のない部分 を引っ掛け、特に被削材32の外表面における ぎ手フィンガ24の谷部26周辺を破壊するブロ ウアウトA(図9参照)が発生し易くなるが、切 周期の短い同位相タイプのフィンガジョイ トカッタ16であれば、この欠損の発生を大幅 に抑制することが可能となる。

 ところが、前記同位相タイプのフィンガ ョイントカッタ16は、以下の欠点を内在し いる。図8(a)に示すように、同位相タイプの ィンガジョイントカッタ16では、切削刃13が 回転軸方向Rに連続して配置されるため、両 削刃13,13のスカーフ部28,28により画成される 間(以下、「刃底部34」と云う)は、シャープ に切り込まれた極度に幅狭な谷筋形状とされ る。従って、被削材32の切削時に生ずる切屑 、この幅狭な刃底部34に圧縮的に堆積し易 (以下、「堆積部C」と云う)、この堆積部Cが 削時に削成される継ぎ手フィンガ24と接触 、該継ぎ手フィンガ24の先端部36を欠損させ しまうことがある(以下、この欠損を「リッ プアウト」と云う)。すなわち、同位相タイ のフィンガジョイントカッタ16により被削材 32を切削した場合、図9に示す如く、継ぎ手フ ィンガ24の先端にリップアウトBが発生し易い 難点があった。そこで、特許文献1では、前 リップアウトBの発生を抑制するため、切削 13,13間の刃底部34を所定寸法嵩上げして、可 及的に幅を拡げた刃底部(図示せず)34を形成 ることで、刃底部34での切屑の排出を良好と したフィンガジョイントカッタが提案されて いる。これより、刃底部34における切屑の堆 がある程度抑制され、特に、従来から継ぎ フィンガ24の削成が困難であった積層板(合 )やパーチクルボードへの加工において一定 の効果を挙げている。

 このように、特許文献1に係るフィンガジ ョイントカッタによれば、継ぎ手フィンガ24 削成が困難であった積層板やパーチクルボ ドに継ぎ手フィンガ24を削成し得るように ったものの、刃底部34への切屑の堆積が完全 に解決された訳でなく、生産効率を落とすこ となく無垢木材に良質な継ぎ手フィンガ24を 成するには不十分と云わざるを得なかった

 しかも、前記切削刃13には、一定長さのス ーフ部28,28を設ける必要があり、前記底部の 拡張には限界がある。従って、刃底部34に、 垢木材の切屑を良好に排出するのに必要十 な寸法の底部を形成することは不可能であ た。そこで、無垢木材の被削材32を切削す 場合、図8(b)に示すように、刃底部34を広く 保し得る異位相タイプのフィンガジョイン カッタ18が使用されてきた。

特開2005-280081号公報

 ところで、近年では、加工効率向上の観 から、被削材32の送材速度の高速化が望ま ている。しかるに、被削材32の送材速度を上 昇させると、特に刃先部22による切り込み量 大きくなるので、被削材32の谷部26に対する 負荷が増大する。従って、高速な送材速度の もとでは、無垢木材の被削材32と云えども切 時の負荷に耐えられず、前述したブロウア トAが発生する問題が招来する。

 そこで、このようなブロウアウトAの発生 を抑制するためには、刃先部22の切り込み量 小さくする他なく、無垢木材の被削材32に しても、切削周期の小さな同位相タイプの ィンガジョイントカッタ16を使用したいとの 要請が強くなっている。しかるに、前述した 如く、無垢木材の被削材32に対し、回転軸方 Rに切削刃13が近接して配設される同位相タ プのフィンガジョイントカッタ16を使用す 場合、前述した切屑の刃底部34への堆積によ るリップアウトBの発生を抑制することが必 となる。そこで、本願発明者は、同位相タ プのフィンガジョイントカッタ16において、 切削刃13,13間の刃底部34を更に拡張するべく 良研究を重ねた。

 すなわち本発明は、前述した従来の技術 内在している前記問題に鑑み、これを好適 解決するべく提案されたものであって、特 、無垢木材への継ぎ手フィンガの削成の際 ブロウアウトあるいはリップアウトの発生 好適に抑制し得るフィンガジョイントカッ を提供することを目的とする。

 前述した課題を解決し、所期の目的を好適 達成するため、本発明に係るフィンガジョ ントカッタは、
 回転軸方向に所定のピッチで並ぶ複数の切 刃からなる刃列群を複数備え、回転する各 列群の切削刃を被削材の端部に刃列群毎に 時に切り込ませて、該被削材の端部に同一 ピッチで並ぶ複数の継ぎ手フィンガを削成 るようにしたフィンガジョイントカッタに いて、
 前記切削刃は、前記継ぎ手フィンガの谷部 よび斜面部を削成する主刃または継ぎ手フ ンガの谷部近傍を削成する補助刃の何れか あり、
 前記主刃のすくい面を、外径側へ向けて先 りとなる山形状に形成し、
 前記補助刃のすくい面における内径側の部 の回転軸方向の幅寸法を、前記主刃のすく 面における内径側の部位の回転軸方向の幅 法よりも小さく設定し、
 前記ピッチは、前記主刃の幅寸法以上に設 され、
 前記主刃は、前記補助刃に対し回転軸方向 隣接すると共に、主刃同士が回転軸方向に 接しないよう設けられていることを特徴と る。
 請求項1の発明によれば、補助刃または主刃 が同位相で設けられているため、継ぎ手フィ ンガの谷部については、主刃および補助刃の 両刃先部によって切削周期の短い連続的な切 削が可能となる。従って、継ぎ手フィンガの 谷部に対する負荷は小さくなって、ブロウア ウトの発生は効果的に抑制される。しかも、 補助刃のすくい面における回転軸方向の幅寸 法を小さくしたので、主刃および補助刃間の 刃底部が拡がって切屑の排出効果が向上し、 リップアウトの発生を低減し得る。

 請求項2に係るフィンガジョイントカッタで は、前記刃列群は、複数の切削刃が一体に構 成され、回転軸挿通用の軸孔が開設された本 体の外周縁に刃列群毎に配設されている。
 請求項2の発明によれば、いわゆるソリッド タイプのフィンガジョイントカッタにおいて 、リップアウト・ブロウアウトの抑制効果を 向上し得る。

 請求項3に係るフィンガジョイントカッタで は、前記切削刃は、回転軸挿通用の軸孔が開 設されて前記ピッチと同一の厚みを有する単 位カッタの外周縁に個々に設けられ、該単位 カッタを、各切削刃が回転軸方向に整列して 前記刃列群を構成するよう複数積層した。
 請求項3の発明によれば、単位カッタを複数 備えた、いわゆるセパレートタイプのフィン ガジョイントカッタにおいて、リップアウト ・ブロウアウトの抑制効果を向上し得る。

 請求項4に係るフィンガジョイントカッタで は、前記主刃および補助刃間に画成される刃 底部の回転軸方向の幅寸法は、該主刃および 補助刃の刃先部における回転軸方向の幅寸法 よりも大きく設定されている。
 請求項4の発明によれば、刃底部を切削刃の 刃先部よりも幅広にして、切屑の排出効果を 向上し得る。

 本発明に係るフィンガジョイントカッタ よれば、ブロウアウト・リップアウトの発 を抑制して被削材に対し良質なフィンガジ イント加工を施し得る。

実施例に係るフィンガジョイントカッ を示す概略平面図である。 フィンガジョイントカッタの刃列群を くい面側から見た概略説明図であって、(a) 第1,第3刃列群を示し、(b)は第2,第4刃列群を す。 フィンガジョイントカッタによる切削 様子を示す説明図であって、(a)は第1刃列群 による切削の状態を示し、(b)は第2刃列群に る切削の状態を示し、(c)は第3刃列群による 削の状態を示している。 変更例に係るフィンガジョイントカッ を示す概略平面図である。 変更例に係るフィンガジョイントカッ の刃列群をすくい面側から見た概略説明図 ある。 変更例に係るフィンガジョイントカッ の刃列群をすくい面側から見た概略説明図 ある。 変更例に係るフィンガジョイントカッ の刃列群をすくい面側から見た概略説明図 ある。 従来のフィンガジョイントカッタを示 概略平面図であって、(a)は同位相タイプの ィンガジョイントカッタを示し、(b)は異位 タイプのフィンガジョイントカッタを示す 端部に継ぎ手フィンガが削成された被 材を示す概略図である。 従来のフィンガジョイントカッタによ る切削の様子を示す概略説明図であって、(a) は同位相タイプのフィンガジョイントカッタ を示し、(b)は異位相タイプのフィンガジョイ ントカッタを示す。 変更例に係るフィンガジョイントカッ タの刃列群をすくい面側から見た概略説明図 である。

 次に、本発明に係るフィンガジョイント ッタにつき、好適な実施例を挙げて、添付 面を参照しながら以下説明する。なお、実 例では、各回転軌跡面に4つの切削刃を備え 、各回転軌跡面上の各切削刃は回転軸方向に 整列して配設された、いわゆるソリッドタイ プのフィンガジョイントカッタを例に説明を 行なう。また、従来例で説明した部材と同一 のものについては、同じ符号を付すこととす る。なお、以下の説明において参照される各 図は、本願発明を説明するため一部誇張して 描かれたものである。

 図1は、実施例に係るフィンガジョイントカ ッタ40を示す概略平面図である。このフィン ジョイントカッタ40は、図示しない切削装 の回転軸が挿通される軸孔10が開設されて回 転軸方向Rに厚みを有するボディ(本体)12の外 縁に、複数の突出歯部42が一体的に形成さ ている。図2に示すように、前記突出歯部42 は、複数の切削刃14が回転軸方向Rに所定の ッチL(刃先部22,22の離間距離)で配設されて刃 列群44a~44dを構成している。すなわち各刃列 44a~44dは、9つの切削刃14が一体に構成され、 列群44a~44d単位で突出歯部42に夫々設けられ いる。また、各刃列群44a~44dの回転軸方向R 寸法は、前記ボディ12の回転軸方向Rの寸法 同一若しくは僅かに小さく設定されている なお、説明の便宜上、図2に示すように、各 削刃14の回転軌跡がなす9つの回転軌跡面を から順に第1~第9回転軌跡面C 1 ~C 9 と称し、各回転軌跡面上に設けられた切削刃 14(後述する、主刃46および補助刃48)について 対応する番号(第1~第9)を付して区別する場 がある。また、図1に示すように、刃列群44a~ 44dに対しても、必要に応じて、周方向の順に 第1刃列群44a~第4刃列群44dの名称を付して区別 することとする。

 前記切削刃14は、主刃46および補助刃48の2種 類からなり、両者は回転軸方向Rに所定ピッ L離間して交互に配列され、主刃46および補 刃48の間に刃底部34が形成されている。主刃4 6は、突出歯部42から所定の突出量で外径方向 に延出し、そのすくい面50は、刃先部22から 記刃底部34に向けて拡開するスカーフ部28,28 形成されて山形状をなしている。また、主 46のすくい面50における根本部分(内径側の 分)の幅寸法l 2 は、前記ピッチLと同じか僅かに小さく設定 れる。すなわち、切削刃14のピッチLは、主 46の幅寸法l 2 以上に設定される。図2(a)に示すように、第1 よび第3刃列群44a,44cでは、第1,第3,第5,第7お び第9回転軌跡面C 1 ,C 3 ,C 5 ,C 7 ,C 9 に計5つの主刃46が設けられている。一方、第 2および第4刃列群44b,44dには、図2(b)に示すよ に、第2,第4,第6および第8回転軌跡面C 2 ,C 4 ,C 6 ,C 8 に計4つの主刃46が設けられている。すなわち 、各回転軌跡面を基準にみれば、主刃46は180 の位相差をもって対向的に2つ設けられてい (図1参照)。

 前記補助刃48は、前記突出歯部42から主刃46 同一の突出量で外径方向に延出すると共に その刃先部22から内径方向に拡開する短小 スカーフ部52,52を有している。更に補助刃48 は、前記刃底部34からスカーフ部52に掛けて 、回転軸方向Rに対し直行する方向へ延在す 平行部56が形成されている。この平行部56は 図2(a)に示すように、回転軸方向Rの幅寸法l 1 が主刃46の幅寸法l 2 に比べて小さく設定されている。すなわち、 補助刃48のすくい面54は、主刃46のすくい面50 り狭小なものとなっており、前記平行部56 、継ぎ手フィンガ24の斜面部30の切削に寄与 ないようになっている。従って、補助刃48 、主として、その刃先部22によって継ぎ手フ ィンガ24の谷部26周辺の削成に供される。ま 、平行部56の長手寸法は、補助刃48のすくい 54の長手寸法の略半分程度に設定される。 お、補助刃48の刃先部22の回転軸方向Rの幅寸 法は、主刃46の刃先部22の幅寸法と同一であ (以後、両刃先部22,22の幅寸法をl 4 とする)。

 このように、平行部56を形成した補助刃48を 主刃46に対し回転軸方向Rに隣接して設けると 共に、主刃46同士は隣接しないよう配列する とで、前記刃底部34は幅広に設定されてい 。すなわち、補助刃48の平行部56は、主刃46 スカーフ部28に対して一定の距離だけ離間し た位置から外径方向に延出しており、刃底部 34の空間が大きく確保されて切屑の排出効果 向上される。前記刃底部34の回転軸方向Rの 寸法l 3 は、刃先部22における幅寸法l 4 よりも大きくなっている。

 図2(a)に示すように、前記補助刃48は、第1お よび第3刃列群44a,44cにあっては、第2,第4,第6 よび第8回転軌跡面C 2 ,C 4 ,C 6 ,C 8 に計4つ設けられている。また、図2(b)に示す く、第2および第4刃列群44b,44dにあっては、 1,第3,第5,第7および第9回転軌跡面C 1 ,C 3 ,C 5 ,C 7 ,C 9 に計5つの補助刃48が設けられている。すなわ ち、各回転軌跡面を基準にみると、主刃46に し90°の位相差をもって2つの補助刃48が対向 的に設けられている(図1参照)。従って、実施 例に係るフィンガジョイントカッタ40は、主 46および補助刃48が周方向に交互に配設され 、両切削刃14,14は切削位置に交互に到来する ととなる。

  (実施例の作用)
 次に、本実施例に係るフィンガジョイント ッタの作用について、以下説明を行なう。 お、以下の説明では、無垢木材の被削材32 切削する場合について説明する。

 一定の送材速度(例えば、20m/min)で送られ 被削材32の端部が切削位置に到来すると、 記主刃46および補助刃48の刃先部22が継ぎ手 ィンガ24の溝部37の切削を開始すると共に、 刃46のスカーフ部28,28が継ぎ手フィンガ24の 面部30を削成する。なお、補助刃48のスカー フ部52,52は、継ぎ手フィンガ24の斜面部30の一 部を切削するに止まり、該斜面部30は、主と て主刃46のスカーフ部28により削成される。

 図3(a)に示すように、最初に第1刃列群44aに り切削が行なわれたものとし、例えば、第3 転軌跡面C 3 の切削刃14(第3主刃46および第3補助刃48)によ 切削について着目すると、第1刃列群44aの第3 主刃46により被削材32に継ぎ手フィンガ24の谷 部26および斜面部30を切削し、被削材32に山形 状の溝部37が削成される。このとき、切削に り生じた被削材32の切屑は、幅広に形成さ た刃底部34に堆積することはなく、外部へス ムーズに排出される。

 次いで、図3(b)に示すように、第2刃列群44 bの第3補助刃48が切削位置に到来すると、該 助刃48は、刃先部22による継ぎ手フィンガ24 谷部26の削成にのみ寄与する。すなわち、第 3補助刃48の平行部56は前記溝部37を通過し、 ぎ手フィンガ24の斜面部30の切削には寄与し い。更に、図3(c)に示すように、第3刃列群44 cの第3主刃46が切削位置に到来すると、刃先 22およびスカーフ部28,28による継ぎ手フィン 24の谷部26および斜面部30が切削される。

 このように、継ぎ手フィンガ24の谷部26に 対しては、フィンガジョイントカッタ40の4分 の1回転毎の連続的な切削がなされる。従っ 、被削材32の谷部26に対する負荷は軽減され ブロウアウトAの発生を好適に抑制すること ができる。一方、継ぎ手フィンガ24の斜面部3 0については、フィンガジョイントカッタ40の 半回転毎に、主刃46のスカーフ部28,28による 削がなされる。更に、切削時に生ずる被削 32の切屑は、幅広に設定された刃底部34に堆 することはなく、スムーズに外部へ排出さ 、被削材32にリップアウトBが発生するのを 止し得る。すなわち、実施例に係るフィン ジョイントカッタ40によれば、高速で送ら る無垢木材の被削材32に対しても、ブロウア ウトAやリップアウトBが発生することなく、 度な切削精度を発揮し得る。

 (変更例)
 なお、実施例では、同一回転軌跡面に4つの 切削刃14を設けた場合を例示した。しかしな ら、同一回転軌跡面に少なくとも1つの主刃 46が設けられていれば、例えば、図4に示すよ うに、同一回転軌跡面に2つの切削刃14,14(す わち、刃列群44a,44bが2つ)を設けてもよい。 に、実施例では、同一回転軌跡面に主刃46お よび補助刃48を周方向に交互に配設したが、 助刃48が周方向に連続するように配置して よい。

 また、実施例では、主刃46および補助刃48 を回転軸方向Rに沿って交互に設けたが、必 しも、主刃46および補助刃48を交互に設ける 要はなく、例えば、図5に示すように、補助 刃48を連続して設けることも可能である。す わち、刃底部34を拡張するため、主刃46に隣 接して補助刃48を設け、かつ主刃46同士が隣 しないよう配列するのであれば、補助刃48,48 同士が隣接しても構わない。

 実施例では、補助刃48のすくい面54の形状を 、短小なスカーフ部52,52と平行部56とから形 したが、図6に示すように、補助刃48の略全 を平行部56で構成してもよい。更に、図7に すように、補助刃48に前記平行部56を設ける ではなく、主刃46と同様に補助刃48を山形状 に形成することも可能である。この場合、補 助刃48の両スカーフ部52,52がなす角度αは、主 刃46のスカーフ部28,28がなす角度βよりも小さ く設定される。すなわち、補助刃48のすくい 54は、その内径側の部位(根本付近)における 回転軸方向Rの幅寸法l 1 が主刃46の幅寸法l 2 よりも小さなものであれば、他の形状を採用 することが可能である。

 実施例では、回転軸挿通用の軸孔10が開 され回転軸方向Rの厚みを有する単一のボデ 12に複数の切削刃14が回転軸方向Rに整列す よう刃列群44a~44d単位で配設された、いわゆ ソリッドタイプのフィンガジョイントカッ 40で説明した。しかしながら、図11に示すよ うに、切削刃14を備える単位カッタ62を回転 方向Rに複数積層した、いわゆるセパレート イプのフィンガジョイントカッタ60を採用 ることも可能である。この単位カッタ62は、 回転軸挿通用の軸孔(図示せず)が開設されて 前記ピッチLと同一の厚みを有するボディ64 備え、該ボディ64の外周縁に突出歯部42が設 けられている。

 各切削刃14は、対応の突出歯部42に1つず 配設されている。そして、切削刃14が回転軸 方向Rに整列して刃列群44a~44dを構成するよう 数(変更例では9つ)のボディ64を積層して、 ィンガジョイントカッタ60は構成されている 。変更例に係るフィンガジョイントカッタ60 おいても、各切削刃14を同一位相で整列さ て、切削刃14が被削材32に対し同時に切り込 得るよう構成される。また、主刃46および 助刃48の配設位置については、実施例と同様 に、主刃46に対し補助刃48が回転軸方向Rに隣 すると共に、主刃46同士は隣接しないよう けられ、刃底部34は幅広に設定される。