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Patent Searching and Data


Title:
FLAME-RETARDANT ADHESIVE RESIN COMPOSITION, AND ADHESIVE FILM UTILIZING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149727
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a flame-retardant adhesive resin composition which shows no cracking, peeling or the like before being cured into a film and therefore has excellent workability, which shows excellent adhesion properties including peel adhesion, solder heat resistance and flow properties after being cured, and which is imparted with non-halogenation. Also disclosed are a bonding sheet and a coverlay film each produced by using the flame-retardant adhesive resin composition. The flame-retardant adhesive resin composition comprises: (A) a phenoxy resin; (B) an epoxy resin; (C) a curing agent; and (D) a curing-accelerating agent as essential components. The curing agent has an active hydrogen equivalent weight of 20 to 30. The flame-retardant adhesive resin composition further comprises an organic phosphorus compound or a phosphorus-containing phenoxy resin in an amount of 0.5 to 5 parts by weight in terms of phosphorous content relative to 100 parts by weight of the resin composition. After being thermally cured, the resin composition has a glass transition temperature of 100°C or higher.

Inventors:
TAUCHI SHIGEAKI (JP)
SATOU TETSUNORI (JP)
AIDA KATSUYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059721
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON STEEL CHEMICAL CO (JP)
TOTO KASEI KK (JP)
TAUCHI SHIGEAKI (JP)
SATOU TETSUNORI (JP)
AIDA KATSUYUKI (JP)
International Classes:
C09J163/00; C09J7/00; C09J7/02; C09J171/10; H05K3/24
Foreign References:
JP2006232985A2006-09-07
JP2005290229A2005-10-20
JP2001237552A2001-08-31
JP2000219851A2000-08-08
JP2001310939A2001-11-06
JPH09143252A1997-06-03
JP2003176470A2003-06-24
Attorney, Agent or Firm:
NARUSE, Katsuo et al. (TKK Nishishinbashi Bldg.11-5, Nishi-shinbashi 2-chome,Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 下記(A)~(D)成分、
(A)フェノキシ樹脂、
(B)エポキシ樹脂、
(C)硬化剤、及び
(D)硬化促進剤、
を必須成分として含有する難燃性接着剤樹脂組成物であって、硬化剤の活性水素当量が20~30であり、難燃性接着剤樹脂組成物100重量部中に、有機リン化合物又はリン含有樹脂をリンとして0.5~5重量部を含有し、且つ該難燃性接着剤樹脂組成物の熱硬化後のガラス転移温度が100℃以上であることを特徴とする難燃性接着剤樹脂組成物。
 難燃性接着剤樹脂組成物の熱硬化前のガラス転移温度が0~50℃である請求項1に記載の難燃性接着剤樹脂組成物。
 実質的にハロゲンを含まない請求項1に記載の難燃性接着剤樹脂組成物。
 (A)成分が、下記一般式(1)で表され、リン含有率が1重量%~6重量%であるリン含有フェノキシ樹脂である請求項1に記載の難燃性接着剤樹脂組成物。
(式中、Xは下記一般式(2)又は(3)で表される2価の基を必須とする一般式(2)、(3)、(4)又は(5)で表される2価の基から選ばれる少なくとも1種の2価の基を示し、Zは水素原子又はグルシジル基を示し、nは平均値で21以上である。)
(式(2)~(5)中、Yは下記一般式(7)又は(8)で表されるリン含有基を示し、R 1 ~R 3 、R 1 ~R 4 、R 1 ~R 8 は独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基を示す。Aは単結合又は―CH 2 ―、-C(CH 3 ) 2 -、-CH(CH 3 )-、-S-、-SO 2 -、-O-、-CO-若しくは一般式(9)で表される基から選ばれる2価の基を示す。)
(式(7)~(9)中、R 1 ~R 8 、R 1 ~R 10 は独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基を示す。)
 (B)成分が、下記一般式(10)で表されるエポキシ樹脂である請求項1に記載の難燃性接着剤樹脂組成物。
(式中、Wは一般式(5)で表される2価の基を示し、mは0以上の整数であり、mの平均は0.1~15であり、Aは単結合又は―CH 2 ―、-C(CH 3 ) 2 -、-CH(CH 3 )-、-S-、-SO 2 -、-O-、-CO-若しくは一般式(9)で表される基から選ばれる2価の基を示す。)
 一般式(10)において、m=0体の含有率が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定したクロマトグラムの面積パーセントで70%以上である請求項5記載の難燃性接着剤組成物。
 (A)成分の含有率が、20~80重量%である請求項1に記載の難燃性接着剤樹脂組成物。
 請求項1~7のいずれかに記載の難燃性接着剤樹脂組成物を、フィルム状に形成してなることを特徴とする難燃性接着剤フィルム。
 基材樹脂フィルムの片面又は両面に請求項1~7のいずれかに記載の難燃性接着剤樹脂組成物の層を有することを特徴とする接着剤フィルム。
 ポリイミドフィルムと、該ポリイミドフィルム上に設けられた請求項1~7のいずれかに記載の難燃性接着剤樹脂組成物からなる層とを有することを特徴とするカバーレイフィルム。
 請求項1~7のいずれかに記載の難燃性接着剤樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
Description:
難燃性接着剤樹脂組成物及びそ を用いた接着剤フィルム

 本発明は、耐熱性接着剤樹脂組成物に関 、詳しくは高耐熱、難燃性の接着剤組成物 びにそれを用いた接着剤フィルムに関する

 プリント配線基板としては、従来、紙-フ ェノール樹脂、ガラス繊維-エポキシ樹脂か なる基材あるいはポリイミドフィルム、ポ エチレンテレフタレートフィルム等の基材 金属を貼り合わせたものが用いられている

 また、近年、電機・電子機器、精密機器 分野において用いるプリント配線板におい は、配線占有面積が小さくなり、このため 層プリント基板の需要はますます高くなっ いる。プリント配線板を積層して多層プリ ト配線板を作製したり、異種の回路材料を 合化する工程においては、種々の接着剤あ いは接着剤フィルムが用いられている。

 このような接着剤は、多層プリント基板 接着剤、カバーレイフィルム用接着剤とし 広く使われているが、接着強度、耐薬品性 はんだ耐熱性、耐折性等に優れた材料が求 られるようになってきた。また、火災安全 確保の点から難燃性に優れた材料が求めら てきた。

 従来の接着剤フィルムは、難燃性を付与 るために、臭素等のハロゲンを含有する樹 又は添加物等が使用されていた。ハロゲン 難燃性の付与の他、コストパフォーマンス 高く、プラスチックを劣化させにくいなど 理由から広く用いられてきた。しかしここ 含まれるハロゲンは、燃焼時にダイオキシ 等の有害物質を発生させる原因となる可能 が懸念されており、材料からのハロゲンの 除が強く望まれている。

 プリント基板用途に使用される接着剤は 例えば、特許文献1~5等で提案されている。

 これらの特許文献は、いずれもエポキシ 脂、硬化剤、アクリロニトリルブタジエン ム若しくはフェノキシ樹脂を主要成分とす ものであり、難燃化の手段はいずれも臭素 エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂を配 することによっている。

 一方、ハロゲンに替わる難燃性付与材料 して、非ハロゲン系の様々な材料が開発さ ている。その中でも最も一般的な手法はリ を含む樹脂の使用又は有機リン系化合物の 加である。このような難燃性接着剤として 、例えば、特許文献6~10等が挙げられる。

 特許文献6、7、9は、有機リン化合物を、 許文献8及び10は、公知のリン含有エポキシ 脂、リン含有フェノキシ樹脂を非ハロゲン での難燃化の手段として各々配合すること している。

特開平10-102025号公報

特開2001-164226号公報

特開2001-323242号公報

特開2001-354936号公報

特開2003-181993号公報

特開2001-339131号公報

特開2002-60720号公報

特開2003-176470号公報

特開2004-331783号公報

特開2005-290229号公報

 本発明の目的は、硬化前のフィルム状態 おいてワレ、ハガレなどがなく作業性に優 、硬化後のピール接着力、ハンダ耐熱性、 ロー性等の接着剤特性に優れ、しかも環境 対応するために非ハロゲン化を実現した難 性の接着剤樹脂組成物を提供することにあ 。更に、このような接着剤樹脂組成物を用 た難燃性の接着剤フィルム及びカバーレイ ィルムを提供することにある。

 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭 研究を重ねた結果、接着剤樹脂組成物の反 前混合物及び反応後硬化物のガラス転移温 を特定の範囲とするために適した配合成分 見出したことで、本発明を完成させた。

 すなわち、本発明は、下記(A)~(D)成分、
(A)フェノキシ樹脂、
(B)エポキシ樹脂、
(C)硬化剤、及び
(D)硬化促進剤、
を必須成分として含有する難燃性接着剤樹脂 組成物であって、硬化剤の活性水素当量が20~ 30であり、難燃性接着剤樹脂組成物100重量部 対し、有機リン化合物又はリン含有樹脂を ンとして0.5~5重量部を含有し、且つ該樹脂 成物の熱硬化後のガラス転移温度が100℃以 であることを特徴とする難燃性接着剤樹脂 成物である。

 また、本発明の難燃性接着剤樹脂組成物 、熱硬化前のガラス転移温度が0~50℃である こと、又は実質的にハロゲンを含まないこと により、優れた難燃性接着剤樹脂組成物を与 える。

 また本発明は、(A)成分が、下記一般式(1)で され、リン含有率が1~6重量%であるリン含有 フェノキシ樹脂である上記の難燃性接着剤樹 脂組成物である。
(式中、Xは下記一般式(2)又は(3)で表される2価 の基を必須とする一般式(2)、(3)、(4)又は(5)で 表される2価の基から選ばれる少なくとも1種 2価の基示し、Zは水素原子又はグルシジル を示し、nは平均値で21以上である。)
(式(2)~(5)中、Yは下記一般式(7)又は(8)で表され るリン含有基を示し、R 1 ~R 3 、R 1 ~R 4 、R 1 ~R 8 は独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基 又はフェニル基を示す。Aは単結合又は―CH 2 ―、-C(CH 3 ) 2 -、-CH(CH 3 )-、-S-、-SO 2 -、-O-、-CO-若しくは一般式(9)で表される基か 選ばれる2価の基を示す。)
(式(7)~(9)中、R 1 ~R 8 、R 1 ~R 10 は独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基 又はフェニル基を示す。)
 また、(A)成分の含有率としては、20~80重量% 範囲が好ましい。

 更に本発明は、(B)成分が、下記一般式(10)で 表されるエポキシ樹脂である上記の難燃性接 着剤樹脂組成物である。
(式中、Wは上記一般式(5)で表される2価の基を 示し、mは0以上の整数であり、mの平均は0.1~15 である。)一般式(10)において、m=0体の含有率 、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ を用いて測定したクロマトグラムの面積パ セントで70%以上であるエポキシ樹脂は、優 た難燃性接着剤樹脂組成物を与える。

 また本発明は、上記の難燃性接着剤樹脂 成物を、フィルム状に形成してなることを 徴とする難燃性接着剤フィルムである。更 本発明は、ポリイミドフィルムと、該ポリ ミドフィルム上に設けられた上記の難燃性 着剤樹脂組成物からなる層とを有すること 特徴とするカバーレイフィルムである。更 また本発明は、上記の難燃性接着剤樹脂組 物を硬化させて得られる硬化物である。

 以下、本発明の難燃性接着剤樹脂組成物 関する説明をし、次に難燃性接着剤フィル 及びカバーレイフィルムに関する本発明の 明をするが、共通する部分は同時に説明す 。

 本発明の難燃性接着剤樹脂組成物(接着剤 樹脂組成物又は樹脂組成物と略称することが ある。)は、上記(A)~(D)成分を必須成分として 有する。(A)成分はフェノキシ樹脂であり、( B)成分はエポキシ樹脂であり、(C)成分は硬化 であり、(D)成分は硬化促進剤である。

 (A)成分のフェノキシ樹脂は、その分子構 中にフェノキシ骨格を有する樹脂であれば 用可能である。フェノキシ樹脂は、金属箔 特に銅箔又は銅合金箔との高い接着性を発 させる成分であり、しかも(B)成分のエポキ 樹脂及び(C)成分の硬化剤との架橋を阻害し くいため、得られる樹脂組成物の熱硬化後 ガラス転移温度(Tg)を低下させず、樹脂組成 物の硬化物特性としての半田耐熱性を向上さ せることができる。また、得られる樹脂組成 物をカバーレイフィルムに適用した場合、熱 圧着して積層一体化する際に接着剤としての 適度な流れ性(フロー性)を発現することがで る。接着剤樹脂組成物における難燃性の付 の観点から、(A)成分はリン含有率が1~6重量% 、好ましくは2~5重量%であるリン含有フェノ シ樹脂が好ましい。ゲルパーミエーション ロマトグラフィーを用いて測定した標準ポ エチレンオキサイド換算重量平均分子量は 10,000~200,000、好ましくは15,000~150,000、より好 しくは20,000~120,000がよい。

 有利には、上記一般式(1)で表され、リン含 率が1~6重量%であるリン含有フェノキシ樹脂 を配合することがよい。一般式(1)において、 Xは上記一般式(2)、(3)、(4)又は(5)で表される から選ばれる少なくとも1種の2価の基を示す が、一般式(2)又は(3)で表される2価の基を必 とする。有利には、一般式(2)又は(3)で表さ る2価の基の一方又は両者をX中に20モル%以上 、好ましくは50モル%以上含むことがよい。Z 水素原子又は下記式(6)で表されるグルシジ 基を示す。nは平均値で21以上であるが、好 しくは30~5000の範囲である。かかるリン含有 ェノキシ樹脂は、例えば、特開2001-310939号 報に開示されている方法により製造するこ ができる。

 また、上記一般式(2)、(3)、(4)及び(5)におい 、Yは上記記一般式(7)又は(8)で表されるリン 含有基を示す。式(5)中のAは単結合又は―CH 2 ―、-C(CH 3 ) 2 -、-CH(CH 3 )-、-S-、-SO 2 -、-O-、-CO-若しくは一般式(9)で表される2価の 基から選ばれる2価の基を示す。式(2)~(5)及び( 7)~(9)中、R 1 ~R 10 は独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基 又はフェニル基を示す。好ましくは、水素又 はメチル基であり、メチル基の数は4以下で ることがよい。

 (B)成分のエポキシ樹脂は、エポキシ基を2 以上有するエポキシ樹脂を使用することがで きるが、上記一般式(10)で表されるエポキシ 脂が好ましい。式(10)において、Wは上記一般 式(5)で表される2価の基を示し、mは0以上の整 数であり、mの平均は0.1~15である。

 上記一般式(10)で表されるエポキシ樹脂と しては、例えば、ビスフェノールA型エポキ 樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ ェニル型エポキシ樹脂等が挙げられ、これ は単独又は2種以上混合して使用することが できる。なお、ビス(クレゾール)メタンを主 分とするノボラック樹脂から誘導されるク ゾールノボラック型エポキシ樹脂等を使用 ることもできる。エポキシ樹脂は、実質的 ハロゲン元素を含まないものであることが い。

 樹脂組成物を乾燥して得られる乾燥物又 フィルム(以下、Bステージ状態組成物とい )のガラス転移温度を所定の範囲とするため は、エポキシ樹脂は上記一般式(10)において 、mが0である重合度m=0体の含有率が、ゲルパ ミエーションクロマトグラフィーの面積パ セントを用いて測定したクロマトグラムの 積パーセントで70%以上であることがよく、 り好ましくは80%以上である。そして、常温 液状であることが好ましい。

 本発明の難燃性接着剤樹脂組成物100重量 中には、(A)成分を20~80重量部、好ましくは30 ~70重量部、更に好ましくは40~60重量部配合す ことがよい。20重量部を下回ると柔軟性の 下、内部応力の増加により、接着力が発現 ず、80重量部を上回ると架橋成分の比率の減 少により、ハンダ耐熱性が低下し、接着剤と しての性能を損なう。また、(B)成分は20~70重 部の範囲で配合することが好ましい。(B)成 が20重量部を下回ると、架橋密度が低下し 接着剤樹脂組成物の耐熱性が低下し、70重量 部を上回ると、可とう性が低下して接着剤樹 脂組成物のはく離接着力が低下する、という 問題が生ずる。ここで、難燃性接着剤樹脂組 成物の重量の計算にあたっては、乾燥除去さ れる溶剤が含まれる場合、これは除外される 。

 (C)成分の硬化剤は、(B)成分のエポキシ樹 の硬化剤として知られているものが使用で るが、の活性水素当量が20~30の範囲のもの ある必要がある。活性水素当量は、硬化剤Xg 当たりYモルの活性水素(H)があるとすると、X/ Y(g/eq)で計算される。この活性水素当量が20未 満の場合、架橋点が偏り耐熱性が低下する。 30を超える場合、(B)成分に対する(C)成分の比 が増加し、折り曲げ性が低下する。かかる 化剤には、ノボラック型フェノール樹脂、 シアンジアミド、ジアミノジフェニルメタ 、ジアミノジフェニルスルホン、アジン類 イミダゾール類等であって、活性水素当量 20~30のものが有利に使用できる。これらは1 又は2種以上併用することも可能である。ま た、(C)成分として、イミダゾール類を使用す る場合、これは(D)成分でもあるので、(D)成分 としても計算される。(C)成分の使用量は、(B) 成分のエポキシ樹脂に対し当量比(C)/(B)が0.5~1 .5となるように配合することが好ましい。一 に、フェノール樹脂系硬化剤を用いる場合 、0.8~1.2、アミン系硬化剤を用いる場合は、 0.5~1.0とすることがよい。

 (D)成分の硬化促進剤としては、トリフェ ルホスフィン等の有機リン系化合物や2-フ ニルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダ ゾール等のイミダゾール類、3級アミン、ル ス酸を用いることができる。その配合率は 求められる硬化時間に応じて適宜選定され が、一般的には、難燃性接着剤樹脂組成物 対して、0.01~3.0重量%の範囲で用いることが い。また、(D)成分として、有機リン系化合 を使用する場合、他の有機リン化合物又は ン含有樹脂とを合わせて、難燃性接着剤樹 組成物100重量部に対し、リンとして0.5~5重量 部の範囲となるように配合する。

 本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、該 脂組成物100重量部中に、リン化合物(樹脂で あってもよい)をリンとして0.5~5重量部、好ま しくは1~4重量部、より好ましくは1.5~3重量部 含有することがよく、接着剤樹脂組成物の 化後の半田耐熱性を低下させずに難燃性を 与しつつ、耐マイグレーション性を向上さ ることができる。このようなリン化合物と ては、シクロフェノキシホスファゼン、リ 酸エステルアミド、芳香族縮合リン酸エス ル、有機ホスフィン酸の金属塩などの有機 ン化合物、又はリン含有エポキシ樹脂、(A) 分のようなリン含有フェノキシ樹脂などの ン含有樹脂を用いることが出来る。有利に リン含有フェノキシ樹脂である。これらは 各々1種単独で用いても、2種以上を併用し もよいが、リン含有フェノキシ樹脂を単独 使用することが好適である。

 本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、該 脂組成物100重量部に対し、有機リン化合物 はリン含有樹脂をリンとして0.5~5重量部を 有し、難燃性を向上させるための成分とし ハロゲン(ハロゲン元素又はハロゲン化合物 して存在するハロゲンをいう)を含まない。 有利には、実質的にハロゲンを含まない。こ こで、実質的にハロゲンを含まないとは、ハ ロゲン元素に換算して900wtppm以上のハロゲン 含まないことをいう。

 本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、樹 組成物を熱硬化後して得られる硬化物のガ ス転移温度が100℃以上、好ましくは100~170℃ の範囲にある。熱硬化後の硬化物のガラス転 移温度が100℃未満では、耐マイグレーション 性が低下する。また、本発明の難燃性接着剤 樹脂組成物における熱硬化前の樹脂組成物(B テージ状態組成物に該当する。)のガラス転 移温度は好ましくは0~50℃の範囲、より好ま くは10~50℃の範囲にあることがよい。Bステ ジ状態組成物のガラス転移温度が0℃よりも い場合、フィルムに粘着性が発現し、FPCに 工する際、位置決めの調整が困難となり、 用性に欠ける。また、50℃を超える場合、 ィルムの柔軟性が失われ、ワレ、ハガレな の不具合を発生しやすい。なお、樹脂組成 の熱硬化前及び硬化後のガラス転移温度は 主に(B)成分のエポキシ樹脂及び(C)成分の硬 剤の種類及び配合量によって調整可能であ 。

 ここで、Bステージ状態組成物のガラス転 移温度又は硬化物のガラス転移温度の測定は 、後記する特性評価方法の条件による。

 本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、上 必須成分以外の成分として、無機系難燃剤 しての水酸化アルミニウム及び水酸化マグ シウム、補強剤若しくは増量剤としてのシ カ、炭酸カルシウム等の体質顔料、柔軟性 与剤として高分子エラストマーを配合する とができ、あるいは粘度調整剤、カップリ グ剤等の添加剤も配合することができる。 の添加率は、求められる特性に応じて適宜 定される。

 また、本発明の難燃性接着剤樹脂組成物 、メチルエチルケトン、ジメチルホルムア ド、2-エトキシエタノール等の有機溶剤に 解又は分散した接着剤樹脂溶液として使用 供される。その場合の固形分濃度は、使用 件によって適宜選定されるが、20~60重量%と るのが一般的である。なお、溶剤は本発明 難燃性接着剤樹脂組成物を構成する成分で なく、難燃性接着剤樹脂組成物を溶液とす ために使用される成分と理解される。した って、難燃性接着剤樹脂組成物中への各成 の配合量の計算に当たっては、溶剤は計算 ら除外される。

 本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、フ ルム状に成形して用いることができる。こ 場合、公知の方法を用いてフィルム化する とが可能であるが、好適な成形方法の例と ては、難燃性接着剤樹脂組成物をメチルエ ルケトン等の有機溶剤で希釈して溶液状に た後、得られた接着剤樹脂溶液を、表面が 離処理された金属箔、ポリエステルフィル 、ポリイミドフィルム等の基材上に公知の 法により塗工し、溶剤を蒸発させてタック リー化し、且つ接着剤樹脂層を構成する組 物が硬化反応しない温度、時間条件で乾燥 て、接着剤フィルム層を形成し、これを基 より剥離して、難燃性接着剤フィルムとす 。この乾燥条件は、使用する溶剤や樹脂組 物によって変化するが、一般的には130~160℃ 、3~10分の温度、時間範囲が選定される。ま 、ポリエステル等の離型フィルムと難燃性 着剤フィルムの層よりなるボンディングシ トとする場合には、離型フィルムと難燃性 着剤フィルムの層の厚みの比は、特に限定 れないが、離型フィルム厚み10~15μmのとき、 難燃性接着剤フィルム厚み15~30μmの範囲のも が好適に利用できる。

 本発明の難燃性接着剤フィルムの使用方 としては、例えば、フレキシブルプリント 線基板、ガラス繊維-エポキシ配線基板、紙 -フェノール配線基板又はこれらを回路加工 て得られる各種プリント配線板、金属、樹 基材等の被接着物の接着に適する。金属箔 樹脂基材を接着することによりプリント配 基板を得ることができ、プリント配線基板 はプリント配線板同士を接着させることに り多層のプリント配線基板又はプリント配 板を得ることができる。プリント配線板と バーレイを接着させることにより、カバー イ付き、プリント配線板を得ることができ 。その他、プリント配線基板又はプリント 線板の接続用接着剤フィルムとしても使用 きる。いずれにしても、プリント基板の製 又は加工の工程に有利に使用される。

 また、基材樹脂フィルムの片面又は両面 本発明の難燃性接着剤樹脂組成物の層を設 て、これを接着剤フィルムとすることがで る。ここで、基材樹脂フィルムとしてはポ イミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フ ルム等がある。また、基材樹脂フィルムの 燃性接着剤樹脂組成物の層と接する面を剥 処理したものとすることもできる。片面に 燃性接着剤樹脂組成物の層を設けた接着剤 ィルムとしては、カバーレイフィルムがあ 。基材樹脂フィルムの表面を剥離処理した 着剤フィルムとしては、ボンディングシー がある。

 ボンディングシートは、ポリエステルフ ルム等の表面が剥離された樹脂フィルムに 着剤樹脂層を設けることにより得られる。 リエステル等の剥離処理フィルム及び接着 フィルム層よりなるボンディングシートと て使用する場合には、剥離処理フィルムと 着剤フィルム層の厚みの比は、特に限定さ ないが、剥離処理フィルム厚12.5μmのとき、 接着剤層15~30μmを設けたものが好適に利用で る。

 本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、カ ーレイフィルムの接着剤層に適用すること できる。その場合、カバーレイフィルムは リイミドフィルム及び前記の接着剤樹脂組 物より形成されるが、本発明のカバーレイ ィルムを形成する方法としては、従来の方 を用いてフィルム化することが可能である 好適な成形方法の例としては、上記接着剤 脂組成物をメチルエチルケトン等の有機溶 で希釈して溶液状にした後、得られた溶液 ポリイミドフィルム上に塗工し、溶剤を蒸 させてタックフリー化し、かつ接着剤層を 成する接着剤樹脂組成物は硬化反応しない 度、時間条件で乾燥して、カバーレイフィ ムとする方法がある。ポリイミドフィルム 2~200μmの厚さ、好ましくは5~100μm、更に好ま しくは10~50μmの厚さでコーティングした後、 燥する。この乾燥条件は、使用する溶剤や 脂組成物によって変化するが、一般的には1 30~160℃、3~10分の温度、時間範囲が選定され 。また、ポリイミドフィルムは耐熱性及び 燃性を増すために必要であり、このポリイ ドフィルムの厚さは、必要に応じて適切な さのものを使用すればよいが、好ましくは3~ 50μm、より好ましくは5~30μmがよい。ポリイミ ドフィルムと接着剤層の厚みの比は、限定さ れないが、フィルム厚12.5μmのとき接着剤層15 ~20μm、フィルム厚25μmのとき接着剤層25~35μm 各々設けたカバーレイフィルムが一般的で る。

 次に、合成例、実施例及び比較例により 発明を具体的に説明する。難燃性接着剤樹 組成物(接着剤樹脂組成物という)の硬化物 性及びFPC用材料特性であるカバーレイフィ ム及びボンディングシートの特性評価方法 、以下の通りである。

1. Bステージ物性
1.1 ガラス転移温度(Tg)
 接着剤樹脂組成物をメチルエチルケトン溶 に溶解して35重量%接着剤溶液とした後、縦 横×厚さ=50×150×1mmのフッ素樹脂シート上に 布し、135℃で5分間乾燥して溶剤を蒸発させ 硬化反応前のフィルム(Bステージ状態組成 のフィルム)を調製した。この試料の温度分 tanδ曲線を動的粘弾性測定装置(セイコーイ スツルメント社製DMS-6100)を用い、周波数10Hz 、温度範囲-150~200℃、昇温速度2℃/分の条件 測定し、得られた温度-tanδ曲線のピーク温 をガラス転移温度(Tg)とした。

1.2 耐割れ性及び耐ハガレ性
 上記35重量%接着剤溶液を、縦×横×厚さ=200mm ×300mm×25μmのポリイミドフィルム(株式会社カ ネカ製、アピカルNPI)の片面に接着剤溶液を 布し、135℃で5分間乾燥を行い、接着剤層厚 25μmのカバーレイフィルムを調製後、カバ レイフィルムの接着剤塗布面が内側になる うに、指でカバーレイフィルムを折り曲げ 時、接着剤層に割れ、ハガレが発生するか うかを目視観察した。判定は、割れ、ハガ の発生が認められた場合を「不可」、割れ ハガレの発生が認められない場合を「良」 した。

2. 硬化物特性
2.1 ガラス転移温度(Tg)
 上記35重量%接着剤溶液を、縦×横×厚さ=50×1 50×1mmのフッ素樹脂シート上に塗布し、135℃ 5分間乾燥して溶剤を蒸発後、接着剤塗布面 同一形状の別のフッ素樹脂シートを重ね、1 70℃で1時間、真空加熱プレスを行った後、190 ℃で2時間、後硬化を行って、試料となる接 剤硬化物フィルムを調製した。この試料の 度分散tanδ曲線を動的粘弾性測定装置(セイ ーインスツルメント社製DMS-6100)を用い、周 数10Hz、温度範囲-150~200℃、昇温速度2℃/分の 条件で測定し、得られた温度-tanδ曲線のピー ク温度をガラス転移温度(Tg)とした。

3. FPC用材料特性及びカバーレイフィルム特
3.1 耐燃性
 上記35重量%接着剤溶液を、縦×横×厚さ=200mm ×300mm×25μmのポリイミドフィルム(株式会社カ ネカ製、アピカルNPI)の片面に接着剤溶液を 布し、135℃で5分間乾燥を行い、接着剤層厚 25μmのカバーレイフィルムを調製後、JPCA-BM0 2-1991の7.7記載の寸法に切り取った2枚のカバ レイフィルムを接着剤面で貼り合わせ、そ 後、170℃で1時間、加熱プレスを行い、その 190℃で2時間、後硬化を行って試料調製を行 った。続いて、JPCA-BM02-1991の7.7の手順に従っ 耐燃性試験耐燃性測定を行い、UL規格94の判 定基準である、「VTM-0」、「耐燃性なし」の2 水準で耐燃性を判定した。「VTM-0」は耐燃性 あることを意味する。

3.2 引きはがし強さ
 上記と同じ条件でカバーレイフィルムを調 後、銅張積層板(新日鐵化学株式会社製、エ スパネックスMC-12-25-00CEM)と加熱プレスにより 、テストピースを作製した。テストピース作 製時における接着剤樹脂組成物の熱硬化条件 は前記同様、170℃で1時間の加熱プレス後、19 0℃で2時間の後硬化とした。作製したテスト ースをJPCA-BM02-1991の7.5引きはがし強さに従 てテストピースの作製及び引き剥がし強さ 測定した。

3.3 はんだ耐熱性(外観)
 上記と同じ条件でカバーレイフィルムを調 後、JPCA-BM02-1991-7.9はんだ耐熱性(外観)に従 てテストピースの作製及びはんだ耐熱性試 を実施した。テストピース作製時における 着剤樹脂組成物の熱硬化条件は前記同様、17 0℃で1時間の加熱プレス後、190℃で2時間の後 硬化とした。このテストピースを105℃で1時 乾燥させた後、260℃に設定した半田浴中に5 間浮かせて、その接着状態を観察した。判 は、発泡、膨れ、剥離等の不具合の有無を 認し、不具合が認められない場合を「良」 不具合が認められる場合を「不可」とした

3.4 耐折性
 上記と同じ条件でカバーレイフィルムを調 後、銅張積層板(新日鐵化学株式会社製、MC1 2-25-00CEM)を用いて、JPCA-BM02-1991-7.6.1のA法耐折 試験に従って、テストピースの作製及び耐 性試験を実施した。硬化条件は、同様に170 、1時間のカバーレイフィルムの加熱プレス 後、190℃、2時間の後硬化とした。曲率半径 0.38mmとした。判定は、テストピースの銅回 が断線し、通電不能になるまでの屈曲回数 測定した。判定は、断線までの屈曲回数が10 00回以下の場合は「不可」、1000~3000回の場合 「可」、3000回以上の場合は「良」とした。

3.5 接着剤樹脂組成物のフロー
 上記と同じ条件でカバーレイフィルムを調 後、JPCA-BM02-1991-7.10に従ってテストピースの 作製及びフロー試験を実施した。判定は、接 着剤樹脂組成物が染み出した長さを測定した 。

3.6 耐マイグレーション性
 上記と同じ条件でカバーレイフィルムを調 後、回路のライン/スペースが100μm/200μmと るように銅張積層板の銅箔をエッチング加 した櫛型回路パターンにカバーレイフィル を、170℃で1時間、加熱プレス後、190℃で2時 間、後硬化させ試料を調製した。同試料を85 ―85RH%に温湿度調節した恒温恒湿槽中に入 、試料中の櫛型回路に直流50Vを500時間通電 た後、試料を取り出し、櫛型回路とその周 を顕微鏡観察した。判定は、デンドライト 生が認められた場合は「不可」、認められ かった場合は「良」と判定した。

4.ボンディングシート特性
4.1 耐燃性
 上記35重量%接着剤溶液を、縦×横×厚さ=200mm ×300mm×25μmのポリエステル剥離フィルムの片 に接着剤溶液を塗布し、135℃で5分間乾燥を 行い、厚さ25μmのボンディングシートを調製 、170℃で1時間の前硬化、その後190℃で2時 、後硬化を行って試料調製を行った。続い 、JIS C 6471の手順に従って耐燃性試験を行 、UL規格94の判定基準である、「V-0」、「耐 性なし」の2水準で耐燃性を判定した。「V-0 」は耐燃性があることを意味する。

4.2 引きはがし強さ
 上記と同じ条件でボンディングシートを調 後、ボンディングシートをはく離フィルム らはがした後、縦×横×厚さ=200mm×300mm×25μm 銅箔を2枚用意し、それぞれの銅箔における 光沢面の間に挟み、170℃で1時間加熱プレス 行った後、190℃で2時間、後硬化を行って試 を作製、引きはがし強さを、JIS C 6471に従 て測定した。

4.3 スルーホールメッキ導通性
 上記と同じ条件でボンディングシートを調 後、ボンディングシートをはく離フィルム らはがした、170℃で1時間の前硬化、190℃で 2時間の後硬化を行い硬化シートを調製した この硬化シートにドリリングによって直径0. 3mmのスルーホールを開け、同ホールの内側に 無電解銅メッキ法にて、20~25μmの銅メッキ層 形成し、試料とした。試料に-40℃・15分、15 0℃・15分の冷熱サイクル暴露を施し、導通不 良を生じるまでのサイクル数を測定した。判 定は、500サイクル以下を「不可」、500~2000サ クルを「可」、2000サイクル以上を「良」と した。

合成例1
 下記式(11)で示される10-(2,5-ジヒドロキシフ ニル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレ ―10H―9―オキサイド(三光化学社製、HCA-HQ 水酸基当量162g/eq、リン含有量9.5重量%)を162 、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成 社製、YD-8125、エポキシ当量171.6g/eq)を175部、 クロヘキサノンを144部、触媒として、2-エ ル―4―メチルイミダゾール(四国化成工業社 製、2E4MZ)0.13部を攪拌装置、温度計、冷却管 窒素ガス導入装置を備えた4つ口のガラス製 パラブルフラスコに仕込み、常圧、150℃~170 ℃の温度で5時間反応させた後、シクロヘキ ノン156部、N,N-ジメチルホルムアミド300部を えて、リン含有フェノキシ樹脂Aの固形分濃 度36重量%の溶液937部を得た。本樹脂溶液をポ リエステル離型フィルムの上に塗工後、165℃ で5分間乾燥して溶剤を蒸発させ、リン含有 4.6重量%のリン含有フェノキシ樹脂Aを得た。

 カラムとしてShodex AD-800P+TSKgelSuperHM-H+Super HM-H+SuperH2000を、溶離液としてN,N-ジメチルホ ムアミド(20mM臭化リチウム含有品)を使用し リン含有フェノキシ樹脂AのGPC分析を行った 果、同樹脂の標準ポリエチレンオキサイド 算重量平均分子量は、39,200であった。

合成例2
 反応時間を5時間から8時間に変更した以外 、合成例1と同様の条件でリン含有フェノキ 樹脂の合成を行い、リン含有率4.6重量%のリ ン含有フェノキシ樹脂Bを得た。標準ポリエ レンオキサイド換算重量平均分子量は、80,60 0であった。

 接着剤樹脂組成物を調製するために使用し 各成分の略号を次に示す。
YD-128:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化 成社製)
YDF-170:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都 成社製)
YD-011:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化 成社製)
BRG-555:ノボラック型フェノール樹脂(昭和高分 子社製)
DICY:ジシアンジアミド(日本カーバイト工業社 製)
DADPS:ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精 工業社製)
樹脂A:合成例1のリン含有フェノキシ樹脂A
樹脂B:合成例2のリン含有フェノキシ樹脂B
YP-50SC:フェノキシ樹脂(東都化成社製)
1072T:アクリロニトリルブタジエンゴム(日本 オン社製)
SPE-100:シクロフェノキシホスファゼン(大塚化 学社製)
2E4MZ:2-エチル-4-メチルイミダゾール(四国化成 工業社製)

 エポキシ樹脂のGPC分析は以下の条件で行っ 。
装置;東ソー社製HLC-8120GPC
カラム;東ソー社製、TSK-GEL:SUPER HZ2000×1、SUPER  HZ3000×1、SUPER HZ4000×1
カラム温度;40℃
移動相;テトラヒドロフランTHF
流量;0.35ml/min
検出器;組み込み型 
試料濃度;0.03g/THF10ml 
m=0体の含有量は、得られたGPCクロマトグラフ から得られるm=0体のピークの面積を全成分の ピーク面積で除した面積%を含有量(%)とした
YD-128は、重合度m=0体の含有量は82%であった。
YDF-170は、重合度m=0体の含有量は78%であった

実施例1~8
 表1、2記載の割合(重量%)で各成分を配合し 接着剤を調製した。この接着剤について、 化物特性、FPC用材料特性(カバーレイ特性、 ンディングシート特性)を評価した。結果を 表1、2に示す。いずれも優れた特性を示すこ を確認した。

比較例1~7
 表3、4記載の割合で各成分を配合して接着 を調製した。この接着剤について、硬化物 性、FPC用材料特性等を評価した。結果を表3 4に示す。比較例1~5においては、Bステージ ガラス転移温度が高く、耐割れ性が不可で った。比較例5においては、カバーレイフィ ム特性における耐マイグレーション性、ボ ディングシート特性におけるスルーホール ッキ導通信頼性が不可であった。比較例6及 び7においては、硬化後におけるガラス転移 度が低く、カバーレイフィルム特性におけ 半田耐熱性及び耐マイグレーション性、並 にボンディングシート特性におけるスルー ールメッキ導通信頼性が不可であった。

 表中、YD-128、YDF-170、YD-011はエポキシ樹脂 であり、BRG-555、DICY、DADPSは硬化剤であり、 脂A、樹脂B、YP-50SCはフェノキシ樹脂であり SPE-100は有機リン化合物であり、2E4MZは硬化 進剤である。



産業上の利用の可能性

 本発明の接着剤樹脂組成物及びそれを用 た接着剤フィルム、ボンディングシート及 カバーレイフィルムは非ハロゲン且つ難燃 であるため環境問題対策に有効である上、 折性、耐マイグレーション性及びスルーホ ルメッキ導通信頼性等のFPC特性にも優れる