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Title:
FLUX-INCLUDING SOLDER WIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041401
Kind Code:
A1
Abstract:
A solder wire free of the problem of deterioration of the flux due to oxidation or water absorption and contrived so that the flux and solder are efficiently prevented from scattering because of abrupt heat application during soldering. The flux-including solder wire of the invention comprises a tubular outer shell formed of a solder alloy and a linear core formed of soldering flux. The tubular outer shell has at least one groove open to the outside and extending in the longitudinal direction. The flux-including solder wire is characterized in that the flux linear core is embedded in the tubular outer shell and is not exposed. A small-sized cutter of the invention is used for forming a cut along the groove of the flux-including solder wire to deepen the groove and thereby to expose the soldering flux.

Inventors:
KITANO MASAICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067124
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KITANO MASAICHI (JP)
International Classes:
B23K35/14; B23K3/06; B23K35/40
Foreign References:
JPS4934451A1974-03-29
JPH0489197A1992-03-23
JPS5365241A1978-06-10
JP2001150130A2001-06-05
JP2007290026A2007-11-08
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Junzo (Akasaka Habitation Building3-5, Akasaka 1-chom, Minato-ku Tokyo 52, JP)
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Claims:
 半田合金により形成されたチューブ状外殻と半田用フラックスにより形成された線状コアとを含むフラックス内包糸半田であって、
 該チューブ状外殻は、その外側にあいた、長手方向に延びる少なくとも1本の溝を有しており、該フラックス線状コアは該チューブ状外殻に埋設されたままで露呈されていない、ことを特徴とするフラックス内包糸半田。
 直径が0.1mm~3mmであり、該外殻の壁厚が、該少なくとも1本の溝の深さが、少なくとも0.05mmであり、該フラックス線状コアと該少なくとも1本の溝の底部との間の距離が、少なくとも0.01mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の糸半田。
 包装されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の糸半田。
 リールに巻き取られている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の糸半田。
 フラックス内包糸半田に含まれているフラックスを露呈させるための小型切込み器であって、
 フラックス内包糸半田のための誘導路を有する糸半田ガイド、及び
 フラックス内包糸半田に切込みを入れるための少なくとも1つの切込み刃
を含み、
 該フラックス内包糸半田が、半田合金により形成されたチューブ状外殻と半田用フラックスにより形成された線状コアとを含み、該チューブ状外殻は、その外側にあいた、長手方向に延びる少なくとも1本の溝を有しており、該フラックス線状コアは該チューブ状外殻に埋設されたままで露呈されていない、ことを特徴とするフラックス内包糸半田であって、
 該小型切込み器の使用時に、該フラックス内包糸半田を、該糸半田ガイドの誘導路に沿って該糸半田の軸方向に移動させながら、フラックス内包糸半田の該少なくとも1本の溝に沿って切込みを入れ、溝を深くして、それにより半田用フラックスを露呈させる、ことを特徴とする小型切込み器。
 動力源を有しない手動操作型である、ことを特徴とする請求項5に記載の小型切込み器。
 該糸半田ガイドが、ガイドローラーであって、周囲の筒状表面に、ガイドローラーの回転方向に延びる該誘導路としての溝を有する、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の小型切込み器。
 該切込み刃が、ローラー刃である、ことを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の小型切込み器。
Description:
フラックス内包糸半田

 本発明は、フラックス内包糸半田に関す 。更に詳細には、本発明は、半田合金によ 形成されたチューブ状外殻と半田用フラッ スにより形成された線状コアとを含むフラ クス内包糸半田であって、該チューブ状外 は、その外側にあいた、長手方向に延びる なくとも1本の溝を有しており、該フラック ス線状コアは該チューブ状外殻に埋設された ままで露呈されていない、ことを特徴とする フラックス内包糸半田に関する。本発明のフ ラックス内包糸半田は、その表面に長手方向 に延びる溝が設けられているが、この溝はフ ラックスまで達してないため、半田付け作業 の前にフラックスが酸化や水分吸収などによ り劣化することを防止することができるのみ ならず、半田付け作業時に、従来と比較して 格段に簡単な装置及び/又は作業によって(例 ば、糸半田を手で捻ることなどによって)、 上記の溝に沿ってフラックスを露呈させる切 込みを入れることができ、それによって、半 田付け作業時の急激な加熱によるフラックス 及び半田の飛散を防止することができる。更 に、本発明の糸半田は、フラックスを露呈さ せる切込みを入れるフラックス露呈工程を行 う際に、従来のような出力の大きい動力源を 備えた比較的大型の装置を必要としないため に、フラックス露呈工程を含まない既存の自 動半田付けラインへのフラックス露呈工程の 導入が容易であるのみならず、糸半田のみ、 若しくは、糸半田と、フラックスを露呈させ るための非常に簡単で小型の切込み器とを携 帯し、所望の場所でフラックス露呈工程を含 む半田付け作業を行うことができる。また、 本発明は、上記のようなフラックス内包糸半 田の使用時に、フラックスを露呈させるため に使用できる小型切込み器にも関する。

 糸半田は、例えば、電子部品等の半田付 などに使用され、該糸半田を、半田ごての て先に順次供給することによって半田付け 行う。通常、糸半田には、「フラックス」 称される樹脂組成物が内包されている。フ ックスの役割は、半田付け箇所の酸化膜の 去、半田付け箇所や溶融半田の酸化防止、 田の濡れ性の向上などである。しかし、従 のフラックス内包糸半田は、半田付けに際 て該糸半田を急激に加熱して溶融すると、 部のフラックスが沸騰して爆発的にはじけ 該フラックスや溶融した半田粒が周囲に飛 して製品を汚染したり、不良品を発生させ のみならず、作業員に火傷を負わせる危険 があるなどの問題があった。

 特に、近年、環境問題の観点から主流に っている鉛フリー半田は、上記の問題が顕 である。鉛フリー半田は、通常、錫を主成 とする合金で形成され、旧来の錫-鉛系半田 より融点が高いため、必然的に作業温度が高 くなる。このため、フラックスを内包してい る鉛フリー半田の場合、半田付け作業をする と、作業温度が高くなった分、半田付け時に フラックス成分が分解され易く、瞬間的な気 化によりフラックスと溶融半田粒の飛散が生 じ易い。飛散フラックスや飛散半田粒が多く なれば、上記した製品の汚染やそれに伴う不 良品の発生、更には火傷の危険性などの問題 がより深刻になる。

 このため従来では、糸半田の表面に、その 手方向に沿って噴気の逃げ道となる切り込 を入れるということが行われている。しか 、糸半田に切込みを入れてフラックスを露 させてしまうと、吸水、酸化などにより該 ラックスの劣化が進み、フラックスや溶融 田粒の飛散が増加したり、半田の濡れ性が 下するなどの問題が発生する。従って、通 、半田付け作業の直前に、専用の溝入れ加 装置を使用して、必要量だけの糸半田に切 込みを入れるという方法が採用されている( 例えば、日本国実開平3-101363号公報(特許文献 1)、日本国実開平7-33457号公報(特許文献2)、日 本国特開平8-281469号公報(特許文献3)、特開平1 1-332310号公報(特許文献4)、特開2001-150130号公 (特許文献5)、特開2003-023114号公報(特許文献6) 、及び特開2003-200290号公報(特許文献7)等参照) 。しかし、ロボット等による自動半田付けで は、溝入れ加工供給装置に加工のための動力 供給源として、制御用モータを使用するが、 溝入れ加工に必要な動力を得る必要性から、 モータ小型化に限界があり、比較的大きな装 置が必要になってしまう。更には、既に自動 半田付け機として稼動している糸半田供給装 置のモータは、通常、溝入れ加工に必要な動 力をも更に供給することはできない。そのた めフラックス及び溶融半田粒の飛散を防止す るためには、既存の設備を改造することが必 要になるが、そのような改造を行うと、糸半 田供給装置と自動運転制御用コントローラな どを一新することになり、費用がかかり、廃 棄物も増える。

実開平3-101363号公報

実開平7-33457号公報

特開平8-281469号公報

特開平11-332310号公報

特開2001-150130号公報

特開2003-023114号公報

特開2003-200290号公報

 酸化や水分吸収などによるフラックスの 化の問題が無く、且つ半田付け作業時の急 な加熱によるフラックス及び半田の飛散を 率的に防止することができる糸半田の開発 望まれていた。

 このような状況下、本発明者が上記課題 解決するために鋭意研究を行なった結果、 田合金により形成されたチューブ状外殻と 田用フラックスにより形成された線状コア を含むフラックス内包糸半田であって、該 ューブ状外殻は、その外側にあいた、長手 向に延びる少なくとも1本の溝を有しており 、該フラックス線状コアは該チューブ状外殻 に埋設されたままで露呈されていない、こと を特徴とするフラックス内包糸半田により上 記課題を解決できることを見出した。この知 見に基づき、本発明を完成した。

 本発明の上記及びその他の諸目的、諸特 並びに諸利益は、添付の図面を参照しなが 述べる以下の詳細な説明及び請求の範囲の 載から明らかになる。

 本発明のフラックス内包糸半田は、その 面に長手方向に延びる溝が設けられている 、この溝はフラックスまで達してないため 半田付け作業の前にフラックスが酸化や水 吸収などにより劣化することを防止するこ ができるのみならず、半田付け作業時に、 来と比較して格段に簡単な装置及び/又は作 業によって(例えば、糸半田を手で捻ること よって)、上記の溝に沿ってフラックスまで する切込みを入れることができ、それによ て、半田付け作業時の急激な加熱によるフ ックス及び半田の飛散を防止することがで る。更に、本発明の糸半田は、フラックス 露呈させる切込みを入れるフラックス露呈 程を行う際に、従来のような出力の大きい 力源を備えた比較的大型の装置を必要とし いために、フラックス露呈工程を含まない 存の自動半田付けラインへのフラックス露 工程の導入が容易であるのみならず、糸半 のみ、若しくは、糸半田と、フラックスを 呈させるための非常に簡単で小型の切込み とを携帯し、所望の場所でフラックス露呈 程を含む半田付け作業を行うことができる

(a)は、溝入れ加工を施していない従来 フラックス内包糸半田の斜視図であり、(b) 、該糸半田の、その軸に垂直な方向に切っ 断面図である。 従来の方法でフラックスを露呈させる を形成したフラックス内包糸半田の、その に垂直な方向に切った断面図である。 本発明の溝入りフラックス内包糸半田 1つの態様の、その軸に垂直な方向に切った 断面図である。 (a)は、本発明の溝入りフラックス内包 半田の他の1つの態様を示す斜視図であり、 (b)は、該糸半田の、その軸に垂直な方向に切 った断面図である。 (a)は、図4のフラックス内包糸半田のフ ラックスを露呈させた状態を示す斜視図であ り、(b)は、該糸半田の、その軸に垂直な方向 に切った断面図である。 リールに巻き取った状態の本発明の溝 りフラックス内包糸半田の斜視図である。 (a)は、棒状の本発明のフラックス内包 半田を1本、包装してなる包装品を示す斜視 図であり、(b)は、該糸半田の軸に垂直な方向 に切ったその断面図である。 図7に示す包装品を複数並べて連結した ものを示す斜視図である。 本発明のフラックス内包糸半田の製造 使用することができる、溝入れ装置の一例 示す説明図である。 (a)~(j)は、本発明のフラックス内包糸 田の製造に使用することができる、溝入れ の刃先の例を示す断面図である。 (a)は、本発明の溝入りフラックス内包 糸半田のフラックスを露呈させるための小型 切込み器の一つの態様を示す説明図であり、 (b)は、図11(a)のA-A線に沿った断面図であり、( c)は、図11(b)の断面図の拡大図である。 本発明の溝入りフラックス内包糸半田 のフラックスを露呈させるための小型切込み 器の他の一つの態様を示す図である。 図6に示す本発明のフラックス内包糸 田を巻き取ったリールと図12に示す小型切込 み器とを組み込んでなるリールスタンドの正 面図である。 図13に示すリールスタンドの側面図で る。

符号の説明

1  糸半田
2  半田合金で形成されてなるチューブ状外
3  フラックスで形成されてなる線状コア
4  線状コアを形成するフラックスを露呈さ た溝
4’ 溝底部におけるフラックス露呈部分
5  線状コアまで達しない溝(いわゆる半溝)
5’ 線状コアを形成するフラックスを露呈さ せた溝
6  チューブ状外殻薄肉部
7  リール
8  包装具
9  連結包装具
10 切り離し用ミシン目
11 溝入れ装置
12 溝入れ刃
13 溝入れガイドローラ
14 溝入れ加工用動力モータ
15 フラックス露呈糸半田自動供給装置
16a 糸半田導入ゲート
16b 半溝5に挿入する糸半田誘導板
17 フラックス露呈用切込み刃
18 フラックス露呈用ガイドローラ
19 フラックス露呈糸半田排出ノズル
20 フラックス露呈用小型切込み器
21 フラックス露呈用小型切込み器のケーシ グ
22 リールスタンド
23 フラックス露呈用小型切込み器固定用サ ート
d  溝5の深さ
t 1   外殻2の厚み
t 2   溝5の底部と、フラックス線状コア3との距 離
W  溝入れ刃12と溝入れガイドローラ13の軸間 距離

 本発明によれば、半田合金により形成さ たチューブ状外殻と半田用フラックスによ 形成された線状コアとを含むフラックス内 糸半田であって、該チューブ状外殻は、そ 外側にあいた、長手方向に延びる少なくと 1本の溝を有しており、該フラックス線状コ アは該チューブ状外殻に埋設されたままで露 呈されていない、ことを特徴とするフラック ス内包糸半田が提供される。

 次に、本発明の理解を容易にするために 本発明の基本的特徴及び好ましい諸態様を 挙する。

1.半田合金により形成されたチューブ状外殻 半田用フラックスにより形成された線状コ とを含むフラックス内包糸半田であって、
 該チューブ状外殻は、その外側にあいた、 手方向に延びる少なくとも1本の溝を有して おり、該フラックス線状コアは該チューブ状 外殻に埋設されたままで露呈されていない、 ことを特徴とするフラックス内包糸半田。

2.直径が0.1mm~3mmであり、該外殻の壁厚が、 少なくとも1本の溝の深さが、少なくとも0.0 5mmであり、該フラックス線状コアと該少なく とも1本の溝の底部との間の距離が、少なく も0.01mmである、ことを特徴とする前項1に記 の糸半田。

3.包装されている、ことを特徴とする前項1 又は2に記載の糸半田。

4.リールに巻き取られている、ことを特徴 する前項1~3のいずれかに記載の糸半田。

5.フラックス内包糸半田に含まれているフラ クスを露呈させるための小型切込み器であ て、
 フラックス内包糸半田のための誘導路を有 る糸半田ガイド、及び
 フラックス内包糸半田に切込みを入れるた の少なくとも1つの切込み刃
を含み、
 該フラックス内包糸半田が、半田合金によ 形成されたチューブ状外殻と半田用フラッ スにより形成された線状コアとを含み、該 ューブ状外殻は、その外側にあいた、長手 向に延びる少なくとも1本の溝を有しており 、該フラックス線状コアは該チューブ状外殻 に埋設されたままで露呈されていない、こと を特徴とするフラックス内包糸半田であって 、
 該小型切込み器の使用時に、該フラックス 包糸半田を、該糸半田ガイドの誘導路に沿 て該糸半田の軸方向に移動させながら、フ ックス内包糸半田の該少なくとも1本の溝に 沿って切込みを入れ、溝を深くして、それに より半田用フラックスを露呈させる、ことを 特徴とする小型切込み器。

6.動力源を有しない手動操作型である、こ を特徴とする前項5に記載の小型切込み器。

7.該糸半田ガイドが、ガイドローラーであ て、周囲の筒状表面に、ガイドローラーの 転方向に延びる該誘導路としての溝を有す 、ことを特徴とする前項5又は6に記載の小 切込み器。

8.該切込み刃が、ローラー刃である、こと 特徴とする前項5~7のいずれかに記載の小型 込み器。

 以下、本発明について添付の図面に参照 て詳細に説明する。

 図1(a)は、溝入れ加工を施していない従来 のフラックス内包糸半田の斜視図であり、図 1(b)は、該糸半田の、その軸に垂直な方向に った断面図である。また、図2は、従来の方 でフラックスを露呈させるための溝を形成 たフラックス内包糸半田の、その軸に垂直 方向に切った断面図である。図1に示すよう なフラックス内包糸半田を、そのままの状態 で使用して半田付けを行うと、急激な加熱に より、内部のフラックスが沸騰して爆発的に はじけ、該フラックスや溶融した半田が周囲 に飛散して製品を汚染したり、不良品を発生 させるのみならず、作業員に火傷を負わせる 危険性がある。従って、上記したように、半 田付け作業の直前に、特許文献1~7に記載のよ うな専用の溝入れ加工装置を使用して、必要 量だけの糸半田にフラックスを露呈させるた めの溝4を形成する方法が採用されていた。 かし、そのような方法の場合には、溝4を形 するために必要な動力を供給するためモー などの動力源を有する専用の装置が必要に る。

 これに対して本発明の糸半田は、フラッ スを露呈させない溝が形成されてなるフラ クス内包糸半田である(以後、屡々「半溝式 糸半田」と称す)。本発明の半溝式糸半田の 例を図3に示す。図3は、本発明のフラックス 内包糸半田の1つの態様の、その軸に垂直な 向に切った断面図である。また、図4(a)は、 発明のフラックス内包糸半田の他の1つの態 様の斜視図であり、図4(b)は、該糸半田の、 の軸に垂直な方向に切った断面図である。

 より具体的には、本発明の半溝式糸半田 、半田合金により形成されたチューブ状外 2と半田用フラックスにより形成された線状 コア3とを含み、該チューブ状外殻2は、その 側にあいた、長手方向に延びる少なくとも1 本の溝5を有しており、該フラックス線状コ 3は該チューブ状外殻に埋設されたままで露 されていない、ことを特徴とするフラック 内包糸半田である。

 本発明の半溝式糸半田は、図1に示すよう な従来の糸半田のチューブ状外殻2の外表面 、その長手方向に延びる少なくとも1本の溝5 を、フラックスが露呈しないように形成する ことにより製造することができる。従来の溝 入れ加工をしていないフラックス内包糸半田 は、通常、図1(b)に示すように、糸半田の外 とフラックスで形成されたコアの外周とが 心円になるような断面構造を有している。 1に示すような溝入れ加工をしていないフラ クス内包糸半田は、公知の方法で製造する とができる。公知の製造方法の代表例とし は、半田合金から連続鋳造若しくは普通造 で直径50mm程度のインゴットを製造し、該イ ンゴットを割りダイスで2つに割って、フラ クス導入管から中心にフラックスを入れ、 れを押出シリンダーで押して合わせて直径9m m又は12mm程度の棒ハンダ(原線はんだ)に加工 、これを伸線機によって直径を絞ることに って製造する方法が挙げられる。

 溝5の形成は、図3に示すように、フラッ ス線状コア3の断面形状を円形に保った状態 、フラックス線状コア3に達しない深さにな るようにして形成しても良いし、図4に示す うに、溝5の底部が、フラックス線状コア3に 喰い込んで、フラックス線状コア3の断面が 形するように形成しても良い。後者の場合 図4に示す如く、チューブ状外殻2の半田合金 がフラックス線状コア3内に延伸して喰い込 ことによりフラックス線状コア3が変形する うにことが好ましい。この場合の加工方法 、以後「コア変形加工」と称し、この加工 よって得られる糸半田を「コア変形加工品 と称する。このコア変形加工品の場合、図5 に示すように該フラックスを露呈させた際に 、該半田合金外殻2の断面が、下方向に向い 2本のつのを有するような形状になる。この ア変形加工品とすることで、半田付け作業 のフラックス及び半田の飛散を防止する効 がより顕著になるのみならず、溝5に沿って フラックスを露呈させる切込みを入れる際に 、フラックスの散逸を防止することができる 。即ち、図2に示すような従来のフラックス 呈溝4を有するフラックス内包糸半田の場合 、溝入れ加工時に、溝入れ用の切込み刃に ラックスが付着して散逸し、製品や周囲の 境を汚染し、作業性や製品の信頼性の低下 招くという問題があったが、上記の「コア 形加工品」により、この問題を解決するこ ができる。

 本発明においては、該フラックス線状コア3 と該少なくとも1本の溝5の底部との間の距離 、少なくとも0.01mmであることが好ましく、0 .01~0.1mmであることがより好ましく、0.01~0.04mm あることが更に好ましく、0.02~0.03mmである とが特に好ましい。ここで該フラックス線 コア3と該少なくとも1本の溝5の底部との間 距離とは、図3及び図4(b)に示すような糸半田 の長手方向に垂直な断面において、溝5の底 と、フラックス線状コア3との最短距離(図3 び図4(b)におけるt 2 )のことを示す。該フラックス線状コア3と該 なくとも1本の溝5の底部との間の距離が、0. 01mm未満であると、半田付け施工前に糸半田 僅かに曲げただけでも、溝5の底部における ューブ状外殻の薄肉部6が破断してフラック スが露呈し、劣化してしまう恐れがある。ま た、この距離が0.1mmを超すと、半田付け作業 のフラックス露呈加工の容易性が損なわれ 恐れがある。

 本発明の半溝式糸半田の直径については に限定はないが、0.01~3mmであることが好ま く、0.3~2mmであることがより好ましく、0.5~1.6 mmであることが特に好ましい。また、フラッ ス線状コアの直径に関しても特に制限はな が、フラックス内包糸半田の直径に対して1 5~20%であることが好ましく、21~25%であること より好ましく、26~30%であることが特に好ま い。

 本発明において溝5の形成方法に関しては 、従来の溝入れ方法を使用することができる 。例えば、図3に示すように、フラックス線 コア3を円形に保った状態で、フラックス線 コア3に達しない深さになるようにして形成 する場合には、背景技術の項目で説明した特 許文献1~7に記載の装置及び方法を使用するこ とができる。例えば、図9に示すような溝入 装置11を使用することができる。図9に示す 入れ装置11は、溝入れ刃12、溝入れガイドロ ラ13及び溝入れ加工動力モータ14を含んでな る装置であって、溝入れガイドローラ13の周 の筒状表面に形成された、回転方向に延び 溝に沿って誘導されてくる糸半田1に溝入れ 刃12で溝5を形成することができる。この際、 溝入れ刃12と溝入れガイドローラ13の軸間距 Wを適宜調節することにより、糸半田1に食い 込ませる深さを調節して、溝5がフラックス 状コア3を露呈させないようにする必要があ 。

 一方、図4に示すようなコア変形加工品の 場合には、上記したような特許文献1~7に記載 の装置で製造するのは困難であり、特開2007-2 90026号公報に記載のような装置を使用するこ が望ましい。この公報は、フラックスを露 させる溝を形成するに当たり、フラックス 状コアを変形させる(例えば、図4に示すよ な変形コアにする)技術を開示している。こ 公報に記載の装置においては、特許文献1~7 記載されているような従来の溝入れ装置に 用されている溝入れ刃よりも切込み能力が い溝入れ刃を使用している。より具体的に 特開2007-290026号公報においては、刃先が、 10(a)~(i)に示すような丸みをおびた形状、台 などの断面形状を有する溝入れ刃を使用し いる。これに対して、従来の溝入れ装置に 用されている溝入れ刃は、図10(j)に示すよう な鋭利な刃先を有している。

 本発明において、溝5の深さ(図3及び図4(b) におけるd)は、通常、少なくとも0.05mmであり 好ましくは0.05~2mmであり、更に好ましくは0. 05~1.5mmである。

 また、上記の溝5の深さと糸半田1の半径 の関係については、上記の溝5の深さが、糸 田1の半径の0.2倍~1.5倍であることが好まし 。ここで、例えば、溝5の深さが糸半田1の半 径と等しい(即ち、1倍である)場合、溝5の底 は糸半田1の中心に達しており、フラックス 状コア3が、上記の「変形コア」となってい る。また、「変形コア」は、溝5の深さ(図3及 び図4(b)におけるd)が、チューブ状外殻2の厚 (図3及び図4(b)におけるt1)より大きいことを 味するが、「変形コア」の場合、溝5の深さ 、通常、チューブ状外殻2の厚みに対して1.5 倍~2.2倍であり、1.8倍~2倍であることが好まし い。

 また、溝5の本数に関しても特に制限はな く、通常、1~5本であり、好ましくは1又は2本 ある。しかし、径の細い糸半田1に溝5を複 本形成する作業は、煩雑であったり困難で ったりするので、1本で十分な効果が得られ ように、溝の幅、形状並びに深さなどを適 調節することが望ましい。

 本発明の半溝式糸半田1において、チュー ブ状外殻2を形成する半田合金としては、特 制限はなく、様々な半田合金を使用するこ ができる。従来の鉛を含む半田合金を使用 ることもできるが、現在、主流となってい 鉛を実質的に含まない所謂「鉛フリー半田 を使用することがより好ましい。鉛フリー 田とは、鉛含有率が0.1重量%以下の半田のこ を意味する。本発明で使用することができ 鉛フリー半田の例としては、特開2002-254195 公報に記載のものを挙げることができる。 り具体的には、Sn単独であるか、若しくはSn- Ag系合金、Sn-Cu系合金、Sn-In系合金、Sn-Bi系合 、Sn-Sb系合金、Sn-Zn系合金又はSn-Ni系合金な のSn合金である第一金属成分とAg、Cu、Sb、Zn 及びNiからなる群より選択された金属元素又 それらの合金である第二金属成分とを含ん なり、実質的に鉛を含まない半田合金を使 することができる。

 本発明の半溝式糸半田1において、フラッ クス線状コア3を形成する半田用フラックス 関しても、特に制限はない。通常、樹脂、 性剤、溶剤及び所望によりその他の添加剤 含有してなる組成物が使用され、樹脂とし は天然ロジン、合成ロジン、水添ロジン、 均化ロジン、マレイン酸変成ロジン、アク ル酸変成ロジン等が用いられ、活性剤とし はアミンハロゲン塩、アミン有機酸塩、有 酸、有機ハロゲン化物、アミン等が用いら ている。更に高沸点の溶剤や軟化点降下剤 防錆剤、酸化防止剤、安定剤、艶消し剤等 目的に応じて添加されていてもよい。具体 には、日本国特開平1-278091号公報、日本国特 開2001-334394号公報、及び日本国特開2007-95939号 公報などに記載のフラックスを使用すること ができる。

 また、本発明の半溝式糸半田において、 ラックスの量については、フラックスとし 機能する量であれば特に制限はないが、該 半田の、その軸に垂直な方向に切った断面 おけるチューブ状外殻2のフラックス線状コ ア3に対する面積比として、1:0.04~1:0.2である とが好ましい。また、チューブ状外殻2を形 する半田合金の線状コア3を形成するフラッ クスの重量比として、1:0.015~1:0.035であること が好ましい。

 本発明の半溝式糸半田は様々な形態で提 することができる。例えば、螺旋状に巻い 形状や棒状の形状等が挙げられる。工業レ ルで使用する場合には、図6に示すようにリ ール7に巻きつけた形で提供されることが多 。また、少量を販売する際には、数10cm~数メ ートルの長さの糸半田を直径1~2cm程度のコイ 状に巻いたものや、図7に示すように、比較 的長さが短い棒状などの形状で提供すること ができる。本発明の半溝式糸半田は、フラッ クスを露呈させる切込みを入れる際に、従来 のような出力の大きい動力源を備えた比較的 大型の装置を必要とせず、簡単な小型装置や 手でフラックスを露呈させることができる。 従って、必要量のみの比較的長さが短い棒状 の糸半田(及び所望によりフラックスを露呈 せるための非常に簡単で小型の切込み器)を 帯して、所望の場所で容易に半田付け作業 行うことができる。

 図7に示す棒状の半溝式糸半田1は、包装 8に収容されている。図7(a)に、包装具8に収 されてなる本発明の半溝式糸半田1の斜視図 示し、図7(b)に、その断面図を示す。また、 図8に示すように、切り離し可能な包装具9に 数の半溝式糸半田1を収容した形で提供して も良い。図8に示す態様においては、切り離 用ミシン目10が設けられており、必要に応じ て切り離せるようになっている。図7や図8に すような半溝式糸半田の包装品は、携帯性 優れるのみならず、保存性、管理性が向上 る。

 上記包装具8及び9の素材については特に 定はなく、プラスチックや紙等を適宜使用 ることができる。

 本発明の半溝式糸半田を使用して半田付 を行う際には、半田付け作業の直前に上記 5に沿って切込みを入れてフラックス線状コ ア3を露呈させる。例えば、図4に示す本発明 半溝式糸半田1の溝5に沿って切込みを入れ 図5に示すような状態にする。図5においては 、フラックスを露呈させた溝5’の4’で示す 分においてフラックスが露呈している。

 本発明の半溝式糸半田を使用して半田付 を行う際には、半田付け作業の直前に、フ ックス線状コア3を露呈させる。上記の特許 文献1~7に記載の装置や方法を用いる場合と比 較して、本発明の半溝式糸半田の場合、フラ ックスを露呈させる作業は非常に簡単であり 、一切道具を使用せずに手で行うことも可能 である。例えば、本発明の半溝式糸半田を、 手で捻ることにより上記の外殻薄肉部6を破 させてフラックスを露呈させることができ 。また、装置を使用する場合にも、非常に 単な装置でフラックス露呈作業を行うこと できる。そのような簡単な装置の例として 、フラックス内包糸半田のための誘導路を する糸半田ガイド、及びフラックス内包糸 田に切込みを入れるための少なくとも1つの 込み刃を含み、該小型切込み器の使用時に 該フラックス内包糸半田を、該糸半田ガイ の誘導路に沿って該糸半田の軸方向に移動 せながら、フラックス内包糸半田の該少な とも1本の溝に沿って切込みを入れ、溝を深 くして、それにより半田用フラックスを露呈 させる、ことを特徴とする小型切込み器が挙 げられる。以下、図11~14に参照して、本発明 装置について説明する。

 図11(a)は、フラックス露呈用切込み器を 部に有してなるフラックス露呈糸半田自動 給装置15の上面図である。フラックス露呈用 切込み装器の下部には、糸半田1を移送する めの動力源(図示しない)、及びフラックス露 呈用切込み装器に糸半田1を供給するための 半田送り機構(図示しない)が設けられている 。図11(a)に示すフラックス露呈用切込み器は 半溝5に挿入する糸半田誘導板16bを有する糸 半田導入ゲート16a、上記糸半田ガイドとして のガイドローラー18、該切込み刃としてロー ー刃17、及びフラックスが露呈された糸半 排出用ノズル19を有する。この装置の該糸半 田導入ゲート16a部分のA-A線に沿った断面図を 図11(b)に示し、この断面における糸半田1付近 を拡大したものを図11(c)に示す。この装置の 働時には、該糸半田導入ゲート16aに半溝式 半田1が自動的に供給されるが、この際、該 糸半田誘導板16bの先端部を、糸半田1の溝5に 入することによって、ローラー刃17が、半 式糸半田の溝5に沿って切込みを入れるよう 、半溝式糸半田の溝5の向きを調節する。図 11の例においては、溝ガイド16bはナイフのよ な形状を有しており、その刃先が、半溝式 半田1の溝5に挿入される。該導入ゲート16a 通過した半溝式糸半田1は、ガイドローラー1 8と該切込み刃としてローラー刃17との隙間に 導入され、糸半田1は、ガイドローラー18に誘 導されつつローラー刃17によって該溝5に沿っ てフラックスを露呈させる切込みを入れる。 得られたフラックスが露呈された糸半田は、 該排出ノズル19を介して排出され、半田付け 業に供される。本発明の半溝式糸半田は、 ラックスを露呈させるために必要な力が小 くて済むため、このようなフラックス露呈 半田自動供給装置15においても動力源(モー ー等)は、小さくて済むため経済的である。

 図12は、シンプルな構造を有する小型切 み器の他の一つの態様を示す説明図である より具体的には、図12に示す小型切込み器20 、筐体21、及びそれに収容されてなるガイ ローラー18及びローラー刃17を有している。 の装置20の場合、半溝式糸半田1を、ガイド ーラー18と該切込み刃としてローラー刃17と の隙間に導入し、糸半田1を、ガイドローラ 18で誘導しつつローラー刃17によって該溝5に 沿ってフラックスを露呈させる切込みを入れ る。この際、糸半田1を指で引っ張るだけで 容易にフラックスを露呈させることができ 。また、構造が非常にシンプルであり、動 も必要ないため、小型化及び軽量化が容易 ある。

 図13は、上記図6に示したリール巻き取り と上記図12に示した小型切込み器20とが組み 込まれてなるリールスタンドの正面図であり 、図14は、上記リールスタンドの側面図であ 。より具他的には、リールスタンド筐体22 上方部に、フラックス露呈用小型切込み器 定用支柱23、23を介して、小型切込み器20が り付けられており、下方に本発明の半溝式 半田1をリール7に巻き取ったリール巻き取り 品が取り付けられている。図14からも明らか ように、このリールスタンドの場合、リー 7から、半溝式糸半田1が小型切込み器20に供 給され、糸半田1をリール7と反対の方向に引 張ることにより、簡単にフラックスを露呈 せることができる。

 本発明のフラックス露呈用切込み器の各 材は、勿論、上記に限定されるものではな 、同様の機能を有する様々な部材を使用す ことができる。例えば、図12及び13において は、該切込み刃としてローラー刃が使用され ているが、これはナイフのような形状のもの であってもよい。また、フラックス露呈用切 込み器は、図示したものに限定されず様々な 形状のものが使用できる。例えば、米国特許 5,421,505号公報に記載のガン(拳銃)型ハウジン を有する糸半田供給器の内部に上記のよう 切込み刃を設置したものなどがあげられる

 また、上記した薄肉部6が十分に薄い場合に は、本発明の半溝式糸半田を、フラックスを 露呈させずにそのまま半田付けに供しても良 い。その場合、薄肉部6の厚みは、上記した ラックス線状コア3と溝5の底部との間の距離 (図3及び図4(b)におけるt 2 )として、0.05mm以下であることが好ましく、0. 02mm以下であることがより好ましい。

 以下に、実施例を挙げて本発明をさらに しく説明するが、これは本発明の範囲を限 するものではない。

半溝式糸半田の製造  
 直径0.6mmの市販のフラックス内包糸半田(ESC2 1 M705 F3、日本国千住金属工業株式会社製)を 、ローラー刃12(刃先が、図10(e)に示すような 面形状のもの)を有する図9に示すような溝 れ装置に導入して、半溝式糸半田を得た。 られた半溝式糸半田の断面を顕微鏡で観察 たところ、図4に示すような変形コアとなっ おり、外殻2の厚み(図4(b)のt 1 )は、0.2mmであり、該フラックス線状コア3と 溝5の底部との間の距離(図4(b)のt 2 )は、約0.02mmであり、溝5の深さ(図4(b)のd)は、 0.4mmであった。尚、得られた半溝式糸半田を リール(巻取り芯の直径45mm)に巻き取ったが その際、チューブ状外殻の薄肉部の破断に るフラックス露呈は発生しなかった。

 得られた半溝式糸半田の溝5に沿って、図 12に示すような装置を用いて切込みを入れる とにより、フラックスを露呈させた。この 、図12に示すように、装置に導入した半溝 糸半田を指で引っ張るだけで、容易にフラ クスを露呈させることができた。フラック を露呈させた糸半田は、図5に示すような断 を有していた。

半溝式糸半田の溶融半田粒子及び 溶融フラックス飛散試験  
 上記で得られたフラックス露呈糸半田を使 し、半田付け時における溶融半田粒子及び 融フラックス飛散を以下の条件で評価した

半田ごてのコテ先温度 : 370℃
半田ごてのコテ先の寸法 : 幅=1mm、 厚み=0.5 mm
自動半田送り速度 : 20mm/秒
自動半田送り方法 :  1 セットを20mmで、  欠送りを10回繰り返す。(トータル200mm)
飛散量の確認 : 50mm × 50mmの正方形が描か た試験紙を使用し、上記正方形の中心付近 半田付け作業を行い、正方形内に飛散した ラックス・半田粒子(直径が0.01~2mm程度のも )の数量を数える。

 上記の1連の操作を3回繰り返すことによ 、溶融半田粒子及び溶融フラックスの飛散 を評価した。結果を表1に示す。

 直径1.0mmの市販のフラックス内包糸半田(ESC2 1 M705 F3、日本国千住金属工業株式会社製)を 使用した以外は、実施例1と同様の方法で半 式糸半田を得た。得られた半溝式糸半田の 面を顕微鏡で観察したところ、図4に示すよ な変形コアとなっており、外殻2の厚み(図4( b)のt 1 )は、0.35mmであり、該フラックス線状コア3と 溝5の底部との間の距離(図4(b)のt 2 )は、約0.02mmであり、溝5の深さ(図4(b)のd)は、 0.6mmであった。尚、得られた半溝式糸半田を リール(巻取り芯の直径45mm)に巻き取ったが その際、チューブ状外殻の薄肉部の破断に るフラックス露呈は発生しなかった。

 得られた半溝式糸半田の溝5に沿って、図 12に示すような装置を用いて切込みを入れる とにより、フラックスを露呈させた。この 、図12に示すように、装置に導入した半溝 糸半田を指で引っ張るだけで、容易にフラ クスを露呈させることができた。フラック を露呈させた糸半田は、図5に示すような断 を有していた。

 上記で得られたフラックス露呈糸半田を 用し、半田ごてのコテ先温度を380℃に変更 た(実施例1より半田径が大きいため、十分 半田を溶融させるために温度を上げた)以外 、実施例1と同様の方法で、溶融半田粒子及 び溶融フラックス飛散試験を行った。結果を 表1に示す。

 図9に示す溝入れ装置のローラー刃12を、刃 の断面形状が、図10(j)に示すように鋭利な のに変更した以外は、実施例1と同様の方法 半溝式糸半田を得た。尚、溝入れ刃12がフ ックス線状コア3までと到達しないよう溝入 刃12と溝入れガイドローラ13の軸間距離Wを 宜調節した。得られた半溝式糸半田の断面 顕微鏡で観察したところ、図3に示すような 形コアとなっており、外殻2の厚み(図3のt 1 )は、0.2mmであり該フラックス線状コア3と該 5の底部との間の距離(図3のt 2 )は、約0.04mmであり、溝5の深さ(図3のd)は、0.1 6mmであった。尚、得られた半溝式糸半田を、 リール(巻取り芯の直径45mm)に巻き取ったが、 その際、チューブ状外殻の薄肉部の破断によ るフラックス露呈は発生しなかった。

 得られた半溝式糸半田の溝5に沿って、図 12に示すような装置を用いて切込みを入れる とにより、フラックスを露呈させた。この 、図12に示すように、装置に導入した半溝 糸半田を指で引っ張るだけで、容易にフラ クスを露呈させることができた。

 上記で得られたフラックス露呈糸半田を い、実施例1と同様の方法で溶融半田粒子及 び溶融フラックス飛散試験を行った。結果を 表1に示す。

 図9に示す溝入れ装置のローラー刃12を、刃 の断面形状が、図10(j)に示すように鋭利な のに変更した以外は、実施例2と同様の方法 半溝式糸半田を得た。得られた半溝式糸半 の断面を顕微鏡で観察したところ、図3に示 すような円形コアとなっており、外殻2の厚 (図3のt 1 )は、0.35mmであり、該フラックス線状コア3と 溝5の底部との間の距離(図3のt 2 )は、約0.04mmであり、溝5の深さ(図3のd)は、0.3 1mmであった。尚、得られた半溝式糸半田を、 リール(巻取り芯の直径45mm)に巻き取ったが、 その際、チューブ状外殻の薄肉部の破断によ るフラックス露呈は発生しなかった。

 得られた半溝式糸半田の溝5に沿って、図 12に示すような装置を用いて切込みを入れる とにより、フラックスを露呈させた。この 、図12に示すように、装置に導入した半溝 糸半田を指で引っ張るだけで、容易にフラ クスを露呈させることができた。

 上記で得られたフラックス露呈糸半田を い、実施例2と同様の方法で溶融半田粒子及 び溶融フラックス飛散試験を行った。結果を 表1に示す。

比較例1

 直径0.6mmの市販のフラックス内包糸半田(E SC21 M705 F3、日本国千住金属工業株式会社製) を、そのまま用いて、実施例1と同様の方法 半田付け時における溶融半田粒子及び溶融 ラックス飛散試験を行った。結果を表1に示 。

比較例2

 直径1.0mmの市販のフラックス内包糸半田(E SC21 M705 F3、日本国千住金属工業株式会社製) を、そのまま用いて、実施例1と同様の方法 半田付け時における溶融半田粒子及び溶融 ラックス飛散試験を行った。結果を表1に示 。

 本発明のフラックス内包糸半田は、その 面に長手方向に延びる溝が設けられている 、この溝はフラックスまで達してないため 半田付け作業の前にフラックスが酸化や水 吸収などにより劣化することを防止するこ ができるのみならず、半田付け作業時に簡 な装置及び/又は作業によって、上記の溝に 沿ってフラックスまで達する切込みを入れる ことができ、それによって、半田付け作業時 の急激な加熱によるフラックス及び半田の飛 散を防止することができる。更に、本発明の 糸半田は、フラックスを露呈させる切込みを 入れるフラックス露呈工程を行う際に、従来 のような出力の大きい動力源を備えた比較的 大型の装置を必要としないために、フラック ス露呈工程を含まない既存の自動半田付けラ インへのフラックス露呈工程の導入が容易で あるのみならず、糸半田のみ、若しくは、糸 半田と、フラックスを露呈させるための非常 に簡単で小型の切込み器とを携帯し、所望の 場所でフラックス露呈工程を含む半田付け作 業を行うことができる。