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Patent Searching and Data


Title:
FREEZING CIRCUIT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/133859
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a freezing circuit including a compressor such as a compressor having a built-in motor, a condenser, a decompression/expansion means, and an evaporator.  The freezing circuit uses R1234yf as a coolant and arranges a radical-capturing agent or a polymerization-preventing agent in the freezing circuit.  When the R1234yf as a new coolant is used and there is a possibility that radicals are formed,  it is possible to prevent or suppress generation of radicals and prevent polymerization of R1234yf so that a target performance can be obtained even when the new coolant is used.

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Inventors:
KOMATSU SHUNJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/058290
Publication Date:
November 05, 2009
Filing Date:
April 27, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SANDEN CORP (JP)
KOMATSU SHUNJI (JP)
International Classes:
F25B1/00
Foreign References:
JP2007315663A2007-12-06
JP2008505989A2008-02-28
JP2003042073A2003-02-13
JP2006152274A2006-06-15
JP2006316147A2006-11-24
Other References:
REFRIGERATION, vol. 83, no. 965, March 2008 (2008-03-01)
See also references of EP 2309205A1
Attorney, Agent or Firm:
BAN Toshimitsu (JP)
Toshimitsu Ban (JP)
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Claims:
 冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮した冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮した冷媒を減圧・膨張させる減圧・膨張手段と、減圧・膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器とを備えた冷凍回路において、冷媒としてR1234yfを使用するとともに、冷凍回路内にラジカル捕捉剤または重合防止剤を配したことを特徴とする冷凍回路。
 前記圧縮機が、圧縮機駆動用の電動機を内蔵した電動圧縮機からなる、請求項1に記載の冷凍回路。
 前記圧縮機が、外部駆動源により駆動される圧縮機からなる、請求項1に記載の冷凍回路。
 前記圧縮機が、第1の圧縮機構と第2の圧縮機構を有し、第1の圧縮機構が外部駆動源により、第2の圧縮機構が内蔵電動機により、選択的にまたは同時に駆動される圧縮機からなる、請求項1に記載の冷凍回路。
 前記ラジカル捕捉剤または重合防止剤が、前記冷媒と接触する回路内面形成部材の表面に配されることにより冷凍回路内に配されている、請求項1に記載の冷凍回路。
 前記冷媒と接触する回路内面形成部材が、前記圧縮機内の部材からなる、請求項5に記載の冷凍回路。
 前記ラジカル捕捉剤または重合防止剤が、前記冷媒と接触する回路内面形成部材の材料中に配合されている、請求項5に記載の冷凍回路。
 前記ラジカル捕捉剤または重合防止剤が、前記冷媒と接触する回路内面形成部材の表面にコーティングにより配されている、請求項5に記載の冷凍回路。
 前記ラジカル捕捉剤または重合防止剤が、前記冷媒中に含有されることにより冷凍回路内に配されている、請求項1に記載の冷凍回路。
 車両用空調装置に用いられる、請求項1に記載の冷凍回路。
Description:
冷凍回路

 本発明は、特定の新しい冷媒を用いる場 にも高い性能が得られるようにした、電動 縮機が組み込まれている場合に好適な冷凍 路に関する。

 例えば車両用空調装置等に用いられる冷 回路は、図1に示すような基本構成を有して いる。図1において、冷凍回路1は、冷媒を圧 する圧縮機2と、圧縮した冷媒を凝縮する凝 縮器4と、凝縮した冷媒を減圧・膨張させる 圧・膨張手段としての膨張弁5と、減圧・膨 した冷媒を蒸発させる蒸発器6とを備えてお り、この冷凍回路1中を冷媒がその状態を変 させながら循環される。このような冷凍回 1においては、現状、代表的な冷媒としてR134 a等が使用されている。

 この現状の代表的な冷媒R134a等に対し、 球温暖化係数(GWP)等のさらなる改善を目指し て、新冷媒の研究、開発が行われている(例 ば、非特許文献1)。このような改善を目指し た新冷媒として、最近、R1234yfが公表され、 えば、車両用空調装置等に用いられる冷凍 イクルへの適用についても、試験、研究を うことが可能な状況となってきた。

冷凍2008年3月号第83巻第965号

 今までの冷媒(例えば、R134a)は、二重結合を 含まないので、二重結合に起因する問題を考 慮する必要がない。ところが、上記新冷媒R12 34yfの基本的な分子構造はCF -CF=CH であり、二重結合を含んでいる。この二重結 合はσ結合とπ結合から成立するが、π結合は 一般に外部からの攻撃に脆弱である。もし、 π結合が破壊された場合、二重結合が開き連 反応により-C-C-C-C・・・・C-の高分子を形成 する可能性がある。高分子が形成されてしま うと、冷媒特性が大きく変化し、冷凍回路の 性能が大幅に低下するおそれがある。

 上記二重結合を破壊する主な要因は、通常 ラジカル物質、例えばCl-、OH-、O などであるが、蒸気圧縮式冷凍サイクルにお いては、一般的にラジカルの形成は考え難い 。しかし、図1に示したように、例えば電動 3を内臓した圧縮機2、つまり電動圧縮機2を いた場合には、電動機3内の高電圧によりラ カルが形成される可能性があり、上記新冷 R1234yfのπ結合を攻撃して二重結合を開き、- C-C-C-C・・・・C-の高分子を形成することが予 測される。

 そこで本発明の課題は、上記のような問 点に着目し、とくに使用冷媒を新冷媒であ R1234yfに変更する場合であって、ラジカルが 形成される可能性がある場合に対し、ラジカ ルの発生を防止または抑制して、R1234yfの重 を防止し、新冷媒を用いた場合にも目標と る性能を実現可能な冷凍回路を提供するこ にある。

 上記課題を解決するために、本発明に係 冷凍回路は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧 した冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮した冷 を減圧・膨張させる減圧・膨張手段と、減 ・膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器とを備 た冷凍回路において、冷媒としてR1234yfを使 用するとともに、冷凍回路内にラジカル捕捉 剤または重合防止剤を配したことを特徴とす るものからなる。すなわち、冷凍回路内のい ずれかの部位に、好ましくは、ラジカルの発 生のおそれがある部位または/およびその近 に、ラジカル捕捉剤または重合防止剤を配 ることで、ラジカルの発生を防止あるいは 制してR1234yfの重合を未然に防ぐようにした のである。

 本発明に係る冷凍回路は、例えば上記圧 機が、圧縮機駆動用の電動機を内蔵した電 圧縮機からなる場合に好適なものである。 述したように、高電圧が印加される部位で ラジカルの発生のおそれがあるので、電動 を内蔵した電動圧縮機を使用する場合には 高電圧が印加されラジカルの発生のおそれ ある電動圧縮機内または/およびその近傍に 、ラジカル捕捉剤または重合防止剤を配する ことが好ましく、これによってラジカルの発 生を効率よく防止あるいは抑制してR1234yfの 合を未然に防ぐことができるようになる。

 また、本発明に係る冷凍回路は、圧縮機 上記のような電動圧縮機からなる場合以外 も適用可能であり、ラジカルの発生の可能 、R1234yfの重合の可能性が考えられるいずれ の冷凍回路にも適用可能である。したがって 例えば、本発明は、上記圧縮機が、外部駆動 源により駆動される圧縮機からなる場合、例 えば、駆動力伝達用のベルト等を介して車両 のエンジン等の外部駆動源により駆動される ベルト駆動圧縮機からなる場合にも適用可能 であり、本発明の適用により、ラジカルの発 生を防止あるいは抑制してR1234yfの重合を未 に防ぐことが可能となる。

 さらに、本発明に係る冷凍回路は、上記 如く圧縮機が、圧縮機駆動用の電動機を内 した電動圧縮機からなる場合に好適なもの あることから、圧縮機がいわゆるハイブリ ド圧縮機からなる場合にも好適なものであ 。すなわち、本発明に係る冷凍回路は、例 ば、上記圧縮機が、第1の圧縮機構と第2の 縮機構を有し、第1の圧縮機構が外部駆動源 より、第2の圧縮機構が内蔵電動機により、 選択的にまたは同時に駆動される圧縮機から なる場合にも好適なものである。このような ハイブリッド圧縮機は、大きく分類すれば、 駆動源として内蔵電動機を用いるという観点 から、電動圧縮機の範疇に含めることが可能 である。

 このような本発明に係る冷凍回路におい は、上記ラジカル捕捉剤または重合防止剤 、冷媒と接触する回路内面形成部材の表面 配されることにより冷凍回路内に配されて る形態を採ることができる。この場合、表 にラジカル捕捉剤または重合防止剤が配さ 、その表面に冷媒と接触する回路内面形成 材が、とくに上記圧縮機内、なかでも上記 動圧縮機内の部材からなると、高電圧によ ラジカルが発生しやすい回路内の場所にお てより効果的にラジカルの発生を防止ある は抑制できる。またこの場合、ラジカル捕 剤または重合防止剤が、冷媒と接触する回 内面形成部材の材料中に配合されている形 とすることも可能である。あるいは、ラジ ル捕捉剤または重合防止剤が、冷媒と接触 る回路内面形成部材の表面にコーティング より配されている(固定されている)形態と ることも可能である。回路内面形成部材の 料中に配合する場合には、例えばラジカル 捉剤や重合防止剤を配合した高分子材料等 使用すればよく、コーティングにより配す 場合には、例えばラジカル捕捉剤や重合防 剤を適切な溶媒に溶解または混合した状態 溶液を塗布した後、溶媒を除去すればよい

 あるいは、上記ラジカル捕捉剤または重 防止剤が、冷媒中に含有されることにより 凍回路内に配されている形態を採ることも きる。この場合、冷凍回路内のどの箇所に いても、ラジカル捕捉剤または重合防止剤 より、ラジカルの発生を防止あるいは抑制 てR1234yfの重合を未然に防ぐことが可能であ る。

 このような本発明に係る冷凍回路は、基 的には新冷媒R1234yfを使用しようとするベル ト駆動圧縮機(外部駆動源により駆動される 縮機)や電動圧縮機を用いたあらゆる冷凍回 に適用可能であるが、とくに効率の良い運 や、長期間にわたって安定した運転が求め れる車両用空調装置の冷凍回路として好適 ものである。

 本発明に係る冷凍回路によれば、新冷媒R 1234yfを使用し、回路内でラジカルが形成され る可能性がある場合に対し、とくに高電圧が 印加される電動圧縮機を用いる場合に対し、 ラジカルの発生を防止または抑制して、R1234y fの重合を防止し、R1234yfの安定した使用を可 として目標とする冷凍回路性能を発揮させ ことができ、新冷媒を用いる意図としての 球温暖化係数(GWP)等の改善を確実に推進す ことが可能になる。

本発明で対象としている冷凍回路の基 機器配置を例示した概略構成図である。

 以下に、本発明について、とくに本発明に いて使用されるラジカル捕捉剤または重合 止剤の具体例について説明する。
 前述の如く、本発明においては、冷凍回路 のいずれかの部位に、好ましくは、ラジカ が形成される可能性がある部位または/およ びその近傍に、ラジカル捕捉剤または重合防 止剤が、材料への練り込みやコーティング等 によって、あるいは直接冷媒中に含有させる ことによって、冷凍回路内に配することで、 ラジカルの発生を防止あるいは抑制して新冷 媒R1234yfの重合を未然に防ぐようにし、新冷 R1234yfの特性を長期間安定して発揮できるよ にしている。上記ラジカルが形成される可 性がある部位としては、例えば高電圧が印 されラジカルの発生のおそれがある電動圧 機内または/およびその近傍が挙げられるが 、本発明はベルト駆動圧縮機(外部駆動源に り駆動される圧縮機)の場合であっても適用 能であり、冷凍回路内のいずれかの部位に 発明を適用することにより、新冷媒R1234yfの 重合を未然に防ぐことが可能になる。この新 冷媒R1234yfの重合の防止は、ラジカルの捕捉 介して、あるいは直接的に重合を防止する とにより達成されるが、ラジカルの捕捉も 接的な重合防止も、最終的な達成目標は新 媒R1234yfの重合防止にあるので、実際には、 ジカル捕捉剤または重合防止剤は区別する となく例示可能である。

 このような本発明におけるラジカル捕捉剤 重合防止剤として、以下のようなものが例 できる。
・2,5-Di-tert-butyl-hydroquinone(化学構造を下記化1 示す。)
・4,4'-Butylidene-bis-(3-methyl-6-tert-butylphenol) (化 構造を下記化2に示す。)
・Hydroquinone(化学構造を下記化3に示す。)
・Phenothiazine (化学構造を下記化4に示す。)

 上記のようなラジカル捕捉剤や重合防止 を、図1に示したような冷凍回路1(つまり、 媒を圧縮する圧縮機2と、圧縮した冷媒を凝 縮する凝縮器4と、凝縮した冷媒を減圧・膨 させる減圧・膨張手段としての膨張弁5と、 圧・膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器6とを 備えた冷凍回路1)内のいずれかの部位、とく 圧縮機2が電動機3を内蔵した電動圧縮機で る場合にその電動圧縮機内および/またはそ 近傍に、前述したいずれかの形態にて配す ことで、ラジカルの発生を防止あるいは抑 して新冷媒R1234yfの重合を未然に防ぐことが 可能になる。ただし、上記化1~化4に示したも のはあくまで例示であって、これらと同等の ラジカル捕捉剤や重合防止剤を使用してもよ い。上記化1~化4と同等のラジカル捕捉剤や重 合防止剤である限り、新冷媒R1234yfの重合防 に関して、同様の効果が期待できる。

 本発明に係る冷凍回路は、基本的に新冷 R1234yfを使用しラジカルの発生の可能性があ るあらゆる冷凍回路に適用可能であり、とく に車両用空調装置に用いられる冷凍回路とし て好適なものである。

1 冷凍サイクル
2 圧縮機
3 電動機
4 凝縮器
5 減圧・膨張手段としての膨張弁
6 蒸発器