SAKAMOTO MOE (JP)
CHOWDHURY WASIF ISLAM (JP)
WO2019239769A1 | 2019-12-19 |
US11031610B2 | 2021-06-08 | |||
US6080503A | 2000-06-27 |
【書類名】 請求の範囲 【請求項 1】 電解質膜 ( 1 1 1) 、 アノード電極 (1 1 2 ) およびカソード電極 (1 1 3) を含む膜 電極接合体 ( 1 1 0) と、 前記膜電極接合体 (1 1 0) の両側に配置されたセパレータ ( 1 20) とを有する燃料電池セル (1 00) が複数積層された積層体 (1 0) と、 前記積 層体 (1 0) の積層方向 (D 1) に前記積層体 (1 0) を挟持する一対の挟持部材 (20 ) とを備える燃料電池スタック ( 1、 1 A) であって、 前記燃料電池セル (1 00) は、 前記膜電極接合体 (1 1 0) の外周部から外側に張り 出し、 両側に前記セパレータ (1 20) が配置された枠部 ( 1 30) を有し、 前記挟持部材 (20) には、 前記積層方向 (D 1) に弾性変形可能な弾性シール部材 ( 5 〇 ) が設けられており、 当該弾性シール部材 (50) は、 前記挟持部材 (20) に隣り 合う前記セパレータ (1 20) と前記挟持部材 (20) との間に介在し、 少なく とも 1つの前記燃料電池セル ( 1 00 ) の前記枠部 (1 30) または当該枠部 ( 1 30) に隣り合う前記セパレータ (1 20) にも、 前記弾性シール部材 (70) が設け られており、 当該弾性シール部材 (70) は、 当該枠部 (1 30) に隣り合う前記セパレ ータ (1 20) と当該枠部 (1 30) との間に介在する、 燃料電池スタック。 【請求項 2】 複数の前記弾性シール部材 (50、 7〇 ) は、 前記積層方向 (D 1 ) に見た場合に互い に重なる位置に配置されている、 請求項 1に記載の燃料電池スタック。 【請求項 3 ] 前記セパレータ (1 20) は、 前記枠部 (1 30) に対して分離可能な状態で当接して いる、 請求項 1または 2に記載の燃料電池スタック。 【請求項 4 ] 前記セパレータ (1 20) は、 前記枠部 (1 30) に接着されている、 請求項 1または 2に記載の燃料電池スタック。 |
【発明の名称】 燃料電池スタック
【技術分野】
【。 0 0 1】 本発明は、 燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【。 0 0 2】 近年、 燃料電池スタックを利用した各種技術が提案 されている (例えば、 特許文献 1を 参照。 ) 。 燃料電池スタックは、 アノード電極およびカソード電極を含む膜電 極接合体と 、 膜電極接合体の両側に配置されたセパレータ とを有する燃料電池セルが複数積層された 積層体を備える。 アノード電極に燃料ガス (具体的には、 水素ガス) が供給され、 カソー ド電極に酸化ガス (具体的には、 空気) が供給されることによって発電が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【〇 0 0 3】
【特許文献!】 特開 2 0 1 0 - 2 7 7 7 0 4号公報
【発明の概要】
【発明が解決しよう とする課題】
【。 0 0 4】 ところで、 燃料電池スタックでは、 膜電極接合体に供給されるガスが流通する流 路、 お よび、 冷媒が流通する流路が、 セパレータによって形成されている。 そして、 これらの流 路からガスや冷媒が漏れ出ることを抑制する ために、 ガスや冷媒に対するシール性 (シー ルする性能) を向上させることが望まれている。
【。 0 0 5】 そこで、 本発明は、 このような課題に鑑み、 燃料電池スタックのシール性を向上させる ことが可能な燃料電池スタックを提供するこ とを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【。 0 0 6】 上記課題を解決するために、 燃料電池は、 電解質膜、 アノード電極およびカソード電極 を含む膜電極接合体と、 膜電極接合体の両側に配置されたセパレータ とを有する燃料電池 セルが複数積層された積層体と、 積層体の積層方向に積層体を挟持する一対の 挟持部材と を備える燃料電池スタックであって、 燃料電池セルは、 膜電極接合体の外周部から外側に 張り出し、 両側にセパレータが配置された枠部を有し、 挟持部材には、 積層方向に弾性変 形可能な弾性シール部材が設けられており、 当該弾性シール部材は、 挟持部材に隣り合う セパレータと挟持部材との間に介在し、 少なく とも 1つの燃料電池セルの枠部または当該 枠部に隣り合うセパレータにも、 弾性シール部材が設けられており、 当該弾性シール部材 は、 当該枠部に隣り合うセパレータと当該枠部と の間に介在する。
【発明の効果】
【〇 0 0 7】 本発明によれば、 燃料電池スタックのシール性を向上させるこ とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【〇 0 0 8】
【図!】 本発明の第 1の実施形態に係る燃料電池スタックの概略 成を示す斜視図で ある。
【図 2】 本発明の第 1の実施形態に係る燃料電池スタックの概略 成を示す断面図で ある。
【図 3】 本発明の第 1の実施形態に係る燃料電池スタックの分離 態を示す図である
【図 4】 本発明の第 2の実施形態に係る燃料電池スタックの概略 成を示す断面図で ある 【図 5】 本発明の第 2の実施形態に係る燃料電池スタックの分離 態を示す図である
【発明を実施するための形態】
[ 0 0 0 9 ] 以下に添付図面を参照しながら、 本発明の好適な実施形態について詳細に説明 する。 か かる実施形態に示す寸法、 材料、 その他具体的な数値等は、 発明の理解を容易にするため の例示に過ぎず、 特に断る場合を除き、 本発明を限定するものではない。 なお、 本明細書 および図面において、 実質的に同一の機能、 構成を有する要素については、 同一の符号を 付することにより重複説明を省略し、 また本発明に直接関係のない要素は図示を省 略する 〇 発電が行われる。 また、 冷媒としての冷却水が、 冷媒供給孔 3 3から積層体 1 0に供給さ れ、 冷媒排出孔 4 3から排出される。 積層体 1 0の各燃料電池セル 1 0 0は、 冷媒によつ て冷却される。
[ 0 0 1 8 ] 図 2は、 燃料電池スタック 1の概略構成を示す断面図である。 具体的には、 図 2は、 ー 方のエンドプレート 2 2に形成される上述した燃料ガス供給孔 3 1、 酸化ガス供給孔 3 2 、 冷媒供給孔 3 3、 燃料ガス排出孔 4 1、 酸化ガス排出孔 4 2および冷媒排出孔 4 3のい ずれの孔も通らず、 積層体 1 0の側面 (図 1中の右側の側面) に平行な断面を示す。
[ 0 0 1 9 ] 上述したように、 燃料電池スタック !の積層体 1 〇において、 複数の燃料電池セル 1 〇 〇が積層されている。 図 2では、 燃料電池セル 1 0 0 a、 1 0 0 b、 1 00 c、 1 00 d ヽ 1 0 0 e、 1 00 f , 1 0 0 gがこの順に並んでいる様子が示されている 燃料電池セ ル 1 〇 〇 f と燃料電池セル 1 o o gとの間には、 図示しない複数の燃料電池セル 1 0〇が 介在している。 なお、 上述したように、 積層体 1 〇における燃料電池セル 1 0 0の数は、 特に限定されない。
[ 0 0 2 0 ] 図 2に示されるように、 燃料電池セル 1 0 0は、 膜電極接合体 (MEA : M e m b r a n e E l e c t r o d e A s s e m b 1 y ) 1 1 0と、 膜電極接合体 1 1 〇の両側に 配置されたセパレータ 1 2 0 (具体的には、 アノード側セパレータ 1 2 1およびカソード 側セパレータ ! 2 2) とを有する。
[ 0 0 2 1 ] 膜電極接合体 1 1 0は、 電解質膜 1 1 1 と、 アノード電極 1 1 2と、 カソード電極 1 1 3 とを含む。 電解質膜 1 1 1は、 水素イオンを通過させる性質を有する膜であ る。 アノー ド電極 ! 1 2およびカソード電極 1 1 3は、 電解質膜 1 1 1を挟んで対向しており、 例え ば、 白金または白金を含有する合金がカーボン粒 子上に担持されている触媒層を有する。 より詳細には、 アノード電極 1 1 2およびカソード電極 ! 1 3において、 触媒層の外側 ( 電解質膜 1 1 1から遠い側) には、 ガス拡散層 (GD L : G a s D i f f u s i o n L a y e r ) が設けられている。 アノード電極 1 1 2は、 発電時に電子を失う側の電極で あり、 カソード電極 1 1 3は、 発電時に電子を得る側の電極である。 電解質膜: L 1 1、 ア ノード電極 1 1 2およびカソード電極 1 1 3は、 例えば、 矩形平板形状を有する。 電解質 膜 ! 1 1. アノード電極 ! 1 2およびカソード電極 1 1 3の積層方向 D 1への投影面積は 略等しく、 電解質膜 1 1 1の各面の全域がアノード電極 1 1 2およびカソード電極 1 1 3 によってそれぞれ覆われる。
[ 0 0 2 2 ] セパレータ ! 20は、 アノード側セパレータ 1 2 1 と、 カソード側セパレータ 1 2 2と を含む。 アノード側セパレータ 1 2 1およびカソード側セパレータ 1 2 2は、 例えば、 ス テンレスまたはチタン等の金属材料によって 形成されている。 アノード側セパレータ 1 2 1 およびカソード側セパレータ 1 2 2は、 例えば、 金属薄板をプレス加工することによっ て得られる。
[ 0 0 2 3 ] アノード側セパレータ 1 2 1およびカソード側セパレータ 1 2 2は、 膜電極接合体 1 1 〇を挟んで対向する。 アノード側セパレータ 1 2 1は、 膜電極接合体 1 1 〇のアノード電 極 1 1 2と対向して接する。 カソード側セパレータ 1 2 2は、 膜電極接合体 1 1 0のカソ ード電極 1 1 3と対向して接する。
[ 0 0 24 ] アノード側セパレータ 1 2 1におけるアノード電極 1 1 2側の面には、 アノード電極 1 1 2に供給される水素ガスが流通する流路が形 されている。 カソード側セパレータ 1 2 2 におけるカソード電極 1 1 3側の面には、 カソード電極 1 1 3に供給される空気が流通 する流路が形成されている。 隣り合うアノード側セパレータ 1 2 1およびカソード側セパ レータ 1 2 2は、 例えば、 接着剤や溶接によって、 互いに貼り合わされて一体化されてい る。 互いに貼り合わされたアノード側セパレータ 1 2 1 とカソード側セパレータ 1 2 2と の間に冷却水が流通する流路が形成されてい る。
[ 0 0 2 5 ] 燃料電池セル 1 0 0は、 膜電極接合体 1 1 〇の外周部から外側に張り出す枠部 1 3 0を 有する。 具体的には、 枠部 1 3 0は、 膜電極接合体 1 1 〇の電解質膜 1 1 1の外周部から 外側に張り出している。 例えば、 樹脂フィルムの中央側に電解質膜 1 1 1が形成される場 合、 当該樹脂フィルムのうち、 電解質膜 1 1 1 よりも外周側の部分が枠部 1 3 0に相当す る。 ただし、 樹脂フィルムのうち電解質膜 1 1 1が形成される範囲は、 アノード電極 1 1 2 およびカソード電極 1 1 3と対向する範囲よりも外周側まで延びてい もよい。 この場 合、 電解質膜 1 1 1のうちアノード電極 1 1 2およびカソード電極 1 1 3と対向する範囲 よりも外周側の部分は、 枠部 1 3 0の一部に相当する。
[ 0 0 2 6 ] 枠部! 3〇の両側にも、 膜電極接合体 1 1 0 と同様に、 セパレータ 1 2〇が配置される 。 具体的には、 セパレータ 1 2 0は、 膜電極接合体 1 1 0よりも外周側まで延びている。 そして、 枠部 1 3 0は、 アノード側セパレータ 1 2 1およびカソード側セパレータ 1 2 2 によって挟まれる。
[ 0 0 2 7 ] 図 2では、 挟持部材 2 0のうちエンドプレート 2 2の図示が省略されている。 図 2に示 されるように、 インシュレータ 2 1のうち積層体 ! 〇側の面には、 溝 2 1 aおよび溝 2 1 b が形成されている。 溝 2 1 aは、 インシュレータ 2 1のうち積層体 1 〇側の面の中央側 に配置されている。 溝 2 1 aは、 例えば、 略矩形状を有する。 溝 2 1 bは、 溝 2 1 aを囲 むように環状に形成されている。 なお、 溝 2 1 aおよび溝 2 1 bの断面形状は、 図 2の例 に限定されない。
[ 0 0 2 8 ] インシュレータ 2 1の溝 2 1 aには、 ターミナルプレート 2 3が設けられる。 ターミナ ルプレート 2 3は、 インシュレータ 2 1に固定されている。 ターミナルプレート 2 3は、 略矩形平板形状を有する。 ターミナルプレート 2 3は、 積層体: L 0における積層方向 D 1 の端部に位置する燃料電池セル 1 0 0の膜電極接合体 1 1 0と、 セパレータ 1 2 0を挟ん で対向する。 ターミナルプレート 2 3における積層体 1 0側の面には、 当該ターミナルプ レート 2 3を含む挟持部材 2 〇に隣り合うセパレータ 1 2 0が積層方向 D 1に当接してい る。
[ 0 0 2 9 ] インシュレータ 2 1の溝 2 1 bには、 弾性シール部材 5 0が設けられている。 弾性シー ル部材 5 0は、 インシュレータ 2 1に固定されている。 弾性シール部材 5 0は、 ターミナ ルプレート 2 3の外周部を囲むように環状に形成されてい 。 弾性シール部材 5 0は、 積 層方向 D 1に弾性変形可能である。 弾性シール部材 5 0は、 例えば、 ゴム製である。 ただ し、 弾性シール部材 5 0は弾性を有していればよく、 弾性シール部材 5 0の材質は特に限 定されない。 弾性シール部材 5 0における積層体 1 0側の面には、 当該弾性シール部材 5 〇が設けられる挟持部材 2 〇に隣り合うセパレータ 1 2〇が積層方向 D 1に当接している
[ 0 0 3 0 ] 弾性シール部材 5 〇 とセパレータ 1 2 0との間のシール性は、 弾性シール部材 5 〇の積 層方向 D 1への弾性変形により確保されている。 このように、 弾性シール部材 5 0は、 挟 持部材 2 0に隣り合うセパレータ 1 2 0と挟持部材 2 〇との間に介在する。 それにより、 挟持部材 2〇 とセパレータ 1 2 0 との間のシール性が確保され、 挟持部材 2 〇とセパレー 夕 1 2 0との間からガスや冷媒が漏れ出ることが抑 される。
[ 0 0 3 1 ] 図 2の例では、 弾性シール部材 5 0がインシュレータ 2 1に設けられている。 ただし、 弾性シール部材 5 0は、 挟持部材 2 0に設けられていればよい。 つまり、 弾性シール部材 5 〇は、 挟持部材 2 〇のうちインシュレータ 2 1以外の部材に設けられていてもよい。 例 えば、 弾性シール部材 5 0は、 エンドプレート 2 2に設けられていてもよい。
[ 0 0 3 2 ] 燃料電池セル 1 0 0の枠部 1 3 0には、 枠部 1 3 0とセパレータ 1 2 0との間のシール 性を確保するために、 ビードシール 6 0が形成されている。 図 2の例では、 燃料電池セル 1 00 a、 1 0 0 b、 1 0 0 d、 1 00 e、 1 00 gの両面において、 セパレータ 1 2 0 と接触する部分に、 ビードシール 6 0が形成されている。 なお、 一部の燃料電池セル 1 0 〇 (図 2の例では、 燃料電池セル 1 0 0 c、 ! 。 0 f ) の片面には、 ビードシール 6 〇に 替えて弾性シール部材 7 0が設けられている。 この点については、 後述する。
[ 0 0 3 3 ] ビードシール 6 0は、 枠部 1 3 0の表面に形成されるゴム製の層である。 ビードシール 6 〇は、 枠部 1 3〇の表面の他の部分に対して積層方向 D 1に膨出するように形成される 。 枠部 ! 3〇に形成されたビードシール 6 〇とセパレータ 1 2 〇との接触箇所では、 セパ レータ ! 2〇がビードシール 6 〇に積層方向 D 1に当接することによって、 枠部 1 3〇と セパレータ 1 2 〇との間のシール性が確保される。 このような接触箇所では、 枠部 1 3 〇 とセパレータ 1 20との間のシール性は、 セパレータ 1 2 0およびビードシール 6 〇の積 層方向 D 1への変形により確保されている。 それにより、 ビードシール 6 0が設けられる 箇所において、 枠部 1 3 0とセパレータ 1 2 0 との間のシール性が確保され、 枠部 1 3 0 とセパレータ ! 20との間からガスや冷媒が漏れ出ることが抑 される。 なお、 枠部 1 3 〇の表面には、 プラスチック製の層が形成されていてもよい 。 この場合、 プラスチック製 の層の表面にビードシール 6 〇が形成される。
[ 0 0 34 ] 燃料電池スタック 1では、 挟持部材 2 0に設けられる弾性シール部材 50に加えて、 少 なく とも 1つの燃料電池セル 1 0 0の枠部! 3 0にも、 弾性シール部材 7〇が設けられて いる。 当該弾性シール部材 7 0は、 当該枠部 ! 3〇に隣り合うセパレータ 1 2 0 と当該枠 部 1 3 0との間に介在する。 図 2の例では、 弾性シール部材 7 0が設けられない 2つの燃 料電池セル 1 0 0と、 弾性シール部材 7 〇が設けられる 1つの燃料電池セル 1 0 0とが、 交互に並んでいる。 つまり、 積層方向 D 1において、 3つの燃料電池セル 1 0 0ごとに弾 性シール部材 7 〇が設けられている。 具体的には、 燃料電池セル 1 0 0 a、 1 0 0 bの枠 部 1 3 0には、 弾性シール部材 7 0が設けられていないが、 燃料電池セル 1 0 0 cの枠部 1 30には、 弾性シール部材 7 〇が設けられている。 また、 燃料電池セル 1 0 0 d、 1 〇 。 eの枠部 1 3 0には、 弾性シール部材 7 0が設けられていないが、 燃料電池セル 1 0 0 f の枠部 1 3 0には、 弾性シール部材 7 〇が設けられている。
[ 0 0 3 5 ] 弾性シール部材 ? 〇が設けられない燃料電池セル 1 0 0の枠部 1 3 0の両面には、 上述 したように、 セパレータ 1 2 0と接触する部分に、 ビードシール 6 0が形成されている。 一方、 弾性シール部材 7 0が設けられる燃料電池セル 1 0 0では、 一方の面にビードシー ル 6 〇が形成されており、 他方の面に弾性シール部材 7 〇が設けられている。
[ 0 0 3 6 ] ただし、 弾性シール部材 7 0が設けられる燃料電池セル 1 0 0において、 両面に弾性シ ール部材 70が設けられていてもよい。 また、 図 2の例では、 燃料電池セル 1 0 0 cおよ び燃料電池セル 1 0 0 f において、 同じ側の面 (具体的には、 図 2中で右側の面) に弾性 シール部材 7 0が設けられている。 ただし、 弾性シール部材 7 0が設けられる複数の燃料 電池セル 1 〇 〇において、 弾性シール部材 ? 〇が設けられる面の向きが互いに異なる燃料 電池セル 1 〇 〇のペアが存在してもよい。 また、 積層体 1 0に含まれる燃料電池セル 1 0 〇の総数に対する弾性シール部材 7〇が設けられる燃料電池セル 1 0 0の割合は、 図 2の 例に限定されない。 また、 弾性シール部材 7 0が設けられる燃料電池セル 1 0 0の配置は 、 図 2の例に限定されず、 例えば、 積層方向 D 1に不等間隔であってもよい。
[ 0 0 3 7 ] 弾性シール部材 7 0は、 枠部 1 30に固定されている。 なお、 枠部 1 30の表面にプラ スチック製の層が形成される場合、 弾性シール部材 7 0は、 プラスチック製の層に固定さ れる。 弾性シール部材 7 0は、 膜電極接合体 1 1 0の外周部を囲むように環状に形成され ている。 弾性シール部材 7 0は、 弾性シール部材 5 0と同様に、 積層方向 D 1に弾性変形 可能である。 弾性シール部材 7 0は、 弾性シール部材 5 0と同様に、 例えば、 ゴム製であ る。 ただし、 弾性シール部材 7 0は弾性を有していればよく、 弾性シール部材 7 0の材質 は特に限定されない。 弾性シール部材 7 0には、 当該弾性シール部材 7 0が設けられる枠 部 1 3 0に隣り合うセパレータ 1 2〇が積層方向 D 1に当接している。
[ 0 0 3 8 ] 弾性シール部材 7 〇 とセパレータ 1 2 0との間のシール性は、 弾性シール部材 7 〇の積 層方向 D 1への弾性変形により確保されている。 このように、 弾性シール部材 7 0は、 当 該弾性シール部材 7 〇が設けられる枠部 1 3 0に隣り合うセパレータ 1 2 0と当該枠部 ! 3 0との間に介在する。 それにより、 弾性シール部材 7 0が設けられる箇所において、 枠 部 1 3 0とセパレータ 1 2 0との間のシール性が確保され、 枠部 1 3 0とセパレータ 1 2 〇との間からガスや冷媒が漏れ出ることが抑 制される。
[ 0 0 3 9 ] ここで、 弾性シール部材 5 0および弾性シール部材 7 0の積層方向 D 1の長さは、 ビー ドシール 6 0の積層方向 D 1の長さよりも長い。 そして、 弾性シール部材 5 0および弾性 シール部材 7 0の変形量は、 ビードシール 6 0の変形量より も大きい。 具体的には、 上記 の変形量は、 積層方向 D 1の締め付け荷重が積層体 1 〇に付与された状態における各部材 の変形量を意味する。 つまり、 同一の圧縮荷重が付与された場合において、 弾性シール部 材 5〇および弾性シール部材 7 〇の変形量が、 ビードシール 6 〇の変形量よりも大きくな っている。 なお、 弾性シール部材 5 0の積層方向 D 1の長さと、 弾性シール部材 7 0の積 層方向 D 1の長さとは、 互いに一致していてもよく、 異なっていてもよい。 また、 弾性シ ール部材 5 0の変形量と、 弾性シール部材 7 0の変形量とは、 互いに一致していてもよく 、 異なっていてもよい。
[ 0 0 4 0 ] ところで、 燃料電池スタック 1は、 複数の燃料電池セル 1 0 0を積層して積層体 1 0を 形成し、 積層体 1 〇を一対の挟持部材 2 〇、 2 〇によって積層方向 D 1に挟持することに よって製造される。 各部品の加工精度には限界があり、 各部品の寸法は寸法公差内でばら つく。 ゆえに、 燃料電池スタック 1の製造工程において、 各部品の寸法のばらつきに起因 して、 シール性が確保されるべき箇所で隙間が生じ るおそれがある。 本実施形態では、 各 部品の寸法のばらつきが弾性シール部材 5 〇および弾性シール部材 7 〇の変形によって吸 収され、 隙間の発生が抑制される。 それにより、 燃料電池スタック 1のシール性が向上さ れる。
[ 0 0 4 1 ] 特に、 本実施形態では、 上述したように、 少なく とも 1つの燃料電池セル ! 。 0の枠部 1 3〇にも、 弾性シール部材 7 0が設けられており、 当該弾性シール部材 7 0は、 当該枠 部 1 3 0に隣り合うセパレータ 1 2 0と当該枠部! 3 0との間に介在する。 ここで、 枠部 1 3〇の表面に形成される層状のビードシール 6 0では、 最大変形量が小さく、 各部品の 寸法のばらつきの吸収能力はあまり高くない 。 ゆえに、 仮に、 いずれの燃料電池セルI L 0 〇の枠部! 3 〇にも弾性シール部材 7〇が設けられない場合、 各部品の寸法のばらつきを 吸収しきれず、 シール性が確保されるべき箇所で隙間が生じ るおそれがある。 一方、 本実 施形態では、 各部品の寸法のばらつきを弾性シール部材 7 〇によって十分に吸収できるの で、 燃料電池スタック : Lのシール性を適切に向上させることができ 。 なお、 全てのビー ドシール 6 〇を弾性シール部材 7 〇に置き換えた場合、 加工コス トの増大や積層体 1 〇に 負荷される荷重が過度に大きくなる等の懸念 がある点を考慮すると、 ビードシール 6 〇を 併用する必要性もあるといえる。
[ 0 0 4 2 ] また、 本実施形態では、 弾性シール部材 5 〇 と弾性シール部材 7〇 とは、 積層方向 D 1 に見た場合に互いに重なる位置に配置されて いる。 例えば、 図 2の例では、 弾性シール部 材 5〇の積層方向 D 1への投影面と、 弾性シール部材 7 〇の積層方向 D 1への投影面とは 一致している。 ただし、 積層方向 D 1に見た場合に互いに重なる位置に配置され いるこ とは、 積層方向 D 1に見た場合に互いに部分的に重なっている とも含む。 つまり、 弾性 シール部材 5 〇の積層方向 D 1への投影面と、 弾性シール部材 7 〇の積層方向 D 1への投 影面とが部分的に重なっていてもよい。 このように、 弾性シール部材 5 0と弾性シール部 材 7〇とが積層方向 D 1に見た場合に互いに重なる位置に配置され いることによって、 燃料電池スタック 1の各部品の寸法のばらつきを弾性シール部 5〇および弾性シール部 材 7〇の変形によって効果的に吸収できるので 燃料電池スタック 1のシール性を効果的 に向上させることができる。 なお、 ビードシール 6 0も、 積層方向 D 1に見た場合に弾性 シール部材 5 〇および弾性シール部材 7 〇と重なる位置に配置されている。 それにより、 ビードシール 6 〇とセパレータ 1 2 0との間のシール性が適切に確保される。
[ 0 0 4 3 ] 図 3は、 燃料電池スタック 1の分離状態を示す図である。 具体的には、 図 3は、 燃料電 池スタック 1において、 積層体 1 〇のうち分離可能な部分を分離した状態を示 す。 積層体 1 0のうち分離不可能な部分は、 接着等によって互いに固定されている部分で ある。 図 3 に示されるように、 各セパレータ 1 2 0は、 挟持部材 2〇、 膜電極接合体 1 1 〇および枠 部 1 3 0に対して分離可能となっている。 上述したように、 組み立てられた状態の燃料電 池スタック 1では、 セパレータ 1 2〇が枠部 1 3 0に当接していることによって、 枠部! 3 〇とセパレータ 1 2 0との間のシール性が確保される。 ここで、 積層体 1 〇が一対の挟 持部材 2 0、 2 〇によって積層方向 D 1に挟持されることによって、 セパレータ 1 2 0は 枠部 ! 3 0に当接している。 このように、 セパレータ 1 2 0は、 枠部 1 3 0に対して分離 可能な状態で当接している。 それにより、 燃料電池スタック 1の分離状態では、 各セパレ ータ 1 2 0を分離できるので、 セパレータ 1 2 〇、 および、 セパレータ 1 2 0により挟ま れる部品 (つまり、 膜電極接合体 1 1 〇および枠部 1 3 0 ) のメンテナンス性が向上され る。 例えば、 これらの互いに分離される部品の交換が容易 になる。
[ 0 0 4 4 ] なお、 上記では、 ビードシール 6 0が枠部 ! 3〇の表面に形成される例を説明している が、 ビードシール 6 〇はセパレータ 1 2 0の表面のうち枠部 1 3 0と接触する部分に形成 されてもよい。 この場合においても、 上記の例と同様に、 ビードシール 6 0が設けられる 箇所において、 枠部 1 3 0とセパレータ 1 2 0 との間のシール性が確保され、 枠部 1 3 0 とセパレータ ! 2〇との間からガスや冷媒が漏れ出ることが 制される。
[ 0 0 4 5 ] また、 上記では、 少なく とも 1つの燃料電池セル 1 0 0の枠部 1 3 0に弾性シール部材 7 〇が設けられる例を説明しているが、 弾性シール部材 7 〇は枠部 1 3 〇に隣り合うセパ レータ 1 2 0に設けられてもよい。 この場合においても、 上記の例と同様に、 燃料電池ス タック 1のシール性を適切に向上させることができ 。
[ 0 0 4 6 ]
(効果) 本発明の第 1の実施形態に係る燃料電池スタック 1の効果について説明する。
[ 0 0 4 7 ] 燃料電池スタック 1において、 挟持部材 2 〇には、 積層方向 D 1に弾性変形可能な弾性 シール部材 5 0が設けられており、 当該弾性シール部材 5 0は、 挟持部材 2 0に隣り合う セパレータ 1 2 0と挟持部材 2 0 との間に介在する。 また、 少なく とも 1つの燃料電池セ ル 1 0 0の枠部 1 3 0または当該枠部! 3 0に隣り合うセパレータ 1 2 0にも、 弾性シー ル部材 7 0が設けられており、 当該弾性シール部材 7 0は、 当該枠部 1 3 0に隣り合うセ パレータ 1 2 0と当該枠部 1 3 0 との間に介在する。 つまり、 挟持部材 2〇に弾性シール 部材 5 〇が設けられていることに加えて、 少なく とも 1つの燃料電池セル 1 0 0の枠部 1 3 〇または当該枠部 1 3 0に隣り合うセパレータ 1 2 0に弾性シール部材? 〇が設けられ ている。 それにより、 燃料電池スタック 1における各部品の寸法のばらつきを弾性シ ル 部材 5 0および弾性シール部材 7 0の変形によって吸収できる。 特に、 仮に、 上記のよう な弾性シール部材 7 〇が設けられない場合と比べて、 燃料電池スタック 1における各部品 の寸法のばらつきを十分に吸収できる。 ゆえに、 燃料電池スタック 1のシール性を向上さ せることができる。
[ 0 04 8 ] 好ましくは、 燃料電池スタック 1において、 複数の弾性シール部材 5 0、 7 0は、 積層 方向 D 1に見た場合に互いに重なる位置に配置され いる。 それにより、 燃料電池スタッ ク 1の各部品の寸法のばらつきを弾性シール部 5 〇および弾性シール部材 7 〇の変形に よって効果的に吸収できるので、 燃料電池スタック 1のシール性を効果的に向上させるこ とができる。
[ 0 04 9 ] 好ましくは、 燃料電池スタック 1において、 セパレータ 1 2 0は、 枠部 1 3 〇に対して 分離可能な状態で当接している。 それにより、 燃料電池スタック 1における各部品のメン テナンス性が向上される。
[ 0 0 5 0 ]
<第 2の実施形態> 本発明の第 2の実施形態に係る燃料電池スタック 1 Aについて説明する。
[ 0 0 5 1 ]
(構成) 図 4および図 5を参照して、 本発明の第 2の実施形態に係る燃料電池スタック 1 Aの構 成について説明する。
[ 0 0 5 2 ] 図 4は、 燃料電池スタック 1 Aの概略構成を示す断面図である。 燃料電池スタック 1 A では、 上述した燃料電池スタック 1 と同様に、 一部の燃料電池セル 1 0 0の枠部 1 30に は、 弾性シール部材 7 0が設けられており、 当該弾性シール部材 70が設けられる枠部 1 3 〇に隣り合うセパレータ 1 2 0 と当該枠部! 30との間に当該弾性シール部材 7 〇が介 在する。 それにより、 弾性シール部材 7 0が設けられる箇所において、 枠部 1 3 0とセパ レータ ! 20 との間のシール性が確保され、 枠部 1 3 0とセパレータ 1 20との間からガ スや冷媒が漏れ出ることが抑制される。 図 4の例では、 図 2の例と同様に、 燃料電池セル 1 00 c、 1 0 0 f の枠部 1 3 0に、 弾性シール部材 ? 〇が設けられている。 なお、 燃料 電池スタック : L Aにおいても、 上述した燃料電池スタック 1 と同様に、 弾性シール部材 7 〇は、 枠部 1 3 〇ではなくセパレータ ! 2 0に設けられてもよい。
[ 0 0 5 3 ] ここで、 燃料電池スタック 1 Aでは、 上述した燃料電池スタック 1 と異なり、 弾性シー ル部材 7 〇が設けられない箇所においては、 枠部 1 3 0とセパレータ 1 20との間のシー ル性を確保するために、 セパレータ 1 2 0が枠部 1 3 0に接着されている。 図 4の例では 、 燃料電池セル 1 0 0 a、 1 0 0 b、 1 00 d , 1 0 0 e、 1 0 0 gの両面において、 セ パレータ 1 2 0が枠部 1 3 0に接着されている。 また、 弾性シール部材 70が設けられる 燃料電池セル ! 00 c , 1 0 0 f では、 各燃料電池セル 1 0 0のうち弾性シール部材 ? 〇 が設けられない方の面にセパレータ 1 2 0が接着されている。 それにより、 セパレータ 1 2 〇が枠部 1 3 0に接着される箇所において、 枠部 1 3 0とセパレータ 1 2 0との間のシ ール性が確保され、 枠部 1 3 〇とセパレータ ! 2〇との間からガスや冷媒が漏れ出ること が抑制される。 なお、 互いに接着される部材同士の間には、 実際には、 接着剤が介在する が、 図 4および後述する図 5では、 接着剤の図示を省略している。
[ 0 0 54 ] 燃料電池スタック 1 Aでは、 セパレータ 1 2 0が枠部 1 3 0に接着されているので、 上 述した燃料電池スタック 1 と異なり、 燃料電池セル 1 0 0の枠部 1 3 0には、 ビードシー ル 6 〇が形成されない。 このようにセパレータ 1 2 〇が枠部 1 3 0に接着されていること によって、 複数の燃料電池セル 1 〇〇を構成する部品が一体化されている。
[ 0 0 5 5 ] 図 5は、 燃料電池スタック 1 Aの分離状態を示す図である。 具体的には、 図 5は、 燃料 電池スタック 1 Aにおいて、 積層体 1 0のうち分離可能な部分を分離した状態を示 。 図 2 1 a 溝
2 1 b 溝
2 2 エンドプレート
2 3 ターミナルプレート
3 1 燃料ガス供給孔
3 2 酸化ガス供給孔
3 3 冷媒供給孔
4 1 燃料ガス排出孔
4 2 酸化ガス排出孔
4 3 冷媒排出孔
5 〇 弾性シール部材
6 〇 ビードシール
7 〇 弾性シール部材
1 〇 〇 燃料電池セル
1 〇 〇 a 燃料電池セル
1 〇 〇 b 燃料電池セル
1 〇 〇 c 燃料電池セル
1 〇 〇 d 燃料電池セル
1 〇 〇 e 燃料電池セル
1 〇 〇 f 燃料電池セル
1 〇 〇 g 燃料電池セル
1 1 〇 膜電極接合体
1 1 1 電解質膜
1 1 2 アノード電極
1 1 3 カソード電極
1 2 〇 セパレータ
1 2 1 アノード側セパレータ
1 2 2 カソード側セパレータ
1 3 〇 枠部
D 1 積層方向
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