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Title:
GEAR OIL COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/120581
Kind Code:
A1
Abstract:
A gear oil composition characterized by comprising a base oil and, incorporated therein, (A) an ash-free dithiocarbamate compound and (B) an ester of pentaerythritol with a branched fatty acid having 12-20 carbon atoms, the ester having a hydroxy value of 20-100 mg-KOH/g. The gear oil composition has a high transmission efficiency and combines unsusceptibility to sludge formation with extreme pressure properties.

Inventors:
OKADA TAHEI (JP)
HARA SHIGEO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055063
Publication Date:
October 09, 2008
Filing Date:
March 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IDEMITSU KOSAN CO (JP)
OKADA TAHEI (JP)
HARA SHIGEO (JP)
International Classes:
C10M141/08; C10M129/74; C10M135/18; C10N20/00; C10N30/00; C10N30/04; C10N30/06; C10N40/04
Domestic Patent References:
WO2005073353A12005-08-11
Foreign References:
JP2005520038A2005-07-07
JP2004528477A2004-09-16
JPS57164191A1982-10-08
JPH06228579A1994-08-16
JP2005290181A2005-10-20
JP2005290182A2005-10-20
JP2005290183A2005-10-20
Other References:
See also references of EP 2133405A4
Attorney, Agent or Firm:
OHTANI, Tamotsu et al. (Bridgestone Toranomon Bldg.6F. 25-2, Toranomon 3-chome, Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 基油に(A)無灰ジチオカーバメート化合物、および(B)ペンタエリスリトールと炭素数12~20の分岐脂肪酸とのエステルであって、水酸基価が20~100mgKOH/gのエステルを配合してなることを特徴とするギヤ油組成物。
 炭素数12~20の分岐脂肪酸がイソステアリン酸である請求項1に記載のギヤ油組成物。
Description:
ギヤ油組成物

 本発明は、ギヤ油組成物に関し、さらに しくは、伝達効率が高く、省エネルギー効 を示すと共に、耐スラッジ性および極圧性 優れたギヤ油組成物に関する。

 近年、各種産業機械等において作業効率 向上が重要な課題になっており、そこで使 されるギヤには高速、高負荷等の過酷な条 下においても安定して機能することが求め れている。このギヤに対する要求性能の高 りに伴い、ギヤ油に対しても高性能化が求 られ、これまでに各種添加剤が開発されて る。例えば、高負荷条件においてはMoDTC等 極圧剤の添加が有効であり、この添加によ 、伝達効率の向上や優れた耐摩耗性が得ら ることが知られている。

 しかしながら、MoDTCは耐熱性が悪くスラ ジを生成しやすいという問題があり、ギヤ 用の添加剤としてはその適用範囲は限られ いた。一方、MoDTCを含有せず、スラッジを生 成しにくいギヤ油組成物は、伝達効率や耐摩 耗性において必ずしも十分な性能を有さず、 更なる改良が望まれていた。

 このような状況の中で、近年、種々の性 向上を目的とした添加剤および該添加剤を 有するギヤ油が開示されている。例えば、 許文献1には耐スラッジ性能および極圧性の 向上を目的とする、リン含有カルボン酸化合 物、フォスフォロチオネートを含有するギヤ 油組成物が開示されている。また、特許文献 2には、耐スラッジ性能および水分離性能の 良を目的とする、分散型粘度指数向上剤を 有するギヤ油組成物が開示されている。さ に、特許文献3には省エネルギー性の改良を 的とする、特定のカルボン酸又はカルボン 誘導体等を含有するギヤ油組成物が開示さ ている。

 特許文献1~3には産業機械等の省エネルギ 化に対応するためのギヤ油が開示されてい が、省エネルギー効果、耐スラッジ性およ 極圧性等の性能に関して未だ改良の余地が り、更なる性能の向上が望まれていた。

特開2005-290181号公報

特開2005-290182号公報

特開2005-290183号公報

 本発明はこのような状況下でなされたも であり、伝達効率が高く、耐スラッジ性お び極圧性を両立するギヤ油組成物を提供す ことを目的とするものである。

 本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意 討した結果、無灰ジチオカーバメート化合 と特定のエステルを含むギヤ油組成物が、 記課題を解決することを見出し、本発明を 成するに至った。すなわち、本発明は、基 に(A)無灰ジチオカーバメート化合物、およ (B)ペンタエリスリトールと炭素数12~20の分 脂肪酸とのエステルであって、水酸基価が20 ~100mgKOH/gのエステルを配合してなることを特 とするギヤ油組成物を提供するものである

 本発明によれば、伝達効率が高く、耐ス ッジ性および極圧性を両立するギヤ油組成 が提供される。

 本発明のギヤ油組成物は、基油に(A)無灰 チオカーバメート化合物、および(B)ペンタ リスリトールと炭素数12~20の分岐脂肪酸と エステルであって、水酸基価が20~100mgKOH/gの ステルを配合してなることを特徴とする。

 上記基油としては、鉱油および合成油の中 ら選ばれる一種または複数の基油が用いら 、好ましくは、40℃における動粘度が10~4,600 mm 2 /s、さらに好ましくは20~1000mm 2 /s、特に好ましくは32~500mm 2 /sの範囲にあるものが使用される。40℃にお る動粘度が10mm 2 /s未満では蒸発減量が多いという不都合が生 、また4,600mm 2 /sを超えると粘性抵抗による動力損失が大き なる。また、低温特性の点から流動点は好 しくは-5℃以下、より好ましくは-15℃以下 特に好ましくは-25℃以下である。さらに粘 指数は好ましくは80以上、特に好ましくは95 上のものが用いられる。粘度指数が80未満 は粘度の温度依存性が大きく、目的の温度 性の優れたギヤ油組成物が得られにくい。

 上記鉱油の具体例としては、パラフィン 系原油や中間基系原油を常圧蒸留するかあ いは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得ら る留出油を常法に従って精製することによ て得られる精製油、あるいは精製後さらに 脱ロウ処理することによって得られる深脱 ウ油などを挙げることができる。この際の 製法は特に制限はなく様々な方法が考えら る。通常は(a)水素化処理,(b)脱ロウ処理(溶 脱ロウ又は水添脱ロウ),(c)溶剤抽出処理,(d) ルカリ蒸留又は硫酸洗浄処理,(e)白土処理を 独であるいは適宜順序で組み合わせて行う また同一処理を複数段に分けて繰り返し行 ことも有効である。例えば、(1)留出油を水 化処理するか、又は水素化処理した後、ア カリ蒸留又は硫酸洗浄処理を行う方法(2)留 油を水素化処理した後、脱ロウ処理する方 、(3)留出油を溶剤抽出処理した後、水素化 理する方法、(4)留出油に二段あるいは三段 水素化処理を行う、又はその後にアルカリ 留若しくは硫酸洗浄処理する方法、さらに (5)上述した(1)~(4)の如き処理後、再度脱ロウ 処理して深脱ロウ油とする方法などがある。 いずれの方法によっても、得られる基油(ギ 油基油)の性状が、前述した粘度,流動点及び 粘度指数となるように調整すればよい。上記 鉱油の中で、粘度指数が高く、酸化安定性に 優れることから、API(American Petroleum Institute) 類のグループIIおよびグループIIIの基油が ましく使用される。

 一方、合成油としては、例えばα-オレフ ンオリゴマー,二塩酸ジエステル,ポリオー エステル,ポリグリコールエステル,アルキル ベンゼン,アルキルナフタレンなどが挙げら る。上記合成油の中で、粘度指数が高く、 化安定性に優れることから、API(American Petrol eum Institute)分類のグループIVの基油が好まし 使用される。

 本発明においては、基油として、前記鉱 や合成油を一種用いてもよく、二種以上を み合わせて用いてもよい。

 本発明においては(A)無灰ジチオカーバメ ト化合物を使用する。無灰ジチオカーバメ ト化合物は、金属原子を含有しないジチオ ーバメート化合物であって、好ましくは一 式(1)で表される化合物が使用される。

 一般式(1)において、R 1 ~R 4 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭 素数1~30の炭化水素基を示し、R 5 は炭素数1~10のアルキレン基を示す。炭素数1~ 30の炭化水素基としては、例えば炭素数1~30の アルキル基(具体的には、メチル基,エチル基, n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチル基,イ ブチル基,sec-ブチル基,n-アミル基,イソアミ 基,n-ヘキシル基,1-メチルペンチル基,4-メチ ペンチル基,1,3-ジメチルブチル基,n-オクチル 基,2-エチルヘキシル基,2,2,4-トリメチルペン ル基,2-オクチル基,n-デシル基,イソデシル基, ラウリル基,トリデシル基,パルミリスチル基, パルミチル基,ステアリル基,イソステアリル など)、炭素数6~30のシクロアルキル基(具体 には、シクロヘキシル基など)、あるいはフ ェニル基や炭素数7~30のアルキルアリール基( 体的には、p-アミルフェニル基,p-オクチル ェニル基,p-ノニルフェニル基,p-ドデシルフ ニル基,p-ペンタデシルフェニル基など)が挙 られる。

 R 1 ~R 4 は、好ましくはブチル基であり、R 5 は、好ましくはメチレン基である。また好ま しい(A)無灰ジチオカーバメート化合物として は、メチレンビスジブチルジチオカーバメー トが挙げられる。

 本発明においては(A)無灰ジチオカーバメ ト化合物は、一種を単独で用いてもよく、 種以上を組み合わせて用いてもよい。また (A)成分は、組成物全量基準で好ましくは0.1~ 5.0質量%、より好ましくは0.3~4.0質量%、さらに 好ましくは0.5~3.0質量%含まれる。0.1質量%を下 回ると、その摩擦低減効果が得られず、5.0質 量%を超えると、高温でスラッジを生成しや くなる。

 本発明においては(B)ペンタエリスリトー と炭素数12~20の分岐状脂肪酸とのエステル 使用する。ペンタエリスリトール以外の多 アルコールを使用すると、摩擦係数の低減 を十分に達成されることができず、また直 状脂肪酸の場合低温でエステルが固化し析 し易くなる。分岐状脂肪酸の炭素数が11以下 のときは、摩擦係数の低減化を達成されるこ とができず、21以上のときは低温でエステル 固化し析出し易くなる。

 上記炭素数12~20の分岐状脂肪酸としては イソノナン酸,イソトリデカン酸,イソパルミ チン酸,イソステアリン酸等が挙げられる。 ステル化合物中の分岐状脂肪酸は同一であ ても、異なっていてもよいが、好ましくは 和脂肪酸が用いられる。より好ましい例と ては、炭素数18の飽和の分岐状脂肪酸が挙げ られ、特にイソステアリン酸が好ましい。

 本発明の(B)成分の水酸基価は20~100mgKOH/g、 より好ましくは30~80mgKOH/gである。(B)成分の水 酸基価が20mgKOH/g未満のときは、摩擦低減効果 に劣り、伝達効率が低下する傾向があり、100 mgKOH/gを上回るとスラッジが発生しやすくな 。

 (B)成分は、従来公知のエステル化反応に りペンタエリスリトールと上記分岐状脂肪 から合成することができる。この合成時に いて、原料であるペンタエリスリトールと 岐状脂肪酸の量比を調整することで、(B)成 の水酸基価を上記の好ましい範囲内になる うに調整することができる。

 本発明の(B)成分は、一種を単独で用いて よく、二種以上を組み合わせて用いてもよ 。また、(B)成分は組成物全量基準で好まし は0.1~10質量%、より好ましくは0.3~8.0質量%、 らに好ましくは0.5~5質量%含まれる。0.1質量% を下回ると十分な伝達効率が得られず、10質 %を上回ると高温でスラッジを生成しやすく なる。

 本発明の潤滑油組成物には、本発明の目 が損なわれない範囲で、必要に応じて他の 加剤、例えば粘度指数向上剤、流動点降下 、無灰系分散剤、酸化防止剤、耐摩耗剤又 極圧剤、摩擦低減剤、防錆剤、界面活性剤 は抗乳化剤、消泡剤などを適宜配合するこ ができる。

 粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメ クリレート、分散型ポリメタクリレート、 レフィン系共重合体(例えば、エチレン-プ ピレン共重合体など)、分散型オレフィン系 重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチ レン-ジエン共重合体、スチレン-イソプレン 重合体など)などが挙げられる。
 これら粘度指数向上剤の配合量は、配合効 の点から、ギヤ油組成物全量基準で、通常0 .1~15質量%程度であり、好ましくは1~10質量%で る。

 流動点降下剤としては、例えば重量平均 子量が5000~50,000程度のポリメタクリレート どが挙げられる。

 金属系清浄剤としては、潤滑油に用いら る任意のアルカリ土類金属系清浄剤が使用 能であり、例えば、アルカリ土類金属スル ネート、アルカリ土類金属フェネート、ア カリ土類金属サリシレート及びこれらの中 ら選ばれる2種類以上の混合物等が挙げられ る。金属系清浄剤の含有量は、通常金属元素 換算量で1質量%以下であり、0.5質量%以下であ ることが好ましい。

 酸化防止剤としては、潤滑油に用いられ 任意の酸化防止剤が使用可能であり、例え 、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノ ル)等のフェノール系酸化防止剤やモノオク チルジフェニルアミン等のアミン系酸化防止 剤等が挙げられる。

 耐摩耗剤又は極圧剤としては、ジチオリ 酸亜鉛、ジチオカルバミン酸亜鉛、モリブ ンジチオリン酸エステル等の有機モリブデ 化合物、ジスルフィド類、硫化オレフィン 、硫化油脂類、硫化エステル類、チオカー ネート類、チオカーバメート類等の硫黄含 化合物;亜リン酸エステル類、リン酸エステ ル類、ホスホン酸エステル類、およびこれら のアミン塩または金属塩等のリン含有化合物 ;チオ亜リン酸エステル類、チオリン酸エス ル類、チオホスホン酸エステル類、及びこ らのアミン塩または金属塩等の硫黄及びリ 含有摩耗防止剤が挙げられる。

 摩擦低減剤としては、潤滑油用の摩擦低 剤として通常用いられている任意の化合物 使用可能であり、例えば(B)成分以外のエス ル化合物や、炭素数6~30のアルキル基または アルケニル基を分子中に少なくとも1個有す 、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エー ル、脂肪族アミン等の無灰摩擦低減剤が挙 られる。

 防錆剤としては、石油スルホネート、ア キルベンゼンスルホネート、バリウムスル ネート、ジノニルナフタレンスルホネート アルケニルコハク酸エステル、多価アルコ ルエステル等が挙げられる。これら防錆剤 配合量は、配合効果の点から、ギヤ油組成 全量基準で、通常0.01~1質量%程度であり、好 ましくは0.05~0.5質量%である。

 界面活性剤又は抗乳化剤としては、ポリ キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ エチレンアルキルフェニルエーテル及びポ オキシエチレンアルキルナフチルエーテル のポリアルキレングリコール系非イオン性 面活性剤等が挙げられる。

 消泡剤としては、シリコーン油、フルオ シリコーン油、フルオロアルキルエーテル よびポリアクリレート等が挙げられ、消泡 果および経済性のバランスなどの点から、 ヤ油組成物全量に基づき、0.0001~0.2質量%程 含有させることが好ましい。

 本発明を実施例によりさらに具体的に説 するが、本発明は、これらの例によってな ら限定されるものではない。

(基油)
基油1:鉱油〔ISO粘度グレード:VG 150、API分類: ループII基油〕
基油2:鉱油〔ISO粘度グレード:VG 220、API分類: ループII基油〕
基油3:鉱油〔ISO粘度グレード:VG 320、API分類: ループII基油〕

(無灰ジチオカーバメート化合物)
メチレンビスジブチルジチオカーバメートを 使用した。

(エステル)
 第1表に示す多価アルコールおよび脂肪酸を 用いて、エステル1~6を合成し、JIS K0070に基 き水酸基価(mgKOH/g)を測定した。

(その他添加剤)
 X-15179(アフトンケミカル製添加剤:硫黄、リ 系添加剤)を使用した。

 上記基油および添加剤を用いて、第2表-1 よび第2表-2に示す組成及び配合量で、実施 1~4および比較例1~10のギヤ油を調製した。な お、配合量は質量部で表した。

 上記の潤滑油組成物を用いて、下記の試 および測定を行った。結果を第2表-1および 2表-2に示す。

(LFW-1試験)
 下記のブロック・リングを用い、荷重30~50lb s、回転数1000rpm、油温40℃の条件で運転し、 擦係数を求めた。
ブロック材質:S-10
リング材質:H-60

(インディアナ酸化試験:IOT)
 温度121℃、312時間、空気量10L/hrの条件でIOT 験を行い、100mLをろ過してスラッジ量を測 した。

(実機伝達効率の測定法)
 以下の測定装置、測定条件および計算式を いて実機伝達効率を測定した。
[測定装置]
 以下の(1)~(6)の機器等がその番号順に並列に 連結してなる装置を使用した。
(1)モーター:「SF-JR」三菱電機製モーター
(2)入力トルク測定用トルクメーター:「TOR-5」 日計電測製トルクメーター
(3)ギヤユニット:「GL6-30」青木精密工業製ギ ユニット(減速比30:1、)
(4)出力トルク測定用トルクメーター:「TOR-100 日計電測製トルクメーター
(5)増速機:「ER-170」シンポ工業製増速機
(6)油圧ポンプ:「V-104C」トキメック製油圧ポ プ
 なお、(1)―(2)および(2)―(3)の連結には、三 プーリ製カップリング「CF-A-012-S12-1360」を 用し、(3)―(4)の連結には、三木プーリ製カ プリング「CF-A-050-S12-1360」を使用した。また 、ギヤユニット冷却用の送風機をギヤユニッ トから約1mの位置に設置した。

[測定条件]
 モーターを1800rpmで回転し、上記ギヤユニッ ト(減速比30:1)を駆動し、さらに増速機を介し て油圧ポンプを駆動した。油温が39±0.5℃に った時点でトルクメーターにより、入力ト ク(Ti)と出力トルク(To)を測定し、下記の計算 式によりエネルギー伝達効率を算出した。
 なお、実施例および比較例のギヤ油を用い 測定の前に、新日本石油(株)製ノンボックM4 60を用いて、なじみ運転(モーターの回転数:18 00rpm)を行った。

[伝達効率の計算]
 下記の計算式によりエネルギー伝達効率を 出した。
エネルギー伝達効率(%)=100×To/Ti/30=3.3333To/Ti

 実施例1および2のギヤ油組成物はMoDTCを含 有する比較例8と同等またはそれ以上に優れ 摩擦係数を示し、スラッジ発生量は10%程度 低減化される。また、歯車効率測定機によ 伝達効率が示すように、本発明により約0.5~1 .0%の伝達効率の向上が達成される。これに対 し、(A)成分または(B)成分を単独で含有する比 較例2および3においては、顕著な摩擦係数低 効果は見られない。また、水酸基価が20~100m gKOH/gではないエステル化合物、多価アルコー ルがペンタエリスリトールではないエステル 化合物または直鎖脂肪酸のエステル化合物を 含有する比較例4~7においては、摩擦係数の低 減化およびスラッジ発生の低減化の両立は達 成されない。

 本発明のギヤ油組成物は、伝達効率が高 、耐スラッジ性および極圧性を両立する。 たがって、省エネルギー化を達成すること 可能になる。