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Patent Searching and Data


Title:
GRAVURE ENGRAVING ROLL AND METHOD FOR PRODUCTION THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/120789
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a novel gravure engraving roll which has a surface-reinforced coating layer which is non-toxic and is free of the concern about pollution and which has excellent plate wear resistance. Also disclosed is a method for producing the gravure engraving roll. Specifically, the gravure engraving roll comprises: a base material; a copper-plated layer which is formed on the surface of the base material and has multiple gravure cells formed on it surface; a metal-plated under layer formed on the surface of the cupper-plated layer having the gravure cells formed thereon; a metal layer formed on the surface of the metal-plated under layer; a metal carbide layer which comprises a carbide of a metal contained in the metal layer and is formed on the surface of the metal layer; and a diamond-like carbon coating layer which covers the surface of the metal carbide layer, wherein the metal-plated under layer is a nickel-plated layer, a cobalt-plated layer or an iron-plated layer, and wherein the diamond-like carbon coating film is formed by PVD method.

Inventors:
SHIGETA TATSUO (JP)
INOUE MANABU (JP)
SATO TSUTOMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056461
Publication Date:
October 09, 2008
Filing Date:
April 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
THINK LABS KK (JP)
SHIGETA TATSUO (JP)
INOUE MANABU (JP)
SATO TSUTOMU (JP)
International Classes:
B41N1/06
Domestic Patent References:
WO2006132085A12006-12-14
Foreign References:
JP2004130718A2004-04-30
JP2003239083A2003-08-27
JPH06305270A1994-11-01
JP2005305545A2005-11-04
Attorney, Agent or Firm:
ISHIHARA, Shoji et al. (No. 302 Wakai Bldg., 7-8, Higashi-Ikebukuro 3-chome, Toshima-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 版母材と、該版母材の表面に設けられかつ表面に多数のグラビアセルが形成された銅めっき層と、該グラビアセルが形成された銅めっき層の表面に設けられた下地金属めっき層と、該下地金属めっき層の表面に設けられた金属層と、該金属層の表面に設けられた当該金属の炭化金属層と、該炭化金属層の表面を被覆するダイヤモンドライクカーボン被膜とを有し、前記下地金属めっき層がニッケルめっき層、コバルトめっき層又は鉄めっき層であり、前記ダイヤモンドライクカーボン被膜をPVD法により作成することを特徴とするグラビア製版ロール。
 前記金属層が、タングステン、珪素、チタン、クロム、タンタル、及びジルコニウムからなる群から選ばれる一種又は二種以上の金属からなることを特徴とする請求項1記載のグラビア製版ロール。
 前記炭化金属層が、炭化金属傾斜層であって、該炭化金属傾斜層における炭素の組成比が前記金属層側から前記ダイヤモンドライクカーボン被膜方向に対して炭素の比率が徐々に増大するように設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載のグラビア製版ロール。
 前記銅めっき層の厚さが50~200μm、前記グラビアセルの深度が5~150μm、前記下地金属めっき層の厚さが0.1~5μm、前記金属層の厚さが0.1~1μm、前記炭化金属層の厚さが0.1~1μm、及び前記ダイヤモンドライクカーボン被膜の厚さが0.1~10μmであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載のグラビア製版ロール。
 版母材と、該版母材の表面に設けられかつ表面に多数のグラビアセルが形成された銅めっき層と、該グラビアセルが形成された銅めっき層の表面に設けられた下地金属めっき層と、該下地金属めっき層の表面を被覆するダイヤモンドライクカーボン被膜とを有し、前記下地金属めっき層がニッケルめっき層、コバルトめっき層又は鉄めっき層であり、前記ダイヤモンドライクカーボン被膜をPVD法により作成することを特徴とするグラビア製版ロール。
 前記銅めっき層の厚さが50~200μm、前記グラビアセルの深度が5~150μm、前記下地金属めっき層の厚さが0.1~5μm、及び前記ダイヤモンドライクカーボン被膜の厚さが0.1~10μmであることを特徴とする請求項5記載のグラビア製版ロール。
 版母材を準備する工程と、該版母材の表面に銅めっき層を形成する銅めっき工程と、該銅めっき層の表面に多数のグラビアセルを形成するグラビアセル形成工程と、該グラビアセルが形成された銅めっき層の表面に下地金属めっき層を形成する下地金属めっき層形成工程と、該下地金属めっき層の表面に金属層を形成する金属層形成工程と、該金属層の表面に当該金属の炭化金属層を形成する炭化金属層形成工程と、該炭化金属層の表面にダイヤモンドライクカーボン被膜を形成するダイヤモンドライクカーボン被膜形成工程とを有し、前記下地金属めっき層がニッケルめっき層、コバルトめっき層又は鉄めっき層であり、前記ダイヤモンドライクカーボン被膜をPVD法により作成することを特徴とするグラビア製版ロールの製造方法。
 前記金属層が、タングステン、珪素、チタン、クロム、タンタル、及びジルコニウムからなる群から選ばれる一種又は二種以上の金属からなることを特徴とする請求項7記載のグラビア製版ロールの製造方法。
 前記炭化金属層が、炭化金属傾斜層であって、該炭化金属傾斜層における炭素の組成比が前記金属層側から前記ダイヤモンドライクカーボン被膜方向に対して炭素の比率が徐々に増大するように設定することを特徴とする請求項7又は8記載のグラビア製版ロールの製造方法。
 前記銅めっき層の厚さが50~200μm、前記グラビアセルの深度が5~150μm、前記下地金属めっき層の厚さが0.1~5μm、前記金属層の厚さが0.1~1μm、前記炭化金属層の厚さが0.1~1μm、及び前記ダイヤモンドライクカーボン被膜の厚さが0.1~10μmであることを特徴とする請求項7~9のいずれか1項記載のグラビア製版ロールの製造方法。
 版母材を準備する工程と、該版母材の表面に銅めっき層を形成する銅めっき工程と、該銅めっき層の表面に多数のグラビアセルを形成するグラビアセル形成工程と、該グラビアセルが形成された銅めっき層の表面に下地金属めっき層を形成する下地金属めっき層形成工程と、該下地金属めっき層の表面にダイヤモンドライクカーボン被膜を形成するダイヤモンドライクカーボン被膜形成工程とを有し、前記下地金属めっき層がニッケルめっき層、コバルトめっき層又は鉄めっき層であり、前記ダイヤモンドライクカーボン被膜をPVD法により作成することを特徴とするグラビア製版ロールの製造方法。
 前記銅めっき層の厚さが50~200μm、前記グラビアセルの深度が5~150μm、前記下地金属めっき層の厚さが0.1~5μm、及び前記ダイヤモンドライクカーボン被膜の厚さが0.1~10μmであることを特徴とする請求項11記載のグラビア製版ロールの製造方法。
Description:
グラビア製版ロール及びその製 方法

 本発明は、クロムめっきを用いることな 、充分な強度を有する表面強化被覆層を具 することができるようにしたグラビア製版 ール及びその製造方法に関し、特にクロム に替わる表面強化被覆層としてダイヤモン ライクカーボン(DLC)被膜を設けるようにし グラビア製版ロール及びその製造方法に関 る。

 グラビア印刷では、グラビア製版ロール( グラビアシリンダー)に対し、製版情報に応 た微小な凹部(グラビアセル)を形成して版面 を製作し当該グラビアセルにインキを充填し て被印刷物に転写するものである。一般的な グラビア製版ロールにおいては、アルミニウ ムや鉄などの版母材の表面に版面形成用の銅 めっき層(版材)を設け、該銅めっき層にエッ ングによって製版情報に応じ多数の微小な 部(グラビアセル)を形成し、次いでグラビ 製版ロールの耐刷力を増すためのクロムめ きによって硬質のクロム層を形成して表面 化被覆層とし、製版(版面の製作)が完了する 。しかし、クロムめっき工程においては毒性 の高い六価クロムを用いているために、作業 の安全維持を図るために余分なコストがかか る他、公害発生の問題もあり、クロム層に替 わる表面強化被覆層の出現が待望されている のが現状である。

 一方、グラビア製版ロール(グラビアシリン ダー)の製造について、セルを形成した銅め き層にダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜 を形成し、表面強化被覆層として用いる技術 は知られているが(特許文献1)、DLC被膜は銅と の密着性が弱く、剥離し易いという問題があ った。また、本願出願人は、版母材にゴム又 は樹脂層を形成し、その上にダイヤモンドラ イクカーボン(DLC)の被膜を形成した後、セル 形成し、グラビア印刷版を製造する技術を でに提案している(特許文献2~4)。

特開平4-282296号公報

特開平11-309950号公報

特開平11-327124号公報

特開2000-15770号公報

 本発明者らは、上記した従来技術の問題 に鑑み、クロム層に替わる表面強化被覆層 ついて鋭意研究を続けたところ、特定の下 金属めっき層と、金属層と、炭化金属層と ダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜とを み合わせて用いることによってクロム層に 敵する強度を有しかつ毒性はなく公害発生 心配も全くない表面強化被覆層を得ること できることを見出し、本発明を完成した。

 本発明は、毒性がなくかつ公害発生の心 も皆無な表面強化被覆層を具備するととも 耐刷力に優れた新規なグラビア製版ロール びその製造方法を提供することを目的とす 。

 上記課題を解決するために、本発明のグ ビア製版ロールの第1の態様は、版母材と、 該版母材の表面に設けられかつ表面に多数の グラビアセルが形成された銅めっき層と、該 グラビアセルが形成された銅めっき層の表面 に設けられた下地金属めっき層と、該下地金 属めっき層の表面に設けられた金属層と、該 金属層の表面に設けられた当該金属の炭化金 属層と、該炭化金属層の表面を被覆するダイ ヤモンドライクカーボン被膜とを有し、前記 下地金属めっき層がニッケル(Ni)めっき層、 バルト(Co)めっき層又は鉄(Fe)めっき層であり 、前記ダイヤモンドライクカーボン被膜をPVD 法により作成することを特徴とする。

 本発明のグラビア製版ロールの第2の態様 は、版母材と、該版母材の表面に設けられか つ表面に多数のグラビアセルが形成された銅 めっき層と、該グラビアセルが形成された銅 めっき層の表面に設けられた下地金属めっき 層と、該下地金属めっき層の表面を被覆する ダイヤモンドライクカーボン被膜とを有し、 前記下地金属めっき層がニッケルめっき層、 コバルトめっき層又は鉄めっき層であり、前 記ダイヤモンドライクカーボン被膜をPVD法に より作成することを特徴とする。

 本発明のグラビア製版ロールの製造方法 第1の態様は、版母材を準備する工程と、該 版母材の表面に銅めっき層を形成する銅めっ き工程と、該銅めっき層の表面に多数のグラ ビアセルを形成するグラビアセル形成工程と 、該グラビアセルが形成された銅めっき層の 表面に下地金属めっき層を形成する下地金属 めっき層形成工程と、該下地金属めっき層の 表面に金属層を形成する金属層形成工程と、 該金属層の表面に当該金属の炭化金属層を形 成する炭化金属層形成工程と、該炭化金属層 の表面にダイヤモンドライクカーボン被膜を 形成するダイヤモンドライクカーボン被膜形 成工程とを有し、前記下地金属めっき層がニ ッケルめっき層、コバルトめっき層又は鉄め っき層であり、前記ダイヤモンドライクカー ボン被膜をPVD法により作成することを特徴と する。

 本発明のグラビア製版ロールの製造方法 第2の態様は、版母材を準備する工程と、該 版母材の表面に銅めっき層を形成する銅めっ き工程と、該銅めっき層の表面に多数のグラ ビアセルを形成するグラビアセル形成工程と 、該グラビアセルが形成された銅めっき層の 表面に下地金属めっき層を形成する下地金属 めっき層形成工程と、該下地金属めっき層の 表面にダイヤモンドライクカーボン被膜を形 成するダイヤモンドライクカーボン被膜形成 工程とを有し、前記下地金属めっき層がニッ ケルめっき層、コバルトめっき層又は鉄めっ き層であり、前記ダイヤモンドライクカーボ ン被膜をPVD法により作成することを特徴とす る。

 前記金属層が、タングステン(W)、珪素(Si) 、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、及び ジルコニウム(Zr)からなる群から選ばれる一 又は二種以上の金属からなることが好まし 。

 前記炭化金属層が、炭化金属傾斜層であ て、該炭化金属傾斜層における炭素の組成 が前記金属層側から前記ダイヤモンドライ カーボン被膜方向に対して炭素の比率が徐 に増大するように設定されていることが好 しい。

 前記銅めっき層の厚さが50~200μm、前記グ ビアセルの深度が5~150μm、前記下地金属め き層の厚さが0.1~5μm、前記金属層の厚さが0.1 ~1μm、前記炭化金属層の厚さが0.1~1μm、及び 記ダイヤモンドライクカーボン被膜の厚さ 0.1~10μmであるのが好ましい。前記金属層及 炭化金属層の形成を省略する場合でも各層 及び膜厚は同様の数値を採用することがで る。

 前記グラビアセルの形成は、エッチング 又は電子彫刻法によって行えばよいが、エ チング法が好適である。ここでエッチング はグラビアシリンダーの銅表面に感光液を 布して直接焼き付けた後、エッチングして ラビアセルを形成する方法である。電子彫 法は、デジタル信号によりダイヤモンド彫 針を機械的に作動させグラビアシリンダー 銅表面にグラビアセルを彫刻する方法であ 。

 本発明によれば、特定の下地金属めっき と、金属層と、炭化金属層と、ダイヤモン ライクカーボン(DLC)被膜とを組み合わせ又 特定の下地金属めっき層と、ダイヤモンド イクカーボン(DLC)被膜とを組み合わせて用い ることによって、表面強化被覆層として密着 性の高いダイヤモンドライクカーボン(DLC)被 を形成することができ、従って、クロムめ き工程を省略することができるので、毒性 高い六価クロムを用いることがなくなり、 業の安全性を図るための余分なコストが不 で、公害発生の心配も全くなく、しかもダ ヤモンドライクカーボン(DLC)被膜はクロム に匹敵する強度を有し耐刷力にも優れると う大きな効果を奏するものである。

本発明のグラビア製版ロールの製造方 の一つの工程例を模式的に示す説明図で、( a)は版母材の全体断面図、(b)は版母材の表面 銅めっき層を形成した状態を示す部分拡大 面図、(c)は版母材の銅めっき層にグラビア ルを形成した状態を示す部分拡大断面図、( d)は版母材の銅めっき層表面に下地金属めっ 層を形成した状態を示す部分拡大断面図、( e)は版母材の下地金属めっき層表面に金属層 形成した状態を示す部分拡大断面図、(f)は 母材の金属層表面に炭化金属層を形成した 態を示す部分拡大断面図、(g)は版母材の炭 金属層表面にダイヤモンドライクカーボン( DLC)被膜を被覆した状態を示す部分拡大断面 である。 図1に示した本発明のグラビア製版ロー ルの製造方法のフローチャートである。 図1の製造方法によって製造される本発 明のグラビア製版ロールの一例を示す要部の 拡大断面図である。 本発明のグラビア製版ロールの製造方 の他の工程例を模式的に示す説明図で、(a) 版母材の全体断面図、(b)は版母材の表面に めっき層を形成した状態を示す部分拡大断 図、(c)は版母材の銅めっき層にグラビアセ を形成した状態を示す部分拡大断面図、(d) 版母材の銅めっき層表面に下地金属めっき を形成した状態を示す部分拡大断面図、(e) 版母材の下地金属めっき層表面にダイヤモ ドライクカーボン(DLC)被膜を被覆した状態 示す部分拡大断面図である。 図4に示した本発明のグラビア製版ロー ルの製造方法のフローチャートである。 図4の製造方法によって製造される本発 明のグラビア製版ロールの一例を示す要部の 拡大断面図である。

符号の説明

 10:版母材(中空ロール)、10a:グラビア製版 ール、12:銅めっき層、14:グラビアセル、15: 地金属めっき層、16:金属層、18:炭化金属層 20:ダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜。

 以下に本発明の実施の形態を説明するが これら実施の形態は例示的に示されるもの 、本発明の技術思想から逸脱しない限り種 の変形が可能なことはいうまでもない。

 本発明方法の一例を図1~図3を用いて説明 る。図1(a)及び図3において、符号10は版母材 で、アルミニウム、鉄又は炭素繊維強化樹脂 (CFRP)等からなる中空ロールが用いられる(図2 ステップ100)。該中空ロール10の表面には銅 っき処理によって銅めっき層12が形成され (図2のステップ102)。

 該銅めっき層12の表面には多数の微小な 部(グラビアセル)14が形成される(図2のステ プ104)。グラビアセル14の形成方法としては エッチング法(銅表面に感光液を塗布して直 焼き付けた後、エッチングしてグラビアセ 14を形成する)や電子彫刻法(デジタル信号に よりダイヤモンド彫刻針を機械的に作動させ 銅表面にグラビアセル14を彫刻する)等の公知 の方法を用いることができるが、エッチング 法が好適である。

 次に、グラビアセル14を形成した銅めっ 層12(グラビアセル14を含む)の表面に下地金 めっき層15を形成する(図2のステップ106)。該 下地金属めっき層15は、ニッケルめっき層、 バルトめっき層、又は鉄めっき層である。 ニッケルめっき層、コバルトめっき層及び めっき層はそれぞれ公知のめっき方法によ 形成することができる。

 次に、前記下地金属めっき層15の表面に 属層16を形成する(図2のステップ108)。さらに 、この金属層16の表面に当該金属の炭化金属 、好ましくは炭化金属傾斜層18を形成する( 2のステップ110)。金属層16及び炭化金属層、 好ましくは炭化金属傾斜層18の形成方法とし は、PVD法、例えば、スパッタリング法、真 蒸着法(エレクトロンビーム法)、イオンプ ーティング法、MBE(分子線エピタキシー法)、 レーザーアブレーション法、イオンアシスト 成膜法等を適用できるが、スパッタリング法 が好適である。

 ここで、スパッタリング法は、薄膜にし い材料(ターゲット材料)にイオンをぶつけ と材料がはね飛ばされるが、このはね飛ば れた材料を基板上に堆積させ薄膜を作製す 方法であり、ターゲット材料の制約が少な 、薄膜を大面積に再現性よく作製できるな の特徴がある。

 真空蒸着法(エレクトロンビーム法)は、 膜にしたい材料に電子ビームを照射し加熱 発させ、この蒸発させた材料を基板上に付 (堆積)させ、薄膜を作製する方法であり、成 膜速度が速く基板へのダメージが少ない等の 特徴がある。

 イオンプレーティング法は、薄膜にした 材料を蒸発させた後、高周波(RF)(RFイオンプ レーティング法)又はアーク(アークイオンプ ーティング法)によりイオン化させた基板上 に堆積させ薄膜を作製する方法であり、成膜 速度が速い、付着強度が大きい等の特徴があ る。

 分子線エピタキシー法は、超高真空中で 料物質を蒸発させ、加熱した基板上へ供給 薄膜を形成する方法である。

 レーザーアブレーション法は、ターゲッ に高密度化したレーザーパルスを入射する とによりイオンを放出させ、対向の基板上 薄膜を形成する方法である。

 イオンアシスト成膜法は、真空容器内に 発源とイオン源とを設置し、イオンを補助 に利用して成膜する方法である。

 前記金属層16を構成する金属としては、 ングステン,珪素,チタン,クロム,タンタル,及 びジルコニウム等を用いることができる。

 前記炭化金属層、好ましくは炭化金属傾 層18における金属は前記金属層16と同一の金 属を用いる。炭化金属傾斜層18における炭素 組成比は金属層16側から後述するダイヤモ ドライクカーボン(DLC)被膜20方向に対して炭 の比率が徐々に増大するように設定する。 まり、炭素の組成比は0%から徐々に(階段状 しくは無階段状に)比率を増し、最後はほぼ 100%となるように成膜を行う。

 この場合、炭化金属層、好ましくは炭化 属傾斜層18中の炭素の組成比の調整方法は 知の方法を用いればよいが、例えば、スパ タリング法(固体金属ターゲットを用い、不 性ガス、例えば、アルゴンガス雰囲気で炭 水素ガス、例えば、メタンガス、エタンガ 、プロパンガス、ブタンガス、アセチレン ス等の注入量を階段状又は無階段状に徐々 増大する)によって、炭化金属層18中の炭素 割合が金属層16の側からダイヤモンドライ カーボン(DLC)被膜20方向に対して階段状又は 階段状に徐々に増大するように炭素及び金 の両者の組成割合を変化させた炭化金属層 即ち炭化金属傾斜層18を形成することがで る。

 このように炭化金属層18の炭素の割合を 整することによって金属層16及びダイヤモン ドライクカーボン(DLC)被膜20の双方に対する 化金属層18の密着度を向上させることができ る。また、炭化水素ガスの注入量を一定とす れば、炭素及び金属の組成割合を一定とした 炭化金属層とすることができ、炭化金属傾斜 層と同様の作用を行わせることができる。

 続いて、前記炭化金属層、好ましくは炭 金属傾斜層18の表面にダイヤモンドライク ーボン(DLC)被膜20を被覆形成する(図2のステ プ112)。ダイヤモンドライクカーボン(DLC)被 20の形成方法としては、PVD法を適用する。PVD 法としては、スパッタリング法、真空蒸着法 (エレクトロンビーム法)、イオンプレーティ グ法、MBE(分子線エピタキシー法)、レーザ アブレーション法、イオンアシスト成膜法 を挙げることができるが、スパッタリング が好適である。

 前記銅めっき層12の厚さが50~200μm、前記 ラビアセル14の深度が5~150μm、前記下地金属 っき層15の厚さが0.1~5μm、前記金属層16の厚 が0.1~1μm、前記炭化金属層18の厚さが0.1~1μm 及び前記ダイヤモンドライクカーボン被膜2 0の厚さが0.1~10μmであるのが好ましい。

 上記したダイヤモンドライクカーボン(DLC )被膜20により前記炭化金属層18の表面を被覆 、このダイヤモンドライクカーボン(DLC)被 20を表面強化被覆層として作用させることに よって、毒性がなくかつ公害発生の心配も皆 無となるとともに耐刷力に優れたグラビア製 版ロール10a(図3)を得ることができる。

 図1~3に示した本発明の一つの実施の形態 は、版母材10と、該版母材10の表面に設けら れかつ表面に多数のグラビアセル14が形成さ た銅めっき層12と、該グラビアセル14が形成 された銅めっき層12の表面に設けられた下地 属めっき層15と、該下地金属めっき層15の表 面に設けられた金属層16と、該金属層16の表 に設けられた当該金属の炭化金属層18と、該 炭化金属層18の表面を被覆するダイヤモンド イクカーボン被膜20とを有するグラビア製 ロール10aについて説明したが、図4~6に示し ように上記した金属層16と炭化金属層18の形 を省略する構成とすることも可能である。 4~6において、図1~3における部材及び工程に いては同一の符号を用いて図示した。図4~6 実施の形態においては、図1~3の実施の形態 おいて金属層16と炭化金属層18の形成を省略 しただけで他の構成は同一であるので重複を 避けるため再度の説明は省略する。

 以下に実施例をあげて本発明をさらに具 的に説明するが、これらの実施例は例示的 示されるもので限定的に解釈されるべきで いことはいうまでもない。

(実施例1)
 円周600mm、面長1100mmのグラビアシリンダー( ルミ中空ロール)をめっき槽に装着し、陽極 室をコンピューターシステムによる自動スラ イド装置で20mmまで中空ロールに近接させ、 っき液をオーバーフローさせ、中空ロール 全没させて18A/dm 2 、6.0Vで80μmの銅めっき層を形成した。めっき 時間は20分、めっき表面はブツやピットの発 がなく、均一な銅めっき層を得た。

 上記形成した銅めっき層に感光膜をコー して画像をレーザー露光し現像しバーニン してレジスト画像を形成し、次いでプラズ エッチング等のドライエッチングを行って ラビアセルからなる画像を彫り込み、その レジスト画像を取り除くことにより印刷版 形成した。このとき、グラビアセルの深度 10μmとした中空ロールを作製した。

 この中空ロールに対してコバルトめっき槽 よって下記する条件でコバルトめっきを施 て厚さ1μmのコバルトめっき層を形成した。
         コバルトめっき液組成
         硫酸コバルト   250g/L
         塩化コバルト   40g/L
         ホウ酸      30g/L
         pH       4.5
         液温度      50℃
         電流密度     2A/dm 2
         めっき時間    3分間

 このコバルトめっき層の上面にスパッタ ング法によってタングステン層を形成した スパッタリング条件は次の通りである。タ グステン試料:固体タングステンターゲット 、雰囲気:アルゴンガス雰囲気、成膜温度:200~ 300℃、成膜時間:60分、成膜厚さ:0.1μm。

 次に、タングステン層の上面に炭化タン ステン層を形成した。スパッタリング条件 次の通りである。タングステン試料:固体タ ングステンターゲット、雰囲気:アルゴンガ 雰囲気で炭化水素ガスを徐々に増加、成膜 度:200~300℃、成膜時間:60分、成膜厚さ:0.1μm

 さらに、炭化タングステン層の上面にス ッタリング法によってダイヤモンドライク ーボン(DLC)被膜を被覆形成した。スパッタ ング条件は次の通りである。DLC試料:固体カ ボンターゲット、雰囲気:アルゴンガス雰囲 気、成膜温度:200~300℃、成膜時間:150分、成膜 厚さ:1μm。このようにして、グラビア製版ロ ル(グラビアシリンダー)を完成した。

 上記したグラビアシリンダーを用いて、 性インキを適用してOPPフィルム(Oriented Polyp ropylene Film:2軸延伸ポリプロピレンフィルム) 用いて印刷テスト(印刷速度:200m/分、OPPフィ ルムの長さ:4000m)を行った。得られた印刷物 いずれも版カブリがなく、転移性が良好で った。この結果として、ダイヤモンドライ カーボン(DLC)被膜は従来のクロム層に匹敵す る性能を有し、クロム層代替品として充分使 用できることを確認した。

(実施例2)
 中空ロールに対してコバルトめっきの替わ に厚さ1μmのニッケルめっき層を下記の条件 で形成した以外は実施例1と同様に処理して ラビア製版ロールを完成した。
        ニッケルめっき液組成
        硫酸ニッケル   250g/L
        塩化ニッケル   40g/L
        ホウ酸      30g/L
        pH       4.5
        液温度      50℃
        電流密度     2A/dm 2
        めっき時間    3分間

 このグラビアシリンダーを用いて同様に 刷テストを行ったところ、同様に版カブリ なく、転移性が良好な印刷物を得ることが きた。この実施例においてもダイヤモンド イクカーボン(DLC)被膜は従来のクロム層に 敵する性能を有し、クロム層代替品として 分使用できることを確認した。

(実施例3)
 実施例1及び2において、金属層と炭化金属 の形成を省略し、コバルトめっき層及びニ ケルめっき層の表面に直接ダイヤモンドラ クカーボン被膜を形成して同様の実験を行 たところ、ほぼ同等の結果が得られること 確認した。

(実施例4)
 タングステン試料の代わりに、珪素試料、 タン試料、クロム試料、タンタル試料又は ルコニウム試料を用いた以外は実施例1~3と 様の実験を行ったところ、ほぼ同等の結果 得られることを確認した。