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Title:
GRAVURE PLATE WITH CUSHION PROPERTY AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133105
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for producing a printing plate, especially a gravure plate with cushion property. This gravure plate due to its cushion property allows direct gravure printing not using any blanket roll on a hard matter to be printed and ensures favorable gravure printing on a rough surface like corrugated board printing. The gravure plate is suitable for color printing of a matrix image for constituting a color filter on a glass for liquid crystal panel, or color printing of an image on a compact disk, etc. The gravure plate comprises a cushion layer consisting of a rubber or resin with cushion property; a photosensitive plate material layer having photopolymerizability and, at least after photopolymerization reaction, having cushion property and plate life, provided on the surface of the cushion layer; gravure cells provided on the surface of the photosensitive plate material layer; and a silicon dioxide coating provided on the surface of the photosensitive plate material layer provided with the gravure cells, wherein the silicon dioxide coating is formed from a perhydropolysilazane solution.

Inventors:
SATO TSUTOMU (JP)
SHIGETA TATSUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057330
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
THINK LABS KK (JP)
SATO TSUTOMU (JP)
SHIGETA TATSUO (JP)
International Classes:
B41N1/12; C01B33/12; G03F7/00; G03F7/40
Domestic Patent References:
WO2007013333A12007-02-01
WO2007135900A12007-11-29
Foreign References:
JP2000199949A2000-07-18
Attorney, Agent or Firm:
ISHIHARA, Shoji et al. (No. 302 Wakai Bldg.,7-8, Higashi-Ikebukuro 3-chome,Toshima-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 ゴムまたはクッション性を有する樹脂からなるクッション層と、該クッション層の表面に形成されかつ光重合性を有し、少なくとも光重合反応後においてクッション性と耐刷力を有する感光性版材層と、該感光性版材層の表面に形成されたグラビアセルと、該グラビアセルを形成した該感光性版材層の表面に形成された二酸化珪素被膜と、を含み、ペルヒドロポリシラザン溶液を用いて前記二酸化珪素被膜を形成することを特徴とするクッション性を有するグラビア版。
 前記クッション層が露出しないように、前記感光性版材層の表面にグラビアセルを形成することを特徴とする請求項1記載のクッション性を有するグラビア版。
 前記クッション層が露出するように、前記感光性版材層の表面にグラビアセルを形成することを特徴とする請求項1記載のクッション性を有するグラビア版。
 請求項1~3のいずれか1項記載のクッション性を有するグラビア版の製造方法であって、
 ゴムまたはクッション性を有する樹脂からなるクッション層の表面に、光重合性を有し、少なくとも光重合反応後においてクッション性と耐刷力を有する感光性版材層を形成する工程と、
 該感光性版材層の表面にグラビアセルを形成する工程と、
 該グラビアセルを形成した該感光性版材層の表面を被覆する二酸化珪素被膜を形成する工程と、を有し、
 ペルヒドロポリシラザン溶液を用いて前記二酸化珪素被膜を形成することを特徴とするクッション性を有するグラビア版の製造方法。
 前記二酸化珪素被膜を形成する方法が、
 前記感光性版材層の表面にペルヒドロポリシラザン溶液を塗布しペルヒドロポリシラザン塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
 前記塗布されたペルヒドロポリシラザン塗布膜を過熱水蒸気によって所定の条件で加熱処理して二酸化珪素被膜を前記感光性版材層の表面に形成する工程と、を有し、
 前記加熱処理が第1次及び第2次加熱処理を含む複数段の加熱処理であり、第1次加熱処理の条件を100℃~170℃、1分~30分、及び第2次加熱処理の条件を140℃~200℃、1分~30分とし、第2次加熱処理の温度を第1次加熱処理の温度よりも高く設定することを特徴とする請求項4記載のクッション性を有するグラビア版の製造方法。
 前記加熱処理によって形成された二酸化珪素被膜の表面を冷水又は温水で洗浄する工程をさらに有することを特徴とする請求項4又は5記載のクッション性を有するグラビア版の製造方法。
 前記二酸化珪素被膜の厚さが0.1~5μmであることを特徴とする請求項4~6のいずれか1項記載のクッション性を有するグラビア版の製造方法。
Description:
クッション性を有するグラビア 及びその製造方法

 本発明は、段ボール等の粗面に印刷した 、あるいはコンパクトディスク等に画像を 刷したり、あるいは液晶パネル用ガラスへ ラーフィルタを構成するためのマトリック 画像をカラー印刷するのに好適なクッショ 性を有するグラビア版の製造方法に関する

 従来、印刷版、特に、液晶パネル用ガラ へカラーフィルタを構成するためのマトリ クス画像をカラー印刷したり、あるいはコ パクトディスク等に画像をカラー印刷する は、グラビアオフセット印刷または水なし フセット印刷が採用されてきており、グラ ア印刷は採用されてこなかった。その理由 、グラビア印刷は、クッション性がないの 印圧が増大するとガラスを割ってしまった 、コンパクトディスク等に歪みを与えるお れがあるので、ゴムからなるブランケット ールを介して印刷することにより、印圧が 大するときはゴムの変形により印圧の増大 抑制できるグラビアオフセット印刷が適切 からである。

 液晶パネル用ガラスへカラー印刷するに 、ガラスに転移した直後のウエットのイン の膜厚を均一な5~6μmとして、ドライなイン の膜厚を均一な1~1.5μmとして、バックライ 光を均一に透過しかつ高い透過率を保障す 必要がある。また、コンパクトディスク等 画像をカラー印刷するには、画像がシャー に得られる限度にインキの膜厚を可能な限 薄くする必要がある。その理由は、コンパ トディスク等に印刷する画像は、中心に対 て偏って印刷されるので、画像を形成して るインキの重量が、次世代のコンパクトデ スク装置の流体動圧軸受を採用したスピン ルモータの高速回転化にともなって、アン ランス回転の原因として無視できなくなる とが分かったからである。

 従来のグラビア印刷版は、銅メッキの表 部に深さが15~25μmとなるようにセルを形成 る必要があり、そうすると、ウエットのイ キの膜厚が15~25μmとなるから、液晶パネル用 ガラスへカラー印刷する、あるいはコンパク トディスク等に画像をカラー印刷するのには インキの膜厚が厚すぎて適していない。

 従来のグラビア印刷版において、銅メッ の表面に深さが5~6μmとなるようにエッチン し、セルをエッチング形成できないのは、 ルの大きさにより、エッチング速度にバラ キが出来、セルの深度が均一にならないた である。セルの輪郭や底面に凹凸が生じた 、大きさによって深度が異なったセルがで るのは避けられない。特にシャドウ部の大 なセルについて、深さが5~6μmとなるように きても、ハイライト部の小さなセルについ は、輪郭や底面に凹凸が生じる確率が高く 深さが5~6μmになるようにすることはほとん 望めない。

 そこで、セルの深さが5~6μmのグラビア版 確実に得るには、ガラスに画像を焼き付け 現像しフッ酸によりエッチングすることに り深さが均一なかなり正確なセルを形成す ことができる。ただし、これは、グラビア 刷とはならず、ブランケットロールを介し 印刷を行うグラビアオフセット印刷となる

 こうして、従来は、液晶パネル用ガラス カラー印刷したり、あるいはコンパクトデ スク等にカラー印刷するには、グラビアオ セット印刷、または水なし平版オフセット 刷が採用されてきており、グラビア印刷は 用されてこなかった。

 他方、従来のフレキソ版(樹脂凸版)は、 硬化性樹脂にマスクフィルムを重ねて、紫 線で露光するか、または半導体サーマルレ ザ、YAGレーザ等を照射して現像する、又は 硬化性樹脂にカーボンブラックの被膜を塗 し、レーザーでカーボンブラックを焼飛ば てポジ画像を形成し、紫外線により最初の 硬化性樹脂を焼き付けて現像することによ 製版している。

 しかしながら、従来の印刷法によって製 される液晶パネル用カラーフィルタは、画 のシャープさが低く、線画像のエッジの乱 、線画像の凹凸があり、フィルム法によっ 製作される液晶パネル用カラーフィルタに べて著しく品質が劣り、このため、玩具関 にしか用途が広がらず、TFTの付いているコ ピュータディスプレイや液晶テレビジョン の高級品には全く採用されていない。

 グラビアオフセット印刷によって製作さ る液晶パネル用カラーフィルタの品質が劣 原因は、次のように考えられる。グラビア フセット印刷は、ブランケットロールから ラス等の被印刷物にインキを転移させる際 多少なりとも印圧が加わる。該印圧は、イ キを押圧するので、インキの輪郭が外側に がりあるいは乱れ、これが、解像性或いは 細性の指標として用いるラインアンドスペ スの数値を小さくできない原因の一つであ 。また、転移するインキが版からブランケ トロールに、さらにブランケットロールか ガラス等の被印刷物に、それぞれ100%の確率 で転移しないときは、インキが引きちぎられ る結果となり、ガラス等の被印刷物に印刷さ れるインキの膜厚は均一でなく表面に凹凸が できる。

 グラビアオフセット印刷機械の高精度を くら追求しても、印圧をかける必要があり 印圧の変動を抑えることは不可能である。 って、印圧がかかり、印圧が変動すること 必須なので、ブランケットロールから液晶 ネル用ガラスに100%の確率でインキを転移さ せることは、実験ではできたとしても、実用 化はとても困難であると考えられる。

 他方、従来のフレキソ版(樹脂凸版)は、 硬化性樹脂を使用しているので、小さなド トを柱状に形成すると容易に折損してしま 、硬化樹脂の脆性を解消できず、高精細な を作ることができなかった。

 そこで、本願出願人は、ゴムまたはクッシ ン性を有する樹脂からなるクッション層に 光性版材層を形成し、感光性版材層の表面 グラビア画像を有するマスクを積層し又は ね、紫外線を照射し、マスクを取り除いて 像して前記感光性版材層にグラビアセルを 成し、次いで、DLC膜を形成する、クッショ 性を有するグラビア版の製造方法を既に提 した(特許文献1)。

特開2000-199949号公報

 本発明は、上述した点に鑑み案出された ので、印刷版、特に、クッション性を有す ことにより、硬質な被印刷物に対してブラ ケットロールを用いないダイレクトなグラ ア印刷が可能であり、段ボール印刷等、粗 に対するグラビア印刷が良好に行えて、液 パネル用ガラスへカラーフィルタを構成す ためのマトリックス画像をカラー印刷する あるいはコンパクトディスク等に画像をカ ー印刷するのに好適であるクッション性を するグラビア版の製造方法を提供すること 目的としている。

 上記課題を解決するために、本発明のク ション性を有するグラビア版は、ゴムまた クッション性を有する樹脂からなるクッシ ン層と、該クッション層の表面に形成され つ光重合性を有し、少なくとも光重合反応 においてクッション性と耐刷力を有する感 性版材層と、該感光性版材層の表面に形成 れたグラビアセルと、該グラビアセルを形 した該感光性版材層の表面に形成された二 化珪素被膜と、を含み、ペルヒドロポリシ ザン溶液を用いて前記二酸化珪素被膜を形 することを特徴とする。

 本発明のクッション性を有するグラビア版 製造方法は、ゴムまたはクッション性を有 る樹脂からなるクッション層の表面に、光 合性を有し、少なくとも光重合反応後にお てクッション性と耐刷力を有する感光性版 層を形成する工程と、該感光性版材層の表 にグラビアセルを形成する工程と、該グラ アセルを形成した該感光性版材層の表面を 覆する二酸化珪素被膜を形成する工程とを し、ペルヒドロポリシラザン溶液を用いて 記二酸化珪素被膜を形成することを特徴と る。
 本発明方法は本発明のグラビア版を製造す ために用いられる。前記感光性版材層は、 なくとも光重合反応後、即ち光重合反応の 後又は後においてクッション性と耐刷力を するものである。

 前記クッション層が露出しないように、 記感光性版材層の表面にグラビアセルを形 してもよいし、又は前記クッション層が露 するように、前記感光性版材層の表面にグ ビアセルを形成することもできる。

 前記二酸化珪素被膜を形成する方法とし は、前記感光性版材層の表面にペルヒドロ リシラザン溶液を塗布し所定の膜厚のペル ドロポリシラザン塗布膜を形成する塗布膜 成工程と、前記塗布されたペルヒドロポリ ラザン塗布膜を過熱水蒸気によって所定の 件で加熱処理して所定の硬度の二酸化珪素 膜を前記感光性版材層の表面に形成する工 と、を有し、前記加熱処理が第1次及び第2 加熱処理を含む複数段の加熱処理であり、 1次加熱処理の条件を100℃~170℃、1分~30分、 び第2次加熱処理の条件を140℃~200℃、1分~30 とし、第2次加熱処理の温度を第1次加熱処理 の温度よりも高く設定するようにした構成を 採用するのが好適である。上記第2次加熱処 の温度を第1次加熱処理の温度よりも5℃以上 、好ましくは10℃以上高く設定するのがよい

 前記加熱処理によって形成された二酸化 素被膜の表面を冷水又は温水で洗浄する工 をさらに設けることによって、得られた二 化珪素被膜の硬度をさらに向上させること 可能である。

 本発明のクッション性を有するグラビア においては、前記二酸化珪素被膜の厚さが0 .1~5μm、好ましくは0.1~3μm、さらに好ましくは 0.1~1μmであることが好ましい。

 前記グラビアセルの形成は、感光性版材 の表面に紫外線等の光線を遮断するグラビ 画像であるマスク画像を有するマスクを重 、紫外線等の光線を照射して前記感光性版 層の表面に光重合反応を生じさせ、前記マ クを除いて現像することにより、前記感光 版材層の表面にグラビアセルを形成するこ によって行われることが好適である。

 本発明によれば、印刷版に、クッション を持たせることができ、硬質な被印刷物に してブランケットロールを用いないダイレ トなグラビア印刷が可能であり、液晶パネ 用ガラスへカラーフィルタを構成するため マトリックス画像をカラー印刷したり、あ いはコンパクトディスク等に画像をカラー 刷するのに好適であり、また、段ボール印 等、粗面に対する印刷も良好にできる。

本発明のクッション性を有するグラビ 版の製造工程を模式的に示す説明図で、(a) ゴム又はクッション性を有する樹脂からな クッション層を表面に形成した中空ロール( 版母材)の全体断面図、(b)はクッション層の 面に感光性版材層を形成した状態を示す部 拡大断面図、(c)は感光性版材層の表面にマ クを設けた状態を示す部分拡大断面図、(d) 感光性版材層の表面にグラビアセルを形成 た状態を示す部分拡大断面図、(e)は感光性 材層の表面にペルヒドロポリシラザン塗布 を形成した状態を示す部分拡大断面図、(f) ペルヒドロポリシラザン塗布膜を過熱水蒸 による熱処理によって二酸化珪素被膜とし 状態を示す部分拡大断面図である。 本発明のクッション性を有するグラビ 版の製造方法を示すフローチャートである 本発明のクッション性を有するグラビ 版の製造方法の工程の他の例を示す図1と同 様の図面である。

符号の説明

 10:版母材、10a:グラビア版(グラビア製版 ール)、11a:中空ロール、11b:クッション層、12 :感光性版材層、13:マスク、14:グラビアセル 16:ペルヒドロポリシラザン塗布膜、18:二酸 珪素被膜。

 以下に本発明の実施の形態を説明するが これら実施の形態は例示的に示されるもの 、本発明の技術思想から逸脱しない限り種 の変形が可能なことはいうまでもない。

 図1において、符号10は版母材で、アルミ ウム、鉄等の金属製又は炭素繊維強化樹脂( CFRP)製の中空ロール11aの表面にクッション層1 1bを設けたものが用いられる(図2のステップ10 0)。該クッション層11bは、ゴム又はクッショ 性を有する樹脂からなり、1mm~10cm程度の均 な厚さで表面の平滑度が高いシート状のも を、継ぎ目に隙間が開かないように中空ロ ル11aに巻付け強固に接着し、その後、精密 筒研削、鏡面研磨される。

 次に、前記クッション層11bの表面に感光 版材層12を形成する(図2のステップ102)。感 性版材層12は、光重合性を有し、少なくとも 光重合反応後において適度のクッション性と 耐刷力を有する感光性版材により形成される 。前記感光性版材としては、感光剤又は感光 性シート状物を用いることができ、前記クッ ション層11bに感光剤を塗布又は感光性シート を積層し、感光性版材層が形成される。感光 性版材の材料として用いられる感光性組成物 としては、公知のネガ型感光性組成物及びポ ジ型感光性組成物が挙げられるが、ネガ型感 光性組成物が好適であり、ネガ型感光性組成 物を用いてネガ型感光性版材層を形成するこ とが好ましい。前記感光性組成物としては、 例えば、感光性エラストマー組成物(ジエン ポリマー、エチレン性不飽和化合物、及び 重合開始剤を主成分とするもので、例えば 開平5-249695号公報に開示されるものが使用可 能である)が挙げられる。

 前記形成された感光性版材層(即ち、グラビ アセルを形成する工程前の感光性版材層)の 厚については特別の限定はなく、版の使用 的と関連してセルの深さや、感光性版材層12 の形成の容易性、コスト、現像との関連で適 宜に決定できる。
 感光性版材層12の膜厚をセルの深さと同じ することにより、クッション層11bが露出す ようにセルが形成され[図3(d)]、感光性版材 12の膜厚をセルの深さよりも厚くすることに より、クッション層11bが露出せず、感光性版 材層12の表面にセルが形成される[図1(d)]。セ の深さが深い(例えば、深度1mm以上)の場合 感光性版材として感光性シート状物を用い ことが好ましく、セルの深さが浅い(例えば 深度1mm未満)の場合、感光性版材として感光 剤を用いることが好ましい。例えば、
グラビアセルの深度が2~20μmの場合、感光剤 用いて2~30μmの感光性版材層を形成すること 好適である。

 例えば、段ボール印刷等ではグラビアセル 深さを1ミリ以上とすることがあるので、感 光性版材層12の膜厚はそれよりも数mm厚くす ことが好ましい。
 この感光性版材層12は、通常は、シート状 感光性版材を巻き付け接着し、その後、精 円筒研磨することによって形成される。前 感光性版材は表面平滑度が高いシート状で り、継ぎ目に隙間が開かないように巻付け ことが好ましい。

 また、例えば、液晶パネル用ガラスへカ ーフィルタを構成するためのマトリックス 像をカラー印刷するには、インキ膜厚が均 になるようにするため、グラビアセルを均 な深さ、例えば、5~6μmの深さに形成する必 がある。従って、感光性版材層12を感光剤 コーティングによりセルの深度と同じ厚さ なるように形成して、クッション層11bが露 するようにセルを形成することが好ましい[ 3(d)]。さらに好ましくは、クッション層11b シリコンゴムにより形成してセルに盛られ インキの液晶パネル用ガラスへの転移性を めるのが良い。

 コンパクトディスク等も極めて薄いイン 膜厚となるのが良いので、セルの深さを数 mとする。感光性版材層12の膜厚は、1~2mmでも 良いし、又はコーティングにより5~6μmの薄膜 としても良い。要は、感光性版材層12の形成 容易性、コスト、現像との関連で適宜に決 できる。

 続いて、フォトリソグラフィによって、感 性版材層12の表面にグラビアセル14を形成す る(図2のステップ104)。
 フォトリソグラフィの手順について、感光 版材層12としてネガ型感光性版材層を用い 場合を例として、以下に説明する。

 図1(c)に示すように、感光性版材層12の表面 グラビア画像であるマスク画像を有するマ ク13を積層し又は密着して重ね、光線(紫外 等)を必要な時間だけ照射し、感光性版材層 12の必要な部分に光重合反応を生じさせ、現 液に対して非画線部を不溶化する。
 前記マスク13の形成方法は特に制限はない 、例えば、カーボン含有ポリマーよりなる 色コート剤又はネガ型のフォトクロミック をコーティングにより成膜し、YAGレーザ或 は半導体レーザを照射することにより、グ ビア画像の非画線部に対応させて感光性版 層14を飛ばして露出するか透過するように形 成する方法や、グラビア画像の非画線部が透 明であるネガ型のマスクフィルムを用いる方 法、感光剤を前記感光性版材層にコートし電 磁波照射により光重合反応を起こし現像する ことにより形成するネガ型のレジスト画像と する方法等が挙げられる。

 前記カーボン含有ポリマーよりなる黒色コ ト剤としては、ニトロセルロース又はパラ ドロキシスチレンと、ブラックカーボンを ぜ合わせてなるものを選択すると、半導体 ーザによる焼付けが良好にでき省エネルギ が図れる為、好適である。
 前記ネガ型のフォトクロミック剤としては 有色のときに紫外線遮蔽性を有しレーザ照 により透明になる有機フォトクロミック分 単独、又は有機フォトクロミック分子と高 子との相溶体を用いることが、半導体レー による焼付けが良好にでき省エネルギーが れる為、好ましい。

 続いて、図1(d)に示すように、マスク13を除 て現像して感光性版材層12の光重合した部 を残し未露光部分をクッション層11bが露出 ない限度に現像液に溶解してグラビアセル14 を形成し続いて光線(紫外線等)を全面照射し 感光性版材層12の光重合しなかった部分も 重合させて安定化処理する。
 感光性版材層12に対する現像液は、例えば 特開平4-18564号公報、特開平4-285967号公報、 開平5-249695号公報、特開平6-258847号公報、特 平7-234523号公報、特開平8-95257号公報等に示 れる現像剤を使用できる。

 感光性版材層12としてネガ型感光性版材 を用いた場合、感光性版材層は、光(紫外線 )照射により光重合反応を起こし現像液に対 して溶性になる感光剤又は感光性シート状物 を前記クッション層にコーティングにより薄 膜形成し又は積層してなり、これに対して、 マスクは、カーボン含有ポリマーよりなる黒 色コート剤、又は、ポジ型のフォトクロミッ ク剤を前記感光性版材層にコートして、レー ザ照射により、前記グラビア画像の画線部に 対応させて前記感光性版材層を露出又は透過 するように形成してなるか、又は、前記グラ ビア画像の画線部が透明であるポジ型のマス クフィルムであるか、又は、感光剤を前記感 光性版材層にコートし電磁波照射により光重 合反応を起こし現像することにより形成する ポジ型のレジスト画像が挙げられる。

 従って、マスクした感光性版材層を光(紫 外線等)照射するとグラビア画像の画線部が 重合反応を起こし現像液に対して溶性にな 、マスクを除いて現像を行うと、グラビア ルを形成できる。感光性版材層12がネガ型と ポジ型のいずれであっても上記の現像液が使 用できる。

 この実施の形態では、感光性版材層12に ッション層11bが露出しないようにグラビア ル14を形成するが、後述する図3に示すよう 、クッション層11bが露出するように感光性 材層12の表面にグラビアセル14を形成するこ も可能である。例えば、上記のように、液 パネル用ガラスへカラーフィルタを構成す ためのマトリックス画像をカラー印刷する めのものであるときは、感光性版材層12を ーティングにより5~6μmの厚さとなるように 成して、後述する図3に示すように、クッシ ン層11bが露出するようにグラビアセル14を 成することが好ましい。

 ついで、図1(e)に示すように、感光性版材層 12のセル14が形成された表面にペルヒドロポ シラザン溶液を塗布し、ペルヒドロポリシ ザン塗布膜16を形成する(図2のステップ106)。
 ペルヒドロポリシラザン塗布膜16の形成方 としては、ペルヒドロポリシラザン溶液を スプレーコート、インクジェット塗布、メ スカスコート、ファウンティンコート、デ ップコート、回転塗布、ロール塗布、ワイ ーバー塗布、エアーナイフ塗布、ブレード 布、カーテン塗布等の公知の塗布方法を用 て塗布すればよい。

 上記ペルヒドロポリシラザンを溶解する溶 としては公知のものを用いればよいが、例 ばベンゼン、トルエン、キシレン、エーテ 、THF、塩化メチレン、四塩化炭素、アニソ ル、デカリン、シクロヘキセン、メチルシ ロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ソル ッソ、デカヒドロナフタリン、メチルター ャリーブチルエーテル、ジイソブチルエー ル、リモネン、ヘキサン、オクタン、ノナ ,デカン、C8-C11アルカン混合物、C18-C11芳香 炭化水素混合物、C8以上の芳香族炭化水素を 5重量%以上25重量%以下含有する脂肪族/脂環式 炭化水素混合物、及びジブチルエーテルなど を用いることができる。
 これらの溶剤は単独で用いられてもよいし 二種以上を併用してもよい。溶剤の使用量 特に制限はなく、溶液の塗布方法により適 選択すればよいが、例えば、スプレーコー 法やファウンティンコート法により塗布す 場合、溶液中にペルヒドロポリシラザンを0 .5質量%~10質量%含むように溶剤を用いること 好ましい。

 上記した各種溶剤に溶解されて作製され ペルヒドロポリシラザン溶液は、そのまま も過熱水蒸気による加熱処理によって二酸 珪素へ転化するが、反応速度の増加、反応 間の短縮、反応温度の低下、形成される二 化珪素被膜の密着性の向上等を図る目的で 媒を用いるのが好ましい。これらの触媒も 知であり、例えばアミンやパラジウムが用 られるが、具体的には、有機アミン、例え C1-5のアルキル基が1-3個配置された第1-第3級 の直鎖状脂肪族アミン、フェニル基が1-3個配 置された第1-第3級の芳香族アミン、ピリジン 又はこれにメチル、エチル基等のアルキル基 が核置換された環状脂肪族アミン等が挙げら れ、さらに好ましいものとして、ジエチルア ミン、トリエチルアミン、モノブチルアミン 、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン等 を挙げることができる。これらの触媒はペル ヒドロポリシラザン溶液に予め添加しておい てもよく、また過熱水蒸気による加熱処理の 際の処理雰囲気中に気化状態で含有させるこ ともできる。

 続いて、前記ペルヒドロポリシラザン塗布 16に対して加熱処理、好ましくは過熱水蒸 による加熱処理を行う(図2のステップ108)こ により二酸化珪素被膜18とする(図2のステッ 110)。
 前記二酸化珪素被膜の厚さは0.1~5μm、好ま くは0.1~3μm、さらに好ましくは0.1~1μmである とが好適である。

 前記ペルヒドロポリシラザン塗布膜の加熱 理としては過熱水蒸気によって所定の条件 加熱処理するのが好適である。過熱水蒸気 温度としては、一般的には100℃~300℃が用い られるが、本発明においては、100℃~200℃、 ましくは105℃~200℃が好適に用いられる。
 前記加熱処理としては、第1次及び第2次加 処理を含む複数段の加熱処理とするのがよ 好ましく、第1次加熱処理の条件を100℃~170℃ 、1分~30分、及び第2次加熱処理の条件を140℃~ 200℃、1分~30分とし、第2次加熱処理の温度を 1次加熱処理の温度よりも高く設定するよう にした構成を採用するのが好適である。さら に、上記第2次加熱処理の温度を第1次加熱処 の温度よりも5℃以上、好ましくは10℃以上 く設定するのがよい。

 前記加熱処理によって形成された二酸化 素被膜の表面を冷水又は温水で洗浄する工 をさらに設けることによって、得られた二 化珪素被膜の硬度をさらに向上させること 可能である。

 上記した二酸化珪素被膜18を被覆し、こ 二酸化珪素被膜18を表面強化被覆層として作 用させることによって、毒性がなくかつ公害 発生の心配も皆無となるとともに耐刷力に優 れたグラビア製版ロール(グラビア版)10aを得 ことができる。

 図3は本発明のクッション性を有するグラ ビア版の製造方法の工程の他の例を示す図1 同様の図面である。図1に示した本発明方法 工程においては、感光性版材層12にクッシ ン層11bが露出しないようにグラビアセル14を 形成した例を示したが、図3(d)に示すように ッション層11bが露出するようにグラビアセ 14を形成することもできる。図3において、 の工程の構成及び作用は図1と同様であるの 再度の説明は省略する。

 以下に実施例をあげて本発明をさらに具 的に説明するが、これらの実施例は例示的 示されるもので限定的に解釈されるべきで いことはいうまでもない。

(実施例1)
 まず、円周600mm、面長1100mmのアルミ中空ロ ルの表面に厚さ5cmの合
成ゴムシートを巻きつけ強固に接着して研磨 機を用いて円筒研削及び鏡面研磨してその表 面を均一な研磨面とし、クッション層を有す る版母材を形成した。

 上記したクッション層の研磨面に感光性 材層を感光剤のコーティングにより5μmの厚 さとなるように形成した。この感光性版材層 の表面にフォトリソグラフィによってグラビ アセルを形成した。即ち、感光性版材層の表 面にグラビア画像であるマスク画像を有する マスクを積層し、紫外線を照射した。続いて 、マスクを除いて現像して感光性版材層の光 重合した部分を残し未露光部分をクッション 層が露出するように現像液に溶解して深さ5μ mのグラビアセルを形成した。続いて紫外線 全面照射して感光性版材層の光重合しなか た部分を光重合させて安定化処理した。

 次に、グラビアセルが形成された感光性 材層の表面に二酸化珪素被膜の形成を以下 ように行った。ペルヒドロポリシラザン溶 [アクアミカ(AZエレクトロニックマテリアル ズ(株)の登録商標)NL120A(AZエレクトロニックマ テリアルズ(株)製の商品名、ペルヒドロポリ ラザンを20質量%含むジブチルエーテル溶液) をペルヒドロポリシラザンが固形分で4質量% まれるようにジブチルエーテル溶液で希釈 た溶液]を、上記感光性版材層の表面に対し てHVLPスプレー塗布を行った。当該感光性版 層の表面に均一に塗布された塗布膜厚は0.8μ mであった。このペルヒドロポリシラザンが 布されたシリンダーに対して過熱水蒸気を いて二段階の加熱処理(140℃5分+170℃5分)を施 して二酸化珪素被膜を形成した。この被膜は カッターナイフで傷が付かない程度の極めて 高い被膜硬度を有していた。このようにして 、クッション性を有するグラビア版を完成し た。

 続いて、得られたグラビアシリンダーに して印刷インキとしてシアンインキ(ザーン カップ粘度18秒、サカタインクス社製水性イ クスーパーラミピュア藍800PR-5)を適用しOPP(O riented Polypropylene Film:2軸延伸ポリプロピレン フィルム)を用いて印刷テスト(印刷速度:120m/ )を行った。得られた印刷物は版カブリがな く、50,000mの長さまで印刷できた。パターン 精度は変化がなかった。また、感光性版材 に対する二酸化珪素被膜の密着性は問題が かった。このグラビア版のハイライト部か シャドウ部のグラデーションは、常法に従 て作製した従来のグラビア版と変わらなか たことからインキ転移性は問題ないと判断 れる。

(実施例2)
 実施例1では感光性版材層の厚さを5μmとし 場合を例示したが、厚さ2mmのシート状感光 版材層をクッション層の表面に巻付け接着 、1mm深さのグラビアセルを実施例1と同様の 法で作成したクッション性を有するグラビ 版を作成した。このグラビア版を用いて実 例1と同様に印刷テストを行ったところ実施 例1と同様の良好な結果を得た。