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Patent Searching and Data


Title:
HIGH VOLTAGE DISCHARGE LAMP LIGHTING DEVICE AND LIGHT FIXTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/130994
Kind Code:
A1
Abstract:
A high voltage discharge lamp lighting device (10) includes power source circuits (20, 30, 40, 50), and an initiation circuit (60). The power source circuits (20, 30, 40, 50) have a pair of output terminals (55, 56) electrically connected to a pair of electrodes (91, 92) of a high voltage discharge lamp (90) respectively. The power source circuits (20, 30, 40, 50) apply alternating-current voltages for maintaining lighting of the high voltage discharge lamp (90) between the pair of output terminals (55, 56). The initiation circuit (60) applies a pulse voltage for initiation between the pair of electrodes (91, 92) of the high voltage discharge lamp (90). The initiation circuit is configured to have an output characteristic wherein a voltage value of the pulse voltage for initiation increases as a length of an output wiring (83) to be used for connection to the high voltage discharge lamp (90) becomes longer, and the voltage value of the pulse voltage for initiation becomes smaller if the length of the output wiring (83) exceeds a certain value.

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WO/2001/069985SWITCHING BALLAST DEVICE
Inventors:
MATSUZAKI NOBUTOSHI (JP)
KAMOI TAKESHI (JP)
GORIKI TAKESHI (JP)
YAMAHARA DAISUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057059
Publication Date:
October 29, 2009
Filing Date:
April 06, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC ELEC WORKS CO LTD (JP)
MATSUZAKI NOBUTOSHI (JP)
KAMOI TAKESHI (JP)
GORIKI TAKESHI (JP)
YAMAHARA DAISUKE (JP)
International Classes:
H05B41/18
Foreign References:
JP2007173121A2007-07-05
JP2007236140A2007-09-13
JP2007052977A2007-03-01
JP2002110381A2002-04-12
JPH05283180A1993-10-29
JPS63150891A1988-06-23
Other References:
See also references of EP 2273853A4
Attorney, Agent or Firm:
NISHIKAWA, Yoshikiyo et al. (JP)
Yoshikiyo Nishikawa (JP)
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Claims:
 高圧放電灯の一対の電極それぞれに電気的に接続される一対の出力端を有し、当該一対の出力端間に前記高圧放電灯の点灯維持用の交流電圧を印加する電源回路と、
 前記高圧放電灯の一対の電極間に始動用パルス電圧を印加する始動回路とを備える高圧放電灯点灯装置であって、
 前記始動回路は、前記高圧放電灯との接続に使用される出力配線の長さが長くなるにつれて前記始動用パルス電圧の電圧値が高くなり、前記出力配線の長さが一定値を越えると前記始動用パルス電圧の電圧値が小さくなる出力特性を有するように構成されていることを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
 前記始動回路は、パルストランスを備え、前記パルストランスの一次電圧の値が所定値であるときの二次電圧を前記始動用パルス電圧として前記高圧放電灯の一対の電極間に印加するように構成され、
 前記パルストランスの巻数比及び結合係数は、前記始動回路が前記出力特性を有するような値に設定されていることを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯装置。
 前記一次巻線の巻数をN1、
 前記二次巻線の巻数をN2、
 前記高圧放電灯の始動に必要な前記始動用パルス電圧の規格値の範囲の中央値をVpm、
 前記所定値をVN1としたとき、
 次式を満たすことを特徴とする請求項2記載の高圧放電灯点灯装置。
 前記パルストランスの一次巻線に並列に接続されていると見なすことができる容量成分の容量値をCx、
 前記パルストランスの漏れインダクタンスをLL、
 前記高圧放電灯の始動時において前記一次電圧の値が0から前記所定値に達するまでの時間をTとしたとき、
 次式を満たすことを特徴とする請求項3記載の高圧放電灯点灯装置。
 前記始動回路は、パルストランスと、当該パルストランスの一次巻線に並列接続される並列キャパシタとを備え、前記パルストランスの一次電圧の値が所定値であるときの二次電圧を前記始動用パルス電圧として前記高圧放電灯の一対の電極間に印加するように構成され、
 前記並列キャパシタの容量値は、前記始動回路が前記出力特性を有するような値に設定されていることを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯装置。
 前記並列キャパシタの容量値をCp、
 使用されると想定される範囲で前記出力配線が最も短いときの前記出力配線間の容量成分を、前記パルストランスの一次巻線の両端間において前記並列キャパシタに直列に接続された仮想キャパシタに、等価回路として置き換えた場合における、前記仮想キャパシタの容量値をCx、
 前記パルストランスの漏れインダクタンスをLL、
 前記高圧放電灯の始動時において前記パルストランスの一次電圧の値が0から前記所定値に達するまでの時間をTとしたとき、
 次式を満たすことを特徴とする請求項5記載の高圧放電灯点灯装置。
 前記始動回路は、パルストランスを備え、前記パルストランスの一次電圧の値が所定値であるときの二次電圧を前記始動用パルス電圧として前記高圧放電灯の一対の電極間に印加するように構成される高圧放電灯点灯装置であって、
 前記一次電圧が0から前記所定値に達するまでの時間が、前記始動回路が前記出力特性を有するような時間となるように前記パルストランスの一次電圧を上昇させる電圧上昇手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯装置。
 前記電圧上昇手段は、前記パルストランスの一次巻線に直列接続される可変インピーダンス回路と、可変インピーダンス回路を制御する制御回路とを備え、
 前記制御回路は、前記一次電圧の値が0から前記所定値に達するまでの時間が、前記始動回路が前記出力特性を有するような時間になるように、前記可変インピーダンス回路を制御するように構成されていることを特徴とする請求項7記載の高圧放電灯点灯装置。
 前記電源回路は、直流電流を出力する直流電源回路と、電界効果トランジスタにより構成されたフルブリッジ型のインバータ回路とを備え、
 前記インバータ回路は、前記直流電源回路より得られる直流電流を所定の周波数で極性が反転する矩形波交流に変換して前記高圧放電灯及び前記パルストランスの一次巻線に供給するように構成され、
 前記電圧上昇手段は、前記インバータ回路の電界効果トランジスタを制御する制御回路を備え、
 前記制御回路は、前記一次電圧の値が0から前記所定値に達するまでの時間が、前記始動回路が前記出力特性を有するような時間になるように、前記電界効果トランジスタのゲートに与える電位を徐々に増加させるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の高圧放電灯点灯装置。
 前記パルストランスの一次巻線に並列に接続されていると見なすことができる容量成分の容量値をCx、
 前記パルストランスの漏れインダクタンスをLL、
 前記高圧放電灯の始動時において前記一次電圧の値が0から前記所定値に達するまでの時間をTとしたとき、
 次式を満たすことを特徴とする請求項7記載の高圧放電灯点灯装置。
 前記始動回路は、前記出力配線の長さが、使用されると想定される前記出力配線の長さの範囲内であるときには、前記始動用パルス電圧の値が前記高圧放電灯の始動電圧の値を超えるように構成されていることを特徴とする請求項1,2,5,7のうちいずれか1項記載の高圧放電灯点灯装置。
 前記始動回路は、前記出力配線の長さが前記範囲での最短値であるときの前記始動用パルス電圧の値と、前記出力配線の長さが前記範囲での最長値であるときの前記始動用パルス電圧の値との差が500V以下となるように構成されていることを特徴とする請求項11記載の高圧放電灯点灯装置。
 前記始動回路は、前記一定値が、使用されると想定される前記出力配線の長さの範囲で最も短い前記出力配線の長さ以下となるように構成されていることを特徴とする請求項1,2,5,7のうちいずれか1項に記載の高圧放電灯点灯装置。
 請求項1,2,5,7のうちいずれか1項に記載の高圧放電灯点灯装置と、当該高圧放電灯点灯装置を保持する器具本体とを備えていることを特徴とする照明器具。
Description:
高圧放電灯点灯装置及び照明器

 本発明は、高圧放電灯点灯装置及び照明 具に関する。

 従来から、高圧放電灯を点灯させる照明 具が提供されている。なお、高圧放電灯は HID(High Intensity Discharge)ランプとも呼ばれる 。

 上記照明器具は、高圧放電灯点灯装置と 高圧放電灯点灯装置を保持する器具本体と 備える。

 高圧放電灯点灯装置は、日本国公開特許 報63-150891に見られるように、外部の交流電 (例えば、商用交流電源)から入力された交 電力を基にして高圧放電灯を点灯させるよ に構成される。

 このような高圧放電灯点灯装置は、例え 、ダイオードブリッジと、昇圧チョッパ回 と、降圧チョッパ回路と、極性反転回路と 始動回路と、制御回路とを備える。

 ダイオードブリッジは、交流電源の電圧 全波整流する。

 昇圧チョッパ回路は、ダイオードブリッ の出力電圧を所定値まで昇圧する。

 降圧チョッパ回路は、昇圧チョッパ回路 出力電圧を所定値まで降圧する。

 極性反転回路は、降圧チョッパ回路の出 電圧を所定の周波数で極性が反転する矩形 交流電圧に変換して高圧放電灯の一対の電 間に印加する。

 制御回路は、昇圧チョッパ回路と降圧チ ッパ回路と極性反転回路とをそれぞれ制御 る。

 始動回路は、高圧放電灯に絶縁破壊を起 させて始動させるために、高圧放電灯の一 の電極間に始動用のパルス電圧を与える。 動用のパルス電圧は、電圧値が比較的高い 圧パルス電圧である。始動回路は、例えば パルストランスを利用して構成される。

 ところで、上記照明器具においては、一 的に、高圧放電灯は高圧放電灯点灯装置に 対の出力配線を用いて電気的に接続される ここで、出力配線の長さが例えば数メート になると、一対の出力配線間の浮遊容量の 量値が無視できない程度に大きくなる。特 、VVFケーブルのように2本の出力配線が平行 に配置されている場合、一対の出力配線間の 容量値が非常に大きくなる。例えば、VVFケー ブルでは容量値が1m当り80pFになる。そのため 、長さが10mのVVFケーブルでは、容量値が800pF もなる。

 一対の出力配線間の容量値は、高圧放電 の一対の電極間に印加されるパルス電圧の 圧値に影響を与える。すなわち、出力配線 長くなればなるほど(一対の出力配線間の容 量値が大きくなればなるほど)、始動用のパ ス電圧の電圧値(始動用のパルス電圧のピー 値)が低くなる。

 従来の高圧放電灯点灯装置では、出力配 が長くなるにつれて(一対の出力配線間の容 量値が大きくなるにつれて)、始動用のパル 電圧の電圧値が単調減少する。そのため、 力配線の長さが高圧放電灯の始動不良の原 となることがあった。

 このような高圧放電灯の始動不良を避け ために、出力配線が比較的長い場合でも適 な電圧値の始動用のパルス電圧が印加され ように、始動用のパルス電圧の電圧値を十 に大きい値に設定しておくことが考えられ 。例えば、始動回路のパルストランスの巻 比を大きくすれば、始動用のパルス電圧を くできる。

 しかしながら、始動回路のパルストラン の巻数比を大きくすると、出力配線が比較 短いときに、始動用のパルス電圧が高くな すぎるという問題が生じる。また、出力配 の長さによって始動用のパルス電圧の電圧 がばらつくと、高圧放電灯の点灯のタイミ グもばらついてしまう。

 本発明は上記事由に鑑みてなされ、その 的は、高圧放電灯との接続に使用される一 の出力配線の影響を低減できる高圧放電灯 灯装置及び照明器具を提供することである

 本発明に係る高圧放電灯点灯装置は、電 回路と、始動回路とを備える。前記電源回 は、高圧放電灯の一対の電極それぞれに電 的に接続される一対の出力端を有する。前 電源回路は、当該一対の出力端間に前記高 放電灯の点灯維持用の交流電圧を印加する 前記始動回路は、前記高圧放電灯の一対の 極間に始動用パルス電圧を印加する。前記 動回路は、前記高圧放電灯との接続に使用 れる出力配線の長さが長くなるにつれて前 始動用パルス電圧の電圧値が高くなり、前 出力配線の長さが一定値を越えると前記始 用パルス電圧の電圧値が小さくなる出力特 を有するように構成される。

 この発明によれば、従来のように前記出 配線が長くなるにつれて前記始動用パルス 圧の電圧値が単調に減少する場合に比べれ 、前記出力配線の長さの変化に対する前記 動用パルス電圧の電圧値の変化幅を小さく ることができる。よって、前記出力配線の 響を低減できる。そのため、前記出力配線 比較的長い場合であっても前記高圧放電灯 点灯でき、逆に前記出力配線が比較的短い 合であっても前記始動用パルス電圧が高く りすぎてしまうことを防止できる。

 好ましくは、前記始動回路は、パルスト ンスを備える。前記始動回路は、前記パル トランスの一次電圧の値が所定値であると の二次電圧を前記始動用パルス電圧として 記高圧放電灯の一対の電極間に印加するよ に構成される。前記パルストランスの巻数 及び結合係数は、前記始動回路が前記出力 性を有するような値に設定される。

 より好ましくは、前記一次巻線の巻数をN 1、前記二次巻線の巻数をN2、前記高圧放電灯 の始動に必要な前記始動用パルス電圧の規格 値の範囲の中央値をVpm、前記所定値をVN1とし たとき、次式を満たす。

 さらに好ましくは、前記パルストランス 一次巻線に並列に接続されていると見なす とができる容量成分の容量値をCx、前記パ ストランスの漏れインダクタンスをLL、前記 高圧放電灯の始動時において前記一次電圧の 値が0から前記所定値に達するまでの時間をT したとき、次式を満たす。

 好ましくは、前記始動回路は、パルスト ンスと、当該パルストランスの一次巻線に 列接続される並列キャパシタとを備える。 記始動回路は、前記パルストランスの一次 圧の値が所定値であるときの二次電圧を前 始動用パルス電圧として前記高圧放電灯の 対の電極間に印加するように構成される。 記並列キャパシタの容量値は、前記始動回 が前記出力特性を有するような値に設定さ る。

 より好ましくは、前記並列キャパシタの 量値をCp、使用されると想定される範囲で 記出力配線が最も短いときの前記出力配線 の容量成分を、前記パルストランスの一次 線の両端間において前記並列キャパシタに 列に接続された仮想キャパシタに、等価回 として置き換えた場合における、前記仮想 ャパシタの容量値をCx、前記パルストランス の漏れインダクタンスをLL、前記高圧放電灯 始動時において前記パルストランスの一次 圧の値が0から前記所定値に達するまでの時 間をTとしたとき、次式を満たす。

 好ましくは、前記始動回路は、パルスト ンスを備え、前記パルストランスの一次電 の値が所定値であるときの二次電圧を前記 動用パルス電圧として前記高圧放電灯の一 の電極間に印加するように構成される。さ に高圧放電灯点灯装置は、電圧上昇手段を える。前記電圧上昇手段は、前記一次電圧 0から前記所定値に達するまでの時間が、前 記始動回路が前記出力特性を有するような時 間となるように前記パルストランスの一次電 圧を上昇させる。

 より好ましくは、前記電圧上昇手段は、 記パルストランスの一次巻線に直列接続さ る可変インピーダンス回路と、可変インピ ダンス回路を制御する制御回路とを備える 前記制御回路は、前記一次電圧の値が0から 前記所定値に達するまでの時間が、前記始動 回路が前記出力特性を有するような時間にな るように、前記可変インピーダンス回路を制 御するように構成される。

 より好ましくは、前記電源回路は、直流 流を出力する直流電源回路と、電界効果ト ンジスタにより構成されたフルブリッジ型 インバータ回路とを備える。前記インバー 回路は、前記直流電源回路より得られる直 電流を所定の周波数で極性が反転する矩形 交流に変換して前記高圧放電灯及び前記パ ストランスの一次巻線に供給するように構 される。前記電圧上昇手段は、前記インバ タ回路の電界効果トランジスタを制御する 御回路を備える。前記制御回路は、前記一 電圧の値が0から前記所定値に達するまでの 時間が、前記始動回路が前記出力特性を有す るような時間になるように、前記電界効果ト ランジスタのゲートに与える電位を徐々に増 加させるように構成される。

 より好ましくは、前記パルストランスの 次巻線に並列に接続されていると見なすこ ができる容量成分の容量値をCx、前記パル トランスの漏れインダクタンスをLL、前記高 圧放電灯の始動時において前記一次電圧の値 が0から前記所定値に達するまでの時間をTと たとき、次式を満たす。

 好ましくは、前記始動回路は、前記出力 線の長さが、使用されると想定される前記 力配線の長さの範囲内であるときには、前 始動用パルス電圧の値が前記高圧放電灯の 動電圧の値を超えるように構成される。

 より好ましくは、前記始動回路は、前記 力配線の長さが前記範囲での最短値である きの前記始動用パルス電圧の値と、前記出 配線の長さが前記範囲での最長値であると の前記始動用パルス電圧の値との差が500V以 下となるように構成される。

 この場合、前記出力配線の長さが最短値 あるときと最長値であるときとの間での前 始動用パルス電圧の値の差を500V以上とする 場合に比べ、前記出力配線の長さが想定され る範囲内であるときに前記始動用パルス電圧 の値がとり得る値の範囲が小さくなる。

 好ましくは、前記始動回路は、前記一定 が、使用されると想定される前記出力配線 長さの範囲で最も短い前記出力配線の長さ 下となるように構成される。

 この場合、前記出力配線の長さが想定さ る範囲での最短値であるときに前記始動用 ルス電圧の値が確実に最大値となる。また 前記出力配線の長さが想定される範囲での 長値であるときに前記始動用パルス電圧の が確実に最小値となる。そのため、前記一 値を想定される前記出力配線の長さの範囲 とする場合に比べ、前記始動用パルス電圧 値の最大値と最小値との把握が容易となる

 本発明に係る照明器具は、高圧放電灯点 装置と、当該高圧放電灯点灯装置を保持す 器具本体とを備える。前記高圧放電灯点灯 置は、電源回路と、始動回路とを備える。 記電源回路は、高圧放電灯の一対の電極そ ぞれに電気的に接続される一対の出力端を する。前記電源回路は、当該一対の出力端 に前記高圧放電灯の点灯維持用の交流電圧 印加する。前記始動回路は、前記高圧放電 の一対の電極間に始動用パルス電圧を印加 る。前記始動回路は、前記高圧放電灯との 続に使用される出力配線の長さが長くなる つれて前記始動用パルス電圧の電圧値が高 なり、前記出力配線の長さが一定値を越え と前記始動用パルス電圧の電圧値が小さく る出力特性を有するように構成される。

 この発明によれば、従来のように前記出 配線が長くなるにつれて前記始動用パルス 圧の電圧値が単調に減少する場合に比べれ 、前記出力配線の長さの変化に対する前記 動用パルス電圧の電圧値の変化幅を小さく ることができる。よって、前記出力配線の 響を低減できる。そのため、前記出力配線 比較的長い場合であっても前記高圧放電灯 点灯でき、逆に前記出力配線が比較的短い 合であっても前記始動用パルス電圧が高く りすぎてしまうことを防止できる。

実施形態1の高圧放電灯点灯装置の回路 ブロック図である。 同上の高圧放電灯点灯装置を用いた照 器具の概略図である。 同上の高圧放電灯点灯装置の動作の説 図である。 出力配線長と始動用パルス電圧の電圧 との関係を示すグラフである。 出力配線長と始動用パルス電圧の電圧 との関係を示すグラフである。 出力配線長と始動用パルス電圧の電圧 との関係を示すグラフである。 出力配線長と始動用パルス電圧の電圧 との関係を示すグラフである。 出力配線長と始動用パルス電圧の電圧 との関係を示すグラフである。 実施形態1の高圧放電灯点灯装置の動作 を示す説明図である。 出力配線長と始動用パルス電圧の電圧 値との関係を示すグラフである。 出力配線長と基本振動電圧値との関係 を示すグラフである。 出力配線長と寄生振動電圧値との関係 を示すグラフである。 実施形態3の高圧放電灯点灯装置の回 ブロック図である。 同上の高圧放電灯点灯装置の動作の説 明図である。 同上の高圧放電灯点灯装置における出 力配線長と始動用パルス電圧との関係を示す グラフである。 実施形態4の高圧放電灯点灯装置の要 の回路ブロック図である。 同上の高圧放電灯点灯装置の動作の説 明図である。 同上の高圧放電灯点灯装置の動作の説 明図である。 始動用パルス電圧及び寄生パルス電圧 の配線容量値に対する関係を示すグラフであ る。 始動用パルス電圧及び寄生パルス電圧 の配線容量値に対する関係を示すグラフであ る。 始動用パルス電圧及び寄生パルス電圧 の配線容量値に対する関係を示すグラフであ る。 始動用パルス電圧及び寄生パルス電圧 の配線容量値に対する関係を示すグラフであ る。 始動用パルス電圧及び寄生パルス電圧 の配線容量値に対する関係を示すグラフであ る。 始動用パルス電圧及び寄生パルス電圧 の配線容量値に対する関係を示すグラフであ る。 同上における極性反転駆動部の動作説 明図である。 同上の高圧放電灯点灯装置の変更例の 要部の回路ブロック図である。 同上の高圧放電灯点灯装置の変更例の 動作説明図である。 実施形態5の高圧放電灯点灯装置の要 の回路ブロック図である。 同上の高圧放電灯点灯装置の動作説明 図である。

 (実施形態1)
 図1に示すように、本実施形態の高圧放電灯 点灯装置10は、外部の交流電源ACより得た電 を基にして高圧放電灯90を点灯させる。

 高圧放電灯点灯装置10は、例えば、図2に す照明器具80に用いられる。照明器具80は、 高圧放電灯点灯装置10を収納及び保持する器 本体81と、高圧放電灯90を保持する灯体82と 備える。高圧放電灯点灯装置10は、高圧放 灯90に、一対の出力配線83を介して電気的に 続される。出力配線83は、例えばVVFケーブ である。

 高圧放電灯点灯装置10は、整流回路20と、 昇圧チョッパ回路30と、降圧チョッパ回路40 、極性反転回路50と、始動回路60と、制御回 70とを備える。

 整流回路20は、交流電源ACの交流電圧(入 交流電圧)を全波整流する。整流回路20は、 えばダイオードブリッジなどである。

 昇圧チョッパ回路30は、整流回路20の出力 電圧を昇圧して出力する。昇圧チョッパ回路 30は、ブーストコンバータとも呼ばれる周知 回路であり、入力キャパシタ31と、インダ タ32と、ダイオード33と、出力キャパシタ34 、スイッチング素子35とを備える。入力キャ パシタ31は、整流回路20の出力端間に挿入さ る。インダクタ32の一端は、整流回路20の高 圧側の出力端に接続される。ダイオード33 アノードは、インダクタ32の他端に接続され る。出力キャパシタ34の一端はダイオード33 カソードに接続され、他端は整流回路20の低 電圧側の出力端に接続される。スイッチング 素子35の一端はインダクタ32とダイオード33と の接続点に接続され、他端は整流回路20と出 キャパシタ34との接続点に接続される。昇 チョッパ回路30では、出力キャパシタ34の両 それぞれが出力端となる。

 降圧チョッパ回路40は、昇圧チョッパ回 30の出力電圧を降圧して出力する。降圧チョ ッパ回路40は、バックコンバータとも呼ばれ 周知の回路であり、スイッチング素子41と インダクタ42と、出力キャパシタ43と、ダイ ード44とを備える。スイッチング素子41とイ ンダクタ42と出力キャパシタ43とは直列回路 構成する。当該直列回路は、昇圧チョッパ 路30の出力端間に挿入される。ダイオード44 アノードは、昇圧チョッパ回路30の低電圧 の出力端と出力キャパシタ43との接続点に接 続される。また、ダイオード44のカソードは スイッチング素子41とインダクタ42との接続 点に接続される。降圧チョッパ回路40では、 力キャパシタ43の両端それぞれが出力端と る。

 極性反転回路50は、降圧チョッパ回路40の 出力電圧を交流電圧(所定の周波数で極性が 転する矩形波電圧)に変換する。極性反転回 50は、4つのスイッチング素子51~54を備える スイッチング素子51,52及びスイッチング素子 53,54それぞれは直列回路を構成する。これら2 つの直列回路は互いに並列に接続される。互 いに並列に接続された2つの直列回路は、降 チョッパ回路40の出力端間に挿入される。極 性反転回路50では、スイッチング素子51とス ッチング素子52との接続点が一方の出力端( 1出力端)55となる。また、スイッチング素子5 3とスイッチング素子54との接続点が他方の出 力端(第2出力端)56となる。スイッチング素子5 1~54は、電界効果トランジスタである。すな ち、極性反転回路50は、電界効果トランジス タにより構成されたフルブリッジ型のインバ ータ回路である。

 整流回路20と、昇圧チョッパ回路30と、降 圧チョッパ回路40とは、直流電流を出力する 流電源回路を構成する。

 また、極性反転回路50は、前記直流電源 路より得られる直流電流を所定の周波数で 性が反転する矩形波交流に変換して高圧放 灯90及び始動回路60の後述するパルストラン 61の一次巻線611に供給する。

 したがって、高圧放電灯点灯装置10では 前記直流電源回路と極性反転回路50とによっ て、高圧放電灯90の点灯維持用の電源回路が 成されている。

 制御回路70は、昇圧チョッパ回路30と、降 圧チョッパ回路40と、極性反転回路50とをそ ぞれ制御する。制御回路70は、昇圧制御部71 、降圧制御部72と、極性反転駆動部73とを備 える。

 昇圧制御部71は、昇圧チョッパ回路30の出 力電圧を検出する昇圧検出部711と、スイッチ ング素子35をオンオフ駆動する昇圧駆動部712 を備える。昇圧駆動部712は、昇圧検出部711 よって検出された出力電圧が所定の目標値 なるようなデューティ比でスイッチング素 35をオンオフ駆動する。

 降圧制御部72は、降圧チョッパ回路40の出 力電圧を検出する降圧検出部721と、スイッチ ング素子41をオンオフ駆動する降圧駆動部722 を備える。降圧駆動部722は、降圧検出部721 よって検出された出力電圧に応じたデュー ィ比でスイッチング素子41をオンオフ駆動 る。また、降圧駆動部722は、降圧検出部721 検出した出力電圧に基づいて高圧放電灯90が 点灯しているか否かを判定する。そして、降 圧駆動部722は、高圧放電灯90が点灯していな と判定したときは、高圧放電灯90が点灯し いると判定したときよりも降圧チョッパ回 40の出力電圧を高くする。

 極性反転駆動部73は、各スイッチング素 51~54に駆動信号を出力する。ハイレベルの駆 動信号が入力されたスイッチング素子はオン となり、ロウレベルの駆動信号が入力された スイッチング素子はオフとなる。極性反転駆 動部73は、互いに対角に位置するスイッチン 素子51~54同士が同時にオンオフされ、且つ 互いに直列に接続されたスイッチング素子51 ~54同士は交互にオンオフされるように、各ス イッチング素子51~54に駆動信号を出力する。 なわち、極性反転駆動部73は、スイッチン 素子51,54がオン、スイッチング素子52,53がオ である状態と、スイッチング素子52,53がオ 、スイッチング素子51,54がオフである状態と を交互に入れ替える。

 制御回路70は周知技術で実現可能である で、詳細な図示並びに説明は省略する。

 始動回路60は、高圧放電灯90に始動用パル ス電圧(以下、「始動パルス」という)を与え 。高圧放電灯点灯装置10では、二次巻線612 他端が高圧放電灯90の一方の電極(第1電極)91 、極性反転回路50の第2出力端56が高圧放電 90の他方の電極(第2電極)92にそれぞれ出力配 83を用いて接続される。よって、始動回路60 は、極性反転回路50と高圧放電灯90との間に 在される。始動回路60は、昇圧トランスであ る前述のパルストランス61と、スイッチング 子62と、直列キャパシタ63と、抵抗器64と、 列キャパシタ65とを備える。

 パルストランス61の二次巻線612の一端は 極性反転回路50の第1出力端55に接続される。 パルストランス61の一次巻線611の一端は二次 線612の一端に接続される。一次巻線611の他 は、スイッチング素子62及び抵抗器64よりな る並列回路と直列キャパシタ63とを介して、 性反転回路50の第2出力端56に接続される。 イッチング素子62は、双方向2端子サイリス である。よって、スイッチング素子62は、ス イッチング素子62の両端間の電圧V62がブレー オーバ電圧(オン電圧)を越えるとオンとな 。

 直列キャパシタ63と、スイッチング素子62 と、抵抗器64とは、高圧放電灯90の始動時に ルストランス61の一次巻線611の両端間に電圧 (一次電圧)V611を印加する電圧生成部を構成す る。

 始動回路60は、パルストランス61の一次電 圧V611の値が所定値(一次電圧V611のピーク値)VN 1であるときの二次電圧V612を始動パルスとし 高圧放電灯90の一対の電極91,92間に印加する ように構成される。

 並列キャパシタ65は、パルストランス61の 一次巻線611に並列に接続される。なお、並列 キャパシタ65の容量値C65は、パルストランス6 1の一次巻線611の寄生容量C611及び二次巻線612 寄生容量C612よりも高く設定される。

 ところで、並列キャパシタ65は、高圧放 灯90の始動性を改善するために設けられる。 ここで、図3を参照して、並列キャパシタ65が ない場合の高圧放電灯点灯装置10の動作を説 する。図3(a)はスイッチング素子52,53の駆動 号S52,53を示す。図3(b)はスイッチング素子51, 54の駆動信号S51,54を示す。図3(c)は極性反転回 路50の出力電圧V50の値を示す。図3(d)は直列キ ャパシタ63の両端間の電圧(充電電圧)V63の値 示す。図3(e)はスイッチング素子62の両端間 印加される電圧V62の値を示す。図3(f)は始動 ルスの値(以下、「始動パルス値」という)Vp を示す。図3(g)は高圧放電灯90の一対の電極91, 92間に印加される電圧(以下、「ランプ電圧」 という)V90の値を示す。なお、図3(a)~(g)の横軸 は時間である。

 始動時においては、パルストランス61の 次巻線611と抵抗器64とを通る電流により直列 キャパシタ63が充電される。このとき、電圧V 62の値がスイッチング素子62のブレークオー ー電圧の値を上回らないようにしている。 のためスイッチング素子62はオフのままであ る。一方、極性反転回路50において極性が反 すると、スイッチング素子62の両端間には 極性反転回路50の出力電圧V50の値と直列キャ パシタ63の充電電圧V63の値とを加算した大き の電圧が印加される。そのため、スイッチ グ素子62がオンになって、パルストランス61 の一次巻線611の両端間に電圧が印加される。 これによってパルストランス61の二次巻線612 二次電圧V612が誘導される。その結果、始動 パルスが高圧放電灯90の一対の電極91,92間に 加されて、高圧放電灯90が始動(点灯を開始) る。

 始動パルスの主な成分の周波数f1は、直 キャパシタ63及び一次巻線611と、出力キャパ シタ43とが構成する共振回路の共振周波数で る。一次巻線611のインダクタンスをL611、直 列キャパシタ63の容量値をC63、出力キャパシ 43の容量値をC43とすると、周波数f1は次式(1) で表される。

 ランプ電圧V90は、周波数f1よりも高い周 数の成分を含む。ランプ電圧V90の周波数が くなると、高圧放電灯91の始動のために必要 な程度に高い電圧が高圧放電灯90の一対の電 91,92間に印加される時間が不足する。この 合、高圧放電灯90の始動不良が発生する可能 性がある。上記高い周波数の成分は、パルス トランス61の各巻線611,612の寄生容量C611,612に 因すると考えられる。そこで、始動回路60 は並列キャパシタ65を設けることで、上記高 い周波数の成分を抑制し、高圧放電灯90の始 性の改善を図っている。

 ところで、高圧放電灯点灯装置10は、出 配線83の長さ(以下、「出力配線長」という)L が長くなるにつれて始動パルス値Vpが大きく り(始動パルスが高くなり)、出力配線長Lが 定値を越えると始動パルス値Vpが小さくな (始動パルスが低くなる)山形の出力特性(以 、「山形出力特性」という)を始動回路60が している点に特徴がある。すなわち、始動 ルス値Vpを出力配線長Lの関数として考えた に、この関数が極大点を有する。この極大 では、出力配線長Lが前記一定値、始動パル 値Vpが極大値(ピーク値)となる。

 図4~図8は、始動パルス値Vpと出力配線長L の関係を示すグラフである。図4~図8のそれ れにおいて、横軸は出力配線長L[m]、縦軸は 始動パルス値Vp[kV]である。図4は、巻数比nが4 のパルストランス61において、結合係数kを異 ならせた際の始動回路60の出力特性の変化を す。同様に、図5は巻数比nが6の場合、図6は 巻数比nが8の場合、図7は巻数比nが10の場合、 図8は巻数比nが12の場合を示す。また、図4~図 8それぞれにおいて、グラフG11は結合係数kが0 .800の場合、グラフG12は結合係数kが0.880の場 、グラフG13は結合係数kが0.928の場合、グラ G14は結合係数kが0.956の場合、グラフG15は結 係数kが0.974の場合、グラフG16は結合係数kが0 .984の場合、グラフG17は結合係数kが0.990の場 、グラフG18は結合係数kが0.998の場合をそれ れ示す。図4~図8に示す例では、パルストラ ス61の一次電圧V611のピーク値VN1を約600Vとし いる。

 ところで、始動パルス値Vpは、基本振動 圧値Vpaと、寄生振動電圧値Vpbとの和とみな ことができる(すなわち、Vp=Vpa+Vpb)。

 基本振動電圧値Vpaは、出力キャパシタ43 、一次巻線611と、直列キャパシタ63と、並列 キャパシタ65と、出力配線83間の浮遊容量の 量値(以下、「配線容量値」という)C83とが構 成する共振回路による成分である。

 寄生振動電圧値Vpbは、一次巻線611に並列 接続されていると見なすことができる容量 分(以下、「並列容量成分」と称する)と、 ルストランス61の漏れインダクタンスとが構 成する共振回路による成分である。

 図4~図8それぞれにおいて、グラフG18には 寄生振動電圧値Vpbがほとんど含まれていな 。すなわち、グラフG18は、基本振動電圧値V paを示す。よって、グラフG11~G17とグラフG18と の始動パルス値Vpの差は、寄生振動電圧値Vpb 示す。

 例えば、巻数比nが4であるときのグラフG1 4において、出力配線長Lが0mのときの始動パ ス値Vpは約3100Vである。これは、約2600Vであ 基本振動電圧値Vpaと、約500Vである寄生振動 圧値Vpbとの和であると考えられる。これに し、ピーク値VN1=600Vと巻数比n=4との積は2400V である。すなわち、始動パルス値Vpは、ピー 値VN1と巻数比nとの積よりも大きくなる。

 そこで、始動回路60では、使用される高 放電灯90における始動パルス値Vpの規格値の 囲の中央値Vpm(例えば、規格値の範囲が4.0kV~ 5.0kVであれば、Vpm=4.5kV)をピーク値VN1で除した 値(=Vpm/VN1)よりも巻数比nを小さくしている。 なわち、始動回路60では、一次巻線611の巻 をN1、二次巻線612の巻数をN2としたとき、こ らが次式(2)を満たす。

 図4~図8に示すグラフから明らかなように パルストランス61の巻数比n(=N2/N1)及び結合 数kは、始動回路60の出力特性を変化させる

 この点を考慮し、高圧放電灯点灯装置10 は、パルストランス61の巻数比n及び結合係 kを、始動回路60が前記山形出力特性を有す (始動回路60の出力特性が前記山形出力特性 なる)値に設定する。

 以上述べた本実施形態の高圧放電灯点灯 置10によれば、従来のように出力配線83が長 くなるにつれて始動パルス値Vpが単調に減少 る場合に比べれば、出力配線83の長さの変 に対する始動パルス値Vpの変化幅を小さくで きる。よって、出力配線83の影響を低減でき 。そのため、出力配線83が比較的長い場合 あっても高圧放電灯90を点灯できる。また、 出力配線83が比較的短い場合であっても始動 ルス値Vpが高くなりすぎることを防止でき 。

 特に、本実施形態の高圧放電灯点灯装置1 0では、パルストランス61を用いて、始動回路 60が前記山形出力特性を有するようにしてい 。したがって、本実施形態の高圧放電灯点 装置10によれば、始動回路60の出力特性を前 記山形出力特性とするための回路等を新たに 設ける必要がない。

 ところで、並列容量成分に対する配線容量 C83の影響(すなわち始動パルス値Vpに対する 響)は、一次巻線611の両端間において並列キ ャパシタ65に直列に接続されたキャパシタ(以 下、「仮想キャパシタ」と称する)の容量値 等価である。ここで、仮想キャパシタの容 値は、n 2 ×C83である。そのため、巻数比nが大きいほど 、出力配線83が長くなった際の始動パルス値V pの低下幅が大きくなる。

 並列容量成分を発生させる主な要因は、 力配線83間の浮遊容量と並列キャパシタ65で ある。なお、その他の要因には、パルストラ ンス61の各巻線611,612の寄生容量C611,C612などが あるが、出力配線83間の浮遊容量と並列キャ シタ65に比べれば影響は少ない。

 ここで、配線容量値C83を前記仮想キャパ タの容量値と等価と考えると、並列容量成 の容量値は、前記仮想キャパシタと並列キ パシタ65との直列回路の容量値とみなすこ ができる。基本振動電圧値Vpaの周波数(以下 「基本振動周波数」という)faは、次式(3)で される。また、パルストランス61の漏れイ ダクタンス(すなわち漏れインピーダンスの ンダクタンス成分)をLLとすると、寄生振動 圧値Vpbの周波数(以下、「寄生振動周波数」 という)fbは、次式(4)で表される。

 図9に示すように、一次電圧V611の値が0か ピーク値VN1になるまで、あるいはピーク値V N11から0になるまでには、時間T(図9参照。以 、「一次電圧立ち上がり時間」という)がか る。立ち上がり時間Tは、結合係数kの値に わらず一定である。なお、図9(a)は極性反転 路50の出力電圧V50の値の時間変化を示す。 9(b)は直列キャパシタ63の充電電圧V63の値の 間変化を示す。図9(c)はスイッチング素子62 両端間の電圧V62の値の時間変化を示す。図9( d)は一次電圧V611の値の時間変化を示す。

 寄生振動電圧値Vpbの極大点は、一次電圧 ち上がり時間(一次電圧変動時間)Tと寄生振 周波数fbとがT=1/4fbの関係となる点である。1 /4fbは配線容量値C83に対して(すなわち出力配 長Lに対して)単調増加する。よって、想定 れる出力配線長Lの範囲(以下、「想定範囲」 という)内で寄生振動電圧値Vpbが極大点を有 るためには、T>1/4fb1を満たす必要がある。 fb1は、出力配線長Lが、想定範囲内での最短 であるときの寄生振動周波数である。想定 囲とは、実際に高圧放電灯90と高圧放電灯点 灯装置10との接続に使用されると想定される 力配線83の長さの範囲である。

 T>1/4fb1を満たすには、周知の方法で結 係数kを調整することで、漏れインダクタン LLを調整すればよい。出力配線長Lが想定範 内での最短値であるときの並列容量成分の 量値をCxとすると、T>1/4fb1は、次式(5)のよ うに書き換えることができる。

 ここで、出力配線長Lとの関係において始 動パルス値Vpが想定範囲内で極大点を有する は、増加量が減少量を上回るときである。 記増加量は、寄生振動電圧値Vpbの極大値と 出力配線長Lが0のときの寄生振動電圧値Vpb の差である。前記減少量は、出力配線長Lが 寄生振動電圧値Vpbが極大値となる値である きの基準振動電圧値Vpaと、出力配線長Lが0 あるときの基本振動電圧値Vpaとの差である 前記増加量が前記減少量を上回るようにす ためには、上述したように巻数比nと結合係 kとを適宜選択すればよい。

 また、図4~図8を見ても分かるように、結 係数kを高くするほど、漏れインダクタンス LLが小さくなる。そのため、極大点(始動パル ス値Vpの極大値)の位置は右側(すなわち出力 線長Lが長い位置)となる。よって、出力配線 長Lの延長に伴う始動パルス値Vpの低下を抑制 できる。したがって、出力配線長Lが長くな 可能性がある場合には結合係数kを高くする とが望ましい。

 ところで、始動回路60は、出力配線長Lが 定範囲内であるときには、始動パルス値Vp 高圧放電灯90の始動電圧を超えるような大き さとなるように構成されることが好ましい。 例えば、高圧放電灯90の始動に必要な始動パ ス値Vpが3.5kV~5kVであり、出力配線長Lとして0 m~10mが想定される場合を考える。この場合、 数比nを6、結合係数kを0.980~0.990とすれば、 定範囲内で始動パルス値Vpを確保できる。

 また、始動回路60は、前記一定値が、想 範囲で最も短い出力配線長L以下となるよう 構成されることが好ましい。すなわち、想 範囲における出力配線長Lの最短値を始動パ ルス値Vpの極大点における出力配線長L以上と すれば(つまり仕様書等において当該極大点 おける出力配線長Lよりも短い出力配線83の 用を禁止すれば)、想定範囲内では、始動パ ス値Vpが出力配線長Lに対して単調減少する ここで、始動用パルス電圧Vpが極大点をと 出力配線長Lを想定範囲内とする場合、想定 囲における出力配線長Lの最長値と最短値と のどちらで始動パルス値Vpが最小値となるか 確認する必要がある。想定範囲における出 配線長Lの最短値を始動パルス値Vpの極大点 おける出力配線長Lよりも長くした場合には 、出力配線長Lが最短値のときに確実に始動 ルス値Vpが最大値となる。また、出力配線長 Lが想定範囲内の最長値のときに確実に始動 ルス値Vpが最小値となる。そのため、始動パ ルス値Vpの最小値と最大値との把握が容易と る。

 また、想定範囲内での出力配線長Lの最短 値における始動パルス値Vpが、想定範囲内で 出力配線長Lの最長値における始動パルス値 Vpと同じであることが好ましい。このように れば、想定範囲内での出力配線長Lの最短値 における始動パルス値Vpが想定範囲内での出 配線長Lの最長値における始動パルス値Vpと なる場合に比べて、想定範囲内の出力配線 Lに対して始動パルス値Vpがとり得る値の幅 小さくできる。これによって高圧放電灯90 点灯のタイミングのばらつきを抑制できる 例えば、図4のグラフG13に示すように、巻数 nを4、結合係数kを0.928とすれば、想定範囲 での出力配線長Lの最短値における始動パル 値Vpが、想定範囲内での出力配線長Lの最長 における始動パルス値Vpと概ね同じになる

 実際には高圧放電灯90や各回路部品には れぞれ特性のバラツキが存在する。そのた 、想定範囲内での出力配線長Lの最短値にお る始動パルス値Vpを、想定範囲内での出力 線長Lの最長値における始動パルス値Vpと厳 に同じにすることは困難である。

 よって、想定範囲内での出力配線長Lの最 短値における始動パルス値Vpを、想定範囲内 の出力配線長Lの最長値における始動パルス 値Vpと同じにできない場合、始動パルス値Vp 最大値と最小値との差を500V以下に抑えるこ が望ましい。つまり、始動回路60は、出力 線長Lが想定範囲での最短値であるときの始 パルス値Vpと、出力配線長Lが想定範囲での 長値であるときの始動パルス値Vpとの差が50 0V以下となるように構成されることが好まし 。

 この場、出力配線83の長さが想定範囲内 最短値であるときと最長値であるときとの での始動パルス値Vpの差が500V以上である場 に比べ、出力配線83の長さが想定範囲内であ るときに始動パルス値Vpがとり得る値の範囲 小さくできる。

 (実施形態2)
 本実施形態の高圧放電灯点灯装置10の回路 成は、実施形態1の回路構成と同様である。 のため、本実施形態の高圧放電灯点灯装置1 0においても図1及び図9を流用する。

 図10は、始動パルス値Vpと出力配線長Lと 関係を示すグラフである。図10において、横 軸は出力配線長L[m]、縦軸は始動パルス値Vp[kV ]である。図10において、グラフG21~G27は、並 キャパシタ65の容量値C65が1pF、9nF、18nF、22nF 33nF、47nF、100nFの場合をそれぞれ示す。すな わち、図10は、並列キャパシタ65の容量値C65 異ならせた際の始動回路60の出力特性の変化 を示す。

 図11は、基本振動電圧値Vpaと出力配線長L の関係を示すグラフである。図11において 横軸は出力配線長L[m]、縦軸は基本振動電圧 Vpa[kV]である。

 図12は、寄生振動電圧値Vpbと出力配線長L の関係を示すグラフである。図12において 横軸は出力配線長L[m]、縦軸は寄生振動電圧 Vpb[kV]である。

 図11及び図12においても、図10と同様に、 ラフG21~G27は、並列キャパシタ65の容量値C5 1pF、9nF、18nF、22nF、33nF、47nF、100nFの場合を れぞれ示す。

 図10に示すグラフから明らかなように、 列キャパシタ65の容量値C65は、始動回路60の 力特性を変化させる。

 この点を考慮し、高圧放電灯点灯装置10 は、パルストランス61の巻数比n及び結合係 kではなく、並列キャパシタ65の容量値C65を 始動回路60が前記山形出力特性を有する(始 回路60の出力特性が前記山形出力特性になる )値に設定する。

 よって、本実施形態の高圧放電灯点灯装 10によれば、実施形態1と同様に、従来のよ に出力配線83が長くなるにつれて始動パル 値Vpが単調に減少する場合に比べれば、出力 配線83の長さの変化に対する始動パルス値Vp 変化幅を小さくできる。よって、本実施形 の高圧放電灯点灯装置10によれば、出力配線 83の影響を低減できる。そのため、出力配線8 3が比較的長い場合であっても高圧放電灯90を 点灯できる。また、出力配線83が比較的短い 合であっても始動パルス値Vpが高くなりす ることを防止できる。

 特に、本実施形態の高圧放電灯点灯装置1 0では、並列キャパシタ65を利用して、始動回 路60が前記山形出力特性を有するようにして る。したがって、始動回路60の出力特性を 記山形出力特性とするための回路等を新た 設ける必要がない。

 本実施形態の高圧放電灯点灯装置10におい も、寄生振動電圧値Vpbの極大点は、立ち上 り時間T(図9参照)と、寄生振動周波数fbとが T=1/4fbの関係となる点である。よって、想定 囲内で寄生振動電圧値Vpbが極大点を有する めには、T>1/4fb1を満たす必要がある。こ で、出力配線長Lが想定範囲内での最短値で るときの前記仮想コンデンサの容量値n 2 ×C83をCxとする。また、並列キャパシタ65の容 量値C65をCpとする。この場合、T>1/4fb1は、 式(4)を用いて次式(6)のように書き換えるこ ができる。

 ここで、前記増加量が前記減少量を上回 ていれば、想定範囲内で始動パルス値Vpは 力配線長Lとの関係において極大点を有する 前記増加量が前記減少量を上回るようにす ためには、上述したように並列キャパシタ6 5の容量値C65を適宜選択すればよい。

 始動回路60は、想定範囲内では、始動パ ス値Vpが所望の範囲内に収まるように構成さ れることが好ましい。例えば、想定される出 力配線長L(つまり想定範囲)が0m~10m、高圧放電 灯90の始動に必要な始動パルス値Vpの範囲(図1 0中の「高圧放電灯始動電圧範囲」)が3kV~5kVで ある場合を考える。この場合、高圧放電灯90 取り付けるソケット(図示せず)や出力配線83 の耐圧が5kV以上であれば、並列キャパシタ65 容量値C65を10nF~22nFとすればよい。

 なお、本実施形態の高圧放電灯点灯装置1 0は、実施形態1と同様に、図2に示す照明器具 80に用いることができる。この点は、後述す 実施形態3~5においても同様である。

 (実施形態3)
 図13に示すように、本実施形態の高圧放電 点灯装置10Aは、整流回路20と、昇圧チョッパ 回路30と、降圧チョッパ回路40と、極性反転 路50と、始動回路60Aと、制御回路70Aとを備え る。

 高圧放電灯点灯装置10Aは、始動回路60Aの 源を極性反転回路50ではなく昇圧チョッパ 路40とした点で、実施形態2の高圧放電灯点 装置10と異なる。なお、整流回路20と、昇圧 ョッパ回路30と、降圧チョッパ回路40と、極 性反転回路50とについては実施形態1と同様で あるから説明を省略する。

 始動回路60Aは、パルストランス61と、並 キャパシタ65と、始動電源部66と、キャパシ 67と、スイッチング素子68とを備える。

 始動電源部66は、昇圧チョッパ回路40の出 力電圧を昇圧するブーストコンバータである 。始動電源部66は、昇圧チョッパ回路40の高 圧側の出力端に一端が接続されたインダク 661を備える。インダクタ661の他端にはダイ ード662のアノードが接続される。ダイオー 662のカソードには出力キャパシタ663の一端 接続される。出力キャパシタ663の他端は昇 チョッパ回路40の低電圧側の出力端に接続さ れる。インダクタ661とダイオード662との接続 点にはスイッチング素子664の一端が接続され る。スイッチング素子664の他端は昇圧チョッ パ回路40と出力キャパシタ663との接続点に接 される。始動電源部66では、出力キャパシ 663の両端それぞれが出力端となる。

 高圧放電灯点灯装置10Aでは、一次巻線611 一端は、始動電源部66の高電圧側の出力端 接続される。また、一次巻線611の他端は、 イッチング素子68を介して始動電源部66の低 圧側の出力端に接続される。さらに、始動 路60では、キャパシタ67の一端が第1電極91に 接続される。また、キャパシタ67の他端が二 巻線612を介して第2電極92に接続されている

 制御回路70Aは、上述した昇圧制御部71、 圧制御部72、及び極性反転駆動部73に加えて 始動回路制御部74を備える。始動回路制御 74は、スイッチング素子664,68をそれぞれ駆動 制御するように構成される。具体的には、始 動回路制御部74は、各スイッチング素子64,68 駆動信号を出力する。ハイレベルの駆動信 が入力されたスイッチング素子64,68はオンと なり、ロウレベルの駆動信号が入力されたス イッチング素子64,68はオフとなる。

 図14を参照して、高圧放電灯点灯装置10A 動作を説明する。図14(a)はスイッチング素子 52,53の駆動信号S52,S53の値の時間変化を示す。 図14(b)はスイッチング素子51,54の駆動信号S51,S 54の値の時間変化を示す。図14(c)は極性反転 路50の出力電圧V50の値の時間変化を示す。図 14(d)はスイッチング素子664の駆動信号S64の値 時間変化を示す。図14(e)は出力キャパシタ66 3の両端間の電圧(充電電圧)V663の値の時間変 を示す。図14(f)はスイッチング素子68の駆動 号S68の値の時間変化を示す。図14(g)は始動 ルス値Vpの時間変化を示す。図14(h)はランプ 圧V90の値の時間変化を示す。

 始動回路制御部74は、極性反転制御部73に よる極性反転回路50のスイッチング素子51~54 オンオフの切り換えに同期してスイッチン 素子68をオンにする。より詳しくは、始動回 路制御部74は、極性反転回路50の出力電圧V50 立ち下がるタイミングから所定時間にのみ イッチング素子68をオンする。前記所定時間 は、極性反転回路50の出力電圧V50の周期の半 よりも短い時間である。

 始動回路制御部74は、スイッチング素子68 がオフである期間にはスイッチング素子664を オンオフ駆動して、始動電源部66から直流電 を出力させる。これによって、始動電源部6 6の出力電圧(すなわち出力キャパシタ663の充 電圧V663)を徐々に上昇させる。その後、始 回路制御部74は、スイッチング素子664をオフ にするとともに、スイッチング素子68をオン する。これによって、パルストランス61の 次巻線611の両端間に電圧(パルス電圧)が印加 される。その結果、二次巻線612に二次電圧V61 2が誘導されて、高圧放電灯90の一対の電極91, 92間に始動用パルスが印加される。

 実施形態2の高圧放電灯点灯装置10では、 列キャパシタ65の容量値C65を例えば100nFとい った大きい値にすると、出力配線長Lによる 動パルス値Vpへの影響を低減できる。しかし ながら、高圧放電灯90の始動に必要な始動パ ス値Vpを確保することが難しい。

 図15は、始動パルス値Vpと出力配線長Lと 関係を示すグラフである。図15において、横 軸は出力配線長L[m]、縦軸は始動パルス値Vp[kV ]である。

 図15において、グラフG27は、実施形態2で べたように、並列キャパシタ65の容量値C65 100nFの場合を示している。同様に、グラフG28 ,G29も並列キャパシタ65の容量値C65が100nFであ 。

 ここで、グラフG28は、一次電圧V611のピー ク値VN1をグラフG27のときの1.5倍とした場合の 始動パルス値Vpと出力配線長Lとの関係を示す 。すなわち、始動電源部66の出力キャパシタ6 63の充電電圧V663を実施形態2におけるスイッ ング素子62のブレークオーバー電圧Vs-onの1.5 としている。このようにすれば、出力配線 Lが0m~10mの範囲において高圧放電灯90の始動 必要な始動パルス値Vpを確保できる。

 グラフG29は、一次電圧V611のピーク値VN1を グラフG27のときの2.0倍とした場合の始動パル ス値Vpと出力配線長Lとの関係を示す。すなわ ち、始動電源部66の出力キャパシタ663の充電 圧V663をさらに高く、スイッチング素子62の レークオーバー電圧Vs-onの2倍としている。 のようにすれば、出力配線長Lがより大きい (出力配線83がより長い)場合についても、高 放電灯90の始動に必要な始動パルス値Vpを確 できる。

 以上述べたように、本実施形態の高圧放 灯点灯装置10Aでは、スイッチング素子68を ンにする際の出力キャパシタ663の充電電圧V6 63を高くするから、並列キャパシタ65の容量 C65を大きくした場合でも、パルストランス61 の一次電圧V611のピーク値VN1を高くできる。

 したがって、本実施形態の高圧放電灯点 装置10Aによれば、出力配線長Lによる始動パ ルス値Vpへの影響を低く抑えながらも、始動 ルス値Vpを大きくできる。その結果、並列 ャパシタ65の容量値C65を大きくしたことに起 因するパルストランス61の一次電高圧放電灯9 0の始動性の悪化を防止できる。

 (実施形態4)
 図16に示すように、本実施形態の高圧放電 点灯装置10Bは、始動回路60Bの構成が実施形 1の高圧放電灯点灯装置10と異なる。なお、 16では図示を一部省略しているが、高圧放電 灯点灯装置10Bは、実施形態1の高圧放電灯点 装置10と同様に、整流回路20、昇圧チョッパ 路30と、降圧チョッパ回路40と、極性反転回 路50と、制御回路70とを備える。

 始動回路60Bは、スイッチング素子62と抵 器64とを備えない点で、実施形態1の始動回 60と異なる。

 実施形態4,5では、パルストランス61の二 巻線612を、有効インダクタ613と漏れインダ タ614との直列回路とする。有効インダクタ61 3は、二次巻線612の有効インダクタンスに対 するインダクタである。漏れインダクタ614 、パルストランス61の漏れインダクタンス( なわち漏れインピーダンスのインダクタン 成分)に対応するインダクタである。

 図17(a)は極性反転回路50の出力電圧V50の値 の時間変化を示す。図17(b)は直列キャパシタ6 3の充電電圧V63の値の時間変化を示す。図17(c) は一次電圧V611の値の時間変化を示す。図17(d) はランプ電圧V90の値の時間変化を示す。

 図17に示すように、一次電圧V611の絶対値 、通常は極性反転回路50の出力電圧V50の絶 値よりも小さい。しかしながら、極性反転 路50においてスイッチング素子51~54のオンオ が切り換えられた直後には、直列キャパシ 63の充電電圧V63が重畳される。このときに 、一次電圧V611の絶対値は、極性反転回路50 出力電圧V50の絶対値の約2倍となる。

 図18は、極性反転回路50においてスイッチ ング素子51~54のオンオフが切り換えられる前 における高圧放電灯点灯装置10Bの動作の説 図である。図18(a)は極性反転回路50の出力電 圧V50の値の時間変化を示す。図18(b)は一次電 V611の値の時間変化を示す。図18(c)は二次電 V612の値の時間変化を示す。図18(d)は漏れイ ダクタ614の両端間の電圧とみなせる電圧(以 下、「寄生振動電圧」という)V614の値の時間 化を示す。図18(e)はランプ電圧V90の値の時 変化を示す。図18(f)は一次巻線611に流れる電 流I611の値の時間変化を示す。

 図18を見てもわかるように、一次電圧V611 値が0からピーク値VN1に達するには、ある程 度の時間(立ち上がり時間)Tがかかる。始動回 路60Bでは、立ち上がり時間Tは、極性反転回 50の出力電圧(すなわち始動回路60Bへの入力 圧)V50の電圧値が0からピーク値に達するまで の時間Tinに略一致する。

 図19~図24は、立ち上がり時間Tをそれぞれ ならせた6通りの場合について、ランプ電圧 V90のピーク値及び寄生振動電圧V614のピーク (以下、「寄生パルス値」という)と、配線容 量値C83との関係を示す。図19~図24は、立ち上 り時間Tが1ns、50ns、100ns、200ns、300ns、400nsの 場合をそれぞれ示す。

 配線容量値C83は、出力配線長Lに対して単 調増加する。また、ランプ電圧V90のピーク値 は始動パルス値Vpに対応する。そのため、図1 9~図24は始動パルス値Vp及び寄生パルス値と出 力配線長Lとの関係も示す。図19~図24を見ても 分かるように、少なくとも立ち上がり時間T 50ns以上であるときには、明らかに始動パル 値Vp及び寄生パルス値は出力配線長Lが長く るにつれて大きくなり、出力配線長Lが一定 値を越えると小さくなっている。すなわち、 始動パルス値Vpと寄生パルス値とはそれぞれ 大値(極大点)を有する。

 ここで、ランプ電圧V90は、ピーク値が配 容量値C83に対してほぼ単調減少する成分と 当該成分に重畳される寄生振動電圧V614とを 含む。そのため、始動パルス値Vpの極大点は 生パルス値の極大点よりも左側(出力配線長 Lが短く配線容量値C83が小さい側)に位置する つまり、出力配線長Lを想定範囲内とする条 件下で、始動パルス値Vpが上記の極大点を有 るためには、次の条件を満たす必要がある すなわち、想定範囲内における出力配線長L の最短値を、寄生パルス値の極大点における 出力配線長Lよりも短くする必要がある。

 寄生振動電圧V614の振幅が最大となるのは 、T=1/4fkとなるときである。ここで、fkは寄生 振動電圧614の周波数(以下、「寄生振動周波 」という)であり、Tは立ち上がり時間である 。1/4fkは配線容量値C83に対して(すなわち出力 配線長Lに対して)単調増加する。

 そのため、上記の条件を満たすためには 出力配線長Lが想定範囲の最短値であるとき にT>1/4fkでなければならない。ここで、寄 振動周波数fkは、次式(7)で表すことができる 。次式(7)において、Cxは、パルストランス61 一次巻線611に並列に接続されていると見な ことができる容量成分の容量値であり、LLは 、パルストランス61の漏れインダクタンスで る。

 上式(7)を用いれば、T>1/4fkは、次式(8)に 書き換えることができる。

 実施形態1で述べたように、容量値Cxは、前 仮想キャパシタと並列キャパシタ65との直 回路の容量値とみなすことができる。さら 、前記仮想キャパシタの容量値は、n 2 ×C83とみなすことができる。

 また、立ち上がり時間Tが長いほど、始動 パルス値Vpの極大点の位置は右側(すなわち出 力配線83が長い側)となり、出力配線83の延長 伴う始動パルス値Vpの低下がより抑制され 。しかし、立ち上がり時間Tが長いほど、始 パルス値Vpが全体的に低下する。よって、 19~図24に示す例では、立ち上がり時間Tは例 ば300ns程度とすることが望ましい。

 以上述べたように、本実施形態の高圧放 灯点灯装置10Bでは、立ち上がり時間Tを調整 することによって、始動回路60Bが前記山形出 力特性を有するようにしている。

 ところで、高圧放電灯点灯装置10Bでは、 性反転回路50のスイッチング素子51~54は、電 界効果トランジスタである。そして、スイッ チング素子51~54では、図25に示すように、ゲ ト-ソース間の電圧(以下、「ゲート電圧」と いう)Vgsの値が所定の閾値電圧Vth以上になる 、ゲート電圧Vgsが大きくなるにつれて、ド イン-ソース間のインピーダンスが略0になる まで単調に減少する。

 よって、スイッチング素子51~54をオンす 際、ゲート電圧Vgsを徐々に上昇させれば、 イッチング素子51~54の両端間の電圧(すなわ 、ドレイン-ソース間の電圧)Vdsが徐々に低下 するので、極性反転回路50の出力電圧V50を徐 に変化させることができる。すなわち、極 反転駆動部73が各スイッチング素子51~54のゲ ート電圧Vgsを上昇させる速度により、時間Tin (すなわち立ち上がり時間T)を調整できる。

 本実施形態の高圧放電灯点灯装置10Bでは 極性反転駆動部73は、立ち上がり時間Tが所 時間(始動回路60が前記山形出力特性を有す ような時間)になるように、スイッチング素 子51~54のゲートに与える電位を徐々に増加さ る。また、本実施形態の高圧放電灯点装置1 0では、制御回路70が、立ち上がり時間Tが前 所定時間となるようにパルストランス611の 次電圧V611を上昇させる電圧上昇手段となる

 図26は本実施形態の高圧放電灯点灯装置10 Bの変更例を示す。当該変更例における始動 路60Bは、実施形態1の始動回路60と同様にス ッチング素子62と抵抗器64との並列回路を有 る。

 図27は、前記変更例の動作の説明図であ 。図27(a)は極性反転回路50の出力電圧V50の値 時間変化を示す。図27(b)はスイッチング素 62の両端間の電圧V62の値の時間変化を示す。 図27(c)は一次電圧V611の値の時間変化を示す。 なお、図27における時間T11は極性反転回路50 おいて極性反転動作が開始された時間であ 。

 図27に示すように、出力電圧V50の値がス ッチング素子62のブレークオーバー電圧に達 するまでは(時間T12までは)、一次電圧611は上 しない。そのため、立ち上がり時間Tは、時 間Tinよりも短くなる。また、スイッチング素 子62は、オンになると、出力電圧V50の上昇に わせて自身のインピーダンスを最低値(略0) なるまで徐々に低下させる。加えて、スイ チング素子62のインピーダンスが最低値に する時間(時間T13)は出力電圧V50の値がピーク 値に達する時間(時間T14)よりも前である。こ により、スイッチング素子62のインピーダ スが最低値に達するまでの第1の期間(T12-T13) おいては、第1の期間の後に極性反転回路50 出力電圧V50の値がピーク値に達するまでの 2の期間(T13-T14)よりも、一次電圧V611の上昇 度が速くなる。

 なお、ゲート電圧Vgsを徐々に上昇させる 作は高圧放電灯90の始動時だけでよい。よ て、降圧駆動部722により高圧放電灯90の点灯 が検出された後は(つまり高圧放電灯90の定常 点灯中は)、極性反転駆動部73は、ゲート電圧 Vgsの上昇速度を始動時よりも速くしてもよい 。このようにすれば、高圧放電灯点灯装置10B の消費電力を低減できる。

 (実施形態5)
 図28に示すように、本実施形態の高圧放電 点灯装置10Cは、始動回路60C及び制御回路70C 実施形態4と異なる。なお、本実施形態にお る整流回路20、昇圧チョッパ回路30、降圧チ ョッパ回路40については実施形態1または4と 様であるから図示及び説明を省略する。ま 、図28では制御回路70Cの昇圧制御部71と降圧 御部72との図示を省略する。

 始動回路60Cは、スイッチング素子62の代 りに可変インピーダンス回路69を備える点で 、図26に示す始動回路60Bと異なる。

 可変インピーダンス回路69は、2個のスイ チング素子691,692の直列回路である。スイッ チング素子691のソース電極は、スイッチング 素子692のソース電極に接続される。スイッチ ング素子691のドレイン電極は一次巻線611に接 続され、これによって、可変インピーダンス 回路69は一次巻線611に直列接続される。また スイッチング素子692のドレイン電極は、直 キャパシタ63に接続される。

 制御回路70Cは、始動制御部74を備える。 動制御部74は、極性反転駆動部73に同期して イッチング素子691,692をそれぞれオンオフ駆 動する。

 図29は本実施形態の高圧放電灯点灯装置10 Cの動作の説明図である。図29(a)は極性反転回 路50の出力電圧V50の値の時間変化を示す。図2 9(b)はスイッチング素子691,692のゲート-ソース 間の電圧Vgsの値の時間変化を示す。図29(c)は イッチング素子691,692のドレイン-ソース間 電圧Vdsの値の時間変化を示す。図29(d)は一次 電圧V611の値の時間変化を示す。

 図14(b)に示すように、スイッチング素子69 1,692それぞれは上述のスイッチング素子51~54 特性と同様の特性を有する。

 始動制御部74は、極性反転回路50の出力電 圧V50が反転したタイミングでオン動作を開始 する。当該オン動作は、各スイッチング素子 691,692のゲート-ソース間電圧Vgsを徐々に上昇 せる動作である。前記オン動作は、各スイ チング素子691,692が完全にオンになった際( スイッチング素子691,692のインピーダンスが 0となった際)に終了する。

 始動制御部74は、前記オン動作の終了後 一次巻線611に流れる電流が略0になると、各 イッチング素子691,692をそれぞれオフする。

 高圧放電灯点灯装置10Cでは、前記オン動 において始動制御部74がスイッチング素子69 1,692のゲート-ソース間電圧Vgsを上昇させる速 度に応じて、立ち上げ時間Tが変化する。

 よって、制御回路70Cは、立ち上がり時間T が所定時間(始動回路60Cが前記出力特性を有 るような時間)になるように、可変インピー ンス回路69を制御する。

 本実施形態の高圧放電灯点灯装置10Cでは 実施形態4とは異なり極性反転回路50のスイ チング素子51~54に関してはゲート電圧Vgsの 昇速度を調整する必要がない。そのため、 実施形態の高圧放電灯点灯装置10Cによれば 実施形態4に比べて、極性反転回路50のスイ チング素子51~54での消費電力を低減できる。

 なお、前記オン動作を開始するタイミン は、厳密な意味で、極性反転回路50の出力 圧V50の反転のタイミングと一致している必 はなく、前記反転のタイミングから多少遅 てもよい。また、前記オン動作においては 必ずしも2個のスイッチング素子691,692両方の ゲート-ソース間電圧Vgsを上昇させる必要は い。例えば、極性反転回路50の出力電圧V50の 極性に応じて、高電圧側となるスイッチング 素子691,692のゲート-ソース間電圧Vgsを上昇さ るようにしてもよい。