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Patent Searching and Data


Title:
HONEYCOMB SEGMENT AND HONEYCOMB STRUCTURE USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/117610
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a honeycomb segment wherein a plurality of cells to be channels for a fluid are arranged in parallel to each other in a center axis direction. In the honeycomb segment, the thickness of a corner section of the outer wall is more than that of an end portion.

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Inventors:
IWATA KOICHI (JP)
SHINDO HIROYUKI (JP)
KANEDA ATSUSHI (JP)
NISHIO AKIFUMI (JP)
MATSUDA HIROTO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053242
Publication Date:
October 02, 2008
Filing Date:
February 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NGK INSULATORS LTD (JP)
IWATA KOICHI (JP)
SHINDO HIROYUKI (JP)
KANEDA ATSUSHI (JP)
NISHIO AKIFUMI (JP)
MATSUDA HIROTO (JP)
International Classes:
B01D39/20; B01D46/00; F01N3/02
Domestic Patent References:
WO2006126507A12006-11-30
Foreign References:
JPS62234552A1987-10-14
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kazuhira (No.8 Kikuboshi Tower Building20-18, Asakusabashi 3-chom, Taito-ku Tokyo 53, JP)
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Claims:
 流体の流路となる複数のセルが中心軸方向に互いに並行するように配設されたハニカムセグメントであって、
 前記ハニカムセグメントの外壁の隅部の厚みが縁部の厚みよりも厚いハニカムセグメント。
 前記ハニカムセグメントの外壁の隅部の厚みと縁部の厚みとが、下式(1)の関係を満たす請求項1に記載のハニカムセグメント。
 隅部の厚み/縁部の厚み>1.05  (1)
 前記ハニカムセグメントの隣接するセルが、互いに反対側の端面において充填材で目封止されている請求項1又は2に記載のハニカムセグメント。
 複数のハニカムセグメントが接合材層を介して互いの接合面で一体的に接合されたハニカムセグメント接合体と、前記ハニカムセグメント接合体の外周面を被覆する外周コート層とを備え、流体の流路となる複数のセルが中心軸方向に互いに並行するように配設された構造を有するハニカム構造体であって、
 前記ハニカムセグメントが、請求項1~3の何れか一項に記載のハニカムセグメントであるハニカム構造体。
Description:
ハニカムセグメント及びそれを いたハニカム構造体

 本発明は、ハニカム構造体を構成するた に使用されるハニカムセグメントと、複数 当該ハニカムセグメントを一体的に接合し 構成されたハニカム構造体に関する。

 排ガスの集塵用フィルタ、例えば、ディ ゼルエンジン等の排ガスに含まれるスート の粒子状物質(パティキュレート)を捕捉し 去するためのディーゼルパティキュレート ィルタ(DPF)として、ハニカム構造体が広く使 用されている。

 このようなハニカム構造体は、例えば、 化珪素(SiC)等からなる多孔質の隔壁によっ 区画、形成された流体の流路となる複数の ルが中心軸方向に互いに並行するように配 された構造を有している。また、隣接した ルの端部は、交互に(市松模様状に)目封じさ れている。すなわち、一のセルは、一方の端 部が開口し、他方の端部が目封じされており 、これと隣接する他のセルは、一方の端部が 目封じされ、他方の端部が開口している。

 このような構造とすることにより、一方 端部から所定のセル(流入セル)に流入させ 排ガスを、多孔質の隔壁を通過させること よって流入セルに隣接したセル(流出セル)を 経由して流出させ、隔壁を通過させる際に排 ガス中の粒子状物質(パティキュレート)を隔 に捕捉させることによって、排ガスの浄化 することができる。

 このようなハニカム構造体(フィルタ)を 期間継続して使用するためには、定期的に ィルタに再生処理を施す必要がある。すな ち、フィルタ内部に経時的に堆積したパテ キュレートにより増大した圧力損失を低減 せてフィルタ性能を初期状態に戻すため、 ィルタ内部に堆積したパティキュレートを 焼させて除去する必要がある。このフィル 再生時には大きな熱応力が発生し、この熱 力がハニカム構造体にクラックや破壊等の 陥を発生させるという問題があった。この 応力に対する耐熱衝撃性の向上の要請に対 すべく、複数のハニカムセグメントを接合 層にて一体的に接合することにより熱応力 分散、緩和する機能を持たせた分割構造の ニカム構造体が提案され、その耐熱衝撃性 ある程度改善することができるようになっ 。

 しかし、近年、フィルタは更に大型化の 請が高まり、これに伴って再生時に発生す 熱応力も増大することになり、上述の問題 解消するために、構造体としての耐熱衝撃 の更なる向上が強く望まれるようになった この耐熱衝撃性の向上を実現するため、複 のハニカムセグメントを一体的に接合する めの接合材層には、優れた応力緩和機能と 合強度とが求められている。

 こうした要請に対応するための一手段と て、シール材(接合材層)に、無機繊維や有 バインダーを添加することにより、乾燥硬 の過程でのマイグレーションの発生を抑制 、上述の欠陥の発生を抑制して、耐久性を 上させることを企図したセラミック構造体( ニカム構造体)が開示されている(特許文献1 照)。

 しかしながら、特許文献1に開示されたセラ ミックス構造体(ハニカム構造体)に用いられ シール材(接合材層)において、無機繊維と 機バインダーとが相互に絡み合うことによ 実現した組織では、図8に示すように、ハニ ムセグメント2間に形成される接合材層9の 差部17にボイド20が形成されやすく、このた ハニカムセグメント2と接合材層9との界面 接合強度の確保が難しくなって、フィルタ 生後に前記界面における剥離等の劣化が生 るという問題があった。

特許第3121497号公報

 本発明は、このような従来の事情に鑑み なされたものであり、排ガスの集塵用フィ タ、中でもDPFとして有用な、耐熱衝撃性に れ、特にフィルタ再生時におけるクラック の欠陥の発生が効果的に抑制されたハニカ 構造体を提供することを主な目的とする。

 上記目的を達成するため、本発明によれ 、以下のハニカムセグメント及びハニカム 造体が提供される。

[1] 流体の流路となる複数のセルが中心軸 向に互いに並行するように配設されたハニ ムセグメントであって、前記ハニカムセグ ントの外壁の隅部の厚みが縁部の厚みより 厚いハニカムセグメント。

[2] 前記ハニカムセグメントの外壁の隅部の みと縁部の厚みとが、下式(1)の関係を満た [1]に記載のハニカムセグメント。
 隅部の厚み/縁部の厚み>1.05  (1)

[3] 前記ハニカムセグメントの隣接するセ が、互いに反対側の端面において充填材で 封止されている[1]又は[2]に記載のハニカム グメント。

[4] 複数のハニカムセグメントが接合材層 介して互いの接合面で一体的に接合された ニカムセグメント接合体と、前記ハニカム グメント接合体の外周面を被覆する外周コ ト層とを備え、流体の流路となる複数のセ が中心軸方向に互いに並行するように配設 れた構造を有するハニカム構造体であって 前記ハニカムセグメントが、[1]~[3]の何れか に記載のハニカムセグメントであるハニカム 構造体。

 本発明のハニカムセグメントを用いてハ カム構造体を作製すれば、接合材層の交差 にハニカムセグメントと接合材層との界面 強度低下を引き起こす原因となるような大 のボイドが発生しにくく、DPF等の排ガスの 塵用フィルタに用いた場合、フィルタ再生 におけるクラック等の欠陥の発生が効果的 抑制され、優れた耐熱衝撃性を発揮する。

本発明のハニカムセグメントの実施形 の一例を模式的に示す斜視図である。 本発明のハニカムセグメントの実施形 の他の一例を模式的に示す斜視図である。 図2におけるA-A断面図である。 本発明のハニカム構造体の実施形態の 例を模式的に示す斜視図である。 図4の要部拡大図である。 本発明のハニカムセグメントにおける 隅部の厚み」を説明するための平面図であ 。 本発明のハニカムセグメントにおける 縁部の厚み」を説明するための平面図であ 。 ハニカムセグメント間に形成される接 材層の交差部を示す部分断面図である。

符号の説明

1:ハニカム構造体、2:ハニカムセグメント 4:外周コート層、5:セル、6:隔壁、7:充填材、 8:外壁、9:接合材層、10:ハニカムセグメント 合体、12:隅部、13:縁部、17:交差部、20:ボイ 。

 以下、本発明を具体的な実施形態に基づ 説明するが、本発明は、これに限定されて 釈されるもではなく、本発明の範囲を逸脱 ない限りにおいて、当業者の知識に基づい 、種々の変更、修正、改良を加え得るもの ある。

 前述のとおり、本発明のハニカムセグメ トは、流体の流路となる複数のセルが中心 方向に互いに並行するように配設されたハ カムセグメントであって、前記ハニカムセ メントの外壁の隅部の厚みが縁部の厚みよ も厚いことを特徴とするものである。

 なお、本発明のハニカムセグメントにおい 、「隅部の厚み」とは、図6に示すように、 1つのハニカムセグメント2の外壁8に存在する 複数の隅部(角部)12の厚さt 1 、t 2 、t 3 、t 4 の内で最も薄いものの厚さを言う。また、「 縁部の厚み」とは、図7に示すように、隅部 隅部との間を繋いでいる各外壁8a、8b、8c、8d において、その両端の隅部12から等距離の位 (中間位置)における外壁の厚みT 1 、T 2 、T 3 、T 4 をそれぞれ測定し、得られた各測定値の平均 値を採ったものである。

 図8のように、複数のハニカムセグメント 2を組み合わせ、接合材層9を介して接合する 、接合材層9に交差部17が形成される。この うな接合材層9の交差部17において、ハニカ セグメント2と接合材層9との界面の接合強 低下を引き起こす原因となるような大型の イド20は、接合材層9を形成するに当たり、 合材層9の構成材料を水等と共に混練しペー ト化した接合材組成物をハニカムセグメン 2の接合面(外壁)に塗布し、ハニカムセグメ ト2を組み合わせた際に、接合材組成物中の 水分が、周囲のハニカムセグメント2にあま 吸収されず、接合材組成物中に多量に残存 たままの状態で乾燥に供されることにより 生すると考えられる。

 そこで、本発明のハニカムセグメントで 、図1に示すように、ハニカムセグメントを 組み合わせた際に接合材層の交差部に接する 外壁8の隅部12の厚みを、縁部13の厚みよりも くなるようにした。このように隅部12に厚 を持たせると、前記のような接合材組成物 ハニカムセグメント2の接合面に塗布し、ハ カムセグメント2を組み合わせた際に、接合 材組成物中の水分が、交差部17周囲の隅部13 より多く吸収されるようになり、交差部17に 残存する水分量が減少するため、ハニカムセ グメント2と接合材層9との界面の接合強度低 を引き起こす原因となるような大型のボイ 20は発生しにくくなる。

 本発明のハニカムセグメント2においては、 外壁8の隅部12の厚みと縁部13の厚みとが、下 (1)の関係を満たすことが好ましく、下式(2) 関係を満たすことがより好ましく、下式(3) 関係を満たすことが更に好ましい。
 隅部の厚み/縁部の厚み>1.05  (1)
 隅部の厚み/縁部の厚み>1.10  (2)
 隅部の厚み/縁部の厚み>1.15  (3)

 外壁8の隅部12の厚みと縁部13の厚みとが 上式(1)の関係を満たさない場合には、接合 組成物中の水分が交差部17周囲の隅部12に十 に吸収されず、交差部17にハニカムセグメ ト2と接合材層9との界面の接合強度低下を引 き起こす原因となるような大型のボイドが発 生しやすく、必要な接合強度を確保するのが 困難となる場合がある。

 本発明のハニカムセグメントは、DPF等の 塵用フィルタとして使用されるハニカム構 体の作製に従来用いられているハニカムセ メントと同様に、各セルが何れか一方の端 において目封止された構造とすることがで る。図2は、このような目封止構造が適用さ れた本発明のハニカムセグメントの一例を模 式的に示す斜視図であり、図3は図2におけるA -A断面図である。本例においては、ハニカム グメント2の隣接するセル5が、互いに反対 の端面において充填材7で目封止された構造 なっている。

 本発明のハニカム構造体は、前記本発明 ハニカムセグメントの複数個が接合材層を して互いの接合面で一体的に接合されたハ カムセグメント接合体と、前記ハニカムセ メント接合体の外周面を被覆する外周コー 層とを備え、流体の流路となる複数のセル 中心軸方向に互いに並行するように配設さ た構造を有するものである。

 本発明のハニカム構造体は、このように 発明のハニカムセグメントを用いて構成さ ているため、接合材層の交差部にハニカム グメントと接合材層との界面の強度低下を き起こす原因となるような大型のボイドは 生しにくく、DPF等の排ガスの集塵用フィル に用いた場合、フィルタ再生時におけるク ック等の欠陥の発生が効果的に抑制され、 れた耐熱衝撃性を発揮する。

 図4は、図2に示すハニカムセグメントを いて作製された本発明のハニカム構造体の 施形態の一例を模式的に示す斜視図であり 図5は図4の要部拡大図である。

 このハニカム構造体1は、図2に示すよう 本発明のハニカムセグメントが、接合材層9 よって一体的に接合されたものである。な 、本発明のハニカム構造体1は、ハニカムセ グメント2を接合してハニカムセグメント接 体10とした後、必要に応じて、その外周部を 研削加工等により円筒状等の所望形状に加工 してから、その外周面をコーティング材で被 覆し、外周コート層4を形成することにより 任意の断面形状とすることができる。

 セル5はハニカム構造体1の中心軸方向に いに並行するように配設されており、隣接 ているセル5におけるそれぞれの端部が交互 充填材7によって目封じされている。すなわ ち、所定のセル5(流入セル)においては、図3 示すように、左端部側が開口している一方 右端部側が充填材7によって目封じされてお 、これと隣接する他のセル5(流出セル)にお ては、左端部側が充填材7によって目封じさ れるが、右端部側が開口している。このよう な目封じにより、図2に示すように、ハニカ セグメント2の端面が市松模様状を呈するよ になる。このような複数のハニカムセグメ ト2が接合されたハニカム構造体1を排ガス 排気系内に配置した場合、排ガスは図3にお る左側から各ハニカムセグメント2のセル5 に流入して右側に移動する。

 図3においては、ハニカムセグメント3の 側が排ガスの入口となる場合を示し、排ガ は、目封止されることなく開口しているセ 5(流入セル)からハニカムセグメント2内に流 する。セル5(流入セル)に流入した排ガスは 多孔質の隔壁6を通過して他のセル5(流出セ )から流出する。そして、隔壁6を通過する に排ガス中のスートを含む粒子状物質(パテ キュレート)が隔壁6に捕捉される。このよ にして、排ガスの浄化を行うことができる このような捕捉によって、ハニカムセグメ ト3の内部にはスートを含む粒子状物質(パテ ィキュレート)が経時的に堆積して圧力損失 大きくなるため、スート等を燃焼させる再 が行われる。

 なお、本実施形態においては、ハニカム グメントの中心軸方向に対し垂直な断面の 状が四角形となっているが、三角形や六角 等の他の形状であっても良い。また、セル 断面形状も、三角形、六角形、円形、楕円 等の四角形以外の形状であっても良い。

 接合材層9は、接合材層9の構成材料を水 と共に混練しペースト化した接合材組成物 ら形成され、ハニカムセグメント2の外壁面( 接合面)に塗布されて、ハニカムセグメント2 士を接合するように機能する。接合材層9を 形成する接合材組成物の塗布は、隣接してい るそれぞれのハニカムセグメント2の外壁面 行ってもよいが、隣接したハニカムセグメ ト2の相互間においては、対応した外壁面の 方に対してだけ行ってもよい。このような 応面の片側だけへの塗布は、接合材層9を形 成する接合材組成物の使用量を節約できる点 で好ましい。

 接合材層9を形成する接合材組成物の塗布 する方向は、ハニカムセグメント外壁面内の 長手方向、ハニカムセグメント外壁面内の長 手に垂直な方向、ハニカムセグメント外壁面 に垂直な方向など、特に限定されるものでは ないが、ハニカムセグメント外壁面内の長手 方向に向かって塗布するのが好ましい。接合 材層9の厚さは、ハニカムセグメント2の相互 の接合力を勘案して決定され、例えば、0.5~ 3.0mmの範囲で適宜選択される。

 接合材層には、フィラーとして無機繊維 含有されることが好ましく、また、それ以 の成分として、例えば、無機バインダー、 機バインダー、無機粒子、発泡粒子等が含 されることが好ましい。

 無機繊維としては、例えば、アルミノシリ ート、アルミナ、SiO 2 -MgO系及びSiO 2 -CaO-MgO系等の酸化物繊維、その他の繊維(例え ば、SiC繊維)等を挙げることができる。無機 インダーとしては、例えば、シリカゾル、 ルミナゾル、粘土等を挙げることができる 有機バインダーとしては、例えば、ポリビ ルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロ ース(CMC)、メチルセルロース(MC)等を挙げるこ とができる。無機粒子としては、例えば、炭 化珪素、窒化珪素、コージェライト、アルミ ナ、ムライト等のセラミックスを挙げること ができる。発泡粒子としては、例えば、マイ クロカプセル(アクリル樹脂系マイクロカプ ル等)を挙げることができる。

 無機繊維の含有率は、20~45質量%であるこ が好ましく、30~40質量%であることが更に好 しい。無機繊維の含有率が20質量%未満であ と、接合材層に弾力性を付与できないこと あり、45質量%を超えると、塗布可能なペー トを得るために大量の水を必要とし、この 量の水の使用が、接合材層乾燥時の収縮を きくして、クラックを発生させることがあ 。

 無機繊維のショット含有率は、10~50質量% あることが好ましい。ショット含有率が10 量%未満であると、塗布可能なペーストを得 ために大量の水を必要とし、この大量の水 使用が、接合材層乾燥時の収縮を大きくし 、クラックを発生させることがある。一方 ショット含有率が50質量%を超えると、接合 層に弾力性を付与できないことがある。

 無機繊維は、その長軸方向に垂直な断面 おける平均直径値が1~20μmであることが好ま しく、2~15μmであることが更に好ましい。無 繊維の長軸方向に垂直な断面における平均 径値が1μm未満であると、接合材層に弾力性 付与できないことがあり、20μmを超えると 接合材層の厚みに与える影響が大きいため ハニカムセグメントの外壁面上に均一に塗 することが困難となることがある。

 また、無機繊維は、その長軸方向の平均 さが10~600μmであることが好ましく、50~300μm あることがより好ましい。無機繊維の長軸 向の平均長さが10μm未満であると、接合材 に弾力性を付与できないことがあり、600μm 超えると、塗布生が低下することがある。

 ハニカムセグメント2の材料としては、強 度、耐熱性の観点から、炭化珪素(SiC)、炭化 素(SiC)を骨材としてかつ珪素(Si)を結合材と て形成された珪素-炭化珪素系複合材料、窒 化珪素、コージェライト、ムライト、アルミ ナ、スピネル、炭化珪素-コージェライト系 合材、リチウムアルミニウムシリケート、 タン酸アルミニウム、Fe-Cr-Al系金属からなる 群から選択される少なくとも一種から構成さ れたものを挙げることができる。中でも、炭 化珪素(SiC)又は珪素-炭化珪素系複合材料から 構成されてなるものが好ましい。

 ハニカムセグメント2の作製は、例えば、 上述の材料から適宜選択したものに、メチル セルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロ ース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ キシメチルセルロース、ポリビニルアルコー ル等のバインダー、界面活性剤、溶媒として の水等を添加して、可塑性の坏土とし、この 坏土を上述の形状となるように押出成形し、 次いで、マイクロ波、熱風等によって乾燥し た後、焼結することにより行うことができる 。

 セル5の目封じに用いる充填材7としては ハニカムセグメント2と同様の材料を用いる とができる。充填材7による目封じは、例え ば、目封止をしないセル5をマスキングした 態で、ハニカムセグメント2の端面をスラリ 状にした充填材7に浸漬し、開口している( スキングされていない)セル5に充填すること により行うことができる。充填材7の充填は ハニカムセグメント2の成形後における焼成 に行っても、焼成後に行ってもよいが、焼 前に行う方が、焼成工程が1回で終了するた め好ましい。

 以上のようなハニカムセグメント2の作製 の後、ハニカムセグメント2の外壁面にペー ト状の接合材組成物を塗布し、接合材層9を 成して、所定の立体形状(ハニカム構造体1 全体構造)となるように複数のハニカムセグ ント2を組み付け、この組み付けた状態で圧 着した後、加熱乾燥する。このようにして、 複数のハニカムセグメント2が一体的に接合 れた接合体が作製される。その後、必要に じて、この接合体の外周部を所定の形状に 削加工し、その外周面に外周コート層4を形 するためのコーティング材を被覆し、加熱 燥する。このようにして、図1に示すハニカ ム構造体1が作製される。コーティング材の 質としては、接合材層9と同様のものを用い ことができる。コーティング材の厚さは、 えば、0.1~1.5mmの範囲で適宜選択される。

 以下、本発明を実施例に基づいて更に詳 に説明するが、本発明はこれらの実施例に 定されるものではない。

(ハニカムセグメントの作製)
 ハニカムセグメント原料として、SiC粉末及 金属Si粉末を80:20の質量割合で混合し、これ に造孔材として澱粉、発泡樹脂を加え、更に メチルセルロース及びヒドロキシプロポキシ ルメチルセルロース、界面活性剤及び水を添 加して、可塑性の坏土を作製した。この坏土 を押出成形し、マイクロ波及び熱風で乾燥し て隔壁の厚さが310μm、セル密度が約46.5セル/c m 2 (300セル/平方インチ)、断面が一辺35mmの正方 、長さが152mmのハニカムセグメント成形体を 得た。次いで、このハニカムセグメント成形 体の端面が市松模様状を呈するように、各セ ルの一方の端面を目封止した。すなわち、隣 接するセルが、互いに反対側の端部で封じら れるように目封止を行った。目封止用の充填 材としては、ハニカムセグメント原料と同様 の材料を用いた。こうしてセルを目封止し、 乾燥させた後、大気雰囲気中にて約400℃で脱 脂し、その後、Ar不活性雰囲気にて約1450℃で 焼成することにより、多孔質の珪素-炭化珪 系複合材料から構成され、外壁の隅部と縁 との厚み及びそれらの厚みの比が、それぞ 表1に示す値である実施例1~6並びに比較例1及 び2のハニカムセグメントを得た。

(接合材組成物の調製)
 無機繊維としてアルミノシリケート繊維、 機バインダーとしてコロイダルシリカ及び 土、無機粒子としてSiCを用い、これらを混 したものに更に水、有機バインダー(CMC、PVA )、発泡樹脂及び分散剤を加え、ミキサーに 30分間混練を行い、ペースト状の接合材組成 物を得た。

(ハニカム構造体の作製)
 ハニカムセグメントの外壁面に、厚さ約1mm なるように接合材組成物をコーティングし 接合材層を形成し、その上に別のハニカム グメントを載置する工程を繰り返し、縦4個 ×横4個に組み合わせた16個のハニカムセグメ トからなるハニカムセグメント積層体を作 し、外部より圧力を加え、全体を接合させ 後、140℃、2時間乾燥してハニカムセグメン ト接合体を得た。こうして得られたハニカム セグメント接合体の外周を円筒状に研削加工 後、その外周面をコーティング材で被覆して 外周コート層を形成し、700℃で2時間乾燥硬 させて、ハニカム構造体を得た。

(ハニカム構造体の評価)
 得られたハニカム構造体を用いてせん断試 を実施し、当該試験により測定された強度 ハニカムセグメントと接合材層との界面の 合強度として、その結果を表1に示した。ま た、得られたハニカム構造体についてエンジ ン試験(E/G試験)を行い、その結果を同表に示 た。なお、せん断試験及びエンジン試験(E/G 試験)の具体的な方法は下記のとおりである

せん断試験:
 ハニカム構造体より、隣接する2本のセグメ ントを接合された状態のまま切り出し、一方 のハニカムセグメントを固定し、もう一方の ハニカムセグメントに対して長軸方向から荷 重Fをかけることにより測定した。

エンジン試験(E/G試験):
 ハニカム構造体にディーゼルエンジンから 排ガスを流して、ハニカム構造体内に約14g/ Lのパティキュレートを堆積させてから、ハ カム構造体の中心部の温度が1000℃となるよ な温度条件で加熱することにより堆積した ティキュレートを燃焼除去させ、その後、 ニカム構造体のハニカムセグメントと接合 層との界面に剥離が生じているかを調べた 表1中、「○」は剥離が生じていなかったこ とを示し、「×」は剥離が生じていたことを す。

(考察)
 表1に示すとおり、隅部の厚み/縁部の厚み&g t;1.05である実施例1~6のハニカムセグメントを 用いて作製されたハニカム構造体は、ハニカ ムセグメントと接合材層との界面の接合強度 が高く、E/G試験後の前記界面における剥離は 認められなかった。一方、隅部の厚み/縁部 厚み≦1.05である比較例1及び2のハニカムセ メントを用いて作製されたハニカム構造体 、ハニカムセグメントと接合材層との界面 接合強度が低く、E/G試験後の前記界面にお る剥離が認められた。この剥離は、E/G試験 に発生する熱応力に前記界面の接合強度が えられなかったためと考えられる。

 本発明のハニカムセグメントを用いて構 されたハニカム構造体は、例えばDPFのよう 排ガスの集塵用フィルタとして好適に利用 きる。