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Patent Searching and Data


Title:
HYDROPHILIC COATING AGENT, HYDROPHILIC COATING FILM AND HYDROPHILIC BASE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/144999
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a hydrophilic coating film having high hardness and excellent abrasion resistance. The hydrophilic coating film also has excellent solvent resistance and alkali resistance. Also disclosed is a hydrophilic coating agent containing (A) a colloidal silica sol, (B) an acrylic polymer containing an active hydrogen and having a weight average molecular weight (Mw) of 5,000-200,000, (C) a silane coupling agent, (D) a polylactone polyol and (E) a curing agent. The hydrophilic coating agent contains less than 30% by mass of (F) a surfactant containing an active hydrogen relative to the total mass of the component (E) and the component (F). The mass ratio between the component (A) and the component (B), namely (A)/(B) is from 5/95 to 95/5; the mass ratio between the total of the component (A) and the component (B) and the component (C), namely (A + B)/(C) is from 30/70 to 95/5; and the mass ratio between the component (B) and the component (D), namely (C)/(D) is from 90/10 to 10/90.

Inventors:
NAKAI RYOICHI (JP)
KIGUCHI MASAO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055931
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
March 25, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HARIMA CHEMICALS INC (JP)
NAKAI RYOICHI (JP)
KIGUCHI MASAO (JP)
International Classes:
C09D133/00; C09D5/00; C09D7/12; C09D161/28; C09D167/04; C09D175/06
Domestic Patent References:
WO2006064904A12006-06-22
WO2009044912A12009-04-09
Foreign References:
JP2008007677A2008-01-17
JP2002355916A2002-12-10
JP2001019874A2001-01-23
JPH10259354A1998-09-29
JP2007031690A2007-02-08
Attorney, Agent or Firm:
ISHII, Kazuo et al. (JP)
Kazuo Ishii (JP)
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Claims:
 (A)コロイダルシリカゾルと、
 (B)活性水素を有する重量平均分子量(M w )5千~20万のアクリルポリマーと、
 (C)シランカップリング剤と、
 (D)ポリラクトンポリオールと、
 (F)活性水素を有する界面活性剤、を含有する主剤と、
 (E)硬化剤と、を含有する親水性被覆剤であり、
 (A)成分と(B)成分との質量比[(A)/(B)]が5/95~95/5であり、
 (A)成分及び(B)成分の合計と(C)成分との質量比[(A+B)/(C)]が30/70~95/5であり、
 (B)成分と(D)成分との質量比[(B)/(D)]が90/10~10/90であり、
 (F)活性水素を有する界面活性剤を(B)成分と(F)成分との合計量に対して0~30質量%である、
ことを特徴とする親水性被覆剤。
 アクリルポリマー(B)の水酸基価が10~70である請求項1に記載の親水性被覆剤。
 硬化剤(E)が、ヌレート型ポリウレタン樹脂、ビュレット型ポリウレタン樹脂、及びアロファネート型ポリウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1または2に記載の親水性被覆剤。
 硬化金属触媒(G)をさらに含有する請求項1~3のいずれか1項に記載の親水性被覆剤。
 (A)コロイダルシリカゾルと、
 (B)活性水素を有する重量平均分子量(M w )5千~20万のアクリルポリマーと、
 (C)シランカップリング剤と、
 (D)ポリラクトンポリオールと、
 (F)活性水素を有する界面活性剤、を含有する主剤と、
 (E)硬化剤と、を含有する親水性被覆剤であり、
 前記主剤の不揮発成分中における、
 前記コロイダルシリカ(A)の含有割合が5~60質量%であり、
 前記アクリルポリマー(B)の含有割合が10~60質量%であり、
 前記シランカップリング剤(C)の含有割合が5~30質量%であり、
 前記ポリラクトンポリオール(D)の含有割合が5~75質量%であり、
 前記活性水素を有する界面活性剤(F)の含有割合が0~15質量%であることを特徴とする親水性被覆剤。
 前記主剤の不揮発成分中における、
 前記コロイダルシリカ(A)の含有割合が10~30質量%であり、
 前記アクリルポリマー(B)の含有割合が30~45質量%であり、
前記シランカップリング剤(C)の含有割合が10~20質量%であり、
 前記(D)ポリラクトンポリオールの含有割合が15~30質量%であり、
 前記(F)活性水素を有する界面活性剤の含有割合が0~15質量%であることを特徴とする請求項5に記載の親水性被覆剤。
 (A)成分と(B)成分との質量比[(A)/(B)]が5/95~95/5であり、
 (A)成分及び(B)成分の合計と(C)成分との質量比[(A+B)/(C)]が30/70~95/5であり、
 (B)成分と(D)成分との質量比[(B)/(D)]が90/10~10/90であることを特徴とする請求項5または6に記載の親水性被覆剤。
 アクリルポリマー(B)の水酸基価が10~70である請求項5~7のいずれか1項に記載の親水性被覆剤。
 硬化剤(E)が、ヌレート型ポリウレタン樹脂、ビュレット型ポリウレタン樹脂、及びアロファネート型ポリウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項5~8のいずれか1項に記載の親水性被覆剤。
 硬化金属触媒(G)をさらに含有する請求項5~9のいずれか1項に記載の親水性被覆剤。
 請求項1~4のいずれか1項に記載の親水性被覆剤を基材に塗布し、硬化させて得られることを特徴とする親水性被膜。
 請求項5~10のいずれか1項に記載の親水性被覆剤を基材に塗布し、硬化させて得られることを特徴とする親水性被膜。
 請求項11に記載の親水性被膜で被覆されたことを特徴とする親水性基材。
 請求項12に記載の親水性被膜で被覆されたことを特徴とする親水性基材。
Description:
親水性被覆剤、親水性被膜、及 親水性基材

 本発明は眼鏡レンズ、窓材などに防曇性 付与するための親水性被覆剤及び、該親水 被覆剤から得られる親水性被膜、及び該親 性被膜が形成された親水性基材に関する。

 従来から、ガラスやプラスチック材料な を基材とする、眼鏡レンズや窓材などに防 性を付与するための親水性被覆剤が知られ いる。

 例えば、下記特許文献1には、耐擦傷性と 防曇性とを両立する親水性被膜を形成するた めの親水性ハードコート用組成物が開示され ている。具体的には、1分子中に少なくとも3 以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノ ーと、カルボキシル基,スルホン酸基,リン酸 基から選ばれる官能基を有する親水性モノマ ーと、無機コロイドゾルとを含有する親水性 ハードコート用組成物が開示されている。

 また、下記特許文献2には、耐摩耗性に優 れた防曇性被膜を形成するための塗布剤であ って、レベリング工程の時間短縮を図れる塗 布剤が開示されている。具体的には、有機イ ソシアネート、ポリエチレングリコール等の 吸水性ポリオール、メタクリル酸2-ヒドロキ エチル等の水酸基含有モノマーを構成単位 するアクリルポリオール、活性水素基含有 面活性剤、及び溶媒の混合物とからなる塗 剤が開示されている。

 また、下記特許文献3には、ハードコート 層を形成した眼鏡用プラスチックレンズ基材 上に、有機物及び無機物よりなる防曇コート 層を形成した防曇性眼鏡レンズが開示されて いる。前記防曇コート層の具体例としては、 コロイダルシリカとポリビニルアルコールと ポリアクリル酸と水含有有機溶媒とを含有す るコーティング組成物を第1層として積層し この第1層の上にメチルシリケートとアセチ アセトンアルミニウムと水含有有機溶媒と 含有する第2層を積層してなるものが開示さ れている。さらに、前記防曇コート層の具体 例としては、エチルシリケートとコロイダル シリカと水含有有機溶媒とを含有するコーテ ィング組成物を第1層として積層し、この第1 の上に、ポリビニルアルコール部分ケン化 とメチルシリケートとアセチルアセトンア ミニウムとエポキシシリカ等を含有する第2 層を積層してなるものが開示されている。

 また、下記特許文献4には、防曇性能の寿 命に優れる塗膜を形成するための防曇塗料が 開示されている。具体的には、コロイダルシ リカゾルと親水性ポリマーとを必須成分とし て含有する防曇塗料が記載されている。前記 親水性ポリマーの具体例としては、例えば、 ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアル コール、ポリビニルピロリドン、変性ポリビ ニルピロリドン、親水性アクリル系ポリマー などが列挙されている。また、防曇塗料には ポリイソシアネート化合物などの架橋剤をさ らに含有しても良いことが記載されている。

 また、下記特許文献5には、ガラスとコー ティング層との密着性に優れたコーティング 剤、及び、それを用いた耐擦傷性及び飛散防 止性能に優れたガラスを提供する技術が開示 されている。そして、該コーティング剤は、 シランカップリング剤と、ポリカプロラクト ンと、ポリジメチルシロキサンと、イソシア ネート樹脂又はメラミン樹脂とを含有するこ とが記載されている。

 上記何れの文献に開示された被覆剤から形 される親水性被膜も、親水性、高い硬度、 擦傷性、耐溶剤性、耐アルカリ性の全てを えるものではなかった。

特開2005-187576号公報

特開2006-169440号公報

特開2005-234066号公報

特開2005-314495号公報

特開2006-290696号公報

 本発明は、高い硬度を有する耐擦傷性に れた親水性被膜であって、さらに、耐溶剤 、耐アルカリ性にも優れた親水性被膜を提 することを目的とする。

 本発明の一局面は、(A)コロイダルシリカゾ と、(B)活性水素を有する重量平均分子量(M w )5千~20万のアクリルポリマーと、(C)シランカ プリング剤と、(D)ポリラクトンポリオール 、(F)活性水素を有する界面活性剤、を含有 る主剤と、(E)硬化剤と、を含有する親水性 覆剤であり、(A)成分と(B)成分との質量比[(A) /(B)]が5/95~95/5であり、(A)成分及び(B)成分の合 と(C)成分との質量比[(A+B)/(C)]が30/70~95/5であ 、(B)成分と(D)成分との質量比[(B)/(D)]が90/10~1 0/90であり、(F)活性水素を有する界面活性剤 (B)成分と(F)成分との合計量に対して0~30質量% である、ことを特徴とする親水性被覆剤であ る。

 また、本発明の他の一局面は、(A)コロイダ シリカゾルと、(B)活性水素を有する重量平 分子量(M w )5千~20万のアクリルポリマーと、(C)シランカ プリング剤と、(D)ポリラクトンポリオール 、(F)活性水素を有する界面活性剤、を含有 る主剤と、(E)硬化剤と、を含有する親水性 覆剤であり、前記主剤の不揮発成分中にお る、前記コロイダルシリカ(A)の含有割合が5 ~60質量%であり、前記アクリルポリマー(B)の 有割合が10~60質量%であり、前記シランカッ リング剤(C)の含有割合が5~30質量%であり、前 記(D)ポリラクトンポリオールの含有割合が5~7 5質量%であり、前記(F)活性水素を有する界面 性剤の含有割合が0~15質量%である親水性被 剤である。

 また、本発明の他の一局面は、上記いず かの親水性被覆剤を基材に塗布し、硬化さ て得られた親水性被膜である。

 また、本発明の他の一局面は、上記親水 被膜で被覆されたことを特徴とする親水性 材である。

 本発明の目的、特徴、局面、および利点 、以下の詳細な説明によって、より明白と る。

 本発明の好ましい実施形態を以下に詳細 説明する。なお、本発明は、以下に説明す 実施形態により、何ら限定されるものでは い。

 本実施形態における親水性被覆剤は、(A)コ イダルシリカゾルと、(B)活性水素を有する 量平均分子量(M w )5千~20万のアクリルポリマーと、(C)シランカ プリング剤と、(D)ポリラクトンポリオール 、(F)活性水素を有する界面活性剤、を含有 る主剤と、(E)硬化剤と、を含有する親水性 覆剤であり、(A)成分と(B)成分との質量比[(A) /(B)]が5/95~95/5であり、(A)成分及び(B)成分の合 と(C)成分との質量比[(A+B)/(C)]が30/70~95/5であ 、(B)成分と(D)成分との質量比[(B)/(D)]が90/10~1 0/90であり、(F)活性水素を有する界面活性剤 (B)成分と(F)成分との合計量に対して0~30質量% である、ことを特徴とする。

 コロイダルシリカゾル(A)は、得られる被 に、表面に有するシラノール基(-Si-OH)によ 親水性を付与し、さらに、高い硬度や耐溶 性を付与する成分である。

 コロイダルシリカゾル(A)は、水、メタノ ル、エタノール、イソプロピルアルコール ブタノール、キシレン、ジメチルホルムア ド等を分散媒とする、シラノール基(-Si-OH) 有するシリカ系化合物のコロイドまたはゾ である。コロイダルシリカゾルとしては、 チルシリケート、エチルシリケート及びそ らのオリゴマー等を原料として塩基性触媒 用いて製造される、シリカ微粒子や長鎖状 分子を分散質として含むものが挙げられる

 分散質の平均粒子径としては、1~200nm、さ らには、10~100nmであることが被覆剤の安定性 硬化後の透明性に優れる点から好ましい。 お、前記平均粒子径は比表面積換算して算 された値である。

 また、コロイダルシリカゾル(A)中のシリ 系化合物の含有割合(固形分)としては、5~50 量%、さらには、10~40質量%であることが粒子 の安定性に優れる点から好ましい。

 コロイダルシリカゾル(A)の具体例として 、市販品である、MEK-ST、メタノールシリカ ルなどのスノーテックスシリーズ(共に日産 化学(株)製);クォートロン(扶桑化学(株)製);カ タロイドS(触媒化成工業(株)製);ルドックス( レース社製);シリカドール(日本化学工業(株) 製);アデライト(旭電化工業(株)製)などが挙げ られる。

 本実施形態の親水性被覆剤の主剤の不揮 成分中のコロイダルシリカゾル(A)の含有割 は5~60質量%、さらには5~55質量%、とくには10~ 30質量%であることが好ましい。前記コロイダ ルシリカゾル(A)の含有割合が5質量%未満の場 には、得られる被膜の親水性や耐溶剤性が 下したり、硬度が低下したりする傾向があ 。一方、前記コロイダルシリカゾル(A)の含 割合が60質量%を超える場合には、得られる 膜の硬度が高くなりすぎることにより、ク ックが発生しやすくなり、また、耐擦傷性 低下する傾向がある。

 本実施形態におけるアクリルポリマー(B) 、得られる被膜に耐アルカリ性、耐溶剤性 を維持しながら親水性を有する被膜を形成 る成分である。

 本実施形態におけるアクリルポリマー(B) 、活性水素を有する重量平均分子量5千~20万 のアクリルポリマーである。アクリルポリマ ー(B)に含まれる活性水素により、アクリルポ リマー(B)は、シランカップリング剤(C)を介し てコロイダルシリカゾル(A)と架橋構造を形成 する。また、アクリルポリマー(B)の活性水素 は、硬化剤(E)による架橋点にもなる。

 活性水素を有するアクリルポリマー(B)は 活性水素を有する官能基を有するラジカル 合性モノマー(以下、単に活性水素含有モノ マーとも称する)を含有するモノマー混合液 重合することにより得られる。重合方法の 体例としては、溶液重合、懸濁重合、乳化 合等が挙げられる。これらの中では、モノ ー混合液を溶媒に溶解させ、必要に応じて 合開始剤の存在下で重合させる溶液重合を いることが好ましい。

 活性水素を有する官能基の具体例として 、例えば、水酸基、カルボキシル基、スル ン酸基、アミノ基、アミド基、ホスフェー 基、メルカプト基などが挙げられる。これ の中では水酸基が、カップリング剤との反 性に優れる点及び被覆剤の安定性に優れる から好ましい。

 アクリルポリマー(B)は、活性水素含有モ マー単位を構成単位として含有する重合体 あれば特に限定されず、活性水素含有モノ ーと該活性水素含有モノマーと共重合可能 活性水素を有しないラジカル重合性モノマ (以下、単に活性水素非含有モノマーとも称 する)との共重合体であっても、活性水素含 モノマーの単独重合体であってもよい。

 アクリルポリマー(B)中の活性水素含有モ マー単位の含有割合としては、10質量%以上 さらには20質量%以上で、100質量%以下、さら には80質量%以下であることが好ましい。前記 活性水素含有モノマー単位の含有割合が低す ぎる場合には得られる被膜の親水性が不充分 になる傾向がある。

 アクリルポリマー(B)の重量平均分子量(M w )は5千~20万の範囲であり、好ましくは1万~10万 、さらに好ましくは1万~3万の範囲である。前 記重量平均分子量が5千未満の場合には、形 される親水性被膜の表面の耐水性、耐アル リ性が低下する。一方、前記重量平均分子 が20万を超える場合には、(A)コロイダルシリ カゾルとの相溶性が低下することにより、被 覆剤中に凝集を生じて塗布が困難になったり 、良好な塗膜が得られなくなったりする。

 また、アクリルポリマー(B)の水酸基価と ては、10~70、さらには15~65であることが好ま しい。前記水酸基価が低すぎる場合には、親 水性が低下する傾向がある。また、前記水酸 基価が高すぎる場合には、得られる被膜が白 濁したり、被覆剤中のコロイダルシリカゾル が凝集したりする傾向がある。なお、水酸基 価は、JIS-K0070に準拠して電位差滴定法により 測定された値である。

 本実施形態の親水性被覆剤においては、 ロイダルシリカゾル(A)とアクリルポリマー( B)との質量比[(A)/(B)]は、5/95~95/5(0.05~19)であり 好ましくは、20/80~80/20(0.25~4)、さらに好まし くは25/75~75/25(0.3~3)、とくに好ましくは25/75~40/ 60(0.3~0.6)である。A/Bが5/95未満の場合には、耐 溶剤性が低下する。また、A/Bが95/5よりも高 場合には、クラックが発生するなどして良 な塗膜が得られず、また、耐アルカリ性や 擦傷性が低下する。

 本実施形態の親水性被覆剤の主剤の不揮 成分中の、アクリルポリマー(B)の含有割合 、10~60質量%の範囲であることが好ましく、 らに好ましくは20~55質量%、とくに好ましく 30~45質量%である。前記アクリルポリマー(B) 含有割合が10質量%未満の場合には、得られ 被膜の親水性が低下し、また、耐アルカリ が低下する傾向がある。一方、前記アクリ ポリマー(B)の含有割合が60質量%を超える場 には、得られる被膜の硬度が低下したり、 溶剤性が低下したり、耐擦傷性が低下した する傾向がある。

 水酸基を有するラジカル重合性モノマー しては、水酸基を有する、(メタ)アクリル エステル,ビニルエーテル,又は(メタ)アクリ 酸エステルのグリコール系付加物などが挙 られる。

 水酸基を有するラジカル重合性モノマー 具体例としては、例えば、2-ヒドロキシエ ル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピ (メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル( タ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒ ロキシアルキルエステル;4-ヒドロキシブチ ビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノ ルモノビニルエーテル等のヒドロキシアル ルビニルエーテル;ヒドロキシエチルアリル ーテル、シクロヘキサンジメタノールモノ リルエーテル等のヒドロキシアルキルアリ エーテル;ポリエチレングリコール、ポリプ ロピレングリコール、テトラメチレングリコ ール等のポリアルキレンンポリオールと(メ )アクリル酸とのエステルであるポリオール ノ(メタ)アクリレート;ダイセル化学(株)製 プラクセルFシリーズ等のポリカプロラクト オリゴマーにラジカル反応性の不飽和二重 合と水酸基とを導入したマクロモノマー;ポ リオールモノ(メタ)アクリレートまたはポリ ルキレンポリオールとε-カプロラクトンと 付加物などが挙げられる。

なお、ポリオールモノ(メタ)アクリレート 具体例としては、市販品として、ブレンマ AETシリーズ、APTシリーズ、AEシリーズ、AEP リーズ、ブレンマーAP-400、AP-550、AP-800、ブ ンマーPEPシリーズ、PETシリーズ、PPTシリー 、PPシリーズ(何れも日本油脂(株)製);日本乳 剤(株)製のMAシリーズ;第一工業製薬(株)製の ニューフロンティアNFシリーズ;が挙げられる 。これらの中では、ポリオールモノ(メタ)ア リレートが重合時においてゲル化したり急 に粘度上昇したりすることがなく、安定な 合制御が可能である点から好ましい。また ポリカプロラクトンオリゴマーにラジカル 応性の不飽和二重結合と水酸基とを導入し マクロモノマーは、とくに、耐擦傷性を高 る点から好ましい。

 カルボキシル基を含有するラジカル重合 モノマーの具体例としては、(メタ)アクリ 酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、 タコン酸、2-アクリロイルオキシエチルフタ ル酸、2-アクリロイルオキシエチルコハク酸 ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メ )アクリレート等の不飽和カルボン酸類が挙 られる。

 スルホン酸基を含有するラジカル重合性 ノマーの具体例としては、例えば、ビニル ルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ア ルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル ロパンスルホン酸等が挙げられる。

 アミド基を含有するラジカル重合性モノ ーの具体例としては、例えば、(メタ)アク ルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、 ジエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピ (メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプ ピルアクリルアミド、ジアセトンアクリル ミド、N-メチロールアクリルアミド等が挙げ られる。

 アミノ基を含有するラジカル重合性モノ ーの具体例としては、例えば、ジメチルア ノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア ノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミ ノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられ 。

 ホスフェート基を含有するラジカル重合 のモノマーの具体例としては、2-(メタ)アク リロイルオキシエチルアシッドホスフェート 等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルアシ ドホスフェート類が挙げられる。

 一方、活性水素を有する官能基を有しな ラジカル重合性モノマーの具体例としては 例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ (メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリ ート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロ キシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ) クリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ )アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレー ト;グリシジル(メタ)アクリレート;トリフル ロエチル(メタ)アクリレート;ポリシロキサ 含有(メタ)アクリレート;スチレン、ビニル ルエン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニ 化合物;アクリロニトリル、メタクリロニト ル等のシアン化ビニル化合物;3-メタクリロ シプロピルトリエトキシシラン、ビニルト メトキシシラン等のアルコキシシリル基含 ビニル化合物などが挙げられる。

 上記モノマーは何れも単独でも、2種以上 を組み合わせて用いてもよい。

 重合開始剤の具体例としては、例えば、 ンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオ シド、カプロイルパーオキシド、t-ヘキシ パーオキシネオデカネート、t-ブチルパーオ キシビバレート等の有機過酸化物、2,2-アゾ ス-iso-ブチロニトリル、2,2-アゾビス-2,4-ジメ チルバレロニトリル、2,2-アゾビス-4-メトキ -2,4-ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物 が挙げられる。重合開始剤は単独でも、2種 上を組み合わせて用いてもよい。重合開始 の配合割合としては、ラジカル重合性モノ ー100質量部に対して、0.01~8質量部、さらに 0.5~2質量部であることが好ましい。

 また、溶液重合における溶媒としては、 セトン、メチルエチルケトン、メチルイソ チルケトン等のケトン系有機溶剤、酢酸メ ル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル 有機溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチ スルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン等の 性溶剤、メチルアルコール、エチルアルコ ル、イソプロピルアルコール等のアルコー 系有機溶剤、トルエン、キシレン、「ソル ッソ100」(エクソンケミカル社製)等の芳香族 炭化水素系有機溶剤、n-ヘキサン、シクロヘ サン、メチルシクロヘキサン、「ロウス」 「ミネラルスピリット EC」(共にシェル社 )等の脂肪族炭化水素系/脂環族炭化水素系有 機溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソル ブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系有機 溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の エーテル系有機溶剤、n-ブチルカルビトール iso-アミルカルビトール等のカルビトール系 有機溶剤が挙げられる。これらは、単独でも 、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

 アクリルポリマー(B)は、アクリル樹脂溶 、アクリルエマルジョン、アクリルサスペ ジョン等の液体状態で配合される。アクリ 樹脂溶液、アクリルエマルジョン、または クリルサスペンジョン中のアクリルポリマ (B)の固形分濃度としては、10~80質量%、さら は、20~60質量%であることがアクリルポリマ 製造時の安定性及び作業性の点から好まし 。

 一方、本実施形態におけるシランカップ ング剤(C)は、コロイダルシリカゾル(A)と、 クリルポリマー(B)又はポリラクトンポリオ ル(D)との間に架橋構造を形成するために用 られる。すなわち、シランカップリング剤( C)は、その一末端の官能基によりアクリルポ マー(B)又はポリラクトンポリオール(D)の活 水素と反応し、一方、他の末端のアルコキ シリル基により反応コロイダルシリカゾル( A)の表面のシラノール基とシラノール結合を 成する。そして、コロイダルシリカゾル(A) アクリルポリマー(B)又はポリラクトンポリ ール(D)との間に架橋構造を形成することに り、得られる被膜表面に親水性と高い耐ア カリ性とを付与する。

 シランカップリング剤(C)の具体例として 、例えば、グリシドキシプロピルトリメト シシラン(信越化学工業(株)製のKBM403、チッ (株)製のサイラプレーンS-510等)、グリシド シプロピルトリエトキシシラン(信越化学工 (株)製のKBE403、東レ・ダウコーニング(株)製 のZ-6041等)等のエポキシ基含有シランカップ ング剤;アミノプロピルトリメトキシシラン( 信越化学工業(株)製のKBM903、東レ・ダウコー ング(株)製のZ-6610等)、アミノプロピルトリ トキシシラン(信越化学工業(株)製のKBE903、 ッソ(株)製のサイラプレーンS330等)等のアミ ノ基含有シランカップリング剤;メルカプト ロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株 )製のKBM803、東レ・ダウコーニング(株)製のZ-6 062等)等のメルカプト基含有シランカップリ グ剤;ウレイドプロピルトリエトキシシラン( 信越化学工業(株)製のKBE585、東レ・ダウコー ング(株)製のZ-6676等)等のウレタン基含有シ ンカップリング剤;イソシアネートプロピル トリエトキシシラン(信越化学工業(株)製のKBE 9007等)のイソシアネート基含有シランカップ ング剤、等が挙げられる。これらの中では グリシドキシプロピルトリメトキシシラン アミノプロピルトリメトキシシラン、イソ アネートプロピルトリエトキシシランが被 剤の安定性及び反応性に優れる点から好ま い。

 シランカップリング剤(C)の配合割合とし は、コロイダルシリカゾル(A)とアクリルポ マー(B)との合計量(A+B)とシランカップリン 剤(C)との質量比[(A+B)/(C)]で、30/70~95/5(0.42~19) あり、好ましくは50/50~90/10(1~9)、さらに好ま くは、60/40~85/15(1.5~5.6)、とくに好ましくは 70/30~80/20(2.3~4)である。質量比[(A+B)/(C)]が30/70 満の場合には成膜性が低下するために、表 硬度や耐水性等が低下する。また、質量比[ (A+B)/(C)]が95/5を超える場合には、コロイダル リカ(A)とアクリルポリマー(B)との架橋点が なくなることにより、コロイダルシリカゾ (A)とアクリルポリマー(B)との界面での結合 少なくなるために、親水性及び耐アルカリ が低下する。

 本実施形態の親水性被覆剤の主剤の不揮 成分中の、シランカップリング剤(C)の含有 合は、5~30質量%、さらには10~20質量%である とが好ましい。前記シランカップリング剤(C )の含有割合が5質量%未満の場合には、コロイ ダルシリカゾル(A)とアクリルポリマー(B)又は ポリラクトンポリオール(D)との間に架橋構造 の形成が不充分になる傾向がある。

 本実施形態におけるポリラクトンポリオ ル(D)は、シランカップリング剤(C)を介して ロイダルシリカゾル(A)と架橋し、また、硬 剤(E)とも架橋することにより、得られる被 に高い反発弾性を付与する。これにより、 られる被膜に耐擦傷性を付与する。

 ポリラクトンポリオール(D)は、例えば、 価アルコール類を開始剤とし、ラクトンモ マーを開環重合して得られる。

 多価アルコールの具体例としては、例え 、エチレングリコール、1,2-プロピレングリ コール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタ ジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル1,3- プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネ ペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール 3-メチル1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサン ジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオ ル、2-エチル1,3-ヘキサンジオール、2-メチ 1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、 1,10-デカンジオール、1,12-オクタデカンジオ ル、グリセリン、トリメチロールプロパン トリメチロールオクタン、ペンタエリスリ ール等のポリオール類があげられる。

 また、ラクトンモノマーとしては、ε-カ ロラクトン、α-メチル-ε-カプロラクトン、 β-メチル-ε-カプロラクトン、γ-メチル-ε-カ ロラクトン、β,δ-ジメチル-ε-カプロラクト ン、3,3,5-トリメチル-ε-カプロラクトン等の プロラクトン類;δ-バレロラクトン、β-メチ -δ-バレロラクトン等のポリバレロラクトン 類;プロピオラクトン類;ブチロラクトン類;エ ナントラクトン;ドデカノラクトン等または れらの誘導体等が挙げられる。

 例えば、ポリカプロラクトンジオールは 記の一般式(1)で表される。

 また、ポリカプロラクトントリオールは3 価の炭化水素基R″に下式(2)に示すような末 水酸基を有するポリエステル鎖が3本結合し ものである。

 ポリラクトンポリオール(D)の具体例とし は、市販品として、ポリカプロラクトント オール(例えば、ダイセル化学工業(株)製の ラクセル303、305、308、312)、ポリカプロラク トンジオール(ダイセル化学社製、プラクセ 205、208、210、212)などが挙げられる。ポリラ トンポリオール(D)としては、ポリエステル 合同士を結ぶ炭素数が比較的多いために反 弾性に優れるポリカプロラクトンのポリオ ルが特に好ましい。

 ポリラクトンポリオール(D)の配合割合と ては、アクリルポリマー(B)とポリラクトン リオール(D)との質量比[(B)/(D)]が90/10~10/90(0.11 ~9)であり、好ましくは80/20~40/60(0.6~4)である。 質量比[(B)/(D)]が10/90未満の場合には、高い耐 傷性は得られるが、アクリルポリマー(B)の 合が低下することにより親水性が低下する 一方、質量比[(B)/(D)]が90/10を超える場合に 、充分な耐擦傷性が得られない。

 本実施形態の親水性被覆剤の主剤の不揮 成分中の、ポリラクトンポリオール(D)の含 割合は、5~75質量%、さらには10~50質量%、と には15~30質量%の範囲であることが好ましい 前記ポリラクトンポリオール(D)の含有割合 5質量%未満の場合には、耐擦傷性が低下する 傾向がある。一方、前記ポリラクトンポリオ ール(D)の含有割合が75質量%を超える場合には 、親水性が低下する傾向がある。

 本実施形態の被覆剤においては、活性水 を有する界面活性剤(F)を少量配合してもよ 。活性水素を有する界面活性剤(F)を少量配 した場合には、得られる被膜表面の親水性 さらに向上する。また、界面活性剤が活性 素を有するために、シランカップリング剤( C)や硬化剤(E)と反応することにより親水性の 上効果が長期間維持される。しかしながら その配合割合が多すぎる場合には、硬度や 水性が低下する。従って、含有割合は後述 る範囲に限定される。

 界面活性剤(F)としては、活性水素を有す ものである限り特に限定されない。具体的 は、活性水素を有する官能基を有する、ア オン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤 ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が げられる。活性水素を有する官能基として 、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ア ド基等が挙げられる。

 活性水素を含有するアニオン系界面活性 の具体例としては、例えば、ヒマシ油モノ ルフェート、ヒマシ油モノホスフェート、 ルビタン脂肪酸エステルサルフェート、ソ ビタン脂肪酸エステルホスフェート、ポリ キシアルキレングリセリンエーテルモノサ フェート、ポリオキシアルキレングリセリ エーテルモノホスフェート、パーフルオロ ルキルエステルホスフェートなどが挙げら る。

 活性水素を含有するカチオン系界面活性 の具体例としては、ジアルカノールアミン 、ポリオキシアルキレンアルキルアミンエ テル塩、ポリオキシアルキレンアルキルア モニウム塩、ポリオキシアルキレンジアル ノールアミンエーテル塩などが挙げられる

 活性水素を含有するノニオン系界面活性 としては、ポリオキシエチレンポリオキシ ロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂 酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビ ン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸 ステルなどが挙げられる。

 活性水素を含有する両性界面活性剤の具 例としては、N,N-ジ(β-ヒドロキシアルキル)N -ヒドロキシエチル-N-カルボキシアルキルア モニウムベタイン、N,N-ジ(ポリオキシエチレ ン)-N-アルキル-N-スルホアルキルアンモニウ ベタイン、パーフルオロアルキルベタイン どが挙げられる。

 界面活性剤(F)を含有させる場合の含有割 としては、アクリルポリマー(B)と界面活性 (F)との合計量[(B)+(F)]に対して、30質量%以下 好ましくは、20質量%以下であり、0質量%以 、さらには5質量%以上、とくには、10質量%以 上であることが好ましい。界面活性剤(F)の配 合割合が30質量%を超える場合には、得られる 被膜の硬度、耐水性、耐アルカリ性、及び耐 溶剤性が低下する。

 本実施形態の親水性被覆剤の主剤の不揮 成分中の、界面活性剤(F)の含有割合は0~15質 量%、さらには1~5質量%の範囲であることが好 しい。前記界面活性剤(F)の配合割合が高す る場合には、得られる被膜の硬度、耐水性 耐アルカリ性、及び耐溶剤性が低下する傾 がある。

 一方、本実施形態における硬化剤(E)は、 クリルポリマー(B)及びポリラクトンポリオ ル(D)を架橋させることにより、形成される 膜に高い耐アルカリ性、耐水性、及び耐溶 性等を付与する成分である。

 硬化剤(E)は、アクリルポリマー(B)及びポ ラクトンポリオール(D)が有する活性水素と 反応性を具備する官能基を少なくとも2つ以 上有する化合物であれば特に限定なく用いら れる。

 硬化剤(E)の具体例としては、少なくとも2 つ以上の反応性の官能基を有する、例えば、 ポリイソシアネート、メラミン樹脂系硬化剤 、エポキシ系硬化剤、カルボジイミド系硬化 剤、オキサゾリン系硬化剤などが挙げられる 。これらの中では、ポリイソシアネート、メ ラミン樹脂系硬化剤が、特には、ポリイソシ アネートが比較的低温でも反応性に優れる点 から好ましい。

 ポリイソシアネートの具体例としては、 えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、 ソホロンジイソシアネート、トルエンジイ シアネ-ト等を出発原料としたビウレット、 イソシアヌレート、アロファネート構造を有 する3官能のポリイソシアネート等があげら る。その市販品としては、例えば、三井武 ケミカル(株)製のD-165N(ビウレット構造)、D-17 0N(イソシアヌレート構造)、D-178N(アロファネ ト構造)、エチレンオキサイド等の親水基に より変性された水分散型ポリイソシアネート である三井武田ケミカル(株)製のWDシリーズ 旭化成ケミカルズ(株)製のデュラネートWB40-1 00、水分散ブロック型のイソシアネートであ 三井武田ケミカル(株)製のWB、WDシリーズ等 挙げられる。

 また、メラミン樹脂系硬化剤の具体例と ては、例えば、市販品として(株)三和ケミ ル製のニカラックシリーズなどが挙げられ 。

 また、エポキシ系硬化剤の具体例として 、例えば、市販品として、油化シェルエポ シ(株)製のエピコートシリーズ、共栄社化 (株)製のエポライトシリーズ等が挙げられる 。

 また、カルボジイミド系硬化剤の具体例 しては、例えば、市販品として、日清紡(株 )製のカルボジライトシリーズなどが挙げら る。

 また、オキサゾリン系硬化剤の具体例と ては、例えば、市販品として、日本触媒(株 )製のエポクロスシリーズなどが挙げられる

 硬化剤(E)の配合割合は、アクリルポリマ (B)及びポリラクトンポリオール(D)の種類や 活性水素含有量等により適宜選択される。 体的には、例えば、アクリルポリマー(B)が 酸基含有アクリルポリマーであり、硬化剤( E)がポリイソシアネートである場合には、水 基含有アクリルポリマーの水酸基1当量に対 して、ポリイソシアネートのイソシアネート 基が0.2~3当量になるような配合割合であるこ が好ましい。また、例えば、ポリラクトン リオール(D)がポリラクトントリオールであ 、硬化剤(E)がポリイソシアネートである場 には、ポリラクトントリオールの水酸基1当 量に対して、ポリイソシアネートのイソシア ネート基が0.2~3当量になるような配合割合で ることが好ましい。なお、硬化剤(E)の全量 しては、アクリルポリマー(B)及びポリラク ンポリオール(D)の硬化に要する合計量が配 される。

 本実施形態の硬化剤(E)の含有割合として 、主剤100質量部に対して、10~200質量部、さ には、20~100質量部、とくには、30~60質量部 範囲であることが好ましい。前記硬化剤(E) 含有割合が低すぎる場合には、充分に硬化 応が進行しないために成膜が困難になる傾 がある。一方、前記硬化剤(E)の含有割合が すぎる場合には、親水性が低下する傾向が る。

 本実施形態の表面親水性被覆剤には、硬 金属触媒(G)がさらに配合されてもよい。硬 金属触媒(G)を配合することにより、コロイ ルシリカゾル(A)とシランカップリング剤(C) の縮合反応が促進されて得られる被膜の硬 及び耐アルカリ性をさらに向上させること できる。

 硬化金属触媒(G)の具体例としては、例え 、スズ、チタン、亜鉛、鉄、コバルト、ア ミニウムの金属塩、アルコキシド、キレー 化合物などが挙げられる。具体的にはアル ニウムモノアセチルアセトネート、ジ-イソ プロポキシチタニウムビス(エチルアセトア テート)、ジルコニウムテトラエチルアセト セテートなどが挙げられる。

 本実施形態の親水性被覆剤の主剤の不揮 成分中の、硬化金属触媒(G)の含有割合とし は、0.01~0.2質量%、さらには、0.05~0.1質量%の 囲であることが好ましい。硬化金属触媒(G) 配合割合が高すぎる場合には、得られる被 の硬度、耐アルカリ性は向上するが、親水 が低下する傾向がある。

 本実施形態の表面親水性被覆剤には、本 明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ 紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、耐 安定剤、帯電防止剤、消泡剤などの各種添 剤をさらに配合してもよい。一方、本実施 態の表面親水性被覆剤には、ポリジメチル ロキサンを含有しないことが好ましい。ポ ジメチルシロキサンは、耐擦傷性を向上さ る成分として知られている。しかしながら ポリジメチルシロキサンは疎水的である。 のために、ポリジメチルシロキサンを多量 含有した場合には親水性が失われる。従っ 、ポリジメチルシロキサンは含有しないか または、含有するとしても、主剤中に0.2質 %以下、さらには、0.1質量%以下程度の割合 抑制することが好ましい。

 本実施形態の表面親水性被覆剤の主剤は コロイダルシリカゾル(A)、アクリルポリマ (B)の溶液、シランカップリング剤(C)、ポリ クトンポリオール(D)、及び必要に応じて用 られる、活性水素を有する界面活性剤(F)、 化金属触媒(G)及びその他の添加剤等を、上 した配合割合になるように混合することに り調製される。なお、硬化剤(E)は塗布直前 主剤に混合されることが好ましい。具体的 は、例えば、コロイダルシリカゾル(A)、シ ンカップリング剤(C)、ポリラクトンポリオ ル(D)、必要に応じて配合される界面活性剤( F)及び硬化金属触媒(G)を予備混合した後、ア リルポリマー(B)の溶液を徐々に添加しなが 混合することにより主剤を得る。そして、 材に塗布する直前に主剤に硬化剤(E)を添加 ることにより表面親水性被覆剤が調製され 。さらに具体的には、例えば、コロイダル リカ(A)、シランカップリング剤(C)、ポリラ トンポリオール(D)、必要に応じて配合され 界面活性剤(F)、及び硬化金属触媒(G)を容器 仕込み、40℃まで昇温する。そして、前記 器にアクリルポリマー(B)を徐々に、具体的 は30~60分間程度かけて滴下する。そして、滴 下終了後、さらに40℃で30~60分間程度撹拌す ことにより主剤を調整する。そして、基材 塗布する直前に、主剤に硬化剤(E)を配合し 混合することにより表面被覆剤が調製され 。

 調製された表面親水性被覆剤は、反応が 行しすぎる前に基材に塗布することが好ま い。

 基材は特に限定されず、ポリカーボネー 樹脂、ポリアクリル系樹脂、スチレン系樹 などの各種樹脂基材、ステンレス、鋼、ア ミニウムなどの各種金属基材、ガラスなど 無機基材等が特に限定なく用いられる。ま 、基材の形態も、板、フィルム、成形品等 に限定されない。

 塗布方法は特に限定されず、ディッピン 、ロールコート、スピンコート、バーコー 等の各種塗布方法が特に限定なく用いられ る。

 塗布された表面被覆剤は60~180℃、好まし は80~150℃程度の温度で15~120分間、好ましく 30~60分間程度加熱することにより熱硬化さ る。これにより、親水性被膜が形成される また、可能である限り、常温硬化や光硬化 よる硬化であってもよい。

 親水性被膜の膜厚は特に限定されないが 例えば、2~90μm、さらには、5~50μm程度であ ことが好ましい。

 このような、表面被覆剤は、眼鏡、ゴー ル等のレンズ、建築用、車両用、計器用の 材、電子機器部品等に親水性被覆を形成す ために好ましく用いられる。

 以下、本発明を実施例により更に詳しく 明する。なお、以下の「%」、「部」は質量 基準を意味する。

 なお、本発明は下記実施例に何ら限定さ るものではなく、本発明の技術的思想の範 内で任意の変形をなし得る。

 《水酸基を有するアクリルポリマーの合成 》
 (合成例1)
 反応容器中に、溶媒としてメチルエチルケ ン(MEK)233部を仕込み、60℃まで昇温した。

 一方、メチルメタクリレート(MMA)50部及び ポリエチレングリコールのモノメタクリル酸 エステル(MA-50A、日本乳化剤(株)製)50部からな るモノマー成分に、重合触媒としてアゾビス -2-メチルブロモニトリル(ABN-E、日本ヒドラジ ン工業(株)製)4.0部を撹拌混合することにより モノマー混合液を調製した。

 上記混合溶媒にモノマー混合液を60℃で3時 かけて滴下し、3時間後に反応を終了した。 このようにして、水酸基価25で、重量平均分 量(M w )28000のアクリルポリマーを含有する樹脂溶液 を製造した。

 (合成例2)
 モノマー成分として、MA-50Aからなるモノマ 100部を用い、連鎖移動剤として2-メルカプ メタノール 1部を配合した以外は合成例1と 様にして、水酸基価55で、重量平均分子量(M w )8000のアクリルポリマーを含有する樹脂溶液 製造した。

 (合成例3)
 モノマー成分として、MMA 50部、N,N-ジメチ アクリルアミド(DMAA) 30部、及び2-ヒドロキ エチルアクリレート(2-HEA)20部からなるモノ ーを用いた以外は合成例1と同様にして、水 基とアミド基とを有する水酸基価31で、重 平均分子量(M w )14000のアクリルポリマーを含有する樹脂溶液 を製造した。

 (合成例4)
 モノマー成分として、MMA 85部、及び、MA-50A  15部からなるモノマーを用いた以外は合成 1と同様と同様にして、水酸基価15で、重量 均分子量(M w )26000のアクリルポリマーを含有する樹脂溶液 を製造した。

 (合成例5)
 モノマー成分として、MMA50部、及びポリカ ロラクトンオリゴマーにラジカル重合性を する不飽和二重結合と第一級水酸基とを1個 つ導入したマクロモノマー(プラクセルFM5, イセル化学工業(株)製)50部からなるモノマー を用いた以外は合成例1と同様にして、水酸 価65で、重量平均分子量(M w )30000のアクリルポリマーを含有する樹脂溶液 を製造した。

 (合成例6)
 モノマー成分として、MA-50Aからなるモノマ 100部を用い、重合触媒としてABN-E 6部を用 、さらに、2-メルカプトメタノール 2部を配 合した以外は合成例1と同様にして、水酸基 55で、重量平均分子量(M w )4000のアクリルポリマーを含有する樹脂溶液 製造した。

 (合成例7)
 重合触媒(ABN-E)の添加量を4部から0.5部に変 した以外は合成例1と同様にして、水酸基価2 5で、重量平均分子量(M w )250000のアクリルポリマーを含有する樹脂溶 を製造した。

 表1に、合成例1~7における重合組成物の種類 、及び得られたアクリルポリマーの重量平均 分子量(M w )、樹脂溶液の粘度及び不揮発分、アクリル リマーの水酸基価をまとめて示す。

 《実施例》
 合成例1~7で得られたアクリルポリマーを用 て以下のように親水性被覆剤を製造した。

 なお、本実施例で用いたその他の原材料に いて、以下にまとめて説明する。
(A)コロイダルシリカゾル
・MEK-ST(日産化学(株)製、スノーテックシリー ズ):分散粒径10~15nm、不揮発分30%
(C)シランカップリング剤
・S-510溶液:グリシドキシプロピルトリメトキ シシラン(サイラプレーンS-510、チッソ(株)製) のMEK溶液、不揮発分30%
・KBE-9007溶液:イソシアネートプロピルトリエ トキシシラン(KBE-9007、信越化学工業(株)製)の MEK溶液、不揮発分30%
(D)ポリラクトンポリオール
・プラクセル303溶液:ポリカプロラクトント オール(プラクセル303溶液、ダイセル化学工 (株)製)のMEK溶液、不揮発分30%
(E)硬化剤
・WB40-100溶液:デュラネートWB40-100(旭化成ケミ カルズ(株)製の親水基付与変性ヘキサメチレ ジイソシアネート(HDI)のビュレット型水分 ポリウレタン樹脂)のMEK溶液、不揮発分30%
・D-165N溶液:タケネートD-165N(三井武田ケミカ ズ(株)製のヘキサメチレンジイソシアネー (HDI)のビュレット型ポリレタン樹脂)のMEK溶 、不揮発分30%
・   
D-170N溶液:タケネートD-170N(三井武田ケミカル (株)製のヘキサメチレンジイソシアネート(H DI)のヌレート型ポリレタン樹脂)のMEK溶液、 揮発分30%
・   
D-178N溶液:タケネートD-178N(三井武田ケミカル (株)製のヘキサメチレンジイソシアネート(H DI)のアロファネート型ポリレタン樹脂)のMEK 液、不揮発分30%
(F)界面活性剤
・エバンU105溶液:ポリオキシエチレンポリオ シプロピレングリコールエーテル(第一工業 製薬(株)製エバンU105)のMEK溶液、不揮発分30%
(G)硬化触媒
・TN-12溶液:ジブチル錫ラウレート(堺化学工 (株)製TN-12)のMEK溶液、不揮発分30%

 (実施例1)
 表2に示すような組成により、以下の方法に より親水性被覆剤を調製した。

 はじめに、反応容器中にMEK-ST 20部、S-510 液 20部、及びプラクセル303溶液 20部を仕 み、40℃まで昇温した。

 次に、合成例1で得られたアクリルポリマ ー溶液40部を上記反応容器内に45分間かけて 下し、滴下終了後に40℃、30分間撹拌するこ により主剤を調製した。

 そして、得られた主剤に硬化剤としてWB40 -100溶液 53部を撹拌混合することにより親水 被覆剤を得た。

 (実施例2~14)
 表2の組成に従って調製した以外は、実施例 1と同様にして親水性被覆剤を得た。

 (比較例1~10)
 表3の組成に従って調製した以外は、実施例 1と同様にして親水性被覆剤を得た。

 上記得られた各種親水性被覆剤を以下の 価方法に従って評価した。

 《親水性被覆剤の評価方法》
 上記実施例1~14、及び比較例1~10で得られた 剤に硬化剤(E)を配合し、撹拌混合して親水 被覆剤を調製した。そして、アプリケータ 4milで150mm×70mm×0.5mm(厚み)のガラス板に得ら た被覆剤を塗布した後、120℃、20分の条件で 乾燥して試験板を作成した。このとき、厚み 約15μmの被膜が得られた。そして、得られた 験板を用いて、下記評価試験に供した。

 但し、比較例10で得られた親水性被覆剤 塗工液が凝集したために試験できなかった

 (外観評価)
 JIS K 5600-1-1の4.4「塗膜の外観」の試験法に 準拠して、下記の基準により透明性及びクラ ックの有無を判定した。
 優:無色透明であり、クラックなし。
 劣:白濁し、またはクラックが発生した。

 (鉛筆硬度)
 JIS K 5600-5-4「引っ掻き硬度(鉛筆法)」の試 法に準拠して、鉛筆硬度試験を実施した。 筆硬度試験においては、硬度が低い方から いほうにB、HB、F、Hの順に並べられる。ま 、「H」の前に付く数字が大きいほど硬度が く、「B」の前に付く数字が大きいほど硬度 が低い。

 (密着性)
 JIS K 5600-5-6の「クロスカット法」の試験法 に準拠して、密着性試験を実施した。具体的 には、試験板に塗布した塗膜をカッターナイ フで縦横方向に切断して基材に達するような 100個のクロスカット(切断片)を形成した。そ て、クロスカット上にセロハン粘着テープ( 例えば、ニチバン(株)製、品番 ニチバンテ プ1号)を貼り付けた。そして、貼り付けられ たセロハン粘着テープを剥離した後に、剥離 せずに残ったクロスカットの数を数えた。

 (帯電防止性試験)
 JISK-6911の試験法に準拠して、デジタル高抵 計(三菱化学(株)製 ハイレスタUP MCP-HT450)を 用いて試験板表面の表面抵抗値[ω]を測定し 。なお、表面抵抗値[ω]の乗数が小さい程、 電防止性が高いことを示す。
優:表面抵抗値[ω]の乗数が10 12 以上
劣:表面抵抗値[ω]の乗数が10 13 以上

 (防汚性試験;油性汚れ成分拭き取り評価)
 試験板の表面にノルマルヘキサデカンを0.1g 垂らした。そして、試験板表面に付着したノ ルマルヘキサデカンをセルロース製不織布( ンコットM-3:旭化成(株)製)により、300gの荷重 を掛けて10回拭き取った。ヘーズメーターNDH5 000(日本電色工業社製)を用いて試験前および 験後の試験板表面のヘーズ(濁度)を測定し 。そして、δEを算出した。このδEの値が小 いほど、油性汚れの拭き取り性が良好であ 、すなわち、防汚性が良好であることを示 。
優:δEが0~1
普通:δEが1~3
劣:δEが3以上

 (耐水性)
 試験板を23℃±2℃の水中に3日間浸漬した。 して浸漬後の試験片の外観を観察して、JIS K 5600-1-1の4.4「塗膜の外観」の試験法に準拠 して、耐水性を判定した。
 優:無色透明であった。
 普通:半透明であった
 劣:白化或は溶解した。

 (耐アルカリ性)
 試験板を23℃±2℃の5%水酸化ナトリウム水溶 液中に3日間浸漬した。そして浸漬後の試験 の外観を観察して、JIS K 5600-1-1の4.4「塗膜 外観」の試験法に準拠して、耐アルカリ性 判定した。
 優:無色透明であった。
 普通:半透明であった
 劣:白化或は溶解した。

 (耐溶剤性)
 試験板表面に形成された被膜の表面にアセ ンを滴下した後、荷重100gをかけて50回ラビ グ試験を行った。そして、JIS K 5600-1-1の4.4 「塗膜の外観」の試験法に準拠して、耐溶剤 性を判定した。
 優:明らかに無色透明であった。
 普通:半透明であった
 劣:白化或は溶解した。

 (耐擦傷性)
 試験板表面で、スチールウール(ボンスター 販売(株)製 品番#0000)を1cm 2 当たり300gの荷重を負荷しながら、水平方向 50往復させた。そして、そのときに発生した 傷の本数を目視観察した。
 優:傷の本数が0~2本であった。
 普通:傷の本数が2~4本であった。
 劣:傷の本数が5本以上であった。

 (防曇性)
 50℃の温水の表面に1cmの間隔を空けて試験 の塗布面を対向させ、被膜の表面が曇り始 るまでの時間を測定した。
 優:曇り始めるまでの時間に2分以上を要し 。
 普通:曇り始めるまでの時間が1分以上、2分 満であった。
 劣:曇り始めるまでの時間が1分未満であっ 。

 (表面親水性(水接触角))
 試験板表面に0.4μLの水滴を垂らし、接触角 (協和界面科学社製、Drop Master500)により接 角を測定した。

 結果を表2及び表3に示す。

 実施例1~14で調製した表面被覆剤から得ら れる被膜は、何れも水に対する接触角が50° 下であり、親水性に優れていた。また、そ 鉛筆硬度は何れもH以上であった。さらに、 擦傷性にも優れていた。また、外観は何れ 無色透明であり、クラックの発生も無かっ 。さらに、耐溶剤性、耐アルカリ性、耐水 、防曇性、帯電防止性、防汚性も優れてい 。

 一方、比較例1で得られた親水性被膜は、 耐擦傷性が低かった。これは、(D)ポリラクト ンポリオールを含有しないためである。また 、比較例2で得られた親水性被膜も耐擦傷性 低かった。これは、(D)ポリラクトンポリオ ルの含有割合が低すぎたためである。また 比較例3で得られた親水性被膜は親水性が低 った。これは、アクリルポリマー(B)の含有 合が低すぎたためである。また、比較例4で 得られた親水性被膜にはクラックが発生し、 さらに、耐アルカリ性、耐擦傷性等が低かっ た。これは、コロイダルシリカ(A)の含有割合 に比べ、アクリルポリマー(B)の含有割合が低 すぎたためである。また、比較例5で得られ 親水性被膜は、耐溶剤性が低かった。これ 、アクリルポリマー(B)の含有割合に比べ、 ロイダルシリカ(A)の含有割合が低すぎたた である。また、比較例6で得られた親水性被 は、耐アルカリ性が低く、親水性も比較的 かった。これは、コロイダルシリカ(A)及び クリルポリマー(B)の含有割合に比べ、シラ カップリング剤(C)の含有割合が低すぎたた である。また、比較例7で得られた親水性被 膜は、硬度が低く、密着性も低く、耐水性、 耐アルカリ性等も低く、親水性も低かった。 これは、コロイダルシリカ(A)及びアクリルポ リマー(B)の含有割合に比べ、シランカップリ ング剤(C)の含有割合が高すぎたためである。 また、比較例8で得られた親水性被膜は、硬 が低く、密着性も低く、耐水性、耐アルカ 性等も低かった。これは、活性水素を有す 界面活性剤(F)の含有割合が高すぎたためで る。また、比較例9で得られた親水性被膜は 耐水性、耐アルカリ性が低かった。これは アクリルポリマー(B)の分子量が低すぎたた である。また、比較例10で得られた親水性 膜は、塗工液が凝集し、実用的な被膜が形 できなかった。これは、アクリルポリマー(B )の分子量が高すぎて、(A)コロイダルシリカ ルが分散しにくくなったためである。

 以上詳述したように、本発明の一局面の親 性被覆剤は、(A)コロイダルシリカゾルと、( B)活性水素を有する重量平均分子量(M w )5千~20万のアクリルポリマーと、(C)シランカ プリング剤と、(D)ポリラクトンポリオール 、(E)硬化剤とを含有し、(F)活性水素を有す 界面活性剤を(B)成分と(F)成分との合計量に して30質量%を超えて含有せず、(A)成分と(B) 分との質量比[(A)/(B)]が5/95~95/5であり、(A)成 及び(B)成分の合計と(C)成分との質量比[(A+B)/ (C)]が30/70~95/5であり、(B)成分と(D)成分との質 比[(B)/(D)]が90/10~10/90である。このような親 性被覆剤によれば、高い硬度を有し、耐擦 性に優れ、さらに、耐溶剤性、耐アルカリ にも優れた親水性被膜を形成することがで る。

 また、前記アクリルポリマー(B)の水酸基 が10~70である場合には、より優れた親水性 被膜に付与できる点から好ましい。

 また、前記硬化剤(E)が、ヌレート型ポリ レタン樹脂、ビュレット型ポリウレタン樹 、及びアロファネート型ポリウレタン樹脂 らなる群から選ばれる少なくとも1種を含有 することが、塗膜の硬化性、密着性、柔軟性 の点から好ましい。

 また、上記親水性被覆剤は、硬化金属触 (G)をさらに含有することが、コロイダルシ カゾル(A)とシランカップリング剤(C)との縮 反応が促進されることにより、得られる被 の硬度及び耐アルカリ性をさらに向上させ ことができる点から好ましい。

 また、本発明の他の一局面の親水性被覆剤 、(A)コロイダルシリカゾルと、(B)活性水素 有する重量平均分子量(M w )5千~20万のアクリルポリマーと、(C)シランカ プリング剤と、(D)ポリラクトンポリオール 、(F)活性水素を有する界面活性剤、を含有 る主剤と、(E)硬化剤と、を含有する親水性 覆剤であり、前記主剤の不揮発成分中にお る、前記コロイダルシリカ(A)の含有割合が5 ~60質量%、好ましくは10~30質量%であり、前記 クリルポリマー(B)の含有割合が10~60質量%、 ましくは30~45質量%であり、前記シランカッ リング剤(C)の含有割合が5~30質量%、好ましく は10~20質量%であり、前記(D)ポリラクトンポリ オールの含有割合が5~75質量%、好ましくは15~3 0質量%であり、前記(F)活性水素を有する界面 性剤の含有割合が0~15質量%であることを特 とする。このような親水性被覆剤によれば 高い硬度を有し、耐擦傷性に優れ、さらに 耐溶剤性、耐アルカリ性にも優れた親水性 膜を形成することができる。

 また、(A)成分と(B)成分との質量比[(A)/(B)] 5/95~95/5であり、(A)成分及び(B)成分の合計と( C)成分との質量比[(A+B)/(C)]が30/70~95/5であり、( B)成分と(D)成分との質量比[(B)/(D)]が90/10~10/90 あることが好ましい。

 また、本発明の他の一局面の親水性被膜 、上記いずれかの親水性被覆剤を基材に塗 し、硬化させて得られることを特徴とする このような親水性被膜は、高い硬度を有し 耐擦傷性に優れ、さらに、耐溶剤性、耐ア カリ性にも優れたものである。

 また、本発明の他の一局面の親水性基材 、上記親水性被膜で被覆されたことを特徴 する。このような親水性基材は、高い硬度 有し、耐擦傷性に優れ、さらに、耐溶剤性 耐アルカリ性にも優れた表面を有する。

 本発明の親水性被覆剤は、親水性ハード ート用材料、防曇用コーティング剤、帯電 止用コーティング剤、油汚れや指紋などの 汚コーティング剤などに広く利用される。