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Title:
IMAGE FORMING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/107299
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide an image forming apparatus which does not likely generate image defects and color slippages. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] An image forming apparatus comprises a photoreceptor (10) on which an electrostatic latent image is formed, a developing unit (40) for forming a toner image by developing the electrostatic latent image using toners (42a - 45a), and a transfer body (51) to which the toner image is transferred. The work of adhesion between the transfer body (51) and the photoreceptor (10) is set to be 48.7mN/m or less. Especially, the ratio of the work of adhesion between the transfer body (51) and the tonners (42a - 45a) to the work of adhesion between the photoreceptor (10) and the toners (42a - 45a) is preferably set to 55.7% or higher.

Inventors:
SAITOU MAKOTO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071693
Publication Date:
September 03, 2009
Filing Date:
November 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYOCERA CORP (JP)
SAITOU MAKOTO (JP)
International Classes:
G03G15/16; G03G5/08
Foreign References:
JP2004021188A2004-01-22
JP2005352007A2005-12-22
JP2006235521A2006-09-07
JP2003107770A2003-04-09
JP2007078789A2007-03-29
JP2005164941A2005-06-23
JPH11311868A1999-11-09
JPH10268539A1998-10-09
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Claims:
静電潜像が形成される感光体と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像が転写される転写体と、を備える画像形成装置であって、
 前記転写体と前記感光体との間の接着仕事は48.7mN/m以下であることを特徴とする、画像形成装置。
前記感光体と前記トナーとの間の接着仕事に対する前記転写体と前記トナーとの間の接着仕事の比率は55.7%以上である、請求項1に記載の画像形成装置。
前記感光体は、少なくとも一部が酸化されたアモルファスシリコン系材料を含んでなる表面層を有する、請求項1に記載の画像形成装置。
前記現像装置は異なる種類のトナーを保持しており、
 前記感光体に対するトナー像の形成および前記転写体に対する前記トナー像の転写を、前記異なる種類のトナーについて順次行い、前記異なる種類のトナーによるトナー像を前記転写体において重ね合わせるように構成されている、請求項1に記載の画像形成装置。
前記感光体は複数あり且つ前記現像装置は異なる種類のトナーを保持しており、
 前記複数の感光体のそれぞれに対して前記異なる種類のトナーによるトナー像を形成するとともに、前記異なる種類のトナーによるトナー像を前記転写体に対して順次転写し、前記異なる種類のトナーによるトナー像を前記転写体において重ね合わせるように構成されている、請求項1に記載の画像形成装置。
前記感光体は、アモルファスシリコン系材料を含んでなる光導電層を有する、請求項1に記載の画像形成装置。
静電潜像が形成される感光体と、
 前記静電潜像を現像する現像装置と、
 前記感光体に対向配置され、且つ、該感光体との間の接着仕事が48.7mN/m以下である転写体と、を備えることを特徴とする、画像形成装置。
前記現像装置は、前記静電潜像を現像するためのトナーを供給する現像ユニットを含んでなり、
 前記感光体と前記トナーとの間の接着仕事に対する前記転写体と前記トナーとの間の接着仕事の比率は55.7%以上である、請求項7に記載の画像形成装置。
前記感光体は、少なくとも一部が酸化されたアモルファスシリコン系材料を含んでなる表面層を有する、請求項1に記載の画像形成装置。
前記現像装置は、異なる種類のトナーを供給する現像ユニットを含んでなり、
 前記現像ユニットは、前記感光体に対して前記異なる種類のトナーにより前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、
 前記感光体に形成された前記トナー像は、前記転写体において重ね合わされる、請求項7に記載の画像形成装置。
前記感光体は複数で、且つ、前記現像装置は異なる種類のトナーを供給する現像ユニットを含んでなり、
 前記現像ユニットは、前記複数の感光体のそれぞれに対して前記異なる種類のトナーにより前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、
 前記複数の感光体のそれぞれに形成された前記トナー像は、前記転写体において重ね合わされる、請求項7に記載の画像形成装置。
前記感光体は、アモルファスシリコン系材料を含んでなる光導電層を有する、請求項7に記載の画像形成装置。
静電潜像が形成される感光体と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像が転写される転写体と、を備える画像形成装置であって、
 前記転写体の表面自由エネルギおよび前記感光体の表面自由エネルギから算出される接着仕事は48.7mN/m以下であることを特徴とする、画像形成装置。
Description:
画像形成装置

 本発明は、電子写真方式のプリンタや複 機などの画像形成装置に関するものである

 電子写真方式を採用した画像形成装置と ては、感光体に形成された静電潜像を現像 により現像してトナー像を形成し、トナー を中間転写体に1次転写した後、記録媒体( など)に2次転写および定着させるものがある (例えば、特許文献1乃至3参照)。このような 成の画像形成装置は、通常、フルカラー印 を行う場合に採用される。上記構成の画像 成装置におけるフルカラー印刷は、イエロ 、マゼンタ、シアン、およびブラックの4色 トナーを用い、それらのトナーの像を4サイ クル方式あるいは4連タンデム方式により中 転写体に1次転写して重ね合わせた後、記録 体に2次転写および定着させることにより行 われる。ここで、4サイクル方式とは、1つの 光体に対して、イエロー、マゼンタ、シア およびブラックのトナー像を順次形成し、 れらのトナー像を順次、中間転写体に1次転 写する方法である。また、4連タンデム方式 は、各色のトナーのための複数の感光体を い、各感光体に対して個別にトナー像を形 し、それらのトナー像を中間転写体に1次転 する方法である。

 しかしながら、いずれの方式を採用した 像形成装置においても、感光体のトナー像 中間転写体に転写させる際に、一部のトナ が感光体に付着したままとなる。このよう トナーは、通常、クリーニング装置によっ 除去されるが、感光体に残留するトナーを 全に除去するのは困難である。そして、感 体に不正にトナーが付着したままで画像形 を行なった場合には、黒点および画像ムラ どの画像欠陥が生じる。特に、画像形成装 を繰り返し使用する場合には、トナーが感 体に融着してしまい、恒常的に画像欠陥を じるようになる。

 また、上述のように、感光体から中間転写 へのトナー像の1次転写が不適切な場合、1 転写時にトナー像を介して感光体から中間 写体へ作用する負荷が大きくなる傾向にあ 。このような負荷が中間転写体に作用する 、中間転写体の移動速度が変化してしまい 結果として各色トナー像の転写ズレ(いわゆ 色ズレ)が生じ易くなる。

特開2006-162951号公報

特開2004-233914号公報

特開平9-152791号公報

 本発明は、画像欠陥および色ズレの生じ い画像形成装置を提供することを課題とす 。

 本発明の第1の側面に係る画像形成装置は 、静電潜像が形成される感光体と、前記静電 潜像をトナーにより現像してトナー像を形成 する現像装置と、前記トナー像が転写される 転写体と、を備えるものである。前記転写体 と前記感光体との間の接着仕事は48.7mN/m以下 ある。

 本発明の第2の側面に係る画像形成装置は 、静電潜像が形成される感光体と、前記静電 潜像を現像する現像装置と、前記感光体に対 向配置され且つ該感光体との間の接着仕事が 48.7mN/m以下である転写体と、を備える。

 本発明に係る画像形成装置では、転写体 の転写後に感光体に残留するトナーに起因 る画像欠陥の発生を抑制することができる また、本画像形成装置では、感光体から転 体に作用する負荷に起因する転写体の移動 度の変化を抑制することができるので、色 レの発生を抑制することができる。

 図1は、本発明の第1の実施形態に係る画 形成装置X1の概略構成を表す部分断面図であ る。画像形成装置X1は、電子写真感光体10と 帯電装置20と、露光装置30と、現像装置40と 転写装置50と、定着装置60と、クリーニング 置70と、除電装置80とを備えている。本実施 形態における画像形成装置X1は、4サイクル方 式を採用している。

 図2は、画像形成装置X1における電子写真 光体10の全体を表す断面図およびその要部 大図である。電子写真感光体10は、画像信号 に基づいて静電潜像を形成する機能を有して おり、図1における矢印A方向に回転するよう 構成されている。本実施形態における電子 真感光体10は、円筒状基体11と、キャリア注 入阻止層12と、光導電層13と、表面層14とを含 んで構成されている。

 円筒状基体11は、電子写真感光体10の骨格 としての機能を有している。円筒状基体11は 少なくとも表面に導電性を有していればよ 。つまり、円筒状基体11は、その全体を導 性材料により形成したものでもよいし、絶 性材料により形成した円筒体の表面に導電 膜を形成したものでもよいが、アモルファ シリコン(a-Si)系材料によりキャリア注入阻 層12を形成する場合の密着性の観点から、全 体をアルミニウム合金により形成するのが好 ましい。

 キャリア注入阻止層12は、キャリアが円 状基体11から光導電層13に注入されるのを抑 する機能を有しており、円筒状基体11の外 面上に形成されている。キャリア注入阻止 12の構成材料としては、例えばa-Si系材料が げられる。a-Si系材料としては、例えばa-Siに 、ドーパントとして硼素(B)、窒素(N)、あるい は酸素(O)を含有させたものが挙げられる。ま た、キャリア注入阻止層12をa-Si系材料により 形成する場合は、後述する光導電層13より多 の第13族元素や第15族元素を含有させて導電 型を調整してもよいし、より多くの炭素(C)、 窒素(N)、酸素(O)の元素を含有させて高抵抗化 してもよい。本実施形態におけるキャリア注 入阻止層12の厚みは、2μm以上10μm以下に設定 れている。

 光導電層13は、光の照射によってキャリア 発生する機能を有しており、キャリア注入 子層12上に積層形成されている。光導電層13 構成材料としては、例えばa-Si系材料および アモルファスセレン(a-Se)系材料が挙げられる が、電子写真特性の観点からa-Si系材料が好 しい。a-Si系材料としては、例えばa-Siと、a-S iCと、a-SiNと、a-SiOと、a-SiGeと、a-SiCNと、a-SiNO と、a-SiCOと、a-SiCNOとが挙げられる。a-Se系材 としては、a-Seと、Se-Teと、As 2 Se 3 とが挙げられる。本実施形態における光導電 層13の厚みは、光導電層13をa-Si系材料により 成する場合の好適範囲として5μm以上100μm以 下(好適には15μm以上80μm以下)に設定されてい るが、特には限られず、光導電層13の構成材 あるいは所望の電子写真特性に応じて適宜 定すればよい。

 表面層14は、光導電層13を保護する機能を 有しており、光導電層13上に積層形成されて る。表面層14の構成材料としては、例えば モルファスシリコンカーバイト(a-SiC)および 化アモルファスシリコン(a-SiN)などのa-Si系 料と、アモルファスカーボン(a-C)とが挙げら れる。本実施形態における表面層14の厚さは 0.2μm以上1.5μm以下に設定されている。

 帯電装置20は、電子写真感光体10を正極性 または負極性に帯電させる機能を有している 。本実施形態における帯電装置20は、電子写 感光体10を200V以上1000V以下に帯電させる機 を有している。なお、電子写真感光体10にお ける帯電極性は、光導電層13の種類に応じて 定される。

 露光装置30は、電子写真感光体10に静電潜 像を形成する機能を有している。具体的には 、露光装置30は、画像信号に応じて露光光(例 えばレーザ光)を電子写真感光体10に照射する ことにより、帯電状態にある電子写真感光体 10の露光光照射部分の電位を減衰させて静電 像を形成する。

 現像装置40は、電子写真感光体10に形成さ れた静電潜像を現像剤により現像する(トナ 像を形成する)機能を有している。本実施形 における現像装置40は、回転ホルダ41および 4つの現像ユニット42,43,44,45を含んで構成され ている。

 回転ホルダ41は、現像ユニット42~45を保持 する機能および使用する現像ユニット42~45を 択する機能を有している。また、回転ホル 41は、現像ユニット42~45を収容するための収 容空間41a,41b,41c,41dを有しており、図1におけ 矢印B方向に回転するように構成されている

 現像ユニット42~45は、電子写真感光体10に 形成された静電潜像を現像する(顕在化させ )ために、電子写真感光体10に現像剤を供給 る機能を有している。現像ユニット42~45は、 現像剤としてのトナー42a,43a,44a,45aと、現像ス リーブ42b,43b,44b,45bとを備えている。

 トナー42a~45aは、電子写真感光体10に形成 れるトナー像を構成するものである。トナ 42a~45aとしては、例えば磁性キャリアおよび 絶縁性トナーからなる二成分系現像剤と、磁 性トナーからなる一成分系現像剤とが挙げら れる。トナー42a~45aのカラーとしては、例え イエローと、マゼンタと、シアンと、ブラ クとが挙げられるが、特には限られない。

 現像スリーブ42b~45bは、現像ユニット42~45 で保持したトナー42a~45aを例えば磁気ブラシ 状にして電子写真感光体10に供給するもので る。

 転写装置50は、電子写真感光体10に形成さ れたトナー像を記録紙Pに転写する機能を有 ている。転写装置50は、中間転写ベルト51と 1次転写ローラ52と、2次転写ローラ53と、ク ーニング装置54とを備えている。

 中間転写ベルト51は、電子写真感光体10に 形成されたトナー像が転写されるものである 。中間転写ベルト51は、駆動ローラ51aと、従 ローラ51b,51cと、テンションローラ51dと、バ ックアップローラ51eとによって、図1の矢印 向に周回させられる。

 1次転写ローラ52は、電子写真感光体10に 成されたトナー像を中間転写ベルト51に転写 する機能を有しており、電子写真感光体10と 間において中間転写ベルト51が通過するよ に配置されている。1次転写ローラ52は、例 ば直流電源によって電子写真感光体10に形成 されたトナー像を1次転写ローラ52側に引きつ けるための転写電圧を印加するように構成さ れている。一方、中間転写ベルト51は、電子 真感光体10と1次転写ローラ52との間を通過 せられるため、電子写真感光体10に形成され たトナー像は、1次転写ローラ52に転写電圧を 印加することによって中間転写ベルト51に転 させられる。

 2次転写ローラ53は、中間転写ベルト51に 写されたトナー像を記録紙Pに転写する機能 有しており、バックアップローラ51eとの間 おいて中間転写ベルト51を通過するように 置されている。2次転写ローラ53は、1次転写 ーラ52と同様、例えば直流電源によって中 転写ベルト51に転写されたトナー像を2次転 ローラ53側に引きつけるための転写電圧を印 加するように構成されている。一方、記録紙 Pは、中間転写ベルト51と2次転写ローラ53との 間を通過させられるため、中間転写ベルト51 転写されたトナー像は、2次転写ローラ53に 写電圧を印加することによって記録紙Pに転 写させられる。

 クリーニング装置54は、記録紙Pへの転写 において中間転写ベルト51に残存するトナ 42a~45aを除去する機能を有しており、ブレー 54aを備えている。具体的に、クリーニング 置54では、中間転写ベルト51に残存するトナ ー42a~45aをブレード54aで掻き取ることにより 中間転写ベルト51に残存するトナー42a~45aが 去される。また、クリーニング装置54は、図 1における矢印CD方向に往復移動可能に構成さ れてため、中間転写ベルト51からトナーを掻 取る必要のない場合、ブレード54aを中間転 ベルト51から退避させることができる。

 定着装置60は、記録紙Pに転写されたトナ 像を定着させる機能を有しており、一対の 着ローラ61,62を備えている。定着装置60では 、一対の定着ローラ61,62の間に記録紙Pを通過 させることにより、記録紙Pに熱および圧力 どを作用させてトナー像を定着させる。

 クリーニング装置70は、中間転写ベルト51 への転写後において電子写真感光体10に残存 るトナー42a~45aを除去する機能を有しており 、ブレード71を備えている。具体的に、クリ ニング装置70では、電子写真感光体10に残存 するトナー42a~45aをブレード71で掻き取ること により、中間転写ベルト51に残存するトナー4 2a~45aが除去される。この除去されたトナー42a ~45aは、回収して、必要に応じて現像装置5へ サイクルされる。

 除電装置80は、電子写真感光体10の帯電電 荷を除去する機能を有している。具体的には 、除電装置80は、除電光を電子写真感光体10 照射することにより、静電潜像が残存する 子写真感光体10の除電光照射部分の電位を減 衰させて実質的に静電潜像を消去する。

 次に、画像形成装置X1の動作について説 する。

 画像形成装置X1は、4サイクル方式を採用 ているため、中間転写ベルト51に対して、 ナー42a~45a(例えばイエロー、マゼンタ、シア ン、およびブラック)のトナー像が予め定め れた転写順位で形成され、それらのトナー が中間転写ベルト51において重ね合わされる 。中間転写ベルト51におけるトナー像の重ね わせは、例えば以下のようにして行なわれ 。

 まず、帯電装置20により電子写真感光体10 を正極性または負極性に帯電させる。次に、 露光装置30により帯電した電子写真感光体10 画像信号に応じて露光し、静電潜像を形成 る。次に、現像装置40における回転ホルダ41 回転させ(または予め回転させておき)、目 とする現像ユニット42~45の現像スリーブ42b~45 bを介して電子写真感光体10にトナー42a~45aを 給することにより、電子写真感光体10の静電 潜像を現像してトナー像を形成する。次に、 1次転写ローラ52に転写電圧を印加することに より、電子写真感光体10のトナー像を中間転 ベルト51に転写する。以上のような電子写 感光体10における帯電、露光、現像、および 1次転写は、トナー42a~45aについて予め定めら た順番で行なわれ、中間転写ベルト51にト ー42a~45aのトナー像が重ね合わされてカラー ナー像が形成される。次に、カラートナー は、2次転写ローラ62に転写電圧を印加する とによって記録紙Pに転写され、定着装置7 おいて記録紙Pに定着させられる。これによ 、記録紙Pには、カラー画像が形成される。

 ここで、電子写真感光体10と中間転写ベ ト51との間の接着仕事の算出、並びに、電子 写真感光体10あるいは中間転写ベルト51とト ー42a~45aとの間の接着仕事の算出について説 する。

 まず、物質1と物質2との付着の関係は、Yo ungの式より以下の式(1)のように表される。

 γ 1 は物質1の表面自由エネルギである。γ 2 は物質2の表面自由エネルギである。γ 12 は物質1/物質2の界面自由エネルギである。θ 12 は物質1/物質2の接触角である。

 次に、物質1と物質2との間の接着仕事は Dupreの式より以下の式(2)のように表される。

 W 12 は物質1/物質2の接着仕事である。

 上記式(1)と上記式(2)より、接着仕事W 12 は、以下の式(3)で表される。

 上記式(3)では、物質1を電子写真感光体10 るいは中間転写ベルト51とし、物質2をトナ 42a~45aとすればよい。

 一方、物質1と物質2とがともに固体である 合は、物質1/物質2の接触角θ 12 を測定することができない。このような場合 における接着仕事は、拡張Forkes理論(日本接 協会紙8(3)、131~141(1972)参照)により算出され 。

 画像形成装置X1における電子写真感光体10 と中間転写ベルト51との間の接着仕事は、上 の算出方法を用いて算出した結果が48.7mN/m 下となるように構成されている。このよう 範囲内に調整する方法としては、例えば表 層14がa-Si系材料により形成されている電子 真感光体10の表面層14にフッ素(F)をドーピン する方法と、電子写真感光体10の表面層14を 少なくとも一部が酸化されたa-Si系材料を含 で形成する方法と、電子写真感光体10の表面 粗さを変化させる方法とが挙げられる。

 本実施形態に係る画像形成装置X1では、 間転写ベルト51と電子写真感光体10との間の 着仕事が48.7mN/m以下に設定されているため 電子写真感光体10から中間転写ベルト51への 写性が充分に高く、電子写真感光体10に残 するトナー42a~45aを充分に低減することがで る。つまり、画像形成装置X1では、中間転 ベルト51への転写後に電子写真感光体10に残 するトナー42a~45aに起因する画像欠陥の発生 を抑制することができる。

 また、画像形成装置X1では、中間転写ベ ト51と電子写真感光体10との間の接着仕事が 分に小さいので、電子写真感光体10から中 転写ベルト51に作用する負荷を充分に小さく することができる。つまり、画像形成装置X1 は、上記負荷に起因する中間転写ベルト51 移動速度の変化を抑制することができ、結 として色ズレの発生を抑制することができ 。

 図3は、本発明の第2の実施形態に係る画 形成装置X2の概略構成を表す部分断面図であ る。画像形成装置X2は、4サイクル方式に代え て4連タンデム方式を採用する点において、 像形成装置X1と異なる。なお、図3では、画 形成装置X1と同様の構成要素について同一の 符号を付して表す。

 画像形成装置X2は、4つの電子写真感光体1 0A,10B,10C,10Dとともに、電子写真感光体10A~10Dに 対応して個別に露光装置30A,30B,30C,30Dと、現像 ユニット42A,43A,44A,45Aと、1次転写ローラ52A,52B, 52C,52Dとを備えている。また、画像形成装置X2 は、図3においては省略されているが、電子 真感光体10A~10Dに対応して個別に帯電装置と 除電装置と、クリーニング装置とを備えて る。

 露光装置30A~30Dは、電子写真感光体10A~10D 静電潜像を形成する機能を有している。具 的には、露光装置30A~30Dは、画像信号に応じ 露光光(例えばレーザ光)を電子写真感光体10 A~10Dに照射することにより、帯電状態にある 子写真感光体10A~10Dの露光光照射部分の電位 を減衰させて静電潜像を形成する。

 現像ユニット42A~45Aは、各々、所定のトナ ー42Aa,43Aa,44Aa,45Aaを備えている。現像ユニッ 42A~45Aでは、電子写真感光体10A~10Dに対して個 別にトナー像が形成され、それらは中間転写 ベルト51で重ね合わされる。

 1次転写ローラ52A~52Dは、電子写真感光体10 A~10Dに形成されたトナー像を中間転写ベルト5 1に転写する機能を有しており、電子写真感 体10との間において中間転写ベルト51が通過 るように配置されている。1次転写ローラ52A ~52Dは、例えば直流電源によって電子写真感 体10に形成されたトナー像を1次転写ローラ52 側に引きつけるための転写電圧を印加するよ うに構成されている。一方、中間転写ベルト 51は、電子写真感光体10A~10Dと1次転写ローラ52 A~52Dとの間を通過させられるため、電子写真 光体10A~10Dに形成されたトナー像は、1次転 ローラ52A~52Dに転写電圧を印加することによ て中間転写ベルト51に転写させられる。

 以上のような構成の4連タンデム式を採用 した画像形成装置X2においても、画像形成装 X1と同様の効果を奏する。

 上述の第1の実施形態および第2の実施形 では、電子写真感光体10,10A~10Dのトナー像を 間転写ベルト51に転写するように構成され 画像形成装置X1,X2について説明したが、記録 紙Pに対してトナー像を直接転写するように 成された画像形成装置についても本発明の 術を適用することができる。

 電子写真感光体10,10A~10Dとしては、キャリ ア注入阻止層12に代えて、長波長光吸収層を けた構成のものを採用してもよい。長波長 収層は、長波長光である露光光が円筒状基 11の表面で反射するのに起因して記録画像 干渉縞が発生するのを抑制する機能を有し いる。また、電子写真感光体10,10A~10Dとして 、光感度を高める観点から、光導電層13と 面層14との間にキャリア励起層を更に設けた 構成のものを採用してもよい。

 [実施例1]
(電子写真感光体の作製)
 電子写真感光体は、図2に示すように、円筒 状基体の外周面上にキャリア注入素子層と、 光導電層と、表面層とを積層形成して6種類( 光体A~F)作製した。感光体A,B,D,Fの円筒状基 としては、アルミニウム合金からなる引き き管(外径:30mm、長さ:254mm)の外周面を鏡面加 (Rz:0.1μm)したうえで洗浄したものを採用し 。また、感光体C,Eの円筒状基体としては、 ルミニウム合金からなる引き抜き管(外径:30m m、長さ:254mm)の外周面に、周方向の沿った溝( ピッチ:60μm、Rz:3μm)を形成したうえで洗浄し ものを採用した。上述の各層は、円筒状基 をプラズマCVD装置にセットして、下記表1に 示す成膜条件により形成した。プラズマCVD装 置は、感光体Aの成膜については電源として 流電源を採用し、感光体B~Fの成膜について 電源として高周波発振器を採用した。なお 表1におけるNOおよびB 2 H 6 のガス流量は、いずれもSiH 4 比で表している。

 (中間転写ベルト)
 中間転写ベルトとしては、下記表2に示した 画像形成装置に搭載されているものを使用し た。

 (トナー)
 トナーとしては、下記表3に示したものを使 用した。

 (電子写真感光体と中間転写ベルトとの間の 接着仕事Aの測定)
 感光体A~Fと中間転写ベルトA,Bとの間の接着 事Aは、接触角計(型番:CX-ロール型、協和界 科学株式会社製)および表面自由エネルギ解 析ソフトウェア(型番:EG-11型、協和界面科学 式会社製)を用いて測定した。具体的には、 ず、上記接触角計(環境温度:20~24℃)を使用 、液体(分散成分と双極子成分と水素結合成 の各表面自由エネルギの値が既知の水、エ レングリコール、およびヨウ化メチレン)を 用いて接触角を測定した。次に、上記表面自 由エネルギ解析ソフトウェアを使用し、得ら れた接触角の測定結果に基づき、各感光体A~F および各中間転写ベルトA,Bの表面自由エネル ギを解析した。次に、各感光体A~Fおよび各中 間転写ベルトA,Bの表面自由エネルギの解析結 果に基づき、上述の拡張Fowkes理論により接着 仕事を算出した。各感光体A~Fおよび各中間転 写ベルトA,Bの表面自由エネルギの解析結果と 、感光体A~Fと中間転写ベルトA,Bとの間の接着 仕事Aの算出結果は、下記表4に示した。

 (画像特性の評価)
 画像特性は、中間転写ベルトA,Bが搭載され いる画像形成装置を用いて1万枚ランニング テストを行なった後に、白ベタ画像印刷、お よびイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラ ックの各トナーにおけるベタ画像印刷を行な うことにより評価した。画像特性の評価結果 は、下記表4に示した。評価基準は、良好な タ画像が得られた場合を◎、ベタ画像に点 または筋状の画像欠陥がわずかにみとめら たが実用上支障がない程度の場合を○、ベ 画像に点状あるいは筋状などの画像欠陥が 著に生じた場合を×とした。

 (色ズレの評価)
 色ズレは、中間転写ベルトA,Bが搭載されて る画像形成装置を用いて1万枚ランニングテ ストを行なった後に、イエロー、マゼンタ、 シアンおよびブラックの4色重ね合わせ画像 よびコンポジットブラック画像(上記4色混色 でのブラック画像)印刷を行なうことにより 価した。色ズレの評価結果は、下記表4に示 た。評価基準は、良好な画像が得られた場 を◎、画像端部において単色部分(重ね合わ せ不良)がわずかに視認できるものの実用上 障がない程度の場合を○、画像端部におい 単色部分(重ね合わせ不良)が明確に視認でき 、実用上支障がある場合を×とした。

 (電子写真感光体あるいは中間転写ベルトと トナーとの間の接着仕事B,Cの測定)
 感光体A~FとトナーA,Bとの間の接着仕事B、並 びに、中間転写ベルトA,BとトナーA,Bとの間の 接着仕事Cを測定するとともに、感光体A~Fと ナーA,Bとの間の接着仕事に対する中間転写 ルトA,BとトナーA,Bとの間の接着仕事の比率 ついて算出した。具体的には、まず、上記 触角計(環境温度:20~24℃)を使用し、液体(分 成分と双極子成分と水素結合成分の各表面 由エネルギの値が既知の水、エチレングリ ール、およびヨウ化メチレン)を用いて、液 法にてトナーペレットの接触角を測定する ともに、上記表面自由エネルギ解析ソフト ェアによりトナーA,Bの表面自由エネルギを 析した。トナーペレットの形状は、直径5mm 高さ10mmの円柱状とした。次に、トナーA,Bの 表面自由エネルギの解析結果に基づき、上述 の拡張Fowkes理論により接着仕事を算出した。 各感光体A~Fあるいは各中間転写ベルトA,Bと各 トナーA,Bとの間の接着仕事B,Cの算出結果、並 びに、感光体A~FとトナーA,Bとの間の接着仕事 に対する中間転写ベルトA,BとトナーA,Bとの間 の接着仕事の比率の算出結果は、下記表5に した。

 (画像特性および色ズレの評価)
 画像特性および色ズレは、上述の方法と同 にして評価した。画像特性および色ズレの 価結果は、下記表5に示した。

 表4の結果からわかるように、感光体A~Fと 中間転写ベルトA,Bとの間の接着仕事Aが48.7mN/m 以下(特に、41.5mN/m以下)の場合、画像特性お び色ズレの両方において良好な結果が得ら た。また、表5の結果からわかるように、感 体A~FとトナーA,Bとの間の接着仕事に対する 間転写ベルトA,BとトナーA,Bとの間の接着仕 の比率が55.7%以上の場合、画像特性および ズレの両方において特に良好な結果が得ら た。

本発明の第1の実施形態に係る画像形成 装置を示す模式図である。 図1に示した画像形成装置における電子 写真感光体の断面図およびその要部拡大図で ある。 本発明の第2の実施形態に係る画像形成 装置を示す模式図である。

符号の説明

X1,X2  画像形成装置
P  記録紙
10,10A~10D  電子写真感光体(感光体)
11  円筒状基体
12  キャリア注入素子層
13  光導電層
14  表面層
20  帯電装置
30  露光装置
40  現像装置
42a~45a,42Aa~45Aa  トナー
50  転写装置
51  中間転写ベルト(転写体)
60  定着装置
70  クリーニング装置
80  除電装置