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Title:
IMAGE PROCESSING DEVICE, IMAGE PROCESSING METHOD, IMAGE DECOMPRESSING DEVICE, IMAGE COMPRESSING DEVICE, IMAGE TRANSMISSION SYSTEM, AND STORAGE MEDIUM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081529
Kind Code:
A1
Abstract:
Even when an enlarged image has a quality degraded by a block noise and a color mixing, it is possible to clarify contours in the enlarged image and improve the image quality. A contour extraction unit (103) judges pixels expressing a contour in an interpolated image by using a luminance gradient intensity and a luminance gradient direction. A contour correction unit (104) identifies, for each of the pixels expressing a contour, a first isolated pixel at a predetermined distance from the pixel expressing the contour in the direction of the luminance gradient of the pixel expressing the contour and a second isolated pixel at the predetermined distance in the direction defined by rotating the aforementioned direction by 180 degrees. A color between the pixel expressing the contour and the first isolated pixel is corrected to a color of the first isolated pixel while a color of the pixel not corrected by the color of the first isolated pixel is corrected to a color of the second isolated pixel in the first isolated pixel and the second isolated pixel.

Inventors:
IKETANI AKIHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003689
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NEC CORP (JP)
IKETANI AKIHIKO (JP)
International Classes:
G06T5/00; G06T3/40; H04N1/40; H04N1/41; H04N1/46; H04N1/60; H04N5/208
Foreign References:
JPH04340672A1992-11-27
JP2006221403A2006-08-24
JPH11161784A1999-06-18
JP2002290773A2002-10-04
Other References:
See also references of EP 2237218A4
Attorney, Agent or Firm:
HAYAMI, Shinji (9-2 Nishi-Gotanda 7-chome, Shinagawa-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 拡大前の画像の画素間に内挿された画素を含む拡大された画像である補間画像の各画素における輝度勾配の強度と輝度勾配の方向を計算する輝度勾配算出手段と、
 前記輝度勾配の強度と前記輝度勾配の方向とを用いて、前記補間画像内で輪郭を表す画素を判定する輪郭抽出手段と、
 輪郭を表す個々の画素毎に、当該輪郭を表す画素から、当該輪郭を表す画素の輝度勾配の方向に、定められた距離だけ離れた第1の隔離画素と、前記方向を180°回転させた方向に前記定められた距離だけ離れた第2の隔離画素とを特定し、前記輪郭を表す画素と前記第1の隔離画素との間の画素の色を、前記第1の隔離画素の色に補正し、前記第1の隔離画素と前記第2の隔離画素との間の画素のうち、前記第1の隔離画素の色に補正していない画素の色を前記第2の隔離画素の色に補正する輪郭補正手段とを備える
 ことを特徴とする画像処理装置。
 前記輝度勾配算出手段は、前記輝度勾配の強度および前記輝度勾配の方向の計算対象画素を中心としてエッジ検出オペレータの係数と同じ配置となる複数の画素を特定し、特定した各画素それぞれについて、対応するエッジ検出オペレータの係数との積を計算し、その和を求めることにより、水平方向および垂直方向の輝度勾配を計算し、大きさが前記水平方向の輝度勾配であるベクトルと、大きさが垂直方向の輝度勾配であるベクトルとの合成ベクトルの大きさを前記計算対象画素の輝度勾配の強度とし、前記垂直方向の輝度勾配を前記水平方向の輝度勾配で除算した結果のアークタンジェントを輝度勾配の方向とし、
 前記輪郭抽出手段は、輪郭を表す画素であるか否かの判定対象画素を選択し、前記判定対象画素の前記輝度勾配の強度が輪郭抽出閾値より大きく、前記判定対象画素の前記輝度勾配の方向の隣接画素および前記方向を180°回転させた方向の隣接画素それぞれの輝度勾配の強度よりも大きいときに、前記判定対象画素は輪郭を表す画素であると判定する
 請求項1に記載の画像処理装置。
 前記拡大前の画像から前記補間画像への拡大率から、エッジ検出オペレータの係数を選択するための輝度勾配算出用パラメータと、前記輪郭抽出閾値と、第1の隔離画素および第2の隔離画素を特定するための距離とを定めるパラメータ設定手段を備え、
 前記輝度勾配算出手段は、予め複数種類のエッジ検出オペレータの係数を保持し、前記輝度勾配算出用パラメータに応じたエッジ検出オペレータの係数を用いて前記輝度勾配の強度および前記輝度勾配の方向を計算し、
 前記輪郭抽出手段は、前記パラメータ設定手段が定めた前記輪郭抽出閾値を用いて、前記輪郭を表す画素を特定し、
 前記輪郭補正手段は、前記パラメータ設定手段が定めた前記距離を用いて、前記第1の隔離画素および前記第2の隔離画素を特定する
 請求項2に記載の画像処理装置。
 前記パラメータ設定手段は、当該パラメータ設定手段に入力される拡大率から、前記輝度勾配算出用パラメータと、前記輪郭抽出閾値と、前記第1の隔離画素および前記第2の隔離画素を特定するための距離とを定める
 請求項3に記載の画像処理装置。
 前記パラメータ設定手段は、予め定められた拡大率から、前記輝度勾配算出用パラメータと、前記輪郭抽出閾値と、前記第1の隔離画素および前記第2の隔離画素を特定するための距離とを定める
 請求項3に記載の画像処理装置。
 拡大対象画像が入力され、当該拡大対象画像の画素間に画素を内挿することにより、前記拡大対象画像を拡大した前記補間画像を生成する補間画像生成手段を備える
 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の画像処理装置。
 入力画像をダウンサンプリングすることにより、前記入力画像よりも解像度の低い低解像度画像を生成するダウンサンプリング手段と、
 前記低解像度画像を拡大する拡大画像生成手段と、
 前記入力画像と前記拡大画像生成手段が拡大した画像の対応する画素同士の画素値の差である差分データを計算する画像減算手段とを備え、
 前記拡大画像生成手段は、
 拡大対象画像の画素間に画素を内挿することにより、前記拡大対象画像を拡大した補間画像を生成する補間画像生成手段と、
 補間画像の各画素における輝度勾配の強度と輝度勾配の方向を計算する輝度勾配算出手段と、
 前記輝度勾配の強度と前記輝度勾配の方向とを用いて、前記補間画像内で輪郭を表す画素を判定する輪郭抽出手段と、
 輪郭を表す個々の画素毎に、当該輪郭を表す画素から、当該輪郭を表す画素の輝度勾配の方向に、定められた距離だけ離れた第1の隔離画素と、前記方向を180°回転させた方向に前記定められた距離だけ離れた第2の隔離画素とを特定し、前記輪郭を表す画素と前記第1の隔離画素との間の画素の色を、前記第1の隔離画素の色に補正し、前記第1の隔離画素と前記第2の隔離画素との間の画素のうち、前記第1の隔離画素の色に補正していない画素の色を前記第2の隔離画素の色に補正する輪郭補正手段とを有する
 ことを特徴とする画像圧縮装置。
 前記輝度勾配算出手段は、前記輝度勾配の強度および前記輝度勾配の方向の計算対象画素を中心としてエッジ検出オペレータの係数と同じ配置となる複数の画素を特定し、特定した各画素それぞれについて、対応するエッジ検出オペレータの係数との積を計算し、その和を求めることにより、水平方向および垂直方向の輝度勾配を計算し、大きさが前記水平方向の輝度勾配であるベクトルと、大きさが垂直方向の輝度勾配であるベクトルとの合成ベクトルの大きさを前記計算対象画素の輝度勾配の強度とし、前記垂直方向の輝度勾配を前記水平方向の輝度勾配で除算した結果のアークタンジェントを輝度勾配の方向とし、
 前記輪郭抽出手段は、輪郭を表す画素であるか否かの判定対象画素を選択し、前記判定対象画素の前記輝度勾配の強度が輪郭抽出閾値より大きく、前記判定対象画素の輝度勾配の方向の隣接画素および前記方向を180°回転させた方向の隣接画素それぞれの前記輝度勾配の強度よりも大きいときに、前記判定対象画素は輪郭を表す画素であると判定する
 請求項7に記載の画像圧縮装置。
 原画像を低解像度化した低解像度画像と、前記原画像と前記低解像度画像の対応する画素同士の画素値の差である差分データとが入力され、前記低解像度画像を伸張する画像伸張装置であって、
 前記低解像度画像を拡大する拡大画像生成手段と、
 前記拡大画像生成手段が拡大した画像と前記差分データの対応する画素同士の画素値の和を計算する画像加算手段とを備え、
 前記拡大画像生成手段は、
 拡大対象画像の画素間に画素を内挿することにより、前記拡大対象画像を拡大した補間画像を生成する補間画像生成手段と、
 前記補間画像の各画素における輝度勾配の強度と輝度勾配の方向を計算する輝度勾配算出手段と、
 前記輝度勾配の強度と前記輝度勾配の方向とを用いて、前記補間画像内で輪郭を表す画素を判定する輪郭抽出手段と、
 輪郭を表す個々の画素毎に、当該輪郭を表す画素から、当該輪郭を表す画素の輝度勾配の方向に、定められた距離だけ離れた第1の隔離画素と、前記方向を180°回転させた方向に前記距離だけ離れた第2の隔離画素とを特定し、前記輪郭を表す画素と前記第1の隔離画素との間の画素の色を、前記第1の隔離画素の色に補正し、前記第1の隔離画素と前記第2の隔離画素との間の画素のうち、前記第1の隔離画素の色に補正していない画素の色を前記第2の隔離画素の色に補正する輪郭補正手段とを有する
 ことを特徴とする画像伸張装置。
 前記輝度勾配算出手段は、前記輝度勾配の強度および前記輝度勾配の方向の計算対象画素を中心としてエッジ検出オペレータの係数と同じ配置となる複数の画素を特定し、特定した各画素それぞれについて、対応するエッジ検出オペレータの係数との積を計算し、その和を求めることにより、水平方向および垂直方向の輝度勾配を計算し、大きさが前記水平方向の輝度勾配であるベクトルと、大きさが垂直方向の輝度勾配であるベクトルとの合成ベクトルの大きさを前記計算対象画素の前記輝度勾配の強度とし、前記垂直方向の輝度勾配を前記水平方向の輝度勾配で除算した結果のアークタンジェントを前記輝度勾配の方向とし、
 前記輪郭抽出手段は、輪郭を表す画素であるか否かの判定対象画素を選択し、前記判定対象画素の輝度勾配の強度が輪郭抽出閾値より大きく、前記判定対象画素の輝度勾配の方向の隣接画素および前記方向を180°回転させた方向の隣接画素それぞれの輝度勾配の強度よりも大きいときに、前記判定対象画素は輪郭を表す画素であると判定する
 請求項9に記載の画像伸張装置。
 画像圧縮装置と画像伸張装置とを備え、
 前記画像圧縮装置は、
 入力画像をダウンサンプリングすることにより、前記入力画像よりも解像度の低い低解像度画像を生成し、前記低解像度画像を前記画像伸張装置に送信するダウンサンプリング手段と、
 前記低解像度画像を拡大する第1の拡大画像生成手段と、
 前記入力画像と前記第1の拡大画像生成手段が拡大した画像の対応する画素同士の画素値の差である差分データを計算し、前記差分データを前記画像伸張装置に送信する画像減算手段とを有し、
 前記画像伸張装置は、
 前記画像圧縮装置から受信した低解像度画像を拡大する第2の拡大画像生成手段と、
 前記第2の拡大画像生成手段が拡大した画像と、前記画像圧縮装置から受信した差分データの対応する画素同士の画素値の和を計算する画像加算手段とを有し、
 前記第1の拡大画像生成手段および前記第2の拡大画像生成手段は、
 拡大対象画像の画素間に画素を内挿することにより、前記拡大対象画像を拡大した補間画像を生成する補間画像生成手段と、
 補間画像の各画素における輝度勾配の強度と輝度勾配の方向を計算する輝度勾配算出手段と、
 前記輝度勾配の強度と前記輝度勾配の方向とを用いて、前記補間画像内で輪郭を表す画素を判定する輪郭抽出手段と、
 輪郭を表す個々の画素毎に、当該輪郭を表す画素から、当該輪郭を表す画素の輝度勾配の方向に、定められた距離だけ離れた第1の隔離画素と、前記方向を180°回転させた方向に前記定められた距離だけ離れた第2の隔離画素とを特定し、前記輪郭を表す画素と前記第1の隔離画素との間の画素の色を、前記第1の隔離画素の色に補正し、前記第1の隔離画素と前記第2の隔離画素との間の画素のうち、前記第1の隔離画素の色に補正していない画素の色を前記第2の隔離画素の色に補正する輪郭補正手段とを含む
 ことを特徴とする画像伝送システム。
 拡大前の画像の画素間に内挿された画素を含む拡大された画像である補間画像の各画素における輝度勾配の強度と輝度勾配の方向を計算する輝度勾配算出ステップと、
 前記輝度勾配の強度と前記輝度勾配の方向とを用いて、前記補間画像内で輪郭を表す画素を判定する輪郭抽出ステップと、
 輪郭を表す個々の画素毎に、当該輪郭を表す画素から、当該輪郭を表す画素の輝度勾配の方向に、定められた距離だけ離れた第1の隔離画素と、前記方向を180°回転させた方向に前記定められた距離だけ離れた第2の隔離画素とを特定し、前記輪郭を表す画素と前記第1の隔離画素との間の画素の色を、前記第1の隔離画素の色に補正し、前記第1の隔離画素と前記第2の隔離画素との間の画素のうち、前記第1の隔離画素の色に補正していない画素の色を前記第2の隔離画素の色に補正する輪郭補正ステップとを含む
 ことを特徴とする画像処理方法。
 前記輝度勾配算出ステップで、前記輝度勾配の強度および前記輝度勾配の方向の計算対象画素を中心としてエッジ検出オペレータの係数と同じ配置となる複数の画素を特定し、特定した各画素それぞれについて、対応するエッジ検出オペレータの係数との積を計算し、その和を求めることにより、水平方向および垂直方向の輝度勾配を計算し、大きさが前記水平方向の輝度勾配であるベクトルと、大きさが垂直方向の輝度勾配であるベクトルとの合成ベクトルの大きさを前記計算対象画素の輝度勾配の強度とし、前記垂直方向の輝度勾配を前記水平方向の輝度勾配で除算した結果のアークタンジェントを輝度勾配の方向とし、
 前記輪郭抽出ステップで、輪郭を表す画素であるか否かの判定対象画素を選択し、前記判定対象画素の輝度勾配の強度が輪郭抽出閾値より大きく、前記判定対象画素の輝度勾配の方向の隣接画素および前記方向を180°回転させた方向の隣接画素それぞれの輝度勾配の強度よりも大きいときに、前記判定対象画素は輪郭を表す画素であると判定する
 請求項12に記載の画像処理方法。
 拡大前の画像の画素間に内挿された画素を含む拡大された画像である補間画像の各画素における輝度勾配の強度と輝度勾配の方向を計算する輝度勾配算出処理と、
 前記輝度勾配の強度と前記輝度勾配の方向とを用いて、前記補間画像内で輪郭を表す画素を判定する輪郭抽出処理と、
 輪郭を表す個々の画素毎に、当該輪郭を表す画素から、当該輪郭を表す画素の輝度勾配の方向に、定められた距離だけ離れた第1の隔離画素と、前記方向を180°回転させた方向に前記定められた距離だけ離れた第2の隔離画素とを特定し、前記輪郭を表す画素と前記第1の隔離画素との間の画素の色を、前記第1の隔離画素の色に補正し、前記第1の隔離画素と前記第2の隔離画素との間の画素のうち、前記第1の隔離画素の色に補正していない画素の色を前記第2の隔離画素の色に補正する輪郭補正処理と、
をコンピュータに実行させるための画像処理用プログラムを格納することを特徴とするコンピュータ読み出し可能な記憶媒体。
 前記輝度勾配算出処理で、輝度勾配の強度および輝度勾配の方向の計算対象画素を中心としてエッジ検出オペレータの係数と同じ配置となる複数の画素を特定し、特定した各画素それぞれについて、対応するエッジ検出オペレータの係数との積を計算し、その和を求めることにより、水平方向および垂直方向の輝度勾配を計算し、大きさが前記水平方向の輝度勾配であるベクトルと、大きさが垂直方向の輝度勾配であるベクトルとの合成ベクトルの大きさを前記計算対象画素の輝度勾配の強度とし、前記垂直方向の輝度勾配を前記水平方向の輝度勾配で除算した結果のアークタンジェントを輝度勾配の方向とする処理と、
 前記輪郭抽出処理で、輪郭を表す画素であるか否かの判定対象画素を選択し、前記判定対象画素の輝度勾配の強度が輪郭抽出閾値より大きく、前記判定対象画素の輝度勾配の方向の隣接画素および前記方向を180°回転させた方向の隣接画素それぞれの輝度勾配の強度よりも大きいときに、前記判定対象画素は輪郭を表す画素であると判定する処理と、
を前記コンピュータに実行させる画像処理用プログラムを格納することを特徴とする請求項14に記載の記憶媒体。
Description:
画像処理装置、画像処理方法、 像伸張装置、画像圧縮装置、画像伝送シス ムおよび記憶媒体

 本発明は、画像処理装置、画像処理方法 画像圧縮装置、画像伸張装置、画像伝送シ テムおよび記憶媒体に関し、特に拡大され 画像の品質を向上させる画像処理装置、画 処理方法と、その画像処理装置を適用した 像圧縮装置、画像伸張装置、画像伝送シス ムおよび記憶媒体に関する。

 画像の拡大方法が種々提案されている。 に多く見られる方法は、画像のアップサン リング後(あるいはアップリンクと同時に) 画像のフィルタ処理を行う方法である。ま 、増加させる画素の輝度を補間により求め ことで画像を拡大する方法として、バイリ ア補間やバイキュービック補間が知られて る(例えば、非特許文献1参照)。図27は、低解 像度画像を倍率縦横各2倍にアップサンプリ グした画像の例である。図28は、拡大画像に おける画素の輝度をバイキュービック補間に より補間した画像の例である。

 これらの手法では、拡大後の画像がぼけ 傾向がある。これは、画像拡大に伴い画像 高周波成分が失われるためである。そのた 、失われた高周波成分を補い、本来の輪郭 復元するために、輪郭強調処理を適用する が一般的である。

 輪郭強調のための画像処理装置の一例が 特許文献1に記載されている。図29は、特許 献1に記載された画像処理装置を示すブロッ ク図である。図29に示すように、特許文献1に 記載された画像処理装置は、輪郭成分抽出回 路901、信号レベル検出回路902、および輪郭検 出回路904からなる解析回路920と、パラメータ 算出回路903と、輪郭補正回路905とを備えてい る。

 解析回路920には、入力映像信号Siと入力 判別信号Sselが入力される。入力源判別信号S selは、入力映像信号Siの種別を示す信号であ て、例えば入力映像信号SiがHDTV(High Definitio n Television)方式に基づく映像信号である場合 はHレベル(ハイレベル)となり、NTSC(National T elevision System Committee)方式に基づく映像信号 ある場合にはLレベル(ローレベル)となる。

 上記画像処理装置において、輪郭成分抽 回路901は、入力源判別信号Sselに応じて、入 力映像信号Siの示す画像における輪郭に相当 る成分である輪郭成分(「エッジ成分」また は「輪郭信号」とも呼ばれる)Saを入力映像信 号Siから抽出する。輪郭成分抽出回路901は、 域通過フィルタで構成され、例えば2次微分 フィルタを用いて入力映像信号Siの2次微分成 分を抽出して輪郭成分Saとして出力する。

 信号レベル検出回路902は、入力映像信号S iの信号レベルを検出し、その信号レベルを 号値とする信号を出力する。

 パラメータ算出回路903は、外部から第1の パラメータαiと第2のパラメータβiと第3のパ メータDiとを受け取り、これらの外部パラ ータαi、βi、Diに基づき、輪郭の過強調を抑 制するための第1の閾値としての過強調補正 値α、微細画像の輪郭を強調するための第2 閾値としての微細成分強調閾値β、および、 輪郭検出のための第3の閾値としての輪郭検 閾値Dを算出する。

 輪郭検出回路904は、入力映像信号Siの変 量を演算により求めた値と輪郭検出閾値Dと 比較し、その比較結果に基づき、輪郭の有 を示す輪郭検出信号Scを出力する。

 輪郭補正回路905は、輪郭成分抽出回路901 ら出力される輪郭成分Saと、輪郭検出回路90 4から出力される輪郭検出信号Scと、パラメー タ算出回路903から出力される過強調補正閾値 α及び微細成分強調閾値βと、外部からゲイ 調整パラメータとして与えられる係数γとを 用いて、入力映像信号Siに対し輪郭強調のた の信号処理を行い、この信号処理の結果と て出力映像信号Sdを生成する。

 また、非特許文献1には、EMアルゴリズム( Expectation Maximizationアルゴリズム)が記載され いる。

特開2002-290773号公報 (段落0041-0043、図1) 高木幹雄、下田陽久監修、「新編 画像 析ハンドブック」、初版、財団法人東京大 出版会、2004年9月10日、p.728-732,p.1362-1367

 拡大画像に輪郭強調を適用しても、目的 する輪郭を復元できないという問題があっ 。これは、輪郭周辺では、画像圧縮に伴う ロックノイズや、輪郭を境に隣接し合う複 の色の混色などの画質劣化が生じて、輪郭 形状が変化してしまっているためである。 30は、バイキュービック補間による拡大画 に輪郭強調を適用した結果の例を示す画像 ある。図30に例示するように、輪郭強調処理 を行っても、輪郭が十分に明瞭となった画像 とはなっていない。

 本発明は、拡大された画像がブロックノ ズや混色により劣化している場合であって 、その拡大画像における輪郭を明瞭化し、 像を高品質化させる画像処理装置、画像処 方法と、その画像処理装置を適用した画像 縮装置、画像伸張装置、画像伝送システム よび記憶媒体を提供することを目的とする

 本発明の画像処理装置は、拡大前の画像 画素間に内挿された画素を含む拡大された 像である補間画像の各画素における輝度勾 の強度と輝度勾配の方向を計算する輝度勾 算出部と、前記輝度勾配の強度と前記輝度 配の方向とを用いて、前記補間画像内で輪 を表す画素を判定する輪郭抽出部と、輪郭 表す個々の画素毎に、当該輪郭を表す画素 ら、当該輪郭を表す画素の輝度勾配の方向 、定められた距離だけ離れた第1の隔離画素 と、前記方向を180°回転させた方向に前記定 られた距離だけ離れた第2の隔離画素とを特 定し、前記輪郭を表す画素と前記第1の隔離 素との間の画素の色を、前記第1の隔離画素 色に補正し、前記第1の隔離画素と前記第2 隔離画素との間の画素のうち、前記第1の隔 画素の色に補正していない画素の色を前記 2の隔離画素の色に補正する輪郭補正部とを 備えることを特徴とする。

 また、本発明の画像圧縮装置は、入力画 をダウンサンプリングすることにより、前 入力画像よりも解像度の低い低解像度画像 生成するダウンサンプリング部と、前記低 像度画像を拡大する拡大画像生成部と、前 入力画像と前記拡大画像生成部が拡大した 像の対応する画素同士の画素値の差である 分データを計算する画像減算部とを備え、 記拡大画像生成部は、拡大対象画像の画素 に画素を内挿することにより、前記拡大対 画像を拡大した補間画像を生成する補間画 生成部と、補間画像の各画素における輝度 配の強度と輝度勾配の方向を計算する輝度 配算出部と、前記輝度勾配の強度と前記輝 勾配の方向とを用いて、前記補間画像内で 郭を表す画素を判定する輪郭抽出部と、輪 を表す個々の画素毎に、当該輪郭を表す画 から、当該輪郭を表す画素の輝度勾配の方 に、定められた距離だけ離れた第1の隔離画 素と、前記方向を180°回転させた方向に前記 められた距離だけ離れた第2の隔離画素とを 特定し、前記輪郭を表す画素と前記第1の隔 画素との間の画素の色を、前記第1の隔離画 の色に補正し、前記第1の隔離画素と前記第 2の隔離画素との間の画素のうち、前記第1の 離画素の色に補正していない画素の色を前 第2の隔離画素の色に補正する輪郭補正部と を有することを特徴とする。

 また、本発明の画像伸張装置は、原画像 低解像度化した低解像度画像と、前記原画 と前記低解像度画像の対応する画素同士の 素値の差である差分データとが入力され、 記低解像度画像を伸張する画像伸張装置で って、前記低解像度画像を拡大する拡大画 生成部と、前記拡大画像生成部が拡大した 像と前記差分データの対応する画素同士の 素値の和を計算する画像加算部とを備え、 記拡大画像生成部が、拡大対象画像の画素 に画素を内挿することにより、前記拡大対 画像を拡大した補間画像を生成する補間画 生成部と、補間画像の各画素における輝度 配の強度と輝度勾配の方向を計算する輝度 配算出部と、前記輝度勾配の強度と前記輝 勾配の方向とを用いて、前記補間画像内で 郭を表す画素を判定する輪郭抽出部と、輪 を表す個々の画素毎に、当該輪郭を表す画 から、当該輪郭を表す画素の輝度勾配の方 に、定められた距離だけ離れた第1の隔離画 素と、前記方向を180°回転させた方向に前記 められた距離だけ離れた第2の隔離画素とを 特定し、前記輪郭を表す画素と前記第1の隔 画素との間の画素の色を、前記第1の隔離画 の色に補正し、前記第1の隔離画素と前記第 2の隔離画素との間の画素のうち、前記第1の 離画素の色に補正していない画素の色を前 第2の隔離画素の色に補正する輪郭補正部と を有することを特徴とする。

 また、本発明の画像伝送システムは、画 圧縮装置と画像伸張装置とを備え、前記画 圧縮装置が、入力画像をダウンサンプリン することにより、前記入力画像よりも解像 の低い低解像度画像を生成し、前記低解像 画像を前記画像伸張装置に送信するダウン ンプリング部と、前記低解像度画像を拡大 る第1の拡大画像生成部と、前記入力画像と 前記第1の拡大画像生成部が拡大した画像の 応する画素同士の画素値の差である差分デ タを計算し、前記差分データを前記画像伸 装置に送信する画像減算部とを有し、前記 像伸張装置が、前記画像圧縮装置から受信 た低解像度画像を拡大する第2の拡大画像生 部と、前記第2の拡大画像生成部が拡大した 画像と、前記画像圧縮装置から受信した差分 データの対応する画素同士の画素値の和を計 算する画像加算部とを有し、前記第1の拡大 像生成部および前記第2の拡大画像生成部が 拡大対象画像の画素間に画素を内挿するこ により、前記拡大対象画像を拡大した補間 像を生成する補間画像生成部と、補間画像 各画素における輝度勾配の強度と輝度勾配 方向を計算する輝度勾配算出部と、前記輝 勾配の強度と前記輝度勾配の方向とを用い 、前記補間画像内で輪郭を表す画素を判定 る輪郭抽出部と、輪郭を表す個々の画素毎 、当該輪郭を表す画素から、当該輪郭を表 画素の輝度勾配の方向に、定められた距離 け離れた第1の隔離画素と、前記方向を180° 転させた方向に前記定められた距離だけ離 た第2の隔離画素とを特定し、前記輪郭を表 す画素と前記第1の隔離画素との間の画素の を、前記第1の隔離画素の色に補正し、前記 1の隔離画素と前記第2の隔離画素との間の 素のうち、前記第1の隔離画素の色に補正し いない画素の色を前記第2の隔離画素の色に 補正する輪郭補正部とを含むことを特徴とす る。

 また、本発明の画像処理方法は、拡大前 画像の画素間に内挿された画素を含む拡大 れた画像である補間画像の各画素における 度勾配の強度と輝度勾配の方向を計算する 度勾配算出ステップと、前記輝度勾配の強 と前記輝度勾配の方向とを用いて、前記補 画像内で輪郭を表す画素を判定する輪郭抽 ステップと、輪郭を表す個々の画素毎に、 該輪郭を表す画素から、当該輪郭を表す画 の輝度勾配の方向に、定められた距離だけ れた第1の隔離画素と、前記方向を180°回転 せた方向に前記定められた距離だけ離れた 2の隔離画素とを特定し、前記輪郭を表す画 素と前記第1の隔離画素との間の画素の色を 前記第1の隔離画素の色に補正し、前記第1の 隔離画素と前記第2の隔離画素との間の画素 うち、前記第1の隔離画素の色に補正してい い画素の色を前記第2の隔離画素の色に補正 する輪郭補正ステップとを含むことを特徴と する。

 また、本発明の記憶媒体は、拡大前の画 の画素間に内挿された画素を含む拡大され 画像である補間画像の各画素における輝度 配の強度と輝度勾配の方向を計算する輝度 配算出処理と、前記輝度勾配の強度と前記 度勾配の方向とを用いて、前記補間画像内 輪郭を表す画素を判定する輪郭抽出処理と 輪郭を表す個々の画素毎に、当該輪郭を表 画素から、当該輪郭を表す画素の輝度勾配 方向に、定められた距離だけ離れた第1の隔 離画素と、前記方向を180°回転させた方向に 記定められた距離だけ離れた第2の隔離画素 とを特定し、前記輪郭を表す画素と前記第1 隔離画素との間の画素の色を、前記第1の隔 画素の色に補正し、前記第1の隔離画素と前 記第2の隔離画素との間の画素のうち、前記 1の隔離画素の色に補正していない画素の色 前記第2の隔離画素の色に補正する輪郭補正 処理と、をコンピュータに実行させるための 画像処理用プログラムを格納することを特徴 とする。

 本発明によれば、拡大された画像がブロ クノイズや混色により劣化している場合で っても、その拡大画像における輪郭を明瞭 し、画像を高品質化させることができる。

 上述した目的、およびその他の目的、特徴 よび利点は、以下に述べる好適な実施の形 、およびそれに付随する以下の図面によっ さらに明らかになる。
本発明の第1の実施形態の画像処理シス テムの例を示すブロック図である。 輝度勾配強度および輝度勾配方向を示 説明図である。 第1の実施形態の処理経過の例を示すフ ローチャートである。 Sobelフィルタの係数の例を示す説明図 ある。 輝度勾配の計算対象画素を中心とするn 行n列(3行3列)の各画素の輝度値を示すイメー 図である。 輪郭を表す画素の判定処理の例を示す 明図である。 輪郭周辺の画素の補正処理の例を示す 明図である。 輪郭補正部による補正処理結果の例を す画像である。 第1の実施形態の変形例を示すブロック 図である。 画素毎の輝度勾配の起伏を示すイメー ジ図である。 画像の拡大前後における輪郭付近での 画素値の変化を示すイメージ図である。 第1の実施形態の変形例の処理経過を すフローチャートである。 第1の実施形態の他の変形例を示すブ ック図である。 第1の実施形態の他の変形例の処理経 を示すフローチャートである。 バイリニア補間の例を示すイメージ図 である。 バイキュービック補間の例を示すイメ ージ図である。 本発明の第2の実施形態の画像処理シ テムの例を示すブロック図である。 クラスタリングおよび代表色を説明す るイメージ図である。 第2の実施形態の処理経過の例を示す ローチャートである。 第2の実施形態の変形例を示すブロッ 図である。 第2の実施形態の変形例の処理経過を すフローチャートである。 第2の実施形態の他の変形例を示すブ ック図である。 第2の実施形態の他の変形例の処理経 を示すフローチャートである。 第2の実施形態の他の変形例を示すブ ック図である。 第2の実施形態の他の変形例の処理経 を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態を示すブロッ 図である。 低解像度画像のアップサンプリング結 果の例を示す画像である。 バイキュービック補間の結果の例を示 す画像である。 特許文献1に記載された画像処理装置 示すブロック図である。 バイキュービック補間による拡大画像 に輪郭強調を適用した結果の例を示す画像で ある。

 以下、本発明の実施形態について図面を 照して説明する。

実施形態1
 図1は、本発明の第1の実施形態の画像処理 ステムの例を示すブロック図である。第1の 施形態の画像処理システムは、例えば、プ グラム制御により動作するコンピュータ100 よって実現される。コンピュータ100は、中 処理装置(プロセッサ、データ処理装置でも よい。)を備える計算機である。

 画像処理システムとなるコンピュータ100 、輝度勾配算出部102と、輪郭抽出部103と、 郭補正部104とを含む。

 輝度勾配算出部102には、補間処理(例えば 、バイリニア補間やバイキュービック補間) よって拡大された画像(以下、補間画像と記 。)Saが入力される。補間画像Saは、拡大前 画像の画素間に内挿された画素を含む拡大 れた画像である。輝度勾配算出部102は、補 画像Saの画素毎に、輝度勾配の強度(以下、 度勾配強度)、および輝度勾配の方向(以下、 輝度勾配方向)を計算する。なお、ここでは 低解像度画像(拡大前の画像)から拡大後の画 像への拡大率が一定である場合を例にして説 明する。

 輝度勾配とは、画素の輝度が、その画素 近傍の画素に対してどれだけ変化している を表す値である。例えば、座標が1変化した ときの、画素の輝度の変化量である。輝度勾 配が大きいほど、輝度の変化量が大きいこと になる。輝度勾配は、x軸方向(水平方向)、y 方向(垂直方向)それぞれについて計算される 。図2は、輝度勾配強度および輝度勾配方向 示す説明図である。図2では、画像中の一つ 画素71に着目して輝度勾配強度および輝度 配方向を説明するが、他の各画素について 同様に輝度勾配強度および輝度勾配方向が 出される。一つの画素71における水平方向の 輝度の変化量を表す値が、画素71におけるx軸 方向の輝度勾配である。図2に示すベクトル72 は、大きさが画素71におけるx軸方向の輝度勾 配であり、x軸方向を向くベクトルである。 下、このベクトル72をx軸方向輝度勾配ベク ルと記す。また、画素71における垂直方向の 輝度の変化量を表す値が、画素71におけるy軸 方向の輝度勾配である。図2に示すベクトル73 は、大きさが画素71におけるy軸方向の輝度勾 配であり、y軸方向を向くベクトルである。 下、このベクトル73をy軸方向輝度勾配ベク ルと記す。画素71における輝度勾配強度とは 、x軸方向輝度勾配ベクトル72とy軸方向輝度 配ベクトル73の合成ベクトル74(図2参照)の大 さである。また、画素71における輝度勾配 向とは、基準となる方向(具体的にはx軸方向 )と上記の合成ベクトル74の方向とのなす角度 である。図2では、輝度勾配方向を"θ"として している。輝度勾配算出部102は、補間画像S aの画素毎に、輝度勾配強度(合成ベクトル74 大きさ)、および輝度勾配方向(θ)を求める。

 輪郭抽出部103は、各画素における輝度勾 強度および輝度勾配方向を用いて、補完画 Saに含まれる画素のうち劣化する前の本来 輪郭を表す画素を判定する。例えば、輪郭 出部103は、輪郭を表す画素であるか否かの 定対象となる画素(以下、輪郭判定対象画素) を中心として、輝度勾配方向の隣接画素と、 その反対方向の隣接画素の輝度勾配強度を比 較する。そして、輪郭抽出部103は、輪郭判定 対象画素の輝度勾配強度が閾値(輪郭抽出閾 )よりも大きく、また上記の2つの隣接画素に おける輝度勾配強度よりも大きいことを条件 に、輪郭判定対象画素は輪郭上の画素(輪郭 表す画素)であると判定する。

 輪郭補正部104は、輪郭を境に接する2つの 領域それぞれを代表する代表色を推定し、こ れに基づいて輪郭周辺の色を補正する。輪郭 補正部104は、輪郭を表す画素(基準画素と記 。)からその基準画素における輝度勾配方向 一定距離離れた画素(第1の隔離画素と記す )を特定する。輪郭補正部104は、第1の隔離画 素の色を第1の代表色とし、基準画素と第1の 離画素とを結ぶ直線上に存在する各画素を 第1の代表色に補正する。また、輪郭を表す 画素(基準画素)からその基準画素における輝 勾配方向を180°回転した方向に一定距離離 た画素(第2の隔離画素と記す。)を特定する 輪郭補正部104は、第2の隔離画素の色を、第2 の代表色とし、第1の隔離画素と第2の隔離画 とを結ぶ直線上に存在する各画素のうち、 1の代表色に補正していない画素を、第2の 表色に補正する。輪郭補正部104は、この処 を、輪郭を表す画素毎に行う。なお、ここ は、上記の一定距離が、予め定められてい ものとする。

 輪郭補正部104が輪郭上の画素の近傍の画 の色を補正することにより、目的とする高 質な拡大画像が得られる。

 輝度勾配算出部102と、輪郭抽出部103と、 郭補正部104は、例えば、プログラムに従っ 動作する中央処理装置(CPU)によって実現さ る。すなわち、中央処理装置が、コンピュ タ100が備える記憶装置(図示せず。)から画像 処理用プログラムを読み込み、画像処理用プ ログラムに従って、輝度勾配算出部102、輪郭 抽出部103および輪郭補正部104として動作して もよい。また、輝度勾配算出部102、輪郭抽出 部103および輪郭補正部104がそれぞれ別個の回 路として実現されていてもよい。

 次に、動作について詳細に説明する。
 図3は、第1の実施形態の処理経過の例を示 フローチャートである。画像処理システム は、補間処理により拡大された補間画像Sa( えば、図28に例示する画像)が入力される。 像処理システムは、補間画像Saにおける輪郭 部分の周辺の画素の色(具体的には画素値)を 正して、輪郭が明瞭な高品質の画像を生成 る。

 本実施形態では、輝度勾配算出部102およ 輪郭補正部104に補間画像Saが入力される。 間画像Saが入力されると、輝度勾配算出部102 は、補間画像Saの画素毎に輝度勾配強度およ 輝度勾配方向を算出し、各画素の輝度勾配 度および輝度勾配方向を輪郭抽出部103に出 する(ステップS11)。このとき、輝度勾配算 部102は、各画素の輝度勾配方向を輪郭補正 104にも出力する。以下、輝度勾配強度をSbと 記し、輝度勾配方向をScと記す。また、座標 指定して、輝度勾配強度Sbおよび輝度勾配 向Scを表す場合もある。すなわち、座標(x,y) おける輝度勾配強度をSb(x,y)と記し、座標(x, y)における輝度勾配方向ScをSc(x,y)と記す場合 ある。

 ステップS11において、まず輝度勾配算出 102は、個々の画素毎に、画素値から輝度値 特定する。画素値は、入力された画像の個 の画素に設定されている値であり、例えば 画素がRGB形式で表されている場合、画素の 素値はR,G,Bそれぞれの濃淡を表す値である 輝度値は、輝度の大きさを表す値である。 えば、画素がRGB形式で表されているとする この場合、輝度勾配算出部102は、個々の画 毎に以下に示す式(1)の計算を行い、各画素 輝度値を計算すればよい。

 Y(x,y)=0.299・R(x,y)+0.587・G(x,y)+0.114・B(x,y)   式(1)

 式(1)においてY(x,y)は、座標(x,y)の画素の 度値である。また、R(x,y)、G(x,y)、B(x,y)は、 標(x,y)の画素におけるR,G,Bの画素値である。

 ステップS11において、輝度勾配算出部102 、各画素の輝度値から輝度勾配強度および 度勾配方向を計算する。輝度勾配算出部102 輝度勾配強度および輝度勾配方向を計算す 処理の例を説明する。輝度勾配強度および 度勾配方向の計算処理として、例えば、エ ジ検出オペレータを用いる方法がある。エ ジ検出オペレータを用いる方法では、予め められn行n列に配置された値(係数)と、画像 中に含まれるn行n列の画素とを対応させて、 応する係数と画素の輝度値との積を求め、 の和を計算することにより、輝度勾配を計 する。この計算に用いる係数をエッジ検出 ペレータの係数と呼ぶ。エッジ検出オペレ タの例として、Sobelフィルタ、Robinsonのオペ レータ、Prewittのオペレータ等が挙げられる 以下、Sobelフィルタの係数を用いて、輝度勾 配を計算する場合を例示するが、他のエッジ 検出オペレータの係数(Robinsonのオペレータの 係数やPrewittのオペレータの係数等)を用いる 合の処理も同様である。

 Sobelフィルタの係数は、3行3列、5行5列、7 行7列等のように所定の数を並べたn行n列の数 の並びとして予め定められている。ここで、 nは奇数である。また、Sobelフィルタの係数と して、水平方向の輝度勾配算出のために用い られる係数と、垂直方向の輝度勾配算出のた めに用いられる係数の2種類が定められる。 4は、Sobelフィルタの係数の例を示す説明図 ある。以下、Sobelフィルタの係数が、3行3列 数の並びである場合を例にして説明する。 4(a)は、水平方向(x軸方向)の輝度勾配算出に 用いるSobelフィルタ(以下、水平方向Sobelフィ タと記す。)の係数を示している。また、図 4(b)は、垂直方向(y軸方向)の輝度勾配算出に いるSobelフィルタ(以下、垂直方向Sobelフィル タと記す。)の係数を示している。

 輝度勾配算出部102は、補間画像Saの各輝 値に水平方向Sobelフィルタを畳み込み、水平 方向の輝度勾配画像(Dhとする。)を生成する また、輝度勾配算出部102は、補間画像Saに垂 直方向Sobelフィルタを畳み込み、垂直方向の 度勾配画像(Dvとする。)を生成する。水平方 向の輝度勾配画像Dhは、個々の画素に対して 補間画像Saにおける対応画素の水平(x軸)方 の輝度勾配を割り当てた画像である。垂直 向の輝度勾配画像Dvは、個々の画素に対して 、補間画像Saにおける対応画素の垂直(y軸)方 の輝度勾配を割り当てた画像である。

 また、Sobelフィルタの畳み込みとは、輝 勾配の計算対象とする画素を中心とする、So belフィルタの係数と同じ配置の複数の画素を 特定し、その各画素それぞれについて、対応 するSobelフィルタの係数との積を計算し、そ 積の和を求める処理である。ここでは、Sobe lフィルタの係数が3行3列の数の並びである場 合を例にしているので、輝度勾配算出部102は 、輝度勾配の計算対象画素を中心とする3行3 の画素を特定する。図5は、輝度勾配の計算 対象画素を中心とするn行n列(3行3列)の各画素 の輝度値を示すイメージ図である。輝度勾配 算出部102は、図5に例示する輝度値l~tの9個の 素を特定すると、その複数の画素毎に、輝 値と、対応するSobelフィルタの係数との積 計算する。特定したn行n列の画素の中心に位 置する計算対象画素は、n行n列のSobelフィル の係数のうち中心に配置された係数に対応 る。また、計算対象画素を基準とする画素 位置が、Sobelフィルタの係数のうち中心に配 置された係数を基準とする係数の位置と同じ 位置になっている場合、その画素および係数 は対応しているものとする。例えば、図5に 示する輝度値qの画素は、図4(a)に示すSobelフ ルタの係数"2"に対応する。輝度勾配算出部1 02は、対応するSobelフィルタの係数と、画素 輝度値との積を計算し、その和を求める。

 図4(a),(b)に示すように、Sobelフィルタの係 数は水平方向、垂直方向の2種類あるので、 度勾配算出部102は、水平方向Sobelフィルタ、 垂直方向Sobelフィルタそれぞれを用いて上記 計算を行う。水平方向Sobelフィルタの係数 並びに含まれる個々の係数をSobelh(i,j)と表す とする。iは係数の並びにおける列を表し、 こでは-1,0,1の値をとる。また、jは係数の並 における行を表し、ここでは-1,0,1の値をと 。補間画像Saにおける座標(x,y)の画素の輝度 値をSa(x,y)と表す。このとき、輝度勾配算出 102は、上記の積および和の計算として、以 に示す式(2)の計算を行うことにより、座標(x ,y)の画素における水平方向の輝度勾配(Dh(x,y) する。)を求めることができる。

 また、垂直方向Sobelフィルタの係数の並 に含まれる個々の係数をSobelv(i,j)と表すとす る。このとき、輝度勾配算出部102は、上記の 積および和の計算として、以下に示す式(3)の 計算を行うことにより、座標(x,y)の画素にお る垂直方向の輝度勾配(Dv(x,y)とする。)を求 ることができる。

 輝度勾配算出部102は、補間画像Sa中の各 素について、水平方向、垂直方向の輝度勾 を求める。さらに、輝度勾配算出部102は、 平方向、垂直方向の輝度勾配を用いて、画 毎に、輝度勾配強度および輝度勾配方向を 算する。

 座標(x,y)の輝度勾配強度Sb(x,y)は、x軸方向 輝度勾配ベクトル72とy軸方向輝度勾配ベクト ル73の合成ベクトル74の大きさである(図2参照 )。輝度勾配算出部102は、このベクトルの大 さ(輝度勾配強度Sb(x,y))を計算する。輝度勾 算出部102は、以下に示す式(4)の計算により 輝度勾配強度Sb(x,y)を計算してもよい。

 Sb(x,y)=abs(Dh(x,y))+abs(Dv(x,y)) 式(4)

 式(4)は、合成ベクトルの大きさを求める 似式である。また、輝度勾配算出部102は、 (4)の近似式ではなく、以下に示す式(5)の計 によって輝度勾配強度Sb(x,y)を計算してもよ い。

 Sb(x,y)=√(Dh(x,y) 2 +Dv(x,y) 2 )  式(5)

 また、輝度勾配算出部102は、座標(x,y)の 度勾配方向Sc(x,y)を、以下に示す式(6)の計算 より求めればよい。

 Sc(x,y)=tan-1(Dv(x,y)/Dh(x,y))  式(6)

 なお、輝度勾配算出部102は、算出した輝 勾配強度Sb、輝度勾配方向Scを適当なステッ プで量子化しておいてもよい。すなわち、輝 度勾配算出部102は、計算した輝度勾配強度お よび輝度勾配方向を、より少ないビット数で 表すように変換してもよい。例えば、計算し た輝度勾配強度が8ビットで表されている場 、3ビットで表すように変換してもよい。8ビ ットを3ビットに変換する場合、8ビットで表 れる輝度勾配強度を16で除算し、小数点以 を四捨五入すればよい。

 次に、輪郭抽出部103は、輝度勾配算出部1 02が算出した各画素の輝度勾配強度Sb、輝度 配方向Scと、輪郭抽出閾値Pcとを用いて、補 画像Sa中で輪郭を表している画素を判定す (ステップS12)。ここでは、輪郭抽出閾値Pcは 予め定められているものとする。図6は、輪 郭を表す画素の判定処理の例を示す説明図で ある。図6に示す画素300は、輪郭判定対象画 である。また、図6に示す方向301は、輪郭判 対象画素300の輝度勾配方向(Sc(x,y))を示して る。図6に示す方向302は、輪郭判定対象画素 の輝度勾配方向302をπラジアン(180°)回転させ た方向(Sc(x,y)+π)を示している。輪郭抽出部103 は、輪郭判定対象画素300の輝度勾配強度が輪 郭抽出閾値Pcよりも大きく、かつ、輪郭判定 象画素の輝度勾配方向301の隣接画素303の輝 勾配強度と、輝度勾配方向301を180°回転さ た方向302の隣接画素304の輝度勾配強度のい れよりも大きい場合、輪郭判定対象画素300 輪郭を表す画素であると判定する。一方、 郭判定対象画素300の輝度勾配強度が輪郭抽 閾値Pc以下である場合には、輪郭判定対象画 素300は輪郭を表す画素でないと判定する。ま た、輪郭判定対象画素300の輝度勾配強度が輪 郭判定対象画素の輝度勾配方向301の隣接画素 303の輝度勾配強度と、輝度勾配方向301を180° 転させた方向302の隣接画素304の輝度勾配強 のいずれよりも大きいという条件を満たし いない場合にも、輪郭判定対象画素300は輪 を表す画素でないと判定する。輪郭抽出部1 03は、この判定を個々の画素毎に行う。なお 輪郭上の画素の判定処理方法は上記の方法 限定されず、輪郭抽出部103は他の方法によ て、輪郭上の画素を判定してもよい。

 輪郭抽出部103は、輪郭を表すと判定した 素に対して0以外の画素値を格納し、それ以 外の画素に対して画素値"0"を格納した画像( 郭画像Sdと記す。)を輪郭補正部104に出力す 。輪郭画像Sdにより、輪郭補正部104は、輪郭 を表すと判定された画素とその他の画素とを 区別することができる。また、輪郭抽出部103 は、輪郭を表すと判定した画素の座標値を輪 郭補正部104に出力してもよい。輪郭抽出部103 は、輪郭を表すと判定された画素とその他の 画素とを区別できるように、輪郭を表すと判 定した画素を輪郭補正部104に出力すればよい 。

 ステップS12の後、輪郭補正部104は、輪郭 境に接する2つの領域それぞれを代表する代 表色を定め、補間画像Saにおける輪郭周辺の 素値を補正する(ステップS13)。図7は、輪郭 辺の画素の補正処理の例を示す説明図であ 。図7(a)は補正前の補間画像を表し、図7(b) 補正後の補間画像を表している。図7(a)に斜 で示した画素は、輪郭を表していると判定 れた画素であり、この画素の連なりが画像 輪郭となっている。ステップS13において、 郭補正部104は、輪郭抽出部103によって輪郭 表すと判定された画素(基準画素)を一つ選 する。図7における画素400は、基準画素を表 ている。また、図7に示す方向401は、基準画 素400の輝度勾配方向(Sc(x,y))を示している。図 7に示す403は、基準画素の輝度勾配方向401をπ ラジアン(180°)回転させた方向(Sc(x,y)+π)を示 ている。

 輪郭補正部104は、基準画素400から基準画 400における輝度勾配方向に一定距離離れた 1の隔離画素402を特定する。輪郭補正部104は 、補間画像Sa中の第1の隔離画素402の色を第1 代表色とする。そして、輪郭補正部104は、 準画素400と第1の隔離画素402とを結ぶ直線上 存在する各画素の色を、第1の代表色と同じ 色に補正する。すなわち、基準画素400と第1 隔離画素402とを結ぶ直線上に存在する各画 の画素値を、第1の隔離画素402の画素値に置 する。例えば、補間画像Saの各画素がRGB形 で表されている場合、第1の隔離画素402のR,G, Bそれぞれの値に置換すればよい。また、輪 補正部104は、基準画素400の画素値も、第1の 離画素402の画素値に置換する。

 同様に、輪郭補正部104は、基準画素400か 方向403(図7(a)参照。輝度勾配方向401を180°反 転した方向)に一定距離離れた第2の隔離画素4 04を特定する。輪郭補正部104は、補間画像Sa の第2の隔離画素404の色を第2の代表色とする 。そして、輪郭補正部104は、第2の隔離画素40 4と第1の隔離画素402とを結ぶ直線上に存在す 画素のうち、第1の隔離画素402の画素値に置 換していない画素の画素値を、第2の隔離画 404の画素値に置換する。

 この処理の結果、図7(b)に示すように、基 準画素400および画素405は第1の代表色に補正 れ、画素407は第2の代表色に補正される。こ では、基準画素400の画素値を第1の隔離画素 402の画素値に置換する場合を示したが、基準 画素400の画素値を第2の隔離画素404の画素値 置換してもよい。

 輪郭補正部104は、輪郭抽出部103によって 郭を表すと判定された全ての画素を順次選 して、上記の処理を繰り返し、輪郭の周辺 画素値を補正する。そして、補正後の画像 出力する。輪郭補正部104による補正処理に り生成された拡大画像の例を図8に示す。図 8に示すように、輪郭の明瞭な高品質の画像 得られる。

 次に、本実施形態の効果について説明する
 本実施形態では、輪郭抽出部103が、画像の 郭上の画素を特定し、輪郭補正部104がその 素を間に挟む第1の隔離画素および第2の隔 画素の間の各画素を2つの代表色で区分する うに画素を補正する。そのため、輪郭が明 な、高品質な拡大画像を生成することがで る。また、第1の隔離画素および第2の隔離 素として、基準画素から一定距離離れた画 を特定するので、混色の影響を受けていな 色を代表色とすることができ、高品質な拡 画像を生成することができる。

 次に、第1の実施形態の変形例について説 明する。上記の第1の実施形態では、Sobelフィ ルタの係数がn行n列(例えば3行3列)で固定であ り、輪郭抽出閾値Pcは予め定められた定数で る場合を例に説明した。また、ステップS13 、第1の隔離画素402および第2の隔離画素404( 7(a)参照)を特定する際に用いる一定距離も 予め定められているものとして説明した。 下に説明する第1の実施形態の変形例では、 れらの値を可変とする。図9は、第1の実施 態の変形例を示すブロック図である。既に 明した構成要素と同様の構成要素について 、図1と同一の符号を付す。図9に示すように 、画像処理システムは、輝度勾配算出部102、 輪郭抽出部103および輪郭補正部104に加えて、 パラメータ設定部110を備えていてもよい。な お、図9では、コンピュータ100とは別にパラ ータ設定部110を備える場合を示しているが コンピュータ100がパラメータ設定部110を含 でいてもよい。そして、パラメータ設定部11 0は、プログラムに従って動作する中央処理 置によって実現されてもよい。すなわち、 央処理装置が、画像処理用プログラムを読 込み、画像処理用プログラムに従って、パ メータ設定部110、輝度勾配算出部102、輪郭 出部103、輪郭補正部104として動作してもよ 。

 この第1の実施形態の変形例では、Sobelフ ルタの係数としてn行n列に並べられる係数 個数は可変である。すなわち、n行n列の"n"を 可変とし、3行3列、5行5列等のSobelフィルタの 係数を選択可能とする。パラメータ設定部110 は、輝度勾配算出部102がSobelフィルタの係数 して何行何列の係数を選択するのかを決定 るためのパラメータを算出し、輝度勾配算 部102に出力する。以下、このパラメータを 度勾配算出用パラメータと記し、"Pb"と表す 。輝度勾配算出部102は、予め3行3列、5行5列 7行7列等の行数列数に応じたSobelフィルタの 数を予め保持しておき、輝度勾配算出用パ メータPbに応じた行数および列数のSobelフィ ルタの係数を選択し、ステップS11を行う。

 また、パラメータ設定部110は、輪郭抽出 値Pcを計算し、輪郭抽出部103に出力する。 郭抽出部103は、パラメータ設定部110が計算 た輪郭抽出閾値Pcを用いて、ステップS12を行 う。

 また、パラメータ設定部110は、ステップS 13において、基準画素から第1および第2の隔 画素を定めるための距離を計算し、輪郭補 部104に出力する。この距離を、輪郭補正用 ラメータと記し、"Pd"と表す。輪郭補正部104 、ステップS13において第1および第2の隔離 素を定める際に、輪郭補正用パラメータPdが 示す距離だけ基準画素から離れた画素として 、第1の隔離画素および第2の隔離画素を定め 。

 ここで、Sobelフィルタの係数の並びの大 さを表す"n(列数および行数を表すn)"、輪郭 出閾値Pc、輪郭補正用パラメータPdの値の意 について説明する。

 Sobelフィルタの係数はn行n列の数の並びで あるが、このnが小さい場合、狭い範囲内で 輝度の起伏に対して、大きな輝度勾配を算 する。すなわちnを小さくすると、狭い範囲 で少しの輝度の起伏がある場合でも、その 囲内で輝度が極大となる箇所の画素を、輪 を表す画素として判定しやすくなる。一方 nが大きい場合、狭い範囲内での輝度の起伏 に対して大きな輝度勾配を算出しなくなる。 すなわちnを大きくすると、狭い範囲内での しの輝度の起伏は輪郭として検出しにくく 、広い範囲内で輝度の起伏がある場合に輝 が極大となる箇所の画素を、輪郭を表す画 として判定しやすくなる。nを小さくしすぎ と、ノイズが輪郭として検出されやすくな 。

 輪郭抽出閾値Pcは、輪郭として判定され ための輝度勾配強度の下限を表す。輪郭抽 閾値Pcを小さくしすぎると、ノイズにより輝 度勾配強度が大きくなった場合であっても、 輪郭を表す画素であると誤判定しやすくなる 。一方、輪郭抽出閾値Pcを大きくしすぎると ノイズを輪郭とする誤判定はなくなるが、 郭を表す画素を、輪郭を表していないと誤 定しやすくなる。

 図10は、画素毎の輝度勾配の起伏を示す メージ図である。図10に示す輝度勾配の極大 点に該当する画素が、輪郭を表す画素となる 。輝度勾配算出用パラメータPbに応じて定め れる"n"は、どの程度の広がりを持つ範囲内 輝度勾配強度の起伏を強調するのかを定め 値である。また、輪郭抽出閾値Pcは、どの 度の大きさの輝度勾配強度であれば、輪郭 表す画素と言えるのかを定める値である。

 図11は、画像の拡大前後における輪郭付 での画素値の変化を示すイメージ図である 図11(a)は画像拡大前の輪郭付近の画素値の変 化を示し、図11(b)は画像拡大後の輪郭付近の 素値の変化を示している。図11(b)に示すよ に、画像を拡大することにより、輪郭周辺 の画素値の変化は緩やかになる。輪郭補正 104は、図11(b)に示す状態から、基準画素から 輝度勾配方向の一定距離以内の画素を第1の 表色に補正し、反対方向の一定距離以内の 素を第2の代表色に補正する(図11(c)参照)。こ の結果、図11(c)に示すように、輪郭を境に、 1の代表色と第2の代表色とで区分され、輝 変化が急峻になり、輪郭が明確化する。輪 補正用パラメータPdは、この基準画素からの 距離を表している。

 また、第1の実施形態で説明したように、 輝度勾配算出部102および輪郭補正部104には補 間画像Saが入力される。また、本変形例では 低解像度画像(拡大前の画像)から補間画像Sa への拡大率(Paとする。)がパラメータ設定部11 0に入力される。パラメータ設定部110は、入 された拡大率Paから、輝度勾配算出用パラメ ータPb、輪郭抽出閾値Pcおよび輪郭補正用パ メータPdを計算する。

 また、低解像度画像から補間画像Saへの 大率Paが不変である場合、パラメータ設定部 110は、拡大率Paを定数として記憶しておき、 の拡大率Paから、輝度勾配算出用パラメー Pb、輪郭抽出閾値Pcおよび輪郭補正用パラメ タPdを計算してもよい。

 なお、Paは、低解像度画像(拡大前の画像) の横幅(水平方向の画素数)をWlとし、補間画 Saの横幅をWhとしたときに、Wh/Wlで表される である。また、補間画像Saの縦幅を低解像度 画像の縦幅で除算した値を拡大率Paとしても い。

 図12は、第1の実施形態の変形例の処理経 を示すフローチャートである。第1の実施形 態で説明した処理と同様の処理については、 図3と同一の符号を付す。パラメータ設定部11 0は、拡大率Paが入力されると、その拡大率Pa 用いて、Pb,Pc,Pdを計算する(ステップS1)。

 ステップS1において、パラメータ設定部11 0は、以下に示す式(7)の計算を行い、輝度勾 算出用パラメータPbを算出し、そのPbを輝度 配算出部102に出力する。

 Pb=α・Pa+β     式(7)

 α,βは定数である。また、αは0より大き 値であり、Paが大きくなるほど、Pbも大きな となる。また、βはPbの下限を表す値である 。βをPbの下限値として定めることにより、 大率Paの値が小さくとも、Pbの値は下限値以 であることが保証される。α,βは、例えば 画像処理システムの管理者等に予め設定さ る。画像処理システムの管理者等は、拡大 に応じたSobelフィルタの係数が選択されるよ うに、α,βを決定すればよい。

 また、パラメータ設定部110は、ステップS 1において、式(8)の計算を行い、輪郭抽出閾 Pcを算出し、そのPcを輪郭抽出部103に出力す 。

 Pc=γ・Pa       式(8)

 γは定数であり、例えば画像処理システ の管理者等に予め設定される。画像処理シ テムの管理者等は、拡大率と輪郭抽出閾値Pc との関係が所望の比例関係になるようにγを めればよい。

 また、パラメータ設定部110は、ステップS 1において、式(9)の計算を行い、輪郭補正用 ラメータPdを計算し、そのPdを輪郭補正部104 出力する。

 Pd=δ・Pa       式(9)

 δは定数であり、例えば画像処理システ の管理者等に予め設定される。画像処理シ テムの管理者等は、拡大率と輪郭補正用パ メータPdとの関係が所望の比例関係になるよ うにδを定めればよい。

 Pb,Pc,Pdは、例えば拡大率Paを変数とする一 次関数として計算される。

 上記のα,β,γ,δの例として、α=2.0、β=1.0 γ=10.0、δ=1.5等の値が挙げられるが、これら 値に限定されるわけではない。

 なお、Pb,Pc,Pdの一部を予め固定値として めておき、ステップS1でパラメータ設定部110 は、Pb,Pc,Pdのうち固定値として定められてい いパラメータについて計算を行ってもよい

 ステップS1でパラメータ設定部110がPb,Pc,Pd を求めた後、画像処理システムはステップS11 ~S13の処理を行う。

 輝度勾配算出部102は、「Pbがx1以上x2未満 らば、3行3列のSobelフィルタの係数を選択す る。」等のルールを予め保持しておき、その ルールに従って、パラメータ設定部110が計算 した輝度勾配算出用パラメータPbに応じたSobe lフィルタの係数を選択する。そして、選択 たSobelフィルタの係数を用いて、補間画像Sa 画素毎に輝度勾配強度および輝度勾配方向 算出し、各画素の輝度勾配強度および輝度 配方向を輪郭抽出部103に出力する(ステップ S11)。Sobelフィルタの係数を選択する点の他は 、既に説明したステップS11と同様である。

 輪郭抽出部103は、パラメータ設定部110が 算した輪郭抽出閾値Pcを用いて、補間画像Sa 中で輪郭を表している画素を判定する(ステ プS12)。パラメータ設定部110が輪郭抽出閾値P cを定める点の他は、既に説明したステップS1 2と同様である。

 輪郭補正部104は、パラメータ設定部110が 算した輪郭補正用パラメータPdを、基準画 から第1および第2の隔離画素を定めるための 距離として用い、輪郭周辺の画素値を補正す る(ステップS13)。パラメータ設定部110が基準 素から第1および第2の隔離画素を定めるた の距離を定める点の他は、既に説明したス ップS13と同様である。

 この第1の実施形態の変形例によれば、低 解像度画像から補間画像Saへの拡大率が一定 はない場合であっても、拡大率に応じた適 なパラメータで輪郭を明瞭化することがで る。

 次に、第1の実施形態の他の変形例につい て説明する。図13は、第1の実施形態の他の変 形例を示すブロック図である。既に説明した 構成要素と同様の構成要素については、図1 図9と同一の符号を付す。図13に示すように 画像処理システムは、輝度勾配算出部102、 郭抽出部103、輪郭補正部104およびパラメー 設定部110に加えて、補間画像生成部101を備 ていてもよい。図13では、コンピュータ100が 補間画像生成部101を含む場合を示している。 補間画像生成部101は、プログラムに従って動 作する中央処理装置によって実現されてもよ い。すなわち、中央処理装置が、画像処理用 プログラムを読み込み、画像処理用プログラ ムに従って、補間画像生成部101、輝度勾配算 出部102、輪郭抽出部103、輪郭補正部104、パラ メータ設定部110として動作してもよい。

 補間画像生成部101には低解像度画像(Siと す。)が入力され、補間画像生成部101は補間 によりその低解像度画像Siを拡大して補間画 Saを生成し、補間画像Saを輝度勾配算出部102 および輪郭補正部104に出力する。すなわち、 補間画像生成部101は、低解像度画像Siの画素 に画素を内挿して、拡大画像である補間画 Saを生成する。補間画像生成部101は、例え 、バイリニア補間あるいはバイキュービッ 補間により、低解像度画像Siを拡大する。

 また、パラメータ設定部110には、生成す き拡大画像の解像度が入力される。例えば 拡大後の補間画像Saの横幅(水平方向の画素 )が入力されてもよい。また、パラメータ設 定部110には、拡大前の低解像度画像Siの情報( 例えば、低解像度画像Siの横幅)も入力される 。パラメータ設定部110は、入力された情報を 用いて、拡大率Paを計算し、補間画像生成部1 01に出力する。

 パラメータ設定部110に入力される情報が 拡大後の補間画像Saの横幅(水平方向の画素 )Whと、低解像度画像Siの横幅Wlであるとする 。この場合、パラメータ設定部110は、Pa=Wh/Wl 計算して、拡大率Paを求めればよい。また パラメータ設定部110に入力される情報は、 間画像Saの縦幅(垂直方向の画素巣)Vhと低解 度画像Siの縦幅Vlであってもよい。この場合 パラメータ設定部110は、Pa=Vh/Vlを計算して 拡大率Paを求めればよい。

 パラメータ設定部110は、拡大率Paを計算 た後、既に説明したように拡大率PaからPb,Pc, Pdの各パラメータを計算してもよい。

 補間画像生成部101は、パラメータ設定部1 10が計算した拡大率Paで低解像度画像Siを補間 して補間画像Saを生成する。補間画像生成部1 01は、拡大率Paに応じて、低解像度画像Siにお ける隣接する画素間に画素を内挿する。補間 画像Saは、内挿された画素を含んでいること 、低解像度画像Siよりも拡大された画像と っている。補間画像生成部101は、拡大率Paが 大きいほど、内挿する画素の数を増加させれ ばよい。

 図14は、本変形例の処理経過を示すフロ チャートである。第1の実施形態で説明した 理と同様の処理については、図3と同一の符 号を付す。パラメータ設定部110には、例えば 、低解像度画像Siの横幅Wlおよびユーザの所 の補間画像Saの横幅Whが入力される。パラメ タ設定部110は、WlおよびWhが入力されると、 Wh/Wlを計算することにより、拡大率Paを計算 る。ただし、ここで示した拡大率Paの計算方 法は一例であり、他の方法で拡大率Paを計算 てもよい。パラメータ設定部110は、計算し 拡大率Paを補間画像生成部101に出力する。 た、パラメータ設定部110は、その拡大率Paを 用いて、輝度勾配算出用パラメータPb、輪郭 出閾値Pcおよび輪郭補正用パラメータPdを計 算する(ステップS2)。パラメータ設定部110は Pbを輝度勾配算出部102に出力し、Pcを輪郭抽 部103に出力し、Pdを輪郭補正部104に出力す 。拡大率Paから、Pb,Pc,Pdを算出する動作は、 に説明したステップS1(図12参照)と同様であ 。

 補間画像生成部101には、低解像度画像Si( 大前の画像)が入力される。ステップS2の後 補間画像生成部101は、拡大率Paで低解像度 像Siを補間して、ユーザの所望の解像度の補 間画像Saを生成する(ステップS10)。補間画像 成部101は、低解像度画像Siにおける隣接する 画素間に拡大率Paに応じた数の画素を内挿す ことで画像を拡大すればよい。補間画像生 部101は、例えば、バイリニア補間またはバ キュービック補間を行って画素を補間し、 像を拡大すればよい。

 補間画像生成部101がバイリニア補間を行 場合の動作について説明する。図15は、バ リニア補間の例を示すイメージ図である。 15に示す縦軸は画素値を表し、他の2軸はそ ぞれx軸方向、y軸方向の座標を表している。 図15に示す座標(u,v)は、補間される画素の座 である。ただし、(u,v)は低解像度画像Siにお る座標であり、小数で表される。低解像度 像Siに含まれる画素のx座標、y座標は1,2,3,・ ・・等の整数で表され、その座標間に画素を 内挿するので、内挿される画素の座標は小数 で表される。図15に示す座標(u,v)は、このよ な低解像度画像Siにおける座標値である。ま た、図15に示す各座標(k,l),(k+1,l),(k,l+1),(k+1,l+1) は、低解像度画像Siに存在する画素の座標値 あり、それらの画素の画素値は既知である また、これらの4つの画素は、補間する画素 (u,v)を囲む画素であり、kはuの小数点以下を り捨てた値であり、lはvの小数点以下を切り 捨てた値である。補間画像生成部101は、補間 する座標(u,v)における画素値を算出する。

 バイリニア補間で座標(u,v)における画素 を求める場合、y座標が等しい2つの座標(k,l), (k+1,l)における画素値を用いて、座標(u,l)にお ける画素値を線形補間する。同様に、(k,l+1),( k+1,l+1)における画素値を用いて、座標(u,l+1)に おける画素値を線形補間する。さらに、x座 が等しい2つの座標(u,l),(u,l+1)における画素値 を用いて、座標(u,v)における画素値を線型補 する。

 この座標(u,v)における画素値Pは、以下に す式(10)によって求めることができる。

 補間画像生成部101は、式(10)に示す式を計 算して補間する画素における画素値Pを算出 れよばい。なお、式(10)におけるP1,P2,P3,P4は それぞれ座標(k,l),(k+1,l),(k,l+1),(k+1,l+1)におけ 画素値である。このように画素値Pが定めら れた座標(u,v)の画素が、内挿される画素であ 。

 補間画像生成部101がバイキュービック補 を行う場合の動作について説明する。図16 、バイキュービック補間の例を示すイメー 図である。図16に示す縦軸は画素値を表し、 他の2軸はそれぞれx軸方向、y軸方向の座標を 表している。図16に示す座標(u,v)は、補間さ る画素の座標である。図15に示す場合と同様 に、(u,v)は低解像度画像Siにおける座標であ 、小数で表される。バイキュービック補間 は、(u,v)を囲む16個の画素(k-1,l-1),(k,l-1),(k+1,l- 1),(k+2,l-1),(k-1,l),(k,l),(k+1,l),(k+2,l),(k-1,l+1),(k,l+1) ,(k+1,l+1),(k+2,l+1),(k-1,l+2),(k,l+2),(k+1,l+2),(k+2,l+2) 画素値から(u,v)における画素値を補間する。 kはuの小数点以下を切り捨てた値であり、lは vの小数点以下を切り捨てた値である。

 バイキュービック補間で座標(u,v)におけ 画素値を求める場合、y座標が等しい4つの座 標(k-1,l-1),(k,l-1),(k+1,l-1),(k+2,l-1)の画素値を用 て、(u,l-1)における画素値を補間する。同様 、y座標が等しい4つの座標を用いて、(u,l),(u ,l+1),(u,l+2)における画素値をそれぞれ補間す 。さらに、x座標が等しい4つの座標(u,l-1),(u,l ),(u,l+1),(u,l+2)における画素値を用いて、座標( u,v)の画素値を補間する。

 この座標(u,v)における輝度Pは、以下に示 式(11)によって求めることができる。このよ うに画素値Pが定められた座標(u,v)の画素が、 内挿される画素である。

 補間画像生成部101は、式(11)に示す式を計 算して補間する画素における画素値Pを算出 ればよい。式9におけるP1~P16は、(k-1,l-1),(k,l-1 ),(k+1,l-1),(k+2,l-1),(k-1,l),(k,l),(k+1,l),(k+2,l),(k-1,l+1 ),(k,l+1),(k+1,l+1),(k+2,l+1),(k-1,l+2),(k,l+2),(k+1,l+2),(k +2,l+2)における画素値である。

 また、式(11)において、f-1(t),f0(t),f1(t),f2(t) は、それぞれ以下の式で表される。

 f-1(t)=(-t3+2t2-t)/2     式(12)

 f0(t)=(3t3-5t2+2)/2      式(13)

 f1(t)=(-3t3+4t2+t)/2     式(14)

 f2(t)=(t3-t2)/2          式(15)

 また、式(11)におけるu'は、u'=u-kとして計 される値である。式(11)におけるv'は、v'=v-l して計算される値である。

 なお、RGB形式で表される画素のように複 種類(例えばR,G,Bの3種類)の画素値が設定さ ている場合、R,G,B等の画素値の種類毎にそれ ぞれ別々に画素値を補間すればよい。

 ここでは、バイリニア補間やバイキュー ック補間を例示したが、補間画像生成部101 他の方法で補間を行って低解像度画像Siを 大してもよい。

 補間画像生成部101は、低解像度画像Siに して画素を補間して生成した補間画像Saを輝 度勾配算出部102および輪郭補正部104に出力す る。輝度勾配算出部102は、パラメータ設定部 110が計算した輝度勾配算出用パラメータPbに じたSobelフィルタの係数を選択する。輝度 配算出部102は、Sobelフィルタの係数を用いて 、補間画像Saの画素毎に輝度勾配強度および 度勾配方向を算出し、各画素の輝度勾配強 および輝度勾配方向を輪郭抽出部103に出力 る(ステップS11)。輪郭抽出部103は、パラメ タ設定部110が計算した輪郭抽出閾値Pcを用い て、補間画像Sa中で輪郭を表している画素を 定する(ステップS12)。輪郭補正部104は、パ メータ設定部110が計算した輪郭補正用パラ ータPdを、基準画素から第1および第2の隔離 素を定めるための距離として用い、輪郭周 の画素値を補正する(ステップS13)。ステッ S11~S13の動作は、既に説明した変形例におけ ステップS11~S13と同様である。

 本変形例によれば、補間画像生成部101は 解像度画像Siに補間処理を行うことにより 間画像Saを生成するので、低解像度画像Siを 力すれば、高品質の拡大画像を得ることが きる。

 また、補間画像生成部101を備える構成に いて、パラメータ設定部110が設けられてい くてもよい。その場合、輝度勾配算出部102 おいて輝度勾配算出用パラメータPbを予め 定しておけばよい。あるいは、Sobelフィルタ の係数を予め設定しておいてもよい。また、 輪郭抽出部103では輪郭抽出閾値Pcを予め設定 ておき、輪郭補正部104では輪郭補正用パラ ータPdを予め設定しておけばよい。

実施形態2
 図17は、本発明の第2の実施形態の画像処理 ステムの例を示すブロック図である。第1の 実施形態と同様に、本実施形態の画像処理シ ステムは、例えば、プログラム制御により動 作するコンピュータ800によって実現される。 コンピュータ800は、代表色推定部802と、色補 正部803とを含む。なお、ここでは、低解像度 画像(拡大前の画像)から拡大後の画像への拡 率が一定である場合を例にして説明する。 た、画素がRGB形式で表されている場合を例 して説明するが、画素の表現はRGB形式に限 されない。

 代表色推定部802には、補間処理(例えば、 バイリニア補間やバイキュービック補間)に って拡大された補間画像Saが入力される。代 表色推定部802は、補間画像Saに含まれる個々 画素を選択する。代表色推定部802は、選択 た画素を中心とする一定サイズの画素のブ ック(例えば、5行5列のブロック)を抽出し、 そのブロック内の画素の色を二つのクラスに クラスタリングする。代表色推定部802は、そ の二つのクラスのそれぞれについて、クラス を代表する代表色M1,M2を特定する。また、ブ ック内の各画素の色が第1のクラスに属する 確率および第2のクラスに属する確率を求め 。この確率や代表色は、例えばEMアルゴリズ ム(Expectation Maximizationアルゴリズム)によって 求めればよい。代表色推定部802は、補間画像 Sa内の個々の画素を選択して、画素毎にブロ クの抽出、代表色および上記の確率の導出 行う。

 図18は、クラスタリングおよび代表色を 明するイメージ図である。選択した画素を 心とする5行5列の範囲をブロックとして抽出 するとする。このブロックの左上部分には、 赤系の画素181が存在し、右下部分には緑系の 画素182が存在するものとする(図18(a)参照)。 系の画素181の画素値(R,G,B)は、例えば(255,0,0) (240,0,0)、(250,1,0)等で表され、RGB色空間では いに近い位置に存在する(図18(b)参照)。同様 に、緑系の画素182の画素値は、例えば、(0,255 ,0)、(0,255,3)、(1,240,5)等で表され、RGB空間で互 いに近い位置に存在する(図18(b)参照)。代表 推定部802は、このような画素の色のクラス 代表する代表色を決定し、クラス毎に各画 の色がそのクラスに属する確率を求める。 18では、画素の赤系の色と緑系の色に明確に 区分される場合を例示したが、ブロック内の 画素が同系統の色であっても、例えばEMアル リズムにより代表色や上記の確率を求める とができる。

 色補正部803は、代表色M1,M2の色空間での 離が閾値以上である場合、代表色推定部802 抽出したブロック内の画素毎に、第1のクラ に属する確率および第2のクラスに属する確 率に応じて、画素の色を代表色M1,M2のいずれ に補正する。色補正部803は、この処理を代 色推定部802が抽出したブロック毎に行う。

 ブロックは補間画像Saの各画素を中心と る一定サイズの画素の集合であるので、一 の画素が複数のブロックに属することが生 る。この場合、色補正部803は、各ブロック おける補正結果の平均をその画素に設定す 。

 代表色推定部802および色補正部803は、例 ば、プログラムに従って動作する中央処理 置(CPU)によって実現される。すなわち、中 処理装置が、コンピュータ800が備える記憶 置(図示せず。)から画像処理用プログラムを 読み込み、画像処理用プログラムに従って、 代表色推定部802および色補正部803として動作 してもよい。また、代表色推定部802および色 補正部803がそれぞれ別個の回路として実現さ れていてもよい。

 次に、動作について詳細に説明する。
 図19は、第2の実施形態の処理経過の例を示 フローチャートである。本実施形態では、 表色推定部802および色補正部803に補間画像S aが入力される。補間画像Saが入力されると、 代表色推定部802は、補間画像Sa中の画素を一 選択し、選択した画素を中心とする一定範 のブロックを抽出する(ステップS51)。この ロックの範囲は、例えば5行5列等のように予 め定められているものとする。

 次に、代表色推定部802は、抽出したブロ ク内の各画素の色を2つのクラスC1,C2にクラ タリング(分類)し、各クラスの代表色M1,M2を 特定する(ステップS52)。ステップS52において 代表色推定部802は、抽出したブロック内の 画素について、第1のクラスC1に属する確率 よび第2のクラスC2に属する確率を求める。 下、EMアルゴリズムを用いる場合を例にし 、ステップS52の処理について説明する。

 以下の説明において、μは、クラスの中 の色(代表色となる色)のR,G,Bの値を要素とす ベクトルであるとする。また、ωは、混合 ラメータと呼ばれる重み係数である。σは、 クラスタリングされた画素の画素値が色空間 においてどれだけ広がっているかを表す値で ある。また、jは、2つのクラスを識別するた の変数であり、例えばj=0は第1のクラスを意 味し、j=1は第2のクラスを意味する。このjは 記号の添え字として用いられることもある 代表色推定部802は、任意に定めたω,μ,σの 期値の組を二組生成する。この2組は、第1の クラスおよび第2のクラスに対応している。 表色推定部802は、各組それぞれについて、ω ,μ,σそれぞれを再計算することを繰り返す。 この再計算により、μ(ここでは、R,G,Bの値)を 収束させ、代表色を決定する。また、θは、 ,μ,σの組を示す記号である。各記号に(t)を 加して記した場合、そのtは再計算の回数を しているものとする。また、ステップS51で 出されたブロック内の各画素の画素値(R,G,B) の値を要素とするベクトルをxと記し、ブロ ク内のn番目の画素についてのベクトルxにつ いては添え字nを付加してxnと記す。

 代表色推定部802は、任意に定めたω,μ,σ 初期値の組を二組生成すると、各組毎に、 ロック内の画素がその組のクラスに属して る確率を計算する。この確率をP(j|xn,θ(t))と す。代表色推定部802は、以下に示す式(16)に よりP(j|xn,θ(t))を求める。

 代表色推定部802は、式(16)の計算を行うと きに、右辺のP(xn|j)を以下の式(17)を計算する とによって求める。

 代表色推定部802は、式(16)の計算を行うと きに、右辺のp(xn)を以下の式(18)を計算するこ とによって求める。

 wjは、混合パラメータと呼ばれる重み係数 あり、以下の条件を満たす。

 代表色推定部802は、各jについて(すなわ 各クラスについて)、式(16)によりP(j|xn,θ(t)) 計算すると、各jについてωj,μj,σjを再計算 る。

 ωjは以下に示す式(19)の左辺に相当し、代 表色推定部802は、式(19)の計算によりωjを再 算する。

 μjは以下に示す式(20)の左辺に相当し、代 表色推定部802は、式(20)の計算によりμjを再 算する。

 σjは以下に示す式(21)の左辺に相当し、代表 色推定部802は、式(21)の計算によりσjを再計 する。

 式(19)から式(20)におけるNは、ステップS51 抽出されたブロックに属する画素の総数で る。また、Mは、データ(画素値)の次元の数 ある。本例では、画素値は、R,G,Bの3次元の ータであるので、M=3である。

 代表色推定部802は、ωj,μj,σjを再計算し ら、そのωj,μj,σjから式(16)によりP(j|xn,θ(t)) 再計算し、さらに式(19)~(21)によりωj,μj,σj 計算する。

 代表色推定部802は、計算前後でのμjの変 量が閾値以下になったときに、μjが収束し と判定し、再計算を停止する。そのときに られたμjが、代表色のR,G,Bの各成分の値と る。また、代表色推定部802は、収束したと のωj,μj,σjからさらにP(j|xn,θ(t))を計算する このP(j|xn,θ(t))が、画素xnの色が、クラスjに する確率である。

 以上のステップS52の処理により、ブロッ 内の各画素の第1のクラスに属する確率、第 2のクラスに属する確率、および代表色M1,M2が 得られる。以下、ブロック内の画素(x,y)の色 第1のクラスに属する確率をP1(x,y)と記し、 2のクラスに属する確率をP2(x,y)と記す。

 次に、色補正部803は、代表色M1,M2の距離D 応じた指標を計算する。2つの色の距離は、 色を表す成分毎に差の二乗を計算し、その計 算結果の和の平方根として得られる値である 。本例のように色がR,G,Bの各成分で表される 合、R成分の差の二乗、G成分の差の二乗、 よびB成分の差の二乗をそれぞれ計算し、そ 和の平方根が距離となる。すなわち、代表 M1のR,G,B各成分を(R1,G1,B1)とし、代表色M2のR,G ,B各成分を(R2,G2,B2)とすると、距離Dは以下に す式(22)で表される。

 D=√{(R1-R2) 2 +(G1-G2) 2 +(B1-B2) 2 }  式(22)

 色補正部803は、距離D自体を計算してもよく 、あるいは、距離Dに応じた指標を計算して よい。ここでは、距離Dに応じた指標として (R1-R2) 2 +(G1-G2) 2 +(B1-B2) 2 を計算する。色補正部803は、距離Dに応じた 標が所定値以上であるか否かにより、代表 同士の距離が閾値以上であるか否かを判定 る(ステップS53)。

 (R1-R2) 2 +(G1-G2) 2 +(B1-B2) 2 の計算結果が所定値以上である場合、色補正 部803は、距離Dが閾値以上であると判定する この場合(ステップS53のYes)、色補正部803は、 ステップS51で抽出されたブロック内の画素毎 に、第1のクラスに属する確率および第2のク スに属する確率に応じて、画素の色を補正 る(ステップS54)。

 ステップS54において、色補正部803は、ブ ック内の各画素を選択し、その画素の色が 1のクラス(代表色M1のクラス)に属する確率P1 (x,y)と、第2のクラス(代表色M2のクラス)に属 る確率P2(x,y)とを比較する。P1(x,y)>P2(x,y)で れば、色補正部803は、選択した画素(x、y)の 色を代表色M1に置換する。すなわち、選択し 画素の画素値(R,G,Bの値)を、代表色M1のR,G,B 値に置換する。一方、P1(x,y)>P2(x,y)が成立 ていなければ、色補正部803は、選択した画 (x、y)の色を代表色M2に置換する。すなわち 選択した画素の画素値(R,G,Bの値)を、代表色M 2のR,G,Bの値に置換する。色補正部803は、この 置換をブロック内の画素毎に行う。ブロック 内の各画素について置換が終了したならば、 ステップS55に移行する。

 (R1-R2) 2 +(G1-G2) 2 +(B1-B2) 2 の計算結果が所定値未満である場合、色補正 部803は、距離Dが閾値未満であると判定する この場合(ステップS53のNo)、ステップS54を行 ずにステップS55に移行する。

 ステップS55において、色補正部803は、補 画像Sa中の各画素を中心とする各ブロック ついてステップS51以降の処理を完了してい か否かを判定する。未だステップS51以降の 理が行われていないブロックがあれば、未 理のブロックについてステップS51以降の処 を行う。全ブロックについてステップS51以 の処理が完了していれば、処理を終了する

 ただし、一つの画素が複数のブロックに し、ブロック毎にその画素の置換後の色(画 素値)が導出される場合、色補正部803は、ブ ック毎にその一つの画素に対して導出され 置換後の画素値の平均値を、その画素の画 値とする。

 本実施形態によれば、ブロック内の2つの 代表色の距離が閾値以上である場合、そのブ ロック内の画素を代表色に置換することによ り、画素を補正するので、輪郭が明瞭な、高 品質な拡大画像を生成することができる。ま た、代表色M1,M2を特定する際に、クラスタリ グによる統計的処理を用いるため、ノイズ どの影響を受けずに、安定して代表色を取 できる。

 次に、第2の実施形態の変形例について説 明する。上記の第2の実施形態では、補間画 Saに属する個々の画素をそれぞれ選択し、そ の画素を中心とするブロックを抽出して、ブ ロック毎にステップS51以降の処理を行う場合 を示した。以下に示す変形例では、補間画像 Sa中の選択対象画素を輪郭上の画素とし、そ 輪郭上の各画素を中心とするブロックを抽 してステップS51以降の処理を行う。図20は 第2の実施形態の変形例を示すブロック図で る。既に説明した構成要素と同様の構成要 については、図17と同一の符号を付す。図20 に示すように、画像処理システムは、代表色 推定部802、色補正部803に加えて、輝度勾配算 出部102と輪郭抽出部103とを備えていてもよい 。図20では、コンピュータ800が輝度勾配算出 102と輪郭抽出部103とを含む場合を示してい 。輝度勾配算出部102および輪郭抽出部103は プログラムに従って動作する中央処理装置 よって実現されてもよい。すなわち、中央 理装置が、画像処理用プログラムを読み込 、画像処理用プログラムに従って、輝度勾 算出部102、輪郭抽出部103、代表色推定部802 よび色補正部803として動作してもよい。

 本変形例における輝度勾配算出部102およ 輪郭抽出部103は、第1の実施形態の画像処理 システムが備える輝度勾配算出部102および輪 郭抽出部103と同様の処理を行う。本変形例の 輝度勾配算出部102および輪郭抽出部103には、 第1の実施形態と同一の符号を付して説明す 。

 輝度勾配算出部102には、補間画像Saが入 され、輝度勾配算出部102は、補間画像Saの画 素毎に、輝度勾配強度および輝度勾配方向を 計算する。また、輪郭抽出部103は、各画素に おける輝度勾配強度および輝度勾配方向を用 いて、劣化する前の本来の輪郭を表す画素を 判定する。

 図21は、第2の実施形態の変形例の処理経 を示すフローチャートである。第2の実施形 態で説明した処理と同様の処理については、 図19と同一の符号を付す。

 輝度勾配算出部102は、補間画像Saが入力 れると、第1の実施形態と同様に、補間画像S a中の個々の画素毎に、画素値から輝度値を 定する。例えば、式(1)の計算により、画素 に輝度値を計算する。そして、輝度勾配算 部102は、予め定められたSobelフィルタの係数 の畳み込みを行い、補間画像Saの画素毎に、 平方向の輝度勾配、垂直方向の輝度勾配を 算する。さらに、輝度勾配算出部102は、画 毎に、輝度勾配強度Sb(x,y)および輝度勾配方 向Sc(x,y)を計算する(ステップS49)。輝度勾配強 度Sb(x,y)は、例えば式(4)または式(5)によって 算すればよい。輝度勾配方向Sc(x,y)は、例え 式(6)によって計算すればよい。なお、ここ は、Sobelフィルタの係数を用いる場合を例 しているが、他のエッジ検出オペレータの 数(Robinsonのオペレータの係数やPrewittのオペ ータの係数等)を用いる場合の処理も同様で ある。

 ステップS49の後、輪郭抽出部103は、輝度 配算出部102が算出した各画素の輝度勾配強 、輝度勾配方向と、予め定められた輪郭抽 閾値Pcとを用いて、補間画像Sa中で輪郭を表 している画素を判定する(ステップS50)。輪郭 出部103は、各画素を輪郭判定対象画素とし 選択する。そして、輪郭判定対象画素の輝 勾配強度が輪郭抽出閾値Pcよりも大きく、 つ、輪郭判定対象画素の輝度勾配方向の隣 画素の輝度勾配強度と、輝度勾配方向を180° 回転させた方向の隣接画素の輝度勾配強度の いずれよりも大きい場合、輪郭判定対象画素 が輪郭上の画素であると判定する。輪郭抽出 部103は、輪郭を表す画素と判定した画素を代 表色推定部802に通知する。

 ステップS49,S50は、第1の実施形態におけ ステップS11,S12と同様の処理である。

 ステップS50の後、代表色推定部802および 補正部803は、第2の実施形態で説明したステ ップS51~ステップS55の処理を行う。ただし、 表色推定部802は、ステップS51において、輪 抽出部103から通知された輪郭を表す画素の を選択対象とする。また、色補正部803は、 テップS55において、補間画像Sa中の輪郭を表 す各画素について、ステップS51以降の処理を 完了しているか否かを判定する。輪郭を表す 各画素のうち、ステップS51以降の処理が行わ れていない画素が残っていればステップS51以 降の処理を繰り返す。輪郭を表す各画素につ いてステップS51以降の処理が完了していれば 処理を終了する。その他の点については、第 2の実施形態と同様である。

 この結果、輪郭を表していない画素につ てはステップS51以降の処理が省略されるの 、処理を簡略して処理時間を短縮すること できる。

 次に、第2の実施形態の他の変形例につい て説明する。以下に示す変形例では、ステッ プS51で抽出するブロックの範囲等を可変とす る。図22は、第2の実施形態の他の変形例を示 すブロック図である。既に説明した構成要素 と同一の構成要素については、図20と同一の 号を付す。図22に示すように、画像処理シ テムは、輝度勾配算出部102、輪郭抽出部103 代表色推定部802および色補正部803に加えて パラメータ設定部810を備えていてもよい。 22では、コンピュータ800とは別にパラメータ 設定部810を備える場合を示しているが、コン ピュータ800がパラメータ設定部810を含んでい てもよい。そして、パラメータ設定部810は、 プログラムに従って動作する中央処理装置に よって実現されてもよい。すなわち、中央処 理装置が、画像処理用プログラムを読み込み 、画像処理用プログラムに従って、輝度勾配 算出部102、輪郭抽出部103、代表色推定部802、 色補正部803、パラメータ設定部810として動作 してもよい。

 パラメータ設定部810は、ステップS51で抽 する画素のブロックとして何行何列のブロ クを抽出するのかを定めるパラメータを算 し、代表色推定部802および色補正部803に出 する。以下、このパラメータをブロック決 用パラメータと記し、"Pe"と表す。代表色推 定部802は、ステップS51において、ブロック決 定用パラメータPeに応じた大きさのブロック 抽出する。

 また、パラメータ設定部810には、低解像 画像から補間画像Saへの拡大率Paが入力され る。パラメータ設定部810は、入力された拡大 率Paからブロック決定用パラメータPeを計算 る。なお、拡大率Paが不変である場合、パラ メータ設定部810は、拡大率Paを定数として記 しておき、その拡大率Paからブロック決定 パラメータPeを計算してもよい。

 パラメータ設定部810は、以下に示す式(23) の計算を行い、ブロック決定用パラメータPe 計算すればよい。

 Pe=ε・Pa+ζ      式(23)

 ε,ζは定数である。また、εは0より大き 値であり、Paが大きくなるほど、Peも大きな となる。また、ζはPeの下限を表す値である 。ζをPeの下限値として定めることにより、 大率Peの値が小さくともPbの値は下限値以上 あることが保証される。ε,ζは、例えば、 像処理システムの管理者等に予め設定され 。画像処理システムの管理者等は、拡大率 応じた大きさのブロック数が選択されるよ に、ε,ζを決定すればよい。Peは、例えば拡 率Paを変数とする一次関数として計算され 。ε,ζの例として、ε=2.0、ζ=-1.0等の値が挙 られるが、これらの値に限定されるわけで ない。

 また、パラメータ設定部810は、第1の実施 形態の変形例におけるパラメータ設定部110と 同様に、輝度勾配算出用パラメータPbおよび 郭抽出閾値Pcを計算し、輝度勾配算出用パ メータPbを輝度勾配算出部102に出力し、輪郭 抽出閾値Pcを輪郭抽出部103に出力する。輝度 配算出部102は、その輝度勾配算出用パラメ タPbに応じたSobelフィルタの係数を選択し、 補間画像Saの画素毎に輝度勾配強度および輝 勾配方向を算出する。また、輪郭抽出部103 、その輪郭抽出閾値Pcを用いて、補間画像Sa 中で輪郭を表している画素を判定する。

 図23は、第2の実施形態の他の変形例の処 経過を示すフローチャートである。既に説 した処理と同様の処理については、図19お び図21と同一の符号を付す。パラメータ設定 部810は、拡大率Paが入力されると、その拡大 Paを用いて、輝度勾配算出用パラメータPb、 輪郭抽出閾値Pcおよびブロック決定用パラメ タPeを計算する(ステップS41)。なお、Pb,Pc,Pe 一部を予め固定値として定めておき、ステ プS41でパラメータ設定部810は、Pb,Pc,Peのう 固定値として定められていないパラメータ ついて計算を行ってもよい。

 輝度勾配算出部102は、補間画像Saが入力 れると、補間画像Sa中の個々の画素毎に、画 素値から輝度値を特定する。また、「Pbがx1 上x2未満ならば、3行3列のSobelフィルタの係 を選択する。」等のルールを予め保持して き、そのルールに従って、輝度勾配算出用 ラメータPbに応じたSobelフィルタの係数を選 する。輝度勾配算出部102は、選択したSobel ィルタの係数を用いて、補間画像Saの画素毎 に輝度勾配強度および輝度勾配方向を算出す る(ステップS49)。Sobelフィルタの係数を選択 る点の他は、既に説明したステップS49と同 である。

 輪郭抽出部103は、パラメータ設定部810が 算した輪郭抽出閾値Pcを用いて、補間画像Sa 中で輪郭を表している画素を判定する(ステ プS50)。パラメータ設定部810が輪郭抽出閾値P cを定める点の他は、既に説明したステップS5 0と同様である。

 ステップS50後、代表色推定部802および色 正部803は、既に説明した第2の実施形態の変 形例と同様に、ステップS51~S55の処理を行う 代表色推定部802は、ステップS51において、 郭抽出部103から通知された輪郭を表す画素 みを選択対象とする。また、色補正部803は ステップS55において、補間画像Sa中の輪郭を 表す各画素について、ステップS51以降の処理 を完了しているか否かを判定する。輪郭を表 す各画素のうち、ステップS51以降の処理が行 われていない画素が残っていればステップS51 以降の処理を繰り返す。輪郭を表す各画素に ついてステップS51以降の処理が完了していれ ば処理を終了する。

 本変形例においても、輪郭を表していな 画素についてはステップS51以降の処理が省 されるので、処理を簡略して処理時間を短 することができる。また、低解像度画像か 補間画像Saへの拡大率が一定ではない場合 あっても、拡大率に応じた適切なパラメー で輪郭を明瞭化することができる。

 次に、第2の実施形態の他の変形例につい て説明する。図24は、第2の実施形態の他の変 形例を示すブロック図である。既に説明した 構成要素と同様の構成要素については、図17 図20、図22と同一の符号を付す。図24に示す うに、画像処理システムは、輝度勾配算出 102、輪郭抽出部103、代表色推定部802、色補 部803、パラメータ設定部810に加えて、補間 像生成部101を備えていてもよい。補間画像 成部101は、第1の実施形態の変形例で示した 補間画像生成部101(図13参照)と同様の処理を う。図24では、コンピュータ800が補間画像生 成部101を含む場合を示している。補間画像生 成部101は、プログラムに従って動作する中央 処理装置によって実現されてもよい。すなわ ち、中央処理装置が、画像処理用プログラム を読み込み、画像処理用プログラムに従って 、補間画像生成部101、輝度勾配算出部102、輪 郭抽出部103、代表色推定部802、色補正部803、 パラメータ設定部810として動作してもよい。

 補間画像生成部101には低解像度画像Siが 力され、補間画像生成部101は補間によりそ 低解像度画像Siを拡大して補間画像Saを生成 、補間画像Saを輝度勾配算出部102、代表色 定部802および色補正部803に出力する。すな ち、補間画像生成部101は、低解像度画像Siの 画素間に画素を内挿して、拡大画像である補 間画像Saを生成する。補間画像生成部101は、 えば、バイリニア補間あるいはバイキュー ック補間により、低解像度画像Siを拡大す 。

 また、パラメータ設定部810には、生成す き拡大画像の解像度が入力される。例えば 拡大後の補間画像Saの横幅(水平方向の画素 )が入力されてもよい。また、パラメータ設 定部810には、拡大前の低解像度画像Siの情報( 例えば、低解像度画像Siの横幅)も入力される 。パラメータ設定部810は、入力された情報を 用いて、拡大率Paを計算し、補間画像生成部1 01に出力する。パラメータ設定部810は、拡大 Paを計算した後、既に説明したように拡大 PaからPb,Pc,Pdの各パラメータを計算してもよ 。この動作は、第1の実施形態の変形例で示 したパラメータ設定部110(図13参照)と同様の 作である。

 補間画像生成部101は、パラメータ設定部8 10が計算した拡大率Paで低解像度画像Siを補間 して補間画像Saを生成する。

 図25は、本変形例の処理経過を示すフロ チャートである。既に説明した処理と同様 処理については、図19および図21と同一の符 を付す。パラメータ設定部810には、例えば 低解像度画像Siの横幅Wlおよびユーザの所望 の補間画像Saの横幅Whが入力される。パラメ タ設定部810は、WlおよびWhが入力されると、W h/Wlを計算することにより、拡大率Paを計算す る。ただし、ここで示した拡大率Paの計算方 は一例であり、他の方法で拡大率Paを計算 てもよい。パラメータ設定部810は、計算し 拡大率Paを補間画像生成部101に出力する。ま た、パラメータ設定部810は、その拡大率Paを いて、輝度勾配算出用パラメータPb、輪郭 出閾値Pcおよびブロック決定用パラメータPe 計算する(ステップS47)。パラメータ設定部81 0は、Pbを輝度勾配算出部102に出力し、Pcを輪 抽出部103に出力し、ブロック決定用パラメ タPeを代表色推定部802および色補正部803に 力する。拡大率Paから、Pb,Pc,Pdを算出する動 は、既に説明した動作と同様である。

 補間画像生成部101には、低解像度画像Si 入力される。ステップS47の後、補間画像生 部101は、拡大率Paで低解像度画像Siを補間し 、ユーザの所望の解像度の補間画像Saを生 する(ステップS48)。この処理は、第1の実施 態の変形例で説明したステップS10(図14参照) 同様である。

 補間画像生成部101は、低解像度画像Siに して画素を補間して生成した補間画像Saを輝 度勾配算出部102、代表色推定部802および色補 正部803に出力する。輝度勾配算出部102は、パ ラメータ設定部810が計算した輝度勾配算出用 パラメータPbに応じたSobelフィルタの係数を 択する。輝度勾配算出部102は、Sobelフィルタ の係数を用いて、補間画像Saの画素毎に輝度 配強度および輝度勾配方向を算出し、各画 の輝度勾配強度および輝度勾配方向を輪郭 出部103に出力する(ステップS49)。輪郭抽出 103は、パラメータ設定部810が計算した輪郭 出閾値Pcを用いて、補間画像Sa中で輪郭を表 ている画素を判定する(ステップS50)。

 ステップS50後、代表色推定部802および色 正部803は、既に説明した第2の実施形態の変 形例と同様に、ステップS51~S55の処理を行う 代表色推定部802は、ステップS51において、 郭抽出部103から通知された輪郭を表す画素 みを選択対象とする。また、色補正部803は ステップS55において、補間画像Sa中の輪郭を 表す各画素について、ステップS51以降の処理 を完了しているか否かを判定する。輪郭を表 す各画素のうち、ステップS51以降の処理が行 われていない画素が残っていればステップS51 以降の処理を繰り返す。輪郭を表す各画素に ついてステップS51以降の処理が完了していれ ば処理を終了する。

 本変形例によれば、補間画像生成部101が 解像度画像Siに補間処理を行うことにより 間画像Saを生成するので、低解像度画像Siを 力すれば、高品質の拡大画像を得ることが きる。

 また、パラメータ設定部810を備える構成( 例えば、図22、図24に示す構成)において、画 処理システムは、輝度勾配算出部102および 郭抽出部103を備えていなくともよい。この 合、パラメータ設定部810は、Pb,Pcを計算し くてもよい。

実施形態3
 図26は、本発明の第3の実施形態を示すブロ ク図である。本発明の第3の実施形態は、画 像を圧縮して送信する画像圧縮装置600と、そ の画像を受信して伸張する画像伸張装置610と を含む画像伝送システムである。画像圧縮装 置600と画像伸張装置610は、伝送路620を介して 画像を送受信する。

 画像圧縮装置600には、高解像度の入力画 604が入力される。画像圧縮装置600は、入力 像604をダウンサンプリングした低解像度画 605と、そのダウンサンプリング後の画像と 力画像との残差606とを併せて圧縮データ607 して、伝送路620に送出する。また、画像伸 装置610は、受信した圧縮データ607に含まれ 低解像度画像605を拡大し、圧縮データ607に まれる残差606を加算して、伸張画像615を生 する。以下、画像圧縮装置600および画像伸 装置610の構成を説明する。

 画像圧縮装置600は、ローパス・ダウンサ プリング部601と、拡大画像生成部602と、画 減算部603とを備える。

 ローパス・ダウンサンプリング部601には 入力画像(高解像度画像)604が入力される。 お、入力画像604は、画像減算部603にも入力 れる。ローパス・ダウンサンプリング部601 、入力画像604に対してローパスフィルタを 用し、入力画像604を所定の解像度にダウン ンプリングする。ダウンサンプリングとは 水平方向および垂直方向に並ぶ画素を周期 に取り除き、画像を低解像度化することを う。ローパス・ダウンサンプリング部601は 生成した低解像度画像605を伝送路620に送信 、また、拡大画像生成部602に出力する。

 拡大画像生成部602は、ローパス・ダウン ンプリング部601が生成した低解像度画像605 入力として、その低解像度画像605を入力画 604と同じ解像度の画像に拡大する。また、 大画像生成部602は、その拡大画像中の輪郭 明瞭化する画像処理を行い、その結果得ら る画像を画像減算部603に出力する。この処 は、第1の実施形態の変形例として説明した 補間画像生成部101を備える画像処理システム 、または第2の実施形態の変形例として説明 た補間画像生成部101を備える画像処理シス ムが実行する処理と同様の処理である。

 拡大画像生成部602は、例えば、第1の実施 形態の変形例として説明した補間画像生成部 101を備える画像処理システム(図13参照)によ て実現される。また、パラメータ設定部110 拡大率Pa、輝度勾配算出用パラメータPb、輪 抽出閾値Pc、輪郭補正用パラメータPdを設定 してもよい。パラメータ設定部110が拡大率Pa 計算するための情報(Wh,Wl)は、例えば、予め 定めておけばよい。

 拡大画像生成部602は、第2の実施形態の変 形例として説明した補間画像生成部101を備え る画像処理システム(図24参照)によって実現 れてもよい。また、パラメータ設定部110が 大率Pa、輝度勾配算出用パラメータPb、輪郭 出閾値Pc、ブロック決定用パラメータPeを設 定してもよい。パラメータ設定部810が拡大率 Paを計算するための情報(Wh,Wl)は、例えば、予 め定めておけばよい。

 また、図13や図24に示すパラメータ設定部 110,810を備えずに、拡大率Pa、輝度勾配算出用 パラメータPb、輪郭抽出閾値Pc、輪郭補正用 ラメータPd、ブロック決定用パラメータPeが め定められていてもよい。また、輝度勾配 出用パラメータPbの代わりに、Sobelフィルタ の係数が予め定められていてもよい。

 画像減算部603は、入力画像604と、拡大画 生成部602が出力した高解像度画像(入力画像 604と同じ解像度の画像)との残差606を計算す 。入力画像604における座標(x,y)の画素の画素 値をI1(x,y)とする。また、拡大画像生成部602 生成した高解像度画像における座標(x,y)の画 素の画素値をI2(x,y)とする。画像減算部603は 入力画像604と拡大画像生成部602が拡大して 力した高解像度画像の対応する画素毎に(す わち同じ座標の画素毎に)、I2(x,y)-I1(x,y)を計 算する。この計算結果が残差606である。残差 は、高解像度画像および入力画像604の対応す る画素同士の画素値の差を表すデータである 。

 また、画像減算部603は、ローパス・ダウ サンプリング部601が低解像度画像605を送信 るときに、併せてその残差606を送信する。 解像度画像605と残差606をあわせたデータが 縮データ607である。

 画像圧縮装置600は上記のような構成であ 、ローパス・ダウンサンプリング部601およ 画像減算部603に入力画像604が入力されると ローパス・ダウンサンプリング部601はその 力画像604をダウンサンプリングして低解像 画像605を生成する。そして、拡大画像生成 602は、その低解像度画像605を拡大し、画像 算部603は、その結果得られた拡大画像と入 画像との残差606を計算する。そして、ロー ス・ダウンサンプリング部601は、低解像度 像605を画像伸張装置610に送信し、画像減算 603は、その低解像度画像605と併せて残差606 画像伸張装置610に送信する。

 画像伸張装置610は、拡大画像生成部611と 画像加算部612とを備える。

 画像伸張装置610は、受信した圧縮データ6 07から低解像度画像605と残差606とを取り出す

 拡大画像生成部611には、受信した圧縮デ タ607中の低解像度画像605が入力される。拡 画像生成部611は、低解像度画像605を入力と て、その低解像度画像605を入力画像604と同 解像度の画像に拡大する。また、拡大画像 成部611は、その拡大画像中の輪郭を明瞭化 る画像処理を行い、その結果得られる画像 画像加算部612に出力する。この処理は、第1 の実施形態の変形例として説明した補間画像 生成部101を備える画像処理システム、または 第2の実施形態の変形例として説明した補間 像生成部101を備える画像処理システムが実 する処理と同様の処理である。

 画像伸張装置610が備える拡大画像生成部6 11は、画像圧縮装置600が備える拡大画像生成 602と同様であり、例えば、第1の実施形態の 変形例として説明した補間画像生成部101を備 える画像処理システム(図13参照)によって実 される。また、例えば、第2の実施形態の変 例として説明した補間画像生成部101を備え 画像処理システム(図24参照)によって実現さ れてもよい。

 画像加算部612には、受信した圧縮データ6 07中の残差606が入力される。画像加算部612は 拡大画像生成部611が出力した拡大画像と、 差606とを加算する。拡大画像における座標( x,y)の画素の画素値をI3(x,y)とする。また、残 606における座標(x,y)の画素の画素値をI4(x,y) する。画像加算部612は、拡大画像生成部611 生成した拡大画像と残差606の対応する画素 に(すなわち同じ座標の画素毎に)、I3(x,y)+I4( x,y)を計算することで、目的とする高解像度 伸張画像615を生成する。

 画像伸張装置610は上記のような構成であ 、拡大画像生成部611に低解像度画像605が入 されると、拡大画像生成部611はその低解像 画像605を拡大する。画像加算部612は、その 果得られた拡大画像と残差606とを加算し、 張画像615を生成する。

 なお、画像圧縮装置600は、伝送路620を介 て低解像度画像605および残差606を画像伸張 置610に送信する際、その低解像度画像605お び残差606(圧縮データ607)を既存のデータ圧 方法を用いてさらに圧縮してもよい。この 合、画像伸張装置610は、その既存のデータ 縮方法に対応するデータ伸張方法でデータ 伸張してから、上記の処理を実行すればよ 。

 第3の実施形態によれば、画像伸張装置610 は、第1の実施形態または第2の実施形態で説 した画像拡大処理を用いた画像圧縮装置600 ら受信した低解像度画像605と残差606から高 質な拡大画像を生成することができる。第1 の実施形態または第2の実施形態で説明した 像拡大処理によって生成される拡大画像は 既存の拡大画像処理によって生成される拡 画像より入力画像に等しい画像であるので 残差606はより小さいデータ量となり、その 果、画像圧縮装置600は、伝送路620を介して 信する残差606のデータ量を削減することが きる。

 以上、説明した実施形態には、輝度勾配 出部が、輝度勾配の強度および輝度勾配の 向の計算対象画素を中心としてエッジ検出 ペレータの係数と同じ配置となる複数の画 を特定し、特定した各画素それぞれについ 、対応するエッジ検出オペレータの係数と 積を計算し、その和を求めることにより、 平方向および垂直方向の輝度勾配を計算し 大きさがその水平方向の輝度勾配であるベ トルと、大きさが垂直方向の輝度勾配であ ベクトルとの合成ベクトルの大きさを計算 象画素の輝度勾配の強度とし、垂直方向の 度勾配を水平方向の輝度勾配で除算した結 のアークタンジェントを輝度勾配の方向と 、輪郭抽出部が、輪郭を表す画素であるか かの判定対象画素を選択し、判定対象画素 輝度勾配の強度が輪郭抽出閾値より大きく 判定対象画素の輝度勾配の方向の隣接画素 よびその方向を180°回転させた方向の隣接 素それぞれの輝度勾配の強度よりも大きい きに、判定対象画素は輪郭を表す画素であ と判定する構成が記載されている。

 また、拡大前の画像から補間画像への拡 率から、エッジ検出オペレータの係数を選 するための輝度勾配算出用パラメータと、 郭抽出閾値と、第1の隔離画素および第2の 離画素を特定するための距離とを定めるパ メータ設定部とを備え、輝度勾配算出部が 予め複数種類のエッジ検出オペレータの係 を保持し、輝度勾配算出用パラメータに応 たエッジ検出オペレータの係数を用いて輝 勾配の強度および輝度勾配の方向を計算し 輪郭抽出部が、パラメータ設定部が定めた 郭抽出閾値を用いて、輪郭を表す画素を特 し、輪郭補正部が、パラメータ設定部が定 た距離を用いて、第1の隔離画素および第2の 隔離画素を特定する構成が記載されている。

 また、パラメータ設定部が、パラメータ 定部に入力される拡大率から、輝度勾配算 用パラメータと、輪郭抽出閾値と、第1の隔 離画素および第2の隔離画素を特定するため 距離とを定める構成が記載されている。

 また、パラメータ設定部が、予め定めら た拡大率から、輝度勾配算出用パラメータ 、輪郭抽出閾値と、第1の隔離画素および第 2の隔離画素を特定するための距離とを定め 構成が記載されている。

 また、拡大対象画像が入力され、その拡 対象画像の画素間に画素を内挿することに り、拡大対象画像を拡大した補間画像を生 する補間画像生成部を備える構成が記載さ ている。

 以上、実施形態を参照して本願発明を説 したが、本願発明は上記実施形態に限定さ るものではない。本願発明の構成や詳細に 、本願発明のスコープ内で当業者が理解し る様々な変更をすることができる。

 本発明は、低解像度の静止画や動画から 大された画像中の輪郭を明瞭にする画像処 を行う画像処理システムに好適に適用され また、高解像度の静止画、動画を圧縮して 送したり保存したりするシステムにも適用 能である。

 この出願は、2007年12月25日に出願された 本出願特願2007-332029を基礎とする優先権を主 張し、その開示の全てをここに取り込む。