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Title:
IMAGE PROCESSING DEVICE AND IMAGE PROCESSING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090858
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an image processing device using a circuit processing method for actually recovering an image without increasing the device size. In the device, comparison image luminance data YI0' is generated from arbitrary image luminance data YI0 by using change factor data G as a factor of an image change. After this, comparison is made between original image luminance data YImg' to be processed and comparison image luminance data YI0' and the obtained differential luminance data Yδ is distributed to arbitrary image data YI0 according to the change factor data G so as to generate recovered image luminance data YI0+n. After this, the same process is repeated by using the recovered image luminance data YI0+n instead of the arbitrary image luminance data YI0, thereby generating the luminance data on a basic image before the change (degradation) or the recovered image luminance data YI0+n similar to the luminance data on the basic image.

Inventors:
TAKAHASHI FUMINORI (JP)
KOMATSU HIROAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050748
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 22, 2008
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Assignee:
NITTOH KOGAKU KK (JP)
TAKAHASHI FUMINORI (JP)
KOMATSU HIROAKI (JP)
International Classes:
H04N9/04; G03B5/00; H04N5/232; H04N9/64; H04N101/00
Domestic Patent References:
WO2006137308A12006-12-28
Foreign References:
JP2006331316A2006-12-07
JPH11150682A1999-06-02
JP2006229392A2006-08-31
Attorney, Agent or Firm:
IAT WORLD PATENT LAW FIRM (Shinjuku Square Tower22-1, Nishi-shinjuku 6-chom, Shinjuku-ku Tokyo 27, JP)
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Claims:
 カラー画像を処理する処理部を有する画像処理装置において、
 上記処理部は、
 処理対象となる原画像のデータである原画像データから、原画像輝度データと原画像色差データを分離し、
 上記原画像輝度データと上記原画像色差データとをそれぞれを処理対象のデータとし、
 上記原画像輝度データについては、
 画像変化の要因のデータである変化要因データを利用して、任意の画像輝度データである任意画像輝度データから、この任意画像輝度データを変化させた比較用の比較画像輝度データを生成し、
 上記原画像輝度データと上記比較画像輝度データとを比較した差分のデータである差分輝度データを求め、
 上記差分輝度データを上記変化要因データに基づいて上記任意画像輝度データに配分した復元画像輝度データを生成し、
 上記復元画像輝度データを上記任意画像輝度データの代わりに使用し、同様の処理を繰り返す繰り返し処理を行うことで、
 上記原画像が変化する前の画像である基画像の基画像輝度データまたはそれに近似する復元された復元画像輝度データを生成する処理を行い、
 上記原画像色差データについては、
 上記変化要因データを利用して、任意の画像色差データである任意画像色差データから、この任意画像色差データを変化させた比較用の比較画像色差データを生成し、
 上記原画像色差データと上記比較画像色差データとを比較した差分のデータである差分色差データを求め、
 上記差分色差データを上記変化要因データに基づいて上記任意画像色差データに配分した復元画像色差データを生成し、
 上記復元画像色差データを上記任意画像色差データの代わりに使用し、同様の処理を繰り返す繰り返し処理を行うことで、
 上記原画像が変化する前の画像である基画像の基画像色差データまたはそれに近似する復元された復元画像色差データを生成する処理を行う、
ことを特徴とする画像処理装置。
 前記復元画像輝度データと前記復元画像色差データとを合成し、前記基画像の基画像データまたはそれに近似する復元された復元画像データを生成する処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
 前記原画像色差データを2つとし、それぞれについての前記繰り返し処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
 前記原画像色差データについては、圧縮処理を行い、圧縮された圧縮画像色差データについて前記繰り返し処理を行い前記復元画像色差データを生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
 前記原画像色差データの圧縮は、前記原画像色差データのデータを間引く間引き処理であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
 前記画像色差データの圧縮は、前記復元画像色差データを生成する処理を、前記復元画像輝度データを生成する処理を行うビット数よりも少ないビット数で処理することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
 カラー画像を処理する画像処理方法において、
 処理対象となる原画像のデータである原画像データから、原画像輝度データと原画像色差データを分離するステップと、
 上記原画像輝度データと上記原画像色差データとをそれぞれを処理対象のデータとし、
 上記原画像輝度データについては、
 画像変化の要因のデータである変化要因データを利用して、任意の画像輝度データである任意画像輝度データから、この任意画像輝度データを変化させた比較用の比較画像輝度データを生成するステップと、
 上記原画像輝度データと上記比較画像輝度データとを比較した差分のデータである差分輝度データを求めるステップと、
 上記差分輝度データを上記変化要因データに基づいて上記任意画像輝度データに配分した復元画像輝度データを生成するステップと、
を有し、
 上記復元画像輝度データを上記任意画像輝度データの代わりに使用し、同様の処理を繰り返す繰り返し処理を行うことで、
 上記原画像が変化する前の画像である基画像の基画像輝度データまたはそれに近似する復元された復元画像輝度データを生成する処理を行い、
 上記画像色差画像データについては、
 上記変化要因データを利用して、任意の画像色差データである任意画像色差データから、この任意画像色差データを変化させた比較用の比較画像色差データを生成するステップと、
 上記原画像色差データと上記比較画像色差データとを比較した差分のデータである差分色差データを求めるステップと、
 上記差分色差データを上記変化要因データに基づいて上記任意画像色差データに配分した復元画像色差データを生成するステップと、
を有し、
 上記復元画像色差データを上記任意画像色差データの代わりに使用し、同様の処理を繰り返す繰り返し処理を行うことで、
 上記原画像が変化する前の画像である基画像の基画像色差データまたはそれに近似する復元された復元画像色差データを生成する処理を行う、
ことを特徴とする画像処理方法。
Description:
画像処理装置および画像処理方

 本発明は、画像処理装置および画像処理 法に関する。

 従来から、カメラ等で撮影を行った撮影 像には、画像劣化が生ずることが知られて る。この画像劣化の要因としては撮影時の ぶれ、光学系の各種の収差、レンズの歪み がある。

 撮影時の手ぶれを補正するためには、撮 レンズの中の所定のレンズを動かす方式と 回路処理する方式とが知られている。たと ば、レンズを動かす方式としては、撮影時 、手ぶれを検出し、この検出した手ぶれに わせて所定のレンズを動かすことで、補正 る方式が知られている(特許文献1参照)。

 また、回路処理する方式としては、カメ の光軸の変動を角加速度センサで検出し、 出した角速度等から撮影時のぼけ状態を表 伝達関数を取得し、撮影画像に対し、取得 た伝達関数の逆変換を行い、画像を復元す 方式が知られている(特許文献2参照)。

特開平6-317824号公報(要約書参照)

特開平11-24122号公報(要約書参照)

 特許文献1記載の手ぶれ補正を採用したカ メラは、モータ等、レンズを駆動するハード ウェアのスペースが必要となり大型化してし まう。また、そのようなハードウェア自体や そのハードウェアを動かす駆動回路が必要と なり、コストアップとなってしまう。

 また、特許文献2記載の手ぶれ補正の場合 は、上述した問題点はなくなるものの、次の ような問題を有する。すなわち、取得した伝 達関数の逆変換で画像復元がなされることは 理論上成り立つが、実際問題として、以下の 2つの理由で、画像復元が困難である。

 第1に、取得する伝達関数は、ノイズやぶ れ情報誤差等に非常に弱く、これらのわずか な変動により、値が大きく変動する。このた め、逆変換で得られる復元画像は、手ぶれが ない状態で写した画像とはほど遠いものとな り、実際上は利用できない。第2に、ノイズ を考慮した逆変換を行う場合、連立方程式 解の特異値分解等で解を推定する方法も採 できるが、その推定のための計算値が天文 的な大きさになり、実際的には解くことが きなくなるリスクが高い。

 上述したように、本発明の課題は、画像 復元するに当たり、装置の大型化を防止す と共に、現実性のある回路処理方式を有す 画像処理装置および画像処理方法を提供す ことである。

 上記課題を解決するために、本発明の画 処理装置は、カラー画像を処理する処理部 有する画像処理装置において、処理部は、 理対象となる原画像のデータである原画像 ータから、原画像輝度データと原画像色差 ータを分離し、原画像輝度データと原画像 差データとをそれぞれを処理対象のデータ し、原画像輝度データについては、画像変 の要因のデータである変化要因データを利 して、任意の画像輝度データである任意画 輝度データから、この任意画像輝度データ 変化させた比較用の比較画像輝度データを 成し、原画像輝度データと比較画像輝度デ タとを比較した差分のデータである差分輝 データを求め、差分輝度データを上記変化 因データに基づいて任意画像輝度データに 分した復元画像輝度データを生成し、復元 像輝度データを任意画像輝度データの代わ に使用し、同様の処理を繰り返す繰り返し 理を行うことで、原画像が変化する前の画 である基画像の基画像輝度データまたはそ に近似する復元された復元画像輝度データ 生成する処理を行い、原画像色差データに いては、変化要因データを利用して、任意 画像色差データである任意画像色差データ ら、この任意画像色差データを変化させた 較用の比較画像色差データを生成し、原画 色差データと比較画像色差データとを比較 た差分のデータである差分色差データを求 、差分色差データを上記変化要因データに づいて任意画像色差データに配分した復元 像色差データを生成し、復元画像色差デー を任意画像色差データの代わりに使用し、 様の処理を繰り返す繰り返し処理を行うこ で、原画像が変化する前の画像である基画 の基画像色差データまたはそれに近似する 元された復元画像色差データを生成する処 を行うこととする。

 このように画像処理装置を構成した場合 は、画像変化の要因情報を利用して、所定 データを生成することだけで原画像の輝度 ータおよび色差データに近似する復元画像 度データおよび復元画像色差データを生成 ているので、ハードウェア的な増加はほと ど無く、装置が大型化しない。また、復元 像輝度データおよび復元画像色差データか それぞれ比較輝度データおよび比較色差デ タを作り、その比較輝度データと処理対象 原画像の輝度データとを比較するという処 を繰り返し、また、比較色差データと処理 象の原画像の色差データとを比較するとい 処理を繰り返し、徐々に原画像の基となる 化前の画像に近い復元画像輝度データおよ 復元画像色差データを得るので、現実的な 元処理作業となる。このため、画像の復元 理に当たって、現実性のある回路処理方式 有する画像処理装置とすることができる。

 また、他の発明は、上述の発明に加え、 元画像輝度データと復元画像色差データと 合成し、基画像の基画像データまたはそれ 近似する復元された復元画像データを生成 る処理を行うこととする。

 このように画像処理装置を構成した場合 は、現実性のある回路処理方式を有する画 処理装置とすることができる。

 また、他の発明は、上述の発明に加え、 画像色差データを異なる色についての2つの データとし、それぞれについての繰り返し処 理を行うこととする。

 このように画像処理装置を構成した場合 は、異なる色についてそれぞれ復元画像色 データを生成するので、復元精度を高くす ことができる。

 また、他の発明は、上述の発明に加え、 画像色差データについては、圧縮処理を行 、圧縮された圧縮画像色差データについて り返し処理を行い復元画像色差データを生 することとする。

 このように画像処理装置を構成した場合 は、復元処理の高速化を図ることができる

 また、他の発明は、上述の発明に加え、 画像色差データの圧縮は、原画像色差デー のデータを間引く間引き処理であることと る。

 このように画像処理装置を構成した場合 は、復元処理の高速化を図ることができる

 また、他の発明は、上述の発明に加え、 像色差データの圧縮は、復元画像色差デー を生成する処理を、復元画像輝度データを 成する処理を行うビット数よりも少ないビ ト数で処理することとする。

 このように画像処理装置を構成した場合 は、復元処理の高速化を図ることができる

 上記課題を解決するために、本発明の画 処理装置は、カラー画像を処理する画像処 方法において、処理対象となる原画像のデ タである原画像データから、原画像輝度デ タと原画像色差データを分離するステップ 、原画像輝度データと原画像色差データと それぞれを処理対象のデータとし、原画像 度データについては、画像変化の要因のデ タである変化要因データを利用して、任意 画像輝度データである任意画像輝度データ ら、この任意画像輝度データを変化させた 較用の比較画像輝度データを生成するステ プと、原画像輝度データと比較画像輝度デ タとを比較した差分のデータである差分輝 データを求めるステップと、差分輝度デー を上記変化要因データに基づいて任意画像 度データに配分した復元画像輝度データを 成するステップとを有し、復元画像輝度デ タを任意画像輝度データの代わりに使用し 同様の処理を繰り返す繰り返し処理を行う とで、原画像が変化する前の画像である基 像の基画像輝度データまたはそれに近似す 復元された復元画像輝度データを生成する 理を行い、画像色差画像データについては 変化要因データを利用して、任意の画像色 データである任意画像色差データから、こ 任意画像色差データを変化させた比較用の 較画像色差データを生成するステップと、 画像色差データと比較画像色差データとを 較した差分のデータである差分色差データ 求めるステップと、差分色差データを上記 化要因データに基づいて任意画像色差デー に配分した復元画像色差データを生成する テップとを有し、復元画像色差データを任 画像色差データの代わりに使用し、同様の 理を繰り返す繰り返し処理を行うことで、 画像が変化する前の画像である基画像の基 像色差データまたはそれに近似する復元さ た復元画像色差データを生成する処理を行 こととする。

 このように画像処理方法による場合には 画像変化の要因情報を利用して、所定のデ タを生成することだけで原画像の輝度デー および色差データに近似する復元画像輝度 ータおよび復元画像色差データを生成して るので、ハードウェア的な増加はほとんど く、この方法を採用した装置は大型化しな 。また、復元画像輝度データおよび復元画 色差データからそれぞれ比較輝度データお び比較色差データを作り、その比較輝度デ タと処理対象の原画像の輝度データとを比 するという処理を繰り返し、また、比較色 データと処理対象の原画像の色差データと 比較するという処理を繰り返し、徐々に原 像の基となる変化前の画像に近い復元画像 度データおよび復元画像色差データを得る で、現実的な復元処理方法となる。このた 、画像の復元処理に当たって、現実性のあ 画像処理方法とすることができる。

 本発明によれば、劣化した画像を復元す に当たり、装置の大型化を防止できると共 、現実性のある回路処理方式を有する画像 理装置および画像処理方法とすることがで る。

本発明の実施の形態に係る画像処理装 の主要構成を示すブロック図である。 図1に示す画像処理装置の概要を示す外 観斜視図で、角速度センサの配置位置を説明 するための図である。 図1に示す画像処理装置の処理部で行う 処理方法(処理ルーチン)であって基本的な考 方を説明するための処理フロー図である。 図3に示す処理方法の概念を説明するた めの図である。 図3に示す処理方法を、手ぶれを例にし て具体的に説明するための図で、手ぶれのな いときのエネルギーの集中を示す表である。 図3に示す処理方法を、手ぶれを例にし て具体的に説明するための図で、手ぶれのな いときの輝度情報についての光エネルギー量 の分布を示す図である。 図3に示す処理方法を、手ぶれを例にし て具体的に説明するための図で、手ぶれが生 じたときの輝度情報についての光エネルギー 量のエネルギーの分散を示す図である。 図3に示す処理方法を、手ぶれを例にし て具体的に説明するための図で、任意の画像 の輝度データから比較画像輝度データを生成 する状況を説明するための図である。 図3に示す処理方法を、手ぶれを例にし て具体的に説明するための図で、比較画像輝 度データと、処理対象となるぶれた原画像の 輝度データとを比較して、差分輝度データを 生成する状況を説明するための図である。 図3に示す処理方法を、手ぶれを例に て具体的に説明するための図で、差分輝度 ータを配分し任意の画像の輝度データに加 ることで復元画像輝度データを生成する状 を説明するための図である。 図3に示す処理方法を、手ぶれを例に て具体的に説明するための図で、生成され 復元画像輝度データから新たな比較画像輝 データを生成し、そのデータと処理対象と るぶれた原画像の輝度データとを比較して 分輝度データを生成する状況を説明するた の図である。 図3に示す処理方法を、手ぶれを例に て具体的に説明するための図で、新たに生 された差分輝度データを配分し、新たな復 画像輝度データを生成する状況を説明する めの図である。

符号の説明

 1 ・・・ 画像処理装置
 4 ・・・ 処理部
 Img″ ・・・ 原画像データ
 YImg″ ・・・ 原画像輝度データ
 UImg″,VImg″ ・・・ 原画像色差データ
 G ・・・ 変化要因データ
 YI 0  ・・・ 任意画像輝度データ
 YI 0 ″ ・・・ 比較画像輝度データ
 Yδ ・・・ 差分輝度データ
 YI 0+n  ・・・ 復元画像輝度データ
 YImg ・・・ 基画像輝度データ
 UI 0 ,VI 0  ・・・ 任意画像色差データ
 UI 0 ″,VI 0 ″ ・・・ 比較画像色差データ
 Uδ,Vδ ・・・ 差分色差データ
 UI 0+n ,VI 0+n  ・・・ 復元画像色差データ
 UImg,VImg ・・・ 基画像色差データ

 以下、本発明の第1の実施の形態に係る画 像処理装置1について図を参照しながら説明 る。なお、この画像処理装置1は、撮像部にC CD(Charge Coupled Device)を使用した民生用のいわ ゆるデジタルカメラとしているが、撮像部に CCD等の撮像素子を用いる監視用カメラ、テレ ビ用カメラ用、内視鏡用カメラ等、他の用途 のカメラとしたり、顕微鏡用、双眼鏡用、さ らには核磁気共鳴撮影用等の画像診断装置等 、カメラ以外の機器にも適用できる。また、 画像処理方法については、画像処理装置1の 明と併せて行うこととする。

 画像処理装置1は、人物等の映像を撮影す る撮像部2と、その撮像部2を駆動する制御系 3と、撮像部2で撮影された画像を処理する 理部4とを有している。また、この実施の形 に係る画像処理装置1は、さらに処理部4で 理された画像を記録する記録部5と、角速度 ンサ等からなり、撮影される画像の変化(劣 化)の要因となる変化要因情報を検知する検 部6と、画像の変化等を生じさせる既知の変 要因情報を保存する要因情報保存部7を有す る。

 撮像部2は、レンズを有する撮影光学系や レンズを通過した光を電気信号に変換するCCD やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮 像素子を備える部分である。この撮像部2は R(赤)、G(緑)、B(青)の三色のカラー画像信号 生成し出力する。撮像部2は、撮像面にRGB別 フィルタがレイヤ配列されている撮像素子 1つ使用するいわゆる単板式のもの、あるい は、撮影光学系を通過した撮影光をダイクロ イックプリズムによりRGBの三色、別々の色光 に分離し、各色光毎に撮像素子を備えるいわ ゆる3板式のもの、いずれのもの(単板式/3板 )でもよい。制御系部3は、撮像部2、処理部4 記録部5、検出部6、および要因情報保存部7 、画像処理装置1内の各部を制御するもので ある。

 処理部4は、画像処理プロセサで構成され ており、ASIC(Application Specific Integrated Circuit) のようなハードウェアで構成されている。こ の処理部4には、後述する比較用画像の画像 度データ(以下、比較画像輝度データ)や比較 用画像の画像色差データ(以下、比較画像色 データ)を生成する際の元となる画像が保管 れることもある。処理部4は、ASICのような ードウェアとして構成されるのではなく、 フトウェアで処理する構成としても良い。 録部5は、半導体メモリで構成されているが ハードディスクドライブ等の磁気記録手段 、DVD等を使用する光記録手段等を採用して 良い。

 検出部6は、図2に示すように、画像処理 置1の光軸であるZ軸に対して垂直方向となる X軸、Y軸の回りの速度を検出する2つの角速度 センサを備えるものである。ところで、カメ ラで撮影する際の手ぶれは、X方向、Y方向、Z 方向の各方向への移動やZ軸回りの回動も生 るが、各変動により最も大きな影響を受け のは、Y軸回りの回転とX軸回りの回転である 。これら2つの変動は、ほんのわずかに変動 ただけで、その撮影された画像は大きくぼ る。このため、この実施の形態では、図2のX 軸回りとY軸回りの2つの角速度センサのみを 置している。しかし、より完全を期すためZ 軸回りの角速度センサをさらに付加したり、 X方向やY方向への移動を検出するセンサを付 しても良い。また、使用するセンサとして 、角速度センサではなく、角加速度センサ しても良い。

 要因情報保存部7は、撮影画像を変化させ る変化要因の情報であって撮影を開始する前 に判っている既知の変化要因データが保存さ れる。既知の変化要因の情報としては、例え ば、光学系の収差等である。なお、この実施 の形態では、要因情報保存部7には、光学系 収差やレンズのひずみの情報が保存されて るが、後述する手ぶれのぼけの復元の際に それらの情報は、利用していない。

 次に、以上のように構成された画像処理 置1の処理部4の処理方法の概要を説明する

 処理部4では、先ず、処理対象となる撮影 画像データである原画像データImg″から、YUV の信号を分離する。すなわち、原画像データ Img″から、撮影画像の輝度情報である原画像 輝度データYImg″と、撮影画像の青色につい の色差情報である原画像色差データUImg″と 赤色についての色差情報である原画像色差 ータVImg″とを分離する。かかる分離を行う 処理ステップの後、原画像輝度データYImg″ 原画像色差データUImg″および原画像色差デ タVImg″のそれぞれについて、図3に示す復 処理を行う。図3は、原画像輝度データYImg″ の処理(復元処理)につて説明したフローであ が、原画像色差データUImg″および原画像色 差データVImg″についても同様の復元処理を う。

 図3中、「YI 0 」は、任意の画像の輝度データである任意画 像輝度データであり、この任意画像輝度デー タYI 0 は、処理部4の記録部に予め保存されている 「YI 0 ″」は、その任意画像輝度データYI 0 の変化画像のデータを示し、比較のための画 像輝度データ(以下、比較画像輝度データ)で る。「G」は、検出部6で検出された変化要 の情報(=劣化要因の情報(点像関数))となる変 化要因データであり、処理部4の記録部に保 されているものである。なお、原画像輝度 ータYImg″は、撮影画像データから分離され ものである。すなわち、撮影時の手ぶれ等 よる変化要因によって変化させられている 画像データImg″(撮影画像データ)から分離 れた輝度データであり、この原画像輝度デ タYImg″も変化要因によって、変化させられ いる。

 「Yδ」は、原画像輝度データYImg″と、比較 画像輝度データYI 0 ″との差分のデータである差分輝度データで ある。「k」は、変化要因データGに基づく配 比である。「YI 0+n 」は、任意画像輝度データYI 0 に、差分輝度データYδを変化要因データに基 づいて配分して新たに生成した復元画像輝度 データである。「YImg」は、原画像データImg の基となった、変化する前の本来の画像の 像データ(以下、基画像データという)につい ての輝度データである(以下、基画像輝度デ タという。)。ここで、YImgとYImg″の関係は 次の(1)式で現されるものとする。
  YImg″=YImg*G ・・・(1)
 「*」は、重畳積分を表わす演算子である。
 なお、差分輝度データYδは、対応する画素 単純な差分でも良い場合もあるが、一般的 は、変化要因データGにより異なり、次の(2) 式で表わされる。
  Yδ=f(YImg″,YI 0 ,G)・・・(2)

 処理部4の処理ルーチンは、まず、任意画像 輝度データYI 0 を初期データとして用意することから始まる (ステップS101)。この初期データである任意画 像輝度データYI 0 としては、撮影した画像のデータである原画 像データImg″の輝度データを用いても良く、 また、黒ベタ、白ベタ、灰色ベタ、市松模様 等どのような画像の輝度データを用いても良 い。ステップS102で、(1)式のYImgの代わりに任 画像輝度データYI 0 を入れ、この任意画像輝度データYI 0 が変化要因データGにより変化させられた比 画像輝度データYI 0 ″を求める。次に、原画像輝度データYImg″ 比較画像輝度データYI 0 ″とを比較し、差分輝度データYδを算出する (ステップS103)。

 次に、ステップS104で、この差分輝度データ Yδが所定値以上であるか否かを判断し、所定 値以上であれば、ステップS105で新たな任意 像輝度データ(=復元画像輝度データ)YI 0+n を生成する処理を行う。すなわち、差分輝度 データYδを変化要因データGに基づいて、任 画像輝度データYI 0 に配分し、復元画像輝度データYI 0+n を生成する。その後、復元画像輝度データYI 0+n をステップS102における任意画像輝度データYI 0 の代わりに、ステップS102,S103,S104を繰り返す

 ステップS104において、差分輝度データYδが 所定値より小さい場合、処理を終了する(ス ップS106)。そして、処理を終了した時点での 復元画像輝度データYI 0+n を正しい輝度データ、すなわち劣化のない基 画像データImgの輝度データと推定し、その輝 度データを記録部5に記録する。なお、記録 5には、任意画像輝度データYI 0 や変化要因データGを記録しておき、必要に り処理部4に渡すようにしても良い。

 以上の処理方法の考え方をまとめると以 のようになる。すなわち、この処理方法に いては、処理の解を逆問題としては解かず 合理的な解を求める最適化問題として解く である。逆問題として解く場合、特許文献2 の記載にもあるように、理論上は可能である が、現実問題としては困難である。

 最適化問題として解くということは、次の 件を前提としている。
すなわち、
(1)入力に対する出力は、一意に決まる。
(2)出力が同じであれば、入力は同じである。
(3)出力が同じになるように、入力を更新しな がら反復処理することにより、解を収束させ ていく。

 このことを換言すれば、図4(A)(B)に示すよう に、原画像輝度データYImg″と近似である比 画像輝度データYI 0 ″(YI 0+n ″)を生成できれば、その生成の基データと る任意画像輝度データYI 0 または復元画像輝度データYI 0+n は、原画像輝度データYImg″の基となる基画 輝度データYImgに近似したものとなる。

 なお、この実施の形態では、角速度検出 ンサは5μsec毎に角速度を検出している。ま 、差分輝度データYδの判定基準となる値は 各データを8ビット(0~255)で表わした場合に この実施の形態では「6」としている。すな ち、6より小さい、つまり5以下の時は、処 を終了している。また、角速度検出センサ 検出した手ぶれの生データは、センサ自体 校正が不十分なときは、実際の手ぶれとは 応しない。よって実際の手ぶれに対応させ ため、センサが校正されていないときは、 ンサで検出した生データに所定の倍率をか たりする補正が必要とされる。

 次に、図3および図4に示す処理方法の詳 を、図5,図6,図7,図8,図9,図10,図11および図12に 基づいて説明する。

 (手ぶれの復元アルゴリズム)
 手ぶれが無いとき、所定の画素に対応する エネルギーは、露光時間中、その画素に集 する。また、撮影時の露光時間中に手ぶれ より画像処理装置1がぶれた場合、光エネル ギーは、露光時間中にぶれた画素に分散する 。さらに、露光時間中のぶれが判れば、露光 時間中の光エネルギーの分散の仕方が判るた め、ぶれた画像からぶれの無い画像を作るこ とが可能となる。

 以下、簡単のため、横一次元で説明する 画素を左から順に、・・・,n-1,n,n+1,n+2,n+3,・ ・・とし、ある画素nに注目する。ぶれが無 とき、露光時間中の光エネルギーは、その 素に集中するため、光エネルギーの集中度 「1.0」である。この状態を図5に示す。この きの各画素についての輝度情報についての エネルギー量分布を図6の表に示す。この図 6に示すものが、手ぶれによる劣化のない基 像データImgについての輝度情報についての 画像輝度データYImgとなる。なお、各データ 、8ビット(0~255)のデータで表わしている。

 露光時間中にぶれがあり、露光時間中の5 0%の時間はn番目の画素に、30%の時間はn+1番目 の画素に、20%の時間はn+2番目の画素に、それ ぞれぶれていたとする。光エネルギーの分散 の仕方は、図7に示す表の通りとなる。これ 変化要因データGとなる。

 ぶれは、全ての画素で一様であるので、 ぶれ(縦ぶれ)が無いとすると、ぶれの状況 、図8に示す表の通りとなる。図8中の「理想 画像」として示されるデータは、基画像デー タImgの基画像輝度データYImgで、「ぶれ画像 として示されるデータが、撮影された画像 ある原画像データImg″の原画像輝度データYI mg″となる。具体的には、たとえば「n-3」の 素の「120」は、画像変化の要因であるぶれ ついての変化要因データGの「0.5」「0.3」「 0.2」の配分比に従い、「n-3」の画素に「60」 「n-2」の画素に「36」、「n-1」の画素に「24 」というように分散する。同様に、「n-2」の 画素のデータである「60」は、「n-2」に「30 、「n-1」に「18」、「n」に「12」として分散 する。この原画像輝度データYImg″と、図7に す変化要因データGからぶれの無い撮影画像 を算出することとなる。

 ステップS101に示す任意画像輝度データYI 0 としては、どのようなものでも採用できるが 、この説明に当たっては、原画像輝度データ YImg″を用いる。すなわち、YI 0 =YImg″として処理を開始する。図9の表中に「 入力」とされたものが任意画像輝度データYI 0 に相当する。この任意画像輝度データYI 0 、すなわち原画像輝度データYImg″に、ステ プS102で変化要因データGを作用させる。すな わち、たとえば、任意画像データYI 0 の「n-3」の画素の「60」は、n-3の画素に「30 が、「n-2」の画素に「18」が、「n-1」の画素 に「12」がそれぞれ割り振られる。他の画素 ついても同様に配分され、「出力」として される比較画像輝度データYI 0 ″が生成される。その結果、ステップS103の 分輝度データYδは、図9の最下欄に示すよう なる。

 この後、ステップS104にて差分輝度データYδ の大きさを判断する。具体的には、差分輝度 データYδが全て絶対値で5未満となった場合 処理を終了するが、図9に示す差分輝度デー Yδは、この条件に合わないため、ステップS 105に進む。すなわち、差分輝度データYδを変 化要因データGを使用して、任意画像輝度デ タYI 0 に配分して、図10中の「次回入力」として示 れる復元画像輝度データYI 0+n を生成する。この場合、第1回目であるため 図10では、n=1として、YI 0+1 と表している。

 差分輝度データYδの配分は、たとえば「n-3 の画素のデータ「30」に自分の所(=「n-3」の 画素)の配分比である0.5をかけた「15」を「n-3 」の画素に配分し、また「n-2」の画素のデー タ「15」にその「n-2」の画素に来ているはず 配分比である0.3をかけた「4.5」を配分し、 らに、「n-1」の画素のデータ「9.2」に、そ 「n-1」の画素に来ているはずの配分比であ 0.2をかけた「1.84」を配分する。「n-3」の画 素に配分された総量は、「21.34」となり、こ 値を任意画像輝度データYI 0 (ここでは撮影画像の輝度データである原画 輝度データYImg″を使用)にプラスして、復元 画像輝度データYI 0+1 を生成している。この復元画像輝度データYI 0+1 は、図10の表中の「次回入力」に相当するも である。

 図11に示すように、この復元画像輝度デー YI 0+1 がステップS102の入力画像のデータ(=任意画像 輝度データYI 0 )になり、ステップS102が実行される。図11の 中の「入力」は、復元画像輝度データYI 0+1 に相当する。そして、ステップS103へと移行 、新しい差分輝度データYδを得る。この新 い差分輝度データYδの大きさをステップS104 判断し、所定値以上の場合、ステップS105で 新しい差分輝度データYδを前回の復元画像輝 度データYI 0+1 に配分し、新しい復元画像輝度データYI 0+2 を生成する。この復元画像輝度データYI 0+2 は、図12の表中の「次回入力」に相当するも である。その後、ステップS102の遂行により 、復元画像輝度データYI 0+2 から新しい比較用画像輝度データYI 0+2 ″が生成される。このように、ステップS102,S 103が実行された後、ステップS104へ行き、そ での判断によりステップS105へ行ったり、ス ップS106へ移行する。このような処理を繰り 返す。

 この画像処理装置1では、処理するに当た り、ステップS104において、事前に処理回数 、差分輝度データYδの判断基準値のいずれ 一方または両者を設定できる。たとえば処 回数として20回、50回等任意の回数を設定で る。また、処理を停止させる差分輝度デー Yδの値を8ビット(0~255)中の「5」と設定し、5 以下になったら処理を終了させたり、「0.5」 と設定し「0.5」以下になったら処理を終了さ せることができる。この設定値を任意に設定 できる。処理回数と判断基準値の両者を入力 した場合、いずれか一方が満足されたとき処 理は停止される。なお、両者の設定を可能と したとき、判断基準値を優先し、所定の回数 の処理では判断基準値内に入らなかった場合 、さらに所定回数の処理を繰り返すようにし ても良い。

 上述した図3に示す処理を、原画像色差デ ータUImg″および原画像色差データVImg″につ てもそれぞれ行う。この場合、原画像色差 ータUImg″について処理を行う場合には、図 3に示すステップS101からステップS105の内容は 以下のようになる。

 先ず、ステップS101においては、任意画像輝 度データYI 0 の変わりに、任意画像色差データUI 0 が用意される。この任意画像色差データUI 0 は、処理部4の記録部に予め保存されている うにしても良いが、ここでは、原画像デー Img″の色差データである原画像色差データUI mg″を用いる。

 ステップS102では、任意画像色差データUI 0 に、変化要因データGを作用させ、比較画像 差データUI 0 ″を求める。そして、ステップS103では、原 像色差データUImg″と比較画像色差データUI 0 ″とを比較し、差分色差データUδを算出する 。

 ステップS104では、差分色差データUδが所定 値以上であるかどうか否かを判断し、所定値 以上でれば、ステップS105において、新たな 意画像色差データ(=復元画像色差データ)UI 0+1 を生成する処理が行われる。その後、復元画 像色差データUI 0+1 をステップS102における任意画像色差データUI 0 として、ステップ102、ステップ103、ステップ 104を繰り返す。

 そして、ステップS104において、差分色差デ ータUδが所定値より小さい場合、処理を終了 する(S106)。この処理が終了した時点での復元 画像色差データUI 0+n ″を正しい色差データ、すなわち、劣化のな い基画像データImgの青色についての色差情報 のデータと推定し、この復元画像色差データ UI 0+n ″を記録部5に記録する。

 次に、原画像色差データVImg″について、 図3に示すステップS101からステップS105の処理 を行う場合について説明する。

 先ず、ステップS101においては、任意画像輝 度データYI 0 の変わりに、任意画像色差データVI 0 が用意される。この任意画像色差データVI 0 は、処理部4の記録部に予め保存されている うにしても良いが、ここでは、原画像デー Img″の色差データである原画像色差データVI mg″を用いる。

 ステップS102では、任意画像色差データVI 0 に、変化要因データGを作用させ、比較画像 差データVI 0 ″を求める。そして、ステップS103では、原 像色差データVImg″と比較画像データVI 0 ″とを比較し、差分色差データVδを算出する 。

 ステップS104では、差分色差データVδが所定 値以上であるかどうか否かを判断し、所定値 以上でれば、ステップS105において、新たな 意画像色差データ(=復元画像色差データ)VI 0+1 を生成する処理が行われる。その後、復元画 像色差データVI 0+1 をステップS102における任意画像色差データVI 0 として、ステップ102、ステップ103、ステップ 104を繰り返す。

 そして、ステップS104において、差分色差デ ータVδが所定値より小さい場合、処理を終了 する(S106)。この処理が終了された時点での復 元画像色差データVI 0+n ″を正しい色差データ、すなわち、劣化のな い基画像データImgの赤色についての色差情報 のデータと推定し、この復元画像色差データ VI 0+n ″を記録部5に記録する。

 なお、図3に示す処理の変形例や、図4か 図12を参照しながら説明した原画像輝度デー タの処理は、そのまま、原画像色差データUIm g″および原画像色差データVImg″の処理に適 することができる。

 以上のようにして求められ、そして、記録 5に記録されている復元画像輝度データYI 0+n ″、復元画像色差データUI 0+n ″および復元画像色差データVI 0+n ″をRGBの信号に変換し合成することで、ぶれ が解消またはほとんど解消された復元画像デ ータI 0+n ″を生成する。そして、この復元画像データ I 0+n ″を、基画像データImgと推定し、図示外のデ ィスプレー等の表示部に表示したり、あるい は、記録部5に記録する。

 ところで、原画像データImg″からYUVの信号( すなわち、原画像輝度データYImg″、原画像 差データUImg″および原画像色差データVImg″ )の分離は、例えば、次の式により行う。
 
 YImg″=0.29891×R+0.58661×G+0.11448×B ・・・ (3)
 UImg″=-0.16974×R‐0.33126×G+0.50000×B ・・・ (4 )
 VImg″=0.50000×R-0.41869×G+0.08131×B ・・・ (5)
 
 ここで、R、G、Bは、原画像データImg″のR( )、G(緑)、B(青)の色成分についての光エネル ー量(輝度)のデータである。そして、上述 た図3の処理により復元された結果の、復元 像輝度データYI 0+n ″、復元画像色差データUI 0+n ″および復元画像輝度データVI 0+n ″を、例えば、次の式により、RGBの信号に変 換する。
 
 R=YI 0+n ″+1.40200×VI 0+n ″ ・・・ (6)
 G=YI 0+n ″-0.34414×UI 0+n ″-0.71414×VI 0+n ″ ・・・ (7)
 B=YI 0+n ″+1.77200×UI 0+n ″ ・・・ (8)
 
 そして、上記の式により求めたRGBの信号を 成することで、復元画像I 0+n ″を求める。なお、上記(3)から(8)式は、例示 であり、他の変換式を採用してもよい。

 ここで、RGB信号から「UImg″」および「VImg 」への変換式である(4)(5)式において、減算 演算を行う項がある。そのため、「UImg″」 「VImg″」が負の値となる場合がある。この 場合には、8ビットを0から255と設定した場合 は、図3の処理に支障がでる。そこで、8ビ トの値の-128から127とすることで、「UImg″」 、「VImg″」が負の値となっても対応するこ ができる。また、原画像色差データUImg″、 画像色差データVImg″の復元処理において、 繰り返し処理の途中で、「UI 0+n ″」あるいは「VI 0+n ″」が、-128から127の範囲を超えた場合につ ては、負側(マイナス側)に越えた分は、-128 、逆に、正側(プラス側)に超えた分は127とし て処理する。なお、「YI 0+n ″」についても、255を越える値が復元された 場合には、255に制限する処理を行う。このよ うにすることで、異常な処理がされることや おかしな色に復元されることを防止すること ができる。

 また、(6)(7)(8)式において、「UI 0+n ″」、「VI 0+n ″」の値によっては、計算式上、RGBの値が負 になってしまうことがあるが、現実的にはRGB の値が負になってしまうことはない。この場 合にも、0から255の範囲を超えた部分につい は、負側(マイナス側)に越えた分は、0に、 に、正側(プラス側)に超えた分は255に補正し た値をRGBの値とし、このRGBとして処理する。 あるいは、さらに、補正したRGBの値から、(3) (4)(5)式により、「YImg″」、「UImg″」、「VImg ″」を算出し、これらの「YImg″」、「UImg″ 、「VImg″」により図3に示す復元処理を行 、再び、(6)(7)(8)の式によりRGBを算出する。 して、RGBの値が正の値になるまで、RGBの値 補正とこの補正されたRGBの値に基づく「YImg 」、「UImg″」、「VImg″」を算出および図3 示す復元処理、そして、RGBの算出という処 を繰り返すようにしてもよい。

 ところで、人間の目は、色の変化に対する 度は、明るさの変化に対する感度よりも低 。すなわち、撮影された画像を見た人間の 覚は、輝度の変化に対する感度に比べて、 の変化についての感度は鈍い。したがって 色差についての情報量を低めにしても、人 の視覚には判別できない場合がある。そこ 、色差に関するデータである原画像色差デ タUImg″および原画像色差データVImg″につ ては、圧縮処理を行いデータ量を少なくし 圧縮処理された原画像色差データUImg″およ 原画像色差データVImg″について上述した復 元処理を行うことにより、復元処理の処理速 度を速めることができる。また、圧縮処理を 行うことによりデータ量が少なくなるので、 記録部5あるいは処理部4の記録部の記録容量 減らすことができる。このように圧縮され データに基づいて復元処理された結果の復 画像色差データUI 0+n ″および復元画像輝度データVI 0+n ″は、復元の精度が低いものとなっている。

 しかしながら、人間の目に敏感な明るさに する原画像輝度データYImg″については、圧 縮処理を行うことなく復元処理を行っている 。すなわち、復元画像データI 0+n ″は輝度の成分については、精度高く復元さ れている。そのため、復元画像データI 0+n ″に基づいて表示される映像は、人間の目に は、良好に復元された画像として認識するこ とができる。

 なお、圧縮の方法としては、原画像デー 輝度データYImg″については8ビットで処理 るのに対し、原画像色差データUImg″および 画像色差データVImg″については、6ビット 処理するというようにデータのビット数を くして処理する方法の他、処理画素を間引 (例えば、処理画素を1つ置き、あるいは2つ きにする)方法がある。処理画素を間引いた 合には、RGBの信号に変換した後、処理され 画素を用いて、処理されなかった画素のRGB 信号を補完する。

 また、スッテプS104において、差分輝度デー タYδおよび差分色差データUδ,Vδに判断基準 を設定している場合には、原画像色差デー UImg″および原画像色差データVImg″の復元処 理については、差分色差データUδ,Vδについ の判断基準値を差分輝度データYδに対する 断基準値よりも差分のデータが大きいもの あっても、復元処理を終了(ステップS106)さ るようにすることで、復元処理の処理時間 短縮化を図るようにしてもよい。原画像色 データUImg″および原画像色差データVImg″に ついては、色差に関するデータであるため、 原画像輝度データYImg″ほど精度よく復元し くても、復元画像データI 0+n ″に基づいて表示される映像は、人間の目に は、良好に復元された画像として認識するこ とができる。したがって、例えば、上記の説 明では、差分輝度データYδが5未満になった 合に、処理を終了(ステップS106)することと ているが、原画像色差データUImg″および原 像色差データVImg″の復元処理については、 差分色差データUδ,Vδが10未満になった場合に 処理を終了(ステップS106)することとすること で、原画像色差データUImg″および原画像色 データVImg″の復元処理の短時間化を図って 良い。

 また、ステップS104において、事前に処理 回数を設定している場合には、原画像輝度デ ータYImg″については、たとえば処理回数と て20回と設定するのに対し、原画像色差デー タUImg″および原画像色差データVImg″の復元 理については、処理回数として10回と設定 てもよい。このようにすることで、原画像 差データUImg″および原画像色差データVImg″ の復元処理の短時間化を図ることができ、ひ いては、原画像データImg″の復元処理の時間 を短縮することができる。なお、2つの原画 色差データUImg″,VImg″についての繰り返し 理回数を異ならせてもよい。

 以上に説明した実施の形態の説明の中で 、要因情報保存部7に保存されている情報を 利用しなかったが、ここに保存されている既 知の変化要因、たとえば光学収差やレンズの ひずみ等のデータを使用するようにしても良 い。その場合、たとえば、先の例(図3)の処理 方法では、ぶれの情報と光学収差の情報を合 わせて1つの変化要因として捉えて処理を行 のが好ましいが、ぶれの情報での処理を終 した後に光学収差の情報での補正を行うよ にしても良い。また、この要因情報保存部7 設置しないようにして、撮影時の動的要因 たとえばぶれのみで画像を修正したり復元 たりしても良い。

 以上、本発明の実施の形態に係る画像処 装置1について説明したが、本発明の要旨を 逸脱しない限り種々変更実施可能である。た とえば、処理部4で行った処理は、ソフトウ アで構成しているが、それぞれ、一部の処 を分担して行うようにした部品からなるハ ドウェアで構成しても良い。

 また、処理対象となる原画像としては撮 画像の他に、その撮影画像を色補正したり フーリエ変換したり等、加工を施したもの しても良い。さらに、比較用画像データと ては、変化要因データGを使用して生成した データ以外に、変化要因データGを使用して 成したものに色補正を加えたり、フーリエ 換したりしたデータとしても良い。また、 化要因データとしては、手ぶれによる画像 劣化の要因のデータ(情報)の他に、単に画像 を変化させる情報や、劣化とは逆に、画像を 良くする情報を含であってもよい。

 また、上述した各処理方法は、プログラ 化されても良い。また、プログラム化され ものが記憶媒体、たとえばCD、DVD、USBメモ に入れられ、コンピュータによって読み通 可能とされても良い。この場合、画像処理 置1は、その記憶媒体内のプログラムを読み む読み込み手段を持つこととなる。さらに 、そのプログラム化されたものが画像処理 置1の外部のサーバに入れられ、必要により ダウンロードされ、使用されるようにしても 良い。この場合、画像処理装置1は、その記 媒体内のプログラムをダウンロードする通 手段を持つこととなる。