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Patent Searching and Data


Title:
IMMOBILIZED CYCLIC IMIDE CATALYST AND PROCESS FOR OXIDATION OF ORGANIC COMPOUNDS WITH THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/108073
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention provides a solid catalyst containing cyclic imide skeletons which is easily available and easily separable from reaction products and which is easy of recovery and regeneration and free from reaction inhibition factors; and a process for oxidation of organic compounds with the solid catalyst. An immobilized cyclic imide catalyst having a structure represented by the general formula (1) [wherein X is oxygen or -OR (wherein R is hydrogen or a hydroxyl-protecting groups); n is 0 or 1; Z1 is a five- or six-membered cyclic imide skeleton to which an aromatic or nonaromatic ring Z2 may be adjoined; S is an inorganic carrier; A1 is a group connecting a silicon atom and the cyclic imide skeleton Z1 or the ring Z2 and is either a divalent hydrocarbon group or a group composed of a divalent hydrocarbon group and amide linkage (-NHCO-); and the cyclic imide skeleton Z1 and the ring Z2 may be substituted].

Inventors:
ISHII YASUTAKA (JP)
TAKANO MINORU (JP)
HIRAI NARUHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000390
Publication Date:
September 12, 2008
Filing Date:
February 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAICEL CHEM (JP)
ISHII YASUTAKA (JP)
TAKANO MINORU (JP)
HIRAI NARUHISA (JP)
International Classes:
B01J31/26; C07B41/06; C07B41/08; C07C45/36; C07C47/542; C07C51/265; C07C63/04; C07C63/26; C07B61/00; C07D209/48
Domestic Patent References:
WO2000046145A12000-08-10
WO1999050204A11999-10-07
Foreign References:
JP2006026504A2006-02-02
JP2003128603A2003-05-08
JP2003064067A2003-03-05
JPH09327626A1997-12-22
JP2002282698A2002-10-02
JPH0838909C
JP2000219650A2000-08-08
JP2000212116A2000-08-02
JP2000219652A2000-08-08
JPH10316610A1998-12-02
JPH10310543A1998-11-24
JPH0838909C
JPH09327626A1997-12-22
JP2000345824A2000-12-12
JPH10309469A1998-11-24
JP2000345823A2000-12-12
Other References:
See also references of EP 2116303A4
Attorney, Agent or Firm:
GOTO, Yukihisa (2-18 Kobai-cho Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 38, JP)
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Claims:
 下記式(1)
[式中、Xは酸素原子又は-OR基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)を示し、nは0又は1を示す。Z 1 は5員又は6員の環状イミド骨格を示す。環状イミド骨格Z 1 には芳香族性又は非芳香族性の環Z 2 が隣接していてもよい。楕円で囲まれたSは無機担体を示す。A 1 は無機担体Sと環状イミド骨格Z 1 又は環Z 2 とを連結する連結基であって、2価の炭化水素基、又は2価の炭化水素基とアミド結合(-NHCO-)からなる基である。環状イミド骨格Z 1 、環Z 2 は、それぞれ置換基を有していてもよい。分子中に環Z 2 が隣接していてもよい環状イミド骨格Z 1 を複数個有していてもよい]
で表される構造を有する環状イミド固定化触媒。
 式(1)において、(i)n=0であり、且つ環Z 2 が環状イミド骨格Z 1 と1辺を共有する6員の芳香族性又は非芳香族性の炭素環であるか、又は(ii)n=1であり、且つ環Z 2 が環状イミド骨格Z 1 と2辺を共有するナフタレン環又はデカリン環である請求項1記載の環状イミド固定化触媒。
 無機担体Sが、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア及びセリアからなる群より選択された少なくとも1種、又はケイ素、アルミニウム、ジルコニウム及びセリウムからなる群より選択された2種以上の元素の複合酸化物である請求項1記載の環状イミド固定化触媒。
 請求項1~3の何れかの項に記載の環状イミド固定化触媒の存在下、有機化合物を酸化することを特徴とする有機化合物の酸化方法。
 酸化反応を流動床式又は固定床式で行う請求項4記載の有機化合物の酸化方法。
 炭化水素類を酸化して、ヒドロペルオキシド、アルコール、カルボニル化合物及びカルボン酸から選択された少なくとも1種の化合物を生成させる請求項4又は5記載の有機化合物の酸化方法。
Description:
環状イミド固定化触媒、及びそ を用いた有機化合物の酸化方法

 本発明は、酸化反応に有用な環状イミド 定化触媒と、それを用いた有機化合物の酸 方法に関する。

 酸化反応は、有機化学工業における最も 本的な反応の一つであるため、種々の酸化 が開発されている。資源及び環境上の観点 ら、好ましい酸化方法は、分子状酸素又は 気を酸化剤として直接利用する触媒的な酸 法である。しかし、触媒的な酸化法では、 常、酸素を活性化するために高温や高圧を 要としたり、温和な条件で反応させるため はアルデヒドなどの還元剤の共存下で反応 せる必要がある。そのため、触媒的酸化法 用いて、温和な条件下で、アルコール類や ルボン酸を簡易に且つ効率よく製造するこ は困難であった。

 特開平8-38909号公報及び特開平9-327626号公 には、分子状酸素により有機基質を酸化す ための触媒として、特定の構造を有するイ ド化合物(N-ヒドロキシフタルイミド等)、又 は前記イミド化合物と遷移金属化合物などと で構成された酸化触媒が提案されている。こ れらのイミド化合物を触媒として用いる方法 によれば、比較的温和な条件下で、炭化水素 類等の有機化合物を酸化でき、ヒドロペルオ キシド、アルコール、カルボニル化合物、カ ルボン酸等の酸化生成物を比較的収率よく得 ることができる。しかし、これらの方法はい ずれも液相均一反応であるため、反応混合液 から目的生成物及び触媒を分離回収するのに 煩雑な操作が必要となる。

 特開2002-282698号公報には、反応終了後の 液から煩雑な分離操作なしに単離回収可能 N-ヒドロキシフタルイミド触媒として、アミ ノアルキル基を介して固体に結合したN-ヒド キシフタルイミド触媒が開示されている。 かし、この触媒は、原料となる4-ホルミル-N -ヒドロキシフタルイミドが入手困難である に加え、ナトリウムボロハイドライドとい 禁水性で取扱いにくい物質を還元剤として いる必要があり、コスト面、製造設備面で 利である。また、この触媒はアミン化合物 あり、アミンの窒素原子上の非共有電子対 よりラジカル禁止剤として作用して酸化反 を阻害することがあるので、触媒の長期連 などを考慮すると望ましい触媒とは言えな 。

特開平8-38909号公報

特開平9-327626号公報

特開2002-282698号公報

 従って、本発明の目的は、入手が容易で るとともに、反応生成物と容易に分離でき 回収及び再生が簡単で、しかも反応阻害要 を持たない環状イミド固定化触媒と、該固 化触媒を用いた有機化合物の酸化方法を提 することにある。

 本発明者らは、前記目的を達成するため 意検討した結果、無機担体と環状イミド骨 とを特定の連結基(スペーサー)で結合した 体触媒(環状イミド骨格を固定化した触媒)を 用いると、有機化合物を温和な条件下で円滑 に酸化できるとともに、反応生成物と触媒と を容易に分離回収できること、該触媒の調製 が容易であること、触媒中に酸化反応に対す る阻害要因を内包しないため長期連用が可能 であること、及び回収した触媒は簡単な操作 で再生でき、繰り返し反応に利用できること を見出し、本発明を完成した。

 すなわち、本発明は、下記式(1)
[式中、Xは酸素原子又は-OR基(Rは水素原子又 ヒドロキシル基の保護基を示す)を示し、nは 0又は1を示す。Z 1 は5員又は6員の環状イミド骨格を示す。環状 ミド骨格Z 1 には芳香族性又は非芳香族性の環Z 2 が隣接していてもよい。楕円で囲まれたSは 機担体を示す。A 1 は無機担体Sと環状イミド骨格Z 1 又は環Z 2 とを連結する連結基であって、2価の炭化水 基、又は2価の炭化水素基とアミド結合(-NHCO- )からなる基である。環状イミド骨格Z 1 、環Z 2 は、それぞれ置換基を有していてもよい。分 子中に環Z 2 が隣接していてもよい環状イミド骨格Z 1 を複数個有していてもよい]
で表される構造を有する環状イミド固定化触 媒を提供する。

 前記式(1)において、(i)n=0であり、且つ環Z 2 が環状イミド骨格Z 1 と1辺を共有する6員の芳香族性又は非芳香族 の炭素環であるか、又は(ii)n=1であり、且つ 環Z 2 が環状イミド骨格Z 1 と2辺を共有するナフタレン環又はデカリン であるのが好ましい。

 無機担体Sには、シリカ、アルミナ、チタ ニア、ジルコニア及びセリアからなる群より 選択された少なくとも1種、及びケイ素、ア ミニウム、ジルコニウム及びセリウムから る群より選択された2種以上の元素の複合酸 物が含まれる。

 本発明は、また、前記の環状イミド固定 触媒の存在下、有機化合物を酸化すること 特徴とする有機化合物の酸化方法を提供す 。

 前記酸化方法において、酸化反応は流動 式又は固定床式で行うことができる。また この酸化方法では、炭化水素類を酸化して ヒドロペルオキシド、アルコール、カルボ ル化合物及びカルボン酸から選択された少 くとも1種の化合物を生成させることができ る。

 なお、前記式(1)において、無機担体Sと連結 基A 1 との結合部位の基(例えば、無機担体Sの表面 能基と連結基A 1 の末端官能基とをシランカップリング反応等 により結合した場合に形成されるシロキサン 結合等の基)は無機担体S(楕円で囲まれたS)に するものとしている。

 本発明によれば、炭化水素類などの有機 合物を温和な条件下で円滑に酸化すること できる。また、触媒が固体触媒であるため 反応生成物と容易に分離できるとともに、 応混合物からの回収が容易である。さらに 環状イミド骨格と無機担体とを結合する連 基が2価の炭化水素基、又は2価の炭化水素 とアミド結合からなる基であるため、調製 容易である。加えて、これらの連結基は酸 反応阻害要因を持たないので、酸化反応触 として好適であり、長期連用も可能である 回収した触媒が失活している場合は、簡単 操作で再生でき、再生した触媒を繰り返し 用することができる。

 [環状イミド骨格を含む固体触媒]
 本発明の環状イミド固定化触媒は、式(1)で される構造を有する。式(1)において、窒素 子とXとの結合は単結合又は二重結合である 。Xは酸素原子又は-OR基(Rは水素原子又はヒド ロキシル基の保護基を示す)を示し、nは0又は 1を示す。Z 1 は5員又は6員の環状イミド骨格を示す。環状 ミド骨格Z 1 には芳香族性又は非芳香族性の環Z 2 が隣接していてもよい。また、分子中に環Z 2 が隣接していてもよい環状イミド骨格Z 1 を複数個有していてもよい。

 式(1)において、前記Xが-OR基であり且つR ヒドロキシル基の保護基である場合、式(1) 表される固体触媒のうちRを除く部分が複数 、Rを介して結合していてもよい。

 式(1)中、Rで示されるヒドロキシル基の保護 基としては、有機合成の分野で慣用のヒドロ キシル基の保護基を用いることができる。こ のような保護基として、例えば、アルキル基 (例えば、メチル、t-ブチル基などのC 1-4 アルキル基など)、アルケニル基(例えば、ア ル基など)、シクロアルキル基(例えば、シ ロヘキシル基など)、アリール基(例えば、2,4 -ジニトロフェニル基など)、アラルキル基(例 えば、ベンジル、2,6-ジクロロベンジル、3-ブ ロモベンジル、2-ニトロベンジル、トリフェ ルメチル基など);置換メチル基(例えば、メ キシメチル、メチルチオメチル、ベンジル キシメチル、t-ブトキシメチル、2-メトキシ エトキシメチル、2,2,2-トリクロロエトキシメ チル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、2-(ト メチルシリル)エトキシメチル基など)、置換 エチル基(例えば、1-エトキシエチル、1-メチ -1-メトキシエチル、1-イソプロポキシエチ 、2,2,2-トリクロロエチル、2-メトキシエチル 基など)、テトラヒドロピラニル基、テトラ ドロフラニル基、1-ヒドロキシアルキル基( えば、1-ヒドロキシエチル、1-ヒドロキシヘ シル、1-ヒドロキシデシル、1-ヒドロキシヘ キサデシル、1-ヒドロキシ-1-フェニルメチル など)等のヒドロキシル基とアセタール又は ヘミアセタール基を形成可能な基など;アシ 基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオ ル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、 バロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、 クタノイル、ノナノイル、デカノイル、ラ ロイル、ミリストイル、パルミトイル、ス アロイル基などのC 1-20 脂肪族アシル基等の脂肪族飽和又は不飽和ア シル基;アセトアセチル基;シクロペンタンカ ボニル、シクロヘキサンカルボニル基など シクロアルカンカルボニル基等の脂環式ア ル基;ベンゾイル、ナフトイル基などの芳香 族アシル基など)、スルホニル基(メタンスル ニル、エタンスルホニル、トリフルオロメ ンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p-ト エンスルホニル、ナフタレンスルホニル基 ど)、アルコキシカルボニル基(例えば、メト キシカルボニル、エトキシカルボニル、t-ブ キシカルボニル基などのC 1-4 アルコキシ-カルボニル基など)、アラルキル キシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシ カルボニル基、p-メトキシベンジルオキシカ ボニル基など)、置換又は無置換カルバモイ ル基(例えば、カルバモイル、メチルカルバ イル、フェニルカルバモイル基など)、無機 (硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸など)からOH基 を除した基、ジアルキルホスフィノチオイル 基(例えば、ジメチルホスフィノチオイル基 ど)、ジアリールホスフィノチオイル基(例え ば、ジフェニルホスフィノチオイル基など) 置換シリル基(例えば、トリメチルシリル、t -ブチルジメチルシリル、トリベンジルシリ 、トリフェニルシリル基など)などが挙げら る。

 また、Xが-OR基である場合において、式(1) で表される固体触媒のうちRを除く部分が複 個、Rを介して結合する場合、該Rとして、例 えば、オキサリル、マロニル、スクシニル、 グルタリル、フタロイル、イソフタロイル、 テレフタロイル基などのポリカルボン酸アシ ル基;カルボニル基;メチレン、エチリデン、 ソプロピリデン、シクロペンチリデン、シ ロヘキシリデン、ベンジリデン基などの多 の炭化水素基(特に、2つのヒドロキシル基 アセタール結合を形成する基)などが挙げら る。

 好ましいRには、例えば、水素原子;ヒド キシル基とアセタール又はヘミアセタール を形成可能な基;カルボン酸、スルホン酸、 酸、カルバミン酸、硫酸、リン酸、ホウ酸 どの酸からOH基を除した基(アシル基、スル ニル基、アルコキシカルボニル基、カルバ イル基等)などの加水分解により脱離可能な 加水分解性保護基が好ましい。Rとしては特 水素原子が好ましい。

 芳香族性又は非芳香族性の環Z 2 としては、例えば5~12員環、特に6~10員環程度 あり、複素環又は縮合複素環であってもよ が、炭化水素環である場合が多い。このよ な環には、例えば、脂環式環(シクロヘキサ ン環等のシクロアルカン環、シクロヘキセン 環等のシクロアルケン環など)、橋かけ環(5- ルボルネン環などの橋かけ式炭化水素環な )、ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香族 環(縮合環を含む)が含まれる。前記環は芳 族性環で構成される場合が多い。

 環状イミド骨格Z 1 、環Z 2 は、それぞれ置換基を有していてもよい。環 状イミド骨格Z 1 の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル 基、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロ キシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、 置換オキシカルボニル基、アシル基、アシル オキシ基などが挙げられる。

 前記ハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、 素およびフッ素原子が含まれる。アルキル には、例えば、メチル、エチル、プロピル イソプロピル、ブチル、ヘキシル、デシル ドデシル基などの炭素数1~30(特に、炭素数1~ 20程度)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含 まれる。

 アリール基には、フェニル、トリル、キ リル、ナフチル基などが含まれ、シクロア キル基には、シクロペンチル、シクロヘキ ル基などが含まれる。アルコキシ基には、 えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキ 、ブトキシ、t-ブトキシ、ヘキシルオキシ デシルオキシ、ドデシルオキシ基などの炭 数1~30(特に、炭素数1~20程度)のアルコキシ基 含まれる。

 置換オキシカルボニル基には、例えば、メ キシカルボニル、エトキシカルボニル、イ プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニ 、t-ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシ ルボニル、デシルオキシカルボニル基など C 1-30 アルコキシ-カルボニル基(特に、C 1-20 アルコキシ-カルボニル基);シクロペンチルオ キシカルボニル、シクロヘキシルオキシカル ボニル基などのシクロアルキルオキシカルボ ニル基(特に、3~20員シクロアルキルオキシカ ボニル基);フェニルオキシカルボニル基な のアリールオキシカルボニル基(特に、C 6-20 アリールオキシ-カルボニル基);ベンジルオキ シカルボニル基などのアラルキルオキシカル ボニル基(特に、C 7-21 アラルキルオキシ-カルボニル基)などが挙げ れる。

 アシル基としては、例えば、ホルミル、ア チル、プロピオニル、ブチリル、イソブチ ル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル デカノイル、ラウロイル基などのC 1-30 脂肪族アシル基(特に、C 1-20 脂肪族アシル基)等の脂肪族飽和又は不飽和 シル基;アセトアセチル基;シクロペンタンカ ルボニル、シクロヘキサンカルボニル基など のシクロアルカンカルボニル基等の脂環式ア シル基;ベンゾイル基などの芳香族アシル基 どが例示できる。

 アシルオキシ基としては、例えば、ホルミ オキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオ シ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ バレリルオキシ、ピバロイルオキシ、デカ イルオキシ、ラウロイルオキシ基などのC 1-30 脂肪族アシルオキシ基(特に、C 1-20 脂肪族アシルオキシ基)等の脂肪族飽和又は 飽和アシルオキシ基;アセトアセチルオキシ ;シクロペンタンカルボニルオキシ、シクロ ヘキサンカルボニルオキシ基などのシクロア ルカンカルボニルオキシ基等の脂環式アシル オキシ基;ベンゾイルオキシ基などの芳香族 シルオキシ基などが例示できる。

 環Z 2 の置換基としては、例えば、アルキル基、ハ ロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ 基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル 基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、 シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などが挙 げられる。アルキル基には、前記環状イミド 骨格Z 1 の置換基として例示したアルキル基と同様の アルキル基、特に炭素数1~6程度のアルキル基 が含まれ、ハロアルキル基には、トリフルオ ロメチル基などの炭素数1~10程度(特に炭素数1 ~4程度)のハロアルキル基、アルコキシ基には 、前記と同様のアルコキシ基、特に炭素数1~4 程度の低級アルコキシ基、置換オキシカルボ ニル基には、前記と同様の置換オキシカルボ ニル基(アルコキシカルボニル基、シクロア キルオキシカルボニル基、アリールオキシ ルボニル基、アラルキルオキシカルボニル など)が含まれる。また、アシル基としては 記と同様のアシル基(脂肪族飽和又は不飽和 アシル基、アセトアセチル基、脂環式アシル 基、芳香族アシル基等)などが例示され、ア ルオキシ基としては前記と同様のアシルオ シ基(脂肪族飽和又は不飽和アシルオキシ基 アセトアセチルオキシ基、脂環式アシルオ シ基、芳香族アシルオキシ基等)などが例示 される。ハロゲン原子としては、フッ素、塩 素、臭素原子が例示できる。環Z 2 の置換基としては、炭素数1~4程度の低級アル キル基、カルボキシル基、置換オキシカルボ ニル基、ニトロ基、ハロゲン原子が好ましい 。

 式(1)においては、(i)n=0であり、且つ環Z 2 が環状イミド骨格Z 1 と1辺を共有する6員の芳香族性又は非芳香族 の炭素環であるか、又は(ii)n=1であり、且つ 環Z 2 が環状イミド骨格Z 1 と2辺を共有するナフタレン環又はデカリン であるのが特に好ましい。

 式(1)で表される環状イミド固定化触媒のう 、環Z 2 が隣接していてもよい環状イミド骨格Z 1 部位の代表的な構造として、以下の構造が挙 げられる。式中、Xは前記に同じである。式(g )中、Aはメチレン基又は酸素原子を示す。

 環Z 2 が隣接していてもよい環状イミド骨格Z 1 の好ましい骨格の代表例として、N-ヒドロキ コハク酸イミド骨格、N-ヒドロキシマレイ 酸イミド骨格、N-ヒドロキシヘキサヒドロフ タル酸イミド骨格、N,N″-ジヒドロキシシク ヘキサンテトラカルボン酸ジイミド骨格、N- ヒドロキシフタル酸イミド骨格、N-ヒドロキ ハイミック酸イミド骨格、N,N″-ジヒドロキ シピロメリット酸ジイミド骨格、N,N″-ジヒ ロキシナフタレンテトラカルボン酸ジイミ 骨格などの環状イミド骨格Z 1 が5員環である骨格;N-ヒドロキシグルタル酸 ミド骨格、N-ヒドロキシ-1,8-デカリンジカル ン酸イミド骨格、N,N″-ジヒドロキシ-1,8;4,5- デカリンテトラカルボン酸ジイミド骨格、N- ドロキシ-1,8-ナフタレンジカルボン酸イミ 骨格(N-ヒドロキシナフタル酸イミド骨格)、N ,N″-ジヒドロキシ-1,8;4,5-ナフタレンテトラカ ルボン酸ジイミド骨格などの環状イミド骨格 Z 1 が6員環である骨格などが挙げられる。

 前記式(1)において、楕円で囲まれたSは無 機担体を示す。無機担体Sは多孔質のものが ましい。無機担体Sとしては、例えば、シリ 、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリ などが挙げられる。これらは単独で又は2種 以上を組み合わせて使用できる。また、ケイ 素、アルミニウム、ジルコニウム及びセリウ ムからなる群より選択された2種以上の元素 複合酸化物であってもよい。例えば、シリ -アルミナ、シリカ-チタニア、シリカ-ジル ニア、シリカ-セリア、ゼオライトなどを使 できる。これらの中でもシリカ、又はケイ 元素を含む複合酸化物が好ましい。シリカ しては、精密に粒径、細孔径が制御された リカであってもよいが、カラムクロマトグ フ用のシリカゲルや乾燥用のシリカゲルを いることもできる。

 無機担体Sとしては予め表面が活性化された ものを使用してもよい。無機担体Sの表面は 通常、活性な官能基(-OH基;シリカの場合には シラノール基など)を有している。無機担体S 表面の活性な官能基は連結基A 1 の末端官能基とシロキサン結合により結合し ていてもよく、その他の結合様式により結合 されていてもよい。

 無機担体Sの形状は特に制限はないが、ペ レット状又は粉末状であるのが好ましい。そ の大きさは、例えば、直径(又は長径)で、10nm ~10mm、好ましくは0.1~10mmである。無機担体Sの 孔径及びその分布は特に制限されない。

 式(1)において、A 1 は無機担体Sと環状イミド骨格Z 1 又は環Z 2 とを連結する連結基であって、2価の炭化水 基、又は2価の炭化水素基とアミド結合(-NHCO- )からなる基である。連結基A 1 の炭素数は、例えば1~1000程度、好ましくは1~1 00程度、さらに好ましくは1~20程度である。

 2価の炭化水素基としては、メチレン、エ チレン、プロピレン、イソプロピリデン、ト リメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレ ン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、デカ メチレン、ドデカメチレン、テトラデカメチ レン、ペンタデカメチレン、ヘキサデカメチ レン、オクタデカメチレン基等の直鎖状又は 分岐鎖状のアルキレン基等の2価の脂肪族炭 水素基;1,2-シクロペンチレン、1,3-シクロペ チレン、シクロペンチリデン、1,2-シクロへ シレン、1,3-シクロへキシレン、1,4-シクロ キシレン、シクロヘキシリデン基等の2価の 環式炭化水素基;1,2-フェニレン、1,3-フェニ ン1,4-フェニレン基等の2価の芳香族炭化水 基;これらが複数個結合した2価の基などが挙 げられる。

 前記2価の炭化水素は置換基を有していても よい。該置換基としては、例えば、フッ素原 子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子( ましくは、フッ素原子);メチル、エチル、プ ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル 、s-ブチル、t-ブチル、ヘキシル基等のアル ル基(例えば炭素数1~12、好ましくは炭素数1~6 のアルキル基等);シクロペンチル、シクロヘ シル基等のシクロアルキル基(例えば3~15員 好ましくは5又は6員のシクロアルキル基等); ェニル、ナフチル基等のアリール基;トリフ ルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2- トリフルオロエチル基等のハロアルキル基[ えば炭素数1~12、好ましくは炭素数1~8のハロ ルキル基(特に、フルオロアルキル基)等];メ トキシ、エトキシ、プロポキシ基等のアルコ キシ基(例えば炭素数1~12、好ましくは炭素数1 ~6のアルコキシ基等);保護基で保護されてい もよいヒドロキシル基;保護基で保護されて てもよいカルボキシル基[メトキシカルボニ ル、エトキシカルボニル基等の置換オキシカ ルボニル基(例えば、C 1-4 アルコキシ-カルボニル基等)などを含む];シ ノ基;シリル基(後述の-SiY 1 Y 2 Y 3 基等)などが挙げられる。

 2価の炭化水素基とアミド結合からなる連結 基において、アミド結合(-NHCO-)の向きはどち でもよく、アミド結合のカルボニル基側が 状イミド骨格Z 1 側、無機担体S側のいずれにあってもよい。 た、連結基A 1 において、アミド結合は環状イミド骨格Z 1 側の末端に位置していても、中間部に位置し てもよいが、環状イミド骨格Z 1 側の末端に位置するのがより好ましい。その 場合、アミド結合のカルボニル基が環状イミ ド骨格Z 1 を構成する原子(例えば炭素原子)、又は環状 ミド骨格Z 1 に隣接する環Z 2 を構成する原子(例えば炭素原子)に結合する が好ましいが、これに限定されない。2価の 炭化水素基及びアミド結合は、それぞれ2以 存在していてもよい。

 連結基A 1 は、2価の炭化水素基(置換基を有していても い)のみ、又は2価の炭化水素基(置換基を有 ていてもよい)とアミド結合のみで構成され ていてもよいが、触媒性能を損なわない範囲 で、カルボニル基、エポキシ基、エーテル結 合、チオエーテル結合、エステル結合、イミ ド結合、ウレタン結合、ウレア結合、リン酸 エステル結合、シロキサン結合等が1又は2以 介在していてもよい。

 式(1)で表される構造を有する環状イミド固 化触媒において、環状イミド骨格Z 1 の担持量は特に限定されないが、無機担体1g つき、例えば、0.001mmol~20mmol、好ましくは0.0 1mmol~2mmol、さらに好ましくは0.05mmol~0.5mmolの範 囲である。

 式(1)で表される構造を有する環状イミド 定化触媒は、単独で又は2種以上組み合わせ て使用できる。式(1)で表される構造を有する 環状イミド固定化触媒は反応系内で生成させ てもよい。

 式(1)で表される構造を有する環状イミド固 化触媒の使用量は、広い範囲で選択でき、 えば、反応成分(基質)1モルに対して、環状 ミド骨格Z 1 の量として、0.0000001~1モル、好ましくは0.00001 ~0.5モル、さらに好ましくは0.0001~0.4モル、特 好ましくは0.001~0.35モル程度である。

 [環状イミド固定化触媒の製造]
 式(1)で表される構造を有する環状イミド固 化触媒のうち、連結基A 1 が2価の炭化水素基とアミド結合からなる基 ある固定化触媒は、例えば、下記に示され ように、式(2)で表される無機担体Sと、式(3) 表されるシランカップリング剤と、式(4)で される環状イミド骨格を含むカルボン酸又 その反応性誘導体(酸ハライド、酸無水物、 エステル等)とを反応させることにより製造 きる。

 上記式中、Y 1 、Y 2 はヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン 原子又はアルキル基を示し、Y 3 はヒドロキシル基、アルコキシ基又はハロゲ ン原子を示す。A 11 、A 12 は、それぞれ2価の炭化水素基を示す。pは0又 は1を示す。X、Z 1 、Z 2 、楕円で囲まれたSは前記に同じである。式(4 )の化合物は、分子中に環Z 2 が隣接していてもよい環状イミド骨格Z 1 を複数個有していてもよい。

 Y 1 ~Y 3 におけるアルコキシ基としては、例えば、メ トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロピ ルオキシ、ブトキシ、イソブチルオキシ、t- チルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオ シ基等の炭素数1~6程度のアルコキシ基(好ま しくは、炭素数1~4のアルコキシ基)が挙げら る。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭 原子などが挙げられる。Y 1 、Y 2 におけるアルキル基としては、例えば、メチ ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ ル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペン ル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシ 基等の炭素数1~18程度の直鎖状又は分岐鎖状 アルキル基(好ましくは炭素数1~10のアルキ 基、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基) どが挙げられる。A 11 、A 12 における2価の炭化水素基は前記A 1 において例示したものと同様のものが挙げら れる。

 式(3)で表される化合物は、-SiY 1 Y 2 Y 3 基、及びアミノ基を、分子中にそれぞれ複数 個有していてもよい。その場合、複数個の-Si Y 1 Y 2 Y 3 基は同一であっても異なっていてもよい。ま た、式(4)で表される化合物は、カルボキシル 基又はその等価官能基(酸ハライド基、酸無 物基、アルコキシカルボニル基等)を複数個 していてもよい。複数個のカルボキシル基 はその等価官能基を有する場合、それらは 一であっても異なっていてもよい。

 上記方法において、反応の順序は特に限 されず、式(2)で表される無機担体Sと式(3)で 表されるシランカップリング剤とを反応させ た後(シランカップリング反応後)、式(4)で表 れる環状イミド骨格を含むカルボン酸又は の反応性誘導体を反応させてアミド結合を 成してもよく、式(3)で表されるシランカッ リング剤と式(4)で表される環状イミド骨格 含むカルボン酸又はその反応性誘導体とを 応させてアミド結合を形成した後、式(2)で される無機担体Sと反応(シランカップリン 反応)させてもよい。また、前記3成分を同時 に反応させてもよい。

 シランカップリング反応は、シランカッ リング剤と無機物質とを反応させる公知の 法を採用できる。シランカップリング反応 際、シランカップリング剤ととともにジエ キシ(ジメチル)シラン等を用いると、無機 体への担持量(シランカップリング剤の結合 )を精密に制御できる。また、アミド結合形 成反応は、アミンとカルボン酸又はその反応 性誘導体とを反応させる一般的な手法を採用 できる。

 また、式(4)で表される環状イミド骨格を むカルボン酸又はその反応性誘導体の代わ に、環状イミド骨格の前駆骨格を含むカル ン酸又はその反応性誘導体[式(4)で表される 環状イミド骨格を含むカルボン酸又はその反 応性誘導体との混合物であってもよい]を用 て反応させた後、適当な段階において、環 イミド骨格の前駆骨格を環状イミド骨格に 換してもよい。

 環状イミド骨格の前駆骨格としては、例え 、下記の骨格が例示される。
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 は、同一又は異なって、水素原子又は炭化水 素基を示す。環Z 2 、nは前記に同じ。環Z 2 はあってもなくてもよい)

 前記炭化水素基としては、例えば、メチ 、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ 、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル基等のア ルキル基(例えば、炭素数1~6のアルキル基等); シクロペンチル基等のシクロアルキル基、; ェニル基等のアリール基;ベンジル基等のア ルキル基等が挙げられる。

 なお、前記R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 は、上記に限らず、環状イミド骨格の前駆骨 格を有する化合物(環状イミド化合物前駆体) 酸素原子が保護されていてもよいヒドロキ ルアミン(H 2 N-OR;Rは前記に同じ)又はその塩(有機塩又は無 塩)と反応させることにより環状イミド骨格 を有する化合物(環状イミド化合物)に変換し る基であればよい。

 また、式(1)で表される構造を有する環状イ ド固定化触媒のうち、連結基A 1 が2価の炭化水素基である固体触媒は、例え 、下記に示されるように、式(2)で表される 機担体Sと、式(5)で表される、反応性シリル (加水分解性シリル基等)と環状イミド骨格Z 1 又はそれに隣接する環Z 2 とが炭化水素基を介して結合している化合物 とを反応させることにより製造できる。

 上記式中、A 13 は2価の炭化水素基を示す。X、Z 1 、Z 2 、Y 1 、Y 2 、Y 3 、楕円で囲まれたSは前記に同じである。式(5 )の化合物は、分子中に環Z 2 が隣接していてもよい環状イミド骨格Z 1 を複数個有していてもよい。A 13 における2価の炭化水素基は前記A 1 において例示したものと同様である。上記の 反応は、シランカップリング剤と無機物質を 反応させる公知の方法を利用できる。

 また、前記と同様、式(5)で表される化合 の代わりに、環状イミド骨格の前駆骨格を む対応する化合物[式(5)で表される化合物と の混合物であってもよい]を用いて反応させ 後、適当な段階において、環状イミド骨格 前駆骨格を環状イミド骨格に変換してもよ 。

 なお、無機担体Sと連結基A 1 とを結合させる方法としては、シランカップ リング反応に限らず、共有結合を形成しうる 反応であれば特に制限はない。連結基A 1 の末端に無機担体S表面の官能基と反応しう 官能基を設けた反応成分を用いることによ 、無機担体Sと連結基A 1 とを結合させることができる。

 式(1)で表される構造を有する環状イミド 定化触媒において、Xが-OR基でRが水素原子 ある触媒と、Xが-OR基でRがヒドロキシル基の 保護基である触媒とは、慣用の保護基導入反 応及び脱保護反応により相互に変換可能であ る。

 [助触媒]
 本発明では、式(1)で表される構造を有する 状イミド固定化触媒とともに助触媒を用い こともできる。助触媒として金属化合物が げられる。前記触媒と金属化合物とを併用 ることにより反応速度や反応の選択性を向 させることができる。

 金属化合物を構成する金属元素としては 特に限定されないが、周期表1~15族の金属元 素を用いる場合が多い。なお、本明細書では 、ホウ素Bも金属元素に含まれるものとする 例えば、前記金属元素として、周期表1族元 (Li、Na、Kなど)、2族元素(Mg、Ca、Sr、Baなど) 3族元素(Sc、ランタノイド元素、アクチノイ ド元素など)、4族元素(Ti、Zr、Hfなど)、5族元 (Vなど)、6族元素(Cr、Mo、Wなど)、7族元素(Mn ど)、8族元素(Fe、Ruなど)、9族元素(Co、Rhな )、10族元素(Ni、Pd、Ptなど)、11族元素(Cuなど) 、12族元素(Znなど)、13族元素(B、Al、Inなど)、 14族元素(Sn、Pbなど)、15族元素(Sb、Biなど)な が挙げられる。好ましい金属元素には、遷 金属元素(周期表3~12族元素)及び周期表13族元 素(Inなど)が含まれる。なかでも、周期表5~11 元素、特に5族~9族元素が好ましく、とりわ V、Mo、Mn、Coなどが好ましい。金属元素の原 子価は特に制限されず、例えば0~6価程度であ る。

 金属化合物としては、前記金属元素の単体 水酸化物、酸化物(複合酸化物を含む)、ハ ゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ 物)、オキソ酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩 リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩など)、イソポ 酸の塩、ヘテロポリ酸の塩などの無機化合 ;有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸 、青酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩 ど)、錯体などの有機化合物が挙げられる。 記錯体を構成する配位子としては、OH(ヒド キソ)、アルコキシ(メトキシ、エトキシ、 ロポキシ、ブトキシなど)、アシル(アセチル 、プロピオニルなど)、アルコキシカルボニ (メトキシカルボニル、エトキシカルボニル ど)、アセチルアセトナト、シクロペンタジ エニル基、ハロゲン原子(塩素、臭素など)、C O、CN、酸素原子、H 2 O(アコ)、ホスフィン(トリフェニルホスフィ などのトリアリールホスフィンなど)のリン 合物、NH 3 (アンミン)、NO、NO 2 (ニトロ)、NO 3 (ニトラト)、エチレンジアミン、ジエチレン リアミン、ピリジン、フェナントロリンな の窒素含有化合物などが挙げられる。

 金属化合物の具体例としては、例えば、 バルト化合物を例にとると、水酸化コバル 、酸化コバルト、塩化コバルト、臭化コバ ト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、リン酸 バルトなどの無機化合物;酢酸コバルト、ナ フテン酸コバルト、ステアリン酸コバルトな どの有機酸塩;コバルトアセチルアセトナト どの錯体等の2価又は3価のコバルト化合物な どが挙げられる。また、バナジウム化合物の 例としては、水酸化バナジウム、酸化バナジ ウム、塩化バナジウム、塩化バナジル、硫酸 バナジウム、硫酸バナジル、バナジン酸ナト リウムなどの無機化合物;バナジウムアセチ アセトナト、バナジルアセチルアセトナト どの錯体等の2~5価のバナジウム化合物など 挙げられる。他の金属元素の化合物として 、前記コバルト又はバナジウム化合物に対 する化合物などが例示される。金属化合物 単独で又は2種以上組み合わせて使用できる 特に、コバルト化合物とマンガン化合物と 組み合わせると反応速度が著しく向上する とが多い。また、価数の異なる複数の金属 合物(例えば、2価の金属化合物と3価の金属 合物)を組み合わせて用いるのも好ましい。

 金属化合物の使用量は、例えば、式(1)で表 れる構造を有する環状イミド固定化触媒の 状イミド骨格Z 1 の量1モルに対して、0.001~10モル、好ましくは 0.005~3モル程度である。また、金属化合物の 用量は、反応成分(基質)1モルに対して、例 ば0.00001モル%~10モル%、好ましくは0.2モル%~2 ル%程度である。

 本発明では、また、助触媒として、少な とも1つの有機基が結合した周期表15族又は1 6族元素を含む多原子陽イオン又は多原子陰 オンとカウンターイオンとで構成された有 塩を用いることもできる。助触媒として前 有機塩を用いることにより、反応速度や反 の選択性を向上させることができる。

 前記有機塩において、周期表15族元素に 、N、P、As、Sb、Biが含まれる。周期表16族元 には、O、S、Se、Teなどが含まれる。好まし 元素としては、N、P、As、Sb、Sが挙げられ、 特に、N、P、Sなどが好ましい。前記元素の原 子に結合する有機基には、置換基を有してい てもよい炭化水素基、置換オキシ基などが含 まれる。炭化水素基としては炭素数1~30程度( ましくは炭素数1~20程度)の直鎖状又は分岐 状の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケ ル基及びアルキニル基);炭素数3~8程度の脂 式炭化水素基;炭素数6~14程度の芳香族炭化水 素基などが挙げられる。前記置換オキシ基に は、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラ ルキルオキシ基などが含まれる。

 前記有機塩の代表的な例として、有機ア モニウム塩、有機ホスホニウム塩、有機ス ホニウム塩などの有機オニウム塩が挙げら る。有機アンモニウム塩の具体例としては テトラメチルアンモニウムクロリド、テト エチルアンモニウムクロリド、テトラブチ アンモニウムクロリド、テトラヘキシルア モニウムクロリド、トリオクチルメチルア モニウムクロリド、トリエチルフェニルア モニウムクロリド、トリブチル(ヘキサデシ ル)アンモニウムクロリド、ジ(オクタデシル) ジメチルアンモニウムクロリドなどの第4級 ンモニウムクロリド、及び対応する第4級ア モニウムブロミドなどの、窒素原子に4つの 炭化水素基が結合した第4級アンモニウム塩; メチルピペリジニウムクロリド、ヘキサデ ルピリジニウムクロリド、メチルキノリニ ムクロリドなどの環状第4級アンモニウム塩 などが挙げられる。また、有機ホスホニウム 塩の具体例としては、テトラメチルホスホニ ウムクロリド、テトラブチルホスホニウムク ロリド、トリブチル(ヘキサデシル)ホスホニ ムクロリド、トリエチルフェニルホスホニ ムクロリドなどの第4級ホスホニウムクロリ ド、及び対応する第4級ホスホニウムブロミ などの、リン原子に4つの炭化水素基が結合 た第4級ホスホニウム塩などが挙げられる。 有機スルホニウム塩の具体例としては、トリ エチルスルホニウムイオジド、エチルジフェ ニルスルホニウムイオジドなどの、イオウ原 子に3つの炭化水素基が結合したスルホニウ 塩などが挙げられる。

 また、前記有機塩には、メタンスルホン酸 、エタンスルホン酸塩、オクタンスルホン 塩、ドデカンスルホン酸塩などのアルキル ルホン酸塩(例えば、C 6-18 アルキルスルホン酸塩);ベンゼンスルホン酸 、p-トルエンスルホン酸塩、ナフタレンス ホン酸塩、デシルベンゼンスルホン酸塩、 デシルベンゼンスルホン酸塩などのアルキ 基で置換されていてもよいアリールスルホ 酸塩(例えば、C 6-18 アルキル-アリールスルホン酸塩);スルホン酸 型イオン交換樹脂(イオン交換体);ホスホン酸 型イオン交換樹脂(イオン交換体)なども含ま る。

 有機塩の使用量は、例えば、式(1)で表され 構造を有する環状イミド固定化触媒の環状 ミド骨格Z 1 の量1モルに対して、0.001~0.1モル程度、好ま くは0.005~0.08モル程度である。

 本発明では、また、助触媒として、強酸(例 えば、pKa2(25℃)以下の化合物)を使用すること もできる。好ましい強酸には、例えば、ハロ ゲン化水素、ハロゲン化水素酸、硫酸、ヘテ ロポリ酸などが含まれる。強酸の使用量は、 式(1)で表される構造を有する環状イミド固定 化触媒の環状イミド骨格Z 1 の量1モルに対して、例えば0.001~3モル程度で る。

 本発明では、さらに、助触媒として、電 吸引基が結合したカルボニル基を有する化 物を用いることもできる。電子吸引基が結 したカルボニル基を有する化合物の代表的 例として、ヘキサフルオロアセトン、トリ ルオロ酢酸、ペンタフルオロフェニルメチ ケトン、ペンタフルオロフェニルトリフル ロメチルケトン、安息香酸などが挙げられ 。この化合物の使用量は、反応成分(基質)1 ルに対して、例えば0.0001~3モル程度である

 また、本発明では、系内に、ラジカル発生 (ラジカル開始剤等)やラジカル反応促進剤 存在させてもよい。このような成分として 例えば、ハロゲン(塩素、臭素など)、過酸( 酢酸、m-クロロ過安息香酸など)、過酸化物( 酸化水素、t-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP )等のヒドロペルオキシドなど)、アゾ系化合 (アゾビスイソブチロニトリルなど)、アセ フェノン類、環状アミン-N-オキシル化合物 硝酸又は亜硝酸若しくはそれらの塩、二酸 窒素、ベンズアルデヒド等のアルデヒドな が挙げられる。これらの成分を系内に存在 せると、反応が促進される場合がある。前 成分の使用量は、前記式(1)で表される構造 有する環状イミド固定化触媒の環状イミド 格Z 1 の量1モルに対して、例えば0.0001~0.7モル、好 しくは0.001~1モル程度である。

 本発明の触媒は、例えばラジカル反応触 として有用である。本発明の触媒は公知の 媒であるN-ヒドロキシフタルイミドと同種 触媒作用を示すのに加え、固体触媒である とから不均一系の反応に好適に使用できる そのため、反応終了後、反応混合物からの 離回収及び反応生成物との分離が容易であ 。また、回収した触媒が変質、分解等によ 失活している場合には、簡単に再生操作を うことができ、該再生触媒を反応系にリサ クル使用できる。

 [有機化合物の酸化方法]
 本発明の有機化合物の酸化方法では、前記 (1)で表される構造を有する環状イミド固定 触媒、及び必要に応じて前記助触媒の存在 、有機化合物を酸化して酸化反応生成物を る。酸化剤としては、通常酸素が用いられ 。

 反応原料(基質)として用いる有機化合物 しては、イミド系化合物触媒の存在下、酸 により酸化可能な化合物であれば特に限定 れない。基質としては、安定なラジカルを 成しうる化合物(A)が好ましい。このような 合物の代表的な例として、(A1)ヘテロ原子の 接位に炭素-水素結合を有するヘテロ原子含 有化合物、(A2)炭素-ヘテロ原子二重結合を有 る化合物、(A3)メチン炭素原子を有する化合 物、(A4)不飽和結合の隣接位に炭素-水素結合 有する化合物、(A5)非芳香族性環状炭化水素 、(A6)共役化合物、(A7)アミン類、(A8)芳香族化 合物、(A9)直鎖状アルカン、及び(A10)オレフィ ン類などが挙げられる。

 これらの化合物は、反応を阻害しない範 で種々の置換基を有していてもよい。置換 として、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキ ル基、メルカプト基、オキソ基、置換オキ 基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ 基、アシルオキシ基など)、置換チオ基、カ ボキシル基、置換オキシカルボニル基、置 又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニ ロ基、置換又は無置換アミノ基、スルホ基 アルキル基、アルケニル基、アルキニル基 脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複 環基などが挙げられる。

 ヘテロ原子の隣接位に炭素-水素結合を有 するヘテロ原子含有化合物(A1)としては、(A1-1 )第1級若しくは第2級アルコール又は第1級若 くは第2級チオール、(A1-2)酸素原子の隣接位 炭素-水素結合を有するエーテル又は硫黄原 子の隣接位に炭素-水素結合を有するスルフ ド、(A1-3)酸素原子の隣接位に炭素-水素結合 有するアセタール(ヘミアセタールも含む) は硫黄原子の隣接位に炭素-水素結合を有す チオアセタール(チオヘミアセタールも含む )などが例示できる。

 前記(A1-1)における第1級若しくは第2級ア コールには、広範囲のアルコールが含まれ 。アルコールは、1価、2価又は多価アルコー ルの何れであってもよい。

 代表的な第1級アルコールとしては、メタ ノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブ ノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1 -オクタノール、1-デカノール、2-ブテン-1-オ ル、エチレングリコール、トリメチレング コール、ヘキサメチレングリコール、ペン エリスリトールなどの炭素数1~30(好ましく 1~20、さらに好ましくは1~15)程度の飽和又は 飽和脂肪族第1級アルコール;シクロペンチル メチルアルコール、シクロヘキシルメチルア ルコール、2-シクロヘキシルエチルアルコー などの飽和又は不飽和脂環式第1級アルコー ル;ベンジルアルコール、2-フェニルエチルア ルコール、3-フェニルプロピルアルコール、 皮アルコールなどの芳香族第1級アルコール ;2-ヒドロキシメチルピリジンなどの複素環式 アルコールが挙げられる。

 代表的な第2級アルコールとしては、2-プ パノール、s-ブチルアルコール、2-ペンタノ ール、2-オクタノール、2-ペンテン-4-オール 1,2-プロパンジオール、2,3-ブタンジオールや 2,3-ペンタンジオールなどのビシナルジオー 類などの炭素数3~30(好ましくは3~20、さらに ましくは3~15)程度の飽和又は不飽和脂肪族第 2級アルコール;1-シクロペンチルエタノール 1-シクロヘキシルエタノールなどの、ヒドロ キシル基の結合した炭素原子に脂肪族炭化水 素基と脂環式炭化水素(シクロアルキル基な )とが結合している第2級アルコール;シクロ ンタノール、シクロヘキサノール、シクロ クタノール、シクロドデカノール、2-シクロ ヘキセン-1-オール、2-アダマンタノール、橋 位にヒドロキシル基を1~4個有する2-アダマ タノール、アダマンタン環にオキソ基を有 る2-アダマンタノールなどの3~20員(好ましく 3~15員、さらに好ましくは5~15員、特に5~8員) 度の飽和又は不飽和脂環式第2級アルコール (橋かけ環式第2級アルコールを含む);1-フェニ ルエタノールなどの芳香族第2級アルコール;1 -(2-ピリジル)エタノールなどの複素環式第2級 アルコールなどが含まれる。

 さらに、代表的なアルコールには、1-アダ ンタンメタノール、α-メチル-1-アダマンタ メタノール、3-ヒドロキシ-α-メチル-1-アダ ンタンメタノール、3-カルボキシ-α-メチル-1 -アダマンタンメタノール、α-メチル-3a-パー ドロインデンメタノール、α-メチル-4a-デカ リンメタノール、α-メチル-4a-パーヒドロフ オレンメタノール、α-メチル-2-トリシクロ[5 .2.1.0 2,6 ]デカンメタノール、α-メチル-1-ノルボルナ メタノールなどの橋かけ環炭化水素基を有 るアルコール(ヒドロキシル基が結合してい 炭素原子に橋かけ環炭化水素基が結合して る化合物など)も含まれる。

 好ましいアルコールには、第2級アルコール (例えば、2-プロパノール、s-ブチルアルコー などの脂肪族第2級アルコール;1-シクロヘキ シルエタノールなどのヒドロキシル基の結合 した炭素原子に脂肪族炭化水素基(例えば、C 1-4 アルキル基、C 6-14 アリール基など)と非芳香族性炭素環式基(例 ば、C 3-15 シクロアルキル基又はシクロアルケニル基な ど)とが結合している第2級アルコール;シクロ ペンタノール、シクロヘキサノール、2-アダ ンタノールなどの3~15員程度の脂環式第2級 ルコール;1-フェニルエタノールなどの芳香 第2級アルコール)、及び前記橋かけ環炭化水 素基を有するアルコールが含まれる。

 前記(A1-1)における第1級若しくは第2級チ ールとしては、前記第1級若しくは第2級アル コールに対応するチオールが挙げられる。

 前記(A1-2)における酸素原子の隣接位に炭 -水素結合を有するエーテルとしては、例え ば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、 ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテ ル、ジブチルエーテル、ジアリルエーテルな どの脂肪族エーテル類;アニソール、フェネ ール、ジベンジルエーテル、フェニルベン ルエーテル等の芳香族エーテル類;ジヒドロ ラン、テトラヒドロフラン、ピラン、ジヒ ロピラン、テトラヒドロピラン、モルホリ 、クロマン、イソクロマンなどの環状エー ル類(芳香環又は非芳香環が縮合していても よい)などが挙げられる。

 前記(A1-2)における硫黄原子の隣接位に炭 -水素結合を有するスルフィドとしては、前 記酸素原子の隣接位に炭素-水素結合を有す エーテルに対応するスルフィドが挙げられ 。

 前記(A1-3)における酸素原子の隣接位に炭 -水素結合を有するアセタールとしては、例 えば、アルデヒドとアルコールや酸無水物な どから誘導されるアセタールが挙げられ、該 アセタールには環状アセタール及び非環状ア セタールが含まれる。前記アルデヒドとして 、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデ ヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデ ヒド、イソブチルアルデヒドなどの脂肪族ア ルデヒド;シクロペンタンカルバルデヒド、 クロヘキサンカルバルデヒドなどの脂環式 ルデヒド;ベンズアルデヒド、フェニルアセ アルデヒドなどの芳香族アルデヒドなどが げられる。また、前記アルコールとしては 例えば、メタノール、エタノール、1-プロ ノール、1-ブタノール、ベンジルアルコール などの一価アルコール;エチレングリコール プロピレングリコール、1,3-プロパンジオー 、2,2-ジブロモ-1,3-プロパンジオールなどの 価アルコールなどが挙げられる。代表的な セタールとして、1,3-ジオキソラン、2-メチ -1,3-ジオキソラン、2-エチル-1,3-ジオキソラ などの1,3-ジオキソラン化合物;2-メチル-1,3- オキサンなどの1,3-ジオキサン化合物;アセ アルデヒドジメチルアセタールなどのジア キルアセタール化合物などが例示される。

 前記(A1-3)における硫黄原子の隣接位に炭 -水素結合を有するチオアセタールとしては 、前記酸素原子の隣接位に炭素-水素結合を するアセタールに対応するチオアセタール 挙げられる。

 前記炭素-ヘテロ原子二重結合を有する化 合物(A2)としては、(A2-1)カルボニル基含有化 物、(A2-2)チオカルボニル基含有化合物、(A2-3 )イミン類などが挙げられる。カルボニル基 有化合物(A2-1)には、ケトン及びアルデヒド 含まれ、例えば、アセトン、メチルエチル トン、メチルイソブチルケトン、3-ペンタノ ン、メチルビニルケトン、メチルシクロヘキ シルケトン、アセトフェノンなどの鎖状ケト ン類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン 4-メチルシクロヘキサノン、イソホロン、シ クロデカノン、シクロドデカノン、1,4-シク オクタンジオン、2,2-ビス(4-オキソシクロヘ シル)プロパン、2-アダマンタノンなどの環 ケトン類;ビアセチル(2,3-ブタンジオン)、ビ ベンゾイル(ベンジル)、アセチルベンゾイル シクロヘキサン-1,2-ジオンなどの1,2-ジカル ニル化合物(α-ジケトン類など);アセトイン ベンゾインなどのα-ケトアルコール類;アセ トアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブタ ナール、ヘキサナール、スクシンアルデヒド 、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒド などの脂肪族アルデヒド;シクロヘキシルア デヒド、シトラール、シトロネラールなど 脂環式アルデヒド;ベンズアルデヒド、カル キシベンズアルデヒド、ニトロベンズアル ヒド、シンナムアルデヒド、サリチルアル ヒド、アニスアルデヒド、フタルアルデヒ 、イソフタルアルデヒド、テレフタルアル ヒドなどの芳香族アルデヒド;フルフラール 、ニコチンアルデヒドなどの複素環アルデヒ ドなどが挙げられる。

 チオカルボニル基含有化合物(A2-2)として 、前記カルボニル基含有化合物(A2-1)に対応 るチオカルボニル基含有化合物が挙げられ 。

 イミン類(A2-3)には、前記カルボニル基含 化合物(A2-1)と、アンモニア又はアミン類(例 えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピ ルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、 ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、ア ニリンなどのアミン;ヒドロキシルアミン、O- メチルヒドロキシルアミンなどのヒドロキシ ルアミン類;ヒドラジン、メチルヒドラジン フェニルヒドラジンなどのヒドラジン類な )とから誘導されるイミン類(オキシムやヒド ラゾンも含む)が含まれる。

 前記メチン炭素原子を有する化合物(A3)に は、(A3-1)環の構成単位としてメチン基(すな ち、メチン炭素-水素結合)を含む環状化合物 、(A3-2)メチン炭素原子を有する鎖状化合物が 含まれる。

 環状化合物(A3-1)には、(A3-1a)少なくとも1 のメチン基を有する橋かけ環式化合物、(A3-1 b)環に炭化水素基が結合した非芳香族性環状 合物(脂環式炭化水素など)などが含まれる なお、前記橋かけ環式化合物には、2つの環 2個の炭素原子を共有している化合物、例え ば、縮合多環式芳香族炭化水素類の水素添加 生成物なども含まれる。

 橋かけ環式化合物(A3-1a)としては、例えば、 デカリン、ビシクロ[2.2.0]ヘキサン、ビシク [2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビ シクロ[4.3.2]ウンデカン、ビシクロ[3.3.3]ウン カン、ツジョン、カラン、ピナン、ピネン ボルナン、ボルニレン、ノルボルナン、ノ ボルネン、カンファー、ショウノウ酸、カ フェン、トリシクレン、トリシクロ[5.2.1.0 3,8 ]デカン、トリシクロ[4.2.1.1 2,5 ]デカン、エキソトリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカン、エンドトリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカン、トリシクロ[4.3.1.1 2,5 ]ウンデカン、トリシクロ[4.2.2.1 2,5 ]ウンデカン、エンドトリシクロ[5.2.2.0 2,6 ]ウンデカン、アダマンタン、1-アダマンタノ ール、1-クロロアダマンタン、1-メチルアダ ンタン、1,3-ジメチルアダマンタン、1-メト シアダマンタン、1-カルボキシアダマンタン 、1-メトキシカルボニルアダマンタン、1-ニ ロアダマンタン、テトラシクロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカン、ペルヒドロアントラセン、ペル ドロアセナフテン、ペルヒドロフェナント ン、ペルヒドロフェナレン、ペルヒドロイ デン、キヌクリジンなどの2~4環式の橋かけ 式炭化水素又は橋かけ複素環化合物及びそ らの誘導体などが挙げられる。これらの橋 け環式化合物は、橋頭位(2環が2個の原子を 有している場合には接合部位に相当)にメチ 炭素原子を有する。

 環に炭化水素基が結合した非芳香族性環 化合物(A3-1b)としては、1-メチルシクロペン ン、1-メチルシクロヘキサン、リモネン、 ンテン、メントール、カルボメントン、メ トンなどの、炭素数1~20(好ましくは1~10)程度 炭化水素基(例えば、アルキル基など)が環 結合した3~15員程度の脂環式炭化水素及びそ 誘導体などが挙げられる。環に炭化水素基 結合した非芳香族性環状化合物(A3-1b)は、環 と前記炭化水素基との結合部位にメチン炭素 原子を有する。

 メチン炭素原子を有する鎖状化合物(A3-2) しては、第3級炭素原子を有する鎖状炭化水 素類、例えば、イソブタン、イソペンタン、 イソヘキサン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチ ルブタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキ ン、3,4-ジメチルヘキサン、3-メチルオクタ などの炭素数4~20(好ましくは、4~10)程度の脂 族炭化水素類およびその誘導体などが例示 きる。

 前記不飽和結合の隣接位に炭素-水素結合 を有する化合物(A4)としては、(A4-1)芳香族性 の隣接位(いわゆるベンジル位)にメチル基又 はメチレン基を有する芳香族化合物、(A4-2)不 飽和結合(例えば、炭素-炭素不飽和結合、炭 -酸素二重結合など)の隣接位にメチル基又 メチレン基を有する非芳香族性化合物など 挙げられる。

 前記芳香族性化合物(A4-1)において、芳香 性環は、芳香族炭化水素環、芳香族性複素 の何れであってもよい。芳香族炭化水素環 は、ベンゼン環、縮合炭素環(例えば、ナフ タレン、アズレン、インダセン、アントラセ ン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレ ンなどの2~10個の4~7員炭素環が縮合した縮合 素環など)などが含まれる。芳香族性複素環 しては、例えば、ヘテロ原子として酸素原 を含む複素環(例えば、フラン、オキサゾー ル、イソオキサゾールなどの5員環、4-オキソ -4H-ピランなどの6員環、ベンゾフラン、イソ ンゾフラン、4-オキソ-4H-クロメンなどの縮 環など)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含 む複素環(例えば、チオフェン、チアゾール イソチアゾール、チアジアゾールなどの5員 、4-オキソ-4H-チオピランなどの6員環、ベン ゾチオフェンなどの縮合環など)、ヘテロ原 として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロ ル、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾ ルなどの5員環、ピリジン、ピリダジン、ピ リミジン、ピラジンなどの6員環、インドー 、キノリン、アクリジン、ナフチリジン、 ナゾリン、プリンなどの縮合環など)などが げられる。

 なお、芳香族性環の隣接位のメチレン基 、前記芳香族性環に縮合した非芳香族性環 構成するメチレン基であってもよい。また 前記(A4-1)において、芳香族性環と隣接する 置にメチル基とメチレン基の両方の基が存 していてもよい。

 芳香族性環の隣接位にメチル基を有する 香族化合物としては、例えば、芳香環に1~6 程度のメチル基が置換した芳香族炭化水素 (例えば、トルエン、キシレン、1-エチル-4- チルベンゼン、1-エチル-3-メチルベンゼン 1-イソプロピル-4-メチルベンゼン、1-t-ブチ -4-メチルベンゼン、1-メトキシ-4-メチルベン ゼン、メシチレン、プソイドクメン、デュレ ン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン 、メチルアントラセン、4,4″-ジメチルビフ ニル、トルアルデヒド、ジメチルベンズア デヒド、トリメチルベンズアルデヒド、ト イル酸、トリメチル安息香酸、ジメチル安 香酸など)、複素環に1~6個程度のメチル基が 換した複素環化合物(例えば、2-メチルフラ 、3-メチルフラン、3-メチルチオフェン、2- チルピリジン、3-メチルピリジン、4-メチル ピリジン、2,4-ジメチルピリジン、2,4,6-トリ チルピリジン、4-メチルインドール、2-メチ キノリン、3-メチルキノリンなど)などが例 できる。

 芳香族性環の隣接位にメチレン基を有す 芳香族化合物としては、例えば、炭素数2以 上のアルキル基又は置換アルキル基を有する 芳香族炭化水素類(例えば、エチルベンゼン プロピルベンゼン、1,4-ジエチルベンゼン、 フェニルメタンなど)、炭素数2以上のアル ル基又は置換アルキル基を有する芳香族性 素環化合物(例えば、2-エチルフラン、3-プロ ピルチオフェン、4-エチルピリジン、4-ブチ キノリンなど)、芳香族性環に非芳香族性環 縮合した化合物であって、該非芳香族性環 うち芳香族性環に隣接する部位にメチレン を有する化合物(ジヒドロナフタレン、イン デン、インダン、テトラリン、フルオレン、 アセナフテン、フェナレン、インダノン、キ サンテン等)などが例示できる。

 不飽和結合の隣接位にメチル基又はメチ ン基を有する非芳香族性化合物(A4-2)には、 えば、(A4-2a)いわゆるアリル位にメチル基又 はメチレン基を有する鎖状不飽和炭化水素類 、(A4-2b)カルボニル基の隣接位にメチル基又 メチレン基を有する化合物が例示できる。

 前記鎖状不飽和炭化水素類(A4-2a)としては 、例えば、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン 1-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、1,5-ヘ サジエン、1-オクテン、3-オクテン、ウンデ カトリエンなどの炭素数3~20程度の鎖状不飽 炭化水素類が例示できる。前記化合物(A4-2b) は、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエ チルケトン、3-ペンタノン、アセトフェノン どの鎖状ケトン類;シクロヘキサノンなどの 環状ケトン類)、カルボン酸又はその誘導体( えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペ タン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、フェニ 酢酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、 びこれらのエステルなど)などが含まれる。

 前記非芳香族性環状炭化水素(A5)には、(A5 -1)シクロアルカン類及び(A5-2)シクロアルケン 類が含まれる。

 シクロアルカン類(A5-1)としては、3~30員の シクロアルカン環を有する化合物、例えば、 シクロプロパン、シクロブタン、シクロペン タン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シ クロオクタン、シクロノナン、シクロデカン 、シクロドデカン、シクロテトラデカン、シ クロヘキサデカン、シクロテトラコサン、シ クロトリアコンタン、及びこれらの誘導体な どが例示できる。好ましいシクロアルカン環 には、5~30員、特に5~20員のシクロアルカン環 含まれる。

 シクロアルケン類(A5-2)には、3~30員のシク ロアルケン環を有する化合物、例えば、シク ロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン 、シクロオクテン、シクロヘキセン、1-メチ -シクロヘキセン、イソホロン、シクロヘプ テン、シクロドデカエンなどのほか、シクロ ペンタジエン、1,3-シクロヘキサジエン、1,5- クロオクタジエンなどのシクロアルカジエ 類、シクロオクタトリエンなどのシクロア カトリエン類、及びこれらの誘導体などが まれる。好ましいシクロアルケン類には、3 ~20員環、特に3~12員環を有する化合物が含ま る。

 前記共役化合物(A6)には、共役ジエン類(A6 -1)、α,β-不飽和ニトリル(A6-2)、α,β-不飽和カ ルボン酸又はその誘導体(例えば、エステル アミド、酸無水物等)(A6-3)などが挙げられる

 共役ジエン類(A6-1)としては、例えば、ブ ジエン、イソプレン、2-クロロブタジエン 2-エチルブタジエンなどが挙げられる。なお 、共役ジエン類(A6-1)には、二重結合と三重結 合とが共役している化合物、例えば、ビニル アセチレンなども含めるものとする。

 α,β-不飽和ニトリル(A6-2)としては、例え 、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられ 。α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(A6-3 )としては、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル 酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ) クリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブ チル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル どの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アク ルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミ など(メタ)アクリルアミド誘導体などが挙 られる。

 前記アミン類(A7)としては、第1級または 2級アミン、例えば、メチルアミン、エチル ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジ チルアミン、ジエチルアミン、ジブチルア ン、エチレンジアミン、1,4-ブタンジアミン 、ヒドロキシルアミン、エタノールアミンな どの脂肪族アミン;シクロペンチルアミン、 クロヘキシルアミンなどの脂環式アミン;ベ ジルアミン、トルイジンなどの芳香族アミ ;ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イ ンドリンなどの環状アミン(芳香族性又は非 香族性環が縮合していてもよい)等が例示さ る。

 前記芳香族炭化水素(A8)としては、ベンゼ ン、ナフタレン、アセナフチレン、フェナン トレン、アントラセン、ナフタセンなどの、 少なくともベンゼン環を1つ有する芳香族化 物、好ましくは少なくともベンゼン環が複 個(例えば、2~10個)縮合している縮合多環式 香族化合物などが挙げられる。これらの芳 族炭化水素は、1又は2以上の置換基を有して いてもよい。置換基を有する芳香族炭化水素 の具体例として、例えば、2-クロロナフタレ 、2-メトキシナフタレン、1-メチルナフタレ ン、2-メチルナフタレン、2-メチルアントラ ン、2-t-ブチルアントラセン、2-カルボキシ ントラセン、2-エトキシカルボニルアントラ セン、2-シアノアントラセン、2-ニトロアン ラセン、2-メチルペンタレンなどが挙げられ る。また、前記ベンゼン環には、非芳香族性 炭素環、芳香族性複素環、又は非芳香族性複 素環が縮合していてもよい。

 前記直鎖状アルカン(A9)としては、例えば 、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペン タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ ン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキ サデカン等の炭素数1~30程度(好ましくは炭素 1~20程度)の直鎖状アルカンが挙げられる。

 前記オレフィン類(A10)としては、置換基( えば、ヒドロキシル基、アシルオキシ基等 前記例示の置換基など)を有していてもよい α-オレフィン及び内部オレフィンの何れであ ってもよく、ジエンなどの炭素-炭素二重結 を複数個有するオレフィン類も含まれる。 えば、オレフィン類(A10)として、エチレン、 プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、イソブテ 、1-ヘキセン、2-ヘキセン、1-アセトキシ-3,7- ジメチル-2,6-オクタジエン、スチレン、ビニ トルエン、α-メチルスチレン、3-ビニルピ ジン、3-ビニルチオフェンなどの鎖状オレフ ィン類;シクロペンテン、シクロヘキセン、 クロヘプテン、シクロオクテン、シクロデ ン、シクロドデセン、1,4-シクロヘキサジエ 、リモネン、1-p-メンテン、3-p-メンテン、 ルベオール、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、 シクロ[3.2.1]オクタ-2-エン、α-ピネン、2-ボ ネンなどの環状オレフィン類などが挙げら る。

 上記のラジカルを生成可能な化合物(A)は 独で用いてもよく、同種又は異種のものを2 種以上組み合わせて用いてもよい。これらの 化合物を2種以上、特に異種の化合物を2種以 併用すると、一方の基質が他方の基質の共 応剤(共酸化剤など)として機能し、反応速 が著しく向上することがある。

 本発明において、基質としては、メチン 素原子を有する炭化水素(アダマンタン等の メチン基を有する橋かけ環式化合物など)、 香族性環の隣接位にメチル基又はメチレン を有する芳香族炭化水素(トルエン、キシレ 等)、非芳香族性環状炭化水素(シクロヘキ ン等のシクロアルカンなど)などの炭化水素 が特に好ましい。本発明によれば、これら 炭化水素類から、ヒドロペルオキシド、ア コール、カルボニル化合物、カルボン酸等 高い収率で、工業的に効率よく製造するこ ができる。

 酸化剤として用いる酸素としては分子状 素を用いることができる。酸素は系内で発 させてもよい。分子状酸素は、特に制限さ ず、純粋な酸素を用いてもよく、窒素、ヘ ウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性 スで希釈した酸素や空気を使用してもよい 分子状酸素の使用量は、基質の種類に応じ 適宜選択できるが、通常、基質1モルに対し て、0.5モル以上(例えば、1モル以上)、好まし くは1~100モル、さらに好ましくは2~50モル程度 である。基質に対して過剰モルの分子状酸素 を使用する場合が多い。

 酸化反応は、溶媒の存在下又は不存在下 行われる。溶媒としては、例えば、酢酸、 ロピオン酸などの有機酸;アセトニトリル、 プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニ トリル類;ホルムアミド、アセトアミド、ジ チルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミ ドなどのアミド類;ヘキサン、オクタンなど 脂肪族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメ ン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロ ンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなど ハロゲン化炭化水素;ニトロベンゼン、ニト ロメタン、ニトロエタンなどのニトロ化合物 ;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類; れらの混合溶媒などが挙げられる。

 本発明の方法は温和な条件において円滑 反応が進行するという特徴を有する。反応 度は、基質の種類や目的生成物の種類など 応じて適当に選択でき、例えば、0~300℃、 ましくは20~200℃程度である。反応は、常圧 は加圧下で行うことができ、加圧下で反応 せる場合には、通常、0.1~10MPa(例えば、0.15~8M Pa、特に0.5~8MPa)程度である。反応時間は、反 温度及び圧力に応じて、例えば、10分~48時 程度の範囲から適当に選択できる。

 反応は、酸素の存在下又は酸素の流通下 回分式、半回分式、連続式などの慣用の方 により行うことができる。反応は流動床式 は固定床式で行うのが好ましい。

 反応終了後、反応生成物は、例えば、濾 、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラ クロマトグラフィーなどの分離手段や、こ らを組み合わせた分離手段により分離精製 きる。

 本発明の方法によれば、基質の種類及び 応条件に応じた酸化生成物(例えば、ヒドロ ペルオキシド、アルコール、カルボニル化合 物(アルデヒド、ケトン)、カルボン酸など)が 生成する。なお、反応生成物については、特 開平8-38909号公報、特開平9-327626号公報、特開 平10-286467号公報、特開2000-219650号公報(N-ヒド キシフタルイミド触媒等を用いた例)などを 参照できる。

 例えば、基質として前記ヘテロ原子の隣 位に炭素-水素結合を有するヘテロ原子含有 化合物(A1)を用いると、該ヘテロ原子の隣接 の炭素原子が酸化される。例えば、第1級ア コールからは対応するアルデヒド又はカル ン酸が生成し、第2級アルコールからは対応 するケトン、カルボン酸などが生成する。ま た、1,3-ジオールからは対応するヒドロキシ トン、1,2-ジオールからは酸化開裂により対 するカルボン酸を得ることができる[特開200 0-212116号公報、特開2000-219652号公報(N-ヒドロ シフタルイミド触媒等を用いた例)参照]。さ らに、エーテルから対応するエステル又は酸 無水物を得ることできる[特開平10-316610号公 (N-ヒドロキシフタルイミド触媒等を用いた )参照]。さらにまた、第1級又は第2級アルコ ルから過酸化水素を生成させることもでき [WO00/46145(N-ヒドロキシフタルイミド触媒等 用いた例)参照]。

 基質として炭素-ヘテロ原子二重結合を有 する化合物(A2)を用いた場合には、ヘテロ原 の種類等に応じた酸化反応生成物が得られ 。例えば、ケトン類を酸化すると、対応す エステル、さらに開裂してカルボン酸等が 成し、例えばシクロヘキサノンなどの環状 トン類からは、アジピン酸などのジカルボ 酸が得られる。また、第2級アルコール(例え ばベンズヒドロール等)などのヘテロ原子の 接位に炭素-水素結合を有するヘテロ原子含 化合物(A1)等を共反応剤(共酸化剤)として用 ると、温和な条件下でバイヤービリガー型 反応が進行して、環状ケトン類からは対応 るラクトン類、ジカルボン酸を、鎖状ケト 類からは対応するエステル、カルボン酸を れぞれ収率よく得ることができる[WO99/50204(N -ヒドロキシフタルイミド触媒等を用いた例) 照]。また、アルデヒド類からは対応するカ ルボン酸が生成する。

 また、基質としてメチン炭素原子を有す 化合物(A3)を用いると、メチン炭素にヒドロ キシル基が導入されたアルコール誘導体を高 い収率で得ることができる。例えば、アダマ ンタンなどの橋かけ環式炭化水素類(A3-1a)を 化すると、橋頭位にヒドロキシル基が導入 れたアルコール誘導体、例えば、1-アダマン タノール、1,3-アダマンタンジオール及び1,3,5 -アダマンタントリオールを高い選択率で得 ことができる。イソブタンなどのメチン炭 原子を有する鎖状化合物(A3-2)からは、t-ブタ ノールなどの第3級アルコールを高い収率で ることができる[特開平10-310543号公報(N-ヒド キシフタルイミド触媒等を用いた例)参照] さらに、対応するケトン、カルボン酸を得 ことができる。

 基質として不飽和結合の隣接位に炭素-水 素結合を有する化合物(A4)を用いると、不飽 結合の隣接位が効率よく酸化されて、アル ールやカルボン酸、アルデヒド、ケトンな が生成する。例えば、不飽和結合の隣接位 メチル基を有する化合物からは、第1級アル ール類又はカルボン酸類を高い収率で得る とができる[特開平8-38909号公報、特開平9-327 626号公報、特開平11-106377号公報(N-ヒドロキシ フタルイミド触媒等を用いた例)参照]。また 不飽和結合の隣接位にメチレン基やメチン を有する化合物からは、反応条件に応じて 第2級若しくは第3級アルコール、ケトン又 カルボン酸を収率よく得ることができる。

 より具体的には、芳香環にアルキル基又 その低次酸化基(ヒドロキシアルキル基、ホ ルミル基、ホルミルアルキル基、又はオキソ 基を有するアルキル基)が結合している芳香 化合物からは、前記アルキル基又はその低 酸化基が酸化され、芳香環にカルボキシル が結合した芳香族カルボン酸が生成する。 えば、トルエン、エチルベンゼン、イソプ ピルベンゼン、ベンズアルデヒド、これら 混合物からは安息香酸;p-キシレン、p-イソプ ロピルトルエン、p-ジイソプロピルベンゼン p-トルアルデヒド、p-トルイル酸、p-カルボ シベンズアルデヒド、これらの混合物から テレフタル酸;プソイドクメン、ジメチルベ ンズアルデヒド、ジメチル安息香酸、これら の混合物からはトリメリット酸;デュレン、 リメチルベンズアルデヒド、トリメチル安 香酸、これらの混合物からはピロメリット ;3-メチルキノリン等からは3-キノリンカルボ ン酸がそれぞれ収率よく得られる。β-ピコリ ンからはニコチン酸が得られる。

 また、例えば、炭素-炭素二重結合の隣接 位にメチレン基を有する化合物からは、第2 アルコール類又はケトン類、カルボン酸類 得ることができる。この場合、酢酸コバル (II)や硝酸コバルト(II)などのpKa8.0以下の酸の コバルト(II)塩を助触媒として用いると、前 メチレン基の炭素原子にオキソ基が導入さ た対応する共役不飽和カルボニル化合物が い収率で得られる。より具体的には、バレ センからヌートカトンを高収率で得ること できる。

 基質として非芳香族性環状炭化水素(A5)を 用いると、環を構成する炭素原子にヒドロキ シ基又はオキソ基が導入されたアルコール又 はケトン、又は反応条件により、環が酸化的 に開裂して対応するジカルボン酸が生成する 。例えば、シクロヘキサンからは、条件を適 宜選択することにより、シクロヘキシルヒド ロペルオキシド、シクロヘキサノール、シク ロヘキサノン又はアジピン酸を選択性良く得 ることができる。また、シクロヘキサン等の シクロアルカンから、ビス(1-ヒドロキシシク ロヘキシル)ペルオキシド等のビス(1-ヒドロ シシクロアルキル)ペルオキシドが得られる[ 特願2000-345824号(N-ヒドロキシフタルイミド触 等を用いた例)参照]。さらに、強酸を助触 として用いることにより、アダマンタンか アダマンタノンを収率良く得ることができ [特開平10-309469号公報(N-ヒドロキシフタルイ ド触媒等を用いた例)参照]。

 基質として共役化合物(A6)を用いると、そ の構造により各種化合物が生成する。例えば 、共役ジエン類の酸化によりアルケンジオー ル、ケトン、カルボン酸などが生成する。具 体的には、ブタジエンを酸化すると、2-ブテ -1,4-ジオール、1-ブテン-3,4-ジオールなどが られる。α,β-不飽和ニトリルやα,β-不飽和 ルボン酸又はその誘導体を酸化すると、α, -不飽和結合部位が選択的に酸化されて、前 不飽和結合が単結合となり、且つβ位が、 ルミル基、アセタール基(アルコール存在下 反応させた場合)又はアシルオキシ基(カル ン酸存在下で反応させた場合)に変換される 化合物が得られる。より具体的には、例え 、メタノールの存在下で、アクリロニトリ 及びアクリル酸メチルを酸化すると、それ れ、3,3-ジメトキシプロピオニトリル及び3,3 -ジメトキシプロピオン酸メチルが生成する

 基質としてアミン類(A7)を用いると、対応 するシッフ塩基、オキシムなどが生成する。 また、基質として芳香族化合物(A8)を用いる 合、不飽和結合の隣接位に炭素-水素結合を する化合物(例えばフルオレン等)(A4)などを 反応剤(共酸化剤)として共存させると、対 するキノン類が収率良く生成する[特開平11-2 26416号公報、特開平11-228484号公報(N-ヒドロキ フタルイミド触媒等を用いた例)参照]。ま 、直鎖状アルカン(A9)からはアルコールやケ ン、カルボン酸などが生成する。

 さらに、基質としてオレフィン類(A10)を いる場合、対応するエポキシ化合物を得る とができる[特開平11-49764号公報、WO99/50204(N- ドロキシフタルイミド触媒等を用いた例)参 照]。特に、第2級アルコールなどのヘテロ原 の隣接位に炭素-水素結合を有するヘテロ原 子含有化合物(A1)や不飽和結合の隣接位に炭 -水素結合を有する化合物(A4)などを共反応剤 (共酸化剤)として共存させると、温和な条件 でエポキシ化反応が進行して、対応するエ キシドを収率よく得ることができる。さら 、対応するアルコール、カルボン酸などを ることができる。

 また、前記環状イミド固定化触媒の存在 、シクロアルカン、シクロアルカノール及 シクロアルカノンから選択された少なくと 1種の化合物と酸素原子含有反応剤としての 酸素(B4-1)とアンモニアとを反応させると、対 応するラクタムが生成する[特願2000-345823号(N- ヒドロキシフタルイミド触媒等を用いた例) 照]。より具体的には、前記触媒の存在下、 クロヘキサン、シクロヘキサノール及びシ ロヘキサノンから選択された少なくとも1種 の化合物と酸素とアンモニアとを反応させる と、ε-カプロラクタムが得られる。

 本発明の方法において、反応機構の詳細 必ずしも明らかではないが、反応の過程で N-ヒドロキシフタルイミドを触媒とした場 と同様の酸化活性種[例えば、イミドN-オキ ラジカル(>NO・)]が生成し、これが基質か 水素を引き抜いて、例えば化合物(A1)ではヘ ロ原子の隣接位の炭素原子に、化合物(A2)で は炭素-ヘテロ原子二重結合に係る炭素原子 、化合物(A3)ではメチン炭素原子に、化合物( A4)では不飽和結合の隣接位の炭素原子に、そ れぞれラジカルを生成させ、このようにして 生成したラジカルが酸素と反応して、対応す る酸化生成物が生成するものと推測される。

 [環状イミド固定化触媒の回収及び再生]
 反応終了後、用いた環状イミド固定化触媒 、例えば、流動床として使用した場合には 反応液から濾過、遠心分離などの物理的な 離手法により容易に回収することができる また、固定床として使用した場合には、装 より取り外して回収できる。

 環状イミド固定化触媒は、反応の種類、 応条件により、反応中に失活することがあ 。回収した固定化触媒が失活している場合 は、ヒドロキシルアミン類を作用させるこ により、低下した触媒活性を復活させるこ ができる。ヒドロキシルアミン類を作用さ る手法は問わないが、例えば、回収した固 化触媒を有機塩基(例えば、ピリジン、トリ エチルアミン等)中に分散し、ここへヒドロ シルアミンの塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩等 無機塩又は有機塩)を加え、室温~120℃程度 温和な反応条件で作用させ、反応後、濾過 洗浄、乾燥を経て、固定化触媒の再生を完 させることができる。回収した固定化触媒 ヒドロキシルアミンとの反応においては、 宜、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)など の溶媒を使用してもよい。ヒドロキシルアミ ンの塩としては、水溶液を用いることもでき る。このようにして、再生したN-ヒドロキシ ミド骨格を有する固定化触媒[式(1)において 、Xが-OR基でRが水素原子である固定化触媒]を 得ることができる。

 こうして得られるN-ヒドロキシイミド骨格 有する固定化触媒のヒドロキシル基に対し 慣用の保護基導入反応を利用して、アセチ 基、ベンゾイル基、ベンジル基等の脱保護 容易な保護基R(Rは前記に同じ)で保護しても い。また、前記反応において、ヒドロキシ アミン類の代わりに、脱保護可能な保護基R (アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基等) 酸素原子上に持つヒドロキシルアミン誘導 (H 2 N-OR;Rは前記に同じ)又はその塩(有機塩又は無 塩)を用いて、N-置換オキシイミド骨格を有 る固定化触媒[式(1)において、Xが-OR基でRが ドロキシル基の保護基である固定化触媒]と することもできる。

 以下に、実施例に基づいて本発明をより 細に説明するが、本発明はこれらの実施例 より何ら限定されるものではない。なお、 応生成物の分析は、ガスクロマトグラフィ 及び高速液体クロマトグラフィー等により った。

 実施例1
 下記式に従って、固定化N-ヒドロキシフタ イミド触媒を製造した。
 市販品カラムクロマトグラフ用シリカゲル[ 式(6);和光純薬製、商品名「C-100」]23gをトル ン50mLに懸濁し、よく撹拌しながら、トリエ キシ(アミノプロピル)シラン0.883g(4.0mmol)及 ジエトキシ(ジメチル)シラン6.0g(40.5mmol)とを え、還流下に14時間撹拌した。処理済みシ カゲルを濾過し、トルエンで数回洗浄し、 圧下に乾燥することにより、アミノプロピ 基固定化シリカゲル[式(7)]を調製した。滴定 により、アミノ基の担持量として0.105mmol/gを た。
 上記で得られたアミノプロピル基固定化シ カゲル[式(7)]5g(アミノ基0.53mmol相当)をトル ン10mLに懸濁し、よく撹拌しながら、トリエ ルアミン80.6mg(0.8mmol)及びトリメリット酸無 物塩化物113mg(0.54mmol)を加え、室温で一昼夜 拌した。処理済みアミノプロピル基固定化 リカゲルを濾過し、トルエンで数回洗浄し 減圧下に乾燥することにより、固定化N-ヒ ロキシフタルイミド前駆体[式(8)]を得た。な お、上記式(7)で表されるアミノプロピル基固 定化シリカゲルは市販品(例えば、アルドリ チ社製)を使用してもよい。
 上記で得られた固定化N-ヒドロキシフタル ミド前駆体[式(8)]5gをピリジン10mLに懸濁し、 ここへヒドロキシルアミン塩酸塩46mg(0.66mmol) 加え、還流下に4時間反応させた。処理済み 固定化N-ヒドロキシフタルイミド前駆体を濾 し、トルエン、THF、ジエチルエーテルで順 洗浄した後、減圧下に乾燥することにより 定化N-ヒドロキシフタルイミド触媒[式(9)]4.8 gを得た。

 実施例2
 下記式に従って、固定化N-ヒドロキシスク ンイミド触媒を製造した。
 市販品の無水コハク酸担持シリカゲル[式(10 );アルドリッチ社製、担持量1.6mmol/g]を固定化 N-ヒドロキシスクシンイミド前駆体として使 した。この前駆体5.1g(6.9mmolコハク酸無水物 当)をピリジン20mLに懸濁し、よく撹拌しな ら、ヒドロキシルアミン塩酸塩544mg(7.83mmol) 加え、110℃で17時間撹拌した。処理済み無水 コハク酸担持シリカゲルを濾過し、THF、1M希 酸、THF、及びジエチルエーテルで順次洗浄 た後、減圧下に乾燥させて固定化N-ヒドロ シスクシンイミド触媒[式(11)]4.1gを得た。

 実施例3
 テフロン(登録商標)内筒付オートクレーブ に、酢酸マンガン(II)四水和物7.0mg、酢酸コ ルト(II)四水和物6.6mg、及びパラキシレン2.1g( 20mmol)の酢酸溶液(3mL)を調製し、ここへ実施例 1の方法で調製した固定化N-ヒドロキシフタル イミド触媒418mgを懸濁させた。加圧空気下(20 圧=2MPa)に100℃で15時間撹拌し、反応溶液を 析したところ、パラキシレンの転化率は52% 、パラメチルベンズアルデヒドが選択率12% 、パラメチル安息香酸が選択率58%で、テレ タル酸が選択率4%で生成していた。反応終了 後、固定化触媒を濾別し、酢酸エチルで洗浄 後、減圧下に乾燥して固定化触媒を回収した 。なお、この回収した固定化触媒を再利用に 供し、同様に酸化反応を試みたところ、転化 率は26%に低下し、触媒の活性低下が起こって いることが確認された。

 実施例4
 実施例1で調製した固定化N-ヒドロキシフタ イミド触媒を都度用いて、実施例3と全く同 様にパラキシレンの酸化反応を4回行い(4回の 平均値:転化率50%、選択率:パラメチルベンズ ルデヒド12%、パラメチル安息香酸60%、テレ タル酸2%)、固定化触媒を回収した。活性低 した固定化N-ヒドロキシフタルイミド触媒1. 88gをピリジン10mLに懸濁し、ヒドロキシルア ン塩酸塩121.7mg(1.75mmol)を加え、120℃で16時間 く撹拌した。処理済み触媒を濾別し、THF、1 M希塩酸、THF、及びジエチルエーテルで順次 浄した後、減圧下に乾燥させて再生固定化N- ヒドロキシフタルイミド触媒1.56gを得た。
 テフロン(登録商標)内筒付オートクレーブ に、酢酸マンガン(II)四水和物7.0mg、酢酸コ ルト(II)四水和物6.6mg、及びパラキシレン2.1g( 20mmol)の酢酸溶液(3mL)を調製し、ここへ上記で 得られた再生固定化N-ヒドロキシフタルイミ 触媒427mgを懸濁させた。加圧空気下(20気圧=2 MPa)に100℃で15時間撹拌し、反応溶液を分析し たところ、パラキシレンの転化率は51%で、パ ラメチルベンズアルデヒドが選択率8%で、パ メチル安息香酸が選択率57%で、テレフタル が選択率4%で生成していた。これにより、 媒が製造当初の活性に再生されていること 確認された。

 実施例5
 テフロン(登録商標)内筒付オートクレーブ に、酢酸マンガン(II)四水和物7.3mg、酢酸コ ルト(II)四水和物8.4mg、及びパラキシレン221mg (2mmol)の酢酸溶液(5mL)を調製し、ここへ実施例 2の方法で調製した固定化N-ヒドロキシスクシ ンイミド触媒134mgを懸濁させた。加圧空気下( 20気圧=2MPa)に100℃で4時間撹拌し、反応溶液を 分析したところ、パラキシレンの転化率は97% で、パラメチルベンズアルデヒドが選択率1% 、パラメチル安息香酸が選択率50%で、テレ タル酸が選択率20%で生成していた。反応終 後、生成物をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF) 溶解し、固定化触媒を濾別し、酢酸エチル 洗浄、乾燥することにより回収した。

 実施例6
 テフロン(登録商標)内筒付オートクレーブ に、酢酸マンガン(II)四水和物9.1mg、酢酸コ ルト(II)四水和物7.0mg、及びパラキシレン2.14m g(20mmol)の酢酸溶液(3mL)を調製し、ここへ実施 2の方法で調製した固定化N-ヒドロキシスク ンイミド触媒128mgを懸濁させた。加圧空気 (20気圧=2MPa)に100℃で4時間撹拌し、反応溶液 分析したところ、パラキシレンの転化率は3 9%で、パラメチルベンズアルデヒドが選択率2 0%で、パラメチル安息香酸が選択率44%で、テ フタル酸が選択率3%で生成していた。反応 了後、生成物をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF )で溶解し、固定化触媒を濾別し、酢酸エチ で洗浄、乾燥することにより回収した。

 炭化水素類などの有機化合物を温和な条 下で円滑に酸化することができる。また、 媒が固体触媒であるため、反応生成物と容 に分離できるとともに、反応混合物からの 収が容易である。さらに、環状イミド骨格 無機担体とを結合する連結基が2価の炭化水 素基、又は2価の炭化水素基とアミド結合か なる基であるため、調製が容易であり、酸 反応阻害要因を持たないので酸化反応触媒 して好適であり、長期連用も可能である。 収した触媒が失活している場合は、簡単な 作で再生でき、再生した触媒を繰り返し使 することができる。