Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
INTERLAYER INSULATION FILM AND WIRING STRUCTURE, AND THEIR MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/022718
Kind Code:
A1
Abstract:
An insulative coat film comprising one or two or more kinds of oxides having a dielectric constant (k) of 2.5 or smaller and expressed by a general formula of ((CH3)nSiO2-n/2)x(SiO2)1-x (where n=1 to 3, x≤1) is used to form an interlayer insulation film. The insulative coat film applied by spin-coating is flat without reflecting underlying unevenness, and the heat-treated film has surface roughness of 1 nm or less in Ra and 20 nm or less in a P-V value. The interlayer insulation film containing the insulative coat film can have a wiring structure and an electrode formed only by etchingwithout need of a CMP process.

Inventors:
OHMI TADAHIRO (JP)
MATSUOKA TAKAAKI (JP)
INOKUCHI ATSUTOSHI (JP)
WATANUKI KOHEI (JP)
KOIKE TADASHI (JP)
ADACHI TATSUHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064572
Publication Date:
February 19, 2009
Filing Date:
August 14, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
UNIV TOHOKU NAT UNIV CORP (JP)
TOKYO ELECTRON LTD (JP)
UBE INDUSTRIES (JP)
UBE NITTO KASEI CO (JP)
OHMI TADAHIRO (JP)
MATSUOKA TAKAAKI (JP)
INOKUCHI ATSUTOSHI (JP)
WATANUKI KOHEI (JP)
KOIKE TADASHI (JP)
ADACHI TATSUHIKO (JP)
International Classes:
H01L21/312; H01L21/768; H01L23/522
Domestic Patent References:
WO2006137384A12006-12-28
Foreign References:
JP2002222860A2002-08-09
JP2005109452A2005-04-21
JP2002353217A2002-12-06
JP2001044191A2001-02-16
Other References:
See also references of EP 2184771A4
Attorney, Agent or Firm:
IKEDA, Noriyasu et al. (2-2 Uchisaiwaicho 1-chom, Chiyoda-ku Tokyo 11, JP)
Download PDF:
Claims:
 下部電極または配線層と上部配線層との間に設けられた層間絶縁膜であって、比誘電率kが2.5以下である絶縁性塗布膜を少なくとも一部に含むことを特徴とする層間絶縁膜。
 下部電極または配線層と上部配線層との間に設けられた層間絶縁膜であって、主たる絶縁膜としてフルオロカーボン膜を含み、絶縁性塗布膜が前記フルオロカーボン膜の上に設けられていることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項2に記載の層間絶縁膜において、前記フルオロカーボン膜は、原子比でF/Cが0.8乃至1.1の範囲内でFおよびCを含有することを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項2又は3に記載の層間絶縁膜において、前記フルオロカーボン膜の比誘電率kは、1.8~2.2であることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項2乃至4の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記フルオロカーボン膜の厚さは、50~500nmであることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項2乃至5の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗布膜の厚さは前記フルオロカーボン膜の厚さの1/10以下であることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項2乃至5の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗布膜の厚さは前記フルオロカーボン膜の厚さの1/5以下であることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項2乃至5の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗布膜の厚さは前記フルオロカーボン膜の厚さの1/3以下であることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項2乃至8の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記フルオロカーボン膜は、Arガス、XeガスおよびKrガスの少なくとも一つを用いて発生させたプラズマ中でCおよびFを含む少なくとも一種のガスを用いてCVDによって形成されたものであることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項1に記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗布膜が主たる絶縁膜であることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項2乃至9の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗布膜の比誘電率kは、2.5以下であることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項1乃至11の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗布膜はその表面の平坦度がRaで1nm以下、ピーク・トウ・バレイ値で20nm以下であることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項1乃至12の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗布膜は、SiとCとOとを、原子比でO>Si>1/2Cとなるように含有していることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項1乃至13の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗布膜は金属有機化合物および金属無機化合物の少なくとも一方と溶媒とを含む液体状の塗布膜を乾燥、焼成して得た膜であることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項1乃至13の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗布膜は金属有機化合物および金属無機化合物の少なくとも一方と溶媒とを含む液体状の塗布膜を乾燥し600℃以下で焼成して得た膜であることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項1乃至13の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗布膜は金属有機化合物および金属無機化合物の少なくとも一方と溶媒とを含む液体状の塗布膜を乾燥し400℃以下で焼成して得た膜であることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項1乃至16の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗布膜はSiOの繰り返し単位が主骨格であり、かつ、その組成が一般式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)で表される一種、又は二種以上の酸化物で構成される絶縁体膜であることを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項1乃至17の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗布膜はその表面が窒化されてなる窒化表面層を有することを特徴とする層間絶縁膜。
 請求項1乃至18の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜を備えた多層配線構造であって、前記層間絶縁膜にビア及び溝の内の少なくとも一方と、前記ビア及び溝の内の少なくとも一方に埋設された導体層と、前記導体層の周囲に設けられたバリアー層とを備えていることを特徴とする多層配線構造。
 層間絶縁膜を有する多層配線構造において、前記層間絶縁膜は、一般式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる一種又は、二種以上の酸化物で構成される塗布膜から得られた絶縁体膜を含むことを特徴とする多層配線構造。
 請求項20において、前記層間絶縁膜は、前記絶縁体膜と、フロオロカーボン膜(CFx)とを有することを特徴とする多層配線構造。
 請求項20において、前記層間絶縁膜は、前記絶縁体膜によって形成されていることを特徴とする多層配線構造。
 複数の層間絶縁膜を含む多層配線構造において、前記複数の層間絶縁膜のうちの少なくとも一層は一般式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる一種又は、二種以上の酸化物で構成される塗布膜から得られた絶縁体膜を含むことを特徴とする多層配線構造。
 層間絶縁膜の製造方法において、一般式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる一種又は、二種以上の酸化物を含む液体状の材料を塗布し、当該塗布された膜を乾燥させることにより、比誘電率kが2.5以下の絶縁体膜を含む層間絶縁膜を形成することを特徴とする層間絶縁膜の製造方法。
 層間絶縁膜を含む多層配線構造を形成する製造方法において、前記層間絶縁膜を形成する工程は、一般式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる一種又は、二種以上の酸化物を含む液体状の材料を塗布し、当該塗布された膜を乾燥させることにより、比誘電率kが2.5以下の絶縁体膜を含む前記層間絶縁膜を形成する工程を有することを特徴とする多層配線構造の製造方法。
 層間絶縁膜を含む電子装置において、前記層間絶縁膜は一般式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる一種又は、二種以上の酸化物で構成される塗布膜から得られた絶縁体膜であることを特徴とする電子装置。
 層間絶縁膜を含む電子装置の製造方法において、前記層間絶縁膜を形成する工程は、一般式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる一種又は、二種以上の酸化物を含む液体状の材料を塗布し、当該塗布された膜を乾燥させることにより、比誘電率kが2.5以下の絶縁体膜を含む前記層間絶縁膜を形成する工程を有することを特徴とする電子装置の製造方法。
Description:
層間絶縁膜および配線構造と、 れらの製造方法

 本発明は、半導体素子、半導体チップ搭 基板、配線基板等の基板の多層配線構造、 に、層間絶縁膜の構造に関し、また当該多 配線構造を有する半導体装置、配線基板、 よびそれらを含む電子装置に関する。さら 本発明は当該多層配線構造の製造方法、な びに当該多層配線構造を有する半導体装置 配線基板、およびそれらを含む電子装置の 造方法に関する。

 従来、半導体基板上等の多層配線構造に ける配線層間の絶縁のために層間絶縁膜が 成されている。

 このような多層配線構造を採用した半導 装置では、配線間の寄生容量および配線抵 による信号遅延の問題が無視できなくなっ きており、低誘電率(Low-k)を持つ層間絶縁膜 を用いることが要求されてきている。

 この種、低誘電率(Low-k)の材料として、フ ルオロカーボン膜が注目されている。また、 層間絶縁膜に使用できるフルオロカーボン膜 が特許文献1において提案されている。特許 献1は、二重結合を1以上、又は、三重結合を 1つ有する成膜ガスを用いて、フルオロカー ンポリマーからなる層間絶縁膜を形成する とによって、膜密度を制御できることを開 している。更に、二重結合を1つ有する分子 造のフルオロカーボン系の成膜ガスは、プ ズマ中で解離しやすく、高密度で平坦な膜 形成できることを開示している。一方、三 結合を有する分子構造を有する成膜ガスを いて形成されたフルオロカーボンポリマー は、密度が高い性質と硬い性質とを併せ持 た膜であることを開示している。

 一方、特許文献2では、層間絶縁膜の材料 として、極めて低い比誘電率kを有するフル ロカーボン膜が提案されている。具体的に 、特許文献2は、窒素を含有させることによ 、比誘電率kを1.5~2.2まで低下させたフルオ カーボン膜によって形成された層間絶縁膜 開示している。このため、特許文献2は、原 比F/Cで、0.8~1.1の範囲内でF及びCを含有し、 つ、窒素を0.1乃至10原子%含有させることを らかにしている。このようなフルオロカー ン膜は、層間絶縁膜として使用することに り、配線間の寄生容量を低くできるものと て期待されている。

特開2002-220668号公報

特願2007-38584号

 フルオロカーボン膜はその低誘電率のた に半導体素子上の配線構造、特に、層間絶 膜を含む配線構造において層間絶縁膜とし 使用することが期待されていることは前述 た通りである。このような状況の下で、特 文献1は、成膜ガスを選択することによって 、平坦かつ高密度の膜を成膜できることを開 示しているが、フルオロカーボン膜を実際に 半導体装置の層間絶縁膜に適用した具体例は 示されていない。このため、特許文献1は、 ルオロカーボン膜を実際に層間絶縁膜とし 使用した場合における具体的な問題点につ て何等指摘していない。

 他方、特許文献2では、フルオロカーボン 膜によって層間絶縁膜を形成した例が示され ている。しかしながら、実際にフルオロカー ボン膜によって層間絶縁膜を形成した場合、 層間絶縁膜に要求される平坦性が得られない ことが判明した。

 即ち、フルオロカーボン膜によって層間 縁膜を形成した場合、フルオロカーボン膜 表面が凹凸のある粗面となり、層間絶縁膜 して十分な特性が得られないことが判明し 。実際に、フルオロカーボン膜表面の平坦 は、Ra値で1.72nm程度、P-V(ピーク・トゥ・バ イ)値で17.94nm程度であり、誘電率を更に低 させるために窒素(N)を加えると平坦度はさ に悪化する。このフルオロカーボン膜上に バリアー膜を形成すると、フルオロカーボ 膜の凹凸のある粗面を反映した表面になっ しまう。さらに、通常のバリアー膜はkが4.0 上であり、層間絶縁膜の総合的な誘電率を げるためには、よりkの小さいバリアー膜が 必要である。

 そこで、本発明の一技術的課題は、優れ 平坦性を実現できると共に、低誘電率で再 性よく形成できる安定な半導体装置等の層 絶縁膜と、当該層間絶縁膜を含む配線構造 提供することにある。

 また、本発明のもう一つの技術的課題は 前記層間絶縁膜と前記配線構造とを製造す 方法を提供することにある。

 本発明の第1の態様によれば、下部電極ま たは配線層と上部配線層との間に設けられた 層間絶縁膜であって、比誘電率kが2.5以下で る絶縁性塗布膜を少なくとも一部に含むこ を特徴とする層間絶縁膜が得られる。

 本発明の第2の態様によれば、下部電極ま たは配線層と上部配線層との間に設けられた 層間絶縁膜であって、主たる絶縁膜としてフ ルオロカーボン膜を含み、絶縁性塗布膜が前 記フルオロカーボン膜の上に設けられている ことを特徴とする層間絶縁膜が得られる。

 本発明の第3の態様によれば、第2の態様 記載の層間絶縁膜において、前記フルオロ ーボン膜は、原子比でF/Cが0.8乃至1.1の範囲 でFおよびCを含有することを特徴とする層間 絶縁膜が得られる。

 本発明の第4の態様によれば、第2又は3の 様に記載の層間絶縁膜において、前記フル ロカーボン膜の比誘電率kは、1.8~2.2である とを特徴とする層間絶縁膜が得られる。

 本発明の第5の態様によれば、第2乃至4の 様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜にお て、前記フルオロカーボン膜の厚さは、50~5 00nmであることを特徴とする層間絶縁膜が得 れる。

 本発明の第6の態様によれば、第2乃至5の 様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜にお て、前記絶縁性塗布膜の厚さは前記フルオ カーボン膜の厚さの1/10以下であることを特 徴とする層間絶縁膜が得られる。

 本発明の第7の態様によれば、第2乃至5の 様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜にお て、前記絶縁性塗布膜の厚さは前記フルオ カーボン膜の厚さの1/5以下であることを特 とする層間絶縁膜が得られる。

 本発明の第8の態様によれば、第2乃至5の 様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜にお て、前記絶縁性塗布膜の厚さは前記フルオ カーボン膜の厚さの1/3以下であることを特 とする層間絶縁膜が得られる。

 本発明の第9の態様によれば、第2乃至8の 様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜にお て、前記フルオロカーボン膜は、Arガス、Xe ガスおよびKrガスの少なくとも一つを用いて 生させたプラズマ中でCおよびFを含む少な とも一種のガスを用いてCVDによって形成さ たものであることを特徴とする層間絶縁膜 得られる。

 本発明の第10の態様によれば、第1の態様 記載の層間絶縁膜において、前記絶縁性塗 膜が主たる絶縁膜であることを特徴とする 間絶縁膜が得られる。

 本発明の第11の態様によれば、第2乃至9の 態様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜にお いて、前記絶縁性塗布膜の比誘電率kは、2.5 下であることを特徴とする層間絶縁膜が得 れる。

 本発明の第12の態様によれば、第1乃至11 態様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜に いて、前記絶縁性塗布膜はその表面の平坦 がRaで1nm以下、ピーク・トウ・バレイ(P-V)値 20nm以下であることを特徴とする層間絶縁膜 が得られる。

 本発明の第13の態様によれば、第1乃至12 態様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜に いて、前記絶縁性塗布膜は、SiとCとOとを、 子比でO>Si>1/2Cとなるように含有してい ことを特徴とする層間絶縁膜が得られる。 下では、層間絶縁性塗布膜及びその組成を れぞれSiCO塗布膜もしくはSiCO層、及びSiCOと 略化して説明することもある。

 本発明の第14の態様によれば、第1乃至13 態様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜に いて、前記絶縁性塗布膜は金属有機化合物 よび金属無機化合物の少なくとも一方と溶 とを含む液体状の塗布膜を乾燥、焼成して た膜であることを特徴とする層間絶縁膜が られる。

 本発明の第15の態様によれば、第1乃至13 態様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜に いて、前記絶縁性塗布膜は金属有機化合物 よび金属無機化合物の少なくとも一方と溶 とを含む液体状の塗布膜を乾燥し600℃以下 焼成して得た膜であることを特徴とする層 絶縁膜が得られる。

 本発明の第16の態様によれば、第1乃至13 態様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜に いて、前記絶縁性塗布膜は金属有機化合物 よび金属無機化合物の少なくとも一方と溶 とを含む液体状の塗布膜を乾燥し400℃以下 焼成して得た膜であることを特徴とする層 絶縁膜が得られる。

 本発明の第17の態様によれば、第1乃至16の 様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜にお て、前記絶縁性塗布膜はSiOの繰り返し単位 主骨格であり、かつ、その組成が((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)で表される一種、又は二種 以上の酸化物で構成される絶縁体膜であるこ とを特徴とする層間絶縁膜が得られる。

 本発明の第18の態様によれば、第1乃至17 態様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜に いて、前記絶縁性塗布膜はその表面が窒化 れてなる窒化表面層を有することを特徴と る層間絶縁膜が得られる。

 本発明の第19の態様によれば、第1乃至18 態様のいずれか一つに記載の層間絶縁膜を えた多層配線構造であって、前記層間絶縁 にビア及び溝の内の少なくとも一方と、前 ビア及び溝の内の少なくとも一方に埋設さ た導体層と、前記導体層の周囲に設けられ バリアー層とを備えていることを特徴とす 多層配線構造が得られる。

 本発明の第20の態様によれば、層間絶縁膜 有する多層配線構造において、前記層間絶 膜は、一般式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる一種又は、 二種以上の酸化物で構成される塗布膜から得 られた絶縁体膜を含むことを特徴とする多層 配線構造が得られる。

 本発明の第21の態様によれば、第20の態様 において、前記層間絶縁膜は、前記絶縁体膜 と、フロオロカーボン膜(CFx)とを有すること 特徴とする多層配線構造が得られる。

 本発明の第22の態様によれば、第20の態様 において、前記層間絶縁膜は、前記絶縁体膜 によって形成されていることを特徴とする多 層配線構造が得られる。

 本発明の第23の態様によれば、複数の層間 縁膜を含む多層配線構造において、前記複 の層間絶縁膜のうちの少なくとも一層は一 式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる一種又は、 二種以上の酸化物で構成される塗布膜から得 られた絶縁体膜を含むことを特徴とする多層 配線構造が得られる。

 本発明の第24の態様によれば、層間絶縁膜 製造方法において、一般式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる一種又は、 二種以上の酸化物を含む液体状の材料を塗布 し、当該塗布された膜を乾燥させることによ り、比誘電率kが2.5以下の絶縁体膜を含む層 絶縁膜を形成することを特徴とする層間絶 膜の製造方法が得られる。

 本発明の第25の態様によれば、層間絶縁膜 含む多層配線構造を形成する製造方法にお て、前記層間絶縁膜を形成する工程は、一 式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる一種又は、 二種以上の酸化物を含む液体状の材料を塗布 し、当該塗布された膜を乾燥させることによ り、比誘電率kが2.5以下の絶縁体膜を含む前 層間絶縁膜を形成する工程を有することを 徴とする多層配線構造の製造方法が得られ 。

 本発明の第26の態様によれば、層間絶縁膜 含む電子装置において、前記層間絶縁膜は 般式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる一種又は、 二種以上の酸化物で構成される塗布膜から得 られた絶縁体膜であることを特徴とする電子 装置が得られる。

 本発明の第27の態様によれば、層間絶縁膜 含む電子装置の製造方法において、前記層 絶縁膜を形成する工程は、一般式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる一種又は、 二種以上の酸化物を含む液体状の材料を塗布 し、当該塗布された膜を乾燥させることによ り、比誘電率kが2.5以下の絶縁体膜を含む前 層間絶縁膜を形成する工程を有することを 徴とする電子装置の製造方法が得られる。

 本発明によれば、液体状の塗布膜をコー ィングした後、乾燥させることにより層間 縁膜を形成しているため、その表面を極め 平坦に維持することができ、以後の処理に けるCMPプロセスによる平坦化を不要にする とができる。

本発明の一実施の形態に係る多層配線 造を示す断面図である。 図1に示された多層配線構造を製造する 際に使用されるマイクロ波励起プラズマ処理 装置を示す概略断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る多層配 構造を説明する断面図である。 本発明の更に他の実施の形態による多 配線構造を説明する断面図である。 本発明の実施の形態に係る層間絶縁膜 含む半導体装置の一例を説明する断面図で る。 本発明の実施の形態に係る層間絶縁膜 含む半導体装置の他の例を説明する断面図 ある。

符号の説明

  1      バリアーキャップ層
  2      第1の層間絶縁膜
  3      第1の接着層
  4      第2の層間絶縁膜
  5      第2の接着層
  6      硬質マスク
  121    フルオロカーボン膜(CFx膜)
  122    絶縁性塗布膜
  141    フルオロカーボン膜
  142    絶縁性塗布膜
  7      ビアホール
  7´、9´  バリアー層
  8      電極
  9      溝
  10、20  多層配線構造
  11     配線導体(Cu)
  21     バリアーキャップ層
  22     SiCOによって形成された層間絶縁
  25     バリアー層
  27     ビアホール
  28     配線
  29     溝
  27´    バリアー層
  28´    配線導体
  29´    バリアー層
  30     プラズマ処理装置
  31     絶縁体板
  32     アンテナ
  33     上段シャワープレート
  34     プラズマ発生領域
  35     下段シャワープレート
  37     処理室
  41     マイクロ波
  43     ガス導入管

 以下、本発明の実施の形態について図面 参照しながら説明する。

 図1は本発明の一実施の形態に係る配線構 造を示す断面図である。図1に示された半導 装置は、多数の半導体素子を形成した半導 基板(図示せず)上に設けられた多層配線構造 (配線層間の接続部分1箇所のみを示す)10を備 ている。また、図示された多層配線構造10 、半導体基板上に設けられた炭窒化珪素(SiCN )からなるバリアーキャップ層1上に設けられ 第1及び第2の層間絶縁膜2及び4を含んでおり 、これらの層間絶縁膜2及び4は多層に形成さ る配線層及び/又は導電領域を互いに絶縁分 離している。

 第1の層間絶縁膜2には、当該第1の層間絶縁 2とバリアーキャップ層1とを貫通してビア ール7が設けられている。このビアホール7に は、Cuからなる電極または配線8が形成されて いる。さらに、第1の層間絶縁膜2の上にSiCNか らなる第1の接着層3を介してフルオロカーボ 膜からなる第2の層間絶縁膜4が形成されて る。第2の層間絶縁膜4の上にSiCNからなる第2 接着層5を介して、シリコンオキサイド(SiO 2 )からなる硬質マスク6が設けられている。

 また、硬質マスク6から第1の層間絶縁膜2ま 溝9が設けられ、Cuからなる配線導体11がこ 溝に埋め込まれている。尚、ビアホール7及 溝(トレンチ)8の内壁には、配線導体8及び11 構成するCuに対してバリアーを形成するNiF 2 からなるバリアー層7´、9´が形成されている 。

 ここで、バリアーキャップ層1、第1及び第2 接着層3,5のSiCNは、比誘電率kが4.0~4.5である 、これらバリアーキャップ層1、接着層3,5と して、kが3.0より小さいハイドロカーボン膜 、接着層3、5として、更に薄いk=3.0のSiCO膜を 用いることも可能である。ここで、k=3.0以下 ハイドロカーボンとしては、ブチンとArプ ズマからアモルファスカーボン膜(CHy:y=0.8~1.2 )を20~30nmの厚みで成膜することが挙げられる なお、誘電率は上昇するが、バリアーキャ プ層1、接着層3,5としてSiN,SiC及びSiO 2 等を用いても良いことは勿論である。

 更に、硬質マスク層6としてk=4.0のSiO 2 膜を用いたが、kが3.0よりも小さいSiCO膜を使 することもできる。また、硬質マスク6とし て、k=3.0以下のハイドロカーボンによって形 することもできる。例えば、この種のハイ ロカーボンとしては、上述のハイドロカー ン膜が挙げられる。

 図1に示された第1の層間絶縁膜2は、フル ロカーボン膜(以下、CFxと呼ぶ)膜121と、当 CFx膜121上に形成された絶縁性塗布膜122とに って形成され、同様に、第2の層間絶縁膜4も 、CFx膜141と、当該CFx膜上に形成された絶縁性 塗布膜142とによって形成されている。

 ここで、第1及び第2の層間絶縁膜2及び4を 形成するCFx膜121及び141はk=2.0のフルオロカー ン(CFx)膜からなるが、このようなCFx膜121、14 1に窒素を含有させてもよい。CFx膜121、141の 誘電率kは、1.8~2.2の範囲にあることが望まし い。

 更に、第1及び第2の層間絶縁膜2及び4を形 成する絶縁性塗布膜122及び142は、CFx膜121、141 上にコーティング剤を含む混合剤をスピンコ ートによって塗布・乾燥(加熱ベーク)するこ によって形成されている。塗布・乾燥され 絶縁性塗布膜122及び142の表面は1nm以下のRa 有していた。また、この場合におけるピー ・トウ・バレイ(P-V)値は20nm以下であった。

 この例では、コーティング剤、溶媒、及 、その他の成分を含む混合剤を、CFx膜121、1 41上にスピンコートにより塗布することによ て絶縁性塗布膜122、142が作成されている。

 当該絶縁性塗布膜122、142の例としては、金 有機化合物及び金属無機化合物の少なくと 一方からなるコーティング剤と、溶媒とを む液体状の塗布膜があげられる。この場合 溶媒としては、メタノール、エタノール等 アルコール系溶媒、メチルエチルケトン、 チルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、 チレングリコールモノエチルエーテル、プ ピレングリコールモノメチルエーテル等の リコールエステル系溶媒、水等が例示でき 他方、コーティング剤としては、C、Si、及 OをC x SiO y (xは0以上2以下の値、yは2-x/2)の形式で含む化 物が使用できる。当該化合物はSiOの繰り返 単位を主骨格としている。

 ここで、第1及び第2の層間絶縁膜2及び4を形 成する絶縁性塗布膜122、142の具体例としては 、比誘電率kが2.4である(CH 3 SiO 3/2 ) x (SiO 2 ) 1-x が挙げられる。以下、(CH 3 SiO 3/2 ) x (SiO 2 ) 1-x をSiCO塗布膜と略称するものとする。また、 該SiCO塗布膜におけるSi、C、及びOの原子比は 、上式からも明らかなとおり、O>Si>1/2Cで ある。

 また、第1及び第2の層間絶縁膜2及び4に含 まれるCFx膜121、141の厚さは、50~500nmであり、 方、これらCFx膜121、141上にコーティングさ る絶縁性塗布膜122、142の厚さは、CFx膜の厚 よりも薄く、例えば、CFx膜121、141の厚さの1 /3以下、好ましくは、1/5以下、より好ましく 、1/10以下である。

 図2を参照して、図1に示された層間絶縁 2、4のうち、CFx膜121、141を成膜するために使 用されるマイクロ波励起プラズマ処理装置30 説明する。図2において、マイクロ波41が導 管42を経て、プラズマ処理装置30のチャンバ ー壁38の上部に絶縁体板31を介して設置され ラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)32に与 えられ、更に、当該RLSA32からその下の絶縁体 板31と上段シャワープレート33とを透過して プラズマ発生領域34に放射される。プラズマ を励起するプラズマ励起用ガスとして、Arガ (または、Krガス、Xeガス)等の希ガスが、ガ 導入管43を介して、上段シャワープレート33 からプラズマ発生領域34に均一に吹き出させ そこに放射されるマイクロ波によってプラ マが励起される。

 図示されたマイクロ波励起プラズマ処理 置30の拡散プラズマ領域には、下段シャワ プレート35が設置され、下段シャワープレー ト35の下部には、被処理物(ここでは、ウェー ハ36)が基台上に設けられている。

 ここで、上段シャワープレート33から、Kr、 Xe、またはArガスを流し、下段シャワープレ ト35からCxFy(C 5 F 8 ,C 4 F 8 等)ガスを流せば、フロロカーボン膜をウェ ハ36上に形成できる。また、処理室37内の排 スは、図示しない排気ポートを介して、排 ダクト内を通り、ポンプへと夫々導かれる

 上記したように、マイクロ波励起プラズ 処理装置30によってCFx膜121を成膜されたウ ーハは、マイクロ波励起プラズマ処理装置30 から取り出された後、成膜されたCFx膜121上に 、前述したコーティング剤を含む混合剤がス ピンコートによって塗布され、更に、400℃等 の温度でベークすることによって、絶縁性塗 布膜122が成膜され、第1の層間絶縁膜2が形成 れる。

 続いて、図1に示すように、バリアーキャッ プ層としての下地層1及び第1の層間絶縁膜2を エッチングして、ビアホール7を形成する。 に、このビアホール7の内壁に、電極金属の 間絶縁膜への拡散を防止するバリアー層7″ として、ニッケルのフッ化物、好ましくは2 ッ化ニッケル(NiF 2 で示す)膜を、PVDでニッケルを成膜しそれを ッ化処理することにより、または、MOCVDによ って、直接、形成する。

 次に、接着層からなる下地層3としてSiCN を形成し、その上に、CFx層141及び絶縁性塗 層142を含む第2の層間絶縁膜4を形成する。

 第2の層間絶縁膜4を形成するCFx膜141は図2 示されたマイクロ波励起プラズマ処理装置 よって形成され、他方、絶縁性塗布膜142は 絶縁性塗布膜122と同様に、コーティング剤 を含むSiCO塗布膜用塗布剤をスピンコートし ベーキングすることによって成膜されている 。

 次に、第2の層間絶縁層4上に、接着用の下 層5として、SiCN層又はSiCO層を形成し、その 地層5の上に、硬質マスク層6として、SiO 2 又はSiCO層を形成する。ここで、SiO 2 層は、図2に示されるプラズマ処理装置30の上 段シャワープレート33からArとO 2 の混合ガスを導入し、下段シャワープレート 35に、SiH 4 ガスを導入すればよい。これら接着層3、5は 略しても良い。その場合、SiCO塗布膜122,142 接着層を兼ねることになる。

 更に、多層配線構造10に対してエッチング よって、溝9を形成し、溝9の内壁面に、NiF 2 バリアー層9´を形成し、この溝9に金属とし Cuを充填して、配線導体11が形成されて配線 造10が完成する。

 図3は本発明の他の実施の形態に係る多層 配線構造を示す断面図であり、ここでは、図 1に示された多層配線構造よりも簡素化され 多層配線構造が示されている。図3において 、図1と同様に、多数の半導体素子を形成し た半導体基板(図示せず)上に設けられた多層 線構造のうちの一部分だけが示されている

 図示された多層配線構造20は、ハイドロカ ボンCH y 層[y=0.8~1.2]からなるバリアーキャップ層21の に、絶縁性塗布膜によって構成された層間 縁膜22を備えている。更に、層間絶縁膜22の に他のバリアー層25が形成されている。こ 実施の形態では、バリアー層25としてハイド ロカーボンCH 層[y=0.8~1.2]が使用されている。尚、バリアー ャップ層21及びバリアー層25は、前述したハ イドロカーボンに限定されることなく、種々 の材料からなる層を使用できる。

 図3に示すように、バリアーキャップ層21 層間絶縁膜22の下部とを貫通してビアホー 27が設けられている。このビアホール27には Cuからなる電極または配線28が形成されてい る。層間絶縁膜22の残部(上部)とバリアー層25 とを貫通して溝29が設けられ、Cuからなる配 導体28´がこの溝29に埋め込まれている。

 ここで、バリアーキャップ層21及びバリア 層25を形成するハイドロカーボン層(即ち、CH y 層)は3.0またはそれ以下の比誘電率kを有して る。

 図示された層間絶縁膜22を形成する絶縁性 布膜は、図1に示された絶縁性塗布膜122、142 同様に、2.5以下の比誘電率kを有する絶縁性 塗布膜によって形成されることが好ましい。 このため、絶縁性塗布膜によって形成される 層間絶縁膜22は、2.4の比誘電率kを有し、一般 式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、x≦1)であらわされる前述したSiC O塗布膜を使用することが望ましい。

 このように、この実施の形態では、比誘 率kが小さく、かつ、高い平坦性を有する絶 縁性塗布膜だけによって層間絶縁膜22を形成 ているため、従来の層間絶縁膜に比較して 誘電率kを大幅に低下させることができる。 また、当該絶縁性塗布膜の平坦性を規定する Raを1nm以下にできるため、層間絶縁膜22の表 における平坦性も大幅に改善できる。した って、層間絶縁膜22上に積層される電極、素 子等の平坦性を維持することができる。更に 、図示された実施形態は、層間絶縁膜22を絶 性塗布膜単層によって形成しているため、 1に示された多層配線構造に比較して、製造 工程を簡略化できるという利点も有している 。

 図4を参照して、本発明の他の実施の形態 に係る多層配線構造を説明する。図示された 多層配線構造は、下部配線構造上に設けられ たSiCO塗布膜からなるバリアーキャップ層21、 当該バリアーキャップ層21上に設けられた層 絶縁膜22、層間絶縁膜22の上に形成された他 のバリアー層25を含んでいる。この実施の形 では、バリアー層25も前述した絶縁性塗布 (即ち、SiCO塗布膜)によって形成され、一方 図示された層間絶縁膜22はフルオロカーボン (CFx)によって形成されている。

 また、図示されているように、バリアー ャップ層21と層間絶縁膜22(下部)を貫通して アホール27が設けられている。このビアホ ル27には、Cuからなる電極または配線28が形 されている。層間絶縁膜22の残部(上部)とバ アー層25とを貫通して溝29が設けられ、Cuか なる配線導体28’がこの溝29に埋め込まれて いる。また、ビアホール27及び溝29の内壁に 、バリアー層27´及び29´が形成されている。

 更に、図示された例では、ビアホール27 形成されたバリアー層21の表面及びビアホー ル27に露出した内壁は、SiCO塗布膜21の表面を 化してなる表面窒化膜41によって覆われて る。他方、絶縁性塗布膜(SiCO塗布膜)によっ 形成されたバリアー層25の表面及び溝29に露 した内壁にもSiCO塗布膜25の表面を窒化して る表面窒化膜42が形成されており、更に、 面窒化膜42の上面には、多孔質のSiCO塗布膜 らなる多孔質絶縁性塗布膜43が設けられてい る。

 図示された多層配線構造は以下のように て形成される。まず、SiCO塗布膜21を塗布液 塗布・ベーキングによって設け、その表面 窒化して厚さ3~5nmの表面窒化膜41を形成する 。表面窒化膜41の形成後、フルオロカーボン( CFx)からなる層間絶縁膜22を前述したプラズマ CVDによって形成し、その表面にSiCO塗布液を 布し400℃で焼成してSiCO塗布膜からなるバリ ー層25を形成し、その表面を窒化して厚さ3~ 5nmの表面窒化膜42を形成する。その上に多孔 SiCO塗布膜からなる多孔質絶縁性塗布膜43を さ0.7~1.3μm程度形成する。

 次に、多孔質絶縁塗布膜43、バリアー層25 、層間絶縁膜22、バリアー層21に、溝29及びビ アホール27を形成し、その内壁に露出したバ アー層25、21の側面を窒化して厚さ3~5nmの表 窒化膜を形成する。そして、ビアホール27 び溝29の内壁に、前述した例と同様にバリア ー層27´、29´が形成される。

 この状態で、電極及び配線層として、図 示すように、ビアホール27及び溝29を埋める ように、Cuがスパッタされ、配線導体28、28’ が形成される。このとき、Cu層は多孔質絶縁 塗布膜43の表面にも厚さ100μm程度形成され 。

 次に、エチレングリコールを35%含んだバ ファードフッ酸をエッチング液として使用 て、Cuをリフトオフ除去する。すなわち、 記のエッチング液で多孔質絶縁性塗布膜43が 約2分間で溶解、除去される。多孔質絶縁性 布膜43のエッチングの際、当該多孔質絶縁性 塗布膜43上のCu層も除去される。この結果、Cu 層は溝29及びビアホール27内にのみ残され、 極又は配線28、28’が形成される。

 図示された構造では、バリアー層25上の 面窒化膜42がエッチング液に対するエッチン グストッパーとして働くと共に、多孔質絶縁 性塗布膜43を使用することにより、エッチン を迅速に行なうことができる。厚さ3~5nmの 面窒化膜42はフッ酸に2~5分耐えることが出来 る。また、窒化膜41、42によってバリアー層21 、25を覆うことにより、当該バリアー層21、25 を形成するSiCO塗布膜が水分を吸着して有機 を生成するのを防止することができる。

 更に、上記したように、エッチング液と て、エチレングリコール含有のバッファー フッ酸を使用することにより、電極又は配 28を形成するCuの表面が荒れるのを防ぐこと もできる。

 上に説明した実施の形態では、化学的な 法によりリフトオフ(以下、ケミカルリフト オフと呼ぶ)を行なうことにより配線を形成 ることができるため、従来用いられているCM P(化学機械研磨)を使用することなく、配線形 成を行うことができる。また、ケミカルリフ トオフはCMPに比較して1/10程度のコストで行 うことができるため、製造工程におけるコ トを大幅に低減できる。更に、ケミカルリ トオフは、CMPに比較して、広い範囲に亘っ 均一にリフトオフを行なうことができるた 、大面積の半導体装置にも適用できると言 利点がある。

 図5を参照して、フルオロカーボン(CFx)膜と 縁性塗布膜を含む層間絶縁膜を有する半導 装置の具体例を説明する。図示された半導 装置は、半導体基板(ここでは、シリコン基 板)に対して、P(リン)を打ち込むことによっ 形成されたnウェル51及びB(ボロン)を打ち込 ことによって形成されたpウェル52を備え、 nウェル51とpウェル52との間、及び、各nウェ 51及びpウェル52内に、シャロートレンチ(ST)5 4、56が設けられ、各シャロートレンチ54、56 内壁及び底部は、絶縁薄膜によって被覆さ ている。絶縁薄膜によって被覆されたシャ ートレンチ58内には、それぞれSiO 2 からなる絶縁膜58が埋設されている。

 当該絶縁膜58は、前述したSiCO塗布膜を塗布 、900℃程度の高温で熱処理することによっ 、SiCO塗布膜をSiO 2 に改質することによって形成されている。こ のように、絶縁性塗布膜を塗布した後、改質 して絶縁膜58を形成する手法によれば、絶縁 塗布膜自体、塗布した状態で流動性を有し いるため、半導体基板の凹凸に依存するこ なく、表面平坦性を維持している。したが て、熱処理後、SiO 2 に改質された後も、当該SiO 2 は表面平坦性を保っている。このため、改質 後のSiO 2 表面をCMP等により平坦化する必要がなくなる 。

 一方、従来のように、凹凸のある半導体基 表面に、直接、SiO 2 膜を形成した場合、半導体基板表面の凹凸が そのままSiO 2 膜表面の凹凸として反映されるため、CMPによ り当該SiO 2 膜表面を平坦化する必要がある。本発明のよ うに、SiCO塗布膜を改質してSiO 2 膜を形成する手法では、CMPによって平坦化す る必要がなくなるため、半導体装置の製造工 程を著しく簡略化できる。

 図示された例では、シャロートレンチ54、56 で囲まれたnウェル51内に、2つのp型MOSトラン スタ60、62が形成されており、また、シャロ ートレンチ54、56で囲まれたpウェル52内に、2 のn型MOSトランジスタ64、66が形成されてい 。具体的に説明すると、MOSトランジスタ60、 62は、SiO 2 をシャロートレンチ54、56に埋設した後、nウ ル51内には、ボロン等を打ち込むことによ て形成されたp型素子領域70、71、及び72、シ コン窒化膜(Si 3 N 4 )からなるゲート絶縁膜73、74、及び、金属に って形成されたゲート電極77、78を有してい る。図示されたMOSトランジスタ60、62のゲー 絶縁膜73、74、及び、ゲート電極77、78の側壁 は絶縁膜によって覆われている。

 他方、pウェル52内に形成されたn型MOSトラ ンジスタ64、66は、砒素等を打ち込むことに って形成されたn型の素子領域80、81、82、シ コン窒化膜からなるゲート絶縁膜83、84、及 び、ゲート電極87、88を有し、これらゲート 縁膜83、84、ゲート電極87、88の側壁も絶縁膜 によって覆われている。

 更に、MOSトランジスタ60、62、64、66のゲ ト電極77、78、87、88上には、それぞれ、ゲー ト電極配線91、92、93、94が形成されている。 こで、ゲート電極配線91~94は、前述したSiCO 布膜からなる第1の絶縁性塗布膜100を塗布・ 焼成後、選択的にエッチングすることによっ て露出したゲート電極77、78、87、88上に形成 れている。ここで、第1の絶縁性塗布膜100を 形成するSiCO塗布膜の比誘電率kは2.4であった

 また、第1の絶縁性塗布膜100上には、選択 的に配線層102、103、104、105が設けられ、これ ら配線層102、103、104、105はMOSトランジスタ60 62、64、66の素子領域70、72、80、82とそれぞ 電気的に接続されている。即ち、第1の絶縁 塗布膜100は第1の層間絶縁膜を形成している 。

 この場合、配線層102、103、104、105は、SiCO 塗布膜によって形成された第2の絶縁性塗布 110中に埋設されている。即ち、配線層102、10 3、104、105は、第2の絶縁性塗布膜110を選択的 エッチングした領域に形成され、これらは 素子領域70、72、80、82と電気的に接続され いる。SiCO塗布膜によって形成された第2の絶 縁性塗布膜110は第2の層間絶縁膜として機能 、その比誘電率kは2.4であった。

 図示された例では、第2の絶縁性塗布膜110 及び配線層102~105上に、第1のバリアー層112が 成され、当該第1のバリアー層112も比誘電率 kが2.4であるSiCO塗布膜によって形成されてい 。

 次に、バリアー層112上に、比誘電率kが1.9 と非常に低いフルオロカーボン(CFx)膜が第3の 層間絶縁膜114として形成されている。このよ うに、フルオロカーボン膜によって形成され る第3の層間絶縁膜114の比誘電率kは、バリア 層112を形成するSiCO塗布膜の比誘電率kより 低い。

 当該第3の層間絶縁膜114上には、第2のバ アー層116、第4の層間絶縁膜118、及び、第3の バリアー層120が順次形成されている。ここで 、第2及び第3のバリアー層116は第1のバリアー 層112と同様に、比誘電率kが2.4であるSiCO塗布 によって形成され、他方、第4の層間絶縁膜 118はフルオロカーボン(CFx)膜によって形成さ ている。

 第1~第3のバリアー層112、116、及び120はSiCO 塗布液をスピンコートした後、400℃程度の比 較的低温で焼成することによって形成される 。また、第3及び第4の層間絶縁膜114、118は、 イクロ波励起プラズマ処理装置内でCVDによ 形成される。図示された例のように、SiCO塗 布膜をスピンコート塗布することによって第 3のバリアー層120を形成した場合、非常に均 な厚さの第3のバリアー層120を得ることがで る。これは、SiCO塗布膜からなる絶縁性塗布 膜が10~50nmの厚さの範囲において制御可能で るからである。

 図示されているように、配線層103、104、1 05は、第1~第3のバリアー層112、116、120、及び 第3及び第4の層間絶縁膜114、118を通して形 された溝中に形成されたCu配線と電気的に接 続されている。フルオロカーボン(CFx)膜によ て形成された層間絶縁膜114、118にはCuに対 るバリアー膜を設け、Cuの層間絶縁膜に対す る拡散を防止する。また、SiCO塗布膜によっ 形成された第1~第3のバリアー層112、116、及 、120はCu及びフッ素に対して有効なバリアー を形成することも判明した。

 図6を参照して、絶縁性塗布膜によって構 成された層間絶縁膜を有する半導体装置の具 体例を説明する。図6において、図5と同一の 照番号で示された部分は、図5と共通する部 分である。即ち、図6に示された半導体装置 、第1及び第2の層間絶縁膜100及び110として、 SiCO塗布膜を使用している点では、図5と同様 あるが、第2の層間絶縁膜110上に形成される 第3及び第4の層間絶縁膜122及び124もSiCO塗布膜 からなる絶縁性塗布膜によって形成している 点で、図5の半導体装置とは相違している。 の構成では、第3及び第4の層間絶縁膜122及び 124をSiCO塗布膜によって形成しているため、 5に示されたバリアー層112、116、及び120が不 となる。

 この構成では、第1~第4の層間絶縁膜100、1 10、122、124を全て比誘電率kが2.4であるSiCO塗 膜によって形成しているため、図5に示され ように、比誘電率kが1.9であるフルオロカー ボン膜を使用した場合に比較して、若干、比 誘電率kが高くなるが、フルオロカーボン膜 成膜する工程を無くすことができ、製造工 を簡略化できるという利点がある。

 図5及び6に示された例では、第1~第4の層 絶縁膜100、110、122、124として、同一のSiCO塗 膜を使用するものとして説明したが、本発 は何等これに限定されることなく、互いに なるタイプのSiCO塗布膜を用いて形成するこ とも可能である。例えば、速いエッチング速 度が要求される層間絶縁膜は、多孔質のSiCO 布膜によって形成したり、或いは、厚さ方 に成分を変化させた成分傾斜膜によって形 することも可能である。

 なお、上記の実施例では、(CH 3 SiO 3/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、0≦x≦1.0)なる組成の塗布膜を用いた を示したが、この式のCH 3 SiO 3/2 の代わりに例えば(CH 3 ) 2 SiOや、(CH 3 ) 3 SiO 1/2 等、またはそれらの混合体を使用してもよい 。すなわち、一般式((CH 3 ) n SiO 2-n/2 ) x (SiO 2 ) 1-x  (但し、n=1~3、0≦x≦1.0)で示される組成物一種 又は二種以上で構成される塗布膜を用いるの が、本発明の特徴である。ここで、上記の一 般式の最初の「O」のサフィックスは、2-(n/2) ある。

 以上説明したように、本発明は、比誘電 が2.5以下である絶縁性塗布膜を層間絶縁膜 一部または全部として用いているため、層 絶縁膜を含む種々の半導体装置、液晶表示 置等に適用できるだけでなく、層間絶縁膜 含む各種配線構造並びに電子装置に適用で る。