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Patent Searching and Data


Title:
INVERSELY INCLINED FULL-LINING STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/142028
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an inversely inclined full-lining structure of lining bricks, which can prevent the bricks from cracking and dropping so that it can perform a stable operation. The inversely inclined full-lining structure comprises a furnace bottom (4), a lower corner portion (5), a bottom/lower-corner boundary (30), a straight drum portion (6), a constricted portion (7) and a furnace mouth (8) sequentially in the recited order from the bottom of a furnace (20). The individual lining bricks (5a, 6a and 7a) of the lower corner portion (5), the straight drum portion (6) and the constricted portion (7) are prevented from cracking and dropping by inclining the same fully inversely.

Inventors:
UCHIDA SHIGEKI (JP)
HASHIMOTO MASATO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050181
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
January 09, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SHINAGAWA REFRACTORIES CO (JP)
UCHIDA SHIGEKI (JP)
HASHIMOTO MASATO (JP)
International Classes:
C21C5/44; C21C7/00; F27B3/14; F27D1/00; F27D1/16
Foreign References:
JP2006200824A2006-08-03
JPH0682164A1994-03-22
JPS555032U1980-01-14
JP2000035287A2000-02-02
Attorney, Agent or Firm:
SOGA, Michiharu et al. (JP)
Michiharu Soga (JP)
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Claims:
 炉(20)の底部から順に炉底(4)、下部コーナー部(5)、炉底・下部コーナー境界部(30)、直胴部(6)、絞り部(7)及び炉口(8)を有する炉(20)に形成されてなる炉の逆傾斜ライニング構造において、前記直胴部(6)の鉄皮面(1a)上にあって前記炉底(4)から炉口(8)に向かい前記鉄皮面(1a)に沿って前記炉口(8)方向である高さ方向に向かう第3高さ方向軸(12c)と前記直胴部(6)の前記鉄皮面(1a)に対して垂直で炉内に向かう垂直方向軸(11)とを設定したときに、
 前記下部コーナー部(5)の内側に施工する第2内張りれんが(5a)の第2厚み方向中心軸(14b)が前記第3高さ方向軸(12c)より下方の第2高さ方向軸(12b)と前記垂直方向軸(11)との間に位置するように前記下部コーナー部(5)に位置する第2内張りれんが(5a)の一部または全部を積み上げ、
 前記炉底・下部コーナー境界部(30)の内側に施工する第1内張りれんが(30a)が2個以上であり、前記第1内張りれんが(30a)の第1厚み方向中心軸(14a)が、前記炉底・下部コーナー境界部(30)に接する炉底内張りれんが(4a)の第5厚み方向中心軸(14e)と交わるときの小さい方の角度が5度以上であるように、前記第1内張りれんが(30a)の一部または全部を積み上げ、
 前記直胴部(6)の内側に施工する第3内張りれんが(6a)の第3厚み方向中心軸(14c)が、前記第3高さ方向軸(12c)と前記垂直方向軸(11)との間に位置するように前記第3内張りれんが(6a)の一部または全部を積み上げ、
 前記絞り部(7)の内側に施工する第4内張りれんが(7a)の第4厚み方向中心軸(14d)が、前記第3高さ方向軸(12c)より上方の第4高さ方向軸(12d)と前記垂直方向軸(11)との間に位置するように前記第4内張りれんが(7a)の一部または全部を積み上げた構成よりなることを特徴とする逆傾斜フルライニング構造。
 前記直胴部(6)の内側に施工する第3内張りれんが(6a)の第3厚み方向中心軸(14c)が、前記第3高さ方向軸(12c)に垂直な断面において前記垂直方向軸(11)に沿って炉内に向かうことを特徴とする請求項1記載の逆傾斜フルライニング構造。
 前記第2~4厚み方向中心軸(14b,14c,14d)が前記垂直方向軸(11)とのなす角度が5~45度の逆傾斜角度(16)をなすことを特徴とする請求項1又は2記載の逆傾斜フルライニング構造。
 前記第1、第3、第4内張りれんが(5a,6a,7a)の第1、第3、第4炉内面(5aA,6aA,7aA)に段差がないことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の逆傾斜フルライニング構造。
 前記炉(20)が、転炉、AOD炉、溶銑予備処理炉の何れかであることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の逆傾斜フルライニング構造。
Description:
逆傾斜フルライニング構造

 本発明は、転炉、AOD炉、溶銑予備処理炉 の炉に傾斜ライニング構造を適用すること より、れんがの割れおよび脱落防止、安定 業を達成するための新規な改良に関する。

 従来の転炉内張りれんがのライニング構造 、下部コーナー部では、水平積み、ラウン コーナー積み、傾斜積み等が採用され、直 部では水平積み等、絞り部では、水平積み 傾斜積み、逆傾斜積み等が適用されている
 これらのライニング構造は、れんがの積み すさ、迫り割れ等によるれんがの損傷、そ 他操業上の問題等により、それぞれの部位 おいて種々選択されている。
 その内、割れによるれんがの損傷を防止す 観点から提案されているライニング構造は 一例として、絞り部にあっては傾斜積みな し逆傾斜積みが、下部コーナー部にあって ラウンドコーナー積みがある。
 絞り部の構造に関連して、以下の特許が開 されている。
 まず、特許文献1、特許文献2には、傾斜積 構造と水平積み構造が例示されている。
 また、特許文献3には、絞り部鉄皮面に対し て垂直にれんがを積み上げた傾斜型のライニ ング構造が例示されている。

 また、特許文献4には、水平積みのライニン グ構造が例示されている。
 また、特許文献5には、水平積みライニング 構造が例示され、炉の軸線と絞り部鉄皮との なす角度よりも、軸線と内張りれんが表面が なす角度が小さくなるように積み上げること を特徴とする特許が開示されている。
 さらに、逆傾斜積みライニング構造として 特許文献6の特許が例示されている。
 下部コーナー部に関する開示された特許は 下である。
 特許文献7は、下部コーナー部を水平積み構 造にした例である。
 特許文献8は、同じくラウンドコーナー積み である。
 さらに、特許文献9は、傾斜積みになってい る。
 また、これらに共通して直胴部は水平積み イニングになっている。

実開昭61-159357号公報、

特開2003-231910号公報

実開平3-67050号公報

特開平5-279719号公報

特開平7-3321号公報

特開2006-200824号公報

特開平9-263819号公報

実開平5-51941号公報

特開2001-279319号公報

 以上の特許文献1~9は、絞り部、下部コーナ 部等の個々の部分では、ある場合は、れん 損傷を抑制する効果を示すが、他の部位へ 影響を考慮したライニング構造には必ずし なっていない。そのため、ある箇所で優れ 効果を示しても、別の箇所で悪い影響を与 ている可能性があり、場合によっては、悪 箇所が全体を律速してしまうこともある。 たがって、全体として最適なライニング構 を検討することは非常に重要である。
 例えば、絞り部では、水平積みよりも傾斜 みの方が応力軽減が図られ、効果を示して るが、築炉時にれんががずれ落ちたり、使 中にれんがが抜けることがある。また、う く築炉できたとしても、炉の稼動中の多く 時間は、絞り部の傾斜積みれんがに重力に る下方に落ちる力が常に掛かるので、特に れんがが損耗し厚みが薄くなる稼働末期で 、れんがが抜け落ちることがある。さらに 、本発明者らの研究により、そもそも絞り の傾斜積みでは、れんがの亀裂に結びつく 力は軽減されるが、絞り部の水平積みに比 て絞り部のれんが間に隙間が生じやすい。 方、このような絞り部れんがの短命は、水 積みライニングの直胴部れんがにも影響を え、直胴部れんがの脱落、早期損傷にも繋 っている。

 また、本出願人の出願による特許文献6は、 かなりの効果を示し、絞り部れんがの脱落は 見られなくなったが、その良い効果が直胴部 れんがに及ぶものではないので、依然として 従来と同様に、直胴部が損傷されていくこと がある。また、今まで絞り部に律速され停炉 していたものが、寿命が延びたとは言え、今 度は直胴部の寿命に律速されることになる。
 さらに、下部コーナー部においては、ラウ ドコーナー積みが最も優れたライニング構 であることは実炉での結果、あるいは、本 願人の発明者らの解析によって明らかにさ ている。しかし、このラウンドコーナー積 が他に与える影響は検討されたことがない そこで本発明者らは鋭意検討し、確かにラ ンドコーナー積みは下部コーナー部に生じ 応力を緩和し、れんがの割れ損傷を抑制で るライニング構造が、一方で、直胴部に大 な応力を集中せしめ、直胴部の早期損傷の 因になることが判明した。
 また、直胴部のライニング構造は、主とし 水平積み構造が採用されているが、果たし これが最適の構造かどうかも、特に、他の 所のライニング構造との関係で検討された とがない。
 本発明は上記事情を鑑みて行なわれたもの ある。すなわち、全ライニングれんがの割 損傷を抑制できる、全体として最適なライ ング構造を得ることを目的とする。

 本発明による逆傾斜フルライニング構造 、炉の底部から順に炉底、下部コーナー部 炉底・下部コーナー境界部、直胴部、絞り 及び炉口を有する炉に形成されてなる炉の 傾斜ライニング構造において、前記直胴部 鉄皮面上にあって前記炉底から炉口に向か 前記鉄皮面に沿って前記炉口方向である高 方向に向かう第3高さ方向軸と前記直胴部の 前記鉄皮面に対して垂直で炉内に向かう垂直 方向軸とを設定したときに、前記下部コーナ ー部の内側に施工する第2内張りれんがの第2 み方向中心軸が前記第3高さ方向軸より下方 の第2高さ方向軸と前記垂直方向軸との間に 置するように前記下部コーナー部に位置す 第2内張りれんがの一部または全部を積み上 、前記炉底・下部コーナー境界部の内側に 工する第1内張りれんがが2個以上であり、 記第1内張りれんがの第1厚み方向中心軸が、 前記炉底・下部コーナー境界部に接する炉底 内張りれんがの第5厚み方向中心軸と交わる きの小さい方の角度が5度以上であるように 前記第1内張りれんがの一部または全部を積 み上げ、前記直胴部の内側に施工する第3内 りれんがの第3厚み方向中心軸が、前記第3高 さ方向軸と前記垂直方向軸との間に位置する ように前記第3内張りれんがの一部または全 を積み上げ、前記絞り部の内側に施工する 4内張りれんがの第4厚み方向中心軸が、前記 第3高さ方向軸より上方の第4高さ方向軸と前 垂直方向軸との間に位置するように前記第4 内張りれんがの一部または全部を積み上げた 構成であり、また、前記直胴部の内側に施工 する第3内張りれんがの第3厚み方向中心軸が 前記第3高さ方向軸に垂直な断面において前 記垂直方向軸に沿って炉内に向かう構成であ り、また、前記第2~4厚み方向中心軸が前記垂 直方向軸とのなす角度が5~45度の逆傾斜角度 なす構成であり、また、前記第1、第3、第4 張りれんがの第1、第3、第4炉内面に段差が い構成であり、また、前記炉が、転炉、AOD 、溶銑予備処理炉の何れかとした構成であ 。

 本発明は以上のように構成されているため 次のような効果を得ることができる。
 すなわち、転炉、AOD炉、溶銑予備処理炉等 炉の内張りれんが積み構造を逆傾斜積みフ ライニング構造にすることにより、築炉中 れんががずれたり抜け落ちることなく、容 に築炉できるので、施工時間を大幅に短縮 る効果を得ることができ、また、ライニン 全体において、使用中にれんがの膨張によ 応力集中が生じることなくれんがの割れ防 が図られ、さらに、れんが間に隙間が生じ ことなく、また、れんがの損耗が進み残厚 薄くなっても一気に脱落することがないの 、炉寿命の延長と安定操業が可能になり、 た、れんが損傷または抜け落ちに対して従 実施されていた補修作業、それに伴う補修 が必要ないので、炉寿命の延長効果と相ま て炉の操業コストを大幅に削減できるよう なった。

本発明による直胴部ないし絞り部構造 有する炉の逆傾斜フルライニング構造を示 要部の断面図である。 図1の要部の逆傾斜積の逆傾斜角度の決 め方を示す全体構成図である。

 本発明は、炉の内張りれんが積み構造を 傾斜積みとすることにより、築炉中のれん がずれたり抜け落ちることなく、容易に築 できるライニングであること、使用時にれ がの膨張による応力集中が全ライニングれ がに生じることなく、れんがの割れ防止が られるライニングであること、さらに、使 中にれんが間に隙間が生じることがなく、 んがの損耗が進み残厚が薄くなっても一気 脱落することがない構造を有する炉の逆傾 フルライニング構造を得ることを目的とす 。

 以下、図面と共に本発明による逆傾斜ライ ング構造の好適な実施の形態について説明 る。
 通常、炉20のれんが積施工は、炉20の底部20a から上方に向かって行われる。すなわち、炉 底内張りれんが4aからなる炉底4、第1内張り んが30aからなる炉底・下部コーナー境界部30 、第2内張りれんが5aからなる下部コーナー部 5、第1切替れんが9aと第3内張りれんが6aから る直胴部6、第4内張りれんが7aからなる絞り 7、戻しれんが10からなる炉口8で施工される 。一例として、図1を使用して説明する。図1 、鉄皮1の内側に、パーマライニング2、ウ アーライニング3が施工されている。このパ マライニング2は、定形耐火物であるれんが でも、不定形耐火物であるキャスタブル、ス タンプ材、充填材等でも、いずれでも良い。 一方、前記ウェアーライニング3は所定の形 を持ったれんがである。これらのパーマラ ニング2、ウェアーライニング3は、炉20を図1 のように立てた状態で、炉底4から施工され 炉底4、炉底・下部コーナー境界部30と順番 下から上に施工される。この炉底・下部コ ナー境界部30は、炉底で生じたれんがの熱膨 張による突っ張りを下部コーナー部5、さら その上の直胴部6より上方に伝わることを抑 するライニング構造が最適であることが本 明者らの検討で明らかになった。このため 炉底・下部コーナー境界部30のライニング 造は、当該部位に積まれる前記第1内張りれ が30aが2個以上であり、前記第1内張りれん 30aの第1厚み方向中心軸14aが、図1に示すごと く、炉底・下部コーナー境界部30に接する炉 内張りれんが4aの前記第5厚み方向中心軸14e 交わるときの小さい方の角度が5度以上であ るようにライニングされるか、及び/または 炉底・下部コーナー境界部30の内側に施工す る第1内張りれんが30aが2個以上であり、第1内 張りれんが30aの第1厚み方向中心軸14aが、炉 ・下部コーナー境界部30に接する第2内張り んが5aの第2厚み方向中心軸14bと交わるとき 小さい方の角度が5度以上であるようにライ ングされることにより、炉底れんがの膨張 よる突っ張りが下部コーナー部の鉄皮側及 /または炉底の鉄皮側方向に働き、上方への 働きを抑制できる。前記角度が5度以下だと 膨張による突っ張りが上方に向かうことに り好適ではない。

 続いて、下部コーナー部5の内側に施工す る前記第2内張りれんが5aの第2厚み方向中心 14bが第2高さ方向軸12bと垂直方向軸11との間 位置するように前記第2内張りれんが5aの一 または全部を積み上げ、このとき、前記第2 み方向中心軸14bが前記垂直方向軸11とのな 角度が5~45度の逆傾斜角度16であるように積 上げる。このように積み上げることにより 下部コーナー部5で発生する膨張による突っ りは、上方にスムーズに逃がすことができ 全体としての内張りれんがの損傷抑制に有 であることが本発明者らにより得られてい 。もし、スムーズに逃がすことができない 、その逆転した突っ張りが炉底に向かうこ になり、また、上方に対しては、ライニン れんがの局部に応力が集中したり、あるい 、れんが間に隙間等を生じることになり、 傷を助長してしまうことになる。ここで、 記逆傾斜角度16が5度より小さいと、従来の 平積みと同様であり、下部コーナー部の損 が大きくなり、逆傾斜角度16が45度より大き いと、操業中に炉を反転したときに、れんが が抜け落ちやすくなり好適ではない。

 次に、下部コーナー部5まで施工したとこ ろで、直胴部6の施工になる。ここで、直胴 6または直胴部6及び絞り部7のウェアーライ ング3の第3内張りれんが6aないし第4内張りれ んが7aは、本発明の逆傾斜積みで施工される さらに、その上が炉口8になる。このように 積み上げることにより、直胴部6及び絞り部7 発生する膨張による突っ張りは、上方にス ーズに逃がすことができ、全体としての内 りれんがの損傷抑制に有効であることが本 明者らにより得られている。もし、スムー に逃がすことができないと、その逆転した っ張りが下部コーナー部5、炉底4等に向か ことになり、また、上方に対しては、ライ ングれんがの局部に応力が集中したり、あ いは、れんが間に隙間等を生じることにな 、損傷を助長してしまうことになる。

 前記下部コーナー部5のウェアーライニング 3と直胴部6のウェアーライニング3との角度は 異なってもよく、その場合は、下部コーナー 部5のすぐ上に、直胴部6の逆傾斜積れんがを 工することができない。また、同様のこと 直胴部6と絞り部7との間にも言える。そこ 、下部コーナー部5と直胴部6との間に第1切 れんが9aを、直胴部6と絞り部7との間に第2切 替れんが9bを用いることになる。この各切替 んが9a、9bは、1個または複数個を用いて、2 の部位間の角度の違いを調整している。ま 、絞り部7の上部まで積み上げ、炉口8で、 度水平に戻し、炉口8の鉄皮1に接するように するれんがは戻しれんが10である。図1は最後 の1個で上部戻しれんが10としている例である が、複数個を用いても良い。
 前記直胴部6ないし絞り部7の逆傾斜積にな ているウェアーライニング3の各内張りれん 5a~7aは、第2炉内面5aA、第4炉内面7aA、第2~第4 背面5aB~7aBともに滑らかに積み上げても良く あるいは、段差を付けて積み上げても良い しかし、段の飛び出た箇所が使用中に割れ すいので、望ましくは、前記下部コーナー 5、直胴部6、絞り部7に施工した各内張りれ が5a~7aの炉内面5aA~7aAに段差がない施工がよ 良好である。

 前記下部コーナー部5、直胴部6、絞り部7に 成した各内張りれんが5a~7aによる逆傾斜ラ ニングにおける逆傾斜角度は次のようにし 決める。
 前記直胴部6の鉄皮1に対して垂直に各炉内 5aA~7aAに向かう垂直方向軸11と下部コーナー 5、直胴部6、絞り部7の鉄皮1に沿って高さ方 に向かう高さ方向軸12とがなす間の角13を、 下部コーナー部5、直胴部6、絞り部7に配設す る各内張りれんが5a~7aの各厚み方向中心軸14b 14c、14dが通る配設の仕方が逆傾斜積みであ 。

 なお、高さ方向軸12の逆方向と垂直方向軸11 との間を各内張りれんが5a~7aの各厚み方向中 軸14b、14c、14dが通る施工は傾斜積になる。 た、各内張りれんが5a~7aの各厚み方向中心 14b、14c、14dと垂直方向軸11とのなす角度であ る逆傾斜角度16については、逆傾斜なら任意 角度で効果を発揮するが、望ましくは5~45度 のときが最適である。また、5度よりも小さ と、本発明の目的である各内張りれんが5a~7a の割れ、各内張りれんが5a~7a間の隙間生成を 制する効果が減じられ、各内張りれんが5a~7 aの抜け落ちが生じやすくなる。しかし、45度 を超えても、稼働時に各内張りれんが5a~7aが けないように、例えば、各内張りれんが5a~7 aの上下面の両面または片面にダボ(図示せず) を設け、抜け落ち防止を図っても良い。さら に、直胴部6の内張りれんがの第3厚み方向中 軸14cが垂直方向軸11と同じ方向、すなわち 水平積みであっても効果を発揮するが、も とも有効なものは、前述したように下部コ ナー部5、直胴部6、絞り部7が全て逆傾斜積 の場合である。
 なお、本発明の施工方法は、転炉、AOD炉、 銑予備処理炉等に用いることで効果を発揮 る。

 次に、本発明による炉の逆傾斜フルライ ング構造を適用した複数種の炉を用いて実 した結果を表1の第1表に示している。

 第1表中の施工時間割合は、本発明と同じ炉 で比較例として水平積みないし傾斜積施工を 実施したときの直胴部ないし絞り部における 準備を含めた施工時間で、本発明の同部位に おける準備を含めた施工時間を除したときの 割合である。割合が100のとき、比較例と同等 、数値の小さいものほど施工時間が短く良好 であることを示す。
 第1表中の下部コーナー部、直胴部、絞り部 れんが割れ損傷度合は、本発明と同じ炉で比 較例として水平積みないし傾斜積施工を実施 したときの直胴部ないし絞り部れんがの割れ 損傷に起因した損傷速度(mm/ch)で、本発明の 部コーナー部、直胴部、絞り部れんがの割 損傷速度を除したときの度合表示である。 合が100のとき、比較例と同等、数値の小さ ものほど割れ損傷速度が小さく良好である とを示している。
 また、直胴部、絞り部れんが抜け落ち度合 、同様に本発明と同じ炉で比較例として水 積みないし傾斜積施工を実施したときの1炉 代に渡る、それぞれ直胴部、絞り部れんがの 抜け落ち本数で、本発明の絞り部れんがの抜 け落ち本数を除したときの度合表示である。 度合が100のとき、比較例と同等、数値の小さ いものほど抜け落ち損傷速度が小さく良好で あることを示している。
 従って、第1表から分るように、本発明の実 施例は、いずれも比較例よりも優れている。

 従って、前述の通り、本発明による逆傾斜 ルライニング構造の要旨をまとめると、次 通りである。
 すなわち、炉20の底部から順に炉底4、下部 ーナー部5、炉底・下部コーナー境界部30、 胴部6、絞り部7及び炉口8を有する炉20に形 されてなる炉の逆傾斜ライニング構造にお て、前記直胴部6の鉄皮面1a上にあって前記 底4から炉口8に向かい前記鉄皮面1aに沿って 記炉口方向である高さ方向に向かう第3高さ 方向軸12cと前記直胴部6の前記鉄皮面1aに対し て垂直で炉内に向かう垂直方向軸11とを設定 たときに、前記下部コーナー部5の内側に施 工する第2内張りれんが5aの第2厚み方向中心 14bが前記第3高さ方向軸12cより下方の第2高さ 方向軸12bと前記垂直方向軸11との間に位置す ように前記下部コーナー部5に位置する第2 張りれんが5aの一部または全部を積み上げ、 前記炉底・下部コーナー境界部30の内側に施 する第1内張りれんが30aが2個以上であり、 記第1内張りれんが30aの第1厚み方向中心軸14a が、前記炉底・下部コーナー境界部30に接す 炉底内張りれんが4aの第5厚み方向中心軸14e 交わるときの小さい方の角度が5度以上であ るように、前記第1内張りれんが30aの一部ま は全部を積み上げ、及び/または、前記炉底 下部コーナー境界部30の内側に施工する前 第1内張りれんが30aが2個以上であり、前記第 1内張りれんが30aの第1厚み方向中心軸14aが、 記炉底・下部コーナー境界部30に接する前 第2内張りれんが5aの第2厚み方向中心軸14bと わるときの小さい方の角度が5度以上である ように、前記第1内張りれんが30aの一部また 全部を積み上げ、前記直胴部6の内側に施工 る第3内張りれんが6aの第3厚み方向中心軸14c が、前記第3高さ方向軸12cと前記垂直方向軸11 との間に位置するように前記第3内張りれん 6aの一部または全部を積み上げ、前記絞り部 7の内側に施工する第4内張りれんが7aの第4厚 方向中心軸14dが、前記第3高さ方向軸12cより 上方の第4高さ方向軸12dと前記垂直方向軸11と の間に位置するように前記第4内張りれんが7a の一部または全部を積み上げた構成よりなる と共に、前記直胴部6の内側に施工する第3内 りれんが6aの第3厚み方向中心軸14cが、前記 3高さ方向軸12cに垂直な断面において前記垂 直方向軸11に沿って炉内に向かい、前記第2~4 み方向中心軸14b、14c、14dが前記垂直方向軸1 1とのなす角度が5~45度の逆傾斜角度16をなし 前記第1、第3、第4内張りれんが5a、6a、7aの 1、第3、第4炉内面5aA、6aA、7aAに段差がない うにした構成である。