Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
LABEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075312
Kind Code:
A1
Abstract:
A heat-shrinkable polyester film is obtained which is extremely satisfactory in openability along a perforation, has exceedingly high productivity, and is less apt to split in the lengthwise direction in processing, e.g., printing. Provided is a label which is formed from the heat-shrinkable film and is satisfactorily tearable. The label is one formed from a tubular material which comprises as a base a heat-shrinkable film thermally shrinking mainly in the film width direction and which has been cut according to an object to be packaged, both edges in the film width direction having been bonded to each other. The tubular material has been thermally shrunk to constitute the label, with which at least part of the periphery of the object to be packaged is covered. The label has an angle tear strength in the direction perpendicular to the main shrinkage direction (i.e., in the film length direction) of 100-310 N/mm and a tensile break strength in the direction perpendicular to the main shrinkage direction (i.e., in the film length direction) of 50-300 MPa.

Inventors:
HARUTA MASAYUKI (JP)
HASHIMOTO MASATOSHI (JP)
IWASAKI MASAKAZU (JP)
NOSE KATSUHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072476
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
December 11, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TOYO BOSEKI (JP)
HARUTA MASAYUKI (JP)
HASHIMOTO MASATOSHI (JP)
IWASAKI MASAKAZU (JP)
NOSE KATSUHIKO (JP)
International Classes:
G09F3/04; B29C61/06; B65D23/08; B65D25/20; B65D65/02; B65D65/04; B65D71/08; B65D77/20; C08J5/18; G09F3/10; B29K67/00; B29K105/02; B29L7/00
Foreign References:
JP2006045317A2006-02-16
JP2002120343A2002-04-23
JPH091751A1997-01-07
JP2005194466A2005-07-21
Other References:
See also references of EP 2224418A4
None
Download PDF:
Claims:
 フィルム幅方向を主収縮方向として熱収縮する熱収縮性フィルムを基材とし、包装対象物に応じてカットされ、フィルム幅方向の両端が接着された環状体が、包装対象物の外周の少なくとも一部を熱収縮して被覆しているラベルであって、主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の直角引裂強度が100N/mm~310N/mmであり、かつ、主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の引張破壊強さが50MPa以上300MPa以下であることを特徴とするラベル。
 接着が、有機溶剤によりなされていることを特徴とする請求項1に記載のラベル。
 主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)のエルメンドルフ引裂荷重と主収縮方向のエルメンドルフ引裂荷重を測定した場合におけるエルメンドルフ比が0.1以上2.0以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のラベル。
 主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の屈折率が1.565以上1.610以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のラベル。
 主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)に沿って、ミシン目あるいはノッチが設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のラベル。
 熱収縮性フィルムが、熱収縮性ポリエステル系フィルムであることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のラベル。
Description:
ラベル

 本発明は、熱収縮性フィルムによって形 されたラベルに関するものであり、詳しく 、被覆された熱収縮性フィルムからなる引 裂き具合が良好なラベルに関するものであ 。

 近年、ガラス瓶やPETボトル等の保護と商 の表示を兼ねたラベル包装、キャップシー 、集積包装等の用途に、ポリ塩化ビニル系 脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系 脂等からなる延伸フィルム(所謂、熱収縮性 フィルム)が広範に使用されるようになって ている。そのような熱収縮性フィルムの内 ポリ塩化ビニル系フィルムは、耐熱性が低 上に、焼却時に塩化水素ガスを発生したり ダイオキシンの原因となる等の問題がある また、ポリスチレン系フィルムは、耐溶剤 に劣り、印刷の際に特殊な組成のインキを 用しなければならない上、高温で焼却する 要があり、焼却時に異臭を伴って多量の黒 が発生するという問題がある。それゆえ、 熱性が高く、焼却が容易であり、耐溶剤性 優れたポリエステル系の熱収縮性フィルム 、収縮ラベルとして広汎に利用されるよう なってきており、PET容器の流通量の増大に って、使用量が増加している傾向にある。 

 ところが、従来の熱収縮性ポリエステル ィルムは、主収縮方向と直交する長手方向 ついては、ほとんど延伸されていないため 機械的強度が低く、ラベルとしてペットボ ル等に収縮させて被覆させた場合に、ラベ をミシン目に沿ってうまく引き裂くことが きない(すなわち、ミシン目開封性が悪い) という不具合がある。また、熱収縮性ポリ ステルフィルムのミシン目開封性を良好な のとすべく、製造時にフィルムを長手方向 延伸すると、機械的強度が高くなり、ミシ 目開封性はある程度向上するものの、長手 向に収縮力が発現してしまうため、ラベル してペットボトル等に収縮させて被覆させ 場合に、非常に見栄え(収縮仕上がり性)が悪 くなる、という不具合が露呈する。また従来 の熱収縮性ポリエステルフィルムは、主収縮 方向と直交する長手方向については、ほとん ど延伸されていないため、機械的強度が低く  印刷等の加工時に長手方向に破断し易いと う問題や フィルムをボトル等に装着させ 時の高速装着時のフィルム腰が不十分とい 問題がある。

 それゆえ、熱収縮性ポリエステルフィルム ミシン目開封性を向上させるべく、熱収縮 ポリエステルフィルムの主原料中に非相溶 熱可塑性樹脂を混合する方法(特許文献1)等 提案されている。

特開平2002-363312号公報

 上記特許文献1の如き熱収縮性ポリエステ ルフィルムの主原料中に非相溶な熱可塑性樹 脂を混合する方法によれば、熱収縮性ポリエ ステルフィルムのミシン目開封性がある程度 向上するものの、必ずしもミシン目開封性が 十分な熱収縮性ポリエステルフィルムが得ら れているとは言い難い。また、特許文献1の き方法を採用した場合でも、製造時には幅 向にしか延伸することができないため、効 良く熱収縮性ポリエステルフィルムを製造 ることはできない。

 本発明の目的は、上記従来の熱収縮性ポリ ステルフィルムが有する問題点を解消し、 シン目開封性が非常に良好な上、きわめて 産性が高く 印刷等の加工時に長手方向に
破断し難い熱収縮性ポリエステルフィルムを 得て、そのような熱収縮性フィルムからなる 引き裂き具合が良好なラベルを提供すること にある。

 即ち、本発明は以下の構成よりなる。
1. フィルム幅方向を主収縮方向として熱収 する熱収縮性フィルムを基材とし、包装対 物に応じてカットされ、フィルム幅方向の 端が接着された環状体が、包装対象物の外 の少なくとも一部を熱収縮して被覆してい ラベルであって、主収縮方向と直交する方 (フィルム長手方向)の直角引裂強度が100N/mm~3 10N/mmであり、かつ、主収縮方向と直交する方 向(フィルム長手方向)の引張破壊強さが50MPa 上300MPa以下であることを特徴とするラベル
2. 接着が、有機溶剤によりなされているこ を特徴とする上記第1に記載のラベル。3. 主 収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向) エルメンドルフ引裂荷重と主収縮方向のエ メンドルフ引裂荷重を測定した場合におけ エルメンドルフ比が0.1以上2.0以下であるこ を特徴とする上記第1又は第2に記載のラベ 。
4. 主収縮方向と直交する方向(フィルム長手 向)の屈折率が1.565以上1.610以下であること 特徴とする上記第1~第3のいずれかに記載の ベル。
5. 主収縮方向と直交する方向(フィルム長手 向)に沿って、ミシン目あるいはノッチが設 けられていることを特徴とする上記第1~第4の いずれかに記載のラベル。
6. 熱収縮性フィルムが、熱収縮性ポリエス ル系フィルムであることを特徴とする上記 1~第5のいずれかに記載のラベル。

 なお、本発明の熱収縮性フィルムとして 、熱収縮性ポリエステル系フィルム、熱収 性ポリスチレン系フィルム、熱収縮性ポリ レフィン系フィルム、熱収縮性ポリ塩化ビ ル系フィルム等を挙げることができる。ま 、ミシン目とは複数のスリットが直線状あ いは曲線状に連続して設けられたものを言 が、1つだけスリットが設けられたものも含 まれる。さらに、ミシン目を構成するスリッ トの形状は特に限定されない。一方、ノッチ とはラベルの端縁に設けられた切り込みのこ とを言い、その形状は特に限定されない。

 本発明のラベルに使用される熱収縮性フ ルムは、主収縮方向であるフィルム幅方向 の収縮性が高く、主収縮方向と直交するフ ルム長手方向における機械的強度も高い上 製造されたロール状のフィルムにおいて巻 締まりが起こらず、フィルムロールにシワ 入りにくく、開封性が良好である。したが て、当該熱収縮性ポリエステル系フィルム 、ボトル等の容器のラベルとして好適に用 ることができ、ボトル等の容器に短時間の に非常に効率良く装着することが可能とな 上、装着後に熱収縮させた場合に、熱収縮 よるシワや収縮不足のきわめて少ない良好 仕上がりを発現させることができる。加え 、装着されたラベルは、非常に良好な開封 を発現するものとなる。したがって、本発 のラベルは引き裂き具合が良好であり、被 されたラベルを適度な力で、主収縮方向と 交する方向に、ミシン目が設けられた場合 はミシン目に沿って綺麗に引き裂くことが きる。

 本発明のラベルは、熱収縮性ポリエステル フィルムを基材とし、少なくとも外周の一 に被覆して熱収縮させてなるものであり、 ベルの対象物としては、飲料用のペットボ ルをはじめ、各種の瓶、缶、菓子や弁当等 プラスチック容器、紙製の箱等を挙げるこ ができる(以下、これらを総称して包装対象 物という)。なお、通常、それらの包装対象 に、熱収縮性ポリエステル系フィルムを基 とするラベルを熱収縮させて被覆させる場 には、当該ラベルを約2~15%程度熱収縮させて 包装対象物に密着させる。なお、包装対象物 に被覆されるラベルには、印刷が施されてい ても良いし、印刷が施されていな
くても良く、ラベルの主収縮方向と直交する 方向にミシン目が設けられていてもよい。

 また、包装対象物にラベルを被覆させる 合には、予め、主収縮方向が周方向になる うに環状体を形成した上で、その環状体を 装対象物に被せて熱収縮させる方法を採用 ることもできるが、そのように環状体を形 する場合には、各種の接着剤を用いて熱収 性フィルムを接着する方法の他に、高温発 体を利用して熱収縮性フィルムを融着させ 着させる方法(溶断シール法)等を利用する とも可能である。なお、熱収縮性フィルム 溶断シールする場合には、所定の自動製袋 械(たとえば、共栄印刷機械材料社製-RP500)を 用いて、溶断刃の温度、角度を所定の条件( とえば、溶断刃の温度=240℃、刃角=70°)に調 した上で、所定の速度(たとえば、100個/分) 環状体や袋を形成する方法等を採用するこ ができる。加えて、包装対象物にラベルを 覆させる場合には、包装対象物の周囲にラ ルを捲回させて重なった部分を溶断シール ることにより包装対象物の周囲にラベルを せた後に熱収縮させる方法を採用すること 可能である。

 一方、ラベル形成用の熱収縮性フィルム しては、熱収縮性ポリエステル系フィルム 熱収縮性ポリスチレン系フィルム、熱収縮 ポリオレフィン系フィルム、熱収縮性ポリ 化ビニル系フィルム等の各種のプラスチッ からなる熱収縮性フィルムを挙げることが きるが、その中でも、熱収縮性ポリエステ 系フィルムを用いると、ラベルの耐熱性が くなり、ラベルが耐溶剤性に優れたものと る上、ラベルが容易に焼却できるものとな ので好ましい。それゆえ、以下の説明にお ては、熱収縮性ポリエステル系フィルムを 心に説明する。

 また、本発明のラベルは、被覆されてい ラベル(印刷層を除いたフィルム基材)の単 厚み当たりの主収縮方向と直交する方向に ける直角引裂強度を以下の方法で測定した 合に、当該直角引裂強度が100N/mm以上310N/mm以 下であることが好ましい。ここで、ラベルは 熱処理されて収縮し、包装対象物に装着され たものであるので、そのもの自体が熱収縮処 理前のラベルほどの大きな熱収縮特性を有す るものではないが、ラベルが装着される際に 主として収縮した方向を主収縮方向と述べて いる(以下ラベルに関して同じ記載である)。

[直角引裂強度の測定方法]
 ラベルをJIS-K-7128に準じて所定の大きさの試 験片としてサンプリングする。しかる後に、 万能引張試験機(たとえば、(株)島津製作所製  オートグラフ)で試験片の両端を掴み、引張 速度200mm/分の条件にて、ラベルの主収縮方向 と直交する方向における引張破壊時の強度の 測定を行う。そして、下式1を用いて単位厚 当たりの直角引裂強度を算出する。
 直角引裂強度=引張破壊時の強度í厚み ・ 式1

 ラベルの主収縮方向と直交する方向にお る直角引裂強度が100N/mm未満であると、運搬 中の落下等の衝撃によって簡単に破れてしま う事態が生ずる可能性があるので好ましくな く、反対に、ラベルの主収縮方向と直交する 向における直角引裂強度が310N/mmを上回ると 引き裂く際の初期段階におけるカット性(引 裂き易さ)が不良となるため好ましくない。 なお、直角引裂強度の下限値は、120N/mm以上 あると好ましく、140N/mm以上であるとより好 しく、160N/mm以上であると特に好ましい。ま た、直角引裂強度の上限値は、290N/mm以下で ると好ましく、260N/mm以下であるとより好ま く、270N/mm以下であると特に好ましい。

 また、本発明のラベルは、被覆されている ベル(印刷層を除いたフィルム基材)のフィ ム長手方向における引張破壊強さを以下の 法で測定した場合に、当該引張破壊強さ
が50MPa以上300MPa以下であることが好ましい。

[引張破壊強さの測定方法]
 ラベルをJIS-K-7127に準じて、所定の大きさに サンプリングして試験片とし、万能引張試験 機(たとえば、(株)島津製作所製 オートグラ )で試験片の両端(フィルム長手方向)を掴み 引張速度200mm/分の条件にて引張試験を行い 破断時の応力値(ラベルの印刷層を除いたフ ィルム基材の応力値)を算出する。

 ラベルの主収縮方向と直交する方向(フィ ルム長手方向)における引張破壊強さが50MPa未 満であると、フィルムからラベルに加工する 際 印刷等のフィルム長手方向に張力をかけ 加工時に 破断しやすくなる欠点がある。 お、引張破壊強さの下限値は、90MPa以上であ ると好ましく、130MPa以上であるとより好まし く、160MPa以上であると特に好ましい。

 また、本発明のラベルは、被覆されてい ラベル(印刷層を除いたフィルム基材)の主 縮方向と直交する方向のエルメンドルフ引 荷重および主収縮方向のエルメンドルフ引 荷重を、以下の方法で測定した場合におけ エルメンドルフ比が0.1以上2.0以下であるこ が好ましい。

[エルメンドルフ比の測定方法]
 JIS-K-7128に準じて、ラベルを主収縮方向(フ ルム幅方向)が長尺な長方形状に切断した後 長手方向の中央に端縁から切り込みを入れ ことによって試験片を作製し、ラベルの主 縮方向と直交する方向のエルメンドルフ引 荷重(ラベルの印刷層を除いたフィルム基材 のエルメンドルフ引裂荷重)を測定する。ま 、ラベルを主収縮方向と直交する方向が長 な長方形状に切断した後に長手方向の中央 端縁から切り込みを入れることによって試 片を作製し、ラベルの主収縮方向のエルメ ドルフ引裂荷重(ラベルの印刷層を除いたフ ルム基材のエルメンドルフ引裂荷重)を測定 する。しかる後、下式2を用いてエルメンド フ比を算出する。
 エルメンドルフ比=主収縮方向(フィルム幅 向)のエルメンドルフ引裂荷重í主収縮方向 直交する方向(フィルム長手方向)のエルメン ドルフ引裂荷重 ・・式2

 ラベルのエルメンドルフ比が0.1未満であ と、主収縮方向と直交する方向に、ミシン がある場合にはミシン目に沿って、真っ直 に引き裂きにくいので好ましくない。反対 ラベルのエルメンドルフ比が2.0を上回ると ミシン目とずれた位置で裂け易くなるので ましくない。なお、ラベルのエルメンドル 比の下限値は、0.12以上であると好ましく、 0.14以上であるとより好ましく、0.16以上であ と特に好ましい。また、ラベルの印刷層を いたフィルム基材のエルメンドルフ比の上 値は、1.8以下であると好ましく、1.6以下で るとより好ましく、1.5以下であると特に好 しい。

 また、本発明のラベルは、被覆されてい ラベルの主収縮方向と直交する方向(フィル ム長手方向)の屈折率が1.565以上1.610以下であ と好ましい。主収縮方向と直交する方向の 折率が1.610を上回ると、溶剤接着性が悪く るので好ましくない。反対に、1.565未満とな ると、カット性が悪くなるので好ましくない 。なお、主収縮方向と直交する方向の屈折率 の上限値は、1.605以下であると好ましく、1.60 0以下であるとより好ましい。また、主収縮 向と直交する方向の屈折率の下限値は、1.570 以上であると好ましく、1.575以上であるとよ 好ましい。

 本発明で使用するポリエステルを構成する カルボン酸成分としては、テレフタル酸、 ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オ トフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、およ び脂環式ジカルボン酸等を挙げることができ る。

 脂肪族ジカルボン酸(たとえば、アジピン 酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等)を 有させる場合、含有率は3モル%未満であるこ とが好ましい。これらの脂肪族ジカルボン酸 を3モル%以上含有するポリエステルを使用し 得た熱収縮性ポリエステル系フィルムでは 高速装着時のフィルム腰が不十分である。

 また、3価以上の多価カルボン酸(たとえ 、トリメリット酸、ピロメリット酸および れらの無水物等)を含有させないことが好ま い。これらの多価カルボン酸を含有するポ エステルを使用して得た熱収縮性ポリエス ル系フィルムでは、必要な高収縮率を達成 にくくなる。

 本発明で使用するポリエステルを構成す ジオール成分としては、エチレングリコー 、1-3プロパンジオール、1-4ブタンジオール ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオー 等の脂肪族ジオール、1,4-シクロヘキサンジ メタノール等の脂環式ジオール、ビスフェノ ールA等の芳香族系ジオール等を挙げること できる。

 本発明のラベルとして好ましく使用され 熱収縮性ポリエステル系フィルムに用いる リエステルは、1,4-シクロヘキサンジメタノ ール等の環状ジオールや、炭素数3~6個を有す るジオール(たとえば、1-3プロパンジオール 1-4ブタンジオール、ネオペンチルグリコー 、ヘキサンジオール等)のうちの1種以上を含 有させて、ガラス転移点(Tg)を60~80℃に調整し たポリエステルが好ましい。

 また、熱収縮性ポリエステル系フィルム 用いるポリエステルは、全ポリステル樹脂 における多価アルコール成分100モル%中の非 晶質成分となりうる1種以上のモノマー成分 合計が15モル%以上であることが好ましく、17 モル%以上であることがより好ましく、特に20 モル%以上であることが好ましい。ここで、 晶質成分となりうるモノマーとしては、た えば、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロ キサンジオールやイソフタル酸を挙げるこ ができる

 熱収縮性ポリエステル系フィルムに用い ポリエステル中には、炭素数8個以上のジオ ール(たとえばオクタンジオール等)、または3 価以上の多価アルコール(たとえば、トリメ ロールプロパン、トリメチロールエタン、 リセリン、ジグリセリン等)を、含有させな ことが好ましい。これらのジオール、また 多価アルコールを含有するポリエステルを 用して得た熱収縮性ポリエステル系フィル では、必要な高収縮率を達成しにくくなる

 また、熱収縮性ポリエステル系フィルム 用いるポリエステル中には、ジエチレング コール、トリエチレングリコール、ポリエ レングリコールをできるだけ含有させない とが好ましい。特に、ジエチレングリコー は、ポリエステル重合時の副生成成分のた 、存在し易いが、本発明で使用するポリエ テルでは、ジエチレングリコールの含有率 4モル%未満であることが好ましい。

 また、熱収縮性ポリエステル系フィルムは 90℃の温水中で無荷重状態で10秒間に亘って 処理したときに、収縮前後の長さから、下式 3により算出したフィルムの幅方向(主収縮方 )の熱収縮率(すなわち、90℃の湯温熱収縮率 )が、40%以上80%以下であることが好ましい。
 熱収縮率={(収縮前の長さ-収縮後の長さ)/収 前の長さ}×100(%) ・・式3

 90℃における幅方向の湯温熱収縮率が40% 下回ると、収縮量が小さいために、熱収縮 た後のラベルにシワやタルミが生じてしま ので好ましくなく、反対に、90℃における幅 方向の湯温熱収縮率が80%を上回ると、ラベル として用いて場合に熱収縮時に収縮に歪みが 生じ易くなったり、いわゆる“飛び上がり” が発生してしまうので好ましくない。なお、 90℃における幅方向の湯温熱収縮率の下限値 、45%以上であると好ましく、50%以上である より好ましく、55%以上であると特に好まし 。また、90℃における幅方向の湯温熱収縮 の上限値は、75%以下であると好ましく、70% 下であるとより好ましく、65%以下であると に好ましい。

 また、本発明に好ましく用いられる熱収 性ポリエステル系フィルムは、90℃の温水 で無荷重状態で10秒間に亘って処理したとき に、収縮前後の長さから、上式3により算出 たフィルムの長手方向(主収縮方向と直交す 方向)の熱収縮率(すなわち、90℃の湯温熱収 縮率)が、0%以上15%以下であることが好ましく 、0%以上13%以下であるとより好ましく、0%以 12%以下であると更に好ましく、0%以上11%以下 であると一層好ましく、0%以上9%以下である 特に好ましい。

 90℃における長手方向の湯温熱収縮率が0% 未満であると(すなわち、収縮率が負の値で ると)、ボトルのラベルとして使用する際に 好な収縮外観を得ることができないので好 しくなく、反対に、90℃における長手方向 湯温熱収縮率が15%を上回ると、ラベルとし 用いた場合に熱収縮時に収縮に歪みが生じ くなるので好ましくない。なお、90℃におけ る長手方向の湯温熱収縮率の下限値は、1%以 であると好ましく、2%以上であるとより好 しく、3%以上であると特に好ましい。

 また、本発明に好ましく用いられる熱収 性ポリエステル系フィルムは、90℃に加熱 たときの幅方向の収縮応力が3MPa以上20MPa以 であると好ましい。90℃に加熱したときの幅 方向の収縮応力が3MPaを下回ると、ボトルの ベルとして使用する際に良好な収縮外観を ることができないので好ましくなく、反対 、90℃に加熱したときの幅方向の収縮応力が 20MPaを上回ると、ラベルとして用いた場合に 収縮時に収縮に歪みが生じ易くなるので好 しくない。なお、90℃に加熱したときの幅 向の収縮応力の下限値は、4MPa以上であると り好ましく、5MPa以上であると一層好ましく 、6MPa以上であると特に好ましい。また、90℃ に加熱したときの幅方向の収縮応力の上限値 は、18MPa以下であるとより好ましく、16MPa以 であると一層好ましく、14MPa以下であるとさ らに好ましく、12MPa以下であると特に好まし 。

 さらに、本発明に好ましく用いられる熱 縮性ポリエステル系フィルムの厚みは、特 限定するものではないが、ラベル用熱収縮 フィルムとして5~200μmが好ましく、10~70μmが より好ましい。

 加えて、本発明に好ましく用いられる熱 縮性ポリエステル系フィルムは、ヘイズ値 4.0%以上13.0%以下であることが好ましい。ヘ ズ値が13.0%を超えると、透明性が不良とな 、ラベル作成の際に見栄えが悪くなる可能 があるので好ましくない。なお、ヘイズ値 、11.0%以下であるとより好ましく、9.0%以下 あると特に好ましい。また、ヘイズ値は、 さいほど好ましいが、実用上必要な滑り性 付与する目的でフィルムに所定量の滑剤を 加せざるを得ないこと等を考慮すると、4.0% 度が下限になる。 

 さらに、本発明に好ましく用いられる熱収 性ポリエステル系フィルムは、溶剤接着強 が4(N/15mm)以上であることが好ましい。溶剤 着強度が4(N/15mm)
未満であると、ラベルが熱収縮した後に溶剤 接着部から剥れ易くなるので好ましくない。 なお、溶剤接着強度は、6(N/15mm)以上であると より好ましく、8(N/15mm)以上であると特に好ま しい。なお、溶剤接着強度は高いほど好まし いが、当該溶剤接着強度の上限は、製膜装置 の性能上から15(N/15mm)程度が限界であると考 ている。

 また、本発明に好ましく用いられる熱収 性ポリエステル系フィルムは、動摩擦係数( 熱収縮性ポリエステル系フィルムの表面と裏 面とを接合させた場合の動摩擦係数)が0.1以 0.55以下であることが好ましい。動摩擦係数 0.1を下回ったり0.55を上回ったりすると、ラ ベルに加工する際の加工特性が悪くなるので 好ましくない。なお、動摩擦係数の下限値は 、0.15以上であるとより好ましく、0.2以上で ると特に好ましい。また、動摩擦係数の上 値は、0.50以下であるとより好ましく、0.45以 下であると特に好ましい。

 また、本発明に好ましく用いられる熱収 性ポリエステル系フィルムは、上記したポ エステル原料を押出機により溶融押し出し て未延伸フィルムを形成し、その未延伸フ ルムを以下に示す所定の方法により二軸延 して熱処理することによって得ることがで る。

 原料樹脂を溶融押し出しする際には、ポ エステル原料をホッパードライヤー、パド ドライヤー等の乾燥機、または真空乾燥機 用いて乾燥するのが好ましい。そのように リエステル原料を乾燥させた後に、押出機 利用して、200~300℃の温度で溶融しフィルム 状に押し出す。かかる押し出しに際しては、 Tダイ法、チューブラー法等、既存の任意の 法を採用することができる。

 そして、押し出し後のシート状の溶融樹 を急冷することによって未延伸フィルムを ることができる。なお、溶融樹脂を急冷す 方法としては、溶融樹脂を口金より回転ド ム上にキャストして急冷固化することによ 実質的に未配向の樹脂シートを得る方法を 適に採用することができる。

 さらに、得られた未延伸フィルムを、後 するように、所定の条件で長手方向に延伸 、その縦延伸後のフィルムを急冷した後に 一旦、熱処理し、その熱処理後のフィルム 所定の条件で冷却した後に、所定の条件で 方向に延伸し、再度、熱処理することによ て本発明の熱収縮性ポリエステル系フィル を得ることが可能となる。以下、本発明の 収縮性ポリエステル系フィルムを得るため 好ましい製膜方法について、従来の熱収縮 ポリエステル系フィルムの製膜方法との差 を考慮しつつ詳細に説明する。

[本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム 製膜方法]
 上述したように、通常、熱収縮性ポリエス ル系フィルムは、未延伸フィルムを収縮さ たい方向(すなわち、主収縮方向、通常は幅 方向)のみに延伸することによって製造され 。本発明者らが従来の製造方法について検 した結果、従来の熱収縮性ポリエステル系 ィルムの製造においては、以下のような問 点があることが判明した。
・単純に幅方向に延伸するだけであると、上 述の如く、長手方向の機械的強度が小さくな り、ラベルとした場合のミシン目開封性が悪 くなる。その上、製膜装置のライン速度を上 げることが困難である。
・幅方向に延伸した後に長手方向に延伸する 方法を採用すると、どのような延伸条件を採 用しても、幅方向の収縮力を十分に発現させ ることができない。さらに、長手方向の収縮 力が同時に発現してしまい、ラベルとした際 に収縮装着後の仕上がりが悪くなる。
・長手方向に延伸した後に幅方向に延伸する 方法を採用すると、幅方向の収縮力は発現さ せることができるものの、長手方向の収縮力 が同時に発現してしまい、ラベルとした際に
収縮装着後の仕上がりが悪くなる。

 さらに、上記従来の熱収縮性ポリエステル フィルムの製造における問題点に基づいて 本発明者らが、ミシン目開封性が良好で生 性の高い熱収縮性ポリエステル系フィルム 得ることについてさらなる考察を進めた結 、次のような知見を得るに至った。
・ラベルとした際のミシン目開封性を良好な ものとするためには、長手方向へ配向した分 子をある程度残しておく必要があると考えら れること
・ラベルとした際の収縮装着後の仕上がりを 良好なものとするためには、長手方向への収 縮力を発現させないことが不可欠であり、そ のためには長手方向へ配向した分子の緊張状 態を解消する必要があると考えられること

 そして、本発明者らは、上記知見から、良 なミシン目開封性と収縮仕上がり性を同時 満たすためには、“長手方向に配向しつつ 縮力に寄与しない分子”をフィルム中に存 させる必要がある、と考えるに至った。そ て、どのような延伸を施せば“長手方向に 向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィ ム中に存在させることができるかに注目し 試行錯誤した。その結果、長手方向に延伸 た後に幅方向に延伸する所謂、縦-横延伸法 によるフィルム製造の際に、以下の手段を講 じることにより、“長手方向に配向しつつ収 縮力に寄与しない分子”をフィルム中に存在 させることを実現し、良好なミシン目開封性 と収縮仕上がり性を同時に満たす熱収縮性ポ リエステル系フィルムを得ることが可能とな り、本発明を案出するに至った。
(1)縦延伸条件の制御
(2)縦延伸後における中間熱処理
(3)中間熱処理と横延伸との間における自然冷 却(加熱の遮断)
(4)自然冷却後のフィルムの強制冷却
(5)横延伸条件の制御
 以下、上記した各手段について順次説明す 。

(1)縦延伸条件の制御
 本発明において好ましく採用される縦-横延 伸法によるフィルムの製造においては、本発 明のフィルムロールを得るためには、縦延伸 を二段で行うのが好ましい。すなわち、実質 的に未配向のフィルムを、Tg以上Tg+30℃以下 温度で2.2倍以上3.0倍以下の倍率となるよう 縦延伸し(一段目の延伸)、Tg以下に冷却する となく、Tg+10以上Tg+40℃以下の温度で1.2倍以 上1.5倍以下の倍率となるように縦延伸する( 段目の延伸)ことにより、トータルの縦延伸 率(すなわち、一段目の縦延伸倍率×二段目 縦延伸倍率)が2.8倍以上4.5倍以下となるよう に縦延伸するのが好ましく、トータルの縦延 伸倍率が3.0倍以上4.3倍以下となるように縦延 伸するとより好ましい。

 また、上記の如く二段で縦延伸する際に 、縦延伸後のフィルムの長手方向の屈折率 1.600~1.630の範囲内となり、縦延伸後のフィ ムの長手方向の熱収縮応力が10MPa以下となる ように、縦延伸の条件を調整するのが好まし い。そのような所定の条件の縦延伸を施すこ とにより、後述する中間熱処理、横延伸、最 終熱処理時にフィルムの長手方向・幅方向へ の配向度合い、分子の緊張度合いをコントロ ールすることが可能となり、ひいては、最終 的なフィルムのミシン目開封性を良好なもの とすることが可能となる。

 上記の如く縦方向に延伸する際に、トータ の縦延伸倍率が高くなると、長手方向の収 率が高くなってしまう傾向にあるが、上記 如く縦方向に二段で延伸することにより、 手方向の延伸応力を小さくすることが可能 なり、長手方向の収縮率を低く抑えること 可能となる。また、トータルの縦延伸倍率 高くなると、幅方向の延伸時の応力が高く
なってしまい、最終的な横方向の収縮率のコ ントロールが難しくなる傾向にあるが、二段 で延伸することにより、横方向の延伸応力も 小さくすることができ、横方向の収縮率のコ ントロールが容易なものとなる。

 さらに、トータルの縦延伸倍率が高くな と、直角引裂強度が低くなり、長手方向の 張強さが高くなる。また、トータルの縦延 倍率を横延伸倍率に近づけることによって エルメンドルフ比を1.0に近づけることが可 となり、ラベルとした際のミシン目開封性 良好なものとすることができる。さらに、 方向に二段で延伸することにより、横方向 延伸応力を低下できることに起因して、長 方向の配向を高くすることが可能となり、 角引裂強度が一層低くなり、長手方向の引 強さがより大きなものとなる。したがって 縦方向に二段で延伸し、トータルの縦延伸 率を高くすることによって、非常にミシン 引裂性の良好なラベルを得ることが可能と る。

 一方、トータルの縦延伸倍率が4.5倍を上 ると、長手方向の配向が高くなって溶剤接 強度が低くなってしまうが、トータルの縦 伸倍率を4.5倍以下にコントロールすること よって、幅方向への配向を抑えて、溶剤接 強度を高く保持することが可能となる、ま 、トータルの縦延伸倍率が4.5倍を上回ると 表層の粗さが少なくなるため、動摩擦係数 高くなってしまうが、トータルの縦延伸倍 を4.5倍以下にコントロールすることによっ 、表層の粗さの減少を抑えて、動摩擦係数 低く保持することが可能となる。

 また、縦方向に二段で延伸することによ 、長手方向の延伸応力が小さくなるため、 手方向の厚み斑および幅方向の厚み斑が大 くなる傾向にあるが、トータルの縦延伸倍 が高くすることにより、長手方向の厚み斑 小さくすることができ、それに伴ってヘイ も低減することができる。加えて、トータ の縦延伸倍率を高くすることによって、横 伸時の応力が高くなるため、幅方向の厚み も低減することができる。

 加えて、トータルの縦延伸倍率が高くす ことにより、長手方向への配向を高くする とができ、二軸延伸後のフィルムを最終的 ロールに巻き取る際のスリット性を向上さ ることができる。

(2)縦延伸後における中間熱処理
 上述の如く、“長手方向に配向しつつ収縮 に寄与しない分子”をフィルム内に存在さ るためには、長手方向に配向した分子を熱 和させることが好ましいが、従来、フィル の二軸延伸において、一軸目の延伸と二軸 の延伸との間において、高温の熱処理をフ ルムに施すと、熱処理後のフィルムが結晶 してしまうため、それ以上延伸することが きない、というのが業界での技術常識であ た。しかしながら、本発明者らが試行錯誤 た結果、縦-横延伸法において、ある一定の 条件で縦延伸を行い、その縦延伸後のフィル ムの状態に合わせて中間熱処理を所定の条件 で行い、さらに、その中間熱処理後のフィル ムの状態に合わせて所定の条件で横延伸を施 すことによって、横延伸時に破断を起こさせ ることなく、“長手方向に配向しつつ収縮力 に寄与しない分子”をフィルム内に存在させ 得る、という驚くべき事実が判明した。

 すなわち、本発明において好ましく採用さ る縦-横延伸法によるフィルムの製造におい ては、未延伸フィルムを縦延伸した後に、テ ンター内で幅方向の両端際をクリップによっ て把持した状態で、130℃以上190℃以下の温度 で1.0秒以上9.0秒以下の時間に亘って熱処理( 下、中間熱処理という)することが必要であ 。かかる中間熱処理を行うことによって、 長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない 子”をフィルム内に存在させることが可能 なり、ひいては、ラベルとした場合にミシ 目開封性が良好で収縮斑が生じないフィル を得ることが可能となる。なお、どのよう 縦延伸を行った場合
でも、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与 しない分子”をフィルム内に存在させること が可能となるわけではなく、前述した所定の 縦延伸を実施することによって、中間熱処理 後に、初めて“長手方向に配向しつつ収縮力 に寄与しない分子”をフィルム内に存在させ ることが可能となる。そして、後述する所定 の自然冷却、強制冷却、横延伸を施すことに よって、フィルム内に形成された“長手方向 に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”を保 持したまま、幅方向へ分子を配向させて幅方 向への収縮力を発現させることが可能となる 。

 なお、中間熱処理の温度の下限は、140℃ 上であると好ましく、150℃以上であるとよ 好ましい。また、中間熱処理の温度の上限 、180℃以下であると好ましく、170℃以下で るとより好ましい。一方、中間熱処理の時 は、1.0秒以上9.0秒以下の範囲内で原料組成 応じて適宜調整する必要があり、3.0秒以上7 .0秒以下に調整するのが好ましい。

 また、上記の如く中間熱処理する際には 中間熱処理後のフィルムの長手方向の屈折 が1.595~1.625の範囲内となり、中間熱処理後 フィルムの長手方向の熱収縮応力が0.5MPa以 となるように、中間熱処理の条件を調整す のが好ましい。さらに、中間熱処理後のフ ルムの長手方向の引張破壊伸びが100%以上170% 以下となるように、中間熱処理の条件を調整 するのが好ましい。そのような所定の条件の 中間熱処理を施すことにより、横延伸、最終 熱処理時にフィルムの長手方向・幅方向への 配向度合い、分子の緊張度合いをコントロー ルすることが可能となり、ひいては、最終的 なフィルムのミシン目開封性を良好なものと することが可能となる。なお、中間熱処理後 のフィルムの長手方向の引張破壊伸びが100% 下回ると、フィルムが脆いために横延伸性 悪く、横延伸時に破断が起こり易くなって まう。反対に、中間熱処理後のフィルムの 手方向の引張破壊伸びが170%を上回ると、横 伸、最終熱処理の条件を調整しても、ミシ 目開封性の良好なフィルムを得ることが困 となる。

 さらに、上記の如く中間熱処理する際に 、中間熱処理後のフィルムの長手方向の直 引裂強度が260N/mm以下となるように、中間熱 処理の条件を調整するのが好ましい。そのよ うな所定の条件の中間熱処理を施すことによ り、横延伸時における長手方向の直角引裂強 度の急激な増加を抑えることが可能となり、 最終的なフィルムのミシン目開封性を良好な ものとすることが可能となる。

 上記の如く中間熱処理する際に、処理温 を130℃以上に保つことにより、長手方向へ 縮する応力を低減することが可能となり、 手方向の収縮率をきわめて低くすることが 能となる。また、中間熱処理の温度を190℃ り高くすると、横方向の収縮率のバラツキ 大きくなってしまうが、中間熱処理の温度 190℃以下にコントロールすることによって 横方向の収縮率のバラツキを低減すること 可能となる。

また、処理温度を130℃以上に保つことにより 、長手方向の配向を高くすることが可
能となり、直角引裂強度を低く保つことが可 能となるとともに、長手方向のエルメンドル フ比を1.0に近づけることができる。また、中 間熱処理する際に、処理温度が190℃を上回る と、フィルムが結晶化して、長手方向の引張 強さが低下してしまうが、中間熱処理の温度 を190℃以下にコントロールすることによって 、フィルムの結晶化を抑えて長手方向の引張 強さを高く保つことが可能となる。

 また、中間熱処理する際に、処理温度が190 を上回ると、フィルムの表層が結晶化して 剤接着強度が低くなってしまうが、中間熱 理の温度を190℃以下にコントロールするこ によって、フィルムの表層の結晶化を抑え 溶剤接着強度を高く保つことが可能となる 加えて、処理温度を130℃以上に保つことに り、表層の表面粗度を適度に
高くすることによって、摩擦係数を低くする ことが可能となる。

 さらに、中間熱処理する際に、処理温度 190℃を上回ると、フィルムに収縮斑が生じ ことにより、長手方向の厚み斑および幅方 の厚み斑が大きくなる傾向にあるが、中間 処理の温度を190℃以下にコントロールする とによって、長手方向の厚み斑を小さく保 ことが可能となる。加えて、中間熱処理す 際に、処理温度が190℃を上回ると、フィル が結晶化してしまい、横延伸時の応力がば つくことに起因して、幅方向の厚み斑が大 くなる傾向にあるが、中間熱処理の温度を1 90℃以下にコントロールすることによって、 ィルムの結晶化を抑えて幅方向の厚み斑を さく保つことが可能となる。

 また、中間熱処理する際に、処理温度が1 90℃を上回ると、フィルムに収縮斑が生じる とに起因して、製造中にフィルムのスリッ 性が悪化したり、フィルムの破断が生じ易 なったりするが、中間熱処理の温度を190℃ 下にコントロールすることによって、フィ ムの破断を抑えて、良好なスリット性を保 ことが可能となる。

 加えて、中間熱処理する際に、処理温度 190℃を上回ると、フィルムが結晶化するこ に起因して、フィルムのヘイズが高くなる 向にあるが、中間熱処理の温度を190℃以下 コントロールすることによって、フィルム ヘイズを低く抑えることが可能となる。

(3)中間熱処理と横延伸との間における自然冷 却(加熱の遮断)
 本発明において好ましく採用される縦-横延 伸法によるフィルムの製造においては、上記 の如く、縦延伸後に中間熱処理を施す必要が あるが、その縦延伸と中間熱処理との間にお いて、0.5秒以上3.0秒以下の時間に亘って、積 極的な加熱操作を実行しない中間ゾーンを通 過させる必要がある。すなわち、横延伸用の テンターの横延伸ゾーンの前方に中間ゾーン を設けておき、縦延伸後のフィルムをテンタ ーに導き、所定時間をかけて当該中間ゾーン を通過させた後に、横延伸を実施するのが好 ましい。加えて、その中間ゾーンにおいては 、フィルムを通過させていない状態で短冊状 の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完 全に鉛直方向に垂れ下がるように、フィルム の流れに伴う随伴流および冷却ゾーンからの 熱風を遮断するのが好ましい。なお、中間ゾ ーンを通過させる時間が0.5秒を下回ると、横 延伸が高温延伸となり、横方向の収縮率を十 分に高くすることができなくなるので好まし くない。反対に中間ゾーンを通過させる時間 は3.0秒もあれば十分であり、それ以上の長さ に設定しても、設備のムダとなるので好まし くない。なお、中間ゾーンを通過させる時間 の下限は、0.7秒以上であると好ましく、0.9秒 以上であるとより好ましい。また、中間ゾー ンを通過させる時間の上限は、2.8秒以下であ ると好ましく、2.6秒以下であるとより好まし い。

(4)自然冷却後のフィルムの強制冷却
 本発明において好ましく採用される縦-横延 伸法によるフィルムの製造においては、上記 の如く自然冷却したフィルムをそのまま横延 伸するのではなく、フィルムの温度が80℃以 120℃以下となるように急冷することが必要 ある。かかる急冷処理を施すことによって ラベルとした際のミシン目開封性が良好な ィルムを得ることが可能となる。なお、急 後のフィルムの温度の下限は、85℃以上で ると好ましく、90℃以上であるとより好まし い。また、急冷後のフィルムの温度の上限は 、115℃以下であると好ましく、110℃以下であ るとより好ましい。

 上記の如くフィルムを急冷する際に、急冷 のフィルムの温度が120℃を上回ったままで ると、フィルムの幅方向の収縮率が低くな てしまい、ラベルとした際の収縮性が不十 となってしまうが、冷却後のフィルムの温 が120℃以下となるようにコントロ
ールすることによって、フィルムの幅方向の 収縮率を高く保持することが可能となる。

また、フィルムを急冷する際に、急冷後の フィルムの温度が120℃を上回ったままである と、フィルムが結晶化してしまい、ヘイズが 高くなり、長手方向の引張強さが低下し、溶 剤接着強度が低下する傾向にあるが、冷却後 のフィルムの温度が120℃以下となるような急 冷を施すことによって、ヘイズを低く保持し 、長手方向の引張強さおよび溶剤接着強度を 高く保持することが可能となる。

さらに、フィルムを急冷する際に、急冷後の フィルムの温度が120℃を上回ったまま
であると、冷却後に行う横延伸の応力が小さ くなり、幅方向の厚み斑が大きくなり易い傾 向にあるが、冷却後のフィルムの温度が120℃ 以下となるような急冷を施すことによって、 冷却後に行う横延伸の応力を高めて、幅方向 の厚み斑を小さくすることが可能となる。

 加えて、フィルムを急冷する際に、急冷 のフィルムの温度が120℃を上回ったままで ると、フィルムが結晶化することに起因し 、フィルムの破断が生じ易くなってしまう 、冷却後のフィルムの温度が120℃以下とな ような急冷を施すことによって、フィルム 破断を抑えることが可能となる。

(5)横延伸条件の制御
 本発明において好ましく採用される縦-横延 伸法によるフィルムの製造においては、縦延 伸、中間熱処理、急冷後のフィルムを所定の 条件で横延伸する必要がある。すなわち、横 延伸は、テンター内で幅方向の両端際をクリ ップによって把持した状態で、80℃以上120℃ 下の温度で2.0倍以上6.0倍以下の倍率となる うに行う必要がある。かかる所定条件での 延伸を施すことによって、縦延伸および中 熱処理によって形成された“長手方向に配 しつつ収縮力に寄与しない分子”を保持し まま、幅方向へ分子を配向させて幅方向の 縮力を発現させることが可能となり、ラベ とした際のミシン目開封性が良好なフィル を得ることが可能となる。なお、横延伸の 度の下限は、85℃以上であると好ましく、90 ℃以上であるとより好ましい。また、横延伸 の温度の上限は、115℃以下であると好ましく 、110℃以下であるとより好ましい。一方、横 延伸の倍率の下限は、2.5倍以上であると好ま しく、3.0倍以上であるとより好ましい。また 、横延伸の倍率の上限は、5.5倍以下であると 好ましく、5.0倍以下であるとより好ましい。

 上記の如く横方向に延伸する際に、横方 に延伸する際に、延伸温度を高くすると、 手方向の引張強さが大きくなり、エルメン ルフ比が1.0に近づき、長手方向の直角引裂 度が低くなり、ラベルとした際のミシン目 封性が良好なものとなる。

 また、延伸温度が120℃を上回ると、長手 向の収縮率が高くなるとともに、幅方向の 縮率が低くなってしまうが、延伸温度を120 以下にコントロールすることによって、長 方向の収縮率を低く抑えるとともに、幅方 の収縮率を高く保持することが可能となる

 さらに、横延伸における延伸温度が高く ると、横方向の配向が低くなって、溶剤接 強度が高くなるとともに、滑剤の圧潰を防 することが可能となり、摩擦係数を低く保 ことが可能となる。加えて、横延伸におけ 延伸温度が高くなると、フィルムの内部の イドが減少することによって、フィルムの イズが低くなる。

 また、延伸温度が120℃を上回ると、幅方向 厚み斑が大きくなり易い傾向にあるが、延 温度を120℃以下にコントロールすることに って、幅方向の厚み斑を小さくす
ることができる。

 一方、延伸温度が80℃を下回ると、幅方 への配向が高くなりすぎて、横延伸時に破 し易くなったり、二軸延伸後のフィルムを 終的にロールに巻き取る際のスリット性が くなったりするが、延伸温度を80℃以上にコ ントロールすることによって、横延伸時にお ける破断を低減し、巻き取り時のスリット性 を改善することが可能となる。

[製造工程の相互作用がフィルム特性に与え 影響]
 本発明に好ましく用いられる熱収縮性ポリ ステル系フィルムの製造に当たっては、縦 伸工程、中間熱処理工程、自然冷却工程、 制冷却工程、横延伸工程の内の何れかの工 のみが、単独でフィルムの特性を良好なも とすることができるものではなく、縦延伸 程、中間熱処理工程、自然冷却工程、強制 却工程、横延伸工程のすべてを所定の条件 て行うことにより、非常に効率的にフィル の特性を良好なものとすることが可能とな ものと考えられる。また、フィルムの特性 中でも、エルメンドルフ比、長手方向の直 引裂強度、長手方向の引張破壊強さ、幅方 の厚み斑、動摩擦係数、長手方向の厚み斑 いった重要な特性は、特定の複数の工程同 の相互作用によって大きく数値が変動する

 すなわち、本発明に好ましく用いられる 収縮性ポリエステル系フィルムは、長手方 の直角引裂強度を100N/mm以上310N/mm以下に調 する必要があるが、当該長手方向の直角引 強度には、縦延伸工程と中間熱処理工程と 相互作用が非常に大きく影響する。

 また、本発明に好ましく用いられる熱収 性ポリエステル系フィルムは、長手方向の 張破壊強さを50MPa以上300MPa以下に調整する 要があるが、当該長手方向の引張破壊強さ は、縦延伸工程、中間熱処理工程、および 延伸工程という3つの工程の相互作用が非常 大きく影響する。

 また、本発明に好ましく用いられる熱収 性ポリエステル系フィルムは、エルメンド フ比を0.1以上2.0以下に調整する必要がある 、当該エルメンドルフ比は、縦延伸工程と 間熱処理工程との相互作用が非常に大きく 響する。

 加えて、本発明に好ましく用いられる熱 縮性ポリエステル系フィルムは、動摩擦係 を0.1以上0.55以下に調整すると好ましいが、 当該動摩擦係数には、縦延伸工程と中間熱処 理工程との相互作用が非常に大きく影響する 。

 したがって、熱収縮性ポリエステル系フ ルムの長手方向の直角引裂強度、引張破壊 さ、エルメンドルフ比、動摩擦係数を本発 の範囲内に調整するためには、上記した工 同士の相互作用を考慮しつつ、上記のよう デリケートな条件調整が必要となる。

 本発明のラベルは、前記の熱収縮性ポリ ステル系フィルムを基材を少なくとも外周 一部に被覆して熱収縮させてなるものであ 、ラベルの対象物としては、飲料用のペッ ボトルをはじめ、各種の瓶、缶、菓子や弁 等のプラスチック容器、紙製の箱等を挙げ ことができる。なお、通常、それらの包装 象物に、熱収縮性ポリエステル系フィルム 基材とするラベルを熱収縮させて被覆させ 場合には、当該ラベルを約2~15%程度熱収縮 せて包装体に密着させる。なお、包装対象 に被覆されるラベルには、印刷が施されて ても良いし、印刷が施されていなくても良 。

 ラベルを作成する方法としては、長方形状 フィルムの片面の端部から少し内側に有機 剤を塗布し、直ちにフィルムを丸めて端部 重ね合わせて接着してラベル状にするか、
あるいは、ロール状に巻き取ったフィルムの 片面の端部から少し内側に有機溶剤を塗布し 、直ちにフィルムを丸めて端部を重ね合わせ て接着して、チューブ状体としたものをカッ トしてラベル状とする。接着用の有機溶剤と しては、1,3-ジオキソランあるいはテトラヒ ロフラン等の環状エーテル類が好ましい。 の他、ベンゼン、トルエン、キシレン、ト メチルベンゼン等の芳香族炭化水素、塩化 チレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化 素やフェノール等のフェノール類あるいは れらの混合物が使用できる。

 以下、実施例によって本発明をより詳細 説明するが、本発明は、かかる実施例の態 に何ら限定されるものではなく、本発明の 旨を逸脱しない範囲で、適宜変更すること 可能である。

 フィルムの評価方法は下記の通りである

[熱収縮率(湯温熱収縮率)]
 フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、所定 温度±0.5℃の温水中において、無荷重状態で1 0秒間処理して熱収縮させた後、フィルムの および横方向の寸法を測定し、下式3にした って、それぞれ熱収縮率を求めた。当該熱 縮率の大きい方向を主収縮方向とした。
 熱収縮率={(収縮前の長さ-収縮後の長さ)/収 前の長さ}×100(%) ・・式3

[最大熱収縮応力値]
 フィルムを、主収縮方向(幅方向)×主収縮方 向と直交する方向(長手方向)=200mm×15mmのサイ にカットした。しかる後、(株)ボールドウ ン社製 万能引張試験機 STM-50を温度90℃に 整した上で、カットしたフィルムをセット 、10秒間保持したときの主収縮方向の応力値 を測定した。

[直角引裂強度]
 80℃に調整された湯温中にてフィルムを主 縮方向に10%収縮させた後に、JIS-K-7128に準じ 、図1に示す形状にサンプリングすることに よって試験片を作製した(なお、サンプリン においては、試験片の長手方向をフィルム 主収縮方向とした)。しかる後に、万能引張 験機((株)島津製作所製 オートグラフ)で試 片の両端を掴み、引張速度200mm/分の条件に 、引張破壊時の強度の測定を行い、下式1を 用いて単位厚み当たりの直角引裂強度を算出 した。
 直角引裂強度=引張破壊時の強度í厚み ・ 式1

[エルメンドルフ比]
 フィルムを矩形状の枠に予め弛ませた状態 装着し(フィルムの両端を枠によって把持さ せ)、弛んだフィルムが枠内で緊張状態とな まで(弛みがなくなるまで)、約5秒間に亘っ 80℃の温水に浸漬させることによって、フィ ルムを主収縮方向に10%収縮させた(以下、予 収縮という)。しかる後に、JIS-K-7128に準じて 、主収縮方向×直交方向=75mm×63mmのサイズに り取り、長尺な端縁(主収縮方向に沿った端 )の中央から当該端縁に直交するように20mm スリット(切り込み)を入れることによって試 験片を作製した。そして、作製された試験片 を用いて主収縮方向と直交する方向のエルメ ンドルフ引裂荷重の測定を行った。また、上 記方法と同様な方法でフィルムを主収縮方向 に予備収縮させた後に、フィルムの主収縮方 向と直交方向とを入れ替えて試験片を作製し 、主収縮方向のエルメンドルフ引裂荷重の測 定を行った。そして、得られた主収縮方向お よび主収縮方向と直交する方向のエルメンド ルフ引裂荷重から下式4を用いてエルメンド フ比を算出した。
 エルメンドルフ比=主収縮方向のエルメンド ルフ引裂荷重í主収縮方向と直交する方向の ルメンドルフ引裂荷重 ・・式4

[ヘイズ]
 JIS-K-7136に準拠し、ヘイズメータ(日本電色 業株式会社製、300A)を用いて測定した。なお 、測定は2回行い、その平均値を求めた。

[溶剤接着強度]
 フィルムに1,3-ジオキソランを塗布して2枚 張り合わせることによってシールを施した しかる後、シール部をフィルムの主収縮方 と直交する方向(以下、直交方向という)に15m mの幅に切り取り、それを(株)ボールドウィン 社製 万能引張試験機 STM-50にセットし、引 速度200mm/分の条件で180°ピール試験を行った 。そして、そのときの引張強度を溶剤接着強 度とした。

 [屈折率]
 アタゴ社製の「アッベ屈折計4T型」を用い 、各試料フィルムを23℃、65%RHの雰囲気中で2 時間以上放置した後に測定した。

 また、被覆後のラベルの評価方法は下記 通りである。

[引張破壊強さの測定方法]
 包装対象物に装着されたラベルを引き剥が 、そのラベルに印刷が施されている場合に 、印刷層を酢酸エチルをしみ込ませた布を 用して拭き取った。印刷が施されていない 又は印刷層を除いたラベルについて、JIS-K-7 127に準じて、主収縮方向と直交する方向(フ ルム長手方向)の長さ50mm×主収縮方向(フィル ム幅方向)の長さ20mmの長方形状にサンプリン して試験片とし、万能引張試験機((株)島津 作所製 オートグラフ)を利用して、試験片 両端(長尺方向の両端)を掴み、引張速度200mm /分の条件にて引張試験を行い、破断時の応 値を引張破壊強さとして算出した。

[直角引裂強度]
 包装対象物に装着されたラベルを引き剥が 、そのラベルに印刷が施されている場合に 、印刷層を酢酸エチルをしみ込ませた布を 用して拭き取った。印刷が施されていない 又は印刷層を除いたラベルについて、JIS-K-7 128に準じて、図1に示す形状にサンプリング ることによって試験片を作製した(なお、サ プリングにおいては、試験片の長手方向を ベルの主収縮方向とした)。しかる後に、万 能引張試験機((株)島津製作所製 オートグラ )を利用して、試験片の両端を掴み、引張速 度200mm/分の条件にて、ラベルの主収縮方向と 直交する方向(フィルム長手方向)における引 破壊時の強度の測定を行い、上式1を用いて 単位厚み当たりの直角引裂強度を算出した。

[エルメンドルフ比]
 包装対象物に装着されたラベルを引き剥が 、そのラベルに印刷が施されている場合に 、印刷層を酢酸エチルをしみ込ませた布を 用して拭き取った。印刷が施されていない 又は印刷層を除いたラベルについて、JIS-K-7 128に準じて、主収縮方向×主収縮方向と直交 る方向=37.5mm×31.5mmのサイズに切り取り、主 縮方向に沿った端縁の中央から当該端縁に 交するように10mmのスリット(切り込み)を入 ることによって試験片を作製した。そして ミシン目方向(=主収縮方向と直交する方向= 手方向)のエルメンドルフ引裂荷重を測定し た。また、フィルムの主収縮方向と直交する 方向と主収縮方向とを入れ替えて試験片を作 製し、ミシン目と直交する方向(=主収縮方向= 幅方向)のエルメンドルフ引裂荷重を測定し 。そして、得られた主収縮方向および主収 方向と直交する方向のエルメンドルフ引裂 重から上式2を用いてエルメン
ドルフ比を算出した。

[屈折率]
 包装対象物に装着されたラベルを引き剥が 、そのラベルの表面に施された印刷を溶剤( 酢酸エチル、メチルエチルケトン等)を含ま た布で拭取ることにより取り除き(印刷がな れば溶剤による拭取り作業は不要)、インク が落ち透明になったラベルを65%RHの雰囲気中 2時間以上放置した後に、アタゴ社製の「ア ッベ屈折計4T型」を用いて測定した。なお、 記した方法により屈折率を測定した。

[落下時の開封率]
 ラベルを装着したペットボトル等の包装対 物に水を500ml充填し、そのペットボトルを 5℃に調整された冷蔵庫内で8時間以上放置し た後、1mの高さからミシン目を設けた部分を にして落下させ、ミシン目が引き裂かれた のの割合(%)を算出した(n=100)。

[収縮仕上り性]
 包装対象物の周囲に装着されたラベルの仕 がり状態を、目視によって下記の基準によ 評価した。
 ◎:シワ,飛び上り、収縮不足の何れも未発 で、かつ色の斑も見られない
 ○:シワ,飛び上り、または収縮不足が確認 きないが、若干、色の斑が見られる
 △:飛び上り、収縮不足の何れも未発生だが 、ネック部の斑が見られる
 ×:シワ、飛び上り、収縮不足が発生

[ラベル密着性]
 装着されたラベルと包装対象物とを軽くね ったときのラベルのズレ具合を官能評価し 。ラベルが動かなければ○、すり抜けたり ラベルとボトルがずれたりした場合には× した。

[ミシン目開封性]
 ラベルを装着したペットボトル等の包装対 物に水を500ml充填し、5℃に冷蔵し、冷蔵庫 ら取り出した直後のボトルのラベルのミシ 目を指先で引裂き、縦方向にミシン目に沿 て綺麗に裂け、ラベルをボトルから外すこ ができた本数を数え、全サンプル50本に対 る割合(%)を算出した。

 また、実施例、比較例で使用したポリエ テル原料の性状、組成、実施例、比較例に けるフィルムの製造条件(延伸・熱処理条件 等)を、それぞれ表1、表2に示す。

 <ポリエステル原料の調製>
 撹拌機、温度計及び部分環流式冷却器を備 たステンレススチール製オートクレーブに 二塩基酸成分としてジメチルテレフタレー (DMT)100モル%と、グリコール成分としてエチ ングリコール(EG)100モル%とを、グリコール モル比でメチルエステルの2.2倍になるよう 仕込み、エステル交換触媒として酢酸亜鉛 0.05モル%(酸成分に対して)を用いて、生成す メタノールを系外へ留去しながらエステル 換反応を行った。その後、重縮合触媒とし 三酸化アンチモン0.025モル%(酸成分に対して )添加し、280℃で26.6Pa(0.2トール)の減圧条件下 、重縮合反応を行い、固有粘度0.70dl/gのポリ ステル(A)を得た。このポリエステルはポリ チレンテレフタレートである。なお、上記 リエステル(A)の製造の際には、滑剤としてS iO 2 (富士シリシア社製サイリシア266)をポリエス ルに対して8,000ppmの割合で添加した。また 上記と同様な方法により、表1に示すポリエ テル(A2,B,C,D)を合成した。なお、表中、NPGが ネオペンチルグリコール、CHDMが1,4-シクロヘ サンジメタノール、BDが1,4-ブタンジオール ある。それぞれのポリエステルの固有粘度 、Bが0.72dl/g、Cが0.80dl/g、Dが1.15dl/gであった なお、各ポリエステルは、適宜チップ状に た。

[実施例1]
 上記したポリエステルAとポリエステルA2と リエステルBとポリエステルDとを重量比5:5:8 0:10で混合して押出機に投入した。しかる後 その混合樹脂を280℃で溶融させてTダイから 出し、表面温度30℃に冷却された回転する 属ロールに巻き付けて急冷することにより 厚さが582μmの未延伸フィルムを得た。この きの未延伸フィルムの引取速度(金属ロール 回転速度)は、約20m/min.であった。また、未 伸フィルムのTgは67℃であった。

 そして、上記の如く得られた未延伸フィ ムを、複数のロール群を連続的に配置した 延伸機へ導き、ロールの回転速度差を利用 て、縦方向に二段階で延伸した。すなわち 未延伸フィルムを、予熱ロール上でフィル 温度が78℃になるまで予備加熱した後に、 面温度78℃に設定された低速回転ロールと表 面温度78℃に設定された中速回転ロールとの で回転速度差を利用して2.6倍に延伸した。 らに、その縦延伸したフィルムを、表面温 95℃に設定された中速回転ロールと表面温 30℃に設定された高速回転ロールとの間で回 転速度差を利用して1.4倍に縦延伸した(した って、トータルの縦延伸倍率は、3.64倍であ た)。

 上記の如く縦延伸直後のフィルムを、表 温度30℃に設定された冷却ロール(二段目の 延伸ロールの直後に位置した高速ロール)に よって、40℃/秒の冷却速度で強制的に冷却し た後に、冷却後のフィルムをテンターに導き 、中間熱処理ゾーン、第一中間ゾーン(自然 却ゾーン)、冷却ゾーン(強制冷却ゾーン)、 二中間ゾーン、横延伸ゾーン、最終熱処理 ーンを連続的に通過させた。なお、当該テ ターにおいては、第一中間ゾーンの長さを 約40cmに設定し、中間熱処理ゾーンと第一中 ゾーンとの間、第一中間ゾーンと冷却ゾー との間、冷却ゾーンと第二中間ゾーンとの 、第二中間ゾーンと横延伸ゾーンとの間に それぞれ遮蔽板を設けた。さらに、第一中 ゾーンおよび第二中間ゾーンにおいては、 ィルムを通過させていない状態で短冊状の 片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全 鉛直方向に垂れ下がるように、中間熱処理 ーンからの熱風、冷却ゾーンからの冷却風 よび横延伸ゾーンからの熱風を遮断した。 えて、フィルムの通紙時には、フィルムの れに伴う随伴流の大部分が、中間熱処理ゾ ンと第一中間ゾーンとの間に設けられた遮 板によって遮断されるように、フィルムと 蔽板との距離を調整した。加えて、フィル の通紙時には、中間熱処理ゾーンと第一中 ゾーンとの境界、および、冷却ゾーンと第 中間ゾーンとの境界においては、フィルム 流れに伴う随伴流の大部分が遮蔽板によっ 遮断されるようにフィルムと遮蔽板との距 を調整した。

 そして、テンターに導かれた縦延伸フィ ムを、まず、中間熱処理ゾーンにおいて、1 60℃の温度で5.0秒間に亘って熱処理した後に その中間熱処理後のフィルムを第一中間ゾ ンに導き、当該ゾーンを通過させることに って(通過時間=約1.0秒)自然冷却した。しか 後に、自然冷却後のフィルムを冷却ゾーン 導き、フィルムの表面温度が100℃になるま 、低温の風を吹き付けることによって積極 に冷却し、その冷却後のフィルムを第二中 ゾーンに導き、当該ゾーンを通過させるこ によって(通過時間=約1.0秒)再度自然冷却し 。さらに、その第二中間ゾーンを通過した のフィルムを横延伸ゾーンに導き、フィル の表面温度が95℃になるまで予備加熱した に、95℃で幅方向(横方向)に4.0倍に延伸した

 しかる後、その横延伸後のフィルムを最 熱処理ゾーンに導き、当該最終熱処理ゾー において、85℃の温度で5.0秒間に亘って熱 理した後に冷却し、両縁部を裁断除去して 500mmでロール状に巻き取ることによって、約 40μmの二軸延伸フィルムを所定の長さに亘っ 連続的に製造した。そして、得られたフィ ムの特性を上記した方法によって評価した 評価結果を表3に示す。

[実施例2]
 上記したポリエステルA,ポリエステルA2,ポ エステルB,ポリエステルC,ポリエステルDを、 重量比が5:5:15:65:10となるように混合して押出 機に投入した。しかる後、その混合樹脂を実 施例1と同様の条件で溶融押し出しすること よって未延伸フィルムを形成し、その未延 フィルムを、実施例1と同様な条件で製膜す ことによって、約40μmの二軸延伸フィルム 幅500mmで連続的に製造した。そして、得られ たフィルムの特性を実施例1と同様の方法に って評価した。評価結果を表3に示す。

[実施例3]
 上記したポリエステルA,ポリエステルA2,ポ エステルC,ポリエステルDを、重量比が5:5:80:1 0となるように混合して押出機に投入した。 かる後、その混合樹脂を実施例1と同様の条 で溶融押し出しすることによって未延伸フ ルムを形成し、その未延伸フィルムを、実 例1と同様な条件で製膜することによって、 約40μmの二軸延伸フィルムを幅500mmで連続的 製造した。そして、得られたフィルムの特 を実施例1と同様の方法によって評価した。 価結果を表3に示す。

[実施例4]
 吐出量を調整し、厚み649.6μmの未延伸フィ ムを得て、縦延伸の1段目の延伸倍率を2.9倍 し(トータルの縦延伸倍率は、4.06倍)、中間 処理ゾーンにおいて、170℃の温度で8.0秒間 亘って熱処理した他は実施例1と同様にして 約40μmの二軸延伸フィルムを幅500mmで連続的 製造した。そして、得られたフィルムの特 を実施例1と同様の方法によって評価した。 価結果を表3に示す。

[実施例5]
 上記したポリエステルA2,ポリエステルB,ポ エステルDを、5:70:25となるように混合して押 出機に投入した。しかる後、実施例1に対し 吐出量を変更して厚み515μmの未延伸フィル を得た。その後、縦延伸の1段目の延伸倍率 2.3倍とし(トータルの縦延伸倍率は、3.22倍) 中間熱処理ゾーンにおいて、155℃の温度で 処理した他は実施例1と同様にして約40μmの 軸延伸フィルムを幅500mmで連続的に製造し 。そして、得られたフィルムの特性を実施 1と同様の方法によって評価した。評価結果 表3に示す。

[実施例6]
 上記したポリエステルA,ポリエステルA2,ポ エステルB,ポリエステルDを、30:5:55:10となる うに混合して押出機に投入した。しかる後 実施例1に対して吐出量を変更して厚み470μm の未延伸フィルムを得た。その後、縦延伸の 1段目の延伸倍率を2.2倍とし、縦延伸の2段目 伸倍率を1.34(トータルの縦延伸倍率は、2.94 )とし、中間熱処理ゾーンにおいて、155℃の 温度で熱処理した他は実施例1と同様にして 40μmの二軸延伸フィルムを幅500mmで連続的に 造した。そして、得られたフィルムの特性 実施例1と同様の方法によって評価した。評 価結果を表3に示す。

[比較例1]
 実施例1と同じポリエステル原料を実施例1 同様に溶融押し出しする際に、未延伸フィ ムの厚みが160μmとなるように押出機の吐出 を調整した。それ以外は実施例1と同様にし 未延伸フィルムを得た。そして、未延伸フ ルムを、長手方向には延伸せずに フィル 温度を90℃まで昇温後 75℃でフィルム幅方 に4倍延伸して 約40μmの一軸延伸フィルムを 幅500mmで連続的に製造した。そして、得られ フィルムの特性を実施例1と同様の方法によ って評価した。評価結果を表3に示す。

 表3から明らかなように、実施例1~6で得られ たフィルムは、いずれも、主収縮方向
である幅方向への収縮性が高く、主収縮方向 と直交する長手方向への収縮性は非常に低か った。また、実施例1~6で得られたフィルムは 、いずれも、溶剤接着強度が高く、ラベル密 着性が良好で収縮斑もなく、収縮仕上がり性 が良好であった。さらに、実施例1~6の熱収縮 性ポリエステル系フィルムは、ミシン目開封 性が良好である上、製造されたフィルムロー ルにシワが発生することがなかった。そして 、各実施例で得られた熱収縮性ポリエステル 系フィルムからなるラベルを包装した包装体 は、いずれもラベルのミシン目開封性が良好 であり、ラベルをミシン目に沿って適度な力 で綺麗に引き裂くことが可能であった。

 それに対して、比較例1で得られた熱収縮 性フィルムからなるラベルを包装した包装体 は、ラベルのミシン目開封性が不良であり、 ラベルをミシン目に沿って適度な力で綺麗に 引き裂くことができなかったものの比率が高 かった。

 本発明の包装体は、上記の如く優れた特 を有しているので、各種の物品の包装用用 に好適に用いることができる。

直角引裂強度の測定における試験片の 状を示す説明図である(なお、図中における 試験片の各部分の長さの単位はmmである)。

符号の説明

 F・・フィルム。