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Title:
LATHE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081744
Kind Code:
A1
Abstract:
Intended is to perform the cam adjustment of a cam type lathe easily. The movement of a blade (21) in a cutting direction is controlled by a cam mechanism (10), and the movement of a spindle stock (2) in a Z-axis direction is numerically controlled by a servo-motor (6). A lathe (1) detects the rotating angle, the rotating speed and so on of a camshaft (16) with sensors. On the basis of the values detected, moreover, the lathe (1) controls the movement of the spindle stock (2) so that it can move the cam mechanism (10) and the spindle stock (2) synchronously. On the other hand, a ball screw (7) and a nut (8) are arranged so that the driving force in the Z-axis direction by the servo-motor (6) may act homogeneously on a slide face (17), thereby to prevent the heterogeneous wear of the slide face (17). Thus, the lathe (1) controls the spindle stock (2) numerically, and separates the same from the cam mechanism (10), thereby to facilitate the adjustment of the cam mechanism (10) and the setting of the offset value of the spindle stock (2).

Inventors:
ITOH MARI (JP)
OGAWA ISAO (JP)
TERAYA JUNJI (JP)
HOSHI MICHIHIRO (JP)
SUGIYAMA MASAHARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074572
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 20, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SEIKO INSTR INC (JP)
ITOH MARI (JP)
OGAWA ISAO (JP)
TERAYA JUNJI (JP)
HOSHI MICHIHIRO (JP)
SUGIYAMA MASAHARU (JP)
International Classes:
B23B7/06; B23B13/12; B23B21/00; B23B23/00; B23Q5/34
Domestic Patent References:
WO2005065870A12005-07-21
Foreign References:
JPS552583U1980-01-09
JPH05212601A1993-08-24
JP2005088142A2005-04-07
JPH06312302A1994-11-08
JPS4968392A1974-07-02
JP2002066807A2002-03-05
JP2002103104A2002-04-09
Attorney, Agent or Firm:
NAKANO, Hitoshi et al. (12-8 Nishishinjuku 8-chome, Shinjuku-k, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 軸線上に被加工物を把持する把持手段を備えた主軸と、
 前記主軸を回転する主軸回転手段と、
 数値制御によって前記主軸を軸線方向に移動する主軸移動手段と、
 前記被加工物を切削する刃物を保持する刃物保持手段と、
 前記刃物保持手段を、回転するカムの形状に倣って、前記主軸の軸線に垂直な方向に移動する刃物移動手段と、
 前記カムを回転させるカム回転手段と、
 を具備したことを特徴とする旋盤装置。
 前記カムの回転角度を検出する回転角度検出手段を具備し、
 前記主軸移動手段は、前記検出した回転角度に基づいて前記主軸を移動させることを特徴とする請求項1に記載の旋盤装置。
 前記主軸移動手段は、前記主軸を移動させる力を、前記主軸の軸線を含む鉛直面内において、前記軸線に平行な方向に作用させることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の旋盤装置。
 前記被加工物を前記把持手段と対向する側から支持する支持手段と、
 前記把持手段と、前記支持手段と、の距離を所定の距離に保って連結する連結手段と、
 を具備したことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の旋盤装置。
 前記連結手段は、前記被加工物から切削される加工品の長さ単位で、前記連結する長さを調節可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の旋盤装置。
 前記主軸と所定の角度を成す回転軸の周りに回転する刃物を保持する回転刃物保持手段と、
 前記回転する刃物で前記被加工物を切削する際に、前記回転刃物保持手段を移動させる回転刃物移動手段と、
 を具備したことを特徴とする請求項1から請求項5までのうちの何れか1の請求項に記載の旋盤装置。
 前記回転刃物移動手段は、回転する回転刃物用カムの形状に倣って前記回転する刃物を移動することを特徴とする請求項6に記載の旋盤装置。
 前記回転刃物用カムには、前記回転する刃物が前記被加工物に切り込む第1の回転角度と、前記回転する刃物が被加工物から離れる第2の回転角度が設定されており、
 前記カム回転手段は、前記回転刃物用カムの回転角度を、前記第1の回転角度と前記第2の回転角度に交互に回転することを特徴とする請求項7に記載の旋盤装置。
 前記主軸回転手段は、前記回転刃物用カムが前記第1の回転角度に保持されている間は、前記被加工物の回転角度を所定角度に保持し、
 前記回転刃物用カムが前記第2の回転角度に保持されている間に、前記回転する刃物が次の切削箇所を切削するように前記被加工物を所定角度だけ回転させることを特徴とする請求項8に記載の旋盤装置。
 前記主軸移動手段は、前記回転刃物用カムが前記第1の回転角度に保持されている間は、前記回転する刃物に向けて前記被加工物を繰り出す方向に前記主軸を移動し、前記回転刃物用カムが前記第2の回転角度に保持されている間に前記主軸を移動前の位置に復帰することを特徴とする請求項9に記載の旋盤装置。
 前記刃物保持手段は、前記主軸と所定の角度を成す回転軸の周りに前記保持した刃物を回転する刃物回転手段を具備したことを特徴とする請求項1から請求項5までのうちの何れか1の請求項に記載の旋盤装置。
 前記支持手段を前記被加工物に付勢する付勢手段と、
 前記付勢手段による付勢を解除する付勢解除手段と、
 を具備し、
 前記連結手段は、前記付勢手段が前記被加工物を付勢している場合に前記把持手段と前記支持手段を連結し、前記付勢解除手段で付勢が解除されている場合には連結しないことを特徴とする請求項4、又は請求項5に記載の旋盤装置。
 前記被加工物の材料を繰り出す材料繰り出し手段と、
 前記繰り出される材料の先端を当接部材に当接させることにより繰り出し量を規定する規定手段と、
 を具備したことを特徴とする請求項4、請求項5、又は請求項12に記載の旋盤装置。
 前記当接部材は、前記保持した刃物か、又は前記支持手段であることを特徴とする請求項13に記載の旋盤装置。
Description:
旋盤装置

 本発明は、旋盤装置に関し、例えば、数 制御機能が組み合わされたカム式の旋盤装 に関する。

 旋盤は、棒材から加工品を切削加工により り出す機械加工装置である。このような旋 には各種のものがあるが、刃物の動作や主 台の動作をカムによって制御するカム駆動 旋盤がある。
 図20は、従来のカム駆動式旋盤の正面図で る。この旋盤は、例えば、腕時計の部品な 、小型の部品を棒材から切削する際に用い れる。

 旋盤101は、基盤部105と、基盤部105上で主軸 向にスライド可能な主軸台102とセンタ台104 及び基盤部105に固定された刃物台103を備え いる。
 基盤部105には、カム機構110、151、152がカム 116によって同軸に保持されており、カム軸1 16は、ギア部115を介して、カム駆動モータに り回転駆動される。
 なお、カム軸モータは、図20においてギア 115の死角となる位置にあるため図示してい い。

 カム機構110は、複数のカムから構成され、 カムは、それぞれ個別の刃物121の主軸に垂 な方向の動作を規定している。刃物121は、 ークを中心として周囲に放射状に複数備え れている。
 一方、カム機構151は、ワークのチャッキン のタイミングを規定し、カム機構152は、主 台102の主軸方向の動作を規定している。
 センタ台104は、センタによってワークを支 し、主軸台102と連結することにより主軸台1 02と共に移動する。

 各カムの形状、及びカム軸116に取り付け れたカムの相対的な角度は、ワークから加 品が自動的に切削加工されるように設定さ ており、カム軸116を駆動することにより、 盤101は、・・・→ワーク供給→チャック閉 刃物121と主軸台102を動作させてワークを切 →ワーク切り落とし→チャック開→ワーク 給→・・・というサイクルを繰り返すこと できる。

 ところで、本従来例に関する旋盤と同様に ワークの周囲に放射状に刃物を配置した技 として公開されているNC自動旋盤がある(例 ば、特許文献1参照)。この技術は、刃物の 作をカムではなく、数値制御により行うも である。

特開平4-135103号公報

 このように、刃物を数値制御する旋盤が使 されるようになってきたが、依然としてカ 駆動式旋盤を好んで使用しているユーザが い。
 また、カム駆動式旋盤では刃物がカムの外 にならって滑らかに移動するため、デジタ 制御である数値制御方式に比べて滑らかな 工面を容易に形成することができるという 点もある。

 しかし、カム駆動式旋盤では、主軸に垂 な方向に移動する刃物の制御と、主軸の方 に移動する主軸台の制御を1本のカム軸で行 うため(即ち、移動方向の異なる制御を1本の ム軸で行うため)、カムの調節が難しく、高 度な熟練技術を必要とした。

 そこで、本発明の目的は、カムの調整を 易に行うことである。

 本発明は、前記目的を達成するために、請 項1に記載の発明では、軸線上に被加工物を 把持する把持手段を備えた主軸と、前記主軸 を回転する主軸回転手段と、数値制御によっ て前記主軸を軸線方向に移動する主軸移動手 段と、前記被加工物を切削する刃物を保持す る刃物保持手段と、前記刃物保持手段を、回 転するカムの形状に倣って、前記主軸の軸線 に垂直な方向に移動する刃物移動手段と、前 記カムを回転させるカム回転手段と、を具備 したことを特徴とする旋盤装置を提供する。
 請求項2に記載の発明では、前記カムの回転 角度を検出する回転角度検出手段を具備し、 前記主軸移動手段は、前記検出した回転角度 に基づいて前記主軸を移動させることを特徴 とする請求項1に記載の旋盤装置を提供する
 請求項3に記載の発明では、前記主軸移動手 段は、前記主軸を移動させる力を、前記主軸 の軸線を含む鉛直面内において、前記軸線に 平行な方向に作用させることを特徴とする請 求項1、又は請求項2に記載の旋盤装置を提供 る。
 請求項4に記載の発明では、前記被加工物を 前記把持手段と対向する側から支持する支持 手段と、前記把持手段と、前記支持手段と、 の距離を所定の距離に保って連結する連結手 段と、を具備したことを特徴とする請求項1 請求項2、又は請求項3に記載の旋盤装置を提 供する。
 請求項5に記載の発明では、前記連結手段は 、前記被加工物から切削される加工品の長さ 単位で、前記連結する長さを調節可能に構成 されていることを特徴とする請求項4に記載 旋盤装置を提供する。
 請求項6に記載の発明では、前記主軸と所定 の角度を成す回転軸の周りに回転する刃物を 保持する回転刃物保持手段と、前記回転する 刃物で前記被加工物を切削する際に、前記回 転刃物保持手段を移動させる回転刃物移動手 段と、を具備したことを特徴とする請求項1 ら請求項5までのうちの何れか1の請求項に記 載の旋盤装置を提供する。
 請求項7に記載の発明では、前記回転刃物移 動手段は、回転する回転刃物用カムの形状に 倣って前記回転する刃物を移動することを特 徴とする請求項6に記載の旋盤装置を提供す 。
 請求項8に記載の発明では、前記回転刃物用 カムには、前記回転する刃物が前記被加工物 に切り込む第1の回転角度と、前記回転する 物が被加工物から離れる第2の回転角度が設 されており、前記カム回転手段は、前記回 刃物用カムの回転角度を、前記第1の回転角 度と前記第2の回転角度に交互に回転するこ を特徴とする請求項7に記載の旋盤装置を提 する。
 請求項9に記載の発明では、前記主軸回転手 段は、前記回転刃物用カムが前記第1の回転 度に保持されている間は、前記被加工物の 転角度を所定角度に保持し、前記回転刃物 カムが前記第2の回転角度に保持されている に、前記回転する刃物が次の切削箇所を切 するように前記被加工物を所定角度だけ回 させることを特徴とする請求項8に記載の旋 盤装置を提供する。
 請求項10に記載の発明では、前記主軸移動 段は、前記回転刃物用カムが前記第1の回転 度に保持されている間は、前記回転する刃 に向けて前記被加工物を繰り出す方向に前 主軸を移動し、前記回転刃物用カムが前記 2の回転角度に保持されている間に前記主軸 を移動前の位置に復帰することを特徴とする 請求項9に記載の旋盤装置を提供する。
 請求項11に記載の発明では、前記刃物保持 段は、前記主軸と所定の角度を成す回転軸 周りに前記保持した刃物を回転する刃物回 手段を具備したことを特徴とする請求項1か 請求項5までのうちの何れか1の請求項に記 の旋盤装置を提供する。
 請求項12に記載の発明では、前記支持手段 前記被加工物に付勢する付勢手段と、
 前記付勢手段による付勢を解除する付勢解 手段と、を具備し、前記連結手段は、前記 勢手段が前記被加工物を付勢している場合 前記把持手段と前記支持手段を連結し、前 付勢解除手段で付勢が解除されている場合 は連結しないことを特徴とする請求項4、又 は請求項5に記載の旋盤装置を提供する。
 請求項13に記載の発明では、前記被加工物 材料を繰り出す材料繰り出し手段と、前記 り出される材料の先端を当接部材に当接さ ることにより繰り出し量を規定する規定手 と、を具備したことを特徴とする請求項4、 求項5、又は請求項12に記載の旋盤装置を提 する。
 請求項14に記載の発明では、前記当接部材 、前記保持した刃物か、又は前記支持手段 あることを特徴とする請求項13に記載の旋盤 装置を提供する。

 本発明によれば、主軸方向の制御を数値 御として主軸台の制御を刃物の制御から独 させることにより、カムの調整を容易に行 ことができる。

本実施の形態の旋盤装置を示した図で る。 本実施の形態の旋盤装置で加工された 工品の一例を示した図である。 連結機構を説明するための図である。 連結機構を用いたワーク供給方法を説 するための図である。 旋盤の制御システムを模式的に表した ロック図である。 タイミングチャートの一例を示した図 ある。 本実施の形態の旋盤装置の自動サイク 動作を説明するためのフローチャートであ 。 本変形例に係る旋盤装置を示した図で る。 歯車加工台がカッターを上下動させる 構を説明するための図である。 歯車を加工する手順を説明するための フローチャートである。 歯車を加工する手順の変形例を説明す るためのフローチャートである。 効率の良いワークの供給方法、及び支 持方法などを説明するための図である。 刃物でワークを支持する場合のフロー チャートである。 刃物でワークを支持する場合のフロー チャートの続きである。 センタでワークを支持する場合のフロ ーチャートである。 カムの取付角度を数値制御プログラム でオフセットした場合の各刃物等の移動を表 したタイミングチャートである。 カムの取付状況と数値制御プログラム との関係を説明するための図である。 コントローラが行うオフセット処理の 手順を説明するためのフローチャートである 。 旋盤が行う加工処理の手順を説明する ためのフローチャートである。 従来の旋盤装置を示した図である。

符号の説明

  1 旋盤
  2 主軸台
  3 刃物台
  4 センタ台
  5 基盤部
  6 サーボモータ
  7 ボールねじ
  8 ナット
  9 カム
 10 カム機構
 11 主軸モータ
 12 ワーク供給装置
 13 センタ
 15 ギア部
 16 カム軸
 17 滑り面
 18 主軸
 21 刃物
 22 ワーク
 23 ガイドブッシュ
 24 接触子
 25 アーム
 27 チャック
 31 連結棒
 32 固定部材
 33 クランプ機構
 41 コントローラ
 42 操作盤
 51 歯車加工台
 52 凹部
 53 カッター
 55 刃物
 59 工具保持部
 61 エアシリンダ61
 63 緩衝バネ
 64 度当たり
 65 部材
 66 バネ
 67 支柱

(1)実施の形態の概要
 図1(b)の旋盤1において、刃物21(図1(a))の切り 込み方向の移動はカム機構10により制御し、 軸台2のZ軸方向の移動はサーボモータ6によ 数値制御する。
 旋盤1は、カム軸16の回転角度や回転速度な をセンサーによって検知する。そして、旋 1は、検知された値に基づいて主軸台2の移 を制御することにより、カム機構10と主軸台 2を同期して移動させることができる。
 また、ボールねじ7とナット8は、サーボモ タ6によるZ軸方向の駆動力が滑り面17に対し 均等に作用するように配置されており、滑 面17の不均一な摩耗を防止している。
 このように、旋盤1は、主軸台2の制御を数 制御としてカム機構10から分離することによ り、カム機構10の調整が容易になり、また、 軸台2のオフセット値の設定も容易になる。
 更に、滑り面17の不均一な摩耗が防止され ため、ワークの加工精度を維持することが き、また、滑り面17の補修作業も容易になる 。

(2)実施の形態の詳細
 図1は、本実施の形態に関する旋盤装置を示 した図であり、図1(a)は、カム部分の側面、 1(b)は旋盤装置の正面図を示している。
 図1(b)に示したように、旋盤1は、大きく分 て、基盤部5、主軸台2、刃物台3、及びセン 台4から構成されている。
 基盤部5(ベッド台)は、上面に主軸台2、刃物 台3、センタ台4が設けられ、内部には刃物台3 に設置された刃物(バイト)を駆動するための ム機構10が形成されている。
 また、基盤部5の主軸台2とセンタ台4との設 部分は、ありみぞ構造などのスライドガイ が形成された滑り面(摺動面)となっている 従って、主軸台2とセンタ台4は、それぞれ基 盤部5の上面をスライドガイドに案内されてZ 方向に移動できるようになっている。

 主軸台2は、主軸を回転する主軸モータ11、 ーク(被加工物)を保持するチャック(図3に符 号27で図示する)、ワークを加工位置に繰り出 すワーク供給装置12、ナット8、主軸18などを えており、基盤部5の滑り面17の上に設置さ ている。
 主軸モータ11は、主軸台2の上部に設置され おり、プーリやベルトなどを用いた駆動力 達機構により回転力を主軸18に与える。主 モータ11は、主軸回転手段として機能してい る。
 ナット8は、主軸台2の後部(センタ台4側とは 反対側)に固定されており、内径にはボール じ7が螺合している。ナット8とボールねじ7 、サーボモータ6の回転運動を主軸台2のZ軸 向の運動に変換する運動方向変換機構とし 機能している。なお、主軸台2の+Z軸方向を り方向と云う。

 ワーク供給装置12、主軸18、及びチャックは 、主軸18の軸線(C軸とする)上に同軸に形成さ ている。
 主軸18、及びワーク供給装置12には、主軸18 軸線上にワークを貫通させる貫通孔が形成 れており、ワークはこの貫通孔に挿通され 旋盤1に取り付けられる。
 ワーク供給装置12は、後述のコントローラ らの指令により、ワークを所定量だけ刃物 3の方向(+Z軸方向)に繰り出してワークのロー ディングを行う。

 チャックは、主軸18の先端に形成されてお 、ワーク供給装置12が繰り出したワークを把 持する把持手段として機能している。チャッ クは、例えば、空気圧を利用して開閉し、コ ントローラからの指令により、ワーク供給装 置12がワーク供給時は開き、ワーク加工時は じてこれを把持する。
 主軸18、ワーク供給装置12、チャックは、一 体となって主軸18の軸線の周りに回転するよ になっており、主軸モータ11が主軸18を回転 すると、これに伴ってワークが回転する。

 主軸台2の-Z軸方向には、サーボモータ6が基 盤部5上に固定されている。サーボモータ6の 転軸にはボールねじ7が形成されている。
 サーボモータ6は、コントローラの指令に従 って、ボールねじ7を正負の方向に指定され 量だけ、指定された回転速度にて回転し、 ールねじ7とナット8の螺合によって、主軸台 2をZ軸方向に所定量だけ、所定速さにて移動 せる。
 サーボモータ6、ボールねじ7、ナット8、及 主軸台2は、主軸18を軸線方向に移動する主 移動手段として機能している。

 ナット8及びボールねじ7は、これらの中心 が、主軸18と並行で、主軸18の軸線を含む鉛 面内に含まれるように配置されており、サ ボモータ6が主軸台2に及ぼす力は、主軸18の 軸線を含む鉛直面内において、当該軸線に平 行に作用するようになっている。
 このため、サーボモータ6が主軸台2を移動 せる力は滑り面17に均等に加わり、滑り面17 偏摩耗することがない。

 ところで、図20に示した従来例の旋盤装置 は、カム機構152による力が主軸台102の側面 加わっていた。
 そのため、滑り面17やスライドガイドに偏 重が作用し、これらの摩耗を早めると共に 摩耗が不均一で偏荷重が大きい部分が多く 耗する片減りとなっていた。
 そのため、後述のガイドブッシュと主軸の 軸精度を低下させ、ワークの加工精度が低 する可能性があった。そして、滑り面17の 正には高度な熟練技術を必要としていた。
 しかし、本実施の形態の旋盤1では、荷重が 均等に分散されて滑り面17に加わるため、滑 面17は殆ど摩耗しない。また、仮に摩耗し としても摩耗量が均一であるため、従来に べて容易に滑り面17の修正を行うことができ る。

 図1(b)に示したように、刃物台3は、主軸台2 センタ台4の間に固定されており、その下部 の基盤部5内には、複数のカム9a、9b、9c、・ ・(図1(a))をカム軸16に固定したカム機構10が 納されている。ただし、図の煩雑化を避け ため符号はカム9aにのみ図示している。ま 、カム9a、9b、9c、・・・を特に区別しない 合は単にカム9と記すことにする。
 カム軸16のセンタ台4側端部にはギアが形成 れており、基盤部5のセンタ台4側に設けら たギア部15に収納されている。

 ギア部15は、Z軸に垂直な方向にロータ軸が 成されたカム駆動モータの回転駆動力をZ軸 方向に伝達してカム軸16を駆動する。
 なお、図1(b)では、カム駆動モータはギア部 15の死角となって図示されていない。
 ここで、カム駆動モータ、ギア部15、及び ム軸16は、カムを回転させるカム回転手段と して機能している。

 図1(a)に示したように、刃物台3には、主軸18 の軸線Cを中心線とするガイド孔が形成され ガイドブッシュ23が設けられており、ワーク 22は、このガイド孔を挿通して位置決めされ と共に加工位置に案内される。
 ワーク22の周囲には、刃物21a、21b、21c、・ ・が複数個(図では5個)放射状に配置されて る。
 刃物21a、21b、21c、・・・は、それぞれ個別 アーム25a、25b、25c、・・・の先端に設けら た刃物保持手段によって着脱可能に取り付 られている。
 なお、図1(a)では、図を簡略化するために1 の刃物21a、及びアーム25aにのみ符号を付し いるが、刃物21a、アーム25aから順に刃物21b アーム25b、刃物21c、アーム25c、・・・とす 。
 また、以下では、刃物21a、刃物21b、・・・ 及びアーム25a、25b、・・・、を特に区別し い場合は、単に刃物21、アーム25と記す。

 アーム25aは、主軸18の軸線Cに平行な回転軸 周りに旋回可能な固定軸を備えており、ア ム25aが固定軸の周りを旋回すると、これに って刃物21aが切り込み方向に移動するよう なっている。なお、刃物21の切り込み方向 X軸とし、主軸18の軸線Cから遠ざかる方向を+ X軸方向とする。
 一方、アーム25aの端部には、接触子24aが形 されており、接触子24aの先端は、カム9aの 周に押圧されている。
 このため、カム9aが回転すると、接触子24a カム9aの外周面にならって移動し、これに伴 って刃物21aがX軸方向に移動するようになっ いる。即ち、カム9aの外周の形状が刃物21aの 移動を規定している。
 アーム25a、及び接触子24aは、刃物保持手段 、回転するカム9aの外周にならって、主軸18 の軸線に垂直な方向に移動する刃物移動手段 として機能している。
 同様に、アーム25b、25c、・・・は、カム9b 9c、・・・の形状に倣って移動するようにな っている。

 カム機構10は、複数のカム9(カム9a、9b、9c、 ・・・)を組み合わせてできており、各カム9a 、9b、9c、・・・の外周の形状は、それぞれ 物21a、21b、21c、・・・、の運動を規定して る。
 このため、カム機構10を回転させると、各 物21に個別に予め設定した動作を行わせるこ とができる。
 なお、本実施の形態のカム9は、板カムと呼 ばれるものである。
 カムにはこの他に平面溝カム、円筒溝カム 端面カムなど各種のものがあり、旋盤1には 何れの種類のカムを用いてもよい。
 何れのカムにおいても、外周や溝などのカ に予め形成された形状に倣って刃物21が動 する。

 図示しないが、カム軸16には、エンコーダ どで構成された回転角度検出手段が設置さ ており、後述のコントローラがカム機構10の 回転角度を検出できるようになっている。
 旋盤1は、検出したカム機構10の回転角度と 主軸台2のZ座標値を用いて、カム機構10の動 作と主軸台2の動作が同期するようにカム駆 モータとサーボモータ6を制御する。
 また、回転角度からカム機構10の角速度を 算したり、Z座標値から主軸台2の速度を計算 したり(別の角速度センサや速度センサでこ らを検知してもよい)して、これらを用いて 軸台2の動作を制御するように構成すること も可能である。
 なお、カム機構10の角速度、角加速度、及 主軸台2の速度、加速度は、それぞれカム機 10の回転角度の時間的変化、主軸台2のZ座標 値の時間的変化であるため、これらを用いた 制御もカム機構10の回転角度と主軸台2のZ座 値を用いた制御に含まれる。

 このような制御の具体例を述べると、例 ば、カム軸16の角度をDx、主軸台2のZ座標をD z、カム軸16の角速度をVx、主軸台2の速度をVz して、次のように、Dx、Dz、Vxを規定する数 制御プログラムが旋盤1に入力されたとする 。

 (Dx[度]、Dz[mm]、Vx[度/[mm]])=(0、0、10)、(5、0、 10)、(7、10、10)、(8、0、10)、(12、-5、10)、(13、 0、10)・・・(式1)
 これらの値の入力は、例えば、オペレータ カム軸16を回転させて各工程の開始角度、 了角度を確認してDxとして入力すると共に( ム9aには、制作誤差や取付誤差が含まれるの で実測する)、予め設計値として与えられて るDz、及び所望のVxを入力することにより行 れる。
 コントローラは、このデータから、Vz=(Dz/Dx) ×Vx・・・(式2)によってVzを計算し、これによ って主軸台2の移動速度を制御することがで る。

 センタ台4(芯押し台)は、図1(b)に示したよう に、センタ13によってワーク22の端部を支持 る。センタ13は、固定式、又は回転式のセン タを用いることができる。
 センタ台4は主軸台2と同様に基盤部5の上面 形成された滑り面17に設置されており、ス イドガイドによって主軸18の軸線方向(Z軸方 )に移動することができる。
 センタ台4は、主軸台2と連結機構により連 可能となっており、これによって主軸台2と にZ軸方向に移動する。後述するように、こ の連結機構は、センタ台4と主軸台2の連結距 を変更することができる。

 図2は、旋盤1で加工された加工品の一例を した図である。図にはZ軸方向も図示してあ 。なお、図2ではX軸は図示していないが、Z に垂直な方向である。
 この加工品は、刃物21によって棒材から切 加工されたものであり、例えば、真鍮など 金属によって構成されている。
 図に示したように、加工品は、長さ2.5[mm]、 直径1.5[mm]程度であり、例えば、腕時計など 小型精密機械の部品として使用される。

 以下に、この加工品を用いてカム機構10と 軸モータ11の動作例について説明する。
 なお、この加工例は一例であって、例えば 粗削りの後に仕上げを行ったりするなど、 種の加工方法がある。

 加工品の+Z軸側の端部は、Z軸に垂直な端面2 01が形成されている。端面201は、刃物21のZ座 を固定したまま(即ち、主軸台2を固定した ま)、刃物21をカム機構10によって-X軸方向に 動することにより加工される。
 この場合、数値制御プログラムは、カム軸1 6の回転角度が端面201を形成するための開始 度から終了角度に至るまで、主軸台2のZ座標 を一定に保つように構成されている。

 端面201の-Z軸側にはテーパ面202が形成され いる。テーパ面202は、-Z軸方向にかけて外径 が一定割合で大きくなるように加工されてい る。この加工は、刃物21を-Z軸方向に一定速 で移動させながら(即ち、主軸台2を-Z軸方向 一定速度で移動させながら)、刃物21をカム 構10でX軸方向に一定速度で移動させること より加工される。
 この場合、数値制御プログラムは、カム軸1 6の回転角度がテーパ面202を形成するための 始角度から終了角度にいたるまで、回転角 の変化率に対する主軸台2のZ座標の変化率を 所定の一定値に保つように構成されている。

 テーパ面202の-Z軸側には円柱面203が形成さ ている。円柱面203は、刃物21を、X軸をカム 構10で固定したまま-Z軸方向に移動させる(即 ち、主軸台2を-Z軸方向に移動させる)ことに り形成される。
 この場合、数値制御プログラムは、カム軸1 6の回転角度が円柱面203を形成するための開 角度から終了角度に至るまで、回転角度の 化率に対する主軸台2のZ座標の変化率を所定 の一定値に保つように構成されている。

 円柱面203の-Z軸側には、円柱面203よりも外 が大きい円柱面204が形成されており、円柱 203と円柱面204の境界には段差部が形成され いる。
 この段差部は、端面201と同様に刃物21のZ座 を固定したまま(即ち、主軸台2を固定した ま)、刃物21をカム機構10でX軸方向に移動す ことにより形成される。
 この場合、数値制御プログラムは、カム軸1 6の回転角度が段差部を形成するための開始 度から終了角度に至るまで、主軸台2のZ座標 を一定に保つように構成されている。
 円柱面204の形成方法は円柱面203と同様であ 。

 円柱面204の-Z軸方向には、円柱面204よりも 径が小さい円柱面205が形成されており、円 面204と円柱面205の境界には段差部が形成さ ている。
 円柱面205の形成は、円柱面203、及び円柱面2 04と同様である。

 円柱面205の-Z軸側には円錐面106が形成され いる。円錐面206は、-Z軸方向にかけて外径が 一定割合で小さくなるように加工されている 。
 この加工は、刃物21を-Z軸方向に一定速度で 移動させながら(即ち、主軸台2を-Z軸方向に 定速度で移動させながら)、刃物21をカム機 10で-X軸方向に一定速度で移動させることに り加工される。
 この場合、数値制御プログラムは、カム軸1 6の回転角度が円錐面206を形成するための開 角度から終了角度に至るまで、回転角度の 化率に対する主軸台2のZ座標の変化率を所定 の一定値に保つように構成されている。

 以上のように、旋盤1は、刃物21のX軸方向の 移動と、主軸台2のZ軸方向の移動を同期(連動 )させることにより、棒材を2次元加工するこ ができる。
 また、図2のワークは、テーパ面、円柱面、 円錐面が加工されているが、この他に、例え ば、ZX面内で円弧や楕円弧、あるいは、自由 線を描くような側面を加工することも可能 ある。

 次に、図3を用いて、主軸台2とセンタ台4の 結機構について説明する。
 図3は、旋盤1の全体図において、旋盤1の連 機構を示した図である。なお、図の煩雑化 避けるためにカム機構10などは省略してあ 。
 図3に示したように、基盤部5の内部には、 結棒31、固定部材32、クランプ機構33などか なる連結機構がカム機構10やカム軸16などと 干渉しないように設けられている。

 クランプ機構33は、主軸台2に固定されてお 、連結棒31の一端側が挿通されている。ク ンプ機構33は、例えば、圧縮空気の力などに より、連結棒31を把持したり開放したりする とができる。
 一方、連結棒31の他端側は固定部材32に固定 されており、更に固定部材32はセンタ台4に固 定されている。

 このように構成された連結機構において、 盤1は、クランプ機構33を開いた状態で主軸 2を移動し(連結が解除されるのでセンタ台4 一定の位置に静止している)、主軸台2とセ タ台4の距離を所望の値とした後、クランプ 構33を閉じることにより、この距離で主軸 2とセンタ台4を連結することができる。
 この連結機構により、旋盤1は、主軸台2と ンタ台4の連結距離を連結棒31のクランプ位 によって任意に設定することができる。
 このように、旋盤1は、ワーク22をチャック2 7と対向する側から支持するセンタ13(支持手 )を備えると共に、センタ13と主軸台2との距 を所定の距離に保って連結する連結機構(連 結手段)を備えている。

 次に、図4を用いて、このような連結機構を 利用したワーク供給方法について説明する。
 従来のカム駆動式旋盤では、主軸台の移動 、刃物の移動が単一のカム軸116で連動して たため、ワークを1個加工すると、これを突 っ切り加工などにより切断して次のワークを 1個分供給するといったように、加工品を1個 造するたびにワークを1個分ずつ供給してい た。
 これに対して、本実施の形態の旋盤1は、主 軸台2の移動を主軸モータ11で行うことにより 主軸台2の制御機構と刃物21の制御機構を分離 したため、次のように複数の加工品を製造で きる長さのワークを一度に供給することがで きる。

 例えば、図4(a)は、加工品5個分のワーク22( ーク22a~22eが確保可能)を供給したところを示 している。
 ワーク22の一端はチャック27にてチャッキン グ(把持)されており、他端はセンタ13で支持 れている。
 主軸台2とセンタ台4は、連結機構により加 品5個分のワーク22を保持して連結され、サ ボモータ6(図1)がセンタ台4をZ軸方向に駆動 ると、センタ台4が主軸台2と一体となって移 動する。
 なお、図の煩雑化を避けるために、主軸台2 とセンタ台4は図示せず、チャック27とセンタ 13が直接連結棒31で連結されているように記 てある。

 旋盤1は、このようにして固定されたワーク 22の先端側の部分(図4(a)ではワーク22a)に刃物2 1を当ててこれを加工し、加工が完了すると 完成した加工品をワーク22から切断する。
 旋盤1は、加工品を切断した後、クランプ機 構33を開いて主軸台2をセンタ台4の方向に移 させる。
 そして、旋盤1は、ワーク22の端部がセンタ1 3に当接すると(即ち、主軸台2とセンタ台4の 離を加工品1個分の距離だけ近づけると)、ク ランプ機構33を閉じて主軸台2とセンタ台4の の距離を固定する。

 これによって、ワーク22の残りの部分(ワー 22b~22eの加工品4個分)が図4(b)に示したように センタ13とチャック27によって固定される。
 このように、旋盤1は、一度に加工品複数個 分のワーク22をチャッキングし、ワークが完 するごとに主軸台2とセンタ台4の距離をワ ク1個分ずつ縮めていく。
 そして、ワーク22eの加工が完了すると、ワ ク供給装置12(図1)が5個分のワーク22を供給 て、連結機構が主軸台2とセンタ台4を連結し 、同様の加工を行う。

 即ち、連結機構は、ワーク22から切削され 加工品の長さ単位で、連結する長さを調節 能に構成されている。
 このため、本実施の形態の旋盤1は、加工品 複数個分のワーク22を一度にチャッキングで 、従来の旋盤のように、加工品ができるた にチャッキングを行う必要がなくなるため ワーク22の加工時間を短縮化することがで る。

 図5は、旋盤1の制御システムを模式的に表 たブロック図である。
 制御システム46は、操作盤42、カム駆動モー タ45、サーボモータ6、主軸モータ11、連結機 駆動装置43、ワーク供給装置12などがコント ローラ41に接続して構成されている。
 操作盤42は、旋盤1のオペレータが旋盤1を操 作するためのヒューマンインターフェースで あり、例えば、液晶ディスプレイなどで構成 された表示装置、文字や数字を入力するキー ボード、各種ハードキー、各種ソウトキー、 スタートボタン、緊急停止ボタンなどが形成 されている。
 また、端末からのケーブルを接続するイン ーフェース、磁気ディスクの駆動装置など 備えている。

 旋盤1のオペレータは、操作盤42を操作して 数値制御プログラムを入力・編集したり、 力した数値制御プログラムを実行したり、 るいはマニュアル制御にて旋盤1を操作した りする。
 また、オペレータは、旋盤1で所定の操作を 行うことにより、主軸台2の位置やカム軸16の 回転角度をオフセットしてカム軸16の回転角 と主軸台2の位置の相対関係を微調整するこ とができる。

 コントローラ41は、CPU(Central Processing Unit) ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、記 憶部(例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Progr ammable ROM))などを備えたコンピュータであっ 、カム駆動モータ45、サーボモータ6、主軸 ータ11、連結機構駆動装置43、ワーク供給装 置12などを制御する。
 記憶部には、OS(Operating System)や、数値制御 ログラムが記憶され、CPUは、これらプログ ムに従って、数値制御やその他の制御を行 。
 また、オペレータがカム軸16の回転角度と 軸台2の位置のオフセット値を設定する場合 、当該オフセット値も記憶部に記憶され、 工時にCPUに参照される。

 カム駆動モータ45は、X軸モータとして機能 ており、コントローラ41からの指令に基づ てカム軸16を回転させる。
 サーボモータ6は、Z軸モータとして機能し おり、コントローラ41から回転角度、回転速 度、回転方向などを数値制御される。なお、 コントローラ41は、カム軸16の回転角度や回 速度などを監視しており、これに基づいて ーボモータ6を数値制御する。
 主軸モータ11は、C軸モータとして機能して り、コントローラ41からの指令に基づいて 軸18を回転させる。

 連結機構駆動装置43は、コントローラ41から の指令に基づいて、例えば、圧縮空気を供給 することによりクランプ機構33を開閉する。
 ワーク供給装置12は、コントローラ41からの 指令に基づいてワーク22を供給すると共に、 えば、圧縮空気を用いてチャック27を開閉 る。

 次に、旋盤1の動作を図6のタイミングチャ トを用いて説明する。
 このタイミングチャートは、横軸にカム軸1 6の回転角度、縦軸に刃物21a、21b、21c、主軸 2の前進・後退、及びチャック27の開閉を表 たものである。ここでは、説明を簡潔にす ため、旋盤1は、3つの刃物21、即ち、刃物21a~ 21cを備えるものとする。
 なお、主軸台2に関しては、+Z軸方向への移 を前進、逆の方向への移動を後退とし、刃 21に関しては、-X軸方向(即ち、ワーク22に近 づく方向)を前進、逆の方向への移動を後退 する。
 まず、カム軸16が0度から30度まで回転する 、旋盤1は、チャック27を開いて主軸台2を後 させてからチャック27を閉じ、これと並行 て、前進していた刃物21aを後退させながら 時に刃物21cを前進させる。なお、旋盤1は、 物21bに関しては後退した位置に保つ。

 カム軸16の角度が30度を超えると、旋盤1は チャック27を閉じ、主軸台2を前進させなが 、刃物21bを後退させ、ワーク22を切削してい く。
 カム軸16の角度が135度を超えると、旋盤1は 刃物21cを後退させて刃物21cによる切削を終 すると共に、刃物21cの後退と同時に刃物21b 前進させて刃物21bによる切削を開始する。
 カム軸16の角度が270度近辺に達すると、旋 1は、主軸台2を若干後退させた後、更に前進 させる。また、旋盤1は、刃物21bを後退させ 刃物21bによる切削を終了すると共に、刃物21 aを前進させて刃物21による切削を開始する。
 カム軸16の角度が360度に達すると加工品が 成する。

 次に、図7のフローチャートを用いて旋盤1 自動サイクル動作を説明する。
 まず、オペレータは、カム軸16にカム9a、カ ム9b、カム9c、・・・を取り付けてカム機構10 を構成する。
 各カム9には、カム軸16の所定の角度に当た 位置にケガキ線などにより目印が施されて り、カム軸16がその所定の角度になったと に、カムの目印とカムフォーマットロア(カ 軸16に施された目印)が一致するようにカム 取り付ける。

 次に、オペレータは、旋盤1にワーク22を装 し、操作盤42を操作して当該ワーク22を加工 する数値制御プログラムをコントローラ41のC PUにロードさせる(又は(式1)のように操作盤42 ら直接入力する)。
 必要がある場合、オペレータは、加工品を 作し、その外形を計測してカム軸16の回転 度と主軸台2のZ座標のオフセット値を決める 。当該オフセット値は、オペレータによって 操作盤42から入力され、コントローラ41の記 部に記憶される。

 オペレータが操作盤42のスタートボタンを 下すると、CPUは、当該数値制御プログラム 実行し、カム駆動モータ45、サーボモータ6 主軸モータ11、及びクーラント供給装置など の制御を開始する。
 なお、以下の制御は、コントローラ41のCPU 数値制御プログラムに基づいて行うもので る。

 まず、旋盤1は、カウンタkを0に初期化す (ステップ5)。カウンタkは、1個の棒材に関 て、ワーク供給装置12がワーク22を供給した 数を計数するパラメータである。ここで、 ーク供給装置12がワーク22を繰り出すことが できる回数をM回(Mは自然数)とし、数値制御 ログラムに記述されているものとする。

 次に、旋盤1は、全軸(カム駆動モータ45、サ ーボモータ6、主軸モータ11)を停止する(ステ プ10)。
 次に、旋盤1は、主軸モータ11を駆動して主 台2を移動し、センタ台4(主軸台2と連結状態 にある)をワーク供給の際の初期位置に復帰 せ(ステップ15)、チャック27を開く(ステップ2 0)。

 次に、旋盤1は、クランプ機構33を開いて、 結棒31によるセンタ台4との連結を解除し、 ーボモータ6を駆動して主軸台2を後退させ (ステップ25)。
 次に、旋盤1は、ワーク供給装置12を駆動し ワーク22を所定量(端部がセンタ台4に当接す る量)だけ繰り出すことにより供給する(ステ プ30)。
 ワークを供給した後、旋盤1は、チャック27 閉じると共に、クランプ機構33を閉じて主 台2とセンタ台4を連結する(ステップ35)。な 、ワーク22の供給前にクランプ機構33を閉じ もよい。
 次に、旋盤1は、カウンタiを0に初期化する( ステップ40)。カウンタiは、ワーク22を供給し てから加工した加工品の個数を計数するパラ メータである。

 以上のようにして、旋盤1は、ワーク22をセ トした後、ワーク22の加工を開始する(ステ プ45)。
 旋盤1は、主軸モータ11駆動してワーク22を 軸の周りに回転させると共に、カム駆動モ タ45を駆動して刃物21を駆動する。
 更に、旋盤1は、カム軸16の回転角度を監視 ながらこれに基づいてサーボモータ6を駆動 し、主軸台2とセンタ台4を移動させる。

 旋盤1は、加工品が完成すると、これをワー ク22から切断し、カウンタiがN未満か否かを 断する。
 ここでNは、予め設定された自然数であり、 1回のワーク22供給に対して加工する加工品の 個数である。
 iがN未満である場合(ステップ50;Y)、旋盤1は iに1を加えてインクリメントする(ステップ5 5)。

 そして、旋盤1は、クランプ機構33を開いて( ステップ60)主軸台2を加工品1個分だけ前進さ (ステップ65)、クランプ機構33を閉じて主軸 2とセンタ台4を連結する(ステップ70)。
 その後、ステップ45に戻ってワーク22を加工 する。
 なお、主軸台2とセンタ台4を連結した後、 端チャック27を開いてワーク22をワーク供給 置12によってセンタ13に押圧してから再度チ ャック27を閉じるように構成することもでき 。この動作により、センタ13の支持をより 実にすることができる。

 一方、iがN未満でない場合(即ち、iがNに達 た場合)(ステップ50;N)、旋盤1は、更にkがM未 であるか否かを判断する(ステップ75)。
 kがM未満である場合(ステップ75;Y)、旋盤1は kに1を加えてインクリメントする(ステップ8 0)。そして、旋盤1は、ステップ10の処理に戻 、ワーク供給装置12にワーク22を供給させる 。
 一方、kがM未満でない場合(即ち、kがMに達 た場合)(ステップ75;N)、旋盤1は、全軸(カム 動モータ45、サーボモータ6、主軸モータ11) 停止し(ステップ85)、例えば、表示灯を点灯 せるなどして加工が終了したことをオペレ タに通知する。

 ワーク22の加工が終了すると、オペレー は、次のワークをワーク供給装置12に供給し て同じ数値制御プログラムを実行させること もできるし、あるいは、段取り替えを行って (必要がある場合は、カム機構10を交換する) の加工品を製作することもできる。

 以上に説明した本実施の形態により次のよ な効果を得ることができる。
(1)主軸台2の移動とカム機構10の回転を機構的 に分離したため、カム機構10で主軸台2の移動 を行う必要が無く、カム機構10の調整が容易 なった。
 即ち、従来の旋盤装置では、主軸台移動用 ムと刃物切り込み用カムに製作誤差や組み け誤差があった場合、カムを加工修正して 度を維持する必要があり、カム取り付け及 修正に熟練した技能が必要であったが、本 施の形態の旋盤1では、主軸台移動用カムの 調整が不要となる。

(2)ボールねじ7を滑り面17の中央に形成し、押 圧が滑り面17に平均的に作用するように形成 たため、滑り面17の偏荷重を防止すること できる。このため、滑り面17の不均一な摩耗 を防止することができると共にワークの加工 精度が安定する。
(3)滑り面17の不均一な摩耗を防止することに り、滑り面17の修正作業が容易になる。

(4)主軸台2の移動を数値制御としたため、主 台2の移動量を刃物21の動きに合わせて数値 制御コードで設定することができる。
(5)カム機構10の回転角度を検出し、これを用 て主軸台2の移動を制御することにより、カ ム機構10のカム軸速度と主軸台2の移動を同期 させることができる。
(6)主軸台2の移動を数値制御としたため、主 台2の位置のオフセット値の設定を容易に行 ことができる。

(7)カム機構10の精度に合わせて主軸台2の移動 指令が出せるので、修正は主軸台2の方で数 にて行い、カム機構10の修正が不要となる。
(8)1回のチャッキングで加工品複数個分のワ ク22を把持できるので、加工時間を短縮する ことができる。

 次に、本実施の形態の変形例について説明 る。
 図8は、本変形例に係る旋盤装置を示した図 であり、図8(a)は、カム部分の側面、図8(b)は 盤装置の正面図を示している。
 図8(b)に示したように、旋盤1は、基盤部5の に、主軸台2、刃物台3を備える他、歯車加 台51を備えている。なお、センタ台4は、備 ていてもいなくてもよい。
 歯車加工台51は、ワーク22の先端に歯車を形 成するユニットであり、基盤部5の上面に固 されている。

 図8(a)に示したように、歯車加工台51は、ア ム25z、連結部材60、工具保持部59などから形 成されている。
 工具保持部59は、各種工具を保持できるよ になっており、本変形例では、カッター53を 保持している。

 カッター53は、図8(c)に示したように円筒形 を有しており、その軸線を回転軸として刃 55を駆動して回転させる。
 そして、歯車加工台51は、カッター53の回転 線が主軸と垂直となり、刃物55がワーク22の 側になるようにカッター53を保持している。

 このように、カッター53の回転軸は主軸に して補助軸として機能している。なお、カ ター53の回転軸は、主軸と垂直としたが、こ れに限定するものではなく、回転軸が主軸と 所定の角度をなすように歯車加工台51がカッ ー53を保持するように構成することもでき 。
 このように、工具保持部59は、前記主軸と 定の角度を成す回転軸の周りに回転する刃 を保持する回転刃物保持手段として機能し いる。

 図8(d)は、刃物55を拡大した図である。
 刃物55は、円盤状の回転対称体を成してお 、対称軸がカッター53の回転軸と一致するよ うになっている。
 そして、刃物55の外周部には周囲に渡って 刃が形成されており、刃物55が回転すると、 刃物55の外周部にて切削機能を発揮すること できる。
 刃物55は、切刃が形成する平面がワーク22の 中心線を含むように保持されており、切刃が ワーク22の側面に切り込んで歯車の溝を主軸 向に切削加工できるようになっている。

 刃物55は、ワーク22の下側に位置しているた め、カッター53が上昇するとワーク22の下側 を切削加工し、カッター53が下降すると、刃 物55がワーク22から離れる。
 旋盤1は、歯車の溝を加工する場合、カッタ ー53を上昇させると共に、主軸は回転角度を 持しつつ(即ち、回転しないで停止する)+Z方 向に移動させてワーク22の側面を切削する。
 そして、歯車の溝が完成すると、旋盤1は、 カッター53を下降させてワーク22から離した 、主軸を-Z方向に移動すると共に、主軸を所 定の角度(2π/L(Lは歯車の溝の数))だけ回転さ て、次の溝を同様にして加工する。

 次に、図9の各図を用いて歯車加工台51がカ ター53を上下動させる機構について説明す 。
 図9(a)に示したように、歯車加工台51では、 ーム25zと、工具保持部59が連結部材60によっ て連結されている。

 なお、図9(a)のうち、工具保持部59は、図8(a) の矢線A方向の矢視図であり、アーム25zは、 8(b)の矢線B方向の矢視図となっている。
 アーム25zは、支点57に軸支されており、一 には接触子24zが形成され、他端には連結部 60が軸支されている。

 接触子24zは、カム9z(回転刃物用カム)の外 周に接しており、カム9zの形状に倣って移動 る。そのため、接触子24zがカム9zの形状に って上下動すると、支点57を中心として連結 部材60も上下動する。

 一方、工具保持部59は、支点58に軸支されて おり、一端にはカッター53が保持され、他端 は連結部材60が軸支されている。
 このため、連結部材60が上下動すると、支 58を中心としてカッター53も上下動する。
 図9(a)に示したように、カッター53と接触子2 4zは、支点58、57に対して同じ側に形成され、 連結部材60は、これらと対向する側に形成さ るため、接触子24zとカッター53は、同期し 上下動する。
 即ち、接触子24が上昇する場合は、カッタ 53も上昇し、接触子24が下降する場合はカッ ー53も下降する。

 カム9zは、円盤形状を有しており、外周の1 所に凹部52が形成されている。
 接触子24zが凹部52に接触する場合は、接触 24が上昇するため、カッター53も上昇し、接 子24zが凹部52以外の箇所に接触する場合は 接触子24は下降するためカッター53も下降す 。
 他のカム9a、9b、9c、・・・によってワーク2 2が加工されている間は、接触子24zがカム9zの 凹部52以外の部分に接触するように、カム9z 他のカム9との取付角度が設定されている。

 図9(b)は、接触子24zが凹部52に接して、カッ ー53が上昇したところを示している。
 ワーク22の切削加工は、このように、接触 24zが凹部52に接した状態で行われる。
 旋盤1は、歯車を加工する場合、カム9zを360 に渡って回転させることは行わず、図9(a)に 示した位置(即ち、凹部52と接触子24zが接する 位置からカム9zが角度θだけ回転した位置、 2の回転角度)と、図9(b)に示した位置(凹部52 接触子24zが接する位置、第1の回転角度)を交 互に繰り返す。
 このように、歯車加工台51は、回転刃物保 手段を移動することにより、回転する刃物 被加工物を切削する回転刃物移動手段とし 機能している。

 次に、図10のフローチャートを用いて、旋 1がワーク22に歯車を加工する手順について 明する。
 旋盤1は、カム9a、9b、9c、・・・を用いてワ ーク22の側面を加工した後、主軸を停止して 車加工モードに移行し、カッター53を駆動 て、刃物55の回転を開始する。
 まず、旋盤1は、カウンタjをj=1に設定する( テップ105)。jは、加工した溝の個数を計数 るパラメータである。

 次に、旋盤1は、サーボモータ6によって主 を後退させ(即ち、-Z軸方向に移動し)、カッ ー53が上昇しても刃物55とワーク22が干渉し い位置にワーク22を移動する(ステップ110)。
 次に、旋盤1は、カム駆動モータ45によって ム9zを角度θだけ正転させて接触子24を凹部5 2に接触させ、カッター53を上昇させる(ステ プ115)。

 なお、ここでは、カム9zの初期位置が、凹 52が接触子24zに接する位置から角度θの位置( 図9(a)の位置)にあるものとする。
 正転・逆転は何れの方向に定義してもよい 、ここでは、右ねじが-Z方向に進む回転方 を正転とする。

 次に、旋盤1は、サーボモータ6によって主 を前進させて(即ち、+Z方向に移動し)、ワー 22をカッター53に繰り出し、溝の切削加工を 行う(ステップ120)。
 この間、主軸モータ11は、主軸を回転させ に保持する。または、主軸が回転しないよ にブレーキなどの制動機構を設けることも きる。

 旋盤1は、溝の切削加工が終了すると、カム 駆動モータ45によってカム9zを角度θだけ逆転 させて接触子24を凹部52が形成されていない 分に接触させ、カッター53を下降させる(ス ップ125)。
 次に、旋盤1は、jがLより小さいか否かを判 する(ステップ130)。ここでLは、歯車に形成 れる溝の個数である。
 jがLより小さい場合は(ステップ130;Y)、まだ 加工の溝があるため加工を続行する。

 この場合、旋盤1は、jをj=j+1にインクリメン トすると共に(ステップ135)、Z軸を主軸モータ 11によって所定角度(2π/L)だけ回転させ(ステ プ140)、更に、ステップ110に戻ってサーボモ タ6によって主軸を元の位置に復帰させ、次 の溝の加工を行う。
 一方、jがLに達した場合(ステップ130;N)、旋 1は、カッター53を停止し、歯車の切削加工 終了する。

 以上のように、主軸モータ11(主軸回転手段) は、カム9zが第1の回転角度に保持されている 間(溝を切削加工している間)は、ワーク22の 転角度を所定角度に保持し、カム9zが第2の 転角度に保持されている間に、刃物55が次の 切削箇所を切削するようにワーク22を所定角 だけ回転させる。
 また、サーボモータ6(主軸移動手段)は、カ 9zが前記第1の回転角度に保持されている間 、刃物55に向けてワーク22を繰り出す方向に 主軸を移動し、カム9zが第2の回転角度に保持 されている間に主軸を移動前の位置に復帰す る。
 このように、本変形例では、歯車をカム機 と主軸の数値制御を合わせて用いることに りワーク22に歯車を切削加工することがで る。

 ところで、図10で、歯車加工工程では、ス ップ125においてカム9を反転してカッターを 工するため、最後の歯割り(歯車の溝の加工 )を行った後には、カム9が反転した状態とな ている。
 このため、次の歯車を加工するためには、 の前に、ワーク22を逃がしてカム9を正転す 必要がある。

 そこで、図11のフローチャートで示すよう 、最後の歯割りを行う際に、カム9を正転し カッターを下降させることにより、最後の 割りと同時にカム9を正転することができ、 加工を高速化することができる。
 以下に、この工程について説明する。

 ステップ105~125は、図10と同じである。
 ステップ125でカッターを下降して歯割りを った後、旋盤1は、jがL-1未満であるか否か 即ち、加工した溝の数がL-1に達したか判断 る(ステップ133)。
 jがL-1未満の場合(即ち、加工した溝の数がL- 1に達していない場合)(ステップ133;Y)、旋盤1 、図10と同様にjに1をインクリメントして(ス テップ135)、Z軸を所定角度回転して(ステップ 140)、ステップ110に移行する。

 一方、jがL-1未満でない場合(即ち、加工し 溝の数がL-1に達した場合)(ステップ133;N)、旋 盤1は、最後の1個の溝を加工するために、Z軸 を後退して(ステップ145)、カム9を正転してカ ッターを上昇させる(ステップ150)。
 次いで、旋盤1は、Z軸を前進させて(ステッ 155)、カム9を正転してカッターを加工させ 最後の溝を加工する(ステップ160)。
 以上の工程により、カム9が正転した状態で 最後の溝を加工し終えることができる。これ によって、次の歯割りを行う際に、ワークを 逃がしてカム9を正転する必要が無くなり、 り効率よく歯車の加工を行うことができる

 次に、図12の各図を用いて、より効率の良 ワーク22の供給方法、及びワーク22支持方法 ついて説明する。
 まず、ワーク供給装置12でワーク22を繰り出 して供給する際、その先端を支持する必要が あるが、これには、刃物21で支持する場合と ンタ13で支持する場合がある(図12各図参照)
 ワーク供給装置12によるワーク供給力が小 く、ワーク供給負荷が小さい場合には、ワ ク22を刃物21で支持しても刃物21を傷めない め、供給時のワーク支持を刃物21で行うのが 効率上有効である。
 一方、ワーク供給の負荷が大きい場合には センタ13を用いるのがよい。

 即ち、ワーク供給装置12がワーク22を供給 する力が小さい場合には、刃物21を主軸18の 上に位置させ、ワーク供給装置12が供給する ワーク22を刃物21に当てて供給量を規定し、 ーク供給装置12がワーク22を供給する力が大 い場合には、ワーク供給装置12が供給する ーク22をセンタ13に当てて供給量を規定する

 このように、ワーク供給装置12は、被加工 の材料を繰り出す材料繰り出し手段として 能し、刃物21やセンタ13(支持手段)は、材料 先端を当接させる当接部材として機能する
 そして、旋盤1は、ワーク供給装置12や、刃 21、センタ13を用いて繰り出される材料の繰 り出し量を規定する規定手段を備えている。

 そして、ワーク22を加工する際には、必要 ある場合にワーク22をセンタ13で支持する。
 即ち、ワーク22の径が十分に大きかったり ワーク22の加工部分の長さが短い場合には、 センタ13で支持せずにガイドブッシュ23で片 ちにて加工し、ワーク22の径が小さかったり 、加工部分の長さが長い場合には、ワーク22 先端をセンタ13で支持して加工する。
 また、加工途中で加工部分の長さが長くな 場合などには、加工の途中からセンタ13で ーク22の先端を支持することもできる。

 図12(a)は、センタ13の駆動機構を示した図で ある。
 基盤部5には、刃物台3の+Z側に支柱67が設け れている。支柱67にはセンタ13を挿通させる ための貫通孔が形成されていると共に、Z軸 向を長さ方向とする棒材で構成された度当 り64が固定されている。

 度当たり64は、固定部材32がZ軸方向に移動 る際の-Z方向の限界を規定しており、固定部 材32が-Z方向に所定量移動すると度当たり64に 当接して固定部材32の移動が規制される。
 固定部材32は、図示しないセンタ台4に固定 れているため、センタ台4の移動、及びセン タ13の移動も度当たり64によって規定される

 バネ66は、センタ13を-Z方向に付勢する付勢 段として機能しており、付勢力は、ワーク 給装置12のワーク供給力よりも強く設定さ ている。
 エアシリンダ61は、エアの圧力によりオン フすることができ、その力はバネ66の付勢力 りよりも大きく設定されている。

 そのため、エアシリンダ61がオン(作動)する と、エアシリンダ61の先端が部材65に当接し これを+Z方向に移動させる。
 部材65はセンタ13と連結しており、部材65が アシリンダ61によって+Z方向に移動すると、 センタ13も+Z方向に移動するようになってい 。

 なお、センタ13の先端付近には、センタ13を -Z方向に付勢する緩衝バネ63が設けてあり、 示しないワーク22がセンタ13に接した際の衝 を緩和するようになっている。
 以上のようにして、センタ13は、エアシリ ダ61がオフ(非作動)の場合には、バネ66によ て-Z軸方向に、度当たり64で規定される位置 付勢されており、エアシリンダ61がオンの 合には、センタ13は、+Z方向に移動する。
 このように、エアシリンダ61は、バネ66によ る付勢を解除する付勢解除手段として機能し ている。

 図12(b)は、ワーク22をガイドブッシュ23で支 し、ワーク22の先端は支持せずに片持ちに て加工しているところを示した図である。
 ワーク22の長さが短い場合や、ワーク22の径 が十分大きい場合など、ワーク22を片持ちで 工できる場合には、ワーク22をこのように 持して加工することができる。

 この場合、センタ13でワーク22を支持する 必要がないため、旋盤1は、クランプ機構33を 開いてセンタ13と主軸台2の連結を解除すると 共に、エアシリンダ61をオンしてセンタ13を+Z 方向に移動しておく。

 図12(c)は、ワーク22をガイドブッシュ23とセ タ13で支持して加工しているところを示し 図である。
 ワーク22の長さが長い場合や、ワーク22の径 が小さい場合など、ワーク22を片持ちで加工 るのが困難な場合にはこのように支持する

 この場合、旋盤1は、ワーク22を加工する には、エアシリンダ61をオフしてセンタ13を 度当たり64の位置まで移動させると共に、ク ンプ機構33を閉じて主軸台2とセンタ13を連 し、ガイドブッシュ23とセンタ13でワーク22 保持して刃物21でワーク22を加工する。

 図13は、ワーク22供給時に刃物21でワーク22 先端を支持して位置決めを行う場合に旋盤1 行う自動サイクルを説明するためのフロー ャートである。
 以下の、フローチャートで、カウンタkは、 ワーク供給装置12がワーク22を供給した回数 計数するパラメータであり、Mは、ワーク供 装置12がワーク22を繰り出す回数である。
 また、パラメータNは、1回のワーク22の繰り 出しに対して加工する加工品の個数であり、 カウンタiは、ワーク22を供給してから加工し た加工品の個数を計数するパラメータである 。

 まず、オペレータは、ワーク22となる棒材 旋盤1にセッティングした後、図7のフローチ ャートと同様にして旋盤1を始動する。
 この際に、オペレータは、数値制御プログ ムの部分修正やオフセット機能によるタイ ングの補正も実施する
 すると、旋盤1は、主軸18を回転し(ステップ 200)、カウンタkを0に初期化する(ステップ205)
 次に、旋盤1は、カム軸16と主軸台2を所定の 基準位置に待機させ(ステップ210)、チャック2 7を開く(ステップ215)。

 カム軸16の基準位置では、繰り出されるワ ク22が刃物21に当たって位置決めされるよう 、当該刃物21が主軸18の中心軸上に位置する ようになっている。
 あるいは、カム軸16を基準位置に移動させ 後、ワーク22を位置決めする刃物21を主軸18 中心軸上に位置するようにカム軸16を回転し て移動してもよい。

 次に、旋盤1は、主軸台2の位置を、加工品N 分を加工するためのワーク22を供給できる 置(切削原点-加工品のZ方向のサイズ×N)に復 し(ステップ220)、ワーク供給装置12を駆動し てワーク22を供給する(ステップ225)。
 供給されるワーク22が刃物21に当たるとワー ク22の繰り出しがこれにより制限され(即ち、 ワーク22の先端が刃物21に突き当たってワー 22の供給が止まり)、加工品をN個加工するの 必要な量が繰り出される。
 そして、ワーク22供給が完了すると旋盤1は ャック27を閉じてワーク22を把持する(ステ プ230)。

 次に、図14のフローチャートに続き(続く箇 を丸印で囲ったAにより示してある)、旋盤1 、カウンタiを0に初期化し(ステップ235)、カ ム軸16の回転を開始して(ステップ240)、ワー 22を加工する(ステップ245)。
 旋盤1は、ワーク22を加工する際に、必要に じてクランプ機構33を閉じると共に(ステッ 250)、エアシリンダ61をオフしてセンタ13で ーク22の先端を支持してワーク22を加工する( ステップ255)。
 この場合、旋盤1は、加工を終えると、クラ ンプ機構33を開いて(ステップ260)、主軸台2と ンタ13の連結を解除する。

 旋盤1は、例えば、ワーク22の長さが長い場 には、加工の最初からセンタ13でワーク22を 支持し、加工につれてワーク22の長さが長く る場合には、加工の途中でセンタ13を駆動 てワーク22を支持する。
 何れのタイミングで支持するか、あるいは 持しないかは、数値制御プログラムによっ 規定されている。

 このように、センタ13と主軸台2を連結す 連結手段は、付勢手段(バネ66)が被加工物( ーク22)を付勢している場合に把持手段(チャ ク27が設けられた主軸台2)と支持手段を連( ンタ13)結し、付勢解除手段(エアシリンダ61) 付勢が解除されている場合には連結しない

 旋盤1は、ワーク22の加工を終了すると、加 品を突っ切り加工などにより切断する。
 そして、旋盤1は、カム軸16を待機させ(ステ ップ265)、カウンタiを1だけインクリメントす る(ステップ270)。
 次に、旋盤1は、例えば、オペレータからの 停止操作があるなど、停止命令があるか否か を判断し(ステップ275)、停止命令がある場合 は(ステップ275;あり)、旋盤1は、全軸を停止 して待機状態にする(ステップ295)。

 一方、停止命令が無い場合には(ステップ275 ;なし)、旋盤1は、iがN未満であるか判断し(ス テップ280)、N未満である場合には(ステップ280 ;Y)、加工した加工品の個数がN個に達してい いため、旋盤1は、ステップ240の工程に移行 、次の加工品を製作する。
 N未満でない場合には(ステップ280;N)、加工 た加工品の個数がN個に達したため、旋盤1は 、カウンタkを1だけインクリメントする(ステ ップ285)。

 そして、旋盤1は、kがM未満であるか判断し( ステップ290)、M未満である場合には(ステップ 290;Y)、ワーク22の供給回数がM回に達していな いため、旋盤1は、図13のフローチャートのス テップ215の工程に移行し(続く箇所を丸印で ったaにより示してある)、ワーク22の供給を う。
 一方、M未満でない場合には(ステップ290;N) ワーク22の供給回数がM回に達したため、旋 1は、全軸を停止して待機状態にする(ステッ プ295)。

 図15は、ワーク22供給時にセンタ13でワーク2 2の先端を支持して位置決めを行う場合に旋 1が行う自動サイクルを説明するためのフロ チャートである。
 ステップ200~ステップ210は、図13のフローチ ートと同じである。
 旋盤1は、ステップ210でカム軸16や主軸台2を 基準位置に待機した後、クランプ機構33を開 (ステップ212)、エアシリンダ61をオフしてセ ンタ13をワーク22の方向(-Z方向)に前進させる( ステップ213)。

 そして、旋盤1は、図13のフローチャートと 様に主軸台位置復帰(ステップ220)、ワーク 給(ステップ225)を行う。
 この場合、ワーク22の先端がセンタ13の先端 に当たってワーク22の供給量が規定される。
 その後、旋盤1は、チャック27を閉じて(ステ ップ230)、エアシリンダ61をオンし、センタ13 +Z方向に後退させる(ステップ232)。
 以降、旋盤1は、図14のフローチャートに従 て加工を行う。

 次に、本実施の形態の更なる変形例につい 説明する。
 図1に示したカム9a、9b、・・・(ただし、カ 9b以降は省略してある)は、ケガキ線によっ 互いの相対的な位置を合わせてカム軸16に ルトによって固定するようになっている。
 これらカム9の相対的な取付角度がずれてい ると、加工誤差が生じ、加工品の形状が当初 設計したものとは異なってくる。

 従来は、カム9の取り付け及び位置調整は、 熟練作業者が、材料を加工しながら各カム9 位置を現物合わせなどにより、即ち、加工 状を見ながらカム9の取付角度を調節してい 。
 本変形例では、個々のカム9の取付角度のず れを数値制御プログラムに入力し、主軸台2 移動をカム9に合わせて補正する。
 これによって、熟練作業者がカム9の位置を カム軸16上で微調整する必要が無くなり、一 の作業者でも容易に補正を行うことができ 。
 高精度加工を行う場合、通常はほぼずれが0 °(通常は±0.1°程度の公差内)になるようにシ アに取付を行っているが、本変形例の機能 用いることで、0.5°前後のずれでもオフセ トによって補正が可能となる。

 まず、各カム9の取付角度のずれの検出方法 について説明する。
 カム9の取付角度のずれは、何れかのカム9( こでは、カム9aとする)を基準とし、当該基 となるカム9に対する相対的な角度のずれを エンコーダで検出する。
 より詳細に述べると次のようになる。作業 は操作盤42(図5)にてエンコーダの角度を数 にて角にすることができる。

 まず、カム9aのケガキ線の角度になるよう 、エンコーダを用いてカム軸16を回転させる 。
 このとき、接触子24a(図1(a))とケガキ線が一 すれば、カム9aの取付ずれはないと判断で る。ケガキ線と一致しない場合は、接触子24 aとケガキ線が一致する位置までカム軸16を回 転させる。
 このときのエンコーダの値とケガキ線で指 されている角度との差がカム9aの取付角度 ずれに相当する。
 以上の作業を他のカム9についても行い、全 てのカム9について取付角度のずれを検出す ことができる。

 図16は、カム9の取付角度を数値制御プログ ムでオフセットした場合の各刃物21等の移 を表したタイミングチャートである。
 この例では、カム9bの取付角度が標準の取 角度に対して-1°ずれており、これを数値制 プログラムにオフセット値として設定して 主軸台2の移動をカム9bのずれに合わせて補 した場合を示している。
 これによって主軸台2の移動のタイミングが 補正され、刃物21bの動きと一致する。

 実線301は、カム9bの取付角度にずれが無い 合の刃物21bの移動を表しており、破線302は カム9bの取付角度のオフセット値を-1°とし 場合の刃物21bの移動を表している。
 図に示したように、カム9bの取付角度が-1° れているため、刃物21bの移動も1°分だけ遅 ている。

 一方、実線303は、カム9bの取付角度にずれ 無い場合の主軸台2(主軸18)の移動を表してお り、破線304は、主軸台2の移動をカム9の取付 度に合わせてオフセットした場合の移動を している。
 なお、タイミングチャートの主軸台2の欄に 両者を記載すると判別が困難なため、欄外に 記載してある。
 図に示したように、主軸台2の移動タイミン グが実際のカム9bと合ったものになる。
 これは、カム9bが加工工程を行う場合に、 ントローラ41が主軸台2の移動を+1°分だけ進 ることにより、主軸台2がカム9bの取付角度 ずれを繰り込んだ動きをするためである。

 なお、主軸台2の動きをオフセットすると 、次のカム9(例えば、カム9c)の移動と主軸台2 の移動が同期しなくなる可能性があるが、各 カム9の取付角度には十分な遊びが設けてあ 、カム9bから次のカム9に作業が移行する間 遊び区間で主軸台2の移動のオフセットによ ずれが吸収される。

 次に、図17の表を用いて、カム9の取付状況 数値制御プログラムとの関係について説明 る。
 項目「刃物」は、旋盤1に取り付けられてい る各刃物21を表している。
 項目「カム」は、刃物21を駆動するカム9で る。図のように、刃物21は、単数又は複数 カム9により駆動される。
 図の例では、刃物21aは、カム9aによって駆 され、刃物21bは、カム9bとカム9cによって駆 される。

 項目「数値制御プログラム」は、数値制御 ログラムの論理的な構成を表しており、「 程番号」、「オフセット」、「ステップ番 」、「カム軸角度」、「主軸移動量」、「 ム軸速度」などの項目から構成されている
 項目「工程番号」は、工程に付与された番 である。工程は、カム9が刃物21を駆動して うひとまとまりの作業であり、各工程は更 細かいステップから構成されている。

 項目「ステップ番号」は、当該工程を構成 るステップの番号を表している。即ち、各 程は、更に小さな作業単位であるステップ ら構成されている。
 図の例では、工程1に対してステップ1~5から 構成されており、工程2に対してステップ6、7 から構成されている。
 一般に、工程iは、ステップN(i-1)+1~ステップ Niによって構成されている。

 項目「オフセット」は、カム9の取付角度の ずれ、即ちオフセット値を表している。カム 9aは、角度計測の基準となっており、そのた 、オフセット値は0になっている。
 カム9bは、カム9aに対して+0.2°、カム9cは、 ム9aに対して-0.1°取付角度がずれている。
 これらオフセット値は、作業者が操作盤42( 5)から入力するようになっている。
 一般に、工程iのオフセット値をαiと表すこ とにする。

 図の例では、カム9aが工程1に対応づけられ おり、工程1の補正値α1には、カム9aのオフ ット値0°が設定される。これによって、工 1のステップ1~ステップ5には補正値α1が適用 される。
 同様に、カム9nが工程iに対応づけられてお 、工程iの補正値αiには、カム9nのオフセッ 値αiが設定される。これによって、工程iの ステップN(i-1)+1~ステップNiには補正値αiが適 される。

 項目「カム軸角度」は、カム軸16を回転す 角度である。例えば、工程1のステップ2のカ ム軸角度は10°となっており、ステップ1は0° あるので、旋盤1は、ステップ1からステッ 2に移行する際に、カム軸16を0°から10°まで 転させる。
 項目「主軸移動量」は、主軸台2を移動させ る量である。例えば、工程1のステップ3の主 移動量は-2.5[mm]となっており、旋盤1は、ス ップ2からステップ3に移行する際に、主軸 2を-2.5[mm]移動させる。
 項目「カム軸速度」は、カム軸16を回転す 速度であり、単位は[°/秒]である。

 以上のように構成された数値制御プログラ において、コントローラ41(図5)は、当該工 に属する各ステップのコードにて、主軸台2 移動の基準となる「カム軸角度」を補正値 けオフセットして主軸台2を移動する。
 これによって、主軸台2は、カム9のオフセ ト値に対応する量だけ、動作タイミングを フセットして移動する。

 例えば、カム9の取付角度にずれが無い場合 に、あるステップのコードで、カム軸16の角 がDx1の時に主軸台2の移動を開始し、Vz=(Dz/Dx )×Vx・・・(式2)なる速度で主軸台2を移動する ように規定されていたとする。ただし、Dxは ム軸16の角度であり、絶対座標系によって 述されているものとする。
 このコードにおいて、Dx1+αiの時に主軸台2 移動を開始するようにし、(式2)をVz={Dz/(Dx+αi )}×Vx・・・(式3)とすれば、主軸台2の移動がα iによってオフセットされる。
 なお、コードが相対座標系にて記述されて る場合は、絶対座標に変換して補正を行う のとする。

 以上のように、本変形例では、コントロ ラ41は、検出した回転角度に基づいて主軸18 の移動量を制御する数値制御プログラムをコ ンピュータで実行することにより、主軸18を 動して主軸台2をZ方向に移動させる主軸移 手段として機能しており、更に、コントロ ラ41は、作業者が設定するαiによって、カム 9の回転角度に対するオフセット値を取得す オフセット値取得手段と、当該数値制御プ グラムにおいて、当該取得したオフセット に対応する量だけ主軸18の移動を、例えば、 式3によってオフセットするオフセット手段 備えている。

 また、旋盤1においてカム9は複数存在し、 ントローラ41はオフセット値取得手段によっ て、αiの設定を受け付けることによりカム9 とのオフセット値を取得する。
 そして、コントローラ41は、当該数値制御 ログラムにおいて、αiを工程番号に対応さ ることにより、カム9と主軸18の移動とを対 づける対応づけ手段を具備し、当該オフセ ト手段は、主軸18の移動を、当該移動に対応 づけられたカム9に対して取得したオフセッ 値に対応する量だけ、例えば、式3によって フセットしている。

 次に、図18のフローチャートを用いて、コ トローラ41が行うオフセット処理の手順につ いて説明する。
 まず、作業者は、各カム9の取付角度のずれ を計測して個々のカム9の角度のずれを操作 42からコントローラ41に入力する。
 また、作業者は、カム9と数値制御プログラ ムの工程の対応を操作盤42からコントローラ4 1に入力する。

 これに対して、コントローラ41は、カム9ご のオフセット値の入力を受け付けてRAMなど 記憶装置に格納し、更に、オフセット値と 程の対応の入力を受け付けて記憶装置に格 する(ステップ300)。
 次に、コントローラ41は、工程番号iとステ プ番号jを1に初期化する(ステップ305)。

 次に、コントローラ41は、iがM以下であるか 否かを判断する(ステップ310)。ここで、Mは工 程番号の最大値であり、全てのMについてオ セット値を設定したか否かを確認するもの ある。
 iがMより大きい場合(ステップ310;N)、全ての テップについてオフセット処理が行われた め、コントローラ41はオフセット処理を終 する。

 iがM以下であった場合(ステップ310;Y)、コン ローラ41は、jをN(i-1)+1に設定する(ステップ3 15)。
 ここで、N(i-1)は、工程番号N(i-1)の最後のス ップのステップ番号であり、N(i-1)+1は、工 番号iの最小のステップのステップ番号を示 ている。ただし、N0=0とする。

 次に、コントローラ41は、jがNi以下である 否かを確認する(ステップ320)。ここで、Niは 程番号iの最後のステップのステップ番号で あり、工程番号iの全てのステップについて フセットを設定したか否かを確認するもの ある。
 jがNiよりも大きい場合(ステップ320;N)、工程 番号iの全てのステップについてオフセット 設定したため、コントローラ41は、iを1だけ ンクリメントして(ステップ325)ステップ310 戻る。

 一方、jがNi以下である場合(ステップ320;Y)、 コントローラ41は、ステップ番号jのコードに おいてDxjをDxj+αiとすることにより、カム軸16 の移動をαiだけオフセットする(ステップ330) ここで、Dxjは、ステップjにおけるカム軸16 角度Dxである。
 そして、コントローラ41は、jを1だけインク リメントして(ステップ335)ステップ320に戻る
 以上の手順により、全ての工程についてカ 9の取付角度に応じた補正を行うことができ る。

 次に、図19のフローチャートを用いて旋盤1 行う加工処理の手順について説明する。
 まず、コントローラ41は、操作盤42によって 作業者から、既にセットしてある数値制御プ ログラムを実行するのか、あるいは新たな数 値制御プログラムを実行するのかの選択を受 け付ける(ステップ350)。
 既にセットしてある数値制御プログラムを 行する場合(ステップ350;N)、コントローラ41 、当該数値制御プログラムに係るカムデー (カム9の対応づけやオフセット値など)を記 装置から読み出す(ステップ360)。

 一方、新たな数値制御プログラムを実行 る場合には(ステップ350;Y)、コントローラ41 当該数値制御プログラムを記憶装置や、例 ば、フレキシブルディスクなどの記憶媒体 、あるいはネットワークを介するなどして み込んでセットする(ステップ355)。

 次に、コントローラ41は、作業者からカム9 ステップの対応づけや、カム9ごとのオフセ ット値の入力を受け付ける(ステップ365)。こ ステップは、図18のフローチャートのステ プ5に対応するものである。
 これらの対応づけやオフセット値がセット れると、コントローラ41は、補正データの 算を行う(ステップ370)。このステップは、図 18のフローチャートのステップ10~ステップ40 対応するものである。

 以上のようにして、コントローラ41は、保 データの読み出しを完了した後(ステップ60) 又は補正データの計算が終了した後(ステッ プ370)、作業者が操作盤42のスタートボタンを 押下するのを受け付けることにより自動運転 を開始し(ステップ375)、数値制御プログラム 従って旋盤1の運転を行う(ステップ380)。
 そして、コントローラ41は、数値制御プロ ラムを全て実行すると旋盤1の運転を終了す (ステップ385)。

 なお、数値制御プログラムでは、旋盤1の動 作速度を設定できるようになっており、コン トローラ41は、ステップ375の後にこれを計算 て当該速度にて旋盤1を動作させる。
 これは、旋盤1がオーバーライド機能(数値 御プログラムで指定された速度を指定され 割合だけ変化させて旋盤1を動作させる機能) を有しない場合にオーバーライド機能の代わ りとして用いることができる。
 なお、オーバーライド機能は、数値制御プ グラムの確認を行うために、旋盤1を早送り で空運転する場合などに用いられる。

 以上に説明した本変形例により次のような 果を得ることができる。
(1)カム9のカム軸16に対する取付角度がずれて いた場合でも、そのずれをオフセット値とし て数値制御プログラムに設定することができ る。これによって、カム9の取付位置をカム 16上で微調整する必要が無くなり、迅速容易 にカム9のずれを補正することができる。
(2)工程番号によって、数値制御プログラムの ステップをカム9に対応したグループに区分 ることによりカム9とステップとの対応を設 することができる。これによって、カム9の オフセット値を対応するステップに反映する ことができる。以上により、カム9を取付直 ずに、数値入力で取付角度を調節すること できる。
(3)個々のカム9の取付角度のずれを調べて修 するという作業が、主軸台2をカム9で移動し ていた従来のカム式旋盤の概念と近いため、 従来機に慣れ親しんだ作業者にとっても作業 がし易い。

 以上に説明した本実施の形態では、次のよ な構成を提供することができる。
 即ち、軸線上に被加工物を把持する把持手 を備えた主軸と、前記主軸を回転する主軸 転手段と、前記被加工物を切削する刃物を 持する刃物保持手段と、前記刃物保持手段 、回転するカムの形状に倣って、前記主軸 軸線に垂直な方向に移動する刃物移動手段 、前記カムを回転させるカム回転手段と、 記カムの回転角度を検出する回転角度検出 段と、前記検出した回転角度に基づいて前 主軸の移動量を制御する数値制御プログラ をコンピュータで実行することにより数値 御によって前記主軸を軸線方向に移動する 軸移動手段と、前記カムの回転角度に対す オフセット値を取得するオフセット値取得 段と、前記数値制御プログラムにおいて、 記取得したオフセット値に対応する量だけ 記主軸を移動させるタイミングをオフセッ するオフセット手段と、を具備したことを 徴とする旋盤装置を提供することができる( 第1の構成)。
 第1の構成において、前記カムは複数存在し 、前記オフセット値取得手段は、前記カムご とのオフセット値を取得し、前記数値制御プ ログラムにおいて、前記カムと前記主軸の移 動とを対応づける対応づけ手段を具備し、前 記オフセット手段は、前記主軸の移動を、当 該移動に前記対応づけられたカムに対して前 記取得したオフセット値に対応する量だけオ フセットするように構成することができる( 2の構成)。
 第1の構成、又は第2の構成において、前記 軸移動手段は、前記主軸を移動させる力を 前記主軸の軸線を含む鉛直面内において、 記軸線に平行な方向に作用させるように構 することもできる(第3の構成)。
 第1の構成、第2の構成、又は第3の構成にお て、請求項4に記載の発明では、前記被加工 物を前記把持手段と対向する側から支持する 支持手段と、前記把持手段と、前記支持手段 と、の距離を所定の距離に保って連結する連 結手段と、を具備するように構成することも できる(第4の構成)。
 第4の構成において、前記連結手段は、前記 被加工物から切削される加工品の長さ単位で 、前記連結する長さを調節可能に構成されて いるように構成することもできる(第5の構成) 。
 第1の構成から第5の構成までのうちの何れ 1の構成において、前記主軸と所定の角度を す回転軸の周りに回転する刃物を保持する 転刃物保持手段と、前記回転する刃物で前 被加工物を切削する際に、前記回転刃物保 手段を移動させる回転刃物移動手段と、を 備するように構成することもできる(第6の 成)。
 第6の構成において、前記回転刃物移動手段 は、回転する回転刃物用カムの形状に倣って 前記回転する刃物を移動するように構成する こともできる(第7の構成)。
 第7の構成において、前記回転刃物用カムに は、前記回転する刃物が前記被加工物に切り 込む第1の回転角度と、前記回転する刃物が 加工物から離れる第2の回転角度が設定され おり、前記カム回転手段は、前記回転刃物 カムの回転角度を、前記第1の回転角度と前 記第2の回転角度に交互に回転するように構 することもできる(第8の構成)。
 第8の構成において、前記主軸回転手段は、 前記回転刃物用カムが前記第1の回転角度に 持されている間は、前記被加工物の回転角 を所定角度に保持し、前記回転刃物用カム 前記第2の回転角度に保持されている間に、 記回転する刃物が次の切削箇所を切削する うに前記被加工物を所定角度だけ回転させ ように構成することもできる(第9の構成)。
 第9の構成において、前記主軸移動手段は、 前記回転刃物用カムが前記第1の回転角度に 持されている間は、前記回転する刃物に向 て前記被加工物を繰り出す方向に前記主軸 移動し、前記回転刃物用カムが前記第2の回 角度に保持されている間に前記主軸を移動 の位置に復帰するように構成することもで る(第10の構成)。
 第1の構成から第5のこうせいまでのうちの れか1の構成において、前記刃物保持手段は 前記主軸と所定の角度を成す回転軸の周り 前記保持した刃物を回転する刃物回転手段 具備するように構成することもできる(第11 構成)。