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Patent Searching and Data


Title:
LAUROLACTAM PRODUCTION METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125720
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an easy, industrially-useful production method for producing laurolactam by a cyclododecanone oxime Beckmann rearrangement reaction. In this method, the cyclododecanone oxime Beckmann rearrangement reaction is carried out using cyanuric chloride as the catalyst without using a separate solvent other than the laurolactam product and the cyclododecanone oxime starting material, which is termed solvent-free, to manufacture laurolactam.

Inventors:
SUGIMOTO TSUNEMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/056898
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
April 02, 2009
Export Citation:
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Assignee:
UBE INDUSTRIES (JP)
SUGIMOTO TSUNEMI (JP)
International Classes:
C07D201/04; C07D225/02
Foreign References:
JP2006219470A2006-08-24
JPS4986386A1974-08-19
JPS49135985A1974-12-27
Other References:
FURUYA, YOSHIRO ET AL.: "Cyanuric Chloride as a Mild and Active Beckmann Rearrangement Catalyst", JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 127, no. 32, 23 July 2005 (2005-07-23), pages 11240 - 11241
KHODAEI, M.M. ET AL.: "Solvent free Beckmann rearrangement of ketoximes by anhydrous ferric chloride", SYNTHETIC COMMUNICATIONS, vol. 31, no. 13, January 2001 (2001-01-01), pages 2047 - 2050
Attorney, Agent or Firm:
ITO, Katsuhiro et al. (JP)
Katsuhiro Ito (JP)
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Claims:
無溶媒で、塩化シアヌルを触媒として、シクロドデカノンオキシムのベックマン転位反応を行うラウロラクタムの製造方法。
反応温度が152℃以上である請求項1記載のラウロラクタムの製造方法。
Description:
ラウロラクタムの製造方法

 本発明は、シクロドデカノンオキシムの ックマン転位反応によるラウロラクタムの 造方法に関する。

 オキシムのベックマン転位反応を行い工業 にラクタムを製造する方法においては、硫 が一般的に用いられている。しかし、硫酸 オキシムに対して当モル必要であり、反応 に硫酸をアンモニアなどの塩基で中和する 要から、副生成物として、大量の硫酸アン ニウムが排出されることが問題であった。 かる問題を解決する方法として触媒反応系 種々検討されているが、その中でも、塩化 アヌル(即ち、トリクロロトリアジン)を触 としてベックマン転位反応を行う方法はラ タムの収率に優れていることから、有望な 法である。(特許文献1、2、3参照)
 しかしながら、例えば、特許文献1では大過 剰のカルボン酸が溶媒として必要とされてい る。特許文献2では極性溶媒、特にニトリル 溶媒が必要とされている。また、非特許文 1ではアセトニトリルやニトロメタンのよう 極性で求核性を有する溶媒が好適であると 載されており、特定の溶媒が同方法では必 とされていた。

 一般に、副反応等を抑えるために溶媒を いて反応基質を希釈して反応させるが、溶 を使用した場合、(1)反応槽が大きくなるこ 、(2)溶媒の分離回収、精製のための蒸留設 が必要になること、(3)従って、設備コスト 大きくなること、(4)溶媒の分離・回収・精 ・リサイクルが必要であるためにプロセス 複雑になること、(5)溶媒のリサイクルを繰 返すことで、溶媒中に不純物が蓄積されて これが転位反応自体に悪影響を与えたり、 品品質の悪化原因になる可能性があること などの多くの工業的かつ経済的な欠点があ 。

特公昭46-23740号公報

特開2006-219470号公報

Journal of American Chemical Society, pp11240 (2 005)

 シクロドデカノンオキシムのベックマン 位反応を行い、ラウロラクタムを製造する めの、従来の製造技術に比べ簡便で工業的 有利な製造方法を提供することを課題とす 。

 上記課題は、原料であるシクロドデカノ オキシムと生成物であるラウロラクタム以 に別途溶媒を使用しない、所謂、無溶媒で クロドデカノンオキシムを、塩化シアヌル 触媒としてベックマン転位反応を行うラウ ラクタムの製造方法によって解決される。

 本発明によれば、背景技術で示した溶媒 用いたプロセスの多くの欠点を解決できる とから、簡便かつ工業的に有利にシクロド カノンオキシムのベックマン転位反応を行 、ラウロラクタムを製造することができる 造方法を提供することができる。さらに、 溶媒で反応させることで、きわめて速く転 反応を完結させることが出来ることから、 応槽を非常に小さく出来る利点がある。

 以下、本発明について詳細に説明する。

 本発明のラウロラクタムの製造方法は、 クロドデカノンオキシムのベックマン転位 応を、塩化シアヌルを触媒として、原料で るシクロドデカノンオキシムと生成物であ ラウロラクタム以外に別途溶媒を使用しな 、所謂、無溶媒条件下で行うことを特徴と る。

 反応温度としては、反応系が液相を保っ いる温度、より具体的には、シクロドデカ ンオキシムの融点温度(135℃)以上であれば く、好ましくは、ラウロラクタムの融点152 以上である。また、反応の制御等を考慮す と、必要以上に温度は高くない方が好まし 、好ましくは300℃以下、より好ましくは250 以下である。反応温度が152℃未満、135℃以 の場合、ベックマン転位反応により生成す ラウロラクタムの濃度が高くなると、凝固 ることが懸念されるが、多段式の連続反応 して後段の反応槽の反応温度を上げていく で解決可能である。即ち、135℃以上であっ 、反応系が液相である温度を設定すればよ 。反応時間は、反応装置、反応温度、触媒 、設定される反応率、その他の条件を考慮 て適宜設定することができる。特に制限は いが、例えば1分~24時間程度の範囲で設定す ことができる。

 シクロドデカノンオキシムのベックマン 位反応を進行させるために、本発明では触 として塩化シアヌルが使用される。その使 量は、シクロドデカノンオキシムに対して 通常、0.01~20mol%であればよく、好ましくは 0.1~5mol%である。触媒添加量が少なすぎる場 には転位反応速度が遅く反応時間が長くな 、生産量を維持する為に反応槽も大きくな ので設備コスト面から好ましくない。また 触媒の失活が起こりやすくなり、反応が途 で停止してしまう恐れもある。一方、触媒 加量が多すぎる場合には、触媒コストが大 くなるため経済的に好ましくない。

 触媒である塩化シアヌルとともにルイス を触媒として共存させることもできる。ル ス酸を共存させることで塩化シアヌル触媒 添加量を少なくすることができるという利 もある。

 ここで、ルイス酸としては、ZnCl 2 、FeCl 3 、AlCl 3 、CoCl 2 、NiCl 2 、CuCl 2 、TiCl 4 、ZrCl 4 、GeCl 4 、NbCl 5 、などが挙げられるが、好ましくは、ZnCl 2 、FeCl 3 、CuCl 2 であり、更に好ましくはZnCl 2 である。

 ルイス酸の使用量は、塩化シアヌル1molに 対して0.01~100mol、好ましくは0.1~10mol、更に好 しくは0.2~5molである。

 反応圧力については、特に制限はないが 通常は、操作面及び設備コスト面から大気 で行うのが好ましい。

 反応の雰囲気についても特に制限は無い 、操作面及び設備コスト面から、空気中、 たは、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活 ガス雰囲気中で行うことが好ましい。

 ベックマン転位反応の形態としては、回 式反応、連続式反応いずれでも良いが、工 的見地からは連続式反応が好ましい。反応 としては、回分式反応槽、管型連続式反応 、攪拌型連続反応槽、管型または攪拌型の 段式連続反応槽を使用することができる。

 ベックマン転位反応は発熱を伴う反応で るため、発熱の緩和のために生成物である ウロラクタムが存在する状態で反応させる とが好ましい。回分式反応槽で反応を行う 合には、反応開始時点からラウロラクタム 共存下で行うことが好ましい。連続反応槽 反応を行う場合にも、反応開始時にあらか めラウロラクタムを共存させて反応を開始 ることが望ましい。ラウロラクタムの共存 は、特に限定されないが、全体の50重量%以 が好ましい。

 ここで、ラウロラクタムとしては、別途 製したものや市販品を用いる事ができるが 本ベックマン転位反応で得られる反応生成 を精製して、或いは精製することなくシク ドデカノンオキシムと共存させてベックマ 転位反応を行うこともできる。

 また、ベックマン転位反応による発熱の 応としては、ラウロラクタムを共存させ、 いは、ラウロラクタムの不存在で、反応開 時だけ発熱の制御が可能な範囲でゆっくり 応させることもできる。

 反応終了後、得られたラウロラクタムは 晶析または蒸留などの定法によって精製・ 離することが出来る。

 以下に実施例を挙げて本発明を更に詳し 説明するが、本発明は下記の実施例に何ら 定されるものではない。

(実施例1)
 ガラス製反応管(容積10cc)にシクロドデカノ オキシム1.0g、ラウロラクタム1.0g、塩化シ ヌル0.0193g(シクロドデカノンオキシムの1mol%) を仕込み、160℃のオイルバスにセットし、反 応を開始した。3時間後、反応管をオイルバ から取り出し放冷した後、固化した反応物 トルエンに溶解させ、ガスクロマトグラフ ー装置で生成物を定量分析した。その結果 シクロドデカノンオキシムの転化率は100%で り、生成したラウロラクタムの選択率は90.5 %であった。

(実施例2)
 塩化亜鉛0.0282g(2mol%)を別途追加した以外は 実施例1と全く同様に実験・分析を行った。 の結果、シクロドデカノンオキシムの転化 100%、生成したラウロラクタムの選択率は89. 5%であった。

(実施例3)
 反応時間を2時間にした以外は、実施例2と く同様に実験・分析を行った。その結果、 クロドデカノンオキシムの転化率は100%であ 、生成したラウロラクタムの選択率は91.1% あった。

(実施例4)
 反応時間を1時間にした以外は、実施例2と く同様に実験・分析を行った。その結果、 クロドデカノンオキシムの転化率は100%であ 、生成したラウロラクタムの選択率は90.3% あった。

(実施例5)
 反応時間を30分にした以外は、実施例2と全 同様に実験・分析を行った。その結果、シ ロドデカノンオキシムの転化率は99.5%であ 、生成したラウロラクタムの選択率は95.7%で あった。

(実施例6)
 反応時間を20分にした以外は、実施例2と全 同様に実験・分析を行った。その結果、シ ロドデカノンオキシムの転化率は99.8%であ 、生成したラウロラクタムの選択率は92.9%で あった。

(実施例7)
 反応時間を10分にした以外は、実施例2と全 同様に実験・分析を行った。その結果、シ ロドデカノンオキシムの転化率は99.8%であ 、生成したラウロラクタムの選択率は93.2%で あった。

(実施例8)
 シクロドデカノンオキシム1.2g、ラウロラク タム0.8gにした以外は、実施例4と全く同様に 験・分析を行った。その結果、シクロドデ ノンオキシムの転化率は98.6%であり、生成 たラウロラクタムの選択率は93.3%であった。

(実施例9)
 シクロドデカノンオキシム1.5g、ラウロラク タム0.5gにした以外は、実施例4と全く同様に 験・分析を行った。その結果、シクロドデ ノンオキシムの転化率は87.1%であり、生成 たラウロラクタムの選択率は90.8%であった。

(実施例10)
 シクロドデカノンオキシム2gだけを仕込ん 以外は、実施例4と全く同様に実験・分析を った。その結果、シクロドデカノンオキシ の転化率は71.2%であり、生成したラウロラ タムの選択率は80.5%であった。