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Patent Searching and Data


Title:
LIQUID CRYSTAL DISPLAY DEVICE, AND ITS MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111259
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a semi-transmission type liquid crystal display device, which is enabled to suppress a flicker by adjusting the optimum values of a DC offset voltage to be applied for eliminating a bias electric field to rise in a liquid crystal, without increasing the number of manufacturing steps, and a proper method for the liquid crystal display device. The liquid crystal display device has a liquid crystal layer between a back-side substrate and an observation-side substrate confronting each other, and the back-side substrate has a transmission electrode and a reflecting electrode. This reflecting electrode is constituted to contain molybdenum in the surface on the side of the liquid crystal layer.

Inventors:
FUJITA TETSUO (JP)
HARADA MITSUNORI (JP)
NAKAHARA HIJIRI (JP)
NAKATA YUKINOBU (JP)
KOKURA MASAFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/072186
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
November 15, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KK (JP)
FUJITA TETSUO (JP)
HARADA MITSUNORI (JP)
NAKAHARA HIJIRI (JP)
NAKATA YUKINOBU (JP)
KOKURA MASAFUMI (JP)
International Classes:
G02F1/1343; G02F1/1335
Foreign References:
JP2005266761A2005-09-29
JP2006153902A2006-06-15
JP2003315766A2003-11-06
JP2002521718A2002-07-16
JP2005316399A2005-11-10
JP2004191958A2004-07-08
JP2004109797A2004-04-08
JP2004046223A2004-02-12
JP2007067036A2007-03-15
Other References:
See also references of EP 2124096A4
Attorney, Agent or Firm:
YASUTOMI, Yasuo et al. (5-36 Miyahara 3-chome, Yodogawa-ku, Osaka-sh, Osaka 03, JP)
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Claims:
互いに対向する背面側基板と観察面側基板との間に液晶層を備え、該背面側基板が透過電極と反射電極とを有する半透過型の液晶表示装置であって、
該反射電極は、液晶層側の表面がモリブデンを含んで構成される
ことを特徴とする液晶表示装置。
前記反射電極は、下部がアルミニウム又は銀を含んで構成され、上部がモリブデンを含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
前記反射電極の上部は、厚さが60Å以下であることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
前記背面側基板は、反射電極の下部の背面側に、モリブデンを含んで構成される保護導電層を有することを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
前記反射電極は、モリブデンを含んで構成される単層であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
前記透過電極は、液晶層側の表面がモリブデンを含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
前記透過電極は、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム錫及び酸化インジウム亜鉛からなる群より選択された少なくとも一種の材料を含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
前記背面側基板は、透過電極及び反射電極上に配向膜を有し、該配向膜を介して測定された透過電極と反射電極との仕事関数の差が0.1eV以下であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
請求項1記載の液晶表示装置の製造方法であって、
該製造方法は、反射電極のパターニングを一括して行う工程を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
互いに対向する背面側基板と観察面側基板との間に液晶層を備え、該背面側基板が透過電極と反射電極とを有する半透過型の液晶表示装置であって、
該反射電極は、液晶層側の表面が第六族元素を含んで構成される
ことを特徴とする液晶表示装置。
Description:
液晶表示装置及びその製造方法

本発明は、液晶表示装置及びその製造方法 に関する。より詳しくは、携帯電話等の省電 力化を期待されるモバイル機器に好適な半透 過型の液晶表示装置及びその製造方法に関す るものである。

液晶表示装置の一つである半透過型液晶表 示装置は、透過型と反射型との両方のモード で表示する機能を持っている。すなわち、バ ックライトを有するため、暗い場所でも高い 視認性を有する透過型の液晶表示装置の特徴 と、外部の光を利用するため、低消費電力で ある反射型の液晶表示装置の特徴とを併せ持 っている。

この半透過型液晶表示装置は、画像の最小 単位である画素毎に、反射率の高い電極(以 「反射電極」という。)が配置される反射領 と透過率の高い電極(以下「透過電極」とい う。)が配置される透過領域とを有する。透 電極と反射電極とは、異なる金属材料から るため、電気的性質が異なっている。この とに起因して、透過領域と反射領域とでは 液晶内部に発生するバイアス電界を打ち消 ために印加される直流オフセット電圧の最 値が異なる。しかしながら、直流オフセッ 電圧は、一つの画素に対して一つしか設定 ることができない。したがって、透過領域 び反射領域の一方に対して最適な直流オフ ット電圧を印加することとなるため、フリ カ等が生じて表示品位が低下するおそれが る点で改善の余地があった。また、透過領 及び反射領域の一方においては、液晶に直 電圧成分が長時間印加されることとなるた 、液晶の信頼性を低下させるという点で改 の余地があった。なお、フリッカとは、画 全体又は一部が明滅して見える現象であり より詳細には、画面の輝度が眼の残像時間 り長い周期で変化した場合に感じる画面の ラツキや揺れのことである。

そこで、このような透過電極と反射電極と で電気的性質が異なることに起因して発生す る表示不良を解消するため、反射電極の仕事 関数と透過電極の仕事関数とを揃えることに より、両電極の電極電位を等しくすることが 考えられている。具体的には、反射電極の表 面に、透過電極の材料と同程度の仕事関数を 有する透明導電膜を積層することにより、反 射電極の表面の仕事関数と透過電極の表面の 仕事関数とをほぼ等しくする技術が開示され ている。

例えば、透過電極が、酸化インジウム錫(IT O)膜により構成され、反射電極がアルミニウ (Al)膜により構成されている場合に、反射電 極の表面に配置する透明導電膜としてITO膜を 形成する方式が考えられる。しかしながら、 画素の反射電極を構成するAl膜とITO膜とが接 した状態でパターニング工程等を行うと、A lとITOとの間で電食反応が生じ、ITO膜が欠落 るおそれがあるという点で改善の余地があ た。

そこで、ITO膜と仕事関数が近い酸化インジ ウム亜鉛(IZO(登録商標))膜を反射電極の表面 形成する方法が開示されている。例えば、Al 膜の上層に位置する、IZO膜のみをエッチング する工程を備えるようにし、少なくとも2回 異なるエッチング液を用いてエッチング処 するエッチング工程を行う方式が開示され いる(例えば、特許文献1参照)。この場合に 、AlとIZOとの間で電食反応が生じることがな く、IZO膜が欠落するおそれもない。

また、Al膜上のIZO膜に対し、フッ素を含有 てなる気体雰囲気中でプラズマ処理を行う とで、IZO膜をエッチングされやすくし、そ 後、IZO/Al積層膜を連続エッチングする方式 開示されている(例えば、特許文献2参照)。

更に、製造工程数を増加させることなく、フ リッカを抑制する方法として、背面側基板に 配置される各画素の全面に、透過電極を形成 することにより、透過領域の透明導電膜と反 射領域の反射電極上に形成するフリッカを抑 制するための透明導電膜とを形成する方式が 開示されている(例えば、特許文献3及び4参照 )。

特開2005-316399号公報

特開2004-191958号公報

特開2004-109797号公報

特開2004-46223号公報

しかしながら、特許文献1の場合には、パ ーニング工程の増加により製造工程数が増 するため、生産性の点で改善の余地があっ 。なお、IZO層とAl層とについては、別々のエ ッチング液でパターニングしなくても、同じ エッチング液、例えば、硝酸、リン酸、酢酸 及び水の混合液によってパターニング可能で あることが知られている。しかしながら、IZO 膜がAl膜よりもエッチングされにくいため、A l膜及びIZO膜の積層膜を一括してエッチング ると、図4に示すように、ガラス基板21上のMo 層22上に設けられたAl層23の上層のIZO層24が庇 状に突き出て形成されてしまうおそれがあ 。このような庇形状の部分が存在すると、 えば、ラビング工程のような基板表面に荷 が加わる後工程において、この庇形状の部 が剥離して、基板上の画素電極等に付着す 可能性がある。そうなると、画素電極間に 絡が生じ、背面側基板の製造歩留りを低下 せるおそれがある。

特許文献2における方式では、プラズマ処 工程の追加等により製造工程数が増加する で改善の余地があった。また、特許文献3及 4の場合には、透過電極と反射電極上のフリ ッカを防止するための透明導電膜とが同じ膜 厚となるため、反射表示を行う際に透明導電 膜によって外部からの入射光が吸収されにく くするためには、透明導電膜を薄く形成する 必要がある。その場合、透過領域の透過電極 も薄くなるため、電極として欠損が生じ、製 造歩留りを低下させるおそれもあり工夫の余 地が残っていた。

本発明は、上記現状に鑑みてなされたもの であり、製造工程数を増加させることなく、 フリッカの抑制を図ることができる半透過型 の液晶表示装置を提供することを目的とする ものである。

本発明者らは、製造工程数を増加させるこ となく、フリッカを抑制することが可能な半 透過型の液晶表示装置について種々検討した ところ、反射電極の液晶層側の表面を構成す る材料に着目した。そして、反射電極の液晶 層側の表面がモリブデンを含んで構成される ことにより、反射電極が複数の層から構成さ れる場合であっても、反射電極のパターニン グを一括して行うことができるとともに、液 晶内部に発生するバイアス電界を打ち消すた めに印加される直流オフセット電圧の最適値 を透過領域と反射領域とで略一致させること ができることを見いだした。すなわち、パタ ーニング工程数を増加させることなく、フリ ッカの抑制を図ることが可能になることを見 いだし、上記課題をみごとに解決することが できることに想到し、本発明に到達したもの である。

すなわち、本発明は、互いに対向する背面側 基板と観察面側基板との間に液晶層を備え、 上記背面側基板が透過電極と反射電極とを有 する半透過型の液晶表示装置であって、上記 反射電極は、液晶層側の表面がモリブデンを 含んで構成される液晶表示装置(以下「第一 晶表示装置」ともいう。)である。
以下に本発明を詳述する。

本発明の第一液晶表示装置は、互いに対向 する背面側基板と観察面側基板との間に液晶 層を備え、上記背面側基板が透過電極と反射 電極とを有する半透過型の液晶表示装置であ る。半透過型の液晶表示装置は、バックライ トを有するため、暗い場所でも高い視認性を 有する透過型の液晶表示装置の特徴と、外部 の光を利用するため、低消費電力である反射 型の液晶表示装置の特徴とを併せ持っている 。このような液晶表示装置は、反射透過両用 型の液晶表示装置とも呼ばれる。

上記反射電極は、液晶層側の表面がモリブ デンを含んで構成される。モリブデンの仕事 関数(4.6eV)は、透過電極を構成する材料とし 一般的に用いられる酸化インジウム錫(ITO)等 の仕事関数(4.7~5.2eV)に近い。したがって、反 電極の液晶層側の表面を構成する材料の仕 関数を、透過電極を構成する材料の仕事関 に近づけることができるため、フリッカの 制を図ることができる。また、モリブデン 、反射電極を構成する材料として一般的に いられるアルミニウム(Al)等と一括してエッ チングを行うことができる。すなわち、反射 電極の液晶層側の表面がモリブデンを含んで 構成されるとしても、反射電極のパターニン グを一括して行うことが可能であるため、パ ターニング工程の数を増加させることなく、 フリッカの抑制を図ることができる。更に、 反射電極と透過電極とをそれぞれ別工程で形 成することができるため、透過電極の膜厚を 独立して適正化することができる。すなわち 、フリッカを抑制するべく、透過電極が透過 領域だけでなく反射電極上にも設けられた方 式と異なり、透過電極の欠損を生じさせるこ とがないため、高い製造歩留りを実現するこ とができる。

上記反射電極は、液晶層側の表面の少なく とも一部がモリブデンを含んで構成されれば よいが、フリッカを抑制する観点からは、反 射電極の液晶層側の表面全体がモリブデンを 含んで構成されることが好ましい。また、反 射電極の液晶層側の表面を構成する材料は、 モリブデンの原子を含むものである限り、モ リブデン単体であってもよく、モリブデン合 金であってもよく、モリブデン化合物であっ てもよいが、本発明の作用効果の観点からは 、モリブデン単体及びモリブデン合金、すな わちモリブデンを含む金属であることが好ま しく、モリブデン単体から構成されることが より好ましい。

本発明の第一液晶表示装置は、上記背面側 基板、観察面側基板及び液晶層を構成要素と して有するものである限り、その他の構成要 素を有していても有していなくてもよく、特 に限定されるものではない。なお、背面側基 板は、コントラスト比の向上及びクロストー クの低減の観点から、アクティブマトリクス 基板であることが好ましいが、特にそれに限 定されるものではなく、例えば、パッシブマ トリクス基板であってもよい。

本発明の第一液晶表示装置における好ましい 形態について以下に詳しく説明する。
上記反射電極は、下部がアルミニウム又は銀 を含んで構成され、上部がモリブデンを含ん で構成されることが好ましい。本明細書で「 上部」とは、液晶層側の部分を指し、「下部 」とは、上部以外の部分を指す。反射電極の 下部がアルミニウム又は銀を含んで構成され ることにより、高反射率を有する反射領域を 形成することができるとともに、上部がモリ ブデンを含んで構成されることにより、透過 領域と反射領域とのフリッカ電圧差を低減す ることができる。また、モリブデン膜とアル ミニウム膜又は銀膜とは、硝酸、酢酸及びリ ン酸が含有された水溶液(弱酸性エッチング )等に対するエッチング速度が略同一であり モリブデン膜とアルミニウム膜又は銀膜と 一括エッチングしたとしても、反射電極の 部が下部に対して庇形状に突き出て形成さ てしまうことがないため、製造歩留りをよ 向上させることができる。

上記反射電極の上部は、厚さが60Å以下で ることが好ましい。60Åを超えると、反射 示に使用される入射光が反射率の高い反射 極の下部に到達する前に反射電極の上部に って吸収され、反射領域の反射率を充分に ることができなくなるおそれがある。一方 反射電極の上部は、透過領域と反射領域と フリッカ電圧差を低減する効果を得る観点 らは、厚さが少なくともモリブデンの原子 径(略3Å)以上であることが好ましい。なお 表示品位の観点からは、反射電極の上部は 厚さが20~40Åであることがより好ましい。

上記背面側基板は、反射電極の下部の背面 側に、モリブデンを含んで構成される保護導 電層を有することが好ましい。このようにモ リブデンを含んで構成される保護導電層を設 けることにより、透過電極と反射電極の下部 とが接触する場合に、透過電極を構成する材 料と反射電極の下部を構成する材料とが電食 反応を起こさないようにすることができる。 また、反射電極の上部と保護導電層とが同一 の材料で構成されることにより、反射電極と 保護導電層との一括パターニングを行うこと ができる。

本明細書で「保護導電層」とは、透過電極 と反射電極の下部とが接触する場合に、透過 電極を構成する材料と反射電極の下部を構成 する材料とが電食反応を起こさないようにす るために、反射電極の透過電極側に設けられ る層のことである。例えば、反射電極の下部 がアルミニウムから構成され、透過電極が酸 化インジウム錫から構成される場合には、保 護導電層は、モリブデンから構成されること が好ましい。

上記反射電極は、モリブデンを含んで構成 される単層であることが好ましい。これによ れば、反射電極が単層であるため、反射電極 の形成工程を更に簡略化することができる。 また、透過電極と反射電極とが接触する場合 でも、例えば、反射電極の上部をITO層、下部 をAl層で形成するようなときと異なり、電食 応を生じることがないため、保護導電層が 要である点で好適である。

上記透過電極は、液晶層側の表面がモリブ デンを含んで構成されることが好ましい。こ れによれば、反射電極の液晶層側の表面、及 び、透過電極の液晶層側の表面がともにモリ ブデンを含んで構成されるため、透過電極と 反射電極との仕事関数の差をより小さくする ことができる結果、フリッカを更に抑制する ことができる。なお、フリッカを抑制する観 点からは、透過電極は、液晶層側の表面全体 がモリブデンを含んで構成されることが好ま しく、例えば、透過電極は、下部が酸化イン ジウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム 錫及び酸化インジウム亜鉛からなる群より選 択された少なくとも一種の材料を含んで構成 され、上部がモリブデンを含んで構成される ことが好ましい。また、フリッカの抑制だけ でなく、透過表示の高いコントラスト比の維 持も同時に図る観点からは、液晶側の表面の 一部がモリブデンを含んで構成されることが 好ましく、例えば、液晶層側の表面に残渣程 度にモリブデンが存在する形態が好ましい。

上記透過電極は、酸化インジウム、酸化亜 鉛、酸化錫、酸化インジウム錫及び酸化イン ジウム亜鉛からなる群より選択された少なく とも一種の材料を含んで構成されることが好 ましい。これらの材料の仕事関数は、モリブ デンの仕事関数に近いため、透過領域と反射 領域とのフリッカ電圧差を低減するのに好適 である。なお、上記透過電極は、酸化インジ ウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム錫 及び酸化インジウム亜鉛からなる群より選択 された少なくとも一種の材料から構成される ことがより好ましい。

上記背面側基板は、透過電極及び反射電極 上に配向膜を有し、上記配向膜を介して測定 された透過電極と反射電極との仕事関数の差 が0.1eV以下であることが好ましい。配向膜を して測定された透過電極と反射電極との仕 関数の差を0.1eVとすることにより、透過領 と反射領域とのフリッカ電圧差を更に低減 ることができる。

上記配向膜を構成する材料としては特に限 定されない。また、透過電極及び反射電極の 仕事関数の測定方法としては、熱電子放出法 、光電子放出法、電場電子放出法、ケルビン 法(接触電位差法)等が挙げられるが、配向膜 誘電体であるため容量を形成し、その容量 配向膜上の電子の挙動に影響を与えるため 配向膜を介して測定を行うことができるケ ビン法(接触電位差法)を用いることが好ま く、透過電極及び反射電極の仕事関数は、 向膜を介して仕事関数測定器(商品名:FAC-2、 研計器社製)を用いたケルビン法により測定 される。

本発明はまた、上記第一液晶表示装置の製 造方法であって、上記製造方法は、反射電極 のパターニングを一括して行う工程を含む液 晶表示装置の製造方法でもある。この製造方 法によれば、反射電極が積層構造を有する場 合等であっても、反射電極のパターニングを 一括して行うことから、製造工程を簡略化す ることができる。なお、反射電極のパターニ ング方法としては、ドライエッチング法、ウ ェットエッチング法等が挙げられるが、ウェ ットエッチング法が好ましい。また、第一液 晶表示装置の製造方法は、反射電極及び保護 導電層のパターニングを一括して行う工程を 含むことが好ましい。これによれば、製造工 程をより簡略化することができる。

本発明はまた、互いに対向する背面側基板 と観察面側基板との間に液晶層を備え、上記 背面側基板が透過電極と反射電極とを有する 半透過型の液晶表示装置であって、上記反射 電極は、液晶層側の表面が第六族元素を含ん で構成される液晶表示装置(以下「第二液晶 示装置」ともいう。)でもある。これによれ 、第六族元素のクロム(Cr)、モリブデン(Mo) びタングステン(W)の仕事関数はいずれも4.5~4 .6eVであり、透過電極を構成する材料として 般的に用いられるITOの仕事関数(4.7~5.2eV)に近 いため、フリッカを抑制するのに好適である 。また、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)及びタン ステン(W)は、反射電極を構成する材料とし 一般的に用いられるアルミニウム(Al)等と一 括してエッチングを行うことができる。すな わち、反射電極の液晶層側の表面がモリブデ ンを含んで構成される積層構造であったとし ても、反射電極のパターニングを一括して行 うことが可能であるため、パターニング工程 の数を増加させることなく、フリッカの抑制 を図ることができる。

本発明の第二液晶表示装置は、上記背面側 基板、観察面側基板及び液晶層を構成要素と して有するものである限り、その他の構成要 素を有していても有していなくてもよく、特 に限定されるものではない。なお、背面側基 板は、アクティブマトリクス基板であること が好ましいが、特にそれに限定されるもので はなく、例えば、パッシブマトリクス基板で あってもよい。

本発明の第二液晶表示装置における好ましい 形態について以下に説明する。
上記反射電極は、下部がアルミニウム又は銀 を含んで構成され、上部が第六族元素を含ん で構成されることが好ましい。
上記反射電極の上部は、厚さが60Å以下であ ことが好ましい。
上記背面側基板は、反射電極の下部の背面側 に、第六族元素を含んで構成される保護導電 層を有することが好ましい。
上記反射電極は、第六族元素を含んで構成さ れる単層であることが好ましい。
上記透過電極は、液晶層側の表面が第六族元 素を含んで構成されることが好ましい。
上記透過電極は、酸化インジウム、酸化亜鉛 、酸化錫、酸化インジウム錫又は酸化インジ ウム亜鉛からなる群より選択された少なくと も一種の材料を含んで構成されることが好ま しい。
上記背面側基板は、透過電極及び反射電極上 に配向膜を有し、上記配向膜を介して測定さ れた透過電極と反射電極との仕事関数の差が 0.1eV以下であることが好ましい。
これらによれば、本発明の第一液晶表示装置 における好ましい形態と同様の作用効果を得 ることができる。

本発明は更に、上記第二液晶表示装置の製 造方法であって、上記製造方法は、反射電極 のパターニングを一括して行う工程を含む液 晶表示装置の製造方法でもある。これによれ ば、本発明の第一液晶表示装置の製造方法と 同様の作用効果を得ることができる。

本発明の液晶表示装置によれば、反射電極 の液晶層側の表面がモリブデンを含んで構成 されることにより、製造工程数を増加させる ことなく、フリッカの抑制を図ることができ る半透過型の液晶表示装置を提供することが できる。

以下に実施例を掲げ、本発明を図面を参照 して更に詳細に説明するが、本発明はこれら の実施例のみに限定されるものではない。

(実施例1)
図1は、実施例1に係るアクティブマトリクス 動方式の半透過型液晶表示装置の構成を示 断面模式図である。
実施例1に係る半透過型液晶表示装置は、図1 示すように、背面側基板30と、それに対向 るように設けられた観察面側基板40と、背面 側基板30と観察面側基板40との間に狭持され ように設けられた液晶層9とを備えている。 た、半透過型液晶表示装置100は、透過モー の表示を行う透過領域50と反射モードの表 を行う反射領域60とを有する複数の画素がマ トリクス状に配置されたものである。なお、 図1は、一画素当たりの構成を示している。

背面側基板30は、アクティブマトリクス基 10上に、透過電極1、凹凸形成用絶縁層2、保 護導電層4、反射電極3及び配向膜7を有する。 アクティブマトリクス基板10は、絶縁基板上 、相互に平行に伸びる複数のゲート信号線 、相互に平行に伸びる複数のソース信号線 が互いに直交するように配置され、ゲート 号線とソース信号線との各交差部には、ス ッチング素子(TFT)が設けられ、スイッチン 素子上に層間絶縁膜が積層された構造を有 る。スイッチング素子は、ゲート電極がゲ ト信号線に接続され、ソース電極がソース 号線に接続されている。

アクティブマトリクス基板10を構成する層 絶縁膜上には、透過電極1が透過領域50及び 射領域60の両方に渡って形成されている。 過電極1は、アクティブマトリクス基板10を 成する層間絶縁膜に設けられたコンタクト ールを介してスイッチング素子のドレイン 極に接続されている。また、反射領域60では 、透過電極1上に凹凸形成用絶縁層2、保護導 層4及び反射電極3がこの順に積層されてい 。なお、透過電極1と反射電極3とは、電気的 に接続されており、画素電極を構成している 。

透過電極1は、膜厚が略1400Åの酸化インジ ム錫(酸化インジウムと酸化錫との化合物:IT O)膜からなり、画素電極のうち透過モードの 示を行う部分は、透過電極1から構成される 。なお、透過電極1を構成する材料としては これに限定されず、酸化インジウム亜鉛(IZO) 等も用いることができる。

凹凸形成用絶縁層2は、感光性アクリル樹 等から構成され、その膜厚(略1.8μm)は、反射 領域60での液晶層9の厚さ(略2μm)が、透過領域 50での液晶層の厚さ(略4μm)の実質的に略2分の 1になるように設定されている。これにより 反射領域60からの出射光の位相を透過領域50 らの出射光の位相に近づけることができる

反射電極3は、下部13及び上部(保護層)14が 層された構造を有するものであり、画素電 のうち反射モードの表示を行う部分を構成 ている。反射電極3の下部13は、膜厚が略1000 のAl層であり、実質的に反射電極3に照射さ た光を反射する電極として機能する。また 反射電極3の上部14は、膜厚が略30ÅのMo層で あり、透過電極1を構成するITOと反射電極3の 部13を構成するAlとの電気的性質の相違に基 づくフリッカを抑制するために設けられたも のである。

保護導電層4は、膜厚が略500ÅのMo層であり 、透過電極1を構成するITOと反射電極3の下部1 3を構成するAlとの電食反応を防ぐために設け られたものである。配向膜7は、印加される 圧に応じて液晶層9中の液晶分子の配向を制 するために設けられたものである。配向膜 、誘電体であるために容量を有し、その容 が配向膜上の電子の挙動に影響を与えると えられる。配向膜を構成する材料としては に限定されず、ポリイミド等が挙げられる

観察面側基板40は、絶縁基板20上に、カラ フィルタ層6、ブラックマトリクス(BM)、オー バコート層、共通電極5及び配向膜8が順に積 された構造を有する。共通電極5は、膜厚が 略1000ÅのITO膜から構成されており、複数の 素に共通に設けられている。

更に、液晶層9は、負の誘電率異方性を有 るネマチック液晶から構成されている。本 施例では、図1に示すように、反射領域60と 過領域50との間の境界領域には、主に凹凸形 成用絶縁層2による段差が形成されている。

以下に、液晶表示装置100の製造方法について 説明する。
まず、絶縁基板上にゲート信号線、ソース信 号線及びスイッチング素子等を形成し、その 上に層間絶縁膜を形成することにより、アク ティブマトリクス基板10を完成させる。続い 、アクティブマトリクス基板10上に、スパ タリング法を用いて酸化インジウム錫(ITO)膜 を成膜し、フォトリソグラフィ法を用いてパ ターニングすることにより、透過電極1を形 する。本実施例においては、反射領域60にも 透過電極1を形成している。透過電極1は、反 電極3及びスイッチング素子と接合すること が可能であって、透過領域50の全体に形成し あればよく、本実施例の限りではない。な 、本実施例においては、透過電極1の膜厚を 略1400Åとしている。

次に、透過電極1上に、スピンコート法を いて膜厚が略1.8μmの感光性アクリル樹脂膜 塗布した後、全体をハーフ露光することに り、表面に凹部を形成する。次いで、感光 アクリル樹脂膜のうち、透過領域50のみを露 光し、現像、熱硬化することにより、表面が 凹凸形状の凹凸形成用絶縁層2を形成する。 お、本実施例では、反射電極3に入射する光 適度に拡散させるために凹凸形成用絶縁層2 の表面に凹凸を設けているが、凹凸形成用絶 縁層2が配置される位置に設けられる絶縁層 は凹凸を設けなくてもよい。

続いて、保護導電層4及び反射電極3を形成 るために、凹凸形成用絶縁層2を形成した基 板上全体に、膜厚が略500Åの第一のMo膜、膜 が略1000ÅのAl膜、及び、膜厚が略30Åの第 のMo膜をこの順にスパッタリング法を用いて 成膜する。

次に、基板全面にスピンコートを用いてフ ォトレジストを塗布する。続いて、露光及び 現像を行い、レジストパターンを形成する。 その後、レジストパターンをマスクとして、 硝酸、酢酸及びリン酸が含有された水溶液( 酸性エッチング液)を用いて、第一のMo膜、Al 膜及び第二のMo膜の積層膜を同時にエッチン して、反射電極3及び保護導電層4を形成す 。このように第一のMo膜、Al膜及び第二のMo は、同時にパターニングを行うことが可能 あるため、パターニングの工程数を増やす とがない。なお、本実施例においては、反 電極3と凹凸形成用絶縁層2との間全体に保護 導電層4を形成したが、保護導電層4は、反射 極3の下部13となるAl膜と透過電極1となるITO との電食反応を防ぐためのものであるので 少なくともAl膜とITO膜とが接触する部分に 成すればよい。

その後、配向膜7を形成することにより、 面側基板30は完成する。また、既存の技術を 用いることにより、観察面側基板40を作製し 背面側基板30と観察面側基板40とを貼り合せ 、液晶層9を注入し、液晶表示パネルを作製 る。続いて、本実施例で作製した背面側基 を備えた液晶表示パネルに、偏光板を貼り せ、ゲートドライバ、ソースドライバ及び 示制御回路等を実装することにより、液晶 示装置100が完成する。

(実施例2~5)
実施例2~5に係る半透過型液晶表示装置は、Mo 14の膜厚をそれぞれ10、20、40及び60Åとした こと以外は、実施例1に係る構成と同様であ 。
(比較例1)
比較例1に係る半透過型液晶表示装置は、保 層14を設けなかったこと以外は、実施例1に る構成と同様である。

<実施例1~5及び比較例1に係る半透過型液晶 示装置の比較>
実施例1~5及び比較例1に係る半透過型液晶表 装置について、反射領域における反射率、 過領域と反射領域との仕事関数の差、及び 透過領域と反射領域とのフリッカ電圧差を 定した。反射率は、分光測色計(商品名:CM-200 2、ミノルタ社製)を用いて測定した。また、 過領域と反射領域との仕事関数の差は、配 膜7を介して仕事関数測定器(商品名:FAC-2、 研計器社製)を用いたケルビン法により測定 た。そして、フリッカ電圧差は、フリッカ 定器(商品名:マルチメディアディスプレイ スタ3298F、横河電機社製)にて測定した。結 を下記表1に示す。

実施例1では、保護層(反射電極の上部)14を 成する材料としてモリブデンを用いており モリブデンの仕事関数(ψ=4.6eV)は、透過電極 1を構成するITOの仕事関数(ψ=4.7~5.2eV)に近いた め、フリッカ電圧差を100mV以下にまで低減す ことができた。また、保護層14の膜厚を略30 Åとしたため、充分に高い反射率を得ること ができた。更に、反射電極3を一括してパタ ニングすることができたため、保護層14を設 けない形態と比べて、製造工程数は、保護層 14を形成するためのモリブデン成膜工程の分 か増加せず、パターニング工程の追加は不 であった。

図2は、Mo層(保護層)14の膜厚とフリッカ電圧 との関係、及び、Mo層(保護層)14の膜厚と反 率との関係を示す図である。
図2に示すように、フリッカ電圧差の低減の 果と、反射率向上の効果とは、トレードオ の関係にある。実施例1~5では、Mo層(保護層)1 4の膜厚が3~60Åの範囲内にあるため、両方の 果をバランスよく得ることができた。
これらに対し、比較例1では、保護層14を設け ていないため、実施例1~5のように、フリッカ 電圧差を低減することができなかった。

(実施例6)
図3は、実施例6に係るアクティブマトリクス 動方式の半透過型液晶表示表示装置の構成 示す断面模式図である。
実施例6に係る液晶表示装置100aは、液晶層9a 背面側基板30aと観察面側基板40とによって挟 持されている。背面側基板30aは、アクティブ マトリクス基板10aの最上部に位置する層間絶 縁膜上に、凹凸形成用絶縁層2aが形成されて り、凹凸形成用絶縁層2a上に透過電極1aが形 成され、透過電極1a上の反射領域60aには、保 導電層4a及び反射電極3aが形成されている。 凹凸形成用絶縁層2aにはコンタクトホール11a 設けられ、TFT素子のドレイン電極と透過電 1aとが接続されている。また、凹凸形成用 縁層2aは透過領域50aにも設けられているが、 バックライトからの光が散乱されることを防 ぐために、透過領域50aでは凹凸を形成してい ない。なお、観察面側基板40の構成の説明は 実施例1と同様であるため省略する。

以下に、背面側基板の製造方法について説明 する。本実施例における透過電極、保護導電 層及び反射電極の形成方法は、実施例1と同 のため重複する記載は省略することとする
層間絶縁膜を形成したアクティブマトリクス 基板10a上に、凹凸形成用絶縁層2aを形成する このとき、透過領域50aを除く反射領域60aに 置する凹凸形成用絶縁層にのみ凹凸を形成 る。また、凹凸を形成すると同時に、透過 極1aとTFT素子のドレイン電極とを接続する めのコンタクトホール11を反射領域60aに形成 する。

次に、透過電極1aとなるITO膜、保護導電層4 aとなるMo膜、反射電極3aとなるAl膜及びMo膜を この順に形成する。続いて、保護導電層4aと るMo膜、反射電極3aとなるAl膜及びMo膜を実 例1と同様の方法を用いて一括エッチングし 保護導電層4a、反射電極の下部13a及び上部14 aを形成する。その後、配向膜7aを形成し、背 面側基板30aが完成する。

実施例6の方法により作製された背面側基 30aは、コンタクトホール11によりTFT素子と透 過電極1aとが接続される。この場合、透過電 1a、反射電極3aの下部13a及び上部14aの三層が 設けられているため、コンタクトホール11等 段差に起因する段切れを生じる可能性が低 、反射電極3aと透過電極1aとのコンタクトが より確実になり、製造歩留まりが改善される 。

なお、本願は、2007年3月15日に出願された 本国特許出願2007-067036号を基礎として、パリ 条約ないし移行する国における法規に基づく 優先権を主張するものである。該出願の内容 は、その全体が本願中に参照として組み込ま れている。

実施例1に係る半透過型液晶表示装置の 構成を示す断面模式図である。 Mo層(反射電極の上部)の膜厚とフリッカ 電圧差との関係、及び、Mo層(反射電極の上部 )の膜厚と反射率との関係を示す図である。 実施例6に係る半透過型液晶表示装置の 構成を示す断面模式図である。 IZO層、Al層及びMo層により構成される積 層膜を一括エッチングしたときの膜形状を示 す断面模式図である。

符号の説明

1、1a:透過電極
2、2a:凹凸形成用絶縁層
3、3a:反射電極
4、4a:保護導電層
5:共通電極
6:カラーフィルタ層
7、7a、8:配向膜
9、9a:液晶層
10、10a:アクティブマトリクス基板
11:コンタクトホール
13、13a:反射電極の下部
14、14a:反射電極の上部(保護層)
20:絶縁基板
21:ガラス基板
22:Mo層
23:Al層
24:IZO層
30、30a:背面側基板
40:観察面側基板
50、50a:透過領域
60、60a:反射領域
100、100a:液晶表示装置




 
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