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Title:
LUBRICANT COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/090921
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a lubricant composition containing a lubricant base oil having a kinematic viscosity at 100˚C of 1-10 mm2/s, a %Cp of not less than 70 and a %CA of not more than 2, which composition also contains, based on the total amount of the composition, 0.01-10% by mass of a first viscosity index improver which is composed of a poly(meth)acrylate having a weight average molecular weight of not more than 100,000 and 0.01-50% by mass of a second viscosity index improver which is composed of a polymer having a weight average molecular weight of not less than 100,000 and containing a structural unit represented by Formula (1) in an amount of 0.5-70% by mole. The lubricant composition has a kinematic viscosity at 100˚C of 4-12 mm2/s and a viscosity index of 140-300. [In Formula (1), R1 represents a hydrogen atom or a methyl group; and R2 represents a linear or branched hydrocarbon group having 16 or more carbon atoms or a linear or branched organic group containing an oxygen atom and/or a nitrogen group and having 16 or more carbon atoms.]

Inventors:
MATSUI SHIGEKI (JP)
YAGUCHI AKIRA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050233
Publication Date:
July 23, 2009
Filing Date:
January 09, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON OIL CORP (JP)
MATSUI SHIGEKI (JP)
YAGUCHI AKIRA (JP)
International Classes:
C10M145/14; C10M161/00; C10M129/76; C10M133/20; C10M135/18; C10M139/00; C10M149/02; C10N10/12; C10N20/00; C10N20/02; C10N20/04; C10N40/04; C10N40/25
Domestic Patent References:
WO2007001000A12007-01-04
WO2006043709A12006-04-27
WO2007123266A12007-11-01
WO2005037967A12005-04-28
Foreign References:
JP2006274209A2006-10-12
JP2007217494A2007-08-30
JP2006045277A2006-02-16
JP2001279287A2001-10-10
JP2002129182A2002-05-09
JPH08302378A1996-11-19
JPH06306384A1994-11-01
Other References:
See also references of EP 2251402A4
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg. 10-6, Ginza 1-chome,Chuo-k, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 100℃における動粘度が1~10mm 2 /sであり、かつ、%C p が70以上、%C A が2以下である潤滑油基油と、
 組成物全量基準で、
 重量平均分子量が10万以下のポリ(メタ)アクリレートである第1の粘度指数向上剤0.01~10質量%と、
 重量平均分子量が10万以上であり、かつ、下記式(1)で表される構造単位の割合が0.5~70モル%の重合体である第2の粘度指数向上剤0.01~50質量%と、
を含有し、100℃における動粘度が4~12mm 2 /sであり、かつ、粘度指数が140~300であることを特徴とする潤滑油組成物。
[式(1)中、R 1 は水素またはメチル基を示し、R 2 は炭素数16以上の直鎖または分枝状の炭化水素基、あるいは、酸素および/または窒素を含有する炭素数16以上の直鎖または分枝状の有機基を示す。]
 前記第1の粘度指数向上剤が、炭素数1~18の炭化水素基を含有する(メタ)アクリレートの共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
 前記第2の粘度指数向上剤が、分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の潤滑油組成物。
 前記第2の粘度指数向上剤が、PSSIが40以下、重量平均分子量とPSSIの比が1×10 4 以上のものであるであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
 前記第2の粘度指数向上剤が、前記一般式(1)中のR 2 として、炭素数20以上の分枝状炭化水素基を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
 有機モリブデン化合物および無灰摩擦調整剤から選ばれる少なくとも1種の摩擦調整剤を更に含有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
Description:
潤滑油組成物

 本発明は潤滑油組成物に関する。

 従来、内燃機関や変速機、その他機械装置 は、その作用を円滑にするために潤滑油が いられる。特に内燃機関用潤滑油(エンジン 油)は内燃機関の高性能化、高出力化、運転 件の苛酷化などに伴い、高度な性能が要求 れる。したがって、従来のエンジン油には うした要求性能を満たすため、摩耗防止剤 金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤な の種々の添加剤が配合されている(例えば、 記特許文献1~3を参照。)。また近時、潤滑油 に求められる省燃費性能は益々高くなってお り、高粘度指数基油の適用や各種摩擦調整剤 の適用などが検討されている(例えば、下記 許文献4を参照。)。

特開2001-279287号公報

特開2002-129182号公報

特開平08-302378号公報

特開平06-306384号公報

 しかしながら、従来の潤滑油基油および 度指数向上剤は省燃費性および低温粘度特 の点で必ずしも十分とは言えない。

 一般的な省燃費化の手法として、製品の 粘度の低減や、粘度指数の向上つまり基油 度の低減と粘度指数向上剤の添加を組み合 せることによるマルチグレード化などが知 れている。しかしながら、製品粘度の低減 、基油粘度の低減は厳しい潤滑条件(高温高 せん断条件)における潤滑性能を低下させ、 耗や焼き付き、疲労破壊等の不具合が発生 因となることが懸念される。

 そこでそれら不具合を防止し、耐久性を 持するためには、150℃における高温高せん 粘度(HTHS粘度)を維持することが必要となる つまり、実用性能を維持しながら、さらに 燃費性を付与するためには、150℃のHTHS粘度 を維持し、40℃および100℃の動粘度や100℃のH THS粘度を低減し、粘度指数を向上することが 重要となる。

 また、低温性能の向上方法としては、40 および100℃の動粘度の低減や、基油粘度を 減し、粘度指数向上剤を添加することによ マルチグレード化により可能となるが、製 粘度の低減や、基油粘度の低減は厳しい潤 条件(高温高せん断条件)における潤滑性能を 低下させ、摩耗や焼き付き、疲労破壊等の不 具合が発生原因となることが懸念される。ま た、ポリ-α-オレフィン系基油やエステル系 油等の合成油や低粘度鉱油系基油などの低 粘度に優れる潤滑油基油を併用すれば可能 なるが、上記合成油は高価であり、低粘度 油系基油は一般的に粘度指数が低くNOACK蒸発 量が高いため、それらの潤滑油基油を配合す ると、潤滑油の製造コストが増加し、また、 高粘度指数化および低蒸発性を達成すること が困難となる。また、これら従来の潤滑油基 油を用いる場合、省燃費性の改善には限界が ある。

 本発明はこのような実情に鑑みてなされ ものであり、省燃費性と低温粘度に優れ、 リ-α-オレフィン系基油やエステル系基油等 の合成油や低粘度鉱油系基油を用いずとも、 150℃の高温高せん断粘度を維持しながら、省 燃費性と-35℃以下における低温粘度とを両立 させることができ、特に燃費向上に効果的で ある、潤滑油の40℃および100℃における動粘 や100℃のHTHS粘度を著しく低減すると共に、 -40℃におけるMRV粘度に優れる潤滑油組成物を 提供することを目的とする。

 上記課題を解決するために、本発明は、100 における動粘度が1~10mm 2 /sであり、かつ、%C p が70以上、%C A が2以下である潤滑油基油と、組成物全量基 で、重量平均分子量が10万以下のポリ(メタ) クリレートである第1の粘度指数向上剤0.01~1 0質量%と、重量平均分子量が10万以上であり かつ、下記式(1)で表される構造単位の割合 0.5~70モル%の重合体である第2の粘度指数向上 剤0.01~50質量%と、を含有し、100℃における動 度が4~12mm 2 /sであり、かつ、粘度指数が140~300であること を特徴とする潤滑油組成物を提供する。
[式(1)中、R 1 は水素またはメチル基を示し、R 2 は炭素数16以上の直鎖または分枝状の炭化水 基、あるいは、酸素および/または窒素を含 有する炭素数16以上の直鎖または分枝状の有 基を示す。]

 上記第1の粘度指数向上剤は、炭素数1~18 炭化水素基を含有する(メタ)アクリレートの 共重合体であることが好ましい。

 また、上記第2の粘度指数向上剤は、分散 型のポリ(メタ)アクリレートであることが好 しい。

 さらに、上記第2の粘度指数向上剤は、PSSI 40以下、重量平均分子量とPSSIの比が1×10 4 以上のものであることが好ましい。

 ここで、本発明でいう「PSSI」とは、ASTM  D 6022-01(Standard Practice for Calculation of Permane nt Shear Stability Index)に準拠し、ASTM D 6278-02( Test Metohd for Shear Stability of Polymer Containing  Fluids Using a European Diesel Injector Apparatus) より測定されたデータに基づき計算された ポリマーの永久せん断安定性指数(Permanent Sh ear Stability Index)を意味する。

 また、上記第2の粘度指数向上剤は、上記一 般式(1)中のR 2 として、炭素数20以上の分枝状炭化水素基を することが好ましい。

 また、本発明の潤滑油組成物は、有機モ ブデン化合物および無灰摩擦調整剤から選 れる少なくとも1種の摩擦調整剤を更に含有 することが好ましい。

 本発明の潤滑油組成物は、省燃費性と低 粘度に優れており、ポリ-α-オレフィン系基 油やエステル系基油等の合成油や低粘度鉱油 系基油を用いずとも、150℃のHTHS粘度を維持 ながら、省燃費性と-35℃以下における低温 度とを両立させることができ、特に潤滑油 100℃ HTHS粘度を低減し、-40℃におけるMRV粘 を著しく改善することができる。

 また、本発明の潤滑油組成物は、二輪車 、四輪車用、発電用、コジェネレーション 等のガソリンエンジン、ディーゼルエンジ 、ガスエンジン、にも好適に使用でき、さ には、硫黄分が50質量ppm以下の燃料を使用 るこれらの各種エンジンに対しても好適に 用することができるだけでなく、船舶用、 外機用の各種エンジンに対しても有用であ 。

 以下、本発明の好適な実施形態について 細に説明する。

 本発明の潤滑油組成物においては、100℃に ける動粘度が1~10mm 2 /sであり、かつ、%C p が70以上、%C A が2以下である潤滑油基油(以下、「本発明に る潤滑油基油」という。)が用いられる。

 本発明に係る潤滑油基油は、100℃における 粘度、%C p および%C A が上記条件を満たしていれば特に制限されな い。具体的には、原油を常圧蒸留および/ま は減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶 脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろ 、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白 処理等の精製処理のうちの1種を単独でまた 2種以上を組み合わせて精製したパラフィン 系鉱油、あるいはノルマルパラフィン系基油 、イソパラフィン系基油などのうち、100℃に おける動粘度、%C p および%C A が上記条件を満たす基油が使用できる。

 本発明に係る潤滑油基油の好ましい例とし は、以下に示す基油(1)~(8)を原料とし、この 原料油および/またはこの原料油から回収さ た潤滑油留分を、所定の精製方法によって 製し、潤滑油留分を回収することによって られる基油を挙げることができる。
(1)パラフィン基系原油および/または混合基 原油の常圧蒸留による留出油
(2)パラフィン基系原油および/または混合基 原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留による留 油(WVGO)
(3)潤滑油脱ろう工程により得られるワックス (スラックワックス等)および/またはガストゥ リキッド(GTL)プロセス等により得られる合成 ックス(フィッシャートロプシュワックス、 GTLワックス等)
(4)基油(1)~(3)から選ばれる1種または2種以上の 混合油および/または当該混合油のマイルド イドロクラッキング処理油
(5)基油(1)~(4)から選ばれる2種以上の混合油
(6)基油(1)、(2)、(3)、(4)または(5)の脱れき油(DA O)
(7)基油(6)のマイルドハイドロクラッキング処 理油(MHC)
(8)基油(1)~(7)から選ばれる2種以上の混合油。

 なお、上記所定の精製方法としては、水 化分解、水素化仕上げなどの水素化精製;フ ルフラール溶剤抽出などの溶剤精製;溶剤脱 うや接触脱ろうなどの脱ろう;酸性白土や活 白土などによる白土精製;硫酸洗浄、苛性ソ ーダ洗浄などの薬品(酸またはアルカリ)洗浄 どが好ましい。本発明では、これらの精製 法のうちの1種を単独で行ってもよく、2種 上を組み合わせて行ってもよい。また、2種 上の精製方法を組み合わせる場合、その順 は特に制限されず、適宜選定することがで る。

 更に、本発明に係る潤滑油基油としては、 記基油(1)~(8)から選ばれる基油または当該基 油から回収された潤滑油留分について所定の 処理を行うことにより得られる下記基油(9)ま たは(10)が特に好ましい。
(9)上記基油(1)~(8)から選ばれる基油または当 基油から回収された潤滑油留分を水素化分 し、その生成物またはその生成物から蒸留 により回収される潤滑油留分について溶剤 ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い または当該脱ろう処理をした後に蒸留する とによって得られる水素化分解鉱油
(10)上記基油(1)~(8)から選ばれる基油または当 基油から回収された潤滑油留分を水素化異 化し、その生成物またはその生成物から蒸 等により回収される潤滑油留分について溶 脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行 、または、当該脱ろう処理をしたあとに蒸 することによって得られる水素化異性化鉱 。

 また、上記(9)または(10)の潤滑油基油を得 るに際して、好都合なステップで、必要に応 じて溶剤精製処理および/または水素化仕上 処理工程を更に設けてもよい。

 また、上記水素化分解・水素化異性化に 用される触媒は特に制限されないが、分解 性を有する複合酸化物(例えば、シリカアル ミナ、アルミナボリア、シリカジルコニアな ど)または当該複合酸化物の1種類以上を組み わせてバインダーで結着させたものを担体 し、水素化能を有する金属(例えば周期律表 第VIa族の金属や第VIII族の金属などの1種類以 )を担持させた水素化分解触媒、あるいはゼ オライト(例えばZSM-5、ゼオライトベータ、SAP O-11など)を含む担体に第VIII族の金属のうち少 なくとも1種類以上を含む水素化能を有する 属を担持させた水素化異性化触媒が好まし 使用される。水素化分解触媒および水素化 性化触媒は、積層または混合などにより組 合わせて用いてもよい。

 水素化分解・水素化異性化の際の反応条 は特に制限されないが、水素分圧0.1~20MPa、 均反応温度150~450℃、LHSV0.1~3.0hr-1、水素/油 50~20000scf/bとすることが好ましい。

 本発明に係る潤滑油基油の100℃動粘度は、1 0mm 2 /s以下であることが必要であり、好ましくは9 mm 2 /s以下、より好ましくは7mm 2 /s以下、さらに好ましくは5.0mm 2 /s以下、特に好ましくは4.5mm 2 /s以下、最も好ましくは4.0mm 2 /s以下である。一方、当該100℃動粘度は、1mm 2 /s以上であることが必要であり、1.5mm 2 /s以上であることが好ましく、より好ましく 2mm 2 /s以上、さらに好ましくは2.5mm 2 /s以上、特に好ましくは3mm 2 /s以上である。ここでいう100℃における動粘 とは、ASTM D-445に規定される100℃での動粘 を示す。潤滑油基油成分の100℃動粘度が10mm 2 /sを超える場合には、低温粘度特性が悪化し また十分な省燃費性が得られないおそれが り、1mm 2 /s以下の場合は潤滑箇所での油膜形成が不十 であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成 の蒸発損失が大きくなるおそれがある。

 本発明においては、100℃における動粘度が 記の範囲にある潤滑油基油を蒸留等により 取し、使用することが好ましい。
(I)100℃における動粘度が1.5mm 2 /s以上3.5mm 2 /s未満、より好ましくは2.0~3.0mm 2 /sの潤滑油基油
(II)100℃における動粘度が3.5mm 2 /s以上4.5mm 2 /s未満、より好ましくは3.5~4.1mm 2 /sの潤滑油基油
(III)100℃における動粘度が4.5~10mm 2 /s、より好ましくは4.8~9mm 2 /s、特に好ましくは5.5~8.0mm 2 /sの潤滑油基油。

 また、本発明に係る潤滑油基油の40℃にお る動粘度は、好ましくは80mm 2 /s以下、より好ましくは50mm 2 /s以下、さらに好ましくは20mm 2 /s以下、特に好ましくは18mm 2 /s以下、最も好ましくは16mm 2 /s以下である。一方、当該40℃動粘度は、好 しくは6.0mm 2 /s以上、より好ましくは8.0mm 2 /s以上、さらに好ましくは12mm 2 /s以上、特に好ましくは14mm 2 /s以上、最も好ましくは15mm 2 /s以上である。潤滑油基油成分の40℃動粘度 80mm 2 /sを超える場合には、低温粘度特性が悪化し また十分な省燃費性が得られないおそれが り、6.0mm 2 /s以下の場合は潤滑箇所での油膜形成が不十 であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成 の蒸発損失が大きくなるおそれがある。ま 、本発明においては、40℃における動粘度 下記の範囲にある潤滑油留分を蒸留等によ 分取し、使用することが好ましい。
(IV)40℃における動粘度が6.0mm 2 /s以上12mm 2 /s未満、より好ましくは8.0~12mm 2 /sの潤滑油基油
(V)40℃における動粘度が12mm 2 /s以上28mm 2 /s未満、より好ましくは13~19mm 2 /sの潤滑油基油
(VI)40℃における動粘度が28~50mm 2 /s、より好ましくは29~45mm 2 /s、特に好ましくは30~40mm 2 /sの潤滑油基油。

 本発明に係る潤滑油基油の粘度指数は、1 20以上であることが好ましい。また、上記潤 油基油(I)および(IV)の粘度指数は、好ましく は120~135、より好ましくは120~130である。また 上記潤滑油基油(II)および(V)の粘度指数は、 好ましくは120~160、より好ましくは125~150、更 好ましくは135~145である。また、上記潤滑油 基油(III)および(VI)の粘度指数は、好ましくは 120~180、より好ましくは125~160である。粘度指 が前記下限値未満であると、粘度-温度特性 および熱・酸化安定性、揮発防止性が悪化す るだけでなく、摩擦係数が上昇する傾向にあ り、また、摩耗防止性が低下する傾向にある 。また、粘度指数が前記上限値を超えると、 低温粘度特性が低下する傾向にある。

 なお、本発明でいう粘度指数とは、JIS K 2283-1993に準拠して測定された粘度指数を意 する。

 また、本発明に係る潤滑油基油の15℃にお る密度(ρ 15 )は、潤滑油基油成分の粘度グレードによる 、下記式(A)で表されるρの値以下であること 、すなわちρ 15 ≦ρであることが好ましい。
ρ=0.0025×kv100+0.816  (A)
[式中、kv100は潤滑油基油成分の100℃における 動粘度(mm 2 /s)を示す。]

 なお、ρ 15 >ρとなる場合、粘度-温度特性および熱・ 化安定性、更には揮発防止性および低温粘 特性が低下する傾向にあり、省燃費性を悪 させるおそれがある。また、潤滑油基油成 に添加剤が配合された場合に当該添加剤の き目が低下するおそれがある。

 具体的には、本発明に係る潤滑油基油の15 における密度(ρ 15 )は、好ましくは0.860以下、より好ましくは0.8 50以下、さらに好ましくは0.840以下、特に好 しくは0.822以下である。

 なお、本発明でいう15℃における密度と 、JIS K 2249-1995に準拠して15℃において測定 れた密度を意味する。

 また、本発明に係る潤滑油基油の流動点 、潤滑油基油の粘度グレードにもよるが、 えば、上記潤滑油基油(I)および(IV)の流動点 は、好ましくは-10℃以下、より好ましくは-12 .5℃以下、更に好ましくは-15℃以下である。 た、上記潤滑油基油(II)および(V)の流動点は 、好ましくは-10℃以下、より好ましくは-15℃ 以下、更に好ましくは-17.5℃以下である。ま 、上記潤滑油基油(III)および(VI)の流動点は 好ましくは-10℃以下、より好ましくは-12.5 以下、更に好ましくは-15℃以下である。流 点が前記上限値を超えると、その潤滑油基 を用いた潤滑油全体の低温流動性が低下す 傾向にある。なお、本発明でいう流動点と 、JIS K 2269-1987に準拠して測定された流動点 を意味する。

 また、本発明の潤滑油基油のアニリン点(AP( ℃))は、潤滑油基油の粘度グレードによるが 下記式(B)で表されるAの値以上であること、 すなわちAP≧Aであることが好ましい。
A=4.3×kv100+100  (B)
[式中、kv100は潤滑油基油の100℃における動粘 度(mm 2 /s)を示す。]

 なお、AP<Aとなる場合、粘度-温度特性 よび熱・酸化安定性、更には揮発防止性お び低温粘度特性が低下する傾向にあり、ま 、潤滑油基油に添加剤が配合された場合に 該添加剤の効き目が低下する傾向にある。

 例えば、上記潤滑油基油(I)および(IV)のAP 、好ましくは108℃以上、より好ましくは110 以上である。また、上記潤滑油基油(II)およ び(V)のAPは、好ましくは113℃以上、より好ま くは119℃以上である。また、上記潤滑油基 (III)および(VI)のAPは、好ましくは125℃以上 より好ましくは128℃以上である。なお、本 明でいうアニリン点とは、JIS K 2256-1985に準 拠して測定されたアニリン点を意味する。

 本発明に係る潤滑油基油のヨウ素価は、 ましくは3以下であり、より好ましくは2以 であり、さらに好ましくは1以下、特に好ま くは0.9以下であり、最も好ましくは0.8以下 ある。また、0.01未満であってもよいが、そ れに見合うだけの効果が小さい点および経済 性との関係から、好ましくは0.001以上、より ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.03以 、特に好ましくは0.05以上である。潤滑油基 成分のヨウ素価を3以下とすることで、熱・ 酸化安定性を飛躍的に向上させることができ る。なお、本発明でいうヨウ素価とは、JIS K  0070「化学製品の酸価、ケン化価、ヨウ素価 、水酸基価および不ケン化価」の指示薬滴定 法により測定したヨウ素価を意味する。

 また、本発明に係る潤滑油基油における 黄分の含有量は、その原料の硫黄分の含有 に依存する。例えば、フィッシャートロプ ュ反応等により得られる合成ワックス成分 ように実質的に硫黄を含まない原料を用い 場合には、実質的に硫黄を含まない潤滑油 油を得ることができる。また、潤滑油基油 精製過程で得られるスラックワックスや精 う過程で得られるマイクロワックス等の硫 を含む原料を用いる場合には、得られる潤 油基油中の硫黄分は通常100質量ppm以上とな 。本発明に係る潤滑油基油においては、熱 酸化安定性の更なる向上および低硫黄化の から、硫黄分の含有量が100質量ppm以下であ ことが好ましく、50質量ppm以下であること より好ましく、10質量ppm以下であることが更 に好ましく、5質量ppm以下であることが特に ましい。

 また、本発明に係る潤滑油基油における 素分の含有量は、特に制限されないが、好 しくは7質量ppm以下、より好ましくは5質量pp m以下、更に好ましくは3質量ppm以下である。 素分の含有量が5質量ppmを超えると、熱・酸 化安定性が低下する傾向にある。なお、本発 明でいう窒素分とは、JIS K 2609-1990に準拠し 測定される窒素分を意味する。

 また、本発明に係る潤滑油基油の%C p は、70以上であることが必要であり、好まし は80~99、より好ましくは85~95、さらに好まし くは87~94、特に好ましくは90~94である。潤滑 基油の%C p が上記下限値未満の場合、粘度-温度特性、 ・酸化安定性および摩擦特性が低下する傾 にあり、更に、潤滑油基油に添加剤が配合 れた場合に当該添加剤の効き目が低下する 向にある。また、潤滑油基油の%C p が上記上限値を超えると、添加剤の溶解性が 低下する傾向にある。

 また、本発明に係る潤滑油基油の%C A は、2以下であることが必要であり、より好 しくは1以下、更に好ましくは0.8以下、特に ましくは0.5以下である。潤滑油基油の%C A が上記上限値を超えると、粘度-温度特性、 ・酸化安定性および省燃費性が低下する傾 にある。

 また、本発明に係る潤滑油基油の%C N は、好ましくは30以下、より好ましくは4~25、 更に好ましくは5~13、特に好ましくは5~8であ 。潤滑油基油の%C N が上記上限値を超えると、粘度-温度特性、 ・酸化安定性および摩擦特性が低下する傾 にある。また、%C N が上記下限値未満であると、添加剤の溶解性 が低下する傾向にある。

 なお、本発明でいう%C P 、%C N および%C A とは、それぞれASTM D 3238-85に準拠した方法(n -d-M環分析)により求められる、パラフィン炭 数の全炭素数に対する百分率、ナフテン炭 数の全炭素数に対する百分率、および芳香 炭素数の全炭素数に対する百分率を意味す 。つまり、上述した%C P 、%C N および%C A の好ましい範囲は上記方法により求められる 値に基づくものであり、例えばナフテン分を 含まない潤滑油基油であっても、上記方法に より求められる%C N が0を超える値を示すことがある。

 また、本発明に係る潤滑油基油における飽 分の含有量は、100℃における動粘度ならび %C p および%C A が上記条件を満たしていれば特に制限されな いが、潤滑油基油全量を基準として、好まし くは90質量%以上であり、好ましくは95質量%以 上、より好ましくは99質量%以上であり、また 、当該飽和分に占める環状飽和分の割合は、 好ましくは40質量%以下であり、好ましくは35 量%以下であり、好ましくは30質量%以下であ り、より好ましくは25質量%以下であり、更に 好ましくは21質量%以下である。また、当該飽 和分に占める環状飽和分の割合は、好ましく は5質量%以上であり、より好ましくは10質量% 上である。飽和分の含有量および当該飽和 に占める環状飽和分の割合がそれぞれ上記 件を満たすことにより、粘度-温度特性およ び熱・酸化安定性を向上することができ、ま た、当該潤滑油基油に添加剤が配合された場 合には、当該添加剤を潤滑油基油中に十分に 安定的に溶解保持しつつ、当該添加剤の機能 をより高水準で発現させることができる。更 に、本発明によれば、潤滑油基油自体の摩擦 特性を改善することができ、その結果、摩擦 低減効果の向上、ひいては省エネルギー性の 向上を達成することができる。

 なお、本発明でいう飽和分とは、前記ASTM  D 2007-93に記載された方法により測定される 。

 また、飽和分の分離方法、あるいは環状 和分、非環状飽和分等の組成分析の際には 同様の結果が得られる類似の方法を使用す ことができる。例えば、上記の他、ASTM D 2 425-93に記載の方法、ASTM D 2549-91に記載の方 、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)による方 、あるいはこれらの方法を改良した方法等 挙げることができる。

 また、本発明に係る潤滑油基油における芳 族分は、100℃における動粘度、%C p および%C A が上記条件を満たしていれば特に制限されな いが、潤滑油基油全量を基準として、好まし くは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下 更に好ましくは3質量%以下、特に好ましくは 2質量%以下であり、また、好ましくは0.1質量% 以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好 しくは1質量%以上、特に好ましくは1.5質量% 上である。芳香族分の含有量が上記上限値 超えると、粘度-温度特性、熱・酸化安定性 よび摩擦特性、更には揮発防止性および低 粘度特性が低下する傾向にあり、更に、潤 油基油に添加剤が配合された場合に当該添 剤の効き目が低下する傾向にある。また、 発明に係る潤滑油基油は芳香族分を含有し いものであってもよいが、芳香族分の含有 を上記下限値以上とすることにより、添加 の溶解性を更に高めることができる。

 なお、本発明でいう芳香族分とは、ASTM D  2007-93に準拠して測定された値を意味する。 芳香族分には、通常、アルキルベンゼン、ア ルキルナフタレンの他、アントラセン、フェ ナントレンおよびこれらのアルキル化物、更 にはベンゼン環が四環以上縮合した化合物、 ピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナ フトール類等のヘテロ原子を有する芳香族化 合物などが含まれる。

 本発明の潤滑油組成物においては、上記 発明に係る潤滑油基油を単独で用いてもよ 、また、本発明に係る潤滑油基油を他の基 の1種または2種以上と併用してもよい。な 、本発明に係る潤滑油基油と他の基油とを 用する場合、それらの混合基油中に占める 発明に係る潤滑油基油の割合は、30質量%以 であることが好ましく、50質量%以上である とがより好ましく、70質量%以上であること 更に好ましい。

 本発明に係る潤滑油基油と併用される他の 油としては、特に制限されないが、鉱油系 油としては、例えば100℃における動粘度が1 ~100mm 2 /sであって、%C p および%C A が上記条件を満たしていない、溶剤精製鉱油 、水素化分解鉱油、水素化精製鉱油、溶剤脱 ろう基油などが挙げられる。

 また、合成系基油としては、100℃におけ 動粘度が上記条件を満たしていない、ポリ -オレフィンまたはその水素化物、イソブテ オリゴマーまたはその水素化物、イソパラ ィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタ ン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート 、ジ-2-エチルヘキシルアジペート、ジイソデ シルアジペート、ジトリデシルアジペート、 ジ-2-エチルヘキシルセバケート等)、ポリオ ルエステル(トリメチロールプロパンカプリ ート、トリメチロールプロパンペラルゴネ ト、ペンタエリスリトール2-エチルヘキサ エート、ペンタエリスリトールペラルゴネ ト等)、ポリオキシアルキレングリコール、 アルキルジフェニルエーテル、ポリフェニ エーテル等が挙げられ、中でも、ポリα-オ フィンが好ましい。ポリα-オレフィンとし は、典型的には、炭素数2~32、好ましくは6~1 6のα-オレフィンのオリゴマーまたはコオリ マー(1-オクテンオリゴマー、デセンオリゴ ー、エチレン-プロピレンコオリゴマー等)お よびそれらの水素化物が挙げられる。

 ポリ-α-オレフィンの製法は特に制限され ないが、例えば、三塩化アルミニウムまたは 三フッ化ホウ素と、水、アルコール(エタノ ル、プロパノール、ブタノール等)、カルボ 酸またはエステルとの錯体を含むフリーデ ・クラフツ触媒のような重合触媒の存在下 α-オレフィンを重合する方法が挙げられる

 本発明において用いられる第1の粘度指数 向上剤は、重量平均分子量が10万以下のポリ( メタ)アクリレートである。第1の粘度指数向 剤としては、非分散型ポリ(メタ)アクリレ ト、分散型ポリ(メタ)アクリレートのいずれ も使用できる。

 第1の粘度指数向上剤は、好ましくは、側 鎖基としての炭素数1~30の炭化水素基を含有 る(メタ)アクリレートモノマー1種以上の共 合体であり、より好ましくは、側鎖基とし の炭素数1~20の炭化水素基を含有する(メタ) クリレートモノマー1種以上の共重合体であ 、さらに好ましくは側鎖基としての炭素数1 ~18の炭化水素基を含有する(メタ)アクリレー モノマー1種以上の共重合体であり、特に好 ましくは側鎖基としての炭素数10~18の炭化水 基を含有する(メタ)アクリレートモノマー1 以上の共重合体である。

 第1の粘度指数向上剤が分散型ポリ(メタ) クリレートである場合、第1の粘度指数向上 剤は、側鎖基としての炭素数1~30のアルキル を有する(メタ)アクリレートモノマーと、当 該(メタ)アクリレートモノマー以外のモノマ との共重合体とすることができる。側鎖基 しての炭素数1~30のアルキル基を有する(メ )アクリレートモノマー以外のモノマーとし は、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエ ルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチ アミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キ リジノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイル ミノ基、モルホリノ基、ピロリル基、ピロ ノ基、ピリジル基、メチルピリジル基、ピ リジニル基、ピペリジニル基、キノニル基 ピロリドニル基、ピロリドノ基、イミダゾ ノ基、およびピラジノ基等のいわゆる分散 を含有するモノマーが挙げられる。特にジ チルアミノメチルメタクリレート、ジエチ アミノメチルメタクリレート、ジメチルア ノエチルメタクリレート、ジエチルアミノ チルメタクリレート、2-メチル-5-ビニルピ ジン、モルホリノメチルメタクリレート、 ルホリノエチルメタクリレート、N-ビニルピ ロリドンをモノマーとして含有するポリ(メ )アクリレートが好ましい。

 第1の粘度指数向上剤のPSSI(パーマネント アスタビリティインデックス)は、好ましく は40以下であり、より好ましくは30以下、更 好ましくは20以下、一層好ましくは15以下、 に好ましくは10以下である。PSSIが40を超え 場合にはせん断安定性が悪くなると共に低 粘度特性が悪化するおそれがある。

 第1の粘度指数向上剤の重量平均分子量(M W )は、10万以下であることが必要であり、好ま しくは8万以下、より好ましくは6万以下、さ に好ましくは5万以下である。また、重量平 均分子量は、千以上であることが好ましく、 より好ましくは5千以上であり、さらに好ま くは1万以上、特に好ましくは3万以上である 。重量平均分子量が千未満の場合には粘度指 数向上効果や低温粘度特性の向上効果が小さ くコストが上昇するおそれがあり、重量平均 分子量が10万を超える場合にはせん断安定性 低温粘度特性の向上効果が悪化するおそれ ある。

 第1の粘度指数向上剤の重量平均分子量とPSS Iの比(M W /PSSI)は、好ましくは1×10 4 以上、より好ましくは1.5×10 4 以上、更に好ましくは2×10 4 以上、特に好ましくは2.5×10 4 以上である。M W /PSSIが1×10 4 未満の場合には、粘度温度特性や低温粘度特 性が悪化するおそれがある。

 本発明の潤滑油組成物における第1の粘度 指数向上剤の含有量は、潤滑油組成物全量基 準で、0.01~10質量%であり、好ましくは0.02~8質 %、より好ましくは0.05~5質量%、特に好まし は0.1~3質量%である。第1の粘度指数向上剤の 有量が0.01質量%より少なくなると、粘度温 特性や低温粘度特性が悪化するおそれがあ 。また、10質量%よりも多くなると、粘度温 特性や低温粘度特性が悪化するおそれがあ 、さらには、製品コストが大幅に上昇する 共に、基油粘度を低下させる必要が出てく ことから、厳しい潤滑条件(高温高せん断条 )における潤滑性能を低下させ、摩耗や焼き 付き、疲労破壊等の不具合が発生原因となる ことが懸念される。

 本発明において用いられる第2の粘度指数向 上剤は、重量平均分子量が10万以上であり、 つ、下記式(1)で表される構造単位の割合が0 .5~70モル%の重合体である。第2の粘度指数向 剤は、非分散型あるいは分散型のいずれで っても良いが、分散型であることがより好 しい。
[式(1)中、R 1 は水素またはメチル基を示し、R 2 は炭素数16以上の直鎖または分枝状の炭化水 基、あるいは、酸素および/または窒素を含 有する炭素数16以上の直鎖または分枝状の有 基を示す。]

 式(1)中のR 2 は、上述の通り炭素数16以上の直鎖状または 枝状の炭化水素基であり、好ましくは炭素 18以上の直鎖状または分枝状の炭化水素で り、さらに好ましくは炭素数20以上の直鎖状 または分枝状の炭化水素であり、より好まし くは炭素数20以上の分枝状炭化水素基である また、R 2 で表される炭化水素基の上限は特に制限され ないが、炭素数100以下の直鎖状または分枝状 の炭化水素基であることが好ましい。より好 ましくは50以下の直鎖状または分枝状の炭化 素であり、さらに好ましくは30以下の直鎖 または分枝状の炭化水素であり、特に好ま くは30以下の分枝状の炭化水素であり、最も 好ましくは25以下の分枝状の炭化水素である

 また、第2の粘度指数向上剤において、ポ リマー中の一般式(1)で表される(メタ)アクリ ート構造単位の割合は、上述の通り0.5~70モ %であるが、好ましくは60モル%以下であり、 より好ましくは50モル%以下であり、さらに好 ましくは40モル%以下であり、特に好ましくは 30モル%以下である。また、好ましくは1モル% 上であり、より好ましくは3モル%以上であ 、さらに好ましくは5モル%以上であり、特に 好ましくは10モル%以上である。70モル%を超え る場合は粘度温度特性の向上効果や低温粘度 特性に劣るおそれがあり、0.5モル%を下回る 合は粘度温度特性の向上効果に劣るおそれ ある。

 第2の粘度指数向上剤は、一般式(1)で表され る(メタ)アクリレート構造単位以外に任意の( メタ)アクリレート構造単位もしくは任意の レフィン等に由来する構造単位を含むこと できる。第2の粘度指数向上剤の好ましい態 としては、下記一般式(2)で表されるモノマ (以下、「モノマー(M-1)」という。)の1種ま は2種以上と、モノマー(M-1)以外のモノマー を共重合させて得られる共重合体が挙げら る。
[上記一般式(2)中、R 1 は水素原子またはメチル基を示し、R 2 は炭素数16以上の直鎖状または分枝状の炭化 素基を示す。]

 モノマー(M-1)と組み合わせるモノマーは任 であるが、例えば下記一般式(3)で表される ノマー(以下、「モノマー(M-2)」という。)が 適である。モノマー(M-1)とモノマー(M-2)との 共重合体は、いわゆる非分散型ポリ(メタ)ア リレート系粘度指数向上剤である。
[上記一般式(3)中、R 3 は水素原子またはメチル基を示し、R 4 は炭素数1~15の直鎖状または分枝状の炭化水 基を示す。]

 また、モノマー(M-1)と組み合わせるその のモノマーとしては、下記一般式(4)で表さ るモノマー(以下、「モノマー(M-3)」という )および下記一般式(5)で表されるモノマー(以 下、「モノマー(M-4)」という)から選ばれる1 または2種以上が好適である。モノマー(M-1) モノマー(M-3)および/または(M-4)との共重合体 は、いわゆる分散型ポリ(メタ)アクリレート 粘度指数向上剤である。なお、当該分散型 リ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤は 構成モノマーとしてモノマー(M-2)をさらに含 んでいてもよい。

[上記一般式(4)中、R 5 は水素原子またはメチル基を示し、R 6 は炭素数1~18のアルキレン基を示し、E 1 は窒素原子を1~2個、酸素原子を0~2個含有する アミン残基または複素環残基を示し、aは0ま は1を示す。]

 R 6 で表される炭素数1~18のアルキレン基として 、具体的には、エチレン基、プロピレン基 ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基 へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基 デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン 、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペ タデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタ シレン基、およびオクタデシレン基(これら ルキレン基は直鎖状でも分枝状でもよい。) 等が例示できる。

 また、E 1 で表される基としては、具体的には、ジメチ ルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピル アミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基、 トルイジノ基、キシリジノ基、アセチルアミ ノ基、ベンゾイルアミノ基、モルホリノ基、 ピロリル基、ピロリノ基、ピリジル基、メチ ルピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジニ ル基、キノニル基、ピロリドニル基、ピロリ ドノ基、イミダゾリノ基、およびピラジノ基 等が例示できる。

[上記一般式(5)中、R 7 は水素原子またはメチル基を示し、E 2 は窒素原子を1~2個、酸素原子を0~2個含有する アミン残基または複素環残基を示す。]

 E 2 で表される基としては、具体的には、ジメチ ルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピル アミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基、 トルイジノ基、キシリジノ基、アセチルアミ ノ基、ベンゾイルアミノ基、モルホリノ基、 ピロリル基、ピロリノ基、ピリジル基、メチ ルピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジニ ル基、キノニル基、ピロリドニル基、ピロリ ドノ基、イミダゾリノ基、およびピラジノ基 等が例示できる。

 モノマー(M-3)、(M-4)の好ましい例としては 、具体的には、ジメチルアミノメチルメタク リレート、ジエチルアミノメチルメタクリレ ート、ジメチルアミノエチルメタクリレート 、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2- チル-5-ビニルピリジン、モルホリノメチル タクリレート、モルホリノエチルメタクリ ート、N-ビニルピロリドンおよびこれらの 合物等が例示できる。

 モノマー(M-1)とモノマー(M-2)~(M-4)との共重 合体の共重合モル比については特に制限はな いが、モノマー(M-1):モノマー(M-2)~(M-4)=0.5:99.5~ 70:30程度が好ましく、より好ましくは5:95~50:50 、さらに好ましくは10:90~40:60である。

 第2の粘度指数向上剤の製造法は任意であ るが、例えば、ベンゾイルパーオキシド等の 重合開始剤の存在下で、モノマー(M-1)とモノ ー(M-2)~(M-4)の混合物をラジカル溶液重合さ ることにより容易に得ることができる。

 第2の粘度指数向上剤のPSSI(パーマネント アスタビリティインデックス)は40以下であ ことが好ましく、より好ましくは35以下で り、さらに好ましくは30以下であり、特に好 ましくは25以下である。また、5以上であるこ とが好ましく、より好ましくは10以上であり さらに好ましくは15以上であり、特に好ま くは20以上である。PSSIが5未満の場合には粘 指数向上効果が小さくコストが上昇するお れがあり、PSSIが40を超える場合には安定性 悪くなるおそれがある。

 第2の粘度指数向上剤の重量平均分子量(M W )は100,000以上であることが必要であるが、よ 好ましくは200,000以上であり、さらに好まし くは250,000以上であり、特に好ましくは300,000 上である。また、好ましくは1,000,000以下で り、より好ましくは700,000以下であり、さら に好ましくは600,000以下であり、特に好まし は500,000以下である。重量平均分子量が100,000 未満の場合には粘度温度特性の向上効果や粘 度指数向上効果が小さくコストが上昇するお それがあり、重量平均分子量が1,000,000を超え る場合にはせん断安定性や基油への溶解性、 貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。

 第2の粘度指数向上剤の重量平均分子量とPSS Iの比(M W /PSSI)は、0.8×10 4 以上であることが好ましく、好ましくは1.0×1 0 4 以上、より好ましくは1.5×10 4 以上、さらに好ましくは1.8×10 4 以上、特に好ましくは2.0×10 4 以上である。M W /PSSIが0.8×10 4 未満の場合には、粘度温度特性が悪化すなわ ち省燃費性が悪化するおそれがある。

 本発明の潤滑油組成物における第2の粘度 指数向上剤の含有量は、組成物全量基準で0.0 1~50質量%であるが、好ましくは0.5~40質量%、よ り好ましくは1~30質量%、更に好ましくは5~20質 量%である。第2の粘度指数向上剤の含有量が0 .1質量%より少なくなると、粘度指数向上効果 や製品粘度の低減効果が小さくなることから 、省燃費性の向上が図れなくなるおそれがあ る。また、50質量%よりも多くなると、製品コ ストが大幅に上昇すると共に、基油粘度を低 下させる必要が出てくることから、厳しい潤 滑条件(高温高せん断条件)における潤滑性能 低下させ、摩耗や焼き付き、疲労破壊等の 具合が発生原因となることが懸念される。

 本発明の潤滑油組成物は、粘度指数向上 としては、前記した第1および第2の粘度指 向上剤に加えて、通常の一般的な非分散型 たは分散型ポリ(メタ)アクリレート、非分散 型または分散型エチレン-α-オレフィン共重 体またはその水素化物、ポリイソブチレン たはその水素化物、スチレン-ジエン水素化 重合体を、スチレン-無水マレイン酸エステ ル共重合体およびポリアルキルスチレン等を 更に含有することができる。

 本発明の潤滑油組成物においては、省燃 性能を高めるために、有機モリブデン化合 および無灰摩擦調整剤から選ばれる摩擦調 剤を更に含有させることができる。

 本発明で用いる有機モリブデン化合物と ては、モリブデンジチオホスフェート、モ ブデンジチオカーバメート等の硫黄を含有 る有機モリブデン化合物、モリブデン化合 (例えば、二酸化モリブデン、三酸化モリブ デン等の酸化モリブデン、オルトモリブデン 酸、パラモリブデン酸、(ポリ)硫化モリブデ 酸等のモリブデン酸、これらモリブデン酸 金属塩、アンモニウム塩等のモリブデン酸 、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、 硫化モリブデン、ポリ硫化モリブデン等の 化モリブデン、硫化モリブデン酸、硫化モ ブデン酸の金属塩またはアミン塩、塩化モ ブデン等のハロゲン化モリブデン等)と、硫 黄含有有機化合物(例えば、アルキル(チオ)キ サンテート、チアジアゾール、メルカプトチ アジアゾール、チオカーボネート、テトラハ イドロカルビルチウラムジスルフィド、ビス (ジ(チオ)ハイドロカルビルジチオホスホネー ト)ジスルフィド、有機(ポリ)サルファイド、 硫化エステル等)あるいはその他の有機化合 との錯体等、あるいは、上記硫化モリブデ 、硫化モリブデン酸等の硫黄含有モリブデ 化合物とアルケニルコハク酸イミドとの錯 等を挙げることができる。

 また、有機モリブデン化合物としては、 成元素として硫黄を含まない有機モリブデ 化合物を用いることができる。構成元素と て硫黄を含まない有機モリブデン化合物と ては、具体的には、モリブデン-アミン錯体 、モリブデン-コハク酸イミド錯体、有機酸 モリブデン塩、アルコールのモリブデン塩 どが挙げられ、中でも、モリブデン-アミン 体、有機酸のモリブデン塩およびアルコー のモリブデン塩が好ましい。

 本発明の潤滑油組成物において、有機モ ブデン化合物を用いる場合、その含有量は に制限されないが、組成物全量を基準とし 、モリブデン元素換算で、好ましくは0.001 量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更 好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0. 03質量%以上であり、また、好ましくは0.2質量 %以下、より好ましくは0.1質量%以下、さらに ましくは0.08質量%以下、特に好ましくは0.06 量%以下である。その含有量が0.001質量%未満 の場合、潤滑油組成物の熱・酸化安定性が不 十分となり、特に、長期間に渡って優れた清 浄性を維持させることができなくなる傾向に ある。一方、含有量が0.2質量%を超える場合 含有量に見合う効果が得られず、また、潤 油組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にあ 。

 また、無灰摩擦調整剤としては、潤滑油 の摩擦調整剤として通常用いられる任意の 合物が使用可能であり、例えば、炭素数6~30 のアルキル基またはアルケニル基、特に炭素 数6~30の直鎖アルキル基または直鎖アルケニ 基を分子中に少なくとも1個有する、アミン 合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂 酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル等 無灰摩擦調整剤等が挙げられる。また下記 般式(6)および(7)で表される窒素含有化合物 よびその酸変性誘導体からなる群より選ば る1種以上の化合物や、国際公開第2005/037967 パンフレットに例示されている各種無灰摩 調整剤が挙げられる。

 一般式(6)において、R 8 は炭素数1~30の炭化水素基または機能性を有 る炭素数1~30の炭化水素基、好ましくは炭素 10~30の炭化水素基または機能性を有する炭 数10~30の炭化水素基、より好ましくは炭素数 12~20のアルキル基、アルケニル基または機能 を有する炭化水素基、特に好ましくは炭素 12~20のアルケニル基であり、R 9 およびR 10 は、それぞれ個別に、炭素数1~30の炭化水素 、機能性を有する炭素数1~30の炭化水素基ま は水素、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基 、機能性を有する炭素数1~10の炭化水素基ま は水素、さらに好ましくは炭素数1~4の炭化 素基または水素、より好ましくは水素であ 、Xは酸素または硫黄、好ましくは酸素を示 。

 一般式(7)において、R 11 は炭素数1~30の炭化水素基または機能性を有 る炭素数1~30の炭化水素基であり、好ましく 炭素数10~30の炭化水素基または機能性を有 る炭素数10~30の炭化水素基、より好ましくは 炭素数12~20のアルキル基、アルケニル基また 機能性を有する炭化水素基、特に好ましく 炭素数12~20のアルケニル基であり、R 12 ~R 14 は、それぞれ個別に、炭素数1~30の炭化水素 、機能性を有する炭素数1~30の炭化水素基ま は水素、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基 、機能性を有する炭素数1~10の炭化水素基ま は水素、より好ましくは炭素数1~4の炭化水 基または水素、さらに好ましくは水素を示 。

 一般式(7)で表される窒素含有化合物として 、具体的には、炭素数1~30の炭化水素基また は機能性を有する炭素数1~30の炭化水素基を するヒドラジドおよびその誘導体である。R 11 が炭素数1~30の炭化水素基または機能性を有 る炭素数1~30の炭化水素基、R 12 ~R 14 が水素の場合、炭素数1~30の炭化水素基また 機能性を有する炭素数1~30の炭化水素基を有 るヒドラジド、R 11 およびR 12 ~R 14 のいずれかが炭素数1~30の炭化水素基または 能性を有する炭素数1~30の炭化水素基であり R 12 ~R 14 の残りが水素である場合、炭素数1~30の炭化 素基または機能性を有する炭素数1~30の炭化 素基を有するN-ヒドロカルビルヒドラジド( ドロカルビルは炭化水素基等を示す)である 。

 本発明の潤滑油組成物における無灰摩擦 整剤の含有量は、組成物全量を基準として 好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0. 1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であ り、また、好ましくは3質量%以下、より好ま くは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下 である。無灰摩擦調整剤の含有量が0.01質量% 満であると、その添加による摩擦低減効果 不十分となる傾向にあり、また3質量%を超 ると、耐摩耗性添加剤などの効果が阻害さ やすく、あるいは添加剤の溶解性が悪化す 傾向にある。摩擦調整剤としては、無灰摩 調整剤の使用がより好ましい。

 本発明の潤滑油組成物には、さらにその 能を向上させるために、その目的に応じて 滑油に一般的に使用されている任意の添加 を含有させることができる。このような添 剤としては、例えば、金属系清浄剤、無灰 散剤、酸化防止剤、摩耗防止剤(または極圧 剤)、腐食防止剤、防錆剤、流動点降下剤、 乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤等の添加 等を挙げることができる。

 金属系清浄剤としては、アルカリ金属ス ホネートまたはアルカリ土類金属スルホネ ト、アルカリ金属フェネートまたはアルカ 土類金属フェネート、およびアルカリ金属 リシレートまたはアルカリ土類金属サリシ ート等の正塩、塩基正塩または過塩基性塩 が挙げられる。本発明では、これらからな 群より選ばれる1種または2種以上のアルカ 金属またはアルカリ土類金属系清浄剤、特 アルカリ土類金属系清浄剤を好ましく使用 ることができる。特にマグネシウム塩およ /またはカルシウム塩が好ましく、カルシウ 塩がより好ましく用いられる。

 無灰分散剤としては、潤滑油に用いられ 任意の無灰分散剤が使用でき、例えば、炭 数40~400の直鎖もしくは分枝状のアルキル基 たはアルケニル基を分子中に少なくとも1個 有するモノまたはビスコハク酸イミド、炭素 数40~400のアルキル基またはアルケニル基を分 子中に少なくとも1個有するベンジルアミン あるいは炭素数40~400のアルキル基またはア ケニル基を分子中に少なくとも1個有するポ アミン、あるいはこれらのホウ素化合物、 ルボン酸、リン酸等による変成品等が挙げ れる。使用に際してはこれらの中から任意 選ばれる1種類あるいは2種類以上を配合す ことができる。

 酸化防止剤としては、フェノール系、ア ン系等の無灰酸化防止剤、銅系、モリブデ 系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。具 的には、例えば、フェノール系無灰酸化防 剤としては、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert- チルフェノール)、4,4’-ビス(2,6-ジ-tert-ブチ ルフェノール)等が、アミン系無灰酸化防止 としては、フェニル-α-ナフチルアミン、ア キルフェニル-α-ナフチルアミン、ジアルキ ルジフェニルアミン等が挙げられる。

 摩耗防止剤(または極圧剤)としては、潤 油に用いられる任意の摩耗防止剤・極圧剤 使用できる。例えば、硫黄系、リン系、硫 -リン系の極圧剤等が使用でき、具体的には 亜リン酸エステル類、チオ亜リン酸エステ 類、ジチオ亜リン酸エステル類、トリチオ リン酸エステル類、リン酸エステル類、チ リン酸エステル類、ジチオリン酸エステル 、トリチオリン酸エステル類、これらのア ン塩、これらの金属塩、これらの誘導体、 チオカーバメート、亜鉛ジチオカーバメー 、モリブデンジチオカーバメート、ジサル ァイド類、ポリサルファイド類、硫化オレ ィン類、硫化油脂類等が挙げられる。これ の中では硫黄系極圧剤の添加が好ましく、 に硫化油脂が好ましい。

 腐食防止剤としては、例えば、ベンゾト アゾール系、トリルトリアゾール系、チア アゾール系、またはイミダゾール系化合物 が挙げられる。

 防錆剤としては、例えば、石油スルホネ ト、アルキルベンゼンスルホネート、ジノ ルナフタレンスルホネート、アルケニルコ ク酸エステル、または多価アルコールエス ル等が挙げられる。

 流動点降下剤としては、例えば、使用す 潤滑油基油に適合するポリメタクリレート のポリマー等が使用できる。

 抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシ チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ ンアルキルフェニルエーテル、またはポリ キシエチレンアルキルナフチルエーテル等 ポリアルキレングリコール系非イオン系界 活性剤等が挙げられる。

 金属不活性化剤としては、例えば、イミ ゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチア アゾール、メルカプトベンゾチアゾール、 ンゾトリアゾールまたはその誘導体、1,3,4- アジアゾールポリスルフィド、1,3,4-チアジ ゾリル-2,5-ビスジアルキルジチオカーバメ ト、2-(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール またはβ-(o-カルボキシベンジルチオ)プロピ オンニトリル等が挙げられる。

 消泡剤としては、例えば、25℃における動 度が1000~10万mm 2 /sのシリコーンオイル、アルケニルコハク酸 導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと 鎖脂肪酸のエステル、メチルサリチレート o-ヒドロキシベンジルアルコール等が挙げ れる。

 これらの添加剤を本発明の潤滑油組成物 含有させる場合には、それぞれその含有量 組成物全量基準で、0.01~10質量%である。 

本発明の潤滑油組成物の100℃における動粘度 は、4~12mm 2 /sであることが必要であり、好ましくは9mm 2 /s以下、より好ましくは8mm 2 /s以下、さらに好ましくは7.8mm 2 /s以下、特に好ましくは7.6mm 2 /s以下である。また、本発明の潤滑油組成物 100℃における動粘度は、好ましくは5mm 2 /s以上、より好ましくは6mm 2 /s以上、さらに好ましくは6.5mm 2 /s以上、特に好ましくは7mm 2 /s以上である。ここでいう100℃における動粘 とは、ASTM D-445に規定される100℃での動粘 を示す。100℃における動粘度が4mm 2 /s未満の場合には、潤滑性不足を来たすおそ があり、12mm 2 /sを超える場合には必要な低温粘度および十 な省燃費性能が得られないおそれがある。

 本発明の潤滑油組成物の40℃における動粘 は、4~50mm 2 /sであることが好ましく、好ましくは40mm 2 /s以下、より好ましくは35mm 2 /s以下、特に好ましくは32mm 2 /s以下、最も好ましくは30mm 2 /s以下である。また、本発明の潤滑油組成物 40℃における動粘度は、好ましくは10mm 2 /s以上、より好ましくは20mm 2 /s以上、さらに好ましくは25mm 2 /s以上、特に好ましくは27mm 2 /s以上である。ここでいう40℃における動粘 とは、ASTM D-445に規定される40℃での動粘度 示す。40℃における動粘度が4mm 2 /s未満の場合には、潤滑性不足を来たすおそ があり、50mm 2 /sを超える場合には必要な低温粘度および十 な省燃費性能が得られないおそれがある。

 本発明の潤滑油組成物の粘度指数は、140~ 300の範囲であることが必要であり、好ましく は190以上、より好ましくは200以上、さらに好 ましくは210以上、特に好ましくは220以上であ る。本発明の潤滑油組成物の粘度指数が140未 満の場合には、150℃のHTHS粘度を維持しなが 、省燃費性を向上させることが困難となる それがあり、さらに-35℃における低温粘度 低減させることが困難となるおそれがある また、本発明の潤滑油組成物の粘度指数が30 0以上の場合には、蒸発性が悪化するおそれ あり、更に添加剤の溶解性やシール材料と 適合性が不足することによる不具合が発生 るおそれがある。

 本発明の潤滑油組成物の100℃におけるHTHS 粘度は、5.5mPa・s以下であることが好ましく より好ましくは5.0mPa・s以下、さらに好まし は4.8mPa・s以下、特に好ましくは4.7mPa・s以 である。また、好ましくは3.0mPa・s以上、更 好ましくは3.5mPa・s以上、特に好ましくは4.0 mPa・s以上、最も好ましくは4.2mPa・s以上であ 。ここでいう100℃におけるHTHS粘度とは、AST M D4683に規定される100℃での高温高せん断粘 を示す。100℃におけるHTHS粘度が3.0mPa・s未 の場合には、潤滑性不足を来たすおそれが り、5.5mPa・sを超える場合には必要な低温粘 および十分な省燃費性能が得られないおそ がある。

 本発明の潤滑油組成物の150℃におけるHTHS 粘度は、3.5mPa・s以下であることが好ましく より好ましくは3.0mPa・s以下、さらに好まし は2.8mPa・s以下、特に好ましくは2.7mPa・s以 である。また、好ましくは2.0mPa・s以上、よ 好ましくは2.3mPa・s以上、さらに好ましくは 2.4mPa・s以上、特に好ましくは2.5mPa・s以上、 も好ましくは2.6mPa・s以上である。ここでい う150℃におけるHTHS粘度とは、ASTM D4683に規定 される150℃での高温高せん断粘度を示す。150 ℃におけるHTHS粘度が2.0mPa・s未満の場合には 潤滑性不足を来たすおそれがあり、3.5mPa・s を超える場合には必要な低温粘度および十分 な省燃費性能が得られないおそれがある。

 本発明の潤滑油組成物は、省燃費性と潤 性に優れ、ポリ-α-オレフィン系基油やエス テル系基油等の合成油や低粘度鉱油系基油を 用いずとも、150℃のHTHS粘度を一定レベルに 持しながら、燃費向上にとって効果的であ 、潤滑油の40℃および100℃における動粘度お よび100℃のHTHS粘度を著しく低減させたもの ある。このような優れた特性を有する本発 の潤滑油組成物は、省燃費ガソリンエンジ 油、省燃費ディーゼルエンジン油等の省燃 エンジン油として好適に使用することがで る。

 以下、実施例および比較例に基づき本発 を更に具体的に説明するが、本発明は以下 実施例に何ら限定されるものではない。

(実施例1~4、比較例1~5)
 実施例1~4および比較例1~5においては、それ れ以下に示す基油および添加剤を用いて表2 に示す組成を有する潤滑油組成物を調製した 。基油O-1、O-2、O-3の性状を表1に示す。
(基油)
O-1(基油1):n-パラフィン含有油を水素化分解/ 素化異性化した鉱油
O-2(基油2):水素化分解鉱油
O-3(基油3):溶剤精製鉱油
(添加剤)
A-1:非分散型ポリメタクリレート(炭素数12~18 アルキル基を有するメタクリレートの共重 体、Mw=60,000,PSSI=0.1)
A-2:非分散型ポリメタクリレート(炭素数12~18 アルキル基を有するメタクリレートの共重 体、Mw=50,000,PSSI=0.1)
A-3:非分散型ポリメタクリレート(メチルメタ リレート、一般式(3)中のR 4 が炭素数12のアルキル基であるメタクリレー 、一般式(3)中のR 4 が炭素数13のアルキル基であるメタクリレー 、一般式(3)中のR 4 が炭素数14のアルキル基であるメタクリレー および一般式(3)中のR 4 が炭素数15のアルキル基であるメタクリレー の共重合体、MW=80,000、Mw/Mn=2.7、PSSI=5)
A-4:非分散型ポリメタクリレート(メチルメタ リレート、一般式(3)中のR 4 が炭素数12のアルキル基であるメタクリレー 、一般式(3)中のR 4 が炭素数14のアルキル基であるメタクリレー および一般式(2)中のR 2 が炭素数16のアルキル基であるメタクリレー の共重合体、MW=50,000,PSSI=0.1)
B-1:分散型ポリメタクリレート(メチルメタク レート、ジメチルアミノエチルメタクリレ トを合計して70モル%、一般式(2)中のR 2 が炭素数16のアルキル基であるメタクリレー 、一般式(2)中のR 2 が炭素数18のアルキル基であるメタクリレー 、一般式(2)中のR 2 が炭素数20のアルキル基であるメタクリレー を合計して20モル%、一般式(2)中のR 2 が炭素数22の分枝状アルキル基であるメタク レートを10モル%とを重合させて得られる分 型ポリメタアクリレート系添加剤、MW=400,000 、PSSI=20、Mw/Mn=2.2、Mw/PSSI=20000)
B-2:分散型ポリメタクリレート(メチルメタク レート、一般式(3)中のR 4 が炭素数12のアルキル基であるメタクリレー 、一般式(3)中のR 4 が炭素数13のアルキル基であるメタクリレー 、一般式(3)中のR 4 が炭素数14のアルキル基であるメタクリレー および一般式(3)中のR 4 が炭素数15のアルキル基であるメタクリレー 、ジメチルアミノエチルメタクリレートの 重合体、MW=300,000、PSSI=40、Mw/Mn=4.0、Mw/PSSI=750 0)
C-1:グリセリンモノオレエート
C-2:オレイルウレア
C-3:モリブデンジチオカーバメート
D-1:金属清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、 耗防止剤、流動点降下剤、消泡剤等。

[潤滑油組成物の評価]
 実施例1~4および比較例1~5の各潤滑油組成物 ついて、40℃または100℃における動粘度、 度指数、100℃または150℃におけるHTHS粘度、 らびに-40℃におけるMRV粘度を測定した。各 性値の測定は以下の評価方法により行った 得られた結果を表2に示す。
(1)動粘度:ASTM D-445
(2)粘度指数:JIS K 2283-1993
(3)HTHS粘度:ASTM D-4683
(4)MRV粘度:ASTM D-4684

 表2に示したように、実施例1~4および比較 例1~5の潤滑油組成物は150℃におけるHTHS粘度 同程度のものであるが、比較例1~5の潤滑油 成物に比べて、実施例1~4の潤滑油組成物は 40℃動粘度、100℃動粘度、100℃HTHS粘度およ MRV粘度が低く、低温粘度および粘度温度特 が良好であった。この結果から、本発明の 滑油組成物が、省燃費性と低温粘度に優れ ポリ-α-オレフィン系基油やエステル系基油 の合成油や低粘度鉱油系基油を用いずとも 150℃における高温高せん断粘度を維持しな ら、省燃費性と-35℃以下における低温粘度 を両立させることができ、特に潤滑油の100  HTHS粘度を低減し、-40℃におけるMRV粘度を しく改善することができる潤滑油組成物で ることがわかる。