Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
MAGNETIC POLE POSITION DETECTOR AND METHOD FOR DETECTING MAGNETIC POLE POSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125479
Kind Code:
A1
Abstract:
A magnetic pole position detector which is capable of acquiring a magnetic pole position properly even when two magnetic sensors are arranged at an arbitrary spacing interval, wherein each sensor output of two magnetic sensors arranged at a given spacing interval L along the magnetic pole array direction of a motor is a and b, while a phase difference φ between two sensor outputs a and b is an input. In case sin φ > δ, tan θ is determined by dividing a*sin φ by b-a*cos φ to output the magnetic pole position θ = tan-1{a*sin φ/(b-a*cos φ)}. In case sin φ =<δ, the magnetic pole position θ = {sin-1(a)+cos-1(b)-φ}/2 is output based on a = sin θ and b = cos(θ + φ). Based on φ = 2π x L/(magnetic pole pitch or number of poles), use of φ as a correction coefficient for two sensor outputs a and b can cancel any magnetic pole position error even when the spacing interval L differs from a theoretical value. That is to say, two magnetic sensors can be arranged at an arbitrary spacing interval.

Inventors:
ARAKAWA TAKEMASA (JP)
SANO SHUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057006
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
April 09, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
ARAKAWA TAKEMASA (JP)
SANO SHUYA (JP)
International Classes:
H02K29/08
Foreign References:
JPS60180468A1985-09-14
JP2001078392A2001-03-23
JP2002142489A2002-05-17
JPH0469088A1992-03-04
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, HIROAKI (JP)
Hiroaki Sakai (JP)
Download PDF:
Claims:
 モータの磁極配列方向に沿って所定の間隔を置いて配置される2以上の磁気センサのうち、2つの磁気センサのセンサ出力間の位相差に基づき、可動部が位置する磁極位置を演算検出する磁極位置検出装置であって、前記2つのセンサ出力のうちの進相側センサ出力をa、遅相側センサ出力をbとし、前記位相差をφとするとき、
 前記位相差の正弦値が判定閾値よりも大きい場合の磁極位置θを、
  θ=tan -1 {(a・sinφ/(b-a・cosφ)}
の演算を行って検出する第1の演算系と、
 前記位相差の正弦値が判定閾値よりも小さい場合の磁極位置θを、
  θ={sin -1 (a)+sin -1 (b)-φ}/2
の演算を行って検出する第2の演算系と、
 を備えていることを特徴とする磁極位置検出装置。
 前記第1の演算系は、
 前記2つのセンサ出力のうちの進相側センサ出力に前記位相差の正弦値を乗算する第1の乗算器と、前記進相側センサ出力に前記位相差の余弦値を乗算する第2の乗算器と、前記2つのセンサ出力のうちの遅相側センサ出力から前記第2の乗算器の出力値を減算する第1の減算器と、前記第1の乗算器の出力値を前記減算器の出力値で割り算する割算器と、前記割算器が出力する正接値の逆正接値を求め、それを前記磁極位置として出力する第1の角度演算器と、を備え、
 前記第2の演算系は、
 前記進相側センサ出力の逆正弦値を求める第2の角度演算器と、前記遅相側センサ出力の逆正弦値を求める第3の角度演算器と、第3の角度演算器の出力値から前記位相差を減算する第2の減算器と、前記第2の角度演算器の出力値と前記第2の減算器の出力値とを加算する加算器と、前記加算器の出力値に1/2を乗算した値を前記磁極位置として出力する第3の乗算器と、を備えている、
 ことを特徴とする請求項1に記載の磁極位置検出装置。
 前記位相差を(2π×前記2つの磁気センサの配置間隔)/(磁極ピッチまたは極数)の演算を行って求める位相差演算部を備え、前記配置間隔は、前記演算検出した磁極位置に誤差がある場合に、実際に測定した配置間隔、或いは、磁極位置誤差波形の振幅値から推定した配置間隔が適用される、ことを特徴とする請求項1または2に記載の磁極位置検出装置。
 前記2つの磁気センサに1以上の磁気センサを加えて、それら複数の磁気センサの組み合わせによって前記磁極位置を検出する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の磁極位置検出装置。
 モータの磁極配列方向に沿って所定の間隔を置いて配置される2以上の磁気センサのうちの2つの磁気センサのセンサ出力間の位相差を(2π×前記2つの磁気センサの配置間隔)/(磁極ピッチまたは極数)の演算を行って求める第1の工程と、
 前記位相差の正弦値と判定閾値との大小関係を判定する第2の工程と、
 前記第2の工程での判定結果、前記位相差の正弦値が判定閾値よりも大きい場合に、前記2つの磁気センサのセンサ出力のうちの進相側センサ出力に前記位相差の正弦値を乗算した値を分子とし、前記進相側センサ出力に前記位相差の余弦値を乗算した値を前記2つの磁気センサのセンサ出力のうちの遅相側センサ出力から減算した値を分母とする正接値の逆正接値を第1の磁極位置として演算検出する第3の工程と、
 前記第2の工程での判定結果、前記位相差の正弦値が判定閾値よりも小さい場合に、前記進相側センサ出力の逆正弦値と前記遅相側センサ出力の逆正弦値との和から前記位相差を減算した値の半分の値を第2の磁極位置として演算検出する第4の工程と、
 を含むことを特徴とする磁極位置検出方法。
 前記演算検出した磁極位置に誤差がある場合に、前記2つの磁気センサの配置間隔を実際に測定する、或いは、磁極位置誤差波形の振幅値から推定する工程と、
 前記実際に測定した配置間隔を、或いは、前記推定した配置間隔を、前記第1の工程に適用する工程と、
 を含むことを特徴とする請求項5に記載の磁極位置検出方法。
Description:
磁極位置検出装置及び方法

 この発明は、モータの可動部が位置する 極位置を検出する磁極位置検出装置及び方 に関するものである。

 モータの磁極構造は、リニアモータでは 或る長さ(磁極ピッチ)の磁石を互いの極性 異ならせて直線状に複数配列した構造であ 、回転モータ(ブラシレスモータなど)では、 所定の極数を構成するように互いに異なる極 性の磁極を環状に所定数配列した構造である 。

 リニアモータや回転モータ(ブラシレスモ ータなど)では、可動部が位置する磁極位置 の磁気を検出するために、磁極が発生する 束の距離に応じた変化量を検出する2以上の 気センサがモータの磁極配列方向に沿って る間隔を置いて配置される。

 磁極位置検出装置は、上記した2以上の磁 気センサのうち、2つの磁気センサのセンサ 力間の位相差に基づき、可動部が位置する 極位置を演算検出する装置である。

 リニアモータでは、磁石配列方向に移動 る際に、磁極ピッチ内のいずれの位置(磁極 位置)に位置しているかの位置情報を得るた に、磁極位置検出装置を搭載している。つ り、リニアモータに用いる磁極位置検出装 は、2つの磁気センサを装置内に備えている 一方、回転モータでは、2以上の磁気センサ は当該モータの構成部分の一部となり、磁極 位置検出装置は当該モータの外部に設けられ る構成となる。

 ところで、2つの磁気センサの配置間隔に 関して、従来では、センサ出力間の位相差が 90度となるように、2つの磁気センサを配置し ている(例えば、特許文献1,2等)。

 そうすると、リニアモータの例で言えば、2 つの磁気センサの配置間隔Lと、磁極ピッチPI Tとの間に、
  L=PIT/4   …(1)
の関係が成り立つ。なお、配置間隔Lは、回 モータでは、電気角で表され、
  L=180°/極数
である。

 各磁気センサの出力波形は、正弦波状を ているので、この式(1)の制約条件を満たす うに2つの磁気センサを配置した場合、進み 位相側のセンサ出力をaとし、遅れ位相側の ンサ出力をbとすれば、センサ出力aは正弦波 と見なすことができ、センサ出力bは余弦波 見なすことができる。磁極位置は、センサ 力a,bの正接値を演算することで求めること できる。

 すなわち、磁極位置をθとすれば、tanθ=a/b あるので、磁極位置θは、
  θ=tan -1 (a/b)   …(2)
と求めることができる。

 この場合の処理ブロックは、つまり、従来 磁極位置検出装置は、a/bを求める割算器と 割算器が求めた正接値tanθから逆正接値を めるtan -1 の角度演算器とで構成される。

特開昭60-180468号公報(第3図)

特開2001-78392公報(図1)

 しかし、従来の磁極位置検出装置での2つ の磁気センサの配置間隔は、任意に定めるこ とができず、式(1)の制約条件から理解できる ように、リニアモータでは磁極ピッチによっ て決められるという制約があり、回転モータ では極数によって決められるという制約があ る。

 それ故、磁気センサの取り付け位置に誤 がある場合には、面倒な補正処理が必要に っている。そして、リニアモータに搭載す 磁極位置検出装置では、当該装置の大きさ 磁極ピッチによって決まるので、小型化が 難である。また、磁極位置検出装置を磁極 ッチの異なるリニアモータ間で共用化する とができない。

 この発明は、上記に鑑みてなされたもの あり、2つの磁気センサを任意の間隔で配置 しても磁極位置を正しく取得できる磁極位置 検出装置及び方法を得ることを目的とする。

 上述した目的を達成するために、この発明 かかる磁極位置検出装置は、モータの磁極 列方向に沿って所定の間隔を置いて配置さ る2以上の磁気センサのうち、2つの磁気セ サのセンサ出力間の位相差に基づき、可動 が位置する磁極位置を演算検出する磁極位 検出装置であって、前記2つのセンサ出力の ちの進相側センサ出力をa、遅相側センサ出 力をbとし、前記位相差をφとするとき、前記 位相差の正弦値が判定閾値よりも大きい場合 の磁極位置θを、θ==tan -1 {(a・sinφ/(b-a・cosφ)}の演算を行って検出する 1の演算系と、前記位相差の正弦値が判定閾 値よりも小さい場合の磁極位置θを、θ={sin -1 (a)+sin -1 (b)-φ}/2の演算を行って検出する第2の演算系 を備えていることを特徴とする。

 この発明によれば、2つの磁気センサを任 意の間隔で配置しても磁極位置を正しく取得 できる磁極位置検出装置が得られるという効 果を奏する。

図1は、この発明の一実施の形態による 磁極位置検出装置の構成を示すブロック図で ある。 図2は、リニアモータに搭載する磁極位 置検出装置のこの発明による磁極位置検出の 原理を説明する図である。 図3は、図2に示す磁極位置検出装置が える2つの磁気センサの出力波形を示す波形 である。 図4は、図2に示した構成において、配 間隔を5mm、磁極ピッチを30mmとした場合の磁 位置検出動作を説明する図である。 図5は、図4に示した条件の下でのシミ レーション結果を従来手法と比較して示す である。 図6は、図2に示した構成において、配 間隔を5mm、磁極ピッチを20mmとした場合の磁 位置検出動作を説明する図である。 図7は、図6に示した条件の下でのシミ レーション結果を従来手法と比較して示す である。 図8は、図2に示した構成において、配 間隔が理論値からずれている場合に補正係 を算出して求めた磁極位置のシミュレーシ ン結果を従来手法と比較して示す図である 図9は、3つの磁気センサを用いて磁極 置検出を行う方法を説明する図である。

符号の説明

 1 磁極位置検出装置
 2 リニアモータ
 3 ガイド
 4 磁石
 11,12,13 磁気センサ
 20,21,31 乗算器
 22,23,32 選択回路
 24,29 減算器
 25 割算器
 26,27,28 角度演算器
 30 加算器
 a,b センサ出力
 φ 位相差(補正係数)

 以下に図面を参照して、この発明にかか 磁極位置検出装置及び方法の好適な実施の 態を詳細に説明する。

 図1は、この発明の一実施の形態による磁 極位置検出装置の構成を示すブロック図であ る。なお、この実施の形態では、リニアモー タに搭載して用いるものとして説明するが、 回転モータでも利用できるものである。

 図1に示すように、この実施の形態による 磁極位置検出装置は、2つの磁気センサのセ サ出力a,bと、センサ出力a,b間の位相差φとを 入力とし、それらに基づき磁極位置θを演算 力する装置である。

 図1に示す磁極位置検出装置は、乗算器20, 21、選択回路22,23、減算器24、割算器25、角度 算器26,27,28、減算器29、加算器30、乗算器31 及び選択回路32を備えている。また、図示し てないが、位相差φを下記の式(3)によって求 る位相差演算部を備えている。

 この磁極位置検出装置は、次のような原 に基づき構成したものである。図2と図3を 照して説明する。なお、図2は、リニアモー に搭載する磁極位置検出装置のこの発明に る磁極位置検出の原理を説明する図である 図3は、図2に示す磁極位置検出装置が備え 2つの磁気センサの出力波形を示す波形図で る。

 図2おいて、磁極位置検出装置1を搭載す リニアモータ2は、ガイド3に案内されて或る 長さ(磁極ピッチ)を有する磁石4の配列方向に 動くことができる。磁極位置検出装置1には 2つの磁気センサ11,12が磁石4の配列方向にお て間隔Lで配置されている。したがって、磁 極位置検出装置1が或る位置に位置するとき 磁気センサ11,12の出力値は、N極からの距離 異なるため違った値になる。

 磁極位置検出装置1がガイド3に沿って移動 る場合、磁気センサ11,12の出力(センサ出力)a ,bは、図3に示すように、磁極位置検出装置1 移動位置に応じて一定の位相差φ[rad]を持つ 弦波状になる。センサ出力a,bの位相差φは 磁極PITと磁気センサ11,12の配置間隔Lとで決 り、
  φ=2π×L/PIT[rad]   …(3)
と表せる。

 ここで、センサ出力aは、進相側に配置され る磁気センサ11の出力で、センサ出力bは、遅 相側に配置される磁気センサ12の出力である すれば、磁気センサ11の出力aに比べて磁気 ンサ12の出力bは、φ=2π×L/PIT[rad]だけ位相が れることになる。このときの磁極位置をθ して、正接値tanθ=a/bを求めると、
  a/b=sinθ/sin(θ+φ)=a/(a・cosφ+cosθsinφ)
となる。したがって、磁極位置θの余弦値cos は、
  cosθ=(b-a・cosφ)/sinφ  …(4)
と計算できる。

 従来の磁極位置検出手法では、磁気セン 11,12の出力a,bは、90度の位相差を有している ので、φ=90°となり、式(4)に適用すると、cosθ =bとなる。このように、式(4)は、従来手法の 張になっている。

 磁極位置θを従来手法と同じように正接値ta nθから算出すると、
 tanθ=sinθ/cosθ=a/cosθ=a・sinφ/(b-a・cosφ)となる ので、磁極位置θは、
  θ=tan -1 {(a・sinφ/(b-a・cosφ)}  …(5)
と算出することができる。

 式(5)は、磁極ピッチと、磁気センサ11,12 配置間隔とから得られる位相差φをセンサ出 力a,bに対する補正係数として用い、センサ出 力a,bから磁極位置の正接値tanθを求めれば、 極位置θが得られることを示している。

 但し、式(5)において、sinφ=0となる条件で は、tanθ=0となるため、式(4)からcosθを求める ことができない。実際に、sinφ≪1のときは、 磁気センサ11,12の配置間隔Lが磁極ピッチPITに 比べて極めて小さく、磁気センサ11,12のセン 出力a,bの値がほぼ一致するため、式(5)からt anθを求めて磁極位置θを求めるのは困難にな る。また、磁気センサ11,12の配置間隔Lが磁極 ピッチPITの整数倍の場合にも、同じようにsin φ=0となり、式(5)からtanθを求めて磁極位置θ 求めるのは困難になる。

 そこで、このような場合は、センサ出力a,b ら直接値sinθを求めて磁極位置θを算出する ことにする。すなわち、a=sinθ、b=sin(θ+φ)の 係から、
  θ=sin -1 (a)
  θ=sin -1 (b)-φ
となるので、この2式を、磁極位置θを2つの ンサ出力a,bを利用して算出できるように、
 θ={sin -1 (a)+sin -1 (b)-φ}/2  …(6)
と変形する。このようにすれば、sinφが小さ 場合には、センサ出力a,bから直接sinθを計 することによって磁極位置θを算出すること ができる。

 なお、回転モータの場合は、磁極ピッチP ITを極数とし、配置間隔Lと位相差φと磁極位 θをそれぞれ電気角で考えることにより、 記と同様の手順で磁極位置を算出すること できる。

[規則91に基づく訂正 14.11.2008]
 図1は、以上の内容を処理ブロックの形に整 理して示したものである。図1において、値δ は、sinφ=sin(2π×L/PIT)の大きさに応じて、式(5) によってtanθを算出して磁極位置θを算出す か、式(6)によってsinθから磁極位置θを算出 るか、を決定する判定閾値である。この判 閾値δは、0<δ≪1の範囲内に定められる設 計値である。

 乗算器20は、センサ出力aにsinφを乗算し 「a・sinφ」を選択回路22の一方の入力端15aに 出力する。乗算器21は、センサ出力aにcosφを 算した「a・cosφ」を選択回路23の一方の入 端16aに出力する。選択回路22の他方の入力端 15bには、センサ出力aが直接入力される。選 回路23の他方の入力端16bには、値0が入力さ る。

 選択回路22の出力は、割算器25の一方の入 力端と角度演算器27とに入力される。選択回 23の出力は、減算器24の一方の入力端に入力 される。減算器24は、他方の入力であるセン 出力bから選択回路23の出力を引き算した値 割算器25の他方の入力端と角度演算器28とに 出力する。

 角度演算器26は、割算器25の出力「tanθ」に tan -1 」の角度演算を施して逆正接値(磁極位置)θ 求め、選択回路32の一方の入力端17aに出力す る。

 角度演算器28は、減算器24の出力に「sin -1 」の角度演算を施し、求めた逆正弦値を減算 器29の一方の入力端に出力する。減算器29は 角度演算器28の出力から他方の入力である位 相差φを引き算した値を加算器30の一方の入 端に出力する。

 角度演算器27は、選択回路22の出力に「sin -1 」の角度演算を施し、求めた逆正弦値を加算 器30の他方の入力端に出力する。乗算器31は 加算器30が出力する「(減算器29の出力」+(角 演算器27の出力)」に1/2を乗算した値を選択 路32の他方の入力端17bに出力する。

 以上の構成において、選択回路22,23,32は それぞれ、sinφ>δである場合は、一方の入 力端15a,16a,17aを選択し、sinφ≦δである場合は 、他方の入力端15b,16b,17bを選択する。

 そうすると、sinφ>δである場合は、選 回路22の出力はa・sinφであり、選択回路23の 力はa・cosφである。減算器24の出力は、b-a cosφである。割算器25の出力は、a・sinφ/(b-a cosφ)=tanθとなる。したがって、角度演算器26 の出力には、式(5)の演算による磁極位置θが られる。

 一方、sinφ≦δである場合は、選択回路22の 力はセンサ出力aであり、選択回路23の出力 値0である。減算器24の出力は、センサ出力b である。角度演算器27の出力は、θ=sin -1 (a)である。角度演算器28の出力は、θ=sin -1 (b)である。減算器29の出力は、θ=sin -1 (b)-φである。加算器30の出力は、2θ={sin -1 (a)+sin -1 (b)-φ}である。したがって、乗算器31の出力に は、式(6)の演算による磁極位置θが得られる

 図1に示す構成によって、任意の配置間隔 Lにおいて磁極位置θを算出できるようになる ことが解る。そして、磁気センサ11,12の取り けにおいて、配置間隔Lが理論値からずれた 場合でも、位相差φを補正係数として用いる とで、特別な補正処理をせずに取り付けに 因する配置間隔Lの誤差を補正することがで きる。

 すなわち、磁気センサ11,12の取り付けに いて、配置間隔Lが理論値からずれた場合は 実際の配置間隔Lを実測したり、磁極位置誤 差波形の観測から取り付け位置の誤差を算出 して実際の配置間隔Lを推定したりして、配 間隔Lの実際値を求め、それを式(3)に適用し 求めた位相差φを補正係数として図1におけ φに適用すればよい。つまり、配置間隔Lに 差があっても、補正係数φを上記のように 切に求めて図1の構成に適用すれば、自動的 正しい磁極位置が得られる。以下に、実施 として各種の具体的な態様を示す。

(実施例1)
 図4は、図2に示した構成において、配置間 を5mm、磁極ピッチを30mmとした場合の磁極位 検出動作を説明する図である。図5は、図4 示した条件の下でのシミュレーション結果 従来手法と比較して示す図である。

 配置間隔Lが5mm、磁極ピッチPITが30mmの場 の補正係数φは、式(3)から、φ=2π×5/30=π/3[rad ]となる。この補正係数φ=π/3を図1に示す構成 に適用して磁極位置θを算出する。

 図5では、横軸が実磁極位置[mm]であり、 軸が磁極位置誤差[mm]である。図5において、 符号35は、図1に示す構成を用いる本手法によ って磁極位置検出を行った場合の特性を示し 、符号36は、式(2)の条件による従来手法によ て磁極位置検出を行った場合の特性を示す

 図5に示すように、補正係数φをπ/3に設定 したときには、本手法によれば、磁極位置誤 差はゼロとなり、磁極位置を正しく検出でき ることが解る。これに対して、従来手法では 、磁極位置に誤差を生じており、正しい磁極 位置を得られないことが解る。これは、従来 手法では、磁極ピッチと配置間隔との関係が 式(2)の制約条件を満足していないためである 。

 この場合、従来手法で正しく磁極位置を 出できるようにするには、配置間隔Lを磁極 ピッチPITの1/4である7.5mmにする必要がある。 まり、本手法を用いることにより、配置間 が7.5mmよりも短い5mmでも磁極位置検出が可 になるので、磁極位置検出装置1の小型化を ることができる。

(実施例2)
 図6は、図2に示した構成において、配置間 を5mm、磁極ピッチを20mmとした場合の磁極位 検出動作を説明する図である。つまり、図6 は、磁極ピッチのみを実施例1と異ならせた 合を示す。図7は、図6に示した条件の下での シミュレーション結果を従来手法と比較して 示す図である。

 配置間隔Lが5mm、磁極ピッチPITが20mmの場 の補正係数φは、式(3)から、φ=2π×5/20=π/2[rad ]となる。この補正係数φ=π/2を図1に示す構成 に適用して磁極位置θを算出する。

 図7では、横軸が実磁極位置[mm]であり、 軸が磁極位置誤差[mm]である。図7において、 符号37は、図1に示す構成を用いる本手法によ って磁極位置検出を行った場合と、式(2)の条 件による従来手法によって磁極位置検出を行 った場合との特性を示す。

 図7に示すように、本手法によれば、補正 係数φをπ/2に設定したときも磁極位置誤差は ゼロとなり、磁極位置が正しく検出できるこ とが解る。これに対して、従来手法でも正し く磁極位置検出ができ、磁極位置誤差はゼロ となっている。これは、図6に示す条件は、 置間隔が磁極ピッチの1/4となっていて、従 手法で用いる式(2)の制約条件を満たすから ある。

 このように、本手法では、図4と図6に示 ように、磁極ピッチが異なっても補正係数φ を適切に設定すれば、磁極位置誤差をゼロに することができる。これに対して、従来手法 では、図4の条件では、式(2)の制約条件を満 さないので、正しく磁極位置を算出できず 磁極位置誤差が生ずる。

 したがって、本手法では、磁極ピッチの なるリニアモータの間でも、補正係数φを 切に設定することにより、共通の磁極位置 出装置を使用して磁極位置を検出すること できるようになる。

(実施例3)
 図8は、図2に示した構成において、配置間 が理論値からずれている場合に補正係数を 出して求めた磁極位置のシミュレーション 果を従来手法と比較して示す図である。図8 は、配置間隔Lの理論値は、図6に示す5mmで るが、実際の配置間隔が4.9mmであった場合に 、本手法によって補正を行った場合の特性38 、式(2)の条件による従来手法によって磁気 ンサ11,12のセンサ出力a,bから磁極位置検出 行った場合の特性39とが示されている。なお 、図8では、横軸が実磁極位置[mm]で、縦軸が 極位置誤差[mm]である。

 図6に示す条件の場合、理論的には、従来 手法でも、式(2)の制約条件を満たしているの で、図7に示したように、正しく磁極位置検 を行うことができる。今の例は、実際の取 付けに誤差がある場合であるので、実際は (2)の制約条件を満たしていない場合に相当 る。

 したがって、従来手法である式(2)によっ 磁極位置を算出した場合、センサ出力bが実 際には理論値よりも位相が進んでいるにもか かわらず、センサ出力bはcosθとして扱うため に、特性39に示すように、最大5.0-4.9=0.1mm程度 の誤差が発生する。

 これに対して、本手法では、取り付け後 磁気センサの配置間隔を実測したり、磁極 置誤差波形の振幅値から取り付け後の磁気 ンサの配置間隔を推定したりして、実際の 置間隔を取得し、それを式(3)に適用して補 係数φを算出し、図1の構成に適用すると、 り付けに起因する誤差を補正できる。今の では、補正係数φに、φ=2π×4.9/20=1.53938を与 ることにより、取り付け誤差が補正される で、特性38に示すように、磁極位置誤差が ロとなる。

 このように、磁気センサの配置間隔が理 値からずれている場合は、本手法により補 係数φを適切に設定することにより、誤差 キャンセルされるのが分かる。

(実施例4)
 図9は、3つの磁気センサを用いて磁極位置 出を行う方法を説明する図である。本手法 用いた場合、磁気センサの位置に関する制 が無いため、3以上の磁気センサを用いて磁 位置検出を行うことができる。

[規則91に基づく訂正 14.11.2008]
 例えば、図9に示すように、第3の磁気セン 13を追加し、磁気センサ11,12を間隔L1=2.5mmの 置に配置し、磁気センサ12,13を間隔L2=2.5mmの 置に配置する。磁極位置の検出は、3つの磁 気センサの組み合わせで行う。

 すなわち、磁気センサ11と磁気センサ12とを 用いて磁極位置θ12を計算し、磁気センサ11と 磁気センサ13とを用いて磁極位置θ13を計算し 、磁気センサ12と磁気センサ13とを用いて磁 位置θ23計算し、磁極位置θを、
  θ=(θ12+θ13+θ23)/3
と算出する。

 このように、例えば、3つの磁気センサを 組み合わせて用いることができるので、ノイ ズなどによる影響を緩和し、検出精度を上げ ることができる。また、3つの磁気センサの ち1つが故障した場合でも残りの2つによって 磁極位置検出が行えるので、磁極検出装置の 信頼性を上げることができる。

 以上説明したように、この実施の形態に れば、2つの磁気センサの配置間隔と磁極ピ ッチ(回転モータでは極数)との関係を規定す 式(3)によって算出した位相差φを補正係数 して、2つのセンサ出力の各値を補正するよ にしたので、磁極ピッチ(回転モータでは極 数)と磁気センサの配置間隔との間に制約の い磁極位置検出装置を実現することができ 。

 また、磁極位置検出装置は、2つのセンサ 出力と、補正係数である位相差φとを入力と て磁極位置θを演算検出する構成として、 相差φの正弦値が1≫δ>0の範囲内に定めた 定閾値δよりも大きい場合は、式(5)によっ 磁極位置θを演算検出し、位相差φの正弦sin が判定閾値δよりも小さい場合は、式(6)によ って磁極位置θを演算検出するように、位相 φの正弦値の大きさに応じて適切に切り換 る構成としたので、2つの磁気センサの任意 配置間隔において磁極位置を検出すること できる。

 したがって、2つの磁気センサの取り付け に誤差があり実際の配置間隔が理論値からず れている場合でも、計測した実際の配置間隔 を、或いは、磁極位置誤差波形の振幅値から 取り付け誤差を見出して推定した実際の配置 間隔を式(3)に適用して算出した補正係数φを いることで、取り付け誤差を取り除くこと できる。従来のような面倒な補正処理はし いで済むようになる。

 また、従来のような磁極ピッチ(回転モー タでは極数)による制約がなくなり、2つの磁 センサは、任意の間隔で自由に配置できる したがって、リニアモータに搭載する用途 磁極位置検出装置では、装置の小型化が可 となり、また、磁極ピッチが異なるリニア ータ間での共用化が可能になる。

 加えて、磁気センサの配置の自由度が上 ることから、リニアモータに搭載する用途 磁極位置検出装置では、3以上の磁気センサ を搭載することが容易となり、磁気センサに 冗長性を持たせることができる。これによっ て、検出精度を向上させたり、信頼性を向上 させたりすることができるようになる。

 以上のように、この発明にかかる磁極位 検出装置は、2つの磁気センサを任意の間隔 で配置しても磁極位置を正しく取得できる磁 極位置検出装置として有用であり、特に、リ ニアモータに搭載する用途に適している。




 
Previous Patent: ELECTRIC VEHICLE

Next Patent: ACCELERATION SENSOR