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Title:
METHOD FOR BREAKING DOWN UREA COMPOUNDS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/130842
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method for breaking down polyurea without adding a hydrolysis promoter such as alkali to the by-product urea residue obtained when producing isocyanate, material which has only been treated as waste in the past. Reusable polyamine can be recovered and there is no problem with corrosion of the reaction apparatus. The urea compound is broken down by hydrolysis in carbon dioxide in the super-critical state or the sub-critical state. The pressure during hydrolysis is preferably from 5 to 10 MPa and the water/reaction vessel volume ratio is preferably from 10/100 to 30/100.

Inventors:
FURUKAWA MUTSUHISA (JP)
KOSHIO KEN (JP)
MOTOKUCHO TAKU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/001132
Publication Date:
October 29, 2009
Filing Date:
March 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON POLYURETHANE KOGYO KK (JP)
FURUKAWA MUTSUHISA (JP)
KOSHIO KEN (JP)
MOTOKUCHO TAKU (JP)
International Classes:
C08J11/14; B01J3/00
Foreign References:
JPH10279539A1998-10-20
JP2007022926A2007-02-01
JP2007146080A2007-06-14
JP2002212334A2002-07-31
JP2003082157A2003-03-19
JP2002348373A2002-12-04
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Claims:
 ウレア化合物を超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素中、液体または気体状態の水を用いて加水分解して、対応するアミンを回収することを特徴とする、ウレア化合物の分解処理方法。
 加水分解時の圧力が5~10MPaであることを特徴とする、請求項1記載のウレア化合物の分解処理方法。
 水と反応容器との容積比が、水/反応容器=10/100~30/100であることを特徴とする、請求項1又は2記載のウレア化合物の分解処理方法。
 回収されるアミンが、ジフェニルメタンジアミンであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のウレア化合物の分解処理方法。
Description:
ウレア化合物の分解処理方法

 本発明は、超臨界状態又は亜臨界状態の 酸化炭素中でポリウレアを加水分解して対 するアミンを回収する、ウレア化合物の分 処理方法に関する。

 ポリウレタンは、ポリイソシアネートと リオールとの重付加反応により合成される 分子材料である。ポリウレタンは、配合、 方、成形方法等により、種々の物性を付与 ることが可能である。このため、フォーム エラストマー、塗料、接着剤等多種多様に 用されている。

 ポリウレタンの原料であるイソシアネー は、対応するアミンをホスゲンと反応させ ことにより得られているが、この際の副生 物として、ウレア残さが生成する。この残 は、常温下で固化するタール状の物質であ 、ハンドリングが難しいため、従来はもっ ら焼却処理される廃棄物であった。

 この残さを分解・回収する方法として、 臨界状態又は亜臨界状態の水を用いてウレ 残さを処理する方法が特許文献1に提案され ている。

特開2000-136264号公報

 しかしながら、特許文献1の方法では、超 臨界状態又は亜臨界状態の水とするためには 、高温(臨界温度=374℃)・高圧(臨界圧力=22.1MPa )のという過酷な条件が必要であるため、重 な設備を必要とする。また超臨界状態又は 臨界状態の水は、金属腐食の問題を内包し おり、反応容器他の装置の維持管理が煩雑 なる。

 本発明の目的は、これまで廃棄処分する かなかったイソシアネート製造時に副生す ウレア残さに、アルカリ等の加水分解促進 を添加することなく、再利用可能なポリア ンを回収でき、また、反応装置の腐食性の 題を起こすことのないウレア化合物の分解 理方法を提供することにある。

そこで本発明者らは上記課題を解決するべ く鋭意検討した結果、イソシアネート製造時 に副生するウレア残さを、超臨界状態又は亜 臨界状態の二酸化炭素中にて、加水分解させ ることにより、ポリアミンの効率的な回収、 及びそのための好適条件を見い出し、本発明 を完成するに至った。すなわち本発明は、以 下の(1)~(3)に示されるものである。

(1) ウレア化合物を超臨界状態又は亜臨界 態の二酸化炭素中、液体または気体状態の を用いて加水分解して、対応するアミンを 収することを特徴とする、ウレア化合物の 解処理方法。

(2) 加水分解時の圧力が5~10MPaであることを 特徴とする、前記(1)のウレア化合物の分解処 理方法。

(3) 水と反応容器との容積比が、水/反応容 器=10/100~30/100であることを特徴とする、前記( 1)、(2)のウレア化合物の分解処理方法。

(4) 回収されるアミンが、ジフェニルメタ ジアミンであることを特徴とする、前記(1)~ (3)のいずれかのウレア化合物の分解処理方法 。

 本発明の方法によれば、従来産業廃棄物 して処分されていたイソシアネートの残さ アルカリ等の添加剤を使うことなく、残さ 対応するアミンに効率よく変換することが 能となった。

 本発明において、ウレア化合物とは、-NH- CO-NH-なる基(ウレア基)を有する化合物であれ 特に制限はなく、また前記ウレア基の一部 ビウレット基となっているものも含む。具 的なウレア化合物は、主にイソシアネート 造時に副生する残さとして生成するもので る。また残さとは、下記モノイソシアネー 、ジイソシアネート等の少なくとも一つの- NCO基を有する化合物の製造時に発生する残さ を意味する。

 モノイソシアネートとしては、例えば一 式R-NCO(Rは脂肪族基又は芳香族基)で示され 脂肪族モノイソシアネート、芳香族モノイ シアネート等が挙げられる。

 脂肪族モノイソシアネートの具体例とし は、メチルイソシアネート、n-ブチルイソ アネート等を挙げることができる。又芳香 モノイソシアネートの具体例としてはフェ ルイソシアネート等を挙げることができる

 ジイソシアネートとしては一般式OCN-R-NCO( Rは上記の基又は脂環基)で示される脂肪族ジ ソシアネート、芳香族ジイソシアネート、 環式ジイソシアネート等が挙げられる。

 脂肪族ジイソシアネートの具体例として ヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げ ことができる。芳香族ジイソシアネートと ては、キシリレンジイソシアネート、トリ ンジイソシアネート、ナフチレンジイソシ ネート、ジフェニルメタンジイソシアネー 等を挙げることができる。脂環式ジイソシ ネートとしては、イソホロンジイソシアネ ト、ノルボルネンジイソシアネート等を挙 ることができる。上記イソシアネート以外 例えばトリイソシアネート等の3以上の-NCO を有するイソシアネート化合物の製造時に 生する残さをも用いることができる。本発 の分解に用いられるウレア化合物としては ソシアネート製造時に副生する残さであれ いずれの工程で発生したものでもよい。具 的には、アミン製造工程、アミンとホスゲ の反応工程、イソシアネート精製工程又は ソシアネートを回収する工程等のいずれか 副生する残さである。これら残さは各工程 おいては溶融、溶解していてもよい。なお 発明に適用できる残さとしてはホスゲンを いて製造されるイソシアネートには限定さ ず、非ホスゲン法で製造する場合それらの 工程のいずれかの工程で副生する残さをも 解することができることは言うまでもない

 残さとしてはいずれを用いても良いが通 、各工程で発生した残さを固液分離工程、 留工程等により液状成分と分離した後に用 られる。イソシアネートの精製工程を経た のが好ましい。特に蒸留によってイソシア ートを精製する場合はその蒸留残さ(即ちイ ソシアネートの精製蒸留工程)が好ましく、 れらの蒸留残さから揮発成分を実質的に含 しないまでに回収したものが特に好ましい

 これらイソシアネート製造時に副生する残 は主としてアミン、イソシアネート等の熱 縮合物からなる混合物である。熱重縮合物 例えばウレア(ウレタン)、ビウレット、カ ボジイミド、イソシアヌレート等の基又は を有している。特にこれらの基又は環を
複数有する複雑な構造を有する化合物が多く 含有されている。

 上記の残さのようなウレア化合物は、超 界又は亜臨界状態の二酸化炭素中で、対応 るアミンに加水分解される。加水分解時の 力は、分解効率の点から5~10MPaであることが 好ましい。また、加水分解時の温度は170℃以 上374℃未満が好ましく、特に180~250℃が好ま い。

 加水分解の際の水と反応容器との容積比 、分解効率の点から水/反応容器=10/100~30/100 あることが好ましい。水の量が少なすぎる 合は、ウレア化合物への水の拡散が不十分 なり、水が多すぎる場合は二酸化炭素の拡 が不十分になると思われる。

 また、ウレア化合物と水の質量比は、水/ ウレア化合物=20/1~160/1が好ましく、特に40/1~80 /1が特に好ましい。水の量が少なすぎる場合 、ウレア化合物への水の拡散が不十分とな 、水が多すぎる場合は二酸化炭素の拡散が 十分になると思われる。

 ウレア化合物の分解時間は、特に制限さ ないが、所定温度に達した後、1分~300分、 ましくは1分~150分の範囲で行う。

 水と、ウレア化合物の混合加熱は、以下の ずれの方法によってもよいが、3)が好まし 。
1)水とウレア化合物とを予め所定の温度にし おいて混合する。
2)水を、ウレア化合物と混合したときに所定 度になるように加熱しておき、加熱された とウレア化合物とを混合することにより分 温度とする。
3)水とウレア化合物を予めスラリー調製ドラ 等において所定濃度になるように混合して ラリーを調製した後、分解温度まで加熱す 。

 このようにしてウレア化合物を分解して られた水溶液中には、イソシアネートに対 するアミンが主成分として含まれているこ は言うまでもなく、対応するアミンを通常 蒸留や抽出等の方法によって容易に回収す ことができる。回収されたアミンは、必要 よりさらに精製されたのち、イソシアネー 製造工程に原料として循環され、ホスゲン 反応させられる。

 アミンが分離された水溶液中には二酸化 素を主成分とする軽沸点成分が溶解してい が、これをスチームストリッピング等を実 することにより除去したのち、あるいは除 することなく、加水分解用の水として循環 用することもできる。あるいは、通常の廃 処理をしたのち排水することもできる。

 イソシアネート製造時の蒸留残さとは、 ソシアネートの製造設備のいずれかの工程 おいて蒸留することによって発生した蒸留 さであればいずれでもよい。通常、主にア ン製造工程又はアミンとカルボニル源例え ホスゲンとを反応する工程で得られた反応 を蒸留することにより生じる。

 この蒸留残さの副生量はその製造方法に って異なるが、一般的には精製蒸留塔の塔 部から抜き出されるイソシアネートに対し 約10wt%程度の量である。この蒸留残さは通 液状であり、揮発成分を数10%、例えば10~50wt% 含有している。

 本発明において、上記蒸留残さから揮発成 を実質的に含有しない状態までに回収する 置としては薄膜蒸発器、ニーダー等攪拌及 加熱手段を有する装置等通常の揮発回収工 において用いられるものが挙げられる。こ らの中で特にピストンフロー性を有する二
相流型蒸発装置を用いることが好ましい。

 ピストンフロー性を有する蒸発装置とは 装置の上流から下流への一定方向に向かっ 被蒸発体が流れる設備のことを意味する。 相流型蒸発装置とは、少なくとも気液、気 のいずれかの二相の流れを有する蒸発装置 あり、気液固の三相が共存してもよい。

 これらの代表例としてはニーダーや二重 型熱交換器等が挙げられる。これらのなか も波状流、スラグ流、環状流、噴霧流の少 くともいずれか一つの流動状態を形成する 型蒸発装置が特に好ましい。前記流動状態 蒸発装置内部で発生する気体により形成さ る装置が最も好ましく、例えば二重管型熱 換器等が好適に用いられる。

 以下実施例により本発明を更に詳細に説 するが、下記実施例は本発明を何等制限す ものではない。

〔ウレア化合物の合成〕
 メカニカルスターラーをつけたセパラブル ラスコ中で、4,4″-ジフェニルメタンジイソ シアネート(MDI)を68.7gをジメチルホルムアミ (DMF)40mlに溶解させた。MDIのDMF溶液を撹拌し がら、蒸留水5.0g/DMF80mlの混合液を、滴下ロ トを用いて、室温にて30分かけてMDIのDMF溶液 に加えた。その後、80℃のオイルバスにて18 間、撹拌しながら加熱混合を続けた。加熱 、反応液は乳濁した沈殿物を生じた。これ 濾過し、濾物をアセトンとメタノールにて 回洗浄した後、減圧乾燥して、白色粉末状 ウレア化合物を得た。このウレア化合物は DMF、ジメチルスホキシド(DMSO)、メタノール クロロホルムには溶解しなかった。

〔ウレア化合物の分解〕
実施例1~12、比較例1
 マグネットスターラーを入れた容量:200mlの テンレス製オートクレーブに、前記ウレア 合物0.5g及び所定量の水(比較例1は不使用)を 仕込み、容器内を空気を二酸化炭素で置換し た。その後、オートクレーブに液化炭酸ガス を仕込み、バンドヒーターを取り付けて1時 加熱し、所定の内圧及び温度に達したとこ で、所定の時間撹拌した。その後、氷浴に ートクレーブを浸けて、すばやく冷却した 、常圧に戻し、反応混合物をメタノールで 過して、メタノールへの可溶物と不溶物に けて回収した。実施例の結果(Run1:実施例1、 Run12:実施例12)を表1に示す。不溶物(濾物)をF T-IR測定したところ(図1)、分解前のウレア化 物のチャートと大きな差は見られなかった また、可溶物を  1 H-NMR測定したところ(図2)、当該物質は4,4″-ジ フェニルメタンジアミンと同定できた。

FT-IR測定条件
機器  :FTS3000型FT-IR測定装置(Bio-Rad社製)
測定法 :KBr法
検出器 :MCT
測定範囲:400~4000cm -1
感度  :2
分解能 :4cm -1
積算回数:32回
1 H-NMR測定条件
 溶媒  :CDCl 3
測定装置:超伝導多核種磁気共鳴装置JNM-GC400( 本電子社製)
 積算回数:8回

 表1に示されている温度と圧力は、水の臨 界条件(374℃、22.1MPa)に達していないので、水 は超臨界状態にはなっていないと判断できる 。実施例1~12の全てでウレア化合物の加水分 が確認できた。しかし比較例では、ウレア 合物の分解はされていない結果になった。

 実施例1~4について、縦軸に分解率、横軸 水添加量としたグラフを図3に示す。図3か 、実施例3が最良(分解率100%)となった。これ 、水の量が少ない場合はウレア化合物の水 の拡散レベルが低く、水が多いとウレア化 物の二酸化炭素への拡散レベルが低いと考 られる。この結果から、水と反応容器の好 容積比は、水/反応容器=10/100~30/100、最適容 比は水/反応容器=15/100~25/100であると言える

 実施例5~9について、縦軸に分解率、横軸 圧力としたグラフを図4に示す。図4から、 施例6~8が最良(分解率100%)となった。温度が 定のもとでは、二酸化炭素の圧力が大きい ど二酸化炭素の密度は高くなる。低圧では 酸化炭素の拡散レベルが低く、高圧では水 拡散レベルが低いと考えられる。この結果 ら、内部圧力の最適範囲は、5~10MPaであるこ が分かった。

実施例1における、分解前のウレア化合 物及び分解後の濾物のFT-IRチャートである。 メタノール可溶物の 1 H-NMRチャートである。 圧力一定下、水添加量を変化させたと のウレア化合物の分解結果である。 温度一定下、圧力を変化させたときの レア化合物の分解結果である。

符号の説明

1:分解前のウレア化合物のFT-IRチャートであ 。
2:分解後の濾物のFT-IRチャートである。