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Title:
METHOD FOR CONTROLLING EXHAUST EMISSION CONTROL SYSTEM AND EXHAUST EMISSION CONTROL SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084349
Kind Code:
A1
Abstract:
A differential pressure increase rate Vpi is calculated by multiplying a deposition amount increase rate Vai calculated from the engine operating condition Ne,Q by a first coefficient K1, a deposition amount decrease rate Vad is calculated by multiplying a differential pressure decrease rate Vpd calculated from a filter temperature index temperature Ti by a second coefficient K2, a differential pressure estimate ΔPe is calculated by integrating a difference between the differential pressure increase rate Vpi and the differential pressure decrease rate Vpd, and an estimated deposition amount Ae is calculated by integrating a difference between the deposition amount increase rate Vai and the deposition amount decrease rate Vad. Thus, in an exhaust emission control system including a DPF, the deposition amount of PMs during deposition of PMs and during regeneration control can be accurately estimated, thereby reducing the fuel consumption for regenerating the DPF and preventing a breakage of the filter caused by excessive deposition of PMs.

Inventors:
TSUKAMOTO NORIYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071493
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
November 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ISUZU MOTORS LTD (JP)
TSUKAMOTO NORIYUKI (JP)
International Classes:
F01N3/02; B01D46/42
Foreign References:
JP2005307880A2005-11-04
JP2004286019A2004-10-14
JP2004301006A2004-10-28
JP2007170194A2007-07-05
JP2005054632A2005-03-03
Attorney, Agent or Firm:
OGAWA, Shin-ichi et al. (37 Kowa Building 4-5, Tsukiji 1-chome, Chuo-k, Tokyo 45, JP)
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Claims:
 内燃機関の排気ガス中の微粒子状物質を浄化するディーゼルパティキュレートフィルタを内燃機関の排気通路に備え、このディーゼルパティキュレートフィルタの再生の開始を判定する場合に、微粒子状物質の堆積推定量を算出し、この堆積推定量が再生開始用閾値を超えたときに、再生開始と判定する排気ガス浄化システムの制御方法において、
 エンジン運転状態に基づいて算出した堆積量増加速度に、第1係数を乗じて差圧増加速度を算出し、
 フィルタ温度指標温度に基づいて算出した差圧減少速度に、第2係数を乗じて堆積量減少速度を算出し、
 前記差圧増加速度と前記差圧減少速度の差を積算して、差圧推定値を算出すると共に、前記堆積量増加速度と前記堆積量減少速度の差を積算して、前記堆積推定量を算出することを特徴とする排気ガス浄化システムの制御方法。
 前記第1係数と前記第2係数を前記差圧推定値に従って変化させることを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化システムの制御方法。
 前記堆積量増加速度を、フィルタ温度指標温度が所定の温度閾値以上のときにゼロとすることを特徴とする請求項1又は2記載の排気ガス浄化システムの制御方法。
 内燃機関の排気ガス中の微粒子状物質を浄化するディーゼルパティキュレートフィルタを内燃機関の排気通路に備えると共に、このディーゼルパティキュレートフィルタの再生のための制御を行う再生制御装置を備え、この再生制御装置が、再生制御の開始を判定する場合に、微粒子状物質の堆積推定量を算出し、この堆積推定量が再生開始用閾値を超えたときに、再生開始と判定する排気ガス浄化システムにおいて、
 前記再生制御装置が、
 エンジン運転状態に基づいて算出した堆積量増加速度に、第1係数を乗じて差圧増加速度を算出し、
 フィルタ温度指標温度に基づいて算出した差圧減少速度に、第2係数を乗じて堆積量減少速度を算出し、
 前記差圧増加速度と前記差圧減少速度の差を積算して、差圧推定値を算出すると共に、前記堆積量増加速度と前記堆積量減少速度の差を積算して、前記堆積推定量を算出することを特徴とする排気ガス浄化システム。
 前記再生制御装置が、前記第1係数と前記第2係数を前記差圧推定値に従って変化させることを特徴とする請求項4記載の排気ガス浄化システム。
 前記再生制御装置が、前記堆積量増加速度を、フィルタ温度指標温度が所定の温度閾値以上のときにゼロとすることを特徴とする請求項4又は5記載の排気ガス浄化システム。
Description:
排気ガス浄化システムの制御方 及び排気ガス浄化システム

 本発明は、内燃機関の排気ガス中の微粒 状物質(PM)を浄化するディーゼルパティキュ レートフィルタ(DPF)の再生の開始を判定する 合に、PMの堆積推定量を算出し、この堆積 定量が再生開始用閾値を超えたときに、再 開始と判定する排気ガス浄化システムの制 方法及び排気ガス浄化システムに関する。

 車両搭載の内燃機関の排気通路に設けた ィーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)の 生の要否の判断に際しては、図8に示すよう 、DPFの前後の差圧や車両の走行距離を使用 ている。PM堆積量が増加すると、それに伴 てDPF前後差圧aが上昇する。そのため、このD PF前後差圧aが所定のDPF再生要求用差圧閾値b 超えたときに、フィルタをPMの燃焼温度以上 に上昇させる再生制御が必要であると判断し たり、あるいは、車両の走行距離cが所定のDP F再生要求用走行距離閾値dを超えたときに、 生制御が必要であると判断する。この判断 基づいて、再生方法を決定した後に、DPF再 要求を出力している。また、再生制御の終 の判断に際しては、再生制御のDPF再生時間e が所定のDPF再生終了用時間閾値fを超えた場 に、再生終了と判断し、DPF再生終了を出力 ている。

 例えば、日本の特開2006-316733号公報に記 された内燃機関の排ガス浄化装置では、エ ジン回転数と燃料噴射量とからPM排出量マッ プを参照して求めたPMの排出量と、燃焼するP Mの再生量との差を、積算して求めたPM堆積量 が、所定の第1しきい値に達したときに、フ ルタの再生を行う。また、内燃機関の回転 を所定の回転数に上昇させたときの差圧を 測して、この計測差圧値から推定したPM堆積 量が、所定の第2しきい値以上のときには、PM が過剰に堆積しているとして、再生を禁止し ている。この排ガス浄化装置では、内燃機関 の回転数を増加させて排ガス量を増加し、排 圧及び差圧を大きくすることで、計測差圧値 に基づくPMの堆積量の推定精度を上げている

 しかしながら、これらの従来技術におい は、PM堆積量の増減とDPF前後の差圧の増減 の相関関係は高いとの考えに基づいている しかし、本発明者らの実験結果によれば、 験結果をモデル化した図6に示すように、PM 堆積量が増加する時(実線)とDPFの再生処理に よってPMの堆積量が減少する時(点線)とでは PM堆積量とDPF前後差圧の関係にヒステリシス があり、1対1対応では無いことが見出された つまり、両者の直接の相関関係は低い傾向 あることが分かった。

 この結果によると、DPF前後の計測差圧値 らPM堆積量を推定して、再生制御を開始す 制御を行う場合には、次のような場合が発 する恐れがある。一つは、計測差圧値が高 にも拘らず、実際のPM堆積量が少ないという 場合であり、もう一つは、計測差圧値が低い にも拘らず、実際のPM堆積量が多いという場 である。このような事態が生じると、無用 再生制御の頻度が増えたり、PMの過捕集が じる。その結果、過捕集の後では、再生時 熱暴走によるフィルタの破損が生じたりす 。

 また、PM堆積量の推定精度が悪い状態に いて、このPM堆積推定量を用いた再生制御の 終了の判断を行う場合は、終了判定が早いと きには、PM燃焼が未完了の状態で再生終了す 。そのため、排気圧力の増加による燃費の 化の問題が発生する。また、終了判定が遅 ときには、PMの燃焼の完了後も再生制御が 続する。そのため、この無用な再生制御に る燃費の悪化の問題が発生する。

 これに関連して、例えば、日本の特開2007 -16684号公報に、DPFの再生処理でも燃焼できず に残るアッシュの堆積量の推定値に基づいて 、フィルタの有効容積の変化を判定し、この 判定結果とフィルタの前後差圧の検出値とか らPMの堆積を推定するパティキュレート堆積 推定装置が提案されている。

 このパティキュレート堆積量推定装置で 、PMの堆積量が増大変化するときの堆積量 対する差圧の変化と、堆積量が減少すると の差圧の変化とが同一軌跡を辿らないとい 考えのもとで、差圧と堆積量のヒステリシ 特性を実験的に求めて、増大変化時と減少 化時で差圧分をPM堆積量に変換する特性を切 り換える。これにより、推定精度を高めよう としている。この装置では、差圧と堆積量の ヒステリシス特性として、閉ループのヒステ リシスを考えているために、単に特性の切り 換えで対応している。

 しかしながら、DPFの再生では、その時の内 機関の運転状態の影響を受けるために、い も同じPM堆積状態になってから再生を開始 きるとは限らない。また、同じPM堆積状態に なるまで再生を継続できるとは限らない。そ のため、必ずしも、同じヒステリシスの閉ル ープ内を移動しない。従って、閉ループを考 慮した差圧とPM堆積量との対応関係を用いて 、精度よくPMの堆積量を推定することは難 い。更に、DPFの製品の個体差によっても、 圧とPM堆積量との関係にはバラツキがあるた め、差圧計測値からPM堆積量を推定する場合 は誤差が大きくなるという問題がある。

日本の特開2006-316733号公報

日本の特開2007-16684号公報

  本発明は、上記の状況を鑑みてなされ ものであり、その目的は、DPFを備え、PMの堆 積量の推定値が所定の再生開始用閾値を超え たときに再生制御を開始する排気ガス浄化シ ステムの制御方法及び排気ガス浄化システム において、PMの堆積中と再生制御中におけるP Mの堆積量を精度よく推定できて、DPF再生の めの燃料消費量の抑制とPMの過剰堆積に起因 するフィルタの破損の防止を図ることができ る排気ガス浄化システムの制御方法及び排気 ガス浄化システムを提供することにある。

 上記のような目的を達成するための排気 ス浄化システムの制御方法は、内燃機関の 気ガス中の微粒子状物質(PM)を浄化するディ ーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)を内燃 関の排気通路に備え、このディーゼルパテ キュレートフィルタの再生の開始を判定す 場合に、微粒子状物質の堆積推定量を算出 、この堆積推定量が再生開始用閾値を超え ときに、再生開始と判定する排気ガス浄化 ステムの制御方法において、エンジン運転 態に基づいて算出した堆積量増加速度に、 1係数を乗じて差圧増加速度を算出し、フィ ルタ温度指標温度に基づいて算出した差圧減 少速度に、第2係数を乗じて堆積量減少速度 算出し、前記差圧増加速度と前記差圧減少 度の差を積算して、差圧推定値を算出する 共に、前記堆積量増加速度と前記堆積量減 速度の差を積算して、前記堆積推定量を算 することを特徴とする方法である。

 この方法では、差圧とPMの堆積量との直 の関係ではなく、差圧増加速度と堆積量増 速度の関係と、差圧減少速度と堆積量減少 度との関係を用いて、PMの堆積推定量を算出 する。これらの両速度間の関係は、予め、実 験などによって求めておき、再生制御装置に 入力しておく。また、エンジン運転状態は、 通常は主としてエンジン回転数と燃料噴射量 (又は、この燃料噴射量に直接関係する負荷) 表される。

 この方法によれば、差圧センサ等で実測 れる差圧計測値を用いることなく、差圧推 値を媒介にして、PMの堆積推定量を算出す ので、差圧とPMの堆積量との関係を精度よく 把握できなくても、PMの堆積量を高精度で推 できる。従って、不要なDPF再生制御の頻度 減少することができて、再生のための燃料 費量を減少することができる。これにより 燃費の悪化を抑制することができる。また PMの過捕集を回避して熱暴走によるDPFの溶 を防止できる。

 また、エンジン回転数と燃料噴射量とフ ルタ温度指標温度の3つのパラメータでPMの 積推定量を算出するので、算出方法がシン ルな構成となる。そのため、再生制御装置 おける計算負荷が軽くなる。その上、差圧 測値を用いずに堆積推定量を算出するので 差圧センサが不要になる。これにより、シ テムが単純化する。また、差圧センサ分の ストも低減できる。

 上記の排気ガス浄化システムの制御方法 おいて、前記第1係数と前記第2係数を前記 圧推定値に従って変化させると、差圧増加 度と堆積量増加速度の関係と、差圧減少速 と堆積量減少速度との関係をより精密に表 できる。これにより、PMの堆積量をより精度 よく推定できるようになる。

 上記の排気ガス浄化システムの制御方法 おいて、前記堆積量増加速度を、フィルタ 度指標温度が所定の温度閾値以上のときに ロとする。この所定の温度閾値としては、 の温度より低い温度では、PMは堆積するが この温度を超えるとPMは燃焼して、堆積しな くなるという温度、所謂バランスポイント温 度を採用する。

 このフィルタ温度指標温度は、DPF(フィル タ)の温度を表すための温度であり、DPFの内 で測定した温度を用いることが望ましい。 かし、実際には内部温度の測定が難しいの 、DPFに流入する排気ガスの温度で代用した 、DPFから流出する排気ガスの温度で代用し り、両者の温度の平均温度で代用したりす 。

 また、上記のような目的を達成するため 排気ガス浄化システムは、内燃機関の排気 ス中の微粒子状物質(PM)を浄化するディーゼ ルパティキュレートフィルタ(DPF)を内燃機関 排気通路に備えると共に、このディーゼル ティキュレートフィルタの再生のための制 を行う再生制御装置を備え、この再生制御 置が、再生制御の開始を判定する場合に、 粒子状物質の堆積推定量を算出し、この堆 推定量が再生開始用閾値を超えたときに、 生開始と判定する排気ガス浄化システムに いて、前記再生制御装置が、エンジン運転 態に基づいて算出した堆積量増加速度に、 1係数を乗じて差圧増加速度を算出し、フィ ルタ温度指標温度に基づいて算出した差圧減 少速度に、第2係数を乗じて堆積量減少速度 算出し、前記差圧増加速度と前記差圧減少 度の差を積算して、差圧推定値を算出する 共に、前記堆積量増加速度と前記堆積量減 速度の差を積算して、前記堆積推定量を算 するように構成される。

 この排気ガス浄化システムでは、PM堆積 とDPF再生制御中におけるPM堆積量の増減速度 とDPF前後差圧の増減速度との関係を考慮した PMの堆積量の推定計算を行い、PMの堆積推定 が再生開始用閾値を超えたときにDPFの再生 御が必要であると判定する。

 このシステムによれば、実測される差圧 測値を用いることなく、差圧推定値を媒介 して、微粒子状物質(PM)の堆積推定量を算出 する。そのため、差圧計測値とPMの堆積量と 関係が正確に把握できなくても、正確にPM 堆積量を推定できる。

 上記の排気ガス浄化システムにおいて、 に、前記再生制御装置が、前記第1係数と前 記第2係数を前記差圧推定値に従って変化さ るように構成したり、前記堆積量増加速度 、フィルタ温度指標温度が所定の温度閾値 上のときにゼロとするように構成したりす 。これらにより、PMの堆積量をより精度よく 推定できるようになる。

 本発明に係る排気ガス浄化システムの制 方法及び排気ガス浄化システムによれば、 測される差圧計測値を用いることなく、堆 速度と差圧変化速度との関係がPM堆積時とDP F再生時とで異なることを考慮して、差圧推 値を媒介にして、PMの堆積推定量を算出する 。そのため、差圧計測値とPMの堆積量との直 の関係が正確に把握できなくても、PMの堆 量を精度よく推定できる。

 従って、不要なDPF再生制御の頻度を減少 ることができて、再生のための燃料消費量 減少することができる。その結果、燃費の 化を抑制することができる。また、PMの過 集を回避して熱暴走によるDPFの溶損を防止 きる。

図1は本発明に係る実施の形態の排気ガ ス浄化システムの構成を示す図である。 図2は本発明に係るPMの堆積推定量の算 用フローの一例を示す図である。 図3は本発明に係るPMの堆積推定量の算 用回路を示す図である。 図4は本発明に係るDPFの再生制御用フロ ーの一例を示す図である。 図5は本発明に係るDPFの再生制御用回路 を示す図である。 図6は本発明に係るPMの堆積推定量の算 方法の説明のための、DPF前後差圧とPM堆積 との関係を模式的に示す図である。 図7は本発明に係るPMの堆積推定量の計 シミュレーションの結果を示す図である。 図8は従来技術におけるDPFの再生制御用 回路を示す図である。

符号の説明

   1  排気ガス浄化システム
   2  エンジン(内燃機関)
   3  排気通路
  10  排気ガス処理装置
  10a DPF(フィルタ)
  11  排気ガス温度センサ
  20  制御装置(ECM)
  21  再生制御装置
   Ae  堆積推定量
   Ac1 再生開始用閾値
   Ac2 再生終了用閾値
   C1  補正係数
   K1  第1係数
   K2  第2係数
   Ne  エンジン回転数
   M1  第1マップデータ(堆積量増加速度算 用マップ)
   M2  第2マップデータ(補正係数用マップ)
   M3  第3マップデータ(差圧減少速度算出 マップ)
   Q   燃料噴射量
   Tb  バランスポイント温度
   Ti  フィルタ入口温度
   Vai 堆積量増加速度
   Vai0 基本堆積量増加速度
   Vad 堆積量減少速度
   Vpi 差圧増加速度
   Vpd 差圧減少速度
   δP  差圧
   δPe 差圧推定値

 以下、本発明に係る実施の形態の排気ガ 浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化 ステムについて、図面を参照しながら説明 る。

 図1に、本発明の実施の形態の排気ガス浄 化システム1の構成を示す。この排気ガス浄 システム1は、エンジン(E)2の排気通路3に、 気ガス中の微粒子状物質(以下PM)を捕集する ィーゼルパティキュレートフィルタ(以下、 DPF)10aを有する排気ガス処理装置10を設けて構 成される。この排気ガス処理装置10には、DPF1 0aの他に、上流側酸化触媒やNOx浄化触媒や下 側酸化触媒等を配設する場合もある。

 このDPF10aは、多孔質のセラミックのハニ ムのチャンネル(排気ガス通路)の入口と出 を交互に目封じしたモノリスハニカム型ウ ールフロータイプのフィルタ等で形成され 必要に応じて、このフィルタの部分に白金 酸化セリウム等の触媒が担持される。排気 ス中のPMは、このフィルタの多孔質セラミッ クの壁で捕集される。

 このDPF10aの上流側に、排気ガス温度セン 11を設けて、DPF10aに流入するフィルタ入口 気ガス温度Tiを測定する。この測定値TiをDPF1 0aの温度を示すフィルタ温度指標温度として 用する。このフィルタ温度指標温度は、DPF1 0aの温度を代表する温度であり、DPF10aの内部 測定した温度を用いることが望ましい。し し、実際には内部温度の測定が難しいので DPF10aに流入する排気ガスの温度Tiで代用す 。なお、DPF10aから流出する排気ガスの温度 用いてもよく、DPF10aに流入する排気ガスの 度TiとDPF10aから流出する排気ガスの温度の平 均を用いてもよい。

 このフィルタ温度指標温度としてのフィ タ入口排気ガス温度Tiは、DPF10aの再生制御 行う再生制御装置21に入力される。本発明で は、DPF10aの前後の差圧の計測値を再生制御に 用いないので、DPF10aの前後の差圧を計測する ための差圧センサは設けない。しかし、DPF10a の捕集限界を検出して警告を発生するような 場合等で、差圧センサの検出値を再生開始や 再生終了等とは別の用途で使用する場合には 、その用途に応じて差圧センサを設ける。ま た、エンジンの運転状態等から高い計測精度 で差圧計測値が得られる場合に限って、この 計測精度の高い差圧計測値で、適宜、次に述 べるようにして算出された差圧推定値δPeを 正するようにしてもよい。

 この再生制御装置21は、エンジン2の全体 運転制御を行うECMやECUと呼ばれる制御装置( ECM)20に組み込まれて構成される。この再生制 御装置21は、エンジン2の運転状態を表すエン ジン回転数Ne、燃料噴射量(又は負荷)Q、フィ タ入口排気ガス温度Ti等を入力し、次に述 るようなPMの堆積推定量Aeの算出を行って、 生制御を開始したり、終了したりする。

 この再生制御は、DPF10aの温度をPMの燃焼 度以上に昇温させる制御である。この再生 御では、シリンダ内燃焼噴射制御でマルチ 射(多段遅延噴射)を行ってシリンダから排出 される排気ガスの温度を上昇させたり、ポス ト噴射(後噴射)を行ってシリンダ内では燃焼 ない未燃燃料を排気管内に供給して、この 燃燃料を上流側酸化触媒や、DPF10aに担持し 酸化触媒で酸化して、この酸化熱により排 ガスやDPF10aの温度を上昇させたりする。な 、この再生制御では、排気ガスの温度を効 よく上昇させるために、吸気弁やEGR弁や排 弁等の操作を併用して、排気ガス流量を減 したり、排気ガスの空燃比をリッチ状態や トイキ状態にしたりする。

 次に、この排気ガス浄化システム1の制御 方法で用いる再生制御のためのPMの堆積量の 定方法について、図2のPMの堆積推定量の算 用フローと図3の算定用回路を参照しながら 説明する。この算定用フローは、DPF10aの差圧 推定値δPeを媒介にしてPMの堆積推定量Aeを推 するためのフローであり、差圧推定値δPeと 堆積推定量Aeの簡易推定モデルとなっている なお,このPMの堆積推定量Aeの推定方法では DPF10aの差圧の計測値を使用しない点が大き 特徴となっている。

 この図2の算定用フローは、エンジン2の 転開始と共にスタートする再生制御用のフ ーと並行し実施されるフローとして示して る。この算定用フローがスタートすると、 テップS11で、前回のデータを所定の記憶場 から入力する。このデータとしては、前回 算定用フローの終了時のPMの堆積推定量Ae、 圧推定値δPe等がある。

 次のステップS12の算出用のデータの入力 、エンジン2の運転状態を表すエンジン回転 数Ne、燃料噴射量Q、フィルタ入口排気ガス温 度Tiを入力する。

 次のステップS13で、このエンジン回転数N eと燃料噴射量Qとから、予め用意した第1マッ プデータM1を使用して堆積量増加速度Vaiを算 する。即ち、エンジン運転状態に基づいて 積量増加速度Vaiを算出する。この堆積量増 速度Vaiは、エンジン回転数Neと燃料噴射量Q をベースとする3次元の基本堆積量増加速度 算出用マップデータM1を使用して、基本堆積 増加速度Vai0(=M1(Ne,Q))を求め、これにフィル 入口排気ガス温度Tiをベースとする2次元の 正係数用マップデータM2から求めた補正係 C1(=M2(Ti))を乗じて補正して算出する。つまり 、Vai=Vai0(Ne,Q)×C1(Ti)で算出する。これは、堆 増加速度Vaiを、エンジンの運転状態を表す ンジン回転数Neと燃料噴射量Qとフィルタ入 排気ガス温度Tiとから算出することを意味す る。

 フィルタ温度指標温度であるフィルタ入 排気ガス温度Tiが、バランスポイント温度Tb より高ければ、PMは燃焼して堆積しないとし 、C1=0とし、バランスポイント温度Tb以下で れば、PMは燃焼せず堆積するとして、0<C1 1とする。つまり、堆積量増加速度Vaiを、フ ィルタ入口排気ガス温度Tiが所定の温度閾値T b以上のときにゼロとする。このバランスポ ント温度Tbは、実験的に、フィルタ入口排気 ガス温度Tiを上昇して行ったときに、計測さ る差圧δPの上昇が止まった時の温度Tbから められる。この温度Tbは、上流側酸化触媒や DPFに担持させる触媒等にもよるが、例えば、 360℃前後になる。

 次のステップS14で、この堆積量増加速度V aiに、第1係数K1を乗じて差圧増加速度Vpiを算 する。この第1係数K1を、差圧推定値δPeに従 って変化させる。Vpi=Vai×K1(δPe)となる。この 1係数K1は、例えば、図6に示す例では、差圧 推定値δPeがδP2以下では、K1=a1とし、差圧推 値δPeがδP2より高い場合には、K1=a2とする。 い換えれば、図6の実線部分の傾斜の差を比 例係数K1の変化で取り入れる。

 これは、差圧δP(差圧推定値δPe)に関して 分的な狭い範囲で見れば、差圧増加速度Vpi 堆積増加速度Vaiに比例する。しかし、この 例係数K1は、全体的にみれば、差圧δP(差圧 定値δPe)に依存して変化することを意味す 。

 次のステップS15では、フィルタ入口排気 ス温度(フィルタ温度指標温度)Tiに基づいて 差圧減少速度Vpdを算出する。つまり、フィル タ入口排気ガス温度Tiをベースとする2次元の マップデータ(差圧減少速度算出用マップ)M3 ら、差圧減少速度Vpd(=M3(Ti))を算出する。こ はPMの燃焼速度がフィルタ入口排気ガス温度 Tiに関係することから実験的に導かれている

 次のステップS16では、差圧減少速度Vpdに 第2係数K2を乗じて堆積量減少速度Vadを算出 る。この第2係数K2を差圧推定値δPeに従って 変化させる。Vad=Vpd×K2(δPe)となる。この比例 数K2は、例えば、図6に示す例では、差圧推 値δPeが、δP1以下では、K2=b1とし、δP1より くδP3以下の場合には、K2=b2とし、δP3より高 場合には、K2=b3とする。言い換えれば、図6 点線部分の傾斜の差を比例係数K2の変化で り入れる。

 これは、差圧δPに関して部分的な狭い範 で見れば、堆積減少速度Vadが差圧増加減少 度Vpdに比例する。しかし、この比例係数K2 、全体的にみれば、差圧δPに依存して変化 ることを意味する。

 次のステップS17で、差圧増加速度Vpiと差 減少速度Vpdの差(Vpi-Vpd)を積算して、差圧推 値δPeを算出する。また、ステップS18で、堆 積量増加速度Vaiと堆積量減少速度Vadの差(Vai-V ad)を積算して、堆積推定量Aeを算出する。図2 のδtは、これらの数値の算出のインターバル の時間である。

 ステップS19では、ステップS17とステップS 18で算出した差圧推定値δPeと堆積推定量Aeを 回の値と置き換えて、所定の記憶場所に出 して記憶する。これにより、次回のステッ S11で最初に入力される差圧推定値δPeと堆積 推定量Aeとが置き換えられて最新のデータと る。

 このステップS19が終了すると、ステップS 12に戻り、エンジン2の運転が終了するまで、 繰り返しステップS12~ステップS19を実施する この実施により、差圧推定値δPeと堆積推定 Aeとが最新のデータとなって、記憶場所に 力されることになる。そして、エンジン2の 転が終了すると、この算出用フローに割り みが発生して、再生制御のフローの終了と に終了する。

 なお、上記の第1~第3のマップデータM1,M2,M 3や補正係数C1や第1係数K1、第2係数K2等は、事 前の実験等によって得られたデータを基に、 予め設定し、再生制御装置21に入力されてい 。

 次に、この図2の算出用フローで算出され た堆積推定量Aeを用いて再生制御の開始及び 了を行う再生制御について説明する。この 生制御用フローを図4に示す。また、図5に この再生制御用回路を示す。この再生制御 フローは、エンジン2の運転を全般的に制御 るエンジン制御用のフローと並行し実施さ るフローとして示してある。通常は、エン ン2の運転開始と共に、この再生制御用フロ ーも並行してスタートする。

 この再生制御用フローがスタートすると ステップS21のデータ入力で再生開始用閾値A c1と再生終了用閾値Ac2を入力する。この再生 始用閾値Ac1,再生終了用閾値Ac2は、事前の実 験等によって得られたデータを基に、予め設 定し、再生制御装置21に入力されている。

 次のステップS22の堆積量のチェックでは 算定用フローで堆積推定量Aeを出力した記 場所から堆積推定量Aeを入力し、堆積推定量 Aeが所定の再生開始用閾値Ac1以上か否かを判 する。以上である(YES)ときに、再生開始と 定し、ステップS30の再生制御に行く。また 堆積推定量Aeが所定の再生開始用閾値Ac1より 少ない(NO)の場合は再生開始ではないと判断 て、ステップS23で、所定の時間(再生開始の 定のインターバルに関係する時間)経過させ た後にステップS22に戻る。

 ステップS30のステップS31では、フィルタ 度のフィードバック制御の実行により、フ ルタ昇温及びフィルタ温度を維持する。ス ップS32の条件成立までは、フィルタ温度の ィードバック制御を維持する。

 ステップS32の堆積量のチェックでは、記 場所から堆積推定量Aeを入力して、堆積推 量Aeが所定の再生終了用閾値Ac2以下になった か否かを判定する。堆積推定量Aeが所定の再 終了用閾値Ac2より大きい場合(NO)は再生終了 ではないと判断して、フィルタ温度フィード バック制御を維持する。この堆積推定量Aeが 定の再生終了用閾値Ac2以下になった場合(YES )は、再生終了と判定し、ステップS33の再生 御終了作業に行く。

 このステップS33で再生制御のための燃料 射やEGR制御、吸気絞り制御、排気絞り制御 を元の通常運転用の制御に戻す終了作業が 了すると、ステップS22に戻り、エンジン2の 運転が終了するまで、繰り返しステップS22~ テップS33を実施する。この実施により、堆 推定量Aeの値に応じて再生制御を開始したり 終了したりして、DPF10aのPMを燃焼除去して、D PF10aを再生する。そして、エンジン2の運転が 終了すると、この再生制御フローに割り込み が発生して、リターンし、エンジンの制御フ ローの終了と共に終了する。

 この図2及び図4の制御フローに従った再 制御方法及びこれを含む排気ガス浄化シス ムの制御方法によれば、PM堆積時とDPF再生時 のPM堆積量の増減とDPF前後差圧の増減を考慮 たPM堆積量推定計算を行い、PMの堆積推定量 AeがDPF10aの再生開始用閾値Ac1以上になったと にDPF10aの再生制御が必要であると判断して 生制御を開始し、堆積推定量AeがDPF10aの再 終了用閾値Ac2以下になったときにDPF10aの再 制御は終了と判断して再生制御を終了する

 なお、再生制御でも燃焼除去できないア シュは、DPF10aのフィルタ洗浄を定期的に行 ことにより除去できるので、堆積推定量Ae 算出におけるアッシュの影響もフィルタ洗 で除去できる。

 上記の排気ガス浄化システムの制御方法 び排気ガス浄化システム1では、エンジン( 燃機関)2の排気ガス中のPM(微粒子状物質)を 化するDPF(ディーゼルパティキュレートフィ タ)10aをエンジン2の排気通路3に備え、このD PF10aの再生の開始を判定する場合に、PMの堆 推定量Aeを算出し、この堆積推定量Aeが再生 始用閾値Ac1を超えたときに、再生開始と判 する。

 更に、この排気ガス浄化システム1の制御 方法において、エンジン運転状態Ne,Qに基づ て算出した堆積量増加速度Vaiに、第1係数K1 乗じて差圧増加速度Vpiを算出し、フィルタ 度指標温度Tiに基づいて算出した差圧減少速 度Vpdに、第2係数K2を乗じて堆積量減少速度Vad を算出し、差圧増加速度Vpiと差圧減少速度Vpd の差を積算して、差圧推定値δPeを算出する 共に、堆積量増加速度Vaiと堆積量減少速度Va dの差を積算して、堆積推定量Aeを算出する。 また、第1係数K1と第2係数K2を差圧推定値δPe 従って変化させる。また、堆積量増加速度Va iを、フィルタ温度指標温度Tiが所定の温度閾 値Tb以上のときにゼロとする。

 この排気ガス浄化システムの制御方法及 排気ガス浄化システム1によれば、実測され る差圧計測値を用いることなく、差圧推定値 を媒介にして、PMの堆積推定量を算出するの 、差圧計測値とPMの堆積量との関係が正確 把握できなくても、正確にPMの堆積量を推定 できる。従って、PMの過捕集を回避して熱暴 によるDPF10aの溶損を防止できると共に、不 なDPF再生制御の頻度を減少することができ 。従って、再生のための燃料消費量を減少 ることができ、燃費の悪化を抑制すること できる。

 なお、図7に、上記の制御方法を使用して 計算シミュレーションした結果を示す、フィ ルタ入口排気ガス温度Tiを変化させたときの 圧推定値δPeとPMの堆積推定量Aeの変化を示 。フィルタ入口排気ガス温度Tiの上昇により 、差圧推定値δPeとPMの堆積推定量Aeが減少す のを確認できた。なお、エンジン回転数Ne 燃料噴射量Qは一定としている。

 上述した優れた効果を有する本発明の排 ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス 化システムは、PMの堆積中と再生制御中で PMの堆積量を精度よく推定できて、DPF再生の ための燃料消費量の抑制とPMの過剰堆積に起 するフィルタの破損の防止を図ることがで るので、車両搭載の内燃機関等のDPFを備え 排気ガス浄化システムに対して、極めて有 に利用することができる。