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Title:
METHOD FOR DETERMINING AMOUNT OF CORRECTION OF BEARING HEIGHT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/001506
Kind Code:
A1
Abstract:
A method for determining the amount of correction of bearing height. The method comprises a bearing height computing step of determining at least the heights of bearings of an engine by using transfer matrix method from the actually measured bearing load on a bearing in a predetermined position and the actually measured crank deflection, a bearing load computing step of determining at least a computed bearing load on each bearing from the determined bearing height, a reference bearing load computing step of determining a reference bearing load on each bearing of when the bearing height of each bearing is made the same level of a reference plane, a load difference computing step of determining the load difference between the computed bearing load on each bearing and the reference bearing load thereof, and an amount-of-correction determining step of comparing the determined load difference with a set range and, if the determined load difference is above the set range, determining a correction range of the bearing height at which the load difference is within an allowable range.

Inventors:
SUGIMOTO IWAO
Application Number:
PCT/JP2008/001322
Publication Date:
December 31, 2008
Filing Date:
May 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI SHIPBUILDING ENG CO (JP)
SUGIMOTO IWAO
International Classes:
B63B9/00; F16C9/02
Foreign References:
JP2003019997A2003-01-21
JP2000088709A2000-03-31
JPH0891283A1996-04-09
JP2003019997A2003-01-21
Attorney, Agent or Firm:
HARADA, Yohei (10-10 Nishi-Hommachi 1-chome,Nishi-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 被動軸系に連結されたエンジンにおける少なくともクランク軸の軸受高さの修正量を決定する方法であって、
 所定位置における軸受での実測軸受荷重と実測クランクデフとに基づき伝達マトリックス法を用いて少なくともエンジンにおける各軸受の高さを求める軸受高さ演算ステップと、
 この軸受高さ演算ステップで求められた軸受高さに基づき少なくともエンジンにおける各軸受に作用する演算軸受荷重を求める軸受荷重演算ステップと、
 上記エンジンにおける各軸受の軸受高さを基準平面上に位置させた際に各軸受に作用する基準軸受荷重を求める基準軸受荷重演算ステップと、
 上記各軸受において、演算軸受荷重と基準軸受荷重との差である荷重差を求める荷重差演算ステップと、
 上記荷重差演算ステップで求められた荷重差と設定範囲とを比較するとともに、設定範囲を超えた場合の軸受に対して、荷重差が許容値内となるような軸受高さの修正範囲を求める修正量決定ステップと
 を具備したことを特徴とする軸受高さの修正量決定方法。
 設定範囲を、エンジンにおける軸受の荷重の平均値に対して、-40~+40%となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の軸受高さの修正量決定方法。
 許容値を、エンジンにおける軸受の荷重の平均値に対して、-20~+20%の範囲となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の軸受高さの修正量決定方法。
Description:
軸受高さの修正量決定方法

 本発明は、例えば船体に設置されたエン ンにおけるクランク軸の軸受高さの修正量 定方法に関する。

 船体に主機関であるエンジンおよびプロ ラ軸を据え付ける場合、エンジンのクラン 軸、中間軸およびプロペラ軸からなる駆動 系の軸心位置合せすなわち軸系アライメン を正確に行う必要がある。

 この軸系アライメントを正確に行い得る のとして、本発明者等は、伝達マトリック 法を用いた駆動軸系の位置検出方法を提案 ている(特開2003-19997号公報参照)。

 以下、この位置検出方法を簡単に説明す 。

 まず、クランク軸をモデル化するととも 、初めに個々の軸受位置を仮定する。次に クランク軸の船首側軸受における状態量(変 位量および作用力)を、機関の諸元データに り既知にされた格間伝達マトリックス、格 伝達マトリックス、船首側での境界条件で る境界マトリックス、および船尾側での境 マトリックスを使って船尾側へ伝達してい 、未知数である船首側軸受における状態量 求め、そしてその結果を用いてクランクデ (クランクデフレクション)を求めた後、その 値と実測値との比較において誤差(評価値)を める。次に、仮定された個々の軸受位置を ンダムに変更させて、上記と同様の計算に り、その軸受位置条件におけるクランクデ の計算値と実測値との誤差を求める作業を り返して行い、この誤差が小さくなる(つま り評価が高くなる)軸受位置条件を求める。 れにより、据付位置を正確に推定するよう したものであった。

 上述した駆動軸系の位置検出方法による 、現在の軸受の据付位置を正確に推定する とはできるが、これら推定された軸受高さ ら、実際に、どのような高さに修正するか 次の課題になっている。

 そこで、本発明は、例えば就航船、新造 に限らず、軸受高さの修正量を決定する方 を提供することを目的とする。

 上記課題を解決するため、請求項1に係る発 明は、被動軸系に連結されたエンジンにおけ る少なくともクランク軸の軸受高さの修正量 を決定する方法であって、
 所定位置における軸受での実測軸受荷重と 測クランクデフとに基づき伝達マトリック 法を用いて少なくともエンジンにおける各 受の高さを求める軸受高さ演算ステップと
 この軸受高さ演算ステップで求められた軸 高さに基づき少なくともエンジンにおける 軸受に作用する演算軸受荷重を求める軸受 重演算ステップと、
 上記エンジンにおける各軸受の軸受高さを 準平面上に位置させた際に各軸受に作用す 基準軸受荷重を求める基準軸受荷重演算ス ップと、
 上記各軸受において、演算軸受荷重と基準 受荷重との差である荷重差を求める荷重差 算ステップと、
 上記荷重差演算ステップで求められた荷重 と設定範囲とを比較するとともに、設定範 を超えた場合の軸受に対して、荷重差が許 値内となるような軸受高さの修正範囲を求 る修正量決定ステップとを具備した方法で る。

 また、請求項2に係る発明は、請求項1に 載の軸受高さ修正量決定方法における設定 囲を、エンジンにおける軸受の荷重の平均 に対して、-40~+40%となるようにする方法であ る。

 さらに、請求項3に係る発明は、請求項1 記載の軸受高さ修正量決定方法における許 値を、エンジンにおける軸受の荷重の平均 に対して、-20~+20%の範囲となるようにする方 法である。

 上記修正量決定方法によると、実測クラ クデフと所定の軸受における実測軸受荷重 に基づき、軸系全体に亘って軸受高さを求 た後、この軸受高さに基づき少なくともエ ジンに配置された軸受について軸受荷重を 算により求めるとともに、この演算軸受荷 と基準平面上に位置されたすなわち初期設 状態における基準軸受荷重との荷重差を求 、この荷重差が予め設定された設定範囲を えている場合に、当該軸受高さを変化させ 際の荷重差が、予め設定された許容値内と るような範囲でもって、軸受高さの修正範 を決定するようにしたので、例えば船体に けられるエンジンに対しては、新造船、就 船のいずれであっても、正確に且つ迅速に 受高さの修正量を決定することができる。

本発明の実施の形態に係る軸受高さの 正量決定方法を適用する船舶における駆動 系の概略構成図である。 同修正量決定方法を説明するための軸 高さを示すグラフである。 同修正量決定方法を説明するための軸 荷重を示すグラフである。 同修正量決定方法を説明するための軸 の荷重差を示すグラフである。。 同修正量決定方法における軸受の修正 囲を示すグラフである。 同修正量決定方法における演算軸受荷 と修正後の軸受荷重とを示すグラフである 同駆動軸系のクランク軸の1クランクス ローでの模式正面図である。 同クランク軸のローカル座標系を示す 式側面図である。 同クランク軸におけるクランクデフの 算手順を説明する模式図である。

 以下、本発明の好適な実施の形態に係る 受高さの修正量決定方法を、図1~図9に基づ 説明する。

 本実施の形態に係る軸受は、例えば船舶 搭載される舶用ディーゼルエンジン(主機関 ともいう)のクランク軸を支持するものとし 説明する。

 まず、このエンジンの構成を概略的に説 する。

 このエンジンは、図1に示すように、例え ば7個のピストン1を有しており、またピスト 1が連結されるクランク軸2は、8個(#1~#8)の軸 受3および船尾側のエンジンケースの壁部に けられた#9の軸受3により支持されている。 お、#1は船首側(Fore)のものを示し、#8は船尾 (Aft)のものを示す。勿論、クランク軸2の各 ストン1に対応する位置には、クランクアー ム4を介してクランクピン5が設けられるとと に、このクランクピン5とピストン1とがそ ぞれコネクティングロッド6を介して連結さ ている。

 そして、上記クランク軸2の後端部には、 中間軸7およびプロペラ軸(船尾管ともいう)8 らなる推進軸系(被動軸系の一例である)が配 置されるとともに、中間軸7を支持する#10軸 3およびプロペラ軸8の前後部を支持する2つ #11軸受3および#12軸受3が設けられている。勿 論、中間軸7の前端部がクランク軸2の後端部 連結されている。

 以下、上記各軸受3、特にエンジンに設け られた各軸受3の高さ、すなわち軸受高さを 正するための修正量決定方法をステップ形 にて概略的に説明し、その後、このステッ 形式にて示した内容を、部分的ではあるが より詳しく説明する。

 この修正量決定方法は、所定位置におけ 軸受での実測軸受荷重と実測クランクデフ( クランクデフレクション)とに基づき伝達マ リックス法を用いて少なくともエンジンに ける各軸受の高さを求める軸受高さ演算ス ップと、この軸受高さ演算ステップで求め れた軸受高さに基づき少なくともエンジン おける各軸受に作用する演算軸受荷重を求 る軸受荷重演算ステップと、上記エンジン おける各軸受の軸受高さを基準平面上に位 させた際に各軸受に作用する基準軸受荷重 求める基準軸受荷重演算ステップと、上記 軸受において演算軸受荷重と基準軸受荷重 の差である荷重差を求める荷重差演算ステ プと、この荷重差演算ステップで求められ 荷重差と設定範囲とを比較するとともに、 定範囲を超えた場合の軸受に対して、荷重 が許容値内となるような軸受高さの修正範 を求める修正量決定ステップとから構成さ ている。

 上記軸受高さ演算ステップでは各軸受3の 高さが求められる。この軸受高さを求めるに 際し、実測によるクランクデフと同じく実測 による軸受荷重とが用いられる。但し、軸受 荷重について、実測できるのは、例えば#7~#10 の軸受である。

 ところで、この軸受高さを求める演算に いては、伝達マトリックス法を用いてクラ ク軸2、中間軸7、およびプロペラ軸8からな 駆動軸系における所定位置での状態量(変位 および作用力)を求めるようにしたもので、 の詳細は、上述した特開2003-19997号公報に開 されているが、以下、簡単に説明しておく

 この軸受高さ演算方法は、仮据付高さを いて駆動軸系全体に亘って状態量を求める ともに、この状態量からクランクデフ並び 中間軸7およびプロペラ軸8からなる推進軸 での軸受荷重を演算により求め、そしてこ ら求められた演算デフ値および演算軸受荷 値に対して実測クランクデフおよび実測軸 荷重を用いて評価を行い(つまり、予め用意 れた評価式に、演算デフ値および演算軸受 重値と実測クランクデフおよび実測軸受荷 とを代入して評価値を求める)、この評価値 が予め設けられた設定範囲(許容範囲ともい る)に入った場合の仮据付高さを、実際の軸 高さであると推定する方法である。

 すなわち、実測が可能なクランクデフお び軸受荷重に基づき、駆動軸系全体に亘っ 軸受高さがほぼ正確に求められることにな 。この軸受高さについては、クランク軸が ットされない初期の軸受高さとクランク軸 セットされた荷重釣合い後の軸受高さとが められる。なお、後で、特開2003-19997号公報 に開示された伝達マトリックス法について、 やや、詳しく説明する。

 次に、軸受高さ演算ステップで求められ 軸受高さ(図2の実線Aにて初期の軸受高さを 実線Bにて釣合い後の軸受高さを示す)に基 き軸受荷重が演算により求められる。すな ち、軸受荷重演算ステップにて、軸受高さ 変位量(クランク軸がセットされない初期の 受高さとクランク軸がセットされた荷重釣 い後の軸受高さとの差)に軸受部におけるば ね定数を掛けることにより、軸受荷重が求め られる。

 そして、基準軸受荷重演算ステップにお て、上記と同様の手順で、水平面上に設置 た状態での各軸受高さ[図2の破線Cにて初期 軸受高さ(高さがゼロである)を、破線Dにて 合い後の軸受高さを示す]の変位量に基づき 、基準軸受荷重が求められる。

 例えば、各軸受3における現在の演算軸受 荷重と基準軸受荷重とをグラフに示すと図3 ようになる。なお、図3の実線Eは演算軸受荷 重を示し、破線Fは基準軸受荷重を示す。

 次に、荷重差演算ステップにて、演算軸 荷重と基準軸受荷重との差である荷重差が められる。この荷重差を図示すると、図4の 実線Gのようになる。

 次に、修正量決定ステップにおいて、上 荷重差が予め設定された設定範囲(許容範囲 ということもできる)に入っているか否かが 断され、設定範囲を超えている場合には、 の軸受3が修正すべきものであると決定され 。

 この設定範囲は、例えば、エンジン2にお ける軸受(両側にシリンダが位置するような 受、具体的には、#2~#7の軸受)3に対する軸受 重の平均値に対して、-30%~+30%の範囲にされ いる。例えば、平均値が40tonである場合に 、-12~+12tonの範囲となる。なお、上記設定範 としては、-40~+40%でも良いが、好ましくは -30~+30%の範囲である。図4から、上記許容範 を超えている軸受3、すなわち荷重差が-20ton ある軸受3は#7であることが分かる。

 そして、この#7軸受3に対して、その荷重 (-20ton)を起点(ここでは、当然に、修正量が ロである)とする、修正量と荷重差との関係 を演算式(軸受高さの変位から軸受支持部の ね定数により荷重を求める式)により求める 、図5の実線Hのようになる。なお、図5に示 グラフの横軸は修正量を示すとともに、横 の最大目盛としては、修正可能範囲を示し いる。

 そして、この図5から、予め設定された荷 重差の許容値に基づき修正範囲が求められる 。つまり、修正量が決定される。

 ここで、許容値は、上述した軸受荷重の 均値の-10~+10%の範囲に設定されている。す わち、平均値が40tonである場合には、-4~+4ton 範囲となるが、余裕を見て-5~+5ton(-12.5~+12.5%) の範囲となるように設定されている。なお、 上記許容値としては、-20~+20%の範囲でも良い 、好ましくは、-15~+15%、より好ましくは、-1 0%~+10%の範囲である。

 図5のグラフに示す関係を求める場合、まず 、#7軸受3に対して、その荷重差(-20ton)を起点 して、許容値を含む修正可能範囲内にて修 量に対する荷重差を演算により求める。
なお、修正可能範囲は、0.00~0.30mmにされてい 。

 この修正可能範囲は下記の演算式にて求 ることができる。

 (1)式中の「m」については、「0」および えば「1~5」の整数値とされ、mの値毎の解析 果から修正量と荷重差との関係を表す直線H が得られる。なお、m=0は修正しない場合を示 している。

 そして、荷重差の許容値としては、上述 たように、-5~+5tonの範囲であり、これに対 する修正範囲としては、図5から分かるよう 、約0.14~0.22mmの範囲となる。

 したがって、この範囲で修正量を決定す ば、#7軸受3の荷重差を-20tonから±5tonの範囲 に収めることができる。すなわち、隣接す 軸受同士における荷重差を少なく、つまり 受に作用する軸受荷重の変動を小さくして 軸受3に作用する荷重をバランス良くするこ とができる。さらに、言い換えれば、軸受で の摩擦力を少なくして、機械損失を少なくす ることができる。因みに、図5の実線Iにて#6 受での荷重差を、破線Jにて#8軸受での荷重 を示す。これらについても、略、許容値内 入っていることが分かる。

 このように、修正量決定ステップを、荷 差が設定範囲を超えている軸受を検出する 定範囲超過軸受検出ステップと、この検出 テップで検出された軸受の荷重差が許容値 に入る修正範囲を求める修正範囲決定ステ プとから構成しているということができる

 図6の破線Kにて演算軸受荷重を、また図6 実線Lにて修正後の軸受荷重を示しておく。 この図6から、修正後の軸受荷重の変動、す わち隣接する軸受同士の荷重差の変動が抑 されていることが分かる。

 ここで、伝達マトリックス法について説 しておく。

 この伝達マトリックス法では、クランク 全体に亘って各部の変位(状態量ともいう) 演算する際に、梁のような直線部において 位を伝える格間伝達方程式(その係数を格間 達マトリックスという)が使用されるととも に、梁の連続性を断ち切るような支点部(軸 部または軸方向の変化点)において変位を伝 る格点伝達方程式(その係数を格点伝達マト リックスという)が使用される。

 以下の説明においては、クランク軸に沿 て伝達マトリックス法が適用されるが、ク ンク軸心(ジャーナル部軸心)に沿う方向を ローバル座標系(x,y,zで表し、絶対座標系と いう)とするとともに、クランクアームおよ クランクピンに沿う方向をローカル座標系( x″,t,rで表し、相対座標系ともいう)とする。

 なお、図7に1クランクスローでのグロー ル座標軸の取り方を示し、図8にクランクス ーに作用する力をローカル座標系に分解し ものを示す。

 以下の説明において、特に、言及されてい い記号は下記の通りである。
a:クランクアーム間の初期長さ
A:断面積
D:クランクアーム間距離
Def:クランクデフ
E:縦弾性係数
F:せん断力
G:せん断係数
I:断面二次モーメント
J:断面二次極モーメント
k:軸受部でのばね定数
L:長さ
M:曲げモーメント
T:ねじりモーメント
θ:クランク角
 まず、下記の式に示すように、船首側軸受 における状態量(変位および作用力)Bを未知 とする方程式を作成する。なお、下記式中 Sは格間伝達マトリックス、Pは格点伝達マ リックス、Rは船首側での境界条件を表す境 マトリックス、R″は船尾側での境界マトリ ックスで、それぞれ既知である。

 R″S ns P ns-1 S ns-1 ・・・・・P 1 S 1 RB=0
 なお、上記式中の沿え字nsは、船首側(Fore) 船尾側(Aft)の軸端間の軸が、その間の軸受部 により区切られる軸の個数を表している。

 そして、この式を解くことにより、船首 での状態量Bが求められる。この状態量Bが 以下の説明にて示す変位ベクトルqおよび力 クトルQであり、以下、これらの状態量を初 期値として、格間伝達方程式および格点伝達 方程式を繰り返し用い、クランク軸の全てに おける状態量を求めることになる。

 すなわち、グローバル座標系における状 量である変位ベクトルqおよび力ベクトルQ 、下記(1)式および(2)式にて表される。なお 式中におけるベクトルは、太字にて表すも とする。

 但し、(1)式中、d x 、d y 、d z は変位・たわみ等を示し、またφ x 、φ y 、φ z はねじれ角・たわみ角等を示し、(2)式中、T x 、M y 、M z はねじりモーメント・曲げモーメント等を示 し、またF x 、F y 、F z は軸力・せん断力等を示す。

 また、ローカル座標系における状態量で る変位ベクトルq″および力ベクトルQ″は 下記(3)式および(4)式にて表される。

 同様に、(3)式中、d x″ 、d t 、d r は変位・たわみ等を示し、またφ x″ 、φ t 、φ r はねじれ角・たわみ角等を示し、(4)式中、T x″ 、M t 、M r はねじりモーメント・曲げモーメント等を示 し、またF x″ 、F t 、F r は軸力・せん断力等を示す。

 次に、伝達マトリックス法にて用いられ 格間伝達方程式および格点伝達方程式につ て説明する。船首側(fore側で、Fの添え字に 表す)から船尾側(aft側で、Aの添え字にて表 )の状態量を求める格間伝達方程式は、下記 (5)式にて表される。

 但し、(5)式中、iは軸受番号(軸受部で区 られる軸の番号)を示す。

 次に、状態量を、グローバル座標系から ーカル座標系に変換する座標変換式(伝達方 程式)は、下記(6)式にて表される。

 一方、状態量を、ローカル座標系からグ ーバル座標系に変換する座標変換式(伝達方 程式)は、下記(7)式にて表される。

 例えば、ジャーナル部からクランクアー への座標変換式(伝達方程式)は、下記(8)式 て表される。

 また、クランクアームからジャーナル部 の座標変換も、上記(8)式が使用される。

 また、クランクピンからクランクアーム の座標変換式(伝達方程式)は、下記(9)式に 表され、クランクアームからクランクピン の座標変換も、同じ下記(9)式にて表される

 ところで、各軸受部3における格点伝達方 程式は、下記(10)式にて表される。

 なお、上記h 2 におけるd z0 に仮据付高さデータが代入され(但し、d y0 は一定とする)、またこのd z0 に、遺伝的アルゴリズムにより生成され変更 された新たな据付高さデータが入力される( し、dの添え字の0(ゼロ)は初期値を意味する) 。

 次に、クランクデフの演算手順について説 する。ここで、d x1 ,d y1 ,d z1 をクランクスローにおける船首側部分での変 位量とし、d x2 ,d y2 ,d z2 をクランクスローにおける船尾側部分での変 位量とし、またaをクランクスローでの初期 さとすると、互いに隣接するクランクスロ 間の距離Dは下記(11)式にて表される(但し、d 添え字の1は、後述する図9の(Sb)位置を示し 同じく、添え字の2は、図9の(Sh)位置を示す) 。

 また、ピストンの上死点(TDC,0度)での距離を D 0 、ピストンの下死点(BDC,180度)での距離をD 180 とすると、クランクデフ(Def)は、下記(12)式に て表される。

 ところで、aのオーダは10 2 mmであり、またd x ,d y ,d z のオーダは10 -3 mmであるため、上記(11)式は下記(13)式のよう 変形することができる。

 したがって、クランクデフは、下記(14)式 にて求めることができる。

 (14)式から分かるように、クランクデフは 、殆ど、クランク軸心方向での変形量に依存 している。

 ここで、上記演算式に基づくクランクデ の具体的な演算手順を、図9に基づき説明す る。ここでは、1クランクスローに着目して 部材ごとの演算工程として、順番に説明す 。

 a工程.(Sa)部の軸受部では(5)式の格間伝達 程式が用いられる。

 b工程.(Sb)部の折曲部では、a工程における (5)式の左辺を、(6)式の座標変換式の右辺に代 入し、その時の(6)式の左辺を、(8)式の座標変 換式の右辺(ジャーナル部)に代入する。

 c工程.(Sc)部では、b工程における(8)式の左 辺を、(5)式の右辺に代入する。

 d工程.(Sd)部では、c工程における(5)式の左 辺を、(9)式の座標変換式の右辺に代入する。

 e工程.(Se)部では、d工程における(9)式の左 辺を、(5)式の右辺に代入する。

 f工程.(Sf)部では、e工程における(5)式の左 辺を、(9)式の左辺とする。

 g工程.(Sg)部では、f工程における(9)式の右辺 [q″Q″1] T arm を、(5)式に代入する。

 h工程.(Sh)部では、g工程における(5)式の左辺 を、(8)式の左辺とし、そのときの(8)式の右辺 の[q″Q″1] T journal を、(7)式の座標変換式の右辺に代入する。

 i工程.(Si)部では、h工程における(7)式の左 辺を、(5)式の右辺に代入する。また、あるク ランクスロー1から隣接するクランクスロー2 の[(Sj部)に示す支点を境界とする)伝達は、( 10)式の格点伝達方程式が使用され、i工程に ける(5)式の左辺を、(10)式の右辺に代入する とにより行われる。

 このように、状態量であるqおよびQ(Q=0)が、 伝達方程式の係数である各伝達マトリックス により、船首側から船尾側に伝えられて各変 位が求められていく。勿論、伝達の過程にお いて、(5)式と(10)式のf 1 ,f 2 ,h 1 ,h 2 により、Qも変化していくことになる。

 上述したように、実測クランクデフと所 の軸受における実測軸受荷重とに基づき、 系全体に亘って軸受高さを求めた後、この 受高さに基づき少なくともエンジンに配置 れた各軸受について軸受荷重を演算により めるとともに、この演算軸受荷重と軸受高 が基準平面(高さがゼロの水平面)上に在る 合の軸受にクランク軸などがセットされた 期設定状態(比較基準状態とも言える)におけ る基準軸受荷重との荷重差を求め、この荷重 差が予め設定された設定範囲を超えている場 合に、当該軸受高さを変化させた際の荷重差 が、予め設定された許容値内となるような範 囲でもって、軸受高さの修正範囲を決定する ようにしたので、例えば船体に設けられるエ ンジンに対しては、新造船、就航船のいずれ であっても、正確に且つ迅速に軸受高さの修 正量を決定することができる。通常、軸受高 さを修正する方法としては、求められた軸受 高さが許容範囲を超えているものについて、 作業者が経験により修正量を決めているが、 このような方法に比べて、正確に且つ迅速に 軸受高さの修正量を決定することができる。

 ところで、上記実施の形態においては、 動軸系として、中間軸およびプロペラ軸か なる推進軸系の場合について説明したが、 の軸系でもよく、例えばポンプなどを回転 せる軸系であってもよい。