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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF FABRICATING PIEZOELECTRIC VIBRATOR, PIEZOELECTRIC VIBRATOR, OSCILLATOR, ELECTRONIC APPARATUS, AND RADIO WAVE TIMEPIECE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104333
Kind Code:
A1
Abstract:
A piezoelectric vibrator (1) is provided with a base substrate (2), a lid substrate (3) which has a recessed portion (3a) for a cavity and is joined to the base substrate with the recessed portion facing the base substrate, a piezoelectric vibrating piece (4) which is joined to the upper surface of the base substrate within the cavity formed between both of the substrates, a pair of external electrodes (38, 39) which are formed on the lower surface of the base substrate, a pair of penetrating electrodes (32, 33) which are formed so as to penetrate the base substrate and electrically connected respectively to the pair of external electrodes, and routing electrodes (36, 37) which are formed on the upper surface of the base substrate to electrically connect the penetrating electrodes respectively to the piezoelectric vibrating piece. The penetrating electrodes are formed of electrode films (32a, 33a) formed on the inner surfaces of penetrating ports (30, 31), and glass bodies (32b, 33b) fixed firmly to the inner surfaces of the penetrating ports with the electrode films inserted therebetween so as to stop the penetrating ports.

Inventors:
NUMATA MASASHI (JP)
ARATAKE KIYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072889
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
December 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SEIKO INSTR INC (JP)
NUMATA MASASHI (JP)
ARATAKE KIYOSHI (JP)
International Classes:
H03H9/02; H03B5/32; H03H3/02
Domestic Patent References:
WO2006129354A12006-12-07
Foreign References:
JP2007013636A2007-01-18
JP2007267101A2007-10-11
JP2007311433A2007-11-29
Attorney, Agent or Firm:
MATSUSHITA, YOSHIHARU (JP)
Matsushita Yoshiharu (JP)
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Claims:
 ベース基板と、
 キャビティ用の凹部が形成され、該凹部を前記ベース基板に対向させた状態で該ベース基板に接合されたリッド基板と、
 前記凹部を利用して前記ベース基板と前記リッド基板との間に形成されたキャビティ内に収納された状態で、ベース基板の上面に接合された圧電振動片と、
 前記ベース基板の下面に形成された一対の外部電極と、
 前記ベース基板を貫通するように形成され、前記キャビティ内の気密を維持すると共に、前記一対の外部電極に対してそれぞれ電気的に接続された一対の貫通電極と、
 前記ベース基板の上面に形成され、接合された前記圧電振動片に対して前記一対の貫通電極をそれぞれ電気的に接続させる引き回し電極と、を備え、
 前記貫通電極は、前記ベース基板を貫通する貫通孔の内面に成膜された電極膜と、貫通孔を塞ぐように、電極膜を間に挟んで貫通孔の内面に固着されたガラス体と、で形成されていることを特徴とする圧電振動子。
 請求項1に記載の圧電振動子において、
 前記貫通孔は、前記ベース基板の下面側に開いた開口が、上面側に開いた開口よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする圧電振動子。
 請求項1又は2に記載の圧電振動子において、
 前記ガラス体は、熱膨張係数が前記ベース基板と略等しいことを特徴とする圧電振動子。
 請求項1から3のいずれか1項に記載の圧電振動子において、
 前記ベース基板及び前記リッド基板は、前記凹部の周囲を囲むように両基板の間に形成された接合膜を介して陽極接合されていることを特徴とする圧電振動子。
 請求項1から4のいずれか1項に記載の圧電振動子において、
 前記圧電振動片は、導電性のバンプによりバンプ接合されていることを特徴とする圧電振動子。
 互いに接合されたベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子を、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用して一度に複数製造する方法であって、
 前記リッド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わされたときに前記キャビティを形成するキャビティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と、
 前記ベース基板用ウエハに、該ウエハを貫通する一対の貫通電極を複数形成する貫通電極形成工程と、
 前記ベース基板用ウエハの上面に、前記一対の貫通電極に対してそれぞれ電気的に接続された引き回し電極を複数形成する引き回し電極形成工程と、
 複数の前記圧電振動片を、前記引き回し電極を介して前記ベース基板用ウエハの上面に接合するマウント工程と、
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせて、前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キャビティ内に圧電振動片を収納する重ね合わせ工程と、
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧電振動片を前記キャビティ内に封止する接合工程と、
 前記ベース基板用ウエハの下面に、前記一対の貫通電極にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極を複数形成する外部電極形成工程と、
 接合された前記両ウエハを切断して、複数の前記圧電振動子に小片化する切断工程と、を備え、
 前記貫通電極形成工程は、前記ベース基板用ウエハに該ウエハを貫通する一対の貫通孔を複数形成する貫通孔形成工程と、これら複数の貫通孔の内面に電極膜を成膜する電極膜成膜工程と、該電極膜が成膜された貫通孔内に、該貫通孔の容積と略等しい体積のガラス体の塊を埋め込むガラス体セット工程と、埋め込んだガラス体の塊を所定の温度で加熱して溶融させ、電極膜が成膜された貫通孔を塞ぐように、電極膜を間に挟んで貫通孔の内面に固着させる加熱工程と、を備えていることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 請求項6に記載の圧電振動子の製造方法において、
 前記貫通孔形成工程の際に、前記貫通孔を、前記ベース基板用ウエハの下面側に開く開口が、上面側に開く開口よりも小さくなるように形成することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 請求項6又は7に記載の圧電振動子の製造方法において、
 前記ガラス体として、熱膨張係数が前記ベース基板用ウエハと略等しいガラス体を用いることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 請求項6から8のいずれか1項に記載の圧電振動子の製造方法において、
 前記マウント工程前に、前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせたときに、前記凹部の周囲を囲む接合膜をベース基板用ウエハの上面に形成する接合膜形成工程を備え、
 前記接合工程の際、前記接合膜を介して前記両ウエハを陽極接合することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 請求項6から9のいずれか1項に記載の圧電振動子の製造方法において、
 前記マウント工程の際、導電性のバンプを利用して前記圧電振動片をバンプ接合することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 請求項6から10のいずれか1項に記載の圧電振動子の製造方法において、
 前記ガラス体セット工程の際、予め仮焼成されたガラス体の塊を用いることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 請求項1から5のいずれか1項に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
 請求項1から5のいずれか1項に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
 請求項1から5のいずれか1項に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
Description:
圧電振動子の製造方法、圧電振 子、発振器、電子機器及び電波時計

 本発明は、接合された2枚の基板の間に形 成されたキャビティ内に圧電振動片が封止さ れた表面実装型(SMD)の圧電振動子、該圧電振 子を製造する圧電振動子の製造方法、圧電 動子を有する発振器、電子機器及び電波時 に関するものである。

 近年、携帯電話や携帯情報端末機器には 時刻源や制御信号等のタイミング源、リフ レンス信号源等として水晶等を利用した圧 振動子が用いられている。この種の圧電振 子は、様々なものが知られているが、その1 つとして、表面実装型の圧電振動子が知られ ている。この種の圧電振動子としては、一般 的に圧電振動片が形成された圧電基板を、ベ ース基板とリッド基板とで上下から挟み込む ように接合した3層構造タイプのものが知ら ている。この場合、圧電振動子は、ベース 板とリッド基板との間に形成されたキャビ ィ(密閉室)内に収納されている。また、近年 では、上述した3層構造タイプのものではな 、2層構造タイプのものも開発されている。

 このタイプの圧電振動子は、ベース基板 リッド基板とが直接接合されることで2層構 造になっており、両基板の間に形成されたキ ャビティ内に圧電振動片が収納されている。 この2層構造タイプの圧電振動子は、3層構造 ものに比べて薄型化を図ることができる等 点において優れており、好適に使用されて る。このような2層構造タイプの圧電振動子 の1つとして、ベース基板を貫通するように 成された導電部材を利用して、圧電振動片 ベース基板に形成された外部電極とを導通 せた圧電振動子が知られている(特許文献1及 び特許文献2参照)。

 この圧電振動子200は、図21及び図22に示すよ うに、接合膜207を介して互いに陽極接合され たベース基板201及びリッド基板202と、両基板 201、202の間に形成されたキャビティC内に封 された圧電振動片203と、を備えている。圧 振動片203は、例えば音叉型の振動片であっ 、キャビティC内においてベース基板201の上 に導電性接着剤Eを介してマウントされてい る。
 ベース基板201及びリッド基板202は、例えば ラミックやガラス等からなる絶縁基板であ 。両基板201、202のうちベース基板201には、 基板201を貫通するスルーホール204が形成さ ている。そして、このスルーホール204内に 、該スルーホール204を塞ぐように導電部材2 05が埋め込まれている。この導電部材205は、 ース基板201の下面に形成された外部電極206 電気的に接続されていると共に、キャビテ C内にマウントされている圧電振動片203に電 気的に接続されている。

特開2002-124845号公報

特開2006-279872号公報

 ところで、上述した2層構造タイプの圧電 振動子において、導電部材205は、スルーホー ル204を塞いでキャビティC内の気密を維持す と共に、圧電振動片203と外部電極206とを導 させるという2つの大きな役割を担っている 特に、スルーホール204との密着が不十分で ると、キャビティC内の気密が損なわれてし まう恐れがあり、また、導電性接着剤E或い 外部電極206との接触が不十分であると、圧 振動片203の作動不良を招いてしまう。従っ 、このような不具合をなくす為にも、スル ホール204の内面に強固に密着した状態で該 ルーホール204を完全に塞ぎ、しかも、表面 凹み等がない状態で導電部材205を形成する 要がある。

 しかしながら、特許文献1及び特許文献2に 、導電部材205を導電ペースト(AgペーストやAu -Snペースト等)にて形成する点は記載されて るものの、実際にどのように形成するか等 具体的な製造方法については何ら記載され いない。
 一般的に導電ペーストを使用する場合には 焼成して硬化させる必要がある。つまり、 ルーホール204内に導電ペーストを埋め込ん 後、焼成を行って硬化させる必要がある。 ころが、焼成を行うと、導電ペーストに含 れる有機物が蒸発により消失してしまうの 、通常、焼成後の体積が焼成前に比べて減 してしまう(例えば、導電ペーストとしてAg ーストを用いた場合には、体積が略20%程度 少してしまう)。そのため、導電ペーストを 利用して導電部材205を形成したとしても、表 面に凹みが発生してしまったり、酷い場合に は貫通孔が中心に開いてしまったりする恐れ がある。
 その結果、キャビティC内の気密が損なわれ たり、圧電振動片203と外部電極206との導通性 が損なわれたりする可能性があった。

 本発明は、このような事情に考慮してな れたもので、その目的は、キャビティ内の 密を確実に維持すると共に、圧電振動片と 部電極との安定した導通性を確保した高品 な2層構造式表面実装型の圧電振動子を提供 することである。また、該圧電振動子を、一 度に効率良く製造する圧電振動子の製造方法 、圧電振動子を有する発振器、電子機器、電 波時計を提供することである。

 本発明は、前記課題を解決するために以下 手段を提供する。
 本発明に係る圧電振動子は、ベース基板と キャビティ用の凹部が形成され、該凹部を 記ベース基板に対向させた状態で該ベース 板に接合されたリッド基板と、前記凹部を 用して前記ベース基板と前記リッド基板と 間に形成されたキャビティ内に収納された 態で、ベース基板の上面に接合された圧電 動片と、前記ベース基板の下面に形成され 一対の外部電極と、前記ベース基板を貫通 るように形成され、前記キャビティ内の気 を維持すると共に、前記一対の外部電極に してそれぞれ電気的に接続された一対の貫 電極と、前記ベース基板の上面に形成され 接合された前記圧電振動片に対して前記一 の貫通電極をそれぞれ電気的に接続させる き回し電極と、を備え、前記貫通電極が、 記ベース基板を貫通する貫通孔の内面に成 された電極膜と、貫通孔を塞ぐように、電 膜を間に挟んで貫通孔の内面に固着された ラス体と、で形成されていることを特徴と るものである。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、互いに接合されたベース基板とリッド 板との間に形成されたキャビティ内に圧電 動片が封止された圧電振動子を、ベース基 用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用し 一度に複数製造する方法であって、前記リ ド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わさ たときに前記キャビティを形成するキャビ ィ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と 前記ベース基板用ウエハに、該ウエハを貫 する一対の貫通電極を複数形成する貫通電 形成工程と、前記ベース基板用ウエハの上 に、前記一対の貫通電極に対してそれぞれ 気的に接続された引き回し電極を複数形成 る引き回し電極形成工程と、複数の前記圧 振動片を、前記引き回し電極を介して前記 ース基板用ウエハの上面に接合するマウン 工程と、前記ベース基板用ウエハと前記リ ド基板用ウエハとを重ね合わせて、前記凹 と両ウエハとで囲まれる前記キャビティ内 圧電振動片を収納する重ね合わせ工程と、 記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用 エハとを接合し、前記圧電振動片を前記キ ビティ内に封止する接合工程と、前記ベー 基板用ウエハの下面に、前記一対の貫通電 にそれぞれ電気的に接続された一対の外部 極を複数形成する外部電極形成工程と、接 された前記両ウエハを切断して、複数の前 圧電振動子に小片化する切断工程と、を備 、前記貫通電極形成工程が、前記ベース基 用ウエハに該ウエハを貫通する一対の貫通 を複数形成する貫通孔形成工程と、これら 数の貫通孔の内面に電極膜を成膜する電極 成膜工程と、該電極膜が成膜された貫通孔 に、該貫通孔の容積と略等しい体積のガラ 体の塊を埋め込むガラス体セット工程と、 め込んだガラス体の塊を所定の温度で加熱 て溶融させ、電極膜が成膜された貫通孔を ぐように、電極膜を間に挟んで貫通孔の内 に固着させる加熱工程と、を備えているこ を特徴とするものである。

 この発明に係る圧電振動子及び圧電振動子 製造方法においては、まずリッド基板用ウ ハに、キャビティ用の凹部を複数形成する 部形成工程を行う。これら凹部は、後に両 エハを重ね合わせた際に、キャビティとな 凹部である。
 また、上記工程と同時或いは前後のタイミ グで、ベース基板用ウエハに、一対の貫通 極を複数形成する貫通電極形成工程を行う この際、後に両ウエハを重ね合わせたとき 、リッド基板用ウエハに形成した凹部内に まるように一対の貫通電極を複数形成する

 この貫通電極形成工程について、詳細に説 すると、まずベース基板用ウエハに該ウエ を貫通する一対の貫通孔を複数形成する貫 孔形成工程を行う。続いて、これら複数の 通孔の内面に電極膜を成膜する電極膜成膜 程を行う。続いて、電極膜が成膜された貫 孔に、ガラス体の塊を埋め込むガラス体セ ト工程を行う。この際、ガラス体の塊とし 、貫通孔の容積と略等しい体積のガラス体 塊を用いる。
 続いて、埋め込んだガラス体の塊を所定の 度で加熱する加熱工程を行う。この加熱工 を行うことで、まず貫通孔に埋め込まれた ラス体の塊が溶融する。この際、埋め込ま たガラス体の塊の体積が貫通孔の容積と略 しいので、溶融した状態のガラス体は、貫 孔内に隙間なく行き渡って貫通孔を塞ぐ。 れにより、ガラス体は、貫通孔を塞ぐよう 、電極膜を間に挟んで貫通孔の内面に強固 固着した状態になる。この結果、電極膜と ラス体とにより貫通電極が形成される。

 特に、貫通電極を形成するにあたって、従 のものとは異なり、ペーストを使用せずに 電極膜とガラス体とで貫通電極を形成して る。仮にペーストを使用した場合には、ペ ストを焼成する必要がある。通常、ペース は、焼成時に内部に含まれる有機物が蒸発 てしまうので、焼成後の体積が焼成前に比 て顕著に減少してしまう。そのため、仮に ーストだけを貫通孔内に埋め込んで焼成し 場合には、焼成後にペーストの表面に大き 凹みが生じてしまう。
 しかしながら、上述したように、ペースト 使用せずに、電極膜とガラス体とを利用し おり、両者の表面に大きな凹みが現れる恐 がない。なお、ガラス体は、加熱工程の際 若干体積が減少する可能性があるが、ペー トを焼成する場合とは違い、目立つ凹みと って現れるほど顕著なものではなく、無視 きる範囲である。
 従って、ベース基板用ウエハの表面と、ガ ス体の表面とは、ほぼ面一な状態となる。 まり、ベース基板用ウエハの表面と貫通電 の表面とを、ほぼ面一な状態とすることが きる。

 次に、ベース基板用ウエハの上面に導電性 料をパターニングして、各一対の貫通電極 対してそれぞれ電気的に接続された引き回 電極を複数形成する引き回し電極形成工程 行う。この際、後に両ウエハを重ね合わせ ときに、リッド基板用ウエハに形成した凹 内に収まるように引き回し電極を形成する
 特に、電極膜及びガラス体からなる貫通電 は、上述したように、ベース基板用ウエハ 上面に対してほぼ面一な状態となっている そのため、ベース基板用ウエハの上面にパ ーニングされた引き回し電極は、間に隙間 を発生させることなく貫通電極に対して密 した状態で接する。これにより、引き回し 極と貫通電極との導通性を確実なものにす ことができる。

 次に、複数の圧電振動片を、それぞれ引き し電極を介してベース基板用ウエハの上面 接合するマウント工程を行う。これにより 接合された各圧電振動片は、引き回し電極 介して一対の貫通電極に対して導通した状 となる。マウント終了後、ベース基板用ウ ハとリッド基板用ウエハとを重ね合わせる ね合わせ工程を行う。これにより、接合さ た複数の圧電振動片は、凹部と両ウエハと 囲まれるキャビティ内に収納された状態と る。
 次に、重ね合わせた両ウエハを接合する接 工程を行う。これにより、両ウエハが強固 密着するので、圧電振動片をキャビティ内 封止することができる。この際、ベース基 用ウエハに形成された貫通孔は、貫通電極 よって塞がれているので、キャビティ内の 密が貫通孔を通じて損なわれることがない 特に、貫通電極を構成するガラス体は、貫 孔を塞ぐように、電極膜を間に挟んで貫通 の内面に強固に密着しているので、キャビ ィ内の気密を確実に維持することができる

 次に、ベース基板用ウエハの下面に導電性 料をパターニングして、各一対の貫通電極 それぞれ電気的に接続された一対の外部電 を複数形成する外部電極形成工程を行う。 の場合も引き回し電極の形成時と同様に、 ース基板用ウエハの下面に対して貫通電極 ほぼ面一な状態となっているので、パター ングされた外部電極は、間に隙間等を発生 せることなく貫通電極に対して密着した状 で接する。これにより、外部電極と貫通電 との導通性を確実なものにすることができ 。この工程により、外部電極を利用して、 ャビティ内に封止された圧電振動片を作動 せることができる。
 最後に、接合されたベース基板用ウエハ及 リッド基板用ウエハを切断して、複数の圧 振動子に小片化する切断工程を行う。

 その結果、互いに接合されたベース基板と ッド基板との間に形成されたキャビティ内 圧電振動片が封止された2層構造式表面実装 型の圧電振動子を一度に複数製造することが できる。
 特に、ベース基板に対してほぼ面一な状態 貫通電極を形成できるので、該貫通電極を 引き回し電極及び外部電極に対して確実に 着させることができる。その結果、圧電振 片と外部電極との安定した導通性を確保す ことができ、作動性能の信頼性を向上して 高品質化を図ることができる。しかも、貫 孔の内面に成膜された電極膜を利用して貫 電極を構成しているので、非常に安定した 通性を得ることができる。
 また、キャビティ内の気密に関しても確実 維持することができるので、この点におい も高品質化を図ることができる。
 加えて、電極膜及びガラス体を利用した簡 な方法で貫通電極を形成できるので、工程 簡素化を図ることができる。

 また、本発明に係る圧電振動子は、前記 通孔が、前記ベース基板の下面側に開いた 口が、上面側に開いた開口よりも小さくな ように形成されていることを特徴とするも である。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、前記貫通孔形成工程の際に、前記貫通 を、前記ベース基板用ウエハの下面側に開 開口が、上面側に開く開口よりも小さくな ように形成することを特徴とするものであ 。

 この発明に係る圧電振動子及び圧電振動 の製造方法においては、貫通孔形成工程の に、貫通孔を、ベース基板用ウエハの下面 に開く開口が、上面側に開く開口よりも小 くなるように形成する。従って、上面側か 埋め込まれたガラス体の塊は、下面側から け落ちることがない。よって、ガラス体セ ト工程から加熱工程まで、ガラス体の塊が け落ちて紛失することがない。その結果、 分な作業時間を要することがなく、更なる 程の簡素化を図ることができる。加えて、 ラス体の塊は、下面側から抜け落ちずに貫 孔内に保持されていることになる。つまり 単に上面側から貫通孔に埋め込むだけで、 通孔内に保持することができる。よって、 の点においても、更なる工程の簡素化を図 ことができる。

 また、本発明に係る圧電振動子は、前記 ラス体が、熱膨張係数が前記ベース基板と 等しいことを特徴とするものである。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、前記ガラス体として、熱膨張係数が前 ベース基板用ウエハと略等しいガラス体を いることを特徴とするものである。

 この発明に係る圧電振動子及び圧電振動 の製造方法においては、ガラス体の熱膨張 数が、ベース基板用ウエハの該係数と略等 い。即ち、加熱工程の際に、ガラス体とベ ス基板用ウエハとの膨張量が略等しくなる これにより、ベース基板用ウエハにクラッ などが発生することを防止でき、圧電振動 の更なる高品質化を図ることができる。

 また、本発明に係る圧電振動子は、前記 ース基板及び前記リッド基板が、前記凹部 周囲を囲むように両基板の間に形成された 合膜を介して陽極接合されていることを特 とするものである。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、前記マウント工程前に、前記ベース基 用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重 合わせたときに、前記凹部の周囲を囲む接 膜をベース基板用ウエハの上面に形成する 合膜形成工程を備え、前記接合工程の際、 記接合膜を介して前記両ウエハを陽極接合 ることを特徴とするものである。

 この発明に係る圧電振動子及び圧電振動 の製造方法においては、接合膜を介してベ ス基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを 極接合できるので、両ウエハをより強固に 合してキャビティ内の気密性を高めること できる。従って、圧電振動片をさらに高精 に振動させることができ、さらなる高品質 を図ることができる。

 また、本発明に係る圧電振動子は、前記 電振動片は、導電性のバンプによりバンプ 合されていることを特徴とするものである

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、前記マウント工程の際、導電性のバン を利用して前記圧電振動片をバンプ接合す ことを特徴とするものである。

 この発明に係る圧電振動子及び圧電振動 の製造方法においては、圧電振動片をバン 接合するので、バンプの厚み分だけ圧電振 片をベース基板の上面から浮かすことがで る。そのため、圧電振動片の振動に必要な 低限の振動ギャップを自然と確保すること できる。よって、圧電振動子の作動性能の 頼性をさらに向上することができる。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、前記ガラス体セット工程の際、予め仮 成されたガラス体の塊を用いることを特徴 するものである。

 この発明に係る圧電振動子の製造方法に いては、ガラス体が予め仮焼成されている で、その後に加熱を行った際に体積減少等 生じ難い。そのため、より高品質な貫通電 を形成することができ、キャビティ内の気 をより確実にすることができる。その結果 圧電振動子の更なる高品質化を図ることが きる。

 また、本発明に係る発振器は、上記本発明 圧電振動子が、発振子として集積回路に電 的に接続されていることを特徴とするもの ある。
 また、本発明に係る電子機器は、上記本発 の圧電振動子が、計時部に電気的に接続さ ていることを特徴とするものである。
 また、本発明に係る電波時計は、上記本発 の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接 されていることを特徴とするものである。

 この発明に係る発振器、電子機器及び電 時計においては、キャビティ内の気密が確 で、作動の信頼性が向上した高品質な圧電 動子を備えているので、同様に作動の信頼 を高めて高品質化を図ることができる。

 本発明に係る圧電振動子によれば、キャビ ィ内の気密を確実に維持することができる 共に、圧電振動片と外部電極との安定した 通性を確保した高品質な2層構造式表面実装 型の圧電振動子とすることができる。
 また、本発明に係る圧電振動子の製造方法 よれば、上述した圧電振動子を一度に効率 く製造することができ、低コスト化を図る とができる。
 また、本発明に係る発振器、電子機器及び 波時計によれば、上述した圧電振動子を備 ているので、同様に作動の信頼性を高めて 品質化を図ることができる。

本発明に係る圧電振動子の一実施形態 示す外観斜視図である。 図1に示す圧電振動子の内部構成図であ って、リッド基板を取り外した状態で圧電振 動片を上方から見た図である。 図2に示すA-A線に沿った圧電振動子の断 面図とである。 図1に示す圧電振動子の分解斜視図であ る。 図1に示す圧電振動子を構成する圧電振 動片の上面図である。 図5に示す圧電振動片の下面図である。 図5に示す断面矢視B-B図である。 図1に示す圧電振動子を製造する際の流 れを示すフローチャートである。 図8に示すフローチャートに沿って圧電 振動子を製造する際の一工程を示す図であっ て、リッド基板の元となるリッド基板用ウエ ハに複数の凹部を形成した状態を示す図であ る。 図8に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、ベース基板の元となるベース基板用ウ ハに複数のスルーホールを形成した状態を す図である。 図10に示す状態をベース基板用ウエハ 断面から見た図である。 図8に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、図11に示す状態の後、スルーホールの内 面に電極膜を成膜させた状態を示す図である 。 図8に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、図12に示す状態の後、スルーホール内に ガラスボールを埋め込んだ状態を示す図であ る。 図8に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、図13に示す状態の後、貫通孔の内面にガ ラス体が固着した状態を示す図である。 図8に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、図14に示す状態の後、ベース基板用ウエ ハの上面に接合膜及び引き回し電極をパター ニングした状態を示す図である。 図15に示す状態のベース基板用ウエハ 全体図である。 図8に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、圧電振動片をキャビティ内に収容した 態でベース基板用ウエハとリッド基板用ウ ハとが陽極接合されたウエハ体の分解斜視 である。 本発明に係る発振器の一実施形態を示 す構成図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を 示す構成図である。 本発明に係る電波時計の一実施形態を 示す構成図である。 従来の圧電振動子の内部構造図であっ て、リッド基板を取り外した状態で圧電振動 片を上方から見た図である。 図21に示す圧電振動子の断面図である

符号の説明

 B…バンプ
 C…キャビティ
 G…ガラスボール(ガラス体の塊)
 1…圧電振動子
 2…ベース基板
 3…リッド基板
 3a…キャビティ用の凹部
 4…圧電振動片
 30、31…スルーホール(貫通孔)
 32、33…貫通電極
 32a、33a…電極膜
 32b、33b…ガラス体
 35…接合膜
 36、37…引き回し電極
 38、39…外部電極
 40…ベース基板用ウエハ
 50…リッド基板用ウエハ
 100…発振器
 101…発振器の集積回路
 110…携帯情報機器(電子機器)
 113…電子機器の計時部
 130…電波時計
 131…電波時計のフィルタ部

 以下、本発明に係る一実施形態を、図1から 図17を参照して説明する。
 本実施形態の圧電振動子1は、図1から図4に すように、ベース基板2とリッド基板3とで2 に積層された箱状に形成されており、内部 キャビティC内に圧電振動片4が収納された 面実装型の圧電振動子1である。
 なお、図4においては、図面を見易くするた めに後述する励振電極15、引き出し電極19、20 、マウント電極16、17及び重り金属膜21の図示 を省略している。

 圧電振動片4は、図5から図7に示すように、 晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウ 等の圧電材料から形成された音叉型の振動 であり、所定の電圧が印加されたときに振 するものである。
 この圧電振動片4は、平行に配置された一対 の振動腕部10、11と、該一対の振動腕部10、11 基端側を一体的に固定する基部12と、一対 振動腕部10、11の外表面上に形成されて一対 振動腕部10、11を振動させる第1の励振電極13 と第2の励振電極14とからなる励振電極15と、 1の励振電極13及び第2の励振電極14に電気的 接続されたマウント電極16、17とを有してい る。
 また、本実施形態の圧電振動片4は、一対の 振動腕部10、11の両主面上に、該振動腕部10、 11の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝 18を備えている。この溝部18は、振動腕部10 11の基端側から略中間付近まで形成されて る。

 第1の励振電極13と第2の励振電極14とから る励振電極15は、一対の振動腕部10、11を互 に接近又は離間する方向に所定の共振周波 で振動させる電極であり、一対の振動腕部1 0、11の外表面に、それぞれ電気的に切り離さ れた状態でパターニングされて形成されてい る。具体的には、図7に示すように、第1の励 電極13が、一方の振動腕部10の溝部18上と他 の振動腕部11の両側面上とに主に形成され 第2の励振電極14が、一方の振動腕部10の両側 面上と他方の振動腕部11の溝部18上とに主に 成されている。

 また、第1の励振電極13及び第2の励振電極14 、図5及び図6に示すように、基部12の両主面 上において、それぞれ引き出し電極19、20を してマウント電極16、17に電気的に接続され いる。そして圧電振動片4は、このマウント 電極16、17を介して電圧が印加されるように っている。
 なお、上述した励振電極15、マウント電極16 、17及び引き出し電極19、20は、例えば、クロ ム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)やチタ ン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成された のである。

 また、一対の振動腕部10、11の先端には、 自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振 動するように調整(周波数調整)を行うための り金属膜21が被膜されている。なお、この り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使 用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使 用される微調膜21bとに分かれている。これら 粗調膜21a及び微調膜21bを利用して周波数調整 を行うことで、一対の振動腕部10、11の周波 をデバイスの公称周波数の範囲内に収める とができる。

 このように構成された圧電振動片4は、図 3から図4に示すように、金等のバンプBを利用 して、ベース基板2の上面にバンプ接合され いる。より具体的には、ベース基板2の上面 パターニングされた引き回し電極36、37上に 形成された2つのバンプB上に、一対のマウン 電極16、17がそれぞれ接触した状態でバンプ 接合されている。これにより、圧電振動片4 、ベース基板2の上面から浮いた状態で支持 れると共に、マウント電極16、17と引き回し 電極36、37とがそれぞれ電気的に接続された 態となっている。

 上記リッド基板3は、ガラス材料、例えば ソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板で あり、図1、図3及び図4に示すように、板状に 形成されている。そして、ベース基板2が接 される接合面側には、圧電振動片4が収まる 形状の凹部3aが形成されている。この凹部3a は、両基板2、3が重ね合わされたときに、圧 振動片4を収容するキャビティCとなるキャ ティ用の凹部3aである。そして、リッド基板 3は、この凹部3aをベース基板2側に対向させ 状態で該ベース基板2に対して陽極接合され いる。

 上記ベース基板2は、リッド基板3と同様に ラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからな 透明な絶縁基板であり、図1から図4に示すよ うに、リッド基板3に対して重ね合わせ可能 大きさで板状に形成されている。
 このベース基板2には、該ベース基板2を貫 する一対のスルーホール(貫通孔)30、31が形 されている。この際、一対のスルーホール30 、31は、キャビティC内に収まるように形成さ れている。より詳しく説明すると、本実施形 態のスルーホール30、31は、マウントされた 電振動片4の基部12側に一方のスルーホール30 が位置し、振動腕部10、11の先端側に他方の ルーホール31が位置するように形成されてい る。
 また、一対のスルーホール30、31は、図3に すように、ベース基板2の下面側に開いた開 が、上面側に開いた開口よりも小さくなる うに形成されている。より詳しくは、ベー 基板2の下面に向かって径が2段階に分かれ 漸次縮径し、断面が段付きのテーパ状にな ように形成されている。

 そして、これら一対のスルーホール30、31に は、該スルーホール30、31を埋めるように形 された一対の貫通電極32、33が形成されてい 。これら貫通電極32、33は、スルーホール30 31の内面に成膜された電極膜32a、33aと、ス ーホール30、31を塞ぐように、電極膜32a、33a 間に挟んでスルーホール30、31の内面に固着 されたガラス体32b、33bと、で形成されている 。更に、これら貫通電極32、33は、スルーホ ル30、31を完全に塞いでキャビティC内の気密 を維持していると共に、後述する外部電極38 39と引き回し電極36、37とを導通させる役割 担っている。
 なお、貫通電極32、33は、電極膜32a、33aを通 して、電気導通性が確保されている。

 ベース基板2の上面側(リッド基板3が接合 れる接合面側)には、図1から図4に示すよう 、導電性材料(例えば、アルミニウム)によ 、陽極接合用の接合膜35と、一対の引き回し 電極36、37とがパターニングされている。こ うち接合膜35は、リッド基板3に形成された 部3aの周囲を囲むようにベース基板2の周縁 沿って形成されている。

 また、一対の引き回し電極36、37は、一対の 貫通電極32、33のうち、一方の貫通電極32と圧 電振動片4の一方のマウント電極16とを電気的 に接続すると共に、他方の貫通電極33と圧電 動片4の他方のマウント電極17とを電気的に 続するようにパターニングされている。よ 詳しく説明すると、一方の引き回し電極36 、圧電振動片4の基部12の真下に位置するよ に一方の貫通電極32の真上に形成されている 。また、他方の引き回し電極37は、一方の引 回し電極36に隣接した位置から、振動腕部10 、11に沿って該振動腕部10、11の先端側に引き 回しされた後、他方の貫通電極33の真上に位 するように形成されている。
 そして、これら一対の引き回し電極36、37上 にそれぞれバンプBが形成されており、該バ プBを利用して圧電振動片4がマウントされて いる。これにより、圧電振動片4の一方のマ ント電極16が、一方の引き回し電極36を介し 一方の貫通電極32に導通し、他方のマウン 電極17が、他方の引き回し電極37を介して他 の貫通電極33に導通するようになっている

 また、ベース基板2の下面には、図1、図3 び図4に示すように、一対の貫通電極32、33 対してそれぞれ電気的に接続される外部電 38、39が形成されている。つまり、一方の外 電極38は、一方の貫通電極32及び一方の引き 回し電極36を介して圧電振動片4の第1の励振 極13に電気的に接続されている。また、他方 の外部電極39は、他方の貫通電極33及び他方 引き回し電極37を介して、圧電振動片4の第2 励振電極14に電気的に接続されている。

 このように構成された圧電振動子1を作動 させる場合には、ベース基板2に形成された 部電極38、39に対して、所定の駆動電圧を印 する。これにより、圧電振動片4の第1の励 電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極 15に電流を流すことができ、一対の振動腕部1 0、11を接近・離間させる方向に所定の周波数 で振動させることができる。そして、この一 対の振動腕部10、11の振動を利用して、時刻 、制御信号のタイミング源やリファレンス 号源等として利用することができる。

 次に、上述した圧電振動子1を、図8に示 フローチャートを参照しながら、ベース基 用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とを利用 て一度に複数製造する製造方法について以 に説明する。

 初めに、圧電振動片作製工程を行って図5 から図7に示す圧電振動片4を作製する(S10)。 体的には、まず水晶のランバート原石を所 の角度でスライスして一定の厚みのウエハ する。続いて、このウエハをラッピングし 粗加工した後、加工変質層をエッチングで り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨加 を行って、所定の厚みのウエハとする。続 て、ウエハに洗浄等の適切な処理を施した 、該ウエハをフォトリソグラフィ技術によ て圧電振動片4の外形形状でパターニングす と共に、金属膜の成膜及びパターニングを って、励振電極15、引き出し電極19、20、マ ント電極16、17、重り金属膜21を形成する。 れにより、複数の圧電振動片4を作製するこ とができる。

 また、圧電振動片4を作製した後、共振周 波数の粗調を行っておく。これは、重り金属 膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を 発させ、重量を変化させることで行う。な 、共振周波数をより高精度に調整する微調 関しては、マウント後に行う。これについ は、後に説明する。

 次に、後にリッド基板3となるリッド基板 用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態ま 作製する第1のウエハ作製工程を行う(S20)。 ず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚みまで研 加工して洗浄した後に、エッチング等によ 最表面の加工変質層を除去した円板状のリ ド基板用ウエハ50を形成する(S21)。次いで、 図9に示すように、リッド基板用ウエハ50の接 合面に、エッチング等により行列方向にキャ ビティ用の凹部3aを複数形成する凹部形成工 を行う(S22)。この時点で、第1のウエハ作製 程が終了する。

 次に、上記工程と同時或いは前後のタイ ングで、後にベース基板2となるベース基板 用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態ま 作製する第2のウエハ作製工程を行う(S30)。 ず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚みまで研 加工して洗浄した後に、エッチング等によ 最表面の加工変質層を除去した円板状のベ ス基板用ウエハ40を形成する(S31)。次いで、 ベース基板用ウエハ40に、一対の貫通電極32 33を複数形成する貫通電極形成工程を行う(S3 0A)。ここで、この貫通電極形成工程について 、詳細に説明する。

 まず、図10に示すように、ベース基板用 エハ40に該ウエハ40を貫通する一対のスルー ール30、31を複数形成する貫通孔形成工程(S3 2)を行う。なお、図10に示す点線Mは、後に行 切断工程で切断する切断線を図示している この工程を行う際、ベース基板用ウエハ40 上面側から、例えばプレス加工等により行 。これにより、図11に示すように、ベース基 板用ウエハ40の下面に向かって径が2段階に分 かれて漸次縮径し、断面が段付きのテーパ状 のスルーホール30、31を形成することができ 。また、後に両ウエハ40、50を重ね合わせた きに、リッド基板用ウエハ50に形成された 部3a内に収まるように一対のスルーホール30 31を複数形成する。しかも、一方のスルー ール30が圧電振動片4の基部12側に位置し、他 方のスルーホール31が振動腕部10、11の先端側 に位置するように形成する。

 続いて、図12に示すように、これら複数 スルーホール30、31の内面に電極膜32a、33aを 膜する電極膜成膜工程(S33)を行う。具体的 は、電極膜32a、33aを、例えばクロムと銅と 積層するようにスパッタリングすることに って成膜する。続いて、図13に示すように、 電極膜32a、33aが成膜されたスルーホール30、3 1に、球状のガラスボール(ガラス体の塊)Gを め込むガラス体セット工程(S34)を行う。この 際、ガラスボールGとして、スルーホール30、 31の容積と略等しい体積のガラスボールGを用 いる。更に、ガラスボールGとして、予め仮 成されたガラスボールを用いる。

 続いて、埋め込んだガラスボールGを所定 の温度で加熱する加熱工程(S35)を行う。この 熱工程を行うことで、まずスルーホール30 31に埋め込まれたガラスボールGが溶融する この際、埋め込まれたガラスボールGの体積 スルーホール30、31の容積と略等しいので、 溶融した状態のガラス体は、スルーホール30 31内に隙間なく行き渡ってスルーホール30、 31を塞ぐ。これにより、ガラス体32b、33bは、 14に示すように、スルーホール30、31を塞ぐ うに、電極膜32a、33aを間に挟んでスルーホ ル30、31の内面に強固に固着した状態になる 。この結果、電極膜32a、33aとガラス体32b、33b とにより貫通電極32、33が形成される。

 特に、貫通電極32、33を形成するにあたって 、従来のものとは異なり、ペーストを使用せ ずに、電極膜32a、33aとガラス体32b、33bとで貫 通電極32、33を形成している。仮にペースト 使用した場合には、ペーストを焼成する必 がある。通常、ペーストは、焼成時に内部 含まれる有機物が蒸発してしまうので、焼 後の体積が焼成前に比べて顕著に減少して まう。そのため、仮にペーストだけをスル ホール30、31内に埋め込んで焼成した場合に 、焼成後にペーストの表面に大きな凹みが じてしまう。
 しかしながら、上述したように、ペースト 使用せずに、電極膜32a、33aとガラス体32b、3 3bとを利用しており、両者の表面に大きな凹 が現れる恐れがない。なお、ガラス体32b、3 3bは、加熱工程の際に若干体積が減少するが ペーストを焼成する場合とは違い、目立つ みとなって現れるほど顕著なものではなく 無視できる範囲である。
 従って、ベース基板用ウエハ40の表面と、 ラス体32b、33bの表面とは、ほぼ面一な状態 なる。つまり、ベース基板用ウエハ40の表面 と貫通電極32、33の表面とを、ほぼ面一な状 とすることができる。

 次に、ベース基板用ウエハ40の上面に導電 材料をパターニングして、図15及び図16に示 ように、接合膜35を形成する接合膜形成工 を行う(S36)と共に、各一対の貫通電極32、33 それぞれ電気的に接続された引き回し電極36 、37を複数形成する引き回し電極形成工程を う(S37)。なお、図15及び図16に示す点線Mは、 後に行う切断工程で切断する切断線を図示し ている。
 特に、電極膜32a、33a及びガラス体32b、33bか なる貫通電極32、33は、上述したように、表 面に凹みがなく、ベース基板用ウエハ40の上 に対してほぼ面一な状態となっている。そ ため、ベース基板用ウエハ40の上面にパタ ニングされた引き回し電極36、37は、間に隙 等を発生させることなく貫通電極32、33に対 して密着した状態で接する。これにより、一 方の引き回し電極36と一方の貫通電極32との 通性、並びに、他方の引き回し電極37と他方 の貫通電極33との導通性を確実なものにする とができる。この時点で第2のウエハ作製工 程が終了する。

 ところで、図8では、接合膜形成工程(S36) 後に、引き回し電極形成工程(S37)を行う工 順序としているが、これとは逆に、引き回 電極形成工程(S37)の後に、接合膜形成工程(S3 6)を行っても構わないし、両工程を同時に行 ても構わない。いずれの工程順序であって 、同一の作用効果を奏することができる。 って、必要に応じて適宜、工程順序を変更 て構わない。

 次に、作製した複数の圧電振動片4を、それ ぞれ引き回し電極36、37を介してベース基板 ウエハ40の上面に接合するマウント工程を行 う(S40)。まず、一対の引き回し電極36、37上に それぞれ金等のバンプBを形成する。そして 圧電振動片4の基部12をバンプB上に載置した 、バンプBを所定温度に加熱しながら圧電振 動片4をバンプBに押し付ける。これにより、 電振動片4は、バンプBに機械的に支持され と共に、マウント電極16、17と引き回し電極3 6、37とが電気的に接続された状態となる。よ って、この時点で圧電振動片4の一対の励振 極15は、一対の貫通電極32、33に対してそれ れ導通した状態となる。
 特に、圧電振動片4は、バンプ接合されるの で、ベース基板用ウエハ40の上面から浮いた 態で支持される。

 圧電振動片4のマウントが終了した後、ベ ース基板用ウエハ40に対してリッド基板用ウ ハ50を重ね合わせる重ね合わせ工程を行う(S 50)。具体的には、図示しない基準マーク等を 指標としながら、両ウエハ40、50を正しい位 にアライメントする。これにより、マウン された圧電振動片4が、ベース基板用ウエハ4 0に形成された凹部3aと両ウエハ40、50とで囲 れるキャビティC内に収容された状態となる

 重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウエ ハ40、50を図示しない陽極接合装置に入れ、 定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽 接合する接合工程を行う(S60)。具体的には、 接合膜35とリッド基板用ウエハ50との間に所 の電圧を印加する。すると、接合膜35とリッ ド基板用ウエハ50との界面に電気化学的な反 が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して陽 接合される。これにより、圧電振動片4をキ ャビティC内に封止することができ、ベース 板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接 した図17に示すウエハ体60を得ることができ る。なお、図17においては、図面を見易くす ために、ウエハ体60を分解した状態を図示 ており、ベース基板用ウエハ40から接合膜35 図示を省略している。また、図17に示す点 Mは、後に行う切断工程で切断する切断線を 示している。
 ところで、陽極接合を行う際、ベース基板 ウエハ40に形成されたスルーホール30、31は 貫通電極32、33によって完全に塞がれている ので、キャビティC内の気密がスルーホール30 、31を通じて損なわれることがない。特に、 通電極32、33を構成するガラス体32b、33bは、 スルーホール30、31を塞ぐように、電極膜32a 33aを間に挟んでスルーホール30、31の内面に 固に密着しているので、キャビティC内の気 密を確実に維持することができる。

 そして、上述した陽極接合が終了した後、 ース基板用ウエハ40の下面に導電性材料を ターニングして、一対の貫通電極32、33にそ ぞれ電気的に接続された一対の外部電極38 39を複数形成する外部電極形成工程を行う(S7 0)。この工程により、外部電極38、39を利用し てキャビティC内に封止された圧電振動片4を 動させることができる。
 特に、この工程を行う場合も引き回し電極3 6、37の形成時と同様に、ベース基板用ウエハ 40の下面に対して貫通電極32、33がほぼ面一な 状態となっているので、パターニングされた 外部電極38、39は、間に隙間等を発生させる となく貫通電極32、33に対して密着した状態 接する。これにより、外部電極38、39と貫通 電極32、33との導通性を確実なものにするこ ができる。

 次に、ウエハ体60の状態で、キャビティC に封止された個々の圧電振動子1の周波数を 微調整して所定の範囲内に収める微調工程を 行う(S80)。具体的に説明すると、ベース基板 ウエハ40の下面に形成された一対の外部電 38、39に電圧を印加して圧電振動片4を振動さ せる。そして、周波数を計測しながらリッド 基板用ウエハ50を通して外部からレーザ光を 射し、重り金属膜21の微調膜21bを蒸発させ 。これにより、一対の振動腕部10、11の先端 の重量が変化するので、圧電振動片4の周波 数を、公称周波数の所定範囲内に収まるよう に微調整することができる。

 周波数の微調が終了後、接合されたウエハ 60を図17に示す切断線Mに沿って切断して小 化する切断工程を行う(S90)。その結果、互い に接合されたベース基板2とリッド基板3との に形成されたキャビティC内に圧電振動片4 封止された、図1に示す2層構造式表面実装型 の圧電振動子1を一度に複数製造することが きる。
 なお、切断工程(S90)を行って個々の圧電振 子1に小片化した後に、微調工程(S80)を行う 程順序でも構わない。但し、上述したよう 、微調工程(S80)を先に行うことで、ウエハ体 60の状態で微調を行うことができるので、複 の圧電振動子1をより効率よく微調すること ができる。よって、スループットの向上化を 図ることができるので好ましい。

 その後、内部の電気特性検査を行う(S100) 即ち、圧電振動片4の共振周波数、共振抵抗 値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共 抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェ クする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチ ックする。そして、最後に圧電振動子1の外 観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチ ェックする。これをもって圧電振動子1の製 が終了する。

 特に、本実施形態の圧電振動子1は、ベー ス基板2に対してほぼ面一な状態で貫通電極32 、33を形成できるので、該貫通電極32、33を、 引き回し電極36、37及び外部電極38、39に対し 確実に密着させることができる。その結果 圧電振動片4と外部電極38、39との安定した 通性を確保することができ、作動性能の信 性を向上して高性能化を図ることができる しかも、スルーホール30、31の内面に成膜さ た電極膜32a、33aを利用して貫通電極32、33を 構成しているので、非常に安定した導通性を 得ることができる。

 また、キャビティC内の気密に関しても確 実に維持することができるので、この点にお いても高品質化を図ることができる。特に、 本実施形態で用いたガラスボールGは、予め 焼成されているので、その後に加熱を行っ 際に体積減少等が生じ難い。そのため、よ 高品質な貫通電極32、33を形成することがで 、キャビティC内の気密をより確実にするこ とができる。その結果、圧電振動子1の更な 高品質化を図ることができる。

 加えて、電極膜32a、33a及びガラス体32b、3 3bを利用した簡単な方法で貫通電極32、33を形 成できるので、工程の簡素化を図ることがで きる。特に、本実施形態では、貫通孔形成工 程の際に、スルーホール30、31を、ベース基 用ウエハ40の下面側に開く開口が、上面側に 開く開口よりも小さくなるように形成してい る。従って、上面側から埋め込まれたガラス ボールGは、下面側から抜け落ちることがな 。よって、ガラス体セット工程から加熱工 まで、ガラスボールGが抜け落ちて紛失する とがない。その結果、余分な作業時間を要 ることがなく、更なる工程の簡素化を図る とができる。加えて、ガラスボールGは、下 面側から抜け落ちずにスルーホール30、31内 保持されていることになる。つまり、単に 面側からスルーホール30、31に埋め込むだけ 、スルーホール30、31内に保持することがで きる。よって、この点においても、更なる工 程の簡素化を図ることができる。

 また、本実施形態の製造方法によれば、 記圧電振動子1を一度に複数製造することが できるので、低コスト化を図ることができる 。

 次に、本発明に係る発振器の一実施形態に いて、図18を参照しながら説明する。
 本実施形態の発振器100は、図18に示すよう 、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接 された発振子として構成したものである。 の発振器100は、コンデンサ等の電子部品102 実装された基板103を備えている。基板103に 、発振器用の上記集積回路101が実装されて り、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1 が実装されている。これら電子部品102、集積 回路101及び圧電振動子1は、図示しない配線 ターンによってそれぞれ電気的に接続され いる。なお、各構成部品は、図示しない樹 によりモールドされている。

 このように構成された発振器100において、 電振動子1に電圧を印加すると、該圧電振動 子1内の圧電振動片4が振動する。この振動は 圧電振動片4が有する圧電特性により電気信 号に変換されて、集積回路101に電気信号とし て入力される。入力された電気信号は、集積 回路101によって各種処理がなされ、周波数信 号として出力される。これにより、圧電振動 子1が発振子として機能する。
 また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リ アルタイムクロック)モジュール等を要求に じて選択的に設定することで、時計用単機 発振器等の他、当該機器や外部機器の動作 や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等 提供したりする機能を付加することができ 。

 上述したように、本実施形態の発振器100 よれば、キャビティC内の気密が確実で、作 動の信頼性が向上した高品質な圧電振動子1 備えているので、発振器100自体も同様に作 の信頼性を高めて高品質化を図ることがで る。さらにこれに加え、長期にわたって安 した高精度な周波数信号を得ることができ 。

 次に、本発明に係る電子機器の一実施形 について、図19を参照して説明する。なお 子機器として、上述した圧電振動子1を有す 携帯情報機器110を例にして説明する。始め 本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、 帯電話に代表されるものであり、従来技術 おける腕時計を発展、改良したものである 外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する 分に液晶ディスプレイを配し、この画面上 現在の時刻等を表示させることができるも である。また、通信機として利用する場合 は、手首から外し、バンドの内側部分に内 されたスピーカ及びマイクロフォンによっ 、従来技術の携帯電話と同様の通信を行う とが可能である。しかしながら、従来の携 電話と比較して、格段に小型化及び軽量化 れている。

 次に、本実施形態の携帯情報機器110の構 について説明する。この携帯情報機器110は 図19に示すように、圧電振動子1と、電力を 給するための電源部111とを備えている。電 部111は、例えば、リチウム二次電池からな ている。この電源部111には、各種制御を行 制御部112と、時刻等のカウントを行う計時 113と、外部との通信を行う通信部114と、各 情報を表示する表示部115と、それぞれの機 部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列 接続されている。そして、電源部111によっ 、各機能部に電力が供給されるようになっ いる。

 制御部112は、各機能部を制御して音声デ タの送信及び受信、現在時刻の計測や表示 、システム全体の動作制御を行う。また、 御部112は、予めプログラムが書き込まれたR OMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み して実行するCPUと、該CPUのワークエリアと て使用されるRAM等とを備えている。

 計時部113は、発振回路、レジスタ回路、 ウンタ回路及びインターフェース回路等を 蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えて いる。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電 動片4が振動し、該振動が水晶の有する圧電 性により電気信号に変換されて、発振回路 電気信号として入力される。発振回路の出 は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回 とにより計数される。そして、インターフ ース回路を介して、制御部112と信号の送受 が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日 或いはカレンダー情報等が表示される。

 通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能 有し、無線部117、音声処理部118、切替部119 増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力 122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124 備えている。
 無線部117は、音声データ等の各種データを アンテナ125を介して基地局と送受信のやり りを行う。音声処理部118は、無線部117又は 幅部120から入力された音声信号を符号化及 複号化する。増幅部120は、音声処理部118又 音声入出力部121から入力された信号を、所 のレベルまで増幅する。音声入出力部121は スピーカやマイクロフォン等からなり、着 音や受話音声を拡声したり、音声を集音し りする。

 また、着信音発生部123は、基地局からの呼 出しに応じて着信音を生成する。切替部119 、着信時に限って、音声処理部118に接続さ ている増幅部120を着信音発生部123に切り替 ることによって、着信音発生部123において 成された着信音が増幅部120を介して音声入 力部121に出力される。
 なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼 御に係るプログラムを格納する。また、電 番号入力部122は、例えば、0から9の番号キ 及びその他のキーを備えており、これら番 キー等を押下することにより、通話先の電 番号等が入力される。

 電圧検出部116は、電源部111によって制御 112等の各機能部に対して加えられている電 が、所定の値を下回った場合に、その電圧 下を検出して制御部112に通知する。このと の所定の電圧値は、通信部114を安定して動 させるために必要な最低限の電圧として予 設定されている値であり、例えば、3V程度 なる。電圧検出部116から電圧降下の通知を けた制御部112は、無線部117、音声処理部118 切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止 る。特に、消費電力の大きな無線部117の動 停止は、必須となる。更に、表示部115に、 信部114が電池残量の不足により使用不能に った旨が表示される。

 即ち、電圧検出部116と制御部112とによって 通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部1 15に表示することができる。この表示は、文 メッセージであっても良いが、より直感的 表示として、表示部115の表示面の上部に表 された電話アイコンに、×(バツ)印を付ける ようにしても良い。
 なお、通信部114の機能に係る部分の電源を 選択的に遮断することができる電源遮断部1 26を備えることで、通信部114の機能をより確 に停止することができる。

 上述したように、本実施形態の携帯情報 器110によれば、キャビティC内の気密が確実 で、作動の信頼性が向上した高品質な圧電振 動子1を備えているので、携帯情報機器自体 同様に作動の信頼性を高めて高品質化を図 ことができる。さらにこれに加え、長期に たって安定した高精度な時計情報を表示す ことができる。

 次に、本発明に係る電波時計の一実施形態 ついて、図20を参照して説明する。
 本実施形態の電波時計130は、図20に示すよ に、フィルタ部131に電気的に接続された圧 振動子1を備えたものであり、時計情報を含 標準の電波を受信して、正確な時刻に自動 正して表示する機能を備えた時計である。
 日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz) に、標準の電波を送信する送信所(送信局)が あり、それぞれ標準電波を送信している。40k Hz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播 る性質と、電離層と地表とを反射しながら 播する性質とを併せもつため、伝播範囲が く、上述した2つの送信所で日本国内を全て 羅している。

 以下、電波時計130の機能的構成について詳 に説明する。
 アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標 準電波を受信する。長波の標準電波は、タイ ムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しく 60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。 受信された長波の標準電波は、アンプ133によ って増幅され、複数の圧電振動子1を有する ィルタ部131によって濾波、同調される。
 本実施形態における圧電振動子1は、上記搬 送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数 有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備え いる。

 更に、濾波された所定周波数の信号は、検 、整流回路134により検波復調される。続い 、波形整形回路135を介してタイムコードが り出され、CPU136でカウントされる。CPU136で 、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報 読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反 され、正確な時刻情報が表示される。
 搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水 晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造 を持つ振動子が好適である。

 なお、上述の説明は、日本国内の例で示 たが、長波の標準電波の周波数は、海外で 異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの 標準電波が用いられている。従って、海外で も対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込 む場合には、さらに日本の場合とは異なる周 波数の圧電振動子1を必要とする。

 上述したように、本実施形態の電波時計1 30によれば、キャビティC内の気密が確実で、 作動の信頼性が向上した高品質な圧電振動子 1を備えているので、電波時計自体も同様に 動の信頼性を高めて高品質化を図ることが きる。さらにこれに加え、長期にわたって 定して高精度に時刻をカウントすることが きる。

 なお、本発明の技術範囲は上記実施の形 に限定されるものではなく、本発明の趣旨 逸脱しない範囲において種々の変更を加え ことが可能である。

 例えば、上記実施形態では、圧電振動片4の 一例として振動腕部10、11の両面に溝部18が形 成された溝付きの圧電振動片4を例に挙げて 明したが、溝部18がないタイプの圧電振動片 でも構わない。但し、溝部18を形成すること 、一対の励振電極15に所定の電圧を印加さ たときに、一対の励振電極15間における電界 効率を上げることができるので、振動損失を より抑えて振動特性をさらに向上することが できる。つまり、CI値(Crystal Impedance)をさら 低くすることができ、圧電振動片4のさらな 高性能化を図ることができる。この点にお て、溝部18を形成する方が好ましい。
 また、上記実施形態では、音叉型の圧電振 片4を例に挙げて説明したが、音叉型に限ら れるものではない。例えば、厚み滑り振動片 としても構わない。

 また、上記実施形態では、ベース基板2とリ ッド基板3とを接合膜35を介して陽極接合した が、陽極接合に限定されるものではない。但 し、陽極接合することで、両基板2、3を強固 接合できるので好ましい。
 また、上記実施形態では、圧電振動片4をバ ンプ接合したが、バンプ接合に限定されるも のではない。例えば、導電性接着剤により圧 電振動片4を接合しても構わない。但し、バ プ接合することで、圧電振動片4をベース基 2の上面から浮かすことができ、振動に必要 な最低限の振動ギャップを自然と確保するこ とができる。よって、バンプ接合することが 好ましい。

 また、上記実施形態では、スルーホール3 0、31を、プレス加工により、ベース基板用ウ エハ40の下面に向かって径が2段階に分かれて 漸次縮径し、断面が段付きのテーパ状になる ように形成した場合を例に挙げたが、スルー ホール30、31がベース基板2を貫通していれば これに限られるものではない。例えば、サ ドブラスト法等を用いて、ベース基板用ウ ハ40の下面に向かって漸次径が縮径するス ーホールを形成しても構わないし、ベース 板用ウエハ40を真っ直ぐに貫通するスルーホ ールを形成しても構わない。

 また、上記実施形態において、ガラス体32b 33b(ガラスボールG)は、熱膨張係数がベース 板2(ベース基板用ウエハ40)と略等しいもの 用いることが好ましい。
 この場合には、加熱工程の際に、ガラスボ ルGとベース基板用ウエハ40との膨張量が略 しくなる。従って、熱膨張係数の違いによ て、ベース基板用ウエハ40に過度に圧力を 用させてクラック等を発生させたり、ガラ 体32b、33bとスルーホール30、31との間に隙間 空いてしまったりすることがない。このた 、より高品質な貫通電極32、33を形成するこ とができ、その結果、圧電振動子1の更なる 品質化を図ることができる。

 また、上記実施形態では、ガラスボールG として、予め仮焼成されたガラスボールを用 いた場合を例に挙げたが、これに限らない。 但し、予め仮焼成されたガラスボールを用い ることで、加熱工程の際に、体積減少等が生 じ難く、より高品質な貫通電極32、33を形成 ることができる。よって、予め仮焼成され ガラスボールを用いることが好ましい。

 また、上記実施形態では、電極膜32a、33a クロムと銅とが積層するようにスパッタリ グすることによって成膜した場合を例に挙 たが、これに限らない。例えば、スパッタ ングによって、単層の電極膜を成膜しても わない。また、スルーホール30、31の内面に 導電ペーストをスプレーコート等によって薄 膜塗布して、塗布された導電ペーストを焼成 することで電極膜を形成しても構わない。こ の場合であっても、同様の作用効果を奏する ことができる。なお、導電ペーストを利用し たとしても、導電ペーストの塗布量は極少量 なので、焼成を行った場合に有機物の消失に よる体積減少はわずかである。よって、電極 膜が導電ペーストの焼成によって形成された としても、ベース基板ウエハ40の表面におけ 電極膜の凹みは極めて小さく、貫通電極32 33を確実に機能させることができる。

 また、上記実施形態では、ガラス体セッ 工程の際、球状のガラスボールGを埋め込ん だ場合を例に挙げたが、埋め込むガラス体の 塊の形状は、球状に限られず、柱状や錐状で も構わない。




 
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