Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF FORMING TISSUE STRUCTURE IMAGE OF PROCESSED FOOD OR RAW MATERIAL FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078752
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a technique whereby a clear image of the tissue structure of a food, a processed food or a raw material of the processed food, in particular, the tissue structure of a secondary processed food or a raw material for producing the same can be formed. To provide a technique whereby an image having such a clearness as ensuring the definite discrimination of the existing states of starches, proteins and lipids contained in a food, a processed food or a raw material of the processed food can be formed. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A food, a processed food or a raw material of the processed food is stained with a fluorescent dye having the triphenylmethane skeleton, either alone or as a mixture thereof, and then irradiated with an excitation light. From the resultant fluorescence, an image is formed based on the data obtained from three or more kinds of monitoring lights including at least the following three monitoring lights; fluorescence wavelength A of 380 nm or longer but shorter than 450 nm; fluorescence wavelength B of 450 nm or longer but shorter than 560 nm; and fluorescence wavelength C of 560 nm or longer but shorter than 700 nm.

Inventors:
MAEDA TATSUROU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074877
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
December 25, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NISSHIN SEIFUN GROUP INC (JP)
MAEDA TATSUROU (JP)
International Classes:
G01N21/64; C09B11/00; C09B11/10; G02B21/00
Foreign References:
JP2003294626A2003-10-15
JP2002323449A2002-11-08
US5658798A1997-08-19
JPH09243561A1997-09-19
JPH10123054A1998-05-15
JP2001208745A2001-08-03
Other References:
DURRENBERGER D.B. ET AL.: "Visualization of Food Structure by Confocal Laser Scanning Microscopy (CLSM)", LEBENSMITTEL-WISSENSCHAFT UND TECHNOLOGIE, vol. 34, no. 1, 2001, pages 11 - 17
Attorney, Agent or Firm:
EBATA, Toshio (Compartment Tokyochuo24-1, Hatchobori 3-chom, Chuo-ku Tokyo 32, JP)
Download PDF:
Claims:
トリフェニルメタン骨格を有する蛍光染色剤で染色した加工食品または加工食品の製造原料に励起光を照射し、前記染色した加工食品または加工食品の製造原料を、少なくとも下記三種の観察光を含む三種以上の観察光を用いて観察し、次いで当該観察結果に基づき画像を形成することを特徴とする加工食品または加工食品の製造原料の組織構造画像の形成方法。
380nm以上450nm未満の蛍光波長A、
450nm以上560nm未満の蛍光波長B、および
560nm以上700nm以下の蛍光波長C。
励起光を照射する前に、加工食品または加工食品の製造原料の不凍水含量を30重量%以下に調整しておくことを特徴とする請求項1記載の加工食品または加工食品の製造原料の組織構造画像の形成方法。
加工食品が穀類の二次加工食品であり、加工食品の製造原料が穀類または穀類の二次加工食品の製造過程における一次加工食品処理物である請求項1または2記載の加工食品または加工食品の製造原料の組織構造画像の形成方法。
下記一般式1で表される加工食品または加工食品の製造原料の組織構造画像形成用蛍光染色剤。
式1



(式中、R 1 およびR 2 はNH 2 、NHY、NY 1 Y 2 、またはOHを示し、R 3 はO、NH 2 、NHY、またはNY 1 Y 2 を示し、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、およびR 9 はH、C n H 2n+1 、SO 3 X、およびCOOXから選ばれる一つを示し、XはHまたはアルカリ金属原子を示し、Y、Y 1 、およびY 2 は炭素数が1から3のアルキル基または置換基を有してもよいフェニル基を示し、nは1~3の整数である。)
Description:
加工食品またはその製造原料の 織構造画像の形成方法

 本発明は、加工食品またはその加工食品 製造原料の組織構造を表す画像の形成方法 関する。また、その画像形成に際して用い れる加工食品または加工食品の製造原料の 織構造画像形成用蛍光染色剤に関する。

 従来から多様な食品が知られており、美味 い食品を求めて数多くの研究がなされてい 。加工食品、その中でも穀類由来の加工食 、とくにパン類、麺類、米飯、菓子類、天 らなどの小麦粉、米を主原料とする二次加 食品についても同様であり、美味しい加工 品を提供できるよういろいろな工夫と研究 行われている。
 例えば、食品の味覚や食感が食品の美味し に大きな影響を持つことから、食品の味覚 食感についての研究が行われ、とくに二次 工食品では食品の三大栄養素と云われてい 澱粉、蛋白質および脂質が食品中にどのよ な形態で存在しているかによって、食品の 覚や食感が大きく変るものと考えられてき 。

 従来、食品の味覚、食感の評価はもっぱら 門パネルによる官能検査によって行われて たが、近年機器類を用いて食品の組織構造 表す画像(組織構造画像)を形成し、その組 構造から食感の程度を判別することが試み れている。しかしながら、それらの機器類 よって組織構造画像を形成しても食品を構 する前記各成分の境界部が不鮮明であった 、得られる画像が平面的であるため、満足 得る評価が行えないのが現状である。
 例えば電子顕微鏡による場合は標本に電子 飛ばして反射してきた電子を検出して標本 組織構造を観察(走査型電子顕微鏡)するが この方法は非常に高い分解能で標本の組織 造を観察することができる反面、染色がで ないために特定成分の判別が困難であり、 の境界部分の構造解析をすることができな という不都合さがある。光学顕微鏡による 合は、切片の特定成分の染色を行い、標本 得、その組織構造を観察するのであるが、 記特定成分の境界部分が不鮮明である。そ で多重染色法を採用し、該特定成分の境界 分をより鮮明にする努力がなされ、特定成 の色分けも改善されたのであるが、染色に る特定成分への特異性が小さく、しかも染 剤が特定成分へオーバーラップしてしまい 組織構造の判別が実質的にできなかった(非 許文献1)。
 その点、蛍光観察と位相差観察、微分干渉 察等の蛍光観察以外の観察方法を併用して 標本の特定成分の染色を行い、標本の組織 造を観察する方法は従来の方法からみると るかに鮮明な画像を形成できるが、それで 満足できる技術ではなく、例えば澱粉、蛋 質および脂質が相互に絡みあう状態を鮮明 観察することは困難であった(特許文献1、2)

特開2002-323449号公報

特開2003-294626号公報 食品組織学 第213頁~ 星野忠彦他2名、株 式会社光生館1998年6月5日発行

 そこで、本発明の課題は、加工食品また その加工食品の原料の組織構造、とくに二 加工食品あるいはその製造原料の組織構造 鮮明な画像を形成することが出来る技術を 供することにある。また、加工食品または の加工食品の原料の澱粉、蛋白質および脂 が絡み合う存在形態(以下、微細構造という ことがある)までをも明確に判別することが 来る程度に鮮明な画像を形成する技術を提 することにある。

 本発明者は、上記課題を解決するべく鋭 研究する最中、二次加工食品の製造原料か 常法にて切片を作製し、該切片を蛍光染色 にて染色した後、励起光を照射し、次いで 定の蛍光波長からなる観察光を複数組合わ て構成される観察光を用いて染色標本(標本 ということがある)を観察した結果、または 得られた情報をもとにして常法により画像 形成させると、その画像は極めて鮮明な画 であるという、驚くべき知見を得た。ここ 特定の蛍光染色剤を用いるとより鮮明な画 が得られるという知見も得た。さらに研究 進め薄片化処理前の試料の不凍水含量が一 値以下となるように調整した状態で薄片化 理を施した試料について上記知見を適用す と、よりいっそう鮮明な画像が得られると う手法を得た。これら知見に基づき鋭意研 を重ね、遂に本発明を完成させた。

 すなわち、特許請求の範囲の請求項1の発 明は、トリフェニルメタン骨格を有する蛍光 染色剤で染色した加工食品または加工食品の 製造原料を光励起した後、光励起した染色物 についての少なくとも三種の観察光による情 報、すなわち蛍光波長が380nm以上450nm未満の 察光Aでの情報、蛍光波長が450nm以上560nm未満 の観察光Bでの情報、および蛍光波長がnm以上 700nm以下の観察光Cでの情報を得、ついでそれ ら情報に基づき画像を創製することを特徴と する加工食品または加工食品の製造原料の組 織構造を表す画像の形成方法である。なお、 上記少なくとも三種の観察光による情報をほ ぼ同時に観察すること、または、個別に得た 情報に基づき画像を創製することを特徴とす る加工食品または加工食品の製造原料の組織 構造を表す画像の形成方法でもある。 ここ いう観察光とは、加工食品または加工食品 製造原料の組織構造を表す画像を形成する 報を収集するために用いる光をいう。本発 では、前記三種の観察光のほかに、さらに 異なる蛍光波長からなる観察光を併用する とができる。併用する観察光の蛍光波長は いろいろな種類があるのでまとめて説明す ことが困難であるが、380nm以上700nm以下から 外れる蛍光波長でもよいし、上記380nm以上700n m以下の蛍光波長でもよい。

 請求項2の発明は、上記請求項1の発明にお て、加工食品または加工食品の製造原料に 起光を照射する前の切片の不凍水含量を30重 量%以下に調整した状態で薄片化処理を施す とを特徴とする。より具体的には、組織構 を表す画像を形成させようとする加工食品 たは加工食品の製造原料を凍結することに り固定することで不凍水含量を30重量%以下 調整した後、ミクロトームヤクライオスタ ト等により薄片化した後、蛍光染色剤で染 する。ここでいう不凍水とは、加工食品ま は加工食品の製造原料を冷凍させた状態で 、その加工食品中または加工食品の製造原 中では凍結しない水を意味する。
 請求項3の発明は、上記請求項1または2の発 において、加工食品が穀類の二次加工食品 あり、加工食品の製造原料が穀類または穀 の二次加工食品の製造過程における一次加 食品処理物であることを特徴とする。

 請求項4の発明は、下記一般式1で表される 光染色剤からなることを特徴とすると加工 品または加工食品の製造原料の組織構造を す画像形成用蛍光染色剤である。この蛍光 色剤を単独で使用してもよいが、混合物と て使用してもよい。
式1
(式中、R 1 およびR 2 はNH 2 、NHY、NY 1 Y 2 、またはOHを示し、R 3 はO、NH 2 、NHY、またはNY 1 Y 2 を示し、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、およびR 9 はH、C n H 2n+1 、SO 3 X、およびCOOXから選ばれる一つを示し、XはH たはアルカリ金属原子を示し、Y、Y 1 、およびY 2 は炭素数が1から3のアルキル基または置換基 有してもよいフェニル基を示し、nは1~3の整 数である。)また、本発明は、上記請求項4で 載された蛍光染色剤からなることを特徴と る加工食品または加工食品の製造原料の澱 、および蛋白質の組織構造可視化用、また 加工食品または加工食品の製造原料の澱粉 蛋白質、および脂肪の組織構造可視化用蛍 染色剤の発明でもある。

 以下、本発明を詳細に説明する。
 本発明でいう加工食品はいろいろな手段・ 法を用いて食品原材料を処理加工した物で れば特に制限されないのであるが、例えば 次加工食品、二次加工食品が挙げられ、特 二次加工食品が好ましい。一次加工食品の 体例としては、小麦粉、デュラム粉、ソル ム粉、精麦、大麦粉、オーツ麦粉、ライ麦 、トウモロコシ粉、ヒエ粉、アワ粉、キビ 、穀類由来の澱粉、穀類由来のタンパク質 の穀類の一次加工食品が挙げられる。それ 一次加工食品にいろいろな手段・方法を適 して得られる二次加工食品の具体例として 、各種パン類、うどん、冷麦、そうめん等 麺類、菓子類、麩類、パスタ類、揚げ物類 焼き物類、蒸し物類等の穀類の二次加工食 が挙げられる。
 本発明でいう加工食品の製造原料としては 食品原材料が挙げられ、特に穀類が好まし が、そのほか、二次加工食品の製造過程に ける一次加工食品処理物が挙げられ、例え 、パン類の製造生地、茹で麺類製造用麺線 麩類製造用としての生地から揉み出した湿 (ウエットグルテン)、ビスケット等の食品 造生地等が好適である。ここで、二次加工 品の製造過程はすでに公知の製造過程を採 することができる。

 本発明でいう加工食品または加工食品の 造原料の組織構造については、数多くの研 者が盛んに研究し、数多くの報告がある。 発明の組織構造画像はそれら報告された組 構造を含む加工食品または加工食品の製造 料の組織構造を表す画像を意味する。本発 は、特に穀類の二次加工食品、あるいはそ 二次加工食品の製造原料である穀類、また 穀類の二次加工食品の製造過程における一 加工食品処理物の組織構造画像に関する。 織構造の具体例としては、二次加工食品の 造原料の一つであるパン生地においては、 ン生地を構成する澱粉粒とグルテン蛋白質 の存在形態、あるいは澱粉粒とグルテン蛋 質と脂肪の存在形態が挙げられる。さらに 覚や食感に大きな影響を与える澱粉粒とグ テン蛋白質とが絡み合う存在形態を前記組 構造の具体例ということもできる。なお、 発明での加工食品または加工食品の製造原 の組織構造は、上記具体例に何ら限定され い。

 本発明では、前記加工食品または加工食品 製造原料から切片を調製し、次いでその切 本を蛍光染色剤で染色し、染色標本を得る 切片を調製する際、固定法は幾つもの方法 知られているが特に制限されない。この際 加工食品または加工食品の製造原料を固定 ることで不凍水含量を30重量%以下に調整し 後、ミクロトームやクライオスタットなど より薄片化することが重要である。
 また、切片を得るための固定方法では、加 食品または加工食品の製造原料を冷凍保持 ることが好ましい。冷凍状態で保持された 工食品または加工食品の製造原料は適度に く、適度な粘弾性を有し、それから得た切 あるいは標本は、その表面が平滑であり、 部組織を表す画像を得るという点で特に好 しい結果をもたらすことが出来る。
 加工食品または加工食品の製造原料を急速 凍処理することが好ましい。前記冷凍温度 特に制限されないのであるが、-18℃以下に 定すると、好ましい結果を得ることができ が、-22℃以下に設定すると、より好ましい 果を得ることができる。
 その切片の調製法は特に制限されない。例 ば、凍結固定法、浸漬固定法、あるいはマ クロウェーブ処理固定法を用いて切片を調 できる。例えば凍結固定法について説明す 。前記加工食品または加工食品の製造原料 らの試料をミクロトームの冷却ステージ上 凍結固定する。次いで凍結固定した試料を 定の厚みで切り出す。切り出した切片をプ パラート上に載せてヒーターで乾固させ固 する。
 その他の調製法としてマイクロウェーブ処 固定法が挙げられるが、これは食品を例え グルタルアルデヒド溶液に12~24時間浸漬さ 、マイクロウェーブを10~60秒間照射し固定す る方法である。

 上記切片をトリフェニルメタン骨格を有す 蛍光染色剤で染色することが、本発明の幾 かある特徴のうちの一つである。前記トリ ェニルメタン骨格を有する蛍光染色剤にお るトリフェニルメタン骨格は次のような一 式で記載することができる。しかし、下記 般式に限定されないのであって、トリフェ ルメタン骨格を有する蛍光染色剤であれば どのような表記法を採用したかに左右され に本発明では使用可能である。
 式2
    R 11
    |
   -C-R 21         
    |
    R 31          または
 
 
 
 
  
式3
    R 12
    |
    C=R 22   
    |
    R 32
 (式中、R 11 、R 21 、R 31 、R 12 、R 22 、R 32 は、NH 2 、NHY、NY 1 Y 2 、OH、O、C n H 2n+1 、SO 3 X、およびCOOXから選ばれる基で置換されてい もよいフェニル基を示し、XはHまたはアル リ金属原子を示し、Y、Y 1 、およびY 2 は炭素数が1から3のアルキル基または置換基 有してもよいフェニル基を示し、nは1~3の整 数である。ここで、置換基としては、SO 3 X、COOX、ハロゲン原子等が挙げられる。)

 好ましいトリフェニルメタン骨格を有する 光染色剤としては、下記一般式1で表される 蛍光染色剤がある。
式1
(式中、R 1 およびR 2 はNH 2 、NHY、NY 1 Y 2 、またはOHを示し、R 3 はO、NH 2 、NHY、またはNY 1 Y 2 を示し、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、およびR 9 はH、C n H 2n+1 、SO 3 X、およびCOOXから選ばれる一つを示し、XはH たはアルカリ金属原子を示し、Y、Y 1 、およびY 2 は炭素数が1から3のアルキル基または置換基 有してもよいフェニル基を示し、nは1~3の整 数である。ここで、置換基としては、SO 3 X、COOX、ハロゲン原子等が挙げられる。)
 上記式中、Xのアルカリ金属原子としてはナ トリウム原子またはカリウム原子が好ましく 、nは1が好ましい。また、前記R 3 がNH 2 のときには、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、およびR 9 のいずれかがSO 3 - またはCOO - であり、染色剤は電気的に中性となるように 表記することもできる。なお、前記染色剤は トリフェニルメタン骨格を有する蛍光染色剤 として知られている染色剤であり、その化学 構造を示す表記法として、複数の表記法が知 られており、どの表記法を用いるかにより、 前記染色剤が異なる表記となることがある。 本発明は、それらの表記法により示されるト リフェニルメタン骨格を有する蛍光染色剤も 含む。

 これらの中では、とくに式1で表される化合 物においてR 1 、R 2 、およびR 3 がNH 2 であり、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、およびR 9 は上記と同じである化合物(以下、化合物Aと う)、またはR 1 およびR 2 がOHで、R 3 がOであり、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、およびR 9 は上記と同じである化合物(以下、化合物Bと う)が好ましい。
 それらの化合物Aの中では、とくに、R 1 、R 2 、およびR 3 がNH 2 であり、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、およびR 9 はH、CH 3 、SO 3 Naから選ばれる一つである化合物(以下、化合 物AAという)、またはR 1 およびR 2 がOHで、R 3 がOであり、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、およびR 9 はH、CH 3 、COONaから選ばれる一つである化合物(以下、 化合物BBという)が好ましい。

 それらの化合物AAに属する具体的な化合物 しては、R 1 、R 2 、およびR 3 がNH 2 であり、R 6 がCH 3 であり、R 4 、R 5 、R 7 、R 8 、およびR 9 がHである化合物(ローズアニリン)、R 1 、R 2 、およびR 3 がNH 2 であり、R 5 およびR 6 がCH 3 であり、R 4 、R 7 、R 8 、およびR 9 がHである化合物(マゼンタII)、R 1 、R 2 、およびR 3 がNH 2 であり、R 5 、R 6 、およびR 8 がCH 3 であり、R 4 、R 7 、およびR 9 がHである化合物(ニューフクシン)、R 1 、R 2 、およびR 3 がNH 2 であり、R 4 、R 6 、およびR 9 がSO 3 Na、R 5 がCH 3 、R 7 およびR 8 がHである化合物(酸性フクシン)、およびR 1 、R 2 、およびR 3 がNH 2 であり、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、およびR 9 がHである化合物(パラローズアニリン)を例示 でき、化合物BBに属する具体的な化合物とし は、R 1 およびR 2 がOHで、R 3 がOであり、R 4 、R 6 、およびR 8 がCOONaであり、R 5 、R 7 、およびR 9 はHである化合物(アルミノン)を例示できが、 本発明ではそれらに限定されることはない。
 本発明は上記蛍光染色剤単独あるいは複数 染色剤を用いてもよい。さらに、鮮明な画 を形成することが出来る範囲で、他の蛍光 色剤あるいは非蛍光染色剤を併用してもよ 。

 前記染色溶液の調製法は上記蛍光染色剤 用いる限り、特に制限されないのであり、 えば、公知の溶媒を用いて通常使用される 度の蛍光染色剤溶液を調整し、上記試料を 色処理する。そのときの染色処理条件は特 制限されない。具体的な例としては、上記 片に蛍光染色剤溶液を一定時間(例えば1~30 間、長い場合で1~3時間)反応させた後乾燥す 。乾燥した試料切片を軟質のカナダバルサ で封入することによって、組織標本を得る とができる。この方法は一例を説明するの あって、この条件に本発明が何ら限定され ものではない。

 かくして得られた染色標本に励起光を照射 るのであるが、本発明では、加工食品また 加工食品の製造原料、あるいは標本を冷凍 度に保持し、しかも標本の不凍水含量を30 量%以下に調製することが好ましい。さらに 冷凍温度を-18℃以下に設定し、不凍水含量 25重量%以下に調製することが好ましく、冷 温度を-22℃以下に設定し、不凍水含量を20 量%以下に調製することがより好ましい。こ ように不凍水含量を設定すると、後に得ら る組織画像がより鮮明となるのであり、極 て有利である。
 なお、前記不凍水とは加工食品または加工 品の製造原料を0℃以下に保持したときの、 加工食品または加工食品の製造原料内に存在 する自由に動き回ることができる水を意味す る。本発明でいう不凍水は、緩和時間T2が30μ s以上の運動性を持った状態の水をいい、凍 水では30μs以下の運動性の状態の水をいう。 前記不凍水含量はいろいろな方法によって測 定することができる。本発明では、不凍水含 量を核磁気共鳴法、その中でもパルスNMR法に より測定する。より具体的に不凍水含量の測 定方法を説明すると、1H(プロトン)緩和時間T2 、1H(プロトン)存在比に関してJNM-MU25(日本電 社製)を用いて、ソリッドエコー法(90°-τ-90° -τパルス)により、不凍水含量を測定できる

 前記標本に励起光を照射するのであるが、 ず、励起光としては、水銀ランプ(100V)、水 ランプ(200V)、キセノンランプ(75V)、キセノ ランプ(150V)、ハロゲンランプ(12V100W)、タン ステンランプ(6V30W)などが使用可能であるが それ以外にも、キセノンランプ[波長250~1,000 nm]、タングステンランプ[波長250~1,000nm]、Cr:Li SAFランプ[波長430nm]、ヘリウム-カドミニウム ーザー[波長325、442nm]、UVアルゴンレーザー[ 波長351、364nm]、アルゴンイオンレーザー[波 488、514nm]、Nd:YAGレーザー[波長532nm]、ヘリウ ネオンレーザー[波長543、594、633nm]、クリプ トンイオンレーザー[波長568、647nm]などの励 光源が用いられる。それらの中では、とく UVアルゴンレーザー[波長351、364nm]など420nm以 下の励起波長であることが好ましい。
 励起光処理するときには、フィルター内に 起光線を透過させて、励起光の波長を揃え おくことが好ましい。用いるフィルターと ては励起フィルター[330~385nm]が挙げられる
 励起光線を照射する時間、照射量などの照 条件は、使用する蛍光染色剤の種類、用い 溶液の溶媒や蛍光染色剤の濃度などによっ 変動するのであり、一概に規定することが きないが、例えば一例として、照射時間30 、照射量を0.3mW/cm 2 を挙げることができる。

 かくして作製され、励起光照射処理された 本を複数の観察光を用いて蛍光観察する。 なわち、特定の蛍光波長を含む観察光を複 組み合わせ、その組み合わさった観察光を いて励起光照射処理された標本を蛍光観察 、その得られた観察結果を基にして常法に り画像を得ることができる。本発明の一つ 、そして大きな特徴である観察光について すでに簡単に説明してあるが、ここで詳細 説明する。
 前記蛍光波長が380nm以上450nm未満の観察光に は、蛍光波長が380nm以上450nm未満の範囲内で る観察光であれば、きわめて狭い範囲の波 からなる観察光でも、広い範囲の波長から る観察光でもよい。例えば、400nm、405nm、420n m、あるいは440nmなどの蛍光波長からなる観察 光、380nm以上385nm以下などの蛍光波長からな 観察光などが挙げられる。なお、蛍光波長 380nm以上450nm未満を一部含む観察光、例えば3 50nm以上385nm以下などの蛍光波長からなる観察 光も上記観察光に含まれる。
 蛍光波長が450nm以上560nm未満の観察光および 蛍光波長が560nm以上700nm以下の観察光も、上 蛍光波長が380nm以上450nm未満の観察光の説明 同様である。
 本発明では、前記三種の観察光のほかに、 らに、異なる蛍光波長からなる観察光を併 することができる。併用する観察光の蛍光 長は、上記380nm以上700nm以下から外れる蛍光 波長でもよいし、上記380nm以上700nm以下の蛍 波長でもよい。例えば、蛍光波長が405nmから なる観察光に、蛍光波長が420nmからなる観察 を併用してもよいし、380~450nmに含まれる二 類の以上の観察光を併用することもできる 450nm以上560nm未満の観察光および蛍光波長が 560nm以上700nm以下の観察光も同様である。
 上記観察光は、公知の手段方法により調整 ることができるのであり、例えば発せられ 蛍光をフィルター処理して調整することが きる。

 上記観察光により得られた情報を基にして 法により、加工食品またはその製造原料(以 下、加工食品ということがある)の組織構造 画像として形成させることができる。この 像を得る手段は何ら限定されるものではな 。より具体的に説明すると、上記各観察光 の観察結果からの情報を重ね合わせ、常法 より画像を得ることができる。また、顕微 を用いて結像させて画像とすることができ が、写真法など公知の技術を用いて画像を 成させることもできる。さらに、得られた 像を基に、画像処理を加えて、立体的に可 化できる画像を形成させることもできる。 の可視化方法はとくに制限されるのではな 、食品の内部組織の構造を知ることができ 程度に可視化できる限り、どのような方法 手段も採用可能である。
 本発明では、特定の観測機器を用い、観測 ーターを電気信号に変換し、コンピュータ 処理することによって内部組織の構造を観 することが可能である。併用する観察光が 外または紫外波長の領域の観察光の場合に 有効である。

 かくして得られた画像を解析することに り、加工食品の組織の構造を知ることがで る。この解析手法はとくに制限されるもの はなく、食品の内部組織の構造を知ること できる限り、目視による方法のほか画像の 報を基に各種処理を加えて得られた情報を 析する方法など、どのような方法も採用可 である。例えば、内部組織の微細構造を立 的に表示でき、可視化することが可能とな 。また、画像をデジタル画像とし、画像解 することにより数値化し、定量化すること 可能である。

 本発明により、加工食品の内部組織の構造 さらには内部組織の微細構造を示す鮮明な 像を形成することが出来る。その鮮明さは たとえば、加工食品を構成する澱粉、蛋白 、脂肪の境界も明確であり、内部組織の微 構造を判別することが出来るほどである。
 本発明により鮮明な画像が得られる加工食 の例としては、穀類の二次加工食品であり 加工食品の製造原料が穀類または穀類の二 加工食品の製造過程における一次加工食品 理物が挙げられるが、とくに、各種パン類 うどん、冷麦、そうめん等の麺類、麩類、 種菓子類等が好適な対象物である。また、 麦粉、それらにいろいろな手段・方法を適 して得られる二次加工食品、およびその二 加工食品の製造過程における一次加工食品 理物が好ましい例として挙げられる。とく パン生地のグルテンの網目構造やグルテン 澱粉粒との相互関係を判別することが出来 。
 従来の蛍光観察では内部組織の構造を判別 ることが出来なかったので、本発明は極め 実用性が高い。

 以下、実施例、参考例および比較例に基づ 本発明を詳細に説明するが、本発明はこれ 実施例になんら限定されるものではない。
参考例1   蛍光染色液の調製
 ファーストグリーン(Fast  Green)3gを、1000mL 蒸留水に加え、攪拌し、均一な蛍光染色液 調製した。
参考例2   蛍光染色液の調製
 マゼンタII(Acid magenta)5gを、1000mLの蒸留水に 加え、攪拌し、均一な蛍光染色液を調製した 。
参考例3   蛍光染色液の調製
 ナイルブルー3gを、1000mLの蒸留水に加え、 拌し、均一な蛍光染色液を調製した。

実施例1 茹で上げスパゲッティの画像形成
(切片の作製)
 マ・マースパゲッティ(直径1.7mm、日清フー 社製)100gを沸騰した浴槽中で8分間茹で上げ 後、30秒間冷水中に浸漬し、十分に水を切 た。茹で後のスパゲッティ全体の水分含量 75%となるように調製した。茹で上げ後のス ゲッティを、-50℃に設定した急速冷凍庫(ホ ザキ社製)内で30分間急速凍結した。その凍 スパゲッティをミクロトーム(CM-1100、ライ 社製)の庫内で-23℃で一定時間放置した。こ ときの茹で上げスパゲッティの不凍水含量 17%であった。その後、冷却ステージ上で20μ mの厚さに薄片化し、顕微鏡用プレパラート に乾燥固定し凍結切片を作製した。
(不凍水含量の測定方法)
 1H(プロトン)緩和時間T2、1H(プロトン)存在比 に関してJNM-MU25(日本電子社製)を用いて、ソ ッドエコー法(90°-τ-90°-τパルス)により、測 定温度範囲:-70℃~0℃、パルス幅:2.4μs、遅延 間:8.0μs、繰り返し時間:4.0s、積算回数:8回の 条件で測定を行った。

(標本の作製)
 乾燥固定した切片を、参考例2で作成した蛍 光染色液(マゼンタII)を200mLガラス瓶に入れ、 この中に乾燥固定した切片を浸漬した。ガラ ス瓶から染色された標本を取り出し、表面の 余分な染色剤を十分にすすいだ後、ドラフト 内で乾燥させた。励起光としてUVアルゴンレ ザー[351、364nm]を照射した(照射量は0.3mW/cm 2 )。
(画像形成)
 この標本から発せられる蛍光を、蛍光波長 420nm、520nm、および580nmの観察光にて蛍光観 した。観察は共焦点レーザ走査型顕微鏡(FV1 000、オリンパス社製)により行い、各蛍光波 で観察した画像をデジタル情報として重ね わせ、画像を得た。
 その画像の写真を図1に示す。
 図1から、スパゲッティの内部組織を構成す る澱粉、蛋白質の境界も明確であり、グルテ ンの網目構造やグルテンと澱粉粒との相互関 係を簡単に、しかも明瞭に判別することが出 来、内部組織の構造を判別することが出来る 。本発明はスパゲッティの内部組織を示す鮮 明な画像を得たことが分かる。

比較例1 茹で上げスパゲッティの画像形成 
 実施例1と同様に得た凍結切片を、参考例1 蛍光染色液を用い、実施例1と同様に操作し 染色した標本を得た。その染色標本に実施 1と同様にUVアルゴンレーザーを照射した。 いで、標本から発する蛍光を、実施例1と同 様に蛍光観察した。但し、用いた観察波長は 520nmの観察光、560nmの観察光、および580nmの観 察光である。実施例1と同様な操作によりス ゲッティの画像を得た。
 その画像の写真を図2に示す。
 図2においては、スパゲッティの内部組織を 構成する澱粉、蛋白質の境界も不明確であり 、グルテンの網目構造やグルテンと澱粉粒と の相互関係を十分判別することが困難である 。

比較例2 茹で上げスパゲッティ
 実施例1と同様に得た凍結切片を、参考例2 蛍光染色液を用い、実施例1と同様に操作し 染色した標本を得た。その染色標本に実施 1と同様にUVアルゴンレーザーを照射した。 いで、標本から発する蛍光を、実施例1と同 様に蛍光観察した。但し、用いた観察波長は 420nmの観察光、580nmの観察光、および620nmの観 察光であった。実施例1と同様な操作により パゲッティの画像を得た。
 その画像の写真を図3に示す。
 図3においては、スパゲッティの内部組織を 構成する澱粉、蛋白質の境界も不明確であり 、グルテンの網目構造やグルテンと澱粉粒と の相互関係を十分判別することが困難である 。

比較例3 茹で上げスパゲッティ
 実施例1と同様に得た凍結切片を、参考例2 蛍光染色液を用い、実施例1と同様に操作し 染色した標本を得た。その染色標本標本に 施例1と同様にUVアルゴンレーザーを照射し 。ついで、標本から発する蛍光を、実施例1 と同様に蛍光観察した。但し、用いた観察波 長は420nmの観察光、520nmの観察光、および560nm の観察光であった。実施例1と同様な操作に りスパゲッティの画像を得た。
 その画像の写真を図4に示す。
 図4から、スパゲッティの内部組織を構成す る澱粉、蛋白質の境界も不明確であり、グル テンの網目構造やグルテンと澱粉粒との相互 関係を十分判別することが困難である。

実施例2 パン生地の画像形成
(切片の作製)
 強力小麦粉(カメリヤ、日清製粉株式会社製 )1kgに水650mLを注ぎ、常法にて捏ね、パン生地 を調製し、-50℃に設定した急速冷凍庫(ホシ キ社製)内で急速凍結した。なお、不凍水含 の測定は、核磁気共鳴装置(JNM-MU25(日本電子 社製))を用いて行った。その凍結パン生地を クロトーム(CM-1100、ライカ社製)の庫内で-25 で一定時間放置した。このときのパン生地 不凍水含量は17%であった。その後、冷却ス ージ上で20μmの厚さに薄片化し、顕微鏡用 レパラート上に乾燥固定し凍結切片を作製 た。
(不凍水含量の測定方法)
 1H(プロトン)緩和時間T2、1H(プロトン)存在比 に関してJNM-MU25(日本電子社製)を用いて、ソ ッドエコー法(90°-τ-90°-τパルス)により、測 定温度範囲:-70℃~0℃、パルス幅:2.4μs、遅延 間:8.0μs、繰り返し時間:4.0s、積算回数:8回の 条件で測定を行った。
(蛍光染色)
 参考例1で作成した蛍光染色液を200mLガラス に入れ、この中に乾燥固定した切片を浸漬 た。30分後ガラス瓶から染色された標本を り出し、表面の余分な染色剤を十分にすす だ後、ドラフト内で乾燥させた。

(画像形成)
 観察には蛍光顕微鏡を用いた。
1.励起光源:水銀ランプ[主要波長:366、405、436 546、578nm]
2.蛍光観察用フィルタ: 励起フィルター、ダ クロイックフィルター、吸収フィルターが ットになったミラーユニット(キューブ)を 着した落射型の蛍光顕微鏡により観察を行 た。
 この標本から発せられる蛍光を、蛍光波長 420nm、480nm、520nm、および580nmの観察光にて 光観察した。観察機器は落射照明型蛍光顕 鏡(BX-51、オリンパス社製)を用い、倍率は100 を使用した。
 得られた画像の写真を図5に示す。
 図5においては、パン生地の内部組織を構成 する澱粉、蛋白質の境界も明確であり、グル テンの網目構造やグルテンと澱粉粒との相互 関係を簡単に、しかも明瞭に判別することが 出来、内部組織の構造を判別することが出来 る。本発明ではパン生地の内部組織を示す鮮 明な画像が得られことが分かる。

比較例4 パン生地の画像形成 
 段落番号(0014)で示した一般式1で表される蛍 光染色剤以外の蛍光染色剤を用いた観察事例 として参考例3で調製した蛍光染色剤のナイ ブルーを用いて染色を行った。実施例2で作 したパン生地を実施例2と同様に操作し、急 速凍結した。その凍結パン生地をミクロトー ムの庫内にて-25℃で一定時間放置した。この パン生地の不凍水含量は18%であった。なお、 不凍水含量の測定は実施例2と同様に実施し 。
 その画像の写真を図6に示す。
 図6においては、パン生地の内部組織を構成 する澱粉、蛋白質の境界は極めて不明確であ り、グルテンの網目構造やグルテンと澱粉粒 との相互関係を判別することは困難である。

実施例3 機械製麺うどんの画像形成
 麺用小麦粉(白椿、日清製粉株式会社製)100 量部に食塩4質量部および水37質量部を加え これらをミキサーに投入し、約80rpm/分で3分 、その後、約50rpm/分で7分間混捏した後、30 間放置し、熟成させ、うどん用生地を得た 得られた生地を常法により圧延し、最終麺 厚を3.0mmとした後、切刃(#9角)で麺線に切出 、生うどんを得た。沸騰した浴槽中で15分 茹で上げた後、30秒間冷水中に浸漬し、十分 に水を切った(茹で後のうどん全体の水分含 は75%となるように調製した)。このうどんを 施例2と同様に操作し、急速凍結した。その 凍結うどんをミクロトームの庫内で-20℃で一 定時間放置した。このうどんの不凍水含量は 18%であった。なお、不凍水含量の測定は、実 施例2と同様である。その凍結うどんの画像 実施例2と同様な操作により得た。なお、蛍 波長が440nm、500nm、および620nmの観察光にて 光観察した。
 その画像の写真を図7に示す。
 図7においては、機械製麺うどんの内部組織 を構成する澱粉、蛋白質の境界も明確であり 、グルテンの網目構造やグルテンと澱粉粒と の相互関係を判別することが出来、内部組織 の構造を判別することが出来る。また、グル テンが細く、短い構造で、かつ、無秩序に分 散していて一定の方向性がないことが分る。 このように本発明では機械製麺うどんの内部 組織を示す鮮明な画像を得たことが分かる。

 実施例4 手延べ麺うどんの画像形成
 手延べ麺うどんの乾麺(本舗稲庭堂社製)を 定時間茹で上げた。茹で後のうどん全体の 分含量は75%となるように調製したこのうど を実施例2と同様に操作し、急速凍結した。 の凍結うどんをミクロトームの庫内で-20℃ 一定時間放置した。このうどんの不凍水含 は18%であった。なお、不凍水含量の測定は 実施例2と同様である。 その凍結うどんの 像を実施例2と同様な操作により得た。なお 、蛍光波長が440nm、500nm、および620nmの観察光 にて蛍光観察した。
 その画像の写真を図8に示す。
 図8においては、手延べ麺うどんの内部組織 を構成する澱粉、蛋白質の境界も明確であり 、グルテンの網目構造やグルテンと澱粉粒と の相互関係を判別することが出来、内部組織 の構造を判別することが出来る。本発明では 手延べ麺うどんの内部組織を示す鮮明な画像 を得たことが分かる。また、グルテンが極太 で長く束状となり、かつ、一定の方向性をと っていることが分る。このように本発明によ れば手延べ麺うどんと機械製麺うどんとを即 座に区別することが可能となった。

実施例5 手延べ麺うどん内部組織中のグルテ ンの3次元化画像処理
 段落番号(0034)で得られた手延べ麺うどんの 部組織構造のデジタルカラー画像を原画像 して次の処理を行った。カラー画像の赤色( R)はうどん中のグルテン組織を示しているが のグルテンの部分を抽出するためRGB情報よ Rのみを抽出した。抽出した赤色をさらに256 階調の2値化画像として処理した。すなわち ルテンを黒色(1)、グルテン以外を白色(0)と た。この画像をもとにサーフェイス・レン リング法によりグルテン部の表面情報のみ 3次元加工加工処理を施し、画像を得た。得 れた画像を図9に示す。この画像処理により 、より立体的に、グルテンだけをデジタル画 像中から明確に浮き立たせることが可能とな った。
 また、段落番号(0033)で得られた機械製麺う んの内部組織構造のデジタルカラー画像を 画像として、上記と同様な操作を施し、画 を得た。得られた画像を図9に示す。この画 像処理により、より立体的に、グルテンだけ をデジタル画像中から明確に浮き立たせるこ とが可能となった。

実施例6 ソフトビスケット生地の画像形成
 薄力小麦粉(バイオレット、日清製粉株式会 社製)40質量%、砂糖30質量%、ショートニング25 質量%、食塩3質量%、ベーキングパウダー2質 %の割合で配合し、常法により、ソフトビス ット生地を得た。このソフトビスケット生 を実施例2と同様に操作し、急速凍結した。 その凍結ソフトビスケット生地をミクロトー ムの庫内に-23℃で約10分間放置した。このソ トビスケットの不凍水含量は15%であった。 お、不凍水含量の測定は、実施例2と同様で ある。 その凍結ソフトビスケット生地の画 を実施例2と同様な操作により得た。なお、 蛍光波長が440nm、520nm、および580nmの観察光に て蛍光観察した。また、蛍光染色剤は参考例 2で作成した蛍光染色液を用いた。
 その画像の写真を図10に示す。
 図10においては、ソフトビスケット生地の 部組織を構成する澱粉、蛋白質、脂肪の境 も明確であり、グルテンの網目構造やグル ンと澱粉粒と脂肪粒との相互関係を判別す ことが出来、内部組織の構造を判別するこ が出来る。また、内部構造には多数の空気 含んだ気泡状構造をしていることが分った このように本発明ではソフトビスケット生 の内部組織を示す鮮明な画像を得ることが 能となった。

実施例7 ハードビスケット生地の画像形成
 薄力小麦粉(バイオレット、日清製粉株式会 社製)76質量%、砂糖15質量%、ショートニング5 量%、食塩2質量%、ベーキングパウダー2質量 %の割合で配合し、常法により、ハードビス ット生地を得た。このハードビスケット生 を実施例2と同様に操作し、急速凍結した。 の凍結ハードビスケット生地をミクロトー の庫内で-23℃で約10分間放置した。このハ ドビスケットの不凍水含量は14%であった。 お、不凍水含量の測定は、実施例2と同様で る。 その凍結ハードビスケット生地の画 を実施例2と同様な操作により得た。なお、 光波長が440nm、520nm、および580nmの観察光に 蛍光観察した。また、蛍光染色剤は参考例2 で作成した蛍光染色液を用いた。
 その画像の写真を図11に示す。
 図11においては、ハードビスケット生地の 部組織を構成する澱粉、蛋白質、脂肪の境 も明確であり、グルテンの網目構造やグル ンと澱粉粒と脂肪粒との相互関係を判別す ことが出来、内部組織の構造を判別するこ が出来る。また、内部構造には空気はほと ど観察されず、緻密な層状構造を形成して ることが分った。このように本発明ではハ ドビスケット生地の内部組織を示す鮮明な 像を得ることが可能となった。

本発明の実施例1の方法で得られた茹で 上げスパゲッティの組織画像を示す。 比較例1の方法で得られた茹で上げスパ ゲッティの組織画像を示す。 比較例2の方法で得られた茹で上げスパ ゲッティの組織画像を示す。 比較例3の方法で得られた茹で上げスパ ゲッティの組織画像を示す。 本発明の実施例2の方法で得られたパン 生地の組織画像を示す。 比較例4の方法で得られたパン生地の組 織画像を示す。 本発明の実施例3の方法で得られた機械 製麺うどんの組織画像を示す。 本発明の実施例4の方法で得られた手延 べ麺うどんの組織画像を示す。 本発明の実施例5の方法で得られた手延 べ麺うどんおよび機械製麺うどん内部組織中 のグルテンの3次元化画像処理組織画像を示 。 本発明の実施例6の方法で得られたソ トビスケット生地の組織画像を示す。 本発明の実施例7の方法で得られたハ ドビスケット生地の組織画像を示す。