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Title:
METHOD OF INCREASING THICKNESS OF NONWOVEN FABRIC AND DEVICE THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047292
Kind Code:
A1
Abstract:
The bulk of a nonwoven fabric is increased by efficiently using hot air. Hot air (12) is blown against a nonwoven fabric (10) formed from thermoplastic synthetic fibers (20), in the thickness direction for the nonwoven fabric.  The hot air has a temperature lower than the temperatures at which the resin components of surface of the thermoplastic synthetic fibers melt.  The hot air blown against the nonwoven fabric is forced into the interstices among the fibers of the nonwoven fabric and then hits a means (15) for diverting the hot air.

Inventors:
TAKAHASHI TATSUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/067975
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
October 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
UNI CHARM CORP (JP)
TAKAHASHI TATSUO (JP)
International Classes:
D04H1/498; D04H1/50; D06C7/00
Foreign References:
JP2004137655A2004-05-13
JPH0535856U1993-05-14
JPS6045662A1985-03-12
JP2003339761A2003-12-02
JP2004137655A2004-05-13
Other References:
See also references of EP 2341173A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIRAHAMA, Yoshiharu et al. (JP)
Yoshiharu Shirahama (JP)
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Claims:
 交絡した複数条の熱可塑性合成繊維によって形成されており、互いに直交する横方向と縦方向と厚さ方向とを有し、前記厚さ方向の上下に形成された上面と下面とが前記横方向と前記縦方向とに広がっている不織布を機械方向に走行させ、その走行させる過程において前記不織布に前記厚さ方向から熱風を吹き付けて前記不織布の厚さを増加させる方法であって、
 前記熱風は、前記熱可塑性合成繊維の表面の樹脂成分を溶融させる温度よりも低い温度のものであり、
 前記熱風を前記不織布の前記上面と下面とのうちのいずれかの面に向かって一方向から吹き付けて複数条の前記熱可塑性合成繊維が形成している繊維間隙へ進入させることにより前記不織布を加熱し、前記繊維間隙に進入した前記熱風をその進行方向を変換させる手段に衝突させ、衝突させた後の前記熱風によって前記不織布をさらに加熱することにより前記厚さを増加させることを特徴とする前記方法。
 前記進行方向を変換させる手段が、前記不織布を前記下面で支えて前記機械方向へスライドさせることが可能な非通気性の固定プレート、前記不織布を載せて前記機械方向へ走行する非通気性のベルトおよび前記機械方向へ回転するロールに設けられた非通気性の周面のいずれかである請求項1記載の方法。
 前記進行方向を変換させる手段が、前記熱風の吹き付けられる前記いずれかの面とは反対側の面に向かって吹き付けられる第2の熱風である請求項1記載の方法。
 前記熱風が乾燥空気の熱風および水蒸気の熱風のいずれかである請求項1~3のいずれかに記載の方法。
 前記不織布がロール状に巻き取られたものから繰り出されたものである請求項1~4のいずれかに記載の方法。
 前記熱風の温度が前記熱可塑性合成繊維の表面を形成している樹脂成分の溶融温度と前記溶融温度よりも30℃低い温度との間にある請求項1~5のいずれかに記載の方法。
 前記熱風は、前記機械方向の上流に向かって前記不織布の上面に対して斜めに吹き出される熱風と、前記機械方向の上流に向かって前記不織布の下面に対して斜めに吹き出される熱風とである請求項1~6のいずれかに記載の方法。
 請求項1に記載の方法を実施するための装置であって、下記(1)および(2)のいずれかの態様を有することを特徴とする前記装置;
(1)前記不織布を前記下面の側で支えて前記機械方向へスライドさせることが可能な非通気性の固定プレート、前記不織布を載せて前記機械方向へ走行する非通気性のベルトおよび前記機械方向へ回転するロールに設けられた非通気性の周面のいずれかで形成されている熱風の進行方向を変換させる手段と、前記固定プレート、前記ベルトおよび前記周面のいずれかに載る前記不織布に向かって第1の熱風を吹き付けて前記第1の熱風を前記手段に衝突させることが可能な前記第1の熱風のための第1吹き出し口とを有する態様、および
(2)前記不織布を前記機械方向へ走行させるための前記機械方向において離間配置された第1ロールと第2ロールとを含み、前記第1ロールと前記第2ロールとの間には、前記不織布の前記上面と前記下面とのうちのいずれかの面に向かって第1の熱風を吹き付ける第1吹き出し口と、前記いずれかの面とは反対側の面に向かって第2の熱風を吹き付ける第2吹き出し口とが設けられ、前記第1吹き出し口の向きと、前記第2吹き出し口の向きとが、前記第1の熱風と前記第2の熱風とを前記不織布の内部において衝突させ得るように設定されている態様。
 前記第1吹き出し口と、前記固定プレート、前記ベルトおよび前記周面のいずれかとの間の距離が前記機械方向の下流に向かって大きくなる請求項8記載の装置。
 前記固定プレート、前記ベルトおよび前記周面のいずれかを加熱する請求項8または9記載の装置。
 前記固定プレート、前記ベルトおよび前記周面のいずれかが前記機械方向の断面においてジグザグ状の線を画く面を有している請求項8~10のいずれかに記載の装置。
 前記第1吹き出し口の複数が円形であって、前記機械方向において整列しているか前記機械方向と前記交差方向とにおいて整列しているかのいずれかの態様にある請求項8~11のいずれかに記載の装置。
 前記第1吹き出し口が互いに平行して前記機械方向および前記交差方向のいずれかへ延びる長尺の開口である請求項8~11のいずれかに記載の装置。
Description:
不織布の厚さを増加させる方法 よびそのための装置

 この発明は、不織布に熱風を吹き付けて その不織布の厚さを増加させる方法と装置 に関する。

 熱可塑性合成繊維で形成されたバルキー 不織布が長時間にわたって厚さ方向の荷重 受けていると、不織布が厚さの薄いものに ることはよく知られている。また、このよ にして薄くなった不織布に熱風等によって を加えると、その厚さが回復するように不 布が厚いものになることは公知ないし周知 ある。その厚さの回復は、一般的に不織布 嵩の回復でもある。

 例えば、特開2003-339761号公報(特許文献1) は、熱可塑性合成繊維で形成されており、 ール状に巻き取られていたエアースルー不 布に熱風を吹き付けて、その不織布の嵩(厚 )を回復させることが記載されている。

 また、特開2004-137655号公報(特許文献2)に 、捲縮を有する熱可塑性繊維を含んだ不織 であってロール状に巻回されているものを ールから繰り出した後に、熱可塑性繊維の 点未満でかつ融点-50℃以上の温度の熱風を アースルー方式で吹き付けて、その不織布 嵩を増加させる方法が開示されている。

特開2003-339761号公報

特開2004-137655号公報

 特許文献1,2に記載された不織布の厚さを 加させる方法は、不織布に熱風を吹き付け というものである。この発明は、その熱風 効率よく使用することができるように、従 の技術に改良を加えることを課題にしてい 。

 前記課題を解決するためのこの発明は、第1 発明と第2発明とを含んでいる。
 第1発明が対象とするのは、交絡した複数条 の熱可塑性合成繊維によって形成されており 、互いに直交する横方向と縦方向と厚さ方向 とを有し、前記厚さ方向の上下に形成された 上面と下面とが前記横方向と前記縦方向とに 広がっている不織布を機械方向に走行させ、 その走行させる過程において前記不織布に前 記厚さ方向から熱風を吹き付けて前記不織布 の厚さを増加させる方法である。

 かかる方法において、第1発明が特徴とす るところは次のとおりである。すなわち、前 記熱風は、前記熱可塑性合成繊維の表面の樹 脂成分を溶融させる温度よりも低い温度のも のであり、前記熱風を前記不織布の前記上面 と下面とのうちのいずれかの面に向かって一 方向から吹き付けて複数条の前記熱可塑性合 成繊維が形成している繊維間隙へ進入させる ことにより前記不織布を加熱し、前記繊維間 隙に進入した前記熱風をその進行方向を変換 させる手段に衝突させ、衝突させた後の前記 熱風によって前記不織布をさらに加熱するこ とにより前記厚さを増加させる。

 第1発明の実施態様の一つにおいて、前記 進行方向を変換させる手段が、前記不織布を 前記下面で支えて前記機械方向へスライドさ せることが可能な非通気性の固定プレート、 前記不織布を載せて前記機械方向へ走行する 非通気性のベルトおよび前記機械方向へ回転 するロールに設けられた非通気性の周面のい ずれかである。

 第1発明の実施態様の他の一つにおいて、 前記進行方向を変換させる手段が、前記熱風 の吹き付けられる前記いずれかの面とは反対 側の面に向かって吹き付けられる第2の熱風 ある。

 第1発明の実施態様の他の一つにおいて、 前記熱風が乾燥空気の熱風および水蒸気の熱 風のいずれかである。

 第1発明の実施態様の他の一つにおいて、 前記不織布がロール状に巻き取られたものか ら繰り出されたものである。

 第1発明の実施態様の他の一つにおいて、 前記熱風の温度が前記熱可塑性合成繊維の表 面を形成している樹脂成分の溶融温度と前記 溶融温度よりも30℃低い温度との間にある。

 第1発明の実施態様のさらに他の一つにお いて、前記熱風は、前記機械方向の上流に向 かって前記不織布の上面に対して斜めに吹き 出される熱風と、前記機械方向の上流に向か って前記不織布の下面に対して斜めに吹き出 される熱風とである。

 第2発明が対象とするのは、請求項1に記載 方法を実施するための装置であって、かか 第2発明が特徴とするところは、その装置が 記(1)および(2)のいずれかの態様を有するこ にある;
(1)前記不織布を前記下面の側で支えて前記機 械方向へスライドさせることが可能な非通気 性の固定プレート、前記不織布を載せて前記 機械方向へ走行する非通気性のベルトおよび 前記機械方向へ回転するロールに設けられた 非通気性の周面のいずれかで形成されている 熱風の進行方向を変換させる手段と、前記固 定プレート、前記ベルトおよび前記周面のい ずれかに載る前記不織布に向かって第1の熱 を吹き付けて前記第1の熱風を前記手段に衝 させることが可能な前記第1の熱風溜めの第 1吹き出し口とを有する態様、および
(2)前記不織布を前記機械方向へ走行させるた めの前記機械方向において離間配置された第 1ロールと第2ロールとを含み、前記第1ロール と前記第2ロールとの間には、前記不織布の 記上面と前記下面とのうちのいずれかの面 向かって第1の熱風を吹き付ける第1吹き出し 口と、前記いずれかの面とは反対側の面に向 かって第2の熱風を吹き付ける第2吹き出し口 が設けられ、前記第1吹き出し口の向きと、 前記第2吹き出し口の向きとが、前記第1の熱 と前記第2の熱風とを前記不織布の内部にお いて衝突させ得るように設定されている態様 。

 第2発明の実施態様の一つにおいて、前記 第1吹き出し口と、前記固定プレート、前記 ルトおよび前記周面のいずれかとの間の距 が前記機械方向の下流に向かって大きくな 。

 第2発明の実施態様の他の一つにおいて、 前記固定プレート、前記ベルトおよび前記周 面のいずれかを加熱する。

 第2発明の実施態様の他の一つにおいて、 前記固定プレート、前記ベルトおよび前記周 面のいずれかが前記機械方向の断面において ジグザグ状の線を画く面を有している。

 第2発明の実施態様の他の一つにおいて、 前記第1吹き出し口の複数が円形であって、 記機械方向において整列しているか前記機 方向と前記交差方向とにおいて整列してい かのいずれかの態様にある。

 第2発明の実施態様のさらに他の一つにお いて、前記第1吹き出し口が互いに平行して 記機械方向および前記交差方向のいずれか 延びる長尺の開口である。

 この発明のうちの第1発明に係る方法では 、不織布に向かって一方向から吹き付けた熱 風を熱風の方向を変換させる手段に衝突させ て衝突後の熱風によって不織布をさらに加熱 するから、熱風が不織布を通過するときにの み不織布を加熱するという従来の技術に比べ て熱風の持つ熱の利用効率を向上させること ができる。

 この発明のうちの第2発明に係る装置では 、不織布に向かって第1吹き出し口から吹き けた第1の熱風を不織布が載る非通気性の固 プレート等に衝突させたり、第2吹き出し口 からの第2の熱風に衝突させたりするから、 風はその進行方向を変換させて不織布をさ に加熱することができる。

不織布を熱処理する工程の一例を示す 。 図1の部分拡大図。 (a)~(d)によって、吹き出し口を例示する 図。 熱処理室の一例を示す図。 熱処理室の一例を示す図。 図5の部分拡大図。 熱処理室の一例を示す図。 図7の部分拡大図。 熱処理室の一例を示す図。 熱処理室の一例を示す図。 不織布の斜視図。

 添付の図面を参照して、不織布の厚さを 加させる方法と装置とに係るこの発明の詳 を説明すると、以下のとおりである。

 図1は、この発明に係る方法と装置とを含 む不織布1の熱処理工程の一例を示す図であ 。図1の左方には不織布1が巻き取られた状態 のロール2があり、そのロール2から繰り出さ た不織布1が第1,第2ニップロール6,7や第1,第2 送りロール8,9およびこれらとともに適宜使用 されるその他の送りロールによって機械方向 MDへ運ばれている。不織布1は、第1ニップロ ル6を通過すると、部分的に破断して示され いる熱処理室11に進入する。熱処理室11は、 不織布1に対しての入口11aと出口11bとを有し 熱処理室11の内部には、不織布1の上面1aに向 かって熱風12を吹き付ける熱風吹き出し口13( 2参照)を備えた熱風吹き出しユニット14が設 置され、そのユニット14は熱処理室11の外側 設置される熱風供給源(図示せず)につながっ ている。ユニット14の下方には熱処理室1の床 11cに固定された反射プレート15があり、反射 レート15には不織布1が載せられる。不織布1 は、その下面1bが反射プレート15の上をスラ ドする。また、反射プレート15に載せられた 不織布1には熱風12が吹き付けられる。不織布 1は、熱風12で加熱され、機械方向MDへ進むに れて厚さtが次第に増し、熱処理室11を出る きには厚さtの厚い熱処理済みの不織布10と る。熱処理室11は、熱風12を室外へ排出する ためのダクト16を有する。

 熱処理室11の出口11bを出た不織布10は、冷 風吹き出しユニット17の下にまで進む。ユニ ト17は、不織布10を室温にまで冷却するため の冷風18を吹き出すことのできる吹き出し口1 9と冷風供給源(図示せず)につながるダクト21 を有する。不織布10は、ユニット17の下を通 過すると、第2ニップロール7によって引き取 れて次の工程、例えば生理用ナプキンの製 工程(図示せず)へと進む。不織布10は、その 用途を特に限定するものではないが、例えば その生理用ナプキンの製造工程では、生理用 ナプキンの透液性表面シート等として使用で きるように加工される。

 このような図1の工程は、不織布1が熱可 性合成繊維20(図2参照)を含むものであって、 それが例えばロール状に巻き取られることに よって厚さ方向へ圧縮された状態が長時間続 き、不織布1の厚さtが不織布1の製造時の厚さ よりも薄くなるように変化しているものに対 して使用されると、その不織布1が厚さtの厚 ものに変化することを促進したり、元の厚 にまで回復することを促進したりすること できる。すなわち、図1の工程では、ロール 2から繰り出されたときに厚さtが元の厚さよ も薄くなっている不織布1は、それが反射プ レート15に載せられて熱風12を吹き付けられ と、不織布1を形成している熱可塑性合成繊 20の温度が上昇し、不織布1が圧縮されるこ によって変形していたその熱可塑性合成繊 20は、圧縮される前の形状に復帰しようと る。その結果として、熱処理室11を出た不織 布1、すなわち図示の不織布10は熱処理室11に 入する前の不織布1よりも厚いものになる。 吹き出し口19からの冷風18は、加熱状態にあ て変形しやすい熱可塑性合成繊維20を冷却し て変形しにくいものに変えることができる。 不織布1は、互いに直交する横方向と縦方向 厚さ方向とを有し、図1ではその縦方向が機 方向MDに一致し、横方向が機械方向MDに直交 する交差方向CD(図11参照)に一致している。不 織布1の上面1aと下面1bとは、厚さ方向の上下 あって、横方向と縦方向とに広がっている

 図2は、図1における熱処理室11の部分拡大 図であって、熱風12が不織布1に吹き付けられ る状態を例示している。熱処理室11において ユニット14の吹き出し口13から出た熱風12は 不織布1を形成している熱可塑性合成繊維20 衝突して進路が変えられるものの他に、不 布1において繊維どうしが形成している繊維 間隙(図示せず)を通り抜けて反射プレート15 衝突するものがある。反射プレート15は、金 属プレートや耐熱ゴムシート等で形成されて いて非通気性のものであり、反射プレート15 衝突した熱風12は、そこで進路が変換され 不織布1の下面1bから上面1aへ向かう方向へ進 む反射熱風32となる。これら熱風12と反射熱 32とによって、不織布1を加熱する熱処理室11 では、不織布に対して熱風を一方向から吹き 付けて通過させるエアースルー方式の加熱方 法と比べると、熱風12の持つ熱の利用効率を 上させることができるばかりでなく、不織 1の厚さtを速やかに増加または回復させる とができる。吹き出し口13と不織布1の上面1a との間の距離は、極力小さくして、例えば上 面1aに接する程度にして、上面1aで反射され 熱風の量を少なくすることが好ましい。そ ために、吹き出し口13と熱風12の進行方向を 換させる手段である反射プレート15との間 距離を機械方向MDの下流に向かって、例えば 徐々に、大きくすることができる。

 図1,2の工程で処理することのできる不織 1は、その組成を特に限定するものではない が、熱可塑性合成繊維20を60重量%以上含有し いるものであることが好ましい。また、そ 熱可塑性合成繊維20は、互いに機械的に交 しているか、互いに溶着することによって 絡しているものであることが好ましい。そ ような熱可塑性合成繊維20を含む不織布1に 、スパンレース不織布、スパンボンド不織 、メルトボンド不織布等がある。また、熱 塑性合成繊維20が捲縮を有するものであると きの不織布1は、それを図1の工程で処理した きの厚さtの増加、回復の効果が顕著である 。捲縮を有する熱可塑性合成繊維20には、機 的な処理によって捲縮が形成されているも と、偏芯型の芯鞘複合繊維やサイド・バイ サイド型の複合繊維を熱処理することによ てコイル状の捲縮が形成されているものと ある。図1の工程における不織布1の厚さtの 加は、熱風12の温度と熱風12による加熱時間 の長さとに依存しているから、不織布1を短 間で熱処理したいときの熱風12の温度は、熱 可塑性合成繊維20の表面を形成している樹脂 分を溶融させることのない範囲において極 高い温度に設定することが好ましい。例え 、熱風12の温度は、樹脂成分の溶融温度と の溶融温度よりも50℃低い温度との間、より 好ましくはその溶融温度とその溶融温度より も30℃低い温度との間に設定することもでき 。不織布1は、熱可塑性合成繊維20の他に、 ルプ繊維等の天然繊維やレーヨン繊維等の 合成繊維を含むことができる。

 熱風12には、0.1~0.5MPaの乾燥空気による熱 を使用することができる。また、乾燥空気 よる熱風の他に、スチームによる熱風を使 することもできる。スチームを使用するこ によって、不織布1を熱処理するときに、静 電気の発生を防ぐことができる。また、乾燥 空気の熱風に比べて熱量の大きいスチームで は、熱風12の吹き付け時間を短くしたり、熱 理室11においての不織布1の走行距離を短く たりすることができることもある。ただし スチームによる熱風を使用するときには、 射プレート15を加熱しておいて、反射プレ ト15の上でのスチームの結露を防止すること が望ましい。

 図3は、(a),(b),(c),(d)によって熱風吹き出しユ ニット14の底面部14bに形成される複数の吹き し口13の形状とレイアウトとを例示する図 ある。そのレイアウトは、熱風12が不織布1 上面1aに対して一様に吹き付けられるもので あることが好ましく、また、熱風12によって 織布1を徒に圧縮することのないものである ことが好ましい。そのような条件を満たすた めに、(a)の例では、複数の円形の吹き出し口 13が機械方向MDとそれに直交する交差方向CDと において整列している。吹き出し口13の直径 0.03~5mmの範囲にあり、隣り合う吹き出し口13 の中心間距離D 1 ,D 2 は機械方向MDと交差方向CDとにおいて0.5~100mm 範囲にあることが好ましい。(b)の例では、 械方向MDにおいて整列している第1列L 1 の吹き出し口13に対して、第1列L 1 に隣る第2列L 2 の吹き出し口13は、機械方向MDに偏倚してい 。(c)の例では、吹き出し口13が互いに平行し て機械方向MDへ延びる長尺の開口である。ま 、(d)の例の吹き出し口13は、互いに平行し 交差方向CDへ延びる長尺の開口である。吹き 出し口13が(c),(d)に例示の長尺のものである場 合、吹き出し口13の幅Wは0.03~5mm程度であり、 り合う吹き出し口13の中心間距離D 1 ,D 2 は、0.5~100mm程度であることが好ましい。熱風 12は、不織布1を反射プレート15に向かって押 付けて不織布1をその厚さ方向において圧縮 する傾向を有する反面、反射熱風32は不織布1 の下面1bから上面1aに向かって進むときに熱 塑性合成繊維20を上方へ押し上げるように作 用して不織布1の嵩を上方に向かって大きく る傾向を有する。不織布1に対する反射熱風3 2のこのような作用は、不織布1のうちでも隣 合う吹き出し口13どうしの間に位置する部 において顕著であるから、この作用を活用 たいときの吹き出し口32は、機械方向MDにも 差方向CDにも間欠的に配置されている(a)や(b )のレイアウトのものであることが好ましい (a)~(d)に例示のレイアウトは、後記図4~図10の 態様においても適宜採用することができる。

 図4は、この発明において使用される熱処 理室11の一例を示す図である。図4の熱処理室 11では、図1における固定型の反射プレート15 代えて、機械方向MDへ走行する無端ベルト35 が使用されている。無端ベルト35は、金属や 熱ゴム等で形成された非通気性のものであ て、不織布1に吹き付けられた熱風12は、反 プレート15の場合と同様に無端ベルト35に衝 突して、その進行方向が変換される。無端ベ ルト35が使用される工程では、熱風12で処理 れた不織布1を機械方向MDへ走行させるとき 、不織布1や不織布10に作用する機械方向MDの 張力を抑えることができ、熱処理後の不織布 10がそれに作用する張力の影響で薄くなると うことを防ぐことができる。

 図5,6は、熱処理室11の一例を示す図4と同 な図と、図5の部分拡大図である。図5の熱 理室11における反射プレート15は、図1の反射 プレート15に代えて使用される固定型のもの ある。その反射プレート15は、図示されて るように機械方向MDの断面においてジグザグ 状の線46を画く上面15aを有する。ジグザグ状 線46では、機械方向MDにおいて、上り勾配と なる第1斜面47と、下り勾配となる第2斜面48と が交互に現れている。熱風12の吹き出し口13 、第1斜面47の上方に位置するように形成さ ている。吹き出し口13からの熱風12は、第1斜 面47で反射して反射熱風32となり、その反射 風32の少なくとも一部分は機械方向MDの上流 へ進み、熱処理室11へ進入して間もない不 布1を加熱するように作用する。第1斜面47と 2斜面48とは、反射プレート45において交差 向CDへ延びている。

 図7,8は、図1の熱処理室11に代えて使用す ことのできる熱処理室11の部分破断図と、 7の部分拡大図である。図7の熱処理室11には 機械方向MDへ回転するドラム51と、そのドラ ムの上半分を囲むように円弧状に形成された 熱風吹き出しユニット14とが設けられている ドラム51は、金属プレートや耐熱ゴムシー で形成された非通気性の周面52を有しており 、ユニット14の吹き出し口13から出た熱風12は 、不織布1を貫通して周面52に衝突して反射熱 風32になる。図8は、周面52に向かって熱風12 吹き付けるときの吹き付け角度の一例を示 ている。熱風12が吹き出し口13から直進して 面52に衝突するときの点53において、熱風12 点53における周面52の接線54との交角のうち 機械方向MDの下流側に位置する交角αが鋭角 となるように熱風12を吹き付けると、反射熱 32が機械方向MDの上流側へ進むものとなる。 そのように進む反射熱風32は、熱処理室11へ 入して間もない不織布1を加熱し、不織布1の 温度上昇を促進することに役立つ。

 図9もまた、図1の熱処理室11に代えて使用 することができる熱処理室11の一例を示す図 ある。図9の熱処理室11は、図1の熱風吹き出 しユニット14を有するものではあるが、反射 レート15を有しておらず、反射プレート15に 代わる下部熱風吹き出しユニット55が第1ニッ プロール6と第2ニップロール7との間に設けら れている。ユニット55は、熱風57の吹き出し 56を有し、その吹き出し口56はユニット14に ける吹き出し口13と向かい合う位置にある。 熱風57は、不織布1の下面1bに垂直方向から吹 付けられて不織布1を加熱することのできる ものであるが、不織布1の内部において吹き し口13からの熱風12と衝突する。その衝突に って、熱風12と57とは、それぞれの進行方向 が変換されて、反射熱風32と58とになり、不 布1をさらに加熱するように作用する。この うに、ユニット55からの熱風57は、それに衝 突する熱風12の進行方向を変換させる手段に る。熱風12と熱風57とは、温度や風速に差異 のあるものであってもよいが、そのような差 異のないものを使用することもできる。なお 、この発明において、不織布1を熱処理する めの熱風は、不織布1の上面1aに代えて不織 1の下面1bに吹き付けることもできる。それ え、図9の熱処理室11においては、熱風57を不 織布1の熱処理のためのものとして使用し、 風12を熱風57の進行方向を変換させる手段と て使用することができる。すなわち、熱風1 2を第1の熱風とし、吹き出し口13を第1の吹き し口とする一方、熱風57を第2の熱風とし、 き出し口56を第2の吹き出し口としたときに 第1、第2の熱風12,57のうちの一方を熱処理の ために使用し、残りのもう一方を進行方向を 変換させる手段のために使用することができ る。図9において、図1に例示の第2ニップロー ル7は機械方向MDの上流側へ移動している。か ような図9の工程には、ニップロールや送り ールを適宜追加することができる。

 図10もまた、熱処理室の一例を示す図9と 様な図である。図10において、熱風吹き出 ユニット14における吹き出し口13と、下部熱 吹き出しユニット55における吹き出し口56と は、垂直方向において互いに向かい合う位置 にあるが、それぞれの吹き出し口13,56からの 風12と57とは機械方向MDの上流に向かって不 布1の上面1aと下面1bに対して斜めに吹き出 れて不織布1の内部で衝突し、反射熱風32と58 とになる。反射熱風32と58との多くは機械方 MDの上流へ向かうように進行方向が変換され て、熱処理室11へ進入して間もない不織布1の 加熱を促進することに役立つ。

 図11は、図1の工程においてのこの発明の効 を確認するために、一例として使用した不 布1の斜視図である。不織布1は、互いに直 する横方向と縦方向と厚さ方向とを有し、 11では、これの方向のうちの横方向が交差方 向CDに一致し、縦方向が機械方向MDに一致し いる。不織布1はまた、横方向と縦方向、す わち交差方向CDと機械方向MDとに広がる上面 1aと下面1bとを有する。不織布1はさらにまた 上面1aを含み上層71を形成しているウエブと 下面1bを含み下層72を形成しているウエブと 積層体であって、互いに平行して機械方向MD へ延びる山部73と谷部74とが機械方向MDに直交 する交差方向CDにおいて交互に現れている。 層71のウエブは、鞘部が高密度ポリエチレ (融点135℃)であり芯部がポリエチレンテレフ タレートであって3.3dtexの繊度と38mmの繊維長 を有する同芯型の芯鞘型複合繊維と、鞘部 高密度ポリエチレン(融点135℃)であり芯部 ポリエチレンテレフタレートであって2.6dtex 繊度と38mmの繊維長とを有する偏芯型の芯鞘 型複合繊維とが85:15の重量比で混合されてい 、20g/m 2 の坪量と約75mmの幅とを有するカードウエブ ら形成されたものである。下層72のウエブは 、鞘部が高密度ポリエチレン(融点135℃)であ 芯部がポリエチレンテレフタレートであっ 3.3dtexの繊度と51mmの繊維長とを有する同芯 の芯鞘型複合繊維と、鞘部が高密度ポリエ レン(融点135℃)であり芯部がポリエチレンテ レフタレートであって2.6dtexの繊度と38mmの繊 長とを有する偏芯型の芯鞘型複合繊維とが8 5:15の重量比で混合されていて、15g/m 2 の坪量と約75mmの幅とを有するカードウエブ ら形成されたものである。上層71と下層72と 積層体は、それを機械方向MDへ走行させ、 行させる過程において交差方向に並ぶ複数 ノズル(図示せず)から上層71に向かってジェ トエアを吹き付けることによって図示の山 73と谷部74とを形成した。その後に、積層体 を135℃に設定した加熱室に入れて、偏芯型の 芯鞘型複合繊維を捲縮させ、高密度ポリエチ レンを溶融させることによって複合繊維どう しを互いに接する部位において溶着させ、し かる後に冷却してからロール状に巻き取って 室温に30日間放置し、その後に不織布1のロー ル2として使用した。

 図1の工程において、ロール2から繰り出 れる図11の不織布1を熱処理するための熱処 室11では、不織布1を機械方向MDへ100m/minまた 200m/minの速度で走行させた。熱風吹き出し ニット14には、径が0.5mmの熱風吹き出し口13 機械方向MDへ20mmのピッチで19個並び、交差方 向CDへ5mmのピッチで17個並ぶように、合計で32 3個の熱風吹き出し口13を形成した。ユニット 14の下面14bは、下面14bから不織布1の上面1aま の距離がユニット14における機械方向MDの上 流側で5mmとなるようにセットした。

 表1は、図11の不織布1の熱処理前後におけ る厚さtの変化を示している。ロール2から繰 出されたときの不織布1の厚さtと、冷風吹 出しユニット17を通過した後の不織布10の厚 tとを測定するときには、長さ200mm、幅70mmの 大きさの不織布片を20枚重ねて水平なテーブ に置き、重ねた不織布片の上に長さ240mm、 80mmの平らな板を載せ、その板の上にはおも を載せた。おもりと板とは、合計荷重が76.8 gとなるように調整した。荷重を加えてから1 後における重ねた不織布片の厚さをノギス 測定して、その値を実施例の「不織布の厚 」として表1に記載した。

 また、比較例として、不織布1を熱処理室 11において反射プレート15を使用することな 熱処理して不織布片を得た。その不織布片 ついても20枚分の厚さを測定して、比較例の 不織布の厚さとして表1に記載した。

 1  不織布
 1a  上面
 1b  下面
 2  ロール
 6  第1ロール
 7  第2ロール
 11  熱処理室
 12  熱風、第1の熱風
 13  吹き出し口
 15  進行方向を変換させる手段、固定プレ ト
 20  熱可塑性合成繊維
 35  進行方向を変換させる手段、ベルト
 51  ロール
 52  周面
 56  吹き出し口
 57  進行方向を変換させる手段、第2の熱風
 t  厚さ
 MD  機械方向
 CD  交差方向