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Title:
METHOD FOR MANUFACTURING DIALKYL ZINC AND DIALKYL ALUMINUM MONOHALIDE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/133929
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a manufacturing method for dialkyl zinc and dialkyl aluminum monohalide that makes it possible to efficiently manufacture both dialkyl zinc and dialkyl aluminum monohalide of high purity and at a high yield on an industrial scale with a single reaction from zinc chloride and trialkyl aluminum starting materials, while suppressing the production of precipitates in the reaction process and suppressing the adhesion of precipitates to the equipment and the admixture thereof into the product. The manufacturing method for dialkyl zinc and dialkyl aluminum monohalide is a dialkyl zinc and dialkyl aluminum monohalide manufacturing method that causes a reaction between zinc chloride and trialkyl aluminum, and uses trialkyl aluminum with a hydride concentration of 0.01 mass% to 0.10 mass%. Dialkyl zinc that contains essentially no aluminum is separated from the reactants, and then dialkyl aluminum monohalide that contains essentially no zinc is separated.

Inventors:
TAKAHASHI HIDEYA (JP)
NISHIDA TADAO (JP)
KOGA SEIJIRO (JP)
OKUTANI MASANORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/058491
Publication Date:
November 05, 2009
Filing Date:
April 30, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON ALUMINUM ALKYLS LTD (JP)
TAKAHASHI HIDEYA (JP)
NISHIDA TADAO (JP)
KOGA SEIJIRO (JP)
OKUTANI MASANORI (JP)
International Classes:
C07F3/06; C07F5/06
Foreign References:
JPS5113726A1976-02-03
JPH02180888A1990-07-13
JPH0372026B21991-11-15
US3124604A1964-03-10
US4732992A1988-03-22
US4670571A1987-06-02
JP2863321B21999-03-03
JP2863323B21999-03-03
US3946058A1976-03-23
US4092342A1978-05-30
Other References:
See also references of EP 2280015A4
J. AM. CHEM. SOC., vol. 73, 1951, pages 4585
Attorney, Agent or Firm:
MIYAZAKI, Teruo et al. (JP)
Akio Miyazaki (JP)
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Claims:
 ハロゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウムとを反応させるジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法であって、
ハイドライド濃度が0.01質量%以上0.10質量%以下のトリアルキルアルミニウムを用い、反応物からアルミニウムを実質的に含まないジアルキル亜鉛を分離した後、亜鉛を実質的に含まないジアルキルアルミニウムモノハライドを分離することを特徴とするジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法。
 トリアルキルアルミニウム中の多量化アルキル基を含有するアルキルアルミニウムの濃度が5.0質量%以下であることを特徴とする請求項1記載のジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法。
 反応生成物を蒸留して留出液として純度の高いジアルキル亜鉛を得、釜残液を蒸留して残存する総てのジアルキル亜鉛を留出液として分離した後、2回目の蒸留における釜残液を蒸留して留出液として純度の高いジアルキルアルミニウムモノハライドを得ることを特徴とする請求項1又は2記載のジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法。
 2回目の蒸留における残存する総てのジアルキル亜鉛を含有する留出液を、後バッチの反応生成物に添加することを特徴とする請求項3記載のジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法。
 反応生成物を蒸留して留出液として総てのジアルキル亜鉛を分離し、該留出液を蒸留して留出液として純度の高いジアルキル亜鉛を得、1回目の蒸留における釜残液を蒸留して留出液として純度の高いジアルキルアルミニウムモノハライドを得ることを特徴とする請求項1又は2記載のジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法。
 2回目の蒸留における釜残液を蒸留して残存する総てのジアルキル亜鉛を留出液として分離し、該留出液を後バッチの1回目の蒸留における留出液に添加することを特徴とする請求項5記載のジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法。
 トリアルキルアルミニウムがトリエチルアルミニウムであることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法。
 
Description:
ジアルキル亜鉛及びジアルキル ルミニウムモノハライドの製造方法

 本発明は、高分子重合触媒や、医薬品製 、太陽電池製造等に使用されるジアルキル 鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライ の製造方法に関する。

 従来から、ジアルキル亜鉛は、高分子重 や、医薬品製造の触媒あるいは反応剤とし 、また、太陽電池や半導体装置の電極に用 られる透明導電性膜を構成する酸化亜鉛の 成物質として、多用されている。

 ジアルキル亜鉛の製造方法の一つとして 特許文献1、2に記載されるように、式(1)に す塩化亜鉛とトリアルキルアルミニウムと 反応を使用することが知られている。

 この方法において、原料に用いるトリアル ルアルミニウム(R 3 Al)は、アルミニウムと水素とアルケンとをト リアルキルアルミニウム存在下で反応させて 得られる生成物を使用しているが、R 2 AlH、RAlH 2 、AlH 3 等のハイドライドが不純物として含まれてい る。非特許文献1に指摘されているように、 イドライド濃度が高いトリアルキルアルミ ウムを塩化亜鉛との反応の原料として使用 ると、反応の進行に伴い金属亜鉛等が析出 、更に、反応終了後、生成したジアルキル 鉛を蒸留する際も、析出物が析出する。こ ため、析出物が装置内壁に付着し、反応や 蒸留の中断を余儀なくされる上、装置の洗 に多大な時間を要し、また、加熱器の熱伝 効果を低減するという問題がある。

 ここで、上記塩化亜鉛とトリアルキルア ミニウムとの反応において、副生物として られるジアルキルアルミニウムモノクロラ ドは、各種重合反応の触媒作用を有するこ が認められ、その需要が増加している。

 ジアルキルアルミニウムモノクロライド 、上記反応を利用して反応液から揮発性の いジアルキル亜鉛を蒸留により留出した後 釜残液に含有され、これから得ることがで る。しかしながら、上記のように、塩化亜 とトリアルキルアルミニウムとの反応液か ジアルキル亜鉛を留出した後の釜残液には 属亜鉛等の析出物が多量に含有され、この 残液を留出して得られるジアルキルアルミ ウムモノクロライドには亜鉛が含まれる上 ジアルキル亜鉛の蒸留時と同様に多量の析 物により蒸留分離を継続して行うことが困 となる。

 ジアルキルアルミニウムモノクロライド の亜鉛濃度を低減する種々の方法が報告さ ている。例えば、特許文献3に記載されるジ アルキル亜鉛を留出した後の釜残液へ、アル キルアルミニウムハイドライドを含むトリア ルキルアルミニウムを添加する方法、特許文 献4に記載されるジアルキル亜鉛を留出した の釜残液へ、アルキルアルミニウムセスキ ロライドを添加する方法が挙げられる。し しながら、アルキル基の炭素数が同一であ ジアルキルアルミニウムモノクロライドと リアルキルアルミニウムあるいはアルキル ルミニウムセスキクロライドは、沸点が近 し蒸留による分離は困難である。

 更に、特許文献7に、ジエチル亜鉛蒸留分 離後、釜残液を不活性ガス雰囲気中、150-240 で加熱する方法、特許文献8に、塩化アルミ ウム及びトリエチルアルミニウムを加えて 熱し、その後、ジアルキルアルミニウムモ クロライドを蒸留する方法が報告されてい 。しかしながら、これらの方法は工程が増 する上、得られるジアルキルアルミニウム ノクロライド中の亜鉛濃度は、200質量ppm、1 00質量ppm等と充分に低減されていない。

 また、特許文献5、6には、上記塩化亜鉛 トリアルキルアルミニウムとの反応におい 、金属亜鉛の析出を抑制する方法として、 化珪素や水等を添加物として使用すること 報告されている。しかしながら、その効果 充分とはいえず、ジアルキル亜鉛の生産効 の低下という犠牲を伴う。

 また、金属亜鉛の析出の原因となるハイ ライドの濃度が低いトリアルキルアルミニ ムを得るには、これを合成する際に原料の ルケンの分圧を高めることが考えられる。 かしながら、アルケン分圧を高めるとアル ンがアルキル基と反応し、多量体のアルキ 基を有するトリアルキルアルミニウムが生 され、これを原料として用いることにより 塩化亜鉛とトリアルキルアルミニウムとの 応生成物中に多量体のアルキル基を有する アルキル亜鉛が含有される。この多量体の ルキル基を有するジアルキル亜鉛は一量体 アルキル基を有するジアルキル亜鉛と比較 て高沸点であり、ジアルキルアルミニウム ノクロライドの沸点と近似するため、蒸留 離して得られるジアルキルアルミニウムモ クロライドに混入してしまう。このため、 リアルキルアルミニウムを合成する際に、 にアルケンの分圧を上昇させハイドライド 生成を抑制しても、ジアルキル亜鉛の収率 低下し、純度が高いジアルキルアルミニウ モノクロライドの分離が困難となる。

 以上のように、塩化亜鉛とトリアルキル ルミニウムとを原料とするジアルキル亜鉛 びジアルキルアルミニウムモノクロライド 製造において、反応過程で生成される析出 が、装置へ付着して生産性を著しく低下さ ることなく、ジアルキル亜鉛とジアルキル ルミニウムモノクロライドの双方を、純度 収率共に高く工業的規模で満足のいく程度 製造する方法が求められている。

特公昭37-2026号

米国特許3124604号

米国特許4732992号

米国特許4670571号

特許2863321号

特許2863323号

米国特許3946058号

米国特許4092342号

J.Am.Chem.Soc.,73,4585,1951

本発明が解決しようとする課題

 本発明の課題は、ハロゲン化亜鉛とトリ ルキルアルミニウムとを原料とし、一の反 により、ジアルキル亜鉛とジアルキルアル ニウムモノハライドとを生成させ、反応工 や蒸留工程での析出物の生成を抑制し、析 物の装置への付着や生成物への混入を抑制 ることにより、これらの双方を、工業的規 で効率よく、純度、収率共に高く製造する とを可能とする、ジアルキル亜鉛及びジア キルアルミニウムモノハライドの製造方法 提供することにある。

 本発明者らは、上記課題を解決するため ハロゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウ とを原料とする反応において、原料のトリ ルキルアルミニウムに、ハイドライドの濃 が0.01質量%以上、0.10質量%以下に合成したも のを用いることにより、反応工程や、蒸留工 程で析出物が生じるのを抑制させ、装置への 析出物の付着量が著しく減少し、製造設備洗 浄のための生産停止時間を激減することがで きることの知見を得た。しかも、多量体アル キル基を有するジアルキル亜鉛の生成を抑制 でき、ジアルキル亜鉛とジアルキルアルミニ ウムモノハライドとの双方を、純度、収率共 に高く得られることを見い出した。かかる知 見に基づき、本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明はハロゲン化亜鉛とトリ ルキルアルミニウムとを反応させるジアル ル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハ イドの製造方法であって、
ハイドライド濃度が0.10質量%以下のトリアル ルアルミニウムを用い、反応物からアルミ ウムを実質的に含まないジアルキル亜鉛を 離した後、亜鉛を実質的に含まないジアル ルアルミニウムモノハライドを分離するこ を特徴とするジアルキル亜鉛及びジアルキ アルミニウムモノハライドの製造方法に関 る。

 本発明のジアルキル亜鉛及びジアルキル ルミニウムモノハライドの製造方法は、ハ ゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウムと 原料とし、一の反応により、ジアルキル亜 とジアルキルアルミニウムモノハライドと 生成させ、反応工程や蒸留工程で析出物の 成を抑制し、析出物の装置への付着や生成 への混入を抑制することにより、これらの 方を、工業的規模で効率よく、純度、収率 に高く製造することができる。

本発明のジアルキル亜鉛及びジアルキ アルミニウムモノハライドの製造方法の一 を示す概略構成図である。 本発明のジアルキル亜鉛及びジアルキ アルミニウムモノハライドの製造方法の他 例を示す概略構成図である。

 本発明のジアルキル亜鉛及びジアルキル ルミニウムモノハライドの製造方法は、ハ ゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウムと 反応させるジアルキル亜鉛及びジアルキル ルミニウムモノハライドの製造方法であっ 、ハイドライド濃度が0.01質量%以上、0.10質 %以下のトリアルキルアルミニウムを用い、 反応物からアルミニウムを実質的に含まない ジアルキル亜鉛を分離した後、亜鉛を実質的 に含まないジアルキルアルミニウムモノハラ イドを分離することを特徴とする。

 本発明のジアルキル亜鉛及びジアルキル ルミニウムモノハライドの製造方法は、式( 1X)の反応を使用するものである。

式中、Xはハロゲン原子を示し、Rはアルキル を示す。

 本発明に用いる原料の一つであるハロゲ 化亜鉛は常温で固定であるが、吸湿しやす ので十分に乾燥しておくことが好ましい。 ロゲン化亜鉛の水分含有率は0.5質量%以下で あることが好ましく、より好ましくは0.1質量 %以下である。ハロゲン化亜鉛としては、塩 亜鉛、ヨウ化亜鉛、臭化亜鉛等を挙げるこ ができ、特に塩化亜鉛が好ましい。

 もう一つの原料であるトリアルキルアルミ ウム(R 3 Al)は、アルキル基に特に制約はないが、C 1 ~C 5 のものが好適に使用できる。

 トリアルキルアルミニウムは、ハイドライ 濃度が0.10質量%以下のもの(低ハイドライド トリアルキルアルミニウムともいう。)であ る。ハイドライドとしては、アルミニウムト リハイドライド(AlH 3 )、モノアルキルアルミニウムジハイドライ (RAlH 2 )、ジアルキルアルミニウムモノハイドライ (R 2 AlH)が含まれる。トリアルキルアルミニウム のハイドライド濃度が0.10質量%以下であれば 、反応の進行に伴う析出物の発生が著しく低 減され、装置内壁への付着物量が極めて減少 される。また、ハイドライド濃度が0.01質量% 満としても0.01質量%のときと析出物の発生 抑制する効果があまり変わらない。ハイド イド濃度が0.01質量%以上であれば多量化され たアルキル基を有するトリアルキルアルミニ ウムの含有量を抑制することができる。

 トリアルキルアルミニウム中のハイドラ ドは、式(2)、式(3)、式(4)に示すように、加 分解反応で水素を発生させる。

これらの式中、Rはアルキル基を示す。

発生した水素の量から、式(5)によって、ト リアルキルアルミニウム中のハイドライド濃 度を求める。

式(5)中のd、E、Fは以下のものを示す。
d:アルミニウムトリハイドライドの分子量
E:試料質量(g)
F:水素のモル数の測定値

 具体的には、試料100gを加水分解して発生 する水素が、0℃、1気圧で22.4mLであるとガス ロマトグラフィーで測定された場合、試料 ハイドライド濃度は0.010質量%として得られ 。

 また、トリアルキルアルミニウムは、多 体のアルキル基を有する多量化アルキル基 有トリアルキルアルミニウムの濃度が5.0質 %以下であることが好ましい。多量化アルキ ル基含有トリアルキルアルミニウムの濃度が 5.0質量%以下であれば、多量化アルキル基含 ジアルキル亜鉛の生成を抑制することがで 、反応生成物を蒸留分離して得られるジア キルアルミニウムモノハライド中に多量体 アルキル基を有するジアルキル亜鉛の含有 が増加するのを抑制することができる。こ 結果、得られるジアルキルアルミニウムモ ハライド中の亜鉛濃度を著しく低減するこ ができ、産業上の利用価値が高いジアルキ アルミニウムモノハライドを得ることがで る。また、目的とする反応生成物のジアル ル亜鉛の収率が低下するのを抑制すること できる。

 トリアルキルアルミニウム中の多量化ア キル基含有トリアルキルアルミニウムの濃 は、以下の方法で求めた値を採用すること できる。

 トリアルキルアルミニウム中の多量化アル ル基含有アルキルアルミニウムとしては、R ´ 3 Al、R´ 2 RAl、R´R 2 Al(式中、R´は多量化アルキル基、Rはアルキ 基を示す。)である。R´は主として2量化体の アルキル基に相当するものと考えられる。多 量化アルキルアルミニウムは、式(6)、式(7)、 式(8)に示すように、加水分解で多量化アルカ ンを生じさせる。

発生した多量化アルカンの量から、式(9)に よって、トリアルキルアルミニウム中の多量 化アルキルアルミニウム濃度を求める。

式(9)中のK、A、B、Cは以下のものを示す。
K:多量化アルキル基含有アルキルアルミニウ 濃度(質量%)
B:多量化アルカン(R´H)のモル数の測定値
A:トリ多量化アルキルアルミニウム(R´ 3 Al)の分子量(g/モル)
C:試料質量(g)

 ここで、発生する多量化アルカン量の測 はガスクロマトグラフィーによることがで る。

 このようなトリアルキルアルミニウムは アルミニウム、水素、アルケンをトリアル ルアルミニウムの存在下で式(10)、(11)に示 ように、反応中間体を介して合成すること できる。

式中、Rはアルキル基又は水素原子を示す

 上記ハイドライド濃度0.10質量%以下のト アルキルアルミニウムを合成するには、ハ ドライド濃度が0.40~1.0質量%程度のトリアル ルアルミニウム(以下、一般品トリアルキル ルミニウムともいう。)にアルケンを反応さ せて、製造することができる。使用する一般 品トリアルキルアルミニウムは、多量化アル キル基含有アルキルアルミニム濃度が1.5~3.5 量%程度であることが好ましい。

 低ハイドライド品トリアルキルアルミニ ムの製造においてアルケン分圧を高めると 得られるトリアルキルアルミニウム中のハ ドライド濃度が低下するとともに、式(12)に 示すように、アルケンが重合した多量体、主 として2量化アルキル基を有するアルキルア ミニウムの濃度が増加する。

このため、回分式反応におけるアルケンの 分圧は、0.1~0.6MPaが好ましく、より好ましく 0.2~0.5MPa、温度は50~110℃であることが好まし 、より好ましくは65~95℃、反応時間は1~10時 であることが好ましく、より好ましくは3~7 間である。連続式で反応させることもでき 。

 上記トリアルキルアルミニウムとハロゲ 化亜鉛の反応は次のように実施することが 能である。反応器内に水分があるとトリア キルアルミニウムが反応してしまい、ジア キル亜鉛の収量は減少する。このため、反 は、乾燥不活性ガス雰囲気中で行うことが ましい。反応は無溶媒で行ってもよいが、 散媒としては、原料及び生成物と反応しな 、例えば、非水溶媒を使用することができ が、反応生成物を蒸留精製することを考慮 れば、ジアルキル亜鉛よりも沸点の高い流 パラフィン等の炭化水素が好ましい。分散 の使用割合としては、ハロゲン化亜鉛に対 て、質量比で0.4~1.0を挙げることができる。

 ハロゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニ ムの反応は発熱反応であり、液温度が20~100 の範囲となるように、好ましくは、30~70℃ 除熱して行うことが好ましい。反応温度が20 ℃以上であれば、反応速度が低速になるのを 抑制することができ、100℃以下であれば、析 出物の生成を抑制することができる。反応器 の温度制御は原料供給流量、冷媒流量、ある いは供給時の冷媒温度を制御する方法を採用 することができる。

 上記トリアルキルアルミニウムとハロゲ 化亜鉛の反応に用いるハロゲン化亜鉛とト アルキルアルミニウムの使用割合としては ハロゲン化亜鉛1モルに対して、トリアルキ ルアルミニウムが1.6~2.4モルが好ましく、よ 好ましくは1.8~2.2モルである。

 反応器への原料の仕込みは、トリアルキ アルミニウム又はハロゲン化亜鉛のいずれ を先に仕込み、他方を徐々に供給すること 、反応の制御が容易なことから好ましい。 リアルキルアルミニウムを先に仕込む場合 、分散媒を使用せずに反応させることがで る。原料供給速度を適切にすることにより 単位時間当たりの発熱量が過大になり液温 が上昇するのを抑制し、その熱によるジア キル亜鉛の分解消失を抑制することができ 。また原料供給の終了後の攪拌は、反応終 に至る充分な時間行うことが好ましい。具 的には、先に仕込んだ原料に対して、後か 加える原料の供給開始から終了までを1~15時 間、より好ましくは2~10時間とし、その後の 拌を0.5~5時間、より好ましくは1~3時間行い、 反応を終了させることができる。

 反応終了後の反応生成物からアルキル亜 、ジアルキルアルミニウムモノハライドの 離、精製は蒸留によることが好ましい。反 生成物の蒸留に先立ち、反応生成物に含ま る析出物を濾過等により分離除去すること 好ましい。トリアルキルアルミニウムとし 一般品を使用する場合に比べ、低ハイドラ ド品を用いれば析出物量は極めて低量であ 、反応生成物の粘性が低下するため、濾過 を用いた濾過は良好に行うことができる。 過器は金属メッシュ製のものが好適に使用 き、竪型円筒式のものが取り扱い上好まし 。濾過器の目開き寸法は10~300μm、より好ま くは40~250μmである。

 反応生成物の蒸留は、蒸留塔を用いて行 ことが好ましく、使用する蒸留方法として 、回分式、連続式等いずれであってもよい 反応生成物の懸濁液を蒸留塔へ移液して、 ず、ジアルキル亜鉛の蒸留精製を行う。ジ ルキル亜鉛あるいはジアルキルアルミニウ モノハライドが熱分解するのを抑制するた 、減圧下で行うことが好ましく、また、10To rr以上で蒸留するのが、分離効率上好ましい 反応生成物から目的物のジアルキル亜鉛及 ジアルキルアルミニウムモノハライドを高 度で得る蒸留分離方法として、以下の方法 よることが好ましい。

 第1の方法は、反応生成物を蒸留して留出 液として純度の高いジアルキル亜鉛を得、釜 残液を蒸留して残存する総てのジアルキル亜 鉛を留出液として分離した後、2回目の蒸留 おける釜残液を蒸留して留出液として純度 高いジアルキルアルミニウムモノハライド 得る方法である。

 第1の方法として、具体的には、図1に示 蒸留分離方法を挙げることができる。第1の 留分離方法は、反応生成物から最初の蒸留1 により純度の高いジアルキル亜鉛を留出させ て得る。その後、釜残液を蒸留2(2回目の蒸留 )により、これに含有される総てのジアルキ 亜鉛を留出させて分離除去し、この蒸留2に ける釜残液を蒸留3(3回目の蒸留)により、こ れに含有されるジアルキルアルミニウムモノ ハライドを高純度で得る方法である。

 反応生成物から純度の高いジアルキル亜 を留出する蒸留1は、例えば、還流比0.1~10、 より好ましくは1~5、圧力10~100Torr、より好ま くは20~50Torrで行う。釜液温度は蒸留物の物 や圧力に応じて異なるが150℃を超えない温 でジアルキル亜鉛を留出させることが好ま い。釜液の組成が変化するに伴い、釜液温 は徐々に上昇する。ジアルキル亜鉛の留出 中にアルミニウムが混入するのを抑制する めに、蒸留1回当たりのジアルキル亜鉛回収 、即ち、反応生成物中のジアルキル亜鉛に し、留出させるジアルキル亜鉛の割合を95 量%以下に抑えることが好ましい。このよう することにより、実質的にアルミニウムを まない、具体的には、アルミニウム濃度10 量ppm以下のジアルキル亜鉛を留出させるこ ができる。蒸留1の釜残液は蒸留2に供する。

 蒸留2は蒸留1の釜残液中に残存する総て ジアルキル亜鉛を留出、回収し、この釜残 から分離するジアルキルアルミニウムモノ ライド中に、亜鉛が混入するのを抑制し、 度の高いジアルキルアルミニウムモノハラ ドを得ることを目的として行う。この蒸留2 、蒸留1に引き続き行うことができるが、蒸 留1の釜残液を一旦別の貯槽に貯めておき、 アルキル亜鉛の蒸留を数回反復してこれら 蒸留における釜残液を加えて蒸留2へ供する とも可能である。蒸留2は、還流比を0、圧 と釜液温度を蒸留1と同程度にして行うこと できるが、運転圧力を低下させてジアルキ 亜鉛の留出を促すこともできる。蒸留2にお ける留出液は、後バッチの反応生成物に添加 することが好ましく、該留出液に含まれるジ アルキル亜鉛は後バッチの反応生成物に対し て行う蒸留1の留出液として回収することが きる。蒸留2における釜残液を蒸留3に供する 。

 蒸留3は、蒸留2の釜残液に含有されるジ ルキルアルミニウムモノハライドを高純度 得ることを目的とする。蒸留3は、例えば、 流比0.2~5、より好ましくは0.5~3、圧力10~100Tor r、より好ましくは15~50Torrで行い、釜液温度 蒸留物の物性や運転圧力に応じて異なるが25 0℃を超えない温度で行うことが好ましい。 留3においても、留出させるジアルキルアル ニウムモノハライドを仕込んだジアルキル ルミニウムモノハライドの含有量の95質量% 下に抑えることにより、実質的に亜鉛を含 ない、具体的には、亜鉛濃度が10質量ppm以 のジアルキルアルミニウムモノハライドを ることができる。蒸留3における釜残液は廃 する。

 次に、第2の方法は、反応生成物を蒸留し て留出液として総てのジアルキル亜鉛を分離 し、該留出液を蒸留して留出液として純度の 高いジアルキル亜鉛を得、1回目の蒸留にお る釜残液を蒸留して留出液として純度の高 ジアルキルアルミニウムモノハライドを得 方法である。

 第2の方法として、具体的には、図2に示 蒸留分離方法を挙げることができる。第2の 留分離方法は、反応生成物から最初の蒸留4 によりこれに含まれる総てのジアルキル亜鉛 を留出し、この留出液を蒸留5(2回目の蒸留) て純度の高いジアルキル亜鉛の留出液を得 。その後、1回目の蒸留における釜残液を蒸 7(3回目の蒸留)により、これに含有されるジ アルキルアルミニウムモノハライドを高純度 で得る方法である。

 反応生成物からこれに含まれる総てのジ ルキル亜鉛を留出する蒸留4は、この蒸留の 釜残液にジアルキル亜鉛が残留するのを抑制 し、この釜残液から留出するジアルキルアル ミニウムモノハライドに亜鉛が混入するのを 抑制し、純度の高いジアルキルアルミニウム モノハライドを得るために行う。蒸留4は、 えば、還流比0、圧力10~100Torr、より好ましく は20~50Torr、釜液温度は蒸留物の物性や圧力に 応じて異なるが150℃を超えない温度で行うこ とが好ましい。釜液の組成が変化するに伴い 、釜液温度は徐々に上昇する。得られる留出 液を蒸留5に供する。

 蒸留5は、蒸留4の留出液から純度の高い アルキル亜鉛を得るために行う。蒸留5にお て、還流比0.5~5、より好ましくは1~4、圧力10 ~100Torr、より好ましくは20~50Torrで行う。ジア キル亜鉛の留出中にアルミニウムが混入す のを抑制するために、蒸留1回当たりのジア ルキル亜鉛回収率、即ち、蒸留4の留出液中 ジアルキル亜鉛に対し、留出させるジアル ル亜鉛の割合を95質量%以下に抑えれば、実 的にアルミニウムを含まない、具体的には アルミニウム濃度10質量ppm以下のジアルキル 亜鉛を留出させることができる。蒸留5では 釜液の組成が大きく変化しないため、釜液 度はほぼ一定となる。蒸留5における釜残液 、更に蒸留6に供する。

 蒸留6は、蒸留5の釜残液中に残存するジ ルキル亜鉛を留出、回収する目的で行う。 の蒸留6は、蒸留5に引き続き行うことができ るが、蒸留5の釜残液を一旦別の貯槽に貯め おき、ジアルキル亜鉛蒸留を数回反復して れらの蒸留における釜残液を加えて蒸留6へ することも可能である。蒸留6は、蒸留4と 様の条件で留出することもできる。蒸留6に ける留出液は、後バッチの蒸留4留出液に加 えて、蒸留5を行うこともできる。蒸留6にお る釜残液は廃棄する。

 蒸留7は、蒸留4における釜残液を留出し 純度の高いジアルキルアルミニウムモノハ イドを得るために行う。蒸留7は、例えば、 流比0.2~5、より好ましくは0.5~3、圧力10~100Tor r、より好ましくは20~50Torrで行う。留出させ ジアルキルアルミニウムモノハライドを、 込んだ液に含まれるジアルキルアルミニウ モノハライドの95質量%以下に抑えることに り、実質的に亜鉛を含まない、具体的には 亜鉛濃度が10質量ppm以下のジアルキルアルミ ニウムハライドを得ることができる。蒸留7 おける釜残液は廃棄する。

 上記方法により実質的にアルミニウムを 有しない、具体的には、アルミニウムの濃 が10質量ppm以下のジアルキル亜鉛と、実質 に亜鉛を含有しない、具体的には、亜鉛の 度が10質量ppm以下のジアルキルアルミニウム モノハライドを得ることができる。

 以下、本発明のジアルキル亜鉛及びジアル ルアルミニウムモノハライドの製造方法に いて、実施例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
[トリエチルアルミニウムの製造]
 まずハイドライド濃度の低いトリエチルア ミニウムを以下のように製造した。

 攪拌機、トリエチルアルミニウム供給配管 エチレン供給配管、窒素配管、温度計を装 してある5m 3 ステンレス製反応器を窒素置換後、圧力を0.0 1MPaGとし、ハイドライド濃度0.7質量%、ブチル 基含有アルキルアルミニウム濃度2.1質量%の リエチルアルミニウム3200kgを仕込んだ。攪 機を作動させ液温度を80℃まで上昇させた後 、エチレンを供給して圧力を0.39MPaGに保持し 。4時間攪拌後にエチレン供給を止め、冷却 した後、ハイドライド濃度0.05質量%、ブチル 含有アルキルアルミニウム濃度3.5質量%の低 ハイドライド品トリエチルアルミニウムを得 た。

[塩化亜鉛とトリエチルアルミニウムとの反 ]
 攪拌機、塩化亜鉛供給配管、トリエチルア ミニウム供給配管、流動パラフィン供給配 、窒素配管、温度計を装着してある6m 3 炭素鋼製反応器を窒素置換後、圧力を0.01MPaG し、低ハイドライド品2300kgを仕込んだ。攪 機を作動させつつ、この反応器へ塩化亜鉛1 400kgを10時間かけて供給した。その間、反応 下部に螺旋状に沿わせた冷却水配管に冷却 を流し、反応熱を除去した。反応温度は初 36℃から最大40℃まで上昇した。塩化亜鉛供 終了後2時間攪拌した。反応終了後の反応生 成物懸濁液を窒素で0.05MPaGまで昇圧して2m 2 、100μmフィルターで濾過しながら釜容積6m 3 の炭素鋼製5段シーブトレイ型蒸留塔へ移液 た。

 捕集した析出物の量は11.1kgであった。濾過 要した時間は14分、析出物1kg当たりの平均 過時間は1.3分であった。反応器の開放点検 、攪拌機や反応器内壁への析出物付着は認 られなかった。濾過器の洗浄作業では、流 パラフィンによる逆洗を含めた作業時間が1. 5時間であった。
[蒸留]
 得られた懸濁液の蒸留を行った。

 釜液を加熱する熱交換器は竪型円筒多管 で、内径25.4mm、長さ3500mm、57本の管を有し おり、管側を流れる液を胴側の熱媒で加熱 るものである。30Torrの減圧下、釜液3600kgの 度を30℃から徐々に90℃まで上昇させて蒸留 た。還流比は3とし、蒸留1、2を連続して行 た。蒸留1における留出液1100kgを得るのに11 間、蒸留2における留出液500kgを得るのに5時 間を要した。この蒸留1の留出液はジエチル 鉛純度は99.9質量%以上で、アルミニウム濃度 は質量10ppm以下であった。蒸留2の留出液はジ エチル亜鉛が70kg、ジエチルアルミニウムモ クロライドが430kgであった。

 蒸留2の釜残液2000kgは貯槽へ移液した。蒸 留終了後、釜内壁や熱交換器を開放点検した ところ、これらの内壁への析出物付着はなか った。反応及び蒸留1、蒸留2と同様な操作を2 回繰り返し、貯槽にためた蒸留2の釜残液4000k gを蒸留塔に供給し、圧力27Torr、釜液温度144~1 49℃、還流比1の条件のもと、蒸留3を行った 20時間かけて留出液3500kgを得た。留出液の分 析からジエチルアルミニウムモノクロライド 純度は99.9質量%以上で亜鉛濃度は10質量ppm以 であった。蒸留終了後、釜内壁や熱交換器 開放点検したところ、これらの内壁への析 物付着はなかった。合成1回当たり、蒸留に り得たアルミニウム濃度10質量ppm以下のジ チル亜鉛の収量は1100kg、蒸留により得た亜 濃度10質量ppm以下のジエチルアルミニウムモ ノクロライドの収量は1750kgであった。

 [実施例2]
[塩化亜鉛とトリエチルアルミニウムとの反 ]
 実施例1で用いた反応器へ、塩化亜鉛1400kgと 流動パラフィン930kgを仕込み、反応器内を窒 置換して圧力を0.01MPaGとし、冷却水を流し 攪拌機を作動させつつ、ハイドライド濃度0. 04質量%、ブチル基含有アルキルアルミニウム 濃度3.6質量%のトリエチルアルミニウム2300kg 9時間かけて供給した。反応温度は初期36℃ ら最大41℃まで上昇した。トリエチルアルミ ニウム供給終了後2時間攪拌し、反応終了後 懸濁液を窒素で0.05MPaGまで昇圧して2m 2 、100μmフィルターで濾過しながら、実施例1 用いた蒸留塔へ移液した。

 捕集した析出物の量は18.5kgであった。濾過 要した時間は25分、析出物1kgあたりの平均 過時間は1.4分であった。また反応器の開放 検で、攪拌機や反応器内壁への析出物付着 認められなかった。濾過器の洗浄作業では 流動パラフィンによる逆洗を含めた作業時 が1.5時間であった。
[蒸留]
 得られた濾液4500kgを30Torrの減圧下、釜液の 度を35℃から徐々に95℃まで上昇させて還流 比は0として、蒸留4を行った。12時間をかけ 留出液1200kgを留出し、釜残液3300kgが残った 釜残液は貯槽へ移液した。蒸留終了後、釜 壁や熱交換器を開放点検したところ、これ の内壁への析出物付着はなかった。反応及 蒸留4の操作を3回反復し、貯槽にためた留出 液3600kgを蒸留塔に供給した。圧力30Torr、釜液 温度38℃、還流比3の条件で、50時間かけて蒸 5を行い、留出液3100kgを得た。留出液の分析 からジエチル亜鉛純度は99.9質量%以上で、ア ミニウム濃度は10質量ppm以下であった。釜 は釜残液500kgが残り、これを貯槽へ移液した 。蒸留5を3回繰り返し、貯槽にためた釜残液1 500kgを蒸留塔に供給した。ここへさらに流動 ラフィン2000kgを加えた後、30Torrの減圧下、 液の温度を65℃から徐々に95℃まで上昇させ て、還流比0として蒸留6を行った。10時間を けて留出液1000kgを留出した。留出液の分析 結果ジエチル亜鉛純度99.8%であった。蒸留4 釜残液3300kgを蒸留塔に供給し、圧力27Torr、 液温度144~149℃、還流比1の条件で14時間かけ 蒸留7を行った。留出液2050kgの分析からジエ チルアルミニウムモノクロライド純度は99.9 量%以上で亜鉛濃度は10質量ppm以下であった 蒸留終了後、釜内壁や熱交換器を開放点検 たところ、これらの内壁への析出物付着は かった。合成1回当たり、蒸留により得たア ミニウム濃度10質量ppm以下のジエチル亜鉛 収量は1033kg、蒸留により得た亜鉛濃度10質量 ppm以下のジエチルアルミニウムモノクロライ ドの収量は2050kgであった。

 [比較例1]
 トリエチルアルミニウムとして、ハイドラ ド濃度0.7質量%、ブチル基含有アルキルアル ミニウム濃度2.2質量%のトリエチルアルミニ ムを使用した以外は実施例1と同様に反応を い、反応終了後、濾過を行った。濾過器で 集した析出物の量は104kgであった。濾過の 中で液が流れなくなったため、7回に分けて った。各々の濾過に80分、92分、110分、127分 、135分、158分、185分、合計887分を要した。濾 過回数を重ねるごとに目詰まりが多くなるの で、濾過時間が徐々に長くなった。析出物1kg 当たりの平均濾過時間は8.5分であり、ハイド ライド濃度0.05質量%、および0.04質量%のトリ チルアルミニウムを原料とした実施例1、実 例2に比べて、付着物の粘性が著しく高かっ た。流動パラフィンによる逆洗を含めた濾過 器の洗浄作業時間は、1回当たり平均7時間を した。目詰まりを完全に解消できないまま 次の濾過に使用した。濾液3450kgを蒸留し、 留1における留出液900kgを得るのに15時間、 留2における留出液400kgを得るのに9時間を要 た。圧力30Torrにおいて、釜液温度が30℃か 90℃まで上昇した。この蒸留1の留出液はジ チル亜鉛純度は99.9質量%以上で、アルミニウ ム濃度は10質量ppm以下であった。蒸留2の留出 液はジエチル亜鉛が50kg、ジエチルアルミニ ムモノクロライドが350kgであった。反応器の 開放点検では、攪拌機および反応器内壁へ大 量の析出物が強固に付着しているのが認めら れた。この付着物の除去洗浄作業に5日間を した。蒸留塔釜内壁、釜液の加熱用熱交換 内壁にも、析出物が強固に付着しているの 認められた。蒸留塔釜内壁、熱交換器内壁 付着物除去洗浄作業には3日間を要した。蒸 により得たアルミニウム濃度10質量ppm以下 ジエチル亜鉛の収量は900kgであった。

 [比較例2]
 低ハイドライド品トリエチルアルミニウム 製造において、反応器にエチレンを供給し 圧力を0.53MPaGに保持し、80℃で9時間反応さ て得たハイドライド濃度0.005質量%、ブチル 含有アルキルアルミニウム濃度5.5質量%のト エチルアルミニウムを使用した以外は実施 1と同様に反応を行い、反応終了後、濾過を 行った。濾過器で捕集した析出物の量は12.7kg であった。濾過に要した時間は19分、析出物1 kg当たりの平均濾過時間は1.4分であった。こ 濾液3600kgを30Torrの減圧下、釜液の温度を30 から徐々に90℃まで上昇させ、還流比3とし 蒸留1、蒸留2を行った。蒸留1の留出液1050kg 得るのに11時間、蒸留2の留出液500kgを得るの に5時間を要した。この蒸留1の留出液のジエ ル亜鉛純度は99.9質量%以上で、アルミニウ 濃度は10質量ppm以下であった。蒸留2の留出 のジエチル亜鉛は70kg、ジエチルアルミニウ モノクロライドは430kgであった。釜残液2050k gは貯槽へ移液した。蒸留終了後、釜内壁や 交換器を開放点検したところ、これらの内 への析出物付着はなかった。反応及び蒸留1 蒸留2と同様な操作を2回繰り返し、貯槽に めた釜残液4100kgを蒸留塔に供給した。圧力27 Torr、釜液温度144~149℃、還流比1の条件で蒸留 3を行い、留出液3500kgを得た。ジエチルアル ニウムモノクロライド純度は99.9質量%で亜鉛 濃度は510質量ppmであった。合成1回当たり、 留により得たアルミニウム濃度10質量ppm以下 のジエチル亜鉛の収量は1050kg、蒸留により得 た亜鉛を510質量ppm含むジエチルアルミニウム モノクロライドの収量は1750kgであった。

 [比較例3]
 低ハイドライド品トリエチルアルミニウム 製造において、反応器にエチレンを供給し 圧力を0.18MPaGに保持し、80℃で2時間反応さ て得たハイドライド濃度0.13質量%、ブチル基 含有アルキルアルミニウム濃度3.1質量%のト エチルアルミニウムを使用し、反応終了後 懸濁液を濾過しない以外は実施例1と同様に 応を行った。反応懸濁液3700kgを30Torrの減圧 、釜液の温度を30℃から徐々に90℃まで上昇 させ、還流比は3として、蒸留1、蒸留2を行っ た。蒸留1の留出液1000kgを得るのに17時間、蒸 留2の留出液500kgを得るのに10時間を要した。 の蒸留1の留出液のジエチル亜鉛純度は99.9 量%以上で、アルミニウム濃度は10質量ppm以 であった。蒸留2の留出液のジエチル亜鉛は7 0kg、ジエチルアルミニウムモノクロライドは 430kgであった。釜残液2100kgは貯槽へ移液した 蒸留終了後、釜内壁や熱交換器を開放点検 たところ、蒸留塔釜内壁、釜液の加熱用熱 換器内壁にも、析出物が強固に付着してい のが認められた。蒸留塔釜内壁、熱交換器 壁の付着物除去洗浄作業には3日間を要した 。

産業上の利用分野

 本発明のジアルキル亜鉛及びジアルキル ルミニウムモノハライドの製造方法は、工 的製造に適用し、純度が高い製品を効率よ 製造することができ、得られた製品は高分 重合触媒や、医薬品製造、太陽電池製造等 好適な製品を得ることができる。




 
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