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Title:
METHOD FOR MANUFACTURING GLOW PLUG AND GLOW PLUG
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/126171
Kind Code:
A1
Abstract:
A method for manufacturing a glow plug in which poor quality such as short circuit and variations in conduction performance can be suppressed. A first stem (8) provided, at the distal end thereof, with a portion (8c) insertable into the inserted portion (5b) of a heat generation coil (5) is provided at first, and the inserting portion (8c) of the first stem (8) is inserted into the inserted portion (5b) of a heat generation coil (5) to form an overlap portion (10a) at the first step to thereby obtain a semi-finished first glow plug (10). At the second step, the electrodes (81, 82) are energized while clamping the overlap portion (10a) in the radial direction and the inserting portion (8c) of the first stem (8) and the inserted portion (5b) of the heat generation coil (5) are welded together to form a welded portion (10b). The welded portion (10b) is formed such that one half turn or more of the heat generation coil (5) that is left unwelded to the inserting portion (8c) of the first stem (8) exists between the distal end (C1) of the welded portion (10b) and the distal end (A1) of the overlap portion (10a).

Inventors:
ISHII SHUEI
OKUMURA YUKI
Application Number:
PCT/JP2007/054856
Publication Date:
October 23, 2008
Filing Date:
March 12, 2007
Export Citation:
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Assignee:
NGK SPARK PLUG CO (JP)
ISHII SHUEI
OKUMURA YUKI
International Classes:
F23Q7/00; F02P19/00
Foreign References:
JP2005134048A2005-05-26
JPH05332539A1993-12-14
JPH0415408A1992-01-20
Attorney, Agent or Firm:
OGURI, Shohei et al. (7-13 Nishi-Shimbashi 1-chom, Minato-ku Tokyo 03, JP)
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Claims:
 軸線方向に延びる筒状の主体金具と、該軸線方向に延びる筒状をなし、自身の先端が閉塞し、該主体金具の先端から自身の先端を突出させた状態で該主体金具内に固定される発熱チューブと、該軸線方向に延びる棒状をなし、自身の先端が該発熱チューブ内に位置し、自身の後端が該主体金具の後端から突出する中軸と、該軸線方向に延びる螺旋状をなし、該発熱チューブ内で自身の先端が該発熱チューブの先端と接合され、自身の後端が該中軸の先端と接合された発熱コイルとを備えたグロープラグの製造方法であって、
 前記発熱コイルの後端に形成された被挿入部内に前記中軸の先端に形成された挿入部を挿入することで、該挿入部と該被挿入部とが互いに径方向で当接して重なる重なり部を設ける第1工程と、
 該重なり部の少なくとも一部を複数体の電極により径方向で挟持しながら、各該電極への通電を行なうことにより、該挿入部と該被挿入部とを溶接して溶接部を形成する第2工程とを備え、
 該溶接部の先端位置と該重なり部の先端位置との間に、該発熱コイルが該挿入部と溶接されない状態で1/2巻き以上存在するように、該溶接部を形成することを特徴とするグロープラグの製造方法。
 前記溶接部の先端位置と前記重なり部の先端位置との間に、前記発熱コイルが前記挿入部と溶接されない状態で3巻き以上存在しないように、前記溶接部を形成する請求項1記載のグロープラグの製造方法。
 軸線方向に延びる筒状の主体金具と、該軸線方向に延びる筒状をなし、自身の先端が閉塞し、該主体金具の先端から自身の先端を突出させた状態で該主体金具内に固定される発熱チューブと、該軸線方向に延びる棒状をなし、自身の先端が該発熱チューブ内に位置し、自身の後端が該主体金具の後端から突出する中軸と、該軸線方向に延びる螺旋状をなし、該発熱チューブ内で自身の先端が該発熱チューブの先端と接合され、自身の後端が該中軸の先端と接合された発熱コイルとを備えたグロープラグの製造方法であって、
 前記発熱コイルの後端に形成された被挿入部内に前記中軸の先端に形成された挿入部を挿入することで、該挿入部と該被挿入部とが互いに径方向で当接して重なる重なり部を設ける第1工程と、
 該重なり部を複数体の電極により径方向で挟持しながら、各該電極への通電を行なうことにより、該挿入部と該被挿入部とを溶接して溶接部を形成する第2工程とを備え、
 各該電極の先端面と該重なり部の先端位置との間に、該発熱コイルが1/2巻き以上存在するように、各該電極を配置することを特徴とするグロープラグの製造方法。
 各前記電極の先端面と前記重なり部の先端位置との間に、前記発熱コイルが3巻き以上存在しないように、各該電極を配置する請求項3記載のグロープラグの製造方法。
 前記重なり部における前記挿入部の外径は、前記被挿入部の内径より大きい請求項1乃至4のいずれか1項記載のグロープラグの製造方法。
 前記挿入部は、先端に向かって小径となり、前記重なり部の少なくとも一部を形成する第1テーパ面と、該第1テーパ面と連続して先端に向かって小径となり、前記被挿入部の内径より小径になる第2テーパ面とを有する請求項5記載のグロープラグの製造方法。
 前記中軸には、前記挿入部の後端に隣接し、前記被挿入部の内径と該発熱コイルの線径との合計以上である外径を有する大径部が形成されている請求項5又は6記載のグロープラグの製造方法。
 軸線方向に延びる筒状の主体金具と、該軸線方向に延びる筒状をなし、自身の先端が閉塞し、該主体金具の先端から自身の先端を突出させた状態で該主体金具内に固定される発熱チューブと、該軸線方向に延びる棒状をなし、自身の先端が該発熱チューブ内に位置し、自身の後端が該主体金具の後端から突出する中軸と、該軸線方向に延びる螺旋状をなし、該発熱チューブ内で自身の先端が該発熱チューブの先端と接合され、自身の後端が該中軸の先端と接合された発熱コイルとを備えたグロープラグにおいて、
 前記発熱コイルの後端に形成された被挿入部内に前記中軸の先端に形成された挿入部が挿入されることにより、該挿入部と該被挿入部とが互いに径方向で当接して重なる重なり部が形成され、該重なり部において該挿入部と該被挿入部とが溶接されて溶接部が形成され、該溶接部の先端位置と該重なり部の先端位置との間には、該発熱コイルが該挿入部と溶接されない状態で1/2巻き以上存在することを特徴とするグロープラグ。
Description:
グロープラグの製造方法及びグ ープラグ

 本発明は、グロープラグの製造方法及び の製造方法によって製造されたグロープラ に関する。

 従来、特許文献1記載のグロープラグが知 られている。図5に示すように、このグロー ラグ100は、軸線O方向に延びる筒状の主体金 3と、軸線O方向に延びる筒状をなし、自身 先端4aが閉塞し、主体金具3の先端から自身 先端4aを突出させた状態で主体金具3内に固 される発熱チューブ4と、軸線O方向に延びる 棒状をなし、自身の先端が発熱チューブ4内 位置し、自身の後端が主体金具3の後端から 出する中軸6と、軸線O方向に延びる螺旋状 なし、発熱チューブ4内で自身の先端5aが発 チューブ4の先端4aと接合され、自身の後端 中軸6の先端と接合された発熱コイル5とを備 えている。このグロープラグでは、中軸6は 第1中軸8と、この第1中軸8の後端8bと自身の 端9aとが接合された第2中軸9とからなる。

 このグロープラグ100は、同公報によれば 以下のように製造される。すなわち、まず 第1工程として、図6に示すように、発熱コ ル5の後端に形成された被挿入部5b内に第1中 8の先端に形成された挿入部8aを挿入するこ で、第1中軸8の挿入部8aと発熱コイル5の被 入部5bとが互いに径方向で当接して重なる重 なり部90aを設ける。これにより、第1グロー ラグ中間体90が得られる。

 そして、第2工程として、その重なり部90a を2体の電極81、82により径方向で挟持する。 電極81、82は、スイッチS80を介して電源80に 続されている。そして、スイッチS80をオン して、両電極81、82間に通電する。こうして 、発熱コイル5の被挿入部5bと第1中軸8の挿入 8aとを溶接して溶接部90bを形成し、第2グロ プラグ中間体91を得る。

 この第2グロープラグ中間体91は、図5に示 すように、主体金具3等と組み付けられ、グ ープラグとされる。

 この際、まず、両端が開口している筒状 発熱チューブ4を用意し、この発熱チューブ 4内に第2グロープラグ中間体91の発熱コイル5 先端5aを挿入する。そして、この状態で発 チューブ4と発熱コイル5の先端5aとをスポッ 溶接するとともに、発熱チューブ4の先端4a 閉塞させる。そして、発熱チューブ4内にマ グネシア粉末等の絶縁材料7を封入するとと に、発熱チューブ4の後端4bと第1中軸8との間 にフッ素ゴムやシリコンゴム等の封止材Eを 入し、発熱チューブ4の外周をスエージング する。これによりシーズヒータ2が得られる 。

 そして、第1中軸8の後端8bに第2中軸9の先 9aを溶接し、中軸6とする。この後、シーズ ータ2を筒状の主体金具3内に挿入し、主体 具3の先端側に発熱チューブ4の先端4aを突出 せた状態で主体金具3内にシーズヒータ2を 定する。この後、主体金具3の後端から突出 た中軸6の第2中軸9にOリング16、絶縁ブッシ 14及びナット15を設け、主体金具3に対して 2中軸9を絶縁状態で固定する。こうして得ら れるグロープラグは、ディーゼルエンジンに 用いられる。

特開平4-15408号公報の第4図

 ところで、最近のグロープラグは、昇温 度を上げるため、又ディーゼルエンジンの 型化及び軽量化の要求によるグローホール 小径化のため、細径化の傾向にある。この め、最近のグロープラグにおいては、内部 中軸6及び発熱コイル5が収納された発熱チ ーブ4は、スエージングによる断面減少率が 来よりも大きくされており、溶接部90bに作 する加工負荷もやはり従来よりも大きくな ている。

 このため、第1中軸8の挿入部8aと発熱コイ ル5の被挿入部5bとの溶接強度を高めようとす ると、上記従来のグロープラグの製造方法で は、図7に示すように、発熱コイル5の軸芯が 接部90bよりも先端側で曲がってしまうとい 不具合が生じ易かった。

 そして、このような不具合が生じた第2グ ロープラグ中間体91が主体金具3等と組み付け られ、グロープラグとされた場合、発熱チュ ーブ4の内筒面に発熱コイル5が接触し易くな 、ショート不良や通電性能のばらつき等の 質不良を生じるおそれがあった。

 本発明は、上記従来の実情に鑑みてなさ たものであって、ショート不良や通電性能 ばらつき等の品質不良を抑制可能なグロー ラグの製造方法を提供することを解決すべ 課題としている。

 発明者らは、従来の製造方法において、 ョート不良や通電性能のばらつき等の品質 良を生じる原因を種々検討した。そして、 の原因を以下のように解明し、本発明を完 するに至った。

 すなわち、原因の一つは、従来の製造方 において、溶接強度を高めるために両電極8 1、82間へ通電する電流を大きくすると、必然 的に発熱コイル5の溶接溶け込み量が増えて まい、その結果として、溶接部90bの先端位 Cにおいて、発熱コイル5の変形が大きくなっ てしまうことにある。

 また、他の原因は、従来の製造方法では 重なり部90aの先端位置Aが溶接部90bの先端位 置Cとほとんど一致するように、溶接部90bを 成していたことにある。換言すれば、従来 製造方法では、重なり部90aの先端位置Aが各 極81、82の先端面Bとほとんど一致するよう 、各電極81、82を配置していたことにある。

 こうして完成した第1発明のグロープラグ の製造方法は、軸線方向に延びる筒状の主体 金具と、該軸線方向に延びる筒状をなし、自 身の先端が閉塞し、該主体金具の先端から自 身の先端を突出させた状態で該主体金具内に 固定される発熱チューブと、該軸線方向に延 びる棒状をなし、自身の先端が該発熱チュー ブ内に位置し、自身の後端が該主体金具の後 端から突出する中軸と、該軸線方向に延びる 螺旋状をなし、該発熱チューブ内で自身の先 端が該発熱チューブの先端と接合され、自身 の後端が該中軸の先端と接合された発熱コイ ルとを備えたグロープラグの製造方法であっ て、

 前記発熱コイルの後端に形成された被挿 部内に前記中軸の先端に形成された挿入部 挿入することで、該挿入部と該被挿入部と 互いに径方向で当接して重なる重なり部を ける第1工程と、

 該重なり部の少なくとも一部を複数体の 極により径方向で挟持しながら、各該電極 の通電を行なうことにより、該挿入部と該 挿入部とを溶接して溶接部を形成する第2工 程とを備え、

 該溶接部の先端位置と該重なり部の先端 置との間に、該発熱コイルが該挿入部と溶 されない状態で1/2巻き以上存在するように 該溶接部を形成することを特徴とする。

 また、第2発明のグロープラグの製造方法 は、軸線方向に延びる筒状の主体金具と、該 軸線方向に延びる筒状をなし、自身の先端が 閉塞し、該主体金具の先端から自身の先端を 突出させた状態で該主体金具内に固定される 発熱チューブと、該軸線方向に延びる棒状を なし、自身の先端が該発熱チューブ内に位置 し、自身の後端が該主体金具の後端から突出 する中軸と、該軸線方向に延びる螺旋状をな し、該発熱チューブ内で自身の先端が該発熱 チューブの先端と接合され、自身の後端が該 中軸の先端と接合された発熱コイルとを備え たグロープラグの製造方法であって、

 前記発熱コイルの後端に形成された被挿 部内に前記中軸の先端に形成された挿入部 挿入することで、該挿入部と該被挿入部と 互いに径方向で当接して重なる重なり部を ける第1工程と、

 該重なり部を複数体の電極により径方向 挟持しながら、各該電極への通電を行なう とにより、該挿入部と該被挿入部とを溶接 て溶接部を形成する第2工程とを備え、

 各該電極の先端面と該重なり部の先端位 との間に、該発熱コイルが1/2巻き以上存在 るように、各該電極を配置することを特徴 する。

 第1発明の製造方法では、第1、2工程にお て重なり部と溶接部とを特定する。そして 溶接部の先端位置と重なり部の先端位置と 間に、挿入部と溶接されない状態で、発熱 イルを1/2巻き以上存在させる。

 第2発明の製造方法では、第1、2工程にお て各電極と重なり部とを特定する。そして 各電極の先端面と重なり部の先端位置との に、発熱コイルを1/2巻き以上存在させる。

 第1、2発明の製造方法で得られる第2グロ プラグ中間体は、溶接部の先端位置で発熱 イルの変形が大きくなっても、溶接部の先 位置から1/2巻き以上で溶接されていない発 コイルが中軸の挿入部に支えられるため、 熱コイルの軸芯が溶接部の先端位置よりも 端側で曲がることが防止される。

 このため、この第2グロープラグ中間体に よって得られるグロープラグは、中軸の挿入 部と発熱コイルの被挿入部との溶接強度を高 めるために各電極間へ通電する電流を大きく し、発熱コイルの溶接溶け込み量を増やして いたとしても、発熱チューブの内筒面に発熱 コイルは接触し難く、ショート不良や通電性 能のばらつき等の品質不良を生じ難い。

 したがって、第1、2発明のグロープラグ 製造方法によれば、ショート不良や通電性 のばらつき等の品質不良を抑制することが きる。

 このため、第1、2発明の製造方法で得ら るグロープラグは、細径化が可能であり、 温速度を上げることができるとともに、デ ーゼルエンジンの小型化及び軽量化の要求 よるグローホールの小径化にも対応可能で る。

 なお、第1発明の製造方法は、重なり部と 溶接部とが上記の位置関係を満たすように製 造する方法であり、溶接部を形成する時に重 なり部の周囲に配置される複数体の電極に関 しては規定していない。つまり、第2グロー ラグ中間体を製造するにあたり、中軸の挿 部と発熱コイルの被挿入部とが溶接される 接部を形成するとともに、形成された溶接 よりも先端側に、発熱コイルの被挿入部が 軸の挿入部と係合するのみの非溶接部とす ことによって中軸が発熱コイルを内側から 支することが可能となるように製造する方 である。

 このように第2グロープラグ中間体を製造 する際の溶接機の電極は、第2発明の製造方 に示すように配置すればよい。このように 極を配置して第2グロープラグ中間体を製造 れば、溶接部の先端位置と重なり部の先端 置との間に、発熱コイルが挿入部と溶接さ ない状態で1/2巻き以上存在するように溶接 が形成される。第1の製造方法は第2グロー ラグ中間体の完成精度を重視するのに対し 第2発明の製造方法は作業効率を重視する製 方法であるといえる。

 第1発明のグロープラグの製造方法におい て、溶接部の先端位置と重なり部の先端位置 との間に、発熱コイルが挿入部と溶接されな い状態で3巻き以上存在しないように、溶接 を形成することが好ましい。

 また、第2発明のグロープラグの製造方法 において、各電極の先端面と重なり部の先端 位置との間に、発熱コイルが3巻き以上存在 ないように、各電極を配置することが好ま い。

 これらの場合、中軸の挿入部における溶 されない部位をむやみに長くすることなく 本発明の効果を奏することができる。中軸 挿入部における溶接されない部位をむやみ 長くすれば、抵抗値が変動し易く、通電性 のばらつきが大きくなるため、好ましくな 。

 第1、2発明のグロープラグの製造方法に いて、重なり部における挿入部の外径は、 挿入部の内径より大きいことが好ましい。 の場合、発熱コイルは、締め付けている中 の挿入部によって支えられ易く、発熱コイ の軸芯が溶接部よりも先端側で曲がること より一層防止される。

 第1、2発明のグロープラグの製造方法に いて、中軸の挿入部は縁部に面取りを有す ものであることができる。また、挿入部は 先端に向かって小径となり、重なり部の少 くとも一部を形成する第1テーパ面と、第1テ ーパ面と連続して先端に向かって小径となり 、被挿入部の内径より小径になる第2テーパ とを有するものでもあり得る。この場合、 1工程において、中軸の挿入部を発熱コイル 被挿入部内に挿入する作業を容易に実施で るようになり、その結果、作業効率を向上 せることができる。

 第1、2発明のグロープラグの製造方法に いて、中軸には、挿入部の後端に隣接し、 挿入部の内径と発熱コイルの線径との合計 上である外径を有する大径部が形成されて ることが好ましい。この場合、第1工程にお て、中軸の挿入部を発熱コイルの被挿入部 に挿入し、大径部の先端面を発熱コイルの 端に当て止めることにより、一定の長さの なり部を設ける作業を容易に実施できる。 の結果、作業効率を向上させることができ 。

 本発明の製造方法によって本発明のグロ プラグが得られる。すなわち、本発明のグ ープラグは、軸線方向に延びる筒状の主体 具と、該軸線方向に延びる筒状をなし、自 の先端が閉塞し、該主体金具の先端から自 の先端を突出させた状態で該主体金具内に 定される発熱チューブと、該軸線方向に延 る棒状をなし、自身の先端が該発熱チュー 内に位置し、自身の後端が該主体金具の後 から突出する中軸と、該軸線方向に延びる 旋状をなし、該発熱チューブ内で自身の先 が該発熱チューブの先端と接合され、自身 後端が該中軸の先端と接合された発熱コイ とを備えたグロープラグにおいて、

 前記発熱コイルの後端に形成された被挿 部内に前記中軸の先端に形成された挿入部 挿入されることにより、該挿入部と該被挿 部とが互いに径方向で当接して重なる重な 部が形成され、該重なり部において該挿入 と該被挿入部とが溶接されて溶接部が形成 れ、該溶接部の先端位置と該重なり部の先 位置との間には、該発熱コイルが該挿入部 溶接されない状態で1/2巻き以上存在するこ を特徴とする。

 このような構成である本発明のグロープ グは、上述の理由により、細径化が可能で り、昇温速度を上げることができるととも 、ディーゼルエンジンの小型化及び軽量化 要求によるグローホールの小径化にも対応 能である。

 本発明において、中軸は複数本の部材で 成されていてもよい。中軸が複数本の部材 構成されている場合には、先端側の部材の 端に挿入部が形成される。中軸が単一の部 で構成されている場合には、その部材の先 に挿入部が形成される。

 電極は重なり部を径方向で挟持できるも であれば、二体、偶数体に限られない。

実施例1のグロープラグ1Aの製造方法に り、第1、2工程を示す模式図である。 実施例1のグロープラグ1Aの製造方法に り、第1、2工程を示す要部拡大模式図であ 。 実施例1のグロープラグ1Aの製造方法に り、図1のIII-III矢視断面図である。 実施例2のグロープラグ1Bの製造方法に り、第1、2工程を示す模式図である。 従来のグロープラグの製造方法に係り グロープラグの断面図である。 従来のグロープラグの製造方法に係り 第1、2工程を示す模式図である。 従来のグロープラグの製造方法に係り 第1、2工程を示す要部拡大模式図である。

符号の説明

 1A、1A’、1B、100…グロープラグ
 3…主体金具
 4…発熱チューブ
 4a…発熱チューブの先端
 5…発熱コイル
 5a…発熱コイルの先端
 5b…発熱コイルの被挿入部
 6…中軸
 8…第1中軸
 9…第2中軸
 10、12、90…第1グロープラグ中間体
 11、13、91…第2グロープラグ中間体
 8a、8c、8e…中軸の挿入部
 8d…大径部
 8f…円柱面
 8g…第1テーパ面
 8h…第2テーパ面
 10a、12a、90a…重なり部
 10b、12b、90b…溶接部
 80…電源
 S80…スイッチ
 81、82…電極
 A、A1、A2…重なり部の先端位置
 B…電極の先端面
 C、C1、C2…溶接部の先端位置
 D1…被挿入部の内径
 D2…大径部の外径
 D3…挿入部の外径
 D4…第1テーパ面の先端の外径
 d…発熱コイルの線径

 以下、本発明を具体化した実施例1、2を 面を参照しつつ説明する。なお、図3を除く 図において、右側が先端側であり、左側が 端側である。

 図5に示すように、実施例1の製造方法に るグロープラグ1Aは、従来のグロープラグ100 と略同様であり、図5に示した従来の機械的 成と同一の構成については同一の符号を用 ることとし、その説明を省略する。

 このグロープラグ1Aは、以下のように製 される。まず、図1及び図2に示すように、発 熱コイル5を用意する。発熱コイル5の材質は Co-Ni-Fe合金、Fe合金、Ni合金等である。また 発熱コイル5の内径D1は2.6mmであり、その線 dは0.25mmである。

 また、第1中軸8を用意する。第1中軸8は、 軸線O方向に延びる棒状のものであり、中軸6 構成する複数本の部材のうちの先端側の部 である。第1中軸8の材質は例えばSCM435であ 、第1中軸8の先端には円柱状の挿入部8cが形 され、挿入部の後端に隣接するように大径 8dが形成されている。挿入部8cの外径D3は発 コイル5の内径D1より若干大きい2.65mmであり 大径部8dの外径D2は発熱コイル5の内径D1と発 熱コイル5の線径dとの合計以上である2.9mmで る。また、挿入部8cの先端位置A1と大径部8d 先端面との間の軸線O方向の長さL1は1.75mmで る。

 次に、第1工程として、第1中軸8の挿入部8 cを発熱コイル5の被挿入部5b内に挿入するこ で、第1中軸8の挿入部8cと発熱コイル5の被挿 入部5bとが互いに径方向で当接して重なる重 り部10aを設ける。この際、発熱コイル5の後 端が大径部8dの先端面に当て止まることによ 、一定の長さの重なり部10aを設けられるよ になっている。つまり、重なり部10aの軸線O 方向の長さは、挿入部8cの先端位置A1と大径 8dの先端面との間の軸線O方向の長さL1と常に 等しくなる。さらに、挿入部8cの外径D3が被 入部5bの内径D1より若干大きいことから、発 コイル5が挿入部8cを締め付ける状態となっ いる。こうして、第1グロープラグ中間体10 得られる。

 そして、第2工程として、第1工程で得ら た第1グロープラグ中間体10の重なり部10aの 部を互いに対向する2体の電極81、82で挟持す る。ここで、各電極81、82は従来のものと同 のものであり、軸線O方向の長さLeが1.25mmで る。他方、挿入部8cの先端位置A1と大径部8d 先端面との間の軸線O方向の長さL1は、従来 ものが各電極81、82の軸線O方向の長さLeとほ 同じであったのに対して延長され、1.75mmと れている。このため、各電極81、82の先端面 Bと重なり部10aの先端位置A1との間には、発熱 コイル5が長さ0.5mm(約1巻き)存在するように設 定されている。

 次に、重なり部10aの一部に電極81、82を介 して所定の荷重が垂直に加えられる。ここで 、図3に示すように、各電極81、82の発熱コイ 5の被挿入部5bと接触する部分には、略半円 状の凹部81a、82aが設けられている。このた 、電極81、82が重なり部10aに荷重を加えると き、電極81、82が発熱コイル5の被挿入部5bに して芯出しができ、重なり部10aに容易に荷 をかけることができる。電極81、82は、スイ チS80を介して電源80に接続されており、ス ッチS80をオンにして、電極81、82間に通電す ことによって、第1中軸8の挿入部8cと発熱コ イル5の被挿入部5bとが溶接される。その結果 、図1及び図2に示すように、溶接部10bの先端 置C1と重なり部10aの先端位置A1との間に発熱 コイル5が第1中軸8の挿入部8cと溶接されない 態で約1巻き(長さ0.5mm)存在するように、溶 部10bが形成される。こうして、第1中軸8と発 熱コイル5とが接合された第2グロープラグ中 体11が得られる。

 ここで、上述の工程により製作した第2グ ロープラグ中間体11について、発熱コイル5の 軸芯が溶接部10bよりも先端側で曲がりが生じ ているかを評価した。具体的には、発熱コイ ル5の軸芯が溶接部10bよりも先端側で軸線Oに して3°以上傾いている場合には、曲がりが じていると判定した。その結果、10体の第2 ロープラグ中間体11の全てにおいて、発熱 イル5の軸芯の曲がりは生じていなかった。

 他方、挿入部8cの先端位置A1と大径部8dの 端面との間の軸線O方向の長さL1を各電極81 82の軸線O方向の長さLeと同じ1.25mmとして、同 様の工程により比較例1の第2グロープラグ中 体(図示せず)を製作した。そして、比較例1 第2グロープラグ中間体についても、発熱コ イル5の軸芯が溶接部10bよりも先端側で曲が が生じているかを評価した。その結果、10体 の比較例1の第2グロープラグ中間体のうち7体 において、発熱コイル5の軸芯の曲がりが生 ていた。

 このように製作された実施例1の第2グロ プラグ中間体11及び比較例1の第2グロープラ 中間体は、図5に示す従来のものと同様、主 体金具3等と組み付けられ、それぞれ実施例1 グロープラグ1Aおよび比較例1のグロープラ 1A’とされる。組み付け手順等も従来のも と同様であるため、その説明を省略する。 うして得られるグロープラグ1A,1A’は、ディ ーゼルエンジンに用いられる。

 ここで、工程管理上の観点から言えば、 施例1のグロープラグ1Aの製造方法は、上述 第1、2工程において、各電極81、82と重なり 10aとを特定している。そして、各電極81、82 の先端面Bと重なり部10aの先端位置A1との間に 、発熱コイル5を約1巻き存在させている。

 また、製作された結果物の観点から言え 、実施例1のグロープラグ1Aの製造方法は、 述の第1、2工程において、重なり部10aと溶 部10bとを特定している。そして、溶接部10b 先端位置C1と重なり部10aの先端位置A1との間 、挿入部8cと溶接されない状態で、発熱コ ル5を約1巻き存在させている。

 このため、実施例1の製造方法で得られる 第2グロープラグ中間体11は、溶接部10bの先端 位置C1で発熱コイル5の変形が大きくなっても 、溶接部10bの先端位置C1から1/2巻き以上で溶 されていない発熱コイル5が第1中軸8の挿入 8cに支えられるため、発熱コイル5の軸芯が 接部10bの先端位置C1よりも先端側で曲がる とが防止されている。

 このため、この第2グロープラグ中間体11 よって得られるグロープラグ1Aは、第1中軸8 の挿入部8cと発熱コイル5の被挿入部5bとの溶 強度を高めるために各電極81、82間へ通電す る電流を大きくし、発熱コイル5の溶接溶け み量を増やしていたとしても、発熱チュー 4の内筒面に発熱コイル5は接触し難くなって おり、ショート不良や通電性能のばらつき等 の品質不良を生じ難くできている。

 したがって、実施例1のグロープラグ1Aの 造方法によれば、ショート不良や通電性能 ばらつき等の品質不良を抑制することがで る。

 このため、このグロープラグ1Aの製造方 で得られるグロープラグ1Aは、細径化が可能 であり、昇温速度を上げることができるとと もに、ディーゼルエンジンの小型化及び軽量 化の要求によるグローホールの小径化にも対 応可能である。

 それに対して、比較例1の第2グロープラ 中間体は、発熱コイル5の軸芯の曲がりが7/10 の確率で生じているので、比較例1の第2グロ プラグ中間体から得られるグロープラグ1A も、ショート不良や通電性能のばらつき等 品質不良がある程度の確率で発生してしま こととなり、好ましくない。

 また、実施例1のグロープラグ1Aの製造方 において、各電極81、82の先端面Bと重なり 10aの先端位置A1との間には、発熱コイル5が3 き以上存在しないように、各電極81、82が配 置されている。製作された結果物の観点から 言い換えれば、実施例1のグロープラグ1Aの製 造方法において、溶接部10bの先端位置C1と重 り部10aの先端位置A1との間には、発熱コイ 5が第1中軸8の挿入部8cと溶接されない状態で 3巻き以上存在しないように、溶接部10bが形 されている。このため、このグロープラグ1A の製造方法では、第1中軸8の挿入部8cにおけ 溶接されない部位をむやみに長くしていな ので、本発明の効果を奏しつつ、抵抗値が 動し難くなっており、通電性能のばらつき 小さくできている。

 さらに、このグロープラグ1Aの製造方法 おいて、重なり部10aにおける挿入部8cの外径 D3は、被挿入部5bの内径D1より大きいことから 、発熱コイル5は、締め付けている第1中軸8の 挿入部8cによって支えられ易くなっており、 熱コイル5の軸芯が溶接部10bよりも先端側で 曲がることがより一層防止されている。

 また、このグロープラグ1Aの製造方法に いて、第1中軸8には、挿入部8cの後端に隣接 、被挿入部5bの内径D1と発熱コイル5の線径d の合計以上である外径D2を有する大径部8dが 形成されている。このため、第1工程におい 、第1中軸8の挿入部8cを発熱コイル5の被挿入 部5b内に挿入し、大径部8dの先端面を発熱コ ル5の後端に当て止めることにより、一定の さの重なり部10aを設ける作業を容易に実施 きている。その結果、作業効率を向上させ ことができている。

 実施例2のグロープラグ1Bの製造方法は、 施例1のグロープラグ1Aの製造方法で説明し 第1中軸8の挿入部8cの代わりに、円柱面8fと 円柱面8fの先端側に隣接する第1テーパ面8g 、第1テーパ面8gの先端側に隣接する第2テー 面8hとを有する挿入部8eを採用している。そ の他の構成は実施例1のグロープラグ1Aの製造 方法と同様であるので説明は省く。

 第1テーパ面8gは、先端に向かって小径と り、重なり部12aの少なくとも一部を形成す ものである。第1テーパ面8gの先端の外径D4 被挿入部5bの内径D1と等しくされていること ら、重なり部12aの先端位置A2は、第1テーパ 8gの先端となっている。このため、発熱コ ル5の被挿入部5bに第1中軸8の挿入部8eを挿入 る際に、第1テーパ面8gが挿入部8eを発熱コ ル5内に案内するように作用する。また、重 り部12aの先端位置A2と大径部8dの先端面との 間の軸線O方向の長さL2は、2.25mmである。

 第2テーパ面8hは、第1テーパ面8gと連続し 先端に向かって小径となり、被挿入部5bの 径D1より小径になっている。このため、発熱 コイル5の被挿入部5bに第1中軸8の挿入部8eの 先端を挿入する作業が一層容易になってい 。

 このような第1中軸8の挿入部8eを有する実 施例2のグロープラグ1Bの製造方法では、第1 程において、重なり部12aが設けられた第1グ ープラグ中間体12が得られる。

 そして、第2工程において、第1工程で得 れた第1グロープラグ中間体12の重なり部12a 一部を互いに対向する2体の電極81、82で挟持 する。ここで、各電極81、82は従来のものと 様のものであり、軸線O方向の長さLeが1.25mm ある。他方、重なり部12aの先端位置A2と大径 部8dの先端面との間の軸線O方向の長さL2は、 来のものが各電極81、82の軸線O方向の長さLe とほぼ同じであったのに対して一層延長され 、2.25mmとされている。このため、各電極81、8 2の先端面Bと重なり部12aの先端位置A2との間 は、発熱コイル5が長さ1.0mm(約2巻き)存在す ように設定されている。

 次に、実施例1のグロープラグ1Aの製造方 と同様にして、重なり部12aの一部を電極81 82により溶接する。その結果、溶接部12bの先 端位置C2と重なり部12aの先端位置A2との間に 熱コイル5が第1中軸8の挿入部8eと溶接されな い状態で約2巻き(長さ1.0mm)存在するように、 接部12bが形成される。こうして、第1中軸8 発熱コイル5とが接合された第2グロープラグ 中間体13が得られる。

 この第2グロープラグ中間体13も実施例1の 第2グロープラグ中間体11と同様にして、グロ ープラグ1Bとされる。

 ここで、工程管理上の観点から言えば、 施例2のグロープラグ1Bの製造方法は、上述 第1、2工程において、各電極81、82と重なり 12aとを特定している。そして、各電極81、82 の先端面Bと重なり部12aの先端位置A2との間に 、発熱コイル5を約2巻き存在させている。

 また、製作された結果物の観点から言え 、実施例2のグロープラグ1Bの製造方法は、 述の第1、2工程において、重なり部12aと溶 部12bとを特定している。そして、溶接部12b 先端位置C2と重なり部12aの先端位置A2との間 、挿入部8eと溶接されない状態で、発熱コ ル5を約2巻き存在させている。

 このため、実施例2の製造方法で得られる 第2グロープラグ中間体13も、実施例1の製造 法で得られる第2グロープラグ中間体11と同 の理由で、発熱コイル5の軸芯が溶接部12bよ も先端側で曲がることが防止されている。

 このため、この第2グロープラグ中間体13 よって得られるグロープラグ1Bも、ショー 不良や通電性能のばらつき等の品質不良を じ難くできている。

 したがって、実施例2のグロープラグ1Bの 造方法によっても、ショート不良や通電性 のばらつき等の品質不良を抑制することが きる。

 また、このグロープラグ1Bの製造方法に いて、第1中軸8の挿入部8eは、円柱面8fに加 て、上述の第1テーパ面8g及び第2テーパ面8h 有するものである。このため、第1工程にお て、第1中軸8の挿入部8eを発熱コイル5の被 入部5b内に挿入する作業を容易に実施できる ようになっており、その結果、作業効率を向 上させることができている。

 以上において、本発明を実施例1、2に即 て説明したが、本発明は上記実施例1、2に制 限されるものではなく、その趣旨を逸脱しな い範囲で適宜変更して適用できることはいう までもない。

 例えば、発熱コイルは、実施例1、2の発 コイル5のように1材で構成される場合に限定 されず、異なる抵抗温度係数を有する複数の 材質からなるもの(いわゆる制御コイルと発 コイルからなる自己制御機能を有するもの) もかまわない。

 また、実施例1、2において説明した発熱 イル5の内径D1は、少なくとも発熱コイル5の 挿入部5bにおいて内径D1であればよく、被挿 入部5b以外の内径がD1より大きくてもかまわ い。

 本発明はグロープラグに利用可能である