Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR MANUFACTURING OUTWARD-FLANGED METALLIC MEMBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096434
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method for manufacturing an outward-flanged metallic member. When a metallic member having outward flange portions extending radially outward from a plurality of circumferential portions of the outer circumference is to be manufactured, the method can form no burr or can reduce the number of burrs. A metallic material (15) is surrounded by a fixed die (21) and a movable die (22). With the leading end face of the movable die (22) and the leading end face of the fixed die (21) being made to abut against each other, the material (15) is pushed warmly or hotly at the axial end face thereof by a punch (23) so that a portion of the material (15) fills the inside of a flange forming cavity (32), thereby to form outward flange portions (7a).

More Like This:
Inventors:
KOBAYASHI KAZUTO
KOYAMA HIROSHI
YASUDA YU
HARUNA YUSUKE
Application Number:
PCT/JP2009/051380
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 28, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NSK LTD (JP)
KOBAYASHI KAZUTO
KOYAMA HIROSHI
YASUDA YU
HARUNA YUSUKE
International Classes:
B21K23/04; B21J5/06; B21K1/05; B60B27/00; B60B35/02; F16C33/64
Foreign References:
JP2005297885A2005-10-27
JP2006111070A2006-04-27
JP2007152413A2007-06-21
JP2006177466A2006-07-06
JP2006111070A2006-04-27
JP2005083513A2005-03-31
JP2008017166A2008-01-24
JP2008224385A2008-09-25
Other References:
See also references of EP 2239069A4
Attorney, Agent or Firm:
OGURI, Shohei et al. (7-13 Nishi-Shimbashi 1-chome,Minato-k, Tokyo 03, JP)
Download PDF:
Claims:
 外周面の軸方向一部で、円周方向の複数個所に、径方向外方にそれぞれ突出する外向フランジ部を有する外向きフランジ部付金属製部材の製造方法であって、
 固定ダイスと、前記固定ダイスに向かう方向の弾力を付与された状態で設けられる可動ダイスとを含み、前記固定ダイスと前記可動ダイスの少なくとも一方によって、前記外向フランジ部を加工するためのフランジ成形用キャビティを形成するダイスと、前記可動ダイス内を貫通して移動可能なパンチと、を準備する工程と、
 金属製の素材の周囲を前記ダイスにより囲み、前記可動ダイスの先端面と前記固定ダイスの先端面とを突き合わせた状態で、温間又は熱間で、前記パンチにより前記素材の軸方向端面を押圧して塑性変形させる工程と、を備え、
 前記塑性変形工程は、前記フランジ成形用キャビティ内に前記素材の一部を充満させることにより、前記外向フランジ部を形成することを特徴とする外向フランジ部付金属製部材の製造方法。
 前記可動ダイスを前記固定ダイスに向かう方向に押圧する弾力を、前記素材が前記フランジ成形用キャビティ内に充満した状態でも前記可動ダイスを前記固定ダイスに突き合わせた状態のままにできる大きさとすることを特徴とする請求項1に記載の外向フランジ部付金属製部材の製造方法。
 前記可動ダイスを前記固定ダイスに向かう方向に押圧する弾力を、前記パンチの下降に伴って前記可動ダイスを前記固定ダイスに突き合わせられるが、前記素材が前記フランジ成形用キャビティ内に充満した状態では、前記可動ダイスが前記固定ダイスから浮き上がることを阻止できない大きさとし、
 前記素材が前記フランジ成形用キャビティ内に入り込む途中迄の状態では、前記弾力に加えて、前記素材の外周面と前記可動ダイスの内周面との当接部に作用する摩擦力に基づいて、前記可動ダイスを前記固定ダイスに突き合わせ、
 それ以降、前記素材が前記フランジ成形用キャビティ内に充満する過程では、前記弾力及び前記摩擦力に加えて前記パンチの周囲に配置した弾性部材の弾力により、前記可動ダイスを前記固定ダイスに突き合わせた状態を維持することを特徴とする請求項1に記載の外向フランジ部付金属製部材の製造方法。
 前記弾性部材が皿板ばねであることを特徴とする請求項3に記載の外向フランジ部付金属製部材の製造方法。
 前記可動ダイスを前記パンチの周囲に、自重により下方への変位を可能に設置し、前記可動ダイスを前記固定ダイスに向かう方向に押圧する弾力を省略したことを特徴とする請求項3又は4に記載の外向フランジ部付金属製部材の製造方法。
 外向フランジ部付金属製部材が、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成するハブ本体であって、外周面のうちで前記外向フランジ部から軸方向に外れた部分に、内輪軌道、及び、別体の内輪を外嵌するための小径段部が設けられており、前記固定ダイスとして、前記内輪軌道及び前記小径段部を形成するためのキャビティが設けられるものを使用することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の外向フランジ部付金属製部材の製造方法。
 外向フランジ部付金属製部材が、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成し、内周面に複列の外輪軌道を備える外輪であって、
 前記素材を一対のパンチにより軸方向両側から押圧して塑性変形させ、軸方向両端部を前記一対のパンチの外周面形状に見合う内周面形状を有する円筒部とすると同時に、前記円筒部の外周面に前記外向フランジ部を形成する工程を有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の外向フランジ部付金属製部材の製造方法。
 前記素材として、前記円筒部の外周面に前記外向フランジ部を形成するために必要とされる以上の容積を有するものを使用し、
 前記固定ダイス、前記可動ダイス、及び前記パンチにより囲まれる部分に存在する前記フランジ成形用キャビティ内に前記素材の一部を充満させることにより、前記外向フランジ部を形成した後、
 更に前記パンチにより前記素材を押圧することにより、前記可動ダイスを前記固定ダイスから、前記素材の余剰容積分に見合う分だけ浮き上がらせて、前記外向フランジ部の外周縁部にバリを形成することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の外向フランジ部付金属製部材の製造方法。
 前記可動ダイスは、前記外向フランジ部の先端部に対応する位置に前記素材を逃がすための溝部を有し、
 前記塑性変形工程において、前記溝部に前記外向フランジ部の余肉を入り込ませることにより、前記外向フランジ部を形成することを特徴とする請求項1に記載の外向フランジ部付金属製部材の製造方法。
 前記準備工程は、仕上げ用固定ダイスと、前記外向フランジ部の先端部に対応する位置に前記素材を逃がすための溝部を有する仕上げ用可動ダイスと、を含み、前記仕上げ用固定ダイスと前記仕上げ用可動ダイスの少なくとも一方によって、前記外向フランジ部を仕上げ成形するための他のフランジ成形用キャビティを形成する仕上げ用ダイスを更に備え、
 前記仕上げ用ダイスを用いて前記外向フランジ部が形成された素材をプレスして、前記溝部に前記外向フランジ部の余肉を入り込ませることにより、前記外向フランジ部を仕上げ成形することを特徴とする請求項1に記載の外向フランジ部付金属製部材の製造方法。
 前記溝部は、円形状に形成されることを特徴とする請求項9又は10に記載の外向フランジ部付金属製部材の製造方法。
 前記準備工程は、仕上げ用固定ダイスと仕上げ用可動ダイスとを含み、前記仕上げ用固定ダイスと前記仕上げ用可動ダイスの少なくとも一方によって、前記外向フランジ部を仕上げ成形するための他のフランジ成形用キャビティを形成する仕上げ用ダイスを更に備え、
 前記仕上げ用ダイスを用いて前記外向フランジ部が形成された素材をプレスして、前記外向フランジ部を厚さ方向に圧縮変形させることにより、前記外向フランジ部を仕上げ成形することを特徴とする請求項1に記載の外向フランジ部付金属製部材の製造方法。
Description:
外向フランジ部付金属製部材の 造方法

 この発明は、車輪支持用転がり軸受ユニ トを構成する軌道輪部材、即ち、外輪やハ のように、外周面に外向フランジ部が設け れる外向フランジ部付金属製部材の製造方 に関する。

 自動車の車輪を構成するホイール、及び 制動用回転部材であるディスク又はドラム 懸架装置としてのナックルに回転自在に支 するために、車輪支持用転がり軸受ユニッ が広く使用されている。図21は、従来から く知られている、従動輪(FR車及びMR車の前輪 、FF車の後輪)用の車輪支持用転がり軸受ユニ ット1の1例を示している。この車輪支持用転 り軸受ユニット1は、外輪2の内径側にハブ3 、複数の転動体4、4を介して、回転自在に 持している。使用状態では、外輪2をナック に結合固定し、ハブ3に車輪及び制動用回転 部材を支持固定する。そして、これら車輪及 び制動用回転部材をナックルに対して回転自 在に支持する。

 外輪2は、その内周面に複列の外輪軌道5 5が形成される。また、外輪2の外周面の軸方 向内寄り部分(軸方向に関して内とは、使用 態で車体の幅方向中央側となる側を言い、 方向に関して外とは、使用状態で車体の幅 向外側となる側を言う。本明細書全体で同 )には、外向フランジ部である取付部6が形成 される。

 ハブ3は、その外周面に複列の内輪軌道8 8が形成される。また、ハブ3の外周面の外輪 2よりも軸方向外方に突出した外端寄り部分 は、車輪及び制動用回転部材を支持固定す ための外向フランジ部である支持フランジ7 形成される。そして、外輪2の外輪軌道5、5 ハブ3の内輪軌道8、8との間に、軌道毎に複 の転動体4が配置され、これにより、外輪2 内径側でハブ3が回転自在に支持される。

 なお、ハブ3は、ハブ本体9、内輪10、及び ナット11からなり、内輪軌道8、8は、ハブ本 9の中間部及び内輪10の外周面に形成される また、内輪10は、ハブ本体9の軸方向内端寄 部分に形成した小径段部12に外嵌した状態で 、ナット11によりハブ本体9に固定される。な お、ハブ本体9の内端部に形成したかしめ部 より、内輪10をハブ本体9に固定する構造も く知られている。

 そして、外輪2やハブ本体9等の外向フラ ジ部付金属製部材の一種である外向フラン 付の軌道輪部材は、炭素鋼等の金属材料に 性加工を施すことにより造られる。この塑 加工の方法については、例えば、特許文献1 2等により、従来から広く知られている。

 図22は、ハブ本体9を塑性加工(温間あるい は熱間鍛造)により造る状態を示している。 ず、圧延成形等により造られた長尺な原材 を所定長さに切断することにより、(A)に示 円柱状の素材13を得る。次に、この素材13を 方向に押し潰す据え込み工程により、(B)に すビヤ樽型の第1中間素材14とする。次に、 の第1中間素材14の軸方向片半部(図22の下半 、完成後のハブ本体9の軸方向内半部)を所 の内周面形状を有する金型(ダイス)内に押し 込んで、上記軸方向片半部の外径を縮める荒 成形工程により、(C)に示す第2中間素材15とす る。次に、この第2中間素材15を所定の内周面 形状を有するダイス内にセットした状態で、 第2中間素材15の軸方向他端面(図22の上端面、 完成後のハブ本体9の軸方向外端面)にパンチ 押し付けて、この軸方向他端面を凹ませる 共に、第2中間素材15を構成する金属材料を 方向外方に流動させる仕上成形工程により (D)に示す第3中間素材16とする。そして、第3 中間素材16には、ダイスの突き合わせ面にバ 17が形成されるので、このバリ17をトリミン グにより除去して、(E)に示す第4中間素材18と する。そして、この第4中間素材18に、所定の 切削加工及び研削加工を施して、ハブ本体9 する。

 このようにして造られるハブ本体9の支持 フランジ7として、従来一般的には、図23の(A) に示す円板状のものが使用されていた。図22 (C)→(D)に示した仕上成形工程により円板状 支持フランジ7を形成する場合、上記バリ17 、支持フランジ7の外周縁に全周に亘って生 じる。このバリ17の幅は狭く、上記トリミン 時に除去するスクラップの量は少ないため 材料の歩留り悪化は限られる。また、除去 べきバリを生じないようにする、所謂フラ シュレス加工も、比較的容易に行える。

 一方、近年、バネ下荷重の低減により、 り心地や走行安定性を初めとする走行性能 上や、材料費の低減によるコスト削減等の め、図23の(B)に示すように、外周面に放射 の支持フランジ7aを設けたハブ本体9aを使用 ることが考えられている。

 そして、この複数の突出部19、19を放射状 に配列した支持フランジ7aを設けたハブ本体9 aを造るために、図22の(C)→(D)に示すような仕 上成形工程を行うと、図22の(D)及び図24の(A) 示すように、大きなバリ17、17aが形成される 。即ち、支持フランジ7aを構成する各突出部1 9、19の外周縁部だけでなく、円周方向に隣り 合う突出部19、19間にも、バリ17、17aが形成さ れる。このような大きなバリ17、17aは、上記 上成形工程に続いて、図22の(D)→(E)、図24の (A)→(B)で行うトリミングにより除去し、スク ラップ片20として廃棄する。このスクラップ 20は、集めて再利用するにしても、材料の 留り悪化によるコスト上昇の要因となるた 、その量が多くなることは好ましくない。

 なお、上述のような問題は、外周面に放 状の支持フランジ7aを設けたハブ本体9aを造 る場合に限らず、図25の(A)、(B)に示す外周面 非円形で外向フランジ状の取付部6を形成し た外輪2を、熱間鍛造又は温間鍛造により造 場合にも生じる。

日本国特開2006-111070号公報

日本国特開2005-83513号公報

 本発明は、上述した事情に鑑みてなされ ものであり、その目的は、外周面の円周方 の複数箇所に径方向外方に向かって延設さ る外向フランジ部を有する金属製部材を製 する際のバリを発生させない、あるいはバ の発生量を低減することができる外向フラ ジ部付金属製部材の製造方法を提供するこ にある。

 本発明の上記目的は、下記の構成により達 される。
(1)外周面の軸方向一部で、円周方向の複数個 所に、径方向外方にそれぞれ突出する外向フ ランジ部を有する外向きフランジ部付金属製 部材の製造方法であって、固定ダイスと、前 記固定ダイスに向かう方向の弾力を付与され た状態で設けられる可動ダイスとを含み、前 記固定ダイスと前記可動ダイスの少なくとも 一方によって、前記外向フランジ部を加工す るためのフランジ成形用キャビティを形成す るダイスと、前記可動ダイス内を貫通して移 動可能なパンチと、を準備する工程と、金属 製の素材の周囲を前記ダイスにより囲み、前 記可動ダイスの先端面と前記固定ダイスの先 端面とを突き合わせた状態で、温間又は熱間 で、前記パンチにより前記素材の軸方向端面 を押圧して塑性変形させる工程と、を備え、 前記塑性変形工程は、前記フランジ成形用キ ャビティ内に前記素材の一部を充満させるこ とにより、前記外向フランジ部を形成するこ とを特徴とする外向フランジ部付金属製部材 の製造方法。
(2)前記可動ダイスを前記固定ダイスに向かう 方向に押圧する弾力を、前記素材が前記フラ ンジ成形用キャビティ内に充満した状態でも 前記可動ダイスを前記固定ダイスに突き合わ せた状態のままにできる大きさとすることを 特徴とする(1)に記載の外向フランジ部付金属 製部材の製造方法。
(3)前記可動ダイスを前記固定ダイスに向かう 方向に押圧する弾力を、前記パンチの下降に 伴って前記可動ダイスを前記固定ダイスに突 き合わせられるが、前記素材が前記フランジ 成形用キャビティ内に充満した状態では、前 記可動ダイスが前記固定ダイスから浮き上が ることを阻止できない大きさとし、前記素材 が前記フランジ成形用キャビティ内に入り込 む途中迄の状態では、前記弾力に加えて、前 記素材の外周面と前記可動ダイスの内周面と の当接部に作用する摩擦力に基づいて、前記 可動ダイスを前記固定ダイスに突き合わせ、 それ以降、前記素材が前記フランジ成形用キ ャビティ内に充満する過程では、前記弾力及 び前記摩擦力に加えて前記パンチの周囲に配 置した弾性部材の弾力により、前記可動ダイ スを前記固定ダイスに突き合わせた状態を維 持することを特徴とする(1)に記載の外向フラ ンジ部付金属製部材の製造方法。
(4)前記弾性部材が皿板ばねであることを特徴 とする(3)に記載の外向フランジ部付金属製部 材の製造方法。
(5)前記可動ダイスを前記パンチの周囲に、自 重により下方への変位を可能に設置し、前記 可動ダイスを前記固定ダイスに向かう方向に 押圧する弾力を省略したことを特徴とする(3) 又は(4)に記載の外向フランジ部付金属製部材 の製造方法。
(6)外向フランジ部付金属製部材が、車輪支持 用転がり軸受ユニットを構成するハブ本体で あって、外周面のうちで前記外向フランジ部 から軸方向に外れた部分に、内輪軌道、及び 、別体の内輪を外嵌するための小径段部が設 けられており、前記固定ダイスとして、前記 内輪軌道及び前記小径段部を形成するための キャビティが設けられるものを使用すること を特徴とする(1)~(5)のいずれかに記載の外向 ランジ部付金属製部材の製造方法。
(7)外向フランジ部付金属製部材が、車輪支持 用転がり軸受ユニットを構成し、内周面に複 列の外輪軌道を備える外輪であって、前記素 材を一対のパンチにより軸方向両側から押圧 して塑性変形させ、軸方向両端部を前記一対 のパンチの外周面形状に見合う内周面形状を 有する円筒部とすると同時に、前記円筒部の 外周面に前記外向フランジ部を形成する工程 を有することを特徴とする(1)~(5)のいずれか 記載の外向フランジ部付金属製部材の製造 法。
(8)前記素材として、前記円筒部の外周面に前 記外向フランジ部を形成するために必要とさ れる以上の容積を有するものを使用し、前記 固定ダイス、前記可動ダイス、及び前記パン チにより囲まれる部分に存在する前記フラン ジ成形用キャビティ内に前記素材の一部を充 満させることにより、前記外向フランジ部を 形成した後、更に前記パンチにより前記素材 を押圧することにより、前記可動ダイスを前 記固定ダイスから、前記素材の余剰容積分に 見合う分だけ浮き上がらせて、前記外向フラ ンジ部の外周縁部にバリを形成することを特 徴とする(1)~(7)のいずれかに記載の外向フラ ジ部付金属製部材の製造方法。
(9)前記可動ダイスは、前記外向フランジ部の 先端部に対応する位置に前記素材を逃がすた めの溝部を有し、前記塑性変形工程において 、前記溝部に前記外向フランジ部の余肉を入 り込ませることにより、前記外向フランジ部 を形成することを特徴とする(1)に記載の外向 フランジ部付金属製部材の製造方法。
(10)前記準備工程は、仕上げ用固定ダイスと 前記外向フランジ部の先端部に対応する位 に前記素材を逃がすための溝部を有する仕 げ用可動ダイスと、を含み、前記仕上げ用 定ダイスと前記仕上げ用可動ダイスの少な とも一方によって、前記外向フランジ部を 上げ成形するための他のフランジ成形用キ ビティを形成する仕上げ用ダイスを更に備 、前記仕上げ用ダイスを用いて前記外向フ ンジ部が形成された素材をプレスして、前 溝部に前記外向フランジ部の余肉を入り込 せることにより、前記外向フランジ部を仕 げ成形することを特徴とする(1)に記載の外 フランジ部付金属製部材の製造方法。
(11)前記溝部は、円形状に形成されることを 徴とする(9)又は(10)に記載の外向フランジ部 金属製部材の製造方法。
(12)前記準備工程は、仕上げ用固定ダイスと 上げ用可動ダイスとを含み、前記仕上げ用 定ダイスと前記仕上げ用可動ダイスの少な とも一方によって、前記外向フランジ部を 上げ成形するための他のフランジ成形用キ ビティを形成する仕上げ用ダイスを更に備 、前記仕上げ用ダイスを用いて前記外向フ ンジ部が形成された素材をプレスして、前 外向フランジ部を厚さ方向に圧縮変形させ ことにより、前記外向フランジ部を仕上げ 形することを特徴とする請求項1に記載の外 フランジ部付金属製部材の製造方法。

 なお、温間加工とは、600~900℃の範囲で行 う金属の塑性加工であり、熱間加工とは、そ れ以上に高い温度で行う金属の塑性加工を言 う。これに対して、前述の特許文献1に記載 れた様な冷間加工とは、常温で行う金属の 性加工を言う。本発明の製造方法では、炭 鋼等の金属材料を温間又は熱間で加工する で、冷間に比べて複雑な形状を加工でき、 かも加工に要する荷重を低く抑えられる。 ち、炭素鋼の場合、炭素量にもよるが、一 的には200~400℃以上の領域で延性が向上し、 性加工に要する荷重を低減できる。本発明 場合、このような延性が向上する温度以上( 600℃以上)で金属材料を塑性変形させるため 上述のように、複雑な形状を低荷重で加工 きる。

 本発明の外向フランジ部付金属製部材の 造方法によれば、複雑な外向フランジ部を けた金属製部材を低荷重で加工することが きる。しかも、円周方向の複数個所をそれ れ径方向外方に突出させて外周縁形状を非 形とした外向フランジ部を形成する際のバ の発生量を低減することができる。即ち、 向フランジ部間にバリを形成しないか、外 フランジ部の形状が複雑である等により、 にバリを形成せざるを得ない場合でも、小 な(幅の狭い)バリを形成するのみで足りる このため、トリミング等により除去して、 クラップとして廃棄しなければならない金 材料の量を少なく抑えることができるので 外向フランジ部付金属製部材の製造コスト 低減を図ることができる。

本発明の外向フランジ部付金属製部材 製造方法の第1実施形態の工程を説明する素 材から最終中間素材の断面図である。 図1に示す第2中間素材を最終中間素材 加工するための仕上成形工程を説明するた の断面図である。 本発明の外向フランジ部付金属製部材 製造方法の第2実施形態の工程を説明する素 材から最終中間素材の断面図である。 図3に示す第2中間素材を第3中間素材に 工するための第2据え込み工程を説明するた めの断面図である。 本発明の外向フランジ部付金属製部材 製造方法の第3実施形態の工程における第2 間素材を最終中間素材に加工するための仕 成形工程を説明するための断面図である。 加工の進行に伴って可動ダイスに加わ 上下方向の力を説明するためのグラフ図及 断面図である。 金属材料から可動ダイスに加わる力を 明するための図6(C)のX部拡大図である。 本発明の外向フランジ部付金属製部材 製造方法の第4実施形態の工程を説明する素 材から最終中間素材の断面図である。 図8に示す第2中間素材を第3中間素材に 工するための仕上成形工程を説明するため 断面図である。 図9の第3中間素材の取付部の周辺の拡 断面図である。 図9に示す上側ダイスの拡大下面図で る。 バリや余肉を生じさせることなく複雑 な形状の外向フランジ部を有する金属製部材 を製造する場合を説明するための要部拡大断 面図である。 本発明の外向フランジ部付金属製部材 の製造方法の第5実施形態の工程を説明する 材から最終中間素材の断面図である。 図13に示す第1中間素材を第2中間素材 加工するための荒成形工程を説明するため 断面図である。 図13に示す第2中間素材を第3中間素材 加工するための仕上成形工程を説明するた の断面図である。 本発明の外向フランジ部付金属製部材 の製造方法の第6実施形態の工程を説明する 材から最終中間素材の断面図である。 図16に示す第1中間素材を第2中間素材 加工するための荒成形工程を説明するため 断面図である。 図16に示す第2中間素材を第3中間素材 加工するための仕上成形工程を説明するた の断面図である。 本発明の外向フランジ部付金属製部材 の製造方法の第7実施形態の工程を説明する 材から最終中間素材の断面図である。 本発明の外向フランジ部付金属製部材 の製造方法の第8実施形態の工程を説明する 材から最終中間素材の断面図である。 本発明の製造方法の対象となる外向フ ランジ部付金属製部材であるハブ本体及び外 輪を備える車輪支持用転がり軸受ユニットの 1例を示す断面図である。 従来のハブ本体の製造方法の工程を説 明するための断面図である。 外周面に支持フランジを有するハブ本 体の2例を示す斜視図である。 放射状の支持フランジを形成する場合 に生じるバリを除去する状態を工程順に示す 斜視図である。 外周面に取付部を有する外輪の2例を す斜視図である。

符号の説明

   1  車輪支持用転がり軸受ユニット
   2  外輪(外向フランジ部付金属製部材)
   3  ハブ
   4  転動体
   5  外輪軌道
   6  取付部(外向フランジ部)
   7  支持フランジ
   7a 支持フランジ(外向フランジ部)
   8  内輪軌道
   9  ハブ本体
   9a ハブ本体(外向フランジ部付金属製部 )
  10  内輪
  11  ナット
  12  小径段部
  13、13a 素材
  14、14a 第1中間素材
  15  第2中間素材
  16  第3中間素材
  17、17a バリ
  18  第4中間素材
  19  突出部
  20  スクラップ片
  21  固定ダイス
  22  可動ダイス
  23  パンチ
  24  成形孔
  25、25a、25b 成形用凹部
  26  取付板
  27  最終中間素材
  28  円形凹部
  29  円形凸部
  30  環状段差面
  31、31a 弾性部材
  32、32a フランジ成形用キャビティ
  32b 他のフランジ成形用キャビティ
  33、33a、33b 第2中間素材
  34、34a、34b 第3中間素材
  35  第4中間素材
  36、36a、36b 最終中間素材
  37  バリ
  38  第1円形凹部
  39  第2円形凹部
  40、40a 隔壁部
  41  押圧パンチ
  42  カウンターパンチ
  43  上側ダイス(可動ダイス)
  44  下側ダイス(固定ダイス)
  45  押し出しパンチ
  46  下側キャビティ
  47  隙間
  48  皿板ばね
  51、53  溝部
  52、54  余肉
  61  上側ダイス(仕上げ用可動ダイス)
  62  下側ダイス(仕上げ用固定ダイス)
  63  押し出しパンチ

[第1実施形態]
 まず、図1~図2を参照して、本発明に係る外 フランジ部付金属製部材の製造方法の第1実 施形態について説明する。なお、本実施形態 では、前述の図23に示すようなハブ本体9aを 間鍛造により造る場合を例にして説明する

 本実施形態では、まず、中炭素鋼の如き 系合金等の塑性加工後に焼き入れ硬化可能 金属材料を圧延成形する等により造られた 長尺な原材料を所定長さに切断することに り、図1の(A)に示す円柱状の素材13を得る。 に、この素材13を軸方向に押し潰す据え込 工程により、(B)に示すビヤ樽型の第1中間素 14とする。次に、第1中間素材14の軸方向片 部(図1の下半部、完成後のハブ本体9aの軸方 内半部)を所定の内周面形状を有する金型( イス)内に押し込んで、上記軸方向片半部の 径を縮める荒成形工程により、(C)に示す第2 中間素材15とする。なお、本実施形態では、 の第2中間素材15が本発明の素材に相当する この図1の(A)→(C)に示した工程は、前述の図 22に示した従来の製造方法と同様である。

 本実施形態の製造方法の特徴は、以下に べる図1の(C)→(D)の仕上成形工程にある。こ の仕上成形工程では、図1の(C)に示した第2中 素材15を、図2に示すように、固定ダイス21 可動ダイス22とで囲んだ状態で、パンチ23に りこの第2中間素材15を軸方向に押し潰し、 1の(D)に示した最終中間素材27とする。

 固定ダイス21の中心部には、得るべきハ 本体9aの軸方向内半部に見合う内周面形状を 有する成形孔24が設けられる。この成形孔24 内周面形状は、第2中間素材15の軸方向内半 を塑性加工する(第2中間素材15の金属材料を 満させる)ことにより、完成後のハブ本体9a 軸方向内半部に比べて、必要となる削り代 大きな外形を有する最終中間素材27の軸方 内半部を加工できるだけの形状及び大きさ している。

 また、固定ダイス21の上面には、成形用 部25を、成形孔24の上端開口から径方向外方 連続する状態で形成している。この成形用 部25は、ハブ本体9aの外周面の軸方向外端寄 り部分に、本発明の外向フランジ部である支 持フランジ7aを形成するためのもので、図23 び図24に示す支持フランジ部7aに見合う(所定 の削り代分だけ大きな)形状及び大きさを有 る。また、固定ダイス21は、熱間鍛造を行う ためのプレス加工機の基台の上面等に固定さ れている。

 一方、可動ダイス22及びパンチ23は、プレ ス加工機のラムの下面等に支持固定される取 付板26の下面に設置される。可動ダイス22は パンチ23の周囲に昇降可能に外嵌される。パ ンチ23は、取付板26の下面中央部に、鉛直方 に配置された状態で結合固定され、可動ダ ス22内を貫通して上下方向に移動可能に設け られる。また、パンチ23の断面形状は円形で その下端部は、最終中間素材27の軸方向外 面の形状に見合う形状である。即ち、パン 23の下端部に、最終中間素材27の軸方向外端 の中央部に円形凹部28を形成するための円 凸部29と、この円形凸部29の基端部の周囲に けられる環状段差面30とを形成している。

 また、可動ダイス22と取付板26との間には 、圧縮コイルばね等の弾性部材31、31が設け れており、これにより、可動ダイス22に下方 に向かう(固定ダイス21に向かう)弾力が付与 れる。弾性部材31、31の弾力は、相当に大き 、具体的には、ラムがパンチ23を下方に押 する力よりは小さいが、第2中間素材15の塑 変形に伴って成形用凹部25(後述するフラン 成形用キャビティ32)内に流入した(充満した 態)金属材料が可動ダイス22を上方に押圧す 力よりは大きい。ラムに対する可動ダイス2 2の下降量は、ラムと可動ダイス22との間に設 けられるストッパ機構により規制される。

 前述した固定ダイス21、可動ダイス22、及 びパンチ23を備えた鍛造加工装置により、図1 の(C)に示した第2中間素材15を図1の(D)に示し 最終中間素材27とするには、まず、図2の(A) 示すように、可動ダイス22及びパンチ23を上 させた状態で、第2中間素材15の軸方向内半 を固定ダイス21の成形孔24内にセットする。 次いで、プレス加工機のラムにより可動ダイ ス22及びパンチ23を下降させると、図2の(B)に すように、可動ダイス22の下面が固定ダイ 21の上面に突き当てられる。この状態で、可 動ダイス22と成形用凹部25との間に、支持フ ンジ7aを形成するためのフランジ成形用キャ ビティ32が画成される。

 そして、この状態から、更にラムを下降 せると、図2の(C)→(D)→(E)に示すように、可 動ダイス22をそのままの位置に止めたままパ チ23が、各弾性部材31、31を弾性変形(圧縮) つつ下降する。このパンチ23の下端面により 、第2中間素材15を軸方向に強く押圧する。こ の押圧の初期から中間段階では、図2の(B)→(C )→(D)に示すように、第2中間素材15の軸方向 端面の中央部を凹ませつつ、第2中間素材15 軸方向内半部を成形孔24に押し込む。これに より、第2中間素材15の軸方向内半部の外面形 状は、最終中間素材27の軸方向内半部の外面 状に加工される。

 また、図2の(B)に示すように、フランジ成 形用キャビティ32を画成した状態から、ラム よりパンチ23を更に下降させると、第2中間 材15の軸方向内半部が軸方向に押し潰され その結果、第2中間素材15を構成する金属材 が、図2の(C)→(D)→(E)に示すように、フラン 成形用キャビティ32に送り込まれる。この 果、放射状の支持フランジ7aを有する最終中 間素材27が得られる。そこで、ラムにより可 ダイス22及びパンチ23を上昇させ、図示しな いノックアウトピン等により、最終中間素材 27を固定ダイス21の成形孔24から取り出す。固 定ダイス21から取り出された最終中間素材27 、次の工程に送られ、所定の切削加工及び 削加工が施されて図23及び図24に示すハブ本 9aとなる。

 以上説明したように、本実施形態によれ 、最終中間素材27に設けた支持フランジ7a間 にバリが形成されない(フラッシュレス)ので 材料の歩留り向上による製造コストの低減 図ることができる。また、バリを除去する 程とそのための金型が不要となるので、外 フランジ部付金属製部材の製造コストの低 を図ることができる。さらに、不要なバリ 形成しない分だけ、鍛造時のプレス荷重を 減することができるので、小型のプレス加 機の使用が可能になり、消費エネルギー低 により運転コストを低減することができ、 向フランジ部付金属製部材の製造コストの 減を図ることができる。

[第2実施形態]
 次に、図3~図4を参照して、本発明に係る外 フランジ部付金属製部材の製造方法の第2実 施形態について説明する。なお、本実施形態 では、前述の図25に示すような外輪2を熱間鍛 造により造る場合を例にして説明する。

 本実施形態では、図3の(A)に示す、中炭素 鋼、軸受鋼、浸炭鋼の如き鉄系合金等の塑性 加工後に焼き入れ硬化可能な金属製で円柱状 の素材13aに、順次、塑性加工或いは打ち抜き 加工を施す。そして、(B)に示す第1中間素材14 a、(C)に示す第2中間素材33、(D)に示す第3中間 材34、(E)に示す第4中間素材35を経て、(F)に す最終中間素材36を得る。さらに、最終中間 素材36に、必要とする切削加工及び研削加工 施して、外輪2とする。素材13aの容積は、第 4中間素材35本来の容積よりも少しだけ(この 4中間素材35に比べて後述するバリ37の容積分 だけ)大きくしている。

 以下、素材13aを最終中間素材36に加工す 工程について、順番に説明する。なお、以 の加工は、基本的には総て熱間若しくは温 で行うが、小型の車輪支持用転がり軸受ユ ットを形成する場合等、可能であれば、冷 で行っても良い。

 まず、据え込み工程で、図3の(A)→(B)に示 すように、素材13aを軸方向に押し潰しつつ外 径を拡げ、素材13aを、径方向中間部が膨らん だビヤ樽型の第1中間素材14aとする。

 次に、荒成形工程で、図3の(B)→(C)に示す ように、第1中間素材14aを第2中間素材33に塑 加工する。この荒成形工程では、鍛造加工 分野で広く知られている方法により、第1中 素材14aの径方向中央寄り部分を軸方向に押 潰し、この径方向中央寄り部分の金属材料 、径方向外方に移動させつつ、軸方向両側( 前後両方向)に移動させる。なお、本実施形 では、この第2中間素材33が本発明の素材に 当する。

 第2中間素材33は、軸方向一端面(図3の上 面)側に開口する第1円形凹部38及び軸方向他 面(図3の下端面)側に開口する第2円形凹部39 、これら円形凹部38、39の底面間に存在する 隔壁部40と、を有する。本実施形態では、第1 円形凹部38の形状を、内径が小さい奥半部と 径が大きい開口側半部とを段差部で連続さ た、段付形状とする。このため、押圧パン として、先半部の外径が小さく、基半部の 径が大きい、段付のものを使用する。

 次に、本実施形態の特徴である仕上成形 程で、第2中間素材33を第3中間素材34に塑性 工する。この仕上成形工程は、図4に示す仕 上成形装置を使用して行われる。

 この仕上成形装置は、それぞれが一対の ンチに相当する押圧パンチ41及びカウンタ パンチ42と、可動ダイスに相当する上側ダイ ス43と、固定ダイスに相当する下側ダイス44 、押し出しパンチ45と、を備える。

 上側ダイス43は、プレス加工機のラムの 面に、このラムに対して昇降可能に支持さ ており、圧縮コイルばね等の大きな弾力を する弾性部材31、31により、下方に向いた大 な弾力が付与される。また、ラムに対する 側ダイス43の下降量は、ラムと上側ダイス43 との間に設けたストッパ機構により規制され る。また、上昇量は、例えば、ラムの下面と 上側ダイス43の上面とが突き当たることで制 される。従って、上側ダイス43は、通常状 ではラムと共に昇降するが、上向きの大き 力が加わった場合は、各弾性部材31、31の弾 に抗し、ラムに対して上昇する。

 また、押圧パンチ41は、上側ダイス43内を 上下方向に貫通した状態で、ラムに対し固定 される。従って、上側ダイス43は、押圧パン 41の周囲に上下方向移動可能に支持される そして、ラムの下降時に上側ダイス43の下端 面は、押圧パンチ41の下端面とカウンターパ チ42の上端面との間で第2中間素材33の隔壁 40を強く挟持する以前に、下側ダイス44の上 面に突き当たる。そして、この状態からラ が更に下降すると、上側ダイス43はそのま の位置に止まり、押圧パンチ41のみがラムと 共に下降し、各弾性部材31、31が弾性変形す 。

 一方、カウンターパンチ42と下側ダイス44 は、プレス加工機の支持台の上面に同心に固 定されており、互いの間に、第3中間素材34の 軸方向外半部の外面形状に見合う(凹凸が逆 ある)内面形状を有する下側キャビティ46が けられる。カウンターパンチ42と下側ダイス 44とは、仕上成形工程の進行に伴って変位す ことはない。

 さらに、押し出しパンチ45は、円筒状で り、その上端面により、下側キャビティ46の 下端部を仕切っている。押し出しパンチ45は プレス加工機の支持台に対し、昇降可能に 持される。そして、押し出しパンチ45が下 し切った状態で、下側キャビティ46の内面形 状が、第3中間素材34(第4中間素材35)の軸方向 半部の外面形状に見合う形状になる。

 そして、本実施形態では、押圧パンチ41 先端部及びカウンターパンチ42の先端部は、 何れも、先端面寄りの小径部と基端寄りの大 径部とを段部で連続させた段付形状としてい る。また、下側キャビティ46の上端部の円周 向複数個所(例えば4個所)に、それぞれ径方 外方に突出する成形用凹部25aを、下側ダイ 44の上面から凹む状態で形成している。

 そして、図4に示す仕上成形装置を使用し て仕上成形工程を行うことにより、第2中間 材33を第3中間素材34とするには、まず、第2 間素材33の軸方向外端寄り部分を下側ダイス 44内に挿入し、カウンターパンチ42の上端部 、第2中間素材33の軸方向外端面に形成した 2円形凹部39内に嵌合させる。その後、ラム 下降させて、図4の(A)に示すように、押圧パ チ41を、第2中間素材33の軸方向内端面に形 した第1円形凹部38内に嵌合させると共に、 側ダイス44の上端面と上側ダイス43の下端面 を突き合わせる。この状態で、成形用凹部2 5aに対応し、両ダイス44、43の突き合わせ面間 に、フランジ成形用キャビティ32aが画成され る。

 この状態からラムを、図4の(B)(C)の矢印a aで示すように、更に下降させると、図4の(A) →(B)に示すように、上側ダイス43はそのまま 位置に止まって、押圧パンチ41のみが下方 移動する。この移動に伴って押圧パンチ41が 、第2中間素材33の径方向中央部分を軸方向に 押圧して、この部分を押し潰し、隔壁部40を 厚さ寸法の小さい隔壁部40aとする。

 このように径方向中央部分を押し潰すこ で押し出された金属材料は、下側キャビテ 46内に入り込んで当該部分を円筒形に形成 ると共に、一部は、フランジ成形用キャビ ィ32aに向け、径方向外方に送られて、フラ ジ成形用キャビティ32a内に、外向フランジ である取付部6を形成する。

 また、本実施形態では、第2中間素材33を るための素材13aの容積が、第4中間素材35本 の容積よりも少しだけ多いため、フランジ 形用キャビティ32aの隅部まで、十分に金属 料が入り込む。このため、加工すべき取付 6の形状が複雑であっても、この取付部6の 工を確実に(形状精度及び寸法精度を十分に 保した状態で)行える。

 フランジ成形用キャビティ32a内に金属材 が充満した後、更に、押圧パンチ41が、図4( C)に示すように、十分に下降し、フランジ成 用キャビティ32a内に十分量の金属材料が押 込まれると、上述のように第2中間素材33の 属材料が余分である分、フランジ成形用キ ビティ32a内の圧力が上昇し、上側ダイス43 上方に押圧する力が大きくなる。そして、 の力が、各弾性部材31、31の弾力よりも大き なると、上側ダイス43がこれら各弾性部材31 、31の弾力に抗して、図4(C)に矢印b、bで示す うに上昇し、上側ダイス43の下端面が下側 イス44の上端面から離隔して、これら両端面 間に、図4の(C)に誇張して示すように、隙間47 が生じる。すると、フランジ成形用キャビテ ィ32a内に入り込んでいた金属材料の一部が隙 間47内に入り込み、取付部6の外周縁にバリ37 形成される。この結果、図3の(D)に示す第3 間素材34を得られる。この第3中間素材34に形 成した第1及び第2円形凹部38、39の内周面は、 内径が小さい奥半部と内径が大きい開口側半 部とを段差部で連続させた段付円筒面状であ る。

 本実施形態では、第3中間素材34の加工完 の状態で、両ダイス43、44の先端面が互いに 当接せず、これら両先端面間に隙間47が介在 る状態となる。そして、この隙間47には、 属材料の余剰分が入り込んで、バリ37を形成 する。この第3中間素材34は、押圧パンチ41及 上側ダイス43を上昇させてから、押し出し ンチ45を上昇させることで、仕上成形装置か ら取り出される。そして、図3の(D)→(E)に示 ように、バリ37を打ち抜き除去して、第4中 素材35とする。

 そして、最後に、図3の(E)→(F)に示すよう に、両円形凹部38、39間に存在する隔壁部40a 、プレス加工等により打ち抜き除去し、最 中間素材36とする。この最終中間素材36は、 成後の外輪2{図3の(D)~(F)の二点鎖線参照}よ も厚肉である。そこで、この最終中間素材36 に、所定の切削(旋削)加工及び研削加工を施 て、外輪2として完成する。

 以上説明したように、本実施形態によれ 、外向フランジ部である取付部6の加工に伴 ってバリ37を生じるが、このバリ37は、取付 6の形状精度を向上させるために必要な、小 なもので済む。このため、材料の歩留りを まり悪化させることはなく、バリ37を除去 る作業も容易に行えるので、取付部6を備え 外輪2の製造コストの低減を図ることができ る。

[第3実施形態]
 次に、図5~図7を参照して、本発明に係る外 フランジ部付金属製部材の製造方法の第3実 施形態について説明する。なお、本実施形態 では、前述した第1実施形態と同様に、前述 図23に示すようなハブ本体9aを熱間鍛造によ 造る場合を例にして説明する。但し、前述 た第1及び第2実施形態では、弾性部材31、31( 図2、図4参照)に大きな弾力を持たせて、この 弾性部材31、31の弾力のみで、第2中間素材15(3 3)を最終中間素材27(第3中間素材34)に塑性変形 させる間中(加工工程の最終段階で、金属材 がフランジ成形用キャビティ32、32a内に充満 した状態でも)、可動ダイス22(上側ダイス43) 固定ダイス21(下側ダイス44)から浮き上がら いようにしていた。

 本実施形態では、可動ダイス22を固定ダ ス21に向け下方に押圧する弾性部材31aとして 、伸縮ストロークが大きい代わりに弾力が小 さな、圧縮コイルばねを使用している。この 弾性部材31aは、可動ダイス22内を上下方向に 通するパンチ23の基端部(上端部)から中間部 に外嵌され、可動ダイス22の上面中央部を下 に押圧している。

 弾性部材31aの弾力は、パンチ23の下降に って可動ダイス22の下面を固定ダイス21の上 に確実に突き合わせられるだけの大きさと ている。言い換えれば、弾性部材31aの弾力 、金属材料がフランジ成形用キャビティ32 に充満した状態では、可動ダイス22が固定ダ イス21から浮き上がることを阻止できない程 の大きさとしている。なお、弾性部材31aは 前述したように、可動ダイス22の設置状況 よっては省略することもできる。

 弾性部材31aとして、弾性の小さなものを 用するか、更には省略する代わりに、本実 形態では、金属材料がフランジ成形用キャ ティ32内に入り込む途中までの状態、即ち 図5の(A)→(B)→(C)までの状態で、この金属材 の外周面、即ち、第2中間素材15から最終中 素材27の一部外周面と可動ダイス22の内周面 との当接部に作用する摩擦力(弾性部材31aを 用する場合は、可動ダイス22の自重、弾性部 材31aの弾力及び摩擦力、省略する場合は、可 動ダイス22の自重及び摩擦力のみ)に基づいて 、可動ダイス22の下面を固定ダイス21の上面 突き合わせるようにしている。

 さらに、それ以降、即ち、図5の(C)→(D)に 示すように、金属材料がフランジ成形用キャ ビティ32内に充満する過程では、自重及び摩 力(弾性部材31aを使用する場合には、弾性部 材31aの弾力、自重及び摩擦力)に加えて、弾 部材である皿板ばね48の弾力により、可動ダ イス22の下面を固定ダイス21の上面に突き合 せた状態に維持する。この皿板ばね48は、可 動ダイス22の上面でパンチ23の周囲に配置し もので、伸縮ストロークが短い代わりに大 な弾性を有する。

 本実施形態がこのような構成を採用した 由は、温間又は熱間鍛造時の熱による火災 発生の可能性を抑え、しかも、製造装置の 型化を可能にして、外向フランジ部付金属 部材の製造コストを低減するためである。 下にこの理由について詳しく説明する。

 パンチ23の周囲に可動ダイス22を設置した 、所謂フローティングダイ構造の金型を使用 した鍛造加工時に、可動ダイス22を固定ダイ 21に押し付けて、この金型を閉塞状態に維 するための力として一般的には、油圧シリ ダや圧縮コイルばねの押し付け力(弾力)を利 用することが考えられる。但し、本発明の外 向フランジ部付金属製部材の製造方法は、温 間又は熱間鍛造を意図しているため、被加工 物の温度は、前述した通り、温間加工で600~90 0℃、熱間鍛造の場合にはそれ以上に達する 金型の表面も、被加工物程ではないにして 、かなりの高温になる。このため、油圧シ ンダから作動油が漏洩し、この作動油が高 部分に触れると、火災発生の可能性がある このため、金型閉塞のために油圧シリンダ 利用することは好ましくない。

 一方、圧縮コイルばねの場合には、伸縮 トロークの確保と弾力の確保とを両立させ ことが難しい。例えば、本発明の製造方法 より、乗用車用の車輪支持用転がり軸受ユ ットを構成するハブ本体を加工する場合、 要となる閉塞力(可動ダイス22を固定ダイス2 1に向け押圧する力)は、数100kN~1000kN(数10tf~100t f)程度に達する。また、この力を圧縮コイル ねにより得る場合は、この圧縮コイルばね 必要となる伸縮ストローク{図2の(B)に示し 状態と同じく(E)に示した状態との間での伸 ストローク}は、数10mm程度になる。このよう な大きな伸縮ストロークの全範囲に亘り、上 記大きな力を得られる程の弾力を有する圧縮 コイルばねは、相当に大きなもの、或は相当 の数が必要になる。この結果、圧縮コイルば ねを組み込んだフローティングダイ構造の金 型、更には、この金型をプレス装置に組み込 んだ鍛造加工装置が大型化することは避けら れない。このような大型化は、この鍛造加工 装置を利用して造られる外向フランジ部付金 属製部材の製造コストの増大に結び付くため 、好ましくない。

 このような事情に鑑みて本実施形態では 有効ストロークが短いものであれば、小型 しかも大きな弾力が得られる皿板ばね48に り、鍛造加工の最終段階でのみ、可動ダイ 22を固定ダイス21に向けて大きな力で弾性的 押圧するようにしている。即ち、図5の(A)→ (B)→(C)に示した、鍛造加工の初期段階から中 間段階までの間、具体的には、第2中間素材15 から最終中間素材27を構成する金属材料の一 が、フランジ成形用キャビティ32の内径寄 部分に入り込み始めるまでの間は、皿板ば 48の弾力によらず、可動ダイス22の下面を固 ダイス21の上面に押し付けている。即ち、 記入り込み始めるまでの間は、可動ダイス22 の自重の他は、金属材料の外周面と可動ダイ ス22の内周面との間に作用する摩擦力(弾性部 材31aを使用する場合には、弾性部材31aの弾力 及び摩擦力)により、プレス加工装置のラム らパンチ23に伝えられた下降力を可動ダイス 22に伝え、可動ダイス22の下面を固定ダイス21 の上面に押し付ける。

 そして、図5の(C)→(D)に示した、鍛造加工 の最終段階で、パンチ23の基端部(上端部)に けた取付板26の下面により皿板ばね48を、可 ダイス22の上面との間で圧縮し始める。こ 状態でこの可動ダイス22には、摩擦力(弾性 材31aを使用する場合には、弾性部材31aの弾 及び摩擦力)に基づいてパンチ23から可動ダ ス22に伝えられた下降力に加えて、皿板ばね 48の弾力が、固定ダイス21に向いた力として わる。この結果、フランジ成形用キャビテ 32内に金属材料が充満する過程で可動ダイス 22に加わる、図5の(B)→(C)に示した中間段階で 加わる押し上げ力よりも大きな押し上げ力に も拘らず、可動ダイス22の下面を固定ダイス2 1の上面に突き合わせた状態のままに維持で る。

 以上説明したように、本実施形態によれ 、油圧シリンダや大型の圧縮コイルばねを 用しなくても、最終中間素材27の支持フラ ジ7aの外周縁にバリを生じさせないか、仮に 生じさせても小さいバリで済む(所謂フラッ ュレス鍛造が可能になる)。また、皿板ばね4 8を圧縮するのは、鍛造加工の最終段階だけ あり、図5の(A)→(B)→(C)に示した初期段階か 中間段階までは圧縮しない。従って、ラム 下降させる過程で、皿板ばね48を弾性的に 縮するストロークを短くできる。このため 皿板ばね48を弾性的に圧縮するために余分な エネルギーを消費する必要がなくなるので、 省エネルギー化による運転コストの低減を図 ることができる。なお、皿板ばね48の伸縮ス ロークは、被加工物の形状及び大きさによ 設計的に定めるが、例えば、乗用車用の車 支持用転がり軸受ユニットを構成するハブ 体を加工する場合であれば、後述するよう 5mm程度あれば十分である。

 以下に、本実施形態の製造方法の理論的 付けについて説明する。図6(A)→(B)→(C)→(D) に示すように、第2中間素材15を最終中間素材 27に加工する過程で、パンチ23の先端部が第2 間素材15の上端面を押圧し、第2中間素材15 塑性変形し始めると、第2中間素材15を構成 る金属材料の外周面が、図7の矢印c、cに示 ように、可動ダイス22の内周面に押し付けら れる。この結果、これら両周面の当接部に圧 力(垂直抗力)が発生する。言い換えれば、金 材料の外周面と可動ダイス22の内周面とが 擦係合する。この状態からパンチ23が更に下 降する(更に成形が進行する)と、金属材料が 定ダイス21に向けて下方に移動する。この め、上記両周面の摩擦係合に基づいて、可 ダイス22が固定ダイス21に向け、図7の矢印d 示すように下方に押圧される。

 この結果、可動ダイス22の下面が固定ダ ス21の上面に向けて強く突き合わされる。即 ち、金属材料自身の摩擦力により、両ダイス 22、21の突き合わせ面を閉じたままにする閉 力が発生する。本発明が意図する温間鍛造 び熱間鍛造(特に熱間鍛造)は、冷間鍛造に比 べて、被加工物と金型(可動ダイス22)との当 部の摩擦係数が高い。従って、金属材料自 が発生する摩擦力だけでも、数100kN(数10tf)程 度の閉塞力を得ることができる。 このため 鍛造加工の初期段階から中間段階までは、 記摩擦力のみで、両ダイス22、21の突き合わ せ面を閉じたままにできる。これに対して、 フランジ成形用キャビティ32内に金属材料が 満する過程では、図7に矢印e、eで示すよう 、可動ダイス22に押し上げ方向の力が加わ 。そして、加工の最終段階では、この押し げ方向の力が、上記矢印dで示した下降方向 力よりも大きくなる。従って、上記摩擦力 けでは、両ダイス22、21の突き合わせ面を閉 じたままに維持できなくなる。

 図6(E)は、図6の(A)→(B)→(C)→(D)に示した 第2中間素材15から最終中間素材27への加工の 進行に伴って可動ダイス22の上下方向に加わ 力を、有限要素解析により求めた結果を示 ている。図6(E)の線図で、横軸は、パンチ23 ストローク{図6(D)に示すように、パンチ23が 加工終了時点まで下降した状態からの上昇量 }を表し、単位はmmである。また、縦軸は、可 動ダイス22に加わる上昇方向の力の大きさを しており、単位はtf(kN/9.8)である。この力は 、上記摩擦力に基づいて可動ダイス22を下方 押圧するマイナス(-)方向の力と、フランジ 形用キャビティ32内に入り込んだ金属材料 より可動ダイス22を上方に押圧するプラス(+) 方向の力との和である。これら両方向の力の 和である上昇方向の力の大きさが負(-)である とは、上記摩擦力に基づいて両ダイス22、21 突き合わせ面を塞ぐ力が、フランジ成形用 ャビティ32内に入り込んだ金属材料により可 動ダイス22を上方に押圧する力に勝っている 態である。この状態では、可動ダイス22に ね等による閉塞力を付与しなくても、突き わせ面が開くことはない。

 これに対して、上昇方向の力の大きさが (+)であるとは、上記摩擦力に基づいて両ダ ス22、21の突き合わせ面を塞ぐ力よりも、フ ランジ成形用キャビティ32内に入り込んだ金 材料が可動ダイス22を上方に押圧する力が っている状態である。この状態では、可動 イス22にばね等による閉塞力を付与しない限 り、突き合わせ面が開く。但し、図6(E)の線 に表した曲線が、この線図のうちで、可動 イス22に加わる力の大きさが0tfである線を通 過する位置の値から明らかなように、可動ダ イス22が上方に押されるのは、加工工程の最 段階で、パンチ23のストロークが残り1.5mm程 度の範囲に限られる。

 例えば、乗用車用の車輪支持用転がり軸 ユニットを構成するハブ本体を加工する場 で、パンチ23の全ストロークは30mm程度に達 るが、皿板ばね48を押圧するのは、最後の1. 5mm(全ストロークの1/20)で足りる。余裕を持た せても、最後の3.0mm(全ストロークの1/10)で足 る。また、皿板ばね48の弾力は、余裕も持 せても、980kN(100tf)程度あれば十分である。 お、皿板ばね48は、完全に押し潰すと耐久性 が損なわれるため、使用範囲に比べて伸縮ス トロークに余裕を持たせることが好ましいが 、その場合でも、5mm程度あれば十分である。 弾力が980kN程度で伸縮ストロークが5mm程度の 板ばねとしては、特に嵩張らずに小型のも (例えば、軸方向厚さが30mm程度のもの)を容 に調達できる。このことから、本実施形態 よれば、フローティングダイ構造の金型、 には、この金型をプレス装置に組み込んだ 造加工装置を小型・軽量化して、この鍛造 工装置を利用して造られる外向フランジ部 金属製部材の製造コストの低減化を図る面 ら有利である。

 なお、本実施形態では、皿板ばね48の弾 を、図6(E)の線図の最大値(70tf)よりも少し小 くしておけば(閉塞力を弱め、例えば、30~50t f程度に設定しておけば)、加工の最終段階で 動ダイス22の下面を固定ダイス21の上面から 僅かに浮き上がらせて、支持フランジ7aの外 縁に僅かなバリを生じさせる代りに、形状 複雑な支持フランジ7aの形成を精度良く行 こともできる。

[第4実施形態]
 次に、図8~図11を参照して、本発明に係る外 向フランジ部付金属製部材の製造方法の第4 施形態について説明する。なお、本実施形 では、前述の図25に示すような外輪2を熱間 造により造る場合を例にして説明する。ま 、第1~第3実施形態と同一又は同等部分につ ては、図面に同一符号を付してその説明を 略或いは簡略化する。

 本実施形態では、図8の(A)に示す金属製で 円柱状の素材13aに、順次、塑性加工又は打ち 抜き加工を施すことにより、(B)に示す第1中 素材14a、(C)に示す第2中間素材33、(D)に示す 3中間素材34aを経て、(E)に示す最終中間素材3 6aを得て、この最終中間素材36aに、所定の切 加工及び研削加工を施して、外輪2とする。 なお、本実施形態では、第2中間素材33が本発 明の素材に相当する。

 以下に、素材13aを最終中間素材36aに加工 る工程について、順番に説明する。なお、 記の加工は、基本的には総て熱間又は温間 行うが、小型の車輪支持用転がり軸受ユニ トを形成する場合等、可能であれば、冷間 行っても良い。

 まず、据え込み工程で、図8の(A)→(B)に示 すように、素材13aを軸方向に押し潰しつつ外 径を拡げ、素材13aを、軸方向中間部が膨らん だビヤ樽型の第1中間素材14aとする。

 次に、荒成形工程で、図8の(B)→(C)に示す ように、第1中間素材14aを第2中間素材33に塑 加工する。この荒成形工程では、鍛造加工 分野で広く知られている方法により、第1中 素材14aの径方向中央寄り部分を軸方向に押 潰し、この径方向中央寄り部分の金属材料 、径方向外方に移動させつつ、軸方向両側( 前後両方向)に移動させる。なお、本実施形 では、この荒成形工程は省略してもよい。

 次に、本実施形態の特徴である仕上成形 程で、図8の(C)→(D)に示すように、第2中間 材33を第3中間素材34aに塑性加工する。この 上成形工程は、図9に示す仕上成形装置を使 して行われる。

 この仕上成形装置は、それぞれが一対の ンチに相当する押圧パンチ41及びカウンタ パンチ42と、可動ダイスに相当する上側ダイ ス43と、固定ダイスに相当する下側ダイス44 、押し出しパンチ45と、押圧パンチ41の取付 26の下面と上側ダイス43の上面との間に配置 され、押圧パンチ41の基端部から中間部に外 される弾性部材31aと、下側ダイス44の上面 押圧パンチ41の周囲に配置される皿板ばね48 、を備える。そして、下側ダイス44の上端 に成形用凹部25aが形成され、上側ダイス43の 下端面と下側ダイス44の上端面との突き合わ 面間にフランジ成形用キャビティ32aが画成 れる。

 そして、図9~図11に示すように、本実施形 態の上側ダイス43の下面には、外向フランジ である取付部6の先端部に対応する位置に素 材である金属材料を逃がすための溝部51が形 されており、この溝部51は平面視において 形状に形成される。なお、溝部51は、上側及 び下側ダイス43、44の位相合わせがされる場 には、上記のように円形状ではなく、取付 6の先端部に対応する位置のみに形成されて てもよい。なお、図11に示す一点鎖線は、 輪2の外形線を表している。

 従って、本実施形態の仕上成形工程では 図9に示す仕上成形装置を使用して第2中間 材33を塑性加工することにより、上側ダイス 43の溝部51に、第3中間素材34aの余肉52が入り んで取付部6が形成される。このため、フラ ジ成形用キャビティ32aの隅部まで、十分に 属材料が入り込むので、加工すべき取付部6 の形状が複雑であっても、バリを生じさせる ことなく、取付部6を確実に形成することが きる。また、余肉52は、後述する所定の切削 加工及び研削加工により除去されるので、余 肉52を除去する工程を別途用意する必要はな 。

 次に、打ち抜き工程で、図8の(D)→(E)に示 すように、第3中間素材34aの第1及び第2円形凹 部38、39間に存在する隔壁部40aを、プレス加 等により打ち抜き除去することにより、第3 間素材34aを最終中間素材36aとする。

 そして、最終中間素材36aは、完成後の外 2(図10の一点鎖線参照)よりも厚肉であるの 、所定の切削(旋削)加工及び研削加工が施さ れて、外輪2として完成する。

 以上説明したように、本実施形態によれば 上側ダイス43の取付部6の先端部に対応する 置に素材(金属材料)を逃がすための溝部51を 設け、仕上成形工程において、溝部51に取付 6の余肉52を入り込ませることにより、取付 6を形成するため、バリを生じさせることな く、複雑な形状の取付部6を確実に形成する とができる。これにより、スクラップとし 廃棄しなければならない金属材料の量を少 くすることができるので、材料の歩留りを 上することができ、外輪(外向フランジ部付 属製部材)2の製造コストの低減を図ること できる。また、不要なバリを形成しない分 け、鍛造時のプレス荷重を低減することが きるので、小型のプレス加工機の使用が可 になり、消費エネルギー低減により運転コ トを低減することができ、外輪(外向フラン 部付金属製部材)2の製造コストの低減を図 ことができる。
 その他の構成及び作用効果については、上 第1~第3実施形態と同様である。

 ところで、上記第4実施形態の手法を用い ずに、径方向外側に大きく突出するような複 雑な形状の外向フランジ部(取付部6、支持フ ンジ7a)を有する金属製部材(外輪2、ハブ本 9a)を製造する場合、図12に示すように、フラ ンジ成形用キャビティ32a(32)の取付部6(支持フ ランジ7a)の先端部に対応する位置の隅部に空 間Sが発生して、この空間Sにスケールや潤滑 が溜まってしまう場合がある。そして、こ 状態のままで、完成後の外輪2(ハブ本体9a) 外形(図12の一点鎖線参照)を得るために所定 切削加工及び研削加工を施しても、取付部6 (支持フランジ7a)に欠肉Pが発生して、不良品 なってしまう。そこで、本発明では、第2実 施形態では極めて小さなバリを生じさせ、第 4実施形態では可動ダイスに形成した溝部に 肉を入り込ませることにより、複雑な形状 外向フランジ部を有する金属製部材の製造 可能にしている。

[第5実施形態]
 次に、図13~図15を参照して、本発明に係る 向フランジ部付金属製部材の製造方法の第5 施形態について説明する。なお、本実施形 では、前述の図25に示すような外輪2を熱間 造により造る場合を例にして説明する。ま 、第1~第4実施形態と同一又は同等部分につ ては、図面に同一符号を付してその説明を 略或いは簡略化する。

 本実施形態では、図13の(A)に示す金属製 円柱状の素材13aに、順次、塑性加工又は打 抜き加工を施すことにより、(B)に示す第1中 素材14a、(C)に示す第2中間素材33a、(D)に示す 第3中間素材34aを経て、(E)に示す最終中間素 36aを得て、この最終中間素材36aに、所定の 削加工及び研削加工を施して、外輪2とする なお、本実施形態では、第1中間素材14aが本 発明の素材に相当する。

 以下に、素材13aを最終中間素材36aに加工 る工程について、順番に説明する。なお、 記の加工は、基本的には総て熱間又は温間 行うが、小型の車輪支持用転がり軸受ユニ トを形成する場合等、可能であれば、冷間 行っても良い。

 まず、据え込み工程で、図13の(A)→(B)に すように、素材13aを軸方向に押し潰しつつ 径を拡げ、素材13aを、軸方向中間部が膨ら だビヤ樽型の第1中間素材14aとする。

 次に、本実施形態の特徴である荒成形工 で、図13の(B)→(C)に示すように、第1中間素 14aを第2中間素材33aに塑性加工する。この荒 成形工程は、図14に示す荒成形装置を使用し 行われる。

 この荒成形装置は、それぞれが一対のパ チに相当する押圧パンチ41及びカウンター ンチ42と、可動ダイスに相当する上側ダイス 43と、固定ダイスに相当する下側ダイス44と 押し出しパンチ45と、押圧パンチ41の取付板2 6の下面と上側ダイス43の上面との間に配置さ れ、押圧パンチ41の基端部から中間部に外嵌 れる弾性部材31aと、下側ダイス44の上面で 圧パンチ41の周囲に配置される皿板ばね48と を備える。そして、下側ダイス44の上端面 成形用凹部25aが形成され、上側ダイス43の下 端面と下側ダイス44の上端面との突き合わせ 間にフランジ成形用キャビティ32aが画成さ る。

 そして、本実施形態では、第2中間素材33a の取付部6の板厚t1が第3中間素材34aの取付部6 板厚t2より若干厚くなるように、フランジ 形用キャビティ32aの高さh1が設定される。

 従って、本実施形態の荒成形工程では、 14に示す荒成形装置を使用して第1中間素材1 4aを塑性加工することにより、第2中間素材33a の取付部6の板厚t1は、第3中間素材34aの取付 6の板厚t2より若干厚く形成される。なお、 の荒成形工程では、フランジ成形用キャビ ィ32aの隅部まで金属材料が入り込む必要は く、隅部にスケールや潤滑材が溜まってい も問題はない。

 次に、本実施形態の特徴である仕上成形 程で、図13の(C)→(D)に示すように、第2中間 材33aを第3中間素材34aに塑性加工する。この 仕上成形工程は、図15に示す仕上成形装置を 用して行われる。

 この仕上成形装置は、仕上げ用可動ダイ に相当する上側ダイス61と、仕上げ用固定 イスに相当する下側ダイス62と、下側パンチ 63と、押し出しパンチ64と、を備える。

 そして、本実施形態では、下側ダイス62 上端面に成形用凹部25bが形成され、上側ダ ス61の下端面と下側ダイス62の上端面との突 合わせ面間に他のフランジ成形用キャビテ 32bが画成される。また、他のフランジ成形 キャビティ32bの高さh2は、上記フランジ成 用キャビティ32aの高さh1より小さく設定され る。さらに、本実施形態では、上側ダイス61 下面の取付部6の先端部に対応する位置に金 属材料を逃がすための溝部51が形成される。

 従って、本実施形態の仕上成形工程では 図15に示す仕上成形装置を使用して第2中間 材33aを塑性加工することにより、第2中間素 材33aの取付部6が軸方向に押し潰され、上側 イス61の溝部51に第3中間素材34aの取付部6の 肉52が入り込んで、第3中間素材34aの取付部6 仕上げ成形される。このため、他のフラン 成形用キャビティ32bの隅部まで、十分に金 材料が入り込むので、加工すべき取付部6の 形状が複雑であっても、バリを生じさせるこ となく、取付部6を確実に形成することがで る。

 次に、打ち抜き工程で、図13の(D)→(E)に すように、第3中間素材34aの第1及び第2円形 部38、39間に存在する隔壁部40aを、プレス加 等により打ち抜き除去することにより、第3 中間素材34aを最終中間素材36aとする。

 そして、最終中間素材36aは、完成後の外輪2 よりも厚肉であるので、所定の切削(旋削)加 及び研削加工が施されて、外輪2として完成 する。
 その他の構成及び作用効果については、上 第1~第4実施形態と同様である。

[第6実施形態]
 次に、図16~図18を参照して、本発明に係る 向フランジ部付金属製部材の製造方法の第6 施形態について説明する。なお、本実施形 では、前述の図25に示すような外輪2を熱間 造により造る場合を例にして説明する。ま 、第1~第5実施形態と同一又は同等部分につ ては、図面に同一符号を付してその説明を 略或いは簡略化する。

 本実施形態では、図16の(A)に示す金属製 円柱状の素材13aに、順次、塑性加工又は打 抜き加工を施すことにより、(B)に示す第1中 素材14a、(C)に示す第2中間素材33b、(D)に示す 第3中間素材34bを経て、(E)に示す最終中間素 36bを得て、この最終中間素材36bに、所定の 削加工及び研削加工を施して、外輪2とする なお、本実施形態では、第1中間素材14aが本 発明の素材に相当する。

 以下に、素材13aを最終中間素材36bに加工 る工程について、順番に説明する。なお、 記の加工は、基本的には総て熱間又は温間 行うが、小型の車輪支持用転がり軸受ユニ トを形成する場合等、可能であれば、冷間 行っても良い。

 まず、据え込み工程で、図16の(A)→(B)に すように、素材13aを軸方向に押し潰しつつ 径を拡げ、素材13aを、軸方向中間部が膨ら だビヤ樽型の第1中間素材14aとする。

 次に、本実施形態の特徴である荒成形工 で、図16の(B)→(C)に示すように、第1中間素 14aを第2中間素材33bに塑性加工する。この荒 成形工程は、図17に示す荒成形装置を使用し 行われる。

 この荒成形装置は、それぞれが一対のパ チに相当する押圧パンチ41及びカウンター ンチ42と、可動ダイスに相当する上側ダイス 43と、固定ダイスに相当する下側ダイス44と 押し出しパンチ45と、押圧パンチ41の取付板2 6の下面と上側ダイス43の上面との間に配置さ れ、押圧パンチ41の基端部から中間部に外嵌 れる弾性部材31aと、下側ダイス44の上面で 圧パンチ41の周囲に配置される皿板ばね48と を備える。そして、下側ダイス44の上端面 成形用凹部25aが形成され、上側ダイス43の下 端面と下側ダイス44の上端面との突き合わせ 間にフランジ成形用キャビティ32aが画成さ る。

 そして、本実施形態の上側ダイス43の下 には、外向フランジ部である取付部6に対応 る位置に金属材料が流れ込む溝部53が形成 れており、この溝部53は平面視において円形 状に形成される。なお、溝部53は、上側及び 側ダイス43、44の位相合わせがされる場合に は、上記のように円形状ではなく、取付部6 対応する位置のみに形成されていてもよい

 従って、本実施形態の荒成形工程では、 17に示す荒成形装置を使用して第1中間素材1 4aを塑性加工することにより、上側ダイス43 溝部53に、第2中間素材33bの余肉54が流れ込ん で取付部6が形成される。これにより、第2中 素材33bの取付部6は径方向外側に向かって次 第に板厚が厚くなるように形成される。

 次に、本実施形態の特徴である仕上成形 程で、図16の(C)→(D)に示すように、第2中間 材33bを第3中間素材34bに塑性加工する。この 仕上成形工程は、図18に示す仕上成形装置を 用して行われる。

 この仕上成形装置は、仕上げ用可動ダイ に相当する上側ダイス61と、仕上げ用固定 イスに相当する下側ダイス62と、下側パンチ 63と、押し出しパンチ64と、を備える。

 そして、本実施形態では、下側ダイス62 上端面に成形用凹部25bが形成され、上側ダ ス61の下端面と下側ダイス62の上端面との突 合わせ面間に他のフランジ成形用キャビテ 32bが画成される。また、他のフランジ成形 キャビティ32bの高さh3は、第2中間素材33bの 付部6の基端部の板厚t3と略同一に設定され 。

 従って、本実施形態の仕上成形工程では 図18に示す仕上成形装置を使用して第2中間 材33bを塑性加工することにより、第2中間素 材33bの取付部6が軸方向に押し潰され、第3中 素材34bの取付部6が仕上げ成形される。この ため、他のフランジ成形用キャビティ32bの隅 部まで、十分に金属材料が入り込むので、加 工すべき取付部6の形状が複雑であっても、 リを生じさせることなく、取付部6を確実に 成することができる。

 次に、打ち抜き工程で、図16の(D)→(E)に すように、第3中間素材34bの第1及び第2円形 部38、39間に存在する隔壁部40aを、プレス加 等により打ち抜き除去することにより、第3 中間素材34bを最終中間素材36bとする。

 そして、最終中間素材36bは、完成後の外輪2 よりも厚肉であるので、所定の切削(旋削)加 及び研削加工が施されて、外輪2として完成 する。
 その他の構成及び作用効果については、上 第1~第5実施形態と同様である。

[第7実施形態]
 次に、図19を参照して、本発明に係る外向 ランジ部付金属製部材の製造方法の第7実施 態について説明する。なお、本実施形態で 、前述の図25に示すような外輪2を熱間鍛造 より造る場合を例にして説明する。また、 1~第6実施形態と同一又は同等部分について 、図面に同一符号を付してその説明を省略 いは簡略化する。

 本実施形態では、図19の(A)に示す金属製 円柱状の素材13aに、順次、塑性加工又は打 抜き加工を施すことにより、(B)に示す第1中 素材14a、(C)に示す第2中間素材33b、(D)に示す 第3中間素材34aを経て、(E)に示す最終中間素 36aを得て、この最終中間素材36aに、所定の 削加工及び研削加工を施して、外輪2とする なお、本実施形態では、第1中間素材14aが本 発明の素材に相当する。

 以下に、素材13aを最終中間素材36aに加工 る工程について、順番に説明する。なお、 記の加工は、基本的には総て熱間又は温間 行うが、小型の車輪支持用転がり軸受ユニ トを形成する場合等、可能であれば、冷間 行っても良い。

 まず、据え込み工程で、図19の(A)→(B)に すように、素材13aを軸方向に押し潰しつつ 径を拡げ、素材13aを、軸方向中間部が膨ら だビヤ樽型の第1中間素材14aとする。

 次に、本実施形態の特徴である荒成形工 で、図19の(B)→(C)に示すように、第1中間素 14aを第2中間素材33bに塑性加工する。この荒 成形工程は、図17に示す第6実施形態の荒成形 装置を使用して行われる。

 この荒成形装置は、それぞれが一対のパ チに相当する押圧パンチ41及びカウンター ンチ42と、可動ダイスに相当する上側ダイス 43と、固定ダイスに相当する下側ダイス44と 押し出しパンチ45と、押圧パンチ41の取付板2 6の下面と上側ダイス43の上面との間に配置さ れ、押圧パンチ41の基端部から中間部に外嵌 れる弾性部材31aと、下側ダイス44の上面で 圧パンチ41の周囲に配置される皿板ばね48と を備える。そして、下側ダイス44の上端面 成形用凹部25aが形成され、上側ダイス43の下 端面と下側ダイス44の上端面との突き合わせ 間にフランジ成形用キャビティ32aが画成さ る。

 そして、本実施形態の上側ダイス43の下 には、外向フランジ部である取付部6に対応 る位置に金属材料が流れ込む溝部53が形成 れており、この溝部53は平面視において円形 状に形成される。なお、溝部53は、上側及び 側ダイス43、44の位相合わせがされる場合に は、上記のように円形状ではなく、取付部6 対応する位置のみに形成されていてもよい

 従って、本実施形態の荒成形工程では、 17に示す荒成形装置を使用して第1中間素材1 4aを塑性加工することにより、上側ダイス43 溝部53に、第2中間素材33bの余肉54が流れ込ん で取付部6が形成される。これにより、第2中 素材33bの取付部6は径方向外側に向かって次 第に板厚が厚くなるように形成される。

 次に、本実施形態の特徴である仕上成形 程で、図19の(C)→(D)に示すように、第2中間 材33bを第3中間素材34aに塑性加工する。この 仕上成形工程は、図15に示す第5実施形態の仕 上成形装置を使用して行われる。

 この仕上成形装置は、仕上げ用可動ダイ に相当する上側ダイス61と、仕上げ用固定 イスに相当する下側ダイス62と、下側パンチ 63と、押し出しパンチ64と、を備える。

 そして、本実施形態では、下側ダイス62 上端面に成形用凹部25bが形成され、上側ダ ス61の下端面と下側ダイス62の上端面との突 合わせ面間に他のフランジ成形用キャビテ 32bが画成される。また、他のフランジ成形 キャビティ32bの高さh2は、第2中間素材33bの 付部6の基端部の板厚t3と略同一に設定され 。さらに、本実施形態では、上側ダイス61 下面の取付部6の先端部に対応する位置に金 材料を逃がすための溝部51が形成される。

 従って、本実施形態の仕上成形工程では 図15に示す仕上成形装置を使用して第2中間 材33bを塑性加工することにより、第2中間素 材33bの取付部6が軸方向に押し潰され、上側 イス61の溝部51に第3中間素材34aの取付部6の 肉52が入り込んで、第3中間素材34aの取付部6 仕上げ成形される。このため、他のフラン 成形用キャビティ32bの隅部まで、十分に金 材料が入り込むので、加工すべき取付部6の 形状が複雑であっても、バリを生じさせるこ となく、取付部6を確実に形成することがで る。

 次に、打ち抜き工程で、図19の(D)→(E)に すように、第3中間素材34aの第1及び第2円形 部38、39間に存在する隔壁部40aを、プレス加 等により打ち抜き除去することにより、第3 中間素材34aを最終中間素材36aとする。

 そして、最終中間素材36aは、完成後の外輪2 よりも厚肉であるので、所定の切削(旋削)加 及び研削加工が施されて、外輪2として完成 する。
 その他の構成及び作用効果については、上 第1~第6実施形態と同様である。

[第8実施形態]
 次に、図20を参照して、本発明に係る外向 ランジ部付金属製部材の製造方法の第8実施 態について説明する。なお、本実施形態で 、前述の図25に示すような外輪2を熱間鍛造 より造る場合を例にして説明する。また、 1~第6実施形態と同一又は同等部分について 、図面に同一符号を付してその説明を省略 いは簡略化する。

 本実施形態では、図20の(A)に示す金属製 円柱状の素材13aに、順次、塑性加工又は打 抜き加工を施すことにより、(B)に示す第1中 素材14a、(C)に示す第2中間素材33a、(D)に示す 第3中間素材34bを経て、(E)に示す最終中間素 36bを得て、この最終中間素材36bに、所定の 削加工及び研削加工を施して、外輪2とする なお、本実施形態では、第1中間素材14aが本 発明の素材に相当する。

 以下に、素材13aを最終中間素材36bに加工 る工程について、順番に説明する。なお、 記の加工は、基本的には総て熱間又は温間 行うが、小型の車輪支持用転がり軸受ユニ トを形成する場合等、可能であれば、冷間 行っても良い。

 まず、据え込み工程で、図20の(A)→(B)に すように、素材13aを軸方向に押し潰しつつ 径を拡げ、素材13aを、軸方向中間部が膨ら だビヤ樽型の第1中間素材14aとする。

 次に、本実施形態の特徴である荒成形工 で、図20の(B)→(C)に示すように、第1中間素 14aを第2中間素材33aに塑性加工する。この荒 成形工程は、図14に示す第5実施形態の荒成形 装置を使用して行われる。

 この荒成形装置は、それぞれが一対のパ チに相当する押圧パンチ41及びカウンター ンチ42と、可動ダイスに相当する上側ダイス 43と、固定ダイスに相当する下側ダイス44と 押し出しパンチ45と、押圧パンチ41の取付板2 6の下面と上側ダイス43の上面との間に配置さ れ、押圧パンチ41の基端部から中間部に外嵌 れる弾性部材31aと、下側ダイス44の上面で 圧パンチ41の周囲に配置される皿板ばね48と を備える。そして、下側ダイス44の上端面 成形用凹部25aが形成され、上側ダイス43の下 端面と下側ダイス44の上端面との突き合わせ 間にフランジ成形用キャビティ32aが画成さ る。

 そして、本実施形態では、第2中間素材33a の取付部6の板厚t1が第3中間素材34bの取付部6 板厚t4より若干厚くなるように、フランジ 形用キャビティ32aの高さh1が設定される。

 従って、本実施形態の荒成形工程では、 14に示す荒成形装置を使用して第1中間素材1 4aを塑性加工することにより、第2中間素材33a の取付部6の板厚t1は、第3中間素材34bの取付 6の板厚t4より若干厚く形成される。なお、 の荒成形工程では、フランジ成形用キャビ ィ32aの隅部まで金属材料が入り込む必要は く、隅部にスケールや潤滑材が溜まってい も問題はない。

 次に、本実施形態の特徴である仕上成形 程で、図20の(C)→(D)に示すように、第2中間 材33aを第3中間素材34bに塑性加工する。この 仕上成形工程は、図18に示す第6実施形態の仕 上成形装置を使用して行われる。

 この仕上成形装置は、仕上げ用可動ダイ に相当する上側ダイス61と、仕上げ用固定 イスに相当する下側ダイス62と、下側パンチ 63と、押し出しパンチ64と、を備える。

 そして、本実施形態では、下側ダイス62 上端面に成形用凹部25bが形成され、上側ダ ス61の下端面と下側ダイス62の上端面との突 合わせ面間に他のフランジ成形用キャビテ 32bが画成される。また、他のフランジ成形 キャビティ32bの高さh3は、上記フランジ成 用キャビティ32aの高さh1より小さく設定され る。

 従って、本実施形態の仕上成形工程では 図18に示す仕上成形装置を使用して第2中間 材33aを塑性加工することにより、第2中間素 材33aの取付部6が軸方向に押し潰され、第3中 素材34bの取付部6が仕上げ成形される。この ため、他のフランジ成形用キャビティ32bの隅 部まで、十分に金属材料が入り込むので、加 工すべき取付部6の形状が複雑であっても、 リを生じさせることなく、取付部6を確実に 成することができる。

 次に、打ち抜き工程で、図20の(D)→(E)に すように、第3中間素材34bの第1及び第2円形 部38、39間に存在する隔壁部40aを、プレス加 等により打ち抜き除去することにより、第3 中間素材34bを最終中間素材36bとする。

 そして、最終中間素材36bは、完成後の外輪2 よりも厚肉であるので、所定の切削(旋削)加 及び研削加工が施されて、外輪2として完成 する。
 その他の構成及び作用効果については、上 第1~第6実施形態と同様である。

 以上、本発明を詳細にまた特定の実施態 を参照して説明したが、本発明の精神と範 を逸脱することなく様々な変更や修正を加 ることができることは当業者にとって明ら である。本出願は、2008年1月29日出願の日本 特許出願(特願2008-017166)、2008年9月2日出願の 本特許出願(特願2008-224385)に基づくものであ 、その内容はここに参照として取り込まれ 。