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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR MANUFACTURING STEEL SHEET FOR COLD PRESS AND METHOD FOR MANUFACTURING PRESS COMPONENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175486
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention improves stretch-flange formability of a steel sheet by an individual process according to the material of each of the steel sheets without performing a heating process in a mold. This method for manufacturing a steel sheet for cold press involves heating an end part of a steel sheet in a heating temperature range set in advance in accordance with the structure of the steel sheet, for example, in a heating temperature range of 500-700°C in a case where the main structure is a single phase of martensite, and then performing cooling. In the end part of the steel sheet subjected to a shearing process in a shearing step, a region, which is assessed to be likely to cause stretch-flange cracking when molding is performed through cold press, is obtained and a portion to be heated and cooled is set to the region. In addition, an intended press component is manufactured by performing press molding of the manufactured steel sheet.

Inventors:
NAKAGAWA KINYA (JP)
MATSUKI YUICHI (JP)
SHINMIYA TOYOHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007513
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 25, 2020
Export Citation:
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Assignee:
JFE STEEL CORP (JP)
International Classes:
B21D22/00; B21D22/20; B21D22/26; C21D9/00; C21D9/46
Domestic Patent References:
WO2019131289A12019-07-04
Foreign References:
JP2009061477A2009-03-26
JP2001323318A2001-11-22
US20170333971A12017-11-23
JP2002113527A2002-04-16
JP2019111567A2019-07-11
JP2019073763A2019-05-16
JP2019034755A2019-03-07
JP2019034756A2019-03-07
JP2019034757A2019-03-07
JP2019118512A2019-07-22
JP2019118513A2019-07-22
JP2019118514A2019-07-22
Other References:
See also references of EP 3932579A4
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA Hidetetsu et al. (JP)
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Claims:
\¥0 2020/175486 59 卩(:17 2020 /007513

請求の範囲

[請求項 1 ] 冷間プレス加工が施される冷間プレス用の鋼板の製造方法であって 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん断加工を施すせん断エ 程と、

上記せん断工程でせん断加工を施した上記鋼板の端部のうち、 冷間 プレス加工で成形した際に伸びフランジ割れが発生しやすいと推定さ れる領域を求める解析工程と、

上記鋼板の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる 部位を、 上記鋼板の組織構造に応じて予め設定した加熱温度域に加熱 し冷却する加熱 ·冷却工程と、

を有し、

上記鋼板として主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板を使用 する場合、 上記加熱温度域を 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温度域 に設疋し、

上記鋼板として、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合 組織からなる鋼板、 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板、 主な組 織がフェライ ト単相からなる鋼板、 又は主な組織がフェライ トとパー ライ トの複合組織からなる鋼板のいずれかの鋼板を使用する場合、 上 記加熱温度域を 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温度域に設定し、 上記鋼板として残留オーステナイ トを含む複合組織からなる鋼板を 使用する場合、 上記加熱温度域を 2 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温 度域に設定する、

ことを特徴とする冷間プレス用の鋼板の製造方法。

[請求項 2] 冷間プレス加工が施される冷間プレス用の鋼板の製造方法であって

、 上記鋼板として、 主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板を使 用し、

上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん断加工を施すせん断エ \¥0 2020/175486 60 卩(:170? 2020 /007513

程と、

上記せん断工程でせん断加工を施した上記鋼板の端部のうち、 冷間 プレス加工で成形した際に伸びフランジ割れが発生しやすいと推定さ れる領域を求める解析工程と、

上記鋼板の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる 部位を、 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 · 冷却工程と、

を有することを特徴とする冷間プレス用の鋼板の製造方法。

[請求項 3] 冷間プレス加工が施される冷間プレス用の鋼板の製造方法であって

、 上記鋼板として、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合 組織からなる鋼板を使用し、

上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん断加工を施すせん断エ 程と、

上記せん断工程でせん断加工を施した上記鋼板の端部のうち、 冷間 プレス加工で成形した際に伸びフランジ割れが発生しやすいと推定さ れる領域を求める解析工程と、

上記鋼板の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる 部位を、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 · 冷却工程と、 を有する

ことを特徴とする冷間プレス用の鋼板の製造方法。

[請求項 4] 冷間プレス加工が施される冷間プレス用の鋼板の製造方法であって

、 上記鋼板として、 残留オーステナイ トを含む複合組織からなる鋼板 を使用し、

上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん断加工を施すせん断エ 程と、

上記せん断工程でせん断加工を施した上記鋼板の端部のうち、 冷間 プレス加工で成形した際に伸びフランジ割れが発生しやすいと推定さ れる領域を求める解析工程と、 \¥0 2020/175486 61 卩(:170? 2020 /007513

上記鋼板の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる 部位を、 2 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 · 冷却工程と、 を有する

ことを特徴とする冷間プレス用の鋼板の製造方法。

[請求項 5] 冷間プレス加工が施される冷間プレス用の鋼板の製造方法であって

、 上記鋼板として、 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板を使用し \

上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん断加工を施すせん断エ 程と、

上記せん断工程でせん断加工を施した上記鋼板の端部のうち、 冷間 プレス加工で成形した際に伸びフランジ割れが発生しやすいと推定さ れる領域を求める解析工程と、

上記鋼板の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる 部位を、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 · 冷却工程と、

を有することを特徴とする冷間プレス用の鋼板の製造方法。

[請求項 6] 冷間プレス加工が施される冷間プレス用の鋼板の製造方法であって

、 上記鋼板として、 主な組織がフェライ ト単相からなる鋼板を使用し \

上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん断加工を施すせん断エ 程と、

上記せん断工程でせん断加工を施した上記鋼板の端部のうち、 冷間 プレス加工で成形した際に伸びフランジ割れが発生しやすいと推定さ れる領域を求める解析工程と、

上記鋼板の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる 部位を、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 · 冷却工程と、

を有することを特徴とする冷間プレス用の鋼板の製造方法。 \¥0 2020/175486 62 卩(:170? 2020 /007513

[請求項 7] 冷間プレス加工が施される冷間プレス用の鋼板の製造方法であって 、 上記鋼板として、 主な組織がフェライ トとパーライ トの複合組織か らなる鋼板を使用し、

上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん断加工を施すせん断エ 程と、

上記せん断工程でせん断加工を施した上記鋼板の端部のうち、 冷間 プレス加工で成形した際に伸びフランジ割れが発生しやすいと推定さ れる領域を求める解析工程と、

上記鋼板の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる 部位を、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 · 冷却工程と、

を有することを特徴とする冷間プレス用の鋼板の製造方法。

[請求項 8] 上記加熱 ·冷却工程で加熱する端部は、 上記鋼板の端面から 2 0

以下の範囲とすることを特徴とする請求項 1 〜請求項 7のいずれか 1項に記載した冷間プレス用の鋼板の製造方法。

[請求項 9] 上記加熱 ·冷却工程で加熱する加熱領域の範囲を、 上記加熱 ·冷却 工程での加熱温度に応じて設定することを特徴とする請求項 1 〜請求 項 8のいずれか 1項に記載した冷間プレス用の鋼板の製造方法。

[請求項 1 0] 請求項 1 〜請求項 9のいずれか 1項に記載の冷間プレス用の鋼板の 製造方法で製造された 1枚の板材からなる鋼板を、 伸びフランジ成形 を含む冷間プレス加工を施してプレス部品を製造するプレス部品の製 造方法。

[請求項 1 1 ] 鋼板に冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形状のプレス部品 を製造するプレス部品の製造方法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1 の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、 \¥0 2020/175486 63 卩(:170? 2020 /007513

上記第 1 の工程の前に、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせ ん断加工を施すせん断工程と、

上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的 のプレス部品形状にプレス成形した際に、 伸びフランジ割れが発生し やすいと推定される領域を求める解析工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記第 1 の工程で成形した中間部品の端部 のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 上記鋼板 の組織構造に応じて予め設定した加熱温度域に加熱し冷却する加熱 · 冷却工程と、

を有し、

上記鋼板として主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板を使用 する場合、 上記加熱温度域を 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温度域 に設疋し、

上記鋼板として、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合 組織からなる鋼板、 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板、 主な組 織がフェライ ト単相からなる鋼板、 又は主な組織がフェライ トとパー ライ トの複合組織からなる鋼板のいずれかの鋼板を使用する場合、 上 記加熱温度域を 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温度域に設定し、 上記鋼板として残留オーステナイ トを含む複合組織からなる鋼板を 使用する場合、 上記加熱温度域を 2 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温 度域に設定する、

ことを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 12] 鋼板に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形状のプレス部 品を製造するプレス部品の製造方法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1 の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、 \¥0 2020/175486 64 卩(:170? 2020 /007513

上記第 2の工程の前に、 上記中間部品の少なくとも一部の端部に対 しせん断加工を施すせん断工程と、

上記せん断加工が施された後の上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形した際 に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定される領域を求める解析 工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の 端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 上記 鋼板の組織構造に応じて予め設定した加熱温度域に加熱し冷却する加 熱 ·冷却工程と、

を有し、

上記鋼板として主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板を使用 する場合、 上記加熱温度域を 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温度域 に設疋し、

上記鋼板として、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合 組織からなる鋼板、 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板、 主な組 織がフェライ ト単相からなる鋼板、 又は主な組織がフェライ トとパー ライ トの複合組織からなる鋼板のいずれかの鋼板を使用する場合、 上 記加熱温度域を 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温度域に設定し、 上記鋼板として残留オーステナイ トを含む複合組織からなる鋼板を 使用する場合、 上記加熱温度域を 2 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温 度域に設定する、

ことを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 13] 主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板に、 冷間プレス加工を 施して目的のプレス部品形状のプレス部品を製造するプレス部品の製 造方法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す \¥0 2020/175486 65 卩(:170? 2020 /007513

る第 2の工程と、 を備え、

更に、

上記第 1の工程の前に、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせ ん断加工を施すせん断工程と、

上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的 のプレス部品形状にプレス成形した際に、 伸びフランジ割れが発生し やすいと推定される領域を求める解析工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記第 1の工程で成形した中間部品の端部 のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 5 0 0 °〇 以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 14] 主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板に、 冷間プレス加工を 施して目的のプレス部品形状のプレス部品を製造するプレス部品の製 造方法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、

上記第 2の工程の前に、 上記中間部品の少なくとも一部の端部に対 しせん断加工を施すせん断工程と、

上記せん断加工が施された後の上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形した際 に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定される領域を求める解析 工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の 端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを特徴とするプレス部品の製造方法。 \¥0 2020/175486 66 卩(:170? 2020 /007513

[請求項 15] 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる鋼板 に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形状のプレス部品を製 造するプレス部品の製造方法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、

上記第 1の工程の前に、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせ ん断加工を施すせん断工程と、

上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的 のプレス部品形状にプレス成形した際に、 伸びフランジ割れが発生し やすいと推定される領域を求める解析工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記第 1の工程で成形した中間部品の端部 のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 4 0 0 °〇 以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 16] 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる鋼板 に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形状のプレス部品を製 造するプレス部品の製造方法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、

上記第 2の工程の前に、 上記中間部品の少なくとも一部の端部に対 しせん断加工を施すせん断工程と、

上記せん断加工が施された後の上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形した際 に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定される領域を求める解析 \¥0 2020/175486 67 卩(:170? 2020 /007513

工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の 端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 17] 残留オーステナイ トを含む複合組織からなる鋼板に、 冷間プレス加 エを施して目的のプレス部品形状のプレス部品を製造するプレス部品 の製造方法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1 の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、

上記第 1 の工程の前に、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせ ん断加工を施すせん断工程と、

上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的 のプレス部品形状にプレス成形した際に、 伸びフランジ割れが発生し やすいと推定される領域を求める解析工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記第 1 の工程で成形した中間部品の端部 のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 2 0 0 °〇 以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 18] 残留オーステナイ トを含む複合組織からなる鋼板に、 冷間プレス加 エを施して目的のプレス部品形状のプレス部品を製造するプレス部品 の製造方法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1 の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、 \¥0 2020/175486 68 卩(:170? 2020 /007513

上記第 2の工程の前に、 上記中間部品の少なくとも一部の端部に対 しせん断加工を施すせん断工程と、

上記せん断加工が施された後の上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形した際 に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定される領域を求める解析 工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の 端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 2 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 19] 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板に、 冷間プレス加工を施し て目的のプレス部品形状のプレス部品を製造するプレス部品の製造方 法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、

上記第 1の工程の前に、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせ ん断加工を施すせん断工程と、

上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的 のプレス部品形状にプレス成形した際に、 伸びフランジ割れが発生し やすいと推定される領域を求める解析工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記第 1の工程で成形した中間部品の端部 のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 4 0 0 °〇 以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 20] 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板に、 冷間プレス加工を施し て目的のプレス部品形状のプレス部品を製造するプレス部品の製造方 \¥0 2020/175486 69 卩(:170? 2020 /007513

法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、

上記第 2の工程の前に、 上記中間部品の少なくとも一部の端部に対 しせん断加工を施すせん断工程と、

上記せん断加工が施された後の上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形した際 に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定される領域を求める解析 工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の 端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 21 ] 主な組織がフェライ ト単相からなる鋼板に、 冷間プレス加工を施し て目的のプレス部品形状のプレス部品を製造するプレス部品の製造方 法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、

上記第 1の工程の前に、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせ ん断加工を施すせん断工程と、

上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的 のプレス部品形状にプレス成形した際に、 伸びフランジ割れが発生し やすいと推定される領域を求める解析工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記第 1の工程で成形した中間部品の端部 \¥0 2020/175486 70 卩(:170? 2020 /007513

のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 4 0 0 °〇 以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 22] 主な組織がフェライ ト単相からなる鋼板に、 冷間プレス加工を施し て目的のプレス部品形状のプレス部品を製造するプレス部品の製造方 法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、

上記第 2の工程の前に、 上記中間部品の少なくとも一部の端部に対 しせん断加工を施すせん断工程と、

上記せん断加工が施された後の上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形した際 に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定される領域を求める解析 工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の 端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 23] 主な組織がフェライ トとパーライ トの複合組織からなる鋼板に、 冷 間プレス加工を施して目的のプレス部品形状のプレス部品を製造する プレス部品の製造方法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、

上記第 1の工程の前に、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせ \¥0 2020/175486 71 卩(:170? 2020 /007513

ん断加工を施すせん断工程と、

上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的 のプレス部品形状にプレス成形した際に、 伸びフランジ割れが発生し やすいと推定される領域を求める解析工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記第 1の工程で成形した中間部品の端部 のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 4 0 0 °〇 以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 24] 主な組織がフェライ トとパーライ トの複合組織からなる鋼板に、 冷 間プレス加工を施して目的のプレス部品形状のプレス部品を製造する プレス部品の製造方法であって、

上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する 第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形す る第 2の工程と、 を備え、

更に、

上記第 2の工程の前に、 上記中間部品の少なくとも一部の端部に対 しせん断加工を施すせん断工程と、

上記せん断加工が施された後の上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成形した際 に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定される領域を求める解析 工程と、

上記第 2の工程の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の 端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを特徴とするプレス部品の製造方法。

[請求項 25] 上記加熱 ·冷却工程で加熱する端部は、 上記鋼板の端面から 2 0

以下の範囲とすることを特徴とする請求項 1 1〜請求項 2 4のいず れか 1項に記載したプレス部品の製造方法。 \¥0 2020/175486 72 卩(:170? 2020 /007513

[請求項 26] 上記加熱 ·冷却工程で加熱する加熱領域の範囲を、 上記加熱 ·冷却 工程での加熱温度に応じて設定することを特徴とする請求項 1 1〜請 求項 2 5のいずれか 1項に記載したプレス部品の製造方法。

Description:
\¥02020/175486 1 ?€1/^2020/007513

明 細 書

発明の名称 :

冷間プレス用の鋼板の製造方法、 及びプレス部品の製造方法

技術分野

[0001 ] 本発明は、 冷間プレス用の鋼板の製造方法、 及びプレス部品の製造方法に 関する。 本発明は、 特に、 高強度鋼板からなるプレス部品に好適な技術 に関 する。

背景技術

[0002] 現在、 自動車には軽量化による燃費向上と衝突安全 性の向上が求められ、 車体の軽量化と衝突時の搭乗者保護とを両立 する目的で、 車体に高強度鋼板 が使用されている。 近年では、 特に引張強度 9 8 3 以上の超高強度鋼 板が車体の構造部材に適用されるようになっ ている。 超高強度鋼板のプレス 成形における課題の一つに、 伸びフランジ割れが挙げられる。 伸びフランジ 割れには端面の加工状態が大きく関わってお り、 端面の加工硬化量が小さい ほど、 一般的に伸びフランジ成形性は向上する。 ブランク材を目的の形状に 作製後、 端面を機械研削することにより、 端面の加工硬化量を最小限にする ことが可能である。 しかし、 機械研削は量産性が著しく低い。 そのため量産 性の観点から、 一般にブランク材を目的の形状に作製する際 には、 せん断加 エが採用される。

このとき、 せん断加工により、 せん断端面には大きなひずみが導入され、 加工硬化量が非常に大きくなり靱性が低下す る。

例えば、 マルテンサイ ト単相から構成される高強度鋼板は、 組織が非常に 硬質であり導入される加工硬化量が大きく、 靭性低下の傾向が顕著となるた め、 せん断加工後の鋼板の伸びフランジ成形性は 著しく低くなる。

[0003] また、 高強度鋼板の中でも、 マルテンサイ トとフェライ トを主とする複合 組織で構成される高強度鋼板は、 強度を硬質なマルテンサイ ト相で受け持ち 、 伸びを軟質なフェライ ト相で受け持つことによって高い強度一伸び バラン \¥0 2020/175486 2 卩(:170? 2020 /007513

スを得ることができることが知られている 。 しかし伸びフランジ成形を含む プレス成形を行う際には、 マルテンサイ ト相とフェライ ト相との硬度の差が 大きい。 このため、 複合組織で構成される鋼板を用いた場合、 マルテンサイ 卜相とフェライ ト相の界面にひずみが集中して割れが発生し 、 伸びフランジ 成形性が低くなる。 更に、 端面がせん断加工されている場合は端面が加 工硬 化しており靱性が低下しているため、 せん断加工後の鋼板の伸びフランジ性 は著しく低くなる。

[0004] また、 残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される高強度鋼板 は、 成形中に残留オーステナイ ト相が変形した後に硬質なマルテンサイ ト相に変 態することで、 変形の際のひずみが分散され非常に高い伸び を得ることがで きる。 しかし、 残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される高強度鋼 板は、 オーステナイ ト相からマルテンサイ ト相への変態の際の体積変化に伴 う結晶粒界への応力集中、 マルテンサイ ト相に変態し硬度が高くなることに より生じる周囲の組織との硬度差増大に伴う 結晶粒界へのひずみ集中などが 発生する傾向がある。 この傾向から、 残留オーステナイ トを含む複合組織か ら構成される高強度鋼板は、 伸びフランジ成形性が低いという課題がある 。 特に伸びフランジ割れ懸念部位がせん断加工 面であった場合、 せん断加工時 に才ーステナイ トがマルテンサイ トに変態するため、 せん断端面の加工性が 低下し、 より伸びフランジ成形性が悪化する。

[0005] ここで、 高強度鋼板の加工性を向上させる技術として は、 例えば特許文献

1のようなホッ トスタンビング技術がある。 この技術は、 鋼板を所定温度ま で加熱し軟化させ、 その後鋼板をその温度に保持しつつ金型に投 入し、 成形 と焼き入れを同時に行う技術である。 この技術では、 加工時には鋼板が軟質 であるため割れは発生せず、 加工後には焼きの入った硬質な製品を得るこ と ができる。

また、 特許文献 2には、 鋼板を部分的に再結晶温度以上 (8 0 0 ° 〇以上) まで加熱することで、 鋼板を局所的に軟化させ成形性を向上させる 技術が開 示されている。 \¥0 2020/175486 3 卩(:17 2020 /007513 先行技術文献

特許文献

[0006] 特許文献 1 :特許第 5 9 0 2 9 3 9号公報

特許文献 2 :特開平 9 - 1 4 3 5 5 4号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007] しかし、 特許文献 1 に記載の技術は、 鋼板を所定温度まで加熱し、 その温 度で鋼板を金型に投入することが必要である 。 このため、 特許文献 1では、 製造ライン内に、 炉、 又はそれに準じる加熱装置を設け、 更には、 高温の鋼 板を炉から金型内へ移動させる装置が必要と なり、 コストが掛かる。 また、 特許文献 1では、 鋼板を加熱するのに時間が必要なことに加え 、 型内で焼き 入れを行う必要があるため、 金型内での保持時間が必要となる。 更には、 特 許文献 1では、 成形後に金型を冷却する時間も確保する必要 があり、 時間的 コストも大きい。

また、 特許文献 2に記載の技術では、 再結晶により脆性が低下するため伸 びフランジ割れに対しては効果が低いという 課題がある。

このように、 従来、 高強度鋼板の伸びフランジ成形性の改善が課 題となつ ている。

[0008] 本発明は、 上記課題を解決すべく考案したものであり、 金型内での材料加 熱を行うことなく、 鋼板の伸びフランジ成形性を向上させること を目的とす る。

課題を解決するための手段

[0009] 発明者は、 鋼板の端部を加熱し冷却する際に、 その鋼板の材料に応じて個 別に加熱温度域を適切に設定することで、 伸びフランジ成形性を向上させる ことができることを発見した。 すなわち、 鋼板の組織構造に応じた加熱処理 を個別に施すことで、 プレス部品の伸びフランジ成形性が向上する との知見 を得た。 \¥0 2020/175486 4 卩(:170? 2020 /007513

[0010] すなわち、 課題を解決するために、 本発明の一態様は、 冷間プレス加工が 施される冷間プレス用の鋼板の製造方法であ って、 上記鋼板の少なくとも一 部の端部に対しせん断加工を施すせん断工程 と、 上記せん断工程でせん断加 エを施した上記鋼板の端部のうち、 冷間プレス加工で成形した際に伸びフラ ンジ割れが発生しやすいと推定される領域を 求める解析工程と、 上記鋼板の 端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部 位を、 上記鋼板の 組織構造に応じて予め設定した加熱温度域に 加熱し冷却する加熱 ·冷却工程 と、 を有し、 上記鋼板として主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板を 使用する場合、 上記加熱温度域を 5 0 0 ° 〇以上 7 0 0 ° 〇以下の加熱温度域に 設定し、 上記鋼板として、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合 組織からなる鋼板、 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板、 主な組織がフ ェライ ト単相からなる鋼板、 又は主な組織がフェライ トとパーライ トの複合 組織からなる鋼板のいずれかの鋼板を使用す る場合、 上記加熱温度域を 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温度域に設定し、 上記鋼板として残留オーステ ナイ トを含む複合組織からなる鋼板を使用する場 合、 上記加熱温度域を 2 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温度域に設定する、 ことを要旨とする。

[001 1 ] また、 本発明の他の態様は、 鋼板に冷間プレス加工を施して目的のプレス 部 品形状のプレス部品を製造するプレス部品の 製造方法であって、 上記冷間プ レス加工として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する第 1の工程と、 上記 中間部品を目的のプレス部品形状にプレス成 形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上記第 1の工程の前に、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん 断加工を施すせん断工程と、 上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレ ス成形した際に、 伸びフランジ 割れが発生しやすいと推定される領域を求め る解析工程と、 上記第 2の工程 の前に、 上記第 1の工程で成形した中間部品の端部のうち、 上記解析工程で 求めた上記領域に含まれる部位を、 上記鋼板の組織構造に応じて予め設定し た加熱温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有し、 上記鋼板として 主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板を使用する場合、 上記加熱温度 \¥0 2020/175486 5 卩(:170? 2020 /007513

域を 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温度域に設定し、 上記鋼板として、 主 な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる鋼板、 主な組織 がベイナイ ト単相からなる鋼板、 主な組織がフェライ ト単相からなる鋼板、 又は主な組織がフェライ トとパーライ トの複合組織からなる鋼板のいずれか の鋼板を使用する場合、 上記加熱温度域を 4 0 0 ° 〇以上 7 0 0 ° 〇以下の加熱 温度域に設定し、 上記鋼板として残留オーステナイ トを含む複合組織からな る鋼板を使用する場合、 上記加熱温度域を 2 0 0 ° 〇以上 7 0 0 ° 〇以下の加熱 温度域に設定する、 ことを要旨とする。

[0012] また、 本発明の他の態様は、 主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板 に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形 状のプレス部品を製造する プレス部品の製造方法であって、 上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中 間部品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形 状にプレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上記第 2の工程の前に、 上記中間部品の少なくとも一部の端部に対し せん断加工を施すせん断工程と 、 上記せん断加工が施された後の上記中間部品 の端部のうち、 上記第 2のエ 程で上記中間部品を目的のプレス部品形状に プレス成形した際に、 伸びフラ ンジ割れが発生しやすいと推定される領域を 求める解析工程と、 上記第 2の 工程の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の端 部のうち、 上記解 析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 上記鋼板の組織構造に応じて予 め設定した温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有し、 上記鋼板と して主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板を使用する場合、 上記加熱 温度域を 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の加熱温度域に設定し、 上記鋼板として 、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる鋼板、 主な 組織がベイナイ ト単相からなる鋼板、 主な組織がフェライ ト単相からなる鋼 板、 又は主な組織がフェライ トとパーライ トの複合組織からなる鋼板のいず れかの鋼板を使用する場合、 上記加熱温度域を 4 0 0 ° 〇以上 7 0 0 ° 〇以下の 加熱温度域に設定し、 上記鋼板として残留オーステナイ トを含む複合組織か らなる鋼板を使用する場合、 上記加熱温度域を 2 0 0 ° 〇以上 7 0 0 ° 〇以下の \¥0 2020/175486 6 卩(:170? 2020 /007513

加熱温度域に設定する、 ことを要旨とする。

[0013] また、 本発明の他の態様は、 冷間プレス加工が施される冷間プレス用の鋼 板の製造方法であって、 上記鋼板として、 主な組織がマルテンサイ ト単相か らなる鋼板を使用し、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん 断加工を 施すせん断工程と、 上記せん断工程でせん断加工を施した鋼板の 端部のうち 、 冷間プレス加工で成形した際に伸びフランジ 割れが発生しやすいと推定さ れる領域を求める解析工程と、 上記鋼板の端部のうち、 上記解析工程で求め た上記領域に含まれる部位を、 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し 冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを要旨とする。

[0014] また、 本発明の他の態様は、 主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板 に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形 状のプレス部品を製造する プレス部品の製造方法であって、 上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中 間部品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形 状にプレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上記第 1の工程の前に、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん 断加工を施すせん断工程と、 上 記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレス部 品形状にプレス成形した際に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定され る領域を求める解析工程と、 上記第 2の工程の前に、 上記第 1の工程で成形 した中間部品の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部 位 を、 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と 、 を有することを要旨とする。

[0015] また、 本発明の他の態様は、 主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板 に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形 状のプレス部品を製造する プレス部品の製造方法であって、 上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中 間部品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形 状にプレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上記第 2の工程の前に、 上記中間部品の少なくとも一部の端部に対し せん断加工を施すせん断工程と 、 上記せん断加工が施された後の上記中間部品 の端部のうち、 上記第 2のエ \¥0 2020/175486 7 卩(:170? 2020 /007513

程で上記中間部品を目的のプレス部品形状 にプレス成形した際に、 伸びフラ ンジ割れが発生しやすいと推定される領域を 求める解析工程と、 上記第 2の 工程の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の端 部のうち、 上記解 析工程で求めた上記領域に含まれる部位を、 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温 度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを要旨とする。

[0016] また、 本発明の他の態様は、 冷間プレス加工が施される冷間プレス用の鋼 板の製造方法であって、 上記鋼板として、 主な組織がマルテンサイ トとフェ ライ トとの複合組織からなる鋼板を使用し、 上記鋼板の少なくとも一部の端 部に対しせん断加工を施すせん断工程と、 上記せん断工程でせん断加工を施 した上記鋼板の端部のうち、 冷間プレス加工で成形した際に伸びフランジ 割 れが発生しやすいと推定される領域を求める 解析工程と、 上記鋼板の端部の うち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部 位を、 4 0 0 ° 〇以上 7 0 0 ° 〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを要旨 とする。

[0017] また、 本発明の他の態様は、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの 複合組織からなる鋼板に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形 状の プレス部品を製造するプレス部品の製造方法 であって、 上記冷間プレス加工 として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品 を目的のプレス部品形状にプレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上 記第 1の工程の前に、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん 断加工を 施すせん断工程と、 上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間 部品を目的のプレス部品形状にプレス成形し た際に、 伸びフランジ割れが発 生しやすいと推定される領域を求める解析工 程と、 上記第 2の工程の前に、 上記第 1の工程で成形した中間部品の端部のうち、 上記解析工程で求めた上 記領域に含まれる部位を、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却 する加熱 ·冷却工程と、 を有することを要旨とする。

[0018] また、 本発明の他の態様は、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの 複合組織からなる鋼板に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形 状の \¥0 2020/175486 8 卩(:170? 2020 /007513

プレス部品を製造するプレス部品の製造方 法であって、 上記冷間プレス加工 として、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品 を目的のプレス部品形状にプレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上 記第 2の工程の前に、 上記中間部品の少なくとも一部の端部に対し せん断加 エを施すせん断工程と、 上記せん断加工が施された後の上記中間部品 の端部 のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレス部品 状にプレス成 形した際に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定され る領域を求める解 析工程と、 上記第 2の工程の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品 の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部 位を、 4 0 0 ° 〇 以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有するこ とを要旨とする。

[0019] また、 本発明の他の態様は、 冷間プレス加工が施される冷間プレス用の鋼 板の製造方法であって、 上記鋼板として、 残留オーステナイ トを含む複合組 織からなる鋼板を使用し、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん 断加 エを施すせん断工程と、 上記せん断工程でせん断加工を施した上記鋼 板の端 部のうち、 冷間プレス加工で成形した際に伸びフランジ 割れが発生しやすい と推定される領域を求める解析工程と、 上記鋼板の端部のうち、 上記解析エ 程で求めた上記領域に含まれる部位を、 2 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域 に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを要旨とする。

[0020] また、 本発明の他の態様は、 残留オーステナイ トを含む複合組織からなる 鋼板に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形 状のプレス部品を製造 するプレス部品の製造方法であって、 上記冷間プレス加工として、 上記鋼板 を中間部品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部 品形状にプレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上記第 1の工程の前 に、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん 断加工を施すせん断工程と 、 上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレ ス部品形状にプレス成形した際に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定 される領域を求める解析工程と、 上記第 2の工程の前に、 上記第 1の工程で \¥0 2020/175486 9 卩(:170? 2020 /007513

成形した中間部品の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる 部位を、 2 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却エ 程と、 を有することを要旨とする。

[0021 ] また、 本発明の他の態様は、 残留オーステナイ トを含む複合組織からなる 鋼板に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形 状のプレス部品を製造 するプレス部品の製造方法であって、 上記冷間プレス加工として、 上記鋼板 を中間部品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部 品形状にプレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上記第 2の工程の前 に、 上記中間部品の少なくとも一部の端部に対し せん断加工を施すせん断エ 程と、 上記せん断加工が施された後の上記中間部品 の端部のうち、 上記第 2 の工程で上記中間部品を目的のプレス部品形 状にプレス成形した際に、 伸び フランジ割れが発生しやすいと推定される領 域を求める解析工程と、 上記第 2の工程の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の端 部のうち、 上 記解析工程で求めた上記領域に含まれる部位 を、 2 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下 の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを要旨とする。

[0022] また、 本発明の他の態様は、 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形 状のプレス部品を製造するプレ ス部品の製造方法であって、 上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部 品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状に プレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上記第 1の工程の前に、 上記 鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん断加 工を施すせん断工程と、 上記中 間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレス部品 状にプレス成形した際に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定され る領 域を求める解析工程と、 上記第 2の工程の前に、 上記第 1の工程で成形した 中間部品の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部 位を、

4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を 有することを要旨とする。

[0023] また、 本発明の他の態様は、 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板に、 \¥0 2020/175486 10 卩(:170? 2020 /007513

冷間プレス加工を施して目的のプレス部品 形状のプレス部品を製造するプレ ス部品の製造方法であって、 上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部 品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状に プレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上記第 2の工程の前に、 上記 中間部品の少なくとも一部の端部に対しせん 断加工を施すせん断工程と、 上 記せん断加工が施された後の上記中間部品の 端部のうち、 上記第 2の工程で 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレ ス成形した際に、 伸びフランジ 割れが発生しやすいと推定される領域を求め る解析工程と、 上記第 2の工程 の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の端 部のうち、 上記解析エ 程で求めた上記領域に含まれる部位を、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域 に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを要旨とする。

[0024] また、 本発明の他の態様は、 主な組織がフェライ ト単相からなる鋼板に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形 状のプレス部品を製造するプレ ス部品の製造方法であって、 上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部 品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状に プレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上記第 1の工程の前に、 上記 鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん断加 工を施すせん断工程と、 上記中 間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレス部品 状にプレス成形した際に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定され る領 域を求める解析工程と、 上記第 2の工程の前に、 上記第 1の工程で成形した 中間部品の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部 位を、

4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を 有することを要旨とする。

[0025] また、 本発明の他の態様は、 主な組織がフェライ ト単相からなる鋼板に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形 状のプレス部品を製造するプレ ス部品の製造方法であって、 上記冷間プレス加工として、 上記鋼板を中間部 品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品を目的のプレス部品形状に プレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上記第 2の工程の前に、 上記 \¥0 2020/175486 1 1 卩(:170? 2020 /007513

中間部品の少なくとも一部の端部に対しせ ん断加工を施すせん断工程と、 上 記せん断加工が施された後の上記中間部品の 端部のうち、 上記第 2の工程で 上記中間部品を目的のプレス部品形状にプレ ス成形した際に、 伸びフランジ 割れが発生しやすいと推定される領域を求め る解析工程と、 上記第 2の工程 の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の端 部のうち、 上記解析エ 程で求めた上記領域に含まれる部位を、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域 に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを要旨とする。

[0026] また、 本発明の他の態様は、 主な組織がフェライ トとパーライ トの複合組 織からなる鋼板に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形 状のプレス 部品を製造するプレス部品の製造方法であっ て、 上記冷間プレス加工として 、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品を目的 のプレス部品形状にプレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上記第 1 の工程の前に、 上記鋼板の少なくとも一部の端部に対しせん 断加工を施すせ ん断工程と、 上記中間部品の端部のうち、 上記第 2の工程で上記中間部品を 目的のプレス部品形状にプレス成形した際に 、 伸びフランジ割れが発生しや すいと推定される領域を求める解析工程と、 上記第 2の工程の前に、 上記第 1の工程で成形した中間部品の端部のうち、 上記解析工程で求めた上記領域 に含まれる部位を、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加 熱 ·冷却工程と、 を有することを要旨とする。

[0027] また、 本発明の他の態様は、 主な組織がフェライ トとパーライ トの複合組 織からなる鋼板に、 冷間プレス加工を施して目的のプレス部品形 状のプレス 部品を製造するプレス部品の製造方法であっ て、 上記冷間プレス加工として 、 上記鋼板を中間部品にプレス成形する第 1の工程と、 上記中間部品を目的 のプレス部品形状にプレス成形する第 2の工程と、 を備え、 更に、 上記第 2 の工程の前に、 上記中間部品の少なくとも一部の端部に対し せん断加工を施 すせん断工程と、 上記せん断加工が施された後の上記中間部品 の端部のうち 、 上記第 2の工程で上記中間部品を目的のプレス部品 状にプレス成形した 際に、 伸びフランジ割れが発生しやすいと推定され る領域を求める解析工程 \¥0 2020/175486 12 卩(:170? 2020 /007513

と、 上記第 2の工程の前に、 上記せん断加工が施された上記中間部品の端 部 のうち、 上記解析工程で求めた上記領域に含まれる部 位を、 4 0 0 ° 〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱し冷却する加熱 ·冷却工程と、 を有することを要 旨とする。

発明の効果

[0028] 本発明の態様によれば、 鋼板の材料 (組織構造) に応じた加熱処理を個別 に施すことで、 鋼板の伸びフランジ成形性を向上させること ができる。 この 結果、 本発明の態様によれば、 例えば、 主な組織がマルテンサイ ト単相から なる高強度鋼板、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織から なる高強度鋼板、 残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される高強度 鋼板、 主な組織がベイナイ ト単相からなる高強度鋼板、 主な組織がフェライ 卜単相からなる高強度鋼板 (析出強化鋼) 、 又は主な組織がフェライ トとパ —ライ トの複合組織から構成される高強度鋼板を使 用して、 自動車のパネル 部品、 構造 ·骨格部品等の各種部品を 1段又は 2段以上のプレス成形による 冷間加工で成形しても、 伸びフランジ割れを抑制することが可能とな る。 図面の簡単な説明

[0029] [図 1]本発明に基づく第 1実施形態に係るプレス部品の製造工程を示 図であ る。

[図 2]本発明に基づく第 1実施形態に係る加熱 ·冷却工程を説明する図である

[図 3]加熱方法の例を示す図である。

[図 4]加熱方法の例を示す図である。

[図 5]加熱方法の例を示す図である。

[図 6]加熱方法の例を示す図である。

[図 7]本発明に基づく第 1実施形態に係る解析領域 (伸びフランジ割れが発生 しやすいと推定される領域) の例を示す図である。

[図 8]本発明に基づく第 1実施形態に係る加熱 ·冷却工程、 プレス加工工程の 処理例を示す図である。 \¥0 2020/175486 13 卩(:170? 2020 /007513

[図 9]本発明に基づく第 2実施形態に係るプレス部品の製造方法の処 ブロツ クを示す図である。

[図 10]本発明に基づく第 2実施形態に係るプレス部品の製造方法の処 例を 説明する図である。

[図 1 1]本発明に基づく第 3実施形態に係るプレス部品の製造方法の処 ブロ ツクを示す図である。

[図 12]本発明に基づく第 2実施形態に係るプレス部品の製造方法の処 例を 説明する図である。

[図 13]伸びフランジ割れが発生する領域の一例 説明する図であり、 ( 3 ) が鋼板 (ブランク材) を、 (匕) が、 プレス成形後のプレス部品を示す。

[図 14]試験片を示す図である。

[図 15]穴広げ試験の概要を説明する図である。

[図 16]主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板の場合における、 加熱 · 冷却工程での加熱温度と穴広げ性改善率との 関係を示す図である。

[図 17]主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる鋼板の 場合における、 加熱 ·冷却工程での加熱温度と穴広げ性改善率と 関係を示 す図である。

[図 18]残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される鋼板の場合 におけ る、 加熱 ·冷却工程での加熱温度と穴広げ性改善率と 関係を示す図である

[図 19]主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板の場合における、 加熱 ·冷却 工程での加熱温度と穴広げ性改善率との関係 を示す図である。

[図 20]主な組織がフェライ ト単相からなる鋼板の場合における、 加熱 ·冷却 工程での加熱温度と穴広げ性改善率との関係 を示す図である。

[図 21]主な組織がフェライ トとパーライ トとの複合組織からなる鋼板の場合 における、 加熱 ·冷却工程での加熱温度と穴広げ性改善率と 関係を示す図 である。

発明を実施するための形態 \¥0 2020/175486 14 卩(:170? 2020 /007513

[0030] 次に、 本発明の実施形態について図面を参照して説 明する。

1 . 第 1実施形態

まず、 第 1実施形態について説明する。

本実施形態におけるプレス部品の製造方法は 、 図 1 に示すように、 鋼板製 造工程 1 とプレス加工工程 2とを備える。 鋼板製造工程 1は、 図 2に示すよ うに、 せん断工程 1 、 加熱 ·冷却工程 1 巳をこの順に実施する。

また、 本実施形態におけるプレス部品の製造方法は 、 解析工程を構成する 、 伸びフランジ割れ領域推定処理 3を有する。

[0031 ] 本実施形態は、 鋼板の引張強度が 4 4〇[^ 9 3 以上、 更には 9 8 0 1\/1 ? 3 以上の高強度鋼板からなる鋼板の場合に特に 効果的である。 ただし、 本実施 形態は、 引張強度が 4 4 0 IV! 3 未満の鋼板であっても適用することがで き る。

[0032] <せん断工程 1 八>

せん断工程 1 は、 圧延その他で形成された 1枚の板材からなる鋼板を、 予め設定したブランク材形状にトリムしたり 、 バーリング加工などのせん断 により開口部を形成したりして目的の形状か らなる、 単一の鋼板 (ブランク 材) を得る工程である。

本実施形態で [単 _ の鋼板] とは、 複数の板を溶接で接合した集合ブラン ク材ではなく、 同一の金属材料からなる鋼板であることを意 味する。

ここで、 せん断加工で鋼板を切断した場合、 機械加工で作製した端面より も端面のダメージが大きく、 不均一な端面状態になるため、 伸びフランジ成 形性が低下する。

また、 せん断する部分は、 鋼板の一部だけであっても良い。 なお、 プレス 加工工程 2の後に、 又はプレス加工工程 2中に端面の整形を行う別のせん断 処理を有しても良い。

[0033] <伸びフランジ割れ領域推定処理 3 >

伸びフランジ割れ領域推定処理 3は、 せん断工程 1 でせん断処理を施し た単一の鋼板を、 プレス加工工程 2でのプレス成形した際に伸びフランジ割 \¥0 2020/175486 15 卩(:170? 2020 /007513

れが発生しやすいと推定される領域である 伸びフランジ割れ領域 (解析領域 とも記載する) の位置を特定する処理である。 解析領域を求める鋼板の条件 は、 加熱 ·冷却工程 1 巳による処理が施されていない鋼板とする。

そのような伸びフランジ割れ領域 (伸びフランジ割れ危険部位) の特定は 、 コンビュータを用いて、 プレス加工工程 2でのプレス成形の条件に基づき 〇八巳解析によって検討して特定しても良い し、 実プレスで特定しても良い 。 通常、 平面視における湾曲部やパーリング部等が伸 びフランジ割れ領域で ある。 このため、 伸びフランジ成形が行われる領域において、 プレス加工で 所定以上の曲率半径となるフランジ部を、 伸びフランジ割れ領域 (解析領域 ) として、 簡易に求めてもよい。

[0034] <加熱 ·冷却工程 1 巳>

加熱 ·冷却工程 1 巳は、 せん断工程 1 後の単一の鋼板に対して、 伸びフ ランジ成形を含むプレス加工を施す前の前処 理である。 加熱 ·冷却工程 1 巳 では、 加熱処理 1 巳 3と冷却処理 1 巳 13をこの順にて実施する。

[0035] (加熱処理 1 巳 3

加熱処理 1 巳 3では、 鋼板の端部を加熱する処理を行う。 加熱する部分は 、 鋼板端面及びその近傍のうちの少なくとも鋼 板端面を加熱することで鋼板 端部を加熱する。 加熱処理 1 巳 3では、 鋼板端部全周を加熱する必要はなく 、 少なくとも伸びフランジ割れ領域推定処理 3が特定した伸びフランジ割れ 領域に含まれる鋼板端部を加熱すればよい。

鋼板端部の加熱は、 上述の通り、 鋼板の端面だけを加熱すればよい。 ただ し、 端面だけを加熱することは難しいため、 局所的に加熱することが可能な レ—ザ—や誘導加熱等によって、 鋼板端面及びその近傍のうち、 できるだけ 端面近傍の領域を加熱するように設定するこ とが好ましい。 鋼板端面を加熱 することで、 鋼板端部が加熱される。

[0036] 鋼板 1 0の端部を加熱する方法の例を、 図 3〜図 6に示す。 符号 1 ~ 1丁は加 熱域を示す。 図 3はレーザー加熱の例であって、 レーザー発信器 2 0を端面 1 0 3に沿って移動させることで鋼板端部を加熱 る。 図 4、 図 5は誘導加 \¥0 2020/175486 16 卩(:170? 2020 /007513

熱の例であって、 誘導加熱用コイル 2 1 によって、 端面 1 0 3側から、 又は 、 端面 1 〇 3近傍の表裏両面から誘導加熱する場合を例 している。 図 6は バーナ _ 2 2による直接加熱によって加熱する場合の例 ある。 加熱方法は レーザー加熱、 誘導加熱、 バ _ _ 等による直接加熱以外であってもよく、 どのような加熱手段を採用しても良い。

[0037] 昇温速度は、 伸びフランジ成形性向上の観点からはどのよ うな速度でも構 わないが、 加熱を生産工程内で行う場合は、 量産性の観点から 1 〇以上が望ましい。 量産性を問わないのであればこの限りではな い。 なお、 加熱時の加熱速度は急速加熱が好ましい。

また、 加熱処理 1 巳 3において、 鋼板端面の温度が目標とする加熱温度に 到達したと推定した後、 その加熱状態を一定時間、 保持するようにしても良 い。 保持時間が長い場合は生産効率の低下に繫が るため、 保持時間は 5分以 内が好ましい。 より好ましくは、 保持時間は 1分以内である。

[0038] なお、 分かり易くするため、 図 3〜図 6では、 ブランク材形状が矩形で、 せん断端面が直線で示されている。 しかし、 ブランク材形状はいかなる形状 でもよく、 せん断端面 1 0 3も直線に限らず曲線、 曲線と直線を組み合わせ た形状等いかなる形状でもよい。

単一の鋼板表面における、 鋼板 1 0の端面位置からの加熱範囲!- [ 01 111 ] は、 例えば、 (1) 式の範囲内とする。 すなわち、 この加熱範囲!- [ 01 111 ] 以下の領域を、 端部を構成する端面及びその近傍とする。

£ 1_ £ 2 0〇1 111 - ( 1)

ここで、 加熱範囲!- [ ] が 2〇 を越える場合、 材料強度 (引張強 度) の軟化に伴い部品の疲労特性が低下する恐れ があるため、 好ましくない 。 また、 更に端面近傍のみを加熱できる装置であれば 、 加熱範囲!- [ 01 111 ] 以内がより好ましい。

[0039] また、 加熱による不具合を抑えるという観点からす ると、 加熱範囲 1_ [ は、 できるだけ端面近傍が好ましく、 下記 (2) 式の範囲内がより好ま しい。 \¥0 2020/175486 17 卩(:170? 2020 /007513

£ 1_ £ 8〇1 111 - (2)

[0040] 本実施形態にあっては、 加熱する際の被加熱部の目標とする加熱温度 丁 [

° 〇] を、 使用する鋼板の材料 (組織構造) に応じて、 下記のように設定変更 する。

[主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板の場合]

本実施形態で使用する鋼板が、 主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼 板の場合について説明する。

主な組織がマルテンサイ ト単相から成る鋼板とは、 例えば、 組織の 9 5体 積%以上、 好ましくは 9 8体積%以上がマルテンサイ トである鋼板である。 主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板の場合、 目標とする加熱温度 丁 [°〇] は、 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の範囲内とする。 加熱温度丁 [°〇] を 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下とすることで、 主な組織がマルテンサイ ト単相 で構成される鋼板の場合に、 フランジ成形性を向上させることができる (実 施例参照) 。

[0041] すなわち、 本実施形態では、 プレス加工を施す鋼板が、 主な組織がマルテ ンサイ ト単相からなる鋼板の場合、 その鋼板の端面を、 上記の適正な温度域 で加熱することにより、 伸びフランジ成形性を向上させている。 せん断加工 を受けた鋼板のせん断端面近傍は、 せん断方向に組織が伸長されるような強 加工を受けており、 せん断加工により加エ硬化が発生し伸びフラ ンジ成形性 の低下が懸念される。 マルテンサイ ト単相からなる鋼板においては、 上記の 加熱を行うことによりマルテンサイ トの焼き戻しと、 ひずみの解放が起きる 。 マルテンサイ トの焼き戻しによる鋼板端部の軟化とともに ひずみの解放に より加工硬化、 靱性の回復が起き、 伸びフランジ成形性が改善される。 加熱 温度は、 上記効果を得るために、 上述の通り 5 0 0 ° 〇以上、 望ましくは 6 0 0 ° 〇以上とする。 加熱の上限温度は、 再結晶化が起こらないと推定される温 度域である 7 0 0 °〇以下とする。

[0042] また、 鋼板として、 主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板を使用す る場合、 鋼板 1 〇の端面位置からの加熱範囲!- [ ] は、 加熱温度丁 [°〇 \¥0 2020/175486 18 卩(:17 2020 /007513

] に応じて設定、 例えば下記 (3) 式の範囲となるように設定しても良い。 鋼板 1 0の端面位置からの加熱範囲!-は、 例えば、 鋼板表面に沿った方向、 且つ端面の延在方向に対し直交する方向に設 定する。

[0043] [数 1 ]

10/ 3 ^£ å £ 200/ 3 /1 …(3)

[0044] 望ましくは、 下記 (4) 式を満足する範囲である。

[0045] [数 2]

[0046] ただし、 加熱される領域が加熱される際に、 加熱の到達温度が 5 0 0 ° 〇以 上となる領域の場合とする。

ここで、 加熱範囲!-が、 (3) 式の下限値未満であると、 鋼板の端部の加 熱を十分に行うことができず本発明の効果を 十分に得ることができないおそ れがある。 また、 加熱範囲!- の上限は伸びフランジ性を向上させる という観点からは特に設けられないが、 加熱範囲を広く取りすぎると母材の マルテンサイ トの軟化によって、 部品性能、 スポッ ト溶接性等の低下が懸念 されるため、 (3) 式の上限値以下の範囲とすることが望ましい 。

[0047] [主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる鋼板の場合

]

本実施形態で使用する鋼板が、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トと の複合組織 (以下、 第 1の複合組織とも記載する) からなる鋼板について説 明する。

主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる鋼板とは、 例えば、 マルテンサイ ト相が組織の 9 5体積%未満かつ残留オーステナイ ト 相を含むフェライ ト以外の相が 3体積%未満であり、 残部がフェライ ト相か ら成る鋼板である。

主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる鋼板の場合 \¥0 2020/175486 19 卩(:17 2020 /007513

、 加熱する際の被加熱部の目標とする加熱温度 丁 [°〇] は、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の範囲内とする。 加熱温度丁 [°〇] を 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下 とすることで、 第 1の複合組織からなる鋼板の場合に、 フランジ成形性を向 上させることができる (実施例参照) 。

[0048] すなわち、 本実施形態では、 プレス加工を施す鋼板が、 主な組織がマルテ ンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる鋼板の場合、 その鋼板の端面を 、 上記の適正な温度域で加熱することにより、 伸びフランジ成形性を向上さ せている。 せん断加工を受けた鋼板のせん断端面近傍は 、 せん断方向に組織 が伸長されるような強加工を受けており、 せん断加工により加工硬化が発生 し伸びフランジ成形性の低下が懸念される。 第 1の複合組織からなる鋼板に おいては、 上記の加熱を行うことにより、 マルテンサイ トの焼き戻しとひず みの解放が起きる。 そして、 マルテンサイ ト相が焼き戻されることにより、 複合相から構成されている鋼板の場合、 マルテンサイ ト相とフェライ ト相と の硬度差が小さくなり、 鋼板の伸びフランジ成形性が改善される。 加熱温度 丁 [ ° 〇] は、 上記効果を得るために、 上述の通り 4 0 0 ° 〇以上、 望ましくは 5 0 0 ° 〇以上、 より望ましくは 6 0 0 ° 〇以上とする。 加熱の上限温度は、 再 結晶化が起こらないと推定される温度域であ る 7 0 0 °〇以下とする。

[0049] また、 鋼板として、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織 からなる鋼板を使用する場合、 鋼板 1 0の端面位置からの加熱範囲!- [ 01 111 ] は、 加熱温度丁 [°0] に応じて設定、 例えば下記 (5) 式の範囲となるよ うに設定しても良い。 鋼板 1 0の端面位置からの加熱範囲!- [ 111 111 ] は、 例 えば、 鋼板表面に沿った方向、 且つ端面の延在方向に対し直交する方向に設 定する。

[0050] [数 3]

10/ 3 41£1£ 150/^1 • • • (5)

[0051 ] 加熱範囲!- [ ] は、 望ましくは、 下記 (6) 式を満足する範囲である \¥0 2020/175486 20 卩(:17 2020 /007513

[0052] [数 4]

[0053] ただし、 加熱される領域が加熱される際に、 加熱の到達温度が 4 0 0 ° 〇以 上となる領域の場合とする。

ここで、 加熱範囲!- [111 111] が、 (5) 式の下限値未満であると、 鋼板の 端部の加熱を十分に行うことができず本発明 の効果を十分に得ることができ ないおそれがある。 また、 加熱範囲!- の上限は伸びフランジ性を向 上させるという観点からは特に設けられない が、 加熱範囲を広く取りすぎる と加熱による母材の材料強度低下によって、 部品性能、 スポッ ト溶接性等が 低下するおそれがあるため、 (5) 式の上限値以下の範囲とすることが望ま しい。

[0054] [残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される鋼板の場合 ]

本実施形態で使用する鋼板が、 残留オーステナイ トを含む複合組織 (以下 、 第 2の複合組織とも記載する) から構成される鋼板の場合について説明す る。

残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される鋼板とは、 例えば丁[¾

I 鋼である。 残留オーステナイ トを含むとは、 残留オーステナイ トが例え ば組織全体の 3体積%以上、 好ましくは 4体積%以上である。 残留オーステ ナイ ト以外の複合組織は、 フェライ ト相、 ベイナイ ト相、 マルテンサイ ト相 を主として構成される。

残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される鋼板の場合 、 加熱する 際の被加熱部の目標とする加熱温度丁 [°〇] は、 2 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下 の範囲内とする。 加熱温度丁 [ ° 〇] を 2 0 0 ° 〇以上 7 0 0 ° 〇以下とすること で、 第 2の複合組織からなる鋼板の場合に、 フランジ成形性を向上させるこ とができる (実施例参照) 。

[0055] すなわち、 本実施形態では、 プレス加工を施す鋼板として、 第 2の複合組 織からなる鋼板とし、 その鋼板の端面を、 上記の適正な温度域で加熱するこ \¥0 2020/175486 21 卩(:170? 2020 /007513

とにより、 伸びフランジ成形性を向上させている。 せん断加工を受けた鋼板 のせん断端面近傍は、 せん断方向に組織が伸長されるような強加工 を受けて おり、 せん断加工により加工硬化が発生し伸びフラ ンジ成形性の低下が懸念 される。 第 2の複合組織からなる鋼板においては、 上記の加熱を行うことに より、 加熱により変態したマルテンサイ ト相において、 マルテンサイ トの焼 き戻しとひずみの解放が起きる。 マルテンサイ トの焼き戻しによる鋼板端部 の軟化、 靱性向上とともにひずみの解放により加工硬 化が低減され、 伸びフ ランジ性が改善される。 加熱温度丁 [ ° 〇] は、 上記効果を得るために、 上述 の通り 2 0 0 °〇以上、 望ましくは 5 0 0 °〇以上、 より望ましくは 6 0 0 °〇以 上とする。 加熱の上限温度は、 再結晶化が起こらないと推定される温度域で ある 7 0 0 °〇以下とする。

[0056] また、 鋼板として、 残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される鋼 板を使用する場合、 鋼板 1 〇の端面位置からの加熱範囲!- [ 〇! ] は、 加熱 温度丁 [ ° 0] に応じて設定、 例えば下記 (7) 式の範囲となるように設定し ても良い。 鋼板 1 〇の端面位置からの加熱範囲!- [ 01 111 ] は、 例えば、 鋼板 表面に沿った方向、 且つ端面の延在方向に対し直交する方向に設 定する。

[0057] [数 5]

[0058] 加熱範囲!- [ 〇! ] は、 望ましくは、 下記 (8) 式を満足する範囲である

[0059] [数 6]

10/^7£ å £ 100/ 3 /7 (8)

[0060] ただし、 加熱される領域が加熱される際に、 加熱の到達温度が 2 0 0 ° 〇以 上となる領域の場合とする。

ここで、 加熱範囲!- [ 111 111 ] が、 (7) 式の下限値未満であると、 鋼板の 端部の加熱を十分に行うことができず本発明 の効果を十分に得ることができ \¥0 2020/175486 22 卩(:170? 2020 /007513

ないおそれがある。 また、 加熱範囲!- [ 〇!] の上限が (7) 式の上限値を 越えると、 母材の残留オーステナイ トの消失によって母材の延性が低下し、 伸びフランジ性、 プレス成形性の低下が生じるおそれがあるた め、 本発明の 効果を十分に得ることが出来ないおそれがあ る。

[0061] [主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板の場合]

本実施形態で使用する鋼板が、 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板の 場合について説明する。

主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板とは、 例えば、 組織の 9 5体積% 以上、 好ましくは 9 8体積%以上がベイナイ トである鋼板である。

主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板の場合、 目標とする加熱温度丁 [ °〇] は、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の範囲内とする。 加熱温度丁を 4 0 0 °〇 以上 7 0 0 °〇以下とすることで、 主な組織がベイナイ ト単相で構成される鋼 板の場合に、 フランジ成形性を向上させることができる (実施例参照) 。

[0062] すなわち、 本実施形態では、 プレス加工を施す鋼板が、 主な組織がベイナ イ ト単相からなる鋼板の場合、 その鋼板の端面を、 上記の適正な温度域で加 熱することにより、 伸びフランジ成形性を向上させている。 せん断加工を受 けた鋼板のせん断端面近傍は、 せん断方向に組織が伸長されるような強加工 を受けており、 せん断加工により加工硬化が発生し伸びフラ ンジ成形性の低 下が懸念される。 ベイナイ ト単相からなる鋼板においては、 上記の加熱を行 うことによりベイナイ トの焼き戻しと、 ひずみの解放が起きる。 ベイナイ ト の焼き戻しによる鋼板端部の軟化とともにひ ずみの解放により加工硬化、 靱 性の回復が起き、 伸びフランジ成形性が改善される。 加熱温度丁 [ ° 〇] は、 上記効果を得るために、 上述の通り 4 0 0 ° 〇以上、 望ましくは 5 0 0 ° 〇以上 、 より望ましくは 6 0 0 ° 〇以上とする。 加熱の上限温度は、 再結晶化が起こ らないと推定される温度域である 7 0 0 °〇以下とする。

[0063] また、 鋼板として、 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板を使用する場 合、 鋼板 1 〇の端面位置からの加熱範囲!- [ ] は、 加熱温度丁 [°〇] に 応じて設定、 例えば下記 (9) 式の範囲となるように設定しても良い。 鋼板 \¥0 2020/175486 23 卩(:17 2020 /007513

1 〇の端面位置からの加熱範囲!-は、 例えば、 鋼板表面に沿った方向、 且つ 端面の延在方向に対し直交する方向に設定す る。

[0064] [数 7]

[0065] 加熱範囲!- [ 〇! ] は、 望ましくは、 下記 (1 0) 式を満足する範囲であ る。

[0066] [数 8]

[0067] ただし、 加熱される領域が加熱される際に、 加熱の到達温度が 4 0 0 °〇以 上となる領域の場合とする。

ここで、 加熱範囲!- [ 111 111 ] が、 (9) 式の下限値未満であると、 鋼板の 端部の加熱を十分に行うことができず本発明 の効果を十分に得ることができ ないおそれがある。 また、 加熱範囲!- の上限は伸びフランジ性を向 上させるという観点からは特に設けられない が、 加熱範囲を広く取りすぎる と母材のベイナイ トの軟化によって、 部品性能、 スポッ ト溶接性等の低下が 懸念されるため、 (9) 式の上限値以下の範囲とすることが望ましい 。

[0068] [主な組織がフェライ ト単相からなる鋼板の場合]

本実施形態で使用する鋼板が、 主な組織がフェライ ト単相からなる鋼板の 場合について説明する。

主な組織がフェライ ト単相からなる鋼板とは、 例えば、 組織の 9 5体積% 以上、 好ましくは 9 8体積%以上がフェライ トである鋼板である。

主な組織がフェライ ト単相からなる鋼板の場合、 目標とする加熱温度丁 [ °〇] は、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の範囲内とする。 加熱温度丁 [°〇] を 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下とすることで、 主な組織がフェライ ト単相で構成さ れる鋼板の場合に、 フランジ成形性を向上させることができる (実施例参照 \¥0 2020/175486 24 卩(:17 2020 /007513

[0069] すなわち、 本実施形態では、 プレス加工を施す鋼板が、 主な組織がフェラ イ ト単相からなる鋼板の場合、 その鋼板の端面を、 上記の適正な温度域で加 熱することにより、 伸びフランジ成形性を向上させている。 せん断加工を受 けた鋼板のせん断端面近傍は、 せん断方向に組織が伸長されるような強加工 を受けており、 せん断加工により加工硬化が発生し伸びフラ ンジ成形性の低 下が懸念される。 フェライ ト単相からなる鋼板においては、 上記の加熱を行 うことによりフェライ トの焼き戻しと、 ひずみの解放が起きる。 フェライ ト の焼き戻しによる鋼板端部の軟化とともにひ ずみの解放により加工硬化、 靱 性の回復が起き、 伸びフランジ成形性が改善される。 加熱温度丁 [ ° 〇] は、 上記効果を得るために、 上述の通り 4 0 0 ° 〇以上、 望ましくは 5 0 0 ° 〇以上 、 より望ましくは 6 0 0 ° 〇以上とする。 加熱の上限温度は、 再結晶化が起こ らないと推定される温度域である 7 0 0 °〇以下とする。

[0070] また、 鋼板として、 主な組織がフェライ ト単相からなる鋼板を使用する場 合、 鋼板 1 〇の端面位置からの加熱範囲!- [ ] は、 加熱温度丁 [°〇] に 応じて設定、 例えば下記 (1 1) 式の範囲となるように設定しても良い。 鋼 板 1 0の端面位置からの加熱範囲!- [ ] は、 例えば、 鋼板表面に沿った 方向、 且つ端面の延在方向に対し直交する方向に設 定する。

[0071 ] [数 9]

[0072] 加熱範囲!- [ ] は、 望ましくは、 下記 (1 2) 式を満足する範囲であ る。

[0073] [数 10]

[0074] ただし、 加熱される領域が加熱される際に、 加熱の到達温度が 4 0 0 °〇以 上となる領域の場合とする。

ここで、 加熱範囲!- [ 01 111 ] が、 (1 1) 式の下限値未満であると、 鋼板 \¥0 2020/175486 25 卩(:170? 2020 /007513

の端部の加熱を十分に行うことができず本 発明の効果を十分に得ることがで きないおそれがある。 また、 加熱範囲!- の上限は伸びフランジ性を 向上させるという観点からは特に設けられな いが、 加熱範囲を広く取りすぎ ると母材のフェライ トの軟化によって、 部品性能、 スポッ ト溶接性等の低下 が懸念されるため、 (1 1) 式の上限値以下の範囲とすることが望ましい 。

[0075] [主な組織がフェライ トとパーライ トとの複合組織からなる鋼板の場合] 本実施形態で使用する鋼板が、 主な組織がフェライ トとパーライ トとの複 合組織 (以下、 第 3の複合組織とも記載する) からなる鋼板について説明す る。

主な組織がフェライ トとパーライ トとの複合組織からなる鋼板とは、 例え ば、 フェライ ト相とパーライ ト相の相分率の和が 9 7 %以上かつパーライ ト 相の相分率が 5 %以上の組織で構成される鋼からなる鋼板で る。

主な組織がフェライ トとパーライ トとの複合組織からなる鋼板の場合、 加 熱する際の被加熱部の目標とする加熱温度丁 [°〇] は、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の範囲内とする。 加熱温度丁 [°〇] を 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下とす ることで、 第 3の複合組織からなる鋼板の場合に、 フランジ成形性を向上さ せることができる (実施例参照) 。

[0076] すなわち、 本実施形態では、 プレス加工を施す鋼板が、 主な組織がフェラ イ トとパーライ トとの複合組織からなる鋼板の場合、 その鋼板の端面を、 上 記の適正な温度域で加熱することにより、 伸びフランジ成形性を向上させて いる。 せん断加工を受けた鋼板のせん断端面近傍は 、 せん断方向に組織が伸 長されるような強加工を受けており、 せん断加工により加工硬化が発生し伸 びフランジ成形性の低下が懸念される。 第 1の複合組織からなる鋼板におい ては、 上記の加熱を行うことにより、 パーライ トの焼き戻しとひずみの解放 が起きる。 そして、 パーライ ト相が焼き戻されることにより、 複合相から構 成されている鋼板の場合、 フェライ ト相とパーライ ト相との硬度差が小さく なり、 鋼板の伸びフランジ成形性が改善される。 加熱温度丁 [ ° 〇] は、 上記 効果を得るために、 上述の通り 4 0 0 ° 〇以上、 望ましくは 5 0 0 ° 〇以上、 よ \¥02020/175486 26 卩(:17 2020 /007513

り望ましくは 600 ° 〇以上とする。 加熱の上限温度は、 再結晶化が起こらな いと推定される温度域である 700°〇以下とする。

[0077] また、 鋼板として、 主な組織がフェライ トとパーライ トとの複合組織から なる鋼板を使用する場合、 鋼板 1 〇の端面位置からの加熱範囲!- [01111] は 、 加熱温度丁 [°〇] に応じて設定、 例えば下記 (1 3) 式の範囲となるよう に設定しても良い。 鋼板 1 〇の端面位置からの加熱範囲!- [01111] は、 例え ば、 鋼板表面に沿った方向、 且つ端面の延在方向に対し直交する方向に設 定 する。

[0078] [数 11]

[0079] 加熱範囲!- [ ] は、 望ましくは、 下記 (1 4) 式を満足する範囲であ る。

[0080] [数 12]

[0081] ただし、 加熱される領域が加熱される際に、 加熱の到達温度が 400 ° 〇以 上となる領域の場合とする。

ここで、 加熱範囲!-が、 (1 3) 式の下限値未満であると、 鋼板の端部の 加熱を十分に行うことができず本発明の効果 を十分に得ることができないお それがある。 また、 加熱範囲!-の上限は伸びフランジ性を向上 せるという 観点からは特に設けられないが、 加熱範囲!- を広く取りすぎると加 熱による母材の材料強度低下によって、 部品性能、 スポッ ト溶接性等が低下 するおそれがあるため、 (1 3) 式の上限値以下の範囲とすることが望まし い。

[0082] (冷却処理 1 巳匕)

冷却処理 1 巳匕は、 加熱処理 1 巳 3で加熱された鋼板の少なくとも加熱し た端部を冷却する処理を行う。 \¥0 2020/175486 27 卩(:170? 2020 /007513

加熱処理後の冷却処理 1 巳 13は、 水冷などによる急速冷却、 空冷、 徐冷の いずれでも良い。 空冷は、 自然空冷でもノズルから空気を吹き付けるこ とに よる空冷であっても良い。 徐冷では、 レーザー加熱時や誘導加熱時の出力を 調整することで冷却速度を調整しても良い。

冷却処理 1 巳匕による冷却は、 例えば加熱された鋼板端面が、 鋼板の材料 (組織) に応じて個別に設定した上記目標とする加熱 温度丁 [°〇] の下限値 未満、 好ましくは 1 0 0 ° 〇以下、 より好ましくは 5 0 ° 〇以下となるように冷 却する。

以上の工程によって、 本実施形態における、 冷間プレス用の鋼板が製造さ れる。

[0083] <プレス加工工程 2 >

プレス加工工程 2では、 端面に加熱 ·冷却の処理を施した鋼板に対し、 伸 びフランジ成形を含む冷間プレス加工を施し て、 目的の形状のプレス部品と する工程である。

冷間プレス加工は、 1段又は 2段以上のプレス成形で鋼板を目的の形状の プレス部品に成形する。

ここで、 本明細書における冷間プレス加工とは、 プレス加工中に鋼板を加 熱しないでプレス成形することを指し、 例えば鋼板の温度が、 鋼板の材料に 応じて個別に設定した上記目標とする加熱温 度丁 [°〇] の下限値未満、 好ま しくは 1 0 0 °〇以下、 より好ましくは 5 0 °〇以下の状態でのプレス成形でプ レス加工を施すことを指す。

プレス加工工程 2で製造された目的の形状のプレス部品は最 成形品 (最 終製品形状) でなくても良い。

[0084] <作用その他について >

本実施形態では、 伸びフランジ割れ領域推定処理 3 (解析工程) で、 図 7 のように、 せん断加工後の鋼板 1 0を目的の部品形状に冷間プレス加工した 際に、 伸びフランジ割れが発生すると推定される割 れ推定領域 <をコン ピュータ解析などで求める。 そして、 図 8 (a) のように、 せん断加工した \¥0 2020/175486 28 卩(:170? 2020 /007513

鋼板 1 0における、 プレス部品で上記割れ推定領域 に対応する、 フラ ンジ割れの可能性がある解析領域 Xを、 上記加熱温度で加熱した後に冷却を 施す。

[0085] このような処理を施した鋼板 1 0に対し、 図 8 (匕) のように冷間プレス 加工で目的の部品形状からなる目的のプレス 部品 1 1 にプレス成形する。 ここで、 図 1 3 (a) に示すように、 上記の各組織構造からなる鋼板を用 いたブランク材 1 0を、 単純に、 プレス成形時にフランジが伸ばされる変形 が付与される図 1 3 (13) に示すようなプレス部品 1 1 にプレス加工してみ た。 このとき、 鋼板 1 0に高強度鋼板を適用してプレス成形すると 図 1 3 (匕) 中、 符号八で示す部位で、 伸びフランジ割れが発生した。 ここで、 上 記のいずれの組織構造からなる鋼板でも同様 であった。 この伸びフランジ割 れの発生の有無は、 材料強度 (引張強度) 、 材料組織、 せん断端面状態、 表 面処理等に依存する。

[0086] また伸びフランジ成形性は、 伸びフランジ変形を受ける材料端部の切断方 法に依存する。 鋼板を、 例えばせん断加工で切断した場合、 機械加工で作製 した端面よりもダメージが大きく、 不均一な端面状態になるため、 伸びフラ ンジ成形性の低下が懸念される。 更に、 せん断加工の場合でもクリアランス により伸びフランジ成形性が変化する。

このような伸びフランジ成形に不利な材料や 加工条件により発生する伸び フランジ割れを低減するために、 本実施形態では、 プレス加工に使用する鋼 板に対し、 少なくとも伸びフランジ割れ危険領域におけ るせん断加工で割れ の起点になりやすい板端面を、 材料に応じた適正な温度に加熱し冷却する処 理を行い、 当該処理を施した鋼板をプレス成形する。

[0087] この結果、 本実施形態では、 加工前の処理としての加熱 ·冷却によって、 少なくとも伸びフランジ割れ危険部での材料 の組織変化、 すなわち材料の軟 化やひずみ除去が行われることで、 伸びフランジ成形性が向上する。

特に、 鋼板の端面及び端面近傍の少なくとも端面を ターゲッ トとして、 材 料軟化のための加熱処理 1 巳 3を行い、 その後に冷却処理 1 巳匕を行うこと \¥0 2020/175486 29 卩(:170? 2020 /007513

で、 加熱による材料強度 (引張強度) の軟化に伴う部品の疲労特性の低下を 、 最低限に抑えることが可能となる。

[0088] 2 . 第 2実施形態

次に、 第 2実施形態について説明する。

本実施形態は、 第 1実施形態の解析工程の対象及び加熱 ·冷却工程の対象 を、 プレス加工工程 2でのプレス加工のうちの、 途中のプレス加工で成形さ れた中間部品 4 0を対象とすることが、 第 1実施形態と異なる (図 9参照)

。 その他については、 本実施形態は第 1実施形態と同様である。

本実施形態のプレス部品の製造方法は、 鋼板に、 冷間プレス加工を施して 目的のプレス部品形状のプレス部品を製造す るプレス部品の製造方法である 。 本実施形態のプレス部品の製造方法は、 図 9に示すように、 冷間のプレス 加工工程 2として、 鋼板を中間部品 4 0にプレス成形する第 1の工程 2八と 、 中間部品 4 0を目的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形する 第 2の工程 2巳と、 を備える。

更に、 本実施形態は、 図 9に示すように、 せん断工程 5 0、 解析工程 5 1 、 加熱 ·冷却工程 5 2を備える。

[0089] <せん断工程 5 0 >

せん断工程 5 0は、 第 1の工程 2八の前に、 鋼板 1 0の少なくとも一部の 端部に対しせん断加工を施す処理を行う。

すなわち、 せん断工程 5 0は、 圧延その他で形成された 1枚の板材からな る鋼板を、 予め設定したブランク材形状にトリムしたり 、 パーリング加工な どのせん断により開口部を形成したりして目 的の形状からなる、 単一の鋼板 (ブランク材) を得る工程である。

せん断する部分は、 鋼板の一部だけであっても良い。 なお、 プレス加エエ 程 2の後に、 又はプレス加工工程 2中に端面の整形を行う別のせん断処理を 有しても良い。

[0090] <解析工程 5 1 >

解析工程 5 1は、 中間部品 4 0の端部のうち、 第 2の工程 2巳で中間部品 \¥0 2020/175486 30 卩(:170? 2020 /007513

4 0を目的のプレス部品 1 1 にプレス成形した際に、 伸びフランジ割れが発 生しやすいと推定される領域を求める処理を 行う。

解析工程 5 1は、 伸びフランジ割れ領域 (解析領域) の位置を解析する処 理を実行する。 伸びフランジ割れ領域は、 せん断工程 5 0でせん断処理を施 した単一の鋼板を、 第 1の工程 2八で中間部品 4 0にプレス成形し、 その後 、 第 2の工程 2巳で中間部品 4 0を目的のプレス部品 1 1 にプレス成形した 際に伸びフランジ割れが発生しやすいと推定 される領域である。 鋼板の条件 は、 加熱 ·冷却工程 1 巳による処理が施されていない鋼板とする。 なお、 伸 びフランジ割れ領域は、 伸びフランジ割れ危険部位である。

[0091 ] そのような伸びフランジ割れ領域の特定は、 コンビユータを用いて、 プレ ス加工工程 2でのプレス成形の条件に基づき 0 巳解析によつて検討して特 定しても良いし、 実プレスで特定しても良い。 通常、 平面視における湾曲部 やバーリング部等が伸びフランジ割れ領域で ある。 このため、 伸びフランジ 成形が行われる領域において、 プレス加工で所定以上の曲率半径となるフラ ンジ部を伸びフランジ割れ領域 (解析領域) として、 簡易に求めてもよい。 この解析工程 5 1の処理は、 加熱 ·冷却工程 5 2の前であれば特定に限定 されない。

[0092] <加熱 ·冷却工程 5 2 >

加熱 ·冷却工程 5 2は、 第 2の工程 2巳の前に、 第 1の工程 2八で成形し た中間部品 4 0の端部のうち、 解析工程 5 1で求めた解析領域に含まれる中 間部品 4 0の端部の部位を、 対象とする鋼板の組織構造に応じて個別に設 定 した目標加熱温度域に加熱し、 冷却する処理を行う。

[0093] すなわち、 主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板の場合には、 個別 に設定した目標加熱温度域を、 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に設定す る。

また、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる鋼板 の場合、 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板の場合、 主な組織がフェラ イ ト単相からなる鋼板の場合、 又は主な組織がベイナイ トとパーライ トとの \¥0 2020/175486 31 卩(:170? 2020 /007513

複合組織からなる鋼板の場合には、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に設 定する。

また、 残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される鋼板の場合 には 、 2 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に設定する。

[0094] 加熱 ·冷却工程 5 2は、 第 1の工程 2八で成形した、 単一の鋼板からなる 中間部品 4 0に対して、 伸びフランジ成形を含む第 2の工程 2巳でのプレス 加工を施す前の前処理である。

加熱 ·冷却工程 5 2の処理は、 第 1実施形態の加熱 ·冷却工程 1 巳と同様 な処理を行う。 すなわち、 加熱 ·冷却工程 5 2は、 第 1実施形態の加熱 ·冷 却工程 1 巳の加熱処理 1 巳 3 と冷却処理 1 巳匕と同じ条件の加熱処理と冷却 処理とをこの順にて実施する。

ただし、 加熱 ·冷却処理を行う部位が、 中間部品 4 0の端部と言うこと以 外は、 第 1実施形態の加熱 ·冷却工程 1 巳の処理及び条件と同じであるため 、 その説明を省略する。

[0095] <作用その他について>

本実施形態では、 予め、 解析工程 5 1で、 せん断加工した鋼板に対し、 図 1 0 (3) のように、 第 2の工程 2巳で中間部品 4 0を目的の部品形状から なる目的のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工した際に、 プレス部品 1 1の端 部のうち、 伸びフランジ割れが発生すると推定される割 れ推定領域 3 を コンピュータ解析などで求める。 更に、 解析工程 5 1は、 その割れ推定領域 に対応する、 中間部品 1 0での伸びフランジ割れが発生すると推定さ れる解析領域乂を求める (図 1 〇 (¢0 参照) 。

[0096] そして、 本実施形態では、 図 1 0 (匕) のようにせん断加工した鋼板 1 0 を、 第 1の工程 2八にて中間部品 4 0に成形する (図 1 0 (〇) ) 。 その後 、 図 1 0 (〇1) のように、 中間部品 4 0の端部における、 プレス部品で上記 割れ推定領域 <に対応する端部の解析領域 Xを上記加熱温度で加熱した 後に冷却を施す。

このような加熱 ·冷却処理を施した中間部品 4 0に対し、 第 2の工程 2巳 \¥0 2020/175486 32 卩(:170? 2020 /007513

にて、 図 1 0 (㊀) のように、 冷間プレス加工で目的のプレス部品 1 1 にプ レス成形する。

本実施形態は、 第 1実施形態の効果と同様な効果を奏する。

[0097] 更に、 本実施形態は、 次の効果も奏する。

すなわち、 プレス加工工程 2が、 多段階のプレスエ程で行われる場合には 、 各プレス加工によっても、 各プレス加工後のプレス部品の端部での伸び フ ランジ成形性が変化し、 途中のプレス加工によっても加工条件などに よって 、 最終のプレス部品 1 1での割れの可能性が変化するおそれがある

これに対し、 本実施形態では、 冷間プレスエ程が多段階でのプレス成形で あっても、 第 2の工程 2巳後のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの割れ 推定領域 8 <の有無を推定し、 その割れ推定領域 <に対応する、 中間 部品 4 0での端部位置である解析領域乂に対し、 加熱 ·冷却処理を施すこと で、 第 2の工程 2巳後の目的の部品形状のプレス部品 1 1での伸びフランジ 割れの抑制効果を向上させる。

[0098] ここで、 第 1の工程 2八や第 2の工程 2巳がそれぞれ複数のプレスエ程か ら構成されていても良い。 この場合、 コンピュータ解析などで、 プレス成形 で伸びフランジ割れの危険度が高いと推定さ れるプレス加工を求め、 そのプ レス加工での成形前のプレス部品を上記の中 間部品 4 0に設定しても良い。 また、 上記の中間部品 4 0への加熱 ·冷却処理に加え、 第 1実施形態のよ うに、 解析工程 5 1で解析領域ありと判定した場合には、 第 1の工程 2八前 における、 せん断後の鋼板 1 0の端部における解析領域に対応する端部部 にも上記のような加熱 ·冷却処理を行っても良い。

また、 プレス加工工程 2が 3段階以上のプレス加工工程を含む場合には 最終のプレスエ程以外の途中のプレスエ程を 、 それぞれ第 1の工程とみなし て、 上記の第 2実施形態の処理をそれぞれ行うようにして よい。

[0099] 3 . 第 3実施形態

次に、 第 3実施形態について説明する。

第 3実施形態では、 第 2実施形態と同様な構成については同一の符 を付 \¥0 2020/175486 33 卩(:170? 2020 /007513

して説明する。

本実施形態は、 第 1実施形態のせん断工程及び加熱 ·冷却工程の対象が、 プレス加工工程 2でのプレス加工のうちの、 途中のプレス加工で成形された 中間部品 4 0を対象とすることが、 第 1実施形態と異なる。 その他について は、 本実施形態は第 1実施形態と同様である (図 1 1参照) 。

[0100] 本実施形態のプレス部品の製造方法は、 鋼板に、 冷間プレス加工を施して 目的のプレス部品形状のプレス部品を製造す るプレス部品の製造方法である 。 本実施形態のプレス部品の製造方法は、 図 1 1 に示すように、 冷間のプレ ス加工工程 2として、 鋼板を中間部品 4 0にプレス成形する第 1の工程 2八 と、 中間部品 4 0を目的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形す る第 2の工程 2巳と、 を備える。

更に、 本実施形態は、 図 1 1 に示すように、 せん断工程 5 0、 解析工程 5 1、 加熱 ·冷却工程 5 2を備える。

[0101 ] <せん断工程 5 0 >

せん断工程 5 0は、 第 1の工程 2八後の中間部品の少なくとも一部の端部 に対しせん断加工を施す処理を行う。

第 1の工程 2 の鋼板に対しても別途せん断処理が施されて いても良い。

[0102] <解析工程 5 1 >

解析工程 5 1は、 せん断加工後の中間部品 4 0の端部のうち、 第 2の工程 2巳で中間部品 4 0を目的のプレス部品 1 1 にプレス成形した際に、 伸びフ ランジ割れが発生しやすいと推定される領域 を求める処理を行う。

解析工程 5 1は、 伸びフランジ割れ領域 (解析領域) の位置を解析する処 理を実行する。 伸びフランジ割れ領域は、 単一の鋼板を第 1の工程 2八で中 間部品 4 0にプレス成形し、 せん断加工を施した後に、 第 2の工程 2巳で中 間部品 4 0を目的のプレス部品 1 1 にプレス成形した際に伸びフランジ割れ が発生しやすいと推定される領域である。 単一の鋼板の条件は、 加熱 ·冷却 工程 1 巳による処理が施されていない鋼板とする。 また、 第 1の工程 2八前 の単一の鋼板に対し、 他のせん断処理が施されていても良い。 なお、 伸びフ \¥0 2020/175486 34 卩(:170? 2020 /007513

ランジ割れ領域は伸びフランジ割れ危険部 位である。

[0103] そのような伸びフランジ割れ領域の特定は、 コンビユータを用いて、 プレ ス加工工程 2でのプレス成形の条件に基づき 0 巳解析によって検討して特 定しても良いし、 実プレスで特定しても良い。 通常、 平面視における湾曲部 やバーリング部等が伸びフランジ割れ領域で ある。 このため、 伸びフランジ 成形が行われる領域において、 プレス加工で所定以上の曲率半径となるフラ ンジ部を伸びフランジ割れ領域 (解析領域) として、 簡易に求めてもよい。 この解析工程 5 1の処理は、 加熱 ·冷却工程 5 2の前であれば特定に限定 されない。

[0104] <加熱 ·冷却工程 5 2 >

加熱 ·冷却工程 5 2は、 せん断工程 5 0によるせん断処理後の中間部品 4 0の端部のうち、 解析工程 5 1で求めた解析領域に含まれる中間部品 4 0の 端部の部位を、 対象とする鋼板の組織構造に応じて個別に設 定した目標加熱 温度域に加熱し、 冷却する処理を行う。

すなわち、 主な組織がマルテンサイ ト単相からなる鋼板の場合には、 個別 に設定した目標加熱温度域を、 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に設定す る。

また、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる鋼板 の場合、 主な組織がベイナイ ト単相からなる鋼板の場合、 主な組織がフェラ イ ト単相からなる鋼板の場合、 又は主な組織がベイナイ トとパーライ トとの 複合組織からなる鋼板の場合には、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に設 定する。

また、 残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される鋼板の場合 には 、 2 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に設定する。

[0105] 加熱 ·冷却工程 5 2は、 第 1の工程 2八で成形した、 単一の鋼板からなる 中間部品 4 0に対するせん断処理後であって、 伸びフランジ成形を含む第 2 の工程 2巳でのプレス加工を施す前の前処理である

加熱 ·冷却工程 5 2の処理は、 第 1実施形態の加熱 ·冷却工程 1 巳と同様 \¥0 2020/175486 35 卩(:170? 2020 /007513

な処理を行う。 すなわち、 加熱 ·冷却工程 5 2は、 第 1実施形態の加熱 ·冷 却工程 1 巳の加熱処理 1 巳 3 と冷却処理 1 巳匕と同じ条件の加熱処理と冷却 処理とをこの順にて実施する。

ただし、 加熱 ·冷却処理を行う部位が、 中間部品 4 0の端部であること以 外は、 第 1実施形態の加熱 ·冷却工程 1 巳の処理及び条件と同じであるため 、 その説明を省略する。

[0106] <作用その他について>

本実施形態では、 予め、 解析工程 5 1で、 図 1 2 ( 3 ) のように、 第 2の 工程 2巳で中間部品 4 0を目的の部品形状からなる目的のプレス部 1 1 に 冷間プレス加工した際に、 目的のプレス部品 1 1のうち、 伸びフランジ割れ が発生すると推定される割れ推定領域 をコンピュータ解析などで求め る。 更に、 解析工程 5 1は、 その割れ推定領域 <に対応する、 中間部品 1 0での伸びフランジ割れが発生すると推定さ る解析領域 Xを求める (図 1 2 (¢0 参照) 。

[0107] そして、 本実施形態では、 図 1 2 (b) のように、 鋼板を、 第 1の工程 2 八にて中間部品 4 0に成形する。 その後、 図 1 2 (〇) のように、 中間部品 4 0の端部の一部についてせん断加工を施す。

次に、 図 1 2 ( ) のように、 せん断処理後の中間部品 4 0の端部におけ る、 目的形状のプレス部品 1 <に対応する端部 の解析領域 Xを上記加熱温度で加熱した後に冷却を施す

以上のような処理を施した中間部品 4 0に対し、 第 2の工程 2巳にて、 図 1 0 (6) のように、 冷間プレス加工で目的の部品形状にプレス成 形する。 本実施形態は、 第 1実施形態の効果と同様な効果を奏する。

[0108] 更に、 本実施形態は、 次の効果も奏する。

すなわち、 プレス加工工程 2が、 多段階の冷間プレスエ程で行われる場合 であって、 途中のプレスエ程で成形したプレス部品 (中間部品 4 0) の端部 に対してせん断処理 (トリミング処理) が行われる場合であっても、 そのせ ん断処理による、 プレス部品の端部の伸びフランジ成形性の劣 化にも対応す \¥0 2020/175486 36 卩(:170? 2020 /007513

ることが可能となる。 この結果、 第 2の工程 2巳後の目的の部品形状での伸 びフランジ割れの抑制効果を向上させること が可能となる。

ここで、 第 1の工程 2八や第 2の工程 2巳がそれぞれ複数のプレスエ程か ら構成されていても良い。

[0109] また、 上記の中間部品 4 0への加熱 ·冷却処理に加え、 第 1実施形態のよ うに、 解析工程 5 1で、 第 2の工程 2巳によるプレス成形で解析領域ありと 判定した場合には、 第 1の工程 2 前での鋼板 1 0の端部に対応する解析領 域 Xにも上記の加熱 ·冷却処理を行っても良い。

また、 プレス加工工程 2が 3段階以上のプレス加工工程を含む場合には 最終のプレスエ程以外の途中のプレスエ程を 第 1の工程とみなして、 上記の 第 3実施形態の処理を行う構成でも構わない。 実施例

[01 10] <実施例 1 >

主な組織がマルテンサイ ト単相の鋼板をプレス加工する際に、 本発明を適 用することによる伸びフランジ成形性の向上 効果を確認するために、 穴広げ 試験の試験片を加熱 ·空冷した後に穴広げ試験を実施した。 その内容を次に 説明する。

鋼板からなる供試材を穴広げ試験の対象とし た。 供試材は、 1 〇〇 〇! 1 0 0 01 01角の正方形のブランク材からなり、 図 1 4に示すように、 そのブ ランク材の中央に直径 1 0 01 01 0の穴を開孔し、 試験片 3 0とした。 ここで 、 本実施例で使用した供試材は、 板厚 1 = 1 . 2 、 引張強度が 1 1 8 0 IV! 3級の主な組織がマルテンサイ ト単相で構成される高強度鋼板とした。

[01 1 1 ] 作製した試験片 3 0に対し、 伸びフランジ成形を含むプレス加工を摸して 、 図 1 5に示すように、 円錐形のパンチにより円錐穴広げ試験を行い 伸びフ ランジ成形性を評価した。 円錐穴広げ試験は、 頂角 6 0 ° の円錐形のパンチ を使用し、 試験片 3 0はロックビード 3 4で固定し材料流入が生じないよう にした。 図 1 5中、 符号 3 2がダイを、 符号 3 3がブランク材ホルダーを示 す。 \¥0 2020/175486 37 卩(:170? 2020 /007513

そして、 上方からサンプルの試験片 3 0を観察しつつ、 図 1 5 (a) の状 態から、 パンチ 3 1 を上昇させ穴広げを行い、 板厚方向貫通割れが視認でき た時点でパンチ 3 1の上昇を停止した (図 1 5 (b) 参照) 。 穴広げ率は穴 広げ試験後サンプルを試験機からとりはずし 、 試験後の穴径をノギスで 4か 所測定し、 その穴広げの平均値!-と初期の穴径!_ 0 の比率から算出した。

[01 12] この試験を、 加熱温度条件を変えて複数回実施した。

ここで、 試験片 3 0の中央に開けた 1 0 01 111 0の穴は、 1 0 01 111 0のパン チでせん断加工した。

加熱、 冷却の処理は、 所定温度に保持した塩浴槽に熱電対をつけた サンプ ルを浸潰し、 試験片 3 0を目的の温度まで加熱後、 空冷して、 穴広げ試験用 の試験片 3 0とした。

試験結果を、 図 1 6に示す。 図 1 6は加熱温度と穴広げ率の変化の関係を 示す図である。

ここで、 縦軸は、 室温での穴広げ率からの穴広げ率の変化率 (穴広げ性改 善率) を示している。 穴広げ性改善率が 1 0 0 %未満は、 非加熱状態に比べ て穴広げ性が悪化したことを示し。 穴広げ性改善率が 1 0 0 %以上は、 非加 熱状態に比べ穴広げ性が向上していることを 示す。

[01 13] 図 1 6から分かるように、 主な組織がマルテンサイ ト単相の鋼板を使用し た場合、 加熱温度 5 0 0 ° 〇以上で確実に穴広げ率の向上が大きく なり、 8 0 0 ° 〇まで加熱してしまうと穴広げ率が著し く低下したことが分かる。 以上の 結果より、 5 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱することにより、 確実 に伸びフランジ成形性が改善されることが分 かった。

また、 本実施例では、 試験片 3 0全体を加熱し冷却した例を示しているが 、 試験片 3 0に開孔した穴の端部 (端面から 1 ) だけをレーザー加熱し 、 空冷した場合であっても、 加熱温度を 5 0 0 ° 〇以上 7 0 0 ° 〇以下の温度域 とすることで穴広げ性改善率が向上したこと を確認している。

[01 14] <実施例 2 >

主な組織がマルテンサイ ト単相の鋼板における、 第 1実施形態の処理に基 \¥0 2020/175486 38 卩(:170? 2020 /007513

づく製造方法で、 図 8 (a) のようにせん断加工した鋼板 1 0を、 図 8 (匕 ) に示す目的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。 なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1 . 2 、 引張強度が 1 1 8 0 IV! 3 級の主な組織がマルテンサイ ト単相で構成される高強度鋼板とした。

このとき、 図 7のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析によっ て 、 プレス部品 1 を求め、 図 8 (a) に示すように 、 その割れ推定領域 8 <に対応する鋼板 1 0での解析領域 Xを求めた、 そ して、 解析領域 Xを、 所定の加熱温度まで加熱し、 室温まで冷却した後に、 鋼板を、 図 8 (13) の部品形状のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工を施して みた。

所定の加熱温度の条件として、 加熱無し、 4 0 0 ° 〇、 6 0 0 ° 〇、 8 0 0 ° 〇 の各条件でそれぞれ行い、 目的のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの有 無を確認してみた。

結果として、 加熱温度が 6 0 0 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品の端部に 割れが無かったが、 加熱無し、 4 0 0 ° 〇、 8 0 0 ° 〇ではいずれも割れが視認 できた。

[01 15] <実施例 3 >

主な組織がマルテンサイ ト単相の鋼板における、 第 2実施形態の処理に基 づく製造方法で、 図 1 〇 (匕) のようにせん断加工した鋼板 1 0を、 図 1 0 (〇) から図 1 0 (㊀) に順に示すように、 中間部品 4 0を経て目的のプレ ス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1 . 2 、 引張強度が 1 1 8 0 IV! 3 級の主な組織がマルテンサイ ト単相で構成される高強度鋼板とした。

[01 16] このとき、 図 1 0 (3) のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析 によって、 プレス部品 1 を求め、 図 1 0 (〇1) に 示すように、 その割れ推定領域 <に対応する中間部品 4 0での解析領域 Xを求めた。 そして、 その解析領域 Xを、 所定の加熱温度まで加熱し、 室温 まで冷却した後に、 図 1 0 (㊀) の部品形状のプレス部品 1 1 に冷間プレス \¥02020/175486 39 卩(:170? 2020 /007513

加工を施してみた。

所定の加熱温度の条件として、 加熱無し、 400 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇 の各条件でそれぞれ行い、 目的のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの有 無を確認してみた。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品 1 1の端 部に割れが無かったが、 加熱無し、 400 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが 視認できた。

[0117] <実施例 4>

主な組織がマルテンサイ ト単相の鋼板における、 第 3実施形態の処理に基 づく製造方法で、 せん断加工した鋼板を、 図 1 2 (b) から図 1 2 ( 6 ) に 順に示すように、 第 1の工程で中間部品 40を成形し、 その中間部品 40の 端部 403の一部をせん断処理した後に、 第 2の工程で、 せん断処理後の中 間部品 40を目的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 1 1 80 IV! 3 級の主な組織がマルテンサイ ト単相で構成される高強度鋼板とした。

[0118] このとき、 図 1 2 (3)のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析 によって、 目的形状のプレス部品 1 を求め、 図 1 2 (¢0 に示す、 その割れ推定領域 <に対応する、 せん断後の中間部品 40での解析領域 Xを求めた。 そして、 その中間部品 40での解析領域乂を 所定の加熱温度まで加熱し、 室温まで冷却した後に、 図 1 0 (㊀) の部品形 状のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工を施してみた。

所定の加熱温度として、 加熱無し、 400 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇でそれ それ行い、 目的のプレス部品形状での伸びフランジ割れ の有無を確認してみ た。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品の端部に 割れが無かったが、 加熱無し、 400 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが視認 できた。 \¥0 2020/175486 40 卩(:170? 2020 /007513

[01 19] <実施例 5 >

第 1の複合組織の鋼板をプレス加工する際に、 本発明を適用することによ る伸びフランジ成形性の向上効果を確認する ために、 穴広げ試験の試験片を 加熱 ·空冷した後に穴広げ試験を実施した。 その内容を次に説明する。 鋼板からなる供試材を穴広げ試験の対象とし た。 供試材は、 1 〇〇 〇! 1 0 0 01 01角の正方形のブランク材からなり、 図 1 4に示すように、 そのブ ランク材の中央に直径 1 0 01 01 0の穴を開孔し、 試験片 3 0とした。 ここで 、 本実施例で使用した供試材は、 板厚 1 = 1 . 2 、 引張強度が 1 1 8 0 IV! 3級の主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる高 強度鋼板とした。

[0120] 作製した試験片 3 0に対し、 伸びフランジ成形を含むプレス加工を摸して

、 図 1 5に示すように、 円錐形のパンチにより円錐穴広げ試験を行い 伸びフ ランジ成形性を評価した。 円錐穴広げ試験は、 頂角 6 0 ° の円錐形のパンチ を使用し、 試験片 3 0はロックビード 3 4で固定し材料流入が生じないよう にした。 図 1 5中、 符号 3 2がダイを、 符号 3 3がブランク材ホルダーを示 す。

そして、 上方からサンプルの試験片 3 0を観察しつつ、 図 1 5 ( a ) の状 態から、 パンチ 3 1 を上昇させ穴広げを行い、 板厚方向貫通割れが視認でき た時点でパンチ 3 1の上昇を停止した (図 1 5 ( b ) 参照) 。 穴広げ率は穴 広げ試験後サンプルを試験機からとりはずし 、 試験後の穴径をノギスで 4か 所測定し、 その穴広げの平均値!-と初期の穴径!_ 0 の比率から算出した。

[0121 ] この試験を、 加熱温度条件を変えて複数回実施した。

ここで、 試験片 3 0の中央に開けた 1 0 01 111 0の穴は、 1 0 01 111 0のパン チでせん断加工した。

加熱、 冷却の処理は、 所定温度に保持した塩浴槽に熱電対をつけた サンプ ルを浸潰し、 試験片 3 0を目的の温度まで加熱後、 空冷して、 穴広げ試験用 の試験片 3 0とした。

試験結果を、 図 1 7に示す。 図 1 7は加熱温度と穴広げ率の変化の関係を \¥0 2020/175486 41 卩(:170? 2020 /007513

示す図である。

ここで、 縦軸は、 室温での穴広げ率からの穴広げ率の変化率 (穴広げ性改 善率) を示している。 穴広げ性改善率が 1 0 0 %未満は、 非加熱状態に比べ て穴広げ性が悪化したことを示し。 穴広げ性改善率が 1 0 0 %以上は、 非加 熱状態に比べ穴広げ性が向上していることを 示す。

[0122] 図 1 7から分かるように、 主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複 合組織からなる鋼板を使用した場合、 加熱温度 4 0 0 ° 〇以上で、 好ましくは 5 0 0 °〇以上で穴広げ率の向上が大きくなり、 8 0 0 °〇まで加熱してしまう と穴広げ率が著しく低下したことが分かる。 以上の結果より、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 ° 〇以下の温度域に加熱することにより、 確実に伸びフランジ成形性が 改善されることが分かった。

また、 本実施例では、 試験片 3 0全体を加熱し冷却した例を示しているが 、 試験片 3 0に開孔した穴の端部 (端面から 1 ) だけをレーザー加熱し 、 空冷した場合であっても、 加熱温度を 4 0 0 ° 〇以上 7 0 0 ° 〇以下の温度域 とすることで穴広げ性改善率が向上したこと を確認している。

[0123] <実施例 6 >

第 1の複合組織からなる鋼板を用いて第 1実施形態の処理に基づく製造方 法で、 図 8 ( a ) のようにせん断加工した鋼板 1 0を、 図 8 ( 13 ) に示す目 的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1 . 2 、 引張強度が 1 1 8 0 IV! 3 級の主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる高強度鋼 板とした。

このとき、 図 7のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析によっ て 、 プレス部品 1 を求め、 図 8 ( a ) に示すように 、 その割れ推定領域 8 <に対応する鋼板 1 0での解析領域 Xを求めた、 そ して、 解析領域 Xを、 所定の加熱温度まで加熱し、 室温まで冷却した後に、 鋼板を、 図 8 ( 13 ) の部品形状のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工を施して みた。 \¥0 2020/175486 42 卩(:170? 2020 /007513

所定の加熱温度の条件として、 加熱無し、 3 5 0 ° 〇、 6 0 0 ° 〇、 8 0 0 ° 〇 の各条件でそれぞれ行い、 目的のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの有 無を確認してみた。

結果として、 加熱温度が 6 0 0 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品の端部に 割れが無かったが、 加熱無し、 3 5 0 ° 〇、 8 0 0 ° 〇ではいずれも割れが視認 できた。

[0124] <実施例 7 >

第 1の複合組織からなる鋼板を用いて第 2実施形態の処理に基づく製造方 法で、 図 1 0 (匕) のようにせん断加工した鋼板 1 0を、 図 1 0 (〇) から 図 1 0 ( 6 ) に順に示すように、 中間部品 4 0を経て目的のプレス部品形状 のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1 . 2 、 引張強度が 1 1 8 0 IV! 3 級の主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる高強度鋼 板とした。

[0125] このとき、 図 1 0 (3) のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析 によって、 プレス部品 1 を求め、 図 1 0 (〇1) に 示すように、 その割れ推定領域 <に対応する中間部品 4 0での解析領域 Xを求めた。 そして、 その解析領域 Xを、 所定の加熱温度まで加熱し、 室温 まで冷却した後に、 図 1 0 (㊀) の部品形状のプレス部品 1 1 に冷間プレス 加工を施してみた。

所定の加熱温度の条件として、 加熱無し、 3 5 0 ° 〇、 6 0 0 ° 〇、 8 0 0 ° 〇 の各条件でそれぞれ行い、 目的のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの有 無を確認してみた。

結果として、 加熱温度が 6 0 0 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品 1 1の端 部に割れが無かったが、 加熱無し、 3 5 0 ° 〇、 8 0 0 ° 〇ではいずれも割れが 視認できた。

[0126] <実施例 8 >

第 1の複合組織からなる鋼板を用いて第 3実施形態の処理に基づく製造方 \¥0 2020/175486 43 卩(:170? 2020 /007513

法で、 せん断加工した鋼板を、 図 1 2 (匕) から図 1 2 ) に順に示すよ うに、 第 1の工程で中間部品 4 0を成形し、 その中間部品 4 0の端部 4 0 3 の一部をせん断処理した後に、 第 2の工程で、 せん断処理後の中間部品 4 0 を目的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1 . 2 、 引張強度が 1 1 8 0 IV! 3 級の主な組織がマルテンサイ トとフェライ トとの複合組織からなる高強度鋼 板とした。

[0127] このとき、 図 1 2 (3) のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析 によって、 目的形状のプレス部品 1 1での割れ推定領域 <を求め、 図 1 2 (¢0 に示す、 その割れ推定領域 <に対応する、 せん断後の中間部品 4 0での解析領域 Xを求めた。 そして、 その中間部品 4 0での解析領域乂を 所定の加熱温度まで加熱し、 室温まで冷却した後に、 図 1 0 (㊀) の部品形 状のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工を施してみた。

所定の加熱温度として、 加熱無し、 3 5 0 ° 〇、 6 0 0 ° 〇、 8 0 0 ° 〇でそれ それ行い、 目的のプレス部品形状での伸びフランジ割れ の有無を確認してみ た。

結果として、 加熱温度が 6 0 0 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品の端部に 割れが無かったが、 加熱無し、 3 5 0 ° 〇、 8 0 0 ° 〇ではいずれも割れが視認 できた。

[0128] <実施例 9>

第 2の複合組織の鋼板をプレス加工する際に、 本発明を適用することによ る伸びフランジ成形性の向上効果を確認する ために、 穴広げ試験の試験片を 加熱 ·空冷した後に穴広げ試験を実施した。 その内容を次に説明する。 鋼板からなる供試材を穴広げ試験の対象とし た。 供試材は、 1 〇〇 1 0 0 01 01角の正方形のブランク材からなり、 図 1 4に示すように、 そのブ ランク材の中央に直径 1 0 01 01 0の穴を開孔し、 試験片 3 0とした。 ここで 、 本実施例で使用した供試材は、 板厚 1 = 1 . 2 、 引張強度が 1 1 8 0 IV! 3 級の残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される高強度鋼板 と \¥0 2020/175486 44 卩(:170? 2020 /007513

した。

[0129] 作製した試験片 3 0に対し、 伸びフランジ成形を含むプレス加工を摸して 、 図 1 5に示すように、 円錐形のパンチにより円錐穴広げ試験を行い 伸びフ ランジ成形性を評価した。 円錐穴広げ試験は、 頂角 6 0 ° の円錐形のパンチ を使用し、 試験片 3 0はロックビード 3 4で固定し材料流入が生じないよう にした。 図 1 5中、 符号 3 2がダイを、 符号 3 3がブランク材ホルダーを示 す。

そして、 上方からサンプルの試験片 3 0を観察しつつ、 図 1 5 ( a ) の状 態から、 パンチ 3 1 を上昇させ穴広げを行い、 板厚方向貫通割れが視認でき た時点でパンチ 3 1の上昇を停止した (図 1 5 ( b ) 参照) 。 穴広げ率は穴 広げ試験後サンプルを試験機からとりはずし 、 試験後の穴径をノギスで 4か 所測定し、 その穴広げの平均値!-と初期の穴径!_ 0 の比率から算出した。

[0130] この試験を、 加熱温度条件を変えて複数回実施した。

ここで、 試験片 3 0の中央に開けた 1 0 01 111 0の穴は、 1 0 01 111 0のパン チでせん断加工した。

加熱、 冷却の処理は、 所定温度に保持した塩浴槽に熱電対をつけた サンプ ルを浸潰し、 試験片 3 0を目的の温度まで加熱後、 空冷して、 穴広げ試験用 の試験片 3 0とした。

試験結果を、 図 1 8に示す。 図 1 8は加熱温度と穴広げ率の変化の関係を 示す図である。

ここで、 縦軸は、 室温での穴広げ率からの穴広げ率の変化率 (穴広げ性改 善率) を示している。 穴広げ性改善率が 1 0 0 %未満は、 非加熱状態に比べ て穴広げ性が悪化したことを示し。 穴広げ性改善率が 1 0 0 %以上は、 非加 熱状態に比べ穴広げ性が向上していることを 示す。

[0131 ] 図 1 8から分かるように、 残留オーステナイ トを含む複合組織から構成さ れる鋼板を使用した場合、 加熱温度 2 0 0 ° 〇以上で、 好ましくは 5 0 0 ° 〇以 上で穴広げ率の向上が大きくなり、 8 0 0 ° 〇まで加熱してしまうと穴広げ率 が著しく低下したことが分かる。 以上の結果より、 2 0 0 ° 〇以上 7 0 0 ° 〇以 \¥02020/175486 45 卩(:170? 2020 /007513

下の温度域に加熱することにより、 確実に伸びフランジ成形性が改善される ことが分かった。

また、 本実施例では、 試験片 30全体を加熱し冷却した例を示しているが 、 試験片 30に開孔した穴の端部 (端面から 1 ) だけをレーザー加熱し 、 空冷した場合であっても、 加熱温度を 200 ° 〇以上 700 ° 〇以下の温度域 とすることで穴広げ性改善率が向上したこと を確認している。

[0132] <実施例 1 0>

第 2の複合組織からなる鋼板を用いて第 1実施形態の処理に基づく製造方 法で、 図 8 (a) のようにせん断加工した鋼板 1 0を、 図 8 (13) に示す目 的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 1 1 80 IV! 3 級の残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される高強度鋼板 とした。 このとき、 図 7のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析によっ て 、 プレス部品 1 を求め、 図 8 (a) に示すように 、 その割れ推定領域 8 <に対応する鋼板 1 0での解析領域 Xを求めた、 そ して、 解析領域 Xを、 所定の加熱温度まで加熱し、 室温まで冷却した後に、 鋼板を、 図 8 (13) の部品形状のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工を施して みた。

所定の加熱温度の条件として、 加熱無し、 1 80 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇 の各条件でそれぞれ行い、 目的のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの有 無を確認してみた。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品の端部に 割れが無かったが、 加熱無し、 1 80 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが視認 できた。

[0133] <実施例 1 1 >

第 2の複合組織からなる鋼板を用いて第 2実施形態の処理に基づく製造方 法で、 図 1 0 (匕) のようにせん断加工した鋼板 1 0を、 図 1 0 (〇) から 図 1 0 ( 6 ) に順に示すように、 中間部品 40を経て目的のプレス部品形状 のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 t = 1. 2 mm、 引張強度が 1 1 80 M P a 級の残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される高強度鋼板 とした。

[0134] このとき、 図 1 0 (a) のように、 プレス成形の条件に基づき C A E解析 によって、 プレス部品 1 1での割れ推定領域 R S Kを求め、 図 1 0 (d) に 示すように、 その割れ推定領域 R S Kに対応する中間部品 40での解析領域 Xを求めた。 そして、 その解析領域 Xを、 所定の加熱温度まで加熱し、 室温 まで冷却した後に、 図 1 0 (e) の部品形状のプレス部品 1 1 に冷間プレス 加工を施してみた。

所定の加熱温度の条件として、 加熱無し、 1 80 ° C、 600 ° C、 800 ° C の各条件でそれぞれ行い、 目的のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの有 無を確認してみた。

結果として、 加熱温度が 600 ° Cの場合には、 目的のプレス部品 1 1の端 部に割れが無かったが、 加熱無し、 1 80 ° C、 800 ° Cではいずれも割れが 視認できた。

[0135] <実施例 1 2>

第 2の複合組織からなる鋼板を用いて第 3実施形態の処理に基づく製造方 法で、 せん断加工した鋼板を、 図 1 2 (b) から図 1 2 (e) に順に示すよ うに、 第 1の工程で中間部品 40を成形し、 その中間部品 40の端部 40 a の一部をせん断処理した後に、 第 2の工程で、 せん断処理後の中間部品 40 を目的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 t = 1. 2 mm、 引張強度が 1 1 80 M P a 級の残留オーステナイ トを含む複合組織から構成される高強度鋼板 とした。

[0136] このとき、 図 1 2 (a) のように、 プレス成形の条件に基づき C A E解析 によって、 目的形状のプレス部品 1 1での割れ推定領域 RS Kを求め、 図 1 2 (d) に示す、 その割れ推定領域 RS Kに対応する、 せん断後の中間部品 40での解析領域 Xを求めた。 そして、 その中間部品 40での解析領域 Xを 所定の加熱温度まで加熱し、 室温まで冷却した後に、 図 1 0 (e) の部品形 \¥02020/175486 47 卩(:170? 2020 /007513

状のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工を施してみた。

所定の加熱温度として、 加熱無し、 1 80 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇でそれ それ行い、 目的のプレス部品形状での伸びフランジ割れ の有無を確認してみ た。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品の端部に 割れが無かったが、 加熱無し、 1 80 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが視認 できた。

[0137] <実施例 1 3>

主な組織がベイナイ ト単相の鋼板をプレス加工する際に、 本発明を適用す ることによる伸びフランジ成形性の向上効果 を確認するために、 穴広げ試験 の試験片を加熱 ·空冷した後に穴広げ試験を実施した。 その内容を次に説明 する。

鋼板からなる供試材を穴広げ試験の対象とし た。 供試材は、 1 〇〇 1 000101角の正方形のブランク材からなり、 図 1 4に示すように、 そのブ ランク材の中央に直径 1 001010の穴を開孔し、 試験片 30とした。 このと き、 穴を 1 01111110のパンチでせん断加工した試験片と、 9. 81111110のパ ンチでせん断加工した後に円周を

試験片の 2種類の試験片を用いて試験を行った。

ここで、 本実施例で使用した供試材は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 7801\/1 3級の主な組織がベイナイ ト単相で構成される高強度鋼板とした

[0138] 作製した試験片 30に対し、 伸びフランジ成形を含むプレス加工を摸して 、 図 1 5に示すように、 円錐形のパンチにより円錐穴広げ試験を行い 伸びフ ランジ成形性を評価した。 円錐穴広げ試験は、 頂角 60 ° の円錐形のパンチ を使用し、 試験片 30はロックビード 34で固定し材料流入が生じないよう にした。 図 1 5中、 符号 32がダイを、 符号 33がブランク材ホルダーを示 す。

そして、 上方からサンプルの試験片 30を観察しつつ、 図 1 5 (a) の状 \¥02020/175486 48 卩(:170? 2020 /007513

態から、 パンチ 3 1 を上昇させ穴広げを行い、 板厚方向貫通割れが視認でき た時点でパンチ 3 1の上昇を停止した (図 1 5 (b)参照) 。 穴広げ率は穴 広げ試験後サンプルを試験機からとりはずし 、 試験後の穴径をノギスで 4か 所測定し、 その穴広げの平均値!-と初期の穴径!_ 0 の比率から算出した。

[0139] この試験を、 加熱温度条件を変えて複数回実施した。

加熱、 冷却の処理は、 所定温度に保持した塩浴槽に熱電対をつけた サンプ ルを浸潰し、 試験片 30を目的の温度まで加熱後、 空冷して、 穴広げ試験用 の試験片 30とした。

試験結果を、 図 1 9に示す。 図 1 9は加熱温度と穴広げ率の変化の関係を 示す図である。

ここで、 縦軸は、 室温での穴広げ率からの穴広げ率の変化率 (穴広げ性改 善率) を示している。 穴広げ性改善率が 1 00%未満は、 非加熱状態に比べ て穴広げ性が悪化したことを示し。 穴広げ性改善率が 1 00%以上は、 非加 熱状態に比べ穴広げ性が向上していることを 示す。

[0140] 図 1 9から分かるように、 主な組織がベイナイ ト単相の鋼板を使用した場 合、 加熱温度 400°〇以上で確実に穴広げ率の向上が大きく り、 800°〇 まで加熱してしまうと穴広げ率が著しく低下 したことが分かる。 以上の結果 より、 400°〇以上 700°〇以下の温度域に加熱することにより、 確実に伸 びフランジ成形性が改善されることが分かっ た。

また、 本実施例では、 試験片 30全体を加熱し冷却した例を示しているが 、 試験片 30に開孔した穴の端部 (端面から 1 ) だけをレーザー加熱し 、 空冷した場合であっても、 加熱温度を 400 ° 〇以上 700 ° 〇以下の温度域 とすることで穴広げ性改善率が向上したこと を確認している。

[0141] <実施例 1 4>

主な組織がベイナイ ト単相の鋼板における、 第 1実施形態の処理に基づく 製造方法で、 図 8 (a)のようにせん断加工した鋼板 1 0を、 図 8 (13) に 示す目的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 780!\/1? 3 級 \¥02020/175486 49 卩(:170? 2020 /007513

の主な組織がベイナイ ト単相で構成される高強度鋼板とした。

このとき、 図 7のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析によっ て 、 プレス部品 1 を求め、 図 8 (a) に示すように 、 その割れ推定領域 8 <に対応する鋼板 1 0での解析領域 Xを求めた、 そ して、 解析領域 Xを、 所定の加熱温度まで加熱し、 室温まで冷却した後に、 鋼板を、 図 8 (13) の部品形状のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工を施して みた。

所定の加熱温度の条件として、 加熱無し、 350 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇 の各条件でそれぞれ行い、 目的のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの有 無を確認してみた。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品の端部に 割れが無かったが、 加熱無し、 350 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが視認 できた。

[0142] <実施例 1 5>

主な組織がベイナイ ト単相の鋼板における、 第 2実施形態の処理に基づく 製造方法で、 図 1 〇 (匕) のようにせん断加工した鋼板 1 0を、 図 1 0 (〇 ) から図 1 0 (6) に順に示すように、 中間部品 40を経て目的のプレス部 品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 7801\/1? 3 級 の主な組織がベイナイ ト単相で構成される高強度鋼板とした。

[0143] このとき、 図 1 0 (3) のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析 によって、 プレス部品 1 を求め、 図 1 0 (〇1) に 示すように、 その割れ推定領域 <に対応する中間部品 40での解析領域 Xを求めた。 そして、 その解析領域 Xを、 所定の加熱温度まで加熱し、 室温 まで冷却した後に、 図 1 0 (㊀) の部品形状のプレス部品 1 1 に冷間プレス 加工を施してみた。

所定の加熱温度の条件として、 加熱無し、 350 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇 の各条件でそれぞれ行い、 目的のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの有 \¥02020/175486 50 卩(:170? 2020 /007513

無を確認してみた。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品 1 1の端 部に割れが無かったが、 加熱無し、 350 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが 視認できた。

[0144] <実施例 1 6>

主な組織がベイナイ ト単相の鋼板における、 第 3実施形態の処理に基づく 製造方法で、 せん断加工した鋼板を、 図 1 2 (b)から図 1 2 (ø) に順に 示すように、 第 1の工程で中間部品 40を成形し、 その中間部品 40の端部 403の一部をせん断処理した後に、 第 2の工程で、 せん断処理後の中間部 品 40を目的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。 なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 7801\/1? 3 級 の主な組織がベイナイ ト単相で構成される高強度鋼板とした。

[0145] このとき、 図 1 2 (3) のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析 によって、 目的形状のプレス部品 1 を求め、 図 1 2 (¢0 に示す、 その割れ推定領域 <に対応する、 せん断後の中間部品 40での解析領域 Xを求めた。 そして、 その中間部品 40での解析領域乂を 所定の加熱温度まで加熱し、 室温まで冷却した後に、 図 1 0 (㊀) の部品形 状のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工を施してみた。

所定の加熱温度として、 加熱無し、 350 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇でそれ それ行い、 目的のプレス部品形状での伸びフランジ割れ の有無を確認してみ た。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品の端部に 割れが無かったが、 加熱無し、 350 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが視認 できた。

[0146] <実施例 1 7>

主な組織がフェライ ト単相の鋼板をプレス加工する際に、 本発明を適用す ることによる伸びフランジ成形性の向上効果 を確認するために、 穴広げ試験 の試験片を加熱 ·空冷した後に穴広げ試験を実施した。 その内容を次に説明 \¥0 2020/175486 51 卩(:170? 2020 /007513

する。

鋼板からなる供試材を穴広げ試験の対象とし た。 供試材は、 1 〇〇 〇! 1 0 0 01 01角の正方形のブランク材からなり、 図 1 4に示すように、 そのブ ランク材の中央に直径 1 0 01 01 0の穴を開孔し、 試験片 3 0とした。 このと き、 穴を 1 0 111 111 0のパンチでせん断加工した試験片と、 9 . 8 111 111 0のパ ンチでせん断加工した後に円周を

試験片の 2種類の試験片を用いて試験を行った。

ここで、 本実施例で使用した供試材は、 板厚 1 = 1 . 2 、 引張強度が 7 8 3 級の主な組織がフヱライ ト単相で構成される高強度鋼板とした

[0147] 作製した試験片 3 0に対し、 伸びフランジ成形を含むプレス加工を摸して 、 図 1 5に示すように、 円錐形のパンチにより円錐穴広げ試験を行い 伸びフ ランジ成形性を評価した。 円錐穴広げ試験は、 頂角 6 0 ° の円錐形のパンチ を使用し、 試験片 3 0はロックビード 3 4で固定し材料流入が生じないよう にした。 図 1 5中、 符号 3 2がダイを、 符号 3 3がブランク材ホルダーを示 す。

そして、 上方からサンプルの試験片 3 0を観察しつつ、 図 1 5 ( a ) の状 態から、 パンチ 3 1 を上昇させ穴広げを行い、 板厚方向貫通割れが視認でき た時点でパンチ 3 1 の上昇を停止した (図 1 5 ( b ) 参照) 。 穴広げ率は穴 広げ試験後サンプルを試験機からとりはずし 、 試験後の穴径をノギスで 4か 所測定し、 その穴広げの平均値!-と初期の穴径!_ 0 の比率から算出した。

[0148] この試験を、 加熱温度条件を変えて複数回実施した。

加熱、 冷却の処理は、 所定温度に保持した塩浴槽に熱電対をつけた サンプ ルを浸潰し、 試験片 3 0を目的の温度まで加熱後、 空冷して、 穴広げ試験用 の試験片 3 0とした。

試験結果を、 図 2 0に示す。 図 2 0は加熱温度と穴広げ率の変化の関係を 示す図である。

ここで、 縦軸は、 室温での穴広げ率からの穴広げ率の変化率 (穴広げ性改 \¥02020/175486 52 卩(:170? 2020 /007513

善率) を示している。 穴広げ性改善率が 1 00%未満は、 非加熱状態に比べ て穴広げ性が悪化したことを示し。 穴広げ性改善率が 1 00%以上は、 非加 熱状態に比べ穴広げ性が向上していることを 示す。

[0149] 図 20から分かるように、 主な組織がベイナイ ト単相の鋼板を使用した場 合、 加熱温度 400°〇以上で確実に穴広げ率の向上が大きく り、 800°〇 まで加熱してしまうと穴広げ率が著しく低下 したことが分かる。 以上の結果 より、 400°〇以上 700°〇以下の温度域に加熱することにより、 確実に伸 びフランジ成形性が改善されることが分かっ た。

また、 本実施例では、 試験片 30全体を加熱し冷却した例を示しているが 、 試験片 30に開孔した穴の端部 (端面から 1 ) だけをレーザー加熱し 、 空冷した場合であっても、 加熱温度を 400 ° 〇以上 700 ° 〇以下の温度域 とすることで穴広げ性改善率が向上したこと を確認している。

[0150] <実施例 1 8>

主な組織がフェライ ト単相の鋼板における、 第 1実施形態の処理に基づく 製造方法で、 図 8 (a)のようにせん断加工した鋼板 1 0を、 図 8 (13) に 示す目的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 7801\/1? 3 級 の主な組織がフェライ ト単相で構成される高強度鋼板とした。

このとき、 図 7のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析によっ て 、 プレス部品 1 を求め、 図 8 (a) に示すように 、 その割れ推定領域 8 <に対応する鋼板 1 0での解析領域 Xを求めた、 そ して、 解析領域 Xを、 所定の加熱温度まで加熱し、 室温まで冷却した後に、 鋼板を、 図 8 (13) の部品形状のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工を施して みた。

所定の加熱温度の条件として、 加熱無し、 350 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇 の各条件でそれぞれ行い、 目的のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの有 無を確認してみた。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品の端部に \¥02020/175486 53 卩(:170? 2020 /007513

割れが無かったが、 加熱無し、 350 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが視認 できた。

[0151] <実施例 1 9>

主な組織がフェライ ト単相の鋼板における、 第 2実施形態の処理に基づく 製造方法で、 図 1 〇 (匕) のようにせん断加工した鋼板 1 0を、 図 1 0 (〇 ) から図 1 0 (6) に順に示すように、 中間部品 40を経て目的のプレス部 品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 7801\/1? 3 級 の主な組織がフェライ ト単相で構成される高強度鋼板とした。

[0152] このとき、 図 1 0 (3) のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析 によって、 プレス部品 1 を求め、 図 1 0 (〇1) に 示すように、 その割れ推定領域 <に対応する中間部品 40での解析領域 Xを求めた。 そして、 その解析領域 Xを、 所定の加熱温度まで加熱し、 室温 まで冷却した後に、 図 1 0 (㊀) の部品形状のプレス部品 1 1 に冷間プレス 加工を施してみた。

所定の加熱温度の条件として、 加熱無し、 350 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇 の各条件でそれぞれ行い、 目的のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの有 無を確認してみた。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品 1 1の端 部に割れが無かったが、 加熱無し、 350 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが 視認できた。

[0153] <実施例 20>

主な組織がフェライ ト単相の鋼板における、 第 3実施形態の処理に基づく 製造方法で、 せん断加工した鋼板を、 図 1 2 (b)から図 1 2 (ø) に順に 示すように、 第 1の工程で中間部品 40を成形し、 その中間部品 40の端部 403の一部をせん断処理した後に、 第 2の工程で、 せん断処理後の中間部 品 40を目的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。 なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 7801\/1? 3級 \¥02020/175486 54 卩(:170? 2020 /007513

の主な組織がフェライ ト単相で構成される高強度鋼板とした。

[0154] このとき、 図 1 2 (3) のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析 によって、 目的形状のプレス部品 1 を求め、 図 1 2 (¢0 に示す、 その割れ推定領域 <に対応する、 せん断後の中間部品 40での解析領域 Xを求めた。 そして、 その中間部品 40での解析領域乂を 所定の加熱温度まで加熱し、 室温まで冷却した後に、 図 1 0 (㊀) の部品形 状のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工を施してみた。

所定の加熱温度として、 加熱無し、 350 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇でそれ それ行い、 目的のプレス部品形状での伸びフランジ割れ の有無を確認してみ た。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品の端部に 割れが無かったが、 加熱無し、 350 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが視認 できた。

[0155] <実施例 2 1 >

第 3の複合組織の鋼板をプレス加工する際に、 本発明を適用することによ る伸びフランジ成形性の向上効果を確認する ために、 穴広げ試験の試験片を 加熱 ·空冷した後に穴広げ試験を実施した。 その内容を次に説明する。 鋼板からなる供試材を穴広げ試験の対象とし た。 供試材は、 1 〇〇 1 000101角の正方形のブランク材からなり、 図 1 4に示すように、 そのブ ランク材の中央に直径 1 001010の穴を開孔し、 試験片 30とした。 このと き、 穴を 1 01111110のパンチでせん断加工した試験片と、 9. 81111110のパ ンチでせん断加工した後に円周を

試験片の 2種類の試験片を用いて試験を行った。

ここで、 本実施例で使用した供試材は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 78 3 級の主な組織がフヱライ トとパーライ トの複合組織で構成され る高強度鋼板とした。

[0156] 作製した試験片 30に対し、 伸びフランジ成形を含むプレス加工を摸して 、 図 1 5に示すように、 円錐形のパンチにより円錐穴広げ試験を行い 伸びフ \¥0 2020/175486 55 卩(:170? 2020 /007513

ランジ成形性を評価した。 円錐穴広げ試験は、 頂角 6 0 ° の円錐形のパンチ を使用し、 試験片 3 0はロックビード 3 4で固定し材料流入が生じないよう にした。 図 1 5中、 符号 3 2がダイを、 符号 3 3がブランク材ホルダーを示 す。

そして、 上方からサンプルの試験片 3 0を観察しつつ、 図 1 5 (a) の状 態から、 パンチ 3 1 を上昇させ穴広げを行い、 板厚方向貫通割れが視認でき た時点でパンチ 3 1の上昇を停止した (図 1 5 (b)参照) 。 穴広げ率は穴 広げ試験後サンプルを試験機からとりはずし 、 試験後の穴径をノギスで 4か 所測定し、 その穴広げの平均値!-と初期の穴径!_ 0 の比率から算出した。

[0157] この試験を、 加熱温度条件を変えて複数回実施した。

加熱、 冷却の処理は、 所定温度に保持した塩浴槽に熱電対をつけた サンプ ルを浸潰し、 試験片 3 0を目的の温度まで加熱後、 空冷して、 穴広げ試験用 の試験片 3 0とした。

試験結果を、 図 2 1 に示す。 図 2 1は加熱温度と穴広げ率の変化の関係を 示す図である。

ここで、 縦軸は、 室温での穴広げ率からの穴広げ率の変化率 (穴広げ性改 善率) を示している。 穴広げ性改善率が 1 0 0 %未満は、 非加熱状態に比べ て穴広げ性が悪化したことを示し。 穴広げ性改善率が 1 0 0 %以上は、 非加 熱状態に比べ穴広げ性が向上していることを 示す。

[0158] 図 2 1から分かるように、 フェライ トとパーライ トの複合組織で構成され る鋼板を使用した場合、 加熱温度 4 0 0 ° 〇以上で確実に穴広げ率の向上が大 きくなり、 8 0 0 °〇まで加熱してしまうと穴広げ率が著しく 下したことが 分かる。 以上の結果より、 4 0 0 °〇以上 7 0 0 °〇以下の温度域に加熱するこ とにより、 確実に伸びフランジ成形性が改善されること が分かった。

また、 本実施例では、 試験片 3 0全体を加熱し冷却した例を示しているが 、 試験片 3 0に開孔した穴の端部 (端面から 1 ) だけをレーザー加熱し 、 空冷した場合であっても、 加熱温度を 4 0 0 ° 〇以上 7 0 0 ° 〇以下の温度域 とすることで穴広げ性改善率が向上したこと を確認している。 \¥02020/175486 56 卩(:170? 2020 /007513

[0159] <実施例 22>

第 3の複合組織からなる鋼板における、 第 1実施形態の処理に基づく製造 方法で、 図 8 (a)のようにせん断加工した鋼板 1 0を、 図 8 (13) に示す 目的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 7801\/1? 3 級 のフェライ トとパーライ トの複合組織で構成される高強度鋼板とした 。 このとき、 図 7のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析によっ て 、 プレス部品 1 を求め、 図 8 (a) に示すように 、 その割れ推定領域 8 <に対応する鋼板 1 0での解析領域 Xを求めた、 そ して、 解析領域 Xを、 所定の加熱温度まで加熱し、 室温まで冷却した後に、 鋼板を、 図 8 (13) の部品形状のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工を施して みた。

所定の加熱温度の条件として、 加熱無し、 350 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇 の各条件でそれぞれ行い、 目的のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの有 無を確認してみた。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品の端部に 割れが無かったが、 加熱無し、 350 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが視認 できた。

[0160] <実施例 23>

第 3の複合組織からなる鋼板における、 第 2実施形態の処理に基づく製造 方法で、 図 1 0 (匕) のようにせん断加工した鋼板 1 0を、 図 1 0 (〇) か ら図 1 0 (6) に順に示すように、 中間部品 40を経て目的のプレス部品形 状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 7801\/1? 3 級 のフェライ トとパーライ トの複合組織で構成される高強度鋼板とした 。

[0161] このとき、 図 1 0 (3) のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析 によって、 プレス部品 1 を求め、 図 1 0 (〇1) に 示すように、 その割れ推定領域 <に対応する中間部品 40での解析領域 \¥02020/175486 57 卩(:170? 2020 /007513

Xを求めた。 そして、 その解析領域 Xを、 所定の加熱温度まで加熱し、 室温 まで冷却した後に、 図 1 0 (㊀) の部品形状のプレス部品 1 1 に冷間プレス 加工を施してみた。

所定の加熱温度の条件として、 加熱無し、 350 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇 の各条件でそれぞれ行い、 目的のプレス部品 1 1での伸びフランジ割れの有 無を確認してみた。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品 1 1の端 部に割れが無かったが、 加熱無し、 350 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが 視認できた。

[0162] <実施例 24>

第 3の複合組織からなる鋼板における、 第 3実施形態の処理に基づく製造 方法で、 せん断加工した鋼板を、 図 1 2 (13) から図 1 2 (ø) に順に示す ように、 第 1の工程で中間部品 40を成形し、 その中間部品 40の端部 40 3の一部をせん断処理した後に、 第 2の工程で、 せん断処理後の中間部品 4 0を目的のプレス部品形状のプレス部品 1 1 にプレス成形してみた。

なお、 使用した鋼板は、 板厚 1 = 1. 2 、 引張強度が 7801\/1? 3 級 のフェライ トとパーライ トの複合組織で構成される高強度鋼板とした 。

[0163] このとき、 図 1 2 (3) のように、 プレス成形の条件に基づき〇八巳解析 によって、 目的形状のプレス部品 1 を求め、 図 1 2 (¢0 に示す、 その割れ推定領域 <に対応する、 せん断後の中間部品 40での解析領域 Xを求めた。 そして、 その中間部品 40での解析領域乂を 所定の加熱温度まで加熱し、 室温まで冷却した後に、 図 1 0 (㊀) の部品形 状のプレス部品 1 1 に冷間プレス加工を施してみた。

所定の加熱温度として、 加熱無し、 350 ° 〇、 600 ° 〇、 800 ° 〇でそれ それ行い、 目的のプレス部品形状での伸びフランジ割れ の有無を確認してみ た。

結果として、 加熱温度が 600 ° 〇の場合には、 目的のプレス部品の端部に 割れが無かったが、 加熱無し、 350 ° 〇、 800 ° 〇ではいずれも割れが視認 \¥02020/175486 58 卩(:170? 2020 /007513

できた。

[0164] また、 本願が優先権を主張する、 日本国特許出願 201 9-034755 (201 9年 2月 27日出願) 、 日本国特許出願 201 9-034756 (201 9年 2月 27日出願) 、 日本国特許出願 201 9-034757 (201 9年 2月 27日出願) 、 日本国特許出願 201 9- 1 1 85 1 2 (201 9年 6月 26日出願) 、 日本国特許出願 201 9- 1 1 85 1 3 (201 9年 6月 26日出願) 、 及び日本国特許出願 201 9- 1 1 85 1 4 (201 9年 6月 26日出願) の全内容は、 参照により本開示の一部 をなす。 ここでは、 限られた数の実施形態を参照しながら説明し たが、 権利 範囲はそれらに限定されるものではなく、 上記の開示に基づく各実施形態の 改変は当業者にとって自明なことである。

符号の説明

[0165] 1 鋼板製造工程

1 八 せん断工程

1 巳 加熱 ·冷却工程

1 巳 8 加熱処理

1 巳匕 冷却処理

2 プレス加工工程

2八 第 1の工程

2巳 第 2の工程

3 伸びフランジ割れ領域推定処理 (解析工程)

1 0 鋼板

1 1 目的のプレス部品

40 中間部品

50 せん断工程

5 1 解析工程

52 加熱 ·冷却工程