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Title:
METHOD FOR PRODUCING ALCOHOL BY HYDROGENATING LACTONE AND CARBOXYLIC ACID ESTER IN LIQUID PHASE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/120475
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing an alcohol from a lactone or a carboxylic acid ester, which enables to produce an alcohol from a lactone or a carboxylic acid ester under relatively mild conditions with high yield and high catalytic efficiency. This method also enables to produce an optically active alcohol from an optically active lactone or an optically active carboxylic acid ester. Specifically disclosed is a method for producing an alcohol by hydrogen reducing a lactone or a carboxylic acid ester in the presence of a catalyst containing ruthenium and a phosphine compound represented by the following general formula (1). (In the formula, R1 represents a spacer; R2, R3, R4, R5, R6 and R7 independently represent a hydrogen atom, an alkyl group having 1-12 carbon atoms, an aryl group or a heterocyclic group; and R8, R9, R10, R11, R12 and R13 independently represent an alkyl group having 1-12 carbon atoms, an aryl group or a heterocyclic group.)

Inventors:
MAEDA HIROFUMI (JP)
INOUE KENJI (JP)
MATSUMOTO TAKAJI (JP)
NAGASAKI IZURU (JP)
NOYORI RYOJI (JP)
SAITO SUSUMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000850
Publication Date:
October 09, 2008
Filing Date:
April 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KANEKA CORP (JP)
TAKASAGO PERFUMERY CO LTD (JP)
UNIV NAGOYA NAT UNIV CORP (JP)
MAEDA HIROFUMI (JP)
INOUE KENJI (JP)
MATSUMOTO TAKAJI (JP)
NAGASAKI IZURU (JP)
NOYORI RYOJI (JP)
SAITO SUSUMU (JP)
International Classes:
C07C29/149; C07C31/20; C07C31/22; C07C33/20; C07C33/22; C07C33/26; C07C67/31; C07C69/675; C07C213/00; C07C215/28; C07C231/12; C07C233/73; C07C269/06; C07C271/16; C07B53/00; C07B61/00
Domestic Patent References:
WO2007017453A12007-02-15
WO2006106483A12006-10-12
WO2008035123A22008-03-27
WO2006106483A12006-10-12
WO2006106484A12006-10-12
Foreign References:
JP2001247499A2001-09-11
JP2004300131A2004-10-28
JP2005524704A2005-08-18
JPS63185937A1988-08-01
JPS518203A1976-01-23
DE3217429A11982-12-09
JPS58216131A1983-12-15
JP2001247499A2001-09-11
JP2004300131A2004-10-28
JP2005524704A2005-08-18
JP2002501817A2002-01-22
JP2002501935A2002-01-22
Other References:
TEUNSSEN H.T. ET AL.: "Homogeneous ruthenium catalyzed hydrogenation of esters to alcohols", CHEM. COMMUN., 1998, pages 1367 - 1368, XP002407182
ORG. REACT., vol. 8, no. 1, 1954
J. CHEM. SOC. CHEM. COMMUN., vol. 783, 1980
ANGEW. CHEM. INT. ED., vol. 45, 2006, pages 1113
ADV. SYNTH. CAT., vol. 343, 2001, pages 802
VENANZI ET AL., INORG. CHEM., vol. 27, 1988, pages 604 - 610
VENANZI ET AL., INORG. CHEM., vol. 26, 1987, pages 2692 - 2695
DYSON ET AL., INORG. CHEM., vol. 47, 2008, pages 381 - 390
JOURNAL OF ORGANOMETALLIC CHEMISTRY, vol. 468, no. 1-2, 1994, pages 149 - 163
TETRAHEDRON, vol. 63, 2007, pages 4450 - 4458
CHEM. BER., vol. 127, 1994, pages 501 - 506
INORGANIC CHEMISTRY, vol. 27, 1988, pages 604 - 610
INORGANIC CHEMISTRY, vol. 26, 1987, pages 2692 - 2695
INORGANIC CHEMISTRY, vol. 47, 2008, pages 381 - 390
See also references of EP 2141142A4
Attorney, Agent or Firm:
SAEKI, Norio et al. (Aminosan Kaikan Building15-8, Nihonbashi 3-chome,Chuo-k, Tokyo 27, JP)
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Claims:
 ルテニウムおよび下記一般式(1):
(式中、R 1 はスペーサーを表し、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 は、各々独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、アリール基または複素環基を表し、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は、各々独立に、炭素数1~12のアルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
で表されるホスフィン化合物を含む触媒の存在下、溶媒中又は無溶媒でラクトン又はカルボン酸エステルを水素還元することを特徴とするアルコール類の製造方法。
 還元されるラクトン又はカルボン酸エステルが光学活性体であり、還元されて生じるアルコール類の光学純度が、還元される基質の光学純度の90%以上の数値を保持していることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
 ルテニウムおよびホスフィン化合物を含む触媒が、即時使用するために製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
 ルテニウムおよびホスフィン化合物を含む触媒が下記一般式(2)で表される錯体であることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の製造方法。
 [Ru 2 (μ-X 1 ) 3 (Phos) 2 ]X 2     (2)
(式中、X 1 はハロゲン原子を表し、X 2 はカウンターアニオンを表す。Phosは上記一般式(1)で表されるホスフィン化合物を表す。)
 ルテニウムおよびホスフィン化合物を含む触媒が下記一般式(3)で表される錯体であることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の製造方法。
 [Ru(Phos)(L 1 )(L 2 )(L 3 )](X 3 ) 2     (3)
(式中、L 1 、L 2 及びL 3 はそれぞれ単独あるいは連結していてもよく、中性配位子あるいは配位性溶媒を表し、X 3 はカウンターアニオンを表し、Phosは上記一般式(1)で表されるホスフィン化合物を表す。)
 ルテニウムおよびホスフィン化合物を含む触媒が下記一般式(4)で表される錯体であることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の製造方法。
 [RuH(BH 4 )(Phos)]   (4)
(式中、Phosは上記一般式(1)で表されるホスフィン化合物を表す。)
 ルテニウムおよびホスフィン化合物を含む触媒が下記一般式(5)で表される錯体であることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の製造方法。
[Ru(H)(OAc)(Phos)]    (5)
(式中、Acはアセチル基を表し、Phosは上記一般式(1)で表されるホスフィン化合物を表す。)
 水素化反応に用いられる溶媒がアルコール系溶媒である請求項1~7の何れかに記載の製造方法。
 反応系に添加剤を加える、請求項1~8の何れかに記載の製造方法。
 反応系に助触媒として還元剤を加えることを特徴とする請求項1~9の何れかに記載の製造方法。
Description:
液相でラクトンおよびカルボン エステルを水素化するアルコール類の製造 法

 本発明は、ラクトン又はカルボン酸エス ルを水素還元してアルコール類を製造する 法に関する。

 ラクトン又はカルボン酸エステルを水素化 てアルコール類を製造する方法は、種々の 媒、反応形態について多くの提案がなされ いる。特許文献1から3および非特許文献1に 固定床あるいは液相懸濁系でのラクトンお びカルボン酸エステル類の水素化反応が記 されている。特許文献4~6および非特許文献2 、3には、ルテニウム化合物および有機ホス ィン化合物からなるルテニウム錯体を使用 る、液相でのエステル類の水素化反応が記 されている。また、光学活性カルボン酸を 素化して、光学活性アルコールを製造する 法が、特許文献7、8、および非特許文献4に 載されている。

特開昭51-8203号公報

DE3217429 A1

特開昭58-216131号公報

特開2001-247499号公報

特開2004-300131号公報

特表2005-524704号公報

特表2002-501817号公報

特表2002-501935号公報

WO2006/106483

WO2006/106484 Org.React.,1954,8,1 J.Chem.Soc.Chem.Commun.,1980,783 Angew.Chem.Int.Ed.,2006,45,1113 Adv.Synth.Cat.,2001,343,802

 上記特許文献1から3および非特許文献1に 載の方法は、何れも高温あるいは高圧とい 過酷な反応条件を必要とし、操作性、製造 置等に大きな制限を有する。特許文献4から 6および非特許文献2、3に記載の液相での水素 化反応はいずれも、収率および触媒効率をと もに満たすものではなく、経済的に有利な方 法と言いがたい。また特許文献5および非特 文献2に記載のエステルの水素化反応では含 ッ素アルコールが溶媒として使用され、経 性、環境負荷の観点において課題を有する 非特許文献3に記載の方法は反応溶媒として 、経済的に不利で、かつ人体への影響が懸念 される1,4-ジオキサンが採用されている。特 文献7および8、非特許文献4には、光学純度 低下を伴わない、水素化反応によるアルコ ルの製造方法の提案がなされている。特許 献7および8には酸化ルテニウム-レニウム系 媒存在下での光学活性リンゴ酸の水素化反 、非特許文献4ではロジウム-酸化白金触媒を 用いた光学活性α-ヒドロキシエステル、α-ア ミノエステルの水素化反応が記載されている 。しかしながら、いずれも原料に対して多量 の触媒を必要とし、工業的製造には課題を有 する。加えて、光学活性β-ヒドロキシエステ ル類や光学活性β-アミノエステル類から収率 よく1,3-ジオール、1,3-アミノアルコールを得 ことは困難である。特許文献9及び10に記載 方法は、大過剰量の塩基を使用するため、 学活性なエステル類を、光学純度を低下さ ること無く水素化することは困難である。

 従って、本発明の目的は、比較的温和な 件下でラクトン又はカルボン酸エステルか アルコール類を高収率かつ高触媒効率で製 可能であり、且つ、光学活性ラクトンおよ 光学活性カルボン酸エステルから光学活性 ルコールを製造可能である、ラクトン又は ルボン酸エステルからのアルコール類の製 方法を提供することにある。

 また、本発明の目的は、上記の有利な特 を備えつつ、環境負荷を最小限にした、ラ トン又はカルボン酸エステルからのアルコ ル類の製造方法を提供することにもある。

 本発明者らは上記の事情に鑑み、鋭意検 を行った結果、ルテニウム化合物およびホ フィン化合物からなる特定のルテニウム触 を用い、反応溶媒としてアルコール系溶媒 採用することにより、比較的温和な条件下 、ラクトン又はカルボン酸エステルからア コール類を高収率かつ高触媒効率で製造す こと、併せて光学活性ラクトンおよび光学 性カルボン酸エステルから、光学活性アル ールを高収率で製造することを見出し、本 明を完成させるに至った。

 すなわち本発明は、以下の[1]~[10]に関する のである。
[1]ルテニウムおよび下記一般式(1)
(式中、R 1 はスペーサーを表し、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 は、各々独立に、水素原子、炭素数1~12のア キル基、アリール基または複素環基を表し R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は、各々独立に、炭素数1~12のアルキル基、 リール基または複素環基を表す。)
で表されるホスフィン化合物を含む触媒の存 在下、溶媒中又は無溶媒でラクトン又はカル ボン酸エステルを水素還元することを特徴と するアルコール類の製造方法。
[2]還元されるラクトン又はカルボン酸エステ ルが光学活性体であり、還元されて生じるア ルコール類の光学純度が、還元される基質の 光学純度の90%以上の数値を保持していること を特徴とする(1)に記載の製造方法。
[3]ルテニウムおよびホスフィン化合物を含む 触媒が、即時使用するために製造されること を特徴とする[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]ルテニウムおよびホスフィン化合物を含む 触媒が下記一般式(2)で表される錯体であるこ とを特徴とする[1]~[3]の何れかに記載の製造 法。
[Ru 2 (μ-X 1 ) 3 (Phos) 2 ]X 2     (2)
(式中、X 1 はハロゲン原子を表し、X 2 はカウンターアニオンを表す。Phosは上記一 式(1)で表されるホスフィン化合物を表す。)
[5]ルテニウムおよびホスフィン化合物を含む 触媒が下記一般式(3)で表される錯体であるこ とを特徴とする[1]~[3]の何れかに記載の製造 法。
[Ru(Phos)(L 1 )(L 2 )(L 3 )](X 3 ) 2     (3)
(式中、L 1 、L 2 及びL 3 はそれぞれ単独あるいは連結していてもよく 、中性配位子あるいは配位性溶媒を表し、X 3 はカウンターアニオンを表し、Phosは上記一 式(1)で表されるホスフィン化合物を表す。)
[6]ルテニウムおよびホスフィン化合物を含む 触媒が下記一般式(4)で表される錯体であるこ とを特徴とする[1]~[3]の何れかに記載の製造 法。
[RuH(BH 4 )(Phos)]   (4)
(式中、Phosは上記一般式(1)で表されるホスフ ン化合物を表す。)
[7]ルテニウムおよびホスフィン化合物を含む 触媒が下記一般式(5)で表される錯体であるこ とを特徴とする[1]~[3]の何れかに記載の製造 法。
[Ru(H)(OAc)(Phos)]    (5)
(式中、Acはアセチル基を表し、Phosは上記一 式(1)で表されるホスフィン化合物を表す。)
[8]水素化反応に用いられる溶媒がアルコール 系溶媒である[1]~[7]の何れかに記載の製造方 。
[9]反応系に添加剤を加える、[1]~[8]の何れか 記載の製造方法。
[10]反応系に助触媒として還元剤を加えるこ を特徴とする[1]~[9]の何れかに記載の製造方 。

 本発明の製造方法によれば、ラクトン及 カルボン酸エステルを、液相で水素化し、 収率かつ高触媒効率でアルコール類を製造 ることができる。本発明の方法は比較的低 ・低温条件下で行われ、工業的に有用な製 方法である。加えて光学活性ラクトンおよ 光学活性カルボン酸エステルからは、高収 で光学活性アルコールを製造することがで る。

 以下、本発明について詳細に説明する。
 本発明において原料として用いられるカル ン酸エステルとしては、脂肪族カルボン酸 ステル又は芳香族カルボン酸エステル等が げられる。該エステルはモノカルボン酸由 でもポリカルボン酸由来のエステル類でも い。

 本発明に用いられるエステル類としては 下記のカルボン酸のメチルエステル、エチ エステル、プロピルエステル、ブチルエス ル、ヘキシルエステル、オクチルエステル のアルキルエステル;フェニルエステル、ビ フェニルエステル、ナフチルエステル等のア リールエステル;ベンジルエステル、1-フェネ チルエステル等のアラルキルエステル等が挙 げられる。

 脂肪族カルボン酸としては、炭素数2~30の モノ-又はポリカルボン酸が挙げられ、具体 には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸 ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノ ン酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸 ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン 、オレイン酸、シュウ酸、プロパンジカル ン酸、ブタンジカルボン酸、ヘキサンジカ ボン酸、セバシン酸、アクリル酸等が挙げ れる。

 また、これら脂肪族カルボン酸は置換基 置換されていてもよい。置換基としては、 ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、 ミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、 ラルキル基、シリルオキシ基、水酸基等が げられる。

 アルキル基としては、直鎖又は分岐ある は環状でもよい基が挙げられ、例えば、メ ル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロ ル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル 、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基 n-オクチル基、シクロプロピル基、シクロ ンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ 。

 アルコキシ基としては、直鎖又は分岐あ いは環状でもよい基が挙げられ、例えば、 トキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、 ソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキ シ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペンチ ルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-オクチ オキシ基、シクロペンチルオキシ基、シク ヘキシルオキシ基等が挙げられる。

 ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩 原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる

 アミノ基としては、アミノ基;N-メチルア ノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチル ミノ基、N,N-ジイソプロピルアミノ基、N-シ ロヘキシルアミノ基等のモノ又はジアルキ アミノ基;N-フェニルアミノ基、N,N-ジフェニ アミノ基、N-ナフチルアミノ基、N-ナフチル -N-フェニルアミノ基等のモノ又はジアリール アミノ基;N-ベンジルアミノ基、N,N-ジベンジ アミノ基等のモノ又はジアラルキルアミノ ;ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プ ピオニルアミノ基、ピバロイルアミノ基、 ンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ 、ベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ基; メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカル ボニルアミノ基、n-プロポキシカルボニルア ノ基、n-ブトキシカルボニルアミノ基、tert- ブトキシカルボニルアミノ基、ペンチルオキ シカルボニルアミノ基、ヘキシルオキシカル ボニルアミノ基等のアルコキシカルボニルア ミノ基;フェニルオキシカルボニルアミノ基 のアリールオキシカルボニルアミノ基;ベン ルオキシカルボニルアミノ基等のアラルキ オキシカルボニルアミノ基;ベンゼンスルホ ニルアミノ基、4-ニトロベンゼンスルホニル ミノ基、2-ニトロベンゼンスルホニルアミ 基、p-トルエンスルホニルアミノ基などのス ルホニルアミノ基等が挙げられる。

 アリール基としては、フェニル基、ナフ ル基、ビフェニル基等が挙げられ、これら リール基は前記したようなアルキル基、ア コキシ基、ハロゲン原子、アミノ基等で置 されていてもよい。

 ヘテロアリール基としては例えば炭素数2 ~15で、異種原子として少なくとも1個、好ま くは1~3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子 の異種原子を含んでいる、5~8員、好ましく 5又は6員の単環式ヘテロアリール基、多環式 又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられ 、具体的にはフリル基、チエニル基、ピリジ ル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリ ダジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基 、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフ リル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イ ソキノリル基、キノキサリニル基、フタラジ ニル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基 、シンノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、 ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基 等が挙げられる。

 アラルキル基としては、ベンジル基、1-フ ネチル基等が挙げられる。
 シリルオキシ基としては、例えばトリメチ シリルオキシ基、t-ブチルジメチルシリル キシ基、t-ブチルジフェニルシリルオキシ基 が挙げられる。

 芳香族カルボン酸としては、安息香酸、ナ タレンカルボン酸、ピリジンカルボン酸、 ノリンカルボン酸、フランカルボン酸、チ フェンカルボン酸等が挙げられる。
 また、これら芳香族カルボン酸は前記した うなアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン 子、アミノ基、アリール基、ヘテロアリー 基、アラルキル基、水酸基等で置換されて てもよい。

 本発明において用いられるラクトン類と ては、β-ラクトン、γ-ラクトン、δ-ラクト 等が挙げられ、これらのラクトン類は前記 たようなアルキル基、アルコキシ基、ハロ ン原子、アミノ基、アリール基、ヘテロア ール基、アラルキル基、水酸基等で置換さ ていてもよい。

 続いて、本発明に用いられる触媒について 明する。
 本発明で用いられる触媒の成分であるルテ ウムとしては、例えばルテニウム化合物が げられ、ルテニウム化合物の具体例として 、RuCl 2 (DMSO) 4 、RuCl 3 ・nH 2 O、(cod) 2 Ru(μ-OAc)、(cod) 2 Ru(μ-O 2 CCF 3 )、(cod)Ru(η 2 -O 2 CCF 3 ) 2 、(cod)Ru(η 3 -methallyl) 2 、Ru 2 (CO) 6 (C 8 H 8 )、RuCl(CO) 3 (C 3 H 5 )、Ru(C 5 H 5 ) 2 、Ru(C 5 H 5 )(CH 3 COC 5 H 4 )、Ru(C 5 H 5 )(C 5 H 4 CH 3 )、[Ru(cod)Cl 2 ]n、[Ru(benzene)Cl 2 ] 2 、[Ru(benzene)Br 2 ] 2 、[Ru(benzene)I 2 ] 2 、[Ru(p-cymene)Cl 2 ] 2 、[Ru(p-cymene)Br 2 ] 2 、[Ru(p-cymene)I 2 ] 2 、[Ru(mesitylene)Cl 2 ] 2 、[Ru(mesitylene)Br 2 ] 2 、[Ru(mesitylene)I 2 ] 2 、RuCl 2 (PPh 3 ) 3 、RuBr 2 (PPh 3 ) 3 、RuI 2 (PPh 3 ) 3 、RuHCl(PPh 3 ) 3 (CO)、RuH 2 (PPh 3 ) 4 、RuH 4 (PPh 3 ) 3 、RuClH(PPh 3 ) 3 等が挙げられる。例示中、DMSOはジメチルス ホキシド、codは1,5-シクロオクタジエンをそ ぞれ表す。

 続いて本発明に用いられるホスフィン化合 に関して説明する。
 本発明で用いられるホスフィン化合物は下 一般式(1)で表されるホスフィン化合物であ 、三座配位能を有するホスフィン化合物(tri dentate phosphine)である。
(式中、R 1 はスペーサーを表し、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 は、各々独立に、水素原子、炭素数1~12のア キル基、アリール基または複素環基を表し R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は、各々独立に、炭素数1~12のアルキル基、 リール基または複素環基を表す。)

 上記一般式(1)で表されるホスフィン化合物 おいて、R 2 ~R 13 で表されるアルキル基としては、直鎖状でも 、分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭 素数1~15、好ましくは炭素数1~12、より好まし は炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~6のア ルキル基が挙げられる。具体的にはメチル基 、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基 n-ブチル基、2-ブチル基、イソブチル基、ter t-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、ter t-ペンチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブ チル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル 基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、2-メチルペ ンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペ チル基、2-メチルペンタン-3-イル基、シクロ プロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ ル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペン チル基及びメチルシクロヘキシル基等が挙げ られる。

 また、上記一般式(1)で表されるホスフィン 合物において、R 2 ~R 13 で表されるアリール基としては、例えば炭素 数6~14のアリール基が挙げられ、具体的には ェニル基、ナフチル基、アントリル基、フ ナントリル基、ビフェニル基等が挙げられ 。これらアリール基は置換基を有してもよ 該置換基としては、アルキル基、アルコキ 基、アリール基、複素環基等が挙げられ、 換基の具体例としては前記したようなもの 挙げられる。

 また、上記一般式(1)で表されるホスフィ 化合物における複素環基としては、脂肪族 は芳香族複素環基が挙げられ、複素環基と ては、炭素数2~14で、異種原子として少なく とも1個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等 ヘテロ原子を含んでいる、5~8員、好ましく 5又は6員の単環、多環又は縮合環の複素環基 が挙げられる。脂肪族複素環基の具体例とし ては、例えば、2-オキソピロリジル基、ピペ ジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、 トラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニ 基、テトラヒドロチエニル基等が挙げられ 。芳香族複素環基の具体例としては、例え 、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピ ミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル 、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサ リル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、 ンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリ 基、キノキサリニル基、フタラジニル基、 ナゾリニル基、ナフチリジニル基、シンノ ニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオ サゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げ れる。

 また、上記一般式(1)で表されるホスフィン 合物においてR 1 で表されるスペーサーとしては、アルカント リイル基、シクロアルカントリイル基、アレ ーントリイル基、含ヘテロ元素基等が挙げら れる。アルカントリイル基としては例えば、 炭素数1~4のものが挙げられ、具体的にはメタ ントリイル基、1,1,1-エタントリイル基、1,1,2- エタントリイル基、1,1,1-プロパントリイル基 、1,1,2-プロパントリイル基、1,2,3-プロパント リイル基等が挙げられる。シクロアルカント リイル基としては、たとえば炭素数5~7のもの が挙げられ、具体的には1,1,2-シクロペンタン トリイル基、1,2,3-シクロペンタントリイル基 、1,1,2-シクロヘキサントリイル基、1,3,5-シク ロヘキサントリイル基、1,3,5-シクロヘプタン トリイル基等が挙げられる。アレーントリイ ル基としては、たとえば炭素原子数6~20のも が挙げられ、具体的には1,3,5-ベンゼントリ ル基、1,3,4-ベンゼントリイル基、1,2,3-ベン ントリイル基等が挙げられる。含ヘテロ元 基としては、ホウ素(B)、ケイ素(RSi)、スズ(RS n)、リン(P)が挙げられる。RSi及びRSnのRとして は、例えば、前記したような炭素数1~12のア キル基、炭素数6~12のアリール基等が挙げら る。上記一般式(1)で表されるホスフィン化 物の具体例としては、1,1,1-トリス(ジメチル ホスフィノメチル)エタン、1,1,1-トリス{ビス( 4-メトキシフェニル)ホスフィノメチル}エタ 、1,1,1-トリス{ビス(4-メチルフェニル)ホスフ ィノメチル}エタン、1,1,1-トリス(ジエチルホ フィノメチル)エタン、1,1,1-トリス(ジシク ヘキシルホスフィノメチル)エタン、1,1,1-ト ス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン、1, 1,1-トリス(ジフェニルホスフィノメチル)メタ ン、1,1,1-トリス(ジフェニルホスフィノメチ )プロパン、1,1,1-トリス(ジフェニルホスフィ ノメチル)-2-メチルプロパン、1,1,1-トリス(ジ ェニルホスフィノメチル)ブタン、1,1,1-トリ ス(ジフェニルホスフィノメチル)-2,2-ジメチ プロパン、1,3,5-トリス(ジフェニルホスフィ メチル)シクロヘキサン等が挙げられるが、 好ましいものとして1,1,1-トリス(ジフェニル スフィノメチル)エタン、1,1,1-トリス{ビス(4- メトキシフェニル)ホスフィノメチル}エタン 1,1,1-トリス{ビス(4-メチルフェニル)ホスフ ノメチル}エタン、1,1,1-トリス(ジフェニルホ スフィノメチル)-2,2-ジメチルプロパン、1,1,1- トリス(ジフェニルホスフィノメチル)メタン が挙げられる。これらのホスフィン化合物 そのまま反応に用いてもよく、また安定な スフィン・ボラン化合物へと誘導した後に 用してもよい。

 本発明で用いることができる、ルテニウム び上記一般式(1)で表されるホスフィン化合 を含む触媒としては、下記一般式(2)で表さ る錯体が挙げられる。
 [Ru 2 (μ-X 1 ) 3 (Phos) 2 ]X 2    (2)
(式中、X 1 はハロゲン原子を表し、X 2 はカウンターアニオンを表す。Phosは上記一 式(1)で表されるホスフィン化合物を表す。)

 上記一般式(2)で表される錯体のカウンター ニオン(式中のX 2 )の具体例としては、Cl、Br、I、I 3 、ClO 4 、PF 6 、BPh 4 、B(C 6 F 5 ) 4 、BF 4 、CF 3 SO 3 等が挙げられ、好ましくはCl、BPh 4 が挙げられる。

 錯体(2)は予め別途調製後に単離して用いて 、また即時使用するために系内で調製して( in situ)そのまま用いても良いが、例えば文献 (Venanziら、Inorg.Chem.,1988,27,604-610)に記載の方法 により得ることができる。すなわち、RuCl 2 (DMSO) 4 に、ホスフィン化合物として例えばトリス-1, 1,1-(ジフェニルホスフィノメチル)エタン(以 、triphosという。)を反応させることにより[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Clが得られる。また、RuCl 2 (DMSO) 4 の代わりに、[Ru(benzene)Cl 2 ] 2 を用い、triphosを作用させることによっても ることができる。

 上記のようにして得られた錯体(2)のカウン ーアニオン部分(上記一般式(2)におけるX 2 )は、NaClO 4 、NaPF 6 、NaBPh 4 、NaB(C 6 F 5 ) 4 、NaBF 4 、NaOTf等の無機塩と反応させることにより、 応するカウンターアニオンへと交換するこ ができる。

 また、本発明で用いることができる、ルテ ウム及び上記一般式(1)で表されるホスフィ 化合物を含む触媒としては、下記一般式(3) 表される錯体が挙げられる。
 [Ru(Phos)(L 1 )(L 2 )(L 3 )]X 2     (3)
(式中、L 1 、L 2 、L 3 はそれぞれ単独あるいは連結していてもよく 、配位子あるいは配位性溶媒を表し、X 3 はカウンターアニオンを表し、Phosは上記一 式(1)で表されるホスフィン化合物を表す。)

 上記一般式(3)で表される錯体の配位子(上記 一般式(3)におけるL 1 、L 2 、L 3 )としてはホスフィン化合物、アミン化合物 が挙げられ、好ましくはトリフェニルホス ィン、2-メルカプトピリジン、2-ピリジノン 2-アミノメチルピリジン等があげられる。
 上記一般式(3)で表される錯体の配位性溶媒( 上記一般式(3)におけるL 1 、L 2 、L 3 )の例としてはアルコール、エーテル、水、 ルホキシド、アミド類が挙げられ、好まし はアセトニトリル、ジメチルスルホキシド N,N-ジメチルホルムアミド等が挙げられる。

 上記一般式(3)で表される錯体のカウンター ニオン(上記一般式(3)におけるX 3 )の具体例としてはClO 4 、PF 6 、BPh 4 、B(C 6 F 5 ) 4 、BF 4 、CF 3 SO 3 等が挙げられ、好ましくはBF 4 、CF 3 SO 3 が挙げられる。

 錯体(3)は予め別途調製後に単離して用いて 、即時使用するために系内で調製してその ま用いても良いが、例えば文献(Venanziら、In org.Chem.,1988,27, 604-610)に記載の方法により得 ことができる。すなわち、例えば上記[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Clと4当量のトリフルオロメタンスルホン酸 をアセトニトリル溶媒中、加熱攪拌するこ により、[Ru(triphos)(MeCN) 3 ](CF 3 SO 3 ) 2 が得られる。

 本発明で用いることができる、ルテニウム び上記一般式(1)で表されるホスフィン化合 を含む触媒としては、下記一般式(4)で表さ る錯体が挙げられる。
 [RuH(BH 4 )(Phos)]    (4)
(式中、Phosは上記一般式(1)で表されるホスフ ン化合物を表す。)

 上記一般式(4)で表される錯体は予め別途調 後に単離して用いても、即時使用するため 系内で調製してそのまま用いても良いが、 えば文献(Venanziら、Inorg. Chem.,1987,26,2692-2695) に記載の方法により得ることができる。すな わち、例えば上記[Ru(triphos)(NCMe) 3 ](CF 3 SO 3 ) 2 と過剰量の水素化ホウ素ナトリウムをメタノ ール溶媒中攪拌することにより、[RuH(BH 4 )(triphos)]が得られる。

 更に、本発明で用いることができる、ルテ ウム及び上記一般式(1)で表されるホスフィ 化合物を含む触媒としては、下記一般式(5) 表される錯体が挙げられる。
[Ru(H)(OAc)(Phos)]    (5)
(式中、Acはアセチル基を表し、Phosは上記一 式(1)で表されるホスフィン化合物を表す。)

 上記一般式(5)で表される錯体は予め別途調 後に単離して用いても、即時使用するため 系内で調製してそのまま用いても良いが、 えば文献(Dysonら、Inorg. Chem.,2008,47,381-390)に 載の方法により得ることができる。すなわ 、例えば[Ru(H)(OAc)(PPh 3 ) 3 ]と三座ホスフィン化合物(triphos)をトルエン 媒中攪拌することにより、[Ru(H)(OAc)(triphos)] 得られる。

 錯体の使用量は、水素化基質、反応条件 触媒の種類等によって異なるが、通常、水 化基質に対するルテニウム金属としてのモ 比で0.001モル%~1.0モル%、好ましくは0.01モル% ~0.25モル%の範囲である。

 本発明の製造方法は無溶媒又は溶媒中で 適に実施することができるが、溶媒を使用 ることが好ましい。用いられる溶媒として 、基質および錯体を溶解できるものが好ま く、単一溶媒あるいは混合溶媒が用いられ 。具体的にはトルエン、キシレン等の芳香 炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族 化水素、塩化メチレン、クロロベンゼン等 ハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、 トラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエー テル類、メタノール、エタノール、イソプロ パノール、n-ブタノール、2-ブタノール等の ルコール類、エチレングリコール、プロピ ングリコール、1,2-プロパンジオール及びグ セリン等の多価アルコール類、酢酸メチル 酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、 セトニトリル等のニトリル類、N,N-ジメチル ホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミ 類、ピリジン、トリエチルアミン等のアミ 類等が挙げられる。この中でも単一アルコ ル系溶媒あるいは少なくとも一種以上のア コールを含む混合溶媒、すなわちアルコー 系溶媒が好ましい。特に好ましいのは、メ ノール、n-ブタノール、イソプロパノール ある。溶媒の使用量は、反応条件等により 宜選択することができるが、原料に対して0. 01mol/L~1000mol/L、好ましくは1.0mol/L~10.0mol/Lであ 。

 本発明の製造方法の好適な実施の一態様に いて、反応系に添加剤を加えて行うことが き、これにより水素還元が円滑に進行する 添加剤の例として、塩基、酸及び/又は還元 剤を挙げることができ、好ましくは塩基及び /又は還元剤を挙げることができる。
 本発明の製造方法の好適な実施の一態様に いて、反応系に加えるために用いられる塩 としては、有機塩基化合物および無機塩基 合物が挙げられる。

 本発明において用いられる有機塩基化合 の具体例としては、例えば、トリエチルア ン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメ チルアニリン、ピペリジン、ピリジン、4-ジ チルアミノピリジン、1,5-ジアザビシクロ[4. 3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウン デカ-7-エン、トリ-n-ブチルアミン及びN-メチ モルホリン等のアミン類が挙げられる。こ らの中でも特に好ましいのは、トリエチル ミン、エチルジイソプロピルアミン等であ 。

 また無機塩基化合物としては、例えば、 ルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の水酸 物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ 属ボレート等のアルカリ金属化合物等が挙 られる。

 本発明において用いられる無機塩基化合 の具体例としては、炭酸カリウム、炭酸ナ リウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等の ルカリ金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水 化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ 属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナト ウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、 リウムt-ブトキシド、リチウムメトキシド、 リチウムt-ブトキシド等のアルカリ金属アル キシド、ナトリウムテトラフェニルボレー 、リチウムテトラフェニルボレート等のア カリ金属ボレート等が挙げられる。これら 中でも特に好ましいのは、ナトリウムメト シド、ナトリウムt-ブトキシド、リチウム トキシド、リチウムt-ブトキシド等である。

 本発明において用いられる塩基化合物の使 量は、使用するルテニウム錯体、反応条件 により適宜選択することができるが、ルテ ウム錯体に対して通常0.1当量~1000当量、好 しくは1当量~100当量である。
 なお、塩基化合物はそのまま反応系に加え こともできるが、予め反応溶媒等に溶解さ た溶液としても反応系に加えることができ 。

本発明の製造方法の好適な実施の一態様にお いて、反応系に加えるために用いられる酸と しては、無機酸および有機酸が挙げられる。
 無機酸の具体例としては、塩酸、臭化水素 、硫酸、リン酸等が挙げられる。有機酸の 体例としては、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢 、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、 ンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸 トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げら る。

 本発明において用いられる酸化合物の使用 は、使用するルテニウム錯体、反応条件等 より適宜選択することができるが、ルテニ ム錯体に対して通常0.1当量~1000当量、好ま くは1当量~100当量である。
 なお、酸化合物はそのまま反応系に加える ともできるが、予め反応溶媒等に溶解させ 溶液としても反応系に加えることができる

 本発明において用いることができる還元剤 しては、Zn、Zn(BH 4 ) 2 、LiAlH 4 、LiAlH(OBu-t) 3 、NaAlH 4 、LiAlHEt 3 、LiHB(Et) 3  などが挙げられる。

 本発明において、水素還元を行う際の反応 度は、30℃~150℃、好ましくは40℃~120℃であ 。反応温度が低すぎると未反応の原料が多 残存する場合があり、また高すぎると、原 、触媒等の分解が起こる場合があり、好ま くない。
 本発明において、水素還元を行う際の水素 圧力は、0.1MPa~5.0MPa、好ましくは1.0MPa~5.0MPa あり、さらに好ましくは1.0MPa~4.0MPaである。

 また反応時間は3時間~20時間程度で十分に 高い原料転化率を得ることができる。

 反応終了後は、抽出、濾過、結晶化、蒸 、各種クロマトグラフィー等、通常用いら る精製法を単独又は適宜組み合わせること より目的のアルコール類を得ることができ 。

[実施例]
 以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明 るが、本発明はこれらの実施例によってな ら限定されるものではない。各実施例にお る物性の測定に用いた装置は次のとおりで る。
NMR : 日本電子社製 NMR A-400 
ガスクロマトグラフィー: 島津製作所社製 5 890-II 
    ZB-WAX (Phenomenex)30m(length)×0.25mm(I.D.),0.25μ m(Thickness)
高速液体クロマトグラフィー: 日本分光社製  JASCO GULLIVER SERIES 
    Inertsil ODS-3V(GL Science) 25μm×4.6×250mm

 なお、実施例中のtriphos[1,1,1-トリス(ジフ ニルホスフィノメチル)エタン]、triphos-Tol[1, 1,1-トリス{ビス(4-メチルフェニル)ホスフィノ メチル)}エタン]、triphos-An[1,1,1-トリス{ビス(4- メトキシフェニル)ホスフィノメチル)}エタン ]、tBu-triphos[1,1,1-トリス(ジフェニルホスフィ メチル)2,2-ジメチルプロパン]、H-triphos[1,1,1- トリス(ジフェニルホスフィノメチル)メタン] は以下の通りである。triphos-Tol(Journal of Organ ometallic Chemistry, 1994, 468(1-2), 149-163.)、tBu-tri phos(Tetrahedron, 2007, 63, 4450-4458)、H-triphos(Chem. Ber., 1994, 127, 501-506.)は文献記載の方法に従 って合成した。 

triphos-An・3BH 3 [1,1,1-トリス{ビス(4-メトキシフェニル)ホスフ ィノメチル)}エタン・3BH 3 ]の合成
 窒素気流下、200ml3つ口フラスコにカリウムt ert-ブトキシド(1.98g)、ジメチルスルホキシド( 22ml)を加え室温で攪拌した。ジメチルスルホ シド(7ml)に溶解したHP(4-MeO-C 6 H 4 ) 2 (4.34g)を滴下し、1時間攪拌した。続いて1,3-ジ クロロ-2-(クロロメチル)-2-メチルプロパン(Ald rich社製)(773mg)を滴下し、バス温度130度で2時 攪拌した。ジエチルエーテル(55ml)を加えた 氷冷し、脱気した蒸留水(55ml)を加えた。水 と有機相を分液後、水相をジエチルエーテ 44mlで3回抽出した。有機相とジエチルエーテ ル抽出液を合わせ、脱気した蒸留水、飽和食 塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し た。窒素気流下、ガラスフィルターろ過し、 有機溶媒を減圧除去した。残渣にテトラヒド ロフラン(17.6ml)を加え、氷冷下でBH 3 ・テトラヒドロフラン溶液(19.7ml)を滴下し、1 時間攪拌した。反応液を塩酸水に注ぎ、つい で酢酸エチル(20ml)を加えて攪拌した。水相と 有機相を分液後、水相を酢酸エチル20mlで2回 出した。有機相と酢酸エチル抽出液を合わ 、水洗、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ リウムで乾燥した。ろ過後、有機溶媒を減 除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフ ーで精製した。
1,1,1-トリス{ビス(4-メトキシフェニル)ホスフ ノメチル)}エタン・3BH 3  1.70g(収率45.5%)
1 H NMR (CDCl 3 ):7.55 dd (12H), 6.91 d (12H), 3.81 (18H), 2.77 d  (6H), 1.55 br (9H), 0.77 s (3H)
31 P[ 1 H] NMR (CD 2 Cl 2 ) external reference H 3 PO 4 :5.74 s

[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl, [Ru(CH 3 CN) 3 (triphos)](CF 3 SO 3 ) 2 (Inorganic Chemistry,1988, 27, 604-610.) ,  [Ru(H)(BH 4 )(triphos)] (Inorganic Chemistry, 1987,26, 2692-2695.) および[Ru(H)(OAc)(triphos)] (Inorganic Chemistry,2008,  47, 381-390)は既報文献に倣い合成した。

 [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Clの合成
 アルゴン気流下、[RuCl 2 (DMSO) 4 ](960mg)のトルエン40ml懸濁液に、トルエン10ml 加熱溶解したtriphos(1.22g)を室温で滴下した。 80℃で1時間、さらに90℃で14時間加熱攪拌し 。反応液を室温まで放冷後、析出結晶をア ゴン気流下で吸引ろ取し、トルエン10ml、ジ チルエーテル10mlで洗浄した。
[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl 1.24g(収率80%)
1 H NMR (CDCl 3 ):7.40 br t (24H), 7.18 t (12H), 6.85 (24H), 2.24  br s (12H), 1.58 br q (6H)
31 P[ 1 H] NMR (CDCl 3 ) external reference H 3 PO 4 :36.00 s

 [Ru(CH 3 CN) 3 (triphos)](CF 3 SO 3 ) 2 の合成
 アルゴン気流下、[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(420mg)のアセトニトリル20ml溶液に室温でAg(C F 3 SO 3  )(280mg)を加え、得られた懸濁反応液を加熱 流下6時間攪拌した。反応液を室温まで放冷 、アルゴン気流下で析出塩をセライトろ過 、ろ液を濃縮乾固した。アセトニトリル5ml トルエン30mlを加え、アルゴン気流下でセラ イトろ過して不溶物を除去した。ろ液を室温 で攪拌しながらジエチエルエーテル10mlを滴 し、さらに14時間攪拌した。析出結晶をアル ゴン気流下で吸引ろ取し、トルエン5ml、ジエ チルエーテル10mlで洗浄した。
[Ru(CH 3 CN) 3 (triphos)](CF 3 SO 3 ) 2  280mg(収率92%)
1 H NMR (CD 2 Cl 2 ):7.30 m (30H), 2.52 br s (3H), 2.34 s (9H), 1.71 br q (3H)
31 P[ 1 H] NMR (CD 2 Cl 2 ) external reference H 3 PO 4 :26.60 s

 [Ru(H)(BH 4 )(triphos)]の合成
 アルゴン気流下、[Ru(CH 3 CN) 3 (triphos)](CF 3 SO 3 ) 2 (840mg)のメタノール10ml溶液に室温でNaBH 4 (220mg)を徐々に加え、15分間攪拌した。アルゴ ン気流下で析出結晶を吸引ろ取し、冷メタノ ール20ml、ジエチルエーテル20mlで洗浄した。
[Ru(H)(BH 4 )(triphos)] 360mg(収率65%)
1 H NMR (CD 2 Cl 2 , -70deg . ):7.50 br t (4H), 7.23 br t (4H), 7.10 m (6H), 6. 23 m (16H), 5.15 br s (2H), 2.20 m (6H), 1.60 br s (3H)
31 P[ 1 H] NMR (CD 2 Cl 2 ) external reference H 3 PO 4 :58.1 d (J PP  = 19Hz, 2P), 14.83 t (J PP  = 19Hz, 1P)

 [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos-Tol) 2 ]Clの合成
 アルゴン気流下、[RuCl 2 (DMSO) 4 ] (19.4mg)のトルエン1ml懸濁液に、トルエン2ml 加熱溶解したtriphos-Tol(28.4mg)を80℃で滴下し 。同温度で1時間、さらに90℃で14時間加熱 拌した。反応液を室温まで放冷後、析出結 をアルゴン気流下で吸引ろ取し、トルエン1m l、ジエチルエーテル1mlで洗浄した。
[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos-Tol) 2 ]Cl 22.2mg (収率63%)
1 H NMR (CD 2 Cl 2 ):7.30 br d (24H), 6.70 d (24H), 2.53 br s (12H), 2.27 s (24H), 1.54 br q (6H)
31 P[ 1 H] NMR (CDCl 3 ) external reference H 3 PO 4 :32.65 s

 [Ru 2 (μ-Cl) 3 (tBu-triphos) 2 ]Clの合成
 アルゴン気流下、[RuCl 2 (DMSO) 4 ] (48.4mg)のトルエン2ml懸濁液に、トルエン4ml 加熱溶解したtBu-triphos (66.6mg)を80℃で滴下 た。同温度で1時間、さらに90℃で14時間加熱 攪拌した。反応液を室温まで放冷後、析出結 晶をアルゴン気流下で吸引ろ取し、トルエン 1ml、ジエチルエーテル1mlで洗浄した。
[Ru 2 (μ-Cl) 3 (tBu-triphos) 2 ]Cl 42.3mg (収率50%)
1 H NMR (CD 2 Cl 2 ):7.44 br t (24H), 7.21 t (12H), 6.93 t (24H), 2.3 9 br s (12H), 1.08 s (18H)
31 P[ 1 H] NMR (CD 2 Cl 2 ) external reference H 3 PO 4 :32.60 s

DL-マンデル酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- ンデル酸メチル(1.04g)、[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(3.0mg)、カリウムtert-ブトキシド(4.0mg)、メ ノール2.5mlをアルゴン気流下で加えた。水素 置換後、さらに4.0MPaまで水素を封入し、100℃ で15時間加熱攪拌した。冷却後反応液をガス ロマトグラフィーにより分析したところ、1 -フェニル-1,2-エタンジオールが97.4%で生成し いた。

DL-乳酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(4.0mg)、カリウムtert-ブトキシド(5.5mg)、メ ノール1.6mlをアルゴン気流下で加え、室温で 5分間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオートク レーブに、上記溶液、メタノール2.0mlに溶解 たDL-乳酸メチル(0.85g)をアルゴン気流下で加 えた。水素置換後、さらに4.0MPaまで水素を封 入し、100℃で15時間加熱攪拌した。冷却後反 液をガスクロマトグラフィーにより分析し ところ、1,2-プロパンジオールが99.9%以上で 成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- 酸メチル(3.21g)、[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(3.0mg)、カリウムtert-ブトキシド(5.5mg)、メ ノール9.6mlをアルゴン気流下で加えた。水素 置換後、さらに4.0MPaまで水素を封入し、120℃ で16時間加熱攪拌した。冷却後反応液をガス ロマトグラフィーにより分析したところ、1 ,2-プロパンジオールが88.5%で生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(5.0mg)、リチウムtert-ブトキシド(1.6mg)、メ ノール1.0mlをアルゴン気流下で加えた。水素 置換後、さらに4.0MPaまで水素を封入し、外部 温度80℃で1時間加熱攪拌した。冷却後水素パ ージし、アルゴン気流下でメタノール2.2mlに 解したDL-乳酸メチル(1.06g)を加えた。水素置 換後、さらに4.0MPaまで水素を封入し、100℃で 15時間加熱攪拌した。冷却後反応液をガスク マトグラフィーにより分析したところ、1,2- プロパンジオールが99.9%以上で生成していた

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(5.0mg)、ナトリウムテトラフェニルボレー (14.0mg)、DL-乳酸メチル(1.04g)、メタノール3.0ml をアルゴン気流下で加えた。水素置換後、さ らに4.0MPaまで水素を封入し、100℃で13時間加 攪拌した。冷却後反応液をガスクロマトグ フィーにより分析したところ、1,2-プロパン ジオールが73.5%で生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL-乳 メチル(0.64g)、[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(3.0mg)、カリウムtert-ブトキシド(5.5mg)、メ ノール1.9mlをアルゴン気流下で加えた。水素 置換後、さらに2.0MPaまで水素を封入し、120℃ で16時間加熱攪拌した。冷却後反応液をガス ロマトグラフィーにより分析したところ、1 ,2-プロパンジオールが67.1%で生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに[Ru(CH 3 CN) 3 (triphos)](CF 3 SO 3 ) 2 (11.5mg)、DL-乳酸メチル(2.10g)、メタノール6.2ml アルゴン気流下で加え、水素置換後さらに4 .0MPaまで水素を封入して、100℃で14時間加熱 拌した。冷却後反応液をガスクロマトグラ ィーにより分析したところ、1,2-プロパンジ ールが99.9%以上で生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に[Ru(H)(BH 4 )(triphos)](7.4mg)、トリエチルアミン(72.6mg)、DL- 酸メチル(2.10g)、メタノール6.2ml、を窒素気 下で加え、室温で5分間攪拌した。攪拌子を 入れた100mlオートクレーブに上記溶液を窒素 流下で移送し、水素置換後さらに4.0MPaまで 素を封入して、80℃で13時間加熱攪拌した。 冷却後反応液をガスクロマトグラフィーによ り分析したところ、1,2-プロパンジオールが98 .2%で生成していた。

ヒドロキシイソ酪酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(8.2mg)、カリウムtert-ブトキシド(18.4mg)、ヒ ロキシイソ酪酸メチル(0.48g)メタノール1.9ml をアルゴン気流下で加え、室温で5分間攪拌 した。攪拌子を入れた100mlオートクレーブに 記溶液をアルゴン気流下で移送し、水素置 後さらに4.0MPaまで水素を封入して、100℃で1 3時間加熱攪拌した。冷却後反応液をガスク マトグラフィーにより分析したところ、2-メ チル-1,2-プロパンジオールが90.4%で生成して た。

γ-ブチロラクトンの水素化
 20mlシュレンク管に [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(3.0mg)、カリウムtert-ブトキシド(5.5mg)、メ ノール1.5mlを窒素気流下で加え、室温で20分 攪拌した。攪拌子を入れた100mlオートクレ ブに上記溶液および、γ-ブチロラクトン(0.11 g)を窒素気流下で加え、水素置換後さらに4.0M Paまで水素を封入して、100℃で13時間加熱攪 した。冷却後反応液をガスクロマトグラフ ーにより分析したところ、1,4-ブタンジオー が69.0%で生成していた。

α-メチル-γ-ブチロラクトンの水素化
 20mlシュレンク管に [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(3.0mg)、カリウムtert-ブトキシド(5.5mg)、メ ノール1.5mlを窒素気流下で加え、室温で20分 攪拌した。攪拌子を入れた100mlオートクレ ブに上記溶液および、α-メチル-γ-ブチロラ トン(0.12g)を窒素気流下で加え、水素置換後 さらに4.0MPaまで水素を封入して、100℃で13時 加熱攪拌した。冷却後反応液をガスクロマ グラフィーにより分析したところ、1,4-ペン タンジオールが39.7%で生成していた。

安息香酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(10.0mg)、カリウムtert-ブトキシド(13.1mg)、メ タノール2.6mlを窒素気流下で加え、室温で10 間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオートクレ ーブに上記溶液および、安息香酸メチル(0.54g )を窒素気流下で加え、水素置換後さらに4.0MP aまで水素を封入して、100℃で15時間加熱攪拌 した。冷却後反応液をガスクロマトグラフィ ーにより分析したところ、ベンジルアルコー ルが54.1%で生成していた。

3-フェニルプロピオン酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(10.0mg)、リチウムtert-ブトキシド(13.1mg)、メ タノール1.6mlをアルゴン気流下で加え、室温 30分間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオート クレーブに上記溶液および、メタノール1.0ml 溶解した3-フェニルプロピオン酸メチル(0.65 g)をアルゴン気流下で加え、水素置換後さら 4.0MPaまで水素を封入して、100℃で14時間加 攪拌した。冷却後反応液をガスクロマトグ フィーにより分析したところ、3-フェニル-1- プロパノールが68.2%で生成していた。

3-フェニルプロピオン酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(10.0mg)、10%リチウムメトキシド(60.8mg)、メ ノール1.0mlをアルゴン気流下で加え、室温で 1時間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオートク レーブに上記溶液および、メタノール1.6mlに 解した3-フェニルプロピオン酸メチル(0.66g) アルゴン気流下で加え、水素置換後さらに4 .0MPaまで水素を封入して、100℃で15時間加熱 拌した。冷却後反応液をガスクロマトグラ ィーにより分析したところ、3-フェニル-1-プ ロパノールが62.1%で生成していた。

3-フェニルプロピオン酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(10.0mg)、30%カリウムメトキシド(37.4mg)、メ ノール1.0mlをアルゴン気流下で加え、室温で 1時間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオートク レーブに上記溶液および、メタノール1.6mlに 解した3-フェニルプロピオン酸メチル(0.66g) アルゴン気流下で加え、水素置換後さらに4 .0MPaまで水素を封入して、100℃で15時間加熱 拌した。冷却後反応液をガスクロマトグラ ィーにより分析したところ、3-フェニル-1-プ ロパノールが59.4%で生成していた。

3-フェニルプロピオン酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に[Ru(H)(BH 4 )(triphos)](7.4mg)、リチウムtert-ブトキシド(24.0mg )、メタノール1.6mlをアルゴン気流下で加え、 室温で1時間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオ ートクレーブに上記溶液および、メタノール 1.6mlに溶解した3-フェニルプロピオン酸メチ (0.66g)をアルゴン気流下で加え、水素置換後 らに4.0MPaまで水素を封入して、100℃で15時 加熱攪拌した。冷却後反応液をガスクロマ グラフィーにより分析したところ、3-フェニ ル-1-プロパノールが34.4%で生成していた。

3-フェニルプロピオン酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に[Ru(H)(BH 4 )(triphos)](14.8mg)、トリエチルアミン(36.3mg)、メ タノール2.0mlをアルゴン気流下で加え、室温 1時間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオート レーブに上記溶液および、メタノール3.2ml 溶解した3-フェニルプロピオン酸メチル(1.31g )をアルゴン気流下で加え、水素置換後さら 4.0MPaまで水素を封入して、100℃で15時間加熱 攪拌した。反応液を分析したところ、3-フェ ル-1-プロパノールが17.4%で生成していた。

3-フェニルプロピオン酸エチルの水素化
 20mlシュレンク管に [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(10.0mg)、10%リチウムメトキシドメタノール 液(60.8mg)、メタノール1.6mlをアルゴン気流下 で加え、室温で10分間攪拌した。攪拌子を入 た100mlオートクレーブに上記溶液および、 タノール1.0mlに溶解した3-フェニルプロピオ 酸エチル(0.71g)をアルゴン気流下で加え、水 素置換後さらに4.0MPaまで水素を封入して、100 ℃で15時間加熱攪拌した。冷却後反応液をガ クロマトグラフィーにより分析したところ 3-フェニル-1-プロパノールが20.5%で生成して いた。

桂皮酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(10.0mg)、10%リチウムメトキシドメタノール 液(60.8mg)、メタノール1.6mlをアルゴン気流下 で加え、室温で10分間攪拌した。攪拌子を入 た100mlオートクレーブに上記溶液および、 タノール1.0mlに溶解した桂皮酸メチル(0.65g) アルゴン気流下で加え、水素置換後さらに4. 0MPaまで水素を封入して、100℃で15時間加熱攪 拌した。冷却後反応液をガスクロマトグラフ ィーにより分析したところ、3-フェニル-1-プ パノールが27.5%で生成していた。

フェニルアラニンメチルエステルの水素化
 20mlシュレンク管に [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(3.0mg)、カリウムtert-ブトキシド(5.5mg)、メ ノール2.0mlをアルゴン気流下で加え、室温で 30分間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオート レーブに上記溶液および、メタノール2.0mlに 懸濁したフェニルアラニンメチルエステル(0. 22g)をアルゴン気流下で加え、水素置換後さ に4.0MPaまで水素を封入して、100℃で16時間加 熱攪拌した。冷却後反応液を高速液体クロマ トグラフィーにより分析したところ、フェニ ルアラニノールが7.4%で生成していた。

N-Boc-フェニルアラニンメチルエステルの水素 化
 20mlシュレンク管に [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(3.0mg)、カリウムtert-ブトキシド(5.5mg)、メ ノール2.0mlをアルゴン気流下で加え、室温で 30分間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオート レーブに上記溶液および、メタノール1.0mlに 懸濁したN-Boc-フェニルアラニンメチルエステ ル(0.34g)をアルゴン気流下で加え、水素置換 さらに4.0MPaまで水素を封入して、100℃で16時 間加熱攪拌した。冷却後反応液を高速液体ク ロマトグラフィーにより分析したところ、N-B ocフェニルアラニノールが19.3%で生成してい 。

N-ベンゾイル-フェニルアラニンメチルエステ ルの水素化
 20mlシュレンク管に [Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(3.0mg)、カリウムtert-ブトキシド(5.5mg)、メ ノール2.0mlをアルゴン気流下で加え、室温で 30分間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオート レーブに上記溶液および、メタノール1.0mlに 懸濁したN-ベンゾイル-フェニルアラニンメチ ルエステル(0.35g)をアルゴン気流下で加え、 素置換後さらに4.0MPaまで水素を封入して、10 0℃で16時間加熱攪拌した。冷却後反応液を高 速液体クロマトグラフィーにより分析したと ころ、N-ベンゾイルフェニルアラニノールが3 7.7%で生成していた。

3-ヒドロキシブタン酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に[Ru(CH 3 CN) 3 (triphos)](CF 3 SO 3 ) 2 (11.5mg)、3-ヒドロキシブタン酸メチル(0.47g)、 タノール1.5mlをアルゴン気流下で加え、室 で5分間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオー クレーブに上記溶液をアルゴン気流下で移 し、水素置換後さらに4.0MPaまで水素を封入 て、120℃で13時間加熱攪拌した。冷却後反応 液をガスクロマトグラフィーにより分析した ところ、1,3-ブタンジオールが44.5%で生成して いた。

DL-リンゴ酸ジメチルの水素化
 20mlシュレンク管に[Ru(CH 3 CN) 3 (triphos)](CF 3 SO 3 ) 2 (11.5mg)、DL-リンゴ酸ジメチル(0.16g)、メタノー ル1.0mlをアルゴン気流下で加え、室温で5分間 攪拌した。攪拌子を入れた100mlオートクレー に上記溶液をアルゴン気流下で移送し、水 置換後さらに4.0MPaまで水素を封入して、100 で14時間加熱攪拌した。冷却後反応液をガ クロマトグラフィーにより分析したところ 1,2,4-ブタントリオールが99.9%以上で生成して いた。

DL-リンゴ酸ジメチルの水素化
 20mlシュレンク管に[Ru(H)(BH 4 )(triphos)](7.4mg)、DL-リンゴ酸ジメチル(0.16g)、 タノール1.0mlをアルゴン気流下で加え、室温 で5分間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオート クレーブに上記液をアルゴン気流下で移送し 、水素置換後さらに4.0MPaまで水素を封入して 、100℃で14時間加熱攪拌した。冷却後反応液 ガスクロマトグラフィーにより分析したと ろ、1,2,4-ブタントリオールが99.9%以上で生 していた。

DL-リンゴ酸ジメチルの水素化
 20mlシュレンク管に[Ru(CH 3 CN) 3 (triphos)](CF 3 SO 3 ) 2 (11.5mg)、DL-リンゴ酸ジメチル(0.65g)、メタノー ル1.0mlをアルゴン気流下で加え、室温で5分間 攪拌した。攪拌子を入れた100mlオートクレー に上記液をアルゴン気流下で移送し、水素 換後さらに4.0MPaまで水素を封入して、100℃ 14時間加熱攪拌した。冷却後反応液をガス ロマトグラフィーにより分析したところ、1, 2,4-ブタントリオールが30.6%、β-ヒドロキシ-γ -ブチロラクトンが42.3%、3,4-ジヒドロキシブ ン酸メチルが21.4%で生成していた。

D-(+)-乳酸メチルの水素化
 ガラス製インナーチューブを備えた100mlオ トクレーブに、[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos) 2 ]Cl(8.4mg)、カリウムtert-ブトキシド(18.6mg)、D-(+ )-乳酸メチル(光学純度:99.2%ee)(0.85g)を加え、 素置換した。メタノール3.0mlをアルゴン気流 下で加え、水素置換後、さらに4.0MPaまで水素 を封入し、100℃で12時間加熱攪拌した。冷却 反応液をガスクロマトグラフィーにより分 したところ、(2R)-1,2-プロパンジオールが99.9 %以上の収率で生成していた。さらにビス-ベ ゾエート体へと誘導して分析した結果、光 純度は93.6%eeであった。

D-(+)-乳酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に[Ru(H)(BH 4 )(triphos)](7.4mg)、リチウムtert-ブトキシド(2.4mg) 、メタノール3.1mlをアルゴン気流下で加え、 温で5分間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオ トクレーブに上記液およびD-(+)-乳酸メチル( 光学純度:99.2%ee)(1.04g)をアルゴン気流下で加 、水素置換後さらに4.0MPaまで水素を封入し 、70℃で14時間加熱攪拌した。冷却後反応液 ガスクロマトグラフィーにより分析したと ろ、(2R)-1,2-プロパンジオールが97.1%で生成 ていた。さらにビス-ベンゾエート体へと誘 して分析した結果、光学純度は91.5%eeであっ た。

D-(+)-乳酸メチルの水素化
 20mlシュレンク管に[Ru(H)(BH 4 )(triphos)](7.4mg)、リチウムtert-ブトキシド(8.0mg) 、メタノール3.1mlをアルゴン気流下で加え、 温で5分間攪拌した。攪拌子を入れた100mlオ トクレーブに上記液およびD-(+)-乳酸メチル( 光学純度:99.2%ee)(1.04g)をアルゴン気流下で加 、水素置換後さらに4.0MPaまで水素を封入し 、70℃で14時間加熱攪拌した。冷却後反応液 ガスクロマトグラフィーにより分析したと ろ、(2R)-1,2-プロパンジオールが73.8%で生成 ていた。さらにビス-ベンゾエート体へと誘 して分析した結果、光学純度は93.5%eeであっ た。

DL-マンデル酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- ンデル酸メチル(332.3mg)、[RuCl 2 (p-cymene)] 2 (3.1mg)、1,1,1-トリス(ジフェニルホスフィノメ ル)エタン(6.2mg)、カリウムtert-ブトキシド(10 .6mg)、メタノール3mlをアルゴン気流下で加え 。水素置換後、さらに3.0MPaまで水素を封入 、110℃で14時間加熱撹拌した。冷却後反応 をガスクロマトグラフィーにより分析した ころ、1-フェニル-1,2-エタンジオールが99.9% 上で生成していた。

DL-マンデル酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- ンデル酸メチル(332.3mg)、[Ru(cod)Cl 2 ](2.8mg)、1,1,1-トリス(ジフェニルホスフィノメ チル)エタン(6.2mg)、カリウムtert-ブトキシド(1 0.6mg)、メタノール3mlをアルゴン気流下で加え た。水素置換後、さらに3.0MPaまで水素を封入 し、110℃で14時間加熱撹拌した。冷却後反応 をガスクロマトグラフィーにより分析した ころ、1-フェニル-1,2-エタンジオールが99.9% 上で生成していた。

DL-マンデル酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- ンデル酸メチル(332.3mg)、[RuCl 2 (benzene)] 2 (2.5mg)、1,1,1-トリス(ジフェニルホスフィノメ ル)エタン(6.2mg)、カリウムtert-ブトキシド(10 .6mg)、メタノール3mlをアルゴン気流下で加え 。水素置換後、さらに3.0MPaまで水素を封入 、110℃で14時間加熱撹拌した。冷却後反応 をガスクロマトグラフィーにより分析した ころ、1-フェニル-1,2-エタンジオールが26.5% 生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- 酸メチル(1.04g)、[Ru 2 (μ-Cl) 3 (triphos-Tol) 2 ]Cl(8.8mg)、カリウムtert-ブトキシド(17.9mg)、メ ノール3.0mlを窒素気流下で加えた。水素置 後、さらに5.0MPaまで水素を封入し、100℃で15 時間加熱攪拌した。冷却後反応液をガスクロ マトグラフィーにより分析したところ、1,2- ロパンジオールが98.4%で生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- 酸メチル(1.04g)、[Ru 2 (μ-Cl) 3 (tBu-triphos) 2 ]Cl(8.4mg)、カリウムtert-ブトキシド(17.9mg)、メ ノール3.0mlを窒素気流下で加えた。水素置 後、さらに5.0MPaまで水素を封入し、100℃で15 時間加熱攪拌した。冷却後反応液をガスクロ マトグラフィーにより分析したところ、1,2- ロパンジオールが90.6%で生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- 酸メチル(1.04g)、[Ru(H)(OAc)(triphos)](7.9mg)、メタ ノール3.0mlを窒素気流下で加えた。水素置換 、さらに5.0MPaまで水素を封入し、100℃で15 間加熱攪拌した。冷却後反応液をガスクロ トグラフィーにより分析したところ、1,2-プ パンジオールが99.9%以上で生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- 酸メチル(1.04g)、[Ru(H)(OAc)(triphos)](7.9mg)、カリ ウムtert-ブトキシド(9.8mg)、メタノール3.0mlを 素気流下で加えた。水素置換後、さらに5.0M Paまで水素を封入し、100℃で15時間加熱攪拌 た。冷却後反応液をガスクロマトグラフィ により分析したところ、1,2-プロパンジオー が99.9%以上で生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- 酸メチル(1.04g)、[Ru(H)(OAc)(triphos)](7.9mg)、酢酸 (10.0mg)、メタノール3.0mlを窒素気流下で加え 。水素置換後、さらに5.0MPaまで水素を封入 、100℃で15時間加熱攪拌した。冷却後反応液 をガスクロマトグラフィーにより分析したと ころ、1,2-プロパンジオールが63.5%で生成して いた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- 酸メチル(1.04g)、[RuCl 2 (benzene)] 2 (5.0mg)、triphos(6.2mg)、メタノール3mlを窒素気流 下で加えた。水素置換後、さらに5.0MPaまで水 素を封入し、100℃で16時間加熱攪拌した。冷 後反応液をガスクロマトグラフィーにより 析したところ、1,2-プロパンジオールが95.0% 生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- 酸メチル(1.04g)、RuCl 2 (PPh 3 ) 3 (9.6mg)、triphos(6.2mg)、メタノール3mlを窒素気流 下で加えた。水素置換後、さらに5.0MPaまで水 素を封入し、100℃で16時間加熱攪拌した。冷 後反応液をガスクロマトグラフィーにより 析したところ、1,2-プロパンジオールが44.8% 生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- 酸メチル(1.04g)、RuH 2 (PPh 3 ) 4 (11.5mg)、triphos(6.2mg)、メタノール3mlを窒素気 下で加えた。水素置換後、さらに5.0MPaまで 素を封入し、100℃で16時間加熱攪拌した。冷 却後反応液をガスクロマトグラフィーにより 分析したところ、1,2-プロパンジオールが99.9% 以上で生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- 酸メチル(1.04g)、RuH 2 (PPh 3 ) 4 (11.5mg)、tBu-triphos(6.7mg)、メタノール3mlを窒素 流下で加えた。水素置換後、さらに5.0MPaま 水素を封入し、100℃で15時間加熱攪拌した 冷却後反応液をガスクロマトグラフィーに り分析したところ、1,2-プロパンジオールが9 9.9%以上で生成していた。

DL-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- 酸メチル(1.04g)、RuH 2 (PPh 3 ) 4 (11.5mg)、H-triphos(6.7mg)、メタノール3mlを窒素気 流下で加えた。水素置換後、さらに5.0MPaまで 水素を封入し、100℃で15時間加熱攪拌した。 却後反応液をガスクロマトグラフィーによ 分析したところ、1,2-プロパンジオールが32. 8%で生成していた。

D-(+)-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、D-(+) -乳酸メチル(光学純度:99.2%ee)(0.52g)、RuH 2 (PPh 3 ) 4 (11.5mg)、triphos(6.2mg)、メタノール3mlを窒素気 下で加えた。水素置換後、さらに5.0MPaまで 素を封入し、80℃で13時間加熱攪拌した。冷 後反応液をガスクロマトグラフィーにより 析したところ、(2R)-1,2-プロパンジオールが8 2.5%で生成していた。さらにカーボネート体 と誘導して分析した結果、光学純度は88.9%ee あった。

D-(+)-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、D-(+) -乳酸メチル(光学純度:99.2%ee)(1.04g)、RuH 2 (PPh 3 ) 4 (11.5mg)、triphos(6.2mg)、ナトリウムメトキシド(2 .7mg)、メタノール3mlを窒素気流下で加えた。 素置換後、さらに5.0MPaまで水素を封入し、8 0℃で13時間加熱攪拌した。冷却後反応液をガ スクロマトグラフィーにより分析したところ 、(2R)-1,2-プロパンジオールが91.8%で生成して た。さらにカーボネート体へと誘導して分 した結果、光学純度は94.0%eeであった。

D-(+)-乳酸メチルの水素化
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、D-(+) -乳酸メチル(光学純度:99.2%ee)(0.64g)、[RuH 2 (PPh 3 ) 4 ](2.8mg)、triphos-An・3BH 3 (8.5mg)、ナトリウムメトキシド(5.4mg)、メタノ ル3mlを窒素気流下で加えた。水素置換後、 らに5.0MPaまで水素を封入し、80℃で13時間加 熱攪拌した。冷却後反応液をガスクロマトグ ラフィーにより分析したところ、(2R)-1,2-プロ パンジオールが63.9%で生成していた。さらに ーボネート体へと誘導して分析した結果、 学純度は92.8%eeであった。

[参考実験1]
本発明に用いられる三座配位子を使用せずDL- 乳酸メチルの水素化を行った結果を以下に示 す。
 攪拌子を入れた100mlオートクレーブに、DL- 酸メチル(1.04g)、RuH 2 (PPh 3 ) 4 (11.5mg)、メタノール3mlを窒素気流下で加えた 水素置換後、さらに5.0MPaまで水素を封入し 100℃で16時間加熱攪拌した。冷却後反応液 ガスクロマトグラフィーにより分析したと ろ、1,2-プロパンジオールの生成は痕跡量で った。
 上記結果のように三座配位子を使用しない 合は反応が進行しなかった。