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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCING COLOR FILTER, METHOD FOR PRODUCING SUBSTRATE WITH PATTERN, AND SMALL PHOTOMASK
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145032
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a color filter, wherein a filter segment and a black matrix are formed by repeating at least the following steps a plurality of times in the following order: an application step of applying a photosensitive resin composition onto a substrate; an exposure step of pattern-exposing and curing the photosensitive resin layer; a development step of developing the photosensitive resin layer; and a firing step of thermally curing the photosensitive resin layer after development.  In the exposure step, a proximity exposure is performed through a photomask for pixel formation using a laser as a light source in such a manner that the integrated light exposure is 1-150 mJ/cm2.

Inventors:
IKEDA TAKESHI (JP)
AOKI EISHI (JP)
HARADA GENKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/058516
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
April 30, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOPPAN PRINTING CO LTD (JP)
IKEDA TAKESHI (JP)
AOKI EISHI (JP)
HARADA GENKI (JP)
International Classes:
G02B5/20; G03F1/50; G03F7/004; G03F7/20; G03F7/40
Foreign References:
JP2007094061A2007-04-12
JP2008287213A2008-11-27
JP2009145432A2009-07-02
JP2008281919A2008-11-20
JP2008216798A2008-09-18
Attorney, Agent or Firm:
SUZUYE, Takehiko et al. (JP)
Takehiko Suzue (JP)
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Claims:
 少なくとも
 (a)基板上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を塗布する塗布工程と、
 (b)前記基板上の感光性樹脂層をパターン露光し硬化させるパターン露光工程と、
 (c)前記感光性樹脂層の未露光(未硬化)部分を除去し露光後の感光性樹脂層を現像する現像工程と、
 (d)前記現像後の感光性樹脂層を熱硬化させる焼成工程とを、
この順序で複数回繰り返し、フィルタセグメント及びブラックマトリックスを形成するカラーフィルタの製造方法であって、
 前記露光工程(b)において、光源にレーザを使用し、且つ、画素形成のためのフォトマスクを介し、積算露光量が1~150mJ/cm になるようにプロキシミティ露光を行うことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
 前記露光工程(b)において、前記レーザの照射を、複数回繰り返すことを特徴とする請求項1に記載するカラーフィルタの製造方法。
 前記レーザの周波数が、1~500Hzであることを特徴とする請求項1又は2に記載するカラーフィルタの製造方法。
 前記レーザの1パルス当たりのエネルギー密度が、0.1~1000mJ/cm で、且つ、パルス幅が0.1~3000nsecであることを特徴とする請求項1又は2に記載するカラーフィルタの製造方法。
 前記露光工程(b)において、積算露光量が1~50mJ/cm 2 になるように前記レーザを照射して前記感光性樹脂層を光硬化させることを特徴とする請求項1又は2に記載するカラーフィルタの製造方法。
 前記感光性樹脂組成物に使用される光重合開始剤の、308nmにおけるモル吸光係数(ε308)が、365nmにおけるモル吸光係数(ε365)よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載するカラーフィルタの製造方法。
 前記感光性樹脂組成物に使用されるモノマーの質量(M)対する光重合開始剤の質量(I)の比(I/M)が、0.01~0.45の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載するカラーフィルタの製造方法。
 前記フォトマスクが、前記基板上の露光領域全体よりもパターン領域が小さい複数の小型フォトマスクであることを特徴とする請求項1に記載するカラーフィルタの製造方法。
 (a)矩形の基板上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を塗布する塗布工程と、
 (b)前記基板を長手方向に移動させながら該基板上の感光性樹脂層をパターン露光し感光させるパターン露光工程を、
有するパターン付き基板の製造方法であって、
 前記露光工程(b)において、露光光源にレーザを使用し、且つ、パターン形成のための小型フォトマスクを該基板の短手方向に複数配設し、レーザの照射を同じパターンに繰り返し照射するプロキシミティ露光を行うことを特徴とするパターン付き基板の製造方法。
 前記小型フォトマスクの短手方向の複数配設が、前記基板の移動方向に2列であることを特徴とする請求項9に記載のパターン付き基板の製造方法。
 前記小型フォトマスクが、同一マスク面内に品種の異なるパターンを前記基板の移動方向に2種以上形成したものであり、品種毎に何れかのパターンを選択露光することを特徴とする請求項9又は10に記載のパターン付き基板の製造方法。
 前記パターン露光において、前記レーザからの露光のショット数を変えて露光量の異なるパターン露光を行うことを特徴とする請求項9又は10に記載のパターン付き基板の製造方法。
 請求項8に記載のカラーフィルタの製造方法又は請求項9に記載のパターン付き基板の製造方法に用いる小型フォトマスクであって、
 同一マスク面内に品種の異なるパターンを2種以上配設したものであることを特徴とする小型フォトマスク。
Description:
カラーフィルタの製造方法、パ ーン付き基板の製造方法及び小型フォトマ ク

 本発明は、電界放射型表示装置、蛍光表 装置、プラズマディスプレイ(PDP)及び液晶 示装置などに用いるカラーフィルタやパタ ン付き基板の製造方法に関し、特に複数の 型フォトマスクを用いるカラーフィルタの 造方法、パターン付き基板の製造方法及び 型フォトマスクに関する。

 カラー液晶表示装置等に用いられるカラ フィルタは、カラー液晶表示装置等に不可 な部材であり、液晶表示装置の画質を向上 せたり、各画素にそれぞれの原色の色彩を えたりする役割を有している。このカラー ィルタを構成するフィルタセグメント又は ラックマトリックスは、次のようにして作 される。即ち、ガラス基板などに感光性材 を塗布した後、余剰の溶剤を乾燥除去する 続いて、超高圧水銀灯を使用するプロキシ ティ露光(近接露光)などにより、画素形成 ためのフォトマスクを介して感光性材料に 性エネルギー線を照射する。これにより、 ネルギー照射部の硬化(ネガ型)又はアルカリ 溶解度を高め(ポジ型)、アルカリ溶液などで 解する部分を除去する。これを、各色につ て繰り返すことにより、カラーフィルタが 製される。

 近年、カラー液晶表示装置は、液晶カラ テレビやカーナビゲーション用及び液晶表 装置一体型のノートパソコンとして大きな 場を形成するに至っている。そして、省エ 、省スペースという特徴を活かしたデスク ップパソコン用のモニター及びテレビとし も普及している。また、市場一般に普及す につれて、色再現特性向上の要求が高まっ きている。

 また、コントラスト向上のため、カラー ィルタの各色のフィルタセグメント間にブ ックマトリックスが配置されるのが一般的 ある。近年、環境問題、低反射化、低コス 化の観点から、金属クロム製ブラックマト ックスに代わり、樹脂に遮光性の色素を分 させた樹脂製ブラックマトリックスが着目 れている。しかしながら、樹脂製ブラック トリックスにおいては、金属クロム製ブラ クマトリックスに比べ、遮光性(光学濃度) 低いという問題点がある。

 カラーフィルタの色再現特性向上及びブ ックマトリックスの遮光性向上には、感光 着色組成物中の色素の含有量を多くするか 或いは膜厚を厚くする必要がある。しかし プロキシミティ露光(近接露光)など、光源 して超高圧水銀灯からの紫外光などを活性 ネルギー源とする従来の手法では、色素の 有量を多くすると、感度低下、現像性、解 性が悪化する等の問題が発生する。また、 厚を厚くすると、膜底部まで露光光が届か 、フィルタセグメント及びブラックマトリ クスの直線性や断面形状が不良となる等の 題が発生する。なお、本発明の記載におい フィルタセグメントとは、赤色、緑色、青 など個別の着色画素を指し、ブラックマト ックスとはコントラスト向上目的で、これ フィルタセグメントを区分する遮光性の黒 細線パターンを指す。また、露光光源であ レーザからの光(レーザビーム)を、以下の記 載では単にレーザと表記する。

 一方、カラー液晶表示装置の普及に伴い カラーフィルタへのコストダウン要求が増 している。前記したプロキシミティ露光方 では、一般に、光源として超高圧水銀灯を 用し、フライアイレンズやマイクロレンズ どで照度ムラを一様にした照明光を、コリ ーターレンズにより平行光に変換する。フ トマスクと、カラーレジストなど感光性樹 層が形成された基板は、数十μmから数百μm 間隙を持って配置されている。フォトマス の上から平行光を照射し、フォトマスクの ターンを基板上に転写する。

 このように、超高圧水銀灯を用いたプロ シミティ露光方式では、投影露光系を使用 る必要が無く、装置構成としては非常にシ プルであるために、装置価格が安い。また 1ショットでフォトマスクと同じ基板面積が 露光できるので、基板の寸法とほぼ同寸の大 型のフォトマスクを用いればタクトが短い利 点を有している。しかしながら、カラーフィ ルタを使った製品の大画面化に伴い、或いは これら大画面を1枚の大サイズ透明基板に多 付けするため、フォトマスクも更なる大型 を余儀なくされている。フォトマスクの大 化は、製造コストの増大に繋がっており、 ォトマスクのコストをいかに低減させるか 課題となってきている。

 フォトマスクの製造コストを低減するた の方式として、特許文献1には、光源にレー ザを用い、画像データに基づいて光を変調し ながら相対走査することで2次元画像の形成 行うマスクレス露光方式が開示されている 特許文献2には、カラーフィルタのブラック トリックスの形成に使うレーザ露光装置が 示されている。レーザ露光方式は、高価な ォトマスクを使用せずに画素を形成できる め、大幅なコストダウンが期待できる。し し、フォトマスクを用いないレーザ露光方 では、露光に使用される空間変調素子とレ ザに適した感光性樹脂組成物の開発が難し 。さらに、形状の良い微細パターン形成に 点がある。また、特許文献1に記載の方法で は、酸素遮断膜を設け、露光時の感度を向上 させる必要がある。

 また、特許文献3には、R、G、Bの3色の着 樹脂組成物をインキとして用い、各色を同 に印刷することができるインクジェット方 が開示されている。各色を同時に印刷する とができるため、材料の無駄も少ない。さ に、画素の形成工程が短縮されるため、環 負荷の低減と大幅なコストダウンが期待で る。しかし、インクジェット方式では、イ キ吐出装置により印刷した着色層が平坦な 状にならず、凸型形状になる問題点がある

特開2007-11231号公報

特開2005-316166号公報

特開平6-347637号公報

 本発明は、上記した問題点を解決するた に為されたもので、直線性、断面形状が良 で、カラーフィルタとして十分な膜厚のあ フィルタセグメント及びブラックマトリッ スを形成することができ、且つ高価なフォ マスクのコストを低減させるためにフォト スクの小型化が可能で、しかも生産性の低 も抑制可能なカラーフィルタの製造方法、 ターン付き基板の製造方法、更には小型フ トマスクの提供を目的とする。

 また、用いる露光光源の波長或いは感光 樹脂層の感度特性によって光硬化不十分と り後工程での熱処理で感光性樹脂層にシワ 発生する問題、或いは液晶用スペーサとし 高さの異なる構造物のパターン露光を1回の 露光工程で形成するのが難しいなどの問題が あった。本発明は、露光量の任意設定を可能 とし上記の問題を解決する技術を提案するも のである。

 本発明者の検討によれば、光源にレーザを 用し、且つ画素形成のためのフォトマスク 介してプロキシミティ露光を行うことで、 ォトマスクの小型化が可能となる。また、 算露光量が1~150mJ/cm になるように露光することで、アブレーショ ン現象による感光性樹脂塗膜の分解を抑えら れ、十分な膜厚のフィルタセグメントを形成 することが可能となる。本発明はこのような 知見に基づいてなされたものである。

 本発明の請求項1に係る発明は、少なくと も(a)基板上に感光性樹脂組成物からなる感光 性樹脂層を塗布する塗布工程と、(b)前記基板 上の感光性樹脂層をパターン露光し硬化させ るパターン露光工程と、(c)前記感光性樹脂層 の未露光(未硬化)部分を除去し露光後の感光 樹脂層を現像する現像工程と、(d)前記現像 の感光性樹脂層を熱硬化させる焼成工程と 、この順序で複数回繰り返し、フィルタセ メント及びブラックマトリックスを形成す カラーフィルタの製造方法であって、前記 光工程(b)において、光源にレーザを使用し 且つ、画素形成のためのフォトマスクを介 、積算露光量が1~150mJ/cm2になるようにプロ シミティ露光を行うことを特徴とするカラ フィルタの製造方法である。

 本発明の請求項2に係る発明は、前記露光 工程(b)において、前記レーザの照射を、複数 回繰り返すことを特徴とする請求項1に記載 るカラーフィルタの製造方法である。

 本発明の請求項3に係る発明は、前記レー ザの周波数が、1~500Hzであることを特徴とす 請求項1又は2に記載するカラーフィルタの製 造方法である。

 本発明の請求項4に係る発明は、前記レー ザの1パルス当たりのエネルギー密度が、0.1~1 000mJ/cm2で、且つ、パルス幅が0.1~3000nsecである ことを特徴とする請求項1又は2に記載するカ ーフィルタの製造方法である。

 本発明の請求項5に係る発明は、前記露光工 程(b)において、積算露光量が1~50mJ/cm 2 になるように前記レーザを照射して前記感光 性樹脂層を光硬化させることを特徴とする請 求項1又は2に記載するカラーフィルタの製造 法である。

 本発明の請求項6に係る発明は、前記感光 性樹脂組成物に使用される光重合開始剤の、 308nmにおけるモル吸光係数(ε308)が、365nmにお るモル吸光係数(ε365)よりも大きいことを特 徴とする請求項1又は2に記載するカラーフィ タの製造方法である。

 本発明の請求項7に係る発明は、前記感光 性樹脂組成物に使用されるモノマーの質量(M) 対する光重合開始剤の質量(I)の比(I/M)が、0.01 ~0.45の範囲であることを特徴とする請求項1又 は2に記載するカラーフィルタの製造方法で る。

 本発明の請求項8に係る発明は、前記フォ トマスクが、前記基板上の露光領域全体より もパターン領域が小さい複数の小型フォトマ スクであることを特徴とする請求項1に記載 るカラーフィルタの製造方法である。

 本発明の請求項9に係る発明は、(a)矩形の 基板上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹 脂層を塗布する塗布工程と、(b)前記基板を長 手方向に移動させながら該基板上の感光性樹 脂層をパターン露光し感光させるパターン露 光工程を、有するパターン付き基板の製造方 法であって、前記露光工程(b)において、露光 光源にレーザを使用し、且つ、パターン形成 のための小型フォトマスクを該基板の短手方 向に複数配設し、レーザの照射を同じパター ンに繰り返し照射するプロキシミティ露光を 行うことを特徴とするパターン付き基板の製 造方法である。

 本発明の請求項10に係る発明は、前記小 フォトマスクの短手方向の複数配設が、前 基板の移動方向に2列あることを特徴とする 求項9に記載のパターン付き基板の製造方法 である。

 本発明の請求項11に係る発明は、前記小 フォトマスクが、同一マスク面内に品種の なるパターンを前記基板の移動方向に2種以 形成したものであり、品種毎に何れかのパ ーンを選択露光することを特徴とする請求 9又は10に記載のパターン付き基板の製造方 である。

 本発明の請求項12に係る発明は、前記パ ーン露光において、前記レーザからの露光 ショット数を変えて露光量の異なるパター 露光を行うことを特徴とする請求項9又は10 記載のパターン付き基板の製造方法である

 本発明の請求項13に係る発明は、請求項8 記載のカラーフィルタの製造方法又は請求 9に記載のパターン付き基板の製造方法に用 いる小型フォトマスクであって、同一マスク 面内に品種の異なるパターンを2種以上配設 たものであることを特徴とする小型フォト スクである。

 本発明によれば、特定の波長のレーザを 出力で短時間照射することにより、感光性 脂組成物を極短時間で硬化させる、或いは 光させるため、小さなフォトマスクを使用 て、形状の優れたフィルタセグメント及び ラックマトリックスを低コストで形成する とができる。また、複数の小型フォトマス を併用するため、生産性を落とすことなく 精度のパターン形成を可能とすることがで る。特に、小型のフォトマスクを複数用い 大サイズの透明基板(感光性樹脂が塗布され た基板)の、矩形基板の短手(幅)方向に並べる 形で配列してレーザ露光することで、スルー プットを落とさず効率的な露光が実施できる 。あわせて、本発明の技術により、フォトマ スクのコストを大幅に低減できる。矩形基板 の短手方向に小型フォトマスクを配設するこ とで、矩形基板の長手方向に配設するより小 型フォトマスクの数を減らすことができる。

 加えて、積算露光量が1~150mJ/cm 2 になるようにプロキシミティ露光することで 、アブレーション現象による感光性樹脂層の 分解や蒸発を抑えられ、十分な膜厚のフィル タセグメント及びブラックマトリックス、或 いはTFT等のパターン付き基板を製造すること ができる。本発明に記載の技術は、液晶表示 装置用基板の製造適用以外に、プラズマディ スプレイ、有機EL表示装置用基板、配線基板 太陽電池用途などのパターン付き基板の製 に適用できる。

 さらに本発明は、感光性樹脂層を用いて フィルタセグメント形成、或いはカラーフ ルタ上やTFT素子の形成された基板上の構造 等の形成にあたって、レーザ光源からのシ ット数を変えて露光量の異なるパターン露 を行うことにより、目的とするフィルタセ メントや構造物を自由度高く形成できる大 な効果がある。光配向可能な有機材料を用 て、分割露光を併せて行うことにより、複 の配向領域をもつ液晶用配向膜パターンを 成できる。或いは、レーザ露光によりリタ ーション調整可能な液晶ポリマーを用いる とにより、色毎にリタデーションを制御し 位相差パターンを形成できる。青色顔料を 材とする感光性樹脂層のパターン露光では 有効画面の周辺部や基板端面側でレーザ光 からの露光のショット数を増やすことで、 化不足に伴うシワ発生問題を解消できる。 様、レーザ光源からの露光のショット数を 整することで、液晶セルのギャップ調整の めの、高さの異なるスペーサを形成するこ ができる。

図1は、複数の小型フォトマスクを用い てCFパターンを露光する様子を示す平面図で る。 図2は、一つのフォトマスクの構成を示 す平面図と断面図である。

 本発明のカラーフィルタの製造方法は、感 性樹脂組成物を基板上に塗布する工程と、 ィルタセグメント又はブラックマトリック となる部分に、画素形成のための複数の小 フォトマスクを介し、レーザを積算露光量 1~150mJ/cm となるように照射して硬化させる工程と、現 像して前記感光性樹脂層の未露光部分を除去 する工程と、前記現像後の感光性樹脂層を熱 硬化させる工程を、色毎に繰り返し、ブラッ クマトリックス及びフィルタセグメントを形 成することを特徴とする。

 本発明の技術は、ノボラック樹脂をベー とするポジ型感光性樹脂をレジストパター として用いることで、TFTなどアクティブマ リクス素子のパターンを形成できる。或い TFT素子の形成された基板上にカラーフィル を形成するCOAと呼ばれる技術に適用できる ショット数を変えた露光量や、或いはレー 照射角度を調整することにより、液晶分子 向の調整可能な配向膜パターン、また、リ デーションの異なる位相差パターンを形成 きる。

 本発明のカラーフィルタの製造方法で作 されるカラーフィルタは、透明基板上にフ ルタセグメント及びブラックマトリックス 具備するものであり、フィルタセグメント 、赤、緑、青、黄、オレンジ及びシアンか なる群から選ばれる少なくとも2色を備える ことができる。これを液晶用とする場合は、 さらに透明導電層、配向膜層を順次積層せし めたものであり、例えば薄膜トランジスタ(TF T)のような電極を形成した対向基板と対置さ 液晶層を介して、液晶表示装置を構成する 以下では、透明基板、ブラックマトリック と赤、緑、青の着色画素層を合わせてカラ フィルタとする。必要に応じて前記カラー ィルタ上に平坦化層、保護層や透明導電層 設けることができる。

 カラーフィルタの基板には、硝子基板、 英基板、プラスチック基板等、公知の透明 板材料を使用できる。中でも硝子基板は、 明性、強度、耐熱性、耐候性において優れ いる。前記したように予めTFTなど液晶を駆 するアクティブ素子の形成された基板を用 、その基板上にカラーフィルタを形成して 良い。

 [感光性樹脂組成物の塗布工程]
 感光性樹脂組成物の塗布工程では、スリッ ダイコーター、スピンコーター等、公知の 工装置を用いて均一に塗工する。その後、 剤成分を除去するため必要に応じて、減圧 燥処理やプリベーク処理を施すことができ 。カラーフィルタに用いられる感光性樹脂 成物には、通常はアクリル樹脂をベースと 、色材として有機顔料を分散したネガ型の 光性樹脂を用いる。TFTなど液晶駆動を前提 したアクティブ素子のパターン形成には、 ボラック樹脂をベースとしたポジ型の感光 樹脂を用いる。

 [露光工程]
 露光工程では、前記感光性樹脂層のフィル セグメント又はブラックマトリックスとな 部分にレーザを照射して硬化、若しくは感 させる。具体的には、大サイズの基板上に 成された感光性樹脂層に、基板と比較して さいフォトマスクを介して、それぞれレー を照射し硬化、若しくは感光させる。

 図1に示すように、感光性樹脂層の塗布さ れた矩形である大型基板20の幅方向に沿って 数の小型のフォトマスク10を配設する。さ に、各々のフォトマスク10に対応させてレー ザ光源(図示せず)を設ける。フォトマスク10 複数配設することで、レーザ露光によるス ープット低下を防ぐことができる。小型フ トマスク10を配設する方向は、矩形基板20の 手方向の方がマスクの個数を少なくできる 故に、矩形基板20は、露光時、長手方向に 板送りを行う。大画面での繋ぎムラを緩和 るため、小型フォトマスク10を、大型基板の 幅方向に1列でなく複数例並べても良い。具 的には、小型フォトマスク10は、基板20の短 方向に沿って複数個配置され、且つ1つの列 に対して短手方向にマスク1個分ずらしても 1列配置されている。

 また、大画面での繋ぎムラを緩和するた 、小型フォトマスク10内に形成される同一 ターンの寸法や配列を数ミクロン或いはサ ミクロンオーダーでランダマイズさせるこ は好ましい。同様、露光時に小型フォトマ ク位置をランダマイズに微調整しても良い なお、図中の破線で囲った領域21は、4つの 晶パネルに相当する露光領域であり、この では矩形基板20から4つの液晶パネルを形成 るものとしている。

 一般的なフォトマスクは、露光のための 口部である有効パターンの周辺に額縁状の 有効部がある。本発明に用いる小型フォト スク10は上記したように被露光対象の矩形 板の短手方向に複数個配設するが、非有効 による未露光パターンをなくすため、図1に すように千鳥配列にて2列、或いは3列以上 べることが好ましい。小型フォトマスク自 を移動させるステッパー露光を行うより、 いスループットを確保できる。

 4つの配向領域を持つ配向膜パターン形成 の場合には、2列の小型マスクの並びを2組配 することで対応できる。配向膜パターン形 の場合には、レーザ光源と共に、小型フォ マスク或いはその開口部を矩形基板の送り 向に対して、例えば45度傾けて使用しても い。矩形基板上の感光性樹脂層の面へのレ ザの入射角度は、例えば20度~70度傾斜を持た せても良い。

 フォトマスクの構造を、図2(a)の断面図及 び図2(b)の平面図を参照して更に詳しく説明 る。フォトマスク10は、透明基板11の下面上 遮光膜12を形成し、遮光膜12に開口パターン を設けることにより形成されている。透明基 板11の上面側から、プラインドシャッター15 介してレーザを照射することにより、開口 ターンを透過した光が転写される。なお、 中の13a,13bは品種の異なるパターン、14はマ ク上のレーザ照射領域を示している。

 本発明の小型フォトマスク10は、矩形基 の送り方向に異なる品種のパターンを配設 ることが好ましい。例えば、図2(a)(b)に示す うに、カラーフィルタ品種の異なるCF-aパタ ーン13aとCF-bパターン13bの2種を配設してもよ 。さらに、必ずしも2種に限らず、3種以上 配設することもできる。フィルタセグメン の幅や大きさの異なるこれらCF-aパターン13a CF-bパターン13bは、他方をブラインドシャッ ター15にて覆い露光させないことで、片方の 種のみの生産を行うことができる。即ち、 種毎に選択露光することができる。当技術 品種の切り替え作業を極めて少ないものと 、併せて品種毎の新たなフォトマスクを作 する必要が無くなる効果がある。

 配向膜パターン形成の場合には、矩形基 の鉛直方向或いは矩形基板の幅方向にレー の照射角度を変え露光することで所望の配 処理が実施できる。配向膜パターン形成に たっては、液晶を封入した液晶セルを矩形 板として処理しても良く、さらには電界や 界環境下でレーザ照射を行っても良い。

 レーザは、半導体レーザ、YAG(固体)レー 、気体レーザ(アルゴンレーザ、ヘリウムネ ンレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレー )などの公知のレーザを用いることができる 。YAGレーザは、343nm或いは355nmの発振波長の のを好ましく使用できる。配向膜パターン 位相差パターンの形成に際しては、不足す 光の波長域を補う観点でLED光源やショート ーク型ランプを併用しても良い。レーザ光 、無偏光でも良く、或いは偏光子を介して 光させたものであっても良い。

 中でも、アルゴン、クリプトン、キセノ などの希ガスと、フッ素、塩素などのハロ ンガスとの混合ガスを用いてレーザ光を発 させるエキシマレーザが好ましく使用でき 。エキシマレーザは、その混合ガスの種類 組合せによって、発振波長が異なり、193nm(A rF)、248nm(KrF)、308nm(XeCL)、351nm(XeF)などがある また、エキシマレーザは、パルス幅は数十ns で、ビームの断面は放電領域の形状を反映し 、長方形のビームを高出力で発振する。ビー ムが太く、パルスエネルギーも大きく数千mJ で出せる装置もある。エキシマレーザは、 ームを一点に集中させる加工よりも、比較 大きな面積を高い照射強度で一括処理加工 るような分野に適している。

 レーザビームをスリット状に拡げる光学 は、エクスパンダーと呼ばれる光学レンズ が良く、ポリゴンミラーのような回転体を いる方式は、露光時に感光性樹脂層面で光 干渉を報じるため好ましくない。マイクロ ンズ集合体であるフライアイレンズの併用 好ましい。

 着色塗膜は、膜を分解しない程度の適度な ネルギーを与えて硬化、或いは感光させる とが必須である。レーザ光の照射強度が低 ぎると十分な光硬化或いは感光させるまで 時間がかかり生産性(タクト)を低下させる 題がある。逆に、レーザ光の照射強度が高 ぎると、アブレーション(abrasion)とよぶ樹脂 解やレジスト成分の放散による膜減りが生 てしまう。本発明で用いられるレーザの1パ ルス当たりのエネルギー密度は0.1mJ/cm 以上1000mJ/cm 以下であることが好ましい。

 レジスト塗膜を十分に硬化させるには、0.3m J/cm 以上がより好ましく、1mJ/cm2 以上が最も好ま しい。さらに、アブレーションにより感光性 樹脂層である着色塗膜の膜減りをさせないよ うにするには、150mJ/cm 以下がより好ましく、50mJ/cm 以下がさらに好ましい。レーザ光の照射強度 、スループットおよび感光性樹脂層の感度の 関係から1mJ/cm 2  ~50mJ/cm の範囲が特に好ましい。

 また、パルス幅は0.1nsec以上3000nsec以下で ることが好ましい。アブレーション現象に り着色塗膜を分解させないようにするには 0.5nsec以上がより好ましく、1nsec以上が最も ましい。レーザスキャン露光の際に、パタ ンの太りを防ぎ、パターンの合わせ精度を 上させるには、1000nsec以下がより好ましく 50nsec以下が最も好ましい。基板の送り速度 、レーザ光の照射強度との関係でパルス幅 、1nsecから50nsecの範囲が特に好ましい。

 本発明の技術において、マスク開口幅や ーザ発振周波数、必要な露光量を得るため 照射回数(ショット数)、照射密度は、高い 産性を確保するために重要な要素である。

 被露光対象の矩形基板の方向の、小型フ トマスクの開口幅を「マスク開口幅」とし 同一のフィルタセグメントへのレーザ露光 繰り返し照射を「ショット数」とすれば、 産性の指標となる露光速度(矩形基板の送り 速度の関係)は下式となる。

   露光速度 = (マスク開口幅×発振周波数) /ショット数
 また、上記ひとまとまりの「ショット数」 打てるフィルタセグメントの数、「ショッ 画素数」は、下式で表される整数となる。 ち、本発明ではひとまとまりの「ショット 」で打てるフィルタセグメントは、矩形基 の移動方向に対して、おおよそ2画素から20 素の整数となる。

   ショット画素数 ≦ マスク開口幅/(ショ ット数×画素ピッチ)
 さらに、レーザの発振周波数は1Hz以上5000Hz 下であることが好ましい。露光処理時間を くするには、10Hz以上がより好ましく、着色 感光性樹脂組成物の露光において30Hz以上が も好ましい。スキャン露光の際に、合わせ 度を向上させるには、500Hz以下がより好まし い。高い精度を確保しながら、基板の送りと の同期を行い易くするために、30Hz~500Hzの範 が特に好ましい。

 本発明では、レーザを複数回に分けて、感 性樹脂組成物からなる感光性樹脂層に照射 ることができる。アブレーション現象を抑 するためには、レーザのパルスエネルギー 低く抑え、複数回繰り返すことが有効な手 である。積算露光量は、1~150mJ/cm 2 であることが好ましく、1~50mJ/cm 2 であることが最も好ましい。積算露光量が150 mJ/cm 2 を超えると、アブレーション現象により感光 性樹脂層である着色塗膜の分解が進行し、最 終的に十分な膜厚のフィルタセグメント又は ブラックマトリックスが得られない。一方、 感光性樹脂組成物の着色組成物とのマッチン グが良ければ、最低積算露光量が1mJ/cm カラーフィルタとしてフィルタセグメントが 形成できる。

 液晶セルギャップ規制のために高さの異な スペーサを形成する目的では、レーザ光源 らのショット数を変えて露光することが簡 で自由度の高い手段となる。これら高さや きさの異なる構造物のショット数(露光量) 、例えば10mJ/cm 2 ~40mJ/cm 2 の範囲でショット数(露光量)と構造物の高さ 緩やかな直線性を持たせて形成できる。換 すれば、ショット数に対応して高さの異な 構造物を形成できる。

 [現像工程]
 着色塗膜のようなネガ型の感光性樹脂層の 合、現像工程では、従来公知の現像方法に り、感光性樹脂層の未露光部分を除去して ィルタセグメント、又はブラックマトリッ スを形成する。未露光部分の除去に際して 、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、 酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジ チルベンジルアミン、トリエタノールアミ 等の有機アルカリを用いることもできる。 た、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添 することもできる。現像処理方法としては シャワー現像法、スプレー現像法、ディッ (浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適 用することができる。ノボラック樹脂のよう なポジ型感光性樹脂の場合、感光した感光性 樹脂層をアルカリ現像液で除去してポジ型の パターンを形成してパターン付き基板とする 。

 [焼成工程]
 本発明においては、フィルタセグメント及 ブラックマトリックスを形成した後、熱処 を施して硬化させる硬膜工程を設ける。熱 理方法としてはコンベクションオーブン、 ットプレート、ハロゲンヒータ、IRオーブ による加熱等が利用でき、特に限定される のではない。ここで、焼成条件は、200~250℃ 10分~60分間加熱することが好ましい。

 [感光性樹脂組成物]
 次に、本発明に使用できる感光性樹脂組成 につて説明する。本発明で用いることの可 な感光性樹脂組成物は、液晶パネル化工程 必要な耐熱性があることが望ましい。さら 、後工程のアルカリを用いる現像工程で、 ターン現像のできる感光性樹脂材料であれ 良く、限定するものでない。例えば、着色 光性樹脂組成物として有機顔料、エチレン 不飽和二重結合を有するモノマー及び光重 開始剤を含有し、且つレーザ照射で硬化可 な感光性樹脂組成物が挙げられる。液晶セ ギャップ規制や液晶配向規制の目的で形成 るスペーサやリブ、配向制御用と突起を形 する感光性樹脂組成物には、アクリル樹脂 ベースとする感光性樹脂組成物を用いるこ ができる。ネガ型感光性樹脂組成物、或い ポジ型感光性樹脂組成物は、目的に応じて い分ければ良い。

 前記した樹脂以外に、有機樹脂としてポ イミド、ポリスルホン、ポリエステル、ポ アミド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)ア リレート、ポリフェニレンスルフィド、ポ フェニレンオキサイド、ノルボルネンなど 樹脂を本発明に適用できる。

 配向膜パターンに用いる材料を限定する 要はない。配向膜材料として、例えばポリ ミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エ テル、ポリスチレン、スチレン-フェニルマ レイミド共重合体、ポリ(メタ)アクリレート どを骨格として、これらの主鎖又は側鎖に 光性基及び配向性基を有する光配向性重合 を用いることができる。同様に、位相差パ ーンに用いる材料も特定する必要はないが 感光性の棒状重合性液晶化合物、感光性の ィスコティック重合性化合物があげられる

 [顔料]
 着色感光性樹脂組成物に含有される顔料と ては、一般に市販されている有機顔料を用 ることができ、形成するフィルタセグメン の色相に応じて、染料、天然色素、無機顔 を併用することができる。有機顔料として 、発色性が高く、且つ耐熱性、特に耐熱分 性の高いものが好適に持に用いられる。有 顔料は、1種を単独で、又は2種以上を混合 て用いることができる。また、有機顔料は ソルトミリング、アシッドペースティング により微細化したものであっても良い。

 着色感光性樹脂組成物には、彩度と明度 バランスをとりつつ、良好な塗布性、感度 現像性等を確保するために、無機顔料を含 させることができる。無機顔料としては、 化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛 黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III)) 、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑 、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、 合成鉄黒、カーボンブラック等が挙げられる 。無機顔料は、1種を単独で、又は2種以上を 合して用いることができる。無機顔料は、 料の合計質量を基準(100質量%)として、0.1~10 量%の量で用いることができる。

 また、本発明に使用される感光性樹脂組 物には、調色のため、耐熱性を低下させな 範囲内で染料を含有させることができる。 料は、顔料の合計質量を基準(100質量%)とし 、0.1~1.0質量%の量で用いることができる。

 [エチレン性不飽和二重結合を有するモノマ ー]
 エチレン性不飽和二重結合を有するモノマ は、レーザを照射することにより硬化する 分である。エチレン性不飽和二重結合を有 るモノマーの例としては、2-ヒドロキシエ ル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピ (メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ) アクリレート、ポリエチレングリコールジ( タ)アクリレート、ペンタエリスリトールト (メタ)アクリレート、トリメチロールプロ ントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス リトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシ ロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン( タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレ ト等の各種アクリル酸エステルおよびメタ リル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチ ン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N- ドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ア リロニトリル等が挙げられる。

 エチレン性不飽和二重結合を有するモノ ーは、着色組成物の感度アップの観点から エチレン性不飽和二重結合を4~12個有するこ とが好ましい。エチレン性不飽和二重結合を 有するモノマーは、単独で又は2種類以上混 して用いることができる。エチレン性不飽 二重結合を有するモノマーの含有量は、顔 100質量部に対して、好ましくは10~300質量部 より好ましくは10~200質量部の量で用いるこ ができる。

 [光重合開始剤]
 光重合開始剤としては、308nmにおけるモル 光係数(ε308)が365nmにおけるモル吸光係数(ε36 5)よりも大きいものが好適に用いられる。こ で、モル吸光係数とは、光重合開始剤をア トニトリルで約1.0×10 -5 モル/mlに希釈し、その波長における吸収スペ クトルをモル濃度で換算した値である。

 光重合開始剤としては、アセトフェノン 光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤 ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサ トン系光重合開始剤、トリアジン系光重合 始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾ ル系光重合開始剤、イミダゾール系光重合 始剤等が用いられる。これらの光重合開始 は、1種を単独、又は2種以上を混合して用 ることができる。光重合開始剤の含有量は 顔料100質量部に対して5~200質量部、好ましく は10~150質量部の量で用いることができる。

 なお、アセトフェノン系光重合開始剤と ては、4-フェノキシジクロロアセトフェノ 、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエ トキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフ ニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン 、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト 、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モル フォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメ ルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタ -1-オン等がある。ベンゾイン系光重合開始 としては、ベンゾイン、ベンゾインメチル ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン インイソプロピルエーテル、ベンジルジメ ルケタール等がある。

 ベンゾフェノン系光重合開始剤としては ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベ ゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾ ェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アク ル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチ ジフェニルサルファイド等がある。

 チオキサントン系光重合開始剤としては チオキサントン、2-クロロチオキサントン 2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオ キサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサン ン等がある。

 トリアジン系光重合開始剤としては、2,4, 6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビ ス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メ キシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s- トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロ メチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス( トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(ト リクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2- (ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s- トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6- ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ト リクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、 2,4-トリクロロメチル(4'-メトキシスチリル)-6- トリアジン等がある。

 また、エチレン性不飽和二重結合を有す モノマー質量(M)に対する光重合開始剤の質 (I)の比(I/M)は、0.01~0.45の範囲であることが ましい。光重合開始剤の減量によるコスト ウンの見地からすると、比(I/M)は、より少な い方が好ましく、0.30以下であることが好ま い。しかし、比(I/M)が0.01未満であると、光 合開始剤の基本作用が発揮されにくくなる

 本発明に使用される感光性樹脂組成物に 、基本的に増感剤は必要としないが、光重 開始剤と増感剤を併用してもかまわない。 れらの増感剤は、1種を単独で、又は2種以 を混合して用いることができる。増感剤の 有量は、光重合開始剤100質量部に対して0.1~6 .0質量部が好ましい。

 本発明に使用される感光性樹脂組成物に 、さらに、連鎖移動剤としての働きをする 官能チオールを含有させることができる。 れらの多官能チオールは、1種を単独で、又 は2種以上を混合して用いることができる。 官能チオールの含有量は、顔料100質量部に して0.05~100質量部が好ましく、より好ましく は0.1~60質量部である。

 本発明に使用される感光性樹脂組成物に 、組成物の経時粘度を安定化させるために 蔵安定剤を含有させることができる。また 透明基板との密着性を高めるためにシラン ップリング剤等の密着向上剤を含有させる ともできる。貯蔵安定剤は、感光性樹脂組 物中の顔料100質量部に対して、0.1~10質量部 量で用いることができる。

 本発明に使用される感光性樹脂組成物に 、顔料の分散性向上や塗布基材との密着性 上げるため、透明樹脂を含有させることが きる。透明樹脂は、可視光領域の400~700nmの 波長領域において透過率が好ましくは80%以 、より好ましくは95%以上の樹脂である。透 樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及 感光性樹脂が含まれ、これらを単独で、又 2種以上混合して用いることができる。

 感光性透明樹脂としては、エチレン性不 和二重結合を有する樹脂を用いることがで る。例えば、水酸基、カルボキシル基、ア ノ基等の反応性の置換基を有する高分子に イソシアネート基、アルデヒド基、エポキ 基、カルボキシル基等の反応性置換基を有 る(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応 せて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等 のエチレン性不飽和二重結合を有する官能基 を前記高分子に導入した樹脂が挙げられる。

 具体的には、水酸基を有するエチレン性 飽和単量体および他のエチレン性不飽和単 体を共重合した共重合体に、水酸基と反応 能な官能基及びエチレン性不飽和二重結合 有する化合物を反応させることにより得ら るものがある。水酸基と反応可能な官能基 しては、イソシアネート基、カルボキシル 等が挙げられるが、特に反応性の点でイソ アネート基が好ましい。イソシアネート基 びエチレン性不飽和二重結合を有する化合 として具体的には、2-アクリロイルエチル ソシアネート、2-メタクリロイルエチルイソ シアネート等が挙げられる。また、スチレン -無水マレイン酸共重合体やα-オレフィン-無 マレイン酸共重合体等の酸無水物を含む高 子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー 等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物に よりハーフエステル化したものも用いられる 。

 本発明の感光性樹脂組成物には、顔料を 分に組成物中に分散させ、ガラス基板等の 明基板上に乾燥膜厚が0.2~5μmとなるように 布してフィルタセグメントを形成すること 容易にするために、溶剤を含有させること できる。溶剤は単独で、若しくは混合して いる。

 エチレン性不飽和二重結合を有するモノ ーに顔料を分散する際には、適宜、界面活 剤、樹脂型顔料分散剤、色素誘導体等の分 剤が使用できる。分散剤は、顔料の分散に れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果 大きいので、分散剤を用いて顔料を透明樹 及び有機溶剤中に分散してなる感光性樹脂 成物を用いた場合には、透明性に優れたカ ーフィルタが得られる。顔料分散剤は、感 性樹脂組成物中の顔料100質量部に対して、0 .1~40質量部、好ましくは0.1~30質量部の量で用 ることができる。

 以下に、本発明の具体的実施例及び比較例 ついて説明する。なお、実施例および比較
例中、「部」および「%」とは「質量部」お び「質量%」をそれぞれ意味する。

 まず、実施例および比較例で用いたアク ル樹脂溶液および顔料分散体の調製につい 説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミ エーションクロマトグラフィ)により測定し ポリスチレン換算の質量平均分子量である

 [アクリル樹脂溶液の合成例]
 反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、 器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱し 。同温度で、メタクリル酸20.0部、メチルメ クリレート10.0部、n-ブチルメタクリレート5 5.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート15.0 部、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル4.0部の 合物を1時間かけて滴下して重合反応を行っ た。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させ た後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシ クロヘキサノン50部に溶解させたものを添加 、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリ 樹脂共重合体溶液を得た。室温まで冷却し 後、アクリル樹脂溶液約2gをサンプリング て180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し た。そして、先に合成したアクリル樹脂溶液 に不揮発分が20質量%になるように、シクロヘ キサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製 した。得られたアクリル樹脂の質量平均分子 量Mwは40000であった。

 [顔料分散体の調製]
 (表1)に示す組成の混合物を均一に攪拌混合 、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミ で5時間分散した。その後、5μmのフィルタ 濾過し、赤色顔料分散体R-1、緑色顔料分散 G-1、青色顔料分散体B-1、及び黒色顔料分散 BM-1を調製した。なお、(表1)中に記載する材 は以下の通りである。

・PR254:ジケトピロロピロール系顔料
      (C.I. Pigment Red 254)
      (チバ・ジャパン社製「イルガフォ レッドB-CF」)
・PR177:アントラキノン系顔料
      (C.I. Pigment Red 177)
      (チバ・ジャパン社製「クロモフタ ルレッドA2B」)
・PG36 :ハロゲン化銅フタロシアニン系顔料
      (C.I. Pigment Green 36)
      (東洋インキ製造社製「リオノール リーン6YK」)
・PB15:6:ε型銅フタロシアニン顔料
       (C.I. Pigment Blue 15:6)
       (BASF製「ヘリオゲンブルーL-6700F」)
・PY150 :ニッケルアゾ錯体系顔料
       (C.I. Pigment Yellow 150)
       (ランクセス社製「E4GN」)
・CB    :カーボンブラック
       (C.I. Pigment Black 7)
       (三菱化学社製「MA11」)
・顔料分散剤 :日本ルーブリゾール社製「ソ ルスパース20000」)
・アクリル樹脂溶液:先に調製したアクリル 脂溶液
・溶剤    :シクロヘキサノン

 [着色組成物(レジスト)の調製]
 先に調製した顔料分散体R-1、G-1、B-1、BM-1を 用いて、(表2)に示す組成の混合物を均一にな るように攪拌混合した。その後、1μmのフィ タで濾過して、感光性樹脂組成物の各着色 成物(レジスト)、RED-1(R1),GREEN(G1)、BLUE,BM(BM1) 及びRED-2(R2)、RED-3(R3)を得た。

 ここで、(表2)に記載する材料は以下の通 である。

・顔料分散体 :先に調製した顔料分散体
・アクリル樹脂溶液:先に調製したアクリル 脂溶液
・モノマー  :ジペンタエリスリトールヘキ アクリレート
       (東亞合成社製「アロニックスM-402 )
・有機溶剤  :シクロヘキサノン
 また、(表3)に、実施例及び比較例で用いた 光性樹脂組成物に使用された光重合開始剤 、308nmにおけるモル吸光係数(ε308)と365nmに けるモル吸光係数(ε365)を示す。

 ここで、光重合開始剤1~7は、それぞれ以 に示すものである。

・光重合開始剤1:カルバゾール系光重合開始 3,6-ビス(2-メチル-2-モルホリノプロピオニル )-9-n-オクチルカルバゾール(旭電化工業社製 アデカアークルズN-1414」)
・光重合開始剤2:オキシムエステル系光重合 始剤1,2-オクタジオン-1-[4-(フェニルチオ)-、 2-(O-ベンゾイルオキシム)](チバ・スペシャル ィ・ケミカルズ社製「イルガキュアOXE-01」)
・光重合開始剤3:オキシムエステル系光重合 始剤エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾ ル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオ キシム)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ 製「イルガキュアOXE-02」)
・光重合開始剤4:アシルフォスフィンオキサ ド系光重合開始剤2,4,6-トリメチルベンゾイ -ジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社 「ルシリンTPO」)・光重合開始剤5:α-アミノ ルキルフェノン系光重合開始剤2-メチル-1-[4 -(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロ ン-1-オン(チバ・スペシャルティ・ケミカル 社製「イルガキュア907」)
・光重合開始剤6:α-アミノアルキルフェノン 光重合開始剤2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチ フェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェ ル]-1-ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミ カルズ社製「イルガキュア379」)
・光重合開始剤7:トリアジン系光重合開始剤9 H-カルバゾール-9-アセティックアシッド-3-[4,6 -ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン-2- ル]-2-メトキシ-1-メチルエチルエステル(旭電 化工業社製「アデカアークルズPZ-408」)
 <実施例1~19、比較例1~3>
 得られた感光性樹脂組成物の各着色組成物( レジスト)であるRED-1(R1)(赤),GREEN(G1)(緑)、BLUE(B 1)(青),BM(BM1)(黒)、RED-2(R2)(赤)、RED-3(R3)(赤)と、 光重合開始剤及び露光量・回数を、(表4~6)に すように組み合わせて、カラーフィルタを 成するフィルタセグメント及びブラックマ リックスのパタ-ン形成を行い、実施例1~19 び比較例1~3とした。

 [フィルタセグメント及びブラックマトリッ クスのパタ-ン形成]
 各着色組成物(レジスト)を、10cm×10cmのガラ 基板上にスピンコーターで約2.5μmの厚さに 布した後、70℃のオーブン内に15分間静置す ることにより、余剰の溶剤を除去乾燥させた 。次いで、着色組成物塗膜から150μmの間隔を 介して、フィルタセグメントの場合は100μmの ストライプ状のフォトマスクを、ブラックマ トリックスの場合は20μmのストライプ状のフ トマスクをセットした。この状態で、波長3 08nm(XeCL)のエキシマレーザをパルス幅20nsec、 波数600Hz、表(4~6)に示す露光量で照射した。 いで、現像して未露光部分を取り除いた後 この基板を230℃で30分加熱することにより 各色フィルタセグメント(赤、緑、青)及びブ ラックマトリックス(黒)を形成した。なお、 キシマレーザ装置は、コヒレント社製の「L AMBADA SX200C」を使用し、露光量はコヒレント 製の「3シグマ(本体)J25LP-MUV(センサヘッド) を用いて測定した。

 [形状評価]
 上記実施例及び比較例で作成したカラーフ ルタのフィルタセグメント及びブラックマ リックスを観察し、パターン形状を4段階で 評価した。ここで、(1)直線性については光学 顕微鏡を用いて観察し、(2)断面形状について は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。 価基準は、以下の通りである。評価結果を( 表4~6)に示す。

(1)直線性
  ○ :直線性良好
  △ :部分的に直線性不良
  × :直線性不良
  ××:画素がほとんど形成されない
(2)断面形状
  ○ :順テーパー形状(断面が台形で、露光 た面が小さい)
  △ :逆テーパー形状(断面が台形で、露光 た面が大きい)
  × :画素は出来ているが形状を判定するの は困難
  ××:画素がほとんど形成されない
 [膜減り率評価]
 感光性樹脂組成物の各着色組成物を塗布し 減圧乾燥により余剰の溶剤を除去した後の 厚と、現像を経て230℃で30分加熱後の膜厚 測定し、下記式から膜減り率を算出し、4段 で評価した。評価結果を表(4~6)に示す。

 評価基準は、以下の通りである。(◎:膜減 率が20%未満、○:膜減り率が20%以上30%未満、 :膜減り率が30%以上50%未満、×:膜減り率が50% 以上)
・膜減り率(%)=[(塗布、減圧乾燥後の膜厚-230 で20分加熱後の膜厚)/塗布、減圧乾燥後の膜 ]×100
 <比較結果>
(露光量とカラーフィルタの品質の関係)
 (表4)に示すように、実施例1~6は、処方、露 条件のマッチングが良く、赤、緑、青の全 のフィルタセグメント及びブラックマトリ クスの直線性、断面形状、膜減り率の評価 果は良好であった。

 実施例7も処方、露光条件のマッチングが 良く、赤のフィルタセグメントの直線性、断 面形状、膜減り率の評価結果は良好であった 。

 実施例8は、エキシマレーザの露光量が実 施例1~7よりも多いので、部分的に直線性が悪 い部分があり、また膜減り率も若干悪くなっ たが、使用には差し支えないレベルであった 。

 比較例1は、エキシマレーザの露光量が多 いため、塗膜がエキシマレーザの照射により 破壊され、結果としてフィルタセグメントが ほとんど形成されなかった。

 (複数回露光による効果)
 (表5)に示すように、実施例9~12は、露光を2 に分けて実施した例である。赤、緑、青の てのフィルタセグメント及びブラックマト ックスにおいて、露光を1回で実施するより 膜減り率が少なく、直線性、断面形状は何 も良好な結果が得られた。

 実施例13は、エキシマレーザの積算露光 は実施例6と同じである。2回に分けて照射す ることで、赤のフィルタセグメントの直線性 、断面形状、膜減り率の評価結果は良好であ った。

 比較例2は、1回に照射するエキシマレー の露光量は実施例6と同じである。積算露光 が多いため、塗膜が2回のエキシマレーザの 照射により破壊され、直線性が悪く、膜減り 率が悪くなった。

 (開始剤種とカラーフィルタの品質の効果)
 (表6)に示すように、実施例1及び実施例14~18 、308nmにおけるモル吸光係数(ε308)が、365nm おけるモル吸光係数(ε365)よりも大きい光重 開始剤種を変更して実施した例である。赤 フィルタセグメントの直線性、断面形状、 減り率の評価結果は良好であった。

 実施例19では、308nmにおけるモル吸光係数 (ε308)が、365nmにおけるモル吸光係数(ε365)よ も小さい光重合開始剤7を使用した。部分的 直線性が悪い部分があり、また膜減り率も 干悪くなった。但し、使用には差し支えな レベルであった。