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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF PRODUCING Ω3-HIGHLY UNSATURATED FATTY ACID
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/038029
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a method of producing an ω3-highly unsaturated fatty acid obtained at a relatively low price, which is excellent in productivity and requires neither complicated step nor high temperature/high pressure. Namely, a method of producing an ω3-highly unsaturated fatty acid which comprises the step of feeding landlocked freshwater fish (in particular, rainbow trout) and/or inland water cultured salmon fish with a feed containing α-linolenic acid and the step of extracting the ω3-highly unsaturated fatty acid from an oil obtained from the freshwater fish. The feed containing α-linolenic acid is a feed containing linseed oil. The feed containing linseed oil is a feed containing linseeds. The feed may contain Japanese basil oil or perilla oil as a substitute for the linseed oil or together with the linseed oil.

Inventors:
KAYAMA HIKARU (JP)
SHIMIZU YOSHIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/066604
Publication Date:
March 26, 2009
Filing Date:
September 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BIZEN CHEMICAL CO LTD (JP)
KAYAMA HIKARU (JP)
SHIMIZU YOSHIO (JP)
International Classes:
C11B1/10; A23K1/16; A23K1/18
Foreign References:
JPS62280296A1987-12-05
JPH06197706A1994-07-19
JPH06233657A1994-08-23
Other References:
YU T. C. ET AL.: "Effect of dietary linolenic and linoleic acids upon growth and lipid metabolism of rainbow trout (Salmo gairdneri)", LIPIDS, vol. 10, no. 2, 1975, pages 63 - 66
WATANABE T. ET AL.: "Effect of dietary methyl linolenate on fatty acid composition of lipids in rainbow trout", BULLETIN OF THE JAPANESE SOCIETY OF SCIENTIFIC FISHERIES, vol. 40, no. 4, 1974, pages 387 - 392
CHEN Y. C. ET AL.: "Enhancement of omega-3 fatty acid content in rainbow trout (Oncorhynchus mykiss) fillets", JOURNAL OF FOOD SCIENCE, vol. 71, no. 7, 2006, pages C383 - C389
Attorney, Agent or Firm:
YAMAMOTO, Shusaku et al. (Crystal Tower2-27, Shiromi 1-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 15, JP)
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Claims:
α-リノレン酸を含有する飼料を陸封型淡水魚に与える工程、該淡水魚から得た油からEPA、DHAおよびDPAからなる群から選択される少なくとも一種を抽出する工程、を包含するω3系列高度不飽和脂肪酸の製造方法。
α-リノレン酸を含有する飼料が、亜麻仁油を含有する飼料である請求項1に記載のω3系列高度不飽和脂肪酸の製造方法。
前記亜麻仁油を含有する飼料が、亜麻種子を含有する飼料である請求項2に記載のω3系列高度不飽和脂肪酸の製造方法。
前記亜麻種子を含有する飼料が、 亜麻種子および/またはその粉砕物、または亜麻種子の圧搾油粕および/またはその粉砕物を配合する飼料である請求項3に記載のω3系列高度不飽和脂肪酸の製造方法。
α-リノレン酸を含有する飼料が、シソ油又はエゴマ油を含有する飼料である請求項1に記載のω3系列高度不飽和脂肪酸の製造方法。
前記シソ油又はエゴマ油を含有する飼料が、シソ種子および/またはその粉砕物、またはシソ種子の圧搾油粕および/またはその粉砕物、エゴマ種子および/またはその粉砕物、またはエゴマ種子の圧搾油粕および/またはその粉砕物を配合する飼料である請求項5に記載のω3系列高度不飽和脂肪酸の製造方法。
前記陸封型淡水魚が、ニジマス又は内・海水面養殖の鮭鱒類である請求項1に記載のω3系列高度不飽和脂肪酸の製造方法。
 
Description:
ω3系列高度不飽和脂肪酸の製造 法

 本発明は、イコサペンタエン酸或いはエ コサペンタエン酸(以下EPAと称する。)、ド サペンタエン酸(以下DPAと称する。)、および ドコサヘキサエン酸(以下DHAと称する。)から るω3系列から選択される少なくとも一種を 濃度で含有する鮭鱒類等の陸封型淡水魚を 殖して、養殖淡水魚体内のEPA(エイコサペン タエン酸)、DPA(ドコサペンタエン酸)およびDHA (ドコサヘキサエン酸)を増量・強化し、EPA及 DPA/又はDHAを養殖淡水魚および/または海面 殖の鮭鱒類から得る方法に関する。

 水界における魚介類水産物は、決して無 蔵な資源ではない。海流の流れの移動、水 の上昇、水質の汚濁等、環境条件の変異に る他、漁獲量の増大とか漁具・漁法の改良 卵および稚仔魚の生存率、親魚の産卵の多 等によって資源量は大きく変動し、減少す 傾向にある。

 従って、魚介類は原料食材として利用す 上で、陸上農産物に比べ著しく不安定であ 。そのため、魚介類の養殖が近年になって 要視されている。

 魚油資源としてもイワシの漁獲量の減少 ともなって、イワシ油の産量が減少してい 。最盛期に年産としてイワシ漁獲量は400万 ン超に達していたものが、現在数万トンを するほどに減少している。また、ニシンお びニシン油の産量についても、無尽蔵とい れていたものが、今は昔の物語として伝え れているに過ぎない。

 それ故に、魚資源を確保していくために 、必要魚種の養殖が、ハマチ、タイ、マグ に見られるように現在行われ、その実績を げている。

 ところで、魚油の構成脂肪酸は大変複雑で るが、それをメチル基末端ω炭素から最初 みられる二重結合位置によって不飽和脂肪 を大別すると、ω3系列、ω6系列、ω7系列、ω 9系列に分類することができる。(鹿山光編、 合脂質科学、必須脂肪酸、pp.267-293、恒星社 厚生閣、東京(1989)、非特許文献1)
 前2者の親酸であるαーリノレン酸(C18:3ω3)お よびリノール酸(C18:2ω6)は魚類でも生合成で ないが、それらを不飽和化と2炭素鎖延長す ことにより、α-リノレン酸からEPA(C20:5ω3)、 DPA(C22:5ω3)を経てDHA(C22:6ω3)へ、またリノール からγ-リノレン酸(C18:3ω6)、ジホモ-γ-リノ ン酸(C20:3ω6)を経てアラキドン酸(C20:4ω6)へ、 魚種によって可否、強弱の違いはあっても変 換することが可能である。以上のこれら多価 不飽和脂肪酸は必須脂肪酸である。

 後2者は、魚類によっても容易に、de novo 成されるパルミチン酸の不飽和化によって ルミトオレイン酸(C16:1ω7)とその系列脂肪酸 へ、またパルミチン酸が2炭素鎖延長された テアリン酸の不飽和化によってオレイン酸(C 18:1ω9)とその系列脂肪酸へ変換することがで るので、これらは非必須脂肪酸である。

 以上の魚油脂肪酸の中で魚自身にとって さらにヒトの栄養にとっても重要なものは 須脂肪酸であるω3系列とω6系列の多価不飽 脂肪酸であり、なかんずく、ω3系列の高度 飽和脂肪酸であるEPA、DPAおよびDHAである。

 従来、微生物によって高度不飽和脂肪酸 生合成する方法が提案されている。例えば 特開平6-105659号公報(特許文献1)には、藻類 利用してDHAを含有するオイルを抽出する方 が提案されている。

 しかし、このような培養方法では、大量 培養する困難さと、大量培養ができたとし も、概して微細藻類の脂質含有量は少なく 量的生産に問題がある。

 また、工業化学的にEPAとかDHAを有機合成す 方法も提案されている。
例えば、特開平8-100191号公報(特許文献2)には 脂肪酸混合物からEPAおよび/またはDHAを含有 する混合脂肪酸を得る方法が提案されている 。

 しかし、この方法は、複雑な工程と高温 圧を要し、価格面でも困難である。

 また、特許第2515680号公報(特許文献3)には 、亜麻種子および/またはその粉砕物、また 亜麻種子の圧搾油粕および/またはその粉砕 を配合する飼料が記載されている。

 しかし、この特許文献3には、EPAおよびDPA/ たはDHAの製造方法が開示もされていない。
鹿山光編、総合脂質科学、必須脂肪酸、 pp.267-293、恒星社厚生社閣、東京(1989)

特開平6-105659号公報

特開平8-100191号公報

特許第2515680号公報

 本発明は、上記問題点を解決しようとす ものであり、養殖淡水魚体内のEPA、DPAやDHA 増量、強化して、鮭鱒類等の陸封型淡水魚 らこれらEPA及びDPA/又はDHAを採取する方法を 提供することを目的とする。

 また、本発明は、生産性に優れ、また複 な工程と高温高圧を要することがなく、比 的安価に得られるω3系列高度不飽和脂肪酸 製造方法を提供することを目的とする。

 上記目的を達成するために、本発明は、例 ば、以下の手段を提供する:
 項目1.α-リノレン酸を含有する飼料を鮭鱒 等の陸封型淡水魚に与える工程、該淡水魚 ら得た油からEPA、DHAおよびDPAの少なくとも 種を抽出する工程、を包含するω3系列高度 飽和脂肪酸の製造方法。

 項目2.α-リノレン酸を含有する飼料が、 麻仁油を含有する飼料である項目1に記載の 3系列高度不飽和脂肪酸の製造方法。

 項目3.前記亜麻仁油を含有する飼料が、 麻種子を含有する飼料である項目2に記載の 3系列高度不飽和脂肪酸の製造方法。

 項目4.前記亜麻仁油を含有する飼料が、 麻種子および/またはその粉砕物、または亜 種子の圧搾油粕および/またはその粉砕物を 配合する飼料である項目2に記載のω3系列高 不飽和脂肪酸の製造方法。

 項目5.α-リノレン酸を含有する飼料が、 ソ油又はエゴマ油を含有する飼料である項 1に記載のω3系列高度不飽和脂肪酸の製造方 。

 項目6.前記シソ油又はエゴマ油を含有す 飼料が、シソ種子および/またはその粉砕物 またはシソ種子の圧搾油粕および/またはそ の粉砕物、エゴマ種子および/またはその粉 物、またはエゴマ種子の圧搾油粕および/ま はその粉砕物を配合する飼料である項目5に 記載のω3系列高度不飽和脂肪酸の製造方法。

 項目7.前記陸封型淡水魚が、ニジマス、 ・海水面養殖の鮭鱒類である項目1に記載の 3系列高度不飽和脂肪酸の製造方法。

 魚油中には、EPA、DPA、およびDHA等のω3系 高度不飽和脂肪酸が含有されるが、代謝的 はα-リノレン酸から誘導されるものである

 従って、本発明者らは、ω3高度不飽和脂 酸を生物によって生合成する方法として、 当する魚種にα-リノレン酸を飼料として投 し、EPA,DPAおよびDHAを生合成する方法を検討 した。

 本発明は、ニジマスを用いてのα-リノレ 酸からEPA、DPA、およびDHAへの変換能を利用 た、ω3高度不飽和脂肪酸に富んだニジマス( スーパーω3リッチトラウト)の育成とそのニ マス油の製造に関するもので、本発明は、 の他の魚類によるω3高度不飽和脂肪酸の製 に関するものに及ぶものである。

 本発明のω3系列高度不飽和脂肪酸の製造 法は、α-リノレン酸を含有する飼料を陸封 淡水魚に与え、該淡水魚から得た油からEPA よびDPA/またはDHAを抽出するので、生産性に 優れ、また複雑な工程と高温高圧を要するこ とがなく、比較的安価にEPAおよびDPA/またはDH Aを製造することができる。

ニジマス肝臓におけるω3系多価不飽和 肪酸の経日的変化を示すグラフ。 ニジマス可食部におけるω3系多価不飽 脂肪酸の経日的変化を示すグラフ。

 以下、本発明を詳細に説明する。

 本発明で使用する飼料は、α-リノレン酸 含有するものであり、例えば、亜麻仁油を 有する飼料を使用することができる。具体 には、亜麻種子を含有する飼料であり、例 ば、亜麻種子および/またはその粉砕物、ま たは亜麻種子の圧搾油粕および/またはその 砕物を配合する飼料を使用することができ 。

 また亜麻仁油の他、シソ油とかエゴマ油 含有する飼料も使用することができる。

 具体的には、シソ種子および/またはその 粉砕物、またはシソ種子の圧搾油粕および/ たはその粉砕物、エゴマ種子および/または の粉砕物、またはエゴマ種子の圧搾油粕お び/またはその粉砕物を配合する飼料である 。

 亜麻種子、シソ種子、エゴマ種子は、そ ままのもの、脱皮処理したもの、100~200℃で 加熱、いわゆる焙煎処理したもの等いずれの 形態のものでも使用できる。

 飼料中のこれら油(例えば、亜麻仁油)の 合量は通常1~60重量%、好ましくは10~30重量%で あり、他の成分としては、公知の配合飼料の 魚粉、脱脂大豆、小麦粉、ビール酵母等の成 分あるいは油脂成分、蛋白質成分を使用する ことができる。

 本発明において、α-リノレン酸としての 加量は、飼料中に1~30重量%が好ましく、さ に好ましくは5~15重量%である。

 添加量が上記範囲未満の場合には、EPA、D PA及び/又はDHAの増強効果が得られにくく、上 記範囲を超える場合には、生成物によるフィ ードバック制御が働き、また養殖淡水魚の索 餌活動に減退傾向が生じる傾向がみられる。

 上記亜麻種子(およびシソ種子、エゴマ種 子)の粉砕物を配合することもできる。その 砕物の粒子サイズは、20メッシュの篩を100% 通過し、かつ100メッシュの篩を50%以上で通 するものになるよう粉砕するのが好ましい なお、サイズの小さい魚種あるいは稚仔魚 対象とする飼料を製造する場合には、粉砕 は50メッシュの篩を100%で通過する粒度にし おくことが望ましい。粉砕物を得るために 、高剪断力で粉砕する方式、例えば高速回 する刃を有するミキサー、ブレンダーある はサイレントカッターのような粉砕機を用 ればよい。

 また、亜麻種子の圧搾油粕を原料成分と ることもできる。圧搾油粕はそのままで、 しくはそれを粉砕して、あるいは両者を併 して飼料に配合できる。

 亜麻種子の圧搾油粕は、亜麻種子をその ま、あるいは亜麻種子を予熱後、粗砕、圧 し、さらに必要に応じて100~150℃に加熱した 後、通常の圧搾機を用いて圧搾し、油分を採 取した残渣として得られる。

 亜麻種子およびその加工物においては、 脂成分が種子の組織中に内包された状態で 在するため、その酸化劣化が避けられてい ものと考えられる。

 シソ種子およびエゴマ種子も、上記の亜 種子と同様に処理したものを使用すること できる。

 次に、本発明に係わる亜麻種子、シソ種 、エゴマ種子およびその加工物を用いて陸 型淡水魚用飼料を製造する方法を説明する

 従来の配合飼料成分である魚粉、魚油、 脂大豆、大豆粉、ビール酵母、小麦粉、澱 等の一部または全部を、亜麻種子および/ま たはその粉砕物、あるいは亜麻種子の圧搾油 粕および/またはその粉砕物で置き換えるこ が可能である。通常は前述のように、亜麻 子および/またはその粉砕物の場合には1~80%( 量%、以下同じ)、好ましくは20~60%、また圧 油粕および/またはその粉砕物の場合には1~80 %、好ましくは30~70%を配合し、残量分はいず も従来の他の飼料成分を配合する。

 なお、亜麻種子に代えて又は亜麻種子と に、シソ種子、エゴマ種子も上記と同様に 合することができる。

 以上の原料成分を常法により混合し、必 に応じて粉末状、ペレット状、モイスト状 に成形して飼料を製造することができる。 料は、従来の淡水魚用飼料と同様の方法で 用できる。

 なお、飼料中に、酸化、腐敗を防ぎ保存 を上げるための抗酸化剤、抗菌剤の添加、 養価を高めるためのビタミン、ミネラルを 加しても良い。

 なお、本発明でいう淡水魚とは、ニジマ 、ヤマメ、ヒメマス等の淡水魚、および/ま たはギンザケのように淡水養殖の対象となる もの、および/または内・海水面で養殖する 鱒類を指し、とりわけ本発明の飼料はニジ スに有用である。

 以下、実施例により本発明を具体的に示す 、本発明はこれら実施例により何ら限定さ るものではない。以下の実施例において、 に明記しないかぎり「%」は重量%である。
(実施例1)
 ニジマス用ペレット(7P)に亜麻仁油を20%含有 させて配合飼料を得た。なお、亜麻仁油はα- リノレン酸を53%含有するものである。亜麻仁 油は、亜麻仁油フラオー(キャナ株式会社)を いた。

 この飼料を、ニジマス養殖場の70匹のニ マスに、4週間毎日朝に1回ずつ任意に投与し た。

 1、3、7、14、28日間飼育した後に、ニジマ スから常套法に基づいて魚油を採取し、魚油 の脂肪酸組成をガスクロマト分析した。

 すなわち、供試ニジマスの体長、体重を ず測定し、魚体を解剖し、肝臓、その他内 、背肉、腹肉、可食部(背肉と腹肉を等量混 和)それぞれから脂質を抽出し、混合脂肪酸 メチルエステルをガスクロマト分析した。

 この結果を図1、図2および表1、表2に示す 。

 図1には、肝臓におけるω3系多価不飽和脂肪 酸の経日的変化を示した。また図2には、可 部におけるω3系多価不飽和脂肪酸の経日的 化を示した。

 1、3、7、14、28日後のEPA、DHAおよびDPAのそ れぞれの含有量を百分率で表した。

 これらの結果から以下のことがわかる。

 図1の肝臓においては、亜麻仁油として添 加されたα-リノレン酸の増加は、1日、3日と るやかに増加して、7日、14日になると10%を え、28日目には実に31.66%に達した。

 EPAの増加は、7日目で当初の6倍強の5.51%を 含有し、その後は減少して28日目には1.78%に でフィードバック制御によって低下するこ が見られた。

 DHAについては7日目に最高に到達し、イニ シャルの10倍強の26.81%に達した。その後はEPA 同じくα-リノレン酸の増加と反比例的にEPA 同じくフィードバック制御によって7.10%ま 減少することをみた。

 図2の可食部における経日的変化は、イニ シャルで4.46%であったDHAが3日でその4倍強に 加し、7日で更に増えて4.7倍に達した。

 表1はω3系とω6系の多価不飽和脂肪酸をそ れぞれ加算してσω3とσω6系列として表示し ものである。

 さらに両者の比(σω3/σω6)を求めてみると 、肝臓では7日目で4.11の最高値に、また可食 では3日目で2.68、7日目で2.45と最大値が見ら れた。

 いずれにしても、ニジマスにおいてはω6 の多価不飽和脂肪酸よりも、ω3系の多価不 和脂肪酸が凌駕していた。従って、ニジマ とりわけ、亜麻仁油を投与されたものが、 3系多価不飽和脂肪酸の給源として、有用な として評価される。

 すなわち、EPA、DHAおよびDPAの含有量は、 臓で7日目に5.51%、1.47%、26.81%、可食部で7日 に3.59%、1.34%、19.53%であった。

 以上の結果から、α-リノレン酸を含有する 麻仁油を飼料として使用することにより、 来の飼料と比較して著しくEPA、DPAおよびDHA 増量できることが明らかになった。
(実施例2)
 ニジマス用ペレット(7P)にシソ種子の粉砕物 を30%含有させて配合飼料を得た。

 上記配合飼料を用いたこと以外は、実施 1と同様にニジマスに投与し、ニジマスから 魚油を採取し、魚油の脂肪酸組成をガスクロ マト分析した。

 その結果、ニジマスの肝臓、可食部でのE PA、DHAおよびDPAのそれぞれの含有量は、亜麻 油を使用した実施例1に比べて、約70%であっ た。

 以上の結果から、α-リノレン酸を含有する ソ種子の粉砕物を飼料として使用すること より、従来の飼料と比較して著しくEPA、DPA よびDHAを増量できることが明らかになった
(実施例3)
 ニジマス用ペレット(7P)にシソ油を10%含有さ せて配合飼料を得た。

 上記配合飼料を用いたこと以外は、実施 1と同様にニジマスに投与し、ニジマスから 魚油を採取し、魚油の脂肪酸組成をガスクロ マト分析した。

 その結果、ニジマスの肝臓、可食部でのE PA、DHAおよびDPAのそれぞれの含有量は、亜麻 油を使用した実施例1に比べて、約80%であっ た。

 以上の結果から、α-リノレン酸を含有する ソ油を飼料として使用することにより、従 の飼料と比較して著しくEPA、DPAおよびDHAを 量できることが明らかになった。
(実施例4)
 ニジマス用ペレット(7P)にエゴマ種子の粉砕 物を40%含有させて配合飼料を得た。

 上記配合飼料を用いたこと以外は、実施 1と同様にニジマスに投与し、ニジマスから 魚油を採取し、魚油の脂肪酸組成をガスクロ マト分析した。

 その結果、ニジマスの肝臓、可食部でのE PA、DHAおよびDPAのそれぞれの含有量は、亜麻 油を使用した実施例1に比べて、約60%であっ た。

 以上の結果から、α-リノレン酸を含有する ゴマ種子の粉砕物を飼料として使用するこ により、従来の飼料と比較して著しくEPA、D PAおよびDHAを増量できることが明らかになっ 。
(実施例5)
 ニジマス用ペレット(7P)に亜麻種子の粉砕物 を40%含有させて配合飼料を得た。

 上記配合飼料を用いたこと以外は、実施 1と同様にニジマスに投与し、ニジマスから 魚油を採取し、魚油の脂肪酸組成をガスクロ マト分析した。

 その結果、ニジマスの肝臓、可食部でのE PA、DHAおよびDPAのそれぞれの含有量は、亜麻 油を使用した実施例1に比べて、約90%であっ た。

 以上の結果から、α-リノレン酸を含有す 亜麻種子の粉砕物を飼料として使用するこ により、従来の飼料と比較して著しくEPA、D PAおよびDHAを増量できることが明らかになっ 。

 このように、本発明の好ましい実施形態 用いて本発明を例示してきたが、本発明は この実施形態に限定して解釈されるべきも ではない。本発明は、特許請求の範囲によ てのみその範囲が解釈されるべきであるこ が理解される。当業者は、本発明の具体的 好ましい実施形態の記載から、本発明の記 および技術常識に基づいて等価な範囲を実 することができることが理解される。本明 書において引用した特許出願は、その内容 体が具体的に本明細書に記載されているの 同様にその内容が本明細書に対する参考と て援用されるべきであることが理解される