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Title:
METHOD FOR PRODUCING HYDROCYANIC ACID AND DEVICE FOR PRODUCING HYDROCYANIC ACID
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175373
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a method for producing hydrocyanic acid and a device for producing hydrocyanic acid, with which hydrocyanic acid can be produced, with an improved yield, by vapor-phase contact ammoxidation reaction of methanol. This method for producing hydrocyanic acid includes a step in which a raw material gas including methanol is supplied into a fluidized-bed reactor (1) through a raw material gas disperser (7) disposed inside the fluidized-bed reactor (1), and the methanol is brought into contact with ammonia and oxygen in the presence of a metal oxide catalyst to obtain hydrocyanic acid by vapor-phase contact ammoxidation reaction. The raw material gas disperser (7) has at least one pore for releasing the raw material gas into the fluidized-bed reactor (1), and the number of the pores per a unit cross-sectional area of the fluidized-bed reactor (1) is 10-45/m2.

Inventors:
KATO SHIMPEI (JP)
SAWADA YOSHIKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007074
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 21, 2020
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI CHEM CORP (JP)
International Classes:
C01C3/02; B01J8/24; B01J27/199
Foreign References:
JPH10152463A1998-06-09
JP2007063089A2007-03-15
JP2002097017A2002-04-02
JPH01257125A1989-10-13
JP2008043894A2008-02-28
JPH01171640A1989-07-06
JPS58145617A1983-08-30
Attorney, Agent or Firm:
TAZAKI Akira et al. (JP)
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Claims:
\¥0 2020/175373 19 卩(:17 2020 /007074

請求の範囲

[請求項 1 ] メタノールを含む原料ガスを、 流動層反応器内に配置された原料ガ ス分散器を介して前記流動層反応器内に供給し、 前記メタノールを金 属酸化物触媒の存在下でアンモニア及び酸素と接触させ、 気相接触ア ンモ酸化反応により青酸を得る工程を含み、

前記原料ガス分散器は、 前記原料ガスを前記流動層反応器内に放出 する 1以上の孔を有し、 前記流動層反応器の単位断面積あたりの前記 孔の数が 1 〇〜 4 5個/ 2である、 青酸の製造方法。

[請求項 2] 前記流動層反応器の単位断面積あたりの前記孔の数が 2 0〜 3 5個

/〇1 2である、 請求項 1 に記載の青酸の製造方法。

[請求項 3] 前記孔の直径が 1〜 1 2 である、 請求項 1又は 2に記載の青酸 の製造方法。

[請求項 4] 前記原料ガス分散器がパイプ型分散器であり、

前記原料ガス分散器の前記孔を有する位置に整流管が取り付けられ ており、

前記孔から放出された原料ガスを、 前記整流管を介して前記流動層 反応器内に供給する、 請求項 1から 3のいずれか 1項に記載の青酸の 製造方法。

[請求項 5] 前記原料ガスがメタノール及びアンモニアを含む、 請求項 1から 4 のいずれか 1項に記載の青酸の製造方法。

[請求項 6] 酸素含有ガスを前記流動層反応器の底部から供給する、 請求項 1か ら 5のいずれか 1項に記載の青酸の製造方法。

[請求項 7] 前記金属酸化物触媒が少なくとも鉄、 アンチモン、 リン及びバナジ ウムを含有する、 請求項 1から 6のいずれか 1項に記載の青酸の製造 方法。

[請求項 8] 前記金属酸化物触媒中の鉄のモル数を 1 0としたとき、 バナジウム のモル数が〇. 6以上である、 請求項 7に記載の青酸の製造方法。

[請求項 9] 前記金属酸化物触媒が下記式 ( I) で表される組成を有する、 請求 〇 2020/175373 20 卩(:170? 2020 /007074

項 8に記載の青酸の製造方法。

〇 1^ 。〇リ 9八^1|〇』〇1< (3 丨 02) ,

( I )

ここで、 6、 3 、 V、 IV!〇、 〇リ、 、 〇、 3 1 はそれぞ れ鉄、 アンチモン、 リン、 バナジウム、 モリブデン、 銅、 タングステ ン、 酸素、 ケイ素を示し、 八は1\/19、 2.11 % 1- 8、 〇㊀、 八 1、 〇 「 、 1\/^、 0〇, 1\1 し 巳 し II及び 3 nからなる群から選択される少 なくとも一種の元素を示し、 巳は巳及び丁 6からなる群から選択され る少なくとも一種の元素を示し、 ◦は 1_ し N 3、 [<、 〇 3、

〇 3及び巳 3からなる群から選択される少なくとも一種の元素を示し 、 添字 8、 13、 〇、 〇1、 ㊀、 干、 9、 1-1、 し 」、 1<、 I は原子比を 示し、 = 1 0のとき、 匕= 1 2〜 30、 〇= 1〜 30、 〇! = 0. 6 〜 3、 6 = 0 ~〇. 3、 干 =0〜 5、 9 = 0〜 3、 11 = 0〜 6、 I = 〇〜 5、 」 =〇〜 3、 丨 =0~200、 1<はケイ素を除く前記各元素 の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。

[請求項 10] 前記金属酸化物触媒が少なくともモリブデン及びビスマスを含有す る、 請求項 1から 6のいずれか 1項に記載の青酸の製造方法。

[請求項 11] 前記金属酸化物触媒が下記式 ( I I ) で表される組成を有する、 請 求項 1 0に記載の青酸の製造方法。

1\/1。 6〇」 1\/1「0 (3 I 02) . ( I I ) ここで、 1\/1〇、 巳 し 6、 〇、 3 丨 はそれぞれモリブデン、 ビス マス、 鉄、 酸素、 ケイ素を示し、 」は 1\1 し 〇〇、 门、 1\/19、 1\/1门 及び〇リからなる群から選択される少なくとも一種の元素を示し、 !_ は 1_ 3、 〇6、 「、 及び 301からなる群から選択される少なく とも一種の元素を示し、 IV!は 1_ し N 3、 [<、 からなる 群から選択される少なくとも一種の元素を示し、 〇は〇 3、 3 「、 巳 3、 〇 丁 し V、 、 7 as 〇 、 06, 3门、 丫 〇 2020/175373 21 卩(:170? 2020 /007074

巳、 、 3匕及び丁 6からなる群から選択される少なくとも一種の元 素を示し、 添字〇!、 11、 〇、 、 、 「、 3、 1:、 リは原子比を示し 、 111 = 1 2のとき、 1^ = 0 . 1〜 5、 〇 = 0 . 1〜 1 0、 = 2〜 1 2、 = 0 · 0 1〜 5、 「= 0 . 0 1〜 2、 3 =〇〜 1 0、 リ = 2 0 〜 2 0 0、 1はケイ素を除く前記各元素の原子価を満足するのに必要 な酸素の原子比である。

[請求項 12] 前記メタノールを 3 0 0〜 5 0 0 °〇の温度でアンモニア及び酸素と 接触させる、 請求項 1から 1 1のいずれか 1項に記載の青酸の製造方 法。

[請求項 13] 前記メタノールを〇〜 2 0 0 1< 3 (ゲージ圧) の圧力でアンモニ ア及び酸素と接触させる、 請求項 1から 1 2のいずれか 1項に記載の 青酸の製造方法。

[請求項 14] メタノールを金属酸化物触媒の存在下でアンモニア及び酸素と接触 させ、 気相接触アンモ酸化反応により青酸を製造する装置であり、 前記金属酸化物触媒を収容した、 前記気相接触アンモ酸化反応を行 う流動層反応器と、

前記流動層反応器内に配置された 1以上の原料ガス分散器と、 メタノ _ルを含む原料ガスを前記原料ガス分散器に供給する原料ガ ス供給部と、

を備え、

前記原料ガス分散器は、 前記原料ガスを前記流動層反応器内に放出 する 1以上の孔を有し、 前記流動層反応器の単位断面積あたりの前記 孔の数が 1 〇〜 4 5個/ 2である、 青酸の製造装置。

[請求項 15] 前記原料ガスがメタノール及びアンモニアを含む、 請求項 1 4に記 載の青酸の製造装置。

[請求項 16] 酸素含有ガスを前記流動層反応器の底部から供給する酸素含有ガス 供給部を備える、 請求項 1 4又は 1 5に記載の青酸の製造装置。

Description:
\¥0 2020/175373 1 卩(:17 2020 /007074 明 細 書

発明の名称 : 青酸の製造方法及び青酸の製造装置

技術分野

[0001 ] 本発明は、 青酸の製造方法及び青酸の製造装置に関する 。

本願は、 2 0 1 9年 2月 2 7日に、 日本に出願された特願 2 0 1 9— 0 3 4 2 7 9号に基づき優先権を主張し、 その内容をここに援用する。

背景技術

[0002] 青酸の工業的な製造方法として、 メタノールをアンモ酸化する方法がある 。 メタノールのアンモ酸化反応は、 一般に、 反応の最適温度範囲が狭い上に 、 反応による発熱量が大きい。 このため、 温度制御性が良く、 高濃度の原料 ガスを処理できて生産性が高いという理由か ら、 メタノールのアンモ酸化反 応には、 流動層反応器が用いられることが多い。

[0003] 特許文献 1 には、 メタノール等の原料を流動層反応器でアンモ 酸化するに 際し、 原料の供給口における流動固形物密度が ガス 流速が 1 以下である流動層を形成するように、 酸素含有ガスをその底 部にある供給口より供給するとともに、 前記酸素含有ガスの供給口の上方の 所定の位置にある別の供給口 (ガス分散器の開孔部) から原料を供給する方 法が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004] 特許文献 1 : 日本国特開平 1 0— 1 5 2 4 6 3号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005] メタノールを金属酸化物触媒の存在下で気相 接触アンモ酸化する際、 流動 層反応器内に、 酸素がメタノールに対して相対的に不足して 多量のメタノー ルが未反応のまま残存する領域と、 酸素がメタノールに対して相対的に過剰 に存在して多量の副生成物が生成する領域と が形成され、 その結果、 流動層 〇 2020/175373 2 卩(:170? 2020 /007074

反応器全体における青酸の収率が低くなる ことがある。

[0006] 本発明は、 メタノールの気相接触アンモ酸化反応におけ る青酸の収率を向 上させることができる青酸の製造方法及び青 酸の製造装置を提供することを 目的とする。

課題を解決するための手段

[0007] 本発明者らが検討を重ねたところ、 メタノールを含む原料ガスを流動層反 応器内に供給する分散器の孔の密度、 つまり流動層反応器の単位断面積あた りの孔の数を特定の範囲内にすることで、 青酸の収率が向上することを見出 し、 本発明を完成させた。

なお、 特許文献 1 には、 ガス分散器の開孔部の数についての記載はな い。

[0008] 本発明は、 以下の態様を有する。

〔1〕 メタノールを含む原料ガスを、 流動層反応器内に配置された原料 ガス分散器を介して前記流動層反応器内に供 給し、 前記メタノールを金属酸 化物触媒の存在下でアンモニア及び酸素と接 触させ、 気相接触アンモ酸化反 応により青酸を得る工程を含み、

前記原料ガス分散器は、 前記原料ガスを前記流動層反応器内に放出す る 1 以上の孔を有し、 前記流動層反応器の単位断面積あたりの前記 孔の数が 1 0 〜 4 5個/〇! 2 である、 青酸の製造方法。

〔2〕 前記流動層反応器の単位断面積あたりの前記 孔の数が 2 0〜 3 5 個/〇! 2 である、 〔1〕 に記載の青酸の製造方法。

〔3〕 前記孔の直径が である、 〔1〕 又は 〔2〕 に記載の 青酸の製造方法。

〔4〕 前記原料ガス分散器がパイプ型分散器であり 、

前記原料ガス分散器の前記孔を有する位置に 整流管が取り付けられており 前記孔から放出された原料ガスを、 前記整流管を介して前記流動層反応器 内に供給する、 〔1〕 〜 〔3〕 のいずれかに記載の青酸の製造方法。

〔5〕 前記原料ガスがメタノール及びアンモニアを 含む、 〔1〕 〜 〔4 20/175373 3 卩(:170? 2020 /007074

〕 のいずれかに記載の青酸の製造方法。

〔6〕 酸素含有ガスを前記流動層反応器の底部から 供給する、 〔1〕 〜 〔5〕 のいずれかに記載の青酸の製造方法。

〔7〕 前記金属酸化物触媒が少なくとも鉄、 アンチモン、 リン及びバナ ジウムを含有する、 〔1〕 〜 〔6〕 のいずれかに記載の青酸の製造方法。

〔8〕 前記金属酸化物触媒中の鉄のモル数を 1 0としたとき、 バナジウ ムのモル数が〇. 6以上である、 〔7〕 に記載の青酸の製造方法。

〔9〕 前記金属酸化物触媒が下記式 (丨 ) で表される組成を有する、 〔 8〕 に記載の青酸の製造方法。

(3 I 0 2 ) , (

)

ここで、 6、 、 V、 IV!〇、 〇リ、 、 〇、 3 I はそれぞれ鉄、 アンチモン、 リン、 バナジウム、 モリブデン、 銅、 タングステン、 酸素、 ケ イ素を示し、 八は1\/19、 1.1^ % 1_ 、 0 e s 八 1、 〇 「、 〇〇、

、 巳 し II及び 3 nからなる群から選択される少なくとも一種 元素を示し 、 巳は巳及び丁 6 からなる群から選択される少なくとも一 種の元素を示し、

◦は 1_ し N 3、 [<、 〇 3、 〇 3及び巳 3からなる群から選択される 少なくとも一種の元素を示し、 添字 8、 13、 〇、 〇1、 ㊀、 干、 9、 1-1、 し 」、 1<、 丨 は原子比を示し、 3= 1 0のとき、 匕= 1 2〜 30、 〇= 1〜 3 0、 〇! = 0. 6〜 3、 ø = 0〜〇 . 3、 干 =0〜 5、 9 = 0〜 3、 11 = 0〜 6、 丨 =0〜 5、 」 =〇〜 3、 丨 =0~200、 1<はケイ素を除く前記各元 素の原子価を満足するのに必要な酸素の原子 比である。

〔1 0〕 前記金属酸化物触媒が少なくともモリブデン 及びビスマスを含 有する、 〔1〕 〜 〔6〕 のいずれかに記載の青酸の製造方法。

〔1 1〕 前記金属酸化物触媒が下記式 ( I I ) で表される組成を有する 、 〔1 0〕 に記載の青酸の製造方法。

ここで、 1\/1〇、 巳 し 6、 〇、 3 丨 はそれぞれモリブデン、 ビスマス、 〇 2020/175373 4 卩(:170? 2020 /007074

鉄、 酸素、 ケイ素を示し、 」は 1\1 し 〇〇、 IV! 9、 1\/^及び〇リから なる群から選択される少なくとも一種の元素 を示し、 1_は 1_ 3、 〇6、

、 及び 3 からなる群から選択される少なくとも一種の 元素を示し、 IV! は 1_ し N 3、 [<、 匕及び〇 3からなる群から選択される少なくとも一種

、 丨 「、 1:、 八 9、 巳、 、 3匕及び丁 6からなる群から選択される少な くとも一種の元素を示し、 添字01、 11、 〇、 、 、 「、 3、 1:、 リは原子 比を示し、 111= 1 2のとき、 1^ = 0. 1〜 5、 〇 = 0. 1〜 1 0、 = 2〜 1 2、 = 0· 01〜 5、 「= 0. 01〜 2、 3 =〇〜 1 0、 リ = 20〜 2 〇〇. 1はケイ素を除く前記各元素の原子価を満足 るのに必要な酸素の原 子比である。

〔1 2〕 前記メタノールを 300〜 500°〇の温度でアンモニア及び酸 素と接触させる、 〔1〕 〜 〔1 1〕 のいずれかに記載の青酸の製造方法。

〔1 3〕 前記メタノールを〇〜 2001< 3 (ゲージ圧) の圧力でアン モニア及び酸素と接触させる、 〔1〕 〜 〔1 2〕 のいずれかに記載の青酸の 製造方法。

〔1 4〕 メタノールを金属酸化物触媒の存在下でアン モニア及び酸素と 接触させ、 気相接触アンモ酸化反応により青酸を製造す る装置であり、 前記金属酸化物触媒を収容した、 前記気相接触アンモ酸化反応を行う流動 層反応器と、

前記流動層反応器内に配置された 1以上の原料ガス分散器と、

メタノ _ルを含む原料ガスを前記原料ガス分散器に 給する原料ガス供給 部と、

を備え、

前記原料ガス分散器は、 前記原料ガスを前記流動層反応器内に放出す る 1 以上の孔を有し、 前記流動層反応器の単位断面積あたりの前記 孔の数が 1 0 〜 45個/〇! 2 である、 青酸の製造装置。 〇 2020/175373 5 卩(:170? 2020 /007074

〔1 5〕 前記原料ガスがメタノール及びアンモニアを 含む、 〔1 4〕 に 記載の青酸の製造装置。

〔1 6〕 酸素含有ガスを前記流動層反応器の底部から 供給する酸素含有 ガス供給部を備える、 〔1 4〕 又は 〔1 5〕 に記載の青酸の製造装置。

発明の効果

[0009] 本発明の青酸の製造方法及び青酸の製造装置 によれば、 メタノールの気相 接触アンモ酸化反応における青酸の収率を向 上させることができる。

図面の簡単な説明

[0010] [図 1]実施形態に係る青酸の製造装置の概略構 図である。

[図 2]図 1 に示す青酸の製造装置が備える、 整流管が取り付けられた原料ガス 分散器の概略上面図である。

[図 3]図 2に示す原料ガス分散器の丨 丨 丨 _ 丨 丨 丨断面図である。

[図 4]実施例 1及び 2、 並びに比較例 1及び 2の結果を示すグラフである。 発明を実施するための形態

[001 1] 以下、 本発明の青酸の製造方法及び青酸の製造装置 について、 添付の図面 を参照し、 実施形態を示して説明する。

「〜」 を用いて表される数値範囲は、 両端の数値をその範囲内に含む。 [0012] 図 1は、 本発明の一実施形態に係る青酸の製造装置 (以下、 「本製造装置 」 ともいう。 ) の概略構成図である。 図 2は、 本製造装置が備える、 整流管 8が取り付けられた原料ガス分散器 7の概略上面図である。 図 3は、 図 2に 示す原料ガス分散器の丨 丨 丨 _ 丨 丨 丨断面図である。

本製造装置は、 粒子状の金属酸化物触媒 2を収容した、 気相接触アンモ酸 化反応を行う流動層反応器 1 と、 酸素含有ガス供給管 3 (酸素含有ガス供給 部) と、 酸素含有ガス分散器 4と、 原料ガス供給管 6 (原料ガス供給部) と 、 原料ガス分散器 7と、 整流管 8と、 サイクロン 9と、 触媒戻り管 1 0と、 ガス排出管 1 1 とを備える。

酸素含有ガス分散器 4、 原料ガス分散器 7、 整流管 8、 サイクロン 9、 触 媒戻り管 1 〇はそれぞれ流動層反応器 1内に配置されている。 〇 2020/175373 6 卩(:170? 2020 /007074

[0013] 酸素含有ガス供給管 3は、 流動層反応器 1 に酸素含有ガス (例えば、 空気 ) を供給する管である。 酸素含有ガス供給管 3は、 流動層反応器 1の底部に 接続されている。

原料ガス供給管 6は、 メタノールを含む原料ガスを供給する管であ る。 原 料ガス供給管 6は、 流動層反応器 1の高さ方向の中央よりも下側に接続され 、 原料ガス分散器 7に連通している。

酸素含有ガス分散器 4は、 流動層反応器 1の酸素含有ガス供給管 3の接続 位置よりも上方に配置されている。 酸素含有ガス分散器 4は、 流動層反応器 1内を上下に区画しており、 酸素含有ガス分散器 4の上に金属酸化物触媒 2 が流動可能に収容されている。

原料ガス分散器 7は、 流動層反応器 1の高さ方向の中央よりも下側、 かつ 酸素含有ガス分散器 4よりも上方に配置されている。 原料ガス分散器 7の高 さは任意の位置でよい。 2以上の原料ガス分散器 7を配置し、 原料ガスを分 割して供給するようにしてもよい。

整流管 8は原料ガス分散器 7に取り付けられている。

[0014] サイクロン 9は流動層反応器 1内の頂部付近に配置されている。

触媒戻り管 1 〇の第 1端部はサイクロン 9に接続されている。 第 1端部と は反対側の第 2端部は任意の位置に開口できるが、 例えば、 酸素含有ガス分 散器 4と原料ガス分散器 7との間に開口することができる。 触媒戻り管 1 0 の開口部には、 フラッパーバルブやトリクルバルブを設置し てもよい。 ガス排出管 1 1は、 流動層反応器 1からガスを排出する管である。 ガス排 出管 1 1は、 流動層反応器 1の頂部に接続され、 サイクロン 9に連通してい る。

なお、 サイクロン 9は、 2以上のサイクロンが直列に接続された直列 段 サイクロンであってもよい。 サイクロン 9が直列多段サイクロンである場合 、 ガス排出管 1 1は、 直列多段サイクロンを構成するサイクロンの うち最後 段のサイクロンに連通する。

[0015] 金属酸化物触媒 2としては、 流動層反応器でのメタノールの気相接触アン 〇 2020/175373 7 卩(:170? 2020 /007074

モ酸化反応に用いられる金属酸化物触媒と して公知のものを使用できる。 金属酸化物触媒 2の平均粒径は 30〜 200 が好ましい。 平均粒径の 下限は 40 以上がより好ましく、 上限は 1 00 以下がより好ましい 金属酸化物触媒 2の嵩密度は〇. 嵩密度の下 限は〇. より好ましく、 上限は 1. 以下がよ り好ましい。

金属酸化物触媒 2は、 高活性であることが好ましい。 例えば、 活性の指標 である、 アンモ酸化反応をメタノールの 1次反応とした時の反応速度定数が 33 _ 1 以上である高活性触媒が好ましい。

[0016] 金属酸化物触媒 2の好ましい一例として、 少なくとも鉄、 アンチモン、 リ ン及びバナジウムを含有する金属酸化物触媒 が挙げられる。 かかる金属酸化 物触媒は、 反応速度及び還元劣化抵抗性の観点で優れて いる。

少なくとも鉄、 アンチモン、 リン及びバナジウムを含有する金属酸化物触 媒は、 メタノールの濃度を高く しても青酸が高収率、 高選択率で、 しかも経 時的に安定して得られる点から、 金属酸化物触媒中の鉄のモル数を 1 〇とし たとき、 バナジウムのモル数が〇. 6以上であることが好ましく、 下記式 ( I ) で表される組成を有することがより好ましい 。

(3 I 0 2 ) , ( I

)

ここで、 6、 、 V、 IV!〇、 〇リ、 、 〇、 3 I はそれぞれ鉄、 アンチモン、 リン、 バナジウム、 モリブデン、 銅、 タングステン、 酸素、 ケ イ素を示し、 八は1\/19、 1.1^ % 1_ 、 0 e s 八 1、 〇 「、 〇〇、

、 巳 し II及び 3 nからなる群から選択される少なくとも一種 元素を示し 、 巳は巳及び丁 6 からなる群から選択される少なくとも一 種の元素を示し、

◦は 1_ し N 3、 [<、 〇 3、 〇 3及び巳 3からなる群から選択される 少なくとも一種の元素を示し、 添字 8、 13、 〇、 〇1、 ㊀、 干、 9、 1-1、 し 」、 1<、 丨 は原子比を示し、 3= 1 0のとき、 匕= 1 2〜 30、 〇= 1〜 3 〇 2020/175373 8 卩(:170? 2020 /007074

0、 〇1 = 0. 6〜 3、 ø = 0〜〇 . 3、 干 =0〜 5、 9 = 0〜 3、 11 = 0〜 6、 丨 =0〜 5、 」 =〇〜 3、 丨 =0~200、 1<はケイ素を除く前記各元 素の原子価を満足するのに必要な酸素の原子 比である。

[0017] 金属酸化物触媒 2の好ましい他の一例として、 少なくともモリブデン及び ビスマスを含有する金属酸化物触媒が挙げら れる。 かかる金属酸化物触媒は 、 反応速度及び還元劣化抵抗性の観点で優れて いる。

少なくともモリブデン及びビスマスを含有す る金属酸化物触媒は、 メタノ —ルの濃度を高く しても青酸が高収率、 高選択率で、 しかも経時的に安定し て得られる点から、 下記式 (丨 丨 ) で表される組成を有することがより好ま しい。

ここで、 巳 し 6、 〇、 3 丨 はそれぞれモリブデン、 ビスマス、 鉄、 酸素、 ケイ素を示し、 」は 1\1 し 〇〇、 IV! 9、 1\/^及び〇リから なる群から選択される少なくとも一種の元素 を示し、 1_は 1_ 3、 〇6、

、 及び 3 からなる群から選択される少なくとも一種の 元素を示し、 IV! は 1_ し N 3、 [<、

、 丨 「、 1:、 八 9、 巳、 、 3匕及び丁 6からなる群から選択される少な くとも一種の元素を示し、 添字01、 11、 〇、 、 、 「、 3、 1:、 リは原子 比を示し、 111= 1 2のとき、 1^ = 0. 1〜 5、 〇 = 0. 1〜 1 0、 = 2〜 1 2、 = 0· 01〜 5、 「= 0. 01〜 2、 3 =〇〜 1 0、 リ = 20〜 2 〇〇. 1はケイ素を除く前記各元素の原子価を満足 るのに必要な酸素の原 子比である。

[0018] 酸素含有ガス分散器 4としては、 公知の分散器を使用でき、 例えば、 パイ プグリッ ド型を含むパイプ型、 キャップ型、 多孔質板型、 多孔板型又は平行 スリツ ト板型が挙げられる。

[0019] 原料ガス分散器 7としては、 パイプグリツ ド型を含むパイプ型分散器を使 〇 2020/175373 9 卩(:170? 2020 /007074

用することができる。

原料ガス分散器 7の一例は、 図 2に示すように、 第 1方向 (図 2中の横方 向) に伸びるヘッダー 7 1 と、 ヘッダー 7 1から第 1方向と直交する第 2方 向 (図 2中の上下方向) 両側に伸びる複数の枝管 7 2とを備えるパイプ型分 散器である。 ヘッダー 7 1は原料ガス供給管 6と連通し、 枝管 7 2はヘッダ _ 7 1 と連通している。

枝管 7 2には、 原料ガス分散器 7が流動層反応器 1内に配置されたときに 下方となる側に向かって開口する孔 7 3が形成されている。

なお、 ヘッダー 7 1 に、 原料ガス分散器 7が流動層反応器 1内に配置され たときに下方となる側に向かって開口する孔 7 3が形成されていてもよい。 この場合、 枝管 7 2を設けなくてもよい。

[0020] 流動層反応器 1の単位断面積あたりの孔 7 3の数 (以下、 「単位反応器断 面積あたりの孔数」 ともいう。 ) は、 1 〇〜 4 5個/ 2 であり、 2 0〜 3 5 個/ 0! 2 が好ましい。 単位反応器断面積あたりの孔数が前記範囲内 であると、 メタノールの気相接触アンモ酸化反応におけ る青酸の収率が優れる。

単位反応器断面積あたりの孔数は、 原料ガス分散器 7が有する孔 7 3の数 (個) を、 流動層反応器 1の断面積 ( 2 ) で除することにより算出される。 単位反応器断面積あたりの孔数は、 例えば、 枝管 7 2の数を変化させたり、 ヘッダー 7 1又は 1本の枝管 7 2に形成される孔 7 3の数を変化させたりす ることにより調整できる。 枝管 7 2及び孔 7 3は、 均一の間隔で設けること が好ましい。

ここで流動層反応器 1の断面積とは、 流動層反応器 1 において原料ガス分 散器 7が配置されている高さにおける、 流動層反応器 1内部の断面の面積を 示す。 2以上の原料ガス分散器 7が配置されている場合は、 酸素含有ガス分 散器 4に最も近い原料ガス分散器 7の高さにおける、 流動層反応器 1内部の 断面の面積を示す。 断面は、 高さ方向と直交する方向の断面である。 なお、 断面積には、 触媒戻り管 1 0等の内装物の断面積も含むものとする。 流動層 反応器 1の断面積から内装物の断面積を減じた面積 流動層反応器有効断面 〇 2020/175373 10 卩(:170? 2020 /007074

積と称する。

流動層反応器 1の断面積は、 例えば、 1 0 X 1 0 _ 2 〜 1 5〇 2 の範囲で適 宜選定し得る。

[0021 ] 流動層反応器 1の断面積に対する孔 7 3の面積 (孔 7 3が複数ある場合は それらの合計面積) の割合は、 〇. 0 1〜〇. 2面積%が好ましく、 下限は 0 . 0 3面積%以上がより好ましく、 上限は 0 . 1面積%以下がより好まし い。

単位反応器断面積あたりの孔数が 1 〇〜 4 5個/ 2 である場合、 孔 7 3の 直径は 1〜 1 2 であることが、 青酸の収率の観点から好ましい。 孔 7 3 の直径の下限は 1 . 以上がより好ましく、 上限は 8 以下であるこ とがより好ましい。 孔 7 3の直径が前記範囲内であると、 分散器における圧 力損失が適切な範囲となり、 原料ガス供給の動力費用及び原料ガスの均一 分 散性の面で有利である。

原料ガス分散器 7が複数の孔 7 3を有する場合、 複数の孔 7 3それぞれの 直径は同一でもよく異なっていてもよい。

[0022] 整流管 8は、 図 3に示すように、 枝管 7 2の外周面の孔 7 3の位置に取り 付けられ、 枝管 7 2と連通している。 なお枝管 7 2を設けない場合、 整流管 8はヘッダー 7 1の外周面の孔 7 3の位置に取り付けられ、 ヘッダー 7 1 と 連通している。

整流管 8の内径は、 例えば、 孔 7 3の直径以上、

以下である。

整流管 8の長さは、 例えば、 である。

[0023] 本製造装置を用いた青酸の製造は、 例えば、 以下の手順で実施できる。

まず、 酸素含有ガスを酸素含有ガス供給管 3から流動層反応器 1の底部に 供給する。 このとき、 供給された酸素含有ガスが酸素含有ガス分散 器 4を介 して上方に供給され、 金属酸化物触媒 2が流動状態になり、 流動層が形成さ れる。

次いで、 メタノール及びアンモニアを含む原料ガスを 原料ガス供給管 6か 〇 2020/175373 1 1 卩(:170? 2020 /007074

ら供給する。 供給された原料ガスは、 ヘッダー 7 1 を経て枝管 7 2に導入さ れ、 孔 7 3から原料ガス分散器 7の下方に放出される。 また、 孔 7 3から放 出された原料ガスは、 整流管 8を介して流動層反応器 1内に供給される。 具 体的には、 孔 7 3から放出された原料ガスは、 整流管 8の先端から原料ガス 分散器 7の下方に向かって吹き出され、 その後、 流動状態の金属酸化物触媒 2と接触しつつ流動層反応器 1内を上昇する。 この間、 原料ガス中のメタノ —ルが原料ガス中のアンモニア及び酸素含有 ガス中の酸素と接触し、 気相接 触アンモ酸化反応によって青酸 (シアン化水素) が生成する。

生成した青酸を含む反応ガスは、 ガス流に同伴された金属酸化物触媒 2と ともにサイクロン 9に導入される。 サイクロン 9では、 反応ガスと金属酸化 物触媒 2とが分離される。 サイクロン 9で分離された金属酸化物触媒 2は、 触媒戻り管 1 〇を通って流動層反応器 1 に戻され、 反応ガスは、 サイクロン 9からガス排出管 1 1 を通って流動層反応器 1から排出される。

[0024] 酸素含有ガスとしては、 通常、 空気が用いられる。 酸素含有ガスとして、 酸素富化した空気や、 不活性ガスで希釈した酸素ガスを用いてもよ い。 原料ガスは、 メタノール及びアンモニアの他に、 窒素、 炭酸ガス又は水蒸 気等の希釈剤を含んでいてもよい。

[0025] メタノールをアンモニア及び酸素と接触させ る際の温度は、 青酸の収率の 観点から、 3 0 0〜 5 0 0 °〇が好ましい。 温度の下限は 3 5 0 °〇以上がより 好ましく、 3 8 0 ° 〇以上がさらに好ましい。 また上限は 4 7 0 ° 〇以下がより 好ましい。 この温度は、 流動床反応器内の温度を測定することにより 求めら れる。 測定箇所は、 例えば、 原料ガス分散器の位置 (高さ) よりも上の、 金 属酸化物触媒との反応が起こる部分とすれば よい。

圧力は、 青酸の収率の観点から、 〇〜 2 0 0 3 が好ましい。 圧力の下 限は 1 0 3以上がより好ましく、 上限は 1 5 0 3以下がより好まし い。 前記圧力はゲージ圧である。 この圧力は、 流動床反応器の塔頂において 圧力を測定することにより求められる。

[0026] 流動層反応器 1 に供給される全ガス中 (以下、 「全供給ガス」 ともいう。 〇 2020/175373 12 卩(:170? 2020 /007074

) 、 酸素のメタノールに対するモル比 (酸素/メタノール) は、 青酸の収率 の観点から、 〇. 8〜 2. 0であることが好ましく、 〇. 8〜 1. 5である ことがより好ましい。 酸素含有ガスとして空気を用いる場合、 空気のメタノ —ルに対するモル比 (空気/メタノール) は、 青酸の収率の観点から、 3.

8〜 9. 5であることが好ましく、 3. 8〜 7. 1であることがより好まし い。

アンモニアのメタノールに対するモル比 (アンモニア/メタノール) は、 青酸の収率の観点から、 〇. 5〜 1 0であることが好ましい。

[0027] 全供給ガスの空塔速度は、 青酸の収率の観点から、 1 0〜 200

6〇が好ましい。 全供給ガスの空塔速度の下限は 20〇 01/36〇以上がよ り好ましく、 上限は 以下がより好ましい。

メタノールの空塔速度及びアンモニアの空塔 速度は、 いずれも 1〜 30〇 01/36〇が好ましい。 メタノールの空塔速度及びアンモニアの空塔 速度の 下限は、 いずれも 2〇 01/36〇以上がより好ましく、 上限は 20001/3 6〇以下がより好ましい。

酸素の空塔速度は 2〜 42〇 01/36〇が好ましい。 酸素の空塔速度の下 限は、 4〇 111/ 36〇以上がより好ましく、 上限は 2 1 〇 111/ 36〇以下が より好ましい。 酸素含有ガスとして空気を用いる場合、 空気の空塔速度は 1 〇〜 200〇 01/36〇が好ましい。 空気の空塔速度の下限は、 20 c mX 360以上がより好ましく、 上限は 1 00〇 /36〇以下がより好ましい 空塔速度の定義は後述する実施例に記載のと おりである。

[0028] 本発明に係る青酸の製造方法によれば、 青酸の収率を向上させることがで きる。

青酸の収率が向上する理由は以下のように考 えられる。

流動層反応器 1でのメタノールの気相接触アンモ酸化反応 おいては、 流 動層反応器 1内でのメタノールの分布状態、 並びに原料ガスと金属酸化物触 媒 2との接触状態が青酸の収率に影響する。 〇 2020/175373 13 卩(:170? 2020 /007074

単位反応器断面積あたりの孔数の数が少な すぎる場合、 流動層反応器 1内 でのメタノールの分布が不均一になる。 メタノールの分布が不均一になるこ とで、 流動層反応器 1内に、 酸素がメタノールに対して相対的に不足して 多 量のメタノールが未反応のまま残存する領域 と、 酸素がメタノールに対して 相対的に過剰に存在して多量の副生成物が生 成する領域とが生じ、 流動層反 応器全体における青酸の収率が低くなる。

一方、 単位反応器断面積あたりの孔数の数が多すぎ ると、 隣接する孔 7 3 から放出された原料ガスの気泡同士が合体し 、 気泡径が大きくなる。 その結 果、 原料ガスと金属酸化物触媒 2との接触が不良な状態になり、 青酸の収率 が低くなる。

単位反応器断面積あたりの孔数を本発明の範 囲内とすることで、 流動層反 応器 1内でのメタノールの分布状態を均一化させ また原料ガスと金属酸化 物触媒 2との接触状態を良好にすることができ、 青酸の収率が向上すると考 えられる。

特に、 孔 7 3から放出された原料ガスを、 整流管 8を介して流動層反応器 1内に供給することにより、 原料ガスを整流することができ、 かつ、 原料ガ スの流速低下によって金属酸化物触媒の粒子 が粉化することを防止できる。 なお、 本発明者らの検討によれば、 メタノールの気相接触アンモ酸化反応 と、 メタノール以外の原料の気相接触アンモ酸化 反応とでは、 収率の向上の ための、 単位反応器断面積あたりの孔数の最適値が異 なる。

[0029] 以上、 実施形態を示して本発明を説明したが、 本発明はこれらの実施形態 に限定されるものではない。 例えば、 上記実施形態における各構成及びそれ らの組み合わせは一例であり、 本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、 構成の 付加、 省略、 置換、 及びその他の変更が可能である。

例えば、 上記実施形態では、 原料ガス分散器 7としてパイプ型分散器を用 いる例を示したが、 原料ガス分散器 7は、 単位反応器断面積あたりの孔数を 前記範囲内にできるものであればよく、 パイプ型分散器以外の公知の分散器 であってもよい。 パイプ型分散器以外の分散器としては、 例えば、 キャップ 〇 2020/175373 14 卩(:170? 2020 /007074

型、 多孔質板型、 多孔板型又は平行スリッ ト板型が挙げられる。 原料ガス分 散器 7としては、 触媒の詰まりを抑制できる点、 構造が簡易であるという点 で優れているため、 パイプ型分散器が好ましい。

[0030] 上記実施形態では、 気相接触アンモ酸化の対象 (原料) であるメタノール とともにアンモニアを含む原料ガスを用い、 メタノールとアンモニアとを一 緒に流動層反応器 1 に供給する例を示したが、 メタノールとアンモニアとを 別々に供給してもよい。 例えば、 アンモニア含有ガス用のガス供給管及びガ ス分散器を設けて、 メタノールとは別に、 アンモニア含有ガスを流動層反応 器 1内に供給するようにしてもよい。 メタノールとアンモニアとを確実に混 合できる点では、 メタノールとアンモニアとを含む原料ガスを 用いることが 好ましい。

また酸素含有ガスは、 例えば、 流動層反応器 1の底部以外に酸素含有ガス 用のガス供給管及びガス分散器を設けて、 流動層反応器 1内に供給するよう にしてもよい。 金属酸化物触媒 2の流動化の観点から、 酸素含有ガスを流動 層反応器 1の底部から供給することが好ましい。

[0031 ] 流動層反応器 1内に冷却管が設けられていてもよい。 冷却管を設けること によって、 流動層反応器 1内の温度を、 気相接触アンモ酸化反応の最適温度 範囲に容易に制御できる。 そのため、 メタノールを高濃度に含む原料ガスを 処理でき、 生産性が向上する。

冷却管としては、 例えば、 垂直型冷却管、 水平型冷却管又は螺旋状冷却管 が挙げられる。

また流動層反応器 1内には、 金属酸化物触媒 2の流動状態を良好に維持す るため、 また、 施工上やメンテナンスの観点から、 他の内揷物を適宜設けて もよい。

実施例

[0032] 以下、 本発明を実施例によりさらに具体的に説明す るが、 以下の実施例は 本発明の範囲を限定するものではない。

[0033] 本明細書中の空塔速度 (ガス流速) 及び青酸収率は各々次の定義による。 〇 2020/175373 15 卩(:170? 2020 /007074

空塔速度 =反応条件下における供給ガスの体積速度 [〇 〇! 3 / 36〇 ] /流動層反応器有効断面積 [〇 01 2 ]

青酸収率 [%] = (生成した青酸中の炭素質量 [1< 9 ] /供給したメタノ —ル中の炭素質量 [ 1< 9 ] ) X 1 00

ここで流動層反応器有効断面積とは、 流動層反応器 1 において原料ガスと 金属酸化物触媒 2との反応が起こる部分の断面面積から、 触媒戻り管 1 0等 の内装物の断面積を減じた面積を示す。

[0034] 青酸の製造には、 実験式が 6 10 36 19 ? 6 1 〇リ 2 . 5 1\/1〇 0 . (3 1 〇 2 60 (ただし、 Xは構成金属の原子価によって決まる数であ 。 ) である 触媒 (丨 _ 1) を使用した。 触媒 (丨 _ 1) は、 次のようにして調製した。

( 1) 三酸化アンチモン粉末 247. 3 を量り取った。

(2) 硝酸 385 !_と水 480 !_とを混合して加温し、 この中に電解 鉄粉 49. 99を少しずつ加えて溶解させた。 次いで、 この溶液に硝酸銅 5 4. 09を加え溶解させた。

(3) 水 300 !_にメタバナジン酸アンモニウム 1 0. 5 9 とパラモリ ブデン酸アンモニウム 1. 69を溶解させた。

(4) シリカゾル (3 丨 〇 2 : 20質量%) 1 5909を量り取った。

(5) 前記 (2) で得た溶液に前記 (4) のシリカゾル、 前記 (1) の粉 末、 前記 (3) で得た溶液をこの順に、 よく撹拌しながら加え、 濃度 1 5質 量%のアンモニア水により 1 ~ 12に調整した。 このスラリーを撹拌しながら 98°〇、 3時間加熱処理した後、 このスラリーにリン酸 (含量 85質量%) 6 1. 89を加え、 よく撹拌した。 次いで、 このスラリーを回転円盤式の噴 霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥した。 得られた微粒の球状粒子を 200 ° 〇で 2 時間、 500°〇で 3時間焼成し、 さらに 800°〇で 3時間焼成し、 触媒 ( I _ 1) を得た。

[0035] (実施例 1)

メタノールの気相接触アンモ酸化反応による 青酸の製造を、 図 1 に示す構 成の製造装置を用い、 以下の手順で行った。 ただし原料ガス分散器は、 へッ 〇 2020/175373 16 卩(:170? 2020 /007074

ダーに 1個の孔が形成されているものを用いた。 実施例 1 におけるメタノー ルの気相接触アンモ酸化反応条件を表 1 に示す。 表 1中、 3◦」 の 「 ◦」 はゲージ圧であることを示す (以下同様) 。

流動層反応器 1 に、 触媒 (丨 _ 1) の 6 0 !< 9を充填し、 酸素含有ガス供 給管 3から空気を供給するとともに、 原料ガス供給管 6からメタノールとア ンモニアとの混合ガス (原料ガス) を供給して反応を行った。 このとき、 空 気中の酸素/メタノールのモル比を 1 . 4 (空気/メタノールのモル比を 6 . 5) 、 アンモニア/メタノールのモル比を 1、 全供給ガスの空塔流速を 5

節した。

原料ガス供給後、 反応ガス組成が安定したことを確認し、 このときの反応 ガス組成の測定結果から青酸収率を算出して 1回目の反応 ( リ n 1) とし た。 続いて再現性確認のため、 再度反応ガス組成を測定して青酸収率を算出 し、 2回目の反応 ( r U n 2) とした。 実施例 1 における青酸収率を表 1 に 併記した。

[0036] (実施例 2)

実施例 1の反応の後、 温度のみ 4 3 0 ° 〇から 4 3 9 ° 〇に変更した。 温度変 更後、 反応ガス組成が安定したことを確認し、 このときの反応ガス組成の測 定結果から青酸収率を算出して 1回目の反応 ( リ n 1) とした。 続いて再 現性確認のため、 再度反応ガス組成を測定して青酸収率を算出 し、 2回目の 反応 (「 n 2) とした。 実施例 2における青酸収率を表 1 に併記した。

[0037] (比較例 1)

メタノールの気相接触アンモ酸化による青酸 の製造を、 図 1 に示す構成の 製造装置を用い、 以下の手順で行った。 ただし原料ガス分散器は、 ヘッダー に 3個の孔が形成されているものを用いた。

製造条件を表 1 に示すように変更した以外は実施例 1 と同様にして青酸の 〇 2020/175373 17 卩(:170? 2020 /007074

製造を行い、 原料ガス供給後、 反応ガス組成が安定したことを確認し、 この ときの反応ガス組成の測定結果から青酸収率 を算出して 1回目の反応 ( リ 门 1) とした。 続いて再現性確認のため、 再度反応ガス組成を測定して青酸 収率を算出し、 2回目の反応 ( r U n 2) とした。 比較例 1 における青酸収 率を表 1 に併記した。

[0038] (比較例 2)

比較例 2の反応の後、 温度のみを表 1 に示すように変更した。 温度変更後 、 反応ガス組成が安定したことを確認し、 このときの反応ガス組成の測定結 果から青酸収率を算出して 1回目の反応 ( リ n 1) とした。 続いて再現性 確認のため、 再度反応ガス組成を測定して青酸収率を算出 し、 2回目の反応 (「リ n 2) とした。 比較例 2における青酸収率を表 1 に併記した。

[0039] [表 1 ]

[0040] 図 4に、 実施例 1及び 2、 並びに比較例 1及び 2それぞれにおける単位反 応器断面積あたりの孔数と青酸収率の関係を 示す。

表 1からわかるように、 実施例 1 と比較例 1の反応条件、 及び実施例 2と 〇 2020/175373 18 卩(:170? 2020 /007074

比較例 2の反応条件は、 流動層反応器の単位断面積あたりの孔数以外 はほぼ 同じである。

しかし、 図 4からわかるように、 単位反応器断面積あたりの孔数が 1 〇〜

4 5個/ 2 である実施例 1及び 2は、 流動層反応器の単位断面積あたりの孔 数が 4 5個/ 2 超である比較例 1及び 2に比べて、 青酸収率が高かった。 すなわち本発明によれば、 メタノールの気相接触アンモ酸化反応におけ る 青酸の収率が向上することが裏付けられた。

符号の説明

[0041 ] 1 流動層反応器

2 金属酸化物触媒

3 酸素含有ガス供給管

4 酸素含有ガス分散器

6 原料ガス供給管 (原料ガス供給部)

7 原料ガス分散器

8 整流管

9 サイクロン

1 0 触媒戻り管

1 1 ガス排出管

7 1 へッダー

7 2 枝管

7 3 孔