TAMURA MASAZUMI (JP)
SUZUKI NOBUYOSHI (JP)
TAMURA MASAZUMI (JP)
WO2007129560A1 | 2007-11-15 | |||
WO2003035582A1 | 2003-05-01 |
JP2008044874A | 2008-02-28 | |||
JPH08208541A | 1996-08-13 | |||
EP0523014A2 | 1993-01-13 | |||
EP0523015A2 | 1993-01-13 | |||
DE4302464A1 | 1994-08-04 | |||
JP2007283175A | 2007-11-01 |
See also references of EP 2236486A4
水素化触媒の存在下に多価アルコールと水素とを接触させて、反応液相中の水を除去しながら反応を行う、回分方式の多価アルコールの水素化分解物の製造方法。 |
反応液相中の多価アルコールの60モル%が反応した時点から反応終了までのいずれかの時点において、反応液相中の水分量が多価アルコールから生じる全水分量を1として0.5以下の割合になるように、反応液相中の水を除去する、請求項1に記載の多価アルコールの水素化分解物の製造方法。 |
水素化触媒が銅含有触媒である、請求項1又は2に記載の多価アルコールの水素化分解物の製造方法。 |
多価アルコールがグリセリンである、請求項1~3のいずれかに記載の多価アルコールの水素化分解物の製造方法。 |
水素化分解物が1,2-プロパンジオールである、請求項4に記載の多価アルコールの水素化分解物の製造方法。 |
本発明は、多価アルコールを効率的に転 させ、その水素化分解物を選択性良く製造 る方法に関する。
自然界から得られる多価アルコールを、触
を利用して水素化分解を行い、他の化合物
変換することは、物質の有効利用の観点か
重要である。
一方、多価アルコールとして、食品や医療
どに使用されているグリセリンは、年々生
量を増やしてきている。その理由として、
石化燃料の供給不安や、地球温暖化問題を
景にして延びてきた、バイオディーゼル燃
の普及が挙げられる。植物原料から製造さ
るバイオディーゼル燃料はその製造過程で
リセリンを生成する。しかしながら、現状
はグリセリンの用途は限られていることか
、供給過剰になりつつあり、その有効利用
求められている。その一つとして触媒反応
用いたC3アルコール類への変換が世界的に
目されている。
C3アルコール類は、様々な工業原料等とし
有用である。C3アルコール類の中でもジオー
ル類としては、1,3-プロパンジオール及び1,2-
ロパンジオールがあり、1,3-プロパンジオー
ルは、ポリエステル及びポリウレタン原料等
として注目されている。
また、1,2-プロパンジオール(以下、「1,2-PD
ということがある)は、例えばポリエステル
脂、塗料、アルキッド樹脂、各種可塑剤、
凍液、ブレーキオイル等に用いられ、さら
は食品保潤剤、果汁粘度増強剤、食品用セ
ハン柔軟剤、化粧品、医薬品等に有用であ
。
グリセリンの有効利用として、グリセリン
水素化分解して1,2-PDを製造する種々の方法
提案されている。
例えば、触媒として、(1)ニッケル-レニウム
/炭素を用いる方法(例えば、特許文献1参照)
(2)ルテニウム/炭素を用いる方法(例えば、特
許文献2参照)、(3)銅-亜鉛/アルミナを用いる
法(例えば、特許文献3参照)、(4)銅-酸化亜鉛
用いる方法(例えば、特許文献4参照)、(5)銅-
クロムを用いる方法(例えば、非特許文献1参
)、(6)ルテニウムを用いる方法(例えば、特
文献5参照)等が知られている。
しかしながら、これらの方法においては、
リセリンの転化率が低かったり、1,2-PDの選
率が低かったりなどして、充分に満足し得
ものではなかった。特に工業的に実施が有
な低圧下では、高反応性と高選択性の両立
難しく、満足し得るものではなかった。ま
、非特許文献1、および特許文献5には、水
効果について記載されており、水をあらか
め添加しておかないと選択性が大幅に低下
ることが記載されている。
本発明は、回分方式の触媒による多価アル
ールの水素化分解物の製造方法において、
の反応性を向上させることを課題とし、特
多価アルコールとしてグリセリンを用いた
合において、グリセリンの反応性を向上さ
、1,2-プロパンジオールへ効率的に変換する
ことを課題とする。
本発明者らは、多価アルコールの水素化分
物の製造方法として、反応の進行に伴い反
液相中に滞留した水を除去しながら反応さ
ることにより、前記課題を解決し得ること
見出した。
すなわち、本発明は、
(1)水素化触媒の存在下に多価アルコールと水
素とを接触させて、反応液相中の水を除去し
ながら反応を行う、回分方式の多価アルコー
ルの水素化分解物の製造方法を提供するもの
である。
本発明の多価アルコールの水素化分解物の
造方法においては、水素化分解触媒の存在
に、多価アルコールと水素とを加熱して、
多価アルコールを水素化分解する。
多価アルコールとしては、水酸基数2~6の化
物が好ましい。具体的には、水酸基数2~6で
って、かつ炭素数2~60の脂肪族又は脂環式多
価アルコールを挙げることができる。具体的
にはエチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、各種プロパンジオール、各種
ジプロパンジオール、各種トリプロパンジオ
ール、各種ブタンジオール、各種ジブタンジ
オール、各種ペンタンジオール各種ペンタン
トリオール、各種ヘキサンジオール、各種ヘ
キサントリオール、グリセリン、ジグリセリ
ン、トリグリセリン、各種シクロヘキサンジ
オール、各種シクロヘキサントリオール、ペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパ
ン、さらにはソルビトールやマンニトール等
の糖アルコール等を例示することができる。
これらの中では、工業的観点から、グリセリ
ン並びにソルビトール及びマンニトールなど
の糖アルコールが好ましく、グリセリンが特
に好ましい。
また、本発明における多価アルコールの水
化分解物とは、多価アルコールに水素を作
させて、水酸基を分解させて得られたもの
あり、少なくとも1つ以上の水酸基を残す程
度に分解させて得られる化合物を示す。例え
ばグリセリン (分子内の水酸基数:3つ)の水素
化分解物は、C3ジオール(分子内の水酸基:2つ)
、C3モノオール(分子内の水酸基数:1つ)である
。
前記水素化分解触媒としては、例えば、銅
ニッケル、コバルト、ルテニウム、パラジ
ム、白金、ロジウム等から選ばれる少なく
も1種の金属種やこれらの金属原子を含む錯
体触媒を用いることができ、またこれら金属
種をアルミナ、シリカ、酸化チタン等の担体
に担持した固体触媒も用いることができる。
その中で、銅含有触媒(「銅触媒」という場
がある)が好ましく、特に銅-鉄-アルミ、銅/
リカ、銅-亜鉛/酸化チタン、及び銅ラネー(R
aney)触媒が好ましい。その中でも銅-鉄-アル
、銅/シリカが好ましく、特に銅/シリカが好
ましい。
触媒としては、市販のものを用いてもよく
また、例えば沈殿法、イオン交換法、蒸発
固法、噴霧乾燥法、混練法等通常採用され
いる従来公知の方法にて、担体上に金属成
を担持することで調製することができる。
これら触媒の使用量は、原料である多価ア
コール100質量部に対して0.01~20質量部、好ま
しくは0.1~10質量部、さらに好ましくは0.3~6質
部である。
本発明の多価アルコールの水素化分解物の
造方法においては、反応液相中の水を除去
る方法として、水を水蒸気として気相へ誘
する方法や、脱水剤を反応容器内にあらか
め存在させておき、液相の水分を吸収させ
方法が使用できる。水を水蒸気として気相
誘導する方法では、ガスを流通させ、反応
器外へ誘導することで促進することもでき
この場合には水素、又は窒素、アルゴン等
不活性ガスの1種以上を使用できる。本発明
では、ガスを流通させることで促進すること
が好ましく、水素ガスを反応試剤とすること
からガスとしては、水素ガスが好ましい。
水の除去は連続的でなくともよく、水分を
応系内から一部除去するだけで、反応効率
向上する。ここでいう反応効率とは主に反
速度を指し、グリセリンに限っては1,2-プロ
パンジオールへの変換率もまた意味する。水
素化分解では、多価アルコールから水が生成
される。回分方式での反応系では水は系内に
蓄積されるために、水分量は反応が進むとと
もに増加する。一方で多価アルコールは減少
していく。最終的に生成される全水分量は多
価アルコールによって異なるが、反応に用い
た多価アルコールの量から求めることができ
る。
本発明では水を除去する条件として、反応
相中の多価アルコールが60モル%反応した時
から、換言すると残存多価アルコール量が4
0モル%になった時点から、反応終了までの何
かの時点で、多価アルコールから生じる全
分量を1とするときの割合(以下、「水分率
という場合がある。)が0.5以下、好ましくは0
.4以下、特に好ましくは0.3以下になるように
反応液相中の水を除去することがよい。反
系内の水は少ない方がよく、連続的に水分
反応系外に追い出すことが好ましい。反応
初から水分を除去するためには、上記した
スを流通させる方法で水分を反応液相中か
除去することが好ましい。数値上では、反
液相中の多価アルコールが60モル%反応した
点以後は、反応液相中の水分の割合は、多
アルコールから生じる全水分量を1として0.5
以下、更には0.4以下、特には0.3以下に保つこ
とが好ましい。
特に、グリセリンからの1,2-プロパンジオー
ルへの変換において、液相中の水分量が少な
いほどグリセリンの反応性が向上する。水分
量は、経時的にサンプルを抜き出し、カール
フィッシャー分析を行い、算出することがで
きる。
反応条件については特に制限はなく、使用
る多価アルコールや触媒の種類等に応じて
宣選定される。水素圧は、通常、常温で30MP
a以下が好ましく、工業化の観点からより低
である0.1~10MPaが好ましく、0.5~5MPaがより好ま
しく、0.5~3MPaがさらに好ましい。反応温度は
通常80℃以上で水素化分解を実施すること
できるが、多価アルコールの水素化分解に
る転化率及び分解生成物の選択性等の観点
ら、130~350℃の範囲が好ましく、160~300℃の範
囲がより好ましく、180~250℃の範囲が特に好
しい。
水素化分解反応の反応装置としては、オー
クレーブ等の加圧可能な装置を用いた回分
(バッチ式)が好ましい。
本発明の多価アルコールからの水素化分 物の製造方法においては、多価アルコール してグリセリンを用いることが好ましい。 のグリセリンを用いることにより、水素化 解物として、1,2-PDを効率的に製造すること できる。
実施例1
(銅-鉄-アルミニウム系触媒の調製)
下記の操作を行い、銅/鉄/アルミニウムの
子比が1/0.8/1.8である銅-鉄-アルミニウム系触
媒を製造した。
還流冷却器を有する反応器に、水(300g)、CuSO
4
・5H 2
O(48g)、FeSO 4
・7H 2
O(46.8g)及び水酸化アルミニウム(12.8g)を入れ、
撹拌しながら温度を96℃に上昇させた。温度
95±2℃に保ちながら1時間保持した。次いで
の温度を保ちながら、Na 2
CO 3
(44.8g)を水(150g)に溶解させた溶液を約80分かけ
て滴下した。温度を95±2℃に保ちながら、CuSO
4
・5H 2
O(4.8g)、Al 2
(SO 4
) 3
・16H 2
O(46.8g)を水(109.2g)に溶解させた溶液と、Na 2
CO 3
(27.6g)を水(98.2g)に溶解させた溶液を同時に滴
した。金属塩の水溶液は60分、アルカリ物
の水溶液は30分かけて滴下した。これにAl 2
(SO 4
) 3
・16H 2
O(23.4g)を水(53.5g)に溶解させた溶液を30分かけ
滴下した。次いでNa 2
CO 3
(14.3g)を水(54.9g)に溶解させた溶液を30分かけ
滴下した。更に10%NaOH水溶液を滴下しpHを10.5
調整した。pHを10.5に保ちながら1時間熟成を
行った。熟成終了後、反応物を吸引濾過した
。沈澱を毎回450mlの水で3回洗った後、100℃に
て乾燥した。乾燥終了物を軽く粉砕し750℃で
1時間、空気中で焼成し、アルミナを担体と
る銅-鉄-アルミニウム系触媒を得た。
(水素化分解)
攪拌機付きの500mLの鉄製オートクレーブに
上記の方法で得られた銅-鉄-アルミニウム系
触媒10g、及びグリセリン200gを加え、水素置
した。その後、水素を液中に導入し、オー
クレーブ内の圧力を2MPaに維持したまま、5L/m
in.(25℃、H 2
)で流通させつつ、加熱し、230℃にて反応さ
た。液相中の水分は、液中に導入される水
により、鉄製オートクレーブの上部に設け
れた排出口から水蒸気として反応容器外に
出した。
反応経時サンプルおよび反応終了溶液は濾
後、カールフィッシャー分析により水分量
測定し、また下記条件のガスクロマトグラ
ィーにて分析し、生成物を定量し、これら
値から残存グリセリン(モル%)及び液相中の
リセリンから生じる全水分量を1としたとき
の水分の割合を求めた。また、経時的に測定
した残存グリセリン量より一次反応速度定数
kを算出し、これを反応速度の目安とした。
反応終了品の選択性は、1,2-PDが93mol%、エチ
ングリコール(「EG」と略記する)が3mol%、そ
他、不明が4mol%であった。これらの結果を
1に示す。
〔ガスクロマトグラフィー〕
カラム:Ultra-alloy キャピラリーカラム 15.0m
250μm×0.15μm(Frontier Laboratories 社製)、検出器
:FID、インジェクション温度:300℃、ディテク
ー温度:350℃、He流量:4.6mL/min.
実施例2、3
実施例1で得られた触媒を用い、表1、表6に
載の条件にて水素化分解反応を実施した。
なわち、実施例2では水素流通条件の流量を
実施例1における5L/min.から1L/min.に減じ、実施
例3では、水素の流通方法を液中ではなく、
応溶液上部の気相部に導入し、気相中の水
気を反応容器外へ誘導することで、液相か
水蒸気を気相へ供給させ、間接的に液相中
水分を除去した。結果を表1に示す。
実施例4
(銅ラネー触媒)
日興リカ社製 銅ラネー触媒(品番RC-300)を用
いた以外は、実施例1と同様に反応を実施し
。
実施例5
(銅-亜鉛/酸化チタン触媒の調製)
反応器に硝酸銅(100g)と硝酸亜鉛(30g)を仕込
、水(2000g)に溶解した後、攪拌しながら昇温
た。50℃で酸化チタン(33g)を仕込み、90℃で1
0質量%Na 2
CO 3
水溶液(546g)(金属塩と等モルのNa 2
CO 3
)を1時間で滴下し、1時間熟成した後、沈殿物
を濾過・水洗し、110℃で10時間乾燥後、600℃
1時間焼成した。得られた金属酸化物は銅/
鉛原子比が4/1で、担体としての酸化チタン
対する担持量が50質量%であった。この酸化
タン担持酸化銅-酸化亜鉛を触媒に用い、実
例1と同様に水素化分解反応を実施した。
実施例4及び実施例5の結果を表2に示す。
実施例6~11
(銅/シリカ触媒)
触媒に、Cu/Siの原子比が1/0.55の日揮化学社
銅/シリカ触媒(品番F01B)の粉砕品を用い、
3及び表4の条件にて水素化分解反応を実施し
た。実施例6~9は、グリセリン100質量部に対し
て銅/シリカ触媒の使用量を5,2,1,0.5質量部と
化させ、実施例6、10、及び11は、反応温度を
230,220,200℃と変化させて反応を実施し、それ
の要因の影響を確認した。結果を表3及び表
4に示す。
比較例1~6
攪拌機付きの500mLの鉄製オートクレーブに
原料グリセリン200g、日揮化学社製 銅/シリ
触媒(品番F01B)の粉砕品をグリセリン100質量
に対して5質量部加え、水素置換した。表5
び表6に示すように、室温にて水素を1MPaまで
導入し、表に記載の反応温度まで加熱したの
ち、水素圧を比較例1~3においては6MPa、比較
4においては2MPa、比較例5及び6においては15MP
aの圧力まで上げ、その後は水素を流通する
となく密閉状態で、減少した圧力分は水素
補充することでその圧力を維持し、水素化
解反応を行った。なお、比較例2では原料の
リセリンに対する水分のモル比を1/1.3、比
例3及び6では100/20.5とした溶液を用いて反応
行った。
同条件下にて使用した触媒の種類が異な 実施例1、4、5、6を比較してもっとも活性の 高い銅/シリカ触媒を使用した実施例6を基準 して、水素を流通させることなく反応液相 の水分を除去せずに反応させた比較例1に比 べ、同様に反応温度230℃、触媒使用量がグリ セリン100質量部に対して5質量部で、液相中 滞留水分を除去しながら反応させた実施例1~ 6は、反応完結までに要した時間又は反応8時 目の残存グリセリン量から、グリセリンの 応性が向上しており、特に反応後期には、 応速度が向上する。加えて、実施例1~6は1,2- PDの選択性も良好であった。また、実施例6と 比較例1を比較すると、実施例6の方が選択性 向上している。表3、表4及び表5の結果より 銅/シリカ触媒の使用量が少ない実施例7~8、 反応温度の低い実施例10、11においても、比 例1に比べ、グリセリンの反応性が向上して り、特に反応後期は反応速度が速い。加え 、1,2-PDの選択性も良好であった。比較例1に 比べて、触媒使用量が1/10である実施例9にお ては、反応後期は反応速度が速く、1,2-PDの 択性も良好であった。表3及び表5の結果よ 、反応温度、触媒使用量とも同じである実 例10と比較例4を比較すると、水分を除去し 実施例10の方が反応完結までに要した時間は 明らかに短く、かつ選択性は向上した。
実施例12、13
実施例1と同じ、銅-鉄-アルミニウム系触媒
用い系内の水素圧力を15MPaとした実施例12、
同様に水素圧を15MPaとし、日揮化学社製 銅/
リカ触媒(品番F01B)の粉砕品を用いた実施例1
3において、前記同様にグリセリンの水素化
解反応を行った。
表6に示すように、比較例5と比較して、反
液相中の滞留水分を除去しながら反応させ
実施例12、13はグリセリンの反応性が向上し
おり、特に反応後期は反応速度が速い。加
て、実施例12、13は1,2-PDの選択性も良好であ
った。
実施例14
攪拌機付きの500mLの鉄製オートクレーブに
日揮化学社製 銅/シリカ触媒(品番F01B)の粉
品10g、及びグリセリン200gを加え、水素置換
た。さらに室温にて水素を1MPaまで導入し、
230℃まで加熱したのち、水素圧を15MPaの圧力
で上げ、密閉状態で、減少した圧力分は水
を補充することでその圧力を維持し、水素
分解反応を2時間行った。この時点では、加
えたグリセリンの85.5モル%が反応し、反応液
の水分の割合は、グリセリンから生じる全
分量を1とするときの割合が0.93であった。
その後、鉄製オートクレーブを150℃まで冷
し、オートクレーブ内の圧力を1.5MPaに維持
たまま、水素を液中に導入し、10L/min.(25℃
0.1MPa)で2時間流通させ、水分を除去した。そ
の後、水素の流通を止め、230℃まで加熱し、
水素圧を15MPaの圧力まで上げ、その後は水素
流通することなく密閉状態で、減少した圧
分は水素を補充することでその圧力を維持
つつ、再度水素化分解反応を行った。結果
表7に示す。
比較例5と比較して、反応途中で水分を除去
した実施例14は水除去後にグリセリンの反応
が向上しており、1,2-PDの選択性も良好であ
た。
本発明によれば、水素化触媒の存在下に 多価アルコールと水素を接触させ、反応液 中の水を除去しながら行うことで、多価ア コールからのその水素化分解物、特にグリ リンからの1,2-PDの効率的な製造方法を提供 ることができる。特に本製造方法を用いる とにより、工業的に実施が有利な低圧下で グリセリンを効率的に転化させ、1,2-PDを選 性良く製造できる。
Next Patent: FATIGUE TESTING METHOD IN HYDROGEN GAS