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Title:
METHOD FOR PRODUCING α,β-UNSATURATED DICARBOXYLIC ACID ESTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175420
Kind Code:
A1
Abstract:
In a method for producing an α,β-unsaturated dicarboxylic acid ester exemplified by an α-hydromuconic acid ester from a carboxylic acid ester exemplified by a 3-hydroxyadipic acid ester or a 3-hydroxyadipic acid-3,6-lactone ester, the selectivity for the α,β-unsaturated dicarboxylic acid ester can be raised by subjecting the carboxylic acid ester to a basic condition of pH 8.5 to less than 13 in an organic solvent or a mixed solvent of an organic solvent and water.

Inventors:
NAKAMURA HITOMI (JP)
TSUKAMOTO DAIJIRO (JP)
KAWAMURA KENJI (JP)
YAMADA KATSUSHIGE (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007286
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 25, 2020
Export Citation:
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Assignee:
TORAY INDUSTRIES (JP)
International Classes:
C07C69/593; C07C67/30; C07C67/327
Domestic Patent References:
WO2016068108A12016-05-06
WO2016199856A12016-12-15
WO2016068108A12016-05-06
Foreign References:
JP2003522812A2003-07-29
JP2015187129A2015-10-29
Other References:
PINHEIRO SERGIO, CASTRO ROSANE N, FERNANDES MARIA, COSTA PAULO: "Piperonal as starting material for the regiospecific and stereoselective synthesis of E and Z isomers of 3-methyl-2-hexenedioic acid 1-methyl ester", SYNTHETIC COMMUNICATIONS, vol. 21, no. 5, 1991, pages 703 - 12, XP009523223, DOI: 10.1080/00397919108020839
ZHENGNING LI , CHONGNIAN WANG AND ZENGCHANG LI: "Copper-catalyzed cascade reactions of α,β-unsaturated esters with keto esters", BEILSTEIN JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY, vol. 11, 6 February 2015 (2015-02-06), pages 213 - 218, XP055734874, ISSN: 1860-5397, DOI: 10.3762/bjoc.11.23
JOURNAL OF CHEMICAL SOCIETY, 1956, pages 4426 - 4428
JOURNAL OF CHEMICAL SOCIETY C: ORGANIC, vol. 22, 1967, pages 2314 - 2316
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Claims:
〇 2020/175420 30 卩(:171? 2020 /007286 請求の範囲

[請求項 1] —般式 (丨) 及び/又は (丨 丨) で示されるカルボン酸エステルを 有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶媒中で 1~1 8 . 5以上 1 3未満の 塩基条件に供する工程を含む、 一般式 (丨 丨 丨) で示される — 不飽和ジカルボン酸エステルの製造方法。

[化 1]

[式中、 nは 1〜 3の整数、 乂1〜乂6はそれぞれ独立に水素原子 ( 1~1) 、 炭素数 1〜 6のアルキル基又はフエニル基を表し、

2はそれぞれ独立に炭素数 1〜 6のアルキル基を表し、 は水素原 子 (! !) 又は炭素数 1〜 6のアルキル基を表す。 ]

[請求項 2] 有機溶媒が水混和性有機溶媒である、 請求項 1 に記載の方法。 [請求項 3] 有機溶媒と水の混合溶媒における水の割合が 9 0体積%以下である 、 請求項 1又は 2に記載の方法。

[請求項 4] —般式 (丨) で示されるカルボン酸エステルが 3 -ヒドロキシアジ ピン酸エステルである、 請求項 1から 3のいずれか 1項に記載の方法

[請求項 5] —般式 (丨 丨) で示されるカルボン酸エステルが 3 -ヒドロキシア ジピン酸一 3 , 6 -ラクトンエステルである、 請求項 1から 3のいず れか 1項に記載の方法。

Description:
\¥02020/175420 1 卩(:17 2020 /007286 明 細 書

発明の名称 : a, )8—不飽和ジカルボン酸エステルの製造方法 技術分野

[0001] 本発明は、 a, /S_不飽和ジカルボン酸エステルの製造方法に 関する。

背景技術

[0002] a, /S_不飽和ジカルボン酸エステルは、 合成中間体、 医薬品原料、 樹脂 原料等として工業的に有用なものである。 有機合成化学の知見から一般的に 想到される a, /S _不飽和ジカルボン酸エステルの製造方法と ては、 カル ボン酸エステルを塩基条件に供する方法が考 えられ、 具体例としては、 非特 許文献 1では 3 -フエニルー 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3, 6 -ラクトン エチルエステルを水とメタノールの混合溶媒 中において p H 1 3. 9の塩基 条件で攪拌すると、 a, /S—不飽和ジカルボン酸である 3—フエニルー a— ヒドロムコン酸が生成するとの開示があり、 また、 非特許文献 2では 3 -メ チルー 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3, 6 -ラクトンエチルエステルを水中 において p H 1 4以上の塩基条件で攪拌すると、 a, /S_不飽和ジカルボン 酸 3 -メチルー a-ヒドロムコン酸が生成することの開示があ 。

[0003] その他、 特許文献 1では、 3 -ヒドロキシカルボン酸エステル、 アルコー ル溶媒及び脱水触媒を含む水溶液を準備し、 反応溶液を高温で加熱すること により、 a, /S-不飽和カルボン酸エステルを製造する方法 が開示されてい る。

先行技術文献

特許文献

[0004] 特許文献 1 :特開 201 5 _ 1 87 1 29号公報

非特許文献

[0005] 非特許文献 1 : J o u r n a l o f C h e m i c a l S o c i e t y, p. 4426-4428 (1 956) .

非特許文献 2 : J o u r n a l o f C h e m i c a l S o c i e t y \¥02020/175420 2 卩(:17 2020 /007286

0 : 0 r 2 a n \ 〇 , 1 331^ 22, . 23 1 4— 23 1 6 (1 96 発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] 本発明者が検討したところによれば、 前述の非特許文献 1及び非特許文献

2に記載の塩基条件では、 以下の一般式 (丨) 又は (丨 丨) で示されるよう なカルボン酸エステルか /3—不飽和ジカルボン酸エステルが殆ど生成 しないという課題が新たに見出された。

[0007] また、 前述の特許文献 1 に記載の方法によって以下の一般式 (丨) 又は (

I 丨) で示されるようなカルボン酸エステルから /3 -不飽和ジカルボン 酸エステルを選択的に製造できる可能性があ るが、 反応溶液を 200°〇以上 の高温に加熱する必要があることから、 経済的に不利である。

[0008] したがって、 本発明では以下の一般式 (丨) 及び/又は (丨 丨) で示され るカルボン酸エステルから、 経済的な方法で /3—不飽和ジカルボン酸エ ステルを選択的に製造する方法を提供するこ とを課題とする。

[0009] [化 1]

[0010] [式中、 nは 1〜 3の整数、 乂 1 〜乂 6 はそれぞれ独立に水素原子 (1 ~ 1) 、 炭 素数 1〜 6のアルキル基又はフエニル基を表し、 はそれぞれ独立 に炭素数 1〜 6のアルキル基を表す。 ]

課題を解決するための手段

[0011] 本発明者は、 上記課題を解決するため鋭意研究を行った結 果、 一般式 (丨 ) 及び/又は (丨 丨) で表されるカルボン酸エステルを原料として 、 有機溶 媒又は有機溶媒と水の混合溶媒中、 1 ~ 11 3未満の塩基条件に供することに 〇 2020/175420 3 卩(:171? 2020 /007286

より、 /3—不飽和ジカルボン酸エステルを経済的に 高い選択性で製造 できることを見出し、 発明を完成するに至った。

[0012] すなわち、 本発明は以下の (1) 〜 (5) の通りである。

[0013] (1) —般式 (丨) 及び/又は ( I I) で示されるカルボン酸エステルを 有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶媒中で ! ! 8 . 5以上 1 3未満の塩基条 件に供する工程を含む、 一般式 (丨 丨 丨) で示される

ボン酸エステルの製造方法。

[0014] [化 2]

[0015] [式中、 nは 1〜 3の整数、 乂 1 〜乂 6 はそれぞれ独立に水素原子 (1 ~ 1) 、 炭 素数 1〜 6のアルキル基又はフエニル基を表し、 はそれぞれ独立 に炭素数 1〜 6のアルキル基を表し、 は水素原子 (1 ~ 1) 又は炭素数 1〜 6 のアルキル基を表す。 ] 。

[0016] (2) 有機溶媒が水混和性有機溶媒である、 (1) に記載の方法。

[0017] (3) 有機溶媒と水の混合溶媒における水の割合が 9 0体積%以下である

、 ( 1) 又は (2) に記載の方法。

[0018] (4) —般式 (丨) で示されるカルボン酸エステルが 3 -ヒドロキシアジ ピン酸エステルである、 (1) から (3) のいずれかに記載の方法。

[0019] (5) —般式 (丨 丨) で示されるカルボン酸エステルが 3 -ヒドロキシア ジピン酸一 3 , 6—ラクトンエステルである、 (1) から (3) のいずれか 1項に記載の方法。

発明の効果

[0020] 本発明により、 前述の一般式 (丨) 及び/又は ( I I) で示されるカルボ ン酸エステルを原料とする 〇 2020/175420 4 卩(:171? 2020 /007286

において、 /3—不飽和ジカルボン酸エステルを経済的に い選択性で製 造することができる。

発明を実施するための形態

[0021 ] 以下、 本発明をより詳細に説明する。

[0022] [原料]

本発明では、 以下の一般式 (丨) 及び/又は (丨 丨) で示されるカルボン 酸エステルを原料として用いる。

[0023] [化 3]

[0024] [式中、 nは 1〜 3の整数、 乂 1 〜乂 6 はそれぞれ独立に水素原子 (1 ~ 1) 、 炭 素数 1〜 6のアルキル基又はフエニル基を表し、 はそれぞれ独立 に炭素数 1〜 6のアルキル基を表す。 ] 。

[0025] —般式 (丨) 及び (丨 丨) 中の nは 1であることが好ましい。

[0026] —般式 ( I) 及び (丨 丨) 中の乂 1 〜乂 6 は、 それぞれ独立に水素原子 (1 ~ 1 ) 、 炭素数 1〜 2のアルキル基又はフエニル基であることが ましく、 X ! 〜 乂 4 及び乂 5 は水素原子 (1 ~ 1) 、 炭素数 1〜 2のアルキル基 (メチル基若しく はエチル基) 又はフエニル基、 乂 6 は水素原子 (1 ~ 1) であることがより好まし く、 乂 1 ~乂 6 は全て水素原子 (1 ~ 1) であることがさらに好ましい。 すなわち 、 一般式 (丨) で示されるカルボン酸エステルは 3 -ヒドロキアジピン酸エ ステルであることがさらに好ましく、 一般式 (丨 丨) で示されるカルボン酸 エステルは 3—ヒドロキシアジピン酸一 3 , 6—ラクトンエステルであるこ とがさらに好ましい。 また、 炭素数 1〜 2のアルキル基としてはメチル基で あることが好ましい。

[0027] —般式 ( I) 及び ( I 丨) それぞれ独立して炭素数 1 〇 2020/175420 5 卩(:171? 2020 /007286

〜 3のアルキル基 (メチル基、 ェチル基若しくはプロピル基) であることが 好ましい。

[0028] 前記一般式 (丨) 及び (丨 丨) で示されるカルボン酸ェステルの好ましい 態様の具体例としては、 それぞれ、 下記の式 ( I - 1) から式 ( I - 2 7) で示されるカルボン酸ジェステル及び式 (丨 丨 一 1) から式 (丨 丨 一9) で 示されるカルボン酸ラクトンェステルが挙げ られる。 これらの中でも、 一般 式 (丨) で示されるカルボン酸ェステルとしては、 以下の式 (丨 一 1) から 式 (丨 一9) で示される 3 -ヒドロキシアジピン酸ェステルが好ましく 式 ( 1 - 1) で示される 3 -ヒドロキシアジピン酸ジメチルがより好ま く、 また、 一般式 (丨 丨) で示されるカルボン酸ェステルとしては、 以下の式 ( I 1 - 1) から式 ( I I - 3) で示される 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3 ,

6—ラクトンェステルが好ましく、 式 (丨 丨 _ 1) で示される 3—ヒドロキ シアジピン酸一 3 , 6 -ラクトンメチルエステルがより好ましい。

[0029]

[M

[0030] 〇 2020/175420 7 卩(:171? 2020 /007286

[化 5]

[0031 ] 本発明で原料として用いる一般式 (丨) 又は (丨 丨) で示されるカルボン 酸エステルは、 化学的な合成品や再生可能なバイオマス資源 から誘導したも のいずれも用いることができる。

[0032] 化学的な合成によって本発明の原料となるカ ルボン酸エステルを得る方法 として、 例えば式 (丨 _ 1) で示される 3 -ヒドロキシアジピン酸ジメチル や式 ( I I - 1) で示される 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3 , 6 -ラクトン メチルエステルの場合、 3 -ヒドロキシアジピン酸又は 3 -ヒドロキシアジ ピン酸一 3 , 6 -ラクトンをエステル化することにより製造 ることができ る (本願明細書の参考例 5と 6に記載) 。 また、 例えば、 3—ヒドロキシア ジピン酸一 3 , 6—ラクトンメチルエステル (丨 丨 _ 1) は、 3—ヒドロキ シアジピン酸ジメチル (丨 一 1) の酸処理により得ることができる。

[0033] バイオマス資源から本発明で原料として用い る一般式 (丨) 又は (丨 丨) で示されるカルボン酸エステルを誘導する方 法としては、 例えば式 (丨 一 1 ) で示される 3—ヒドロキシアジピン酸ジメチルや式 (丨 丨 _ 1) で示され る 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3 , 6 -ラクトンメチルエステルの場合、 国 際公開第 2 0 1 6 / 1 9 9 8 5 6号明細書に記載の方法でバイオマス資源か ら微生物発酵で得られる 3 -ヒドロキシアジピン酸を製造し、 3 -ヒドロキ 〇 2020/175420 8 卩(:171? 2020 /007286

シアジピン酸をエステル化することにより 製造することができる (本願明細 書の参考例 5に記載) 。 3—ヒドロキシアジピン酸は、 微生物発酵により得 た 3 -ヒドロキシアジピン酸を含む発酵液から単 したものを用いてもよい し、 3 -ヒドロキシアジピン酸を含む発酵液そのも をエステル化に供して もよい。

[0034] —般式 (丨) 又は (丨 丨) で示されるカルボン酸エステルの原料になる 、 —般式 (丨) 又は (丨 丨) に示されるカルボン酸エステルと同様の骨格 を持 つカルボン酸をエステル化する方法は、 特に限定されないが、 例えば酸触媒 とアルコール溶媒を用いたエステル化反応が 挙げられる。 ここで用いる酸触 媒は、 特に制限されないが、 硫酸や塩酸などの鉱酸や、 シリカや強酸性樹脂 などの固体酸が挙げられる。 その他のカルボン酸のエステル化方法は、 縮合 剤を用いたアルコールとカルボン酸の脱水縮 合、 三フッ化ホウ素メタノール 錯体などのルイス酸触媒を用いたアルコール とカルボン酸の脱水縮合、 金属 アルコキシドを用いた塩基条件での製造方法 や、 ジアゾメタンやハロゲン化 アルキルなどのアルキル化試薬を用いる製造 方法などが挙げられる。

[0035] a /3 -不飽和ジカルボン酸エステル]

本発明で製造することができる -不飽和ジカルボン酸エステルは、 以下の一般式 (丨 丨 丨) で示される -不飽和ジカルボン酸エステルで ある。 なお、 得られる<¾ , /3—不飽和ジカルボン酸エステルは、 単一の〇 I 体又は あるいは〇 I 3体と I V ^ ^ 3 体の混合物のいずれ でも良いが、 本発明では単一の 1: 「 3 n 3体を好ましく製造できる。

[0036] [化 6]

[0037] [式中、 nは 1〜 3の整数、 乂 1 〜乂 6 はそれぞれ独立に水素原子 (1 ~ 1) 、 炭 素数 1〜 6のアルキル基又はフエニル基を表し、 は炭素数 1〜 6のアルキ 〇 2020/175420 9 卩(:171? 2020 /007286

ル基を表し、 は水素原子 (! !) 又は炭素数 1〜 6のアルキル基を表す。 ]

[0038] 前述の一般式 (丨) 又は (丨 丨) と同様に、 一般式 (丨 丨 丨) 中の nは 1 であることが好ましい。

[0039] 同様に、 一般式 ( I I I) 中の X ! 〜乂 6 は、 それぞれ独立に水素原子 (! ~ 1 ) 、 炭素数 1〜 2のアルキル基又はフエニル基であることが ましく、 X ! 〜 乂 4 及び乂 5 は水素原子 (1 ~ 1) 、 炭素数 1〜 2のアルキル基 (メチル基若しく はエチル基) 又はフエニル基、 乂 6 は水素原子 (1 ~ 1) であることがより好まし く、 乂 1 ~乂 6 は全て水素原子 (1 ~ 1) であることがさらに好ましい。 すなわち 、 一般式 (丨 丨 丨) で示される /3 -不飽和カルボン酸エステルは《 -ヒ ドロムコン酸エステルであることがさらに好 ましい。 また、 炭素数 1〜 2の アルキル基としてはメチル基であることが好 ましい。

[0040] 同様に、 一般式 ( I I I) 中の は、 炭素数 1〜 3のアルキル基 (メチル 基、 エチル基若しくはプロピル基) であることが好ましい。

[0041 ] また、 一般式 ( I I 水素原子 (1 ~ 1) 又は炭素数 1〜 3のア ルキル基 (メチル基、 エチル基若しくはプロピル基) であることが好ましい

[0042] 前記一般式 (丨 丨 丨) で示される /3 -不飽和カルボン酸ェステルの好 ましい態様の具体例としては、 前述の式 (丨 _ 1) から式 (丨 _ 2 7) で示 されるカルボン酸ジェステル及び/又は式 (丨 丨 一 1) から式 (丨 丨 一9) で示されるカルボン酸ラクトンェステルを原 料として得られる、 以下の式 ( I I I - 1) から式 (丨 丨 丨 一9) で示される 不飽和ジカルボン酸 モノェステル又は以下の式 (丨 丨 丨 一 1 0) から式 (丨 丨 丨 一 3 6) で示さ れる -不飽和ジカルボン酸ジェステルが挙げられ 。 これらの中でも 、 式 (丨 一 1) から式 (丨 一9) で示される 3 -ヒドロキシアジピン酸ェス テル及び/又は式 (丨 I - 1) から式 (丨 丨 _ 3) で示される 3—ヒドロキ シアジピン酸一 3 , 6 -ラクトンェステルを原料とした場合に得ら る、 以 下の式 (丨 丨 丨 一 1) から式 (丨 丨 丨 一 3) で示される《—ヒドロムコン酉愛 〇 2020/175420 10 卩(:171? 2020 /007286

モノェステル又は以下の式 (丨 丨 丨 一 1 0) から式 (丨 丨 丨 一 1 8) で示さ れる《 -ヒドロムコン酸ジェステルが好ましく、 式 (丨 一 1) で示される 3 -ヒドロキシアジピン酸ジメチル及び/又は式 (丨 丨 一 1) で示される 3- ヒドロキシアジピン酸一 3, 6 -ラクトンメチルェステルを原料とした場合 に得られる、 以下の式 (丨 丨 丨 一 1) で示される<¾ _ ヒドロムコン酸モノメ チル又は以下の式 (丨 丨 1 - 1 0) で示される《 -ヒドロムコン酸ジメチル がより好ましい。

[0043]

um

〇 2020/175420 13 卩(:171? 2020 /007286

[0044] 本発明により得られる /3 -不飽和カルボン酸エステルがモノエステル である場合は、 製造目的物は /3 -不飽和カルボン酸モノエステルの塩と して得られる。 /3—不飽和カルボン酸モノエステル塩の具体 としては 、 ナトリウム塩、 カリウム塩、 リチウム塩、 マグネシウム塩、 カルシウム塩 、 アンモニウム塩が挙げられる。 なお、 本明細書では -不飽和カルボ ン酸モノエステルのフリー体であってもその 塩であっても、 単に 「《, /3 - 不飽和カルボン酸モノエステル」 と称することとする。

[0045] [反応溶媒]

本発明の 有機溶媒 又は有機溶媒と水の混合溶媒を反応溶媒とし て用いる。

[0046] 本発明の

媒は、 特に限定されないが、 水混和性有機溶媒であることが好ましい。 水混 和性有機溶媒とは、 任意の割合で水と混合することができる有機 溶媒のこと を意味する。 水混和性有機溶媒として、 例えば、

メタノール、 エタノール、 _プロパノール、 イソプロパノール、 夕ーシャ リーブチルアルコール、 エチレングリコール、 1 , 2—ジメ トキシエタン、 アセトン、 テトラヒドロフラン、 アセトニトリル、 ジメチルスルホキシド、 ジオキサン、 ジメチルホルムアミ ドなどを例示することができる。 これらの 水混和性有機溶媒は、 1種で用いることもできるし、 2種以上の混合溶媒と して用いてもよい。 本発明の原料が良好に溶解する有機溶媒を用 いることが 工業的観点から好ましく、 上記の水混和性有機溶媒の中でも、 メタノール、 エタノール、 プロパノール、 イソプロパノール、 アセトン、 テトラヒド ロフラン、 ジオキサン又はこれらの 2種以上の混合溶媒が好ましく、 アセト ンとメタノールの混合溶媒がより好ましい。

[0047] 有機溶媒と水の混合溶媒を反応溶媒として用 いる場合、 水混和性有機溶媒 と水の混合溶媒が好ましく、 メタノール、 エタノール、 プロパノール、 イソプロパノール、 アセトン、 テトラヒドロフラン、 ジオキサン又はこれら の 2種以上の混合溶媒と水との混合溶媒がより ましく、 メタノール又はア 〇 2020/175420 14 卩(:171? 2020 /007286

セトンと水の混合溶媒がさらに好ましい。 また、 後述する反応時の塩基条件 を安定的に調整するという観点においては、 水またはメタノールを 1 0体積 %以上含む溶媒であることが好ましい。 有機溶媒と水の混合溶媒における水 の割合は特に限定されないが、 通常は 9 0体積%以下であり、 8 0体積%以 下であることが好ましく、 7 0体積%以下であることがより好ましく、 5 0 体積%以下であることがさらに好ましく、 1 0〜 8 0体積%であることがよ りさらに好ましく、 1 〇〜 5 0体積%であることが特に好ましい。

[0048] [塩基条件]

本発明の 前記反応 溶媒中で前記カルボン酸エステルを 1 ~ 1 8 . 5以上 1 3未満の塩基条件に供 する。 ここでいう 1 ~ 1は一般的に用いられる 1 ~ 1メーターで測定される値で ある。 本 1 ~ 1条件での反応により、 /3 -不飽和カルボン酸エステルの選 択性を高めることができる。 好ましい 1 ~ 1条件は 1 ~ 1 1 0 . 0以上 1 2 . 5 未満である。

[0049] 塩基条件を準備するのに用いる塩基は、 反応溶液の 1 ~ 1を調整することが できれば特に限定されないが、 無機塩基又は有機塩基を用いることができる

[0050] 無機塩基としては、 水酸化物、 炭酸塩、 水素化塩を挙げることができる。

より具体的には水酸化リチウム、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 水酸 化カルシウム、 水酸化マグネシウム、 水酸化アンモニウム、 炭酸水素ナトリ ウム、 炭酸水素カリウム、 炭酸水素アンモニウム、 炭酸ナトリウム、 炭酸力 リウム、 炭酸アンモニウム、 水素化リチウム、 水素化ナトリウムや水素化力 リウムが挙げられる。 なかでも水酸化リチウム、 水酸化ナトリウム、 水酸化 カリウム、 水酸化カルシウム、 水酸化マグネシウム、 水酸化アンモニウム、 炭酸水素ナトリウム、 炭酸水素カリウム、 炭酸水素アンモニウム、 炭酸ナト リウム、 炭酸カリウム、 炭酸アンモニウムや水素化ナトリウムが好ま しく、 水酸化リチウム、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 炭酸水素ナトリウム 、 炭酸水素カリウム、 炭酸ナトリウムや炭酸カリウムがさらに好ま しい。 〇 2020/175420 15 卩(:171? 2020 /007286

[0051 ] 有機塩基としては、 アルコキシド塩基、 アンモニウム塩やアミン系塩基を 挙げることができる。 具体的には、 ナトリウムメ トキシド、 ナトリウムエト キシド、 ナトリウムー门 _プロパノラート、 ナトリウム _ 2—プロパノラー 卜、 ナトリウムー ㊀ 「 1:—ブトキシド、 ナトリウムフエノキシド、 カリウ ムメ トキシド、 カリウムエトキシド、 カリウムー门 _プロパノラート、 カリ ウムー 2 -プロパノラート、 カリウムー I 6 「 I -ブトキシド、 水酸化テト ラメチルアンモニウム、 水酸化テトラブチルアンモニウム、 水酸化トリメチ ルエタノールアンモニウム、 トリエチルアミン、 1\1 , 1\1 _ジイソプロピルエ チルアミン、 ピリジン、 アニリン、 イミダゾール、 ベンゾイミダゾール、 ヒ スチジン、 グアニジン、 ピぺリジン、 ピロリジン、 モルホリン、 ジアザビシ クロウンデセンやジアザビシクロノネンが挙 げられる。 なかでもナトリウム メ トキシド、 ナトリウムエトキシド、 ナトリウムー门 _プロパノラート、 ナ トリウムー 2 -プロパノラート、 ナトリウムー 1 6 「 1 -ブトキシド、 カリ ウムメ トキシド、 カリウムエトキシド、 カリウムー n _プロパノラート、 力 リウムー 2 -プロパノラート、 カリウムー I 6 「 I -ブトキシド、 水酸化テ トラブチルアンモニウム、 トリエチルアミン、 1\1 , 1\1 _ジイソプロピルエチ ルアミン、 ピリジン、 イミダゾール、 ヒスチジン、 グアニジン、 ジアザビシ クロウンデセンやジアザビシクロノネンが好 ましく、 ナトリウムメ トキシド 、 ナトリウムエトキシド、 ナトリウムー t & r t—ブトキシド、 カリウムメ トキシド、 カリウムエトキシド、 カリウムー ㊀ 「 1: _ブトキシド、 トリエ チルアミン、 1\1 , 1\1—ジイソプロピルエチルアミン、 ピリジン、 ジアザビシ クロウンデセンやジアザビシクロノネンがさ らに好ましい。

[0052] 塩基条件を準備するために用いる塩基は、 上記記載の塩基を単一で用いて も、 複数の塩基を混合物として用いてもよい。

[0053] 塩基条件を準備するために反応溶液あるいは 反応溶媒に添加する塩基の量 は、 反応溶液の 1 ~ 1が 8 . 5以上 1 3未満の塩基条件に保たれる量であれば 特に限定されない。

[0054] 反応溶液の ! !の調整は、 原料を添加する前に反応溶媒の ! !を調整する 〇 2020/175420 16 卩(:171? 2020 /007286

ことにより実施してもよいし、 原料を反応溶媒に添加してから実施してもよ い。 一般式 (丨) 又は (丨 丨) で示されるカルボン酸ェステルから 13 - 不飽和ジカルボン酸ェステルへの変換が進行 するにともない、 反応溶液の 1 ~ 1が下がる場合には、 反応溶液の 1 ~ 1を適当な塩基条件に維持するため、 反 応中に塩基を適宜追加してもよい。

[0055] [反応温度]

本発明において、

応温度は特に限定されないが、 〇 ° 〇以上 2 0 0 ° 〇以下が好ましく、 より好ま しくは 1 0 °0以上 1 0 0 °0以下であり、 さらに好ましくは 1 5 °0以上 8 0 °0 以下である。

[0056] [反応圧力]

本発明において

圧力は、 特に限定されないが、 〇. 以下が好ま しく、 特に減圧又は加圧用の装置や操作が不要な大 気圧下において行うのが 簡便である。

[0057] [ a , /3 -不飽和ジカルボン酸モノェステルのェステ 化]

本発明において得られる -不飽和ジカルボン酸ェステルが、 例えば 、 式 (丨 丨 丨 一 1) ~ (丨 丨 丨 一9) に示されるような 不飽和ジカ ルボン酸モノェステルである場合、 さらにェステル化反応に供することによ り -不飽和ジカルボン酸ジェステルに変換でき 。 ェステル化する方 法は特に制限されないが、 例えば酸触媒とアルコール溶媒を用いたェス テル 化反応が挙げられる。 ここで用いる酸触媒は、 特に限定されないが、 硫酸や 塩酸などの鉱酸や、 シリカや強酸性樹脂などの固体酸が挙げられ る。 その他 のカルボン酸のェステル化方法は、 縮合剤を用いたアルコールとカルボン酸 の脱水縮合、 三フッ化ホウ素メタノール錯体などのルイス 酸触媒を用いたア ルコールとカルボン酸の脱水縮合、 金属アルコキシドを用いた塩基条件での 製造方法や、 ジアゾメタンやハロゲン化アルキルなどのア ルキル化試薬を用 いる方法などが挙げられる。 〇 2020/175420 17 卩(:171? 2020 /007286

[0058] [反応形式]

本発明の /3—不飽和ジカルボン酸ェステルの製造方法 、 バッチ式槽 型反応器、 半バッチ式槽型反応器、 連続式槽型反応器、 連続式管型反応器の いずれの反応器を用いる形式でも実施するこ とができる。

[0059] [a, /3 -不飽和ジカルボン酸ェステルの回収]

本発明で得られる 反応終了後に 濾過による固液分離、 晶析、 抽出、 蒸留、 吸着など通常の分離精製操作によ り回収することができる。

実施例

[0060] 以下、 実施例を用いて本発明をより詳細に説明する が、 本発明は以下の実 施例に限定されるものではない。 なお、 参考例、 実施例、 比較例における反 応成績は下記の式によって定義する。

[0061] 原料転化率 (%) = ( (供給原料 (〇!〇 I) —未反応原料 (〇!〇 I) ) / 供給原料 ( 〇 I) X 1 00。

[0062] 生成物選択率 (%) =生成物の生成量 ( 〇 I) / (供給原料

—未反応原料 (111〇 I) ) X 1 00。

[0063] 反応溶液は、 高速液体クロマトグラフィー により分析した。

生成物の定量は標品を用いて作成した絶対検 量線により行った。 1 ~ 1 1_〇の 分析条件を以下に示す。

[0064] [1 ~ 1 1_(3分析条件]

^ 9 L <3装置: 1^〇111 丨 (株式会社島津製作所社製)

社製)

移動相: 〇. 1重量%リン酸水溶液/ァセトニトリル =95/5 (体積比、

1 0分保持) ®80/20 (グラジェント 1 0分) ®30/70 (グラジェ ント 6分) ® 95 / 5 (グラジェント 3分、 1 1分保持)

検出器: II V (2 1 0 n ) 〇 2020/175420 18 卩(:171? 2020 /007286

カラム温度: 40°〇。

[0065] 反応溶液及び反応溶媒の 1 ~ 1は以下の方法に従って分析した。

[0066] [反応溶液及び反応溶媒の 1 ~ 1分析方法]

1 ~ 1メーター _52 (株式会社堀場製作所 製)

校正に使用した標準液: 1 ~ 17 (中性リン酸塩、 25 °〇で 1 ~ 16. 86) 、 1 ~ 14 (フタル酸塩、 25°〇で 1 ~ 14. 01) 、 1 ~ 19 (ホウ酸塩、 25 °〇 で 9. 1 8)

校正方法: !! 7標準液をゼロ点とし、 続いて ! ~ 14標準液と ! ~ 19標準液 で 3点校正。

[0067] 以下に示す参考例 1から 5で使用した 3 -ヒドロキシアジピン酸、 3 -ヒ ドロキシアジピン酸一 3, 6 -ラクトンと《 -ヒドロムコン酸は、 国際公開 第 201 6/0681 08号明細書に記載の方法で製造した。

[0068] (参考例 1) 3 -ヒドロキシアジピン酸ジメチル (丨 一 1) の準備

実施例にて原料及び !! 1_(3分析の標品として使用した 3—ヒドロキシア ジピン酸ジメチルは化学合成により準備した 。 3 -ヒドロキシアジピン酸 1 〇. 09 (〇. 06〇1〇 1) に超脱水メタノール 1 00〇! 1_ (富士フイルム 和光純薬株式会社製) を加え、 攪拌しながら濃硫酸 5滴 (富士フイルム和光 純薬株式会社製) を添加し、 70 ° ◦で 5時間還流した。 反応終了後、 ロータ リーエバポレーターで濃縮後、 シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキ サン:酢酸エチル =4 : 1) で分離精製することで、 純粋な 3—ヒドロキシ アジピン酸ジメチル 5. 69を得た (収率 49%) 。 得られた 3 -ヒドロキ シアジピン酸ジメチルの IV! スペクトルは以下の通り。

[0069] 1 1 ~ 1- 1\/^ (4001\/11 ~ 12、 000 I 3 ) : 5 1. 6 1 - 1. 84 (〇1、

21 ~ 1) 、 52. 42-2. 56 (〇1、 41 ~ 1) 、 53. 1 0 ( 、 8 3. 69 (3、 31 ~ 1) 、 53. 72 (3、 31 ~ 1) , 54. 02-4. 07 ( 〇1、 1 1-1) 〇

[0070] (参考例 2) 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3, 6 -ラクトンメチルエステ 〇 2020/175420 19 卩(:171? 2020 /007286

ル ( I I — 1) の準備

実施例 ·比較例にて原料及び !! !_ <3分析の標品に使用した 3—ヒドロキ シアジピン酸一 3, 6 -ラクトンメチルエステルは化学合成により 備した 。 3 -ヒドロキシアジピン酸 1 0. 09 (0. 06〇1〇 1) に超脱水メタノ —ル 1 00 !_ (富士フイルム和光純薬株式会社製) を加え、 攪拌しながら 濃硫酸 5滴 (富士フイルム和光純薬株式会社製) を添加し、 70 ° 〇で 5時間 還流した。 反応終了後、 口ータリーエバポレーターで濃縮後、 シリカゲルカ ラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル =4 : 1) で分離精製する ことで、 純粋な 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3, 6 -ラクトンメチルエステ ル 5. 49を得た (収率 48%) 。 得られた 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3 , 6—ラクトンメチルエステルの 1\/|[¾スぺクトルは以下の通り。

21 ~ 1) , 52. 66 ( 、 52. 85 ( 、 53. 7 3 、 31 ~ 1) 、 54. 87 -4. 94 (〇1、 1 1 ~ 1) 0

[0072] (參考例 3) <¾—ヒドロムコン酸モノメチル ( I I I — 1) の準備

実施例にて原料及び !! 1_(3分析の標品に使用した《_ヒドロムコン モ ノメチルは化学合成により準備した。 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3, 6- ラクトンメチルエステル (丨 丨 一 1) 50〇19 (〇. 35〇1111〇 丨) をメタ ノール 4. 5 1_に溶解し、 〇. 5 IV!の炭酸水素ナトリウム水溶液 0.

1-を加え、 70 ° 〇で 8時間還流した。 反応終了後、 口ータリーエバポレータ 一で濃縮した。 濃縮液を水 1 0 1_に溶かし、

、 酢酸エチルで抽出した。 回収した有機溶媒を硫酸ナトリウムで脱水し 、 口 —タリーエバポレーターで濃縮し、 純粋な《 -ヒドロムコン酸モノメチル 4 7 9を得た (収率 94%) 。 得られた《 -ヒドロムコン酸モノメチルの スぺクトルは以下の通り。

[0073] 1 1 ~ 1- 1\/^ (4001\/11 ~ 12、 000 I 3 ) : 52. 47 、 41 ~ 1) 、 5

3. 66 (3、 31 ~ 1) 、 55. 81 56. 9 1 ^ 1:、 1 1 ~ 1 〇 2020/175420 20 卩(:171? 2020 /007286

) 、 5 1 〇. 65 、 1 。

[0074] (参考例 4) « -ヒドロムコン酸ジメチル ( I I 1 - 1 0) の準備

実施例にて 1 ~ 1 !_〇分析の標品に使用した《 -ヒドロムコン酸ジメチルは 化学合成により準備した。 《 -ヒドロムコン酸 1 9 (6. 9〇1〇1〇 I) をメ タノール 1 0 !_ (富士フイルム和光純薬株式会社製) に溶かし、 濃硫酸 2 滴 (富士フイルム和光純薬株式会社製) を添加し、 70 ° 〇で 6時間還流した 。 反応終了後、 口ータリーエバポレーターで濃縮し、 シリカゲルカラムクロ マトグラフイー (ヘキサン:酢酸エチル =7 : 3) で精製することで、 純粋 な《 -ヒドロムコン酸ジメチル〇. 99を得た (収率 75%) 。 得られた《 -ヒドロムコン酸ジメチルの 1\/|[¾スぺクトルは以下の通り。

[0075] 1 1 ~ 1- 1\/^ (4001\/11 ~ 12、 000 I 3 ) : 52. 46-2. 57 (〇1、

41 ~ 1) 、 53. 69 (3、 31 ~ 1) 、 53. 73 (3、 31 ~ 1) 、 55. 86 ( 1 、 56. 95 1:、 1 。

[0076] (参考例 5) 3 -ヒドロキシアジピン酸からの 3 -ヒドロキシアジピン酸 ジメチル ( 1 - 1) と 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3, 6 -ラクトンメチル エステル (丨 丨 一 1) の製造

内容量 25 1_のナス型フラスコ (丨 八 丨、 八〇〇テクノグラス株式 会社製) に、 3 -ヒドロキシアジピン酸 1 とメタノール 9 1_ (富士 フイルム和光純薬株式会社製) を用いて、 触媒に 1 IV!硫酸水溶液 1 〇! 1_ (ナ カライテスク株式会社製) を添加した。 反応液を 300 「 で攪拌しなが ら 5時間還流した後、 反応溶液を回収した。 反応溶液〇. 1 1_を〇. 9^ 1_の水で希釈し、 〇. 22 フイルターで濾過した後、 により分 析した。 3 -ヒドロキシアジピン酸ジメチルの収率 49%、 3 -ヒドロキシ アジピン酸一 3, 6 -ラクトンメチルエステルの収率 42%。

[0077] (参考例 6) 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3, 6 -ラクトンからの 3 -ヒ ドロキシアジピン酸ジメチル (丨 一 1) と 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3,

6 -ラクトンメチルエステル (丨 丨 一 1) の製造

原料として、 3 -ヒドロキシアジピン酸の代わりに 3 -ヒドロキシアジピ 〇 2020/175420 21 卩(:171? 2020 /007286

ン酸一 3, 6 -ラクトン 1 0 9 を使用した以外は参考例 5と同様に反応を 行った。 3 -ヒドロキシアジピン酸ジメチルの収率 45%、 3 -ヒドロキシ アジピン酸一 3, 6 -ラクトンメチルエステルの収率 5 1 %。

[0078] (実施例 1) 3 -ヒドロキシアジピン酸ジメチル (丨 一 1) を原料とする

« -ヒドロムコン酸モノメチル ( I I 丨 一 1) の製造

内容量 2 1_のガラス製バイアル瓶 (ラボラン製) に、 3 -ヒドロキシア ジピン酸ジメチル 1 〇! 9とメタノール〇. 9〇! 1_を用いて、 〇. 1 IV!炭酸水 素ナトリウム水溶液〇. 1 !_を添加した。 0. 1 IV!炭酸水素ナトリウム水 溶液は、 炭酸水素ナトリウム〇. 84 9 (ナカライテスク株式会社製) を水 1 00 1_に溶かしたものを使用した。 室温下、 300 「 で攪拌しなが ら、 1 6時間反応させた後、 反応溶液を回収した。 反応時の反応溶液の 1 ~ 1 は 1 1. 9〜 1 2. 1だった。 反応後の反応溶液〇. 1 1_を〇. 9 1_の 水で希釈し、 〇. 22 フィルターで濾過した後、 により分析し た。 結果を表 1 に示す。

[0079] (実施例 2) 3 -ヒドロキシアジピン酸ジメチル (丨 一 1) と 3 -ヒドロ キシアジピン酸一 3, 6 -ラクトンメチルエステル (丨 丨 一 1) の混合物を 原料化合物とする《 -ヒドロムコン酸モノメチル (丨 丨 丨 一 1) の製造 原料に、 3 -ヒドロキシアジピン酸ジメチル〇. と 3 -ヒドロキシ アジピン酸一 3, 6 -ラクトンメチルエステル〇. 5 9を使用した以外は 実施例 1 と同様に反応を行った。 反応時の反応溶液の 1 ~ 1は 1 1. 9〜 1 2 . 0だった。 結果を表 1 に示す。

[0080] (実施例 3) 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3, 6 -ラクトンメチルエステ ル (丨 丨 一 1) を原料化合物とする《 -ヒドロムコン酸モノメチル (丨 I I - 1) の製造

原料に、 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3, 6 -ラクトンメチルエステル 1 . 〇 9を使用した以外は実施例 1 と同様に反応を行った。 反応時の反応溶 液の 1 ~ 1は 1 1. 3だった。 結果を表 1 に示す。

[0081] (実施例 4) 〇 2020/175420 22 卩(:171? 2020 /007286

0. 1 IV!炭酸水素ナトリウム水溶液の代わりに〇. 1 IV!水酸化ナトリウム 水溶液 0. 1 !_を添加した以外は実施例 3と同様に反応を行った。 0. 1 IV!水酸化ナトリウム水溶液は、 1 IV!水酸化ナトリウム水溶液 (ナカライテス ク株式会社製) を水で 1 0倍希釈したものを使用した。 反応時の反応溶液の 1 ~ 1は 1 2. 〇〜 1 2. 2だった。 結果を表 1 に示す。

[0082] (実施例 5)

0. 1 IV!炭酸水素ナトリウム水溶液の代わりに〇. 5 IV!水酸化ナトリウム 水溶液 0. 1 !_を添加した以外は実施例 3と同様に反応を行った。 0. 5 IV!水酸化ナトリウム水溶液は、 1 IV!水酸化ナトリウム水溶液 (ナカライテス ク株式会社製) を水で 2倍希釈したものを使用した。 反応時の反応溶液の 1 ~ 1は 1 2. 8〜 1 2. 9だった。 結果を表 1 に示す。

[0083] (実施例 6)

0. 1 IV!炭酸水素ナトリウム水溶液の代わりに〇. 01 IV!炭酸水素ナトリ ウム水溶液〇. 1 !_を添加した以外は実施例 3と同様に反応を行った。 0 . 01 IV!炭酸水素ナトリウム水溶液は、 炭酸水素ナトリウム 84 9 (ナカ ライテスク株式会社製) を水 1 00〇!!_に溶かしたものを使用した。 反応時 の反応溶液の 1 ~ 1は 8. 6〜 1 1. 0だった。 結果を表 1 に示す。

[0084] (実施例 7)

反応溶媒に超脱水メタノール (富士フイルム和光純薬株式会社製) 〇. 9 1_を用いて、 触媒に〇. 1 IV!水酸化ナトリウム · メタノール溶液 0. 1- (超脱水メタノール 1 0 1_に水酸化ナトリウム を溶かした溶液

) を添加した以外は実施例 3と同様に反応を行った。 反応時の反応溶液の 1 ~ 1は 1 2. 3〜 1 2. 5だった。 結果を表 1 に示す。

[0085] (実施例 8)

メタノール〇. 9 1_の代わりに、 メタノール〇. 5〇11_と水〇. 4 mL の混合溶媒を用いた以外は実施例 4と同様に反応を行った。 反応時の反応溶 液の 1 ~ 1は 1 1. 〇〜 1 2. 2だった。 結果を表 1 に示す。

[0086] (実施例 9) 〇 2020/175420 23 卩(:171? 2020 /007286

メタノール〇. 9011_の代わりに、 メタノール〇. 3〇11_と水〇. 6〇11_ の混合溶媒を用いた以外は実施例 4と同様に反応を行った。 反応時の反応溶 液の 1 ~ 1は 1 0. 5〜 1 2. 3だった。 結果を表 1 に示す。

[0087] (実施例 1 0)

メタノール〇. 9〇11_の代わりに、 メタノール〇. 1 〇11_と水〇. 8〇11_ の混合溶媒を用いた以外は実施例 4と同様に反応を行った。 反応時の反応溶 液の 1-1は 9. 2〜 1 2. 2だった。 結果を表 1 に示す。

[0088] (実施例 1 1)

メタノール〇. 9 1_の代わりに、 アセトン〇. 5〇11_と水〇. 4〇11_の 混合溶媒を用いた以外は実施例 3と同様に反応を行った。 反応時の反応溶液 の 1 ~ 1は 1 0. 3〜 1 0. 6だった。 結果を表 1 に示す。

[0089] (実施例 1 2)

超脱水メタノール〇. アセトン 0. 5 1_と超脱水メ タノール〇. 4 1_の混合溶媒を用いた以外は実施例 7と同様に反応を行っ た。 反応時の反応溶液の 1 ~ 1は 1 2. 5〜 1 2. 9だった。 結果を表 1 に示 す。

[0090] (比較例 1)

トリウム水溶液〇. 1 1_ (ナカライテスク株式会社製) を添加した以外は 実施例 4と同様に反応を行った。 反応時の反応溶液の 1 ~ 1は 1 3. 〇〜 1 3 . 3だった。 結果を表 1 に示す。

[0091] (比較例 2)

水素ナトリウム水溶液 0. 1 1_を添加した以外は実施例 3と同様に反応を 行った。 〇. 1 IV!炭酸水素ナトリウム水溶液は、 炭酸水素ナトリウム 84 (ナカライテスク株式会社製) を水 1 00 !_に溶かしたものを水で 1

00倍希釈して使用した。 反応時の反応溶液の 1 ~ 1は 7. 6~8. 0だった 。 結果を表 1 に示す。 〇 2020/175420 24 卩(:171? 2020 /007286

[0092] (比較例 3)

メタノール〇. 9〇! 1_の代わりに、 アセトン〇. 5〇11_と水〇. 4〇11_の 混合溶媒を用いた以外は実施例 4と同様に反応を行った。 反応時の反応溶液 の ! ~ 1は 1 4. 〇〜 1 4. 2だった。 結果を表 1 に示す。

[0093]

\¥02020/175420 25 卩(:17 2020 /007286

[表 1]

【表 1】

: (X -ヒドロムコン酸モノメチル ( I I I - 1)、 H M A : «—ヒドロムコン酸、 3 八 : 3 -ヒドロキシアジピン酸ジメチル ( I - 1)、 3㈠八 し巳 : 3—ヒドロキシアジピン酸一 3, 6—ラクトンメチルエステル (丨 I 一 1)、 3 H A : 3 -ヒドロキシアジピン酸

〇 2020/175420 27 卩(:171? 2020 /007286

[0094] 実施例 1〜 1 2から、 一般式 ( I) 又は ( I I) で示されるカルボン酸ェ ステルあるいはその混合物を、 有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶媒中、 1 ~ 18. 5以上 1 3未満の塩基条件に供することにより、 一般式 (丨 丨 丨) で 示される

された。 なお、 実施例 1 0では 3 -ヒドロキシアジピン酸への選択性が高い 結果であつたが、 後述の実施例 1 4のとおり 3 -ヒドロキシアジピン酸は容 易に -不飽和ジカルボン酸ェステルに変換できる とから、 実質的に した。 また、 実 施例 1 1から、 メタノール以外の有機溶媒と水の混合溶媒中 でも同様の結果 が得られ、 実施例 1 2から、 複数の有機溶媒の混合溶媒中でも /3_不飽 和ジカルボン酸ェステルを選択的に製造でき ることが示された。

[0095] —方、 比較例 1〜 3から、 反応溶液の 1 ~ 1が 1 3以上、 あるいは 8. 5未 満の場合、 比 較例 3では《 , -不飽和ジカルボン酸ェステルが得られない とが示され た。

[0096] (実施例 1 3) « -ヒドロムコン酸モノメチル ( I I 1 - 1) からの《_ ヒドロムコン酸ジメチル ( I I 1 - 1 0) の製造

内容量 2 1_のガラスバイアル瓶 (ラボラン製) に、 《 -ヒドロムコン酸 モノメチル 1 9とメタノール〇. 9〇11_ (富士フイルム和光純薬株式会社 製) を用いて、 触媒に 1 IV!硫酸水溶液〇. 1 1_ (ナカライテスク株式会社 製) を添加した。 反応液を 300 「 で攪拌しながら 6時間還流した後、 反応溶液を回収した。 反応溶液〇. 1 〇11_を〇. 9〇11_の水で希釈し、 〇.

22 フイルターで濾過した後、 により分析した。 《 -ヒドロム コン酸ジメチルの収率 94%。

[0097] 本実施例から、 本発明により製造することができる —不飽和ジカル ボン酸モノェステルをェステル化することに より、 /3 -不飽和ジカルボ ン酸ジェステルを製造できることが示された 。

[0098] (実施例 1 4) 3 -ヒドロキシアジピン酸を原料とする《 -ヒドロムコン 〇 2020/175420 28 卩(:171? 2020 /007286

酸ジメチル (丨 丨 丨 _ 1 0) の製造

内容量 25011_のナス型フラスコ (丨 八 丨、 八〇〇テクノグラス株式 会社製) に、 3 -ヒドロキシアジピン酸 とメタノール 9 1_ (富 士フイルム和光純薬株式会社製) を用いて、 濃硫酸 1滴を添加し、 300 「 で攪拌しながら 3時間還流した。 得られた 3 -ヒドロキシアジピン酸ジ メチル ( 1 - 1) ドロキシアジピン酸一 3, 6 -ラクトン メチルエステル (丨 丨 一 1) を含むメタノール溶液 5

IV!炭酸水素ナトリウム水溶液 1 1_を添加した。 0. 5 IV!炭酸水素ナトリウ ム水溶液は、 炭酸水素ナトリウム〇. 42 9 (ナカライテスク株式会社製) を水 1 0 1_に溶かしたものを使用した。 反応時の反応溶液の 1 ~ 1は 1 1. 〇〜 1 2. 5であった。 反応液を 300 「 で攪拌しながら 3時間還流し た。 得られた《 -ヒドロムコン酸モノメチル (丨 丨 丨 一 1) を含む 反応溶液を、 常温に戻して濃硫酸を 1 〇滴添加し、 反応液の 1 ~ 1を 1以下に 調整し、 300 「 で攪拌しながら、 常温で 72時間反応させた。 反応溶 液 0. 1 〇11_を0. 9 1_の水で希釈し、 0. 22 フイルターで濾過し た後、 により分析した。 《 -ヒドロムコン酸ジメチルの収率 68%

[0099] (実施例 1 5) 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3, 6 -ラクトンを原料とす る《 -ヒドロムコン酸ジメチル (丨 丨 丨 一 1 0) の製造

3 -ヒドロキシアジピン酸の代わりに 3 -ヒドロキシアジピン酸一 3 , 6 —ラクトンを原料に用いた以外は、 実施例 1 4と同様に反応を行った。 «- ヒドロムコン酸ジメチルの収率 70%。

[0100] (実施例 1 6) « -ヒドロムコン酸ジメチル ( I I 1 - 1 0) の回収 実施例 1 4で得た《 -ヒドロムコン酸ジメチルを含む溶液を口ー リーエ バポレーターで濃縮後、 圧力 800 3 下、 80°〇で減圧蒸留し、 純粋な《 -ヒドロムコン酸ジメチルを 59 9得た。 蒸留収率 82 %。

[0101] 実施例 1 4及び 1 5から、 化学合成、 微生物発酵のいずれの手法によって も生産することが可能である 3 -ヒドロキシアジピン酸、 あるいは 3 -ヒド 〇 2020/175420 29 卩(:171? 2020 /007286

ロキシアジピン酸の酸処理により容易に製 造できる 3—ヒドロキシアジピン 酸一 3, 6 -ラクトンのエステル化により 3 -ヒドロキシアジピン酸ジメチ ル (丨 _ 1) と 3—ヒドロキシアジピン酸一 3, 6—ラクトンメチルエステ ル (丨 丨 _ 1) の混合物を生成させ、 続いて、 これらを 1 ~ 18. 5以上 1 3 未満の塩基条件に供することにより<¾—ヒ ロムコン酸モノメチル ( I I I - 1) を生成させ、 更に《 -ヒドロムコン酸モノメチルをエステル化す こ とで、 《 -ヒドロムコン酸ジメチル (丨 丨 丨 一 1 0) が製造できることが示 された。 さらに実施例 1 6から、 《 -ヒドロムコン酸ジメチル (丨 丨 丨 一 1 〇) が蒸留により回収可能であることが示された 。