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Title:
METHOD FOR SR-TI-O-BASE FILM FORMATION AND RECORDING MEDIUM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041219
Kind Code:
A1
Abstract:
A film is formed so that the atomic ratio of Sr to Ti, i.e., Sr/Ti, in the film is not less than 1.2 and not more than 3. The film is then annealed in an atmosphere containing not less than 0.001% and not more than 80% of O2 at 500°C or above. An SrO film forming step and a TiO film forming step are repeated a plurality of times so that a sequence, in which a plurality of SrO film forming steps or/and a plurality of TiO film forming steps are performed continuously, is included. When Sr is oxidized after the adsorption of Sr, O3 and H2O are used as an oxidizing agent.

Inventors:
KAWANO YUMIKO (JP)
ARIMA SUSUMU (JP)
KAKIMOTO AKINOBU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065706
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOKYO ELECTRON LTD (JP)
KAWANO YUMIKO (JP)
ARIMA SUSUMU (JP)
KAKIMOTO AKINOBU (JP)
International Classes:
H01L21/316; C23C16/40; H01L21/8242; H01L27/108
Foreign References:
JP2002525426A2002-08-13
JP2003059921A2003-02-28
Attorney, Agent or Firm:
TAKAYAMA, Hiroshi (1-7-20 HirakawachoChiyoda-k, Tokyo 93, JP)
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Claims:
 基板上にSr-Ti-O系膜を成膜するSr-Ti-O系膜の成膜方法であって、
 処理容器内に基板を配置することと、
 基板を加熱することと、
 基板を加熱したまま、膜中のSrとTiの比率Sr/Tiが原子数比で1.2以上3以下になるように、前記処理容器内に気体状のTi原料、気体状のSr原料、および気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入して基板上にSr-Ti-O系膜を成膜することと、
 成膜後の基板を0.001%以上80%以下のO 2 を含有する雰囲気中、500℃以上でアニールすることと
を含むSr-Ti-O系膜の成膜方法。
 膜中のSrとTiの比率Sr/Tiが原子数比で1.4以上1.9以下になるようにして成膜する、請求項1に記載のSr-Ti-O系膜の成膜方法。
 前記Sr-Ti-O系膜の成膜の際に、
 気体状のSr原料を前記処理容器内に導入して基板上にSrを吸着させることと、気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入してSrを酸化させることと、これらの後に処理容器内をパージすることとを含むSrO膜成膜段階と、
 気体状のTi原料を前記処理容器内に導入して基板上にTiを吸着させることと、気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入してTi膜を酸化させることと、これらの後に処理容器内をパージすることとを含むTiO膜成膜段階とを
複数回ずつ行う、請求項1に記載のSr-Ti-O系膜の成膜方法。
 前記SrO膜成膜段階と前記TiO膜成膜段階とを、前記SrO膜成膜段階同士が複数回続けて行われるようなシーケンスを含むようにして複数回行う、請求項3に記載のSr-Ti-O系膜の成膜方法。
 基板上にSr-Ti-O系膜を成膜するSr-Ti-O系膜の成膜方法であって、
 処理容器内に基板を配置することと、
 基板を加熱することと、
 基板を加熱したまま、前記処理容器内に気体状のTi原料、気体状のSr原料、および気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入して基板上にSr-Ti-O系膜を成膜することと
を含み、
 前記Sr-Ti-O系膜の成膜の際に、
 気体状のSr原料を前記処理容器内に導入して基板上にSrを吸着させることと、気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入してSrを酸化させることと、これらの後に処理容器内をパージすることとを含むSrO膜成膜段階と、
 気体状のTi原料を前記処理容器内に導入して基板上にTiを吸着させることと、気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入してTi膜を酸化させることと、これらの後に前記処理容器内をパージすることとを含むTiO膜成膜段階とを、
 SrO膜成膜段階同士またはTiO膜成膜段階同士またはこれら両方が複数回続けて行われるようなシーケンスを含むようにして複数回ずつ行う、Sr-Ti-O系膜の成膜方法。
 前記SrO膜成膜段階を複数回行った後、前記TiO膜成膜段階を複数回行うセットを複数回繰り返す、請求項5に記載のSr-Ti-O系膜の成膜方法。
 前記SrO膜成膜段階を2回行った後、前記TiO膜成膜段階を2回行うセットを複数回繰り返す、請求項6に記載のSr-Ti-O系膜の成膜方法。
 基板上にSr-Ti-O系膜を成膜するSr-Ti-O系膜の成膜方法であって、
 処理容器内に基板を配置することと、
 基板を加熱することと、
 基板を加熱したまま、前記処理容器内に気体状のTi原料、気体状のSr原料、および気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入して基板上にSr-Ti-O系膜を成膜することと
を含み、
 前記Sr-Ti-O系膜の成膜の際に、
 気体状のSr原料を前記処理容器内に導入して基板上にSrを吸着させることと、気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入してSrを酸化させることと、これらの後に処理容器内をパージすることとを含むSrO膜成膜段階と、
 気体状のTi原料を前記処理容器内に導入して基板上にTiを吸着させることと、気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入してTi膜を酸化させることと、これらの後に処理容器内をパージすることとを含むTiO膜成膜段階と
を複数ずつ回行い、
 前記酸化剤としてO 3 およびH 2 Oを用いる、Sr-Ti-O系膜の成膜方法。
 前記Sr原料は、シクロペンタジエニル基を有するSr化合物である、請求項8に記載のSr-Ti-O系膜の成膜方法。
 前記シクロペンタジエニル基を有するSr化合物は、Sr(C 5 (CH 3 ) 5 ) 2 である、請求項9に記載のSr-Ti-O系膜の成膜方法。
 前記酸化剤のうちH 2 OがSrとシクロペンタジエニル基とを切断する機能を有し、O 3 がSrOを形成する機能を有する、請求項9に記載のSr-Ti-O系膜の成膜方法。
 コンピュータ上で動作し、成膜装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、
 前記制御プログラムは、実行時に、
 基板上にSr-Ti-O系膜を成膜するSr-Ti-O系膜の成膜方法であって、
 処理容器内に基板を配置することと、
 基板を加熱することと、
 基板を加熱したまま、膜中のSrとTiの比率Sr/Tiが原子数比で1.2以上3以下になるように、前記処理容器内に気体状のTi原料、気体状のSr原料、および気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入して基板上にSr-Ti-O系膜を成膜することと、
 成膜後の基板を0.001%以上80%以下のO 2 を含有する雰囲気中、500℃以上でアニールすることと
を含むSr-Ti-O系膜の成膜方法
が行われるように、コンピュータに前記成膜装置を制御させる記憶媒体。
 コンピュータ上で動作し、成膜装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、
 前記制御プログラムは、実行時に、
 基板上にSr-Ti-O系膜を成膜するSr-Ti-O系膜の成膜方法であって、
 処理容器内に基板を配置することと、
 基板を加熱することと、
 基板を加熱したまま、前記処理容器内に気体状のTi原料、気体状のSr原料、および気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入して基板上にSr-Ti-O系膜を成膜することと
を含み、
 前記Sr-Ti-O系膜の成膜の際に、
 気体状のSr原料を前記処理容器内に導入して基板上にSrを吸着させることと、気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入してSrを酸化させることと、これらの後に処理容器内をパージすることとを含むSrO膜成膜段階と、
 気体状のTi原料を前記処理容器内に導入して基板上にTiを吸着させることと、気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入してTi膜を酸化させることと、これらの後に前記処理容器内をパージすることとを含むTiO膜成膜段階とを、
 SrO膜成膜段階同士またはTiO膜成膜段階同士またはこれら両方が複数回続けて行われるようなシーケンスを含むようにして複数回ずつ行う、Sr-Ti-O系膜の成膜方法
が行われるように、コンピュータに前記成膜装置を制御させる記憶媒体。
 コンピュータ上で動作し、成膜装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、
 前記制御プログラムは、実行時に、
 基板上にSr-Ti-O系膜を成膜するSr-Ti-O系膜の成膜方法であって、
 処理容器内に基板を配置することと、
 基板を加熱することと、
 基板を加熱したまま、前記処理容器内に気体状のTi原料、気体状のSr原料、および気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入して基板上にSr-Ti-O系膜を成膜することと
を含み、
 前記Sr-Ti-O系膜の成膜の際に、
 気体状のSr原料を前記処理容器内に導入して基板上にSrを吸着させることと、気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入してSrを酸化させることと、これらの後に処理容器内をパージすることとを含むSrO膜成膜段階と、
 気体状のTi原料を前記処理容器内に導入して基板上にTiを吸着させることと、気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入してTi膜を酸化させることと、これらの後に処理容器内をパージすることとを含むTiO膜成膜段階と
を複数ずつ回行い、
 前記酸化剤としてO 3 およびH 2 Oを用いる、Sr-Ti-O系膜の成膜方法
が行われるように、コンピュータに前記成膜装置を制御させる記憶媒体。
Description:
Sr-Ti-O系膜の成膜方法および記憶 媒体

 本発明は、SrTiO 3 膜等のSr-Ti-O系膜を成膜するSr-Ti-O膜の成膜方 および記憶媒体に関する。

 半導体デバイスにおいては、集積回路の高 積化が益々進んでおり、DRAMにおいてもメモ リセルの面積を小さくし、かつ記憶容量を大 きくすることが要求されている。この要求に 対して、MIM(金属-絶縁体-金属)構造のキャパ タが注目されている。このようなMIM構造の ャパシタとしては、絶縁膜(誘電体膜)として チタン酸ストロンチウム(SrTiO 3 )等の高誘電率材料が用いられている。

 DRAMキャパシタ用のSrTiO 3 膜の成膜方法として、従来、有機Sr原料と、 機Ti原料を用い、酸化剤としてO 3 ガス等を用いて、ALD法により成膜する方法が 多用されている(例えば、J.H.Leeら “Plasma enh anced atomic layer deposition of SrTiO 3  thin films with Sr(tmhd) 2  and Ti(i-OPr) 4 ” J. Vac. Scl. Technol. A20(5), Sep/Oct 2002)。

 しかしながら、このような手法で薄い膜 成膜しようとする場合、Sr:Ti=1:1の化学量論 成においても基板の種類によっては成膜後 アニールしても結晶化しにくいという問題 ある。Sr-Ti-O系材料は非晶質状態では誘電率 が低いため、結晶化していることが望まれる 。

 一方、ALD法においては、Sr原料-パージ-酸 化剤-パージを行ってSrOを成膜する段階と、Ti 原料-パージ-酸化剤-パージを行ってTiOを成膜 する段階とを交互に繰り返すことにより成膜 を行うが、この手法では、原料の組み合わせ によっては、吸着阻害等が生じ、成膜後の組 成が所望の組成にならない場合がある。

 さらに、ALD法では各原料および酸化剤の供 時間は、膜厚が飽和する時間に設定される 、酸化剤としてO 3 を用いた場合には、Sr原料として用いる有機S r化合物の種類によっては、飽和点に至るま に長時間かかり、飽和したときの1サイクル たりの膜厚が0.3~0.4nmと非常に厚くなって、 望のSrOを成膜することができないことがあ という問題がある。

 本発明の目的は、安定してSrTiO 3 結晶を晶出させることができるSr-Ti-O系膜の 膜方法を提供することにある。
 本発明の他の目的は、SrとTiを所望の比率に することが可能なSr-Ti-O系膜の成膜方法を提 することにある。
 本発明のさらに他の目的は、酸化剤が迅速 供給飽和点に到達することができ、所望のS rOを形成して良好なSr-Ti-O系膜を得ることがで きるSr-Ti-O系膜の成膜方法を提供することに る。
 本発明の別の目的は、これらの方法を実行 せるプログラムが記憶された記憶媒体を提 することにある。

 本発明の第1の観点によれば、基板上にSr-Ti- O系膜を成膜するSr-Ti-O系膜の成膜方法であっ 、処理容器内に基板を配置することと、基 を加熱することと、基板を加熱したまま、 中のSrとTiの比率Sr/Tiが原子数比で1.2以上3以 下になるように、前記処理容器内に気体状の Ti原料、気体状のSr原料、および気体状の酸 剤を前記処理容器内に導入して基板上にSr-Ti -O系膜を成膜することと、成膜後の基板を0.00 1%以上80%以下のO 2 を含有する雰囲気中、500℃以上でアニールす ることとを含むSr-Ti-O系膜の成膜方法が提供 れる。

 上記第1の観点において、膜中のSrとTiの 率Sr/Tiが原子数比で1.4以上1.9以下になるよう にして成膜することが好ましい。また、前記 Sr-Ti-O系膜の成膜の際に、気体状のSr原料を前 記処理容器内に導入して基板上にSrを吸着さ ることと、気体状の酸化剤を前記処理容器 に導入してSrを酸化させることと、これら 後に処理容器内をパージすることとを含むSr O膜成膜段階と、気体状のTi原料を前記処理容 器内に導入して基板上にTiを吸着させること 、気体状の酸化剤を前記処理容器内に導入 てTi膜を酸化させることと、これらの後に 理容器内をパージすることとを含むTiO膜成 段階とを複数回ずつ行うようにすることが きる。さらに、前記SrO膜成膜段階と前記TiO 成膜段階とを、前記SrO膜成膜段階同士が複 回続けて行われるようなシーケンスを含む うにして複数回行うようにすることができ 。

 本発明の第2の観点では、基板上にSr-Ti-O 膜を成膜するSr-Ti-O系膜の成膜方法であって 処理容器内に基板を配置することと、基板 加熱することと、基板を加熱したまま、前 処理容器内に気体状のTi原料、気体状のSr原 料、および気体状の酸化剤を前記処理容器内 に導入して基板上にSr-Ti-O系膜を成膜するこ とを含み、前記Sr-Ti-O系膜の成膜の際に、気 状のSr原料を前記処理容器内に導入して基 上にSrを吸着させることと、気体状の酸化剤 を前記処理容器内に導入してSrを酸化させる とと、これらの後に処理容器内をパージす こととを含むSrO膜成膜段階と、気体状のTi 料を前記処理容器内に導入して基板上にTiを 吸着させることと、気体状の酸化剤を前記処 理容器内に導入してTi膜を酸化させることと これらの後に前記処理容器内をパージする ととを含むTiO膜成膜段階とを、SrO膜成膜段 同士またはTiO膜成膜段階同士またはこれら 方が複数回続けて行われるようなシーケン を含むようにして複数回ずつ行う、Sr-Ti-O系 膜の成膜方法が提供される。

 上記第2の観点において、前記SrO膜成膜段 階を複数回行った後、前記TiO膜成膜段階を複 数回行うセットを複数回繰り返すようにする ことができ、例えば、前記SrO膜成膜段階を2 行った後、前記TiO膜成膜段階を2回行うセッ を複数回繰り返すようにすることができる

 本発明の第3の観点によれば、基板上にSr-Ti- O系膜を成膜するSr-Ti-O系膜の成膜方法であっ 、処理容器内に基板を配置することと、基 を加熱することと、基板を加熱したまま、 記処理容器内に気体状のTi原料、気体状のSr 原料、および気体状の酸化剤を前記処理容器 内に導入して基板上にSr-Ti-O系膜を成膜する とと
を含み、前記Sr-Ti-O系膜の成膜の際に、気体 のSr原料を前記処理容器内に導入して基板上 にSrを吸着させることと、気体状の酸化剤を 記処理容器内に導入してSrを酸化させるこ と、これらの後に処理容器内をパージする ととを含むSrO膜成膜段階と、気体状のTi原料 を前記処理容器内に導入して基板上にTiを吸 させることと、気体状の酸化剤を前記処理 器内に導入してTi膜を酸化させることと、 れらの後に処理容器内をパージすることと 含むTiO膜成膜段階とを複数ずつ回行い、前 酸化剤としてO 3 およびH 2 Oを用いる、Sr-Ti-O系膜の成膜方法が提供され 。

 上記第3の観点において、前記Sr原料として シクロペンタジエニル基を有するSr化合物 典型的にはSr(C 5 (CH 3 ) 5 ) 2 を用いることができる。この場合に、前記酸 化剤のうちH 2 OがSrとシクロペンタジエニル基とを切断する 機能を有し、O 3 がSrOを形成する機能を有するものとすること ができる。

 本発明の第4の観点によれば、コンピュータ 上で動作し、成膜装置を制御するためのプロ グラムが記憶された記憶媒体であって、前記 制御プログラムは、実行時に、基板上にSr-Ti- O系膜を成膜するSr-Ti-O系膜の成膜方法であっ 、処理容器内に基板を配置することと、  板を加熱することと、基板を加熱したまま 膜中のSrとTiの比率Sr/Tiが原子数比で1.2以上3 下になるように、前記処理容器内に気体状 Ti原料、気体状のSr原料、および気体状の酸 化剤を前記処理容器内に導入して基板上にSr- Ti-O系膜を成膜することと、 成膜後の基板を 0.001%以上80%以下のO 2 を含有する雰囲気中、500℃以上でアニールす ることとを含むSr-Ti-O系膜の成膜方法が行わ るように、コンピュータに前記成膜装置を 御させる記憶媒体が提供される。

 本発明の第5の観点によれば、コンピュー タ上で動作し、成膜装置を制御するためのプ ログラムが記憶された記憶媒体であって、前 記制御プログラムは、実行時に、基板上にSr- Ti-O系膜を成膜するSr-Ti-O系膜の成膜方法であ て、処理容器内に基板を配置することと、 基板を加熱することと、基板を加熱したま 、前記処理容器内に気体状のTi原料、気体状 のSr原料、および気体状の酸化剤を前記処理 器内に導入して基板上にSr-Ti-O系膜を成膜す ることとを含み、前記Sr-Ti-O系膜の成膜の際 、気体状のSr原料を前記処理容器内に導入し て基板上にSrを吸着させることと、気体状の 化剤を前記処理容器内に導入してSrを酸化 せることと、これらの後に処理容器内をパ ジすることとを含むSrO膜成膜段階と、気体 のTi原料を前記処理容器内に導入して基板上 にTiを吸着させることと、気体状の酸化剤を 記処理容器内に導入してTi膜を酸化させる とと、これらの後に前記処理容器内をパー することとを含むTiO膜成膜段階とを、 SrO膜 成膜段階同士またはTiO膜成膜段階同士または これら両方が複数回続けて行われるようなシ ーケンスを含むようにして複数回ずつ行う、 Sr-Ti-O系膜の成膜方法が行われるように、コ ピュータに前記成膜装置を制御させる記憶 体が提供される。

 本発明の第6の観点によれば、コンピュータ 上で動作し、成膜装置を制御するためのプロ グラムが記憶された記憶媒体であって、前記 制御プログラムは、実行時に、基板上にSr-Ti- O系膜を成膜するSr-Ti-O系膜の成膜方法であっ 、処理容器内に基板を配置することと、  板を加熱することと、基板を加熱したまま 前記処理容器内に気体状のTi原料、気体状の Sr原料、および気体状の酸化剤を前記処理容 内に導入して基板上にSr-Ti-O系膜を成膜する こととを含み、前記Sr-Ti-O系膜の成膜の際に 気体状のSr原料を前記処理容器内に導入して 基板上にSrを吸着させることと、気体状の酸 剤を前記処理容器内に導入してSrを酸化さ ることと、これらの後に処理容器内をパー することとを含むSrO膜成膜段階と、気体状 Ti原料を前記処理容器内に導入して基板上に Tiを吸着させることと、気体状の酸化剤を前 処理容器内に導入してTi膜を酸化させるこ と、これらの後に処理容器内をパージする ととを含むTiO膜成膜段階とを複数ずつ回行 、前記酸化剤としてO 3 およびH 2 Oを用いる、Sr-Ti-O系膜の成膜方法が行われる うに、コンピュータに前記成膜装置を制御 せる記憶媒体が提供される。

 本発明によれば、膜中のSrとTiの比率Sr/Tiが 子数比で1.2以上3以下になるようにして成膜 した後、0.001%以上80%以下のO 2 を含有する雰囲気中、500℃以上でアニールす ることにより、7~20nmといった薄い膜でも安定 してSrTiO 3 結晶を晶出させることができる。すなわち、 Srリッチ組成で成膜後、O 2 存在下でアニールすることにより、Tiが表面 移動してSrTiO 3 結晶を形成するので、薄い膜であっても結晶 化させることができる。

 また、本発明によれば、SrO膜成膜段階と TiO膜成膜段階とを、SrO膜成膜段階同士また TiO膜成膜段階同士またはこれら両方が複数 続けて行われるようなシーケンスを含むよ にして複数回行うので、原料の組み合わせ して吸着阻害が生じるような場合であって 、同じ成膜段階同士を繰り返している間は のような吸着阻害を避けることができ、所 の組成のSr-Ti-O系膜を得ることができる。

 さらに、本発明によれば、SrO膜成膜段階と TiO膜成膜段階とを複数回行ってSr-Ti-O系膜を 得る際に、酸化剤としてO 3 およびH 2 Oを用いるので、酸化剤を速く飽和させるこ ができ、所望のSrOを形成して良好なSr-Ti-O系 を得ることができる。すなわち、酸化剤と てO 3 のみを用い、Sr原料として特定の有機Sr化合 、例えばSr(C 5 (CH 3 ) 5 ) 2 を用いた場合には、Sr原料として用いる有機S r化合物の有機部分の結合をばらばらに切断 た後にSrOを形成するように作用するので、 断が飽和するまでに時間がかかっていたが H 2 Oを併用することにより、H 2 Oが有機部分の結合をあまり切断せずに、主 Srと有機部分との切断に寄与するので早期に 飽和する。そして、その後O 3 を作用させることにより所望のSrOを形成する ことができる。なお、酸化剤としてH 2 Oのみを用いるとSr(OH) 2 が形成されて好ましくない結果をもたらすが 、H 2 Oの後にO 3 を作用させることにより、良好なSrOを得るこ とができる。

本発明に係るSr-Ti-O系膜の成膜方法の実 施に用いることができる成膜装置の概略構成 を示す断面図。 同一プロセスで5nmのSr-Ti-O系膜をSi基板 、およびRu(50nm)/TiN(30nm)/Si上に成膜し、アニ ルしたときのX線回折パターンを示す図。 製造条件を調整して成膜されたSr/Tiが0. 7、1.1、2.4の3種類のSr-Ti-O系膜のX線回折パタ ンを示す図。 Sr/Tiが2.4になるようにして成膜したSr-Ti-O系膜 にO 2 濃度が10%の雰囲気でアニールした場合とO 2 濃度が10ppmよりも低い雰囲気でアニールした 合とについてSr-Ti-O系膜のX線回折パターン 比較して示す図。 ALD法による成膜のシーケンスを示す図 ALDの手法でSr-Ti-O系膜を成膜した場合の シーケンスと膜厚およびSr/Tiの組成比を示す 。 ステップ1~4のSrO膜成膜段階を2回繰り返 し、引き続きステップ5~8のTiO膜成膜段階を2 繰り返し、このセットを20回繰り返してSr-Ti- O系膜した場合のシーケンスと膜厚およびSr/Ti の組成比を示す図。 ステップ1~4のSrO膜成膜段階を2回繰り返 し、引き続きステップ5~8のTiO膜成膜段階を3 繰り返し、このセットを20回繰り返してSr-Ti- O系膜した場合のシーケンスと膜厚およびSr/Ti の組成比を示す図。 Sr原料およびTi原料のドーズ時間とSrO膜 およびTiO膜単膜の膜厚との関係を示す図。 O 3 ドーズ時間とSrO膜およびTiO膜単膜の膜厚との 関係を示す図。 引ききりパージを行った場合のパージ 時間とSrO膜およびTiO膜単膜の膜厚との関係を 示す図。 引ききりパージも加味したO 3 ドーズ時間とSrO膜およびTiO膜単膜の膜厚との 関係を示す図。 本発明の第3の実施形態における成膜 ーケンスを示す図。 処理ガス供給機構の他の例を示す図。

 以下、添付図面を参照して本発明の実施形 について図を参照して説明する。
 図1は、本発明に係るSr-Ti-O系膜の成膜方法 実施に用いることができる成膜装置の概略 成を示す断面図である。図1に示す成膜装置1 00は、例えばアルミニウムなどにより円筒状 るいは箱状に成形された処理容器1を有して おり、処理容器1内には、被処理基板である 導体ウエハWが載置される載置台3が設けられ ている。載置台3は厚さ1mm程度の例えばカー ン素材、窒化アルミニウムなどのアルミニ ム化合物等により構成される。

 載置台3の外周側には、処理容器1底部よ 起立させた円筒体状の例えばアルミニウム りなる区画壁13が形成されており、その上端 を例えばL字状に水平方向へ屈曲させて屈曲 14を形成している。このように、円筒体状の 区画壁13を設けることにより、載置台3の裏面 側に不活性ガスパージ室15が形成される。屈 部14の上面は、載置台3の上面と実質的に同 の平面上にあり、載置台3の外周から離間し ており、この間隙に連結棒12が挿通されてい 。載置台3は、区画壁13の上部内壁より延び 3本(図示例では2本のみ記す)の支持アーム4 より支持されている。

 載置台3の下方には、複数本、例えば3本 L字状のリフタピン5(図示例では2本のみ記す) がリング状の支持部材6から上方に突出する うに設けられている。支持部材6は、処理容 1の底部から貫通して設けられた昇降ロッド 7により昇降可能となっており、昇降ロッド7 処理容器1の下方に位置するアクチュエータ 10により上下動される。載置台3のリフタピン 5に対応する部分には載置台3を貫通して挿通 8が設けられており、アクチュエータ10によ 昇降ロッド7および支持部材6を介してリフ ピン5を上昇させることにより、リフタピン5 をこの挿通穴8に挿通させて半導体ウエハWを ち上げることが可能となっている。昇降ロ ド7の処理容器1への挿入部分はベローズ9で われており、その挿入部分から処理容器1内 に外気が侵入することを防止している。

 載置台3の周縁部には、半導体ウエハWの 縁部を保持してこれを載置台3側へ固定する め、例えば円板状の半導体ウエハWの輪郭形 状に沿った略リング状の例えば窒化アルミニ ウムなどのセラミック製のクランプリング部 材11が設けられている。クランプリング部材1 1は、連結棒12を介して上記支持部材6に連結 れており、リフタピン5と一体的に昇降する うになっている。リフタピン5や連結棒12等 アルミナなどのセラミックスにより形成さ る。

 リング状のクランプリング部材11の内周 の下面には、周方向に沿って略等間隔で配 された複数の接触突起16が形成されており、 クランプ時には、接触突起16の下端面が、半 体ウエハWの周縁部の上面と当接してこれを 押圧するようになっている。なお、接触突起 16の直径は1mm程度であり、高さは略50μm程度 あり、クランプ時にはこの部分にリング状 第1ガスパージ用間隙17を形成する。なお、 ランプ時の半導体ウエハWの周縁部とクラン リング部材11の内周側とのオーバラップ量( 1ガスパージ用間隙17の流路長さ)L1は数mm程 である。

 クランプリング部材11の周縁部は、区画 13の上端屈曲部14の上方に位置され、ここに ング状の第2ガスパージ用間隙18が形成され 。第2ガスパージ用間隙18の幅は、例えば500 m程度であり、第1ガスパージ用間隙17の幅よ も10倍程大きい幅とされる。クランプリン 部材11の周縁部と屈曲部14とのオーバラップ (第2ガスパージ用間隙18の流路長さ)は、例 ば略10mm程度である。これにより、不活性ガ パージ室15内の不活性ガスは、両間隙17、18 ら処理空間側へ流出できるようになってい 。

 処理容器1の底部には、上記不活性ガスパ ージ室15に不活性ガスを供給する不活性ガス 給機構19が設けられている。このガス供給 構19は、不活性ガス例えばArガスを不活性ガ パージ室15に導入するためのガスノズル20と 、不活性ガスとしてのArガスを供給するため Arガス供給源21と、Arガス供給源21からガス ズル20にArガスを導くガス配管22とを有して る。また、ガス配管22には、流量制御器とし てのマスフローコントローラ23および開閉バ ブ24,25が設けられている。不活性ガスとし Arガスに替えてHeガス等を用いてもよい。

 処理容器1の底部の載置台3の直下位置に 、石英等の熱線透過材料よりなる透過窓30が 気密に設けられており、この下方には、透過 窓30を囲むように箱状の加熱室31が設けられ いる。この加熱室31内には、加熱手段として 複数個の加熱ランプ32が、反射鏡も兼ねる回 台33に取り付けられている。回転台33は、回 転軸を介して加熱室31の底部に設けられた回 モータ34により回転される。したがって、 熱ランプ32より放出された熱線が透過窓30を 過して載置台3の下面を照射してこれを加熱 する。

 また、処理容器1底部の周縁部には、排気 口36が設けられ、排気口36には図示しない真 ポンプに接続された排気管37が接続されてい る。そして、この排気口36および排気管37を して排気することにより処理容器1内を所定 真空度に維持し得るようになっている。ま 、処理容器1の側壁には、半導体ウエハWを 入出する搬入出口39と、搬入出口39を開閉す ゲートバルブ38が設けられる。

 一方、載置台3と対向する処理容器1の天井 には、ソースガスなどを処理容器1内へ導入 るためシャワーヘッド40が設けられている シャワーヘッド40は、例えばアルミニウム等 により構成され、内部に空間41aを有する円盤 状をなす本体41を有している。本体41の天井 にはガス導入口42が設けられている。ガス導 入口42には、SrTiO 3 膜のようなSr-Ti-O系膜の成膜に必要な処理ガ を供給する処理ガス供給機構50がその配管51 よって接続されている。ヘッド本体41の底 には、ヘッド本体41内へ供給されたガスを処 理容器1内の処理空間へ放出するための多数 ガス噴射孔43が全面に亘って配置されており 、半導体ウエハWの全面にガスを放出するよ になっている。また、ヘッド本体41内の空間 41aには、多数のガス分散孔45を有する拡散板4 4が配設されており、半導体ウエハWの表面に より均等にガスを供給可能となっている。 らに、処理容器1の側壁内およびシャワーヘ ッド40の側壁内およびガス噴射孔43の配置さ たウエハ対向面内には、それぞれ温度調整 ためのカートリッジヒータ46,47が設けられて おり、ガスとも接触する側壁やシャワーヘッ ド部を所定の温度に保持できるようになって いる。

 処理ガス供給機構50は、Sr原料を貯留する Sr原料貯留部52と、Ti原料を貯留するTi原料貯 部53と、酸化剤を供給する酸化剤供給源54と 、処理容器1内のガスを希釈するためのアル ンガス等の希釈ガスを供給する希釈ガス供 源55とを有している。

 シャワーヘッド40に接続されている配管51 には、Sr原料貯留部52から延びる配管56、Ti原 貯留部53から延びる配管57、酸化剤供給源54 ら延びる配管58が接続されており、配管51に は上記希釈ガス供給源55が接続されている。 管51には、流量制御器としてのマスフロー ントローラ(MFC)60とその前後の開閉バルブ61,6 2が設けられている。また、配管58には、流量 制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)6 3とその前後の開閉バルブ64,65が設けられてい る。

 Sr原料貯留部52には、Ar等のバブリングの めのキャリアガスを供給するキャリアガス 給源66が配管67を介して接続されている。配 管67には、流量制御器としてのマスフローコ トローラ(MFC)68とその前後の開閉バルブ69,70 設けられている。また、Ti原料貯留部53にも 、Ar等のキャリアガスを供給するキャリアガ 供給源71が配管72を介して接続されている。 配管72には、流量制御器としてのマスフロー ントローラ(MFC)73とその前後の開閉バルブ74, 75が設けられている。Sr原料貯留部52、Ti原料 留部53には、それぞれヒータ76、77が設けら ている。そして、Sr原料貯留部52に貯留され たSr原料およびTi原料貯留部53に貯留されたTi 料は、これらヒータ76、77で加熱された状態 で、バブリングにより処理容器1に供給され ようになっている。なお、図示してはいな が、Sr原料やTi原料を気化した状態で供給す 配管にもヒータが設けられている。

 処理容器1の側壁上部には、クリーニングガ スであるNF 3 ガスを導入するクリーニングガス導入部81が けられている。このクリーニングガス導入 81にはNF 3 ガスを供給する配管82が接続されており、こ 配管82にはリモートプラズマ発生部83が設け られている。そして、このリモートプラズマ 発生部83において配管82を介して供給されたNF 3 ガスがプラズマ化され、これが処理容器1内 供給されることにより処理容器1内がクリー ングされる。なお、リモートプラズマ発生 をシャワーヘッド40の直上に設け、クリー ングガスをシャワーヘッド40を介して供給す るようにしてもよい。また、NF 3 の代わりにF 2 を用いてもよいし、リモートプラズマを使用 せず、ClF 3 等によるプラズマレスの熱クリーニングを行 うようにしてもよい。

 成膜装置100はマイクロプロセッサ(コンピ ュータ)からなるプロセスコントローラ90を有 しており、成膜装置100の各構成部がこのプロ セスコントローラ90に接続されて制御される 成となっている。また、プロセスコントロ ラ90には、オペレータが成膜装置100の各構 部を管理するためにコマンドの入力操作な を行うキーボードや、成膜装置100の各構成 の稼働状況を可視化して表示するディスプ イ等からなるユーザーインターフェース91が 接続されている。さらに、プロセスコントロ ーラ90には、成膜装置100で実行される各種処 をプロセスコントローラ90の制御にて実現 るための制御プログラムや、処理条件に応 て成膜装置100の各構成部に所定の処理を実 させるための制御プログラムすなわち処理 シピや、各種データベース等が格納された 憶部92が接続されている。処理レシピは記憶 部92の中の記憶媒体に記憶されている。記憶 体は、ハードディスク等の固定的に設けら ているものであってもよいし、CDROM、DVD、 ラッシュメモリ等の可搬性のものであって よい。また、他の装置から、例えば専用回 を介して処理レシピを適宜伝送させるよう してもよい。

 そして、必要に応じて、ユーザーインタ フェース91からの指示等にて任意の処理レ ピを記憶部92から呼び出してプロセスコント ローラ90に実行させることで、プロセスコン ローラ90の制御下で、成膜装置100での所望 処理が行われる。

 次に、以上のように構成された成膜装置を いて行われる成膜処理方法の実施形態につ て説明する。
 <第1の実施形態>
 第1の実施形態においては、まず、ゲートバ ルブ38を開にして搬入出口39から、半導体ウ ハWを処理容器1内に搬入し、載置台3上に載 する。載置台3はあらかじめ加熱ランプ32に り放出され透過窓30を透過した熱線により加 熱されており、その熱により半導体ウエハW 加熱する。そして、希釈ガス供給源55から希 釈ガスとして例えばArガスを100~800mL/sec(sccm)の 流量で供給しつつ、図示しない真空ポンプに より排気口36および排気管37を介して処理容 1内を排気することにより処理容器1内の圧力 を39~665Pa程度に真空排気する。この際の半導 ウエハWの加熱温度は、例えば200~400℃に設 される。

 そして、希釈用ガス、例えばArガスの流 を100~500mL/sec(sccm)としつつ、処理容器1内の圧 力を成膜圧力である6~266Paに制御し、実際の 膜を開始する。なお、処理容器1内の圧力調 は、排気管37に設けられた自動圧力制御器(A PC)によりなされる。

 本実施形態では、実際の成膜に際して、処 容器1内にSr原料を供給する工程(ステップ1) 処理容器1内をパージする工程(ステップ2)、 処理容器1内に酸化剤を供給してSr原料を分解 するとともに酸化する工程(ステップ3)、処理 容器1内をパージする工程(ステップ4)により いSrO膜を形成するSrO膜成膜段階と、処理容 1内にTi原料を供給する工程(ステップ5)、処 容器1内をパージして余分なTi原料を除去す 工程(ステップ6)、処理容器1内に酸化剤を供 してTi原料を分解するとともに酸化する工 (ステップ7)、処理容器1内をパージして余分 酸化剤を除去する工程(ステップ8)により薄 TiO膜を形成するTiO膜成膜段階を複数回行っ 、その後アニールすることによりSr-Ti-O系膜 を成膜するが、その際の成膜条件を制御して 、膜中のSrとTiの比率Sr/Tiが原子数比で1.2以上 3以下になるようにし、成膜後のアニールを0. 001%以上80%以下のO 2 を含有する雰囲気中、500℃以上の条件で行う 。なお、上記TiO膜成膜段階においては、実際 には膜中の酸素量が変動してTiOx(xは1~2)とな が、便宜上、「TiO膜」と表記する。

 使用する基板の表面の状態等によっては、S r-Ti-O系の薄い膜を成膜する際に、化学量論組 成で成膜しても結晶化しない場合がある。例 えば、基板表面がRuの場合には、比較的結晶 しやすいが、SiやTiNなどの金属窒化物膜、Al 2 O 3 、ZrO 2 などのアモルファス酸化物膜の上では結晶化 しにくい。図2に同一プロセスで5nmのSr-Ti-O系 をSi基板上、およびRu(50nm)/TiN(30nm)/Si、すな ちSi基板上に30nmのTiN膜を成膜し、さらにそ 上に50nmのRu膜を成膜した構造体の上に成膜 、O 2 含有量0.001%未満のN 2 雰囲気において600℃、120minの条件でアニール したときのX線回折パターンを示す。XRF(蛍光X 線法)により測定されたSi上膜のSr/Ti比は1.35で あった。図2によれば、Si上のSr-Ti-O系膜には 晶化を示唆するSrTiO 3 のピークが見えないが、Ru上のSr-Ti-O系膜では 32.5度付近に、SrTiO 3 (110)のピークが得られており、Sr-Ti-O系膜はRu のほうが結晶化しやすいことがわかる。し し、本発明のような手法を採用することに り、基板表面がSiやTiNなどSr-Ti-O系膜が結晶 しにくいような材料であっても、また7~20nm いった薄い膜でも安定してSrTiO 3 結晶を晶出させることができる。すなわち、 特定のSrリッチ組成で成膜後、O 2 存在下でアニールすることにより、Tiが表面 移動してSrTiO 3 結晶を形成するので、薄い膜であっても結晶 化させることができる。

 ここで、Sr/Tiが原子数比で1.2未満である 、表面のTiが多くなりすぎて、膜の表面にお いて結晶化が生じ難くなり、3を超えるとTiの 絶対量が少なくなりすぎてやはり結晶化が生 じ難くなる。Sr/Tiのより好ましい範囲は1.4以 1.9以下である。

 図3は、製造条件を調整してSi基板上に成膜 れ、XRFにより測定されたところのSr/Tiが0.7 1.1、2.4の3種類のSr-Ti-O系膜のX線回折パター を示す図である。なお、これらの膜につい は成膜後、O 2 濃度10%の雰囲気にて600℃でアニールした。こ の図に示すように、Sr/Tiが上記範囲を満たす2 .4の膜については、SrTiO 3 結晶を示すピークが存在し、SrTiO 3 の結晶が晶出していることが確認された。こ れに対して、Sr/Tiが上記範囲から外れる0.7、1 .1の膜については明確なピークが存在せず、 が結晶化していないことが確認された。な 、Sr/Tiが0.7、1.1、2.4の3種類のSr-Ti-O系膜の膜 厚は、それぞれ5.5nm、6.6nm、8.2nmであった。

 成膜後のアニールの際の雰囲気中のO 2 含有量を0.001%以上80%以下としたのは、0.001%未 満であると、膜中の酸素が不足してSrTiO 3 結晶が生じ難くなり、80%を超えると酸素が多 すぎてSr-Ti-O系膜の下地となるRu、TiN、Siなど 著しく酸化させるためである。また、温度 500℃以上としたのは、結晶化に必要な熱エ ルギーを与えるためである。

 図4は、Sr/TiがXRFにより測定して2.4になるよ にしてSi上に成膜したSr-Ti-O系膜にO 2 濃度が10%の雰囲気でアニールした場合とO 2 濃度が3ppmよりも低い雰囲気でアニールした 合とについてSr-Ti-O系膜のX線回折パターンを 比較して示す図である。この図に示すように 、O 2 濃度が10%の雰囲気ではSrTiO 3 結晶を示すピークが存在し、SrTiO 3 の結晶が晶出していることが確認された。こ れに対して、O 2 濃度が3ppmよりも低い雰囲気では明確なピー が存在せず、膜が結晶化していないことが 認された。

 次に、具体的な製造条件について説明する
 成膜の際にSr/Tiを適切な値にするためには Sr原料、Ti原料、酸化剤の選定、流量、供給 間、シーケンスの少なくとも1つを調整する ことが挙げられる。

 シーケンスに関しては、典型的には図5に 示すような、SrO膜成膜段階とTiO膜成膜段階と を交互に繰り返すALDの手法が採られる。ただ し、本実施形態ではSrリッチ組成を形成する 要があるので、上記SrO膜成膜段階を連続し 複数回繰り返すようにすることも有効であ 。

 ステップ1においては、Sr原料は、ヒータ76 より150~230℃程度に加熱されたSr原料貯留部52 からバブリングによりSr原料をシャワーヘッ 40を介して処理容器1内に供給される。Sr原 としては、従来この種の原料として用いら ている有機Sr化合物を用いることができ、例 えばSr(DPM) 2 やSr(C 5 (CH 3 ) 5 ) 2 等を好適に用いることができる。これらの中 では、蒸気圧が低く、取り扱いが容易なSr(C 5 (CH 3 ) 5 ) 2 を好適に用いることができる。Sr原料を供給 るに際しては、希釈ガス供給源55から希釈 スとして、例えばArガスを100~500mL/min(sccm)程 の流量で流し、キャリアガス供給源66からキ ャリアガスとして、例えばArガスを50~500mL/min( sccm)程度の流量で流す。また、Sr原料の供給( テップ1)は、例えば0.1~20sec程度の期間行う

 ステップ3のSr原料を酸化する工程において 酸化剤は、酸化剤供給源54からシャワーヘ ド40を介して処理容器1内に供給される。こ により、半導体ウエハWの表面に吸着されて るSr原料が分解されるとともに酸化され、Sr O膜が成膜される。酸化剤の供給(ステップ3) 際しては、希釈ガス供給源55から希釈ガス、 例えばArガスを100~500mL/min(sccm)程度流した状態 で、例えば0.1~20sec程度の期間行う。酸化剤と しては、O 3 ガス、O 2 ガス、H 2 OやO 2 ガスのプラズマを好適に用いることができる 。酸化剤としてO 3 ガスを用いる場合には、酸化剤供給源54とし オゾナイザーを用いて、50~200g/Nm 3 程度の流量で供給する。この際にO 2 ガスを併用することができ、その際のO 2 ガスの流量は100~1000mL/min(sccm)程度である。酸 剤としてH 2 Oを用いる場合には、その流量は2~50mL/min(sccm) 度とすることが好ましい。

 ステップ5においては、Ti原料は、ヒータ77 より加熱されたTi原料貯留部53からバブリン によりTi原料をシャワーヘッド40を介して処 理容器1内に供給される。Ti原料としては、Ti( OiPr) 4 やTi(OiPr) 2 (DPM) 2 等を好適に用いることができる。この場合に 、Ti原料貯留部53の加熱温度は、Ti(OiPr) 4 では50~70℃程度、Ti(OiPr) 2 (DPM) 2 では150~230℃程度とされる。Ti原料を供給する に際しては、希釈ガス供給源55から希釈ガス して、例えばArガスを100~500mL/min(sccm)程度の 量で流し、キャリアガス供給源71からキャ アガスとして、例えばArガスを100~500mL/min(sccm )程度の流量で流す。また、Ti原料の供給(ス ップ5)は、例えば0.1~20sec程度の期間行う。

 Ti原料供給後の酸化工程(ステップ7)は、 テップ3と同様の条件で、希釈ガス供給源55 ら希釈ガスを流した状態で、酸化剤供給源54 から酸化剤をシャワーヘッド40を介して処理 器1内に供給する。これにより、Ti原料が分 されるとともに酸化され、TiO膜が形成され 。

 ステップ2、4、6、8のパージ工程において は、従前のSr原料ガス、Ti原料ガス、または 化剤の供給を停止して、希釈ガス供給源55か らの希釈ガス、例えばArガスを処理容器内に 給することにより行うことができる。この に、ガス流量は200~1000mL/min(sccm)程度とする また、ガスを流さずに引ききりとしてもよ 。この工程は、例えば0.1~20sec程度の期間行 。

 ステップ1~4のSrO膜成膜段階とステップ5~8 TiO成膜段階を、20回以上、例えば100回繰り してSr/Tiが原子数比で1.2以上3以下になるよ なSr-Ti-O系膜を所定の厚さで成膜する。

 このように膜を形成した後、酸化剤供給源5 4から例えばO 2 ガスを所定流量で供給して、膜を確実に酸化 させた後、全てのガスを停止し、処理容器内 を真空引きし、その後、搬送アームにより処 理容器1内の半導体ウエハWを搬出する。

 その後、半導体ウエハWに対し、上述のよう な条件のO 2 雰囲気でのアニールを行う。アニールは、RTA (Rapid Thermal Anneal)や通常の加熱炉を用いて行 うことができる。

 以上のシーケンスにおけるバルブやマス ローコントローラ等の制御は、記憶部92に 憶されているレシピに基づいてプロセスコ トローラ90により行われる。

 次に、本実施形態に基づいて実際に成膜し 実施例について示す。
 上記図1の装置において、ランプパワーを調 節して、載置台の温度を成膜温度である320℃ に設定し、搬送ロボットのアームを用いて処 理容器内に200mmSiウエハを搬入し、Sr-Ti-O系膜 成膜した。Sr原料としてはSr(C 5 (CH 3 ) 5 ) 2 を用い、これを160℃に加熱した容器に保持し 、Arガスをキャリアガスとしてバブリング法 処理容器に供給した。Ti原料としてはTi(OiPr) 4 を用い、これを45℃に加熱した容器に保持し 同様にArガスをキャリアガスとしてバブリ グ法で処理容器に供給した。また、酸化剤 しては、O 2 ガスを500mL/min(sccm)、N 2 ガスを0.5mL/min(sccm)をオゾナイザーに通すこと によって生成された180g/m 3 の濃度のO 3 を用いた。

 そして、Siウエハをアームにより載置台 設置した後、希釈Arガスを300mL/min(sccm)の流量 で30secフローさせつつ133Pa(1Torr)の圧力でSiウ ハを成膜温度に昇温後、上述のステップ1~8 より成膜を行った。なお、ウエハ温度は290 とした。

 ステップ1のSr原料供給工程は、キャリアA rガスの流量を50mL/min(sccm)、希釈Arガスの流量 200mL/min(sccm)とし、処理容器1の圧力制御機構 を全開として排気する状態として10secの期間 い、ステップ2のパージでは、引ききり状態 (ガスを通流せずに処理容器1の圧力制御機構 全開として排気する状態)として10secの期間 った。

 ステップ3のSr原料の酸化工程は、酸化剤と て上記O 3 ガスを用い、処理容器1の圧力制御機構を全 として排気する状態として10secの期間行った 。ステップ4のパージは引ききり状態として10 secの期間行った。

 ステップ5のTi原料供給工程は、キャリアA rガスの流量を200mL/min(sccm)、希釈Arガスの流量 を200mL/min(sccm)とし、処理容器1の圧力制御機 を全開として排気する状態として10secの期間 行い、ステップ6のパージは、ステップ2と同 、引ききり状態として10secの期間行った。

 ステップ7のTi原料の酸化工程とステップ8 のパージは、ステップ3およびステップ4と全 同様の条件で行った。

 ステップ1~8をとおして、処理容器1の圧力 制御機構を全開としているが、処理容器内の 圧力は、通流されるガスの有無、流量により 異なり、一例としてステップ1は0.36Torr、ステ ップ2、4、6、8は0Torr、ステップ3は0.52Torr、ス テップ5は0.39Torrとなった。

 そして、ステップ1~4のSrO膜成膜段階を2回繰 り返し、次いでステップ5~8のTiO膜成膜段階を 2回繰り返すというシーケンスを25回繰り返し た後、O 2 ガスを300mL/min(sccm)の流量で10sec流しつつ、圧 を40Pa(0.3Torr)に制御し、その後ガスを停止し た状態で100secの間、処理容器内を真空に引き きり保持し、その後Siウエハを処理容器から 出した。

 以上のようなシーケンスにより形成され Sr-Ti-O膜の厚さを測定したところ、13nmであ た。この膜をXRD(X線回折法)により測定した ころ、結晶を示すピークは見られなかった この膜の組成をXRF(蛍光X線法)で測定したと ろ、Sr/Ti比は原子数比で2.2であった。

 次いで、上記Sr-Ti-O系膜が形成されたSi基板 RTA装置に搬入し、0.2%のO 2 ガスを含むN 2 ガス常圧雰囲気で600℃のRTAを施し、その後、 XRD(X線回折法)により測定したところ、SrTiO 3 の結晶ピークが見られ、SrTiO 3 の結晶が晶出していることが確認された。

 <第2の実施形態>
 第2の実施形態においても、第1の実施形態 同様、まず、ゲートバルブ38を開にして搬入 出口39から、半導体ウエハWを処理容器1内に 入し、あらかじめ加熱ランプ32により加熱さ れた載置台3上に載置し、半導体ウエハWを所 温度、例えば200~400℃に加熱する。そして、 希釈ガス供給源55から希釈ガスとして例えばA rガスを100~800mL/sec(sccm)の流量で供給しつつ、 示しない真空ポンプにより排気口36および 気管37を介して処理容器1内を排気すること より処理容器1内の圧力を6~665Pa程度に真空排 気する。そして、希釈用ガス、例えばArガス 流量を100~500mL/sec(sccm)としつつ、処理容器1 の圧力を成膜圧力である13~266Paに制御し、実 際の成膜を開始する。

 本実施形態では、実際の成膜に際して、 理容器1内にSr原料を供給する工程(ステップ 1)、処理容器1内をパージする工程(ステップ2) 、処理容器1内に酸化剤を供給してSr原料を分 解するとともに酸化する工程(ステップ3)、処 理容器1内をパージする工程(ステップ4)によ 薄いSrO膜を形成するSrO膜成膜段階と、処理 器1内にTi原料を供給する工程(ステップ5)、 理容器1内をパージする工程(ステップ6)、処 容器1内に酸化剤を供給してTi原料を分解す とともに酸化する工程(ステップ7)、処理容 1内をパージする工程(ステップ8)により薄い TiO膜を形成するTiO膜成膜段階を複数回行って Sr-Ti-O系膜を成膜するが、SrO膜成膜段階同士 たはTiO膜成膜段階同士またはこれこれら両 が複数回続けて行われるようなシーケンス 含むようにする。

 上述したALD法においては、原料の組み合 せによっては吸着阻害等が生じ、成膜後の 成が所望の組成にならない場合があるが、 のようなシーケンスを採ることにより、SrO 成膜段階またはTiO膜成膜段階同士を繰り返 ている間は、吸着阻害を避けることができ 所望の組成に近い組成にすることが可能と る。また、このような手法を採用すること より、Srリッチ組成からTiリッチ組成まで、 所望の組成のSr-Ti-O系膜を成膜することが可 となる。

 Sr原料としてSr(C 5 (CH 3 ) 5 ) 2 を用い、Ti原料としてはTi(OiPr) 4 を用いて、図6に示すように、従来のALDの手 で、上記ステップ1~4のSrO膜成膜段階と、上 ステップ5~8のTiO膜成膜段階とを交互に20回繰 り返してSr-Ti-O系膜を成膜したところ(SrO:TiO=1: 1)、膜厚が4.5nm、Sr/Tiの組成比が原子数比で0.4 となり、Srが少ない結果となった。すなわち Sr原料の吸着阻害が生じていた。

 これに対して、同様の原料を用い、図7に 示すように、上記ステップ1~4のSrO膜成膜段階 を2回繰り返し、引き続き上記ステップ5~8のTi O膜成膜段階を2回繰り返し、このセットを20 繰り返してSr-Ti-O系膜を成膜したところ(SrO:Ti O=2:2)、膜厚が8.7nm、Sr/Tiの組成比が原子数比 1.0となり、ほぼ化学量論組成となった。こ ことから、同じ原料の成膜段階を複数回繰 返すことにより、このような成膜阻害が解 されることが確認された。

 また、図8に示すように、上記ステップ1~4 のSrO膜成膜段階を2回繰り返し、引き続き上 ステップ5~8のTiO膜成膜段階を3回繰り返し、 のセットを20回繰り返してSr-Ti-O系膜を成膜 たところ(SrO:TiO=2:3)、膜厚が8.6nm、Sr/Tiの組 比が原子数比で0.7となり、同じ原料の成膜 階の繰り返し数を変化させることにより、 望の組成比が得られることが確認された。

 ステップ1~8の具体的な内容に関しては、第1 の実施形態と同様である。そして、上述のよ うにしてSrO膜成膜段階および/またはTiO膜成 段階を連続して複数回繰り返すようなシー ンスを採用してSr-Ti-O系膜を成膜した後、酸 剤供給源54から例えばO 2 ガスを所定流量で供給して、膜を確実に酸化 させる。その後、全てのガスを停止し、処理 容器内を真空引きした後、搬送アームにより 処理容器1内の半導体ウエハWを搬出する。

 以上のシーケンスにおけるバルブやマス ローコントローラ等の制御は、第1の実施形 態と同様、記憶部92に記憶されているレシピ 基づいてプロセスコントローラ90により行 れる。

 次に、本実施形態に基づいて実際に成膜し 実施例について示す。
 上記図1の装置において、ランプパワーを調 節して、載置台の温度を成膜温度である320℃ に設定し、搬送ロボットのアームを用いて処 理容器内に200mmSiウエハを搬入し、Sr-Ti-O系膜 成膜した。Sr原料としてはSr(C 5 (CH 3 ) 5 ) 2 を用い、これを160℃に加熱した容器に保持し 、Arガスをキャリアガスとしてバブリング法 処理容器に供給した。Ti原料としてはTi(OiPr) 4 を用い、これを45℃に加熱した容器に保持し 同様にArガスをキャリアガスとしてバブリ グ法で処理容器に供給した。また、酸化剤 しては、O 2 ガスを500mL/min(sccm)、N 2 ガスを0.5mL/min(sccm)をオゾナイザーに通すこと によって生成された180g/m 3 の濃度のO 3 を用いた。

 そして、Siウエハをアームにより載置台 設置した後、希釈Arガスを300mL/min(sccm)の流量 で30secフローさせつつ133Pa(1Torr)の圧力でSiウ ハを成膜温度に昇温後、上述のステップ1~8 より成膜を行った。なお、ウエハ温度は290 とした。

 ステップ1のSr原料供給工程は、キャリアA rガスの流量を50mL/min(sccm)、希釈Arガスの流量 200mL/min(sccm)とし、処理容器1の圧力制御機構 を全開として排気する状態として10secの期間 い、ステップ2のパージでは、引ききり状態 として10secの期間行った。

 ステップ3のSr原料の酸化工程は、酸化剤と て上記O 3 ガスを用い、処理容器1の圧力制御機構を全 として排気する状態として10secの期間行った 。ステップ4のパージは引ききり状態として10 secの期間行った。

 ステップ5のTi原料供給工程は、キャリアA rガスの流量を200mL/min(sccm)、希釈Arガスの流量 を200mL/min(sccm)とし、処理容器1の圧力制御機 を全開として排気する状態として10secの期間 行い、ステップ6のパージは、ステップ2と同 、引ききり状態として10secの期間行った。

 ステップ7のTi原料の酸化工程とステップ8 のパージは、ステップ3およびステップ4と全 同様の条件で行った。

 そして、ステップ1~4のSrO膜成膜段階と、ス ップ5~8のTiO膜成膜段階とを交互に20回繰り した後、圧力を40Pa(0.3Torr)に維持しつつ、O 2 ガスを300mL/min(sccm)の流量で20sec流し、その後 スを停止した状態で20secの間、処理容器内 真空に引ききり保持し、その後Siウエハを処 理容器から搬出した。

 以上のようなシーケンスにより形成され Sr-Ti-O膜の厚さを測定したところ、4nmであっ た。この膜の組成をXRF(蛍光X線法)で測定した ところ、Sr/Ti比は原子数比で0.5であった。

 一方、ステップ1~4のSrO膜成膜段階を2回繰り 返し、次いでステップ5~8のTiO膜成膜段階を2 繰り返すというシーケンスを10回繰り返した 後、O 2 ガスを300mL/min(sccm)の流量で10sec流しつつ、圧 を40Pa(0.3Torr)に制御し、その後ガスを停止し た状態で100secの間、処理容器内を真空に引き きり保持し、その後Siウエハを処理容器から 出した。形成されたSr-Ti-O膜の厚さを測定し たところ、5nmであった。この膜の組成をXRF( 光X線法)で測定したところ、Sr/Ti比は原子数 で1.0であった。

 このように、本発明に従って、同じ成膜 階を連続して繰り返すシーケンスを採用す ことにより、吸着阻害の影響を受けずに、 望の組成のSr-Ti-O系膜が得られることが確認 された。

 <第3の実施形態>
 第3の実施形態においても、第1の実施形態 同様、まず、ゲートバルブ38を開にして搬入 出口39から、半導体ウエハWを処理容器1内に 入し、あらかじめ加熱ランプ32により加熱さ れた載置台3上に載置し、半導体ウエハWを所 温度、例えば200~400℃に加熱する。そして、 希釈ガス供給源55から希釈ガスとして例えばA rガスを100~800mL/sec(sccm)の流量で供給しつつ、 示しない真空ポンプにより排気口36および 気管37を介して処理容器1内を排気すること より処理容器1内の圧力を39~665Pa程度に真空 気する。そして、希釈用ガス、例えばArガス の流量を100~500mL/sec(sccm)としつつ、処理容器1 の圧力を成膜圧力である39~266Paに制御し、 際の成膜を開始する。

 本実施形態では、実際の成膜に際して、処 容器1内にSr原料を供給する工程(ステップ1) 処理容器1内をパージする工程(ステップ2)、 処理容器1内に酸化剤を供給してSr原料を分解 するとともに酸化する工程(ステップ3)、処理 容器1内をパージする工程(ステップ4)により いSrO膜を形成するSrO膜成膜段階と、処理容 1内にTi原料を供給する工程(ステップ5)、処 容器1内をパージする工程(ステップ6)、処理 器1内に酸化剤を供給してTi原料を分解する ともに酸化する工程(ステップ7)、処理容器1 内をパージする工程(ステップ8)により薄いTiO 膜を形成するTiO膜成膜段階を複数回行ってSr- Ti-O系膜を成膜するが、酸化剤としてO 3 およびH 2 Oを用いる。

 ALD法では各原料および酸化剤の供給時間は 膜厚が飽和する時間に設定されるが、酸化 としてO 3 を用いた場合には、Sr原料として用いる有機S r化合物の種類によっては、飽和点に至るま に長時間かかり、飽和したときの1サイクル たりの膜厚が0.3~0.4nmと非常に厚くなって、 望のSrOを成膜することができない場合があ 。すなわち、酸化剤としてO 3 のみを用い、Sr原料として特定の有機Sr化合 、例えばSr(C 5 (CH 3 ) 5 ) 2 を用いた場合には、Sr原料として用いる有機S r化合物の有機部分中の結合を切断した後にSr Oを形成するように作用するので、切断が飽 するまでに時間がかかってしまう。

 これに対して、酸化剤としてH 2 Oを用いることにより、有機部分の中の結合 あまり切断せずに、主にSrと有機部分との切 断に寄与するので早期に飽和する。しかし、 酸化剤としてH 2 Oのみを用いるとSr(OH) 2 が形成されて好ましくない結果をもたらして しまう。そこで、本実施形態では、H 2 OによりSrと有機部分とを切断した後、O 3 を作用させてSrOを形成することにより、良好 なSrO膜を得る。

 以下、この点について詳細に説明する。
 図9は、Sr原料としてSr(C 5 (CH 3 ) 5 ) 2 を用い、Ti原料としてTi(OiPr) 4 を用いた場合における、各原料のドーズ時間 とSrO膜およびTiO膜の単膜の厚さとの関係を示 す図である。この図に示すように、各原料は 5sec程度で飽和しているが、膜厚はTiO膜よりSr O膜のほうが厚くなる。なお、このときのウ ハ温度は290℃とした。

 図10は、酸化剤としてO 3 を用いた場合における、O 3 のドーズ時間とSrO膜およびTiO膜の単膜の厚さ との関係を示す図である。この図に示すよう に、TiO膜は短時間で飽和するが、SrO膜は60sec も飽和しない。なお、このときのSr原料お びTi原料のドーズ時間は10sec、ウエハ温度を2 90℃とした。

 図11は、パージを引ききりとした場合にお る、パージ時間とSrO膜およびTiO膜の単膜の さとの関係を示す図である。この図に示す うに、パージを引ききりとしてもパージ時 の増加にともなってSrO膜の膜厚が厚くなっ しまう。そして、引ききりパージを行った 合の結果も加味した際のO 3 のドーズ時間とSrO膜およびTiO膜の単膜の厚さ との関係を図12に示すが、パージ方法を変え もO 3 ドーズ時間にともなうSrO膜の増膜は抑制する ことができないことが確認された。

 このように増膜するのは、酸化時間が長く ると、有機Sr原料をO3で酸化する際に、有機 Sr原料に存在する有機部分、例えば(C 5 (CH 3 ) 5 ) 2 がすみやかにSrから分離されず、この有機部 の分解が進行し、次回のSr原料のドーズの にSr原料がより多く吸着するためと考えられ る。

 そこで、本実施形態では、酸化剤として、S rと有機部分との結合を優先的に切断可能なH 2 Oを用い、ある程度有機部分が分離されてか 、O 3 を供給して酸化を進行させるのである。

 次に、具体的な製造条件について説明する
 シーケンスに関しては、典型的にはSrO膜成 段階とTiO膜成膜段階とを交互に繰り返すALD 手法が採られる。

 ステップ1~8の具体的な内容に関しては、 テップ3の酸化工程における酸化剤および酸 化工程の手順が異なる他は、第1の実施形態 同様である。

 本実施形態では、Sr原料を酸化するステッ 3は、最初に酸化剤としてH 2 O蒸気を用いた酸化処理を行い(ステップ3-1)、 次いでO 3 を用いた酸化処理を行う(ステップ3-2)。ステ プ3-1は、例えばH 2 Oの流量を2~50mL/min(sccm)程度として0.1~5sec程度 う。ステップ3-2は、例えば酸化剤供給源54と してオゾナイザーを用いて、50~200g/Nm 3 程度の流量で供給する。この際にO 2 ガスを併用することができ、その際のO 2 ガスの流量は100~1000mL/min(sccm)程度である。こ ステップ3-2は0.1~10sec程度行う。H 2 OとO 3 とを同時に流してもよいし、O 2 の露点を0~40℃に調整してオゾナイザーに通 させてもよい。また、H 2 とO 2 をリモートプラズマに通流させたものを酸素 源として用いてもよい。
 本実施形態の具体的なシーケンスは、図13 示すようになる。

 そして、上述のようにしてSrO膜成膜段階お びTiO膜成膜段階を交互に繰り返してSr-Ti-O系 膜を成膜した後、酸化剤供給源54から例えばO 2 ガスを所定流量で供給して、膜を確実に酸化 させる。その後、全てのガスを停止し、処理 容器内を真空引きした後、搬送アームにより 処理容器1内の半導体ウエハWを搬出する。

 以上のシーケンスにおけるバルブやマス ローコントローラ等の制御は、第1の実施形 態と同様、記憶部92に記憶されているレシピ 基づいてプロセスコントローラ90により行 れる。

 次に、本実施形態に基づいて実際に成膜し 実施例について示す。
 上記図1の装置において、ランプパワーを調 節して、載置台の温度を成膜温度である320℃ に設定し、搬送ロボットのアームを用いて処 理容器内に200mmSiウエハを搬入し、Sr-Ti-O系膜 成膜した。Sr原料としてはSr(C 5 (CH 3 ) 5 ) 2 を用い、これを160℃に加熱した容器に保持し 、Arガスをキャリアガスとしてバブリング法 処理容器に供給した。Ti原料としてはTi(OiPr) 4 を用い、これを40℃に加熱した容器に保持し 同様にArガスをキャリアガスとしてバブリ グ法で処理容器に供給した。また、酸化剤 しては、H 2 Oを40℃に加熱し、50℃に加熱した高温マスフ ーコントローラにて流量制御したものと、O 2 ガスを500mL/min(sccm)、N 2 ガスを0.5mL/min(sccm)をオゾナイザーに通すこと によって生成された180g/m 3 の濃度のO 3 を用いた。

 そして、Siウエハをアームにより載置台 設置した後、希釈Arガスを300mL/min(sccm)の流量 で30secフローさせつつ133Pa(1Torr)の圧力でSiウ ハを成膜温度に昇温後、上述のステップ1~8 より成膜を行った。なお、ウエハ温度は290 とした。

 ステップ1のSr原料供給工程は、キャリアA rガスの流量を50mL/min(sccm)、希釈Arガスの流量 200mL/min(sccm)とし、処理容器1の圧力制御機構 を全開として排気する状態として10secの期間 い、ステップ2のパージでは、引ききり状態 として10secの期間行った。

 ステップ3のSr原料を酸化する工程は、まず ステップ3-1としてH 2 O蒸気をフローさせる処理を3sec行い、次いで ステップ3-2としてO 3 をフローさせる処理を5secの期間行った。こ らの工程は処理容器1の圧力制御機構を全開 して排気する状態として行った。ステップ4 のパージは引ききり状態として10secの期間行 た。

 ステップ5のTi原料供給工程は、キャリアA rガスの流量を200mL/min(sccm)、希釈Arガスの流量 を200mL/min(sccm)とし、処理容器1の圧力制御機 を全開として排気する状態として10secの期間 行い、ステップ6のパージは、ステップ2と同 、引ききり状態として10secの期間行った。

 ステップ7のTi原料の酸化工程は、酸化剤と て上記O 3 ガスを用い、処理容器内を引き切り状態とし て10secの期間行った。ステップ8のパージは、 ステップ4と全く同様の条件で行った。

 そして、ステップ1~4のSrO膜成膜段階と、ス ップ5~8のTiO膜成膜段階とを交互に50回繰り した後、O 2 ガスを300mL/min(sccm)の流量で20sec流して圧力を4 0Pa(0.3Torr)に制御し、その後ガスを停止した状 態で20secの間、処理容器内を真空に引ききり 持し、その後Siウエハを処理容器から搬出 た。形成されたSr-Ti-O膜の厚さを測定したと ろ、12nmであった。X線光電子分光分析(XPS)で 膜のC量を測定したところ、検出限界(1%)以下 あった。すなわち、Sr原料の有機部分が酸 剤によりほとんど分解されていないことが 認された。

 なお、本発明は上記実施形態に限定されず 々限定可能である。
 例えば、以上の成膜装置においては、バブ ングによる原料供給を行う処理ガス供給機 50を用いたが、それに代えて図14に示すよう な気化器を用いた原料供給を行う処理ガス供 給機構50″を用いることもできる。処理ガス 給機構50″は、Sr原料を溶剤に溶解させた状 態で貯留するSr原料貯留部52″と、Ti原料を溶 剤に溶解させた状態で貯留するTi原料貯留部5 3″と、酸化剤を供給する酸化剤供給源54″と 、Sr原料およびTi原料を気化させる気化器101 を有している。Sr原料貯留部52″から気化器1 01までは配管102が設けられており、Ti原料貯 部53″から気化器101までは配管103が設けられ ている。Sr原料貯留部52″およびTi原料貯留部 53″から液体が圧送ガスまたはポンプ等によ て気化器101に供給される。配管102には流量 御器としての液体マスフローコントローラ( LMFC)104とその前後の開閉バルブ105,106が設けら れている。また、配管103には液体マスフロー コントローラ(LMFC)107とその前後の開閉バルブ 108,109が設けられている。Sr原料貯留部52″、T i原料貯留部53″には、それぞれヒータ76″、7 7″が設けられている。そして、Sr原料貯留部 52″に貯留された、溶媒に溶解された状態のS r原料、およびTi原料貯留部53″に貯留された 溶媒に溶解された状態のTi原料は、これら ータ76″、77″で所定の温度に加熱され、ポ プやガス圧送等により液体の状態で気化器1 01に供給されるようになっている。なお、図 してはいないが、Sr原料やTi原料を通流する 配管にもヒータが設けられている。

 気化器101にはシャワーヘッド40に至る前 配管51″が接続されている。気化器101には、 Arガス等のキャリアガスを供給するキャリア ス供給源110から延びる配管111が接続されて り、キャリアガスを気化器101に供給して、 化器101内で例えば100~200℃に加熱されて気化 されたSr原料およびTi原料を配管51″およびシ ャワーヘッド40を介して処理容器1内に導くよ うになっている。配管111には、流量制御器と してのマスフローコントローラ(MFC)112とその 後の開閉バルブ113,114が設けられている。酸 化剤供給源54″から配管51″までは配管115が けられており、酸化剤を配管115から配管51″ およびシャワーヘッド40を経て処理容器1内へ 導くようになっている。配管115には、流量制 御器としてのマスフローコントローラ(MFC)116 その前後の開閉バルブ117,118が設けられてい る。ガス供給機構50″は、また、処理容器1内 のガスを希釈するためのアルゴンガス等の希 釈ガスを供給する希釈ガス供給源55″を有し いる。この希釈ガス供給源55″には、配管51 ″に至る配管119が設けられており、希釈用ア ルゴンガスを配管119から配管51″およびシャ ーヘッド40を経て処理容器1内へ導くように っている。配管119には、流量制御器として マスフローコントローラ(MFC)120とその前後 開閉バルブ121,122が設けられている。

 ガス供給機構50″を用いてSr-Ti-O系膜を成 する場合には、上記ステップ1のSr原料供給 よびステップ5のTi原料供給が異なる以外は 基本的に上記シーケンスと同様にして成膜 理が実施される。

 ステップ1のSr原料供給においては、Sr原 貯留部52″において、Sr原料をオクタンやシ ロヘキサン等の溶媒に溶解させる。このと の濃度は好ましくは0.05~1mol/Lである。これ 100~200℃に加熱した気化器101に供給し気化さ る。この際の希釈ガス供給源55″からの希 ガス、例えばArガスの流量は100~500mL/min(sccm) キャリアガス供給源110からのキャリアガス 例えばArガスの流量は100~500mL/min(sccm)程度で る。そして、この工程を上記バブリング供 の場合と同程度の期間行う。

 ステップ1のTi原料フローにおいては、Ti 料貯留部53″において、Ti原料をオクタンや クロヘキサン等の溶媒に溶解させ150~230℃に 加熱した気化器101に搬送し気化させる。この ときの濃度は好ましくは0.05~1mol/Lである。こ 際の希釈ガス供給源55″からの希釈ガス、 えばArガスの流量は100~500mL/min(sccm)、キャリ ガス供給源110からのキャリアガス、例えばAr ガスの流量は100~500mL/min(sccm)程度である。そ て、この工程を上記バブリング供給の場合 同程度の期間行う。

 また、上記実施形態では、成膜装置とし ランプ加熱で被処理基板を加熱するものを したが、抵抗加熱ヒータで加熱するもので ってもよい。また、上記実施形態では被処 基板として半導体ウエハを用いた場合を示 たが、半導体ウエハに限らず、FPD用ガラス 板等の他の基板を用いてもよい。

 さらに、上記実施形態では、成膜中、処 容器の圧力制御機構を全開として排気する を多く示したが、圧力制御機構を働かせて1 3~266Paの範囲内の所望の圧力に保持してもよ 。また、パージの際にガスを流さない引き り状態とする例を示したが、100~1000mL/min(sccm) 程度の不活性ガス、例えばArガスを通流させ 状態で圧力制御機構を全開として排気した 、20~266Paに圧力保持したりしてもよい。

 さらにまた、前記各実施形態を適宜組み わせて実施しても本発明の範囲内であるこ はいうまでもない。

 本発明に係るSr-Ti-O系膜は、MIM構造のキャ パシタにおける電極として有効である。