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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF STORING PHOTOCATALYTIC MEMBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/147836
Kind Code:
A1
Abstract:
A novel method of storing a photocatalytic member containing a fluorine-containing anatase titanium oxide is provided in which the photocatalytic member containing a fluorine-containing anatase titanium oxide can be inhibited from decreasing in fluorine content during storage.  The method of storing a photocatalytic member containing a fluorine-containing anatase titanium oxide comprises storing the member in a surrounding environment having a relative humidity of 30% or lower.  With the storage method, the fluorine-containing titanium oxide can be inhibited from releasing the fluorine from the surface thereof and the photocatalytic member can be inhibited from decreasing in fluorine content during the storage.

Inventors:
TOKUHIRO KENICHI
TANIGUCHI NOBORU
KUROHA TOMOHIRO
TOKUMITSU SHUZO
TSUJI YOSHIHIRO
INAGAKI JUN
NISHIGUCHI MASASHI
Application Number:
PCT/JP2009/002470
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
June 02, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
TOKUHIRO KENICHI
TANIGUCHI NOBORU
KUROHA TOMOHIRO
TOKUMITSU SHUZO
TSUJI YOSHIHIRO
INAGAKI JUN
NISHIGUCHI MASASHI
International Classes:
B01J35/02; B01J27/135; B01J33/00
Foreign References:
JP2006289341A2006-10-26
JP2006076876A2006-03-23
JP2004174396A2004-06-24
Attorney, Agent or Firm:
IKEUCHI SATO & PARTNER PATENT ATTORNEYS (JP)
Patent business corporation Ikeuchi and Sato and partners (JP)
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Claims:
 フッ素含有アナタース型酸化チタンを含む光触媒性部材の保管方法であって、
 前記光触媒性部材を、相対湿度30%以下の周囲環境で保管することを特徴とする、光触媒性部材の保管方法。
 前記相対湿度が、10%以下である、請求項1に記載の光触媒性部材の保管方法。
 前記光触媒性部材の保管が、前記光触媒部材を密閉容器内で保管することを含む、請求項1または2に記載の光触媒性部材の保管方法。
 前記密閉容器内に吸湿性物質を含む、請求項3に記載の光触媒性部材の保管方法。
 前記吸湿性物質が、シリカゲルである、請求項4に記載の光触媒性部材の保管方法。
 前記密閉容器内に不活性ガスが充填されている、請求項3から5のいずれかに記載の光触媒性部材の保管方法。
 前記不活性ガスが、窒素および/またはアルゴンである、請求項6に記載の光触媒性部材の保管方法。
 前記光触媒性部材の保管が、前記光触媒性部材を真空容器内で保管することを含む、請求項1または2に記載の光触媒部材の保管方法。
 前記光触媒性部材の保管が、乾燥空気または不活性ガスを流通させた雰囲気中で前記光触媒性部材を保管することを含む、請求項1または2に記載の光触媒性部材の保管方法。
 前記フッ素含有酸化チタンにおけるフッ素含有量が、2.5重量%以上である、請求項1から9のいずれかに記載の光触媒性部材の保管方法。
 フッ素含有アナタース型酸化チタンを含む光触媒性部材の輸送方法であって、
 前記光触媒性部材を密閉容器内に封入して輸送することを含む、光触媒性部材の輸送方法。
 前記輸送は、前記光触媒性部材と前記吸湿性物質とが封入された密閉容器をコンテナ内に配置して輸送することを含む、請求項11に記載の光触媒性部材の輸送方法。
 フッ素含有アナタース型酸化チタンを含む光触媒性部材製品の製造方法であって、
 フッ素含有アナタース型酸化チタンを含む光触媒性部材を、密閉容器内に封入する工程を含む、光触媒性部材製品の製造方法。
Description:
光触媒性部材の保管方法

 本発明は、フッ素含有アナタース型酸化 タンを含む光触媒性部材の保管方法に関す 。

 近年、酸化チタンを含む光触媒材料は、 菌や脱臭、防汚等の目的により、様々な場 で実用化されている。光触媒材料の使用場 は、触媒反応に必要な光量を確保しやすい 外に限られず、光量を確保しにくい屋内で 、光触媒材料の近傍に光源を設けること等 より、光触媒材料を使用することができる

 例えば、殺菌や脱臭等を目的とした屋内 装置で、光触媒材料の触媒反応を十分に発 させるには、その装置内に光源(紫外線ラン プ)を設置すれば良い。しかしながら、酸化 タンの活性が低いと、その光源の出力を大 くする必要が生じ、ランニングコストが高 なる。そのため、高い活性を有する酸化チ ンを含む光触媒材料の開発が行われている

 酸化チタンを含む光触媒材料の活性を高 る方法として、酸化チタンを含む光触媒材 にフッ素を含有させることが提案されてい (例えば、特許文献1~3参照)。

特開2002-28494号公報

特開2002-136878号公報

特開2003-226554号公報

 光触媒性部材は、光を照射することによ 、脱臭・空質浄化等の性能を回復できる。 して、光触媒性部材は、通常、遮光性を有 る素材で包装され保管されることはあって 、包装の通気性や包装内の湿度等を考慮す ことなく包装され保管されている。

 しかしながら、本発明者等は、フッ素含 アナタース型酸化チタンを含む光触媒性部 を通常の方法で保管した場合、フッ素含有 ナタース型酸化チタンのフッ素含有量が減 する場合があることを見出した。

 そこで、本発明は、フッ素含有アナター 型酸化チタンを含む光触媒性部材において 保管中に、フッ素含有アナタース型酸化チ ンのフッ素含有量が減少することを抑制可 な新たな保管方法を提供する。

 本発明は、フッ素含有アナタース型酸化 タンを含む光触媒性部材を、相対湿度30%以 の周囲環境で保管することを特徴とする光 媒性部材の保管方法に関する。

 本発明の光触媒性部材の保管方法によれ 、保管中の光触媒性部材の周囲環境を相対 度30%以下とすることにより、例えば、保管 のフッ素含有量の減少を抑制できる。この め、本発明の保管方法によれば、例えば、 管中のフッ素含有アナタース型酸化チタン 含む光触媒性部材の品質を長期間維持する とができる。また、本発明によれば、例え 、光触媒性部材の品質や光触媒活性を長期 に確保可能な状態で、フッ素含有酸化チタ を含む光触媒性部材を保管することができ という効果を好ましくは奏する。

図1は、光触媒性部材の評価方法の一形 態に使用する光触媒性部材の脱臭性能評価用 モジュールを示す図である。 図2は、該形態におけるフッ素含有酸化 チタンのフッ素含有量と脱臭速度係数との相 関関係を示すグラフである。 図3は、本発明の実施例における恒温恒 湿槽内での光触媒性部材の温度および湿度プ ロファイルの一例を表す図である。 図4は、保管中のフッ素含有酸化チタン におけるフッ素含有量の時間変化の一例を表 すグラフである。 図5は、保管中のフッ素含有酸化チタン におけるフッ素含有量の時間変化のその他の 例を表すグラフである。 図6は、保管中のフッ素含有酸化チタン におけるフッ素含有量の時間変化のさらにそ の他の例を表すグラフである。

 本発明は、保管するフッ素含有酸化チタ を含む光触媒性部材の周囲環境を、相対湿 30%以下することにより、保管中に生じうる ッ素含有量の減少を抑制できるという知見 基づく。

 具体的には、本発明者等は、フッ素含有 化チタンを含む光触媒性部材を通常の方法 保管した場合、フッ素含有酸化チタンにお るフッ素含有量が減少する場合があり、こ フッ素含有量の減少は、光触媒部材の周囲 境によって左右されること、特に、湿度に って変化することを見出した。保管中にフ 素含有量が減少するメカニズムは明らかで ないが、例えば、フッ素含有酸化チタンの 面において、酸化チタンと化学結合したフ 素と空気中に含まれる水分との間で交換反 が生じ、この交換反応は比較的容易に起こ 得る可逆反応であるためこの交換反応によ フッ素含有量が減少すると推定される。し がって、本発明の保管方法により保管中の ッ素含有量の減少が抑制されるメカニズム 、保管中の周囲環境を所定の相対湿度とす ことにより、例えば、空気中の水分との交 反応が抑制されるためと推定される。但し 本発明はこれらのメカニズムに限定されな 。

 [フッ素含有アナタース型酸化チタン]
 本明細書における「フッ素含有アナタース 酸化チタン」は、アナタース型酸化チタン あってフッ素を含むものをいう。本明細書 おいて「アナタース型酸化チタン」とは、 末X線回折スペクトル測定において(使用電 :銅電極)、回折角度2θ=25.5度付近に回折ピー が現れる酸化チタンのことをいう。なお、 明細書において特に言及しない限り、「フ 素含有酸化チタン」は「フッ素含有アナタ ス型酸化チタン」のことをいい、「酸化チ ン」は「アナタース型酸化チタン」のこと いう。

 フッ素含有酸化チタンにおけるフッ素含有 は、光触媒活性の点から、元素量にて2.5重 %以上であることが好ましく、より好ましく は2.5~4重量%であり、さらに好ましくは2.7~3.8 量%である。フッ素含有量が2.5重量%以上であ れば、例えば、電気陰性度の大きなフッ素が 酸化チタン表面に位置するようになる。この フッ素の電子吸引作用によって、近接する水 酸基が活性化され水酸ラジカルが生じ易くな る。その結果、光触媒反応が促進され、脱臭 速度を向上できると考えられるからである。 また、フッ素含有量が4.0重量%以下、好まし は3.8重量%以下であれば、例えば、酸化チタ 表面における光触媒反応に必要な水酸基の を確保でき、脱臭速度を維持できると考え れるからである。本明細書における「フッ 含有量」とは、光触媒性部材に含まれるチ ンに対するフッ素の量(重量%)のことをいう フッ素含有量は、光触媒性部材すべてを酸 溶解し、高周波数誘導プラズマ分光法(ICP) 用いてTi 4+ とF - との比(F - /Ti 4+ )を求めることにより算出できる。

 フッ素含有酸化チタンにおいて、フッ素の 子吸引作用が効果的に発現され、光触媒反 の促進作用が向上される観点から、フッ素 酸化チタンとは化学結合していることが好 しい。フッ素と酸化チタンとは化学結合し いるとは、例えば、酸化チタンとフッ素と 化学的に結合していることを含み、好適に 担持や混合ではなく酸化チタンとフッ素と 原子レベルで結びついている状態を含み、 り好適には酸化チタンとフッ素とがイオン 合していることを含む。上記化学結合がイ ン結合である場合は、フッ素と酸化チタン が強固に結合し、光触媒反応の促進作用が り高まるため好ましい。なお、フッ素と酸 チタンとがイオン結合していることは、フ 素含有酸化チタンを光電子分光分析装置で 析した際に、フッ素の1s軌道(F 1s )のピークトップが683eV~686eVの範囲となる場合 をいう。これは、フッ素とチタンとがイオン 結合したフッ化チタンのピークトップの値が 上記範囲内であることに由来する。

 フッ素含有酸化チタンにおいて、光触媒 応の促進の観点から、酸化チタンと化学結 しているフッ素は、フッ素含有酸化チタン おける全てのフッ素のうち90重量%以上であ ことが好ましく、より好ましくは95重量%以 、さらに好ましくは100重量%すなわち酸化チ タン光触媒に含まれるフッ素の全量が化学結 合していることである。酸化チタンと化学結 合しているフッ素含有量は、例えば、2.35~3.6 量%であり、好ましくは2.5~3.5重量%、より好 しくは2.5~3.3重量%である。

 フッ素含有酸化チタンは、光触媒活性を 上し、例えば、臭気成分の分解速度を向上 きる点から、フッ素含有量が2.5~3.8重量%で り、かつ、フッ素含有酸化チタンに含有さ ているフッ素の90重量%が酸化チタンと結合 ていることが好ましい。

 フッ素含有酸化チタンとしては、例えば 国際公開2008/132824号公報に記載された酸化 タン光触媒を使用できる。また、フッ素含 酸化チタンとして、例えば、n-ブチルアミン の吸着量が8μmol/g以下であるアナタース型酸 チタンの水分散液とフッ素化合物とを混合 、さらに、前記混合液のpHが3を超える場合 酸を用いてpHを3以下に調整することによっ 、前記混合液中で前記酸化チタンと前記フ 素化合物とを反応させる工程と、前記反応 せて得られた反応物を洗浄する工程とを含 製造方法により得られうるフッ素含有酸化 タンを使用しても良い。n-ブチルアミンの 着量が8μmol/g以下であるアナタース型酸化チ タンとしては、例えば、堺化学工業株式会社 製SSP-25等が使用できる。該アナタース型酸化 チタンの水分散液としては、例えば、堺化学 工業株式会社製CSB-M等が使用できる。

 [光触媒性部材]
 本明細書における「光触媒性部材」とは、 外線等の光を照射することによって、触媒 性を示す物質および該物質を含む部材を示 。前記物質は、具体的には、光を照射する とによって、種々の有機物質や無機物質の 解除去や殺菌等を行うことができる物質を み、例えば、アセトアルデヒドやメルカプ ン類等の悪臭成分の分解除去、菌類や藻類 殺菌除去、窒素酸化物の酸化分解除去、お び、ガラスの超親水性化による防汚機能の 与等に、好適に用いることができる物質を 味する。光触媒性部材としては、例えば、 末状のフッ素含有酸化チタン光触媒、フッ 含有酸化チタン光触媒の分散液、通気性を する基材と前記基材にフッ素含有酸化チタ が担持された光触媒性層とを含む光触媒フ ルター、通気性を有さない基材と前記基材 フッ素含有酸化チタンが担持された光触媒 層とを含む光触媒シート等が挙げられる。 気性を有する基材としては、例えば、不織 、ガラス繊維、発泡金属、多孔質セラミッ ス、発泡樹脂等が挙げられる。通気性を有 ない基材としては、例えば、ガラス、石英 セラミック、プラスチック基板等が挙げら る。

 光触媒性部材は、フッ素含有酸化チタン 外の成分を含んでも良い。その他の成分と ては、例えば、吸着材、バインダー等が挙 られる。吸着材としては、例えば、ゼオラ ト、活性炭、シリカ、アパタイト等が挙げ れる。バインダーとしては、例えば、テト エトキシシラン、コロイダルシリカ等の無 バインダー等が挙げられる。光触媒性部材 上記光触媒フィルターの場合、光触媒層に けるフッ素含有酸化チタンの含有量は、例 ば、50重量%以上であり、光触媒活性の点か 、好ましくは60~100重量%である。また、光触 媒層における吸着材の含有量は、例えば、50 量%以下であり、好ましくは0~40重量%、より ましくは10~40重量%である。光触媒性部材に けるフッ素含有酸化チタンと吸着材との比 (フッ素含有酸化チタン(含有量(重量%)):吸着 材(含有量(重量%)))は、例えば、100:0~50:50であ 、光触媒活性の点から、好ましくは90:10~60:1 0である。

 [保管方法]
 本発明は、一態様において、フッ素含有ア タース型酸化チタンを含む光触媒性部材の 管方法であって、前記光触媒性部材を、相 湿度30%以下の周囲環境で保管することを含 光触媒性部材の保管方法(以下、「本発明の 保管方法」ともいう)に関する。本明細書に いて、「周囲環境」は、フッ素含有酸化チ ンを含む光触媒性部材の周りの環境であっ 、光触媒性部材が接する環境のことをいう 光触媒性部材が容器内に配置されている場 、「周囲環境」とは容器内の環境(湿度・温 )であり、「相対湿度30%以下の周囲環境」と は容器内の相対湿度が30%以下であることをい う。本発明における「相対湿度(%)」は、湿潤 空気の水蒸気圧をその温度における飽和水蒸 気圧で除したものをいう。なお、本明細書に おいて特に示さない限り、「湿度」は「相対 湿度」のことをいう。

 周囲環境の相対湿度および温度は、温湿 計(本体:TRH-7x、センサー部:THP-76(神栄株式会 社製))により測定できる。また、光触媒性部 が密閉容器内に配置されている場合は、密 容器内に孔をあけ、その孔から密閉容器内 温湿度計(本体:TRH-7x、センサー部:THP-76(神栄 株式会社製))を差し込むことにより相対湿度 よび温度を測定できる。

 本発明の保管方法によれば、上述のとお 、フッ素含有酸化チタンのフッ素含有量の 少を抑制できる。また、後述する通り、フ 素含有酸化チタンを含む光触媒の脱臭速度 数は、例えば、フッ素含有酸化チタンのフ 素含有量とおおよそ比例関係となるという 見が得られている。このため、本発明の保 方法によれば、例えば、フッ素含有酸化チ ンを含む光触媒性部材の品質の長期信頼性 確保することができるという効果を好まし は奏する。

 本発明の保管方法によれば、フッ素含有酸 チタンを含む光触媒性部材を3日間保管した 場合におけるフッ素含有酸化チタンからのフ ッ素の遊離率(%)を、例えば、5%以下とするこ ができる。また、本発明の保管方法によれ 、フッ素含有酸化チタンを含む光触媒性部 を3ヶ月間保管した場合におけるフッ素含有 酸化チタンからのフッ素の遊離率(%)を、例え ば、10%以下、好ましくは5%以下とすることが きる。なお、遊離率は、下記式より算出で る。
遊離率(%)={(F 0 -F 1 )}/F 0 }×100
上記式において、F 0 は、保管前のフッ素含有量(重量%)であり、F 1 は、3日間保管後のフッ素含有量(重量%)であ 。なお、フッ素含有量の測定方法は上述の おりである。

 本発明の保管方法は、例えば、外気の相 湿度が容易に30%を超える(または超えうる) 所や、相対湿度が容易に30%を超える(または えうる)外気の流通が可能な屋内(例えば、 庫、コンテナ)でのフッ素含有酸化チタンを む光触媒性部材の保管および/または輸送中 の保管に適している。外気の相対湿度が容易 に30%を超える(または超えうる)場所としては 例えば、海上、河川、湖上、熱帯気候地域 温帯気候地域、降雨地帯等が挙げられる。

 光触媒性部材の周囲環境は、フッ素含有 の減少抑制の点から、相対湿度30%以下であ 、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以 である。周囲環境の相対湿度は低ければ低 方が好ましく、下限は特に制限されないが 例えば、0%以上である。周囲環境の温度は 特に制限されず、例えば、5℃~90℃であり、 ましくは15℃~70℃である。本発明の保管方 は、周囲環境の温度を5℃~90℃、好ましくは1 5℃~70℃とすることを含む。

 本発明の保管方法は、例えば、保管する ッ素含有酸化チタンを含む光触媒性部材の 囲環境を相対湿度30%以下とすることを含ん いても良い。

 保管中の光触媒性部材の周囲環境の相対 度を所定の値とする方法としては、例えば 前記光触媒部材を密閉容器内で保管するこ 、前記光触媒性部材を真空容器内で保管す こと、および、乾燥空気または不活性ガス 流通させた雰囲気中で前記光触媒性部材を 管すること等が挙げられる。このため、本 明の保管方法は、例えば、前記光触媒部材 密閉容器内で保管すること、前記光触媒性 材を真空容器内で保管すること、および、 燥空気または不活性ガスを流通させた雰囲 中で前記光触媒性部材を保管することを含 。

 密閉容器としては、例えば、容器内の空 が容器外に流出しない密閉性を有する容器 あれば良い。容器の形態は特に制限されず 例えば、袋状であっても良いし、箱状であ ても良い。密閉容器の材質としては、例え 、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレ ト、塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロ レン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、 リアミド等の樹脂、アルミニウム、鉄等の 属等が挙げられる。

 容器内(光触媒性部材の周囲環境)の相対湿 を容易に30%以下にできることから、密閉容 内に吸湿性物質を含んでいても良い。吸湿 物質としては、例えば、シリカゲル、ゼオ イト、モレキュラシーブ、塩化カルシウム 酸化カルシウム、五酸化リン、粒状ソーダ 灰および過塩素酸マグネシウム等が挙げら る。吸湿性物質は、例えば、吸湿度が55%以 のものが好ましく、より好ましくは10%~55%で る。吸湿性物質の吸湿度は、例えば、下記 を用いて算出することができる。下記式に けるW 0 (g)は、未使用の吸湿性物質約100gを、25℃、60% RHの雰囲気下で1時間保管した後の吸湿性物質 の重量(g)であり、W 1 (g)は、その吸湿性物質を、40℃、90%RHの雰囲 下で1日保管した後、さらに、25℃、60%RHの雰 囲気下で1時間保管した後の吸湿性物質の重 (g)である。
吸湿度(%)={(W 1 -W 0 )/W 0 }×100

 容器内の相対湿度の調整が容易になるこ から、密閉容器内に不活性ガスが充填され いても良い。不活性ガスとしては、例えば 窒素ガス、アルゴンガス、ネオンガス、ヘ ウムガス等が挙げられ、窒素ガスおよびア ゴンガスが好ましい。

 真空容器としては、例えば、容器の内部 真空状態とすることができるものであれば い。真空は、例えば、減圧状態で密閉収容 ることにより行うことができる。容器の材 は特に制限されず、例えば、ポリエチレン ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカー ネート、アクリル樹脂、ポリアミド等の樹 、アルミニウム、テフロン(登録商標)等が げられる。乾燥空気としては、例えば、相 湿度が10%以下の空気であり、好ましくは相 湿度が5%以下の空気である。

 本発明の保管方法は、その他の態様にお て、フッ素含有酸化チタンを含む光触媒性 材の輸送時における保管方法であっても良 。このため、本発明は、その他の態様とし 、フッ素含有酸化チタンを含む光触媒性部 の輸送方法であって、フッ素含有酸化チタ を含む光触媒性部材を相対湿度が30%以下の 囲環境で保管した状態で、フッ素含有酸化 タンを含む光触媒性部材を輸送することを む、光触媒性部材の輸送方法を含みうる。

 [輸送方法]
 したがって、本発明は、さらにその他の態 として、フッ素含有アナタース型酸化チタ を含む光触媒性部材の輸送方法であって、 記光触媒性部材を密閉容器内に封入して輸 することを含む光触媒性部材の輸送方法(以 下、「本発明の輸送方法」ともいう)に関す 。本発明の輸送方法によれば、例えば、海 の輸送コンテナ内のような過酷な雰囲気下( えば、温度60℃、相対湿度90%)にフッ素含有 化チタンを含む光触媒性部材が保管された 合であっても、フッ素含有酸化チタンにお るフッ素含有量の減少を抑制できるという 果を好ましくは奏する。本発明の輸送方法 おいて「前記光触媒性部材を密閉容器内に 入して輸送する」とは、例えば、フッ素含 酸化チタンを含む光触媒性部材を密閉容器 に封入した状態で輸送することを含み得る 前記光触媒性部材を密閉容器内に封入した 態における密閉容器内の相対湿度は、例え 、30%以下であり、好ましくは20%以下、より ましくは10%以下である。

 前記輸送は、前記光触媒性部材が封入さ た密閉容器をコンテナ内に配置して輸送す ことを含んでいても良い。本発明における 送としては、例えば、トラック、フェリー 飛行機等による輸送が挙げられる。

 前記密閉容器内に、例えば、吸湿性物質 封入されていても良く、また、不活性ガス よび/または乾燥空気が充填されていても良 い。本発明の輸送方法において、フッ素含有 酸化チタン、光触媒性部材、吸湿性物質、密 閉容器、不活性ガス、乾燥空気は、上述のと おりである。

 本発明の輸送方法は、その他の態様とし 、輸送中に本発明の保管方法によりフッ素 有酸化チタン光触媒部材を保管することを む、光触媒性部材の輸送方法であってもよ 。

 [製造方法]
 本発明は、さらにその他の態様として、フ 素含有アナタース型酸化チタンを含む光触 性部材製品の製造方法であって、フッ素含 アナタース型酸化チタンを含む光触媒性部 を、密閉容器内に封入する工程を含む光触 性部材製品の製造方法に関する。本発明の 触媒性部材製品の製造方法によれば、例え 、フッ素含有酸化チタンを含む光触媒部材 保管および/または輸送において、フッ素含 有酸化チタンにおけるフッ素含有量の減少を 抑制可能な光触媒性部材製品を提供できると いう効果を好ましくは奏する。

 密閉容器への光触媒性部材の封入は、相 湿度が30%以下の条件で行うことが好ましく より好ましくは相対湿度30%以下、温度50℃ 下の条件であり、さらに好ましくは相対湿 20%以下、温度25℃以下の条件、さらにより好 ましくは相対湿度10%以下、温度25℃以下の条 である。封入工程において、光触媒性部材 、例えば、吸湿性物質と共に密閉容器内に 入しても良い。また、密閉容器内に、不活 ガスおよび/または乾燥空気を充填すること を含んでいても良い。

 本発明の製造方法は、例えば、フッ素含 酸化チタンを含む光触媒性材料を基材に塗 する工程を含んでいても良い。基材への塗 は、光触媒性材料を、例えば、水およびエ ルアルコール等の溶媒に分散させて塗布し も良い。基材としては、例えば、上記通気 を有する基材、上記通気性を有さない基材 が使用できる。光触媒性材料は、さらに、 着材、バインダー等を含んでいても良い。

 本発明の製造方法において、フッ素含有 化チタン、光触媒性部材、吸湿性物質、密 容器、不活性ガス、吸着材、バインダー、 燥空気は、上述のとおりである。

 以下、フッ素含有酸化チタンを含む光触 性部材の機能とフッ素含有酸化チタンにお るのフッ素含有量との関係を、図面を参照 ながら説明する。

 (光触媒性部材の評価方法の一形態)
 <光触媒性部材3の脱臭性能評価用モジュ ル>
 図1は、光触媒性部材3の脱臭性能評価用モ ュールの一例を示す図である。本形態にお る光触媒性部材3の活性評価は、上記モジュ ルを用いて、アセトアルデヒドの脱臭性能 測定することにより行う。

 図1に示すように、光触媒性部材3の脱臭 能評価用モジュールは、ボックス1(アクリル 製、内容積100L)、測定装置筐体2、撹拌用ファ ン4、および、ブラックライトブルー蛍光灯5 より構成されている。

 ボックス1の内部には、測定装置筐体2と撹 用ファン4が設置され、測定装置筐体2の内部 には、光触媒性部材3(60mm×60mm)が挿入されて る。また、測定装置筐体2の下部には、ボッ ス1内のガスが光触媒性部材3を通過するよ に、ファン6が備えられている。光触媒性部 3の真上には、ブラックライトブルー蛍光灯 5(6W、松下電器産業(株)製)が、約50mmの間隔で5 本設置されており、プルーブ(UVS365、ウシオ 機(株)製)で照射時の光の強度が1.0mW/cm 2 となるように、光触媒性部材3までの距離が め調節されている。

 <光触媒性部材3の脱臭性能評価実験>
 光触媒性部材3による脱臭性能を測定するた めの実験は、以下の方法で行う。

 ボックス1内に相対湿度が5%以下の乾燥空 を導入しながら、撹拌用ファン4を30分間ほ 回転させることによって、ボックス1内を乾 燥空気に置換する。その後、ボックス1内の セトアルデヒド濃度が約10ppmとなるように、 窒素希釈のアセトアルデヒド524ppm標準ガスを 1.80L、ボックス1内に導入する。アセトアルデ ヒドの導入直後、撹拌用ファン4を停止する

 撹拌用ファン4の停止とほぼ同時に、ブラ ックライトブルー蛍光灯5を点灯させるとと に、測定装置筐体2のファン6を回転させる。 ファン6の回転後、3分毎の自動サンプリング 置を備えたガスクロマトグラフ(GC-14B、(株) 津製作所製)をスタートさせる。サンプリン グは、1サンプリング/3分の頻度で、1時間継 して行う。ガスクロマトグラフでは、カラ としてGaskuropack56(ジーエルサイエンス(株)製) を使用する。

 該評価方法において、光触媒性部材3の脱 臭能力は、脱臭速度係数が大きいほど、優れ た脱臭能力を有しているとして評価する。こ こで、「脱臭速度係数」とは、アセトアルデ ヒド濃度の時間変化を対数近似し、その傾き の絶対値として定義する。脱臭速度係数は、 吸着剤による吸着脱臭能力と、光触媒性部材 3による分解脱臭能力とを切り分けて、アセ アルデヒド濃度を用いて算出する。なお、 評価方法では、光触媒性部材3による分解脱 能力を正確に評価するために、開始0分から 3分後までのアセトアルデヒド濃度ではなく 開始3分後から15分後までのアセトアルデヒ 濃度を用いた。

 <フッ素含有酸化チタンのフッ素含有量の 測定方法>
 光触媒性部材3におけるフッ素含有酸化チタ ンのフッ素含有量の測定は、以下の方法で行 う。

 秤量した光触媒性部材3(約5~8mg)に、助燃 としての三酸化タングステン(60mg)を添加し アルゴン(200ml/分)と酸素(400ml/分)を燃焼ガス して、自動試料燃焼装置(AQF-100、(株)ダイア インスツルメンツ製)で1080℃に加熱する。こ により発生したガスを、過酸化水素水(900mg/ L)と炭酸ナトリウム(3mM)の混合水溶液からな 吸収液に吸収させて、吸収液中のフッ化物 オンの濃度を、イオンクロマトグラフ法(ICS- 1500、日本ダイオネクス(株)製)で測定する。

 イオンクロマトグラフ法では、炭酸ナト ウム(2.7mM)と炭酸水素ナトリウム(0.3mM)の混 溶液からなる溶離液と、ガードカラムAG12Aお よび分離カラムAS12A(日本ダイオネクス(株)製) とを用いて、導電率を検出することにより、 フッ化物イオン濃度を測定する。

 図2は、該評価方法に係るフッ素含有酸化 チタンのフッ素含有量と脱臭速度係数との相 関関係を示すグラフの一例である。図2では フッ素含有量が0重量%、1.3重量%、3.76重量%の フッ素含有酸化チタンをそれぞれ含む光触媒 性部材3を用いた例の結果を示す。

 図2に示すように、フッ素含有量と脱臭速 度係数とは、ほぼ比例関係にある。このため 、フッ素含有量の低下は、光触媒性部材の脱 臭速度係数の低下を意味するため、好ましい ものではない。例えば、フッ素含有量が3.76 量%のフッ素含有酸化チタンを含む光触媒性 材3の脱臭速度係数は、0.0163であり、高い数 値を示す。そこで、一般的に許容されうる脱 臭速度を、上記脱臭速度係数の80%に相当する 0.013とすると、図2からも明らかなように、フ ッ素含有酸化チタンのフッ素含有量は、2.5重 量%以上が望ましいということになる。

 以下、実施例について説明する。なお、 下の実施例において特に示さない限り、「 度」はいずれも「相対湿度」を意味する。

 <実施例A>
 本実施例Aでは、光触媒性部材としては、酸 化チタンに対してフッ素を3.76重量%含有する ッ素含有アナタース型酸化チタンを含む光 媒性部材を使用した。光触媒性部材を、下 の実施例1および2並びに比較例1に示す所定 温度および湿度に設定した恒温槽(DN43、ヤ ト科学(株)製)、または、恒温恒湿槽(PL-2KP、 スペック(株)製)内に72時間保管した後、フ 素含有酸化チタンのフッ素含有量をそれぞ 測定した。実施例1および2並びに比較例1に ける保管条件(相対湿度・温度)を下記表1に す。なお、フッ素含有量は、光触媒性部材( ッ素含有酸化チタン)を酸で溶解し、高周波 数誘導プラズマ分光法(ICP)を用いて溶解液中 Ti 4+ とF - との比(F - /Ti 4+ )を求めることにより算出した。

 図3は、本実施例Aにおける恒温恒湿槽内 の光触媒性部材の温度および湿度プロファ ルである。図3に示すように、本実施例Aにお ける保管開始時間は、上記光触媒性部材が所 定の設定温度および設定湿度にともに達した 直後(1時間後)からとした。

 実施例1では、光触媒性部材を、相対湿度 が10%、温度が25℃、40℃、60℃の条件下で、そ れぞれ72時間、恒温槽内に保管した。本実施 1では、恒温槽の温度を上記所定の温度に設 定し、かつ、湿度が約10%となるように水分を 含んだ空気を恒温槽内に流通させて行った。

 実施例2では、光触媒性部材を、相対湿度 30%、温度25℃、40℃または60℃に設定した恒温 高湿槽内で、それぞれ72時間保管した。

 比較例1では、光触媒性部材を、相対湿度 50%、温度25℃、40℃または60℃に設定した恒温 高湿槽内で、それぞれ72時間保管した。

 <評価>
 下記表1に、恒温恒湿実験前のフッ素含有量 3.76重量%を100とした時の、実施例1および2、 較例1における恒温恒湿実験後のフッ素含有 化チタンにおけるフッ素含有量の割合と、 の判定結果を示す。本実施例Aにおける判定 方法は、恒温恒湿実験後のフッ素含有量の割 合が95以上100以下の場合、フッ素含有量は変 していないものと考えて、「○」とした。 方、恒温恒湿実験後のフッ素含有量の割合 95未満の場合、フッ素含有量は減少したも と考えて、「×」とした。なお、恒温恒湿実 験後のフッ素含有量の割合は、下記の式より 算出した。
恒温恒湿実験後のフッ素含有量の割合={(恒温 恒湿実験後のフッ素含有量(重量%))/(恒温恒湿 実験前のフッ素含有量(重量%))}×100

 上記表1に示すように、実施例1および2で 、全ての温度において判定が「○」となっ 。つまり、実施例1および2では、保管中の ッ素含有量の遊離率もいずれも5%以下であっ た。特に、実施例1では、全ての温度におい フッ素含有量の低下が見られず、さらに好 しい結果となった。一方、比較例1では、温 が60℃の時、フッ素含有量が10%低下し、判 が「×」となった。

 比較例1aとして、光触媒性部材としてフ 素含有量が3.65重量%のフッ素含有酸化チタン を使用し、恒温槽または恒温恒湿槽の温度を 25℃に設定した以外は比較例1と同様の条件で 光触媒性部材を保管した。その結果を下記表 2に示す。

 上記表2に示すように、相対湿度が50%であ る比較例1aでは、21日以上保管すると、保管 のフッ素含有量と比べてフッ素含有量が6%以 上減少した。

 比較例1bとして、光触媒性部材としてフ 素含有量が3.65重量%のフッ素含有酸化チタン を使用し、恒温槽または恒温恒湿槽の温度を 40℃に設定した以外は比較例1と同様の条件で 光触媒性部材を保管した。その結果を下記表 3に示す。

 上記表3に示すように、相対湿度が50%であ る上記条件では5日以上保管すると、保管前 フッ素含有量と比べてフッ素含有量が6%以上 減少した。

 <実施例B>
 本実施例Bでは、粉末の状態で秤量した光触 媒性部材3gを、下記に示す実施例3から9およ 比較例2から4の条件で、温度40℃、湿度50%に 定した恒温恒湿槽(PL-2KP、エスペック(株)製) 内に3ヶ月間保管した際の、フッ素含有酸化 タンのフッ素含有量の時間変化を測定した 実施例3から9および比較例2から4の保管条件 下記表4に示す。なお、光触媒性部材として 、フッ素含有量が3.76重量%のフッ素含有酸化 タンを含む光触媒性部材を使用した。

 実施例3では、光触媒性部材を、ポリエチ レン製のチャック付き密閉容器(170×240mm)に、 吸湿性物質であるシリカゲル(250g、関東化学( 株))と共に入れて、密閉した状態で恒温恒湿 内に3ヶ月間保管した。なお、シリカゲルは 、実験前に180℃で2時間乾燥処理したものを 用した。また、容器の密閉は常温で行った

 実施例4では、光触媒性部材のみを、ポリ エチレン製のチャック付き密閉容器(170×240mm) に入れて、密閉した状態で恒温恒湿槽内に3 月間保管した。容器の密閉は、上記実施例3 同様の条件で行った。

 比較例2では、光触媒性部材を、シャーレ に入れて、特に密閉はせずに、恒温恒湿槽内 に3ヶ月間保管した。

 実施例5では、光触媒性部材を、アルミ製 の容器に入れて真空ポンプで脱気し、密閉し た状態で恒温恒湿槽内に3ヶ月間保管した。

 比較例3では、光触媒性部材を、シャーレ に入れて、特に密閉はせずに、恒温恒湿槽内 に3ヶ月間保管した。

 実施例6では、光触媒性部材を、アルミ製 の容器に入れ、25℃における湿度が10%以下で る窒素ガスを充填し、密閉した状態で恒温 湿槽内に3ヶ月間保管した。

 実施例7では、光触媒性部材を、アルミ製 の容器に入れ、25℃における湿度が10%以下で るアルゴンガスを充填し、密閉した状態で 温恒湿槽内に3ヶ月間保管した。

 実施例8では、光触媒性部材を、二口のア ルミ製の容器に入れ、25℃における湿度が10% 下である窒素ガスを流通させながら、恒温 湿槽内に3ヶ月間保管した。

 実施例9では、光触媒性部材を、二口のア ルミ製の容器に入れ、25℃における湿度が10% 下であるアルゴンガスを流通させながら、 温恒湿槽内に3ヶ月間保管した。

 比較例4では、光触媒性部材を、シャーレ に入れて、特に密閉はせずに、恒温恒湿槽内 に3ヶ月間保管した。

 <評価>
 評価は、実験前のフッ素含有量3.76重量%を10 0とした時の、保管中のフッ素含有酸化チタ のフッ素含有量の割合に基づき行った。得 れた結果を下記表4および図4から6に示す。 4は、実施例3および4並びに比較例2における ッ素含有酸化チタンのフッ素含有量の時間 化を示すグラフであり、図5は、実施例5お び比較例3におけるフッ素含有酸化チタンの ッ素含有量の時間変化を示すグラフであり 図6は、実施例6から9および比較例4における フッ素含有酸化チタンのフッ素含有量の時間 変化を示すグラフである。

 上記表4および図4に示すように、実施例3 よび4では、3ヵ月後の酸化チタンにおける ッ素含有量は、実験前のフッ素含有量の約90 %以上となり、フッ素含有量の減少速度は抑 される結果となった。特に、実施例3では、3 ヶ月が経過しても、ほとんどフッ素含有量の 減少は見られず、さらに好ましい結果となっ た。一方、比較例2では、3ヶ月後のフッ素含 酸化チタンのフッ素含有量は、実験前のフ 素含有量の約80%に低下した。

 上記表4および図5に示すように、実施例5 は、3ヶ月後のフッ素含有酸化チタンのフッ 素含有量は、実験前のフッ素含有量の約98%と なり、フッ素含有量の減少速度は抑制される 結果となった。一方、比較例3では、3ヶ月後 フッ素含有量は、実験前のフッ素含有量の8 0%に低下した。

 上記表4および図6に示すように、実施例6~ 9では、3ヵ月後のフッ素含有量は、実験前の ッ素含有量の約93%以上となり、フッ素含有 の減少速度は抑制される結果となった。特 、実施例6および7では、3ヵ月後のフッ素含 量は、実験前のフッ素含有量の約98%、すな ち、フッ素含有量の減少はほとんど見られ 、さらに好ましい結果となった。また、実 例6~9で示すように、窒素ガスとアルゴンガ との差異はほとんど無かった。一方、比較 4では、3ヶ月後のフッ素含有量は、実験前 フッ素含有量の80%に低下した。

 なお、上記実施例3および4において、密 容器の材質は、ポリエチレンに限定される とはなく、ポリエチレンテレフタレート、 化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリア ド等でも良く、また、アルミニウム、鉄等 金属でも良い。

 また、吸湿性物質は、シリカゲルに限定 れることはなく、ゼオライト、モレキュラ シーブ等でも良い。

 実施例5ではアルミ製の容器を用いたが、 鉄等の他の金属、もしくは、水分を通さない よう加工されたプラスチック等でも良い。

 なお、実施例6~9において、密閉容器に充 もしくは流通させるガスは、窒素ガス、ア ゴンガスに限定されることはなく、ネオン ス、ヘリウムガスなどでも良い。

 本発明における光触媒性部材の保管方法 、例えば、脱臭、消臭、空気清浄等の目的 使用される、フッ素を含有した酸化チタン 含む光触媒性部材の保管方法として有用で る。

 1  ボックス
 2  測定装置筐体
 3  光触媒性部材
 4  攪拌用ファン
 5  ブラックライトブルー蛍光灯
 6  ファン




 
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