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Title:
MICROMIRROR ELEMENT AND MICROMIRROR ARRAY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129988
Kind Code:
A1
Abstract:
A movable beam (182a) and a movable beam (182b), each of which has one end fixed to a frame section (181), are arranged inside the frame section (181) of a mirror substrate (108). Each of the movable beam (182a) and the movable beam (182b) has the one end fixed to each of the two facing sides inside the frame section (181), and the beams are arranged at a prescribed interval on the same line in a direction where the two sides face each other. Furthermore, each of the movable beam (182a) and the movable beam (182b) has the other end displaceable in the normal line direction of the mirror substrate (108), and has a cantilever structure. A mirror (183) is arranged between the movable beam (182a) and the movable beam (182b) by being connected to a pair of connecting sections (109a, 109b).

Inventors:
USUI MITSUO (JP)
UCHIYAMA SHINGO (JP)
SHIMOKAWA FUSAO (JP)
HASHIMOTO ETSU (JP)
YAMAGUCHI JOHJI (JP)
MATSUURA TOHRU (JP)
KONISHI TOSHIFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057364
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
April 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON TELEGRAPH & TELEPHONE (JP)
NTT ADVANCED TECH KK (JP)
USUI MITSUO (JP)
UCHIYAMA SHINGO (JP)
SHIMOKAWA FUSAO (JP)
HASHIMOTO ETSU (JP)
YAMAGUCHI JOHJI (JP)
MATSUURA TOHRU (JP)
KONISHI TOSHIFUMI (JP)
International Classes:
G02B26/08; B81B3/00
Foreign References:
US20060222312A12006-10-05
JP2006524349A2006-10-26
Attorney, Agent or Firm:
YAMAKAWA, Masaki et al. (8th Floor Shuwa-Tameike Building, 4-2, Nagatacho 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 14, JP)
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Claims:
 反射部と、この反射部に対向して配置される電極部とから構成され、
 前記反射部は、
 一端が固定されて他端が変位可能とされ、他端の側で対向して所定の距離離間して1列に配置された第1可動梁及び第2可動梁と、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁と1列に配列されて前記第1可動梁及び前記第2可動梁の間に回動可能に配置されたミラーと、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁の各々の他端と前記ミラーとを連結する1対の第1連結部及び第2連結部と
 を少なくとも備え、
 前記電極部は、
 前記第1可動梁と所定距離離間して対向配置された第1可動梁駆動電極と、
 前記第2可動梁と所定距離離間して対向配置された第2可動梁駆動電極と、
 前記ミラーと所定距離離間して対向配置されたミラー駆動電極と
 を少なくとも備える
 ことを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項1記載のマイクロミラー素子において、
 少なくとも前記第1可動梁が変位する領域を挟むように配置されて前記第1可動梁駆動電極に電気的に接続する2つの第1壁電極と、
 少なくとも前記第2可動梁が変位する領域を挟むように配置されて前記第2可動梁駆動電極に電気的に接続する2つの第2壁電極と
 を備えることを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項1記載のマイクロミラー素子において、
 前記第1可動梁,前記第1連結部,前記ミラー,前記第2連結部,及び前記第2可動梁は、この順に前記第1連結部及び前記第2連結部を通る回動軸の上に配列され、
 前記ミラーは、前記回動軸を中心に回動可能とされ、
 前記第1可動梁の他端及び前記第2可動梁の他端は、前記電極部の方向に変位可能とされている
 ことを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項1記載のマイクロミラー素子において、
 前記ミラー駆動電極は、
 前記回動軸に線対称に形成された1対の第1ミラー駆動電極及び第2ミラー駆動電極から構成されている
 ことを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項4記載のマイクロミラー素子において、
 前記第1ミラー駆動電極及び第2ミラー駆動電極は、1組のマイクロミラー素子の形成領域内において、外側に行くほど前記回動軸の方向の長さが小さくなるように形成されている
 ことを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項1記載のマイクロミラー素子において、
 前記第1連結部及び第2連結部は、複数の屈曲部を有し、前記回動軸に平行な部分の長さの合計が、無負荷状態における連結間の間隔より大きくなるように形成されている
 ことを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項6記載のマイクロミラー素子において、
 前記第1連結部及び第2連結部は、平面視略H字状の形状に形成されている
 ことを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項1記載のマイクロミラー素子において、
 前記ミラーは、前記第1連結部及び前記第2連結部に近づくほど幅が狭くなる平面形状を備える
 ことを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項1記載のマイクロミラー素子において、
 前記ミラーは、前記回動軸上に長軸が配置される楕円とされた平面形状を備える
 ことを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項1記載のマイクロミラー素子において、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁は、開口部を備える
 ことを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項1記載のマイクロミラー素子において、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁は、前記一端側の梁部と前記他端側の梁部とから構成され、前記一端側の梁部の幅と前記他端側の梁部の幅とは異なって形成されている
 ことを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項1記載のマイクロミラー素子において、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁の前記ミラーの側に前記第1連結部及び第2連結部を挟むように延長された可動梁延在部と、
 前記可動梁延在部の延長先の端部に対向する前記電極部の上に配置された支承部と
 を備えることを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項12記載のマイクロミラー素子において、
 前記ミラーの前記第1可動梁及び前記第2可動梁の側に前記第1連結部及び第2連結部を挟むように延長されたミラー延在部を備え、
 前記支承部は、前記可動梁延在部及び前記ミラー延在部の延長先の端部に対向する前記電極部の上に配置されている
 ことを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項1記載のマイクロミラー素子において、
 前記ミラーの前記第1可動梁及び前記第2可動梁の側に前記第1連結部及び第2連結部を挟むように延長されたミラー延在部と、
 前記ミラー延在部の延長先の端部に対向する前記電極部の上に配置された支承部と
 を備えることを特徴とするマイクロミラー素子。
 請求項1記載のマイクロミラー素子において、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁の前記ミラー側の端部および前記ミラーの前記第1可動梁及び前記第2可動梁側の端部に対向する前記電極部の上に配置された支承部を備えることを特徴とするマイクロミラー素子。
 複数のマイクロミラー素子が配列されたマイクロミラーアレイであって、
 前記マイクロミラー素子は、
 反射部と、この反射部に対向して配置される電極部とから構成され、
 前記反射部は、
 一端が固定されて他端が変位可能とされ、他端の側で対向して所定の距離離間して1列に配置された第1可動梁及び第2可動梁と、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁と1列に配列されて前記第1可動梁及び前記第2可動梁の間に回動可能に配置されたミラーと、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁の各々の他端と前記ミラーとを連結する1対の第1連結部及び第2連結部と
 を少なくとも備え、
 前記電極部は、
 前記第1可動梁と所定距離離間して対向配置された第1可動梁駆動電極と、
 前記第2可動梁と所定距離離間して対向配置された第2可動梁駆動電極と、
 前記ミラーと所定距離離間して対向配置されたミラー駆動電極と
 を少なくとも備え、
 前記マイクロミラー素子は、前記第1可動梁及び前記第2可動梁の配列方向に垂直な方向に添って配列されている
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項16記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 少なくとも前記第1可動梁が変位する領域を挟むように配置されて前記第1可動梁駆動電極に電気的に接続する2つの第1壁電極と、
 少なくとも前記第2可動梁が変位する領域を挟むように配置されて前記第2可動梁駆動電極に電気的に接続する2つの第2壁電極と
 を備えることを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項17記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 隣接する前記マイクロミラー素子の間において、隣接する前記マイクロミラー素子の間の前記第1可動梁および前記第2可動梁の上側に、前記第1可動梁および前記第2可動梁とは離間した第1上部素子間電極および第2上部素子間電極を備える
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項18記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記第1上部素子間電極および前記第2上部素子間電極は、一体に形成されている
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項16記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記第1可動梁,前記第1連結部,前記ミラー,前記第2連結部,及び前記第2可動梁は、この順に前記第1連結部及び前記第2連結部を通る回動軸の上に配列され、
 前記ミラーは、前記回動軸を中心に回動可能とされ、
 前記第1可動梁の他端及び前記第2可動梁の他端は、前記電極部の方向に変位可能とされている
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項16記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記ミラー駆動電極は、
 前記回動軸に線対称に形成された1対の第1ミラー駆動電極及び第2ミラー駆動電極から構成されている
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項21記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記第1ミラー駆動電極及び第2ミラー駆動電極は、1組のマイクロミラー素子の形成領域内において、外側に行くほど前記回動軸の方向の長さが小さくなるように形成されている
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項16記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記第1連結部及び第2連結部は、複数の屈曲部を有し、前記回動軸に平行な部分の長さの合計が、無負荷状態における連結間の間隔より大きくなるように形成されている
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項23記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記第1連結部及び第2連結部は、平面視略H字状の形状に形成されている
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項16記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記ミラーは、前記第1連結部及び前記第2連結部に近づくほど幅が狭くなる平面形状を備える
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項16記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記ミラーは、前記回動軸上に長軸が配置される楕円とされた平面形状を備える
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項16記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁は、開口部を備える
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項16記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁は、前記一端側の梁部と前記他端側の梁部とから構成され、前記一端側の梁部の幅と前記他端側の梁部の幅とは異なって形成されている
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項16記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁の前記ミラーの側に前記第1連結部及び第2連結部を挟むように延長された可動梁延在部と、
 前記可動梁延在部の延長先の端部に対向する前記電極部の上に配置された支承部と
 を備えることを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項29記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記ミラーの前記第1可動梁及び前記第2可動梁の側に前記第1連結部及び第2連結部を挟むように延長されたミラー延在部を備え、
 前記支承部は、前記可動梁延在部及び前記ミラー延在部の延長先の端部に対向する前記電極部の上に配置されている
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項16記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記ミラーの前記第1可動梁及び前記第2可動梁の側に前記第1連結部及び第2連結部を挟むように延長されたミラー延在部と、
 前記ミラー延在部の延長先の端部に対向する前記電極部の上に配置された支承部と
 を備えることを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項16記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 隣り合う電極部の前記第1ミラー駆動電極及び前記第2ミラー駆動電極の間に配置されて前記ミラーと等電位とされた素子間電極
 を備えることを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項32記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記素子間電極は、前記ミラー駆動電極より高く形成されている
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項32記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁の前記ミラーの側に前記第1連結部及び第2連結部を挟むように延長された可動梁延在部と、
 前記素子間電極に電気的に接続され、前記可動梁延在部の延長先の端部に対向する前記電極部の上に配置された支承部と
 を備えることを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項34記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記ミラーの前記第1可動梁及び前記第2可動梁の側に前記第1連結部及び第2連結部を挟むように延長されたミラー延在部を備え、
 前記支承部は、前記可動梁延在部及び前記ミラー延在部の延長先の端部に対向する前記電極部の上に配置されている
 ことを特徴とするマイクロミラーアレイ。
 請求項16記載のマイクロミラーアレイにおいて、
 前記第1可動梁及び前記第2可動梁の前記ミラー側の端部および前記ミラーの前記第1可動梁及び前記第2可動梁側の端部に対向する前記電極部の上に配置された支承部を備えることを特徴とするマイクロミラーアレイ。
                                                                                
Description:
マイクロミラー素子及びマイク ミラーアレイ

 本発明は、通信用の光スイッチング素子 計測機器、ディスプレイ、スキャナ、波長 択スイッチ等に使用されるマイクロミラー 子及びマイクロミラーアレイに関するもの ある。

 インターネット通信網などにおける基盤 なる光ネットワークの分野では、多チャン ル化、波長分割多重(WDM)化及び低コスト化 実現する技術として、光MEMS(Micro Electro Mecha nical Systems)技術が脚光を浴びており、光MEMS 術を用いた光スイッチが開発されている(文 1:特開2003-057575号公報参照)。このMEMS型の光 イッチの構成部品として最も特徴的なもの 、複数のマイクロミラー素子を配列したマ クロミラーアレイである。

 光スイッチは、光を電気信号に変換する となく、経路切り替えを可能にするもので り、また、光スイッチを用いれば、多重化 れた光であっても、これを波長ごとに分波 ることなく経路の切り替えが可能である。 のような光スイッチは、例えば、使用して る経路に障害が発生した際に別の経路に信 を振り分け、通信できる状態を維持するた に用いられている。

 また、近年、多重化された光を波長毎に 波した後で分波した各々の波長の光の経路 個別に選択する波長選択スイッチが研究開 されているが、ここにもマイクロミラー素 が使用されている。

 以下、文献1に示されたマイクロミラー素 子(マイクロミラーアレイ)について、図29及 図30を用いて説明する。ここでは、マイクロ ミラーアレイを、ミラー基板とこれに対向配 置された電極基板とから構成している。ミラ ー基板は、ミラーとして作用する複数の可動 構造体と、この可動構造体をトーションばね などのばね部材によって回動可能に支持する 支持部材とを有する。また、電極基板には、 ミラーとして作用する可動構造体に対応した 複数の電極部が、土台となる基板の上に形成 されている。

 図29は、ミラー基板及び電極基板の構成 概略的に示す斜視図、図30は、マイクロミラ ー素子の構成を概略的に示す断面図である。 なお、図29,図30は、主にマイクロミラーアレ の1構成単位であるマイクロミラー素子を部 分的に示している。マイクロミラーアレイは 、図29,図30に示すマイクロミラー素子が、1次 元的あるいは2次元的に配列されたものであ 。マイクロミラー素子は、ミラーが形成さ たミラー基板200と、電極が形成された電極 板300とを備え、これらが平行に配設されて る。

 ミラー基板200は、板状の基部210とリング の可動枠220と円板状のミラー230とを備える 基部210は、平面視略円形の開口を備える。 動枠220は、基部210の開口内に配置され、一 の連結部211a,211bにより基部210に連結してい 。また、可動枠220も、平面視略円形の開口 備えている。ミラー230は、可動枠220の開口 に配置され、一対のミラー連結部221a,221bに り可動枠220に連結されている。また、基部2 10の周辺部には、可動枠220及びミラー230を取 囲むような枠部240が形成されている。枠部2 40は、絶縁層250を介して基部210に固定されて る。

 連結部211a,211bは、可動枠220の切り欠き内 設けられており、つづら折りの形状を有す トーションばねから構成され、基部210と可 枠220とを連結している。このように基部210 連結された可動枠220は、連結部211a,211bを通 回動軸(可動枠回動軸)を中心に、回動可能 されている。また、ミラー連結部221a,221bは 可動枠220の切り欠き内に設けられており、 づら折りの形状を有するトーションばねか 構成され、可動枠220とミラー230とを連結し いる。このように可動枠220に連結されたミ ー230は、ミラー連結部221a,221bを通る回動軸( ラー回動軸)を中心に回動可能とされている 。なお、可動枠回動軸とミラー回動軸とは、 互いに直交している。

 一方、電極基板300は、板状の基部310と基 310の上面に突出する突出部320と、突出部320 周辺部に突出部320を挟むように並設された 対の凸部360a及び凸部360bを備えている。突 部320は、角錐台の形状を有する第2テラス322 、第2テラス322の上面に形成された角錐台の 形状を有する第1テラス321と、第1テラス321の 面に形成された角錐台の形状を有するピボ ト330とから構成される。ピボット330は、ミ ー230の中央部に対応して配置されている。

 また、突出部320の外面を含む電極基板300 上面には、対向するミラー基板200のミラー2 30と同心の円内に、扇形の電極340a,電極340b,電 極340c,電極340dが形成されている。さらに、電 極基板300の突出部320の周囲の凸部360a及び凸 360bの内側には、配線370が形成され、配線370 は、引き出し線341a~341dを介して電極340a~340d 接続されている。これら電極及び配線は、 極基板300の表面に形成された絶縁層311の上 形成されている。

 上述した構成とされたミラー基板200と電 基板300とは、各々対応するミラー230と電極3 40a~340dとが対向配置され、基部210の下面が、 部310の凸部360a及び凸部360bの上面に絶縁層31 1を介して接合され、図30に示すようなマイク ロミラー素子が形成される。

 このようなマイクロミラー素子において 、ミラー230を接地し、電極340a~340d間に正又 負の電圧を与え、加えて電極340a~340dの間に 対称な電位差を生じさせることで、ミラー2 30を静電引力で吸引し、ミラー230を任意の方 へ回動させることができる。このマイクロ ラー素子を用い、例えば1入力2出力光スイ チを構成する場合は、入力ポートからの光 号をミラー230に照射し、ミラー230の反射光 2つの出力ポートのうちいずれか一方に入射 るように、ミラー230の傾斜角を制御すれば い。

 図29、図30に示した従来のマイクロミラー 素子では、例えば、ミラー230とミラー連結部 221a,221bとの接続点及び可動枠220と連結部211a,2 11bとの接続点と2つの略固定点を設け、これ 2つの略固定点を結ぶ軸をミラー回動軸及び 動枠回動軸としてミラー230を異なる2つの方 向への回動を可能としている。従って、上述 した従来のマイクロミラー素子では、回動軸 を形成する連結部の大きさに応じた距離だけ 、隣り合うミラーの間隔が必要となる。

 ところで、波長選択スイッチのように合 された光信号をグレーティングなどで一軸 向に分波した各波長の光の経路を切り替え ためには、異なる2つの方向に回動可能なマ イクロミラー素子を、隣り合うミラーの間隔 を一定値以下に狭めて1次元的に配列したマ クロミラーアレイを用いる必要がある。分 した各波長の光の経路間隔に対してミラー 間隔が大きくなると、ミラーとミラーの間 光が当たってしまい、出力ポートに当該波 の光を導けないという現象が生じる。例え 、グレーティングで分波された比較的密な 長間隔の光信号を波長選択スイッチでスイ チングするためには、配列されたミラーの 心間隔を100μm程度に狭めることが要求され 。さらに、光信号の通過帯域に対する要求 様によっては、ミラーの中心間隔に対する 列方向のミラーの幅を80%以上にすることが 求される場合がある。この場合、隣り合う ラーの間隔として、20μm以下という寸法が要 求されることになる。

 従って、グレーティングなどで分波した 波長の光の経路を切り替える波長選択スイ チなどでは、上述したミラーの2軸の回動動 作が、隣り合うミラーの間隔を20μm以下に狭 した状態で要求される。しかしながら、図2 9、図30に示した従来のマイクロミラー素子で は、回動軸の方向に連結部の大きさに応じた 距離だけミラー間隔を離す必要があり、2軸 回動動作を可能とした状態では、上述した うな狭いミラー間隔の要求を満たせないと う問題点があった。

 本発明は、以上のような問題点を解消す ためになされたものであり、ミラーの2軸の 回動動作が、隣り合うミラーの間隔を狭くし た状態でも行えるようにすることを目的とす る。

 本発明に係るマイクロミラー素子は、反 部と、この反射部に対向して配置される電 部とから構成され、反射部は、一端が固定 れて他端が変位可能とされ、他端の側で対 して所定の距離離間して1列に配置された第 1可動梁及び第2可動梁と、第1可動梁及び第2 動梁と1列に配列されて第1可動梁及び第2可 梁の間に回動可能に配置されたミラーと、 1可動梁及び第2可動梁の各々の他端とミラー とを連結する例えば屈曲可能な1対の第1連結 及び第2連結部とを少なくとも備え、電極部 は、第1可動梁と所定距離離間して対向配置 れた第1可動梁駆動電極と、第2可動梁と所定 距離離間して対向配置された第2可動梁駆動 極と、ミラーと所定距離離間して対向配置 れたミラー駆動電極とを少なくとも備える うにしたものである。第1可動梁及び第2可動 梁の変位動作により、ミラーは、2つの回動 を中心とした回動を行う。

 また、本発明に係るマイクロミラーアレ は、複数のマイクロミラー素子が配列され マイクロミラー素子であって、マイクロミ ー素子は、反射部と、この反射部に対向し 配置される電極部とから構成され、反射部 、一端が固定されて他端が変位可能とされ 他端の側で対向して所定の距離離間して1列 に配置された第1可動梁及び第2可動梁と、第1 可動梁及び第2可動梁と1列に配列されて第1可 動梁及び第2可動梁の間に回動可能に配置さ たミラーと、第1可動梁及び第2可動梁の各々 の他端とミラーとを連結する1対の第1連結部 び第2連結部とを少なくとも備え、電極部は 、第1可動梁と所定距離離間して対向配置さ た第1可動梁駆動電極と、第2可動梁と所定距 離離間して対向配置された第2可動梁駆動電 と、ミラーと所定距離離間して対向配置さ たミラー駆動電極とを少なくとも備え、マ クロミラー素子は、第1可動梁及び第2可動梁 の配列方向に垂直な方向に添って配列されて いるようにしたものである。

 以上説明したように、本発明によれば、 ラーに一対の第1連結部及び第2連結部で連 する第1可動梁及び第2可動梁を備え、第1可 梁及び第2可動梁の変位動作により、ミラー おける2つの回動軸を中心とした回動を可能 としたので、ミラーの2軸の回動動作が、隣 合うミラーの間隔を狭くした状態でも行え ようになるという優れた効果が得られる。

図1Aは、本発明の実施例1におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の構 例を示す平面図である。 図1Bは、本発明の実施例1におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の構 例を示す断面図である。 図1Cは、本発明の実施例1におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の構 例を示す断面図である。 図1Dは、本発明の実施例1におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の構 例を示す部分拡大平面図である。 図2は、本発明の実施例1におけるマイ ロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の構成 例を示す斜視図である。 図3A,図3Bは、ミラー183による反射光 投影先を、等間隔で配列された複数のポー 間で切り替える場合について説明する説明 である。 図4は、本発明の実施例1におけるマイ ロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の他の 連結部の構成例を示す平面図である。 図5は、本発明の実施例1におけるマイ ロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の他の 構成例を示す平面図である。 図6は、本発明の実施例1におけるマイ ロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の他の 構成例を示す平面図である。 図7Aは、本発明の実施例1におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の他 構成例を示す平面図である。 図7Bは、本発明の実施例1におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の他 構成例を示す部分断面図である。 図8A,図8Bは、クロストークについて 明する模式的な断面図である。 図9Aは、本発明の実施例1におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の他 構成例を示す平面図である。 図9Bは、本発明の実施例1におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の他 構成例を示す部分断面図である。 図9Cは、本発明の実施例1におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の他 構成例を示す平面図である。 図10Aは、本発明の実施例1におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の の構成例を示す平面図である。 図10Bは、本発明の実施例1におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の の構成例を示す部分断面図である。 図10Cは、本発明の実施例1におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の の構成例を示す平面図である。 図11Aは、本発明の実施例1におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の の可動梁の構成例を示す平面図である。 図11Bは、本発明の実施例1におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の の可動梁の構成例を示す平面図である。 図12Aは、本発明の実施例1におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の の可動梁の構成例を示す平面図である。 図12Bは、本発明の実施例1におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の の可動梁の構成例を示す平面図である。 図13Aは、本発明の実施例2におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の 成例を示す平面図である。 図13Bは、本発明の実施例2におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の 成例を示す断面図である。 図13Cは、本発明の実施例2におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の 成例を示す断面図である。 図14は、本発明の実施例2におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の構 例を示す斜視図である。 図15A,図15Bは、クロストークについ 説明する模式的な断面図である。 図16A,図16Bは、クロストーク抑制効 について説明する特性図である。 図17A~図17Cは、本発明の実施例2にお るマイクロミラー素子(マイクロミラーアレ イ)における他の電極壁の構成例を示す断面 である。 図18は、本発明の実施例2におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)にお る他の電極壁の効果を説明する断面図であ 。 図19Aは、本発明の実施例2におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)に ける他の可動梁の構成例を示す平面図であ 。 図19Bは、本発明の実施例2におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)に ける他の可動梁の構成例を示す平面図であ 。 図20は、本発明の実施例3におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の構 例を示す斜視図である。 図21は、本発明の実施例3におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の構 例を示す断面図である。 図22は、本発明の実施例3におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の構 例を示す断面図である。 図23は、クロストークについて説明す 模式的な断面図である。 図24は、本発明の実施例3におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)にお る他の上部素子間電極の構成例を示す断面 である。 図25は、本発明の実施例3におけるマイ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)にお る他の上部素子間電極の構成例を示す断面 である。 図26は、本発明の実施例におけるマイ ロミラー素子(マイクロミラーアレイ)にお る素子間電極壁の構成例について説明する 式的な断面図である。 図27Aは、本発明の実施例3におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の の構成例を示す断面図である。 図27Bは、本発明の実施例3におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の の構成例を示す平面図である。 図28Aは、本発明の実施例1におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の の構成例を示す断面図である。 図28Bは、本発明の実施例1におけるマ クロミラー素子(マイクロミラーアレイ)の の構成例を示す平面図である。 図29は、従来よりあるマイクロミラー 子(マイクロミラーアレイ)の構成を示す斜 図である。 図30は、従来よりあるマイクロミラー 子(マイクロミラーアレイ)の構成を示す断 図である。 図31は、ポートの切り替え動作を説明 る説明図である。

 以下、本発明の実施例について図を参照 て説明する。

[実施例1]
 はじめに、本発明の実施例1について、図1A- 図1Dを用いて説明する。図1Aは、実施例1にお るマイクロミラー素子の構成例を示す平面 、図1Bおよび図1Cは、実施例1におけるマイ ロミラー素子の構成例を示す断面図、図1Dは 、実施例1におけるマイクロミラー素子の構 例を示す部分拡大した平面図である。図1Aで は、複数のマイクロミラー素子を紙面上下方 向(x方向)に配列してマイクロミラーアレイと した状態を示している。

 本実施例1におけるマイクロミラー素子は 、例えば、電極基板101と、電極基板101に対向 して配置されたミラー基板108とを備え、複数 のマイクロミラー素子が配置されるマイクロ ミラーアレイ領域を囲うように設けられた支 持構造体107により、電極基板101の上に所定距 離離間してミラー基板108が固定されている。 電極基板101とミラー基板108とは、互いに平行 な関係で配置されている。

 単結晶シリコンから構成された電極基板1 01には、配線102,配線103よりなる配線層と、配 線層を覆うように形成された層間絶縁層104と が形成されている。また、電極基板101の層間 絶縁層104の上には、1つのマイクロミラー素 毎に、可動梁駆動電極105a,可動梁駆動電極105 b,ミラー駆動電極106a,及びミラー駆動電極106b 設けられている。これら、可動梁駆動電極1 05a,可動梁駆動電極105b,ミラー駆動電極106a,及 ミラー駆動電極106bにより1つ(1組)の電極部 構成されている。

 可動梁駆動電極105a及び可動梁駆動電極105 bは、層間絶縁層104を貫通する貫通電極110に りいずれかの配線102に接続し、ミラー駆動 極106a及びミラー駆動電極106bは、層間絶縁層 104を貫通する貫通電極111によりいずれかの配 線103に接続している。なお、上述では、各配 線を、層間絶縁層104により層間分離して配置 しているが、これに限らず、各電極形成面の 上に各配線を設けるようにしても良い。

 ミラー基板108は、上記マイクロミラーア イ領域が開口する枠部181を備え、枠部181が 持構造体107の上に接続している。また、ミ ー基板108の枠部181の内側には、一端が枠部1 81に固定された可動梁182a及び可動梁182bを備 ている。可動梁182a及び可動梁182bは、各々の 一端が枠部181の内側の対向する2つの辺の各 に固定され、上記2つの辺の対向する方向の じ線上に、所定の距離離間して整列してい 。このように、可動梁182aおよび可動梁182b 、一端が固定され、他端の側で対向して所 の距離離間して1列に配置されている。図1A 例では、y軸方向に平行な線上に、可動梁182a 及び可動梁182bが整列されている。また、可 梁182a及び可動梁182bは、各々の他端が、ミラ ー基板108の法線方向に変位可能とされ、片持 ち梁構造とされている。

 また、可動梁182a及び可動梁182bの間には 屈曲可能な一対の連結部109a,109bにより連結 れてミラー183が配置されている。ミラー183 、可動梁182a及び可動梁182bと1列に配列され 可動梁182a及び可動梁182bの間に回動可能に配 置されている。また、連結部109a,109bは、可動 梁182a及び可動梁182bの各々の他端とミラー183 を連結している。可動梁182a及び可動梁182b 接続する2つの辺の対向する方向の同じ線上 、可動梁182a,ミラー183,及び可動梁182bが、こ の順に整列している。これら可動梁182a,ミラ 183,可動梁182b,及び一対の連結部109a,109bで、1 つ(1組)の反射部を構成している。

 図1A,図1B,図1Cの例では、y軸方向に平行な 上に、可動梁182a,ミラー183,及び可動梁182bが 整列されている。また、ミラー183は、一対の 連結部109a,109bを通る第1回動軸を中心に回動 能とされている。図1A,図1B,図1Cの例では、y に平行な第1回動軸を中心に回動可能とされ いる。また、図1Aでは、可動梁182a,ミラー183 ,及び可動梁182bが整列(配列)されている方向 垂直な方向に添って、複数のマイクロミラ 素子が配置されてマイクロミラーアレイを 成している。なお、ミラー183の表面には、 やアルミニウムなどから構成された反射膜18 3aが形成され、例えば赤外領域の光を反射可 としている。

 上述した可動梁駆動電極105a,可動梁駆動 極105b,及び1組のミラー駆動電極106a,106bと、 れらに対となる可動梁182a,ミラー183,可動梁18 2b,及び一対の連結部109a,109bで、1つのマイク ミラー素子が構成されている。1つのマイク ミラー素子においては、電極基板101(ミラー 基板108)の法線方向(z軸方向)に対向し、可動 駆動電極105aと可動梁182aとが配置され、可動 梁駆動電極105bと可動梁182bとが配置され、1組 のミラー駆動電極106a,106bとミラー183とが配置 されている。

 可動梁駆動電極105a,可動梁駆動電極105bに 、可動梁182a,可動梁182bを駆動するための駆 電圧(駆動信号)が、配線102を介して供給さ る。また、ミラー駆動電極106a及びミラー駆 電極106bには、ミラー183を駆動するための駆 動電圧が、配線103を介して供給される。なお 、図では簡略化して示しているが、可動梁駆 動電極105aに接続する配線102と可動梁駆動電 105bに接続する配線102とは異なり、ミラー駆 電極106aに接続する配線103とミラー駆動電極 106bに接続する配線103とは異なり、各々異な 任意の駆動電圧を印加することが可能とさ ている。なお、可動梁182a,ミラー183,可動梁18 2b,及び一対の連結部109a,109bは、等電位とされ る。ここで、等電位とは、例えば接地電位と すればよい。

 上述した本実施例1におけるマイクロミラ ー素子は、電極基板101とミラー基板108とを、 支持構造体107を介して貼り合わせることで形 成されている。この中で、ミラー基板108は、 例えば、SOI(Silicon On Insulator)基板から形成で きる。SOI基板は、シリコンからなる厚い基体 部の上に埋め込み絶縁層を介して薄いシリコ ン層(SOI層)を備えたものであり、SOI層を加工 ることで、枠部181,可動梁182a及び可動梁182b, 連結部109a,109b,及びミラー183などの板状の構 体が形成できる。これら構造体を加工した 、基体部,埋め込み絶縁層などを除去すれば い。また、反射膜183aは、所望とする金属を 例えばスパッタ法や蒸着法などにより堆積す ることで形成すればよい。

 一方、電極基板101は、よく知られたLSI集 回路など半導体装置の製造方法を用いるこ で形成可能である。また、主表面の結晶方 が(100)面の単結晶シリコン基板を、水酸化 リウムなどのアルカリ溶液でエッチング加 し、シリコン基板に所定の深さの凹部を形 することで、支持構造体107を備える電極基 を形成するようにしても良い。よく知られ いるように、単結晶シリコンは、(111)面が、 (100)面や(110)面に比べて著しくアルカリによ エッチング速度が小さい。この現象を利用 ることで、角錐台とした支持構造体を形成 ることが可能である。

 なお、個別に用意した支持構造体を用い ようにしても良い。例えば、半田バンプや っきなどにより形成した支持構造体を用い ようにしても良い。また、電極基板101にお て、配線102及び配線103に接続する複数の素 から構成された集積回路を備えるようにし この集積回路により、各電極に印加される 動電圧を制御する制御回路を構成しても良 。また、ミラー部と電極部とを表面マイク マシーニングにより、ビルドアップして一 的に形成する製造方法であっても良い。

 次に、上記マイクロミラー素子の動作に いて説明する。まず、可動梁駆動電極105bに 所定の駆動電圧を印加することで、発生した 静電引力により可動梁182bに対して電極基板10 1の側に引き寄せる力を加えれば、図1Cに示す ように、可動梁182bが、枠部181に支持されて る一端を支点としてたわみ(変形し)、可動梁 182bの他端が電極基板101の側に引き寄せられ ように変位する。この結果、ミラー183は、 結部109aを支点として連結部109bの側が電極基 板101の側に引き寄せられ、ミラー183は、電極 基板101に平行な状態ではなくなり、y軸方向 傾いた状態となる。なお、図1Bは、各電極に 電圧が印加されていない初期状態を示してい る。

 図1Cに示す状態は、マイクロミラー素子 配列方向(x軸方向)に平行なミラー183の中央 を通る第2回動軸を中心に、ミラー183が回動 ていることになる。この回動動作は、可動 駆動電極105aに所定の駆動電圧を印加するこ とで、前述同様に可動梁182aの他端を電極基 101の側に引き寄せることでも行え、この場 は、第2回動軸を中心に、上述した場合とは 対方向にミラー183を回動させることになる 例えば、ミラー183による反射光の投影先を 図31に示すように等間隔で配列された複数 ポート間で切り替える場合について例示す 。この場合、可動梁駆動電極105aに印加する 動電圧を、図3Aに示すように変化させるこ で、図3Bの斜視図に示すようにミラー183の第 2回動軸を中心とした可動動作の回動角度を 御すればよい。

 ところで、ミラー183の第2回動軸を中心と した回転角度は、ミラー183の両端に接続され た連結部109a及び連結部109bの中央部間を結ぶy 軸方向の長さと、可動梁182a又は可動梁182bが 極基板101の側に引き寄せられた際の連結部1 09a及び連結部109bの中央部の沈み込み量との 係で決定される。例えば、連結部109a及び連 部109bの中央部間の長さが500μmで、沈み込み 量が13μmの場合、ミラー183の回転角度θ=tan-1(1 3/500)≒1.5°となる。ここで、沈み込み量は、 動梁駆動電極105a又は可動梁駆動電極105bに 動電圧を印加して発生する静電引力と可動 182a又は可動梁182bのz軸方向のばね定数によ て定まる反発力とのつりあいによって決定 れる。少ない静電引力でミラー183をより大 く回転させるためには、可動梁駆動電極及 可動梁の面積をより大きくすることが有効 あり、幅(x軸方向)が一定の場合は、長さ(y軸 方向)をより大きくすることが有効である。 えば、可動梁182a又は可動梁182bの長さに対す る一対の連結部109a,109bの中央部間の長さの比 は、2対1程度とすることが好適である。

 上述した第2回動軸による回動は、第2回 軸がz軸方向に移動しながら行われるものと る。これに対し、可動梁182a及び可動梁182b z軸方向に異なる側に変位させることで、第2 回動軸を移動させることなく、ミラー183を第 2回動軸を中心に回動させることができる。 えば、可動梁駆動電極105a及び可動梁駆動電 105bに所定のバイアス電圧が印加された状態 より、可動梁駆動電極105a及び可動梁駆動電 105b印加する駆動電圧を制御することで、可 梁182a及び可動梁182bをz軸方向に異なる側に 位させればよい。

 また、ミラー駆動電極106a及びミラー駆動 電極106bに印加する電圧を制御することで、 2の斜視図に示すように、一対の連結部109a,10 9bを通る第1回動軸を中心に、ミラー183を回動 させることができる。例えば、ミラー駆動電 極106aに対してミラー駆動電極106bの方により い電圧が印加し、ミラー183が、第1回動軸を 中心に、ミラー駆動電極106bの側に傾斜する うに制御することができる。従来のマイク ミラー素子は、連結部を略固定端として設 された素子であったが、本実施例1における イクロミラー素子では、連結部109a,109bを積 的に動かすことで、1対の連結部で2軸の回 を実現している。なお、上述では、第1回動 に線対称に、一対のミラー駆動電極106a及び ミラー駆動電極106bを備えるようにしたが、 れに限らず、ミラー駆動電極は、いずれか 方のみでも、ミラー183を回動させることは 能であり、ミラー駆動電極は、1つであって 良い。

 なお、ミラー183は静電引力により駆動し おり、反射部と電極部との間の距離とこれ の間に存在している気体(空気)の誘電率、 射部と電極部との間に印加されている電圧 ミラーや可動梁などの構造体の面積と剛性 どがパラメータとなり、変形状態、すなわ ミラーの回転角度が決定される。従って、 求される仕様を満たすように上述したパラ ータを決定することが、マイクロミラー素 を設計することになり、要求仕様によって 構造体の材料と大きさ、形状などが適宜決 される。特に、連結部109a,109bの形状に関し は、図4に示すつづら折り構造が適用可能な 合もある。また、これ以外の形状であって 良い。例えば、つづら折りの長い部分(x軸 向)に、この延在方向とは異なる方向に凹凸 交互に並んだ複数の屈曲部を備える連結部 用いるようにしても良い(文献2:特許第3831346 号公報参照)。

 次に、連結部109a,109bについて説明する。 えば連結部109aは、x軸方向又はy軸方向と直 する断面が略矩形の形状を有し、図1Dの平 図に示すように、略四角形を回動軸に対称 形成した略H字状の平面形状を有する。連結 109aは、15個の部分191a,部分192a,部分193a,部分1 94a,部分195a,部分196a,部分197a,部分198,部分191b, 分192b,部分193b,部分194b,部分195b,部分196b,及び 分197bから構成され、部分191aが可動梁182aに 続し、部分191bがミラー183の一端に接続し、 可動梁182aにミラー183を回動可能に連結して る。

 なお、連結部109aが連結する一方の接続点 と他方の接続点とを結ぶ方向を「回動軸方向 」又は「y軸方向」、連結部109aの幅方向、す わち連結部109aを含む平面内においてy軸方 と直交する方向を「x軸方向」、連結部109aの 厚さ方向すなわちy軸方向及びx軸方向に直交 る方向を「z軸方向」、連結部109aに連結す ミラー183が回動する方向、すなわちy軸回り 方向を「回動方向」又は「R方向」という。

 連結部109aの平面形状についてより詳細に 説明する。図1Dに示すように、連結部109aは、 部分191a~197a,191b~197b,198が連続して接続される とにより平面視略H字状の形状を構成してい る。部分191a~部分191bは、各々平面視略矩形の 梁の形状を有し、以下に示すように設けられ ている。なお、以下において、各部分の距離 とは、連結部109aを線状にしたとき各部分に 応する線分の長さ、言い換えると、各部分 連結する方向に沿った各部分の中心線の長 のことを意味する。

 部分191aは、可動梁182aに接続された一端 らy軸方向の正の方向に距離L1だけ延在する うに形成されている。部分192aは、部分191aの 他端に接続された一端からx軸方向の正の方 に距離L2だけ延在するように形成されている 。部分193aは、部分192aの他端に接続された一 からy軸方向の負の方向に距離L3(L1>L3)だけ 延在するように形成されている。部分194aは 部分193aの他端に接続された一端からx軸方向 の正の方向に距離L2だけ延在するように形成 れている。部分195aは、部分194aの他端に接 された一端からy軸方向の正の方向に距離L4(L 4>L3)だけ延在するように形成されている。

 部分196aは、部分195aの他端に接続された 端からx軸方向の負の方向に距離L2だけ延在 るように形成されている。部分197aは、部分1 96aの他端に接続された一端からy軸方向の負 方向に距離L5(L4>L5>L3、(L4-L3)>L5)だけ延 するように形成されている。部分198は、部 197aの他端に接続された一端からx軸方向の の方向に距離L6(L6≒2L2)だけ延在するように 成されている。部分197bは、部分198の他端に 続された一端からy軸方向の負の方向に距離 L5だけ延在するように形成されている。部分1 96bは、部分197bの他端に接続された一端からx 方向の負の方向に距離L2だけ延在するよう 形成されている。

 部分195bは、部分196bの他端に接続された 端からy軸方向の正の方向に距離L4だけ延在 るように形成されている。部分194bは、部分1 95bの他端に接続された一端からx軸方向の正 方向に距離L2だけ延在するように形成されて いる。部分193bは、部分194bの他端に接続され 一端からy軸方向の負の方向に距離L3だけ延 するように形成されている。部分192bは、部 分193bの他端に接続された一端からx軸方向の の方向に距離L2だけ延在するように形成さ ている。部分191bは、部分192bの他端に接続さ れた一端からy軸方向の正の方向に距離L1だけ 延在するように形成されている。

 ここで、連結部109aのy軸方向に形成され 部分191a,193a,195a,197a,197b,195b,193b,191bの長さの 計は、無負荷状態における可動梁182aとミラ 183との間隔(連結部109aの全長)よりも長く、 つ、x軸方向に形成された部分192a,194a,196a,198 ,196b,194b,192bの長さの合計よりも長い。上記長 さの合計とは、各部分をその長手方向、言い 換えるとy軸方向又はx軸方向に沿って一列に 結した長さを表す。なお、部分192aと部分194 a及び部分194bと部分192bは、各々同じ長さに形 成されているが、異なる長さに形成するよう にしてもよい。同様に、部分191aと部分191bも なる長さに形成するようにしてもよい。

 また、部分191a~部分191bの各々の長さは、 行に形成された部分と離間しているのであ ば、例えば全ての部分の長さが異なるよう し、また、部分191aと部分191bの軸線が一致 ないようにするなど、適宜自由に設定する とができる。従って、少なくとも、部分191a 部分197b、部分192aと部分198、部分197aと部分1 91b、及び、部分198と部分192bは、各々互いに 間するように形成される。

 このような形状を有する連結部109aは、ば ね定数などの特性を決定するパラメータとし て、連結部109aの全長及び幅、また、y軸方向 平行に形成された部分の長さの合計、x軸方 向と平行に形成された部分の長さの合計、連 結部109aの厚さなどがある。また、上記パラ ータとして、y軸に平行な部分間の間隔、及 全長に対するy軸方向に平行な部分(部分195a は部分195b)の長さの比もある。

 上述した平面視略H字状の形状とした連結 部109a,109bによれば、R方向のばね定数を小さ 設定する場合、つづら折り形状を有する連 部よりも各軸方向のばね定数を大きくする とができる。これは、連結部のR方向のばね 数は、回動軸方向、すなわちy軸方向に形成 された部分の長さに大きく依存するからであ る。このy軸方向に形成された部分とは、例 ば図1Dにおける部分191a,193a,195a,197a,197b,195b,193 b,191bに相当する。

 MEMSのような微小な構造体において、R方 のばね定数の大小は、連結部のたわみより 連結部のねじれに大きく起因する。このた 、従来のつづら折り形状の連結部のように 連結部をたわませて回動させることを想定 て形成された連結部では、折り返し部等の さを長くして各軸方向のばね定数が大きい まR方向のばね定数を小さくしようとしても これを実現することができなかった。また 従来のつづら折り形状の連結部では、y軸方 向の長さに限界がある、すなわち、連結部全 体の長さよりも長くすることができないため 、R方向のばね定数を広い範囲で適宜自由に 定することが困難であった。

 これに対して、連結部109a,109bは、y軸方向 を複数回往復する略H字状の形状とすること より、y軸方向の部分の長さを長くして、連 部109a,109bがy軸回りにねじれやすくする、す なわち、R方向のばね定数が小さくなるよう している。これにより、x軸,y軸,及びz軸方向 のばね定数を、つづら折りの連結部よりも低 下させることなく、R方向のばね定数を広い 囲で適宜自由に設定することができる。特 、軸線が連結部109a,109bのy軸方向と平行に形 された部分の長さの合計を、軸線がx軸方向 と平行に形成された部分の長さの合計よりも 長く形成すれば、各軸のばね定数を大きくす ることができ、R方向のばね定数をより広い 囲で適宜自由に設定することができる。

 また、平面視略H字状の形状とした連結部 109a,109bでは、限られたx軸方向の間隔内に、y 方向に平行な部分をより多く配設すること 可能であり、より多くの軸線でねじれを生 させることができるので、R方向のばね定数 をより小さくすること可能である。なお、上 述したように、平面視略H字状の形状とした 結部を用いることで、R方向のばね定数が容 に制御可能となるが、図4に示すように、つ づら折りの形状を有するトーションばねより 連結部409を構成するようにしても良いことは いうまでもない。

 なお、上述では、複数のマイクロミラー 子を等間隔で配列しているが、これに限る のではない。例えば、経路を切り替える対 の各光信号が、周波数間隔が一定となるよ に分波されている場合、各マイクロミラー 子(ミラー183)の間隔は、一定ではなく、光 号の周波数に関係した式で算出される間隔 なる。これに対し、経路を切り替える対象 各光信号が、波長間隔が一定となるように 波されている場合は、一般的に各マイクロ ラー素子(ミラー183)の間隔を一定としている 。

 また、ミラー183の幅(x軸方向),長さ(y軸方 )及びミラー183のx軸方向の配列間隔は、経 を切り替える対象の各光信号の波長間隔、 信号の通過帯域あるいは透過帯域、光信号 ビームの仕様・設計によって決定すればよ 。例えば、光信号の周波数間隔を100GHzとし 通過帯域(0.5dB帯域幅)60GHzを実現するために 、ミラー183の上でのビーム半径が20μmの場合 、ミラー183のx軸方向の配列間隔を100μm、幅 85μmとすればよい。

 また、上述ではミラー183の形状を平面視 形としたが、これに限るものではない。例 ば、図5の平面図に示すように、マイクロミ ラー素子の配列方向に対向しているミラー183 の辺(側面)が、隣り合うマイクロミラー素子 側に凸とされた平面形状のミラー583を用い ようにしても良い。言い換えると、ミラー5 83は、連結部109a及び連結部109bに近づくほど が狭くなる平面形状とされている。図5の例 は、6角形としている。

 このようにすることで、分波した各波長 光をミラー間にはみ出させることなく、隣 合うミラー同士の間隔の狭い領域を小さく ることが可能となり、ミラー同士の固着を 制しやすくなる。分波した各波長の光は、 形又は楕円形のビームになるため、上述し ようなミラーの形状とすることにより、ミ ーの中央でビームを反射する際に、隣り合 ミラー間の間隙によるビームのケラレによ 損失を低減することが可能となる。さらに 隣り合うミラー同士が最も近くなる箇所が 1点になるため、製造上、ミラー同士を分離 した構造が形成しやすくなる。

 また、図6の平面図に示すように、平面形 状が、一対の連結部109a,109bを通る第1回動軸 に長軸が配置される楕円とされたミラー683 用いるようにしても良い。このように楕円 することによっても、前述同様に、ミラー 士の固着を抑制しやすくなる。また、楕円 することで角がない状態としているので、 ラー回動のときに電極部の側に接触するこ が抑制できるようになり、回動範囲をより きくとれるようになる。

 ところで、実使用においては、上述した 1回動軸及び第2回動軸による回動において いずれかの駆動電極に対して過大な電圧が 加され、可動梁や連結部の復元力よりも大 な静電引力(駆動力)が発生すると、連結部の 側の可動梁の先端部やミラーの先端部が、駆 動電極に接触(衝突)するプルイン(Pull-in)現象 おきてしまい、問題となる。例えば、この うなプルイン現象(接触)で、ミラーの先端 が電極に融着して固定され、また、可動梁 電極とが固着し、光信号の切り替え動作が 可能になる場合がある。

 上述した問題を回避するためには、例え 、図7A,図7Bに示すように、可動梁182a及び可 梁182bの連結部109a及び連結部109bの側に連結 を挟むように延在する可動梁延在部701を設 、同様に、ミラー182の連結部109a及び連結部 109bの側に連結部を挟むように延在するミラ 延在部702を設け、加えて、電極基板101(層間 縁層104)の上に支承部703を設ければよい。支 承部703は、可動梁駆動電極105a,可動梁駆動電 105b,ミラー駆動電極106a,及びミラー駆動電極 106bより高く形成する。

 このようにすることで、例えば、可動梁1 82aに対して大きな静電引力が加わり電極基板 101の側に引き寄せられても、可動梁延在部701 が支承部703に接触し、可動梁182aが可動梁駆 電極105aに接触することがない。この結果、 述した融着や固着による問題が回避される うになる。なお、使用部703の電位は、ミラ 182および可動梁182a,182bと同電位とすること 望ましく、例えば接地電位とすることが望 しい。また、延在部は、可動梁及びミラー いずれか一方に備わる構造であっても良い

 次に、ミラー駆動電極106a及びミラー駆動 電極106bによるミラー183の駆動におけるクロ トークについて説明する。前述したように マイクロミラー素子は、狭い間隔で配列さ る。このため、図8Aの断面図に示すように、 マイクロミラー素子のミラー駆動電極106bに る静電引力が、当該マイクロミラー素子の ラー183に対してだけでなく、この隣のマイ ロミラー素子のミラー183にも影響する。こ ように、隣り合うミラー183の間で電気的干 (クロストーク)が発生する場合がある。

 上述の問題に対し、図8Bの断面図に示す うに、隣り合うマイクロミラー素子のミラ 駆動電極106bとミラー駆動電極106aとの間に、 ミラー183と同電位(等電位)とされた素子間電 801を設ければよい。素子間電極801により、 ラー駆動電極106a及びミラー駆動電極106bに る隣のマイクロミラー素子のミラー183への ロストークの影響を低減させることができ 。

 次に、上述したクロストークの影響を低 するための素子間電極の形成例について説 する。例えば、図9A,図9B,図9Cに示すように 1つのマイクロミラー素子において対となる ラー駆動電極106a及びミラー駆動電極106bの 囲を取り囲むように、素子間電極904が形成 れているようにすればよい。また、このよ に素子間電極904を形成する場合、素子間電 904に接続して支承部903を設け、支承部903を 属などの導電性材料より構成すればよい。 のようにすることで、支承部903における電 の蓄積が発生しない。なお、図9Aは、3つの イクロミラー素子が配列している部分を示 平面図、図9Bは、部分断面図、図9Cは、ほぼ1 つのマイクロミラー素子に対応した領域にお ける各電極が形成されている状態を示す平面 図である。

 また、図10A,図10B,図10Cに示すように、平 視、平行とされた対辺のうちマイクロミラ 素子の外側の辺が短くされた台形に、ミラ 駆動電極1006a及びミラー駆動電極1006bが形成 れ、この電極形状に沿うように、素子間電 1004が形成されているようにしても良い。図 10A,図10B,図10Cに示す例では、ミラー駆動電極1 006a及びミラー駆動電極1006bは、平面視等脚台 形とされている。なお、ミラー駆動電極1006a びミラー駆動電極1006bは、台形に限るもの はなく、1組のマイクロミラー素子の形成領 内において、外側(隣のマイクロミラー素子 の側)に行くほど第1回動軸方向の長さが小さ なるように形成され、素子間電極1004がより 内側にまで入り込めるようにされていればよ い。

 このように、マイクロミラー素子形成領 の外側(隣のマイクロミラー素子の側)の角 面取りされたミラー駆動電極1006a及びミラー 駆動電極1006bによれば、素子間電極1004をより ミラー183の側に進入さて形成することができ 、ミラー183の側に入り込んだ支承部1003が形 可能となる。この結果、ミラー183に延在部 設けることなく、電極基板101側に引き寄せ れたミラー183の端部を、支承部1003に接触さ ることができるので、ミラー183に延在部を けることなく、前述した固着の問題を解消 ることができる。なお、図10Aは、3つのマイ クロミラー素子が配列している部分を示す平 面図、図10Bは、部分断面図、図10Cは、ほぼ1 のマイクロミラー素子に対応した領域にお る各電極が形成されている状態を示す平面 である。

 次に、他の形態の可動梁について説明す 。例えば、図11Aの平面図及び図11Bの断面図 示すように、可動梁182aに、開口部1101を設 るようにしても良い。このように開口部1101 設けることで、開口部1101を設けた領域の可 動梁182aのばね定数を小さくすることができ 。このようにばね定数を小さくすることで 開口部を設けていない場合に比較して、同 の可動梁182aの変形量(変位量)をより少ない 動電圧により実現できるようになる。なお これは、図1A,図1B,図1Cに示す可動梁182bにつ ても同様である。

 また、図12A,図12Bに示すように、ミラー基 板108との固定端側の幅を細くした可動梁1200a 用いるようにしても良い。可動梁1200aは、 定端側の幅が狭くされた梁部1201aと、細い梁 部1201aと連結部109aとの間の梁部1202aとから構 されている。図12Aでは、梁部1202aの領域に 応するように、可動梁駆動電極1205aを備える 。固定端側の幅を細くしたので、ばね定数が 小さくなり、細くしていない場合に比較して 、同様の可動梁1205aの変形量(変位量)をより ない駆動電圧により実現できるようになる このため、より面積の小さな可動梁駆動電 1205aにより、同様の変形量が得られるように なる。また、図12Bに示すように、可動梁1200a 全域に対応する可動梁駆動電極1215aを設け ようにしても良い。この場合、より低い駆 電圧で、同様の変形量が得られるようにな 。なお、上述のことは、ミラーを挟んで対 している一方の可動梁についても同様であ 。

[実施例2]
 次に、本発明の実施例2について、図13A-図13 Cおよび図14を用いて説明する。図13Aは、実施 例2におけるマイクロミラー素子の構成例を す平面図、図13Bおよび図13Cは、実施例2にお るマイクロミラー素子の構成例を示す断面 である。図13Aでは、複数のマイクロミラー 子を紙面上下方向(x方向)に配列してマイク ミラーアレイとした状態を示している。

 本実施例2におけるマイクロミラー素子は 、まず、各々の可動梁駆動電極105aおよび可 梁駆動電極105bに、壁電極115aおよび壁電極115 bを備えるようにしたところに特徴がある。 なくとも可動梁184aが変位する領域を挟むよ に、2つの壁電極115aが配置されている。同 に、少なくとも可動梁184bが変位する領域を むように、2つの壁電極115bが配置されてい 。また、壁電極115aは、可動梁駆動電極105aに 電気的に接続し、壁電極115bは、可動梁駆動 極105bに電気的に接続している。なお、壁電 115a,壁電極115bは、可動梁駆動電極105a,可動 駆動電極105bに直接接触している必要はなく 例えば、層間絶縁層104の下の配線層で電気 に接続されているようにしてもよい。

 ここで、各々の可動梁駆動電極105aに対向 する可動梁184aは、壁電極115aで挟まれている 域において可動梁駆動電極105aの側に変位可 能となる範囲の幅とされている。同様に、各 々の可動梁駆動電極105bに対向する可動梁184b 、壁電極115bで挟まれている領域において可 動梁駆動電極105bの側に変位可能となる範囲 幅とされている。従って、可動梁184aおよび 動梁184bは、例えば、ミラー183より幅が狭く 形成されている。

 なお、他の構成は、前述した実施例1と同 様である。

 本実施例2においては、例えば、2つ壁電 115aが、可動梁184a,ミラー183,及び可動梁184bが 配列されている方向(y軸方向)における可動梁 駆動電極105aの2つの側部に接続している。ま 、壁電極115aは、y軸方向に延在している。 って、マイクロミラー素子の配列方向の断 では、可動梁駆動電極105aと2つの壁電極115a で、可動梁184aの側が開放したコの字状の形 を構成している。可動梁駆動電極105aに所定 の駆動電圧を印加することで引き寄せられる 可動梁184aは、2つの壁電極115aの間に入り込む ことになる。これらのことは、可動梁駆動電 極105bの領域においても同様である。

 また、本実施例2においても、以下に説明 するように、前述した実施例と同様に動作す る。まず、可動梁駆動電極105bに所定の駆動 圧を印加することで、発生した静電引力に り可動梁184bに対して電極基板101の側に引き せる力を加えれば、図13Cに示すように、可 梁184bが、枠部181に支持されている一端を支 点として変形し、可動梁184bの他端が電極基 101の側に引き寄せられるように変位する。 の結果、ミラー183は、連結部109aを支点とし 連結部109bの側が電極基板101の側に引き寄せ られ、ミラー183は、電極基板101に平行ではな くなり、y軸方向に傾く。なお、図13Bは、各 極に電圧が印加されていない初期状態を示 ている。

 図13Cに示す状態は、マイクロミラー素子 配列方向(x軸方向)に平行なミラー183の中央 を通る第2回動軸を中心に、ミラー183が回動 していることになる。この第2回動軸による 動は、第2回動軸がz軸方向に移動しながら行 われるものとなる。これに対し、可動梁184a び可動梁184bをz軸方向に異なる側に変位させ ることで、第2回動軸を移動させることなく ミラー183を第2回動軸を中心に回動させるこ ができる。例えば、可動梁駆動電極105a及び 可動梁駆動電極105bに所定のバイアス電圧が 加された状態より、可動梁駆動電極105a及び 動梁駆動電極105b印加する駆動電圧を制御す ることで、可動梁184a及び可動梁184bをz軸方向 に異なる側に変位させればよい。

 また、ミラー駆動電極106a及びミラー駆動 電極106bに印加する電圧を制御することで、 14の斜視図に示すように、一対の連結部109a,1 09bを通る第1回動軸を中心に、ミラー183を回 させることができる。例えば、ミラー駆動 極106aに対してミラー駆動電極106bの方により 高い電圧が印加し、ミラー183が、第1回動軸 中心に、ミラー駆動電極106bの側に傾斜する うに制御することができる。

 上述したように、本実施例2においても、 前述した実施例1と同様に、ミラー183の2軸の 動動作が行える。加えて、本実施例2では、 壁電極115aおよび壁電極115bを備えるようにし ので、以下に説明するように、隣接配置さ ているマイクロミラー素子との間のクロス ークを抑制することができるようになる。

 以下、壁電極115aおよび壁電極115bについ 、より詳細に説明する。マイクロミラー素 は、隣接するマイクロミラー素子との間隔 狭くして配置されるため、可動梁駆動電極10 5aを単純な平行平板電極とした場合、静電引 が当該マイクロミラー素子の可動梁182に対 てだけでなく、この隣のマイクロミラー素 の可動梁182にも影響を与え、その位置が変 してしまうことがある。この結果、隣り合 ミラー183の間で電気的干渉(クロストーク) 発生する場合がある。

 例えば、図15Aに示すように、図中左端の 動梁182aに対向する可動梁駆動電極105aには 動電圧を供給していない場合であっても、 央の可動梁182aに対向する可動梁駆動電極105a に駆動電圧を供給すると、この中央の可動梁 駆動電極105aが左端の可動梁182aに電気的に作 し、左端の可動梁182aが可動梁駆動電極105方 向に引き付けられることがある。

 これに対し、可動梁駆動電極105aに接続す る壁電極115aを設けると、図15Bに示すように マイクロミラー素子毎に可動梁を駆動する めの電界を分離することができる。壁電極11 5aにより、可動梁駆動電極105aから、これに隣 接する可動梁184aへ向かう電気力線はほとん 遮蔽され、クロストークの影響を抑制する とができる。このようなクロストークの抑 は、壁電極115a,壁電極115bの高さが、初期状 での可動梁184a,可動梁184bの高さ方向の位置 ほぼ同じ程度である場合が最も効果的であ 。

 次に、クロストーク抑制の効果について 明する。以下では、3つのマイクロミラー素 子が配列されたマイクロミラーアレイにおい て、中央のマイクロミラー素子の可動梁駆動 電極のみに駆動電圧を供給した場合の中央の マイクロミラー素子のミラーの回転状態(単 駆動)と、3つのマイクロミラー素子の可動梁 駆動電極に駆動電圧を供給した場合の中央の マイクロミラー素子のミラーの回転状態(同 駆動)とを比較する。いずれにおいても可動 駆動電極には同一の駆動電圧を供給する。 た、壁電極を用いない場合を条件1とし、壁 電極を備える場合を条件2とし、上述したよ にミラーの回転状態を調べる(比較する)。

 この調査の結果、図16Aに示すように、条 1の場合は、駆動電圧を高くすると、単独駆 動(実線)に比較して同時駆動(点線)の方が大 な回転角度となる。これは、各可動梁が、 身の可動梁駆動電極のみならず、隣接する イクロミラー素子の可動梁駆動電極にも引 寄せられることにより、可動梁の変位が大 くなり、結果としてミラーの回転角が大き なることに起因する。

 これに対し、条件2の場合は、単独駆動( 線)と同時駆動(点線)とで、駆動電圧を高く ても、ミラーの回転状態にほとんど差は発 しない。このように、壁電極を用いること 、隣接するマイクロミラー素子の可動梁駆 電極からの電気的干渉が無視できる程度に 減されるようになる。この結果、隣り合う イクロミラー素子の間隔を狭くして配置す ことができ、かつ、クロストークを抑制す ことができるようになる。

 また、壁電極を備えることで、次に示す うに、駆動電圧に対して、より線形的にミ ーの回転角を制御することができるように る。図16Bの点線で示すように、壁電極を用 ない場合は、ある駆動電圧を超えると、ミ ーの回転角(変化率)が急激に増大している これは、可動梁と可動梁駆動電極と間の静 引力が急激に増大し、可動梁の復元力との 衡がくずれ、可動梁が可動梁電極に衝突し しまうプルイン現象である。

 これに対し、壁電極を用いる場合、点線 示す急激な変化が起きる電圧が可動梁電極 供給されても、図16Bの実線に示すように、 激な変化が起きておらず、プルイン現象は 生しない。また、駆動電圧に対するミラー 回転角度変化率の線形性も向上している。

 この効果について検討する。まず、図15B 示すように、可動梁駆動電極105aからの静電 引力を受けた可動梁184aは、2つの壁電極115aに 囲われた領域(溝)の内部にもぐりこむこのよ に変位する。この状態で、可動梁182aは、壁 電極115aの上部から、図面上方に引き上げら るような静電引力も受ける。このような、 ルイン現象が発生する方向とは逆方向の力 作用することにより、プルイン現象が抑制 れ、変化率の線形性が向上して回転角(可動 182aの位置)の制御性が向上するものと考え れる。

 次に、壁電極115aおよび壁電極115bの形成 ついて簡単に説明する。まず、配線層およ 配線層を覆うように形成された層間絶縁層10 4が表面に形成された電極基板101(単結晶シリ ン基板)の所望の位置に、平板構造の可動梁 駆動電極105aおよび可動梁駆動電極105bを形成 る。これら電極は、例えばチタンを下地層 して、金を蒸着あるいはスパッタすること より形成することができる。あるいは、蒸 ないしはスパッタによる金の薄膜をシード とし、公知のフォトリソグラフィ技術によ 樹脂膜(レジスト)で形成したパターンを鋳 として金めっきをすることで、各電極を形 してもよい。

 次いで、平板構造の可動梁駆動電極105aお よび可動梁駆動電極105bの所望の領域が開口 るレジストパターンを形成し、このレジス パターンを鋳型として可動梁駆動電極105aお び可動梁駆動電極105bの一部に金をめっきす る。このように、可動梁駆動電極105aおよび 動梁駆動電極105bの一部をシード層としてめ き膜を形成することで、壁電極115aおよび壁 電極115bが形成できる。

 ところで、壁電極は、例えば図17Aに示す うに、下壁電極1701aと上壁電極1702aとの多段 にしてもよい。このような構造とすることで 、より高い壁電極がより容易に形成できるよ うになる。

 また、図17B,図17Cのように、高さ方向に異 なる厚さの壁電極1703aおよび壁電極1704aを用 るようにしてもよい。図18の模式的な断面図 に示すように、可動梁駆動電極105aより離れ 上部に行くほど、内側に入り込むように厚 された壁電極1703aを用いることで、壁電極170 3aの上端部より可動梁184の上面に対してより い静電引力を作用させることができるよう なる。この結果、可動梁184aが下方に変位し た際に、より強い引き戻しが得られるように なり、「可動梁の制御性の向上」あるいは「 プルイン現象の抑制」という効果をより高め ることができるようになる。

 また、可動梁駆動電極および壁電極は、 動梁の全域に対応して配置する必要はなく 可動梁の可動端により近い領域に配置され ようにしてもよい。可動梁は片持ち梁構造 あり、可動端に印加される静電引力が、可 端の変位に最も大きく作用するため、可動 駆動電極および壁電極は、可動端に近い領 に部分的に配置されるようにしてもよい。

 この場合、図19Aの平面図に示すように、 のより細い支持側部分1901aと幅のより広い 動端側部分1902aとから可動梁1900aを構成し、 動端側部分1902aに対向して可動梁駆動電極10 5aおよび壁電極115aが形成されているようにし てもよい。また、図19Bの平面図に示すように 、幅のより広い支持側部分1911aと幅のより細 可動端側部分1912aとから可動梁1910aを構成し 、可動端側部分1912aに対向して可動梁駆動電 105aおよび壁電極115aが形成されているよう してもよい。このように、可動梁の幅を支 側部分と可動端側の部分とで変化させるこ により、可動梁のばね定数を任意の値に設 することができる。

[実施例3]
 次に、本発明の実施例3について図20,図21,図 22を参照して説明する。なお、すでに説明し 実施例と重複する記載については、適宜省 している。図20は、本実施例3に係るマイク ミラー素子およびこれらを配列したマイク ミラーアレイの構成を示す斜視図である。 20では、2つの可動梁とミラーとが配列され 方向(y軸方向)に垂直な方向(x軸方向)に、複 のマイクロミラー素子が配列された状態を している。また、図21は、2つの可動梁とミ ーとが配列された方向の断面を示す断面図 ある。また、図22は、マイクロミラー素子 配列された方向の断面を示す断面図である

 本実施例3では、前述した実施例2に加え 隣接するマイクロミラー素子の間の可動梁18 4aおよび可動梁184bの上側に、可動梁184aおよ 可動梁184bとは離間した上部素子間電極112aお よび上部素子間電極112bを備えるようにした のである。また、上部素子間電極112aおよび 部素子間電極112bは、隣り合う壁電極115aお び壁電極115bの上に共通に配置され、また、 電極115aおよび壁電極115bとも離間している 上部素子間電極112aおよび上部素子間電極112b は、例えば、可動梁184aおよび可動梁184bと同 電位(接地電位)とされている。なお、上部 子間電極112aおよび上部素子間電極112bは、後 述するように、壁電極115aおよび壁電極115bか の漏れ電界を遮蔽するために用いられるも であり、可動梁184aおよび可動梁184bと同じ 位にされている必要はない。

 このように上部素子間電極112aおよび上部 素子間電極112bを備えた本実施の形態3では、 述するように、素子間をより分離できるよ にしたものである。詳述すると、前述した うに、壁電極115aおよび壁電極115bを設ける とで、マイクロミラー素子毎に可動梁184aお び可動梁184bを駆動するための電界を分離し ている。しかし、分離するために設けた壁電 極115a,壁電極115bの上部からも、わずかではあ るが電界が漏れ出し、隣接する可動梁184a,可 梁184bあるいは隣接する可動梁駆動電極105a, 動梁駆動電極105bに作用する可能性がある。

 これら、壁電極115a,壁電極115bの上部から 漏れ電界を遮蔽するために、上部素子間電 112a,上部素子間電極112bを備える。図23に示 ように、可動梁184aと同電位とされた上部素 間電極112aを設けることで、壁電極115aの上 から漏れ出す電気力線は完全に遮蔽され、 り合う素子間のクロストークの影響をさら 抑制することができる。このようなクロス ークの抑制は、壁電極115a,115bの上端と、上 素子間電極112a,上部素子間電極112bとが、よ 接近して配置されるとより効果的である。

 ここで、上部素子間電極112a,上部素子間 極112bの作製について簡単に説明する。上部 子間電極112a,上部素子間電極112bは、例えば SOI基板のSOI層より可動梁184aおよび可動梁184 bを形成し、SOI基板のシリコンからなる基体 より上部素子間電極112a,上部素子間電極112b 形成すればよい。例えば、埋め込み絶縁層 介して配置されている基体部およびSOI層に 各々上部素子間電極および可動梁(ミラー)を 形成し、埋め込み絶縁層を除去すればよい。 また、素子以外の領域において、SOI層と基板 部とを電気的に接続すれば、上部素子間電極 と可動梁とを同じ電位にすることができる。

 上述した上部素子間電極は、可動梁と同 のミラー基板に作成されるようにしてもよ 。ミラー基板は、ミラーおよび可動梁を形 するために、各マイクロミラー素子が配置 れる領域が開口するように形成されるが、 の開口領域に隣接する領域を上部素子間電 としてもよい。このような形成方法とする とにより、上部素子間電極をミラーおよび 動梁と同時に形成することができる。この 合、上部素子間電極が、ミラー基板として 体に形成されていることになる。

 また、例えば図24および図25に示すように 、複数のマイクロミラー素子に対し、一体と された上部素子間電極113aおよび上部素子間 極114aを備えるようにしてもよい。これらの 合、可動梁184a(可動梁184b)の上部にも上部素 子間電極が配置されることになる。ここで、 上部素子間電極は、可動梁とは離間し、壁電 極の上部とは接近して配置した方がよい。こ のため、図25に示す上部素子間電極114aでは、 可動梁184aに対向する箇所に溝部141aを設けて 動梁184aからより離間させ、壁電極115aに対 する箇所には、稜線部143aを設けて壁電極115a により接近させるようにしている。

 このような一体構造の上部素子間電極を ける場合、例えば、ミラー基板108とは別に 上部素子間電極が形成された別基板を形成 、この別基板をミラー基板に貼り合わせる うに形成すればよい。また、上部素子間電 とミラーや可動梁とが同電位となるように 接地電位が接続するようにしてもよい。上 したように、上部素子間電極(第1上部素子 電極および第2上部素子間電極)が一体に形成 されているようにすることで、例えば、可動 梁や壁電極との位置合わせが容易になるなど 、より製造しやすいものとなる。

 ところで、隣り合うマイクロミラー素子 のクロストークの低減には、図26に示すよ に、隣り合うマイクロミラー素子のミラー 動電極106bとミラー駆動電極106aとの間に、ミ ラー183と同電位(等電位)とされた素子間電極 2601を設けることも有効である。素子間電極 壁2601は、図8Bを用いて説明した素子間電極801 を、ミラー駆動電極106a及びミラー駆動電極10 6bよりも高い構造体としたものである。素子 電極801の場合に比較し、隣のマイクロミラ 素子のミラー駆動電極からの影響を、より 減させることができる。素子間電極壁2601は 、ミラー駆動電極とミラーとの間隔の1/2程度 の高さとすることで、マイクロミラー素子間 のミラーの部分におけるクロストークが、最 も効果的に低減できるようになる。

 次に、上述したクロストークの影響を低 するための素子間電極壁の形成例について 明する。例えば、図27A,図27Bに示すように、 1つのマイクロミラー素子において対となる ラー駆動電極106a及びミラー駆動電極106bの周 囲を取り囲む配線部2701を設け、この配線部27 01に接続した状態に、隣り合うマイクロミラ 素子のミラー駆動電極106a及びミラー駆動電 極106bとの間に素子間電極壁2703が形成されて るようにすればよい。

 また、このように素子間電極壁2703を形成 する場合、素子間電極壁2703に接続する支承 2702を設け、支承部2702を金属などの導電性材 料より構成すればよい。このようにすること で、支承部2702における電荷の蓄積が発生し い。なお、図27Aは、3つのマイクロミラー素 が配列している部分を示す部分断面図、図2 7Bは、ほぼ1つのマイクロミラー素子に対応し た領域における各電極が形成されている状態 を示す平面図である。

 また、図28A,図28Bに示すように、上述同様 に隣り合うマイクロミラー素子のミラー駆動 電極1006a及びミラー駆動電極1006bとの間に素 間電極壁2801が形成され、台形に形成された ラー駆動電極1006a及びミラー駆動電極1006bの 周囲に沿うように、ミラー用支承部2802が形 され、また、ミラー用支承部2802とは別体に 可動梁用支承部2803が形成されているように してもよい。ミラー用支承部2802は、素子間 極壁2801に接続し、また、可動梁用支承部2803 は、配線2804によりミラー用支承部2082に接続 ている。

 このように、マイクロミラー素子形成領 の外側(隣のマイクロミラー素子の側)の角 面取りされたミラー駆動電極1006a及びミラー 駆動電極1006bによれば、素子間電極壁1004をよ りミラー183の側に進入させた状態とすること ができ、ミラー183の側に入り込んだ形状のミ ラー用支承部2802が形成可能となる。この結 、ミラー183に延在部を設けることなく、電 基板101側に引き寄せられたミラー183の端部 、ミラー用支承部2802に接触させることがで る。

 また、ミラー用支承部2802とは個別に可動 梁用支承部2803を備えているので、可動梁の 置に合わせて可動梁用支承部2803が形成可能 あり、可動梁184a,可動梁184bに延在部を設け ことなく、この端部を可動梁用支承部2803に 接触させることができる。なお、図28Aは、マ イクロミラー素子の部分断面図、図28Bは、ほ ぼ1つのマイクロミラー素子に対応した領域 おける各電極が形成されている状態を示す 面図である。

 本発明は、通信用の光スイッチング素子、 測機器、ディスプレイ、スキャナ、波長選 スイッチ等に、好適に用いられる。