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Title:
MONITORING DEVICE FOR INJECTION MOLDING MACHINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/126906
Kind Code:
A1
Abstract:
An injection molding machine has a cylinder (11) and heaters provided on the cylinder (11). A monitoring device for the injection molding machine has temperature sensors (A-1 to E-2) provided on the cylinder (11) and also has a heat flux estimation device (160) for estimating the heat flux or the heat flow rate of the cylinder (11) based on detected temperature values from the temperature sensors (A-1 to E-2).

Inventors:
OKADA NORITAKA (JP)
ONISHI MASASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057106
Publication Date:
October 23, 2008
Filing Date:
April 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO HEAVY INDUSTRIES (JP)
OKADA NORITAKA (JP)
ONISHI MASASHI (JP)
International Classes:
B29C45/78; B29C45/50; B22D17/32
Foreign References:
JPH07276377A1995-10-24
JPH0631795A1994-02-08
Attorney, Agent or Firm:
ITOH, Tadahiko (Yebisu Garden Place Tower20-3, Ebisu 4-Chome, Shibuya-Ku, Tokyo 32, JP)
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Claims:
 計量部材及び/又は射出部材が内蔵されたシリンダと、該シリンダに設けられたヒータとを有する射出成形機の監視装置であって、
 前記シリンダに設けられた温度センサと、
 前記温度センサからの温度検出値に基づいて、前記シリンダの熱流束又は熱流量を推定する熱流束推定器と
 を有することを特徴とする射出成形機の監視装置。
 請求項1記載の射出成形機の監視装置であって、
 前記熱流束又は熱流量は、前記シリンダの軸方向に設定されたゾーン毎に表示されることを特徴とする射出成形機の監視装置。
 請求項1記載の射出成形機の監視装置であって、
 前記熱流束又は熱流量は、前記シリンダの軸方向に沿った位置における矢印により表示されることを特徴とする射出成形機の監視装置。
 請求項1記載の射出成形機の監視装置であって、
 前記熱流束推定器から出力される温度推定値と前記温度検出値との偏差と、前記推定器に予め入力されたシリンダの特性値とに基づいて、前記熱流束又は熱流量を推定することを特徴とする射出成形機の監視装置。
 請求項4記載の射出成形機の監視装置であって、
 前記偏差に基づき、前記推定器で用いられる変数を変更することを特徴とする射出成形機の監視装置。
 請求項1記載の射出成形機の監視装置であって、
 推定された熱流束に基づいて、内壁熱流束又は推定内壁温度をシリンダの位置及び/又は時間軸に対応して表示することを特徴とする射出成形機の監視装置。
 請求項1記載の射出成形機の監視装置であって、
 前記熱流束推定器に予め入力された前記シリンダの特性値に基づいて、前記シリンダの径方向の温度分布を算出することを特徴とする射出成形機の監視装置。
 請求項1記載の射出成形機の監視装置であって、
 前記熱流束又は熱流量は、前記シリンダの軸方向に配設された推定領域毎に表示されることを特徴とする射出成形機の監視装置。
 請求項1記載の射出成形機の監視装置であって、
 前記熱流束推定器は、前記温度センサからの温度検出値と前記ヒータの動作指令値とに基づいて前記シリンダの熱流束又は熱流量を推定することを特徴とする射出成形機の監視装置。
 前記温度センサは、前記シリンダの内壁近傍と外壁近傍に設けられ、前記シリンダの内側と外側の温度を検出することを特徴とする射出成形機の監視装置。
Description:
射出成形機の監視装置

 本発明は射出成形機の監視装置に係り、 にシリンダ内で樹脂を溶融して射出する射 成形機の監視装置に関する。

 射出成形において樹脂成形品の品質を維 するために、射出装置におけるシリンダ内 の樹脂の溶融状態を監視し管理することが 要である。シリンダ内の樹脂の溶融状態は 脂の温度により把握することができる。シ ンダ内の樹脂の温度を直接測定することが きないため、シリンダ内の樹脂に与えられ エネルギーを算出して樹脂の温度を推定す ことが提案されている。シリンダ内の樹脂 与えられるエネルギーの算出は、シリンダ の温度やスクリュのトルク等の検出値に基 いて行われる。

 シリンダ内の樹脂の挙動を把握するため 、シリンダの設定温度に対応した温度プロ ァイルを線グラフで表示し、且つシリンダ 軸方向における温度プロファイルを伝熱解 によって求めることが提案されている(例え ば、特許文献1参照。)。

 また、射出成形機の制御装置に設けられ 表示器に実測温度を表示する際に、実測温 を数値表示するとともに、当該数値表示を 度制御時における動作モードの種類に対応 せた異なる色により表示することが提案さ ている(例えば、特許文献2参照。)。

 さらに、シリンダ内のスクリュの溝内にお る樹脂温度プロファイル及びスクリュ軸方 の樹脂温度分布を求めてグラフィック表示 ることが提案されている(例えば、特許文献 3参照。)。

特開2005-10387号公報

特開2002-172666号公報

特開平6-31795号公報

 従来の射出成形機の監視装置における表 では、予め求めてあるシリンダの温度プロ ァイルをグラフ表示したり、単にシリンダ 限られた測定点における測定温度を表示す だけである。したがって、従来の射出成形 の監視装置における表示は、シリンダの軸 向の各位置におけるエネルギー量としての 度、熱流束、熱量を示すものではない。す わち、従来の表示では、シリンダの実際の 度と内部の樹脂の温度(樹脂の溶融状態)と 一定の対応関係にあるという前提の下で、 リンダの温度だけでシリンダ内の樹脂の状 を推定している。

 しかし、実際には、シリンダの温度と内 の樹脂の温度(樹脂の溶融状態)とは一定の 応関係にはない。シリンダ内部の樹脂の温 は、シリンダ壁内での熱の伝達方向やシリ ダの軸方向の温度分布によって変化する。 たがって、単にシリンダの温度や温度プロ ァイルを表示するだけでは、シリンダ内の 脂の状態を精確に把握することはできない また、シリンダ壁の温度と内部の樹脂の温 との関係は、シリンダ壁を通過するエネル ー量に依存しているため、シリンダの温度 みでは内部の樹脂温度を精確に把握するこ はできない。さらに、シリンダの一部の温 設定を変更することにより、シリンダの他 部分の温度がどのように影響を受けるかを 測することはできない。

 本発明は上述の問題に鑑みなされたもの あり、シリンダ内の樹脂の状態を容易に且 精確に把握し監視することのできる射出成 機の表示装置を提供することを目的とする

 上述の目的を達成するために、本発明に れば、計量部材及び/又は射出部材が内蔵さ れたシリンダと、該シリンダに設けられたヒ ータとを有する射出成形機の監視装置であっ て、該シリンダに設けられた温度センサと、 該温度センサからの温度検出値に基づいて、 該シリンダの熱流束又は熱流量を推定する熱 流束推定器とを有することを特徴とする射出 成形機の監視装置が提供される。

 上述の射出成形機の監視装置において、 熱流束又は熱流量は、該シリンダの軸方向 設定されたゾーン毎に表示されることが好 しい。また、該熱流束又は熱流量は、該シ ンダの軸方向に沿った位置における矢印に り表示されることとしてもよい。

 上述の射出成形機の監視装置は、該熱流 推定器から出力される温度推定値と該温度 出値との偏差と、該推定器に予め入力され シリンダの特性値とに基づいて、該熱流束 は熱流量を推定することが好ましい。該偏 に基づき、該推定器で用いられる変数を変 することとしてもよい。

 また、上述の射出成形機の監視装置は、 定された熱流束に基づいて、内壁熱流束又 推定内壁温度をシリンダの位置及び/又は時 間軸に対応して表示することとしてもよい。 さらに、上述の射出成形機の監視装置は、該 熱流束推定器に予め入力された該シリンダの 特性値に基づいて、該シリンダの径方向の温 度分布を算出することとしてもよい。さらに 、上述の射出成形機の監視装置において、該 熱流束又は熱流量は、該シリンダの軸方向に 配設された推定領域毎に表示されることとし てもよい。また、上述の射出成形機の監視装 置において、該熱流束推定器は、該温度セン サからの温度検出値と該ヒータの動作指令値 とに基づいて該シリンダの熱流束又は熱流量 を推定することとしてもよい。さらに、該温 度センサは、該シリンダの内壁近傍と外壁近 傍に設けられ、該シリンダの内側と外側の温 度を検出することとしてもよい。

 本発明によれば、監視装置の表示内容に りシリンダ内の樹脂の状態を容易に把握す ことができる。これにより、シリンダ内の 脂の状態に応じてシリンダの各部の目標設 温度を容易に設定することができる。また シリンダ内の樹脂の状態を所望の状態にす ためにはシリンダの温度設定をどのように ればよいかを容易に判断することができる

射出装置の断面図である。 加熱シリンダの温度を制御するための 度制御装置の構成を示す図である。 図2に示す加熱シリンダの一例の軸方 に垂直な面に沿った断面図である。 図2に示す加熱シリンダの他の例の軸 向に垂直な面に沿った断面図である。 図2に示す加熱シリンダのさらに他の の軸方向に垂直な面に沿った断面図である シリンダの内壁温度をシリンダの軸方 に沿って表示した表示画面を示す図である シリンダの内壁温度をシリンダの軸方 に沿って表示した表示画面を示す図である シリンダの内壁熱流束をシリンダの軸 向に沿って表示した表示画面を示す図であ 。 シリンダの各ゾーンにおける内壁熱流 とシリンダの断面における温度分布とをシ ンダの軸方向に沿って表示した表示画面を す図である。 シリンダの軸方向に沿った内壁温度と リンダの断面における温度分布とをシリン の軸方向に沿って表示した表示画面を示す である。 シリンダの軸方向に沿った内壁温度と リンダの断面における温度分布とをシリン の軸方向に沿って表示した表示画面を示す である。 シリンダの各ゾーンにおける内壁熱流 量を表示した表示画面を示す図である。 シリンダの各ゾーンにおける内壁熱流 量を表示した表示画面を示す図である。 シリンダの境界面(内壁面及び冷却シ ンダの側端面、金型タッチ面、外表面)の法 方向における熱流束を求めるための推定器 原理構成図である。 シリンダの温度を求めるための推定器 の原理構成図である。 シリンダの境界面(内壁面及び冷却シ ンダの側端面、金型タッチ面、外表面)の法 方向における熱流束を求めるための推定器 原理構成図である。

符号の説明

 10 射出装置
 11 加熱シリンダ
 12 ホッパ
 13 スクリュ
 14 冷却シリンダ
 30,50,60,70,80,85,90,95 表示画面
 31,51,61,81,86,91 グラフ
 32-37 棒グラフ領域
 38-43 数値表示領域
 71,96 熱流量表示領域
 72,82 コンター図
 105 射出ノズル
 h1,h2,h3,h4 ヒータ
 21~24 ゾーン
 130 コントローラ
 135 表示入力装置
 140,150 推定器
 142,152 モデル
 144,154 フィルタ
 A-1~E-1,A-2~E-2 温度センサ
 301 温度制御部
 302-1~302-4 スイッチ
 303 電源
 351 温度検出値表示部
 352 温度設定部

 まず、本発明が適用可能な射出成形機の 出装置及び加熱シリンダについて図1乃至図 3を参照しながら説明する。図1は射出装置10 断面図である。

 射出装置10は、加熱シリンダ(単にシリン とも称する)11と加熱シリンダ11の中で回転 び前後移動可能なスクリュ13を有する。シリ ンダ11の先端には、ノズル口106が形成された 出ノズル105が設けられる。シリンダ11の所 の位置に樹脂供給口112が形成される。樹脂 給口112には、接続筒113を介してホッパ12が接 続され、ホッパ12内の樹脂ペレット115が接続 113及び樹脂供給口112を通ってシリンダ11内 供給される。また、シリンダ11の外周には、 面状のバンドヒータh1,h2,h3が取り付けられて る。バンドヒータh1,h2,h3に通電することに りシリンダ11内で樹脂ペレット115を加熱し、 溶融させることができる。

 スクリュ13は、フライト部102、フライト 102の前端に設けられたスクリュヘッド107及 シール部108を有する。フライト部102は、ス リュ13本体の外周面に螺旋状に形成されたフ ライト103を有し、フライト103によって螺旋状 の溝104が形成される。また、フライト部102に は後方から前方にかけて順に、ホッパ12から 下した樹脂ペレット115が供給され前方に送 れる送りゾーンS1、供給された樹脂ペレッ 115を圧縮しながら溶融させる圧縮ゾーンS2、 及び溶融させられた樹脂を一定量計量する計 量ゾーンS3が形成される。なお、加熱シリン 11のゾーン分割は、送りゾーンS1,圧縮ゾー S2,計量ゾーンS3の3つのゾーンに限ることな 、3つ以上のゾーンに分割してバンドヒータ 各ゾーンに独立に設けることとしてもよい

 計量工程時にスクリュ13を正方向に回転 せると、樹脂ペレット115は樹脂供給口112か 送りゾーンS1に供給され、溝104内を前進(図 おける左方に移動)させられる。それに伴っ 、スクリュ13が後退(図における右方に移動) させられ、樹脂がスクリュヘッド107の前方に 蓄えられる。なお、溝104内の樹脂は、送りゾ ーンS1においてペレットの形状のままであり 圧縮ゾーンS2において半溶融状態になり、 量ゾーンS3において完全に溶融させられて液 状になる。そして、射出工程時に、スクリュ 13を前進させると、スクリュヘッド107の前方 蓄えられた液状の樹脂は、射出ノズル105か 射出され、金型装置の固定金型のキャビテ 空間に充填される。

 図2は、上述の加熱シリンダ11の温度を制 するための温度制御装置の構成を示す図で る。図2に示すように、加熱シリンダ11及び 出ノズル105は、冷却シリンダ14から射出ノ ル105に至る長手方向沿って、4つのゾーンに 分されている。ここでは、備えられたヒー に対応して4つのゾーンを冷却シリンダ14に 接したゾーンから順に、第1のゾーン21、第2 のゾーン22、第3のゾーン23、第4のゾーン24と する。したがって、ノズル105は第4のゾーン 24を形成している。なお、冷却シリンダ14は ッパ12及びその近傍を冷却するために設けら れるシリンダであり、ホッパ12の周囲を一定 温度以下に維持するために設けられている また、図示はしていないが、ノズル105の周 にもヒータが設けられており、ノズル105を 熱している。このヒータをヒータh4と称す こととする。

 第1乃至第3のゾーン21~23には、図1に示す うに、個別に通電されるバンドヒータh1,h2,h3 が加熱シリンダ11の外周に配置されている。 た、図2に示す例では、第1のゾーン21に、径 方向に1組の温度センサである温度センサA-1,A -2が配置されており、同様に、第2のゾーン22 は、1組の温度センサである温度センサB-1,B- 2が配置され、第3のゾーン23にも1組の温度セ サである温度センサC-1,C-2が配置されている 。更に、第4のゾーン24には、2組の温度セン である温度センサD-1,D-2;E-1,E-2が設けられて る。なお、各ゾーンに設けられた一対の温 センサのうち、シリンダ11の外壁面に近いほ うの温度センサA-2~E-2は少なくとも一個設け れていればよい。

 各組の温度センサの加熱シリンダ11及び ズル105に対する位置は、同様であるので、 3A~図3Cに示す温度センサA-1,A-2を例に取って 明する。温度センサA-1は加熱シリンダ11の内 壁近傍の温度を検出するために、加熱シリン ダ11の内壁近傍までの深さを有する孔内に埋 されている。温度センサA-2は、温度センサA -1よりヒータh1に近い位置に埋設されている 温度センサA-1とA-2とは、加熱シリンダ11の同 一断面上で、半径方向に互いに異なる位置に 設けられている。図3Aに示す例では、温度セ サA-1とA-2とは半径方向に反対側の位置、即 、180°離れた位置に設けられている。

 図3Bに示すように、周方向内における同 の位置であり、同一ヒータ領域内で軸方向 ずらした位置に、温度センサA-1とA-2とを設 てもよい。この場合、内壁近傍の温度セン A-1とそれより外側の温度を検出する温度セ サA-2とは、それぞれの配設孔に設けられる その結果、一つの配設孔に一つの温度セン を配置することができるので、温度センサ 組み付けやメンテナンスが容易となる。

 また、図3Cに示すように、周方向内にお る同一の位置であり、軸方向にも同一の位 に温度センサA-1とA-2とを設けてもよい。こ 場合、内壁近傍の温度センサA-1とそれより 側の温度を検出するセンサA-2とが、同一の 設孔に設けられる。その結果、径方向の熱 動量を正確に検出することができ、内壁近 の熱流束を正確に把握することができる。

 以上のように、本実施例では、射出ノズ 105及び加熱シリンダ11の長手方向に沿って 一ヒータによるゾーン内に複数の温度セン が設けられる。また、同一断面の異なった さに複数の温度センサが設けられる。

 図2に示すように、各組の温度センサ(例 ば、A-1,A-2)は、コントローラ130に接続されて いる。コントローラ130は、温度制御部301、ス イッチ302-1~302-4、及び電源303を備えている。 度制御部301は、各温度センサからの入力信 (検出値)に基づいて演算を行い、演算結果 操作量としてPWM信号、アナログ信号などの で出力する。スイッチ302-1~302-4は、当該操作 量に基づいてオンオフを行う。電源303は、ス イッチ302-1~302-4を介して、第1乃至第4のゾー 21~24に設けられたヒータh1,h2,h3,h4に通電する

 温度制御部301は、温度センサからの検出 を表示すると共に温度設定値を入力して温 制御部301に与える表示入力装置(単に表示装 置とも称する)135に接続されている。表示入 装置135は、好ましくはディスプレイ装置で り、図示されたような表示設定画面を表示 る。図示された表示設定画面には、各ゾー における温度センサからの検出値、即ち、 度検出値をゾーン毎に表示する温度検出値 示部351、各ゾーンの温度を設定値として設 する温度設定部352などが表示される。

 表示設定画面には、各温度センサの検出 度が全て表示される。また、表示装置135に 、ノズル105及び加熱シリンダ11の各ゾーン 温度制御を同一ゾーン内に設置された複数 温度センサのうち、どの温度センサを用い 制御するかを選択できるスイッチが具備さ ている。

 一方、温度制御部301は、表示装置135で選 された温度センサの検出温度と、設定され 温度の差に基づいて制御演算を行い、演算 果を操作量として、各ゾーンのヒータに対 して設けられたスイッチ302-1~302-4に出力す 。即ち、温度制御部301からの操作量は、ス ッチ302-1~302-4のオン期間を決定する信号であ り、スイッチ302-1~302-4がオンしている時間の 合を表すオン・デューティを制御する。こ 結果、各ゾーンにおける通電時間が制御さ 、ノズル105及び加熱シリンダ11の選択され 温度センサが配置された位置の温度が設定 れた温度に保たれる。

 図2に示す温度センサA-1~E-2と、コントロ ラ130と、表示入力装置135とにより、後述す ようにシリンダ11の各部の熱流束又は熱流量 を表示してシリンダ11内の樹脂の状態を監視 る監視装置が構成される。

 なお、上述の射出成形機はシリンダ内の 出部材であるスクリュにより、樹脂の溶融 計量、射出が行われるいわゆるスクリュ式 出成形機であるが、本発明はスクリュ式射 成形機に限られない。例えば、樹脂の溶融 は別に計量部材であるプランジャにより計 及び射出を行ういわゆるプリプラ式射出成 機にも本発明を適用することができる。

 次に、本発明の一実施形態による射出成 機の監視装置における表示例について説明 る。以下の説明は、上述の射出成形機のシ ンダ11内の樹脂の状態を把握するための表 例を説明するものとし、表示は表示装置135 行われるものとする。また、シリンダ11はゾ ーンZ1~Z4までの4つの領域に分割され、かつシ リンダ11の先端のノズル部分はゾーンZ15a及び Z15bの2つの領域に分割され、各ゾーンに温度 ンサが設けられているものとする。

 ここで、表示装置135は必ずしも射出成形 の設定操作モニタでなくてもよく、射出成 機とは別に備えられた通常のPCであっても い。また、複数の射出成形機の運転状態を 理する集中管理装置であってもよい。

 図4はシリンダ11の内壁温度をシリンダ11 軸方向に沿って表示した表示画面30を示す図 である。図4に示す表示画面30の上部には、シ リンダ11の内壁温度を示すグラフ31が表示さ ている。グラフ31において、横軸はシリンダ 11の軸に沿った位置を表しており、シリンダ1 1の後端からノズル105の先端までが表示され 。グラフ31の縦軸は、後述する推定方法によ り算出された内壁温度を表している。グラフ 31の横軸において、左側がシリンダのノズル であり、右側が冷却シリンダ14側である。 こでは、内壁温度とは、シリンダ11の内壁で 樹脂に接触する部分の近傍の温度(図3A~図3Cに 示す温度センサA-1の位置の温度)を示してい 。グラフ31では、シリンダ11の軸方向に沿っ 連続して内壁温度が示されているが、実際 温度検出値は温度センサA-1~E-2により得られ る検出値のみであり、それ以外の位置での内 壁温度は多項式を用いた補間式で求められた 推定値である。

 なお、グラフ31の中に示された各縦線は その下に示されているゾーンZ1~Z15bにおける 度センサの位置を示している。例えば、Z1 いう表示の真上にある縦線はゾーンZ1内に設 けられた温度センサA-1のシリンダ軸方向に沿 った位置を示している。

 図4において、内壁温度を示すグラフ31の 方には、シリンダ11の内外両壁の中間部分( 3に示すセンサA-2の位置)の温度が各ゾーン に棒グラフ領域32~37内に示されている。各棒 グラフ領域32~37の中には棒グラフで示す温度 数値も示されている。また、各棒グラフ領 32~37の下には、シリンダ11の内外両壁の中間 部分の温度の設定値を示す数値表示領域38~43 設けられており、シリンダ11の内外両壁の 間部分の温度の設定値が各ゾーン毎に数値 示されている。

 また、外壁近傍に温度センサを設け、そ の検出値を表示してもよい。この場合、ヒ タにより近い外壁近傍の温度を把握するこ ができる。外壁近傍の温度はヒータに速く 答するので、ヒータの制御性を向上させる とができる。

 ゾーンZ1では、内外両壁の中間部分の温 が170℃になるように設定され(設定値170℃)、 実際の内外両壁の中間部分の温度は棒グラフ 及び数値により170℃となっていることが示さ れている。また、ゾーンZ2では、内外両壁の 間部分の温度が190℃になるように設定され( 設定値190℃)、実際の内外両壁の中間部分の 度は棒グラフ及び数値により190℃となって ることが示されている。また、ゾーンZ3では 、内外両壁の中間部分の温度が200℃になるよ うに設定され(設定値200℃)、実際の内外両壁 中間部分の温度は棒グラフ及び数値により2 00℃となっていることが示されている。さら 、ゾーンZ4においては、内外両壁の中間部 の温度が200℃になるように設定され(設定値2 00℃)、実際の内外両壁の中間部分の温度は棒 グラフ及び数値により200℃となっていること が示されている。ゾーンZ15a及びZ15bにおいて 、内外両壁の中間部分の温度が200℃になる うに設定され(設定値200℃)、実際の内外両 の中間部分の温度は棒グラフ及び数値によ 200℃となっていることが示されている。

 図4に示す例ではシリンダ11の温度が各ゾ ンにおいて設定値と同じになっている。シ ンダ11の内壁の推定温度のグラフ31を参照し ながら設定を行うことができる。

 このように、軸方向に配設されたヒータh 1~h3のそれぞれに、1組の温度センサが取り付 られているので、1つのヒータが加熱するゾ ーンの温度を、軸方向において1箇所で推定 て、推定値に基づいてグラフ31が表示される 。このため、例えば、図1及び図2の例におい は、ヒータh1により制御される第1のゾーン2 1が温度センサA-1,A-2の推定領域となる。

 さらにまた、グラフ31で表示された内壁 推定温度と、棒グラフ領域32~37に表示されて いる温度センサの検出値とを比較することが できる。例えば、内外壁面の中間部分や外壁 近傍の温度センサの検出値が同一の値であっ たとしても、樹脂の溶融状態が安定している とは限らない。そこで、グラフ31で表示され 内壁の推定温度と、棒グラフ領域32~37に表 されている温度センサの検出値とを比較す ことで、径方向においてシリンダ内部の温 のほうがが高いか、あるいは低いかを把握 ることができる。例えば、ゾーンZ3では、棒 グラフ領域に34示された温度が200℃であるの 対し、グラフ31で示される内壁の推定温度 約210℃であり、内壁近傍の温度、すなわち 脂の温度が高いことが示されている。この うにして、シリンダの軸方向に沿った内壁 推定温度の変動を把握することで、温度分 の繰り返し安定性を確認でき、樹脂の溶融 態の安定性を把握することができる。

 なお、温度設定値の下には保温設定温度 示されている。図4において、保温設定温度 は100℃に設定されている。保温設定温度は射 出成形機の運転を休止した際にシリンダ11内 樹脂を予熱しておく温度である。保温設定 度の下には、温度の監視範囲が示されてい 。ここでは温度の監視範囲は20℃に設定さ ている。また、温度の監視範囲の下には、 ゾーンで温度監視を行うか否か示されてい 。図4に示す例では、ゾーンZ1,Z2,Z4,Z15a,Z15bに いて温度監視を行っており「入」が表示さ ている。一方、ゾーンZ3では温度監視は行 ない設定となっており、「入」は表示され いない。

 以上の表示の他に、シリンダ11が冷えて る状態でのスクリュ13の運転を防止するため に、スクリュ冷間起動防止時間が「15分」に 定されていることが表示されている。また 異常時ヒータ処理が「保温」に設定されて り、射出成形機の異常時のシリンダ11を保 にすることが表示されている。

 以上のように、図4に示す表示画面では、 グラフ31においてシリンダ11の内壁温度がシ ンダ11の軸方向位置に対応して連続線で示さ れており、グラフ31を見ることによりシリン 11内の樹脂の温度、すなわちシリンダ11内の 樹脂の状態を容易に把握することができる。 すなわち、シリンダ11の内壁温度は、シリン 11の内壁近傍のエネルギー量を表す値に相 し、したがって、シリンダ11内の樹脂のエネ ルギー量を表す値に相当する。

 図5はシリンダ11の内壁温度をシリンダ11 軸方向に沿って表示した表示画面50を示す図 である。図5に示す表示画面50の上部には、シ リンダ11の内壁温度を示すグラフ51が表示さ ている。グラフ51は図4に示すグラフ31と同じ であり、連続線が複数本(図5では2本)示され いる点が異なる。2本の連続線のうち、実線 示す連続線は図4に示すグラフ31の連続線と じ現時刻での内壁温度を示す線であり、点 で示す連続線は現時刻より15分前の内壁温 を示す線である。すなわち、グラフ51には現 時点における内壁温度に加えて過去の時点で の内壁温度を示すことができる。これにより 、シリンダ11の内壁温度の推移、すなわちシ ンダ11内の樹脂の状態の推移を容易に認識 ることができる。

 なお、表示画面50におけるグラフ51以外の 表示内容は、図4に示す表示画面30と同様であ り、その説明は省略する。

 図6はシリンダ11の内壁熱流束をシリンダ1 1の軸方向に沿って表示した表示画面60を示す 図である。図6に示す表示画面60の上部には、 シリンダ11の内壁熱流束を示すグラフ61が表 されている。グラフ61において、横軸はシリ ンダ11の軸方向位置を表し、縦軸は内壁近傍 おける熱流束を表している。グラフ61の横 において、左側がシリンダのノズル側であ 、右側が冷却シリンダ14側である。グラフ61 に示された縦線は、ゾーンの区切りを示す であり、例えばZ1という表示とZ2という表示 の間にある縦線は、シリンダ軸方向における ゾーンZ1とゾーンZ2の間の境界の位置を示し いる。

 内壁熱流束とは、シリンダ11の内壁で樹 に接触する部分における熱量の移動を示す である。グラフ61では、シリンダ11の軸方向 沿って連続して内壁熱流束が示されている 、内壁熱流束がプラス側にある部分ではシ ンダ11の外側から内側に向かって熱が移動 ていることが示され、内壁熱流束がマイナ 側にある部分ではシリンダ11の内側から外側 に向かって熱が移動していることが示されて いる。言い換えれば、内壁熱流束がプラス側 にある部分ではシリンダ11(ヒータ)から樹脂 熱が移動していることが示され、内壁熱流 がマイナス側にある部分では樹脂からシリ ダ11に熱が移動していることが示されている 。また、グラフ61において、内壁熱流束を示 連続線がプラス側になった部分の面積S1,S2 、シリンダ11内から樹脂に供給された熱流量 を表すこととなり、内壁熱流束を示す連続線 がマイナス側になった部分の面積S3,S4は、シ ンダ11内の樹脂からシリンダ11に移動した熱 流量を表すこととなる。

 以上のように、グラフ61を見ることによ 、シリンダ11の各部における熱の移動方向や 移動の速さ、及び移動した熱量を容易に把握 することができ、シリンダ11内の樹脂の状態 容易に判断することができる。すなわち、 ラフ61における内壁熱流束は、シリンダ11の 内壁近傍のエネルギー量を表す値に相当し、 したがって、シリンダ11内の樹脂のエネルギ 量を表す値に相当する。

 なお、シリンダ11の内壁熱流束は、推定 により演算された推定値である。推定器の 算により内壁熱流束を求める方法について 後述する。また、表示画面60におけるグラフ 61以外の表示内容は、図4に示す表示画面30と 様であり、その説明は省略する。

 図7はシリンダ11の各ゾーンにおける熱流 とシリンダ11の断面における温度分布とを リンダ11の軸方向に沿って表示した表示画面 70を示す図である。図7に示す表示画面70の上 には、シリンダ11の各ゾーンにおける熱流 を表わす数値が示された熱流量表示領域71と 、シリンダ11の断面における等温線が示され コンター図72とが表示されている。コンタ 図72において、等温線で囲まれた部分は色分 けされているが、図7では便宜上網掛けによ 区別されており、網掛けの種類により色分 が示されている。コンター図72内に示された 縦線は、ゾーンの区切りを示す線であり、例 えばZ1という表示とZ2という表示の間にある 線は、シリンダ軸方向におけるゾーンZ1とゾ ーンZ2の間の境界の位置を示している。

 熱流量表示領域71において、シリンダ11の 各ゾーンにおける熱流量が数値で示されてい る。熱流量の数値がプラスのゾーンでは、シ リンダ11の外側から内側に向かって熱が移動 ていることが示され、熱流量の数値がマイ スのゾーンでは、シリンダ11の内側から外 に向かって熱が移動していることが示され いる。言い換えれば、熱流量の数値がプラ のゾーンではシリンダ11から樹脂に対して熱 が供給されていることが示され、熱流量の数 値がマイナスのゾーンではシリンダ11に熱が げていることが示されている。

 熱流量表示領域71に示された熱流量の値 コンター図72とを見ることにより、シリンダ 11の各部における熱の移動方向及び熱流量と リンダ11内の温度分布を容易に把握するこ ができ、シリンダ11内の樹脂の状態を容易に 判断することができる。すなわち、熱流量表 示領域71に示された熱流量の値とコンター図7 2とは、シリンダ11の内壁近傍のエネルギー量 を表す値に相当し、したがって、シリンダ11 の樹脂のエネルギー量を表す値に相当する

 なお、熱流量表示領域71に示された熱流 の値は、推定器により演算された推定値で る。推定器の演算により熱流量を求める方 については後述する。また、表示画面70にお ける熱流量表示領域71及びコンター図72以外 表示内容は、図4に示す表示画面30と同様で り、その説明は省略する。

 図8はシリンダ11の軸方向に沿った内壁温 とシリンダ11の断面における温度分布とを リンダ11の軸方向に沿って表示した表示画面 80を示す図である。図8に示す表示画面80の上 には、シリンダ11の軸方向に沿った内壁温 を示すグラフ81と、シリンダ11の断面におけ 等温線が示されたコンター図82とが表示さ ている。コンター図82は図7に示すコンター 72と同様であり、等温線で囲まれた部分は色 分けされているが、図8では便宜上網掛けに り区別されており、網掛けの種類により色 けが示されている。コンター図82内に示され た縦線は、ゾーンの区切りを示す線であり、 例えばZ1という表示とZ2という表示の間にあ 縦線は、シリンダ軸方向におけるゾーンZ1と ゾーンZ2の間の境界の位置を示している。

 グラフ81は、図4に示すグラフ31と同様で るが、もう一つの横軸として時間軸が設け れ、時間軸により過去の時点での内壁温度 表示されている。グラフ31において、実線は 現時点での内壁温度を示し、点線は10分前の 点での内壁温度を示し、一点鎖線は20分前 時点での内壁温度を示している。また、必 しも点線や一点鎖線での相違だけでなく、 分けして表示してもよい。この場合、モニ から離れた場所からでも線の種類を容易に 断することができ、誤認を防止することが きる。

 グラフ81に示された現在及び過去の内壁 度とコンター図82とを見ることにより、シリ ンダ11の各部における温度の推移を容易に把 することができ、シリンダ11内の樹脂の状 を容易に判断することができる。すなわち グラフ81に示された内壁温度とコンター図82 は、シリンダ11の内壁近傍のエネルギー量 表す値に相当し、したがって、シリンダ11内 の樹脂のエネルギー量を表す値に相当する。

 なお、グラフ81に示された内壁温度の値 、推定器により演算された推定値である。 定器の演算により内壁温度を求める方法に いては後述する。また、表示画面80における グラフ81及びコンター図82以外の表示内容は 図4に示す表示画面30と同様であり、その説 は省略する。

 図9はシリンダ11の軸方向に沿った内壁温 とシリンダ11の断面における温度分布とを リンダ11の軸方向に沿って表示した表示画面 85を示す図である。図9に示す表示画面85の上 には、シリンダ11の軸方向に沿った内壁温 を示すグラフ86と、シリンダ11の断面におけ 等温線が示されたコンター図82とが表示さ ている。コンター図82は図7に示すコンター 72と同様であり、等温線で囲まれた部分は色 分けされているが、図8では便宜上網掛けに り区別されており、網掛けの種類により色 けが示されている。

 グラフ86は、図4に示すグラフ31と同様で るが、もう一つの横軸としてシリンダ内壁 からの距離を表わす軸が設けられている。 れにより、グラフ86には、シリンダ内壁面か ら異なる距離におけるシリンダ温度が示され ている。グラフ86における実線はシリンダ内 面に相当する位置(距離はゼロ)での内壁温 を示し、点線はシリンダ内壁面から10mm程度 距離におけるシリンダ温度を示し、一点鎖 はシリンダ内壁面から20mm程度の距離におけ るシリンダ温度を示している。また、この場 合も図8と同様に、必ずしも点線や一点鎖線 の相違だけでなく、色分けして表示しても い。この場合、モニタから離れた場所から も線の種類を容易に判断することができ、 認を防止することができる。

 グラフ86に示された複数の距離における リンダ温度とコンター図82とを見ることによ り、シリンダ11の内部における温度の推移を 易に把握することができ、シリンダ11内の 脂の状態を容易に判断することができる。 なわち、グラフ86に示されたシリンダ温度と コンター図82とは、シリンダ11の内壁近傍の ネルギー量を表す値に相当し、したがって シリンダ11内の樹脂のエネルギー量を表す値 に相当する。

 なお、グラフ86に示された温度の値は、 定器により演算された推定値である。推定 の演算により温度を求める方法については 述する。また、表示画面85におけるグラフ86 びコンター図82以外の表示内容は、図4に示 表示画面30と同様であり、その説明は省略 る。

 図10はシリンダ11の各ゾーンにおける熱流 量を表示した表示画面90を示す図である。図1 0に示す表示画面90の上部には、シリンダ11の ゾーンにおける熱流量を表わすグラフ91が 示されている。グラフ91は、シリンダ11の各 ーンにおける熱流量を矢印で表わしている 矢印の位置はその下に示されるゾーン内の リンダ軸方向位置を示している。矢印の向 は熱の移動方向を示し、矢印の大きさは熱 量の大きさを示している。なお、ゾーンZ15a 及びZ15bにおける熱流量は小さいため、矢印 はなく星型で示されており、ゾーンZ1におけ る矢印は先端がグラフの範囲を超えているた め矢印の先端が途切れた状態で示されている 。これらの矢印は図7の熱流量の数値に対応 ている。

 熱流量の矢印がプラス側に向いている(下 向き)ゾーンでは、シリンダ11の外側から内側 に向かって熱が移動していることが示され、 熱流量の矢印がマイナス側に向いている(上 き)のゾーンでは、シリンダ11の内側から外 に向かって熱が移動していることが示され いる。言い換えれば、熱流量の矢印がプラ 側に向いているゾーンではシリンダ11から樹 脂に熱が供給されていることが示され、熱流 量の矢印がマイナス側に向いているゾーンで は樹脂からシリンダ11に対して熱が移動して ることが示されている。

 グラフ91に示された熱流量の矢印を見る とにより、シリンダ11の各部における熱の移 動方向及び熱流量を容易に把握することがで き、シリンダ11内の樹脂の状態を容易に判断 ることができる。すなわち、グラフ91に示 れた熱流量の矢印は、シリンダ11の内壁近傍 のエネルギー量を表す値に相当し、したがっ て、シリンダ11内の樹脂のエネルギー量を表 値に相当する。

 なお、矢印により表わされる熱流量の値 、推定器により演算された推定値である。 定器の演算により熱流量を求める方法につ ては後述する。また、表示画面90における ラフ91以外の表示内容は、図4に示す表示画 30と同様であり、その説明は省略する。また 、熱流量値を矢印ではなく棒グラフで表すよ うにしてもよい。

 図11はシリンダ11の各ゾーンにおける熱流 量を表示した表示画面95を示す図である。図1 1に示す表示画面95の上部には、シリンダ11の ゾーンにおける熱流量の数値を表わす熱流 表示領域96が設けられている。熱流量表示 域96には、シリンダ11の各ゾーンにおける熱 量が数値で表示されている。数値符号は熱 移動方向を示し、数値の絶対値の大きさは 流量の大きさを示している。熱流量表示領 96に表示された熱流量は、図10において矢印 で示す熱流量と同じであり、数値で示したも のであり、図7の熱量の数値と同じである。

 熱流量表示領域96に示された熱流量の符 及び絶対値を見ることにより、シリンダ11の 各部における熱の移動方向及び熱流量を容易 に把握することができ、シリンダ11内の樹脂 状態を容易に判断することができる。すな ち、熱流量表示領域96に示された熱流量の 値は、シリンダ11の内壁近傍のエネルギー量 を表す値に相当し、したがって、シリンダ11 の樹脂のエネルギー量を表す値に相当する

 なお、数値により表わされる熱流量の値 、推定器により演算された推定値である。 定器の演算により熱流量を求める方法につ ては後述する。また、表示画面95における 域96以外の表示内容は、図4に示す表示画面30 と同様であり、その説明は省略する。

 次に、シリンダ11の内壁温度及び熱流量 推定する推定方法について説明する。

 図12はシリンダ11の境界面(内壁面及び冷 シリンダ14の側端面、金型タッチ面、外表面 )の法線方向における熱流束を求めるための 定器140の原理構成図である。推定器140はコ トローラ130内の電子回路及び/又はソフトウ ア・プログラムにより構成され、シリンダ1 1のモデル142とフィルタ144とを含む。

 ここで、コントローラは必ずしも射出成 機の各駆動部を制御するコントローラと同 の制御装置内に設ける必要はない、例えば 射出成形機の制御装置とは別に備えられた 常のPCであってもよい。また、複数の射出 形機の運転状態を管理する集中管理装置の ニタであってもよい。

 推定器140には、シリンダ11の伝熱特性が め記憶させてある。あるいは、特定のシリ ダに適合するように、その特定のシリンダ 伝熱特性に基づいて推定器140を作成する。 リンダ11の伝熱特性は、シリンダ11全体を有 個の領域に分割して表現し、少なくとも「 領域の温度」、「各領域の温度の時間微分 、「各領域と樹脂、スクリュとの間の熱流 」、「大気の温度」、「シリンダを加熱す ヒータのオン・デューティ」を含む物理量 定量的関係を以下の線形代数方程式(1)で表 したものである。この線形代数方程式(1)が デル142に相当する。

 
 
 上記線形代数方程式において、各記号は以 の要素を表わす。

 θ 1 ・・・θ n :各領域の温度
 Qi 1 ・・・Qi m :各領域と樹脂、スクリュとの間の熱流量
 θ a :大気の温度
 η 1 ・・・η p :シリンダを加熱するヒータのオン・デュー ィ(動作時間)
 t:時刻
 C:各領域の熱容量
 α:各領域間の熱伝導係数
 R i :樹脂、スクリュと直接熱接触している領域 表わす行列
 α o :大気への放熱の熱伝達係数(シリンダカバー 熱電対の特性、取り付け状態も表わす)
 Q h :各ヒータが定格動作で各領域を加熱する能 (ヒータの発熱分布、配置、熱接触状態も表 す)
 推定器140において、シリンダ11のモデル142 、現在のシリンダ11の各領域の温度の推定値 を保持する。そして、推定器140は、この「各 領域の温度」と、「各領域と樹脂、スクリュ との間の熱流量」、「大気の温度」、「シリ ンダを加熱するヒータのオン・デューティ」 とから、上述のシリンダ11の伝熱特性を示す (1)を用いて「各領域の温度の時間微分」を 出する。ここで、各領域θに対応するn個の 域は、熱流量Qに対応するm個の領域を囲む うに配置されている。また、ヒータのオン デューティηはヒータの数に対応してp個配 されている。そして、算出された「各領域 温度の時間微分」と後述する「各領域の温 の補正データ」に応じて、モデル142自らが 持している「各領域の温度」の推定値を増 させる。この「各領域の温度」の推定値を いて、内挿又は外挿により内壁及び任意の さの位置での温度を計算し、表示すること できる。これにより、図4~図9の31,51,81,86やコ ンター図72,82に示された温度をモニタに表示 ることができる。

 「各領域の温度の補正データ」と「熱流 」は、フィルタ144により得られる。フィル 144は、「全体の温度の検出値」と、モデル1 42が保持している「各領域の温度」の推定値 うち当該検出値に対応する領域の温度の推 値との偏差を取り込む。「全体の温度の検 値」としては、ノズル及び加熱シリンダに えられた温度センサの検出値が用いられる そして、フィルタ144は、「各領域と樹脂、 クリュとの間の熱流量」及び「各領域の温 の補正データ」をモデル142に出力する。フ ルタ144は、微分・積分計算を行うことがで ることが好ましい。ここで出力された「各 域と樹脂、スクリュとの間の熱流量」を用 て、図6、図7、図10、図11のグラフ61,91や表 領域71,96に表された熱流束や熱流量をモニタ に表示することができる。

 なお、モデルによって作成された各領域 対応するように、各温度センサの検出値を 間し、各領域の温度の検出値を算出しても い。この場合、全ての領域において偏差を めることができる。

 以上のように、シリンダ11の境界面(内壁 及び冷却シリンダ14の側端面、金型タッチ 、外表面)の法線方向における熱流束は、シ ンダ11を加熱するヒータの動作指令値(オン デューティの指令値)と温度センサからの温 度検出値とに基づいて推定器140により推定さ れる。ここで算出された「熱流量」と「温度 の推定値」を用いて、表示入力装置135のモニ タに表示する。さらに、実際の加熱シリンダ で検出された温度検出値も表示入力装置135の モニタに表示させることができる。

 また、ここでは図1及び図2に示すように 軸方向に配設されたヒータh1~h3のそれぞれに 、1組の温度センサが取り付けられている例 ついて説明した。しかしながら、軸方向に いて1つのヒータに複数組の温度センサを配 してもよい。例えば、ヒータh1に対して、 数組の温度センサA-1,A-2を配置してもよい。 の場合、ヒータh1が制御する第1のゾーン21 複数の推定領域に分割される。したがって 一つのゾーン内でも、複数の推定領域で温 を把握することができるようになる。この 合、各推定領域毎に温度を表示するように てもよい。

 図13はシリンダ11の温度を求めるための推 定器150の他の原理構成図である。推定器150は コントローラ130内の電子回路及び/又はソフ ウェア・プログラムにより構成され、シリ ダ11のモデル152とフィルタ154とを含む。

 推定器150には、シリンダ11の伝熱特性が め記憶させてある。あるいは、特定のシリ ダに適合するように、その特定のシリンダ 伝熱特性に基づいて推定器150を作成する。 リンダ11の伝熱特性は、シリンダ11全体を有 個の領域に分割して表現し、少なくとも「 領域の温度」、「各領域の温度の時間微分 、「各領域と樹脂、スクリュとの間の熱流 」、「大気の温度」、「シリンダを加熱す ヒータのオン・デューティ」を含む物理量 定量的関係を上述の線形代数方程式(1)で表 したものである。この線形代数方程式(1)が デル152に相当する。

 推定器150において、シリンダ11のモデル15 2は、現在のシリンダ11の内壁領域を除く全領 域での「各領域の温度」の推定値を保持する 。そして、推定器150は、この内壁領域以外の 「各領域の温度」と内壁領域の「各領域の温 度」の検出値、「大気の温度」、「シリンダ を加熱するヒータのオン・デューティ」とか ら、上述のシリンダ11の伝熱特性を示す式(1) 用いて内壁領域以外の「各領域の温度の時 微分」を算出する。そして、算出された内 領域以外の「各領域の温度の時間微分」と 述する「各領域の温度の補正データ」に応 て、モデル152自らが保持している内壁領域 外の「各領域の温度」の推定値を増減させ 。この「各領域の温度」の推定値を用いて 図7、図8、図9のコンター図72,82に表された リンダ11の軸方向断面の温度分布をモニタに 表示することができる。

 また、内壁領域の「各領域の温度」の検 値を時間微分し、その結果と内壁領域の「 領域の温度」の検出値及び内壁領域以外の 各領域の温度」の推定値、「大気の温度」 「シリンダを加熱するヒータのオン・デュ ティ」とから、同様に、シリンダ11の伝熱 性を示す式(1)を用いて「各領域と樹脂、ス リュとの間の熱流量」を算出する。ここで 出された「熱流量」を用いて、図6、図7、図 10、図11のグラフ61,91及び表示領域71,96に表さ た熱流束若しくは熱流量をモニタに表示す ことができる。また、図4~図9のグラフ31,51,8 1,86及びコンター図72,82で示される内壁温度若 しくはシリンダ温度は、内壁近傍に配設され た温度センサの検出値を用いて表示される。

 「各領域の温度の補正データ」はフィル 154により得られる。フィルタ154は、「全体 温度の検出値」と、モデル152が保持してい 「各領域の温度」の推定値のうち当該検出 に対応する領域の温度の推定値との偏差を り込む。「全体の温度の検出値」としては ノズル及び加熱シリンダに備えられた温度 ンサの検出値が用いられる。そして、フィ タ154は、「各領域の温度の補正データ」を デル152に出力する。フィルタ154は、微分・ 分計算を行うことができる構成とすること 好ましい。

 なお、モデルによって作成された各領域 対応するように、各温度センサの検出値を 間し、各領域の温度の検出値を算出しても い。この場合、全ての領域において偏差を めることができる。

 以上のように、シリンダ11の温度は、シ ンダ11を加熱するヒータの動作指令値(オン デューティの指令値)と温度センサからの温 検出値とに基づいて推定器150により推定さ る。そして、モデル152にて算出された「熱 量」だけでなく「熱流束」を表示する。ま 、「温度の推定値」と「温度の検出値」を いて、内挿、外挿により内壁及び任意の深 の位置における温度を計算し、表示入力装 135のモニタに表示する。さらに、実際の加 シリンダで検出された温度検出値も表示入 装置135のモニタに表示させることができる

 図14はシリンダ11の境界面(内壁面及び冷 シリンダ14の側端面、金型タッチ面、外表面 )の法線方向における熱流束を求めるための 定器160の原理構成図である。推定器160はコ トローラ130内の電子回路及び/又はソフトウ ア・プログラムにより構成され、シリンダ1 1のモデル162とフィルタ164とを含む。

 ここで、コントローラは必ずしも射出成 機の各駆動部を制御するコントローラと同 の制御装置内に設ける必要はない、例えば 射出成形機の制御装置とは別に備えられた 常のPCであってもよい。また、複数の射出 形機の運転状態を管理する集中管理装置の ニタであってもよい。

 推定器160には、シリンダ11の伝熱特性が め記憶させてある。あるいは、特定のシリ ダに適合するように、その特定のシリンダ 伝熱特性に基づいて推定器160を作成する。 リンダ11の伝熱特性は、シリンダ11全体を有 個の領域に分割して表現し、少なくとも「 領域の温度」、「各領域の温度の時間微分 、「各領域と樹脂、スクリュとの間の熱流 」を含む物理量の定量的関係を以下の線形 数方程式(2)で表現したものである。この線 代数方程式(2)がモデル162に相当する。

 
 
 上記線形代数方程式において、各記号は以 の要素を表わす。

 θ i1 ・・・θ in :シリンダの内側(内壁近傍)の各領域の温度
 θ o1 ・・・θ on :シリンダの外側(外壁近傍)の各領域の温度
 Qi 1 ・・・Qi m :シリンダの内側の各領域と樹脂、スクリュ の間の熱流量
 t:時刻
 C:シリンダの内側の各領域の熱容量
 α i :シリンダの内側の各領域間の熱伝導係数
 α o :シリンダの外側の各領域間の熱伝導係数
 R i :樹脂、スクリュと直接熱接触している領域 表わす行列
 推定器160において、シリンダ11のモデル162 、現在のシリンダ11の内側(内壁近傍)の各領 の温度の推定値を保持する。そして、推定 160は、「シリンダの内側の各領域の温度」 び「シリンダの外側の各領域の温度」と、 各領域と樹脂、スクリュとの間の熱流量」 とから、上述のシリンダ11の伝熱特性を示 式(2)を用いて「シリンダの内側の各領域の 度の時間微分」を算出する。ここで、外側 領域温度θoに対応するn個の領域は、内側の 域温度θiに対応するm個の領域、及び熱流量 Qに対応するm個の領域を囲むように配置され いる。そして、算出された「シリンダの内 の各領域の温度の時間微分」と後述する「 領域の温度の補正データ」に応じて、モデ 162自らが保持している「シリンダの内側の 領域の温度」の推定値を増減させる。この 各領域の温度」の推定値を用いて、内挿又 外挿により内壁及び任意の深さの位置での 度を計算し、表示することができる。これ より、図4~図9の31,51,81,86やコンター図72,82に 示された温度をモニタに表示することができ る。

 「シリンダの内側の各領域の温度の補正 ータ」と「熱流量」は、フィルタ164により られる。フィルタ164は、「全体の温度の検 値」と、モデル162が保持している「シリン の内側の各領域の温度」の推定値のうち当 検出値に対応する領域の温度の推定値との 差を取り込む。「全体の温度の検出値」と ては、ノズル及び加熱シリンダに備えられ 温度センサの検出値が用いられる。そして フィルタ164は、「シリンダの内側の各領域 樹脂、スクリュとの間の熱流量」及び「シ ンダの内側の各領域の温度の補正データ」 モデル162に出力する。フィルタ164は、微分 積分計算を行うことができることが好まし 。ここで出力された「シリンダの内側の各 域と樹脂、スクリュとの間の熱流量」を用 て、図6、図7、図10、図11のグラフ61,91や表 領域71,96に表された熱流束や熱流量をモニタ に表示することができる。

 なお、モデルによって作成された各領域 対応するように、各温度センサの検出値を 間し、各領域の温度の検出値を算出しても い。この場合、全ての領域において偏差を めることができる。

 以上のように、シリンダ11の境界面(内壁 及び冷却シリンダ14の側端面、金型タッチ )の法線方向における熱流束は、温度センサ らの温度検出値に基づいて推定器160により 定される。ここで算出された「熱流量」と 温度の推定値」を用いて、表示入力装置135 モニタに表示する。さらに、実際の加熱シ ンダで検出された温度検出値も表示入力装 135のモニタに表示させることができる。

 また、ここでは図1及び図2に示すように 軸方向に配設されたヒータh1~h3のそれぞれに 、1組の温度センサが取り付けられている例 ついて説明した。しかしながら、軸方向に いて1つのヒータに複数組の温度センサを配 してもよい。例えば、ヒータh1に対して、 数組の温度センサA-1,A-2を配置してもよい。 の場合、ヒータh1が制御する第1のゾーン21 複数の推定領域に分割される。したがって 一つのゾーン内でも、複数の推定領域で温 を把握することができるようになる。この 合、各推定領域毎に温度を表示するように てもよい。

 本発明は具体的に開示された実施例に限 れず、本発明の範囲を逸脱することなく様 な変形例及び改良例がなされるであろう。

 本出願は2007年4月10日出願の優先権主張日 本特許出願2007-103108号に基づくものであり、 の全内容はここに援用される。