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Patent Searching and Data


Title:
NON-VOLATILE STORAGE DEVICE AND ITS MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104239
Kind Code:
A1
Abstract:
A non-volatile storage device is provided with a first layer, a second layer and a recording layer which is sandwiched between the first layer and the second layer, and can reversibly be shifted between a first state where resistance is low and a second state where resistance is high by current supplied through the first layer and the second layer. The recording layer has a first part and a second part whose content of nitrogen is relatively higher than the first part in a main face in the non-volatile storage device. A non-volatile information recording/reproducing device of low power consumption is also provided.

Inventors:
KAMATA CHIKAYOSHI (JP)
TSUKAMOTO TAKAYUKI (JP)
KUBO KOHICHI (JP)
AOKI SHINYA (JP)
HIRAI TAKAHIRO (JP)
HIRAOKA TOSHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052636
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
February 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOSHIBA KK (JP)
KAMATA CHIKAYOSHI (JP)
TSUKAMOTO TAKAYUKI (JP)
KUBO KOHICHI (JP)
AOKI SHINYA (JP)
HIRAI TAKAHIRO (JP)
HIRAOKA TOSHIRO (JP)
International Classes:
H01L27/105; H01L45/00; H01L49/00
Foreign References:
JP2005032855A2005-02-03
JP2007235142A2007-09-13
JP2007035683A2007-02-08
JP2006156886A2006-06-15
Attorney, Agent or Firm:
HYUGAJI, MASAHIKO (JP)
Masahiko Hiugaji (JP)
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Claims:
 第1の層と、
 第2の層と、
 前記第1の層と前記第2の層との間に狭持され、前記第1の層と前記第2の層とを介して供給される電流により、抵抗が低い第1の状態と抵抗が高い第2の状態との間を可逆的に遷移可能な記録層と、
 を備え、
 前記記録層は、その主面の面内において、第1の部分と、前記第1の部分より窒素の含有量が相対的に高い第2の部分と、を有することを特徴とする不揮発性記憶装置。
 前記第1の部分は、前記主面の面内において、前記第2の部分を取り囲むように設けられたことを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
 前記第2の部分は、前記主面の面内において、前記第1の部分を取り囲むように設けられたことを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
 前記第2の部分は、前記第1の部分よりも高い濃度の酸素を含有してなることを特徴とする請求項3記載の不揮発性記憶装置。
 前記第1の部分は、前記第1の状態において結晶状態であり、前記第2の状態において非晶質状態であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
 前記第2の部分は、前記第1の状態においても前記第2の状態においても実質的に非晶質状態であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
 前記記録層は、16族元素を含む化合物を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
 前記16族元素は、セレン及びテルルの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項7記載の不揮発性記憶装置。
 前記16族元素を含む化合物は、Ge 2 Sb 2 Te 5 、GeSbTe、SbTe、AsSbTe、SeSbTe、及びAgInSbTeよりなる群から選択された少なくともいずれかであることを特徴とする請求項7記載の不揮発性記憶装置。
 第1の方向に延在する第1の配線と、
 前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する第2の配線と、
 をさらに備え、
 前記第1の層と前記第2の層と前記記録層とを含む積層体は、前記第1の配線と前記第2の配線とが交叉した部分において、前記第1の配線と前記第2の配線との間に接続され、前記第1及び第2の配線を介して前記電流が供給されることを特徴とする請求項1~9のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
 第1の層と第2の層の間に狭持され、前記第1の層と前記第2の層とを介して供給される電流により、抵抗が低い第1の状態と抵抗が高い第2の状態との間を可逆的に遷移可能な記録層を有する不揮発性記憶装置の製造方法であって、
 第1の層と、窒素を含有する記録層と、第2の層と、を含む積層体を形成する工程と、
 前記記録層の側面から窒素を除去する工程と、
 を備えたことを特徴とする不揮発性記憶装置の製造方法。
 前記窒素を除去する工程は、減圧下での熱処理を含むことを特徴とする請求項11記載の不揮発性記憶装置の製造方法。
 第1の層と第2の層の間に狭持され、前記第1の層と前記第2の層とを介して供給される電流により、抵抗が低い第1の状態と抵抗が高い第2の状態との間を可逆的に遷移可能な記録層を有する不揮発性記憶装置の製造方法であって、
 第1の層と、記録層と、第2の層と、を含む積層体を形成する工程と、
 前記記録層の側面から窒素を導入する工程と、
 を備えたことを特徴とする不揮発性記憶装置の製造方法。
 前記記録層の側面から酸素を導入する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項13記載の不揮発性記憶装置の製造方法。
 第1の層と第2の層の間に狭持され、前記第1の層と前記第2の層とを介して供給される電流により、抵抗が低い第1の状態と抵抗が高い第2の状態との間を可逆的に遷移可能な記録層を有する不揮発性記憶装置の製造方法であって、
 前記第1の層の上に前記記録層を形成する工程と、
 前記記録層の主面上にマスクを形成する工程と、
 前記記録層のうちで前記マスクにより覆われていない部分に相対的に高い濃度で窒素を導入する工程と、
 前記記録層の上に前記第2の層を形成する工程と、
 前記マスクにより覆われた部分と覆われていない部分と、を含むように、前記第1の層、前記記録層及び前記第2の層をパターニングする工程と、
 を備えたことを特徴とする不揮発性記憶装置の製造方法。
Description:
不揮発性記憶装置及びその製造 法

 本発明は、不揮発性記憶装置及びその製 方法に関し、より詳細には、電圧を印加す ことによって結晶状態と非晶質状態との間 変化する材料を含む相変化膜を備えた不揮 性記憶装置及びその製造方法に関する。

 ユビキタス社会の実現に向け小型携帯機器 普及が進む中、近年、小型大容量の不揮発 記憶装置(メモリ)の需要が急速に増加して る。とりわけ、NAND型フラッシュメモリ及び 型HDD(Hard Disk Drive)は、急速な記録密度の進 化を遂げ、大きな市場を形成するに至ってい る。 
 しかしながら、NAND型フラッシュメモリ及び 小型HDDは、ともに将来、記録密度の限界に直 面することが予想される。

 NAND型フラッシュメモリについては、記憶部 にトランジスタを用いているため、いわゆる 短チャネル効果の影響により、微細化が限界 に達することが予想される。「短チャネル効 果」とは、装置の微細化によってソース部と ドレイン部との距離が近くなることによって 生ずる現象であり、具体例にはソースとドレ インとの間のリーク電流の増加等である。ま た、最小線幅の縮小による製造コストの増大 が生じている。 
 小型HDDについては、トラッキング精度(HDD上 のトラックの正しい位置にヘッドを合わせる ことの精度)が限界に達することが予想され 。

 このため、記録密度の限界を打破する新規 術の開発が求められている。 
 このような新規技術として、相変化型不揮 性記憶装置(相変化メモリ)(PCRAM:Phase-Change Ra ndom Access Memory)が検討されている。相変化型 不揮発性記憶装置は、半導体膜(相変化膜)に 界パルスを印加することによって相変化膜 結晶状態と非晶質状態との間で変化すると う特性を利用する不揮発性記憶装置である 相変化膜において高抵抗状態(非晶質状態、 オン)と低抵抗状態(結晶状態、オフ)とを可逆 的に変換することによって、情報が書き換え 可能なように、かつ、電源を切っても情報が 消えないように記憶される。相変化膜の高抵 抗及び低抵抗の状態がそれぞれ安定であるた め、不揮発性が実現される。相変化型不揮発 性記憶装置は、上述したNAND型フラッシュメ リや小型HDDにおいて生じ得る問題がなく、 速性及び微細化可能性において前二者より れていると考えられる。

 ここで、相変化型不揮発性記憶装置につ ては、動作時、特に消去(リセット)時にお て比較的大きな電流が流れることから、こ 動作電流の低減化が求められている。

 これに関連する従来技術としては、ゲルマ ウム(Ge)、アンチモン(Sb)そしてテルル(Te)の 金膜(GST膜)を記憶素子とした半導体集積回 装置において、窒素、酸素あるいは炭素の オンをドーピングした半導体集積回路装置 ある。具体例には、高濃度の酸素イオンを ち込んだ領域は、ほとんど絶縁性を示し、 き換えや信号伝達のための電流は、その通 が低濃度イオン打ち込み領域に限定される いうものである(特許文献1)。

特開2006-156886号公報

 本発明は、電圧を印加することによって 晶状態と非晶質状態との間で変化する材料 含む相変化膜を備えた不揮発性記憶装置に いて、消費電力を低減することができる不 発性記憶装置及びその製造方法を提供する

 本発明の一態様によれば、第1の層と、第 2の層と、前記第1の層と前記第2の層との間に 狭持され、前記第1の層と前記第2の層とを介 て供給される電流により、抵抗が低い第1の 状態と抵抗が高い第2の状態との間を可逆的 遷移可能な記録層と、を備え、前記記録層 、その主面の面内において、第1の部分と、 記第1の部分より窒素の含有量が相対的に高 い第2の部分と、を有することを特徴とする 揮発性記憶装置が提供される。

 本発明の他の一態様によれば、第1の層と 第2の層の間に狭持され、前記第1の層と前記 2の層とを介して供給される電流により、抵 抗が低い第1の状態と抵抗が高い第2の状態と 間を可逆的に遷移可能な記録層を有する不 発性記憶装置の製造方法であって、第1の層 と、窒素を含有する記録層と、第2の層と、 含む積層体を形成する工程と、前記記録層 側面から窒素を除去する工程と、を備えた とを特徴とする不揮発性記憶装置の製造方 が提供される。

 本発明のさらに他の一態様によれば、第1 の層と第2の層の間に狭持され、前記第1の層 前記第2の層とを介して供給される電流によ り、抵抗が低い第1の状態と抵抗が高い第2の 態との間を可逆的に遷移可能な記録層を有 る不揮発性記憶装置の製造方法であって、 1の層と、記録層と、第2の層と、を含む積 体を形成する工程と、前記記録層の側面か 窒素を導入する工程と、を備えたことを特 とする不揮発性記憶装置の製造方法が提供 れる。

 本発明のさらに他の一態様によれば、第1 の層と第2の層の間に狭持され、前記第1の層 前記第2の層とを介して供給される電流によ り、抵抗が低い第1の状態と抵抗が高い第2の 態との間を可逆的に遷移可能な記録層を有 る不揮発性記憶装置の製造方法であって、 記第1の層の上に前記記録層を形成する工程 と、前記記録層の主面上にマスクを形成する 工程と、前記記録層のうちで前記マスクによ り覆われていない部分に相対的に高い濃度で 窒素を導入する工程と、前記記録層の上に前 記第2の層を形成する工程と、前記マスクに り覆われた部分と覆われていない部分と、 含むように、前記第1の層、前記記録層及び 記第2の層をパターニングする工程と、を備 えたことを特徴とする不揮発性記憶装置の製 造方法が提供される。

本発明の第1の実施形態に係る不揮発性 記憶装置の一例(具体例1)を表す模式断面図で ある。 本発明の第1の実施形態に係る不揮発性 記憶装置の別の一例(具体例2)を表す模式断面 図である。 本実施形態に係る不揮発性記憶装置の 作メカニズムを説明するための概念図であ 。 (a)は、具体例1の効果を表すための、相 変化膜40の模式断面図であり、(b)は、具体例2 の効果を表すための、相変化膜40の模式断面 である。 具体例2の効果を説明するための、相変 化膜40の模式断面図である。 具体例1の不揮発性記憶装置の製造方法 の一例を表す工程断面図である。 具体例1の不揮発性記憶装置に係る製造 方法の別の一例を表す工程断面図である。 具体例1の不揮発性記憶装置に係る製造 方法の別の一例を表す工程断面図である。 具体例2の不揮発性記憶装置に係る製造 方法の一例を表す工程断面図である。 具体例2の不揮発性記憶装置の製造方 の別の一例を表す工程断面図である。 具体例2の不揮発性記憶装置の製造方 の別の一例を表す工程断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る不揮発 記憶装置の一例(具体例3)を表す模式図であ 。 具体例3の不揮発性記憶装置の製造方 の一例を表す工程断面図である。 具体例3の不揮発性記憶装置に係る製 方法の別の一例を表す工程断面図である。 具体例3の不揮発性記憶装置に係る製 方法の別の一例を表す工程断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る不揮発 記憶装置を例示する模式図である。 本発明の第5の実施形態に係る不揮発 記憶装置の構成の別の例を表す模式斜視図 ある。 多層構造の不揮発性記憶装置を表す模 式図である。 図16に表す不揮発性記憶装置の回路を す模式図である。

符号の説明

 2 不揮発性記憶装置
 2a 1層目の不揮発性記憶装置
 2b 2層目の不揮発性記憶装置
 4 不揮発性記憶装置
 6 不揮発性記憶装置
 10 第1の配線
 20 整流素子
 30 第1の電極
 40 相変化膜
 42 低窒素濃度部分
 44 高窒素濃度部分
 46 窒素酸素導入部分
 48 相変化材料膜
 50 第2の電極
 60 第2の配線
 70 ダミーマスク
105 基板
106 主面
110 第1の配線
110a 1層目の第1の配線
110b 2層目の第1の配線
115 ワード線ドライバ及びデコーダ
120 第2の配線
120a 1層目の第2の配線
120b 2層目の第2の配線
125 ビット線ドライバ、デコーダ、及び読出 回路
140 整流素子部
140a スイッチ素子部
140b スイッチ素子部
200 記憶部
200a 1層目の記憶部
200b 2層目の記憶部

 以下、本発明の実施形態について図面を参 しつつ説明する。なお、各図面中、同様の 成要素には同一の符号を付して詳細な説明 適宜省略する。 
 (第1の実施形態) 
 図1は、本発明の第1の実施形態に係る不揮 性記憶装置の一例(具体例1)を表す模式断面 である。 
 本具体例の不揮発性記憶装置は、第1の配線 10と、第1の配線10の上に設けられた整流素子2 0と、整流素子20の上に設けられた第1の電極( 1の層)30と、第1の電極30の主面の上に設けら れた相変化膜(記録層)40と、相変化膜40の主面 の上に設けられた第2の電極(第2の層)50と、第 2の電極50の上に設けられた第2の配線60と、を 備える。ここで、「主面」とは、第1の電極30 や、相変化膜40、第2の電極50などの積層方向( 図1において上下方向)に対して垂直な面をい 。ここで、相変化膜40は、全部または一部 窒素を含有し、主面の面内において内側に 対的に窒素濃度の高い第2の部分(高窒素濃度 部分44)を、また主面の面内において外側に相 対的に窒素濃度の低い第1の部分(低窒素濃度 分42)を有する。すなわち、低窒素濃度部分4 2は、主面の面内において高窒素濃度部分44を 取り囲むように設けられている。

 また、消去動作時において相変化膜40の加 を効率よく行うために、第1の電極30側また 第2の電極50側に、例えば抵抗率が約10 -5 ωcm以上の材料からなるヒータ層(図示せず)を 設けてもよい。 
 整流素子20は、例えばダイオードからなる

 第1の電極30及び第2の電極50は、素子全体 対して酸化処理が行われる場合を考慮に入 、酸化されにくい材料から構成することが きる。そのような材料としては、例えば、 下に掲げる化合物を挙げることができる。

 (イ)MN 
 Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、及びTaの群から選択 れる少なくとも1種類の元素である。Nは、 素である。 
 (ロ)MO
 Mは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo 、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Ir、Os、及びPt の群から選択される少なくとも1種類の元素 ある。xは、1≦x≦4を満たす。Oは、酸素であ る。

 (ハ)AMO
 Aは、La、K、Ca、Sr、Ba、及びLn(ランタノイド )の群から選択される少なくとも1種類の元素 ある。 
 Mは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo 、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Ir、Os、及びPt の群から選択される少なくとも1種類の元素 ある。Oは、酸素である。

 (ニ)A 2 MO
 Aは、K、Ca、Sr、Ba、及びLn(ランタノイド)の から選択される少なくとも1種類の元素であ る。 
 Mは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo 、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Ir、Os、及びPt の群から選択される少なくとも1種類の元素 ある。Oは、酸素である。

 なお、これらの材料から構成される第1の電 極30及び第2の電極50は、保護膜としての機能 有する。 
 相変化膜40は、電圧を印加することによっ 結晶状態と非晶質状態との間で変化する材 を含む。この材料としては、具体例には、 ルコゲナイド系材料が挙げられる。カルコ ナイドとは、Se、Te等の16族元素を含む化合 の総称であり、16族元素がカルコゲンと呼ば れることに由来する。具体例な材料としては 、例えばSeまたはTeを含むものが挙げられ、 り詳細には、Ge 2 Sb 2 Te 5 、GeSbTe、SbTe、AsSbTe、SeSbTe、AgInSbTe、等が挙げ られる。 
 なお、本願明細書において、「結晶」とは 完全な結晶のみを意味するものではなく、 陥を含む単結晶及び多結晶状態を包含する 一方、「非晶質」とは、完全に無秩序な原 配列を有するもののみを意味するものでは く、短範囲の周期構造を有するものや、無 序なマトリックス中に微細な結晶粒を含む うなものも「非晶質」に含むものとする。

 上記材料の全部または一部に窒素を導入 ることにより、相変化膜40が作製される。 素を導入する目的は、結晶状態または非晶 状態を安定化することである。窒素を導入 ると、相変化温度は上昇するため、相変化 生じにくくなる。これにより、記録された 報が消えにくくなり、不揮発性が確保され 。高窒素濃度部分44は相対的に窒素濃度が高 い部分であり、低窒素濃度部分42は相対的に 素濃度が低い部分である。

 図2は、本発明の第1の実施形態に係る不揮 性記憶装置の別の一例(具体例2)を表す模式 面図である。 
 本具体例の不揮発性記憶装置は、第1の配線 10と、第1の配線10の上に設けられた整流素子2 0と、整流素子20の上に設けられた第1の電極30 と、第1の電極30の主面の上に設けられた相変 化膜40と、相変化膜40の主面の上に設けられ 第2の電極50と、第2の電極50の上に設けられ 第2の配線60と、を備える。ここで、相変化 40は、全部または一部に窒素を含有し、主面 の面内において内側に相対的に窒素濃度の低 い第1の部分(低窒素濃度部分42)を、また主面 面内において外側に相対的に窒素濃度の高 第2の部分(高窒素濃度部分44)を有する。す わち、高窒素濃度部分44は、主面の面内にお いて低窒素濃度部分42を取り囲むように設け れている。

 本具体例においても、消去動作時において 変化膜40の加熱を効率よく行うために、第1 電極30側または第2の電極50側に、例えば抵 率が約10 -5 ωcm以上の材料からなるヒータ層(図示せず)を 設けてもよい。 
 本具体例の整流素子20、第1の電極30、第2の 極50、及び相変化膜40の構成材料等について は、具体例1に関して前述したものと同様と ることができる。

 具体例1との違いは、高窒素濃度部分44と 窒素濃度部分42との位置関係が逆になって ることである。すなわち、具体例1では低窒 濃度部分42が主面の面内において外側に配 されるのに対し、具体例2では低窒素濃度部 42は主面の面内において内側に配置される

 本実施形態の特徴のひとつは、相変化膜4 0において、主面の面内において異なる窒素 度の部分が存在するということである。具 例1及び具体例2は、ともにこの特徴を有する 。

 次に、本実施形態に係る不揮発性記憶装置 記録、消去、及び再生動作のメカニズムに いて、図3を参照しつつ説明する。 
 図3は、本実施形態に係る不揮発性記憶装置 の動作メカニズムを説明するための概念図で ある。すなわち、図3(a)は、本実施形態に係 不揮発性記憶装置の相変化膜40近傍を表す模 式断面図である。図3(b)は、相変化膜40の材料 となり得るカルコゲナイド、具体例にはGe 2 Sb 2 Te 5 の非晶質状態の構造を表す模式図である。こ の場合、この化合物は4員環、6員環、8員環等 の各種環からなる構造を有する。一方、図3(c )は、Ge 2 Sb 2 Te 5 の結晶状態の構造を表す模式図である。この 場合、この化合物は4員環、6員環、及び8員環 の環のみからなる構造を有する。

 相変化膜40に用いられるGe 2 Sb 2 Te 5 等のカルコゲナイドは、熱を与えると相変化 が生じ、低抵抗の結晶状態と高抵抗の非晶質 状態との間で変化する。図3に表した具体例 は、非晶質状態(図3(b))が初期状態であり、 れが結晶状態(図3(c))に相変化すると書込み 行われることになる。逆に、結晶状態(図3(c) )から非晶質状態(図3(b))に相変化すれば、書 込まれた情報が消去されることになる。な 、結晶状態(図3(c))を初期状態とし、これが 晶質状態(図3(b))に相変化すると書込みが行 れるようなシステムとしてもよい。

 相変化膜40における情報の記録(書込み)は 、相変化膜40に電圧を印加して発電流パルス 流すことによって行われる。この時に発生 るジュール熱により、相変化膜40は、結晶 温度以上に昇温される。この温度は、一定 間、例えば1μ秒よりも短い時間だけ保持さ る。その後、相変化膜40を徐冷し、結晶状態 に相変化させる。これにより、情報が書き込 まれる。

 相変化膜40内の情報の消去は、相変化膜40に 大電流パルスを流し、この時に発生するジュ ール熱によって行う。このジュール熱により 、相変化膜40は融点(Ge 2 Sb 2 Te 5 の場合、融点は633℃)以上に昇温される。そ 後、相変化膜40を、例えば100n秒よりも短い 間で急冷し、非晶質状態に相変化させる。 れにより、情報が消去される。

 相変化膜40内の情報の再生は、相変化膜40 に電圧を印加して電流パルスを流し、抵抗値 を検出することにより行う。ただし、電流パ ルスは、相変化膜40を構成する材料が相変化 生じない程度の微小な振幅とする。

 次に、本実施形態の効果について、図4を参 照しつつ説明する。 
 本実施形態の効果の1つとして、消費電力の 低減が挙げられる。 
 図4(a)は、具体例1の効果を表すための、相 化膜40の模式断面図である。具体例1では、 変化膜40において、主面の面内において内側 に高窒素濃度部分44があり、主面の面内にお て外側に低窒素濃度部分42がある。

 ここで、カルコゲナイドに窒素を導入す と、窒素の導入量とともに抵抗率は上昇す 。このため、高窒素濃度部分44を非晶質状 とした場合、低窒素濃度部分42が結晶状態で あっても非晶質状態であっても、低窒素濃度 部分42の抵抗率は高窒素濃度部分44の抵抗率 り低くなる。したがって、低窒素濃度部分42 に優先的に電流が流れ、高窒素濃度部分44に 電流が殆ど流れないようにすることができ 。その結果として、低窒素濃度部分42に優 的に電流を流し、低窒素濃度部分42のみを相 変化させることができる。低窒素濃度部分42 結晶状態から非晶質状態に相変化させる時 は、低窒素濃度部分42を溶融させる必要が るが、この際にも、低窒素濃度部分42のみに 優先的に電流パルスを流して低窒素濃度部分 のみを局所的に溶融させ、急冷することによ り非晶質状態に相変化させることが可能であ る。つまり、高窒素濃度部分44を非晶質状態 固定したままで、低窒素濃度部分42を結晶 態から非晶質状態に相変化させ、また非晶 状態から結晶状態に相変化させることが可 である。なお、低窒素濃度部分42を溶融させ た時には、隣接する高窒素濃度部分44の温度 ある程度上昇することがある。しかし、低 素濃度部分42を非晶質に相変化させる際に 加熱の後に急冷するので、隣接する高窒素 度部分44の結晶化を抑制することが可能であ る。また、カルコゲナイドに窒素を導入する と、窒素の導入量とともに相変化(結晶化)温 が上昇する。つまり、高窒素濃度部分44の 晶化温度を高くすることにより、隣接する 窒素濃度部分42を加熱しても、高窒素濃度部 分44が結晶化することを抑制できる。

 以上説明したように、本実施形態によれ 、高窒素濃度部分44を非晶質状態のまま固 し(非晶質状態から結晶状態へと相変化を生 させない)、低窒素濃度部分42にのみ相変化 生じさせることが可能となる。つまり、低 素濃度部分42にのみ電流が流れ、高窒素濃 部分44には電流が流れないようにすることが できる。その結果として、具体例1によれば 窒素濃度が一様である従来型の相変化膜に べて、相変化膜40に流れる電流の量を低減し 、消費電力を低減するという効果が得られる 。

 図4(b)は、具体例2の効果を表すための、 変化膜40の模式断面図である。具体例1と同 に、相変化膜40において、低窒素濃度部分42 のみ電流が流れ、高窒素濃度部分44には電 が流れないようにすることができる。つま 、具体例2も、窒素濃度が一様である従来型 相変化膜に比べて、相変化膜40に流れる電 の量を低減し、消費電力を低減するという 果を有する。

 次に、本実施形態のうち具体例2がさらに有 する効果として、相変化膜40への不純物の侵 を防ぐことが挙げられる。これについて、 5を参照しつつ説明する。 
 図5は、具体例2の効果を説明するための、 変化膜40の模式断面図である。 
 本実施形態においては、低窒素濃度部分42 相変化を生じさせ、情報の書き込み、消去 行う。したがって、安定動作のためには、 窒素濃度部分42の電流抵抗特性や相変化温度 などが所定の範囲内にあることが必要とされ る。しかし、低窒素濃度部分42に不純物が混 すると、電気抵抗や相変化温度が変動し、 定の動作特性が得られないこともあり得る

 これに対して、具体例2では、低窒素濃度 部分42の外側に高濃度の窒素が導入された高 素濃度部分44が設けられている。窒素を高 度に導入した高窒素濃度部分44は、防護壁の 役割を果たし、素子間絶縁膜などの外部から 低窒素濃度部分42に不純物が入り込みにくく る。つまり、具体例2によれば、相変化膜40 低窒素濃度部分42への不純物の侵入を防ぐ いう効果も得られる。その結果として、不 発性記憶装置の製造プロセスの途中で低窒 濃度部分42に不純物が侵入することにより歩 留まりが低下したり、あるいは製造した不揮 発性記憶装置をさまざまな環境下で書き込み ・消去を繰り返したような場合でも、低窒素 濃度部分42に不純物が拡散侵入することによ 動作特性の変動を防止でき、長期信頼性を 上させることが可能となる。

 (第2の実施形態) 
 次に、本発明の第2の実施形態である不揮発 性記憶装置の製造方法について、図6~図11を 照しつつ説明する。 
 まず、具体例1の不揮発性記憶装置の製造方 法について、図6~図8を参照しつつ説明する。

 図6は、具体例1の不揮発性記憶装置の製造 法の一例を表す工程断面図である。 
 まず、図6(a)に表したように、図示しない第 1の配線10の上に、整流素子20を形成する。整 素子20の上に、第1の電極30を形成する。第1 電極30の上に、窒素を含む相変化膜40を形成 する。相変化膜40をスパッタリングで形成す 場合、例えば、窒素ガスとアルゴンガスと 流量比(N 2 /Ar)が1~10%の窒素雰囲気下でスパッタリングを 実行することにより窒素を導入することがで きる。相変化膜40の上に、第2の電極50を形成 る。第2の電極50の上には、図示しない第2の 配線60を形成する。

 その後、図6(b)に表したように、この積層体 をエッチング等によってパターニングする。 エッチングは、第1の配線10と整流素子20との 面の深さまで行う。 
 その後、図6(c)に表したように、相変化膜40 側面から窒素を除去する。除去方法として 、例えば減圧下または真空下でのアニール 挙げられる。前述したエッチングにより、 変化膜40の側面は損傷を受けている。この 態で減圧下または真空下でのアニールを行 と、相変化膜40の側面近傍の窒素が放出され る。これにより、相変化膜40の主面の面内に いて外側においては、相対的に窒素濃度が くなる。この結果、主面の面内において内 に高窒素濃度部分44が形成され、主面の面 において外側に低窒素濃度部分42が形成され る。また、アニールの前に、相変化膜40の側 を例えば希ガスのプラズマなどに晒したり イオンビームや電子ビームを照射して改質 る方法も有効である。プラズマや電子ビー などにより、相変化膜40の側面に物理的あ いは化学的な衝撃を与え、側面近傍におけ 元素の結合状態を変化させたり、欠陥を導 することができる。その結果として、窒素 脱離を促進できる。

 図7及び図8は、具体例1の不揮発性記憶装置 係る製造方法の別の一例を表す工程断面図 ある。 
 まず、図7(a)に表したように、図示しない第 1の配線10の上に、整流素子20を形成する。整 素子20の上に、第1の電極30を形成する。第1 電極30の上に、窒素を含まない相変化材料 48を形成する。

 その後、図7(b)に表したように、相変化材料 膜48の上に、ダミーマスク70を形成する。 
 その後、図7(c)に表したように、ダミーマス ク70をマスクとして相変化材料膜48に窒素を 入する。導入方法としては、イオン注入法 気相拡散法、窒素プラズマや窒素ラジカル 用いる方法などが挙げられる。これにより 相対的に窒素濃度の高い高窒素濃度部分44と 、相対的に窒素濃度の低い低窒素濃度部分42 、を有する相変化膜40が形成される。

 その後、図8(a)に表したように、ダミーマス ク70を除去する。その後、相変化膜40の上に 第2の電極50を形成する。その後、第2の電極5 0の上に、図示しない第2の配線60を形成する  
 その後、図8(b)に表したように、低窒素濃度 部分42の中央部の直上面からエッチング等に ってパターニングする。エッチングは、第1 の配線10と整流素子20との界面の深さまで行 。これにより、主面の面内において内側に 窒素濃度部分44を有し、主面の面内において 外側に低窒素濃度部分42を有する、具体例1の 不揮発性記憶装置が作製される。

 次に、具体例2の不揮発性記憶装置の製造方 法について、図9~図11を参照しつつ説明する  
 図9は、具体例2の不揮発性記憶装置に係る 造方法の一例を表す工程断面図である。
 まず、図9(a)に表したように、図示しない第 1の配線10の上に、整流素子20を形成する。整 素子20の上に、第1の電極30を形成する。第1 電極30の上に、窒素を含む相変化膜40を形成 する。相変化膜40を作製する工程において、 述したように、例えば窒素ガスとアルゴン スとの流量比(N 2 /Ar)が1~10%の窒素雰囲気下でスパッタリングす ることにより、窒素を導入することができる 。相変化膜40の上に、第2の電極50を形成する 第2の電極50の上には、図示しない第2の配線 60を形成する。

 その後、図9(b)に表したように、エッチング 等によってパターニングする。エッチングは 、第1の配線10と整流素子20との界面の深さま 行う。 
 その後、図9(c)に表したように、相変化膜40 側面から窒素を導入する。導入方法として 、例えば、窒素ガスを含む雰囲気において ニールしたり、窒素プラズマや窒素ラジカ などに晒す方法を挙げることができる。相 化膜40の主面の面内の外側においては、相 的に窒素濃度が高くなる。この結果、主面 面内の内側の低窒素濃度部分42が形成され、 主面の面内において外側に高窒素濃度部分44 形成される。なお、この窒素導入工程にお て、例えば、相変化膜40以外の要素も併せ 窒化することもできる。例えば、整流素子20 に窒素を導入し、所定の整流特性を得るよう にしてもよい。

 図10及び図11は、具体例2の不揮発性記憶装 の製造方法の別の一例を表す工程断面図で る。 
 まず、図10(a)に表したように、図示しない 1の配線10の上に、整流素子20を形成する。整 流素子20の上に、第1の電極30を形成する。第1 の電極30の上に、窒素を含まない相変化材料 48を形成する。

 その後、図10(b)に表すように、相変化材料 48の上に、ダミーマスク70を形成する。 
 その後、図10(c)に表すように、ダミーマス 70をマスクとして相変化材料膜48に窒素を導 する。導入方法としては、イオン注入等が げられる。これにより、相対的に窒素濃度 高い高窒素濃度部分44と、相対的に窒素濃 の低い低窒素濃度部分42と、を有する相変化 膜40が形成される。

 その後、図11(a)に表すように、ダミーマス 70を除去する。その後、相変化膜40の上に、 2の電極50を形成する。その後、第2の電極50 上に、図示しない第2の配線60を形成する。
 その後、図11(b)に表すように、高窒素濃度 分44の中央部の直上面から、エッチング等に よってパターニングする。エッチングは、第 1の配線10と整流素子20との界面の深さまで行 。これにより、相変化膜40において、主面 面内において内側に低窒素濃度部分42を有し 、主面の面内において外側に高窒素濃度部分 44を有する、具体例2の不揮発性記憶装置が作 製される。

 なお、上記具体例では、図9(a)に係る工程 において、第1の電極30の上に窒素を含む相変 化膜40を形成したが、窒素を含まない相変化 料膜48を形成してもよい。

 また、上記具体例では、図7(a)及び図10(a) 係る工程において、第1の電極30の上に窒素 含まない相変化材料膜48を形成したが、窒 を低濃度で含む相変化膜40を形成してもよい 。

 (第3の実施形態) 
 次に、本発明の第3の実施形態について、図 12を参照しつつ説明する。 
 図12は、本発明の第3の実施形態に係る不揮 性記憶装置の一例(具体例3)を表す模式断面 である。 
 本具体例の不揮発性記憶装置は、第1の配線 10と、第1の配線10の上に設けられた整流素子2 0と、整流素子20の上に設けられた第1の電極30 と、第1の電極30の上に設けられた相変化膜40 、相変化膜40の上に設けられた第2の電極50 、第2の電極50の上に設けられた第2の配線60 、を備える。ここで、相変化膜40は、全部ま たは一部に窒素を含有するとともに一部に酸 素を含有し、主面の面内において内側に窒素 を相対的に低濃度で含み酸素を含まない部分 (低窒素濃度部分42)を有し、主面の面内にお て外側に窒素を相対的に高濃度で含み酸素 含む部分(窒素酸素導入部分46)を有する。

 また、本実施形態においても、消去動作時 おいて相変化膜40の加熱を効率よく行うた に、第1の電極30側または第2の電極50側に、 えば抵抗率が約10 -5 ωcm以上の材料からなるヒータ層(図示せず)を 設けてもよい。 
 整流素子20、第1の電極30、第2の電極50、及 相変化膜40の構成材料等については、第1実 形態に関して前述したものと同様とするこ ができる。ただし、相変化膜40は、一部(主 の面内において外側)に酸素を含有する。 
 具体例3は、相変化膜40の主面の面内におい 外側に酸素を導入したことを除き、具体例2 と同様とすることができる。

 第1の実施形態に関して前述したように、 相変化型不揮発性記憶装置において、相変化 膜40の主面の面内方向における窒素濃度分布 用いることにより、消費電力の低減及び不 物の侵入に対する防護壁効果が得られる。 実施形態では、相変化膜40に窒素のほか酸 も導入する。

 以下、具体例3の効果について説明する。 
 具体例2と同様に、具体例3においても、相 化膜40の主面の面内において外側に高濃度の 窒素が存在する。また、相変化膜40の主面の 内において外側には、酸素も導入されてい 。ここで、カルコゲナイドに酸素を導入す と、窒素を導入したときと同様に、抵抗率 び相変化温度は上昇する。このため、第1の 実施形態に関して前述したように、相変化膜 40において、低窒素濃度部分42に優先的に電 が流れ、窒素酸素導入部分46には電流が殆ど 流れないようにすることができる。

 したがって、本具体例も、相変化膜40に流 る電流の量を低減し、消費電力を低減する いう効果を有する。 
 本具体例では、酸素の導入により、窒素酸 導入部分46の抵抗率及び相変化温度を、具 例2の場合における高窒素濃度部分44の抵抗 及び相変化温度よりもさらに高くすること できる。このため、消費電力の低減化の効 はさらに大きくなる。換言すれば、窒素酸 導入部分46を流れる電流をより抑制し、結晶 化もより抑制することができる。その結果と して、低窒素濃度部分42を安定的に相変化さ ることができ、書き込みや消去、読み出し 電流条件の許容範囲も拡げることができる

 また、窒素及び酸素が高濃度に存在する 、素子間絶縁膜などの外部から低窒素濃度 分42へ不純物が入り込みにくいという効果 増大することが可能となる。このため、具 例3においては、具体例2の場合と同様に、窒 素酸素導入部分46は防護壁の役割を果たし、 の効果は具体例2と同等あるいはそれ以上と することも可能となる。

 (第4の実施形態) 
 次に、本発明の第4の実施形態である不揮発 性記憶装置の製造方法について、図13~図15を 照しつつ説明する。 
 図13は、具体例3の不揮発性記憶装置の製造 法の一例を表す工程断面図である。

 まず、図13(a)に表したように、図示しない 1の配線10の上に、整流素子20を形成する。整 流素子20の上に、第1の電極30を形成する。第1 の電極30の上に、窒素を含む相変化膜40を形 する。相変化膜40を作製する工程において、 前述したように、例えば窒素ガスとアルゴン ガスとの流量比(N 2 /Ar)が1~10%の窒素雰囲気下でスパッタリングす ることにより、窒素を導入することができる 。相変化膜40の上に、第2の電極50を形成する 第2の電極50の上には、図示しない第2の配線 60を形成する。

 その後、図13(b)に表したように、エッチン 等によってパターニングする。エッチング 、第1の配線10と整流素子20との界面の深さま で行う。 
 その後、図13(c)に表したように、相変化膜40 の側面から窒素及び酸素を導入する。導入方 法としては、例えば、第1の配線10及び第2の 線60も含めた素子全体に対する窒化処理及び 酸化処理が挙げられる。ここで、窒素と酸素 の導入の順番は問わない。まず窒素を導入し た後に酸素を導入してもよく、まず酸素を導 入した後に窒素を導入してもよく、両者を同 時に導入してもよい。

 本実施形態における窒素の導入方法として 、第2実施形態に関して前述したものを用い ることができる。一方、酸化処理は、酸素を 含む雰囲気中でアニールしたり、酸素プラズ マ処理や酸素ラジカル処理であってもよい。  
 また、この酸化処理は、パターニングによ て損傷を受けた整流素子20の修復のために われる酸化処理と併用してもよい。例えば 整流素子20に、CuInO 2 、ZnInO 2 等の酸化物ダイオードを用いた場合、図13(b) パターニング加工において整流素子20の側 部が損傷を受けるおそれがある。これに対 て、酸化処理を行い、損傷を受けた整流素 20の側壁部を修復することができる。この整 流素子20の修復のための酸化処理の際に、相 化膜40の側面から酸素を導入することがで る。

 窒素及び酸素の導入により、相変化膜40 主面の面内の外側においては、相対的に窒 濃度が高くなるとともに、酸素が導入され 。この結果、主面の面内において内側に低 素濃度部分42が形成され、主面の面内におい て外側に窒素酸素導入部分46が形成される。

 図14及び図15は、具体例3の不揮発性記憶装 に係る製造方法の別の一例を表す工程断面 である。 
 図14(a)に表したように、図示しない第1の配 10の上に、整流素子20を形成する。整流素子 20の上に、第1の電極30を形成する。第1の電極 30の上に、窒素を含む相変化膜40を形成する 前述したように、相変化膜40を作製する工程 において、窒素ガスとアルゴンガスとの流量 比(N 2 /Ar)が1~10%の窒素雰囲気下でスパッタリングす ることにより、窒素を導入することができる 。

 その後、図14(b)に表すように、相変化膜40の 上に、ダミーマスク70を形成する。
 その後、図14(c)に表すように、ダミーマス 70をマスクとして相変化膜40に窒素及び酸素 導入する。導入方法としては、イオン注入 や、気相拡散法、プラズマやラジカルを用 る方法などが挙げられる。ここで、窒素と 素の導入の順番は問わない。まず窒素を導 した後に酸素を導入してもよく、まず酸素 導入した後に窒素を導入してもよく、両者 同時に導入してもよい。これにより、相変 膜40には、相対的に窒素濃度が高く酸素が 入された窒素酸素導入部分46と、相対的に窒 素濃度が低い低窒素濃度部分42とが形成され 。

 その後、図15(a)に表すように、ダミーマ ク70を除去する。その後、相変化膜40の上に 第2の電極50を形成する。その後、第2の電極 50の上に、図示しない第2の配線60を形成する

 その後、図15(b)に表すように、窒素酸素 入部分46の中央部の直上面から、エッチング 等によってパターニングする。エッチングは 、第1の配線10と整流素子20との界面の深さま 行う。これにより、相変化膜40において、 面の面内において内側に低窒素濃度部分42を 有し、主面の面内において外側に窒素酸素導 入部分46を有する、具体例3の不揮発性記憶装 置が作製される。

 なお、本具体例では、図13(a)及び図14(a)に 係る工程において、第1の電極30の上に窒素を 含む相変化膜40を形成したが、窒素を含まな 相変化材料膜48を形成してもよい。

 (第5の実施形態) 
 次に、本発明の第5の実施形態である単層ま たは多層のクロスポイント型不揮発性記憶装 置について、図16~図19を参照しつつ説明する  
 図16は、本発明の第5の実施形態に係る不揮 性記憶装置を例示する模式図である。なお 図16においては、素子間分離絶縁膜は、省 した。 
 本実施形態の不揮発性記憶装置2においては 、基板105の主面106の上に、X軸方向に延在す 帯状の第1の配線110が設けられている。そし 、基板105に平行な面内でX軸と直交するY軸 向に延在する帯状の第2の配線120が、第1の配 線110に対向して設けられている。

 第1の配線110と第2の配線120との間に、相 化膜からなる記憶部200が挟まれている。す わち、不揮発性記憶装置2では、第1の配線110 と第2の配線120とが交叉した部分(クロスポイ ト)に記憶部200が設けられている。いわゆる クロスポイント型セルアレイ構造である。

 第1の配線110に与える電位と第2の配線120 与える電位との組み合わせによって、各記 部200に印加される電圧が変化し、その時の 憶部200の特性、すなわち抵抗値(非晶質状態 高抵抗状態または結晶状態の低抵抗状態)に よって、情報を記憶したり消去することがで きる。

 記憶部200において記録・再生時の回り込 電流(Sneak Current)を防止するためなど、記憶 部200に印加される電圧の極性に方向性を持た せるために、例えばダイオードからなる整流 素子部140を設けることができる。図16では、 流素子部140を、第1の配線110と記憶部200との 間に設けた例を表したが、整流素子部140は、 第2の配線120と記憶部200との間に設けてもよ 。また、整流素子部140は、第1の配線110と第2 の配線120とが対向する領域以外の領域に設け てもよい。

 整流素子部140と記憶部200との間、及び記 部200と第2の配線120との間のそれぞれに、図 示しない電極を設けることができる。この電 極は、保護膜の役割も担う。

 1つの第1の配線110と1つの第2の配線120とが 交叉する領域に設けられた1つの記憶部200(及 整流素子部140)が1つの要素であり、これを セル」という。

 相変化膜からなる記憶部200は、第1の実施 形態に関して前述したように、主面の面内方 向に低窒素濃度部分と高窒素濃度部分とを有 することができる。この場合、本実施形態の 不揮発性記憶装置は、第1の実施形態の説明 記載した効果、すなわち消費電力の低減及 不純物の侵入に対する防護壁の効果を有す 。

 また、相変化膜からなる記憶部200は、第3 の実施形態に関して前述したように、主面方 向に低窒素濃度部分と窒素酸素導入部分とを 有することができる。この場合も、本実施形 態の不揮発性記憶装置は、第3の実施形態の 明で記載した効果、すなわち消費電力の低 及び不純物の侵入に対する防護壁の効果を する。

 なお、図16においては、第1の配線110と第2の 配線120とは、それぞれ3本ずつ設けられてい 例を表したが、これには限らず、第1の配線1 10と第2の配線120の数は任意である。 
 第1の配線110をビット配線(BL)、第2の配線120 ワード線(WL)と、それぞれいう。ただし、第 1の配線110をワード線(WL)、第2の配線120をビッ ト線(BL)としてもよい。

 図17は、本発明の第5の実施形態に係る不揮 性記憶装置の構成の別の例を表す模式斜視 である。 
 図17に表すように、本発明の第5の実施形態 係る不揮発性記憶装置4においては、記憶部 200は、2層構造とされている。すなわち、不 発性記憶装置4は、基板105と、基板105の主面1 06の上に設けられた1層目の第1の配線110aと、1 層目の第1の配線110aと対向して設けられた1層 目の第2の配線120aと、1層目の第1の配線110aと1 層目の第2の配線120aとに挟持された1層目の記 憶部200aと、を備える。これらが、1層目の不 発性記憶装置2aとなる。さらに、1層目の第2 の配線120aを2層目の第1の配線110bとし、その に2層目の記憶部200bが設けられ、その上に2 目の第2の配線120bが設けられている。これら が、2層目の不揮発性記憶装置2bとなる。また 、それぞれの層には、スイッチ素子部140a、14 0bが設けられている。

 それぞれの相変化膜からなる記憶部200は、 窒素濃度部分及び高窒素濃度部分、または 窒素濃度部分及び窒素酸素導入部分、を有 ることができる。この場合、図16に関して 述した各効果が得られる。 
 また、図18に表すように、本発明の第3の実 形態に係る不揮発性記憶装置6においては、 1層目の第2の配線120aと2層目の第1の配線110bと は、それぞれ個別に設けられている。この場 合も、それぞれの相変化膜からなる記憶部200 は、低窒素濃度部分及び高窒素濃度部分、ま たは低窒素濃度部分及び窒素酸素導入部分、 を有することができる。この場合も、図16に して前述した各効果が得られる。

 図17及び図18では、記憶部200が2層に積層さ た場合を表したが、3層以上でもよい。 
 次に、本発明の第3の実施形態に係る不揮発 性記憶装置の記録、消去、及び再生動作につ いて、図16を参照しつつ説明する。

 1つの記憶部200には、例えば1ビットのデー が記憶される。 
 記憶部200の初期状態(情報が記憶されていな い状態)は、結晶状態(低抵抗状態)、非晶質状 態(高抵抗状態)のいずれであってもよい。以 、記憶部200の初期状態が非晶質状態(高抵抗 状態)である場合を取り上げる。

 記憶部200における情報の記録(書込み)は 記憶部200に電圧を印加して電流パルスを流 ことによって行われる。このため、例えば 第1の配線110の電位が第2の配線120の電位より も相対的に低い状態を作る。第2の配線120を 例えば接地電位とすれば、第1の配線110に負 電位を与えればよい。この際に、電流パル は、前述した低窒素濃度部分42を優先的に れる。

 この時に発生するジュール熱により、記 部200の低窒素濃度部分42は、結晶化温度以 に昇温される。この温度は、一定時間、例 ば1μ秒よりも短い時間だけ保持される。そ 後、記憶部200を徐冷し、結晶状態に相変化 せる。これにより、情報が書き込まれる。 の際に、低窒素濃度部分42に隣接する高窒素 濃度部分44は、電流が殆ど流れずまた結晶化 度が高いので、結晶化することはなく、非 質状態を維持できる。

 ここで、選択されないセルに係る第1の配 線110と第2の配線120との間には、電位勾配を 生させないようにすることが望ましい。す わち、両者を等電位とすることが望ましい

 また、記録(書込み)の直前時(スタンバイ時) には、全ての第1の配線110及び全ての第2の配 120は、プリチャージしておくことが望まし 。プリチャージとは、良好な動作特性を確 するため、あらかじめ各配線の電位を一定 しておくことである。 
 また、記録のための電圧パルスは、第1の配 線110の電位が第2の配線120の電位よりも高く ることにより発生させてもよい。

 消去(リセット)は、記憶部200に大電流パル を流し、この時に発生するジュール熱によ て行う。この際にも、低窒素濃度部分42に電 流パルスが優先的に流れる。このジュール熱 により、記憶部200の低窒素濃度部分42は、融 (Ge 2 Sb 2 Te 5 の場合、融点は633℃)以上に昇温される。そ 後、記憶部200を、例えば100n秒よりも短い時 で急冷し、低窒素濃度部分42を非晶質状態 相変化させる。これにより、情報が消去さ る。この際に、低窒素濃度部分42に隣接した 高窒素濃度部分44は、殆ど電流が流れず、ま 、結晶化温度も高いので、低窒素濃度部分4 2を加熱後に急冷した場合には、溶融するこ も結晶化することも防止できる。

 再生(読出し)は、記憶部200に電圧を印加し 電流パルスを流し、この時の抵抗値を検出 ることにより行う。ただし、電圧パルスは 記憶部200を構成する材料が相変化を生じな 程度の微小な振幅とする。このとき、例え 、読出し回路を用いて記憶部200の抵抗値を 定することができる。読出し回路から発生 た読出し電流は、第2の配線120を通じて記憶 200に流れ、読出し回路によって記憶部200の 抗値が測定される。低窒素濃度部分42は書 込み・消去により結晶状態あるいは非晶質 態とされ、一方、高窒素濃度部分44は常に非 晶質状態が維持されている。そのため、低窒 素濃度部分42の抵抗の変化を検出することに り、情報の再生が可能となる。 
 また、再生の際にも、低窒素濃度部分42に 流パルスを優先的に流し、高窒素濃度部分44 には電流を殆ど流さないようにすることがで きる。その結果として、消費電力を低減でき る。

 このような不揮発性記憶装置により、現 用いられているハードディスクやトランジ タを用いた従来型の不揮発性記憶装置より 高い記録密度や低い消費電力を実現できる

 図19は、図16に表す不揮発性記憶装置の回路 を表す模式図である。BLはビット線、WLはワ ド線を表す。 
 ワード線WL i-1 、WL i 、WL i+1 はX方向に延び、ビット線BL j-1 、BL j 、BL j+1 はY方向に延びる。ワード線WL i-1 、WL i 、WL i+1 の一端は、選択スイッチとしてのMOSトランジ スタRSW(Row Switch:行スイッチ)を経由してワー 線ドライバ及びデコーダ115に接続され、ビ ト線BL j-1 、BL j 、BL j+1 の一端は、選択スイッチとしてのMOSトランジ スタCSW(Column Switch:列スイッチ)を経由してビ ト線ドライバ、デコーダ、及び読出し回路1 25に接続される。

 MOSトランジスタRSWのゲートには、1本のワー ド線(Row:ロウ:行)を選択するための選択信号R i-1 、R i 、R i+1 が入力され、MOSトランジスタCSWのゲートには 、1本のビット線(Column:カラム:列)を選択する めの選択信号C j-1 、C j 、C j+1 が入力される。 
 記憶部200は、ワード線WL i-1 、WL i 、WL i+1 とビット線BL j-1 、BL j 、BL j+1 との交叉部に配置される。 
 記憶部200には、整流素子部140が付加される

 このように、本具体例のクロスポイント 不揮発性記憶装置は、各セルの記憶部に個 にMOSトランジスタを接続する必要がないこ 、また多層化が可能であること、から、高 積化に有利である。

 以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の 態について説明した。しかし、本発明はこ らの具体例に限定されるものではない。す わち、これら具体例に、当業者が適宜設計 更を加えたものも、本発明の特徴を備えて る限り、本発明の範囲に包含される。例え 、前述した各具体例が備える各要素および の配置、材料、条件、形状、サイズなどは 例示したものに限定されるわけではなく適 変更することができる。 
 また、前述した各実施の形態が備える各要 は、技術的に可能な限りにおいて組み合わ ることができ、これらを組み合わせたもの 本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包 される。

 本発明によれば、電圧を印加することに って結晶状態と非晶質状態との間で変化す 材料を含む相変化膜を備えた不揮発性記憶 置において、消費電力を低減することがで る不揮発性記憶装置及びその製造方法が提 される。




 
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