Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
NONVOLATILE MEMORY ELEMENT, NONVOLATILE SEMICONDUCTOR STORAGE DEVICE, AND METHOD FOR READING DATA FROM THE MEMORY ELEMENT AND STORAGE DEVICE AND METHOD FOR WRITING DATA IN THE MEMORY ELEMENT AND STORAGE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041041
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a nonvolatile memory element (101) comprising a variable resistance layer (112) provided between a first electrode (111) and a second electrode (113). The variable resistance layer (112) comprises an oxide of a group 4, 5, or 6 metal element. When electric pulses of a specific voltage are applied between the first electrode (111) and the second electrode (113), the resistance value may take any of first and second high-resistance states of a high-resistance value RH and a low-resistance state of a low-resistance value RL.

Inventors:
OSANO KOICHI
MURAOKA SHUNSAKU
FUJII SATORU
SHIMAKAWA KAZUHIKO
Application Number:
PCT/JP2008/002657
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 25, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
OSANO KOICHI
MURAOKA SHUNSAKU
FUJII SATORU
SHIMAKAWA KAZUHIKO
International Classes:
G11C13/00; H01L27/10; H01L45/00; H01L49/00
Domestic Patent References:
WO2007013174A12007-02-01
WO2008126365A12008-10-23
WO2008059701A12008-05-22
Attorney, Agent or Firm:
PATENT CORPORATE BODY ARCO PATENT OFFICE (Bo-eki Bldg.123-1 Higashimachi, Chuo-ku,Kobe-sh, Hyogo 31, JP)
Download PDF:
Claims:
 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、前記第1電極及び前記第2電極間に与えられる電気的パルスに基づいて可逆的に抵抗値が変化する可変抵抗層とを備え、
 前記可変抵抗層は、
 少なくとも4族、5族、又は6族の金属元素の酸化物を含むように構成されており、
 前記第1及び第2の電極間に印加する電気的パルスの電圧V1乃至V6のうち、電圧V1、V4及びV6は正の電圧であってV1>V4>V6の関係を有し、電圧V2、V3及びV5は負の電圧であってV5>V3>V2の関係を有している場合に、
 当該可変抵抗層の抵抗値は、
(A)電圧V1の電気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印加した場合には高抵抗値R H となり、その後、正の電圧の電気的パルスを両電極間に印加したとしても高抵抗値R H を維持する一方で、電圧V5よりも小さく電圧V3よりも大きい負の電圧の電気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印加したときは減少し、電圧V3の電気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印加したときは低抵抗値R L となり、電圧V3よりも小さく電圧V2よりも大きい負の電圧の電気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印加したときは増加し、電圧V2の電気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印加したときは高抵抗値R H となり、
(B)電圧V2の電気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印加した後、負の電圧の電気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印加したとしても高抵抗値R H を維持する一方で、電圧V6よりも大きく電圧V4よりも小さい正の電圧の電気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印加したときは減少し、電圧V4の電気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印加したときは低抵抗値R L となり、電圧V4よりも大きく電圧V1よりも小さい正の電圧の電気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印加したときは増加し、電圧V1の電気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印加したときは高抵抗値R H となる、不揮発性記憶素子。
 請求項1に記載の不揮発性記憶素子の書き込み方法であって、
 前記第1及び第2の電極間に電圧V1の電気的パルスを印加することにより、前記可変抵抗層の抵抗値が高抵抗値R H となる第1の高抵抗状態を発生させるステップと、
 前記第1及び第2の電極間に電圧V2の電気的パルスを印加することにより、前記可変抵抗層の抵抗値が高抵抗値R H となる第2の高抵抗状態を発生させるステップと、
 前記第1の高抵抗状態において前記第1及び第2の電極間に電圧V3の電気的パルスを印加することにより、または、前記第2の高抵抗状態において前記第1及び第2の電極間に電圧V4の電気的パルスを印加することにより、前記可変抵抗層の抵抗値が低抵抗値R L となる低抵抗状態を発生させるステップと
 を有することを特徴とする、書き込み方法。
 請求項2に記載の不揮発性記憶素子の書き込み方法によって書き込まれた情報を読み出す不揮発性記憶素子の読み出し方法であって、
 前記第1及び第2の電極間に電圧V5よりも大きく電圧V6よりも小さい読み出し用電圧の電気的パルスを印加することにより、前記可変抵抗層の抵抗状態が、その抵抗値が高抵抗値R H となる高抵抗状態及び前記低抵抗状態のいずれであるかを判別する第1のステップと、
 前記第1のステップにて、前記可変抵抗層の抵抗状態が高抵抗状態であると判別された場合に、前記第1及び第2の電極間に電圧V4の電気的パルスを印加する第2のステップと、
 前記第2のステップの後、前記第1及び第2の電極間に前記読み出し用電圧の電気的パルスを印加することにより、前記可変抵抗層の抵抗状態が高抵抗状態及び低抵抗状態の何れであるかを判別する第3のステップと
 を有することを特徴とする、読み出し方法。
 前記第3のステップにて、前記可変抵抗層の抵抗状態が低抵抗状態であると判別された場合に、前記第1及び第2の電極間に電圧V2の電気的パルスを印加する第4のステップをさらに有する、請求項3に記載の読み出し方法。
 請求項2に記載の不揮発性記憶素子の書き込み方法によって書き込まれた情報を読み出す不揮発性記憶素子の読み出し方法であって、
 前記第1及び第2の電極間に電圧V5よりも大きく電圧V6よりも小さい読み出し用電圧の電気的パルスを印加することにより、前記可変抵抗層の抵抗状態が、その抵抗値が高抵抗値R H となる高抵抗状態及び前記低抵抗状態のいずれであるかを判別する第1のステップと、
 前記第1のステップにて、前記可変抵抗層の抵抗状態が高抵抗状態であると判別された場合に、前記第1及び第2の電極間に前記読み出し用電圧の電気的パルスを印加し、さらに、当該読み出し用電圧とは極性が異なり絶対値が等しい電圧の電気的パルスを印加することにより、前記可変抵抗層の抵抗状態が前記第1の高抵抗状態及び第2の高抵抗状態であるかを判別するステップと
 を有することを特徴とする、読み出し方法。
 N個(N≧3)の電極と、各電極間に介在され、各電極間に与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層とを備え、
 前記可変抵抗層は、
 少なくとも4族、5族、又は6族の金属元素の酸化物を含むように構成されており、
 各電極間に印加する電気的パルスの電圧V1乃至V6のうち、電圧V1、V4及びV6は正の電圧であってV1>V4>V6の関係を有し、電圧V2、V3及びV5は負の電圧であってV5>V3>V2の関係を有している場合に、
 当該可変抵抗層の抵抗値は、
(A)電圧V1の電気的パルスを各電極間に印加した場合には高抵抗値R H となり、その後、正の電圧の電気的パルスを両電極間に印加したとしても高抵抗値R H を維持する一方で、電圧V5よりも小さく電圧V3よりも大きい負の電圧の電気的パルスを各電極間に印加したときは減少し、電圧V3の電気的パルスを各電極間に印加したときは低抵抗値R L となり、電圧V3よりも小さく電圧V2よりも大きい負の電圧の電気的パルスを各電極間に印加したときは増加し、電圧V2の電気的パルスを各電極間に印加したときは高抵抗値R H となり、
(B)電圧V2の電気的パルスを各電極間に印加した後、負の電圧の電気的パルスを各電極間に印加したとしても高抵抗値R H を維持する一方で、電圧V6よりも大きく電圧V4よりも小さい正の電圧の電気的パルスを各電極間に印加したときは減少し、電圧V4の電気的パルスを各電極間に印加したときは低抵抗値R L となり、電圧V4よりも大きく電圧V1よりも小さい正の電圧の電気的パルスを各電極間に印加したときは増加し、電圧V1の電気的パルスを各電極間に印加したときは高抵抗値R H となる、不揮発性記憶素子。
 請求項6に記載の不揮発性記憶素子の書き込み方法であって、
 各電極間に電圧V1の電気的パルスを印加することにより、前記可変抵抗層の抵抗値が高抵抗値R H となる第1の高抵抗状態を発生させるステップと、
 各電極間に電圧V2の電気的パルスを印加することにより、前記可変抵抗層の抵抗値が高抵抗値R H となる第2の高抵抗状態を発生させるステップと、
 前記第1の高抵抗状態において各電極間に電圧V3の電気的パルスを印加することにより、または、前記第2の高抵抗状態において各電極間に電圧V4の電気的パルスを印加することにより、前記可変抵抗層の抵抗値が低抵抗値R L となる低抵抗状態を発生させるステップと
 を有することを特徴とする、書き込み方法。
 半導体基板と、
 前記半導体基板上に形成された、互いに交差するように行列状に配列された複数のワード線および複数のビット線、前記複数のワード線および複数のビット線の交点に対応してそれぞれ設けられた複数のトランジスタ、並びに前記複数のトランジスタに一対一で対応して設けられた複数の請求項1に記載の不揮発性記憶素子とで構成された複数のメモリセルと、
 前記複数のワード線のうちのいずれかのワード線を選択する行選択回路と、
 前記複数のビット船のうちのいずれかのビット線を選択する列選択回路と、
 前記半導体基板の外部と高レベルまたは低レベルの2値で入出力情報のやり取りを行うNビットのデータ入出力回路と、
 前記データ入出力回路からのNビットの入力データを、3値を表現するM(2N≦3M)ビットのデータに変換するデータエンコード回路と、
 前記不揮発性記憶素子の一方の端子に接続される基準電圧源と、


 前記不揮発性記憶素子の他方の端子に接続され、当該不揮発性記憶素子の抵抗値が高抵抗値R H となる第1の高抵抗状態を書き込む第1の電圧源と、

 前記不揮発性記憶素子の前記他方の端子に接続され、当該不揮発性記憶素子の抵抗値が高抵抗値R H となる第2の高抵抗状態を書き込む第2の電圧源と、
 前記不揮発性記憶素子の前記他方の端子に供給され、当該不揮発性記憶素子の抵抗値が低抵抗値R L となる低抵抗状態を書き込む第3の電圧源と、


 前記不揮発性記憶素子の前記抵抗値が所定の値に対して高いか低いかを判定するセンスアンプ回路と、

 前記メモリセルの書き込み情報を前記データ入出回路から出力するため、3値を表現するMビットのデータをNビットの2値データに変換するデータデコード回路とを備え、

Nビットの入力データをM個の前記メモリセルで記録する、不揮発性半導体記憶装置。
 請求項8に記載の不揮発性半導体記憶装置の読み出し方法であって、
 選択された前記メモリセルの抵抗値が所定の値に対して高いか低いかを、前記センスアンプを用いて判定する第1のステップと、
 前記第1のステップにて所定の値よりも高いと判定された場合に、前記第3の電圧源による書き込みを行った後、再度選択された前記メモリセルの抵抗値が所定の値に対して高いか低いかを、前記センスアンプを用いて判定する第2のステップと、
 前記第1のステップにて所定の値に対して低いと判定された場合は、前記選択されたメモリセルには前記低抵抗状態が書き込まれていたと判断する第3のステップと、
 前記第2のステップにて所定の値に対して低いと判定された場合は、前記選択されたメモリセルは前記第1の高抵抗状態が書き込まれていたと判断する第4のステップと、
 前記第2のステップにて所定の値に対して高いと判定された場合は、前記選択されたメモリセルは前記第2の高抵抗状態が書き込まれていたと判断する第5のステップと
 を有することを特徴とする読み出し方法。
 前記第2のステップにて所定の値に対して低いと判定された場合は、前記不揮発性記憶素子が前記第1のステップのときの抵抗状態となるように、前記第1の電圧源または前記第2の電圧源による書き込みを行う、請求項9に記載の不揮発性半導体記憶装置の読み出し方法。
 請求項8に記載の不揮発性半導体記憶装置の書き込み方法であって、
 選択された前記メモリセルに対し、前記第1の電圧源または前記第2の電圧源による書き込みを行うことにより、当該メモリセルの抵抗状態を所定の抵抗状態に設定する第1のステップと、
 前記第1のステップの後に、前記第1の電圧源による書き込み、前記第2の電圧源による書き込み、または前記第3の電圧源による書き込みを行う第2のステップと
 を有することを特徴とする書き込み方法。
 前記第1のステップにて設定される抵抗状態と、前記第2のステップにおいて書き込まれるべき抵抗状態とが同一の場合、前記第2のステップを実行しない、請求項11に記載の書き込み方法。
 半導体基板と、
 前記半導体基板の上に互い平行に形成された複数の第1の電極配線と、前記複数の第1の電極配線の上方に前記半導体基板の主面に平行な面内において互いに平行に且つ前記複数の第1の電極配線に立体交差するように形成された複数の第2の電極配線と、前記複数の第1の電極配線と前記複数の第2の電極配線との立体交差点に対応して設けられた請求項1に記載の不揮発性記憶素子とを具備するメモリアレイと
 を備える、不揮発性半導体記憶装置。
 前記4族、5族、又は6族の金属元素の酸化物は、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Zr(ジルコン)、Nb(ニオブ)、Hf(ハフニウム)、Ta(タンタル)、及びW(タングステン)のいずれかの酸化物である、請求項1に記載の不揮発性記憶素子。
 前記4族、5族、又は6族の金属元素の酸化物は、タンタル酸化物をTaO x と表した場合に、0<x<2.5を満足するタンタル酸化物である、請求項14に記載の不揮発性記憶素子。
Description:
不揮発性記憶素子及び不揮発性 導体記憶装置、並びにそれらの読み出し方 及び書き込み方法


 本発明は、与えられるパルス電圧に応じて の抵抗値が変化する状態変化材料を用いた 揮発性記憶素子及び不揮発性半導体記憶装 、並びにそれらの読み出し方法及び書き込 方法に関する。


 近年、電子機器におけるデジタル技術の進 に伴い、画像や動画などの大量のデータを 源を切った状態で保存できる、不揮発性記 素子のニーズが高まっている。こうした要 に対し、与えられる電気的パルスに応じて の抵抗値が変化するペロブスカイト材料(例 えば、Pr (1-X) Ca X MnO 3 (PCMO)、LaSrMnO 3 (LSMO)、GdBaCoxOy(GBCO)など)を用いて不揮発性記 素子を構成し、これらの抵抗値が変化する 態変化材料(以下、可変抵抗材料と記す)に所 定の電気的パルスを与えてその抵抗値を増大 もしくは減少させ、その結果変化した複数の 異なる抵抗値を有する状態を数値の記憶に用 いることにより、多値の記憶素子として用い る技術が特許文献1、非特許文献1等に記載さ ている。

米国特許第6473332号明細書 Tech. Dig.- Int. Electron Devices Meet. 2002, W .W. Zhuang et al.


 特許文献1、非特許文献1に記載の不揮発性 憶素子は、1対の電極を有し、電極間に電気 パルスに応じてその抵抗値が変化する材料 例えばPCMO等のペロブスカイト材料、を用い て多値(1ビットを超える)情報を記憶する技術 が記載されている。

 例えば、図18は、特許文献1に開示されてい 電気的パルスによる抵抗変化の一例を示す である。リセットパルスを与えた状態に対 、所定の極性、電圧、およびパルス幅を有 る電気的パルスを所定の回数印加すること より、抵抗値を増大もしくは減少させる。 の結果得られるいくつかの異なる抵抗値を する状態を選別して区別された数値を対応 せている。これらの異なる抵抗値を有する 態は、その抵抗値を読み出して判別可能な 度にその抵抗値の差が大きいことが必要で る。しかしながら、同一の電圧、パルス幅 よび回数の電気的パルスを印加しても、結 として得られる抵抗値の値は再現よく所望 抵抗値になるとは限らない。また、抵抗値 差が小さい場合は、状態の安定性が十分高 とは言えず、温度等の変化によりセットさ た抵抗値が別の状態とみなされる程度に変 することがあり、多値の情報を記憶する不 発性記憶素子として安定に動作させること 難しいという課題があった。

本発明は、このような事情に鑑みてなされた ものであり、多値の情報の読み書きを安定し て行うことができる不揮発性記憶素子及び不 揮発性半導体記憶装置並びにそれらの読み出 し方法及び書き込み方法を提供することを目 的とするものである。


 本発明者らは、上述した課題に対し、3個以 上の判別可能な状態に再現性よく書き込み可 能で、かつ個々の状態が十分安定な状態であ って、多値の不揮発性記憶素子として安定に 動作させるため鋭意検討を行った。

 その結果、下記の構成および方法をとるこ により、上記課題を解決可能で有ることを 出した。

 本発明の不揮発性記憶素子は、第1電極と、 第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間 に介在され、前記第1電極及び前記第2電極間 与えられる電気的パルスに基づいて可逆的 抵抗値が変化する可変抵抗層とを備え、前 可変抵抗層は、少なくとも4族、5族、又は6 の金属元素の酸化物を含むように構成され おり、前記第1及び第2の電極間に印加する 気的パルスの電圧V1乃至V6のうち、電圧V1、V4 及びV6は正の電圧であってV1>V4>V6の関係 有し、電圧V2、V3及びV5は負の電圧であってV5 >V3>V2の関係を有している場合に、当該可 変抵抗層の抵抗値は、(A)電圧V1の電気的パル を前記第1及び第2の電極間に印加した場合 は高抵抗値R H となり、その後、正の電圧の電気的パルスを 両電極間に印加したとしても高抵抗値R H を維持する一方で、電圧V5よりも小さく電圧V 3よりも大きい負の電圧の電気的パルスを前 第1及び第2の電極間に印加したときは減少し 、電圧V3の電気的パルスを前記第1及び第2の 極間に印加したときは低抵抗値R L となり、電圧V3よりも小さく電圧V2よりも大 い負の電圧の電気的パルスを前記第1及び第2 の電極間に印加したときは増加し、電圧V2の 気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印 したときは高抵抗値R H となり、(B)電圧V2の電気的パルスを前記第1及 び第2の電極間に印加した後、負の電圧の電 的パルスを前記第1及び第2の電極間に印加し たとしても高抵抗値R H を維持する一方で、電圧V6よりも大きく電圧V 4よりも小さい正の電圧の電気的パルスを前 第1及び第2の電極間に印加したときは減少し 、電圧V4の電気的パルスを前記第1及び第2の 極間に印加したときは低抵抗値R L となり、電圧V4よりも大きく電圧V1よりも小 い正の電圧の電気的パルスを前記第1及び第2 の電極間に印加したときは増加し、電圧V1の 気的パルスを前記第1及び第2の電極間に印 したときは高抵抗値R H となる。

 また、本発明の不揮発性記憶素子の書き込 方法は、上記発明に係る不揮発性記憶素子 書き込み方法であって、前記第1及び第2の 極間に電圧V1の電気的パルスを印加すること により、前記可変抵抗層の抵抗値が高抵抗値 R H となる第1の高抵抗状態を発生させるステッ と、前記第1及び第2の電極間に電圧V2の電気 パルスを印加することにより、前記可変抵 層の抵抗値が高抵抗値R H となる第2の高抵抗状態を発生させるステッ と、前記第1の高抵抗状態において前記第1及 び第2の電極間に電圧V3の電気的パルスを印加 することにより、または、前記第2の高抵抗 態において前記第1及び第2の電極間に電圧V4 電気的パルスを印加することにより、前記 変抵抗層の抵抗値が低抵抗値R L となる低抵抗状態を発生させるステップとを 有する。

 また、本発明の不揮発性記憶素子の読み出 方法は、上記発明に係る不揮発性記憶素子 書き込み方法によって書き込まれた情報を み出す不揮発性記憶素子の読み出し方法で って、前記第1及び第2の電極間に電圧V5より も大きく電圧V6よりも小さい読み出し用電圧 電気的パルスを印加することにより、前記 変抵抗層の抵抗状態が、その抵抗値が高抵 値R H となる高抵抗状態及び前記低抵抗状態のいず れであるかを判別する第1のステップと、前 第1のステップにて、前記可変抵抗層の抵抗 態が高抵抗状態であると判別された場合に 前記第1及び第2の電極間に電圧V4の電気的パ ルスを印加する第2のステップと、前記第2の テップの後、前記第1及び第2の電極間に前 読み出し用電圧の電気的パルスを印加する とにより、前記可変抵抗層の抵抗状態が高 抗状態及び低抵抗状態の何れであるかを判 する第3のステップとを有する。

 上記発明に係る不揮発性記憶素子の読み し方法における前記第3のステップにて、前 記可変抵抗層の抵抗状態が低抵抗状態である と判別された場合に、前記第1及び第2の電極 に電圧V2の電気的パルスを印加する第4のス ップをさらに有することが好ましい。

 また、本発明に係る不揮発性記憶素子の読 出し方法は、上記発明に係る不揮発性記憶 子の書き込み方法によって書き込まれた情 を読み出す不揮発性記憶素子の読み出し方 であって、前記第1及び第2の電極間に電圧V5 よりも大きく電圧V6よりも小さい読み出し用 圧の電気的パルスを印加することにより、 記可変抵抗層の抵抗状態が、その抵抗値が 抵抗値R H となる高抵抗状態及び前記低抵抗状態のいず れであるかを判別する第1のステップと、前 第1のステップにて、前記可変抵抗層の抵抗 態が高抵抗状態であると判別された場合に 前記第1及び第2の電極間に前記読み出し用 圧の電気的パルスを印加し、さらに、当該 み出し用電圧とは極性が異なり絶対値が等 い電圧の電気的パルスを印加することによ 、前記可変抵抗層の抵抗状態が前記第1の高 抗状態及び第2の高抵抗状態であるかを判別 するステップとを有する。

 また、本発明の不揮発性記憶素子は、N個(N 3)の電極と、各電極間に介在され、各電極 に与えられる電気的信号に基づいて可逆的 抵抗値が変化する抵抗変化層とを備え、前 可変抵抗層は、少なくとも4族、5族、又は6 の金属元素の酸化物を含むように構成され おり、各電極間に印加する電気的パルスの 圧V1乃至V6のうち、電圧V1、V4及びV6は正の電 であってV1>V4>V6の関係を有し、電圧V2、 V3及びV5は負の電圧であってV5>V3>V2の関係 を有している場合に、当該可変抵抗層の抵抗 値は、(A)電圧V1の電気的パルスを各電極間に 加した場合には高抵抗値R H となり、その後、正の電圧の電気的パルスを 両電極間に印加したとしても高抵抗値R H を維持する一方で、電圧V5よりも小さく電圧V 3よりも大きい負の電圧の電気的パルスを各 極間に印加したときは減少し、電圧V3の電気 的パルスを各電極間に印加したときは低抵抗 値R L となり、電圧V3よりも小さく電圧V2よりも大 い負の電圧の電気的パルスを各電極間に印 したときは増加し、電圧V2の電気的パルスを 各電極間に印加したときは高抵抗値R H となり、(B)電圧V2の電気的パルスを各電極間 印加した後、負の電圧の電気的パルスを各 極間に印加したとしても高抵抗値R H を維持する一方で、電圧V6よりも大きく電圧V 4よりも小さい正の電圧の電気的パルスを各 極間に印加したときは減少し、電圧V4の電気 的パルスを各電極間に印加したときは低抵抗 値R L となり、電圧V4よりも大きく電圧V1よりも小 い正の電圧の電気的パルスを各電極間に印 したときは増加し、電圧V1の電気的パルスを 各電極間に印加したときは高抵抗値R H となる。

 また、本発明の不揮発性記憶素子の書き込 方法は、上記発明に係る不揮発性記憶素子 書き込み方法であって、各電極間に電圧V1 電気的パルスを印加することにより、前記 変抵抗層の抵抗値が高抵抗値R H となる第1の高抵抗状態を発生させるステッ と、
 各電極間に電圧V2の電気的パルスを印加す ことにより、前記可変抵抗層の抵抗値が高 抗値R H となる第2の高抵抗状態を発生させるステッ と、前記第1の高抵抗状態において各電極間 電圧V3の電気的パルスを印加することによ 、または、前記第2の高抵抗状態において各 極間に電圧V4の電気的パルスを印加するこ により、前記可変抵抗層の抵抗値が低抵抗 R L となる低抵抗状態を発生させるステップとを 有する。

 また、本発明の不揮発性半導体記憶装置は 半導体基板と、前記半導体基板上に形成さ た、互いに交差するように行列状に配列さ た複数のワード線および複数のビット線、 記複数のワード線および複数のビット線の 点に対応してそれぞれ設けられた複数のト ンジスタ、並びに前記複数のトランジスタ 一対一で対応して設けられた複数の請求項1 に記載の不揮発性記憶素子とで構成された複 数のメモリセルと、前記複数のワード線のう ちのいずれかのワード線を選択する行選択回 路と、前記複数のビット船のうちのいずれか のビット線を選択する列選択回路と、前記半 導体基板の外部と高レベルまたは低レベルの 2値で入出力情報のやり取りを行うNビットの ータ入出力回路と、前記データ入出力回路 らのNビットの入力データを、3値を表現す M(2N≦3M)ビットのデータに変換するデータエ コード回路と、前記不揮発性記憶素子の一 の端子に接続される基準電圧源と、前記不 発性記憶素子の他方の端子に接続され、当 不揮発性記憶素子の抵抗値が高抵抗値R H となる第1の高抵抗状態を書き込む第1の電圧 と、前記不揮発性記憶素子の前記他方の端 に接続され、当該不揮発性記憶素子の抵抗 が高抵抗値R H となる第2の高抵抗状態を書き込む第2の電圧 と、前記不揮発性記憶素子の前記他方の端 に供給され、当該不揮発性記憶素子の抵抗 が低抵抗値R L となる低抵抗状態を書き込む第3の電圧源と 前記不揮発性記憶素子の前記抵抗値が所定 値に対して高いか低いかを判定するセンス ンプ回路と、前記メモリセルの書き込み情 を前記データ入出回路から出力するため、3 を表現するMビットのデータをNビットの2値 ータに変換するデータデコード回路とを備 、Nビットの入力データをM個の前記メモリ ルで記録する。

 また、本発明の不揮発性半導体記憶装置の み出し方法は、上記発明に係る不揮発性半 体記憶装置の読み出し方法であって、選択 れた前記メモリセルの抵抗値が所定の値に して高いか低いかを、前記センスアンプを いて判定する第1のステップと、前記第1の テップにて所定の値よりも高いと判定され 場合に、前記第3の電圧源による書き込みを った後、再度選択された前記メモリセルの 抗値が所定の値に対して高いか低いかを、 記センスアンプを用いて判定する第2のステ ップと、前記第1のステップにて所定の値に して低いと判定された場合は、前記選択さ たメモリセルには前記低抵抗状態が書き込 れていたと判断する第3のステップと、前記 2のステップにて所定の値に対して低いと判 定された場合は、前記選択されたメモリセル は前記第1の高抵抗状態が書き込まれていた 判断する第4のステップと、前記第2のステッ プにて所定の値に対して高いと判定された場 合は、前記選択されたメモリセルは前記第2 高抵抗状態が書き込まれていたと判断する 5のステップとを有する。

 上記発明に係る不揮発性半導体記憶装置 読み出し方法において、前記第2のステップ にて所定の値に対して低いと判定された場合 は、前記不揮発性記憶素子が前記第1のステ プのときの抵抗状態となるように、前記第1 電圧源または前記第2の電圧源による書き込 みを行うことが好ましい。

 また、本発明の不揮発性半導体記憶装置 書き込み方法は、上記発明に係る不揮発性 導体記憶装置の書き込み方法であって、選 された前記メモリセルに対し、前記第1の電 圧源または前記第2の電圧源による書き込み 行うことにより、当該メモリセルの抵抗状 を所定の抵抗状態に設定する第1のステップ 、前記第1のステップの後に、前記第1の電 源による書き込み、前記第2の電圧源による き込み、または前記第3の電圧源による書き 込みを行う第2のステップとを有する。

 上記発明に係る不揮発性半導体記憶装置 書き込み方法において、前記第1のステップ にて設定される抵抗状態と、前記第2のステ プにおいて書き込まれるべき抵抗状態とが 一の場合、前記第2のステップを実行しない とが好ましい。

 さらに、本発明の不揮発性半導体記憶装置 、半導体基板と、前記半導体基板の上に互 平行に形成された複数の第1の電極配線と、 前記複数の第1の電極配線の上方に前記半導 基板の主面に平行な面内において互いに平 に且つ前記複数の第1の電極配線に立体交差 るように形成された複数の第2の電極配線と 、前記複数の第1の電極配線と前記複数の第2 電極配線との立体交差点に対応して設けら た上記発明に係る不揮発性記憶素子とを具 するメモリアレイとを備える。

 また、本発明の不揮発性記憶素子は、上記 明に係る不揮発性記憶素子において、前記4 族、5族、又は6族の金属元素の酸化物は、Ti( タン)、V(バナジウム)、Zr(ジルコン)、Nb(ニ ブ)、Hf(ハフニウム)、Ta(タンタル)、及びW(タ ングステン)のいずれかの酸化物であること 好ましい。

 また、本発明の不揮発性記憶素子は、上記 明に係る不揮発性記憶素子において、前記4 族、5族、又は6族の金属元素の酸化物は、タ タル酸化物をTaO x と表した場合に、0<x<2.5を満足するタン ル酸化物であることがより好ましい。

 本発明の上記目的、他の目的、特徴、及 利点は、添付図面参照の下、以下の好適な 施態様の詳細な説明から明らかにされる。


 本発明に係る不揮発性記憶素子及び不揮発 半導体記憶装置によれば、安定して1ビット を超える情報を記憶させることが可能な多値 メモリが得られる。

 また、本発明に係る不揮発性記憶素子及び 揮発性半導体記憶装置の読み出し方法及び き込み方法によれば、情報の読み出し及び き込みを安定して行うことができる。

図1は本発明の第1の実施形態に係る不 発性記憶素子の構成例を示す断面図である 図2は本発明の第1の実施形態に係る不 発性記憶素子が備える第1および第2の電極間 に印加する電気的パルスを示した図である。 図3は本発明の第1の実施形態に係る不 発性記憶素子が備える第1および第2の電極間 に、図2に示した電圧V、パルス幅100nsの電気 パルスを印加した後、第1および第2の電極間 に電圧Vreadを印加して記憶素子の抵抗値Rを測 定した結果を模式的に示した図である。 図4は本発明の第1の実施形態に係る不 発性記憶素子が備える可変抵抗層の両電極 の界面近傍の構成を概念的に示す断面図で り、(a)は図3に示した高抵抗状態(S1)における 構成を、(b)は同じく高抵抗状態(S2)における 成を、(c)は同じく低抵抗状態(S3)及び(S4)にお ける構成を示す図である。 図5Aは実施例の不揮発性記憶素子の特 を示す図である。 図5Bは比較例の不揮発性記憶素子の特 を示す図である。 図6は状態(S1)及び(S2)において、両電極 に印加した電圧の関数として素子に流れる 流値を示した図である。 図7は本実施形態の不揮発性記憶素子の 他の構成例を示す断面図である。 図8は本発明の第2の実施形態に係る不 発性記憶素子の構成を示した断面図である 図9は本発明の第3の実施形態に係る不 発性半導体記憶装置の構成を示すブロック である。 図10は書き込み回路の回路図である。 図11はVCP電源、VP1電源、VP2電源、及びV P4電源の回路図である。 図12は、図9におけるA部の構成を示す 面図である。 図13はメモリセルの可変抵抗層に書き込まれ 3値の抵抗状態(R H1 、R H2 、R L )と、その抵抗状態に設定するために必要な 圧値との対応関係を示す図である。 図14は本発明の第3の実施形態に係る不 揮発性半導体記憶装置における読み出しサイ クルのフロー図である。 図15は読み出しステップ毎のメモリセ の状態図である。 図16は本発明の第3の実施形態に係る不 揮発性半導体記憶装置における書き込みサイ クルのフロー図である。 図17は書き込みステップ毎のメモリセ の状態図である。 図18は従来の記憶装置において用いら る電気的パルスによる抵抗変化の一例を示 図である。

符号の説明

 101 不揮発性記憶素子
 111、113,115、120,121 電極
 112、114、122 可変抵抗層
 116、117、118、119 電極との界面
 120 基板

 以下、本発明の好ましい実施形態を、図面 参照しながら説明する。

 (第1の実施形態)

 図1は、本発明の第1の実施形態に係る不揮 性記憶素子の構成例を示す断面図である。 1に示すように、本実施形態の不揮発性記憶 子101は、第1の電極111と第2の電極113との間 抵抗変化材料からなる可変抵抗層112を挟ん 素子構成となっており、基板120の上に形成 れている。この第1の電極111と第2の電極113と の間に、所定の極性、電圧および幅を有する 電気的パルスを印加することにより、素子の 抵抗値を再現性よく、かつ複数の異なるある 一定の抵抗値を有する状態に変化させること ができる。それらの変化後の状態は、十分長 い時間その状態を保持することができるため 、複数の異なる状態を複数の値に対応させる ことにより多値を記憶可能な記憶素子として 動作させることができる。

 可変抵抗層112は、抵抗変化材料としてのタ タル酸化物で構成されている。ここで、こ タンタル酸化物は、TaO x と表した場合に0<x<2.5を満足するもので る。可変抵抗層112の厚みは、例えば20nmとす ことができる。基板120としては、シリコン 結晶基板または半導体基板を用いることが きるが、これらに限定されるわけではない また、第1の電極111及び第2の電極113の電極 料として、Pt(白金)を用いている。ここで、 極の厚みは例えば200nm、電極のサイズは、 えばおおよそ3μm 2 とすることができる。

 図2は、本発明の第1の実施形態に係る不 発性記憶素子が備える第1および第2の電極間 に印加する電気的パルスを示した図である。 ここでは、電圧V、パルス幅δtで規定される 気的パルスを示している。電圧は、第2の電 113を基準とした第1の電極111の電位で定義す る。

 図3は、本発明の第1の実施形態に係る不 発性記憶素子が備える第1および第2の電極間 に、図2に示した電圧V、パルス幅100nsの電気 パルスを印加した後、第1および第2の電極間 に電圧Vreadを印加して記憶素子の抵抗値Rを測 定した結果を模式的に示した図である。

 なお、本実施の形態の両電極間に印加さ る電気的パルスの電圧V1乃至V6のうち、電圧 V1、V4及びV6は正の電圧であってV1>V4>V6の 係を有し、電圧V2、V3及びV5は負の電圧であ てV5>V3>V2の関係を有している。図3及び れ以降の記載では、電圧V2、V3及びV5が負の 圧であることを明確にするために、-V2,-V3及 び-V5と表す。

 初期の状態が高低のいずれの抵抗値を有す 場合であっても、両電極間に電圧V1(>0)の 気的パルスを印加すると、抵抗値がR H なる高抵抗状態(S1)に変化する。状態(S1)にお て、正の電圧を有する電気的パルスを両電 間に印加した場合は、抵抗値はR H のままで変化しない。これに対し、(S1)の状 において、負の電圧Vを有する電気的パルス 両電極間に印加すると、電圧の絶対値がV5 下の場合では抵抗値はR H のまま変化しないが、電圧の絶対値がV5を超 ると抵抗値はR H よりも低い値に変化する。そして、電圧-V3の 電気的パルスを両電極間に印加すると、抵抗 値が最小値R L を有する低抵抗状態(S3)に変化する。

 更に、絶対値をV3よりも大きい負の電圧Vの 気的パルスを両電極間に印加すると、抵抗 は再び上昇し、電圧-V2の電気的パルスを両 極間に印加すると抵抗値がほぼR H の高抵抗状態(S2)となる。この状態(S2)におい 、負の電圧を有する電気的パルスを両電極 に印加した場合は、抵抗値はR H のまま変化しない。これに対し、(S2)の状態 おいて、正の電圧Vを有する電気的パルスを 電極間に印加すると、電圧の絶対値がV6以 の場合では抵抗値はR H のまま変化しないが、電圧の絶対値がV6を超 ると抵抗値はR H よりも低い値に変化する。そして、電圧V4の 気的パルスを両電極間に印加すると、抵抗 が最小値R L を有する低抵抗状態(S4)に変化する。

 更に、絶対値をV4よりも大きい正の電圧Vの 気的パルスを両電極間に印加すると、抵抗 は再び上昇し、電圧V1の電気的パルスを両 極間に印加すると抵抗値がほぼR H の高抵抗状態(S1)となる。

 図4は、本発明の第1の実施形態に係る不揮 性記憶素子が備える可変抵抗層の両電極と 界面近傍の構成を概念的に示す断面図であ 、(a)は図3に示した高抵抗状態(S1)における構 成を、(b)は同じく高抵抗状態(S2)における構 を、(c)は同じく低抵抗状態(S3)及び(S4)におけ る構成をそれぞれ示している。

 図4(a)に示すように、高抵抗状態(S1)にお ては、可変抵抗層112の第1の電極111との界面 傍(上部界面層)が高抵抗の状態にあり、同 く第2の電極113との界面近傍(下部界面層)が 抵抗の状態にある。他方、図4(b)に示すよう 、高抵抗状態(S2)においては、可変抵抗層112 の上部界面層及び下部界面層がそれぞれ低抵 抗及び高抵抗の状態にあり、また、図4(c)に すように、低抵抗状態(S3)及び(S4)においては 、可変抵抗層112の上部界面層及び下部界面層 が共に低抵抗の状態にある。

 高抵抗状態(S1)及び(S2)では抵抗値として同 R H を有しているものの、図4(a)及び(b)に示すと り、その内部状態は異なっているため、(S1) び(S2)を区別することができる。これに対し 、低抵抗状態(S3)及び(S4)の場合、図4(c)に示す ように内部状態は同様であり、また、現時点 ではこれらを判別する方法はないため、(S3) び(S4)を異なる状態として認識することはで ない。

  [実施例及び比較例]

 図1に示した本発明の第1の実施形態に係る 揮発性記憶素子と同一構造の素子を実施例 して作製し、その実施例の特性を調べた。 お、この実施例では、可変抵抗層112としてTa O x (x=1.5)を用いている。

 図5Aは、実施例の不揮発性記憶素子の特 を示す図である。図5Aにおいて、縦軸は素子 の抵抗値を、横軸は両電極間に印加する電圧 をそれぞれ示している。

 この図5Aを参照すると、図3を参照して上述 た本実施形態の不揮発性記憶素子と同一の 性をこの実施例が有していることを確認す ことができる。すなわち、この実施例が、 電極間に印加される電圧に応じて、高抵抗 態(S1)及び(S2)並びに低抵抗状態(S3)及び(S4)を とり得ることを確認することができる。その ため、この実施例は、多値の情報を安定して 読み書きすることができる不揮発性記憶素子 として機能するといえる。なお、この実施例 において、図3に示した各電圧の値は、おお そV1=3V、-V2=-3V、-V3=-2V、V4=1.6V、-V5=-0.5V、V6=0.5 Vとなっている。

 次に、比較例として、Fe酸化物で可変抵抗 を構成した不揮発性記憶素子を作製し、そ 特性を調べた。なお、この比較例の可変抵 層以外の構成は、上記の実施例の場合と同 である。

 図5Bは、比較例の不揮発性記憶素子の特 を示す図である。図5Bを参照すると明らかな ように、比較例においては、本実施形態の不 揮発性記憶素子のような高抵抗状態(S1)及び(S 2)並びに低抵抗状態(S3)及び(S4)を確認するこ はできない。そのため、この比較例は、多 の情報を安定して読み書きすることは困難 あるといえる。

 なお、本実施形態においては、可変抵抗層 してタンタル酸化物を用いているが、それ 外の金属酸化物であっても、本実施形態の 合と同様な高抵抗状態及び低抵抗状態をと 得ると考えられる。そのような金属酸化物 しては、例えば、Ti(チタン)、V(バナジウム) 、Zr(ジルコン)、Nb(ニオブ)、Hf(ハフニウム)、 及びW(タングステン)などが挙げられる。V、Nb はTaと同族(5族)元素であり、また、5族の前後 の族に属しているTi、Zr、Hf(4族)とW(6族)はTaと 比較的性質が似ていることが知られているた め、これらの元素であってもTaと同様な効果 奏する。

  [書き込み方法及び読み出し方法]

 図3に示した特性を有する素子を用いて、” 0”および”1”をそれぞれ、高抵抗状態およ 低抵抗状態に対応させることにより、1ビッ トの情報を記憶する不揮発性メモリとして動 作させることが可能である。例えば、”0” よび”1”を(S1)および(S3)の状態にそれぞれ 応させることが考えられる。この場合、電 V1を両電極間に印加することにより高抵抗状 態(S1)に変化させ、その(S1)の状態において電 -V3の電気的パルスを両電極間に印加するこ により、低抵抗状態(S3)に変化させる。ここ で、両電極間に電圧の絶対値がV5およびV6よ も小さい電圧Vreadの電気的パルスを印加して 素子の抵抗値を読み取り、その抵抗値がR H 及びR L の何れであるかを判別することで、抵抗値を 変化させることなく(S1)及び(S3)の状態を区別 ることができる。

 また、1ビットの情報を記憶する別の方法と して、高抵抗状態(S2)及び低抵抗状態(S4)を用 ることも可能である。この場合、電圧-V2を 電極間に印加することにより高抵抗状態(S2) に変化させ、その(S2)の状態において電圧V4の 電気的パルスを両電極間に印加することによ り、低抵抗状態(S4)に変化させる。ここで、 電極間に電圧の絶対値がV5およびV6よりも小 い電圧Vreadの電気的パルスを印加して素子 抵抗値を読み取り、その抵抗値がR H 及びR L の何れであるかを判別することで、抵抗値を 変化させることなく(S2)及び(S4)の状態を区別 ることができる。

 その他、この素子の状態(S1)乃至(S3)を用い 3値の情報を記憶させることも可能である。 の場合、電圧V1の電気的パルスを両電極間 印加することにより、抵抗値がR H である(S1)の状態に変化させる。また、電圧-V 2の電気的パルスを両電極間に印加すること より、抵抗値がR H である(S2)の状態に変化させる。さらに、電 V1の電気的パルスを両電極間に印加すること により、(S1)の状態に変化させた後、電圧-V3 電気的パルスを印加することにより、状態(S 3)に変化させる。このようにして得られる(S1) 乃至(S3)の状態をそれぞれ3値の情報に割り当 ることにより、3値の情報の書き込みが可能 になる。

 以上のようにして3値の情報が書き込まれた 場合に、それらの情報を読み出すためには、 3つの異なる状態を判別する必要がある。そ 判別する方法は、次のとおりである。まず 第1のステップとして、両電極間に電圧の絶 値がV5およびV6よりも小さい電圧Vreadの電気 パルスを印加して素子の抵抗値を読み取り その抵抗値がR H 及びR L の何れであるかを判別することで、状態(S1) 至(S3)の何れであるかを判別する。即ち、素 の抵抗値がR H であれば、その状態は(S1)または(S2)であるこ がわかる。また、素子の抵抗値がR L であれば、その状態は(S3)であることがわか 。したがって、もし、抵抗値がR L であれば、状態は(S3)と確定される。他方、 抗値がR H の場合は、状態(S1)であるか状態(S2)であるか 判別するための第2のステップが必要になる 。

 第2のステップとして、まず両電極間に電圧 V4の電気的パルスを印加する。もし、状態が( S1)であれば、状態は(S1)のまま変化しない。 方、状態が(S2)であれば、電圧V4の電気的パ スにより状態は(S4)に変化する。従って、電 の絶対値がV5およびV6よりも小さい電圧Vread 電気的パルスを印加して素子の抵抗値を読 取り、抵抗値がR H 及びR L の何れであるかを判別することで、電圧V4の 気的パルスを印加する前の状態が、状態(S1) 及び(S2)の何れであるかを判別することがで る。もし、抵抗値がR H ならば、状態は(S1)と確定され、抵抗値がR L ならば、状態は(S2)と確定される。このよう して、抵抗値がR H である2つの状態(S1)および(S2)の判別が可能に なる。ここで、状態(S2)であると判別した場 は、第2のステップで最初に印加した電圧V4 電気的パルスにより、状態が(S4)に変化して るので、状態(S2)に戻すために、更に電圧-V2 の電気的パルスを両電極間に印加する。

 上記の読み出し方法は、第2のステップに おいて両電極間に印加する電気的パルスによ り、状態が変化する場合があるので、いわゆ る破壊読み出しに該当する。

 以上の様にして、(S1)乃至(S3)の3つの状態 用いることにより、本実施形態の不揮発性 憶素子を、1ビットを超える3値の記憶素子 して動作させることが可能になる。

 3つの状態を読み取り、判別するために、次 のような別の方法をとることも可能である。 まず、第1のステップとして、電極間に電圧 絶対値がV5およびV6よりも小さい電圧Vread1の 気的パルスを印加して素子の抵抗値を読み り、抵抗値がR H 及びR L の何れであるかを判別することで、状態(S1) 至(S3)の何れであるかを判別する。即ち、素 の抵抗値がR H であれば、その状態は(S1)または(S2)であるこ がわかる。また、素子の抵抗値がR L であれば、その状態は(S3)であることがわか 。従って、抵抗値がR L であれば、状態は(S3)であると確定される。 方、抵抗値がR H の場合は、状態(S1)であるか状態(S2)であるか 判別するための第2のステップが必要になる 。

 第2のステップとして、両電極間に電圧の 絶対値がV5およびV6よりも小さい電圧Vread2の 気的パルスを印加し、更に極性が異なり絶 値がVread2と等しい電圧-Vread2の電気的パルス 印加して、それぞれ抵抗値を測定し、その をR2およびR3とする。

 図6は、状態(S1)及び(S2)において、両電極 に印加した電圧の関数として素子に流れる 流値を示した図である。図5からわかるよう に、こうして得られた抵抗値は、状態(S1)の 合はR2>R3となり、状態(S2)の場合はR2<R3と なるため、R2及びR3の値を比較することによ 、状態(S1)であるか状態(S2)であるかを判別す ることが可能である。この方法によれば、第 2のステップとして、印加する電気的パルス 電圧の絶対値Vread2は、V5およびV6よりも小さ ため、状態を変化させることなく、即ち非 壊で、状態(S1)であるか(S2)であるかを判別 ることができる。

 上記のように状態(S1)乃至(S3)を用いるの はなく、状態(S1)、(S2)及び(S4)を用いて3値の 報を記憶させることも可能である。この場 の動作に関しては、上記の状態(S1)乃至(S3) 用いて3値の情報を記憶させる場合と同様な で、説明は省略する。

 こうして、1ビットを超える情報を読み書き する記憶素子として本実施形態の不揮発性記 憶素子を動作させた場合は、各状態の抵抗値 がR H またはR L のどちらかであり、十分判別可能な程度にそ の差が大きく、それぞれの状態のリテンショ ン特性も良好である。

 上述したように、本実施形態の不揮発性 憶素子は、両電極間に可変抵抗層が介在す 構成を1段のみ備えているが、これを多段に して積み重ねる構造であってもよい。その例 を図7に示す。

 図7に示した不揮発性記憶素子101では、両電 極間に可変抵抗層が介在する構成を2段備え いる。より具体的には、不揮発性記憶素子10 1は、第1の電極111及び第2の電極113並びにそれ らの電極間に介在される可変抵抗層112からな る積層構造と、第2の電極113及び第3の電極115 びにそれらの電極間に介在される可変抵抗 114からなる積層構造とを有している。この 合、第1の電極111、第2の電極113及び可変抵 層112を用いて3値の情報を記憶させ、さらに 第2の電極113、第3の電極115及び可変抵抗層11 4を用いて3値の情報を記憶させることにより 併せて3×3=9値の情報を記憶することが可能 なる。

 (第2の実施形態)

次に本発明の第2の実施形態に係る不揮発性 憶素子について説明する。第2の実施形態は 第1の実施形態で示した第1および第2の電極 備えた構成に対し、1層の可変抵抗層に対し て更に第3の電極、第4の電極等を追加して、n 個(≧3)の電極を有する構成とした実施形態で ある。このような構成とすることで、更に多 くの情報を記憶させる多値の記憶素子として 動作させることが可能である。以下では、電 極が4個の場合を説明する。

 図8は、本発明の第2の実施形態に係る不揮 性記憶素子の構成を示した断面図である。 8に示すように、本実施形態の不揮発性記憶 子は、可変抵抗層122の上部および下部にそ ぞれ2個ずつの電極111及び120並びに113及び114 が形成されて構成されている。なお、この図 8では、基板などは省略されている。

 この素子の4つの電極のうち、電極の対を選 別して、第1の電極111および第2の電極113間、 1の電極111および第3の電極120間、第1の電極1 11および第4の電極121間、第2の電極113および 3の電極120間、第2の電極113および第4の電極12 1間、第3の電極120および第4の電極121間、の計 6対の電極間に、第1の実施形態と同様の方法 より、高抵抗状態(S1)、高抵抗状態(S2)、及 低抵抗状態(S3)または(S4)の何れかになるよう に電気的パルスを印加する。これにより、可 変抵抗層122のそれぞれの電極との界面近傍を 高抵抗の状態または低抵抗の状態にすること ができる。その状態の組合せを用いることに より、多値の情報を記憶することが可能にな る。

 表1には、可変抵抗層122の第1の電極111との 面近傍(上部界面層116)、同じく第2の電極113 の界面近傍(下部界面層117)、同じく第3の電 120との界面近傍(上部界面層118)、及び同じく 第4の電極121との界面近傍(下部界面層119)の状 態が示されている。なお、表1における界面1 至4は、上部界面層116、下部界面層117、上部 界面層118、及び下部界面層119にそれぞれ対応 する。また、表1において、Hは高抵抗状態を Lは低抵抗状態をそれぞれ示している。

 各状態の組合せのうち、全ての界面近傍 状態が高抵抗の状態となる組合せは実現出 ないので、状態の組合せの数としては、表1 に示したように、15となる。すなわち、15個 異なる状態の組合せを実現することができ 。

 本実施形態の不揮発性記憶素子の読み出し 法としては、次のものが挙げられる。まず 両電極間に電圧の絶対値がV5およびV6よりも 小さい電圧Vreadの電気的パルスを印加して、 子の抵抗値を読み取る。そして、抵抗値がR L であるか否かを判別する。これにより、それ ぞれの抵抗値を変化させることなく各状態の 組合せを区別することが可能になる。表1に したように、抵抗値がR L か否かによって、12個の異なる状態の組合せ 判別することができる。ここで、判別可能 各状態の組合せを12値の情報に割り当てる とによって、本実施形態の不揮発性記憶素 を、12値の情報を記憶する多値のメモリとし て動作させることが可能になる。

 (第3の実施形態)
 図9は、本発明の第3の実施形態に係る不揮 性半導体記憶装置の構成を示すブロック図 ある。

 図9に示すように、本実施形態に係る不揮発 性半導体記憶装置300は、半導体基板上に、メ モリ本体部301を備えており、このメモリ本体 部301は、メモリアレイ302と、行選択回路/ド イバ303と、列選択回路304と、情報の書き込 を行うための書き込み回路305と、選択ビッ 線に流れる電流量を検出し、選択セルが高 抗状態か低抵抗状態かを判定し後述の多値 定または書き込みの指示判定をするセンス ンプ・判定回路306と、端子DQを介して入出力 データの入出力処理を行うデータ入出力回路 307と、2値表現の8ビット分の入力データを3値 表現の6ビットデータに変換するデータエン ード回路308と、3値表現の6ビット分の出力デ ータを2値表現の8ビットデータに変換するデ タデコード回路309とを具備している。

 また、不揮発性半導体記憶装置300は、各種 圧を生成する電源回路310を備えており、こ 電源回路310は、セルプレート電源(VCP電源)31 1、電圧VP1を供給するVP1書き込み電源312、電 VP2を供給するVP2書き込み電源313、及び電圧VP 4を供給するVP4書き込み電源314を具備してい 。更に、不揮発性半導体記憶装置300は、外 から入力されるアドレス信号を受け取るア レス入力回路315と、外部から入力されるコ トロール信号に基づいて、メモリ本体部301 動作を制御する制御回路316とを備えている

 メモリアレイ302は、半導体基板の上に形成 れた、互いに交差するように配列された複 のワード線WL0,WL1,WL2,…およびビット線BL0,BL1 ,BL2,…と、これらのワード線WL0,WL1,WL2,…およ ビット線BL0,BL1,BL2,…の交点に対応してそれ れ設けられた複数のメモリセルM11,M12,M13,M21, M22,M23,M31,M32,M33(以下、「メモリセルM11,M12,… と表す)とを備えている。

メモリセルM11,M12,…は、多値可変抵抗層を有 た不揮発性記憶素子とトランジスタとで構 されているが、本実施形態においては、こ 不揮発性記憶素子として、第1の実施形態に て説明した、タンタル酸化物を含む可変抵抗 層を電極間に挟んだ不揮発性記憶素子を用い ている。

 また、メモリアレイ302は、ワード線WL0,WL1,WL 2,…に平行して配列されている複数のプレー 線PL0,PL1,PL2,…を備えている。

 図9に示すように、メモリセルM11,M12,M13,… においてメモリセルを構成するトランジスタ のドレインはビット線BL0に、メモリセルM21,M2 2,M23,…においてメモリセルを構成するトラン ジスタのドレインはビット線BL1に、それぞれ 接続されている。

 また、メモリセルM11,M21,M31,…においてメ リセルを構成するトランジスタのゲートは ード線WL0に、メモリセルM12,M22,M32,…におい メモリセルを構成するトランジスタのゲー はワード線WL1に、それぞれ接続されている

 また、メモリセルM11,M21,M31,…はプレート PL0に、メモリセルM12,M22,M32,…はプレート線P L1に、それぞれ接続されている。

 アドレス入力回路315は、外部回路(図示せ ず)からアドレス信号を受け取り、このアド ス信号に基づいて行アドレス信号を行選択 路/ドライバ303へ出力するとともに、列アド ス信号を列選択回路304へ出力する。ここで アドレス信号は、複数のメモリセルM11,M12, のうちの選択される特定のメモリセルのア レスを示す信号である。また、行アドレス 号は、アドレス信号に示されたアドレスの ちの行のアドレスを示す信号であり、列ア レス信号は、アドレス信号に示されたアド スのうちの列のアドレスを示す信号である

 制御回路316は、情報の書き込みサイクル おいては、データ入出力回路307に入力され 入力データDinに応じて、書き込み用電圧の 加を指示する書き込み信号を書き込み回路3 05へ出力する。他方、情報の読み出しサイク において、制御回路310は、読み出し用電圧 印加を指示する読み出し信号を列選択回路3 04へ出力する。

 行選択回路/ドライバ303は、アドレス入力 回路315から出力された行アドレス信号を受け 取り、この行アドレス信号に応じて、複数の ワード線WL0,WL1,WL2,…のうちの何れかを選択し 、その選択されたワード線に対して、所定の 電圧を印加する。

 また、列選択回路304は、アドレス入力回路3 15から出力された列アドレス信号を受け取り この列アドレス信号に応じて、複数のビッ 線BL0~BL5,BL6~BL11、…のように6本のビット線 同時に選択し、その選択したビット線に対 て、書き込み用電圧または読み出し用電圧 印加する。

 データエンコード回路308は、書き込みデー としてデータ入出力回路307を介して入力さ る2値表現の8ビット分の書き込みデータを 3値表現の6ビットデータに変換する。また、 データエンコード回路308は、DE0、DE1及びDE2の 出力を6系統有し、入力データに対応してそ 各々の何れかがハイレベルとなる信号が並 に出力する。その対応関係の一例を表2に示 。

 入力D0~D7に “0”または“1”の2値表現で入 力される8ビットのデータは2 8 =256通りの組合せが存在する。これを“0”ま は”1“または”2”の3値で記録可能なメモ セルに過不足なく書き込むためには、メモ セルは6ビット必要となる。この場合、3 6 =729通りの情報が記録できるが、その内の書 みに必要な256通り分についての対応関係を 2に示している。

 次に、3値表現とメモリセルの抵抗状態との 対応関係の一例を表3に示す。

 この例では、DE0がハイレベルのときはR H2 、DE1がハイレベルのときはR L 、DE2がハイレベルのときはR H1 に各々対応されている。そして、データエン コード回路308は、入力8ビットに対応したメ リセル6ビット各々に対し、R H1 、R H2 、R L の何れを書き込むのかの書き込み回路305に対 する指示として、DE0、DE1及びDE2の何れかをハ イレベルに設定する。

 書き込み回路305は、制御回路316から出力さ た書き込み指示信号を受け取った場合、列 択回路304を介して選択されたビット線に対 て書き込み用電圧を出力する。

 図10は、書き込み回路305の回路図である。 10に示すように、書き込み回路305は、NMOSト ンジスタ330、331、332、333と、ANDゲート334、33 5、336と、インバータ回路337とで構成されて る。ここで、NMOSトランジスタ330のドレイン はVP1電源312の出力電圧VP1が入力され、ゲー にはANDゲート334の出力が接続されている。 た、NMOSトランジスタ331のドレインにはVP2電 源313の出力電圧VP2が入力され、ゲートにはAND ゲート335の出力が接続されている。また、NMO Sトランジスタ332のドレインにはVP4電源314の 力電圧VP4が入力され、ゲートにはANDゲート33 6の出力が接続されている。さらに、NMOSトラ ジスタ333のドレインにはVCP電源311の出力電 VCPが入力され、ゲートにはインバータ337の 力が接続されている。なお、NMOSトランジス タ331、332、333、334のソースはいずれもVWPノー ドに共通接続され列選択回路304に入力されて いる。

 ANDゲート334は、制御回路316から出力される き込み指示信号WENと、データエンコード回 308から出力される3値のうちR H2 の書き込み指示信号DE0との2入力で構成され いる。また、ANDゲート335は、制御回路316か 出力される書き込み指示信号WENと、データ ンコード回路308から出力される3値のうちR H1 の書き込み指示信号DE2との2入力で構成され いる。さらに、ANDゲート336は、制御回路316 ら出力される書き込み指示信号WENと、デー エンコード回路308から出力される3値のうちR L の書き込み指示信号DE1との2入力で構成され いる。なお、インバータ337には、制御回路31 6から出力される書き込み指示信号WENが入力 れる。

 センスアンプ・判定回路306は、情報の読み しサイクルのうち、後述するT1またはT3のサ イクルにおいて、読み出し対象となる選択ビ ット線に流れる電流量を検出し、読出し対象 のメモリセルが高抵抗状態か、低抵抗状態か を判定する。さらにはこのT1およびT3の読み しサイクルの結果をもとに、読出し対象の モリセルが3値のうち、R H1 、R H2 、R L の何れであるかを決定し、その何れであった かのデータデコード回路309に対する指示とし て、DD0、DD1及びDD2の何れかをハイレベルに設 定する。この場合、表4に従ってDD0、DD1及びDD 2の何れかがハイレベルに設定される。

 データデコード回路309は、書き込みデータ してセンスアンプ・判定回路306より入力さ る3値表現(DD0、DD1、DD2の何れかがハイレベ )の6ビット分の読み出しデータを、2値表現 8ビットデータに変換する。この変換は、デ タエンコード回路308の処理と逆の関係で、 2の対応関係に従って行われる。その結果得 られた出力データDOは、データ入出力回路307 介して、外部回路へ8ビットデータとして出 力される。

 電源回路310を構成するセルプレート電源(VCP 電源)311、VP1電源312、VP2電源313、VP4電源314は 図11(a)乃至(d)にそれぞれ示す一般的に知られ ている基準電圧発生器とオペアンプ型電圧ド ライバ42とで構成されている。

 図12は、図9におけるA部の構成(2ビット分の 成)を示す断面図である。図12における不揮 性記憶素子323が、図9におけるメモリセルM11 ,M12,…に相当し、この不揮発性記憶素子323は 上部電極324、タンタル酸化物を含む可変抵 層325、および下部電極326から構成され、ワ ド線WL0,WL1の上方にビット線BL0が配され、そ のワード線WL0,WL1とビット線BL0との間に、プ ート線PL0,PL1が配置されている。327はプラグ を、328は金属配線層を、329はソース/ドレイ ン領域をそれぞれ示している。

  [不揮発性半導体記憶装置の動作例]
 次に、情報を書き込む場合の書き込みサイ ルおよび情報を読み出す場合の読み出しサ クルにおける第3の実施形態に係る不揮発性 半導体記憶装置の動作例について、説明する 。

 図13は、第1の実施形態の説明と同様の、メ リセルの可変抵抗層325に書き込まれる3値の 抵抗状態(R H1 、R H2 、R L )と、その抵抗状態に設定するために必要な 圧値との対応関係を示している。図11に示し たVCP電源311、VP1電源312、VP2電源313、VP4電源314 が備える各基準電圧発生器には、ここに示さ れる電圧値が不揮発性半導体記憶装置300の製 造段階で設定されている。

 また、メモリセルの上部電極324はセルプレ ト電源線PL0、PL1、…より常時電圧VCPが供給 れており、この上部電極324側の電圧VCPを基 として、下部電極326の電圧を所定時間変化 せることにより、書き込み動作及び読み出 動作が行われる。なお、所定時間電圧印加 の下部電極326側にはVCP電圧が印加され、上 電極324と下部電極326との間の電位差は0Vの 態が維持される。また、抵抗状態に影響を えないVP5~VP6の間の電圧が、読み出し動作の きに両電極間に印加される読み出し電圧Vrea dとなる。

 まず、読み出しサイクルについて説明する

 図14は読み出しサイクルのフロー図、図15 は読み出しステップ毎のメモリセルの状態図 をそれぞれ示している。

 図14に示すように、読み出しは第1ステップT 1、第2ステップT2、第3ステップT3、及び第4ス ップT4の4つのステップから成り立っている メモリセルに書き込まれている抵抗状態はR H1 、R H2 、R L の3状態が想定され、図14ではその各々の場合 についてステップ毎の抵抗状態の遷移を示し ている。

  [第1ステップT1]

 外部から入力されるアドレス信号で指定さ るメモリセルの抵抗値を読み出す。そして 選択されたメモリセルに対してセンスアン ・判定回路306よりVread電圧を印加し、そこ 流れる電流値と所定の電流値とを比較し、 の大小関係により、高抵抗状態(HR)にあるか 抵抗状態にあるかを判定する。この場合、 15のT1欄に示すように、選択されたメモリセ ルの抵抗値がR H1 またはR H2 の場合、このステップでは区別されずにいず れも高抵抗状態と判定され、R L の場合は、低抵抗状態と判定される。

  [第2ステップT2]

 第1ステップT1においてメモリセルが高抵抗 態であると判定された場合には、所定時間 間、電圧VP4が印加される。

 一方、第1ステップT1においてメモリセル 低抵抗状態であると判定された場合には、 のステップは何も行わないNOP(No Operation)状 で維持される。

 図15のT2、T3欄で示されているように、読み しメモリセルの抵抗値がR H1 である場合に電圧VP4が印加されると、その抵 抗状態は高抵抗値状態から低抵抗値状態に遷 移する。一方、読み出しメモリセルの抵抗値 がR H2 である場合に電圧VP4が印加されると、抵抗状 態は変化せず、高抵抗値状態のまま維持され る。

  [第3ステップT3]

 第2ステップT2において電圧VP4が印加された モリセルに対し、センスアンプ・判定回路3 06よりVread電圧を印加し、そこの流れる電流 と所定の電流値とを比較し、その大小関係 より、高抵抗状態にあるか低抵抗状態にあ かを判定する。

 図15のT2、T3欄で示すように、読み出しメモ セルがR H1 の場合には、第2ステップT2で低抵抗値状態に 遷移しているので低抵抗値状態と判定され、 読み出しメモリセルがR H2 の場合には、第2ステップT2でも高抵抗状態が 維持されているので高抵抗値状態と判定され る。なお、第2ステップT2においてNOP処理のメ モリセルに対しては本ステップでもNOP処理が 行われる。

 ここまでのステップでメモリセルに書き込 れていた抵抗値状態が3値・R H1 、R H2 、R L のいずれであるかが判定でき、その結果に応 じてセンスアンプ・判定回路306の出力DD0、DD1 、DD2の何れか一つをハイレベルに設定し、デ ータデコード回路309に転送し、前述の表2に ったデータデコード処理が行われたのち、 ータ入出力回路307より外部に8ビットのデー として出力される。

  [第4ステップT4]

 第3ステップT3において、R H1 と判定されたメモリセルに対してのみ、電圧 VP2を印加し、読み出しフローを終了する。図 15のT4欄で示すように、読み出しメモリセル R H1 の場合には、第2ステップT2で低抵抗値状態の R L に遷移しているので、このように電圧VP2を印 加することにより、元の抵抗値状態であるR H1 に戻しておく。

 次に、書き込みサイクルについて説明する

 図16は書き込みサイクルのフロー図を、 17は書き込みステップ毎のメモリセルの状態 図をそれぞれ示している。

 図16に示すように、書き込みは第1ステップT 1及び第2ステップT2の2つのステップから成り っている。メモリセルに書き込まれる抵抗 態はR H1 、R H2 、R L の3状態が想定され、図17ではその各々の場合 についてステップ毎の抵抗状態の遷移を示し ている。

  [第1ステップT1]

 このステップは書き込みメモリセルに対す 消去動作に相当する。

 外部から入力されるアドレス信号で指定さ るメモリセルに対して、所定時間の間、電 VP2が印加される。図17のT1欄に示すように、 メモリセルの抵抗状態は、本書き込みサイク ル以前に該当メモリセルに書き込まれたR H1 、R H2 、R L の何れかであることが想定される。もし前状 態が第1の高抵抗状態であるR H 1であった場合、電圧VP2の印加によっても抵 値の状態は影響されず、R H1 の状態が維持される。もし前状態が第2の高 抗状態であるR H2 であった場合、電圧VP2の印加によって一旦R L 状態に遷移した後 第1の抵抗状態であるR H1 に遷移する。また、もし前状態が低抵抗状態 であるR L であった場合、電圧VP2の印加によって第1の 抗状態であるR H1 に遷移する。

 以上のように、前状態に依ることなく、同 の電圧印加によって同一の抵抗状態であるR H1 に揃えることができる。

  [第2ステップT2]

 データエンコード回路308の指示信号DE0、DE1 DE2に応じて書き込みが行われる。DE2がハイ ベルの場合、第1の高抵抗状態R H1 の書き込みが指示されていることになる。こ の場合は、第1ステップT1において既にこの状 態に書き込まれているため、NOP処理で何も行 われない。これに対し、DE0がハイレベルの場 合では、第2の高抵抗状態R H2 の書き込みが指示されていることになるため 、電圧VP1が所定期間印加される。また、DE1が ハイレベルの場合では、低抵抗状態R L の書き込みが指示されていることになるため 、電圧VP4が所定期間印加される。

 図17のT2欄に示すように、R H2 書き込みの場合は電圧VP1の印加により一旦R L に遷移した後、第2の高抵抗値状態R L2 に遷移する。R L 書き込みの場合は電圧VP4の印加で低抵抗値R L に遷移する。

 なお、第3の実施形態の不揮発性半導体記憶 装置300は、8ビット入出力データを6個のメモ セルに対応させて書き込み及び読み出し動 を行っている。そのため、本実施形態では3 6=729通りの記録が可能で、その内729-256=473通 が未使用の状態にある。この未使用領域を 用し周知の方法を用いることで、殆どチッ サイズを増大させることなくさらなる容量 張を図ることができ、高品質な不揮発性半 体記憶装置を実現することができる。

 例えば、メモリセル数を同一のまま9ビット (512通りで217通りがまだ未使用)の入出力構成 増設した構成にしたり、外部8ビット入出力 データ構成のままで、この未使用領域をエラ ー訂正用のパリティビットを1ビットに割り ることにより、チップ内のメモリセル数を 一のままでエラー訂正機能を備える構成に たり等、より高品質なメモリ装置が容易に 現できる。また、未使用領域を、冗長救済 の予備メモリセルに用いることも考えられ 。

 また本実施形態では、内部電源回路として VP1電源312、VP2電源313、及びVP4電源314を個々 構成しているが、例えば、VP1電源を外部電 のVDDと、またVP2電源をVSS(グランド)電源と 用するような構成でもよい。

 また本実施形態は1トランジスタ/1不揮発性 憶部(1T1R)型メモリセル構造であるが、クロ ポイント型メモリ構造としてもよいことは うまでもない。すなわち、メモリアレイが 半導体基板の上に互い平行に形成された複 の第1の電極配線と、それらの第1の電極配 の上方に半導体基板の主面に平行な面内に いて互いに平行に且つ複数の第1の電極配線 立体交差するように形成された複数の第2の 電極配線と、これらの複数の第1の電極配線 複数の第2の電極配線との立体交差点に対応 て設けられた不揮発性記憶素子とを備えて り、その不揮発性記憶素子として第1の実施 形態の不揮発性記憶素子が用いられる構成で あってもよい。

 さらには、図14及び図16にそれぞれ示した読 み出しフロー及び書き込みフローにおいて、 必要に応じてメモリセルの状態をチェックす るベリファイ動作を追加実施してもよいこと は言うまでもない。

 上記説明から、当業者にとっては、本発明 多くの改良や他の実施形態が明らかである 従って、上記説明は、例示としてのみ解釈 れるべきであり、本発明を実行する最良の 様を当業者に教示する目的で提供されたも である。本発明の精神を逸脱することなく その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変 更できる。

 本発明の不揮発性記憶素子および不揮発 記憶アレイは、1ビットを超える情報を安定 して記憶することが可能であり、パーソナル コンピュータ又は携帯電話等の種々の電子機 器に用いられる不揮発性記憶素子等として有 用である。