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Patent Searching and Data


Title:
ORGANIC ELECTROLUMINESCENT DEVICE, DISPLAY DEVICE AND ILLUMINATING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090795
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an organic electroluminescent device having high external quantum efficiency and long life. Also disclosed are an illuminating device and a display device. The organic electroluminescent device is characterized by containing at least one compound having a partial structure represented by the following general formula (1). [chemical formula 1] (1) In the formula, R1 represents a group (preferably an aromatic hydrocarbon group, an aromatic heterocyclic group, an alkyl group or an alkoxy group) having 4-20 carbon atoms in total and a substituent having a formula weight of 70-350 (preferably an alkyl group or an alkoxy group); R2-R4 independently represent a substituent; n2 represents a number of 0-4; n3 represents a number of 0-2; n4 represents a number of 0-8; and Q represents an atomic group necessary for forming an aromatic hydrocarbon ring or an aromatic heterocyclic ring.

Inventors:
TANAKA TATSUO (JP)
TAKA HIDEO (JP)
KATAKURA RIE (JP)
KITA HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050504
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA HOLDINGS INC (JP)
TANAKA TATSUO (JP)
TAKA HIDEO (JP)
KATAKURA RIE (JP)
KITA HIROSHI (JP)
International Classes:
C09K11/06; H01L51/50; H05B33/10; C07F15/00
Domestic Patent References:
WO2006121811A12006-11-16
Foreign References:
JP2004530254A2004-09-30
CN100362006C2008-01-16
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Claims:
少なくとも下記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

(式中、R 1 は炭素数の合計が4~20で式量70~350の置換基が置換した基を表し、R 2 ~R 4 はそれぞれ独立に置換基を表し、n2は0~4を、n3は0~2を、n4は0~8を表す。Qは芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するのに必要な原子団を表す。)
前記R 1 が、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルキル基及びアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種の基であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記R 1 が炭素数の合計が4~20のアルキル基又はアルコキシ基のいずれかを置換基として有することを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記一般式(1)で表される部分構造が下記一般式(2)で表される部分構造であることを特徴とする請求の範囲第1項~第3項のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

(式中、R 1 、R 2 及びR 3 は前記一般式(1)のR 1 、R 2 及びR 3 と同義の基を表し、R 5 は置換基を表し、n2及びn3は前記一般式(1)のn2及びn3と同じ数を表し、n5は0~4を表す。)
前記R 5 がアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基及びアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種の基であることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記一般式(1)で表される部分構造が下記一般式(3)で表される部分構造であることを特徴とする請求の範囲第1項~第3項のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

(式中、R 1 、R 2 及びR 3 は前記一般式(1)のR 1 、R 2 及びR 3 と同義の基を表し、R 6 は置換基を表し、n2及びn3は前記一般式(1)のn2及びn3と同じ数を表し、n6は0~7を表し、Xはカルコゲン原子を表す。)
前記R 5 がアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基及びアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種の基であることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
請求の範囲第1項~第7項のいずれか1項に記載の化合物を有機層に含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記有機層が発光層であることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記有機層がウェットプロセスによって形成されたことを特徴とする請求の範囲第8項又は第9項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
請求の範囲第1項~第10項のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
請求の範囲第1項~第10項のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
Description:
有機エレクトロルミネッセンス 子、表示装置及び照明装置

 本発明は、有機エレクトロルミネッセン 素子、表示装置及び照明装置に関し、さら 詳しくは、新規な化合物を含有する有機エ クトロルミネッセンス素子、表示装置及び 明装置に関する。

 従来、発光型の電子ディスプレイデバイ として、エレクトロルミネッセンスディス レイ(以下、ELDという)がある。ELDの構成要 としては、無機エレクトロルミネッセンス 子や有機エレクトロルミネッセンス素子が げられる。無機エレクトロルミネッセンス 子は平面型光源として使用されてきたが、 光素子を駆動させるためには交流の高電圧 必要である。有機エレクトロルミネッセン 素子は発光する化合物を含有する発光層を 極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電 及び正孔を注入して、再結合させることに り励起子(エキシトン)を生成させる。このエ キシトンが失活する際の光の放出(蛍光・リ 光)を利用して発光する素子であり、数V~数 V程度の電圧で発光が可能であり、更に自己 光型であるために視野角に富み、視認性が く、薄膜型の完全固体素子であるために省 ペース、携帯性等の観点から注目されてい 。

 しかしながら、今後の実用化に向けた有 エレクトロルミネッセンス素子においては 更に低消費電力で効率よく高輝度に発光す 有機エレクトロルミネッセンス素子の開発 望まれている。

 そのため、励起一重項からの発光を用い 有機エレクトロルミネッセンス素子が多数 示されて(例えば、特許文献1参照)いる。し し、励起一重項からの発光を用いる場合、 重項励起子と三重項励起子の生成比が1:3で るため発光性励起種の生成確率が25%であり 光の取り出し効率が約20%である。その結果 外部取り出し量子効率(ηext)の限界は5%とさ ている。

 ところが、プリンストン大より励起三重 からのリン光発光を用いる有機エレクトロ ミネッセンス素子の報告(例えば、非特許文 献1参照)がされて以来、室温でリン光を示す 料の研究が活発になってきて(例えば、特許 文献2参照)いる。

 励起三重項を使用すると、内部量子効率 上限が100%となるため励起一重項の場合に比 べて原理的に発光効率が4倍となり、冷陰極 とほぼ同等の性能が得られる可能性がある とから照明用途としても注目されている。

 例えば、多くの化合物がイリジウム錯体 等重金属錯体を中心に合成検討されて(例え ば、非特許文献2参照)いる。

 いずれの場合も発光素子とした場合の発 輝度や発光効率は、その発光する光がリン に由来することから従来の素子に比べ大幅 改良されるものであるが、素子の発光寿命 ついては従来の素子よりも低いという問題 があった。このように、リン光性の高効率 発光材料は、発光波長の短波化と素子の発 寿命の改善が難しく、実用に耐えうる性能 十分に達成できていないのが現状である。

 リン光性の高効率の発光材料は、発光波 の短波化と素子の発光寿命の改善が難しく 実用に耐えうる性能を十分に達成できてい い。

 また、配位子としてフェニルピラゾール 有する金属錯体が知られている(例えば、特 許文献3、4参照)。しかし、ここで開示されて いるフェニルピラゾールへのフェニル基の置 換様式では発光の素子寿命に改善が見られる が、まだ十分ではなく発光効率の観点からも 改良の余地が残っている。

 一方、有機エレクトロルミネッセンス素子 大面積化するにあたり、低分子化合物を用 た有機エレクトロルミネッセンス素子の作 において一般的である真空蒸着法による製 は、設備やエネルギー効率の面で問題があ ことが知られている。そして、インクジェ ト法やスクリーン印刷法などを含む印刷法 しくはスピンコートあるいはキャストコー といった塗布法が望ましいと考えられてい 。印刷法や塗布法に適したリン光発光材料 しては、デンドリマー部位を有する有機金 錯体(例えば、特許文献5参照)やポリマー鎖 に固定化された有機金属錯体(例えば、特許 文献6参照)が知られている。しかしながら、 だ十分ではなく発光効率、長寿命化の観点 らも改良の余地が残っている。

特開平3-255190号公報

米国特許第6,097,147号明細書

国際公開第04/085450号パンフレット

特開2005-53912号公報

国際公開第02/066552号パンフレット

特開2003-342235号公報 M.A.Baldo et al.,Nature、395巻、151~154頁(1998 ) S.Lamansky et al.,J.Am.Chem.Soc.,123巻、4304頁(20 01年)

 本発明の目的は、新規化合物を含み、外 取り出し量子効率が高く、且つ、長寿命で る有機エレクトロルミネッセンス素子、表 装置及び照明装置を提供することにある。

 本発明の上記目的は、以下の構成により 成することができる。

 1.少なくとも下記一般式(1)で表される部 構造を有する化合物を含有することを特徴 する有機エレクトロルミネッセンス素子。

(式中、R 1 は炭素数の合計が4~20で式量70~350の置換基が 換した基を表し、R 2 ~R 4 はそれぞれ独立に置換基を表し、n2は0~4を、n 3は0~2を、n4は0~8を表す。Qは芳香族炭化水素 または芳香族複素環を形成するのに必要な 子団を表す。)
 2.前記R 1 が、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、ア ルキル基及びアルコキシ基から選ばれる少な くとも1種の基であることを特徴とする前記1 記載の有機エレクトロルミネッセンス素子

 3.前記R 1 が炭素数の合計が4~20のアルキル基又はアル キシ基のいずれかを置換基として有するこ を特徴とする前記1又は2に記載の有機エレク トロルミネッセンス素子。

 4.前記一般式(1)で表される部分構造が下 一般式(2)で表される部分構造であることを 徴とする前記1~3のいずれか1項に記載の有機 レクトロルミネッセンス素子。

(式中、R 1 、R 2 及びR 3 は前記一般式(1)のR 1 、R 2 及びR 3 と同義の基を表し、R 5 は置換基を表し、n2及びn3は前記一般式(1)のn2 及びn3と同じ数を表し、n5は0~4を表す。)
 5.前記R 5 がアルキル基、シクロアルキル基、アルケニ ル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳 香族複素環基、複素環基及びアルコキシ基か ら選ばれる少なくとも1種の基であることを 徴とする前記4に記載の有機エレクトロルミ ッセンス素子。

 6.前記一般式(1)で表される部分構造が下 一般式(3)で表される部分構造であることを 徴とする前記1~3のいずれか1項に記載の有機 レクトロルミネッセンス素子。

(式中、R 1 、R 2 及びR 3 は前記一般式(1)のR 1 、R 2 及びR 3 と同義の基を表し、R 6 は置換基を表し、n2及びn3は前記一般式(1)のn2 及びn3と同じ数を表し、n6は0~7を表し、Xはカ コゲン原子を表す。)
 7.前記R 5 がアルキル基、シクロアルキル基、アルケニ ル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳 香族複素環基、複素環基及びアルコキシ基か ら選ばれる少なくとも1種の基であることを 徴とする前記6に記載の有機エレクトロルミ ッセンス素子。

 8.前記1~7のいずれか1項に記載の化合物を 機層に含有することを特徴とする有機エレ トロルミネッセンス素子。

 9.前記有機層が発光層であることを特徴 する前記8に記載の有機エレクトロルミネッ ンス素子。

 10.前記有機層がウェットプロセスによっ 形成されたことを特徴とする前記8又は9に 載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

 11.前記1~10のいずれか1項に記載の有機エ クトロルミネッセンス素子を備えたことを 徴とする表示装置。

 12.前記1~10のいずれか1項に記載の有機エ クトロルミネッセンス素子を備えたことを 徴とする照明装置。

 本発明により、新規化合物を含み、外部 り出し量子効率が高く、且つ、長寿命であ 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示 置及び照明装置を提供することができた。

有機エレクトロルミネッセンス素子か 構成される表示装置の一例を示した模式図 ある。 表示部の模式図である。 照明装置の概略図である。 照明装置の断面図である。

符号の説明

 1 ディスプレイ
 3 画素
 5 走査線
 6 データ線
 7 電源ライン
 10 有機エレクトロルミネッセンス素子
 11 スイッチングトランジスタ
 12 駆動トランジスタ
 13 コンデンサ
 A 表示部
 B 制御部
 107 透明電極付きガラス基板
 106 有機エレクトロルミネッセンス層
 105 陰極
 102 ガラスカバー
 108 窒素ガス
 109 捕水剤

 本発明を更に詳しく説明する。

 まず、本発明の一般式(1)、(2)及び(3)で表 れる部分構造を含む化合物について説明す 。

 《一般式(1)、(2)及び(3)で表される部分構造 含む化合物》
 一般式(1)において、Qで表される芳香族炭化 水素環としては、ベンゼン環が挙げられる。 該ベンゼン環は更に、芳香族炭化水素環もし くは下記芳香族複素環と縮合して、例えばナ フタレン環、カルバゾール環等を形成しても よい。

 一般式(1)において、Qで表される芳香族複 素環としては、オキサゾール環、オキサジア ゾール環、オキサトリアゾール環、イソオキ サゾール環、テトラゾール環、チアジアゾー ル環、チアトリアゾール環、イソチアゾール 環、チオフェン環、フラン環、ピロール環、 イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾー ル環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジ ン環、ピラジン環、ジアジン環、トリアジン 環等が挙げられる。

 一般式(1)において、Qとして特に好ましく 用いられるのはベンゼン環である。

 一般式(1)において、R 1 としては、炭素数の合計が4~20で式量70~350の 換基が置換した基を表す。R 1 として好ましくは、芳香族炭化水素基、芳香 族複素環基、アルキル基及びアルコキシ基か ら選ばれる少なくとも1種の基である。

 上記芳香族炭化水素環基としては(芳香族 炭素環基、アリール基等ともいう)、例えば フェニル基、p-クロロフェニル基、メシチル 基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ア ントリル基、アズレニル基、アセナフテニル 基、フルオレニル基、フェナントリル基、イ ンデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基、 メタターフェニリル基等を挙げることができ るが、好ましくは、フェニル基である。

 芳香族複素環基としては、例えば、フリ 基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニ 基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリ ジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基 チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾ ル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリ 基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構 成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置 き換わったものを示す)、フタラジニル基、 ベンゾフラニル基等を挙げることができる 、好ましくは、カルバゾリル基である。

 アルキル基としては、例えば、メチル基 エチル基等を挙げることができるが、好ま くは、メチル基である。

 アルコキシ基としては、例えば、メトキ 基、エトキシ基等を挙げることができが、 ましくは、メトキシ基であるが、好ましく 、メトキシ基である。

 炭素数の合計が4~20で式量70~350のアルキル 基としては、ヘキシル基、オクチル基、ドデ シル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペ ンタデシル基等を挙げることができ、これら は、分岐していても、環構造であってもよい 。また、ヘテロ原子を介して結合する炭素原 子の合計が4~20で式量70~350のアルキル基でも く、例えば、ジ-トリメチルシリル-メチル基 等を挙げることができる。

 炭素数の合計が4~20で式量70~350のアルコキ シ基としては、ヘキシルオキシ基、オクチル オキシ基、ドデシルオキシ基等を挙げること ができ、これらは、分岐していても、環構造 であってもよい。また、ヘテロ原子を介して 結合する炭素原子の合計が6以上のアルコキ 基でもよく、例えば、1,3,5-トリオキサノン 等を挙げることができる。

 一般式(1)において、R 1 、R 2 及びR 3 で表される基で、各々表される置換基として は、アルキル基(例えば、メチル基、エチル 、プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル 基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、 ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基 、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例 ば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基 )、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリ 基、1-プロペニル基、2-ブテニル基、1,3-ブタ ジエニル基、2-ペンテニル基、イソプロペニ 基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基 プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(芳香 族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば 、フェニル基、p-クロロフェニル基、メシチ 基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、 ントリル基、アズレニル基、アセナフテニ 基、フルオレニル基、フェナントリル基、 ンデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基 )、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チ ニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピ ミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル 、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾ ル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、 ルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記 ルボリニル基のカルボリン環を構成する任 の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わっ ものを示す)、フタラジニル基、ジベンゾフ ラニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル 、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキ ゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メ キシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、 ンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オク ルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロ ルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ 基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリール キシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオ シ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチル オ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペ チルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチ 基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチ 基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロ ヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アル コキシカルボニル基(例えば、メチルオキシ ルボニル基、エチルオキシカルボニル基、 チルオキシカルボニル基、オクチルオキシ ルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基 )、アリールオキシカルボニル基(例えば、フ ェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシ カルボニル基等)、スルファモイル基(例えば アミノスルホニル基、メチルアミノスルホ ル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチ アミノスルホニル基、ヘキシルアミノスル ニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル 、オクチルアミノスルホニル基、ドデシル ミノスルホニル基、フェニルアミノスルホ ル基、ナフチルアミノスルホニル基、2-ピ ジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例え ば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロ ピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、 シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカル ボニル基、2-エチルヘキシルカルボニル基、 デシルカルボニル基、フェニルカルボニル 、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボ ル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチ オキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブ ルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニ オキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、 ェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例 えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカ ルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミ ノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチ ルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカル ボニルアミノ基、2-エチルヘキシルカルボニ アミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、 デシルカルボニルアミノ基、フェニルカル ニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ 等)、カルバモイル基(例えば、アミノカル ニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメ ルアミノカルボニル基、プロピルアミノカ ボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、 クロヘキシルアミノカルボニル基、オクチ アミノカルボニル基、2-エチルヘキシルアミ ノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル 基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチル アミノカルボニル基、2-ピリジルアミノカル ニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウ イド基、エチルウレイド基、ペンチルウレ ド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチ ウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニ ウレイド基ナフチルウレイド基、2-ピリジル アミノウレイド基等)、スルフィニル基(例え 、メチルスルフィニル基、エチルスルフィ ル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキ ルスルフィニル基、2-エチルヘキシルスル ィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェ ルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル 、2-ピリジルスルフィニル基等)、アルキル ルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、 チルスルホニル基、ブチルスルホニル基、 クロヘキシルスルホニル基、2-エチルヘキ ルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等) アリールスルホニル基またはヘテロアリー スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル 基、ナフチルスルホニル基、2-ピリジルスル ニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、 チルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチル ミノ基、シクロペンチルアミノ基、2-エチル ヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニ リノ基、ナフチルアミノ基、2-ピリジルアミ 基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子 塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基( 例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメ チル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフ ルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基 ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例 ば、トリメチルシリル基、トリイソプロピ シリル基、トリフェニルシリル基、フェニ ジエチルシリル基等)、ホスホノ基等が挙げ られる。

 これらの置換基は、上記の置換基によっ さらに置換されていてもよい。また、これ の置換基は複数が互いに結合して環を形成 ていてもよい。

 一般式(1)において、n2は0~4を表すが、0又 1が好ましい。n3は0~2を表すが、0が好ましい 。n4は0~8を表すが、0又は1が好ましい。

 一般式(2)において、R 1 、R 2 及びR 3 は前記一般式(1)のR 1 、R 2 及びR 3 と同義の基を表し、n2及びn3は前記一般式(1) n2及びn3と同じ数を表す。

 R 5 は置換基を表すが、前記一般式(1)のR 1 、R 2 及びR 3 で述べた基と同義の基を表す。n5は0~4を表す 、0又は1が好ましい。

 一般式(3)において、R 1 、R 2 及びR 3 は前記一般式(1)のR 1 、R 2 及びR 3 と同義の基を表し、n2及びn3は前記一般式(1) n2及びn3と同じ数を表す。

 R 6 は置換基を表すが、前記一般式(1)のR 1 、R 2 及びR 3 で述べた基と同義の基を表す。n6は0~7を表す 、0又は1が好ましい。

 本発明の、一般式(1)~(3)で表される部分構 造を有する化合物は、分子の平面的且つ立体 的な広がりが生じることで、製膜性が向上す ることと、立体的な広がりにより濃度消光が 抑制され、ホストフリーにできるという効果 が得られる。

 以下、本発明の一般式(1)~(3)のいずれかひ とつで表される部分構造を含む化合物の具体 例を示すが、本発明はこれらに限定されない 。

 本発明の一般式(1)~(3)で表される部分構造 を有する化合物は、例えばOrganic Letter誌,vol3, No.16,p2579~2581(2001)、Inorganic Chemistry,第30巻,第8 ,1685~1687ページ(1991年)、J.Am.Chem.Soc.,123巻,4304 ージ(2001年)、Inorganic Chemistry,第40巻,第7号,17 04~1711ページ(2001年)、Inorganic、Chemistry,第41巻, 12号,3055~3066ページ(2002年)、New Journal of Chem istry.,第26巻,1171ページ(2002年)、Angewandte Chemie International Edition,第38巻,1698~1712ページ(1999年) 、Bulletin of the Chemical Society of Japan,第71巻, 467~473ページ(1998年)、J.Am.Chem.Soc.,第125巻,18号,5 274~5275(2003年)、J.Am.Chem.Soc.,第125巻,35号,10580~105 85(2003年)、さらに、これらの文献中に記載の 献等の方法を参照することにより合成でき 。

 以下に、参考として本発明の化合物の代 的な合成例を記載する。

 (化合物1-19の合成)
 配位子(化合物<19b>)の合成
 200ml三口フラスコに化合物<19a>5.0g(Org.Let t.、2006(13)、2779-2782に記載化合物)と塩化〔1,3- ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン〕ニッ ル(II)0.2gを入れ系内を窒素置換し、テトラ ドロフラン100mlを加えた後、2mol/Lのヘキシル マグネシウムクロライドのテトラヒドロフラ ン溶液11mlを30分で滴下した。滴下終了後、6 間加熱還流し、室温まで冷却した後、氷水50 0mlに反応溶液をゆっくり添加した。有機層を 分液し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシ ウムで乾燥した。ロータリーエバポレータで 減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィ ーで精製し、4.2gの固体を得た。 1 H-NMR及びMassスペクトルにて目的物であること を確認した。

 化合物1-19の合成
 100ml三口フラスコに、化合物<19b>2.0gと 化イリジウム(III)三水和物0.8gを入れ、系内 窒素置換し、2-エタノールアミン50ml、純水10 mlを加えた後、130℃にて4時間加熱撹拌した。 室温まで冷却した後、メタノール50mlを加え 析出物をろ別し、乾燥後2.1gの化合物<19c> ;を得た。

 次に、100mlフラスコに化合物<19c>1.0g、 合物<19b>0.73g、トリフルオロ酢酸銀0.33g 入れ、系内を窒素置換した後、2-エトキシエ タノール30mlを加え、110℃で24時間加熱撹拌し た。反応終了後、メタノール60mlを加え、析 物をろ別し、カラムクロマトグラフィー精 及び昇華精製を行い、130mgの固体を得た。 1 H-NMR及びMassスペクトルにて目的物であること を確認した。

 《有機エレクトロルミネッセンス素子の構 層》
 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素 の構成層について説明する。本発明におい 、有機エレクトロルミネッセンス素子の層 成の好ましい具体例を以下に示すが、本発 はこれらに限定されない。
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子 輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子 送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層 /正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/ 極
 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素 においては、青色発光層の発光極大波長は4 30nm~480nmにあるものが好ましく、緑色発光層 発光極大波長が510nm~550nm、赤色発光層は発光 極大波長が600nm~640nmの範囲にある単色発光層 あることが好ましく、これらを用いた表示 置であることが好ましい。また、これらの なくとも3層の発光層を積層して白色発光層 としたものであってもよい。更に、発光層間 には非発光性の中間層を有していてもよい。 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子 としては白色発光層であることが好ましく、 これらを用いた照明装置であることが好まし い。

 本発明の有機エレクトロルミネッセンス 子を構成する各層について説明する。

 《発光層》
 本発明に係る発光層は、電極または電子輸 層、正孔輸送層から注入されてくる電子及 正孔が再結合して発光する層であり、発光 る部分は発光層の層内であっても発光層と 接層との界面であってもよい。

 発光層の膜厚の総和は特に制限はないが 膜の均質性や、発光時に不必要な高電圧を 加するのを防止し、かつ、駆動電流に対す 発光色の安定性向上の観点から、2nm~5μmの 囲に調整することが好ましく、さらに好ま くは2nm~200nmの範囲に調整され、特に好まし は、10nm~20nmの範囲である。

 発光層の作製には、後述する発光ドーパ トやホスト化合物を、例えば、真空蒸着法 スピンコート法、キャスト法、LB法、イン ジェット法等の公知の薄膜化法により製膜 て形成することができる。

 本発明の有機エレクトロルミネッセンス 子の発光層には、発光ホスト化合物と、発 ドーパント(リン光ドーパント(リン光発光 ドーパントともいう)や蛍光ドーパント等)の 少なくとも1種類とを含有することが好まし 。

 (ホスト化合物(発光ホスト等ともいう))
 本発明に用いられるホスト化合物について 明する。

 ここで、本発明においてホスト化合物と 、発光層に含有される化合物の内でその層 での質量比が20%以上であり、且つ室温(25℃) においてリン光発光のリン光量子収率が、0.1 未満の化合物と定義される。好ましくはリン 光量子収率が0.01未満である。また、発光層 含有される化合物の中で、その層中での質 比が20%以上であることが好ましい。

 ホスト化合物としては、公知のホスト化 物を単独で用いてもよく、または複数種併 して用いてもよい。ホスト化合物を複数種 いることで、電荷の移動を調整することが 能であり、有機エレクトロルミネッセンス 子を高効率化することができる。また、後 する発光ドーパントを複数種用いることで 異なる発光を混ぜることが可能となり、こ により任意の発光色を得ることができる。

 また、本発明に用いられる発光ホストと ては、従来公知の低分子化合物でも、繰り し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニ 基やエポキシ基のような重合性基を有する 分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でも良 。

 併用してもよい公知のホスト化合物とし は、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、 つ発光の長波長化を防ぎ、なお且つ高Tg(ガ ス転移温度)である化合物が好ましい。

 公知のホスト化合物の具体例としては、 下の文献に記載されている化合物が挙げら る。

 特開2001-257076号公報、同2002-308855号公報、 同2001-313179号公報、同2002-319491号公報、同2001- 357977号公報、同2002-334786号公報、同2002-8860号 報、同2002-334787号公報、同2002-15871号公報、 2002-334788号公報、同2002-43056号公報、同2002-33 4789号公報、同2002-75645号公報、同2002-338579号 報、同2002-105445号公報、同2002-343568号公報、 2002-141173号公報、同2002-352957号公報、同2002-2 03683号公報、同2002-363227号公報、同2002-231453号 公報、同2003-3165号公報、同2002-234888号公報、 2003-27048号公報、同2002-255934号公報、同2002-26 0861号公報、同2002-280183号公報、同2002-299060号 報、同2002-302516号公報、同2002-305083号公報、 同2002-305084号公報、同2002-308837号公報等。

 又、以下のような化合物が挙げられる。

 (発光ドーパント)
 本発明に係る発光ドーパントについて説明 る。

 本発明に係る発光ドーパントとしては、 光ドーパント(蛍光性化合物ともいう)、リ 光ドーパント(リン光発光体、リン光性化合 、リン光発光性化合物等ともいう)を用いる ことができるが、より発光効率の高い有機エ レクトロルミネッセンス素子を得る観点から は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス 素子の発光層や発光ユニットに使用される発 光ドーパント(単に、発光材料ということも る)としては、上記のホスト化合物を含有す と同時に、リン光ドーパントを含有するこ が好ましい。

 (リン光ドーパント)
 本発明に係るリン光ドーパントについて説 する。

 本発明に係るリン光ドーパントは、励起 重項からの発光が観測される化合物であり 具体的には、室温(25℃)にてリン光発光する 化合物であり、リン光量子収率が、25℃にお て0.01以上の化合物であると定義されるが、 好ましいリン光量子収率は0.1以上である。

 上記リン光量子収率は、第4版実験化学講 座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方 法により測定できる。溶液中でのリン光量子 収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本 発明に係るリン光ドーパントは、任意の溶媒 のいずれかにおいて上記リン光量子収率(0.01 上)が達成されればよい。

 リン光ドーパントの発光は原理としては2 種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホ スト化合物上でキャリアの再結合が起こって ホスト化合物の励起状態が生成し、このエネ ルギーをリン光ドーパントに移動させること でリン光ドーパントからの発光を得るという エネルギー移動型、もう一つはリン光ドーパ ントがキャリアトラップとなり、リン光ドー パント上でキャリアの再結合が起こりリン光 ドーパントからの発光が得られるというキャ リアトラップ型であるが、いずれの場合にお いても、リン光ドーパントの励起状態のエネ ルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギ ーよりも低いことが条件である。

 リン光ドーパントは、有機エレクトロル ネッセンス素子の発光層に使用される公知 ものの中から適宜選択して用いることがで る。

 本発明に係るリン光ドーパントとしては 好ましくは元素周期表で8族~10族の金属を含 有する錯体系化合物であり、さらに好ましく はイリジウム化合物、オスミウム化合物、ま たは白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類 体であり、中でも好ましいのはイリジウム 合物であり、最も好ましい化合物は本発明 一般式(1)、(2)又は(3)で表される部分構造を む化合物である。

 本発明において、以下に示す具体的化合 を本発明の一般式(1)、(2)又は(3)で表される 分構造を含む化合物と併用することが好ま い。

 以下に、リン光ドーパントとして用いら る公知の化合物の具体例を示すが、本発明 これらに限定されない。これらの化合物は 例えば、Inorg.Chem.40巻、1704~1711に記載の方法 等により合成できる。

 (蛍光ドーパント(蛍光性化合物ともいう))
 蛍光ドーパント(蛍光性化合物)としては、 マリン系色素、ピラン系色素、シアニン系 素、クロコニウム系色素、スクアリウム系 素、オキソベンツアントラセン系色素、フ オレセイン系色素、ローダミン系色素、ピ リウム系色素、ペリレン系色素、スチルベ 系色素、ポリチオフェン系色素、または希 類錯体系蛍光体等が挙げられる。

 次に、本発明の有機エレクトロルミネッ ンス素子の構成層として用いられる、注入 、阻止層、電子輸送層等について説明する

 《注入層:電子注入層、正孔注入層》
 注入層は必要に応じて設け、電子注入層と 孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層 たは正孔輸送層の間、及び陰極と発光層ま は電子輸送層との間に存在させてもよい。

 注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向 のために電極と有機層間に設けられる層の とで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998 年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2 編第2章「電極材料」(123~166頁)に詳細に記載 れており、正孔注入層(陽極バッファー層)と 電子注入層(陰極バッファー層)とがある。

 陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開 9-45479号公報、同9-260062号公報、同8-288069号公 報等にもその詳細が記載されており、具体例 として、銅フタロシアニンに代表されるフタ ロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに 代表される酸化物バッファー層、アモルファ スカーボンバッファー層、ポリアニリン(エ ラルディン)やポリチオフェン等の導電性高 子を用いた高分子バッファー層等が挙げら る。

 陰極バッファー層(電子注入層)は、特開 6-325871号公報、同9-17574号公報、同10-74586号公 報等にもその詳細が記載されており、具体的 にはストロンチウムやアルミニウム等に代表 される金属バッファー層、フッ化リチウムに 代表されるアルカリ金属化合物バッファー層 、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ 土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニ ウムに代表される酸化物バッファー層等が挙 げられる。上記バッファー層(注入層)はごく い膜であることが望ましく、素材にもよる その膜厚は0.1nm~5μmの範囲が好ましい。

 《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
 阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基 構成層の他に必要に応じて設けられるもの ある。例えば、特開平11-204258号公報、同11-2 04359号公報、及び「有機エレクトロルミネッ ンス素子とその工業化最前線(1998年11月30日 ヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載 されている正孔阻止(ホールブロック)層があ 。

 正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層 機能を有し、電子を輸送する機能を有しつ 正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻 材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻 することで電子と正孔の再結合確率を向上 せることができる。また、後述する電子輸 層の構成を必要に応じて、本発明に係わる 孔阻止層として用いることができる。

 本発明の有機エレクトロルミネッセンス 子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設け れていることが好ましい。

 正孔阻止層には、前述のホスト化合物と て挙げたアザカルバゾール誘導体を含有す ことが好ましい。

 また、本発明においては、複数の発光色 異なる複数の発光層を有する場合、その発 極大波長が最も短波にある発光層が、全発 層中、最も陽極に近いことが好ましいが、 のような場合、該最短波層と該層の次に陽 に近い発光層との間に正孔阻止層を追加し 設けることが好ましい。更には、該位置に けられる正孔阻止層に含有される化合物の5 0質量%以上が、前記最短波発光層のホスト化 物に対しそのイオン化ポテンシャルが0.3eV 上大きいことが好ましい。

 イオン化ポテンシャルは化合物のHOMO(最 被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位 放出するのに必要なエネルギーで定義され 例えば下記に示すような方法により求める とができる。

 (1)米国Gaussian社製の分子軌道計算用ソフ ウェアであるGaussian98(Gaussian98、Revision A.11.4, M.J.Frisch,et al,Gaussian,Inc.,Pittsburgh PA,2002.)を用 、キーワードとしてB3LYP/6-31G*を用いて構造 適化を行うことにより算出した値(eV単位換 値)の小数点第2位を四捨五入した値として オン化ポテンシャルを求めることができる この計算値が有効な背景には、この手法で めた計算値と実験値の相関が高いためであ 。

 (2)イオン化ポテンシャルは光電子分光法 直接測定する方法により求めることもでき 。例えば、理研計器社製の低エネルギー電 分光装置「Model AC-1」を用いて、あるいは 外光電子分光として知られている方法を好 に用いることができる。

 一方、電子阻止層とは広い意味では正孔 送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい 料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止 ることで電子と正孔の再結合確率を向上さ ることができる。また、後述する正孔輸送 の構成を必要に応じて電子阻止層として用 ることができる。本発明に係る正孔阻止層 電子輸送層の膜厚としては、好ましくは3nm~ 100nmであり、更に好ましくは5nm~30nmである。

 《正孔輸送層》
 正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有す 正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注 層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。 孔輸送層は単層または複数層設けることが きる。

 正孔輸送材料としては、正孔の注入また 輸送、電子の障壁性のいずれかを有するも であり、有機物、無機物のいずれであって よい。例えば、トリアゾール誘導体、オキ ジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、 リアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘 体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジア ン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ 換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、 チリルアントラセン誘導体、フルオレノン 導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導 、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、 た導電性高分子オリゴマー、特にチオフェ オリゴマー等が挙げられる。

 正孔輸送材料としては上記のものを使用 ることができるが、ポルフィリン化合物、 香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン 化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用 ることが好ましい。

 芳香族第3級アミン化合物及びスチリルア ミン化合物の代表例としては、N,N,N″,N″-テ ラフェニル-4,4″-ジアミノフェニル;N,N″-ジ フェニル-N,N″-ビス(3-メチルフェニル)-〔1,1 -ビフェニル〕-4,4″-ジアミン(TPD);2,2-ビス(4- -p-トリルアミノフェニル)プロパン;1,1-ビス( 4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロヘキサン ;N,N,N″,N″-テトラ-p-トリル-4,4″-ジアミノビ ェニル;1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニ )-4-フェニルシクロヘキサン;ビス(4-ジメチル アミノ-2-メチルフェニル)フェニルメタン;ビ (4-ジ-p-トリルアミノフェニル)フェニルメタ ン;N,N″-ジフェニル-N,N″-ジ(4-メトキシフェ ル)-4,4″-ジアミノビフェニル;N,N,N″,N″-テ ラフェニル-4,4″-ジアミノジフェニルエーテ ル;4,4″-ビス(ジフェニルアミノ)クオードリ ェニル;N,N,N-トリ(p-トリル)アミン;4-(ジ-p-ト ルアミノ)-4″-〔4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリ ル〕スチルベン;4-N,N-ジフェニルアミノ-(2-ジ ェニルビニル)ベンゼン;3-メトキシ-4″-N,N- フェニルアミノスチルベンゼン;N-フェニル ルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明 書に記載されている2個の縮合芳香族環を分 内に有するもの、例えば、4,4″-ビス〔N-(1- フチル)-N-フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD) 特開平4-308688号公報に記載されているトリ ェニルアミンユニットが3つスターバースト に連結された4,4″,4′-トリス〔N-(3-メチル ェニル)-N-フェニルアミノ〕トリフェニルア ン(MTDATA)等が挙げられる。

 更にこれらの材料を高分子鎖に導入した またはこれらの材料を高分子の主鎖とした 分子材料を用いることもできる。また、p型 -Si、p型-SiC等の無機化合物も正孔注入材料、 孔輸送材料として使用することができる。

 また、特開平11-251067号公報、J.Huang et.al. 文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載 されているような、所謂p型正孔輸送材料を いることもできる。本発明においては、よ 高効率の発光素子が得られることからこれ の材料を用いることが好ましい。

 正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例え 、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト 、インクジェット法を含む印刷法、LB法等 公知の方法により、薄膜化することにより 成することができる。正孔輸送層の膜厚に いては特に制限はないが、通常は5nm~5μm程度 、好ましくは5nm~200nmである。この正孔輸送層 は上記材料の1種または2種以上からなる一層 造であってもよい。

 また、不純物をドープしたp性の高い正孔 輸送層を用いることもできる。その例として は、特開平4-297076号公報、特開2000-196140号公 、同2001-102175号公報の各公報、J.Appl.Phys.,95,57 73(2004)等に記載されたものが挙げられる。

 本発明においては、このようなp性の高い 正孔輸送層を用いることが、より低消費電力 の素子を作製することができるため好ましい 。

 《電子輸送層》
 電子輸送層とは電子を輸送する機能を有す 材料からなり、広い意味で電子注入層、正 阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送 は単層または複数層設けることができる。

 従来、単層の電子輸送層、及び複数層と る場合は発光層に対して陰極側に隣接する 子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻 止材料を兼ねる)としては、陰極より注入さ た電子を発光層に伝達する機能を有してい ばよく、その材料としては従来公知の化合 の中から任意のものを選択して用いること でき、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導 、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジ キシド誘導体、カルボジイミド、フレオレ リデンメタン誘導体、アントラキノジメタ 及びアントロン誘導体、オキサジアゾール 導体等が挙げられる。更に上記オキサジア ール誘導体において、オキサジアゾール環 酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾ ル誘導体、電子吸引基として知られている ノキサリン環を有するキノキサリン誘導体 、電子輸送材料として用いることができる 更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、 たはこれらの材料を高分子の主鎖とした高 子材料を用いることもできる。

 また8-キノリノール誘導体の金属錯体、 えば、トリス(8-キノリノール)アルミニウム( Alq)、トリス(5,7-ジクロロ-8-キノリノール)ア ミニウム、トリス(5,7-ジブロモ-8-キノリノー ル)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-キノリ ール)アルミニウム、トリス(5-メチル-8-キノ ノール)アルミニウム、ビス(8-キノリノール )亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金 属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わ た金属錯体も、電子輸送材料として用いる とができる。その他、メタルフリーもしく メタルフタロシアニン、またはそれらの末 がアルキル基やスルホン酸基等で置換され いるものも、電子輸送材料として好ましく いることができる。また、発光層の材料と て例示したジスチリルピラジン誘導体も、 子輸送材料として用いることができるし、 孔注入層、正孔輸送層と同様にn型-Si、n型-S iC等の無機半導体も電子輸送材料として用い ことができる。

 電子輸送層は上記電子輸送材料を、例え 、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト 、インクジェット法を含む印刷法、LB法等 公知の方法により、薄膜化することにより 成することができる。電子輸送層の膜厚に いては特に制限はないが、通常は5nm~5μm程度 、好ましくは5nm~200nmである。電子輸送層は上 記材料の1種または2種以上からなる一層構造 あってもよい。

 また、不純物をドープしたn性の高い電子 輸送層を用いることもできる。その例として は、特開平4-297076号公報、同10-270172号公報、 開2000-196140号公報、同2001-102175号公報、J.Appl .Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げら る。

 本発明においては、このようなn性の高い 電子輸送層を用いることがより低消費電力の 素子を作製することができるため好ましい。

 《陽極》
 有機エレクトロルミネッセンス素子におけ 陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上) 属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの 合物を電極物質とするものが好ましく用い れる。このような電極物質の具体例として 、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド (ITO)、SnO 2 、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また 、IDIXO(In 2 O 3 -ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料 用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を 着やスパッタリング等の方法により薄膜を 成させ、フォトリソグラフィー法で所望の 状のパターンを形成してもよく、あるいは ターン精度をあまり必要としない場合は(100 μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッ リング時に所望の形状のマスクを介してパ ーンを形成してもよい。あるいは、有機導 性化合物のように塗布可能な物質を用いる 合には、印刷方式、コーティング方式等湿 製膜法を用いることもできる。この陽極よ 発光を取り出す場合には、透過率を10%より きくすることが望ましく、また陽極として シート抵抗は数百ω/□以下が好ましい。更 膜厚は材料にもよるが、通常は、10nm~1000nmの 範囲であり、好ましくは10nm~200nmの範囲で選 れる。

 《陰極》
 一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以 下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電 気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物 質とするものが用いられる。このような電極 物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリ ウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウ 、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀 混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物 マグネシウム/インジウム混合物、アルミニ ム/酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )混合物、インジウム、リチウム/アルミニウ 混合物、希土類金属等が挙げられる。これ の中で、電子注入性及び酸化等に対する耐 性の点から、電子注入性金属とこれより仕 関数の値が大きく安定な金属である第二金 との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合 物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マ ネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/ 酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )混合物、リチウム/アルミニウム混合物、ア ミニウム等が好適である。陰極はこれらの 極物質を蒸着やスパッタリング等の方法に り薄膜を形成させることにより、作製する とができる。また、陰極としてのシート抵 は数百ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm ~5μm、好ましくは50nm~200nmの範囲で選ばれる。 尚、発光した光を透過させるため、有機エレ クトロルミネッセンス素子の陽極または陰極 のいずれか一方が透明または半透明であれば 発光輝度が向上し好都合である。

 また、陰極に上記金属を1nm~20nmの膜厚で 製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透 材料をその上に作製することで、透明また 半透明の陰極を作製することができ、これ 応用することで陽極と陰極の両方が透過性 有する素子を作製することができる。

 《支持基板》
 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素 に用いることのできる支持基板(以下、基体 、基板、基材、支持体等とも言う)としては ガラス、プラスチック等の種類には特に限 はなく、また透明であっても不透明であっ もよい。支持基板側から光を取り出す場合 は、支持基板は透明であることが好ましい 好ましく用いられる透明な支持基板として 、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げ ことができる。特に好ましい支持基板は、 機エレクトロルミネッセンス素子にフレキ ブル性を与えることが可能な樹脂フィルム ある。

 樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエ レンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナ タレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレ ン、ポリプロピレン、セロファン、セルロー スジアセテート、セルローストリアセテート 、セルロースアセテートブチレート、セルロ ースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロ スアセテートフタレート(TAC)、セルロース イトレート等のセルロースエステル類また それらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポ ビニルアルコール、ポリエチレンビニルア コール、シンジオタクティックポリスチレ 、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、 リメチルペンテン、ポリエーテルケトン、 リイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリ フェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポ リエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミ ド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポ リメチルメタクリレート、アクリルあるいは ポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製) るいはアペル(商品名三井化学社製)といっ シクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。

 樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物 被膜またはその両者のハイブリッド被膜が 成されていてもよく、JIS K 7129-1992に準拠 た方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃ 、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m 2 ・24h)以下のバリア性フィルムであることが ましく、更には、JIS K 7126-1987に準拠した方 法で測定された酸素透過度が、10 -3 ml/(m 2 ・24hr・MPa)以下、水蒸気透過度が、10 -5 g/(m 2 ・24h)以下の高バリア性フィルム
であることが好ましい。

 バリア膜を形成する材料としては、水分 酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を 制する機能を有する材料であればよく、例 ば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を いることができる。更に該膜の脆弱性を改 するために、これら無機層と有機材料から る層の積層構造を持たせることがより好ま い。無機層と有機層の積層順については特 制限はないが、両者を交互に複数回積層さ ることが好ましい。

 バリア膜の形成方法については特に限定 なく、例えば、真空蒸着法、スパッタリン 法、反応性スパッタリング法、分子線エピ キシー法、クラスタ-イオンビーム法、イオ ンプレーティング法、プラズマ重合法、大気 圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザー CVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いるこ とができるが、特開2004-68143号公報に記載さ ているような大気圧プラズマ重合法による のが特に好ましい。

 不透明な支持基板としては、例えば、ア ミ、ステンレス等の金属板、フィルムや不 明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げ れる。

 本発明の有機エレクトロルミネッセンス 子の発光の室温における外部取り出し効率 、1%以上であることが好ましく、より好ま くは5%以上である。ここに、外部取り出し量 子効率(%)=有機エレクトロルミネッセンス素 外部に発光した光子数/有機エレクトロルミ ッセンス素子に流した電子数×100である。

 また、カラーフィルター等の色相改良フ ルター等を併用しても、有機エレクトロル ネッセンス素子からの発光色を蛍光体を用 て多色へ変換する色変換フィルターを併用 てもよい。色変換フィルターを用いる場合 おいては、有機エレクトロルミネッセンス 子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。

 《封止》
 本発明に用いられる封止手段としては、例 ば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤 接着する方法を挙げることができる。

 封止部材としては、有機エレクトロルミ ッセンス素子の表示領域を覆うように配置 れておればよく、凹板状でも平板状でもよ 。また透明性、電気絶縁性は特に問わない

 具体的には、ガラス板、ポリマー板・フ ルム、金属板・フィルム等が挙げられる。 ラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、 リウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガ ス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガ ス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を げることができる。また、ポリマー板とし は、ポリカーボネート、アクリル、ポリエ レンテレフタレート、ポリエーテルサルフ イド、ポリサルフォン等を挙げることがで る。金属板としては、ステンレス、鉄、銅 アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、 鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコ 、ゲルマニウム及びタンタルからなる群か 選ばれる一種以上の金属または合金からな ものが挙げられる。

 本発明においては、素子を薄膜化できると うことからポリマーフィルム、金属フィル を好ましく使用することができる。更には ポリマーフィルムは、JIS K 7126-1987に準拠 た方法で測定された酸素透過度が1×10 -3 ml/(m 2 ・24hr・MPa)以下、JIS K 7129-1992に準拠した方 で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対 湿度(90±2)%RH)が、1×10 -3 g/(m 2 ・24h)以下のものであることが好ましい。

 封止部材を凹状に加工するのは、サンド ラスト加工、化学エッチング加工等が使わ る。

 接着剤として具体的には、アクリル酸系 リゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反 性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接 剤、2-シアノアクリル酸エステル等の湿気 化型等の接着剤を挙げることができる。ま 、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混 )を挙げることができる。また、ホットメル ト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレ フィンを挙げることができる。また、カチオ ン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接 着剤を挙げることができる。

 なお、有機エレクトロルミネッセンス素 が熱処理により劣化する場合があるので、 温から80℃までに接着硬化できるものが好 しい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散 せておいてもよい。封止部分への接着剤の 布は市販のディスペンサーを使ってもよい 、スクリーン印刷のように印刷してもよい

 また、有機層を挟み支持基板と対向する の電極の外側に該電極と有機層を被覆し、 持基板と接する形で無機物、有機物の層を 成し封止膜とすることも好適にできる。こ 場合、該膜を形成する材料としては、水分 酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を 制する機能を有する材料であればよく、例 ば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を いることができる。更に該膜の脆弱性を改 するために、これら無機層と有機材料から る層の積層構造を持たせることが好ましい これらの膜の形成方法については、特に限 はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリン 法、反応性スパッタリング法、分子線エピ キシー法、クラスタ-イオンビーム法、イオ ンプレーティング法、プラズマ重合法、大気 圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザー CVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いるこ とができる。

 封止部材と有機エレクトロルミネッセン 素子の表示領域との間隙には、気相及び液 では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフ 化炭化水素、シリコンオイルのような不活 液体を注入することが好ましい。また真空 することも可能である。また、内部に吸湿 化合物を封入することもできる。

 吸湿性化合物としては、例えば、金属酸 物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム 、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグ ネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例 ば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫 マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロ ゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マ ネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタ 、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化 リウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類( 例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネ シウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロ ン化物及び過塩素酸類においては無水塩が 適に用いられる。

 《保護膜、保護板》
 有機層を挟み支持基板と対向する側の前記 止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側 、素子の機械的強度を高めるために保護膜 あるいは保護板を設けてもよい。特に封止 前記封止膜により行われている場合には、 の機械的強度は必ずしも高くないため、こ ような保護膜、保護板を設けることが好ま い。これに使用することができる材料とし は、前記封止に用いたのと同様なガラス板 ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム を用いることができるが、軽量且つ薄膜化 いうことからポリマーフィルムを用いるこ が好ましい。

 《光取り出し》
 有機エレクトロルミネッセンス素子は空気 りも屈折率の高い(屈折率が1.7~2.1程度)層の 部で発光し、発光層で発生した光のうち15% ら20%程度の光しか取り出せないことが一般 に言われている。これは、臨界角以上の角 θで界面(透明基板と空気との界面)に入射す る光は、全反射を起こし素子外部に取り出す ことができないことや、透明電極ないし発光 層と透明基板との間で光が全反射を起こし、 光が透明電極ないし発光層を導波し、結果と して光が素子側面方向に逃げるためである。

 この光の取り出しの効率を向上させる手 としては、例えば、透明基板表面に凹凸を 成し、透明基板と空気界面での全反射を防 方法(米国特許第4,774,435号明細書)、基板に 光性を持たせることにより効率を向上させ 方法(特開昭63-314795号公報)、素子の側面等に 反射面を形成する方法(特開平1-220394号公報) 基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平 層を導入し、反射防止膜を形成する方法(特 昭62-172691号公報)、基板と発光体の間に基板 よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法 (特開2001-202827号公報)、基板、透明電極層や 光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間) に回折格子を形成する方法(特開平11-283751号 報)等がある。

 本発明においては、これらの方法を本発 の有機エレクトロルミネッセンス素子と組 合わせて用いることができるが、基板と発 体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層 導入する方法、あるいは基板、透明電極層 発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界 間)に回折格子を形成する方法を好適に用い ことができる。

 本発明はこれらの手段を組み合わせるこ により、更に高輝度あるいは耐久性に優れ 素子を得ることができる。

 透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒 を光の波長よりも長い厚みで形成すると、 明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が いほど外部への取り出し効率が高くなる。

 低屈折率層としては、例えば、エアロゲ 、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フ 素系ポリマー等が挙げられる。透明基板の 折率は一般に1.5~1.7程度であるので、低屈折 率層は屈折率がおよそ1.5以下であることが好 ましい。また、更に1.35以下であることが好 しい。

 また、低屈折率媒質の厚みは媒質中の波 の2倍以上となるのが望ましい。これは低屈 折率媒質の厚みが、光の波長程度になってエ バネッセントで染み出した電磁波が基板内に 入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が 薄れるからである。

 全反射を起こす界面もしくはいずれかの 質中に回折格子を導入する方法は、光取り し効率の向上効果が高いという特徴がある この方法は回折格子が1次の回折や2次の回 といった所謂ブラッグ回折により、光の向 を屈折とは異なる特定の向きに変えること できる性質を利用して、発光層から発生し 光のうち層間での全反射等により外に出る とができない光を、いずれかの層間もしく 、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格 子を導入することで光を回折させ、光を外に 取り出そうとするものである。

 導入する回折格子は、二次元的な周期屈 率を持っていることが望ましい。これは発 層で発光する光はあらゆる方向にランダム 発生するので、ある方向にのみ周期的な屈 率分布を持っている一般的な1次元回折格子 では、特定の方向に進む光しか回折されず、 光の取り出し効率がさほど上がらない。しか しながら、屈折率分布を二次元的な分布にす ることにより、あらゆる方向に進む光が回折 され、光の取り出し効率が上がる。

 回折格子を導入する位置としては前述の り、いずれかの層間もしくは媒質中(透明基 板内や透明電極内)でもよいが、光が発生す 場所である有機発光層の近傍が望ましい。

 このとき、回折格子の周期は媒質中の光 波長の約1/2~3倍程度が好ましい。

 回折格子の配列は正方形のラチス状、三 形のラチス状、ハニカムラチス状等、2次元 的に配列が繰り返されることが好ましい。

 《集光シート》
 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素 は基板の光取り出し側に、例えば、マイク レンズアレイ状の構造を設けるように加工 たり、あるいは所謂集光シートと組み合わ ることにより、特定方向、例えば、素子発 面に対し正面方向に集光することにより、 定方向上の輝度を高めることができる。

 マイクロレンズアレイの例としては、基 の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90 度となるような四角錐を2次元に配列する。 辺は10μm~100μmが好ましい。これより小さく ると回折の効果が発生して色付く、大きす ると厚みが厚くなり好ましくない。

 集光シートとしては、例えば、液晶表示 置のLEDバックライトで実用化されているも を用いることが可能である。このようなシ トとして、例えば、住友スリーエム社製輝 上昇フィルム(BEF)等を用いることができる プリズムシートの形状としては、例えば、 材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライ が形成されたものであってもよいし、頂角 丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変 させた形状、その他の形状であってもよい

 また、発光素子からの光放射角を制御す ために、光拡散板・フィルムを集光シート 併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡 フィルム(ライトアップ)等を用いることがで きる。

 《有機エレクトロルミネッセンス素子の作 方法》
 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素 の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層 /正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/ 極からなる有機エレクトロルミネッセンス 子の作製法を説明する。

 まず適当な基体上に所望の電極物質、例 ば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好 ましくは10nm~200nmの膜厚になるように、蒸着 スパッタリング等の方法により形成させ陽 を作製する。

 次に、この上に有機エレクトロルミネッ ンス素子材料である正孔注入層、正孔輸送 、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔 止層の有機化合物薄膜を形成させる。

 これら各層の形成方法としては、前記の く蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート 法、キャスト法、インクジェット法、印刷法 )等があるが、均質な膜が得られやすく、且 ピンホールが生成しにくい等の点から、本 明においてはスピンコート法、インクジェ ト法、印刷法等の塗布法による製膜が好ま い。

 本発明に係る有機エレクトロルミネッセ ス材料を溶解または分散する液媒体として 、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘ サノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪 エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲ 化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシ レン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族 化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ド カン等の脂肪族炭化水素類、DMF、DMSO等の有 機溶媒を用いることができる。また分散方法 としては、超音波、高剪断力分散やメディア 分散等の分散方法により分散することができ る。

 これらの層を形成後、その上に陰極用物 からなる薄膜を1μm以下、好ましくは、50nm~2 00nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸 やスパッタリング等の方法により形成させ 陰極を設けることにより所望の有機エレク ロルミネッセンス素子が得られる。

 また作製順序を逆にして、陰極、電子注 層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正 注入層、陽極の順に作製することも可能で る。このようにして得られた多色の表示装 に、直流電圧を印加する場合には陽極を+、 陰極を-の極性として電圧2~40V程度を印加する と発光が観測できる。また交流電圧を印加し てもよい。なお、印加する交流の波形は任意 でよい。

 《用途》
 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素 は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発 光源として用いることができる。発光光源 して、例えば、照明装置(家庭用照明、車内 照明)、時計や液晶用バックライト、看板広 、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複 機の光源、光通信処理機の光源、光センサ の光源等が挙げられるがこれに限定するも ではないが、特に液晶表示装置のバックラ ト、照明用光源としての用途に有効に用い ことができる。

 本発明の有機エレクトロルミネッセンス 子においては、必要に応じ製膜時にメタル スクやインクジェットプリンティング法等 パターニングを施してもよい。パターニン する場合は、電極のみをパターニングして よいし、電極と発光層をパターニングして よいし、素子全層をパターニングしてもよ 、素子の作製においては、従来公知の方法 用いることができる。

 本発明の有機エレクトロルミネッセンス 子や本発明に係る化合物の発光する色は、 新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会 編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16にお いて、分光放射輝度計CS-1000(コニカミノルタ ンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標 に当てはめたときの色で決定される。

 また、本発明の有機エレクトロルミネッセ ス素子が白色素子の場合には、白色とは、2 度視野角正面輝度を上記方法により測定した 際に、1000Cd/m 2 でのCIE1931表色系における色度がX=0.33±0.07、Y= 0.33±0.1の領域内にあることを言う。

 以下、実施例により本発明を説明するが 本発明はこれらに限定されない。

 実施例1
 《有機エレクトロルミネッセンス素子1-1の 製》
 陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上に ITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した 板(NHテクノグラス社製NA-45)にパターニング 行った後、このITO透明電極を設けた透明支 基板をイソプロピルアルコールで超音波洗 し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を 5分間行った。

 この透明支持基板上に、ポリ(3,4-エチレ ジオキシチオフェン)-ポリスチレンスルホネ ート(PEDOT/PSS、Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純 水で70質量%に希釈した溶液を3000rpm、30秒でス ピンコート法により製膜した後、200℃にて1 間乾燥し、膜厚30nmの第一正孔輸送層を設け 。

 この第一正孔輸送層上に、m-CPを30mg、お び1.5mgの化合物A-1をトルエン3mlに溶解した溶 液を、1000rpm、30秒の条件下、スピンコート法 により製膜し、60℃で1時間真空乾燥し、膜厚 80nmの発光層とした。

 これを真空蒸着装置に取付け、次いで、真 槽を4×10 -4 Paまで減圧し、陰極バッファー層としてカル ウム10nm及び陰極としてアルミニウム110nmを 着して陰極を形成し、有機エレクトロルミ ッセンス素子1-1を作製した。

 《有機エレクトロルミネッセンス素子1-2~1-5 の作製》
 有機エレクトロルミネッセンス素子1-1の作 において、発光層の作製に用いた化合物A-1 表1に記載した本発明の一般式(1)~(3)のいず かひとつで表される部分構造を含む化合物 変更した(金属錯体化合物の欄に記載)以外は 全く同様にして、有機エレクトロルミネッセ ンス素子1-2~1-5を各々作製した。

 《有機エレクトロルミネッセンス素子1-1~1-5 の評価》
 得られた有機エレクトロルミネッセンス素 1-1~1-5を評価するに際しては、作製後の各有 機エレクトロルミネッセンス素子の非発光面 をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基 板を封止用基板として用いて、周囲にシール 材として、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞 成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、こ れを上記陰極上に重ねて前記透明支持基板と 密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して 硬化させて、封止して、図3、図4に示すよ な照明装置を形成して評価した。

 図3は、照明装置の概略図を示し、有機エ レクトロルミネッセンス素子101は、ガラスカ バー102で覆われている。尚、ガラスカバーで の封止作業は、有機エレクトロルミネッセン ス素子101を大気に接触させることなく窒素雰 囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の 純度窒素ガスの雰囲気下で行った)。図4は 照明装置の断面図を示し、図4において、105 陰極、106は有機エレクトロルミネッセンス 、107は透明電極付きガラス基板を示す。尚 ガラスカバー102内には窒素ガス108が充填さ 、捕水剤109が設けられている。

 《外部取りだし量子効率》
 作製した有機エレクトロルミネッセンス素 について、23℃、乾燥窒素ガス雰囲気下で2. 5mA/cm 2 定電流を印加した時の外部取り出し量子効率 (%)を測定した。尚、測定には分光放射輝度計 CS-1000(コニカミノルタセンシング社製)を用い た。

 《発光寿命》
 23℃、乾燥窒素ガス雰囲気下で2.5mA/cm 2 の一定電流で駆動したときに、輝度が発光開 始直後の輝度(初期輝度)の半分に低下するの 要した時間を測定し、これを半減寿命時間( τ 1/2 )として寿命の指標とした。尚、測定には同 に、分光放射輝度計CS-1000(コニカミノルタセ ンシング社製)を用いた。

 有機エレクトロルミネッセンス素子1-1~1-5 の外部取り出し量子効率、発光寿命の測定結 果は、有機エレクトロルミネッセンス素子1-5 を100とした時の相対評価を行った。

 得られた結果を下記の表1に示す。

 表1から、比較の化合物を使用した有機エ レクトロルミネッセンス素子に比べて、本発 明の一般式(1)~(3)のいずれかひとつで表され 部分構造を含む化合物を使用した有機エレ トロルミネッセンス素子は、高効率化、長 命化が達成されていることが明らかである

 実施例2
 《有機エレクトロルミネッセンス素子2-1の 製》
 陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上に ITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した 板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを 行った後、このITO透明電極を設けた透明支持 基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄 し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5 分間行った。

 この基板を市販のスピンコータに取り付 、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポ リスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製、 Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液を 3000rpm、30秒でスピンコート法により製膜した 後、200℃にて1時間乾燥し、膜厚30nmの正孔注 層を設けた。

 乾燥処理終了後、再び基板をスピンコー に取り付け、化合物A-2(60mg)をシクロヘキサ 6mlに溶解させた溶液を1000rpm、30秒の条件下 スピンコートし(膜厚40nm)、60℃で1時間真空 燥した後、紫外線を5分間照射し、正孔輸送 層とした。

 次に正孔輸送層形成時と同様に基板をス ンコータに取り付け、CBP(60mg)と本発明の化 物1-19(3mg)をシクロヘキサン6mlに溶解させた 液を1000rpm、30秒の条件下、スピンコートし( 膜厚40nm)、60℃で1時間真空乾燥し、発光層と た。

 続いて、この基板を真空蒸着装置の基板ホ ダーに固定し、モリブデン製抵抗加熱ボー にバソキュプロイン(BCP)を200mg入れ、別のモ リブデン製抵抗加熱ボートにAlq 3 を200mg入れ、真空蒸着装置に取り付けた。

 真空槽を4×10 -4 Paまで減圧した後、BCPの入った前記加熱ボー に通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記 光層に蒸着して、更に膜厚10nmの正孔阻止層 を設けた。

 更に、Alq 3 の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、 蒸着速度0.1nm/秒で前記正孔阻止層上に蒸着し て、更に膜厚40nmの電子輸送層を設けた。な 、蒸着時の基板温度は室温であった。

 引き続き、フッ化リチウム0.5nm及びアル ニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、有機エ レクトロルミネッセンス素子2-1を作製した。 この素子に通電したところ緑色の発光が得ら れ、有機エレクトロルミネッセンス表示装置 として使用出来ることが判った。

 更に、有機エレクトロルミネッセンス素 2-1で用いた本発明化合物1-19を本発明の一般 式(1)~(3)のいずれかひとつで表される部分構 を含む化合物、1-2、1-7、1-11、1-20、1-33、1-41 1-55、1-56にそれぞれ代えた有機エレクトロ ミネッセンス素子を作製したが何れも同様 結果が得られた。

 実施例3
 《フルカラー表示装置の作製》
 (青色発光有機エレクトロルミネッセンス素 子)
 実施例1で作製した有機エレクトロルミネッ センス素子1-2を青色発光有機エレクトロルミ ネッセンス素子3-1(青)として用いた。

 (緑色発光有機エレクトロルミネッセンス素 子)
 実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素 子1-2の作製において、本発明の化合物1-1を本 発明の化合物1-21に変更した以外は同様にし 、緑色発光有機エレクトロルミネッセンス 子3-2(緑)を作製した。

 (赤色発光有機エレクトロルミネッセンス素 子)
 実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素 子1-2において、本発明の化合物1-1を本発明の 化合物1-55に変更した以外は同様にして、赤 発光有機エレクトロルミネッセンス素子3-3( )を作製した。

 上記の赤色、緑色及び青色発光有機エレク ロルミネッセンス素子を、同一基板上に並 し、図1に記載の形態を有するアクティブマ トリクス方式フルカラー表示装置を作製し、 図2には、作製した前記表示装置の表示部Aの 式図のみを示した。即ち、同一基板上に、 数の走査線5及びデータ線6を含む配線部と 並置した複数の画素3(発光の色が赤領域の画 素、緑領域の画素、青領域の画素等)とを有 、配線部の走査線5及び複数のデータ線6はそ れぞれ導電材料からなり、走査線5とデータ 6は格子状に直交して、直交する位置で画素3 に接続している(詳細は図示せず)。前記複数 画素3は、それぞれの発光色に対応した有機 エレクトロルミネッセンス素子、アクティブ 素子であるスイッチングトランジスタと駆動 トランジスタそれぞれが設けられたアクティ ブマトリクス方式で駆動されており、走査線 5から走査信号が印加されると、データ線6か 画像データ信号
を受け取り、受け取った画像データに応じて 発光する。この様に各赤、緑、青の画素を適 宜、並置することによって、フルカラー表示 装置を作製した。

 前記フルカラー表示装置を駆動すること より、発光効率が高い発光寿命の長いフル ラー動画表示が得られることを確認するこ ができた。

 実施例4
 《白色の照明装置の作製》
 実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素 子1-2において、本発明の化合物1-1を本発明の 化合物1-1と本発明の化合物1-51の混合物に変 した以外は同様にして、白色発光有機エレ トロルミネッセンス素子4-1(白色)を作製した 。

 得られた有機エレクトロルミネッセンス 子4-1を評価するに際しては、実施例1と同様 に、非発光面をガラスケースで覆い、照明装 置とした。照明装置は、発光効率が高く発光 寿命の長い白色光を発する薄型の照明装置と して使用することができた。

 実施例5
 有機エレクトロルミネッセンス素子1-1の作 において、発光層の作製に用いた化合物m-CP を化合物2-2に変更した以外は全く同様にして 、有機エレクトロルミネッセンス素子5-1を作 製した。続いて、有機エレクトロルミネッセ ンス素子5-1の作製において、発光層の作製に 用いた化合物A-1を表2に記載した本発明の一 式(1)~(3)のいずれかひとつで表される部分構 を含む化合物に変更した(金属錯体化合物の 欄に記載)以外は全く同様にして、有機エレ トロルミネッセンス素子5-2~5-5を各々作製し 。

 得られた有機エレクトロルミネッセンス 子5-1~5-5について実施例1と同様の評価を行 た結果を表2に示す。

 表2から、比較の化合物を使用した有機エ レクトロルミネッセンス素子に比べて、本発 明の一般式(1)~(3)のいずれかひとつで表され 部分構造を含む化合物を使用した有機エレ トロルミネッセンス素子は、高効率化、長 命化が達成されていることが明らかである