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Patent Searching and Data


Title:
ORGANIC ELECTROLUMINESCENT DEVICE MATERIAL AND ORGANIC ELECTROLUMINESCENT DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011327
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an organic electroluminescent device material containing an indenofluorenedione derivative represented by the following formula (I). (In the formula, X1 and X2 may be the same or different and each represents a specific divalent group; and R1-R10 may be the same or different and each represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a heterocyclic ring, a halogen atom, a fluoroalkyl group, an alkoxy group, an aryloxy group or a cyano group, and R3-R6 or R7-R10 may respectively combine together to form a ring.)

Inventors:
MORISHITA HIRONOBU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062675
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IDEMITSU KOSAN CO (JP)
MORISHITA HIRONOBU (JP)
International Classes:
H01L51/50; C07C255/35; C07C261/04; C09K11/06
Domestic Patent References:
WO2007077766A12007-07-12
Foreign References:
JP2006049907A2006-02-16
JP2000196140A2000-07-14
JP2005215677A2005-08-11
JPH02146050A1990-06-05
JP2003031365A2003-01-31
JP2001297883A2001-10-26
JP2000196140A2000-07-14
JPH11251067A1999-09-17
JPH04297076A1992-10-21
JP2004514257A2004-05-13
US20050255334A12005-11-17
JPS5751781A1982-03-26
US3112197A1963-11-26
US3189447A1965-06-15
JP3716096B22005-11-16
US3615402A1971-10-26
US3820989A1974-06-28
US3542544A1970-11-24
JPS45555B11970-01-09
JPS5110983B21976-04-08
JPS5193224A1976-08-16
JPS5517105A1980-02-06
JPS564148A1981-01-17
JPS55108667A1980-08-21
JPS55156953A1980-12-06
JPS5636656A1981-04-09
US3180729A1965-04-27
US4278746A1981-07-14
JPS5588064A1980-07-03
JPS5588065A1980-07-03
JPS49105537A1974-10-05
JPS5551086A1980-04-14
JPS5680051A1981-07-01
JPS5688141A1981-07-17
JPS5745545A1982-03-15
JPS54112637A1979-09-03
JPS5574546A1980-06-05
US3615404A1971-10-26
JPS5110105B21976-04-01
JPS463712B11971-01-29
JPS4725336B11972-07-11
JPS54119925A1979-09-18
US3567450A1971-03-02
US3240597A1966-03-15
US3658520A1972-04-25
US4232103A1980-11-04
US4175961A1979-11-27
US4012376A1977-03-15
JPS4935702B11974-09-25
JP3927577B22007-06-13
JPS55144250A1980-11-11
JPS56119132A1981-09-18
JPS5622437A1981-03-03
DE1110518B1961-07-06
US3526501A1970-09-01
US3257203A1966-06-21
JPS5646234A1981-04-27
JPS54110837A1979-08-30
US3717462A1973-02-20
JPS5459143A1979-05-12
JPS5552063A1980-04-16
JPS5552064A1980-04-16
JPS5546760A1980-04-02
JPS5711350A1982-01-21
JPS57148749A1982-09-14
JPH02311591A1990-12-27
JPS61210363A1986-09-18
JPS61228451A1986-10-11
JPS6114642A1986-01-22
JPS6172255A1986-04-14
JPS6247646A1987-03-02
JPS6236674A1987-02-17
JPS6210652A1987-01-19
JPS6230255A1987-02-09
JPS6093455A1985-05-25
JPS6094462A1985-05-27
JPS60174749A1985-09-09
JPS60175052A1985-09-09
US4950950A1990-08-21
JPH02204996A1990-08-14
JPH02282263A1990-11-19
JPS63295695A1988-12-02
US4127412A1978-11-28
JPS5327033A1978-03-13
JPS5458445A1979-05-11
JPS5579450A1980-06-14
JPS61295558A1986-12-26
JPS6198353A1986-05-16
US5061569A1991-10-29
JPH04308688A1992-10-30
JPH08193191A1996-07-30
Other References:
FRANK W. ET AL.: "ELECTRON-RICH AND ELECTRON-POOR PENTALENE DERIVATIVES", TETRAHEDRON LETTERS, PERGAMON JOURNALS LTD., vol. 28, no. 27, 1987, pages 3083 - 3086, XP002533815, DOI: doi:10.1016/S0040-4039(00)96291-9
ORGANIC LETTERS, vol. 4, 2002, pages 2157
ORGANIC LETTERS, vol. 7, 2005, pages 4229
LIEBIGS ANN. CHEM., 1986, pages 142
ORGANIC LETTERS, vol. 7, no. 19, pages 4229
See also references of EP 2045848A4
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kihei (26 Kanda Suda-cho 1-chome, Chiyoda-k, Tokyo 41, JP)
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Claims:
 下記式(I)で表されるインデノフルオレンジオン誘導体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
(式中、X 1 、X 2 は互いに同一でも異なっていてもよく、下記(a)~(e)に示す二価の基のいずれかであり、R 1 ~R 10 は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環、ハロゲン原子、フルオロアルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、又はシアノ基である。R 3 ~R 6 、又はR 7 ~R 10 は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
(式中、R 51 ~R 53 は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フルオロアルキル基、アルキル基、アリール基又は複素環基であり、R 52 とR 53 が互いに結合して環を形成してもよい。)
 前記インデノフルオレンジオン誘導体が、下記式(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(III)で表されるいずれかの化合物を少なくとも1つ以上含む請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
(式中、R 11 ~R 50 は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環、フッ素原子、フルオロアルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、又はシアノ基である。但し、R 11 ~R 50 の全てが水素原子の場合は除く。R 11 ~R 50 は、それぞれ結合して環を形成してもよい。)
 アセトニトリル溶液中での還元電位が-1.0V(vsFc + /Fc;ここでFcはフェロセンを示す)以上である請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
 正孔注入材料である請求項1~3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
 陽極と陰極の間に有機薄膜層を有し、
 前記有機薄膜層が、陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層をこの順に含む積層体であり、
 前記正孔注入層が請求項1~4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記正孔注入層が、さらに、下記式(IV)で表されるフェニレンジアミン化合物を含有する請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(式中、R 61 ~R 66 は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、アルキル基、アリール基又は複素環であり、あるいは結合するフェニル基とともに、ナフタレン骨格、カルバゾール骨格又はフルオレン骨格を形成してもよい。nは1又は2である。)
 下記式(I)で表されるインデノフルオレンジオン誘導体。
(式中、X 1 、X 2 は互いに同一でも異なっていてもよく、下記(a)~(e)に示す二価の基のいずれかであり、R 1 ~R 10 は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環、ハロゲン原子、フルオロアルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、又はシアノ基である。R 3 ~R 6 、又はR 7 ~R 10 は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
(式中、R 51 ~R 53 は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フルオロアルキル基、アルキル基、アリール基又は複素環基であり、R 52 とR 53 が互いに結合して環を形成してもよい。)
 下記式(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(III)で表されるいずれかの化合物である請求項7に記載のインデノフルオレンジオン誘導体。
(式中、R 11 ~R 50 は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環、フッ素原子、フルオロアルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、又はシアノ基である。但し、R 11 ~R 50 の全てが水素原子の場合は除く。R 11 ~R 50 は、それぞれ結合して環を形成してもよい。)
Description:
有機エレクトロルミネッセンス 子用材料及び有機エレクトロルミネッセン 素子

 本発明は、有機エレクトロルミネッセン 素子用材料及びそれを用いた有機エレクト ルミネッセンス素子に関する。

 有機エレクトロルミネッセンス素子(以下 、「エレクトロルミネッセンス」を「EL」と 記することがある)は、電界を印可すること により、陽極より注入された正孔と陰極より 注入された電子の再結合エネルギーにより蛍 光性物質が発光する原理を利用した自発光素 子である。

 イーストマン・コダック社のC.W.Tang等によ 積層型素子による低電圧駆動有機EL素子の報 告がなされて以来、有機材料を構成材料とす る有機EL素子に関する研究が盛んに行われて る。
 Tang等が報告した有機EL素子は、トリス(8-ヒ ロキシキノリノールアルミニウム)を発光層 に、トリフェニルジアミン誘導体を正孔輸送 層にする積層構造を有する。積層構造の利点 としては、発光層への正孔の注入効率を高め ること、陰極より注入された電子をブロック して再結合により生成する励起子の生成効率 を高めること、及び発光層内で生成した励起 子を閉じ込めること等が挙げられる。

 有機EL素子の積層構造としては、正孔輸 (注入)層、電子輸送性発光層の二層型、又は 正孔輸送(注入)層、発光層、電子輸送(注入) の3層型等がよく知られている。こうした積 型構造素子では、注入された正孔と電子の 結合効率を高めるため、素子構造や形成方 の工夫がなされている。

 従来、有機EL素子に用いられる正孔輸送材 として、芳香族ジアミン誘導体や、芳香族 合環ジアミン誘導体が知られていた。
 しかしながら、それらの芳香族ジアミン誘 体を正孔輸送材料に用いた有機EL素子で十 な発光輝度を得るには、印加電圧を高くす 必要があるため、素子寿命の低下や消費電 が大きくなる等の問題を生じていた。

 それらの問題の解決法として、有機EL素子 正孔注入層にルイス酸等の電子受容性化合 をドープする方法が提案されている(特許文 1~7等)。ただし、特許文献1~4で用いられてい る電子受容性化合物は、有機EL素子の製造工 において取扱い上、不安定であったり、あ いは有機EL素子駆動時において、耐熱性等 安定性が不足し、寿命が低下する等の問題 あった。
 また、特許文献3、5~7等に例示されている電 子受容性化合物であるテトラフルオロテトラ シアノキノジメタン(TCNQF 4 )は、分子量が小さく、また、フッ素で置換 れていることにより、昇華性が高く、有機EL 素子を真空蒸着で作製する際に装置内に拡散 し、装置や素子を汚染する恐れがあった。

特開2003-031365号公報

特開2001-297883号公報

特開2000-196140号公報

特開平11-251067号公報

特開平4-297076号公報

特表2004-514257号公報

US2005/0255334A1

 本発明は上述の問題に鑑みなされたもの あり、有機EL素子の構成材料として好適な 子受容性材料を提供することを目的とする

 本発明者らは鋭意研究した結果、インデノ ルオレンジオン骨格に着目した。これらの 合物は、キノン部位をジシアノメチレン基 シアノイミノ基に変換した場合でも、立体 害が小さく、分子平面性を保持し、熱的に 定であり、昇華温度も高く、蒸着による有 EL素子作製も可能である。また、分子内に2 のキノン部位を有しているため、電子受容 も高い。さらに、特定の置換基を導入する とで、電子受容性を高めたり、結晶性を変 することが可能である。例えば、無置換の ンデノフルオレンジオン骨格は結晶性が高 ため、膜厚を厚くした場合に結晶化による ーク電流の発生等のおそれがある。そのた 、有機EL素子作製時には、薄膜にする、又 アミン系化合物等の正孔輸送材料と混合す ことで結晶化を抑制することができる。さ に、膜厚を厚くして使用する場合、又は素 の作製条件により結晶化が問題となる場合 は、インデノフルオレンジオン骨格にフェ ル基等のかさ高い置換基を導入することで 結晶状態を変化した誘導体を適用できる。
 これらの特徴を有する本発明のインデノフ オレンジオン誘導体を有機EL素子、特に正 注入層に適した場合、駆動電圧の低電圧化 長寿命化、電圧上昇の抑制を実現できるこ を見出した。

 本発明によれば、以下の有機EL素子用材料 が提供される。
1.下記式(I)で表されるインデノフルオレンジ ン誘導体を含む有機エレクトロルミネッセ ス素子用材料。
(式中、X 1 、X 2 は互いに同一でも異なっていてもよく、下記 (a)~(e)に示す二価の基のいずれかであり、R 1 ~R 10 は、それぞれ互いに同一でも異なっていても よく、水素原子、アルキル基、アリール基、 複素環、ハロゲン原子、フルオロアルキル基 、アルコキシ基、アリーロキシ基、又はシア ノ基である。R 3 ~R 6 、又はR 7 ~R 10 は、それぞれ互いに結合して環を形成しても よい。)
(式中、R 51 ~R 53 は、それぞれ互いに同一でも異なっていても よく、水素原子、フルオロアルキル基、アル キル基、アリール基又は複素環基であり、R 52 とR 53 が互いに結合して環を形成してもよい。)
2.前記インデノフルオレンジオン誘導体が、 記式(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(III)で表されるい れかの化合物を少なくとも1つ以上含む1に記 載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材 料。
(式中、R 11 ~R 50 は、それぞれ互いに同一でも異なっていても よく、水素原子、アルキル基、アリール基、 複素環、フッ素原子、フルオロアルキル基、 アルコキシ基、アリーロキシ基、又はシアノ 基である。但し、R 11 ~R 50 の全てが水素原子の場合は除く。R 11 ~R 50 は、それぞれ結合して環を形成してもよい。 )
3.アセトニトリル溶液中での還元電位が-1.0V(v sFc + /Fc;ここでFcはフェロセンを示す)以上である1 は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス 素子用材料。
4.正孔注入材料である1~3のいずれかに記載の 機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
5.陽極と陰極の間に有機薄膜層を有し、
 前記有機薄膜層が、陽極側から正孔注入層 正孔輸送層、発光層及び電子輸送層をこの に含む積層体であり、
 前記正孔注入層が1~4のいずれかに記載の有 エレクトロルミネッセンス素子用材料を含 する有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.前記正孔注入層が、さらに、下記式(IV)で表 されるフェニレンジアミン化合物を含有する 5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素 。
(式中、R 61 ~R 66 は、それぞれ互いに同一でも異なっていても よく、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオ ロメチル基、アルキル基、アリール基又は複 素環であり、あるいは結合するフェニル基と ともに、ナフタレン骨格、カルバゾール骨格 又はフルオレン骨格を形成してもよい。nは1 は2である。)
7.下記式(I)で表されるインデノフルオレンジ ン誘導体。
(式中、X 1 、X 2 は互いに同一でも異なっていてもよく、下記 (a)~(e)に示す二価の基のいずれかであり、R 1 ~R 10 は、それぞれ互いに同一でも異なっていても よく、水素原子、アルキル基、アリール基、 複素環、ハロゲン原子、フルオロアルキル基 、アルコキシ基、アリーロキシ基、又はシア ノ基である。R 3 ~R 6 、又はR 7 ~R 10 は、それぞれ互いに結合して環を形成しても よい。)
(式中、R 51 ~R 53 は、それぞれ互いに同一でも異なっていても よく、水素原子、フルオロアルキル基、アル キル基、アリール基又は複素環基であり、R 52 とR 53 が互いに結合して環を形成してもよい。)
8.下記式(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(III)で表される ずれかの化合物である7に記載のインデノフ オレンジオン誘導体。
(式中、R 11 ~R 50 は、それぞれ互いに同一でも異なっていても よく、水素原子、アルキル基、アリール基、 複素環、フッ素原子、フルオロアルキル基、 アルコキシ基、アリーロキシ基、又はシアノ 基である。但し、R 11 ~R 50 の全てが水素原子の場合は除く。R 11 ~R 50 は、それぞれ結合して環を形成してもよい。 )

 本発明によれば、新規な有機EL素子用材 を提供できる。また、低電圧で駆動でき、 寿命な有機EL素子を提供できる。

本発明の有機EL素子の一実施形態を示 概略断面図である。

 はじめに本発明の有機EL素子用材料につい 説明する。
 本発明の有機EL素子用材料は、下記式(I)で されるインデノフルオレンジオン誘導体を む。
(式中、X 1 、X 2 は互いに同一でも異なっていてもよく、下記 (a)~(e)に示す二価の基のいずれかであり、R 1 ~R 10 は、それぞれ互いに同一でも異なっていても よく、水素原子、アルキル基、アリール基、 複素環、ハロゲン原子、フルオロアルキル基 、アルコキシ基、アリーロキシ基、又はシア ノ基である。R 3 ~R 6 、又はR 7 ~R 10 は、それぞれ互いに結合して環を形成しても よい。)

(式中、R 51 ~R 53 は、それぞれ互いに同一でも異なっていても よく、水素原子、フルオロアルキル基、アル キル基、アリール基又は複素環基であり、R 52 とR 53 が互いに結合して環を形成してもよい。)

 R 1 ~R 10 で表されるハロゲン原子としては、フッ素原 子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が 挙げられる。
 アルキル基の例としては、メチル基、エチ 基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチ 基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、シクロペ チル基、シクロヘキシル基等が挙げられる
 アリール基の例としては、フェニル基、ビ ェニル基、ナフチル基、フルオロフェニル 、トリフルオロメチルフェニル基等が挙げ れる。
 フルオロアルキル基の例としては、トリフ オロメチル基、ペンタフルオロエチル基、 ーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオ アダマンチル基等が挙げられる。
 アルコキシ基の例としては、メトキシ基、 トキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙 られる。
 アリーロキシ基の例としては、ベンジルオ シ基、ペンタフルオロベンジルオキシ基、4 -トリフルオロメチルベンジルオキシ基等が げられる。
 複素環の例としては、ピリジン、ピラジン フラン、イミダゾール、ベンズイミダゾー 、チオフェン等が挙げられる。

 また、R 1 ~R 10 で表されるアルキル基、アリール基、フルオ ロアルキル基、又は複素環は、各々置換基で さらに置換されていてもよい。これらの置換 基は上記で挙げたハロゲン原子、シアノ基、 アルキル基、アリール基、フルオロアルキル 基、又は複素環と同じであってもよい。また R 51 ~R 53 で表されるフルオロアルキル基、アルキル基 、アリール基又は複素環基も同様である。

 尚、R 3 ~R 6 、又はR 7 ~R 10 は、互いに結合して環を形成していてもよい 。環の例としては、ベンゼン環、ナフタレン 環、ピラジン環、ピリジン環、フラン環等が 挙げられる。
 同様に、R 52 とR 53 は互いに結合して環を形成してもよい。

 式(I)で表される構造を有することで、化合 の耐熱性や昇華性等の安定性や電子受容性 高めることができる。この化合物は電子受 性を有し、また、耐熱性に優れ、昇華精製 可能であるため、高純度化が可能となる。 機EL素子に使用することで素子の駆動電圧 低下することができ、また、寿命を向上で る。さらに、素子の製造時において、成膜 置内部に飛散することがないため、成膜装 又は有機EL素子を汚染することもない。
 従って、有機EL素子用材料、特に正孔注入 料として好適である。

 上記式(I)で表される化合物は、下記式(IIa) (IIb)、(IIc)又は(III)で表されるいずれかの化 物が好ましい。
(式中、R 11 ~R 50 は、それぞれ互いに同一でも異なっていても よく、水素原子、アルキル基、アリール基、 複素環、フッ素原子、フルオロアルキル基、 アルコキシ基、アリーロキシ基、又はシアノ 基である。但し、R 11 ~R 50 の全てが水素原子の場合は除く。R 11 ~R 50 は、それぞれ結合して環を形成してもよい。 )
 R 11 ~R 50 で表されるアルキル基、アリール基、フルオ ロアルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ 基、又は複素環の例は、上記R 1 ~R 10 の場合と同様である。

 尚、式(I)のX 1 及びX 2 の置換基の種類によっては異性体が存在する 。例えば、式(IIa)の場合、2つのシアノイミン 基のシアノ基の結合位置による異性体(IIb)や( IIc)が存在するが、本発明の材料は特定の異 体に限定されるものではなく、各単独の構 の化合物でもよく、シン型、アンチ型、又 これらの混合物を含んでいてもよい。

 本発明の有機EL素子用材料は、好ましくは セトニトリル溶液中での還元電位が-1.0V(vsFc + /Fc)以上であり、特に好ましくは、-0.8V以上(vs Fc + /Fc)である。尚、Fcはフェロセンである。還元 電位が-1.0V以上の化合物を使用することによ 、電子受容性がより強くなる。
 電子受容性が大きくなることにより、ITOや のITOよりも低仕事関数の材料を用いた陽極 の電子授受がされやすくなったり、また、 孔輸送材料のHOMO準位と電子受容性化合物の LUMO準位が近くなることに正孔をより注入し すくなる。
 以下に本発明の有機EL素子用材料の具体例 示す。

 本発明のインデノフルオレンジオン誘導体 、例えば、Organic Letters 4巻 2157頁(2002年)、 又はOrganic Letters 7巻 4229頁(2005年)に記載の 成法に従い合成したインデノフルオレンジ ン誘導体を、さらに、下記のスキーム1によ 合成することで得られる。合成条件等、詳 はLiebigs Ann.Chem.(1986年)142頁等を参照できる それらの反応により得られた結晶を、さら 昇華精製することで不純物を低減し、有機E L素子材料に用いた際に素子の寿命等で良好 性能を与えることができる。
(R 1 ~R 10 は上記式(I)と同様である。)

 続いて、本発明の有機EL素子について説明 る。
 本発明の有機EL素子は、陽極と陰極の間に 機薄膜層を有する。有機薄膜層は、正孔注 層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層を の順に含み、正孔注入層が、本発明の有機EL 素子用材料を含有する。

 図1は本発明の有機EL素子の一実施形態を示 概略断面図である。
 有機EL素子1では、基板(図示せず)上に陽極10 、正孔注入層20、正孔輸送層30、発光層40、電 子輸送層50、陰極60がこの順に積層されてい 。この素子において、有機薄膜層は正孔注 層20、正孔輸送層30、発光層40及び電子輸送 50からなる積層構造となっている。本発明で は正孔注入層20が本発明の有機EL素子用材料 含有する。これにより、有機EL素子の駆動電 圧を低くでき、また、長寿命化、電圧上昇の 抑制を達成できる。
 尚、正孔注入層以外の他の有機層が本発明 有機EL素子用材料を含有していてもよい。 の場合、後述する各層を構成する材料と混 して使用してもよい。
 正孔注入層における本発明の有機EL素子用 料の含有量は、好ましくは1~100モル%である

 本発明の有機EL素子では、正孔注入層が上 式(I)、(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(III)の化合物の他 に下記式(IV)で表されるフェニレンジアミン 合物を含有することが好ましい。
(式中、R 61 ~R 66 は、それぞれ互いに同一でも異なっていても よく、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオ ロメチル基、アルキル基、アリール基又は複 素環であり、あるいは結合するフェニル基と ともに、ナフタレン骨格、カルバゾール骨格 又はフルオレン骨格を形成してもよい。nは1 は2である。)

 このフェニレンジアミン化合物を含有さ ると、本発明の化合物を単独に使用した際 膜質の均質性や、耐熱性、あるいは電荷注 性を改良できる場合もある。

 式(IV)において、R 61 ~R 66 のハロゲン原子としては、フッ素原子が好ま しい。

 R 61 ~R 66 のアルキル基として、例えば、メチル基、イ ソプロピル基、tertブチル基、シクロヘキシ 基が好ましい。

 R 61 ~R 66 のアリール基として、例えば、フェニル基、 ナフチル基、フルオレニル基が好ましい。尚 、これらはメチル基等で置換されていてもよ い。

 R 61 ~R 66 の複素環として、例えば、ピリジン環、ピラ ジン環が好ましい。

 またR 61 ~R 66 は、結合するフェニル基を含んでナフタレン 骨格、カルバゾール骨格又はフルオレン骨格 を形成してもよい。尚、これらはメチル基等 で置換されていてもよい。

 正孔注入層に対する式(IV)の化合物の含有量 は、好ましくは0.1~98モル%である。
 上記式(I)、(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(III)で表さ る化合物と式(IV)で表されるフェニレンジア ン化合物との混合割合は、陽極の材料に応 て適宜選択してよい。
 以下に式(IV)の化合物の好適例を示す。

 尚、本発明の有機EL素子用材料は、上記実 形態の構成以外の素子にも使用できる。例 ば、以下に示す(1)~(15)の構成を有する素子に て、素子を形成する発光層等の各有機層の材 料として使用してもよい。
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(3)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(4)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(5)陽極/正孔輸送層/発光層/付着改善層/陰極
(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子 送層/陰極(図1)
(7)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子 入層/陰極
(8)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子 送層/電子注入層/陰極
(9)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送 /陰極
(10)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁 /陰極
(11)陽極/無機半導体層/絶縁層/正孔輸送層/発 層/絶縁層/陰極
(12)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送 /絶縁層/陰極
(13)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子 送層/絶縁層/陰極
(14)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発光 /電子輸送層/電子注入層/陰極
(15)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発光 /電子輸送層/電子注入層/絶縁層/陰極

 これらの中で、通常(4)、(6)、(7)、(8)、(12)、 (13)及び(15)の構成が好ましく用いられる。
 以下、本発明の有機EL素子を構成する各部 について説明する。

(透光性基板)
 本発明の有機EL素子は透光性の基板上に作 する。ここでいう透光性基板は有機EL素子を 支持する基板であり、400~700nmの可視領域の光 の透過率が50%以上で、平滑な基板が好ましい 。
 具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙 られる。ガラス板としては、特にソーダ石 ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガ ス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホ ケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス 石英等が挙げられる。またポリマー板とし は、ポリカーボネート、アクリル、ポリエ レンテレフタレート、ポリエーテルサルフ イド、ポリサルフォン等を挙げることがで る。
 尚、光取り出し方向の反対側に支持基板が 置する場合には透光性は不要である。

(陽極)
 有機EL素子の陽極は、正孔を正孔輸送層又 発光層に注入する役割を担うものであり、 極側に透明性を必要とする場合は、酸化イ ジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、酸化インジ ウム亜鉛合金(IZO)、金、銀、白金、銅等が適 できる。また、透明性を必要としない、反 型電極とする場合には、それらの金属の他 、アルミ、モリブデン、クロム、ニッケル の金属や合金を使用することもできる。
 特に、仕事関数の低い(例えば、5.0eV以下)陽 極と、本発明の有機EL素子用材料を用いた正 注入層を組み合わせて用いても、電子授受 可能であり、良好な注入性を示す。
 これら材料は単独で用いることもできるが これら材料同士の合金や、その他の元素を 加した材料も適宜選択して用いることがで る。
 陽極はこれらの電極物質を蒸着法やスパッ リング法等の方法で薄膜を形成させること より作製することができる。
 発光層からの発光を陽極から取り出す場合 陽極の発光に対する透過率は10%より大きく ることが好ましい。また陽極のシート抵抗 、数百ω/□以下が好ましい。陽極の膜厚は 料にもよるが、通常1nm~1μm、好ましくは10~20 0nmの範囲で選択される。

(発光層)
 有機EL素子の発光層は以下(1)~(3)の機能を併 持つものである。
(1) 注入機能;電界印加時に陽極又は正孔注入 層より正孔を注入することができ、陰極又は 電子注入層より電子を注入することができる 機能
(2) 輸送機能;注入した電荷(電子と正孔)を電 の力で移動させる機能
(3) 発光機能;電子と正孔の再結合の場を提供 し、これを発光につなげる機能
 正孔の注入されやすさと電子の注入されや さに違いがあってもよく、また、正孔と電 の移動度で表される輸送能に大小があって よいが、どちらか一方の電荷を移動するこ が好ましい。
 この発光層を形成する方法としては、例え 蒸着法、スピンコート法、LB法等の公知の 法を適用することができる。発光層は、特 分子堆積膜であることが好ましい。ここで 子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から 着され形成された薄膜や、溶液状態又は液 状態の材料化合物から固体化され形成され 膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB 法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝 構造、高次構造の相違や、それに起因する 能的な相違により区分することができる。
 また、特開昭57-51781号公報に開示されてい ように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを 剤に溶かして溶液とした後、これをスピン ート法等により薄膜化することによっても 発光層を形成することができる。
 本発明においては、本発明の目的が損なわ ない範囲で、所望により発光層に本発明の 規化合物からなる発光材料以外の他の公知 発光材料を含有させてもよく、また、本発 の新規化合物からなる発光材料を含む発光 に、他の公知の発光材料を含む発光層を積 してもよい。

 発光層に使用できる発光材料又はドーピ グ材料としては、例えば、アントラセン、 フタレン、フェナントレン、ピレン、テト セン、コロネン、クリセン、フルオレセイ 、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペ レン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタ ペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラ ェニルブタジエン、クマリン、オキサジア ール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジ ン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金 錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、 フェニルエチレン、ビニルアントラセン、 アミノカルバゾール、ピラン、チオピラン ポリメチン、メロシアニン、イミダゾール レート化オキシノイド化合物、キナクリド 、ルブレン及び蛍光色素等が挙げられるが これらに限定されるものではない。

 発光層に使用できるホスト材料としては、 記(i)~(ix)で表される化合物が好ましい。
 下記式(i)で表される非対称アントラセン。
(式中、Arは置換もしくは無置換の核炭素数10~ 50の縮合芳香族基である。
 Ar’は置換もしくは無置換の核炭素数6~50の 香族基である。
 X 3 ~X 5 は各々、置換もしくは無置換の核炭素数6~50 芳香族基、置換もしくは無置換の核原子数5~ 50の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の 素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換 の炭素数1~50のアルコキシ基、置換もしくは 置換の炭素数6~50のアラルキル基、置換もし は無置換の核原子数5~50のアリールオキシ基 、置換もしくは無置換の核原子数5~50のアリ ルチオ基、置換もしくは無置換の炭素数1~50 アルコキシカルボニル基、カルボキシル基 ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒド キシル基である。
 a、b及びcは、それぞれ0~4の整数である。
 nは1~3の整数である。また、nが2以上の場合 、[ ]内は、同じでも異なっていてもよい。 )

 下記式(ii)で表される非対称モノアントラセ ン誘導体。
(式中、Ar 1 及びAr 2 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の 核炭素数6~50の芳香族環基であり、m及びnは、 それぞれ1~4の整数である。ただし、m=n=1でか Ar 1 とAr 2 のベンゼン環への結合位置が左右対称型の場 合には、Ar 1 とAr 2 は同一ではなく、m又はnが2~4の整数の場合に mとnは異なる整数である。
 R 71 ~R 80 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしく は無置換の核炭素数6~50の芳香族環基、置換 しくは無置換の核原子数5~50の芳香族複素環 、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキ ル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル 基、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアル キシ基、置換もしくは無置換の炭素数6~50の ラルキル基、置換もしくは無置換の核原子 5~50のアリールオキシ基、置換もしくは無置 換の核原子数5~50のアリールチオ基、置換も くは無置換の炭素数1~50のアルコキシカルボ ル基、置換もしくは無置換のシリル基、カ ボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニ ロ基、ヒドロキシル基である。)

 下記式(iii)で表される非対称ピレン誘導体
(式中、Ar 3 及びAr 4 は、それぞれ置換もしくは無置換の核炭素数 6~50の芳香族基である。
 L 1 及びL 2 は、それぞれ置換もしくは無置換のフェニレ ン基、置換もしくは無置換のナフタレニレン 基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基 又は置換もしくは無置換のジベンゾシロリレ ン基である。
 mは0~2の整数、nは1~4の整数、sは0~2の整数、t は0~4の整数である。
 また、L 1 又はAr 3 は、ピレンの1~5位のいずれかに結合し、L 2 又はAr 4 は、ピレンの6~10位のいずれかに結合する。
 ただし、n+tが偶数の時、Ar 3 ,Ar 4 ,L 1 ,L 2 は下記(1) 又は(2) を満たす。
(1) Ar 3 ≠Ar 4 及び/又はL 1 ≠L 2 (ここで≠は、異なる構造の基であることを す。)
(2) Ar 3 =Ar 4 かつL 1 =L 2 の時
 (2-1) m≠s及び/又はn≠t、又は
 (2-2) m=sかつn=tの時、
  (2-2-1) L 1 及びL 2 、又はピレンが、それぞれAr 3 及びAr 4 上の異なる結合位置に結合しているか、(2-2-2 ) L 1 及びL 2 、又はピレンが、Ar3及びAr4上の同じ結合位置 で結合している場合、L 1 及びL 2 又はAr 3 及びAr 4 のピレンにおける置換位置が1位と6位、又は2 位と7位である場合はない。)

 下記式(iv)で表される非対称アントラセン誘 導体。
(式中、A 1 及びA 2 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の 核炭素数10~20の縮合芳香族環基である。
 Ar 5 及びAr 6 は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換も しくは無置換の核炭素数6~50の芳香族環基で る。
 R 81 ~R 90 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしく は無置換の核炭素数6~50の芳香族環基、置換 しくは無置換の核原子数5~50の芳香族複素環 、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキ ル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル 基、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアル キシ基、置換もしくは無置換の炭素数6~50の ラルキル基、置換もしくは無置換の核原子 5~50のアリールオキシ基、置換もしくは無置 換の核原子数5~50のアリールチオ基、置換も くは無置換の炭素数1~50のアルコキシカルボ ル基、置換もしくは無置換のシリル基、カ ボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニ ロ基又はヒドロキシル基である。
 Ar 5 、Ar 6 、R 89 及びR 90 は、それぞれ複数であってもよく、隣接する もの同士で飽和もしくは不飽和の環状構造を 形成していてもよい。
 ただし、式(iv)において、中心のアントラセ ンの9位及び10位に、該アントラセン上に示す X-Y軸に対して対称型となる基が結合する場合 はない。)

 下記式(v)で表されるアントラセン誘導体。
(式中、R 91 ~R 100 は、それぞれ独立に水素原子,アルキル基,シ ロアルキル基,置換しても良いアリール基, ルコキシル基,アリーロキシ基,アルキルアミ ノ基,アルケニル基,アリールアミノ基又は置 しても良い複素環式基を示し、a及びbは、 れぞれ1~5の整数を示し、それらが2以上の場 、R 91 同士又はR 92 同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっ ていてもよく、またR 91 同士又はR 92 同士が結合して環を形成していてもよいし、 R 93 とR 94 ,R 95 とR 96 ,R 97 とR 98 ,R 99 とR 100 が互いに結合して環を形成していてもよい。 L 3 は単結合、-O-,-S-,-N(R)-(Rはアルキル基又は置 しても良いアリール基である)、アルキレン 又はアリーレン基を示す。)

 下記式(vi)で表されるアントラセン誘導体。
(式中、R 101 ~R 110 は、それぞれ独立に水素原子,アルキル基,シ ロアルキル基,アリール基,アルコキシル基, リーロキシ基,アルキルアミノ基,アリール ミノ基又は置換しても良い複数環式基を示 、c,d,e及びfは、それぞれ1~5の整数を示し、 れらが2以上の場合、R 101 同士,R 102 同士,R 106 同士又はR 107 同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっ ていてもよく、またR 101 同士,R 102 同士,R 106 同士又はR 107 同士が結合して環を形成していてもよいし、 R 103 とR 104 ,R 108 とR 109 がたがいに結合して環を形成していてもよい 。L 4 は単結合、-O-,-S-,-N(R)-(Rはアルキル基又は置 しても良いアリール基である)、アルキレン 又はアリーレン基を示す。)

 下記式(vii)で表されるスピロフルオレン誘 体。
(式中、A 5 ~A 8 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の ビフェニル基又は置換もしくは無置換のナフ チル基である。)

 下記式(viii)で表される縮合環含有化合物。
(式中、A 9 ~A 14 は前記と同じ、R 111 ~R 113 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の アルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、 炭素数1~6のアルコキシル基、炭素数5~18のア ールオキシ基、炭素数7~18のアラルキルオキ 基、炭素数5~16のアリールアミノ基、ニトロ 基、シアノ基、炭素数1~6のエステル基又はハ ロゲン原子を示し、A 9 ~A 14 のうち少なくとも1つは3環以上の縮合芳香族 を有する基である。)

 下記式(ix)で表されるフルオレン化合物。
(式中、R 114 及びR 115 は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキ ル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、 置換あるいは無置換のアリール基,置換ある は無置換の複素環基、置換アミノ基、シア 基又はハロゲン原子を表わす。異なるフル レン基に結合するR 114 同士は、同じであっても異なっていてもよく 、同じフルオレン基に結合するR 114 及びR 115 は、同じであっても異なっていてもよい。R 116 及びR 117 は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキ ル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、 置換あるいは無置換のアリール基又は置換あ るいは無置換の複素環基を表わし、異なるフ ルオレン基に結合するR 116 同士、R 117 同士は、同じであっても異なっていてもよく 、同じフルオレン基に結合するR 116 及びR 117 は、同じであっても異なっていてもよい。Ar 7 及びAr 8 は、ベンゼン環の合計が3個以上の置換ある は無置換の縮合多環芳香族基又はベンゼン と複素環の合計が3個以上の置換あるいは無 換の炭素でフルオレン基に結合する縮合多 複素環基を表わし、Ar 7 及びAr 8 は、同じであっても異なっていてもよい。n 、1~10の整数を表す。)

 以上のホスト材料の中でも、好ましくは ントラセン誘導体、さらに好ましくはモノ ントラセン誘導体、特に好ましくは非対称 ントラセンである。

 また、発光材料としては、りん光発光性の 合物を用いることもできる。りん光発光性 化合物を使用する場合、ホスト材料はカル ゾール環を含む化合物が好ましい。ドーパ トとしては三重項励起子から発光すること できる化合物であり、三重項励起子から発 する限り特に限定されないが、Ir、Ru、Pd、P t、Os及びReからなる群から選択される少なく も一つの金属を含む金属錯体であることが ましく、ポルフィリン金属錯体又はオルト タル化金属錯体が好ましい。
 カルバゾール環を含む化合物からなるりん 発光に好適なホストは、その励起状態から ん光発光性化合物へエネルギー移動が起こ 結果、りん光発光性化合物を発光させる機 を有する化合物である。ホスト化合物とし は励起子エネルギーをりん光発光性化合物 エネルギー移動できる化合物ならば特に制 はなく、目的に応じて適宜選択することが きる。カルバゾール環以外に任意の複素環 を有していても良い。

 このようなホスト化合物の具体例としては カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体 オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘 体、イミダゾール誘導体、ポリアリールア カン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロ 誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリ ルアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導 、スチリルアントラセン誘導体、フルオレ ン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン 導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン 合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメ リデン系化合物、ポルフィリン系化合物、 ントラキノジメタン誘導体、アントロン誘 体、ジフェニルキノン誘導体、チオピラン オキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、 ルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリル ラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複 環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニ 誘導体、8-キノリノール誘導体の金属錯体 メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾー やベンゾチアゾールを配位子とする金属錯 に代表される各種金属錯体ポリシラン系化 物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導体、ア リン系共重合体、チオフェンオリゴマー、 リチオフェン等の導電性高分子オリゴマー ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘 体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリ ルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げ れる。ホスト化合物は単独で使用しても良 し、2種以上を併用しても良い。
 具体例としては、以下のような化合物が挙 られる。

 りん光発光性のドーパントは三重項励起子 ら発光することのできる化合物である。三 項励起子から発光する限り特に限定されな が、Ir、Ru、Pd、Pt、Os及びReからなる群から 択される少なくとも一つの金属を含む金属 体であることが好ましく、ポルフィリン金 錯体又はオルトメタル化金属錯体が好まし 。ポルフィリン金属錯体としては、ポルフ リン白金錯体が好ましい。りん光発光性化 物は単独で使用しても良いし、2種以上を併 用しても良い。
 オルトメタル化金属錯体を形成する配位子 しては種々のものがあるが、好ましい配位 としては、2-フェニルピリジン誘導体、7、8 -ベンゾキノリン誘導体、2-(2-チエニル)ピリ ン誘導体、2-(1-ナフチル)ピリジン誘導体、2- フェニルキノリン誘導体等が挙げられる。こ れらの誘導体は必要に応じて置換基を有して も良い。特に、フッ素化物、トリフルオロメ チル基を導入したものが、青色系ドーパント としては好ましい。さらに補助配位子として アセチルアセトナート、ピクリン酸等の上記 配位子以外の配位子を有していても良い。
 りん光発光性のドーパントの発光層におけ 含有量としては、特に制限はなく、目的に じて適宜選択することができるが、例えば 0.1~70質量%であり、1~30質量%が好ましい。り 光発光性化合物の含有量が0.1質量%未満では 発光が微弱でありその含有効果が十分に発揮 されず、70質量%を超える場合は、濃度消光と 言われる現象が顕著になり素子性能が低下す る。

 発光層は、必要に応じて正孔輸送材、電子 送材、ポリマーバインダーを含有しても良 。
 発光層の膜厚は、好ましくは5~50nm、より好 しくは7~50nm、最も好ましくは10~50nmである。 5nm未満では発光層形成が困難となり、色度の 調整が困難となる恐れがあり、50nmを超える 駆動電圧が上昇する恐れがある。

(正孔輸送層:正孔注入層)
 正孔輸送層は発光層への正孔注入を助け、 光領域まで輸送する層であって、正孔移動 が大きく、イオン化エネルギーが通常5.5eV 下と小さい。このような正孔輸送層として より低い電界強度で正孔を発光層に輸送す 材料が好ましく、さらに正孔の移動度が、 えば10 4 ~10 6 V/cmの電界印加時に、少なくとも10 -4 cm 2 /V・秒であれば好ましい。

 正孔輸送層の材料の具体例として、例え 、トリアゾール誘導体(米国特許3,112,197号明 細書等参照)、オキサジアゾール誘導体(米国 許3,189,447号明細書等参照)、イミダゾール誘 導体(特公昭37-16096号公報等参照)、ポリアリ ルアルカン誘導体(米国特許3,615,402号明細書 同第3,820,989号明細書、同第3,542,544号明細書 特公昭45-555号公報、同51-10983号公報、特開 51-93224号公報、同55-17105号公報、同56-4148号公 報、同55-108667号公報、同55-156953号公報、同56- 36656号公報等参照)、ピラゾリン誘導体及びピ ラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細書 同第4,278,746号明細書、特開昭55-88064号公報、 同55-88065号公報、同49-105537号公報、同55-51086 公報、同56-80051号公報、同56-88141号公報、同5 7-45545号公報、同54-112637号公報、同55-74546号公 報等参照)、フェニレンジアミン誘導体(米国 許第3,615,404号明細書、特公昭51-10105号公報 同46-3712号公報、同47-25336号公報、同54-119925 公報等参照)、アリールアミン誘導体(米国特 許第3,567,450号明細書、同第3,240,597号明細書、 同第3,658,520号明細書、同第4,232,103号明細書、 同第4,175,961号明細書、同第4,012,376号明細書、 特公昭49-35702号公報、同39-27577号公報、特開 55-144250号公報、同56-119132号公報、同56-22437号 公報、西独特許第1,110,518号明細書等参照)、 ミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501 明細書等参照)、オキサゾール誘導体(米国 許第3,257,203号明細書等に開示のもの)、スチ ルアントラセン誘導体(特開昭56-46234号公報 参照)、フルオレノン誘導体(特開昭54-110837 公報等参照)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第 3,717,462号明細書、特開昭54-59143号公報、同55-5 2063号公報、同55-52064号公報、同55-46760号公報 同57-11350号公報、同57-148749号公報、特開平2- 311591号公報等参照)、スチルベン誘導体(特開 61-210363号公報、同第61-228451号公報、同61-1464 2号公報、同61-72255号公報、同62-47646号公報、 62-36674号公報、同62-10652号公報、同62-30255号 報、同60-93455号公報、同60-94462号公報、同60- 174749号公報、同60-175052号公報等参照)、シラ ン誘導体(米国特許第4,950,950号明細書)、ポリ シラン系(特開平2-204996号公報)、アニリン系 重合体(特開平2-282263号公報)、導電性高分子 リゴマー(特にチオフェンオリゴマー)等を げることができる。

 正孔輸送層の他、さらに正孔の注入を助 るために別途正孔注入層を設ける。正孔注 層の材料としては本発明の有機EL用材料単 でもよいし、他の材料と混合して用いても い。他の材料としては正孔輸送層と同様の 料や、上記式(IV)で例示した化合物を使用す ことができる。他に、ポルフィリン化合物( 特開昭63-295695号公報等に開示のもの)、芳香 第三級アミン化合物及びスチリルアミン化 物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53-2703 3号公報、同54-58445号公報、同55-79450号公報、 55-144250号公報、同56-119132号公報、同61-295558 公報、同61-98353号公報、同63-295695号公報等 照)を用いることもできる。

 また米国特許第5,061,569号に記載されてい 2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例え ば4,4’-ビス(N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ) ビフェニル(NPD)、また特開平4-308688号公報に 載されているトリフェニルアミンユニット 3つスターバースト型に連結された4,4’,4”- リス(N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ )トリフェニルアミン(MTDATA)等を挙げることが できる。

 また、芳香族ジメチリディン系化合物の 、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注入層 の材料として使用することができる。

 正孔注入層又は正孔輸送層は、例えば、 述した化合物を真空蒸着法、スピンコート 、キャスト法、LB法等の公知の方法により 膜化することにより形成することができる 正孔注入層、正孔輸送層としての膜厚は特 制限はないが、通常は1nm~5μmである。正孔注 入、輸送層は正孔輸送帯域に本発明の化合物 を含有していれば、上述した材料の一種又は 二種以上からなる一層で構成されてもよいし 、又は前記正孔注入、輸送層とは別種の化合 物からなる正孔注入、輸送層を積層したもの であってもよい。

 尚、有機半導体層も正孔輸送層の一部であ が、これは発光層への正孔注入又は電子注 を助ける層であって、10 -10 S/cm以上の導電率を有するものが好適である このような有機半導体層の材料としては、 チオフェンオリゴマーや特開平8-193191号公報 に開示してある含アリールアミンオリゴマー 等の導電性オリゴマー、含アリールアミンデ ンドリマー等の導電性デンドリマー等を用い ることができる。

(電子注入層・輸送層)
 電子注入層・輸送層は、発光層への電子の 入を助け、発光領域まで輸送する層であっ 、電子移動度が大きい。尚、付着改善層は 子注入層の中で特に陰極との付着が良い材 からなる層である。
 電子輸送層は数nm~数μmの膜厚で適宜選ばれ が、特に膜厚が厚いとき、電圧上昇を避け ために、10 4 ~10 6 V/cmの電界印加時に電子移動度が少なくとも10 -5 cm 2 /Vs以上であることが好ましい。
 電子注入層に用いられる材料としては、8- ドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯 やオキサジアゾール誘導体が好適である。 記8-ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金 属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8- キノリノール又は8-ヒドロキシキノリン)のキ レートを含む金属キレートオキシノイド化合 物、例えばトリス(8-キノリノール)アルミニ ムを電子注入材料として用いることができ 。

 一方、オキサジアゾール誘導体としては 以下の式で表される電子伝達化合物が挙げ れる。

(式中、Ar 11 ,Ar 12 ,Ar 13 ,Ar 15 ,Ar 16 ,Ar 19 はそれぞれ置換又は無置換のアリール基を示 し、それぞれ互いに同一であっても異なって いてもよい。またAr 14 ,Ar 17 ,Ar 18 は置換又は無置換のアリーレン基を示し、そ れぞれ同一であっても異なっていてもよい)
 ここでアリール基としてはフェニル基、ビ ェニリル基、アントリル基、ペリレニル基 ピレニル基が挙げられる。また、アリーレ 基としてはフェニレン基、ナフチレン基、 フェニレン基、アントリレン基、ペリレニ ン基、ピレニレン基等が挙げられる。また 置換基としては炭素数1~10のアルキル基、炭 素数1~10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙 られる。この電子伝達化合物は薄膜形成性 ものが好ましい。

 上記電子伝達性化合物の具体例としては 記のものを挙げることができる。

 さらに、電子注入層及び電子輸送層に用 られる材料として、下記式(A)~(F)で表される ものも用いることができる。

(式(A)及び(B)中、A 21 ~A 23 は、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子 である。
 Ar 21 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~60のア ール基、又は置換もしくは無置換の核炭素 3~60のヘテロアリール基であり、Ar 22 は、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素 数6~60のアリール基、置換もしくは無置換の 炭素数3~60のヘテロアリール基、置換もしく 無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は置換 もしくは無置換の炭素数1~20のアルコキシ基 ある。ただし、Ar 21 及びAr 22 のいずれか一方は、置換もしくは無置換の核 炭素数10~60の縮合環基、又は置換もしくは無 換の核炭素数3~60のモノヘテロ縮合環基であ る。
 Ar 23 は、置換もしくは無置換の炭素数6~60のアリ レン基、又は置換もしくは無置換の炭素数3~ 60のヘテロアリーレン基である。
 L 11 、L 12 及びL 13 は、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは 無置換の核炭素数6~60のアリーレン基、置換 しくは無置換の核炭素数3~60のヘテロアリー ン基、又は置換もしくは無置換のフルオレ レン基である。
 R 121 及びR 122 はそれぞれ、水素原子、置換もしくは無置換 の核炭素数6~60のアリール基、置換もしくは 置換の核炭素数3~60のヘテロアリール基、置 もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、 又は置換もしくは無置換の炭素数1~20のアル キシ基であり、nは0~5の整数であり、nが2以 の場合、複数のR 121 及びR 122 は同一でも異なっていてもよく、また、隣接 する複数のR 121 及びR 122 同士で結合して、炭素環式脂肪族環又は炭素 環式芳香族環を形成していてもよい。
 R 123 は、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素 数6~60のアリール基、置換もしくは無置換の 炭素数3~60のヘテロアリール基、置換もしく 無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は置換 もしくは無置換の炭素数1~20のアルコキシ基 又は-L 11 -Ar 21 -Ar 22 である。)で表される含窒素複素環誘導体。

     HAr-L 14 -Ar 24 -Ar 25      (C)
(式中、HArは、置換基を有していてもよい炭 数3~40の含窒素複素環であり、L 14 は、単結合、置換基を有していてもよい炭素 数6~60のアリーレン基、置換基を有していて よい炭素数3~60のヘテロアリーレン基又は置 基を有していてもよいフルオレニレン基で り、Ar 24 は、置換基を有していてもよい炭素数6~60の2 の芳香族炭化水素基であり、Ar 25 は、置換基を有していてもよい炭素数6~60の リール基又は置換基を有していてもよい炭 数3~60のヘテロアリール基である。)で表され る含窒素複素環誘導体。

(式中、X 11 及びY 11 は、それぞれ独立に炭素数1~6の飽和若しくは 不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルケ ニルオキシ基、アルキニルオキシ基、ヒドロ キシ基、置換若しくは無置換のアリール基、 置換若しくは無置換のヘテロ環又はX 11 とY 11 が結合して飽和又は不飽和の環を形成した構 造であり、R 125 ~R 128 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子 、置換もしくは無置換の炭素数1から6までの ルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ 、パーフルオロアルキル基、パーフルオロ ルコキシ基、アミノ基、アルキルカルボニ 基、アリールカルボニル基、アルコキシカ ボニル基、アリールオキシカルボニル基、 ゾ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリ ルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボ ルオキシ基、アリールオキシカルボニルオ シ基、スルフィニル基、スルフォニル基、 ルファニル基、シリル基、カルバモイル基 アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、 ルキニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニト ソ基、ホルミルオキシ基、イソシアノ基、 アネート基、イソシアネート基、チオシア ート基、イソチオシアネート基もしくはシ ノ基又は隣接した場合には置換若しくは無 換の環が縮合した構造である。)で表される シラシクロペンタジエン誘導体。

(式中、R 131 ~R 138 及びZ 2 は、それぞれ独立に、水素原子、飽和もしく は不飽和の炭化水素基、芳香族基、ヘテロ環 基、置換アミノ基、置換ボリル基、アルコキ シ基又はアリールオキシ基を示し、X 12 、Y 12 及びZ 1 は、それぞれ独立に、飽和もしくは不飽和の 炭化水素基、芳香族基、ヘテロ環基、置換ア ミノ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基 を示し、Z 1 とZ 2 の置換基は相互に結合して縮合環を形成して もよく、nは1~3の整数を示し、nが2以上の場合 、Z 1 は異なってもよい。但し、nが1、X 12 、Y 12 及びR 132 がメチル基であって、R 138 が、水素原子又は置換ボリル基の場合、及び nが3でZ 1 がメチル基の場合を含まない。)で表される ラン誘導体。

[式中、Q 1 及びQ 2 は、それぞれ独立に、下記式(G)で示される配 位子を表し、L 15 は、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のア ルキル基、置換もしくは無置換のシクロアル キル基、置換もしくは無置換のアリール基、 置換もしくは無置換の複素環基、-OR (R は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキ ル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル 基、置換もしくは無置換のアリール基、置換 もしくは無置換の複素環基である。)又は-O-Ga -Q 3 (Q 4 )(Q 3 及びQ 4 は、Q 1 及びQ 2 と同じ)で示される配位子を表す。]

[式中、環A 24 及びA 25 は、置換基を有してよい互いに縮合した6員 リール環構造である。]

 この金属錯体は、n型半導体としての性質が 強く、電子注入能力が大きい。さらには、錯 体形成時の生成エネルギーも低いために、形 成した金属錯体の金属と配位子との結合性も 強固になり、発光材料としての蛍光量子効率 も大きくなっている。
 式(G)の配位子を形成する環A 24 及びA 25 の置換基の具体的な例を挙げると、塩素、臭 素、ヨウ素、フッ素のハロゲン原子、メチル 基、エチル基、プロピル基、ブチル基、s-ブ ル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル 、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基 トリクロロメチル基等の置換もしくは無置 のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、3- メチルフェニル基、3-メトキシフェニル基、3 -フルオロフェニル基、3-トリクロロメチルフ ェニル基、3-トリフルオロメチルフェニル基 3-ニトロフェニル基等の置換もしくは無置 のアリール基、メトキシ基、n-ブトキシ基、 t-ブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリ ルオロエトキシ基、ペンタフルオロプロポ シ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ基 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ基、6- (パーフルオロエチル)ヘキシルオキシ基等の 換もしくは無置換のアルコキシ基、フェノ シ基、p-ニトロフェノキシ基、p-t-ブチルフ ノキシ基、3-フルオロフェノキシ基、ペン フルオロフェニル基、3-トリフルオロメチル フェノキシ基等の置換もしくは無置換のアリ ールオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基 、t-ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチ チオ基、トリフルオロメチルチオ基等の置 もしくは無置換のアルキルチオ基、フェニ チオ基、p-ニトロフェニルチオ基、p-t-ブチ フェニルチオ基、3-フルオロフェニルチオ 、ペンタフルオロフェニルチオ基、3-トリフ ルオロメチルフェニルチオ基等の置換もしく は無置換のアリールチオ基、シアノ基、ニト ロ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジエチル アミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ 基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基 、ジフェニルアミノ基等のモノ又はジ置換ア ミノ基、ビス(アセトキシメチル)アミノ基、 ス(アセトキシエチル)アミノ基、ビス(アセ キシプロピル)アミノ基、ビス(アセトキシ チル)アミノ基等のアシルアミノ基、水酸基 シロキシ基、アシル基、カルバモイル基、 チルカルバモイル基、ジメチルカルバモイ 基、エチルカルバモイル基、ジエチルカル モイル基、プロピルカルバモイル基、ブチ カルバモイル基、フェニルカルバモイル基 の置換もしくは無置換のカルバモイル基、 ルボン酸基、スルフォン酸基、イミド基、 クロペンタン基、シクロヘキシル基等のシ ロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、 フェニリル基、アントリル基、フェナント ル基、フルオレニル基、ピレニル基等のア ール基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピ ミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニ 基、インドリニル基、キノリニル基、アク ジニル基、ピロリジニル基、ジオキサニル 、ピペリジニル基、モルフォリジニル基、 ペラジニル基、トリアチニル基、カルバゾ ル基、フラニル基、チオフェニル基、オキ ゾリル基、オキサジアゾリル基、ベンゾオ サゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリ 基、ベンゾチアゾリル基、トリアゾリル基 イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、 ラニル基等の複素環基等がある。また、以 の置換基同士が結合してさらなる6員アリー ル環もしくは複素環を形成しても良い。

 本発明の好ましい形態に、電子を輸送す 領域又は陰極と有機層の界面領域に、還元 ドーパントを含有する素子がある。ここで 還元性ドーパントとは、電子輸送性化合物 還元ができる物質と定義される。従って、 定の還元性を有するものであれば、様々な のが用いられ、例えば、アルカリ金属、ア カリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属 酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、ア カリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属 ハロゲン化物、希土類金属の酸化物又は希 類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有 錯体、アルカリ土類金属の有機錯体、希土 金属の有機錯体からなる群から選択される なくとも一つの物質を好適に使用すること できる。

 また、より具体的に、好ましい還元性ドー ントとしては、Li(仕事関数:2.9eV)、Na(仕事関 数:2.36eV)、K(仕事関数:2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16e V)及びCs(仕事関数:1.95eV)からなる群から選択 れる少なくとも一つのアルカリ金属や、Ca( 事関数:2.9eV)、Sr(仕事関数:2.0~2.5eV)、及びBa( 事関数:2.52eV)からなる群から選択される少な くとも一つのアルカリ土類金属が挙げられる 仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
 これらのうち、より好ましい還元性ドーパ トは、K、Rb及びCsからなる群から選択され 少なくとも一つのアルカリ金属であり、さ に好ましくは、Rb又はCsであり、最も好まし のは、Csである。

 これらのアルカリ金属は、特に還元能力が く、電子注入域への比較的少量の添加によ 、有機EL素子における発光輝度の向上や長 命化が図られる。また、仕事関数が2.9eV以下 の還元性ドーパントとして、これら2種以上 アルカリ金属の組み合わせも好ましく、特 、Csを含んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、Cs とK、CsとRbあるいはCsとNaとKとの組み合わせ あることが好ましい。
 Csを組み合わせて含むことにより、還元能 を効率的に発揮することができ、電子注入 への添加により、有機EL素子における発光輝 度の向上や長寿命化が図られる。

 本発明においては陰極と有機層の間に絶縁 や半導体で構成される電子注入層をさらに けてもよい。この時、電流のリークを有効 防止して、電子注入性を向上させることが きる。
 このような絶縁体としては、アルカリ金属 ルコゲナイド、アルカリ土類金属カルコゲ イド、アルカリ金属のハロゲン化物及びア カリ土類金属のハロゲン化物からなる群か 選択される少なくとも一つの金属化合物を 用するのが好ましい。電子注入層がこれら アルカリ金属カルコゲナイド等で構成され いれば、電子注入性をさらに向上させるこ ができる点で好ましい。

 具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲ イドとしては、例えば、Li 2 O、LiO、Na 2 S、Na 2 Se及びNaOが挙げられ、好ましいアルカリ土類 属カルコゲナイドとしては、例えば、CaO、B aO、SrO、BeO、BaS、及びCaSeが挙げられる。また 、好ましいアルカリ金属のハロゲン化物とし ては、例えば、LiF、NaF、KF、CsF,LiCl、KCl及びNa Cl等が挙げられる。また、好ましいアルカリ 類金属のハロゲン化物としては、例えば、C aF 2 、BaF 2 、SrF 2 、MgF 2 及びBeF 2 といったフッ化物や、フッ化物以外のハロゲ ン化物が挙げられる。

 また、電子輸送層を構成する半導体として 、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、 Si、Ta、Sb及びZnの少なくとも一つの元素を含 酸化物、窒化物又は酸化窒化物等の一種単 又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
 また、電子輸送層を構成する無機化合物が 微結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であること 好ましい。電子輸送層がこれらの絶縁性薄 で構成されていれば、より均質な薄膜が形 されるために、ダークスポット等の画素欠 を減少させることができる。
 尚、このような無機化合物としては、上述 たアルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ 類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハ ゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン 物等が挙げられる。

(陰極)
 陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金 、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混 物を電極物質とするものが用いられる。こ ような電極物質の具体例としては、ナトリ ム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウ 、リチウム、マグネシウム・銀合金、アル ニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・ リチウム合金、インジウム、希土類金属等が 挙げられる。
 この陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパ タリング等の方法により薄膜を形成させる とにより、作製することができる。

 ここで発光層からの発光を陰極から取り出 場合、陰極の発光に対する透過率は10%より きくすることが好ましい。
 また陰極としてのシート抵抗は数百ω/□以 が好ましく、膜厚は通常10nm~1μm、好ましく 50~200nmである。

(絶縁層)
 有機ELは超薄膜に電界を印可するために、 ークやショートによる画素欠陥が生じやす 。これを防止するために、一対の電極間に 縁性の薄膜層を挿入することが好ましい。
 絶縁層に用いられる材料としては例えば酸 アルミニウム、弗化リチウム、酸化リチウ 、弗化セシウム、酸化セシウム、酸化マグ シウム、弗化マグネシウム、酸化カルシウ 、弗化カルシウム、弗化セシウム、炭酸セ ウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸 珪素、酸化ゲルマニウム、窒化珪素、窒化 ウ素、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、 化バナジウム等が挙げられる。
 これらの混合物や積層物を用いてもよい。

(有機EL素子の作製例)
 以上例示した材料により陽極、正孔注入層 正孔輸送層、発光層、電子注入層等を形成 、さらに陰極を形成することにより有機EL 子を作製することができる。また陰極から 極へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製す ることもできる。

 以下、透光性基板上に陽極/正孔注入層/正 輸送層/発光層/電子輸送層/陰極が順次設け れた構成の有機EL素子の作製例を記載する。
 まず適当な透光性基板上に陽極材料からな 薄膜を1μm以下、好ましくは10~200nmの範囲の 厚になるように蒸着やスパッタリング等の 法により形成して陽極を作製する。
 次に、この陽極上に正孔注入層及び正孔輸 層を設ける。これらの形成は、真空蒸着法 スピンコート法、キャスト法、LB法等の方 により行うことができるが、均質な膜が得 れやすく、かつピンホールが発生しにくい の点から真空蒸着法により形成することが ましい。

 真空蒸着法により正孔注入層及び正孔輸送 を形成する場合、その蒸着条件は使用する 合物、目的とする正孔注入層及び正孔輸送 の結晶構造や再結合構造等により異なるが 一般に蒸着源温度50~450℃、真空度10 -7 ~10 -3 torr、蒸着速度0.01~50nm/秒、基板温度-50~300℃、 膜厚1nm~5μmの範囲で適宜選択することが好ま い。

 次に、正孔輸送層上に発光層を設ける。 光層の形成も、所望の有機発光材料を用い 真空蒸着法、スパッタリング、スピンコー 法、キャスト法等の方法により有機発光材 を薄膜化することにより形成できるが、均 な膜が得られやすく、かつピンホールが発 しにくい等の点から真空蒸着法により形成 ることが好ましい。真空蒸着法により発光 を形成する場合、その蒸着条件は使用する 合物により異なるが、一般的に正孔輸送層 同じような条件範囲の中から選択すること できる。

 次にこの発光層上に電子輸送層を設ける 正孔輸送層、発光層と同様、均質な膜を得 必要から真空蒸着法により形成することが ましい。蒸着条件は正孔輸送層、発光層と 様の条件範囲から選択することができる。

 最後に陰極を積層して有機EL素子を得るこ ができる。
 陰極は金属から構成されるもので、蒸着法 スパッタリングを用いることができる。し し下地の有機物層を製膜時の損傷から守る めには真空蒸着法が好ましい。
 これまで記載してきた有機EL素子の作製は 回の真空引きで一貫して陽極から陰極まで 製することが好ましい。

 尚、本発明の有機EL素子の各層の形成方 は特に限定されない。具体的には、真空蒸 法、分子線蒸着法(MBE法)、又は材料を溶媒に 解かした溶液を使用したディッピング法、ス ピンコーティング法、キャスティング法、バ ーコート法、ロールコート法等の塗布法によ る公知の方法で形成することができる。

 本発明の有機EL素子の各有機層の膜厚は に制限されないが、一般に膜厚が薄すぎる ピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚 ぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪 なるため、通常は数nmから1μmの範囲が好ま い。

 有機EL素子は電極間に電圧を印加すること よって発光する。有機EL素子に直流電圧を印 加する場合、陽極を+、陰極を-の極性にして 5~40Vの電圧を印加すると発光が観測できる 尚、逆の極性で電圧を印加しても電流は流 ず、発光は全く生じない。また、交流電圧 印加した場合には陽極が+、陰極が-の極性に なった時のみ均一な発光が観測される。印加 する交流の波形は任意でよい。
[実施例]

 以下、本発明の有機EL素子用材料及び有機EL 素子について、実施例をもとに詳細に説明す るが、本発明はその要旨を越えない限り実施 例に限定されない。
 尚、各実施例で合成又は使用した化合物の 造を以下に示す。

実施例1[式(A-1)で示される化合物の合成]
(A-1)は以下の合成スキームに従い合成した。

(1)中間体Aの合成
 文献(Organic Letters 7巻, 19号、4229頁)に記載 合成法に従い、合成した3,9-ジブロモーイン デノフルオレンジオン2.2gをアルゴン気流下 、4-(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸2 .1g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラ ウム(0)0.14g、トリス-t-ブチルホスフィン0.091 g、フッ化カリウム1.9g及びトルエン40mlと混合 し、8時間、還流撹拌を行った。冷却後、反 液をろ過し、赤紫色固体を水、メタノール 洗浄した。得られた固体のマススペクトル 定によりM/Z=570にピークが確認された。

(2)(A-1)の合成
 先に合成した中間体A2.0gを塩化メチレン100ml に撹拌、溶解した。フラスコ内をアルゴン雰 囲気にして、食塩-氷浴で溶液温度を-10℃以 に冷却した。その溶液に四塩化チタン2.7gを え、その後、ビストリメチルシリルカルボ イミド8.2gと塩化メチレン40mlの混合液を滴 した。滴下終了後、1時間、冷却を継続した 、4時間、室温で撹拌し、さらに2時間、還 撹拌した。析出した赤紫色固体をろ過し、 タノールで洗浄した。
 さらに本化合物の昇華精製を行い、1.4gを得 た。
 この化合物のIRを測定し、カルボニル基の 収が消失し、新たに2183cm -1 にシアノ基の吸収が観測された。マススペク トル測定によりM/Z=618にピークが確認された
 この化合物をアセトニトリル中に0.01モル/ ットルの濃度で溶解させ、支持電解質とし 過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAP)、 用電極にグラッシーカーボン電極、対極に 金電極、参照電極に銀-塩化銀電極を用い、 イクリック・ボルタンメトリーにより還元 位を測定した。掃引速度0.1V/sで(A-1)の還元 位は-0.3Vであった。
 標準物質としてフェロセン(以下Fcとする)を 同様に測定し、第一酸化電位は0.5Vであり、 のフェロセンの酸化電位を基準とした場合 (A-1)の還元電位は-0.8V(vs Fc + /Fc)であった。

実施例2[式(A-2)で示される化合物の合成]

 先に合成した中間体A1.5g、マロノニトリ 0.35g、ピリジン80mlを加え、90℃で8時間加熱 拌を行った。冷却後、固体をろ過し、水、 タノールで洗浄後、減圧乾燥した。その後 昇華精製を行い、紫色結晶1.2gを得た。

 この化合物のIRを測定し、カルボニル基の 収が消失し、新たに2222cm -1 にシアノ基の吸収が観測された。マススペク トル測定によりM/Z=666にピークが確認された
 この化合物を実施例1と同様にしてサイクリ ック・ボルタンメトリーにより還元電位を測 定した。標準物質としてフェロセン(以下Fcと する)の第一酸化電位を基準とした場合、(A-2) の還元電位は-0.75V(vs Fc + /Fc)であった。

実施例3[式(A-15)で示される化合物の合成]
 下記に示す化合物Bから(A-15)を合成した。

 実施例1の(A-1)の合成において、中間体Aを化 合物B1.1gに変更した以外は同様に操作を行い 化合物(A-15)である橙色固体0.8gを得た
 この化合物のIRを測定した結果、カルボニ 基の吸収が消失し、新たに2181cm -1 にシアノ基の吸収が観測された。マススペク トル測定によりM/Z=366にピークが確認された
 この化合物の還元電位を実施例1と同様にし て測定した結果、-0.7V(vs Fc + /Fc)であった。

実施例4[式(A-16)で示される化合物の合成]

 実施例2の(A-2)の合成において、中間体Aを化 合物B0.8gに変更した以外は同様に操作を行い 化合物(A-16)である橙色固体0.6gを得た。
 この化合物のIRを測定した結果、カルボニ 基の吸収が消失し、新たに2223cm -1 にシアノ基の吸収が観測された。マススペク トル測定によりM/Z=414にピークが確認された
 この化合物の還元電位を実施例1と同様にし て測定した結果、-0.7V(vs Fc + /Fc)であった。

実施例5[式(A-3)で示される化合物の合成]

(1)中間体Cの合成
 3,9-ジブロモーインデノフルオレンジオン2.4 gをアルゴン気流下で、3,5-ビス(トリフルオロ メチル)フェニルボロン酸3.4g、テトラキス(ト リフェニレンホスフィン)パラジウム(0)0.23g、 2M炭酸ナトリウム20ml、及びトルエン130mlと混 し、12時間、還流撹拌を行った。冷却後、 応液をろ過し、水、メタノールで洗浄して 中間体Cである赤紫色固体を3.5gを得た。
 得られた固体のマススペクトル測定によりM /Z=706にピークが確認された。

(2)(A-3)の合成
 実施例1の(A-1)の合成において、中間体Aを中 間体C2.4gに変更した以外は同様な操作を行い (A-3)を1.5g得た。この化合物のIRを測定した 果、カルボニル基の吸収が消失し、新たに21 82cm -1 にシアノ基の吸収が観測された。マススペク トル測定によりM/Z=754にピークが確認された
 この化合物の還元電位を実施例1と同様にし て測定した結果、-0.65V(vs Fc + /Fc)であった。

実施例6[式(A-4)で示される化合物の合成]

 実施例2の(A-2)の合成において、中間体Aを中 間体C1.8gに変更した以外は同様に操作を行い 化合物(A-4)である橙色固体1.2gを得た。
 この化合物のIRを測定した結果、カルボニ 基の吸収が消失し、新たに2223cm -1 にシアノ基の吸収が観測された。マススペク トル測定によりM/Z=802にピークが確認された
 この化合物の還元電位を実施例1と同様にし て測定した結果、-0.6V(vs Fc + /Fc)であった。

実施例7[式(A-38)で示される化合物の合成]

(1)中間体Dの合成
 3,9-ジブロモーインデノフルオレンジオン3.0 gをアルゴン気流下で、4-フルオロ-3-(トリフ メチル)フェニルボロン酸3.3g、テトラキス( リフェニレンホスフィン)パラジウム(0)0.29g 2M 炭酸ナトリウム 25ml、及びトルエン160ml 混合し、12時間、還流撹拌を行った。冷却後 、反応液をろ過し、水、メタノールで洗浄し て、中間体Dである赤紫色固体を3.7gを得た。 られた固体は、マススペクトル測定によりM /Z=606にピークが確認された。

(2)(A-38)の合成
 合成した中間体D2.7gとマロノニトリル0.73g、 ピリジン67mlを加え、80℃で7時間、加熱撹拌 行った。固体をろ過し、水、メタノールで 浄後、減圧乾燥した。その後、昇華精製を い、化合物(A-38)である紫色結晶1.7gを得た。
 得られた化合物のIRを測定した結果、カル ニル基の吸収が消失し、新たに2185cm -1 にシアノ基の吸収が観測された。また、マス スペクトル測定によりM/Z=702にピークが確認 れた。
 この化合物の還元電位を実施例1と同様にし て測定した結果、-0.75V(vs Fc + /Fc)であった。

[有機EL素子]
実施例8
 25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極付きガラス基 (ジオマティック社製)をイソプロピルアルコ ール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオ ゾン洗浄を30分間行なった。

 洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板 真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、ま 透明電極ラインが形成されている側の面上 前記透明電極を覆うようにして膜厚60nmで、 実施例2で合成した式(A-2)で表される化合物及 び下記式(C-1)で表される化合物を、2:98(モル )の比になるように成膜した。この混合膜は 正孔注入層として機能する。

 続けて、この混合膜上に膜厚20nmで、下記 式で示す化合物(HTM-1)の層を成膜した。この は正孔輸送層として機能する。

 さらに膜厚40nmのEM1を蒸着し成膜した。同 時に発光分子として、下記のスチリル基を有 するアミン化合物D1を、EM1とD1の重量比が40:2 なるように蒸着した。この膜は、発光層と て機能する。

 この膜上に膜厚10nmのAlq膜を成膜した。こ れは、電子注入層として機能する。この後、 還元性ドーパントであるLi(Li源:サエスゲッタ ー社製)とAlqを二元蒸着させ、電子注入層(陰 )としてAlq:Li膜(膜厚10nm)を形成した。このAlq :Li膜上に金属Alを蒸着させ金属陰極を形成し 機EL素子を形成した。

 電流密度10mA/cm 2 における駆動電圧と、初期輝度1000nit、室温 DC定電流駆動での発光の半減寿命を測定した 結果を表1に示す。

実施例9
 実施例8において、正孔注入層に実施例6で 成した(A-4)のみを用い、その膜厚を10nmとし 正孔輸送層である(HTM-1)の膜厚を70nmとした以 外は同様に有機EL素子を形成し、評価した。 果を表1に示す。

実施例10
 実施例9において、正孔注入層に実施例7で 成した(A-38)のみを用いた以外は同様に有機EL 素子を形成し、評価した。結果を表1に示す

実施例11
 実施例9において、正孔注入層に実施例5で 成した(A-3)のみを用いた以外は同様に有機EL 子を形成し、評価した。結果を表1に示す。

実施例12
 実施例9において、正孔注入層に実施例1で 成した(A-1)のみを用いた以外は同様に有機EL 子を形成し、評価した。結果を表1に示す。

実施例13
 実施例9において、正孔注入層に実施例2で 成した(A-2)のみを用いた以外は同様に有機EL 子を形成し、評価した。結果を表1に示す。

比較例1
 実施例8において、正孔注入層を式(C-1)で示 れる化合物単独で成膜した以外は、同様に 機EL素子を形成し、評価した。結果を表1に す。
 比較例1の有機EL素子は駆動時間が5000時間経 過した際の電圧上昇が1V以上であったのに対 、実施例8~13の有機EL素子は電圧上昇がいず も0.5V以下であり、電圧上昇が抑制されてい ることが分かった。

比較例2
 実施例9において、正孔注入層を化合物B(2,7- ジフルオロインデノフルオレンジオン)単独 成膜した以外は、同様に有機EL素子を形成し 、評価した。その結果、得られた有機EL素子 リーク電流が大きく、また均一な発光が得 れなかった。これは、化合物Bの結晶化の影 響、及びキノン構造であるためにアクセプタ ーが不足していること等によるものと考えら れる。

 本発明の有機EL素子用材料は、有機EL素子の 構成材料、特に、正孔輸送層、正孔注入層の 材料として好適である。また、電子写真感光 体の電荷輸送材料としても用いることができ る。
 本発明の有機EL素子は、平面発光体やディ プレイのバックライト等の光源、携帯電話 PDA、カーナビゲーション、車のインパネ等 表示部、照明等に好適に使用できる。
 この明細書に記載の文献内容をここに援用 る。




 
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