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Patent Searching and Data


Title:
PAPER SEAL, SEALING METHOD, AND SEALED ARTICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/084522
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a paper seal comprising a stretched thermoplastic resin film comprising a surface layer (a), a base layer (b) and a layer (c) for receiving an aqueous adhesive agent which has a water absorption level of 2 to 25 ml/m2, wherein the stretched thermoplastic resin film has a void ratio of 20 to 50% and a 120˚-opening time by bending repulsion of 20 to 70 seconds.The paper seal can adhere in a flat state without being curled by environmental influence during labeling or by the influence of seasonal variation, and can be peeled off completely.

Inventors:
KIMURA KAZUYUKI (JP)
TAMAUCHI HIROMITSU (JP)
UCHINO RYOUICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/001493
Publication Date:
July 17, 2008
Filing Date:
December 28, 2007
Export Citation:
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Assignee:
YUPO CORP (JP)
KIMURA KAZUYUKI (JP)
TAMAUCHI HIROMITSU (JP)
UCHINO RYOUICHI (JP)
International Classes:
B65D5/66; B32B27/00; B65D27/28; B65D53/00; B65D77/20; G09F3/03
Foreign References:
JPH11348192A1999-12-21
JPH0232567Y21990-09-04
JP2004068017A2004-03-04
JP2002370772A2002-12-24
JPH05305976A1993-11-19
JPH06239375A1994-08-30
JPH0232567B21990-07-20
JPH07300568A1995-11-14
JPH10212367A1998-08-11
Other References:
See also references of EP 2100724A4
Attorney, Agent or Firm:
SIKs & Co. (Kyobashi-Nisshoku Bldg. 8-7, Kyobashi1-chome, Chuo-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 表面層(a)、基材層(b)及び吸水量が2~25ml/m 2 の水系接着剤受容層(c)を含む熱可塑性樹脂延伸フィルムからなる封緘紙であって、熱可塑性樹脂延伸フィルムの空孔率が20~50%であり、且つ折曲反発力による120°開放時間が20~70秒である封緘紙。
 前記熱可塑性樹脂延伸フィルムの水蒸気透過率が0~10g/m 2 /24hであることを特徴とする請求項1に記載の封緘紙。
 前記基材層(b)の空孔率が20~50%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の封緘紙。
 前記水系接着剤受容層(c)の表面強度が0.8~2.0kg-cmかつ初期接着力が200~600gであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の封緘紙。
 前記表面層(a)が熱可塑性樹脂(A)20~100重量%を含み、前記基材層(b)が熱可塑性樹脂(A)20~80重量%と、無機微細粉末(B)及び有機フィラー(B’)の少なくとも1種類80~20重量%とを含み、かつ、前記水系接着剤受容層(c)が熱可塑性樹脂(A)25~50重量%と、無機微細粉末(B)75~50重量%とを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の封緘紙。
 前記水系接着剤受容層(c)に含まれる前記無機微細粉末(B)が、表面処理剤(C)により親水化処理されていることを特徴とする請求項5に記載の封緘紙。
 請求項1~6のいずれか一項に記載の封緘紙を物品の開口部に水系接着剤を用いて貼着する工程を有することを特徴とする物品の封緘方法。
 請求項1~6のいずれか一項に記載の封緘紙が物品の開口部に水系接着剤で貼着されていることを特徴とする封緘物。
 前記開口部が紙で形成されていることを特徴とする請求項8に記載の封緘物。
 前記開口部がカートン紙で形成されていることを特徴とする請求項8に記載の封緘物。
 前記物品が吸湿性材料を入れた容器であることを特徴とする請求項8~10のいずれか一項に記載の封緘物。
 前記吸湿性材料が粉末洗剤であることを特徴とする請求項11に記載の封緘物。
Description:
封緘紙、封緘方法及び封緘物

 本発明は、物品の開口部に貼着するための 緘紙、その封緘紙を用いた封緘方法、及び の封緘紙を用いて開口部を封緘した封緘物 関するものである。本発明の封緘紙は物品 部の吸湿性材料、例えば粉末飲料(インスタ ントコーヒー、インスタント紅茶、粉末ココ ア、粉末ジュース、粉末ドリンク等)、乾燥 ープ、即席味噌汁、即席しるこ、お茶漬け 元、焼菓子(ビスケット、せんべい等)、スナ ック菓子(コーン系菓子、ポテトチップ等)、 (キャンデー、ドロップ等)、干菓子(落雁、 形ラムネ等)、乾麺(スパゲティ、そうめん )、即席麺(即席中華麺、即席うどん、スナッ クめん等)、製粉(小麦粉、米粉、マッシュポ ト等)、穀類加工品(パン粉、麩等)、砂糖(白 砂糖、黒砂糖、上白糖、三温糖等)、粉乳(粉 ルク、全粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー )、乾燥肉(ジャーキー等)、乾燥魚介類(ふか ひれ、干しエビ、干し貝、鰹節、煮干し、じ ゃこ、スルメ等)、乾燥野菜(かんぴょう、干 大根、干し椎茸、干し芋等)、ドライフルー ツ(レーズン、イチジク、プルーン、クコの 等)、海藻(寒天、海苔、昆布、乾燥ワカメ等 )、茶(緑茶、抹茶、紅茶、烏龍茶等)、その他 乾物(乾燥ゆば、高野豆腐、焼麩等)、調味料 香辛料等の乾燥食品、医薬品、及び粉末洗 、除湿剤、乾燥剤、粉末入浴剤等の生活用 を入れた容器等物品の開口部を確実に密封 て、内容物である吸湿性材料を防湿するた 等に用いることができる。
 また、本発明の封緘紙は、例えばカレー、 物、納豆等のにおいのある食品を入れた容 の開口部を確実に密封して、内容物である 品のにおいが外に漏れないようにするため に用いることができる。また、本発明の封 紙は、例えば調味料、香辛料、ソース、そ 他飲食品や嗜好品関係の内容物を格納した 器の密封性を確保して、内容物の腐敗や劣 の防止に用いることができる。さらにまた 本発明の封緘紙は、例えば医療用器具や、 ルス培養物等を格納した容器の開口部を確 に密封して、内容物に雑菌が混入しないよ にすることができる。

 従来、物品の開口部を封緘紙で覆ってお 、必要に応じて封緘紙を剥離して開口部を 放することがなされている。例えば、イン タントコーヒーや洗剤等の粉体を充填した 器の開口部に封緘紙を貼着しておき、その 緘紙を剥離することにより開口部を通して 体を取り出すことが行われている。通常の 緘は、封緘紙の裏面に糊を付着して、この 緘紙を容器本体の開口部端面に載置するこ によりなされている。そして、一般的なイ スタントコーヒーの容器では、容器本体に 合嵌着する蓋体があり、一般的な粉末洗剤 容器では、容器本体にヒンジにて連結され 蓋体があり、その蓋体が封緘紙で封緘した 口部全体を覆う構造となっている。

 上述の封緘紙には、例えば、プラスチック ィルム/紙や、プラスチックフィルム/アル 箔/紙等の層構成を有するもの(これを「従来 の層構成1」という)や、紙/プラスチックフィ ルム/紙の層構成を有するもの(これを「従来 層構成2」という)がある。従来の層構成1の 体例として、厚さ25μmの延伸ポリプロピレ (OPP)/坪量15g/m 2 のワックス及び坪量26g/m 2 のグラシン紙の層構成を有する封緘紙や、防 湿セロファン/厚さ20μmのLDPE/坪量25g/m 2 のグラシン紙の層構成を有する封緘紙を挙げ ることができる。また、従来の層構成2の具 例として、坪量25g/m 2 のグラシン紙/厚さ20μmのLDPE/坪量25g/m 2 のグラシン紙の層構成を有する封緘紙を挙げ ることができる。これらはグラシン紙側を開 口部に貼着するものである(特許文献1)。

実公平2-32567号公報

 上述の封緘紙による封緘は、封緘紙の接着 に接着剤を付着して、封緘紙用のラベリン マシンを使用して容器等の物品の開口部を 覆するように貼合することにより行ってい 。しかしながら、従来の層構成1による封緘 紙をこのような工程で封緘した場合、封緘紙 の層構成の厚さ方向の対称性が悪いために、 マシン貼合時に封緘紙がカールしてしまう。 また、従来の層構成2による封緘紙を封緘し 場合、紙部分が湿気により吸湿することか 、紙の膨張により封緘紙にカールが発生し しまう。いずれの場合も、封緘紙を用いて 器等を封緘しながら生産する場合、カール 生によるラベリングトラブルで歩留まりが 化しやすい。
 このような問題に対処するために、天然紙 代替としてフィルムを使用することが考え れる。しかしながら、フィルムを使用する 、現行の水系接着剤で接着しようとしても 乾燥性が悪くて生産時に時間が掛かったり 貼合された封緘紙が貼合箇所からズレてし ったり、完全密封できなくなったりするな の問題が生じる。
 また現行の封緘紙は、剥離時(開封時)に封 紙の端部を摘んで剥離するが、封緘紙が綺 に剥がれないため、剥離後の開口部の見栄 が悪くなるという問題も生じている。

 そこで本発明者らは、このような従来技術 課題を解決するために、ラベリング時の環 (湿度、温度など)や季節変動の影響により ールすることなくフラットな状態で貼合す ことができ、さらに綺麗に剥離することが きる封緘紙を提供することを本発明の目的 して設定した。
 本発明者らは鋭意に研究を重ね、折性に優 かつ吸水性を有する熱可塑性樹脂延伸フィ ムを開発することで、水系接着剤貼合性と 離性を併せて改善した封緘紙を完成するに った。すなわち、課題を解決する手段とし 、以下の本発明を提供するに至った。

[1] 表面層(a)、基材層(b)及び吸水量が2~25ml/m 2 の水系接着剤受容層(c)を含む熱可塑性樹脂延 伸フィルムからなる封緘紙であって、熱可塑 性樹脂延伸フィルムの空孔率が20~50%であり、 且つ折曲反発力による120°開放時間が20~70秒 ある封緘紙。
[2] 前記熱可塑性樹脂延伸フィルムの水蒸気 過率が0~10g/m 2 /24hであることを特徴とする[1]に記載の封緘 。
[3] 前記基材層(b)の空孔率が20~50%であること 特徴とする[1]又は[2]に記載の封緘紙。
[4] 前記水系接着剤受容層(c)の表面強度が0.8~ 2.0kg-cmかつ初期接着力が200~600gであることを 徴とする[1]~[3]のいずれか一項に記載の封緘 。
[5] 前記表面層(a)が熱可塑性樹脂(A)20~100重量% を含み、前記基材層(b)が熱可塑性樹脂(A)20~80 量%と、無機微細粉末(B)及び有機フィラー(B )の少なくとも1種類80~20重量%とを含み、か 、前記水系接着剤受容層(c)が熱可塑性樹脂(A )25~50重量%と、無機微細粉末(B)75~50重量%とを むことを特徴とする[1]~[4]のいずれか一項に 載の封緘紙。
[6] 前記水系接着剤受容層(c)に含まれる前記 機微細粉末(B)が、表面処理剤(C)により親水 処理されていることを特徴とする[5]に記載 封緘紙。

[7] [1]~[6]のいずれか一項に記載の封緘紙を 物品の開口部に水系接着剤を用いて貼着する 工程を有することを特徴とする物品の封緘方 法。

[8] [1]~[6]のいずれか一項に記載の封緘紙が物 品の開口部に水系接着剤で貼着されているこ とを特徴とする封緘物。
[9] 前記開口部が紙で形成されていることを 徴とする[8]に記載の封緘物。
[10] 前記開口部がカートン紙で形成されてい ることを特徴とする[8]に記載の封緘物。
[11] 前記物品が吸湿性材料を入れた容器であ ることを特徴とする[8]~[10]
のいずれか一項に記載の封緘物。
[12] 前記吸湿性材料が粉末洗剤であることを 特徴とする[11]に記載の封緘物。

 本発明の封緘紙は、温度変化や湿度変化 どの環境変化によるカール変形が大幅に抑 られている。また、本発明の封緘方法によ ば、このような封緘紙を物品の開口部に容 に貼着することができる。さらに、本発明 封緘物は、封緘紙を剥離したときに開口部 封緘紙が残らない。

 以下において、本発明の封緘紙について 細に説明する。以下に記載する構成要件の 明は、本発明の代表的な実施態様に基づい なされることがあるが、本発明はそのよう 実施態様に限定されるものではない。なお 本明細書において「~」を用いて表される数 値範囲は、「~」の前後に記載される数値を 限値及び上限値として含む範囲を意味する

封緘紙の特性
 本発明の封緘紙は、温度変化や湿度変化な の環境変化によるカール変形が大幅に抑え れている。これは、本発明品が従来の層構 を有する封緘紙とは異なり、熱可塑性樹脂 ィルムのみから構成するものであり、対称 が保たれているからである。また、本発明 封緘紙全体は樹脂フィルムで構成された積 体であるので、水蒸気(水分)を始めとする 種ガスの透過性を容易に調整でき、透過を えることができる。
 本発明の封緘紙は、内部、特に芯となる基 層(b)に空孔を持たせることにより、適度な 曲反発力を有している。この折曲反発力は 環境変化によるカール変形を抑えると同時 、外力による変形を抑えるのに有用である 例えば容器等の物品より内容物の一部を取 出したいときに、封緘紙を折り曲げて開口 を作る。この時、折曲反発力が小さすぎる 折り曲げた開口部が元に戻らず、本来目的 ある封緘の効果が得られなくなる。逆に折 反発力が大きすぎると、開口部からの内容 取り出しが困難になる。
 本発明の封緘紙は、本来吸湿性の無い熱可 性樹脂フィルムからなるが、水系接着剤を いて、物品の開口部に容易に貼着すること できる。このことは、本発明品が吸水量が2 ~25ml/m 2 の水系接着剤受容層(c)を含むためである。水 系接着剤受容層(c)には水系接着剤が適用可能 である。また、水系接着剤受容層(c)は水分に より膨潤しないのでカールの原因ともならな い。
 本発明の封緘紙は貼着後に、物品より封緘 を剥離したときに開口部に封緘紙が残りに い。このことは、水系接着剤受容層(c)が適 な内部凝集力を有しているので、材料破壊 起こりにくいためである。

[折曲反発力による120°開放時間]
 本発明の封緘紙は、表面層(a)、基材層(b)及 吸水量が2~25ml/m 2 の水系接着剤受容層(c)を含む熱可塑性樹脂延 伸フィルムであって、折曲反発力による120° 放時間が20~70秒であることを特徴とする。
 本願における「折曲反発力による120°開放 間」は、熱可塑性樹脂延伸フィルムから10cm 10cmに切り出した試験片を2つ折りして1kg加重 下で30秒静置した後、加重を取り除いてから 験片が開いて120°の角度に達するまでの時 を測定して求める。ここでいう角度は、2つ りしたときの屈曲点と、その屈曲点から最 遠い位置にある2つの端部(当該2つの端部は 放するにしたがって互いに遠ざかる関係に る)との間に形成される角度をいう。

 本発明の封緘紙の折曲反発力による120° 放時間は、20~60秒であることが好ましく、20~ 50秒であることがより好ましく、20~45秒であ ことがさらに好ましい。折曲反発力による 放時間が20秒未満である場合は、封緘紙をカ ートン容器等の開口部に貼合する際に封緘紙 が開口部側面から浮いてしまうという問題が ある。また戻りが速いために、内容物を取り 出す際に不具合を起こす可能性がある。折曲 反発力による開放時間が70秒を超える場合は 封緘紙の戻りが遅いために、手で抑える等 別の処置が必要となり、封緘の効果を十分 発揮できない可能性がある。

 封緘紙の折曲反発力による120°開放時間 、例えば熱可塑性樹脂延伸フィルムの空孔 を調整することによって20~70秒に調節するこ とができる。中でも、前記基材層(b)の空孔率 によって調整することが好ましい。

[水蒸気透過率]
 本発明の封緘紙を構成する熱可塑性樹脂延 フィルムの水蒸気透過率(カップ法(JIS-Z-0208) に準拠して測定)は、0~10g/m 2 /24hであることが好ましく、1~9.5g/m 2 /24hであることがより好ましく、2~8g/m 2 /24hであることがさらに好ましい。10g/m 2 /24h以下であれば、物品内容物(例えば粉末洗 )が吸湿・凝集しにくいため、内容物の機能 を維持しやすい。水蒸気透過率は、例えば熱 可塑性樹脂延伸フィルムの樹脂材料や、空孔 率、厚さによって調整することができる。

[初期接着力]
 さらに、本発明の封緘紙を、水系接着剤を 用して、カートン容器等の物品の開口部に 着した場合の初期接着力は、200~600gである とが好ましく、220~600gであることがより好ま しく、220~580gであることがさらに好ましい。 期接着力は、例えば用いる水系接着剤の種 を選択したり、塗工量を調整したり、水系 着剤受容層(c)の吸水量や表面強度を調整す ことによって、調節することができる。こ 接着力は特に、使用用途や封緘紙の表面強 特性に併せて調節することが好ましい。

[空孔率]
 本発明の封緘紙を構成する熱可塑性樹脂延 フィルムの空孔率は20~50%であることを特徴 する。25~50%であることが好ましく、30~50%で ることがより好ましい。本発明の熱可塑性 脂延伸フィルムの空孔率が20%以上であれば カートン容器等の物品の開口部に貼合せる に、基材折り曲げ方向と反対方向に強い反 力が働くことがないため、カールは発生せ 開口部の側面に接着して密封しやすい。結 として、カール発生によるラベリングトラ ルも抑えられる。また、空孔率が50%以下で れば、フィルム生産時に延伸割れが発生し くいため、より安定した生産を行いやすい

 特に熱可塑性樹脂延伸フィルムを構成す 基材層(b)の空孔率が20~50%であることが好ま く、30~48%であることがより好ましい。基材 (b)の空孔率が高いほど、折り目がつき易く 反発力がなくなり、カールは発生しづらく 全な密封が可能である。しかし、あまり反 力が無く折り目がつき易いものでは、使用 (内容物取出時)に元に戻らず、開封後の内 物吸湿の恐れが高くなる。またフィルムを 定に生産するためや、フィルムの水蒸気透 率を低く調整するためには空孔率は50%以下 あることが好ましい。空孔率は、無機微細 末や有機フィラーの含有量と延伸倍率を調 することにより制御することができる。

 内部に空孔があることは、断面を電子顕微 で観察することにより確かめることができ 。空孔率は、断面の電子顕微鏡写真を撮影 、その写真に撮影された断面領域内に占め 空孔の面積割合(%)を求めることにより得ら る。具体的には、熱可塑性樹脂延伸フィル をエポキシ樹脂で包埋して固化させた後、 クロトームを用いて例えばフィルムの厚さ 向に対して平行(すなわち面方向に垂直)な 断面を作製し、この切断面をメタライジン した後、走査型電子顕微鏡で観察しやすい 意の倍率(例えば500倍~2000倍)に拡大して観察 、さらに空孔部分をトレーシングフィルム トレースし塗りつぶした図を画像解析装置( ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処 を行い、測定範囲を占める空孔の面積割合(% )を求めて空孔率(%)とすることができる。
 多層構造である熱可塑性樹脂延伸フィルム 、各層ごとに上記方法により空孔率(%)を求 ることができる。従って、基材層(b)の空孔 も同様に求めることができる。

[吸水量]
 本発明の封緘紙を構成する水系接着剤受容 (c)は、吸水量が2~25ml/m 2 であることを特徴とする。該吸水量は10~25ml/m 2 であることが好ましい。吸水量が2~25ml/m 2 であれば、容器等の物品に高速で封緘紙を貼 合することができ、また、貼合時の初期接着 力を保持することができる。2ml/m 2 未満では、水系接着剤の乾燥が遅延するため 貼合時に所望の初期接着力が得られず、封緘 紙のズレが生じてしまう。また、25ml/m 2 を超えると、水系接着剤塗工後の接着剤の乾 燥が速すぎるため、物品貼着時には既に乾い てしまい、所望の初期接着力が得られない。 水系接着剤受容層(c)の吸水量は、例えば水系 接着剤受容層(c)の無機微細粉末(B)の配合量や 、同無機微細粉末(B)への親水化処理の有無、 水系接着剤受容層(c)の厚さを調整することに よって調節することができる。

[表面強度]
 容器等の物品より、封緘紙を剥離した時に 封緘紙の貼合面が材料破壊して容器に接着 が残ることが無いようにするためには、封 紙の水系接着剤受容層(c)の表面強度が所定 範囲内にあることが好ましい。具体的には 封緘紙の水系接着剤受容層(c)側の表面に粘 テープ(ニチバン(株)製、商品名「セロテー (登録商標)」、品番:「CT-18」)を空気が入ら いように貼着し、JAPAN TAPPI No.18-2に記載の 法に準拠し、インターナルボンドテスター( 熊谷理機工業(株)製)にて粘着テープを剥離す る際の強度を測定した結果が0.8~2.0kg-cmである ことが好ましく、1.0~1.8kg-cmであることがより 好ましい。0.8kg-cm以上であれば、容器から封 紙を剥離する際に封緘紙の材料破壊が起こ にくく、容器に封緘紙の材料が残存しにく 。2.0kg-cm以下であれば、水系接着剤受容層(c )に充分な吸水性能を発現させることができ ため、貼合時に所望の初期接着力が得られ すい。水系接着剤受容層(c)の表面強度は、 えば水系接着剤受容層(c)における無機微細 末(B)の配合量や延伸倍率を調整することに って調節することができる。
 通常、上記の吸水量と表面強度とは増減相 する傾向があるが、用途の要求に応じて調 すれば良い。

封緘紙の構成材料
[熱可塑性樹脂]
 本発明の封緘紙に使用される熱可塑性樹脂 伸フィルムは、熱可塑性樹脂を含むもので る。使用できる熱可塑性樹脂としては、高 度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低 度ポリエチレン等の結晶性エチレン系樹脂 結晶性プロピレン系樹脂、ポリメチル-1-ペ テン等の結晶性ポリオレフィン系樹脂、ナ ロン-6、ナイロン-6,6、ナイロン-6,10、ナイ ン-6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン テレフタレートやその共重合体、ポリエチレ ンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱 可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネー ト、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニ アルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポ 塩化ビニリデン、アタクティックポリスチ ン、シンジオタクティックポリスチレン、 リフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂 挙げられる。これらは2種以上混合して用い こともできる。
 これらの中でも、水蒸気透過率や耐水性、 薬品性、生産コスト等の観点より、結晶性 リオレフィン系樹脂を用いることが好まし 、結晶性プロピレン系樹脂を用いることが り好ましい。結晶性ポリオレフィン系樹脂 、結晶性を示すものである。樹脂のX線回折 法による結晶化度は、通常20%以上が好ましく 、35~75%がより好ましい。結晶性を示さないも のは、延伸により熱可塑性樹脂フィルム表面 に空孔(開口)が十分に形成されない。該結晶 度はX線回折、赤外線スペクトル分析等の方 法によって測定することができる。
 結晶性プロピレン系樹脂としては、プロピ ンを単独重合させたアイソタクティック重 体又はシンジオタクティック重合体を用い ことが好ましい。また、エチレン、1-ブテ 、1-ヘキセン、1-ヘプテン、4-メチル-1-ペン ン等のα-オレフィンとプロピレンとを共重 させた様々な立体規則性を有するプロピレ を主成分とする共重合体を使用することも きる。共重合体は2元系でも3元系以上の多元 系でもよく、またランダム共重合体でもブロ ック共重合体でもよい。

[無機微細粉末(B)及び有機フィラー(B’)]
 本発明の封緘紙を構成する熱可塑性樹脂延 フィルムに使用することができる無機微細 末(B)としては、重質炭酸カルシウム、軽質 酸カルシウム、焼成クレー、タルク、酸化 タン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグ シウム、珪藻土、酸化珪素などの無機微細 末、無機微細粉末の核の周囲にアルミニウ 酸化物ないしは水酸化物を有する複合無機 細粉末、中空ガラスビーズ、さらに後記す 表面処理剤(C)により親水化処理された無機 細粉末(B)等を例示することができる。中で 重質炭酸カルシウム、焼成クレー、珪藻土 、安価で延伸時に多くの空孔を形成させる とができ、空孔率の調整が容易なために好 しい。

 また有機フィラー(B’)としては、空孔形 の目的のために、上記の熱可塑性樹脂より 融点又はガラス転移温度が高くて非相溶性 樹脂から選択して用いることが好ましい。 体例としては、ポリエチレンテレフタレー 、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミ 、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタ ート、ポリスチレン、アクリル酸エステル いしはメタクリル酸エステルの重合体や共 合体、メラミン樹脂、ポリエチレンサルフ イト、ポリイミド、ポリエチルエーテルケ ン、ポリフェニレンサルファイド、環状オ フィンの単独重合体及び環状オレフィンと チレンなどとの共重合体(COC)等を例示する とができる。上記熱可塑性樹脂として結晶 ポリオレフィン系樹脂を使用する場合には 有機フィラー(B’)として、特に、ポリエチ ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ ート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポ エチレンナフタレート、ポリスチレン、環 オレフィンの単独重合体及び環状オレフィ とエチレンなどの共重合体(COC)より選択して 用いることが好ましい。

[表面処理剤(C)により親水化処理された無機 細粉末(B)]
 本発明の表面処理剤(C)による無機微細粉末( B)の親水化処理は、無機化合物を湿式粉砕す 際に平均分子量1,000~150,000の水溶性アニオン 又はカチオンないし非イオン系高分子界面活 性剤で処理することによって行うことができ る。また、無機化合物を湿式粉砕する際にア ニオン、カチオン又は非イオン帯電防止剤で 処理することによって行うこともできる。こ れらの処理は2段階で両方とも行ってもよい 親水化処理した無機微細粉末の好ましい例 して、特開平7-300568号公報に記載されるもの を挙げることができる。

層構成
 本発明の封緘紙に使用できる熱可塑性樹脂 伸フィルムは少なくとも表面層(a)、基材層( b)、及び水系接着剤受容層(c)を含む多層構造 ある。このものは、例えば表面層(a)と基材 (b)の間、又は基材層(b)と水系接着剤受容層( c)の間に更に他の熱可塑性樹脂フィルム層を んでもよい。
 上記他の熱可塑性樹脂フィルム層は、本発 の封緘紙の機能をより向上し、または新た 機能を追加するために設けるものである。 記他の熱可塑性樹脂フィルム層としては、 えば、ガスバリア性を向上させるためにポ アミド、ポリビニルアルコール、エチレン- ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリ デン等の樹脂の層、または銀、アルミニウム 、酸化ケイ素、酸化アルミナ等を蒸着した樹 脂フィルム、におい物質のバリア性を向上さ せるためのポリエチレンテレフタレート、ポ リカーボネート等の樹脂の層等である。
 本発明の封緘紙には両面にそれぞれ印刷や 字を施してもよい。封緘紙の表面には商品 を始めとする各種情報を印刷や印字するこ ができる。封緘紙の裏面には開封後に確認 きる各種情報を印刷や印字することができ 。

[表面層(a)]
 本発明の熱可塑性樹脂延伸フィルムに含ま る表面層(a)は、熱可塑性樹脂延伸フィルム 厚さ方向の対称性を確保し、カールを防止 るために設けると同時に、各種情報を印刷 印字可能な層であり、オフセット印刷、グ ビア印刷、フレキソ印刷など一般的な印刷 行うことができる。
 本発明の熱可塑性樹脂延伸フィルムに含ま る表面層(a)は、好ましくは熱可塑性樹脂(A)2 0~100重量%と、無機微細粉末(B)及び有機フィラ ー(B’)の少なくとも1種類80~0重量%とを含み、 さらに好ましくは熱可塑性樹脂(A)30~70重量%と 、無機微細粉末(B)及び有機フィラー(B’)の少 なくとも1種類70~30重量%とを含み、特に好ま くは熱可塑性樹脂(A)40~60重量%と、無機微細 末(B)及び有機フィラー(B’)の少なくとも1種 60~40重量%とを含む。
 表面層(a)の厚さは、3~25μmであることが好ま しく、4~20μmであることがより好ましく、5~15 mであることがさらに好ましい。

[基材層(b)]
 本発明の熱可塑性樹脂延伸フィルムに含ま る基材層(b)は、内部に空孔を持つことによ 、封緘紙に適度な折曲反発力を与えるもの ある。またフィルムの延伸成形の際に芯材 して用いうるものである。
 本発明の熱可塑性樹脂延伸フィルムに含ま る基材層(b)は、好ましくは熱可塑性樹脂(A)5 0~90重量%と、無機微細粉末(B)及び有機フィラ (B’)の少なくとも1種類50~10重量%とを含み、 さらに好ましくは熱可塑性樹脂(A)55~85重量%と 、無機微細粉末(B)及び有機フィラー(B’)の少 なくとも1種類45~15重量%とを含み、特に好ま くは熱可塑性樹脂(A)60~80重量%と、無機微細 末(B)及び有機フィラー(B’)の少なくとも1種 40~20重量%とを含む。
 基材層(b)の厚さは、10~200μmであることが好 しく、20~140μmであることがより好ましく、3 0~80μmであることがさらに好ましい。

[水系接着剤受容層(c)]
 本発明の熱可塑性樹脂延伸フィルムに含ま る水系接着剤受容層(c)は、その表面より一 範囲の量の水分を吸収できるので、水系接 剤が適用可能であり、容器等の物品への封 の機能を発現できるものである。
 本発明の熱可塑性樹脂延伸フィルムに含ま る水系接着剤受容層(c)は、熱可塑性樹脂(A)2 5~75重量%、無機微細粉末(B)75~25重量%を含み、 ましくは熱可塑性樹脂(A)30~50重量%、無機微 粉末(B)70~50重量%を含む。
 水系接着剤受容層(c)には、吸水性を向上さ るため、上記の表面処理剤(C)により親水化 理された無機微細粉末(B)を使用することが ましい。水系接着剤受容層(c)の親水性が増 ことにより、水系接着剤受容層(c)への水系 着剤等の接着性や乾燥性が良好になる。
 水系接着剤受容層(c)の厚さは、3~25μmである ことが好ましく、4~20μmであることがより好 しく、5~20μmであることがさらに好ましい。

[添加剤]
 必要に応じて表面層(a)、基材層(b)及び水系 着剤受容層(c)には、熱安定剤、紫外線安定 、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、核剤 滑剤、着色剤等の添加剤を配合してもよい これらは各層に0.01~3重量%の割合で配合する のが好ましい。

封緘紙の製造方法
 本発明の封緘紙は、当業者に公知の種々の 法を組み合わせることによって製造するこ ができる。いかなる方法により製造された 緘紙であっても、請求項に記載された条件 満たすものである限り本発明の範囲内に包 される。

[各層の形成]
 熱可塑性樹脂延伸フィルムを構成する基材 (b)と表面層(a)は、熱可塑性樹脂、無機微細 末(B)及び/又は有機フィラー(B’)を所定の割 合で混合し、押出し等の方法により製膜し、 熱可塑性樹脂の融点より低い温度(好ましく 5~60℃低い温度)で1軸方向又は2軸方向に延伸 行うことにより得られる。延伸は製膜中に ってもよい。

 熱可塑性樹脂延伸フィルムを構成する水 接着剤受容層(c)は、熱可塑性樹脂及び無機 細粉末(B)、好ましくは表面処理剤(C)により 水化処理された無機微細粉末(B)を所定の割 で混合し、押出し等の方法により製膜し、 可塑性樹脂の融点より低い温度(好ましくは 5~60℃低い温度)で1軸方向又は2軸方向に延伸 行うことによりが得られる。ここでも、延 は製膜中に行ってもよい。

[積層]
 熱可塑性樹脂延伸フィルムの積層フィルム 造は、それぞれの層を別々に成形した後に 層することによって製造してもよいし、積 した後にまとめて延伸して製造してもよい
 例えば、基材層(b)の一方の面に表面層(a)を 他方の面に水系接着剤受容層(c)を積層し、1 軸もしくは2軸方向に延伸することにより、 層1軸方向もしくは全層2軸方向に配向した積 層構造物として得ることができる。また基材 層(b)を1軸方向に延伸し、次いで表面層(a)、 系接着剤受容層(c)を両面に積層し、異なる 伸軸に再度1軸延伸することにより、1軸/2軸/ 1軸方向に配向した積層構造物として得るこ もできる。
 上記の他の熱可塑性樹脂フィルム層を含ま るために、各層を別個に延伸して積層する とも可能であるが、上記のように各層を積 した後にまとめて延伸する方が簡便であり 造コストも安くなる。これらの方法により 本発明の封緘紙が得ることが好ましい。

[延伸]
 延伸には、公知の種々の方法を使用するこ ができる。延伸は、樹脂の融点より5℃以上 低い温度であり、また2種以上の樹脂を用い 場合は配合量の最大を占める樹脂の融点よ 5℃以上低い温度で行うことが好ましい。
 延伸する場合、延伸の具体的な方法として 、ロール群の周速差を利用したロール間延 、テンターオーブンを利用したクリップ延 、またはこれらの組み合わせなどを挙げる とができる。ロール間延伸によれば、延伸 率を任意に調整して、任意の剛性、不透明 、平滑度、光沢度の熱可塑性樹脂延伸フィ ムを得ることが容易であるので好ましい。 リップ延伸ではリニアモーターやパンタグ フを用いた同時二軸延伸も可能である。

 延伸倍率は特に限定されるものではなく 本発明の封緘紙の使用目的と、用いる熱可 性樹脂の特性を考慮して決定する。ロール 延伸は通常は2~11倍が好ましく、3~10倍であ ことがより好ましく、4~7倍であることがさ に好ましい。テンターオーブンを利用した リップ延伸の場合は4~11倍で延伸することが ましい。これらを組み合わせた逐次二軸延 での面積延伸倍率としては、通常は2~80倍で あり、好ましくは3~60倍、より好ましくは4~50 である。また同時二軸延伸での面積延伸倍 としては、通常は2~80倍であり、好ましくは 3~60倍、より好ましくは4~50倍である。面積倍 を2倍以上にすることによって、延伸ムラを 防いでより均一な膜厚の熱可塑性樹脂延伸フ ィルムを製造することが容易になる傾向があ る。また80倍以下にすることによって、延伸 れや粗大な穴あきをより効果的に防ぐこと できる傾向がある。

[熱処理]
 延伸後の熱可塑性樹脂延伸フィルムには熱 理を行うのが好ましい。熱処理の温度は、 伸温度から延伸温度より30℃高い温度の範 内を選択することが好ましい。熱処理を行 ことにより、延伸方向の熱収縮率が低減し 製品保管時の巻き締まりや、熱による収縮 生じる波打ち等が少なくなる。熱処理の方 はロール加熱又は熱オーブンで行うのが一 的であるが、これらを組み合わせてもよい これらの処理は延伸したフィルムを緊張下 保持された状態において熱処理するのがよ 高い処理効果が得られるので好ましい。ま 、熱処理後には表面にコロナ放電処理やプ ズマ処理などの酸化処理を施すのが後の印 性付与等を考慮した場合に好ましい。本発 の封緘紙の全厚は特に制限されないが、45~25 0μmが好ましく、より好ましくは50~175μm、さ に好ましくは55~95μmの範囲である。

[印刷]
 表面層(a)及び水系接着剤受容層(c)には、各 の印刷方式(オフセット印刷、グラビア印刷 、フレキソ印刷など)及び/又は印字方式(イン クジェット方式、熱転写方式、電子写真方式 など)により、印刷及び/又は印字を行うこと できる。またアルミニウム、銅、銀などの 属層(金属箔、金属蒸着膜、金属粒子(粒状 たはリーフィングタイプ)を含むインキの印 層等)を設けてもよい。

[切断]
 次に、本発明の封緘紙として使用するのに した大きさとサイズにフィルムを切断する とができる。切断は当業者に通常用いられ いる方法で行う。例えば、トムソン刃を用 た打ち抜きや、カッターによる切断などが げられる。
 本発明の封緘紙の形状とサイズは特に制限 れず、貼着する開口部の形状やサイズに応 て適宜決定することができる。したがって 貼着する開口部が円形であれば円形の封緘 とすることができ、矩形であればそれと相 形の封緘紙とすることができる。通常は、 口部全面を覆うことができる形状と大きさ 封緘紙を用意する。例えば、封緘紙は開口 の外形よりも2~7mm程度径を大きく裁断し、 口部に貼着したときに、径を大きくした余 部分がシール剥がし用の摘みとして利用す ことができるようにすることが好ましい。

 このように、あらかじめ開口部に対応し サイズに切断したフィルムを用意しておき それを開口部に貼着することにより封緘し もよいが、本発明では、あらかじめ切断し いないロール状のフィルムを用意しておき 開口部に貼着した後に適切な位置で切断す こともできる。工業的に封緘物を大量生産 る場合は、後者の方法を採用することも好 しい。

封緘方法
[封緘工程]
 本発明の封緘紙は、物品の開口部に水系接 剤を用いて貼着することができ、この工程 よって封緘を行うことができる。水系接着 を用いて貼着する面は、本発明の封緘紙の 系接着剤受容層(c)を表面とする面である。 発明の封緘方法は、この工程を含むもので ればその他にいかなる工程を含んでいても わない。

 具体的には、水で溶解又は膨潤させた水 接着剤を、本発明の封緘紙の水系接着剤受 層(c)の貼着領域及び/又は開口部の貼着領域 に適用し、両者を接合して乾燥させる。水系 接着剤の適用方法は、通常用いられている塗 工法の中から適宜選択して用いることができ る。本発明では、水系接着剤を水系接着剤受 容層(c)に塗工することが好ましい。乾燥は自 然乾燥でもよいし、高温室に導入したり、温 風をあてたりするなどの方法により乾燥を促 進してもよい。本発明の封緘紙を用いた場合 は乾燥時間が短いため、乾燥のためのエネル ギーと時間を節約することができ、効率的な 封緘を実現することができる。

[水系接着剤]
 本発明において使用する水系接着剤とは、 で溶解又は膨潤する接着剤である。例えば 水系溶媒と、天然系高分子もしくは固体可 剤と高分子からなる所謂「水系接着剤(グル ー糊)」を好ましい例として挙げることがで る。本発明において使用することができる 系接着剤として、例えばデンプン、膠、カ イン、セルロース、アルギン酸ナトリウム グアーガム、ラテックス、ポリマレイン酸 重合物、ポリビニルアルコール、ポリビニ ピロリドン、カルボキシルメチルセルロー 、メチルセルロース、ゼラチン、プルラン アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル 脂の少なくとも一つを含むものが好ましく これらの中では、デンプン、カゼインを含 ものがより好ましい。水系接着剤としては 上記物質を含む水溶液やエマルジョンが使 できる。

 本発明の封緘紙を開口部に貼着する際に使 する水系接着剤の乾燥塗工量は、封緘紙を 成する熱可塑性樹脂延伸フィルムの吸水量 よび水系接着剤の固形分濃度により適宜選 される。通常は2~100g/m 2 が好ましく、5~50g/m 2 がより好ましく、10~30g/m 2 がさらに好ましい。水系接着剤の乾燥塗工量 が2g/m 2 以上であれば、封緘紙と開口部との間に実用 的な接着強度を持たせやすく、また塗工量が 100g/m 2 以下であれば、水系接着剤の乾燥が進みやす いため、十分な貼着を行いやすい。

封緘紙の適用対象
 本発明の封緘紙は水系接着剤の種類や性質 適宜選択することにより、種々の開口部を する物品に適用することができる。

[物品(容器等)]
 例えば、本発明の封緘紙は容器等の物品に 適に適用することができる。具体的には、 形食品、液状食品、飲料等の食品、医薬品 入浴剤や粉末洗剤などの粉末状工業製品、 状洗剤などの液状工業製品などの広範囲に たる材料を入れるための物品に本発明を適 することができる。本発明の封緘紙は水蒸 透過率を低く設計することができるため、 かでも、吸湿性材料を入れた物品に適用す ことが好ましく、特に粉末洗剤のように吸 性が高い粉末状工業製品を入れた容器に好 しく適用することができる。ここでいう吸 性材料とは、気温40℃、相対湿度90%の条件 に3日間静置したときの重量増加分が5重量% 上である材料を言う。本発明の封緘紙は、 量増加分が10重量%以上の吸湿性材料に適用 ればより効果的であり、重量増加分が25重量 %以上の吸湿性材料に適用すればさらに効果 であり、重量増加分が50重量%以上の吸湿性 料に適用すればさらにより効果的である。
 さらに例えば、本発明の封緘紙は、透湿度 透気度を低く設定することができるため、 かでも、カレー、漬物、納豆等のにおいの る食品を入れた容器のほか、医療用器具や カルス培養物等雑菌の混入を嫌う物品を入 た容器に好ましく適用することができる。

 容器の形状やサイズは、本発明の封緘紙 封緘できるものであれば特に制限されない 例えば、円筒状(上方ないし底面方向に向け てテーパーが付されているものを含む)、角 状(例えば三角柱状から八角柱状、長方体な )、球状や楕円球状(ただし封緘用開口部は 面であるもの)、かご形の容器などを挙げる とができる。

[容器以外の適用対象物]
 また、本発明の封緘紙は、容器の封緘以外 用途にも用いることができる。例えば、開 部内に設置された物品(例えばレンズ、傷つ きやすい部材、吸湿性部材)を保護するため 本発明の封緘紙を貼着しておき、物品の使 時に封緘紙を剥離して使用する態様などが げられる。また、別の例として、開口部内 印刷された文字(例えばくじ、パスワード)を 外から視認できないようにするために不透明 な本発明の封緘紙を貼着しておき、文字情報 を必要としたときに封緘紙を剥離して文字情 報を確認する態様も挙げられる。

[物品開口部]
 本発明の封緘紙は、開口部が水系接着剤を した貼着に適した素材で形成されている物 に適用することができ、好ましくは吸湿性 料(紙、木材、セルロイド、ポリビニルアル コール等)で形成されているもの、より好ま くは紙で形成されているものに適用するこ ができる。ここでいう紙には合成紙が含ま る。すなわち、パルプ紙のみならず、パル 紙にポリエチレン等のフィルムを貼着した のも含まれる。本発明では、特に開口部が ートン紙で形成されているものに好ましく 用することができる。ここでいう開口部の 質は、本発明の封緘紙を貼着する際に接触 る部分の材質を意味する。このため、開口 のみが紙で形成されていて、それ以外の部 が紙以外の材料で形成されている物品に対 ても、本発明の封緘紙を適用することがで る。

封緘紙の剥離
 開口部に貼着した本発明の封緘紙は、内容 使用時にその一辺や端部を指などで摘んで 品から引き剥がすことにより、容易に剥離 せることができる。このとき、容易に引き がすことができるようにするために、本発 の封緘紙には摘み部が設けられていてもよ 。例えば、半円状又は舌片状の摘み部を設 ることができる。摘み部の大きさは、指な で摘むことができる範囲であれば特に制限 れない。通常は封緘紙本体から1~3cm程度外 に伸長させるように構成することができる

 また、本発明の封緘紙には、ノッチを設 ておいてもよい。例えば、飲料を入れた容 を封緘した場合は、開口部全体にわたって 緘紙を剥離せずに飲み口だけを剥離させた こともある。このようなときは、剥離させ い領域に対応する封緘紙外縁にノッチを設 ておき、そのノッチを利用して所望の領域 剥離させることもできる。ノッチは複数設 てもよい。

 以下に、製造例、実施例及び試験例を挙 て本発明をさらに具体的に説明する。製造 及び実施例に示す材料、使用量、割合、処 内容、処理手順等は本発明を逸脱しない限 適宜変更できる。従って、本発明の範囲は 下に示す具体例により限定的に解釈される きものではない。

製造例1~12,14,15
[熱可塑性樹脂延伸フィルムの製造]
 表1に使用した材料の詳細を記載した。表中 の「MFR」はメルトフローレートを意味する。 表2に各熱可塑性樹脂延伸フィルムの製造に たって使用した材料の種類と配合量(重量%) 延伸条件、層数及び層の厚さを記載した。 2に記載される材料の番号は、表1に記載され る材料の番号に対応している。

[製造例1]
 製造例1において、表2に記載の配合物[a]と 合物[b]と配合物[c]をそれぞれ250℃に設定さ た3台の押出機で個別に溶融混練して、a/b/c 3層構造になるように共押出成形し、冷却装 にて70℃まで冷却して無延伸フィルムを得 。この無延伸フィルムを表2に記載の延伸温 (1)に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に 延伸し、1軸延伸フィルムを得た。得られた ィルムの延伸温度(1)より20℃高い温度で熱処 理を行い、両面に、放電処理機(春日電機(株) 製)を用いて40W/m 2 /分のコロナ処理を行って3層構造の1軸延伸フ ィルムを得た。

[製造例2]
 製造例2において、表2に記載の組成を有す 配合物[a]と配合物[b]と配合物[c]をそれぞれ25 0℃に設定された3台の押出機で個別に溶融混 して、a/b/cの3層構造になるように共押出成 した後、冷却装置にて70℃まで冷却して無 伸フィルムを得た。この無延伸フィルムを 3に記載の延伸温度(1)に加熱して縦方向にロ ル間で5倍に延伸し、次いで表3に記載の延 温度(2)に加熱してテンター延伸機を用いて 方向に8倍延伸し、延伸温度(1)より20℃高い 度で熱処理を行い、得られたフィルムの両 に、放電処理機(春日電機(株)製)を用いて40W/ m 2 /分のコロナ処理を行って3層構造の2軸延伸フ ィルムを得た。

[製造例9]
 製造例9において、表2に記載の組成を有す 配合物[a]と配合物[b]と配合物[c]をそれぞれ25 0℃に設定された押出機で個別に溶融混練し a/b/cの3層構造になるように共押出成形し、 却装置にて70℃まで冷却して無延伸フィルム を得た。得られたフィルムの両面に、放電処 理機(春日電機(株)製)を用いて40W/m 2 /分のコロナ処理を行って3層構造の無延伸フ ルムを得た。

[製造例3~8、10~12、14、15]
 製造例3~8、10~12、14、15において、表2に記載 の組成を有する配合物[b]を250℃に設定された 押出機で溶融混練して、押出成形した後、冷 却装置にて70℃まで冷却して無延伸フィルム 得た。この無延伸フィルムを表2に記載の延 伸温度(1)に加熱して縦方向にロール間で5倍 延伸し、次いで配合物[a]及び配合物[c]をそ ぞれ250℃に設定された押出機で個別に溶融 練して、前記縦1軸延伸フィルムの両面にそ ぞれ積層後、表2に記載の延伸温度(2)に加熱 後テンター延伸機を用いて横方向に8倍延伸 、延伸温度(2)より20℃高い温度で熱処理を行 い、得られたフィルムの両面に、放電処理機 (春日電機(株)製)を用いて40W/m 2 /分のコロナ処理を行って1軸延伸/2軸延伸/1軸 延伸された3層延伸フィルムを得た。

[製造例13]
 製造例13として、特開平10-212367号公報の実 例8と同様の延伸フィルムを用いた。

試験例
 製造例1~15で得られた熱可塑性樹脂延伸フィ ルムについて、以下の試験を行って評価した 。結果を表3に示す。

[吸水量]
 製造した熱可塑性樹脂延伸フィルムの水系 着剤受容層(c)の表面の吸水量を、コッブ法( JIS-P-8140)に準拠し、コッブサイズ測定器(熊谷 理機工業(株)製)を使用して120秒間接触した後 、吸水量を測定することにより求めた。3点 ータの平均値を測定値とした。
   ◎ :10ml/m 2 ~25ml/m 2
   ○ :2ml/m 2 以上10ml/m 2 未満
   × :2ml/m 2 未満又は25ml/m 2 を超える

[水蒸気透過率]
 製造した熱可塑性樹脂延伸フィルムの水蒸 透過率を、カップ法(JIS-Z-0208)に準拠し、吸 剤として塩化カルシウムを透湿カップに入 て、当該樹脂延伸フィルムで蓋をして蜜ろ で密封してから、温度40℃、相対湿度90%の 温恒湿槽に放置して、24時間毎に取り出して 、透湿度を測定した。3点データの平均値を 定値とした。
   ○ :0~10g/m 2 /24h
   × :10g/m 2 /24hを超える

[空孔率]
 製造した熱可塑性樹脂延伸フィルムの厚さ 向に対して平行かつ面方向に垂直な切断面 作製し、この切断面をメタライジングした 、走査型電子顕微鏡で観察しやすい任意の 率(例えば500倍~2000倍)に拡大して観察し、さ らに空孔部分をトレーシングフィルムにトレ ースし塗りつぶした図を画像解析装置(ニレ (株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理を行 、空孔の面積割合(%)を求めて空孔率(%)とし 。基材層(b)の空孔率(%)も上記方法により求 た。それぞれ、3点データの平均値を空孔率 とした。

[折れ性]
 製造した熱可塑性樹脂延伸フィルムを試験 として10cm×10cmに切り出し、1kg荷重で2つ折 (MD方向(フィルム流れ方向)及びTD方向(MD方向 対して垂直方向)に平行)に30秒保持した直後 から、当該試験片が開いて0°から120°の角度 達するまでの時間を測定した。試験片3点デ ータの平均値を測定時間とした。
   ○ :20~70秒
   × :20秒未満、または70秒を超える

[接着面の表面強度]
 製造した熱可塑性樹脂延伸フィルムの水系 着剤受容層(c)の表面に、粘着テープ(ニチバ ン(株)製、商品名「セロテープ」、品番:「CT- 18」)を貼着し、JAPAN TAPPI No.18-2に記載の方法 に準拠し、インターナルボンドテスター(熊 理機工業(株)製)にて粘着テープを剥離した の強度(kg-cm)を測定した。得られた強度と実 用上の良否判断は、以下の基準にて評価し 。3点データの平均値を測定値とした。
   ○ :0.8~2.0kg-cm
   × :0.8kg-cm未満又は2.0kg-cmを超える

実施例1~8及び比較例1~7
 製造例1~15において得られた各熱可塑性樹脂 延伸フィルムから封緘紙(102mm×170mm)を切り出 、封緘紙の水系接着剤受容層(c)の4辺に水系 接着剤((株)小泉商会:フジアットAL-8)を15mm幅 直線状に塗工して、吸湿性材料として粉末 剤(P&G製、商品名「ボールド」)を入れた 入用カートン容器に当該試験片を貼合後、 下に記載の実用試験を実施した。結果を表4 示す。

実用試験例
[初期接着強度]
 製造した熱可塑性樹脂延伸フィルムについ 、初期接着力を接着力測定機(JTトーシ(株) 、商品名「ASM-01」)を使用して測定した。樹 延伸フィルム(幅40mm)の試験片を2つ準備し、 一方の試験片に水系接着剤を塗布して塗布後 1秒放置し、その後、他方の試験片と1秒間圧 し、さらに圧着後1秒間放置後に引張試験( 張速度:300mm/分)から剪断力を測定し、その最 大荷重を記録した。3点データの平均値を測 値とした。
   ◎ :400g~600g
   ○ :200g以上400g未満
   × :200g未満又は600gを超える

[パウダー漏れ]
 各実施例、比較例において作成した封緘紙 ついて、接着後20秒後に貼合カートン容器 横にして洗剤パウダー漏れ発生の有無を確 した。
   ○ :3回実施し1回も粉漏れ発生が無いも
   × :3回実施し1回でも粉漏れ発生が有る の

[接着状態]
 各実施例、比較例において作成した封緘紙 ついて、カートン容器に貼合して20秒後の 該サンプルの接着状況を確認した。
   ○ :3回実施し1箇所も端部浮き発生無い の
   × :3回実施し1箇所でも端部浮き発生有 もの

[剥離性]
 各実施例、比較例において作成した封緘紙 ついて、水系接着剤が完全乾燥後、封緘紙 剥離して接着部分における基材残りの具合 ついて、以下の基準で面積を目視評価した
   ○ :3回実施し3回とも封緘紙が綺麗に剥 するもの
   × :3回実施し1回でもカートン容器断面 材料破壊して基材が残るもの

[洗剤防湿性]
 各実施例、比較例において作成した封緘紙 ついて、カートン容器に貼合作成して水系 着剤が完全乾燥後、気温40℃、相対湿度80% 環境に3日間保管してから封緘紙を剥離して 末洗剤状態を観察した。
   ○ :3点実施し3点とも粉末洗剤に凝集が いもの
   × :3点実施し1点でも粉末洗剤に凝集発 するもの

 本発明の封緘紙は、湿度変化などの環境 子による影響を受けてカール変形すること く、既存の水系接着剤(グルー糊)方式の利 性を生かして容易に貼合することができる また、本発明の封緘紙は、内容物の吸湿を ぎ、容器に貼合後、容器面に封緘紙を残す となく容易に容器から剥離することができ 。従って、本発明の封緘紙を使用すれば、 剤容器生産等の際の歩留まりを改善し、保 時は内容物を水分から保護し、使用時に不 合は無く、極めて有用である。