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Patent Searching and Data


Title:
PERMANENT MAGNET MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081978
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method for manufacturing a permanent magnet having an extremely high orientation by combining the crystal fractures of material powder having a more equal crystal azimuth relation in a magnetic field. In the method, a material powder (P) is filled in a cavity (22). The material powder (P) is oriented in a magnetic field while being pushed in the cavity by push means (5) having a smaller area than the transverse area of the cavity. The product thus oriented is compressed and molded in a magnetic field into a predetermined shape.

Inventors:
NAGATA HIROSHI (JP)
SHINGAKI YOSHINORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073576
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ULVAC INC (JP)
NAGATA HIROSHI (JP)
SHINGAKI YOSHINORI (JP)
International Classes:
H01F41/02; B22F1/00; B22F3/02; C22C33/02; B22F9/04
Foreign References:
JPH06325962A1994-11-25
JPH09312229A1997-12-02
JPH05247601A1993-09-24
Attorney, Agent or Firm:
Exeo Patent & Trademark Company (Ebisu Lite Bldg. 1-19 Ebisuminami 3-chom, Shibuya-ku Tokyo 22, JP)
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Claims:
 原料粉末を充填室に充填し、この原料粉末に対し、当該充填室の横断面積より小さい面積を有する押圧手段を押付けながら磁界中にて配向する配向工程と、この配向したものを磁界中で所定形状に圧縮成形する成形工程とを含むことを特徴とする永久磁石の製造方法。
 前記充填室の横断面全面に亘って押圧手段の押付けが行われるように、当該押圧手段の位置を順次変化させることを特徴とする請求項1記載の永久磁石の製造方法。
 前記押圧手段を押付ける際に、当該押圧手段をその押付け方向に振動させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の永久磁石の製造方法。
 前記原料粉末に所定の混合割合で潤滑剤を添加して混合した後に充填室に充填することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の永久磁石の製造方法。
 前記押圧手段は非磁性材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の永久磁石の製造方法。
 原料粉末を変形自在な袋体に充填する工程と、
 前記袋体に対し局所的な押圧力を加えて袋体内の原料粉末を混練しながら磁界中にて配向する工程と、
 前記配向した原料粉末を磁界中にて所定形状に圧縮成形する工程とを含むことを特徴とする永久磁石の製造方法。
 前記原料粉末に所定の混合割合で潤滑剤を添加して混合した後に袋体に充填することを特徴とする請求項6記載の永久磁石の製造方法。
 前記成形工程に加えてまたは前記成形工程にかえて、配向したものまたは圧縮成形したものを焼結する焼結工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の永久磁石の製造方法。
 前記原料粉末は、急冷法により作製した希土類磁石用のものであることを特徴とする請求項1または請求項8のいずれか1項に記載の永久磁石の製造方法。
Description:
永久磁石の製造方法

 本発明は、永久磁石の製造方法に関し、 り詳しくは、高い配向性を有するNd-Fe-B系の 永久磁石を製作する際に用いられるものに関 する。

 Nd-Fe-B系の焼結磁石(所謂、ネオジム磁石) 、鉄と、安価であって資源的に豊富で安定 給が可能なNd、Bの元素の組み合わせからな ことで安価に製造できると共に、高磁気特 (最大エネルギー積はフェライト系磁石の10 程度)を有することから、電子機器など種々 の製品に利用され、ハイブリッドカー用のモ ーターや発電機などにも採用され、使用量が 増えている。 

 Nd-Fe-B系の磁石は主に粉末冶金法で生産さ れており、この方法では、先ず、Nd、Fe、Bを 定の組成比で配合し、溶解、鋳造して合金 料を作製し、例えば水素粉砕工程により一 粗粉砕し、引き続き、例えばジェットミル 粉砕工程により微粉砕して、原料粉末を得 。次いで、得られた原料粉末を磁界中で配 (磁場配向)させ、磁場を印加した状態で圧 成形して成形体を得る。そして、この成形 を所定の条件下で焼結させて焼結磁石が作 される。

 磁界中の圧縮成形法として、一般に、一 加圧式の圧縮成形機が用いられ、この圧縮 形機は、ダイの貫通孔に形成したキャビテ (充填室)に原料粉末を充填し、上下一対の ンチによって上下方向から加圧(プレス)して 原料粉末を成形するものであるが、一対のパ ンチによる圧縮成形の際、キャビティに充填 された原料粉末における粒子間の摩擦や原料 粉末とパンチにセットした金型の壁面との摩 擦によって高い配向性が得られず、磁気特性 の向上が図れないという問題があった。

 このことから、キャビティに原料粉末を充 した後、磁場配向の際に上パンチ及び下パ チの少なくとも一方を加圧方向(プレス方向 )に振動させる圧縮成形法が知られている。 の圧縮成形法は、上パンチまたは下パンチ 原料粉末を振動させながら磁場を印加する とで、キャビティに充填された原料粉末に ける粒子間の摩擦を静摩擦から動摩擦にか 、原料粉末における粒子間の摩擦を低減し 原料粉末の流動性を向上させ、磁場配向方 により揃うように原料粉末を移動させるこ ができるため、配向性を向上できるという のである。(特許文献1)。

国際公開2002/60677号公報(例えば、特許請 の範囲の記載参照)

 しかしながら、上記圧縮成形法では、磁 配向時に上パンチ及び下パンチのいずれか 方で振動させているだけであるため、キャ ティ内での原料粉末の粒子同士の位置関係 、キャビティ内に充填した状態から殆ど変 しない。このため、磁場配向方向で隣り合 原料粉末の粒子同士の結晶破面(Nd-Fe-B系の 結磁石の原料粉末は、Nd、Fe、Bを配合し、溶 解、合金化した後に粉砕して作製されている ため、この原料粉末の表面には、特定のへき 開面を持たない結晶破面が形成されている) 合わない場合には、結局、原料粉末の粒子 に間隙が残って、磁場配向方向に原料粉末 磁化容易軸が揃わず、この状態で圧縮成形 ると配向が乱れるという問題がある。

 そこで、上記点に鑑み、本発明の目的は 磁界または電界中でより等しい結晶方位関 を有する粉末結晶破面が組み合わさるよう して、極めて高い配向性を有する配向体、 形体及び焼結体からなる高性能な永久磁石 製造方法を提供することにある。

 上記課題を解決するために、請求項1記載 の永久磁石の製造方法は、原料粉末を充填室 に充填し、この原料粉末に対し、当該充填室 の横断面積より小さい面積を有する押圧手段 を押付けながら磁界中にて配向する配向工程 と、この配向したものを磁界中で所定形状に 圧縮成形する成形工程とを含むことを特徴と する。

 請求項1記載の発明によれば、充填室内に 原料粉末を充填した後、磁場中で磁場配向す る。このとき、充填室内の原料粉末に対し、 例えば充填室への原料粉末の充填方向と同じ 方向から押圧手段を所定の圧力で押付ける。 ここで、この押圧手段の原料粉末との接触面 (押圧面)の面積は充填室の横断面積より小さ 設定されているため、原料粉末に対し押圧 段を押付けていくと、押圧手段と充填室内 との間の空間に原料粉末が押し退けられて く。

 これにより、磁場を印加したときの粒子 士の結合が一旦切られ、充填室での原料粉 の粒子同士の位置関係が充填室内に充填し 状態から変化する。そして、磁場配向方向 おける結晶破面の組み合わせの中から、よ 等しい結晶方位関係を有する結晶破面が組 合わされる機会が多くなり、等しい結晶方 関係を有する結晶破面が一旦結合すると、 固な結合チェーンを形成することで、磁場 向方向で結晶破面が隙間なく接合されて揃 。そして、磁場配向方向で結晶破面が隙間 く接合されて揃ったものを圧縮成形するこ で、配向の乱れのない高密度の永久磁石と り、高性能磁石が得られる。

 請求項1記載の発明において、前記充填室 の横断面全面に亘って押圧手段の押付けが行 われるように、当該押圧手段の位置を順次変 化させるようにすれば、充填室で原料粉末が より混ぜ合わされるようになり、充填室内で 粒子同士の位置関係を変化させて、等しい結 晶方位関係を有する結晶破面が組み合わされ る機会が一層多くできる。このことは、充填 室の横断面が矩形であるとき特に有効となる 。

 また、前記押圧手段を押付ける際に、当 押圧手段をその押付け方向に振動させるよ にしてもよい。

 この場合、前記原料粉末に所定の混合割 で潤滑剤を添加して混合した後に袋体に充 するようにしておけば、原料粉末の流動性 向上してよい。

 更に、押圧手段への原料粉末の付着を防 するために、前記押圧手段は非磁性材料で ることが好ましい。

 また、上記課題を解決するために、請求 6記載の永久磁石の製造方法は、原料粉末を 変形自在な袋体に充填する工程と、前記袋体 に対し局所的な押圧力を加えて袋体内の原料 粉末を混練しながら磁界中にて配向する工程 と、前記配向した原料粉末を磁界中にて所定 形状に圧縮成形する工程とを含むことを特徴 とする。

 請求項6記載の発明によれば、袋体内に原 料粉末を充填した後、磁場中にて磁場配向す る。このとき、変形自在な袋体に対し複数の 箇所から局所的に押圧力を加えて当該袋体内 の原料粉末を混練する。これにより、磁場を 印加したときの粒子同士の結合が一旦切られ 、袋体内での原料粉末の粒子同士の位置関係 が充填室内に充填した状態から変化する。そ して、磁場配向方向における結晶破面の組み 合わせの中から、より等しい結晶方位関係を 有する結晶破面が組み合わされる機会が多く なり、等しい結晶方位関係を有する結晶破面 が一旦結合すると、強固な結合チェーンを形 成することで、磁場配向方向で結晶破面が隙 間なく接合されて揃う。そして、磁場配向方 向で結晶破面が隙間なく接合されて揃ったも のを圧縮成形することで、配向の乱れのない 高密度のものとなり、高性能磁石が得られる 。

 この場合、前記原料粉末に所定の混合割 で潤滑剤を添加して混合した後に充填室に 填するようにしておけば、原料粉末の流動 が向上してよい。

 なお、上記発明においては、前記成形工 に加えてまたは前記成形工程にかえて、配 したものまたは圧縮成形したものを焼結す 焼結工程を含むことが好ましい。

 また、前記原料粉末は、急冷法により作 した希土類磁石用のものであれば、原料粉 が角張った粒形状となって、結晶破面の面 が大きくでき、原料粉末の粒子間の隙間を さくでき、より等しい結晶方位関係を有す 原料粉末の結晶破面が組み合わされる機会 多くなることと相俟って配向性を極めて高 できる。

 以下、図面を参照して、本発明の第1実施 形態の希土類永久磁石、特に、Nd-Fe-B系の焼 磁石を製造することに適した圧縮成形機1を 明する。圧縮成型機1は、加圧方向Y(プレス 向)が磁場配向方向に垂直である一軸加圧式 のものであり、脚片11で支持されたベースプ ート12を有する。ベースプレート12の上方に はダイ2が配置されている。ダイ2は、ベース レート12を貫通孔する複数本の支柱13で支持 され、各支柱13の他端がベースプレート12の 方に設けた連結板14に連結されている。連結 板14は、駆動手段、例えば公知の構造の油圧 リンダのシリンダロッド15に接続される。 れにより、下部油圧シリンダを作動させて 結板14を昇降させると、ダイ2が、加圧方向Y る図1の上下方向に移動自在となる。

 ダイ2の略中央部には上下方向の貫通孔21 形成され、貫通孔21には、その下側から、 ースプレート12の上面略中央部に上方に向か って立設した下パンチ31が挿入でき、下部油 シリンダを作動させてダイ2を下降すると、 貫通孔21内に下パンチ31が挿入されて貫通孔21 内にキャビティ(充填室)22が画成される。貫 孔21(キャビティ22)の横断面形状は、円形や 形など成形しようする焼結磁石の形状に応 て適宜選択される。本実施の形態では、直 体状の焼結磁石を作製するため横断面形状 、矩形に形成されている。キャビティ22に対 しては、図示省略した公知の構造の給粉装置 が進退自在であり、この給粉装置によってキ ャビティ22内に、予め秤量された後述の合金 末材料が充填されるようになっている(図2 照)。

 ダイ2の上方には、ベースプレート12に対 させてダイベース16が配置される。ダイベ ス16の下面には、キャビティ22に挿入可能な 置に上パンチ32が設けられている。また、 イベース16の隅部には、上下方向の貫通孔が 形成され、各貫通孔には、一端がダイ2の上 に固定されたガイドロッド17が挿通している 。また、ダイベース16の上面には駆動手段、 えば公知の構造の油圧シリンダ(図示せず) シリンダロッド18が接続され、この油圧シリ ンダを作動させると、ガイドロッド17に案内 れてダイベース16が昇降自在、ひいては上 ンチ32が上下方向に移動自在になり、ダイ2 貫通孔21内に挿入できる。これにより、圧縮 成形時には、キャビティ22内で、上下一対の ンチ31、32とによって原料粉末Pが圧縮され 成形体が得られる(成形工程)。

 また、ダイ2の外周には、キャビティ22内 原料粉末Pを磁場配向させるために、磁界発 生装置4が設けられている。磁界発生装置4は ダイ2を両側から挟むように対称に配置され 、炭素鋼、軟鋼、純鉄やパーメンジュールな どの透磁率の高い材料製の一対のヨーク41a、 41bを有する。両ヨーク41a、41bにはコイル42a、 42bが巻回され、各コイル42a、42bに通電するこ とで、加圧方向(上下方向Y)と直交する方向X 静磁界が発生し、これにより、キャビティ22 内に充填した原料粉末Pを配向できる。

 ここで、原料粉末Pは次のように作製され る。即ち、Fe、B、Ndを所定の組成比で配合し 急冷法、例えばストリップキャスト法によ 0.05mm~0.5mmの合金を先ず作製する。他方で、 心鋳造法で5mm程度の厚さの合金を作製して よく、配合の際にCu、Zr、Dy、AlやGaを少量添 加してもよい。次いで、作製した合金を、公 知の水素粉砕工程により粗粉砕し、引き続き 、ジェットミル微粉砕工程により窒素ガス雰 囲気中で微粉砕し、平均粒径2~10μmの原料粉 を得る。この場合、急冷法を用いると、原 粉末Pが角張った粒形状となって、一つの結 破面の面積が大きくでき、原料粉末P相互間 の隙間を小さくできる。

 上記のように作製した原料粉末Pには、当 該原料粉末Pの流動性を向上させるために、 料粉末Pに所定の混合割合で潤滑剤を添加し この潤滑剤によって原料粉末Pの表面が被覆 されている。潤滑剤としては、金型に傷をつ けたりすることがないように粘性が低い固体 潤滑剤や液体潤滑剤が用いられる。

 固体潤滑剤として、層状化合物(MoS 2 、WS 2 、MoSe、黒鉛、BN、CFx等)、軟質金属(Zn、Pb等)  硬質物質(ダイア粉末、TiN粉末等)、有機高 子(PTEE系、ナイロン系脂肪族系、高級脂肪 系、脂肪酸アマイド系、脂肪酸エステル系 金属石鹸系等)が挙げられ、特に、ステアリ 酸亜鉛、エチレンアマイド、フルオロエー ル系グリースを用いることが好ましい。

 液体潤滑剤としては、天然油脂材料(ヒマ シ油、椰子油、パーム油等の植物油、鉱物油 、石油系油脂等)、有機低分子材料(低級脂肪 系、低級脂肪酸アマイド系、低級脂肪酸エ テル系)が挙げられ、特に、液状脂肪酸、液 状脂肪酸エステル、液状フッ素系潤滑剤を用 いることが好ましい。液体潤滑剤は、界面活 性剤と共に使用したり、溶媒で薄めて用いら れ、焼結後に残る潤滑剤の残留炭素成分が磁 石の保磁力を低下させることから、焼結工程 で取り除きやすいように低分子量の物が望ま しい。

 また、金原料粉末Pに固体潤滑剤を添加す る場合、0.02wt%~0.5wt%混合割合で添加すればよ 。0.02wt%より小さいと、原料粉末Pの流動性 向上せず、結局、配向性を向上しない。他 で、0.1wt%を超えると、焼結磁石を得たとき この焼結磁石中に残留する炭素の影響を受 て保磁力が低下する。また、原料粉末Pに液 潤滑剤を添加する場合、0.05wt%~5wt%の範囲の 合で添加すればよい。0.05wt%より小さいと、 原料粉末の流動性が向上せず、結局、配向性 を向上できない虞があり、他方で、5wt%を超 ると、焼結磁石を得たとき、この焼結磁石 に残留する炭素の影響を受けて保磁力が低 する。尚、潤滑剤は、固体潤滑剤と液体潤 剤との両方を添加すれば、原料粉末Pの隅々 で潤滑剤が行き渡り、より高い潤滑効果に って、より高い配向性が得られる。

 さらに、圧縮成形機1は、潤滑剤を含む原 料粉末Pを充填室であるキャビティ22に充填し た後、上下一対のパンチ31、32による圧縮成 (成形工程)に先立って、磁界発生装置4の各 イル42a、42bに通電して静磁界を発生させた 態(磁界中)で、キャビティ22内の原料粉末Pを 混ぜ合わせながら磁場配向できるように(配 工程)、キャビティ22に対して進退自在な押 手段5を備えている。

 図2に示すように、押圧手段5は、固定フ ーム51と、固定フレーム51にガイドロッド52 介して昇降自在に吊持され、上下方向に移 自在な昇降フレーム53とから構成される。固 定フレーム51上にはシリンダ54が搭載され、 該シリンダ54から下方に延びるピストンロッ ド54aが昇降フレーム53に連結されている。そ て、シリンダ54により昇降フレーム53が昇降 されるようになっている。昇降フレーム53の 面には、ピストンロッド54aの移動方向に対 直行する方向に延びるガイドレール55が形 され、当該ガイドレール55には可動枠56が設 られている。

 可動枠56には、上下方向Yに沿って延びる うに押圧部材57が連結されている。押圧部 57は中実四角錐状の部材であり、非磁性材料 、例えば、PEEK、ナイロン等のエンジニアリ グプラスチック、18-8ステンレス製である。 れにより、原料粉末Pが付着して原料粉末P 混ぜ合わせが不十分となったり、また、磁 が乱れることが防止できる。押圧部材57の横 断面積は、当該押圧部材57により原料粉末Pを 押圧したときキャビティ22の壁面との間に所 の空間が形成されるようにキャビティ22の 断面積より小さければよいが、作業性を考 すると、略1/2~1/16(本実施の形態では、1/2)に 定することが好ましい(図3参照)。尚、例え 押圧部材57の横断面積を、キャビティ22の横 断面積の1/2に設定する場合でも、キャビティ 22を画成する壁面に接触しないように定寸す 必要がある。また、押圧部材53の形状はキ ビティ22の横断面形状に応じて適宜選択でき る。さらに、押圧部材57の先端は、押圧部材5 7の軸方向に対して垂直な平面より、寧ろ軸 向前側に向かって傾斜した平面や凸面であ ことが好ましい。

 固定フレーム51は、加圧方向Yと直角な方 に延びる2本の案内レール58に取付けられ、 内レール58に沿って押圧手段5をスライドさ ることで、押圧手段5がキャビティ22に対し 退自在となる。この場合、給付装置も、同 案内レール58に取付けてキャビティ22に対し 進退自在となるようにしてもよい。そして、 案内レール58に設けたストッパ(図示せず)で 止すると、キャビティ22の略半分の領域に押 圧力が加えられるように押圧部材53が位置決 される。

 ここで、上記圧縮成型機1では、図示省略 したが、ガイドロッド17にシャッターを旋回 在に取付け、押圧部材57により原料粉末Pに 圧力を加えて混ぜ合わせるときに、当該シ ッターによりキャビティ22の上面を塞ぎ、 圧手段5による原料粉末の混ぜ合わせの間、 金粉末材料Pがキャビティ22の外側に飛び出 ことを抑制する構成を採用してもよい。

 次に、図1乃至図6を参照して、圧縮成型 1を用いた第1実施形態のNd-Fe-B系の焼結磁石 製造について説明する。先ず、ダイ2及び下 ンチ31の各上面が面一であり、上パンチ32が 上端に位置する待機位置から(図1参照)、液圧 シリンダを作動させてダイ2を所定位置まで 昇させ、貫通孔21内にキャビティ22を画成す 。次いで、図示しない給粉装置によって、 め秤量され、潤滑剤が所定の混合割合で添 された原料粉末Pをキャビティ22内に充填し 給粉装置を退去させる。この場合、キャビ ィ22内の原料粉末Pの充填密度は、原料粉末P の移動の自由度を残すのため、キャビティ22 容積に対し10~30%の範囲に設定される(図2参 )。

 次いで、押圧手段5を、キャビティ22上方 当該キャビティ22の左半分に押圧部材が位 するように位置決めする(図2及び図3参照)。 リンダ54を作動させてピストンロッド54aが 降すると、昇降フレーム53が下降され、キャ ビティ22の略半分の領域で押圧部材57が原料 末Pに面接触するようになる(図4(a)参照)。こ と同時に、磁界発生装置4のコイル42a、42bに 通電され、磁場が発生する。この場合、高い 配向性を得るために、0.1kOe~10kOe、好ましくは 、0.5kOe~6kOeの範囲の静磁界中で押圧手段5によ る押し付け(押圧)を行うことが好ましい。磁 の強さが0.1k0eより弱いと、高配向性かつ高 気特性のものが得られず、また、10k0eより いと、混合が困難になる。

 次いで、ピストンロッド54aにより昇降フレ ム53がさらに下降すると、押圧部材57が原料 粉末P内に押込まれていく。この場合、押圧 材57の押圧力は、1~50kg/cm 2 に設定することが好ましい。また、公知の方 法で押圧手段57をその押付け方向に振動させ ようにしてもよい。そして、押圧部材57が 料粉末P内に押込まれていくと、押圧部材57 原料粉末Pとの接触面の面積がキャビティ22 横断面積の半分であるため、押圧部材57とキ ャビティ22内壁面との間の空間に原料粉末Pが 押し退けられていく(図4(b)及び図4(c)参照)。 して、下パンチ31に接触する手前まで押圧部 材57を移動させた後(図4(c)参照)、一旦、昇降 レーム53を上昇させて押圧部材57を所定の高 さ位置まで戻す。

 次いで、可動枠56を移動させ、キャビテ 22の右半分に押圧部材57が位置するように移 させて位置決めする(図4(d)参照)。この操作 間、磁界発生装置4のコイル42a、42bへの通電 は停止しない。そして、シリンダ54を作動さ てピストンロッド54aを下降させて押圧部材5 7を原料粉末P内に押込ませる(図4(e)及び図4(f) 照)。このような一連の動作を所定回数繰り 返す(配向工程)。

 これにより、上記従来例のように、たと 上パンチまたは下パンチにより振動を加え としても、図5(a)に示すように磁場配向方向 で隣り合う原料粉末P相互の結晶破面が合わ い場合には、原料粉末P相互の間に間隙が残 て、磁場配向方向に原料粉末Pが揃わず、こ の状態で圧縮成形すると配向が乱れる。それ に対し、本実施形態によれば、磁場を印加し たときに結合した粒子同士の結合が一旦切ら れ、磁場中で原料粉末Pが混ぜ合わされなが 配向されるようになる。その結果、キャビ ィ22内での原料粉末Pの粒子同士の位置関係 、キャビティ22内に充填した状態から変化し て、より等しい結晶方位関係を有する原料粉 末Pの結晶破面が組み合わされる機会が多く り、等しい結晶方位関係を有する結晶破面 士が一旦結合すると、強固な結合チェーン 形成することで、図5(b)に示すように、丁度 状をなすよう磁場配向方向で結晶破面が隙 なく接合されて磁場配向方向に揃う。

 次いで、配向工程が終了すると、押圧手 5を退去させる。この場合、コイル42a、42bへ の通電は停止しない。そして、ダイベース16 下降させて、貫通孔22の上側から上パンチ32 を貫通孔21に挿入し、磁場を印加した状態で 下一対のパンチ31、32によってキャビティ22 で原料粉末Pの圧縮成形を開始する。所定時 間経過後にコイル42a、42bへの通電を停止し、 この状態で最大圧力での圧縮成形を行う(図6 照)。最後に、上パンチ32を徐々に上昇させ 徐々に減圧して圧縮成形が終了されて成形 Mが形成される(成形工程)。これにより、原 粉末Pが、丁度棒状をなすよう磁場配向方向 で結晶破面が隙間なく接合されて磁場配向方 向に揃った状態で圧縮成形を行うため、配向 の乱れのない高密度の成形体M(永久磁石)が得 られ、磁気特性も向上する。

 このように、磁場配向方向で結晶破面が 間なく接合されて揃った状態で圧縮成形す ことで、配向の乱れのない高密度の成形体M 1となり、成形体の強度が強くなって不良の 生率を低下できると共に、高磁気特性の成 体M1(永久磁石)が得られる。この場合、キャ ティ22内に充填される原料粉末Pに樹脂バイ ダーを混合しておけば、高磁気特性の希土 ボンド磁石(成形体)が得られる。

 成形工程における成形圧力は、0.1~2.0t/cm 2 、より好ましくは0.2~1.0t/cm 2 の範囲に設定される。0.1t/cm 2 より低い成形圧力では 成形体が十分な強度 有さず、例えば、圧縮成形機のキャビティ2 2から抜き出す際に割れてしまう。他方で、2. 0t/cm 2 を超えた成形圧力では、高い成形圧力がキャ ビティ22内の原料粉末Pへ加わってしまい、配 向を崩しながら成形してしまうと共に、成形 体にひびや割れが発生する虞がある。また、 成形工程における磁界の強さは、5k0e~30k0eの 囲に設定される。磁界の強さが5k0eより弱い 、高配向性かつ高磁気特性のものが得られ い。他方で、50k0eより強いと、磁界発生装 が大きくなりすぎて現実的ではない。

 次いで、例えば3k0eの逆磁場を印加して脱 磁を行った後に、ダイ2を下降端まで下降さ ると、キャビティ22内の成形体Mがダイ2上面 抜き出され、ダイベース16を上昇させて上 ンチ32を上昇端まで移動させた後に成形体を 取り出す。最後に、得られた成形体を、図示 しない焼結炉内に収納し、例えばAr雰囲気下 所定温度(1000℃)で所定時間焼結(焼結工程) 、さらに所定温度(500℃)、Ar雰囲気中で所定 間時効処理して、焼結磁石(Nd-Fe-B系の焼結 石)が得られる。

 次に、図7を参照して、本発明の第2実施 態の希土類永久磁石、特に、Nd-Fe-B系の焼結 石を製造することに適した圧縮成形機10を 明する。圧縮成型機10は、上記第1実施形態 製法を実施するものと同様、加圧方向Y(プレ ス方向)が磁場配向方向に垂直である一軸加 式のものであり、脚片110で支持されたベー プレート120を有する。ベースプレート120の 方にはダイ20が配置され、ダイ20は、ベース レート120を貫通孔する複数本の支柱130で支 され、各支柱130の他端がベースプレート120 下方に設けた連結板140に連結されている。 結板140は、駆動手段、例えば公知の構造の 圧シリンダのシリンダロッド150に接続され これにより、下部油圧シリンダを作動させ 連結板140を昇降させると、ダイ20が、加圧 向Yたる図7の上下方向に移動自在となる。

 ダイ20の略中央部には上下方向の貫通孔21 0が形成され、貫通孔210には、その下側から ベースプレート120の上面略中央部に上方に かって立設した下パンチ310が挿入でき、下 油圧シリンダを作動させてダイ20を下降する と、貫通孔210内に下パンチ310が挿入されて貫 通孔210内にキャビティ(充填室)220が画成され 。貫通孔210(キャビティ220)の横断面形状は 円形や矩形など成形しようする焼結磁石の 状に応じて適宜選択される。尚、第2実施形 においても、直方体状の焼結磁石を作製す ため横断面形状は、矩形に形成されている

 ダイ20の上方には、ベースプレート120に 向させてダイベース160が配置される。ダイ ース160の下面には、キャビティ220に挿入可 な位置に上パンチ320が設けられている。ま 、ダイベース160の隅部には、上下方向の貫 孔が形成され、各貫通孔には、一端がダイ20 の上面に固定されたガイドロッド170が挿通し ている。また、ダイベース160の上面には駆動 手段、例えば公知の構造の油圧シリンダ(図 せず)のシリンダロッド180が接続され、この 圧シリンダを作動させると、ガイドロッド1 70に案内されてダイベース160が昇降自在、ひ ては上パンチ320が上下方向に移動自在にな 、ダイ20の貫通孔210内に挿入できる。これ より、圧縮成形時には、キャビティ220内に する原料料粉末Pが上下一対のパンチ310、320 よりで圧縮され、成形体が得られるように っている。

 また、ダイ20の外周には、後述する袋体 で原料粉末Pを混練して配向するとき及びキ ビティ220内の原料粉末Pを成形するときに磁 場を印可するために、磁界発生装置4が設け れている。磁界発生装置4は、上記圧縮成型 1に用いられるものであるため、ここでは詳 細な説明は省略する。また、原料粉末Pにつ ても、上記第1実施形態と同様のものを用い ことができるため、ここでは詳細な説明は 略する。

 圧縮成型機10には、袋体Bに充填した原料 末Pを磁場中で混練して配向するために混練 手段50が、キャビティ220の上部空間に進退自 に設けられている。混練手段50は、支持フ ーム510を有し、支持フレーム510には、複数 のシリンダ520が搭載され、各シリンダ520か 下方に延びるピストンロッド520aには、非磁 材料から構成される筒状体たるプッシャー( 押圧部材)530がそれぞれ取付けられている。 練手段50はまた、支持フレーム510に搭載され た他のシリンダ540から下方に延びるピストン ロッド540aで吊設された枠体550を備える。

 枠体550は、上面を開口した四角柱状のも であり、その側壁内面は、連続した複数の 凸が繰り返すように形成されている。一方 枠体550の底板内側中央には、突出部550aが形 成されている。枠体550内には、予め秤量され た上記原料粉末Pが充填された袋体Bが収納さ るようになっている。袋体Bは、ゴム、エラ ストマー、ポリエチレン、ビニールなど変形 自在な材料から形成されている。そして、枠 体550に袋体Bを収納した後、各シリンダ520を 時にまたは時間差を付けて作動させると、 プッシャー530によって袋体Bに対し局所的に 圧力が加えられる。このとき、袋体Bは、そ の下側中央が突出部550aの周囲に拡がると共 、その側部が側壁の凹部内に侵入するよう 変形する。その結果、袋体B内の原料粉末Pが 混練されるようになる。

 次に、図7乃至図11を参照して、上記圧縮 型機10を用いた第2実施形態のNd-Fe-B系の焼結 磁石の製造について説明する。先ず、ダイ20 び下パンチ310の各上面が面一であり、上パ チ320が上端に位置する待機位置において(図 7参照)、混練手段50をキャビティ220の上方に 動させる。その際、袋体Bには、予め秤量さ た上記原料材料Pが充填され、当該袋体Bが 体550内に収納されている。袋体B内での原料 末Pの充填密度は、原料粉末Pの移動の自由 を残すのため、袋体Bの容積に対し15~55%の範 に設定され、原料粉末Pが充填された袋体B 容積は、枠体550の容積に対し30~80%の範囲に 定されている。

 次いで、磁界発生装置4のコイル42a、42bに 通電して磁場を印加する。この場合、高い配 向性を得るために、0.1kOe~10kOe、好ましくは、 0.5kOe~6kOeの範囲の磁界中で混練装置5による混 練を行うことが好ましい。磁界の強さが0.1k0e より弱いと、高配向性かつ高磁気特性のもの が得られず、また、10k0eより強いと、混練が 難になる。そして、磁場を印加した状態で 各シリンダ520を同時にまたは時間差を付け 作動させて、各プッシャー530によって袋体B に対し局所的に押圧力を加える(配向工程:図9 参照)。

 これにより、上述したように、従来例で たとえ上パンチまたは下パンチにより振動 加えたとしても、図10(a)に示すように磁場 向方向で隣り合う原料粉末P相互の結晶破面 合わない場合には、原料粉末P相互の間に間 隙が残って、磁場配向方向に原料粉末Pが揃 ず、この状態で圧縮成形すると配向が乱れ 。それに対し、第2実施形態によれば、袋体B の下側中央が突出部550aの周囲に拡がると共 、その側部が側壁の凹部内に侵入するよう 変形することで、袋体B内の原料粉末Pが混練 される。この場合、磁場を印加したときに結 合した粒子同士の結合が一旦切られ、磁場中 で原料粉末Pが混ぜ合わされながら配向され ようになる。その結果、キャビティ220内で 原料粉末Pの粒子同士の位置関係が、キャビ ィ220内に充填した状態から変化して、より しい結晶方位関係を有する原料粉末Pの結晶 破面が組み合わされる機会が多くなり、等し い結晶方位関係を有する結晶破面同士が一旦 結合すると、強固な結合チェーンを形成する ことで、図10(b)に示すように、丁度棒状をな よう磁場配向方向で結晶破面が隙間なく接 されて磁場配向方向に揃う。

 次いで、液圧シリンダを作動させてダイ2 0を所定位置まで上昇させ、貫通孔210内にキ ビティ220を画成する。そして、袋体Bから、 向された原料合金を取出して充填する。こ 場合、原料合金のキャビティ220への充填は 手動で行うことができ、他方、枠体550の下 を開閉自在に形成すると共に、図示省略し 刃物を袋体Bに進退自在に設けておき、磁場 を印加した状態で袋体Bの一部に破り、自動 にキャビティ220に落とし込むような構成を 用することもできる。

 次いで、配向工程が終了すると、混練手 50を退去させる。この場合、コイル42a、42b の通電は停止しない。そして、ダイベース16 0を下降させて、貫通孔220の上側から上パン 320を貫通孔210に挿入し、磁場を印加した状 で上下一対のパンチ310、320によってキャビ ィ220内で原料粉末Pの圧縮成形を開始する。 定時間経過後にコイル42a、42bへの通電を停 し、この状態で最大圧力での圧縮成形を行 (図11参照)。最後に、上パンチ320を徐々に上 昇させて徐々に減圧して圧縮成形が終了され て成形体M2が形成される(成形工程)。この場 もまた、原料粉末Pが、丁度棒状をなすよう 場配向方向で結晶破面が隙間なく接合され 磁場配向方向に揃った状態で圧縮成形を行 ため、配向の乱れのない高密度の成形体M2( 久磁石)が得られ、磁気特性も向上する。

 このように、磁場配向方向で結晶破面が 間なく接合されて揃った状態で圧縮成形す ことで、配向の乱れのない高密度の成形体M 2となり、成形体の強度が強くなって不良の 生率を低下できると共に、高磁気特性の成 体M2が得られる。この場合、キャビティ220内 に充填される原料粉末Pに樹脂バインダーを 合しておけば、高磁気特性の希土類ボンド 石(成形体)が得られる。

 成形工程における成形圧力は、0.1~2.0t/cm 2 、より好ましくは0.2~1.0t/cm 2 の範囲に設定される。0.1t/cm 2 より低い成形圧力では 成形体が十分な強度 有さず、例えば、圧縮成形機のキャビティ2 20から抜き出す際に割れてしまう。他方で、2 .0t/cm 2 を超えた成形圧力では、高い成形圧力がキャ ビティ220内の原料粉末Pへ加わってしまい、 向を崩しながら成形してしまうと共に、成 体にひびや割れが発生する虞がある。また 成形工程における磁界の強さは、5kOe~30kOeの 囲に設定される。磁界の強さが5k0eより弱い と、高配向性かつ高磁気特性のものが得られ ない。他方で、30k0eより強いと、磁界発生装 が大きくなりすぎて現実的ではない。

 次いで、例えば3k0eの逆磁場を印加して脱 磁を行った後に、ダイ20を下降端まで下降さ ると、キャビティ220内の成形体Mがダイ20上 に抜き出され、ダイベース160を上昇させて パンチ320を上昇端まで移動させた後に成形 を取り出す。最後に、得られた成形体を、 示しない焼結炉内に収納し、例えばAr雰囲 下で所定温度(1000℃)で所定時間焼結(焼結工 )し、さらに所定温度(500℃)、Ar雰囲気中で 定時間時効処理して、焼結磁石(Nd-Fe-B系の焼 結磁石)が得られる。

 なお、上記第1及び第2の両実施形態では 成形方向が磁界の方向に垂直である一軸加 式のものについて説明したが、これに限定 れるものではなく、成形方向と磁界の方向 が平行となる圧縮成型機を用いてもよい。 こで、第1実施形態では、一軸加圧式の圧縮 形機1を用いて粉体を成形するものについて 説明したが、ゴムモールドを用いた公知の構 造の静水圧成形機(図示せず)を用いることが きる。

 また、上記第1及び第2の両実施形態では 押圧または混練及び成形時の配向磁場とし 、単位時間当たりの磁界の強さが変化しな 静磁界を用いることとしたが、これに限定 れるものでなく、単位時間当たりの磁界の さが、一定の周期で変化する脈動パルス磁 を用いてもよい。この場合、逆磁場が印加 れるようにしてもよい。これにより、成形 際に原料粉末Pに対し振動を加えることがで るため、より一層配向性を向上できる。パ スの周期は、1ms~2sが好ましく、また、非出 時間は500ms以下に設定することが好ましい この範囲を超えると、強固な結合チェーン 切れてしまい、高い配向性が得られない。 た、脈動パルス磁場を印加する場合、その ーク値を、5~50k0eの範囲に設定することが好 しい。磁界の強さが5k0eより弱いと、高配向 性かつ高磁気特性のものが得られない。他方 で、50k0eより強いと、磁界発生装置が大きく りすぎ、また、装置の耐久性が低くなり、 実的ではない。

 さらに、上記第1及び第2の両実施形態では 焼結磁石の製造を例として説明したが、磁 または電界中で分極する粉末を配向させて 向体を作製したり、磁界または電界中でこ 配向したものを圧縮成形したり、圧縮形成 加えてまたはかえて、磁場または電場配向 たものまたは圧縮成形したものを焼結する のであれば、本発明の永久磁石の製造方法 適用または応用できる。例えば、(Tb、Dy)Fe 2 系超磁歪材料、SrO・6Fe 2 O 3 系材料、(Sr、La)O・6(Fe、Co) 2 O 3 系フェライト焼結磁石、SmFe 17 系窒化物ボンド磁石、Nd-Fe-B系HDDRボンド磁石 どの作製に適用でき、また、所定の粉末を 界中で成形した後、焼結してなる窒化珪素( Si 3 N 4 )焼結体の製造に応用できる。

 実施例1では、以下のようにNd-Fe-B系の原 粉末を作製し、以下の成形装置を用いて配 工程及び成形工程を実施して所定の成形体 作製し、次いで、Ar雰囲気下で1050℃の温度 で3時間、この成形体を焼結する焼結工程を 施してNd-Fe-B系の焼結磁石を得た。

 <原料粉末> Nd-Fe-B系の焼結磁石とし 、組成が22Nd-7Pr-0.95B-1Co-0.2Al-0.05Cu-0.1Zr-0.05Ga-ba l.Feのものを用い、ストリップキャスティン 法で合金を作製し、当該合金を0.2気圧の水 ガス中で3時間、水素粉砕(水素粉砕工程)し 後、500℃で3時間、真空脱水素処理を行った

 引き続き、ジェットミル微粉砕工程によ 微粉砕し、粉末粒度分布の半値幅が10μm(原 粉末A)、4μm(原料粉末B)、2μm(原料粉末C)で平 均粒径が3μmの原料粉末Pをそれぞれ作製した

 <配向工程> 配向工程として、図1に示 一軸加圧式の圧縮成形機1を用いた。ここで 圧縮成形機1は、50×50mm角の開口部を持った ャビティ22に20k0eの静磁界が印加できるよう に構成されている。先ず、キャビティ22内に 記原料粉末A、B、Cを充填した。充填に先立 て特定の合金原料には、固定潤滑剤(ステア リン酸亜鉛)が0.3%添加されており、また、75mm の充填深さに25%の充填密度で充填されるよう にした。そして、4k0eの磁場を印加しながら 押圧力を10kg/cm 2 に設定して押圧手段5により原料粉末A、B、C 押し付けて配向した。このときの押圧手段5 形状や押し付け回数などの条件は、図12(a) 示す。

 <成形工程> 成形工程として、図1に示 一軸加圧式の圧縮成形機1を用い、上記配向 たものに対し、20k0eの磁界を印加しながら 上下一対のパンチ31、32によって圧縮成形を った(成形工程)。この場合の成形圧力は、0. 5t/cm 2 に設定した。そして、圧縮成形後に2k0eの逆 場を印加し、脱磁を行った後、キャビティ22 から成形体を取り出した。

 <焼結工程> 公知構造を有する焼結炉を 用い、上記成形体を焼結処理した。この場合 、焼結温度を1050℃で3時間行った。焼結に先 って100℃から500℃の間で水素を100Pa真空中 気し、脱バインダー処理を行った。脱バイ ダー処理後直ちに水素の流気を止め、10 -5 Paの真空度まで脱水素処理を行った。焼結後 焼結磁石を500℃で2時間熱処理を行い、その 後、室温まで冷却した。

 図12(b)は、原料粉末の種類、押圧手段に る押し付けの方法等を変えて焼結磁石を得 ときの磁気特性及び配向度を示す表である 磁気特性は、BHトレーサーで評価した結果の 平均値であり、配向度は、残留磁束密度の値 を10Tでの飽和磁束密度で割ることで得た値で ある。

 これによれば、原料粉末の粒径の半値幅 狭い(シャープ)になる程、配向度及び保磁 が向上していることが判る。また、押圧手 の押し付け回数が増加するほど配向度が向 することが判る。さらに、押圧手段は、非 性材料であり、原料粉末に潤滑材を添加し 方が配向度が向上することが判る。他方、 圧手段の先端は尖っており、また、縦振動 加える方が、配向度が向上することが判る

 実施例2では、以下のようにNd-Fe-B系の原 粉末を作製し、以下の成形装置を用いて配 工程及び成形工程を実施して所定の成形体 作製し、次いで、Ar雰囲気下で1050℃の温度 で3時間、この成形体を焼結する焼結工程を 施してNd-Fe-B系の焼結磁石を得た。

 <原料粉末> Nd-Fe-B系の焼結磁石とし 、組成が23Nd-7Pr-0.98B-1Co-0.2Al-0.1V-0.05Sn-bal.Feの のを用い、ストリップキャスティング法で 金を作製し、当該合金を0.2気圧の水素ガス で3時間、水素粉砕(水素粉砕工程)した後、5 00℃で3時間、真空脱水素処理を行った。

 引き続き、ジェットミル微粉砕工程によ 微粉砕し、粉末粒度分布の半値幅が10μm(原 粉末A)、6μm(原料粉末B)、2μm(原料粉末C)で平 均粒径が5μmの原料粉末Pをそれぞれ作製した その際、固定潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)を0. 3%、カプロン酸メチルを0.5%適宜添加した。

 <配向工程> 配向工程として、図7に す一軸加圧式の圧縮成形機1を用いた。この 合、800gの重量で肉厚0.02mm、容積500ccのウレ ンゴム製の袋体Bに収納した。そして、袋体 Bを枠体55内に収納した後、5kgの押圧力を加え ることができる3本のプッシャー530を用い、 プッシャーを0.5秒サイクルで交互に5秒間作 させると共に、磁界発生装置4のコイル42a、 42bに通電し、1kOeの静磁場を印加し、袋体内 合金原料を磁場中にて混練して配向させた( 向工程)。

 <成形工程> 成形工程として、図6に示 一軸加圧式の圧縮成形機10を用い、上記配向 したものに対し、25k0eの静磁界を印加しなが 、上下一対のパンチ310、320によって圧縮成 を行った(成形工程)。この場合、キャビテ 220は、75×75mm角の開口部を有し、また、成形 圧力は、0.4t/cm 2 に設定した。そして、圧縮成形後に3k0eの逆 場を印加し、脱磁を行った後、キャビティ22 0から成形体を取り出した。

 <焼結工程> 公知構造を有する焼結炉を 用い、上記成形体を焼結処理した。この場合 、焼結温度を1050℃で3時間行った。焼結に先 って100℃から500℃の間で水素を1Pa真空中流 し、脱バインダー処理を行った。脱バイン ー処理後直ちに水素の流気を止め、10 -3 Paの真空度まで脱水素処理を行った。焼結後 焼結磁石を500℃で2時間熱処理を行い、その 後、室温まで冷却した。

 図13は、原料粉末の種類を変えて焼結磁 を得たときの磁気特性及び配向度を示す表 あり、当該表には、800gの原料粉末を混練せ に直接キャビティに充填し、上記実施例と 条件で焼結磁石を得たときの磁気特性及び 向度を併せて示す(比較例)。尚、磁気特性 、BHトレーサーで評価した結果の平均値であ り、配向度は、残留磁束密度の値を10Tでの飽 和磁束密度で割ることで得た値である。

 これによれば、原料粉末の粒径の半値幅 狭い(シャープ)になる程、配向度及び保磁 が向上していることが判る。また、配向工 の際に、原料粉末を混練すれば、配向度が 上し、特に最大エネルギー積が高くなるこ が判る。さらに、潤滑材を添加した方が配 度が向上することが判る。

本発明の第1実施形態の製造方法を実施 する圧縮成型機を待機位置で説明する図。 図1に示す圧縮成型機において押圧手段 を移動させた状態を説明する図。 キャビティに対する押圧手段の位置を 明する図。 (a)乃至(f)は、押圧手段の作動(配向工程 )を説明する図。 (a)従来技術の磁場配向を説明する図。( b)は、第1実施形態における磁場配向を説明す る図。 図1に示す圧縮成型機の成形工程を説明 する図。 本発明の第2実施形態の製造方法を実施 する圧縮成型機を待機位置で説明する図。 図7に示す圧縮成型機において混練手段 を移動させた状態を説明する図。 混練手段による袋体内の原料粉末の混 を説明する図。 (a)従来技術の磁場配向を説明する図。 (b)は、第2実施形態における混練磁場配向を 明する図。 図7に示す成形装置の成形工程を説明 る図。 (a)は、押圧手段の形状や押し付け回数 などの条件を示す表であり、(b)は、実施例1 より作製した焼結磁石の磁気特性及び配向 を示す表。 実施例2により作製した焼結磁石の磁 特性及び配向度を示す表。

符号の説明

1、10 圧縮成形機
2、20 ダイ
21、210 貫通孔
12、220 キャビティ
11、32 パンチ
4 磁界発生装置
5 押圧手段
57 押圧部材
50 混練手段
530 プッシャー
P 原料粉末