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Patent Searching and Data


Title:
PHOTOELECTRICAL CELL, AND COATING AGENT FOR FORMING POROUS SEMICONDUCTOR FILM FOR THE PHOTOELECTRICAL CELL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136261
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a photoelectrical cell having excellent electron production ability, reduced re-binding of electrons, and high photoelectrical conversion efficiency. Also disclosed is a method for producing the photoelectrical cell. In the photoelectrical cell, a porous metal oxide semiconductor film comprises a titanium oxide particle which comprises a base particle and a titanium oxide microparticle layer which covers the surface of the base particle, wherein the base particle comprises titanium oxide.

Inventors:
MIZUNO TAKAKI (JP)
KOYANAGI TSUGUO (JP)
TANAKA ATSUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057328
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
April 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
CATALYSTS & CHEM IND CO (JP)
MIZUNO TAKAKI (JP)
KOYANAGI TSUGUO (JP)
TANAKA ATSUSHI (JP)
International Classes:
H01M14/00; B82Y30/00; C09D7/61; C09D11/02; C09D11/033; C09D11/52; H01L31/04
Foreign References:
JP2002110261A2002-04-12
JP2002093471A2002-03-29
JP2002141115A2002-05-17
JP2006339127A2006-12-14
JP2005209567A2005-08-04
JP2004178885A2004-06-24
JP2003168496A2003-06-13
JPH01220380A1989-09-04
JPH05504023A1993-06-24
JPH06511113A1994-12-08
JP2006049311A2006-02-16
JPH11339867A1999-12-10
JP2003137549A2003-05-14
Other References:
See also references of EP 2151883A4
Attorney, Agent or Firm:
SUZUKI, Shunichiro (Gotanda Yamazaki Bldg. 6F13-6, Nishigotanda 7-chome,Shinagawa-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、
 多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
 多孔質金属酸化物半導体膜(1)が、酸化チタンからなる基体粒子と該基体粒子の表面を被覆した酸化チタン微粒子層とからなる酸化チタン粒子を含んでなることを特徴とする光電気セル。
 前記酸化チタン微粒子の平均粒子径が5~40nmの範囲にあり、基体粒子が球状酸化チタンであり、
 該基体粒子の平均粒子径が80~3,000nmの範囲にあり、
 酸化チタン粒子の平均粒子径が85~3,100nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の光電気セル。
 前記酸化チタン微粒子の平均粒子径が5~40nmの範囲にあり、基体粒子が繊維状酸化チタンおよび管状酸化チタンから選ばれる1種以上であり、
 該基体粒子の平均直径5~40nm、平均長さ25~1000μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の光電気セル。
 前記電極層(1)と多孔質金属酸化物半導体膜(1)との間にペルオキソチタン酸に由来する酸化チタン薄膜(1)を設けてなることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の光電気セル。
 前記酸化チタン薄膜(1)の膜厚が10~70nmの範囲にあり、細孔容積が0.01~0.20ml/gの範囲にあり、平均細孔径が0.5~5.0nmの範囲にあることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の光電気セル。
 球状酸化チタン、繊維状酸化チタンおよび管状酸化チタンか粒子から選ばれる1種以上の酸化チタンからなる基体粒子と、該基体粒子の表面を被覆した酸化チタン微粒子とからなる酸化チタン粒子層とを含んでなることを特徴とする光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。
Description:
光電気セルおよび該光電気セル 多孔質半導体膜形成用塗料

 本発明は、電子の生成能に優れるととも 電子の再結合が抑制され、さらに電子の逆 (暗電流あるいはバックカレントという)お び電極間の接着による短絡等が抑制された 高い光電変換効率を有する光電気セルおよ その製造方法に関する。

 高バンドギャップを有する金属酸化物半 体材料が光電変換材料、光触媒材料等の他 センサーや蓄電材料(バッテリー)等に用い れている。

 このうち、光電変換材料は光エネルギー 電気エネルギーとして連続して取り出せる 料であり、電極間の電気化学反応を利用し 光エネルギーを電気エネルギーに変換する 料である。このような光電変換材料に光を 射すると、一方の電極側で電子が発生し、 電極に移動し、対電極に移動した電子は、 解質中をイオンとして移動して一方の電極 戻る。このエネルギー変換は連続であるた 、たとえば、太陽電池などに利用されてい 。

 一般的な太陽電池は、先ず透明性導電膜 形成したガラス板などの支持体上に光電変 材料用半導体の膜を形成して電極とし、次 、対電極として別の透明性導電膜を形成し ガラス板などの支持体を備え、これらの電 間に電解質を封入して構成されている。

 光電変換材料用半導体に吸着した光増感 に例えば太陽光を照射すると、光増感材は 視領域の光を吸収して励起する。この励起 よって発生する電子は半導体に移動し、次 で、透明導電性ガラス電極に移動し、2つの 電極を接続する導線を通って対電極に移動し 、対電極に移動した電子は電解質中の酸化還 元系を還元する。一方、半導体に電子を移動 させた光増感材は、酸化体の状態になってい るが、この酸化体は電解質中の酸化還元系に よって還元され、元の状態に戻る。このよう にして電子が連続的に流れ、光電変換材料は 太陽電池として機能する。

 この光電変換材料としては、半導体表面 可視光領域に吸収を持つ分光増感色素を吸 させたものが用いられている。たとえば、 開平1-220380号公報(特許文献1)には、金属酸 物半導体の表面に、ルテニウム錯体などの 移金属錯体からなる分光増感色素層を有す 太陽電池が記載されている。また、特表平5- 504023号公報(特許文献2)には、金属イオンでド ープした酸化チタン半導体層の表面に、ルテ ニウム錯体などの遷移金属錯体からなる分光 増感色素層を有する太陽電池が記載されてい る。

 上記のような太陽電池では、光を吸収し 励起したルテニウム錯体などの分光増感色 層から酸化チタン半導体層へ電子の移動が 速に行われることが光変換効率向上に重要 あり、迅速に電子移動が行われないと再度 テニウム錯体と電子の再結合あるいは電子 逆流(暗電流あるいはバックカレントという )が起こり、光変換効率が低下する問題があ 。

 このため、酸化チタン半導体膜表面への 光増感色素の吸着量を増大させたり、酸化 タン半導体膜内の電子の移動性を向上させ りすることが検討されている。

 たとえば、酸化チタン半導体膜を形成す 際、チタニアゾルを電極基板上に塗布し、 燥し、ついで焼成する工程を繰り返して行 多孔質の厚膜を形成し、半導体膜を多孔質 することによって表面に担持するRu錯体の を増加させることが提案されている。また 400℃以上の温度でチタニア微粒子間の焼成 行い、導電性を向上させることも提案され いる。さらに特表平6-511113号公報(特許文献3) では、有効表面を増加させるために、塩化チ タンの水溶液に浸すか、塩化チタンの加水分 解液を用いて電気化学的にチタニア膜に堆積 させることが提案されている。

 また、特開2006-49311号公報(特許文献4)には、 平均粒子径が100nm以上のマクロ粒子と平均粒 径が50nm以下のナノ粒子の少なくともいくつ かが相互に化学結合した光反応層(半導体層) 用いると、光散乱の向上、及び又は、電気 ンピーダンスの低減効果があり、このため 対的に高い効率、相対的に高い電圧(開回路 )、相対的に高いJcs、及び/又は、相対的に高 フィルファクターを与えることが開示され いる。

特開平1-220380号公報

特表平5-504023号公報

特表平6-511113号公報

特開2006-49311号公報

 しかしながら従来のチタニアゾル等の微 粒子からなる半導体膜、あるいはマクロ粒 とナノ粒子とからなる半導体膜を用いた太 電池では、未だ光変換効率が不充分でさら る改良が求められている。

 上記問題点に鑑み本発明者等は鋭意検討 た結果、酸化チタンからなる基体粒子と該 体粒子の表面を被覆した酸化チタン微粒子 とからなる酸化チタン粒子を、多孔質金属 化物半導体膜に用いると、得られる光電気 ルの光電変換効率が向上することを見出し 本発明を完成するに至った。

 さらに、透明電極層と多孔質半導体膜と 間にペルオキシチタン酸を用いて酸化チタ 薄膜を形成することにより光電変換効率が らに向上した光電気セルが得られることを 出した。

 [1]表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1) 面に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物 導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面 電極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層( 1)および電極層(2)が対向するように配置して り、
 多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)と 間に電解質層を設けてなる光電気セルにお て、
 多孔質金属酸化物半導体膜(1)が、酸化チタ からなる基体粒子と該基体粒子の表面を被 した酸化チタン微粒子層とからなる酸化チ ン粒子を含んでなる光電気セル。

 [2]前記酸化チタン微粒子の平均粒子径が5~40 nmの範囲にあり、基体粒子が球状酸化チタン あり、
 該基体粒子の平均粒子径が80~3,000nmの範囲に あり、
 酸化チタン粒子の平均粒子径が85~3,100nmの範 囲にある[1]の光電気セル。

 [3]前記酸化チタン微粒子の平均粒子径が5~40 nmの範囲にあり、基体粒子が繊維状酸化チタ および管状酸化チタンから選ばれる1種以上 であり、
 該基体粒子の平均直径5~40nm、平均長さ25~1000 μmの範囲にある[1]の光電気セル。

 [4]前記電極層(1)と多孔質金属酸化物半導 膜(1)との間にペルオキソチタン酸に由来す 酸化チタン薄膜(1)を設けてなる[1]~[3]の光電 気セル。

 [5]前記酸化チタン薄膜(1)の膜厚が10~70nmの 範囲にあり、細孔容積が0.01~0.20ml/gの範囲に り、平均細孔径が0.5~5.0nmの範囲にある[1]~[4] 光電気セル。

 [6]球状酸化チタン、繊維状酸化チタンお び管状酸化チタンか粒子から選ばれる1種以 上の酸化チタンからなる基体粒子と、該基体 粒子の表面を被覆した酸化チタン微粒子とか らなる酸化チタン粒子層とを含んでなること を特徴とする光電気セル用多孔質金属酸化物 半導体膜形成用塗料。

 本発明によれば、多孔質金属酸化物半導 膜が酸化チタンからなる基体粒子と該基体 子の表面を被覆した酸化チタン微粒子とか なる酸化チタン粒子を含んでいるので光増 材の吸着量が高く、光散乱効果が得られる で光利用率が向上し、さらに導電パスが短 されるので電子の逆流および電子の再結合 抑制でき、このため光電変換効率の向上し 光電気セルを提供することができる。

本発明の光電気セルの1例を示す概略断 面図である。

符号の説明

1・・・・・電極層(1)
2・・・・・半導体膜(1)
3・・・・・電極層(2)
4・・・・・電解質層(2)
5・・・・・基板(1)
6・・・・・基板(2)
7・・・・・酸化チタン薄膜

 以下、先ず、本発明に係る光電気セルに いて具体的に説明する。

  光電気セル
 本発明に係る光電気セルは、
 表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表 に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半 体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に 極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層(1) よび電極層(2)が対向するように配置してな 、
 多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)と 間に電解質層を設けてなる光電気セルにお て、
 多孔質金属酸化物半導体膜(1)が、酸化チタ からなる基体粒子と該基体粒子の表面を被 した酸化チタン微粒子層とからなる酸化チ ン粒子を含んでなることを特徴としている

 本発明によって得られる光電気セルとし は、たとえば、図1に示すものが挙げられる 。

 図1は、本発明によって得られる光電気セ ルの1例を示す概略断面図であり、表面に電 層(1)を有し、電極層(1)上に、光増感材を吸 した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成さ てなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する 板(2)とが、前記電極層(1)および電極層(2)が 向するように配置してなり、多孔質金属酸 物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質が 入されている。なお、必要に応じて該電極 (1)上に酸化チタン薄膜(1)を有していてもよ 。このような酸化チタン薄膜を有している 、酸化チタン膜による暗電流の抑制、電子 再結合の抑制が高く、光電変換効率を高め ことができる。

 図1中、1は電極層(1)、2は半導体膜(1)、3は 電極層(2)、4は電解質層(2)、5は基板(1)、6は基 板(2)、7は酸化チタン薄膜(1)を示す。

 なお、本発明によって得られる光電気セ は図示した光電気セルに限定されるもので なく、半導体膜を2層以上有し、この間に別 の電極層および電解質層を設けた光電気セル であってもよい。

  基板
 一方の基板としてはガラス基板、PET等の有 ポリマー基板等の透明でかつ絶縁性を有す 基板を用いることができる。

 他の一方の基板としては使用に耐える強 を有していれば特に制限はなく、ガラス基 、PET等の有機ポリマー基板等の絶縁性基板 他に、金属チタン、金属アルミニウム、金 銅、金属ニッケルなどの導電性基板を使用 ることができる。

 また、基板は少なくとも一方が透明であ ばよい。

  電極層
 基板(1)表面に形成された電極層(1)としては 酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸 化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた 化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛 貴金属等などの従来公知の電極を使用する とができる。

 このような電極層(1)は、熱分解法、CVD法 どの従来公知の方法により形成することが きる。

 また、他の一方の基板(2)表面に形成され 電極層(2)としては、還元触媒能を有するも であれば特に制限されるものでなく、白金 ロジウム、ルテニウム金属、ルテニウム酸 物等の電極材料、酸化錫、Sb、FまたはPがド ーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFが ーピングされた酸化インジウム、酸化アン モンなどの導電性材料の表面に前記電極材 をメッキあるいは蒸着した電極、カーボン 極など従来公知の電極を用いることができ 。

 このような電極層(2)は、基板(2)上に前記 極を直接コーティング、メッキあるいは蒸 させて、導電性材料を熱分解法、CDV法等の 来公知の方法により導電層を形成した後、 導電層上に前記電極材料をメッキあるいは 着するなど従来公知の方法により形成する とができる。

 なお、基板(2)は、基板(1)と同様に透明基 であってもよく、また電極層(2)は、電極層( 1)と同様に透明電極であってもよい。さらに 基板(2)は基板(1)と同じものであってもよく 電極層(2)は電極層(1)と同じものであっても い。

 透明基板(1)と透明電極層(1)の可視光透過 は高い方が好ましく、具体的には50%以上、 に好ましくは90%以上であることが望ましい 可視光透過率が50%未満の場合は光電変換効 が低くなることがある。

 電極層(1)および電極層(2)の抵抗値は、各々1 00ω/cm 2 以下であることが好ましい。電極層の抵抗値 が100ω/cm 2 を超えて高くなると光電変換効率が低くなる ことがある。

  酸化チタン薄膜
 本発明において、必要に応じて電極層(1)上 酸化チタン薄膜(1)を形成してもよい。この 化チタン薄膜(1)は増粘剤を含むペルオキシ タン酸水溶液を用いて形成されたものであ 、緻密な膜である。

 酸化チタン薄膜(1)は膜厚が10~70nm、さらに は20~40nmの範囲にあることが好ましい。酸化 タン薄膜(1)の膜厚が薄いと、酸化チタン膜(1 )による暗電流の抑制、電子の再結合の抑制 不充分となる。酸化チタン薄膜(1)の膜厚が すぎると、エネルギー障壁が大きくなりす て電子の移動が抑制され、逆に光電変換効 が低下することがある。

 また、酸化チタン薄膜(1)は細孔容積が0.01 ~0.20ml/g、さらには0.02~0.15ml/gの範囲にあるこ が好ましい。細孔容積が前記上限よりも多 と、緻密性が低下してしまい、電解液と電 との接触が起こり、電子の逆流、電子の再 合の抑制効果が不充分となることがある。 お、スパッタリングなどの方法でも、緻密 酸化チタン薄膜を得ることは可能であるが 緻密すぎて電子の移動を阻害したり、後に 成する多孔質金属酸化物半導体膜との密着 が不充分となることがある。

 酸化チタン薄膜(1)は平均細孔径が0.5~5.0nm さらには1.0~3.5nmの範囲にあることが好まし 。酸化チタン薄膜(1)の平均細孔径が前記上 よりも大きいものは、電解液と電極との接 が起こり、電子の逆流、電子の再結合の抑 効果が不充分となることがある。

 このような酸化チタン薄膜(1)は、電極層(1) に増粘剤を含むペルオキシチタン酸水溶液 、 ( A)スピンコート法、(B)ディップコート法、(C) レキソ印刷法、(D)ロールコーター法、(E)電 泳動法から選ばれる1種以上の方法で塗布し 、乾燥し、硬化させることにより形成するこ とができる。

 酸化チタン薄膜(1)の形成に用いるペルオキ チタン酸水溶液の濃度はTiO 2 として0.1~2.0重量%、さらには0.3~1.0重量%の範 にあることが好ましい。ペルオキシチタン 水溶液の濃度が薄いと、所望の膜厚の酸化 タン薄膜(1)が得られないことがあり、繰返 塗布、乾燥を行う必要が生じる。ペルオキ チタン酸水溶液の濃度が薄いと、乾燥時に ラックが生じたり、緻密な膜を形成できな ことがあり、暗電流の抑制、電子の再結合 抑制効果が得られないことがある。

 ここで、ペルオキシチタン酸とは過酸化 和チタンをいい、たとえば、チタン化合物 水溶液、または水和酸化チタンのゾルまた ゲルに過酸化水素を加えて加熱することに って調製することができる。具体的には、 ず、チタン化合物を加水分解してオルソチ ン酸のゾルまたはゲルを調製する。

 オルソチタン酸のゲルは、チタン化合物 して塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニ などのチタン塩を使用し、この水溶液にア カリを加えて中和し、洗浄することによっ 得ることができる。また、オルソチタン酸 ゾルは、チタン塩の水溶液をイオン交換樹 に通して陰イオンを除去するか、あるいは タンテトラメトキシド、チタンテトラエト シド、チタンテトライソプロポキシドなど チタンアルコキシドの水および/または有機 溶媒に酸またはアルカリを加えて加水分解す ることによって得ることができる。

 中和あるいは加水分解する際のチタン化 物の溶液のpHは7~13の範囲にあることが好ま い。チタン化合物溶液のpHが上記範囲にあ とオルソチタン酸のゲルまたはゾルの微細 粒子が得られ、後述する過酸化水素との反 が容易となる。

 さらに、中和あるいは加水分解する際の 度は0~60℃の範囲にあることが好ましく、特 に好ましい範囲は0~50℃の範囲である。中和 るいは加水分解する際の温度が上記範囲に るとオルソチタン酸のゲルまたはゾルの微 な粒子が得られ、後述する過酸化水素との 応が容易となる。得られたゲルまたはゾル のオルソチタン酸粒子は、非晶質であるこ が好ましい。

 次に、オルソチタン酸のゲルまたはゾル るいはこれらの混合物に、過酸化水素を添 してオルソチタン酸を溶解してペルオキシ タン酸水溶液を調製する。

 ペルオキシチタン酸水溶液を調製するに際 ては、オルソチタン酸のゲルまたはゾルあ いはこれらの混合物を、必要に応じて約50 以上に加熱したり、攪拌したりすることが ましい。また、この際、オルソチタン酸の 度が高くなるすぎると、その溶解に長時間 必要とし、さらに未溶解のゲルが沈殿した 、あるいは得られるペルオキシチタン酸水 液が粘調になることがある。このため、TiO 2 濃度としては、約10重量%以下であることが好 ましく、さらに約5重量%以下であることが望 しい。

 添加する過酸化水素の量は、H 2 O 2 /TiO 2 (オルソチタン酸はTiO 2 に換算)重量比で1以上であれば、オルソチタ 酸を完全に溶解することができる。H 2 O 2 /TiO 2 重量比が1未満であると、オルソチタン酸が 全には溶解せず、未反応のゲルまたはゾル 残存することがある。また、H 2 O 2 /TiO 2 重量比は大きいほど、オルソチタン酸の溶解 速度は大きく反応時間は短時間で終了するが 、あまり過剰に過酸化水素を用いても、未反 応の過酸化水素が系内に残存するだけであり 、経済的でない。このような量で過酸化水素 を用いると、オルソチタン酸は0.5~20時間程度 で溶解する。本発明に用いるペルオキシチタ ン酸水溶液は溶解後、50~90℃で熟成すること 好ましい。この熟成を行うと実質的に非晶 であるがアナターゼ類似のX線回折パターン を示し、平均粒子径が10~50nmの範囲にある粒 が生成し、前記細孔容積および平均細孔径 有する酸化チタン薄膜を再現性よく得るこ ができる。

 熟成時間は熟成温度によっても異なるが 通常1~25時間である。

 また、本発明に用いるペルオキシチタン 水溶液は増粘剤を含んでいるが、増粘剤と てはエチレングリコール、ポリエチレング コール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキ プロピルセルロース、ポリアクリル酸、エ ルセルロース、ポリビニルアルコール、メ ノール、エタノール、イソプロピルアルコ ル、ノルマルブタノール、ターシャリーブ ノール等が含まれていてもよい。このよう 増粘剤がペルオキシチタン酸水溶液中に含 れていると、塗布液の粘度が高くなり、こ により均一に塗布することができ、クラッ のない均一な膜厚の酸化チタン薄膜が得ら 、下層の電極層との密着性の高い酸化チタ 薄膜を得ることができる。

 ペルオキシチタン酸水溶液中の増粘剤の 度は増粘剤の種類によっても異なるが1.0~60. 0重量%、さらには3.0~35.0重量%の範囲にあるこ が好ましい。増粘剤の濃度が1.0重量%未満の 場合は前記増粘剤を用いた効果が不充分であ り、60.0重量%を越えると塗布性が低下し、膜 が厚くなりすぎたり、クラックが生じるこ があり、前記酸化チタン薄膜を設ける効果 得られないことがある。

 ペルオキシチタン酸水溶液の塗布方法が( A)スピンコート法、(B)ディップコート法、(C) レキソ印刷法、(D)ロールコーター法(E)電気 動法のいずれかであれば、電極層との密着 に優れ、膜厚が均一で、クラックがなく、 つ強度に優れた酸化チタン薄膜(1)を形成す ことができ、特に工業的にはフレキソ印刷 が好適に採用することができる。

 乾燥は分散媒である水を除去できる温度 あればよく、従来公知の方法を採用するこ ができ、風乾することも可能であるが、通 50~200℃で0.2~5時間程度乾燥する。本発明で 、乾燥後、後述する多孔質金属酸化物半導 膜を形成することができるが、乾燥後硬化 た後多孔質金属酸化物半導体膜を形成して よい。

 乾燥処理のみでも硬化するが、さらに必 に応じて紫外線を照射し、ついで加熱処理 よってアニーリングする。

 紫外線の照射はペルオキソチタン酸が分 して硬化するに必要な量照射すればよい。 熱処理は、通常、200~500℃、さらには300~450 で概ね1~48時間処理する。

  多孔質金属酸化物半導体膜
 前記電極層(1)上、または必要に応じて設け 酸化チタン薄膜(1)上に多孔質金属酸化物半 体膜が形成されている。この多孔質金属酸 物半導体膜の膜厚は、0.1~50μmの範囲にある とが好ましい。

 多孔質金属酸化物半導体膜は、酸化チタ からなる基体粒子と該基体粒子の表面を被 した酸化チタン微粒子層とからなる酸化チ ン粒子から形成されている。

  酸化チタン基体粒子
 酸化チタン基体粒子は、球状酸化チタン、 維状酸化チタンおよび管状酸化チタンから ばれる1種以上が使用される。これらは混合 して使用してもよい。

 基体粒子が、球状酸化チタンの場合、平 粒子径が80~3,000nm、さらには100~2,000nmの範囲 あることが好ましい。

 また、繊維状酸化チタンまたは管状酸化 タンの場合、平均直径5~40nm、平均長さ25~1000 μm、好ましくは平均直径8~30nm、平均長さ50~600 μmの範囲にあることが望ましい。

 管状酸化チタンの場合は、外径は、前記 径に相当し、内径は、4~20nm、好ましくは5~10 nmの範囲にあることが望ましく、さらに、管 は0.5~10nmの範囲にあることが望ましい。

 酸化チタン基体粒子は小さいものは、形 された金属酸化物半導体膜にクラックが発 しやすく、少ない回数で後述する膜厚を有 るクラックのない厚膜を形成することが困 になることがあり、さらに金属酸化物半導 膜の細孔径、細孔容積が低下し光増感材の 着量が低下することもある。また、酸化チ ン基体粒子が大きすぎても、粒子間隙が大 くなるために光の透過量が増大して光の利 率が低下したり、金属酸化物半導体膜の強 が不充分となることがある。

  酸化チタン微粒子
 酸化チタン基体粒子の表面を被覆する酸化 タン微粒子の平均粒子径は5~40nm、さらには1 0~30nmの範囲にあることが好ましい。

 酸化チタン微粒子が小さいものは得るこ 自体が困難であり、得られたとしても結晶 が低く、また、形成後の半導体膜を加熱処 した際に温度によっては焼結することがあ 、酸化チタン微粒子の比表面積が低下する めに光増感材の吸着量が低下し、光電変換 率が不充分となることがある。また、酸化 タン微粒子が大きすぎると、酸化チタン微 子層の比表面積が小さくなり、このため光 感材の吸着量が不充分となり、光電変換効 が不充分となることがある。

 なお、前記酸化チタン基体粒子、酸化チ ン微粒子は結晶性の酸化チタン、例えば、 ナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸 チタン、ルチル型酸化チタンであることが ましい。

  酸化チタン粒子
 本発明で使用される酸化チタン粒子は、前 基体粒子の表面に酸化チタン微粒子層が形 されている。酸化チタン粒子は互いに結合 あるいは凝集状態になく、単分散している とが好ましい。

 酸化チタン微粒子の被覆量は酸化チタン 子(すなわち基体粒子と酸化チタン微粒子) に10~60重量%、さらには20~50重量%の範囲にあ ことが好ましい。

 酸化チタン微粒子の被覆量が少ないと、 化チタン微粒子層が少ないために光増感材 吸着量が不充分となり、光電変換効率が不 分となることがある。酸化チタン微粒子の 覆量が酸化チタン粒子中に60重量%を越える 、酸化チタン微粒子層が厚くなり、従来の 化チタン微粒子のみからなる半導体膜と同 に電子の移動に時間を要し、電子の再結合 起こりやすく、光電変換効率が不充分とな ことがある。

 基体粒子が球状粒子の場合、酸化チタン 子の平均粒子径は85~3,100nm、さらには110~2,100 nmの範囲にあることが好ましい。酸化チタン 子が小さいと、形成後の半導体膜の細孔が さく、且つ長く曲折しているため発生した 子の移動に時間を要し、電子の再結合が起 りやすく、光電変換効率が不充分となるこ がある。酸化チタン粒子が大きすぎると、 子が大きすぎるため膜強度が弱くなったり 粒子間の空隙が大きくなるため光の透過量 増大したり、反射が不充分となるために光 利用率が低下し、光電変換効率が不充分と ることがある。

 本発明に用いる酸化チタン粒子の調製方 は、前記酸化チタンが得られれば特に制限 ないが、例えば酸化チタン基体粒子の分散 に、酸化チタン粒子中の酸化チタン微粒子 前記した所定量の範囲となるように酸化チ ン微粒子を混合した分散液とし、必要に応 て分散液のpHを概ね10~13に制御して、さらに 必要に応じて概ね100~300℃で熟成(水熱処理)す る。

 分散媒としては、水、アルコール、グリ ール、ケトン、エステル等、およびこれら 混合液を用いることができる。

 この時の混合分散液の濃度は、酸化チタ 基体粒子と酸化チタン微粒子との合計の濃 が酸化物として1.0~50重量%、さらには5.0~25重 量%の範囲にあることが好ましい。

 混合分散液の濃度が小さいと、充分な酸 チタン微粒子の被覆ができない場合がある 混合分散液の濃度が高すぎても、得られる 化チタン粒子が凝集体となり、半導体膜形 用の塗料化が困難であり、また塗布も困難 なり、得られる金属酸化物半導体膜の強度 不充分となることがある。

 また、前記酸化チタン微粒子分散液を使 するかわりに前記した酸化チタン薄膜の形 に用いたと同様のペルオキシチタン酸水溶 あるいはこれを50~90℃で熟成したものを使 してもよい。ペルオキソチタン酸の熟成水 液中には平均粒子径が10~50nmの範囲にある粒 が生成しており、また熟成前の水溶液はこ ような粒子生成前の段階にある透明性を有 る溶液である。

 したがって、このようなペルオキシチタ 酸水溶液を前記酸化チタン基体粒子ととも 水熱処理することによって酸化チタン基体 子表面に酸化チタン微粒子が生成し、酸化 タン微粒子が結合した酸化チタン粒子層を ることができる。

 さらに、前記酸化チタン微粒子とともに ペルオキシチタン酸水溶液とを混合して用 て微粒子層を形成してもよい。

 多孔質金属酸化物半導体膜の細孔容積は0.10 ~0.80ml/g、さらには0.2
0~0.65ml/gの範囲にあることが好ましい。

 多孔質金属酸化物半導体膜の細孔容積が さいものは、増感色素の吸着が不十分とな たり、電解質の拡散性が低下してバックカ ントを引き起こすことがあり、変換効率が 充分となることがある。細孔容積が高すぎ と、金属酸化物半導体膜の強度が不充分と ることがある。

 また、多孔質金属酸化物半導体膜は、酸 チタン微粒子層を形成する微粒子同士の粒 間隙によって、細孔径が1~15nmの範囲の細孔 有し、酸化チタン粒子同士の粒子間隙によ て、細孔径が20~500nmの範囲の細孔を有して る。

  このような多孔質金属酸化物半導体膜 製造方法は、前記した酸化チタン粒子を含 多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗布液を いる以外は、本願出願人の出願による特開 11-339867号公報に開示した金属酸化物半導体 の製造方法は好適に準用することができる

 より好適には、後述する本発明に係る光 気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用 料を電極層上、または必要に応じて形成し 酸化チタン薄膜上に塗布し、乾燥した後、 外線照射により硬化、あるいは加熱硬化さ て形成することができる。

 本発明に係る光電気セルでは、多孔質金 酸化物半導体膜(1)が光増感材を吸着してい 。

  光増感材
 光増感材としては、可視光領域、紫外光領 、赤外光領域の光を吸収して励起するもの あれば特に制限はなく、たとえば有機色素 金属錯体などを用いることができる。

 有機色素としては、分子中にカルボキシ 基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル 、スルホン基、カルボキシアルキル基等の 能基を有する従来公知の有機色素が使用で る。具体的には、メタルフリーフタロシア ン、シアニン系色素、メタロシアニン系色 、トリフェニルメタン系色素およびウラニ 、エオシン、ローズベンガル、ローダミンB 、ジブロムフルオレセイン等のキサンテン系 色素等が挙げられる。これらの有機色素は金 属酸化物半導体膜への吸着速度が早いという 特性を有している。

 また、金属錯体としては、特開平1-220380号 報、特表平5-504023号公報などに記載された銅 フタロシアニン、チタニルフタロシアニンな どの金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘ ミン、ルテニウム-トリス(2,2'-ビスピリジル-4 ,4'-ジカルボキシラート)、シス-(SCN - )-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレー )ルテニウム、ルテニウム-シス-ジアクア-ビ ス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシラート) どのルテニウム-シス-ジアクア-ビピリジル 体、亜鉛-テトラ(4-カルボキシフェニル)ポル フィンなどのポルフィリン、鉄-ヘキサシア ド錯体等のルテニウム、オスミウム、鉄、 鉛などの錯体を挙げることができる。これ の金属錯体は分光増感の効果や耐久性に優 ている。

 上記の光増感材としての有機色素または 属錯体は単独で用いてもよく、有機色素ま は金属錯体の2種以上を混合して用いてもよ く、さらに有機色素と金属錯体とを併用して もよい。

 多孔質金属酸化物半導体膜の光増感材の吸 量は多孔質金属酸化物半導体膜の比表面積1 cm 2 あたり100μg以上、さらには150μg以上であるこ とが好ましい。多孔質金属酸化物半導体膜の 光増感材の吸着量が1少ないと光電変換効率 不充分となる。

 このような光増感材の吸着方法は、特に 限はなく、光増感材を溶媒に溶解した溶液 、ディッピング法、スピナー法、スプレー 等の方法により多孔質金属酸化物半導体膜 吸収させ、次いで乾燥する等の一般的な方 が採用できる。さらに必要に応じて前記吸 工程を繰り返してもよい。また、光増感材 液を加熱環流しながら前記基板と接触させ 光増感材を多孔質金属酸化物半導体膜に吸 させることもできる。

 光増感材を溶解させる溶媒としては、光 感材を溶解するものであればよく、具体的 は、水、アルコール類、トルエン、ジメチ ホルムアミド、クロロホルム、エチルセル ルブ、Nーメチルピロリドン、テトラヒドロ フラン等を用いることができる。

 光増感材溶液の光増感材の濃度は多孔質金 酸化物半導体膜の比表面積1cm 2 あたり100μg以上、さらには200μg以上となる濃 度が好ましい。

 本発明では、前記した表面に電極層(1)を し、該電極層(1)上に必用に応じて酸化チタ 薄膜(1)を有し、かつ電極層(1)上または酸化 タン薄膜(1)上に光増感材を吸着した多孔質 属酸化物半導体膜を有する基板(1)と、表面 電極層(2)を有する基板(2)とを、電極層(1)お び電極層(2)が対向するように配置し、側面 樹脂にてシールし、多孔質金属酸化物半導 膜(1)と電極層(2)との間に電解質を封入し、 らに電極間をリード線で接続することによ て光電気セルを製造することができる。

  電解質層
 電解質としては、電気化学的に活性な塩と もに酸化還元系を形成する少なくとも1種の 化合物との混合物が使用される。

 電気化学的に活性な塩としては、テトラプ ピルアンモニウムアイオダイドなどの4級ア ンモニウム塩が挙げられる。酸化還元系を形 成する化合物としては、キノン、ヒドロキノ ン、沃素(I - /I - 3 )、沃化カリウム、臭素(Br - /Br - 3 )、臭化カリウム等が挙げられる。場合によ てはこれらを混合して使用することもでき 。

 このような電解質の使用量は、電解質の 類、後述する溶媒の種類によっても異なる 、概ね0.1~5モル/リットルの範囲にあること 好ましい。

 電解質層には、従来公知の溶媒を用いる とができる。具体的には水、アルコール類 オリゴエーテル類、プロピオンカーボネー 等のカーボネート類、燐酸エステル類、ジ チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、 スルホラン66の硫黄化合物、炭酸エチレン、 セトニトリル、γ-ブチロラクトン等が挙げ れる。

 電気化学的に活性な塩としては、テトラプ ピルアンモニウムアイオダイドなどの4級ア ンモニウム塩が挙げられる。酸化還元系を形 成する化合物としては、キノン、ヒドロキノ ン、沃素(I - /I - 3 )、沃化カリウム、臭素(Br - /Br - 3 )、臭化カリウム等が挙げられる。場合によ てはこれらを混合して使用することもでき 。

 また、イオン性液体に電解質を溶解させ もよい。イオン性液体とは、常温で溶融し 塩であり、高いイオン密度を有し、かつイ ン移動度も大きいため、極めて高いイオン 導度を示す。このため電解質のマトリック るとして使用することもできる。

 イオン性液体としては、イミダゾリウム 、ピリジニウム塩、アンモニウム塩などの に、2-メチル-1-ピロリン、1-メチルピラゾー ル、1-エチルカルバゾールなどが例示される これらは高分子量化させることも可能であ 、さらに必要に応じてゲル化させることも きる。

 電解液はさらに必要に応じて、イオン伝 促進材を含んでいてもよい。イオン伝導促 材としては、酸化チタンナノチューブ、繊 状酸化チタン、カーボンナノチューブから る群から選ばれる少なくとも1種が例示され る。これらを含んでいると、イオンの伝導が 促進され、高い光電変換効率を発現できる。 その理由は明確ではないものの、これらの粒 子は直線状の長い粒子であり、これらの粒子 表面に電解質が配向し、電子あるいはイオン は最短経路を流れるのでイオン伝導が促進さ れるものと思料される。

 また、電解液はゲル化していても、何ら し支えることがない。とくに、ゲル化して れば、電解液の漏液もなくなるの好都合で る。

 さらに、本発明では電解質として固体電解 を用いることができる。固体電解質として 、CuI、CuBr、CuSCN、ポリアニリン、ポリピロ ル、ポリチオフェン、アリールアミン系ポ マー、アクリル基および/またはメタクリル 基を有するポリマー、ポリビニルカルバゾー ル、トリフェニルジアミンポリマー、L-valine 導体低分子ゲル、ポリオリゴエチレングリ ールメタクリレート、poly(o-methoxy aniline)、p oly(epichlorohydrin-Co-ethylene oxide)、2,2',7,7'-tetoraki s(N,N-di-P-methoxyphenyl-amine)-9,9'-spirobifluorene 、パ ーフルオロスルフォネートなどのようなプロ トン伝導性を有するフッ素系のイオン交換樹 脂、パーフルオロカーボン共重合体、パーフ ルオロカーボンスルホン酸等の他、ポリエチ レンオキサイドや、イオンゲル法としてたと えばイミダゾールカチオンとBr - 、BF 4 - 、N - (SO 2 CF 3 ) 2 で対イオンを形成し、これにビニルモノマー 、PMMAモノマーを加えて重合させたものも好 に用いることができる。これらの固体電解 を使用する場合、固体電解質を構成する成 を溶媒に分散または溶解させ、さらに前記 オン伝導促進材を分散させたのち、得られ 分散液を注入し、電極間に注入したのち、 要に応じて溶媒を除去したのち、入り口を して光電気セルが形成される。なお、ここ 固体電解質はゲル状である電解質を含んで 味している。

 電解質がゲル状の場合、粘度が1000cp以上 さらには2000~10,000cpの範囲にあることが好ま しい。電解質の粘度が1000cp未満の場合は電解 質の逸散がなく、このため長期使用によって も光電変換効率が低下することがなく、また 腐食等の原因になることもない。

 電解質層中の前記イオン伝導促進材の含 量は、固形分として5~40重量%、さらには10~30 重量%の範囲にあることが好ましい。この範 にあれば、ゲル化が充分に起こるとともに イオン伝導促進効果を高めることができる

 次に、本発明に係る光電気セル用多孔質 属酸化物半導体膜形成用塗料について説明 る。

  光電気セル用多孔質金属酸化物半 導体膜形成用塗料
 本発明に係る光電気セル用多孔質金属酸化 半導体膜形成用塗料は、酸化チタンからな 基体粒子と該基体粒子の表面を被覆した酸 チタン微粒子とからなる酸化チタン粒子を んでなることを特徴としている。

  酸化チタン粒子
 酸化チタン粒子としては前記した酸化チタ 粒子を用いる。

  分散媒
 塗料の分散媒としては水、アルコール類、 トン類、グリコール類、エーテル類、テレ ン類、から選ばれる1種以上が用いられる。

 具体的には、アルコール類としてはメタ ール、エタノール、イソプロピルアルコー 、ブタノール等、ケトン類としてはアセト などグリコール類としてエチレングリコー 、プロピレングリコール等、エーテル類と てはブチルカルビトール、ブチルカルビト ルアセテート等、テレピン類としては、テ ピネオール、ジヒドロターピネオール、タ ピノーレン等が挙げられる。

 スクリーン印刷法ではテルピネオール、 チルカルビトール等の溶媒に分散させた塗 が好適に用いられる。

 また、速乾性が要求される印刷方法では 水とメタノール、エタノール、イソプロピ アルコール、ブタノール等の比較的低沸点 アルコール類を含む水性分散媒は前記酸化 タン粒子、後述する必要に応じて用いる増 剤とを均一に分散あるいは溶解できるとと に、基材に酸化チタン粒子層を形成した後 乾燥する際に分散媒が蒸発しやすいので好 に用いることができる。

  増粘剤
 本発明の塗料には増粘剤が含まれていても く、増粘剤としては、ポリエチレングリコ ル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプ ピルセルロース、ポリアクリル酸、エチル ルロース、メチルセルロース、カルボキシ チルメチルセルロース、ポリビニルアルコ ル、アクリル樹脂、ケトン樹脂、メラミン 脂等が挙げられる。このような増粘剤が多 質金属酸化物半導体膜形成用塗料中に含ま ていると、塗料の粘度が高くなり、これに り均一に塗布することができ、前記した細 容積および細孔径を有する多孔質金属酸化 半導体膜を得ることができる。

 多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料中 増粘剤の濃度は増粘剤の種類によっても異 るが1.0~40.0重量%、さらには4.0~10.0重量%の範 にあることが好ましい。増粘剤の濃度が低 ぎれば、増粘剤を用いた効果が不充分とな 、増粘剤の濃度が高すぎると、塗布性が低 するとともに、得られる半導体膜の強度が 充分となり、さらに増粘剤の完全な除去が 難となり、充分な光電変換効率の向上効果 得られないことがある。

 多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料中 酸化チタン粒子の濃度は、酸化チタン換算 1~30重量%、さらには2~20重量%の範囲にあるこ とが好ましい(なお、後述するように、酸化 タン粒子とともにバインダーとペルオキシ タン酸が含まれている場合には、粒子との 計量が酸化チタン換算で前記範囲とする)。

 前記濃度が1重量%未満の場合は、濃度が薄 ぎて1回の操作で所望の厚さの金属酸化物半 体膜を形成できない場合があり、繰り返し 作が必要となる。
前記濃度が30重量%を超えると分散液の粘度が 高くなり、得られる金属酸化物半導体膜の緻 密度が低下し、半導体膜の強度、耐摩耗性が 不充分となることに加え、電子の移動性が低 下し、光電変換効率が不充分となることがあ る。

 前記多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗 には、必要に応じて、ペルオキシチタン酸 含まれていてもよい。ペルオキシチタン酸 含まれていると緻密で強度に優れるととも 電子移動性に優れた多孔質金属酸化物半導 膜が得られ、さらに光増感材の吸着量が増 し、この結果、光電変換効率が向上する。 料中のペルオキシチタン酸の使用量は酸化 タンとして酸化チタン粒子の1~30重量%、さ には2~15重量%の範囲にあることが好ましい。

 ペルオキシチタン酸の使用量が少なすぎ と、酸化チタン薄膜(1)との緻密性、半導体 の強度を向上させる効果、光増感材の吸着 の増加効果、光電変換効率を向上させる効 等が不充分となることがある。ペルオキシ タン酸の使用量が多くしても前記効果が更 向上することもなく、光電変換効率が低下 ることがある。

 このような、多孔質金属酸化物半導体膜 成用塗料を電極層上、または酸化チタン薄 上に塗布し、乾燥した後紫外線照射により 化、あるいは加熱硬化するとともにアニー ングして形成することができる。

 塗布方法はディップ法、スピナー法、ロ ルコーター法、フレキソ印刷法、スクリー プリント法等が好適である。

 乾燥は分散媒を除去できる温度であれば く、従来公知の方法を採用することができ 風乾することも可能であるが、通常50~200℃ 0.2~5時間程度乾燥する。紫外線の照射はペ オキソチタン酸の含有量などによって異な が、ペルオキソチタン酸が分解して硬化す に必要な量照射すればよい。加熱処理は、 常、200~600℃、さらには300~500℃で概ね1~48時 処理する。

 このようにして得られた多孔質金属酸化 半導体膜の膜厚は0.1~50μmの範囲にあること 好ましい。

 [実施例]
 以下、本発明を実施例により説明するが、 発明はこれらに実施例により限定されるも ではない。

 [酸化チタン粒子の調製例]
  酸化チタン粒子(T1)分散液の調製
 酸化チタン基体粒子分散液(触媒化成工業( )製:HPW-400C、平均粒子径400nm、TiO 2 濃度20重量%)60gと、酸化チタン微粒子分散液( 媒化成工業(株)製:HPW-18NR、平均粒子径20nm、T iO 2 濃度20重量%)40gとを混合し、合計のTiO 2 濃度を7.5重量%となるように調整し、これを ートクレーブにて、235℃で8時間水熱処理し 。ついで、限外濾過膜法で濃縮してTiO 2 濃度20重量%の酸化チタン粒子(T1)分散液を調 した。

  酸化チタン粒子(T2)分散液の調製
 酸化チタン粒子(T1)分散液の調製において、 酸化チタン微粒子分散液(触媒化成工業(株)製 :HPW-18NR、平均粒子径20nm、TiO 2 濃度20重量%)を15g混合した以外は同様にしてTi O 2 濃度20重量%の酸化チタン粒子(T2)分散液を調 した。

  酸化チタン粒子(T3)分散液の調製
 酸化チタン粒子(T1)分散液の調製において、 酸化チタン微粒子分散液(触媒化成工業(株)製 :HPW-18NR、平均粒子径20nm、TiO 2 濃度20重量%)を90g混合した以外は同様にしてTi O 2 濃度20重量%の酸化チタン粒子(T3)分散液を調 した。

  酸化チタン粒子(T4)分散液の調製
 酸化チタン粒子(T1)分散液の調製において、 酸化チタン微粒子分散液(触媒化成工業(株)製 :HPW-10R、平均粒子径10nm、TiO 2 濃度20重量%)を40g混合した以外は同様にしてTi O 2 濃度20重量%の酸化チタン粒子(T4)分散液を調 した。

  酸化チタン粒子(T5)分散液の調製
 酸化チタン粒子(T1)分散液の調製において、 酸化チタン微粒子分散液(触媒化成工業(株)製 :HPW-30NRD、平均粒子径35nm、TiO 2 濃度20重量%)を40g混合した以外は同様にしてTi O 2 濃度20重量%の酸化チタン粒子(T5)分散液を調 した。

  酸化チタン粒子(T6)分散液の調製
 酸化チタン粒子(T1)分散液の調製において、 酸化チタン基体粒子分散液(触媒化成工業(株) 製:HPW-200C、平均粒子径200nm、TiO 2 濃度20重量%)を60g混合した以外は同様にしてTi O 2 濃度20重量%の酸化チタン粒子(T6)分散液を調 した。

  酸化チタン粒子(T7)分散液の調製
 酸化チタン粒子(T1)分散液の調製において、 酸化チタン基体粒子(富士チタン工業(株)製:TA -300、凝集粒子の平均粒子径500nm)を水にTiO 2 濃度20重量%となるように分散させた溶液を60g 混合した以外は同様にしてTiO 2 濃度20重量%の酸化チタン粒子(T7)分散液を調 した。

  酸化チタン粒子(T8)分散液の調製
 酸化チタン粒子(T1)分散液の調製において、 特開2003-137549号広報の実施例3に示された方法 で調製された管状酸化チタン基体粒子分散液 (平均外径10nm、平均内径7.5nm、平均長さ175nm、 TiO 2 濃度8.0重量%)を150g混合した以外は同様にして TiO 2 濃度20重量%の酸化チタン粒子(T8)分散液を調 した。

  酸化チタン粒子(T9)分散液の調製
  ペルオキシチタン酸水溶液(1)の調 製
 18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO 2 として1.0重量%含有する水溶液を得た。これ 撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水 添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このス ラリーを濾過洗浄し、TiO 2 として濃度10.2重量%の水和酸化チタンゲルの ーキを得た。このケーキと濃度5%過酸化水 液400gを混合し、ついで80℃で2時間加熱して 解し、TiO 2 として濃度1.0重量%のペルオキソチタン酸水 液を得た。

 ついで、実施例1の酸化チタン粒子(T1)分散 の調製において、オートクレーブにて水熱 理を行う際に、ペルオキソチタン酸水溶液(1 )を全体の酸化チタンに対して20重量%となる うに加えた以外は同様にしてTiO 2 濃度20重量%の酸化チタン粒子(T9)分散液を調 した。

 酸化チタン粒子(T9)は、酸化チタン基体粒 子の表面を平均粒子径22nmの酸化チタン微粒 が層をなして被覆していた。

  酸化チタン粒子(T10)分散液の調製
 酸化チタン粒子(T1)分散液の調製において、 (触媒化成工業(株)製:HPW-18NR、平均粒子径20nm TiO 2 濃度20重量%)の代わりにペルオキソチタン酸 液(1)を800g混合した以外は同様にしてTiO 2 濃度20重量%の酸化チタン粒子(T10)分散液を調 した。

 酸化チタン粒子(T10)は、酸化チタン基体 子の表面を平均粒子径21nmの酸化チタン微粒 が層をなして被覆していた。

 [実施例1]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(1)の調製
 前記で調製した酸化チタン粒子(T1)分散液100 gにエチルセルロース8gを溶解し、テルピネオ ールを75g加えた溶液を、ロータリーエバポレ ータにてTiO 2 濃度19重量%となるように濃縮し、多孔質金属 酸化物半導体膜形成用塗料(1)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(1)の形 成
 フッ素ドープした酸化スズが電極層として 成された透明ガラス基板に多孔質金属酸化 半導体膜形成用塗料(1)をスクリーン印刷お び乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し、 の後450℃での焼成アニーリングを行って多 質金属酸化物半導体膜(1)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(1)の 厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 属酸化物半導体膜(1)の密着性を評価し、結 を表1に示した。

  密着性
 多孔質金属酸化物半導体膜(1)の表面にナイ で縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付け100 の升目を作り、これにセロハンテ-プを接着 、ついで、セロハンテ-プを剥離したときに 被膜が剥離せず残存している升目の数を、以 下の4段階に分類することにより密着性を評 した。結果を表に示す。

  残存升目の数100個   :◎
  残存升目の数90~99個 :○
  残存升目の数85~89個 :△
  残存升目の数84個以下  :×
  光増感材の吸着
 光増感材としてDYESOL社製B2色素を濃度0.1%と るようにエタノール溶液を調製した。この 液に多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成し ガラスを5時間漬込み、取り出した後エタノ ール水溶液で洗浄し、色素を吸着させた。

  光電気セル(1)の作成
 先ず、溶媒としてアセトニトリルと炭酸エ レンの体積比が1:4の比でを混合した溶媒に トラプロピルアンモニウムアイオダイドと ウ素とを、それぞれの濃度が0.46モル/L、0.06 モル/Lとなるように溶解して電解質溶液を調 した。

 前記で調製した電極を一方の電極とし、 方の電極としてフッ素ドープした酸化スズ 電極として形成し、その上に白金を担持し 透明ガラス基板を対向して配置し、側面を 脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶 を封入し、さらに電極間をリード線で接続 て光電気セル(1)を作成した。

 光電気セル(1)は、ソーラーシュミレーター 100W/m 2 の強度の光を入射角90°(セル面と90°)で照射 て、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡 たときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)お よびη(変換効率)を測定し結果を表1に示した

 [実施例2]
  ペルオキシチタン酸コーティング 液(1)の調製
 18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO 2 として1.0重量%含有する水溶液を得た。これ 撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水 添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このス ラリーを濾過洗浄し、TiO 2 として濃度10.2重量%の水和酸化チタンゲルの ーキを得た。このケーキと濃度5%過酸化水 液400gを混合し、ついで80℃で2時間加熱して 解し、TiO 2 として濃度1.0重量%のペルオキソチタン酸水 液(1)を得た。さらに、TiO2濃度0.5%、エチレン グリコール濃度20%となるように水およびペル オキソチタン酸水溶液にエチレングリコール を加えペルオキソチタン酸コーティング液(1) を得た。

  酸化チタン薄膜(1)の形成
 ペルオキソチタン酸コーティング溶液(1)を ッ素ドープした酸化スズを電極として形成 た透明ガラス基板にフレキソ印刷法で塗布 、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを いて6000mJ/cm 2 の紫外線を照射してペルオキソ酸を分解させ 、膜を硬化させた。さらに、450℃で30分間加 して硬化およびアニーリングを行って酸化 タン薄膜(1)を形成した。

 得られた酸化チタン薄膜(1)の膜厚は40nm、 窒素吸着法によって求めた細孔容積は0.12ml/g 平均細孔径は2nmであった。

  多孔質金属酸化物半導体膜(2)の形 成
 前記フッ素ドープした酸化スズが電極層と て形成され、さらに酸化チタン薄膜(1)が形 された透明ガラス基板に、実施例1と同様に して調製した多孔質金属酸化物半導体膜形成 用塗料(1)をスクリーン印刷および乾燥を膜厚 が12μmになるまで繰り返し、その後450℃での 成アニーリングを行って多孔質金属酸化物 導体膜(2)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(2)の 厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 属酸化物半導体膜(2)の密着性を評価し、結 を表1に示した。

  光増感材の吸着
 実施例1において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(2)を形成した透明 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を 吸着させた。

  光電気セル(2)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(2)を作成 した。

 光電気セル(2)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。

 [実施例3]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(3)の調製
 前記で調製した酸化チタン粒子(T2)分散液100 gにエチルセルロース8gを溶解し、テルピネオ ールを75g加えた溶液を、ロータリーエバポレ ータにてTiO 2 濃度19重量%となるように濃縮し、多孔質金属 酸化物半導体膜形成用塗料(3)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(3)の形 成
 実施例2と同様にして、酸化チタン薄膜(1)が 形成された透明ガラス基板に、多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(3)をスクリーン印刷 および乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し その後450℃での焼成アニーリングを行って 孔質金属酸化物半導体膜(3)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(3)の 厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 属酸化物半導体膜(3)の密着性を評価し、結 を表1に示した。

  光増感材の吸着
 実施例2において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(3)を形成した透明 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を 吸着させた。

  光電気セル(3)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(3)を作成 した。

 光電気セル(3)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。

 [実施例4]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(4)の調製
 前記で調製した酸化チタン粒子(T3)分散液100 gにエチルセルロース8gを溶解し、テルピネオ ールを75g加えた溶液を、ロータリーエバポレ ータにてTiO 2 濃度19重量%となるように濃縮し、多孔質金属 酸化物半導体膜形成用塗料(4)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(4)の形 成
 実施例2と同様にして、酸化チタン薄膜(1)が 形成された透明ガラス基板に、多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(4)をスクリーン印刷 および乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し その後450℃での焼成アニーリングを行って 孔質金属酸化物半導体膜(4)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(4)の 厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 属酸化物半導体膜(4)の密着性を評価し、結 を表1に示した。

  光増感材の吸着
 実施例2において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(4)を形成した透明 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を 吸着させた。

  光電気セル(4)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(4)を作成 した。

 光電気セル(4)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。

 [実施例5]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(5)の調製
 前記で調製した酸化チタン粒子(T4)分散液100 gにエチルセルロース8gを溶解し、テルピネオ ールを75g加えた溶液を、ロータリーエバポレ ータにてTiO 2 濃度19重量%となるように濃縮し、多孔質金属 酸化物半導体膜形成用塗料(5)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(5)の形 成
 実施例2と同様にして、酸化チタン薄膜(1)が 形成された透明ガラス基板に、多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(5)をスクリーン印刷 および乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し その後450℃での焼成アニーリングを行って 孔質金属酸化物半導体膜(5)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(5)の 厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 属酸化物半導体膜(5)の密着性を評価し、結 を表1に示した。

  光増感材の吸着
 実施例2において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(5)を形成した透明 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を 吸着させた。

  光電気セル(5)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(5)を作成 した。

 光電気セル(5)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。

 [実施例6]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(6)の調製
前記で調製した酸化チタン粒子(T5)分散液100g エチルセルロース8gを溶解し、テルピネオ ルを75g加えた溶液を、ロータリーエバポレ タにてTiO 2 濃度19重量%となるように濃縮し、多孔質金属 酸化物半導体膜形成用塗料(6)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(6)の形 成
 実施例2と同様にして、酸化チタン薄膜(1)が 形成された透明ガラス基板に、多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(6)をスクリーン印刷 および乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し その後450℃での焼成アニーリングを行って 孔質金属酸化物半導体膜(6)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(6)の 厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 属酸化物半導体膜(6)の密着性を評価し、結 を表1に示した。

  光増感材の吸着
 実施例2において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(6)を形成した透明 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を 吸着させた。

  光電気セル(6)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(6)を作成 した。

 光電気セル(6)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。

 [実施例7]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(7)の調製
前記で調製した酸化チタン粒子(T6)分散液100g エチルセルロース8gを溶解し、テルピネオ ルを75g加えた溶液を、ロータリーエバポレ タにてTiO 2 濃度19重量%となるように濃縮し、多孔質金属 酸化物半導体膜形成用塗料(7)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(7)の形 成
 実施例2と同様にして、酸化チタン薄膜(1)が 形成された透明ガラス基板に、多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(7)をスクリーン印刷 および乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し その後450℃での焼成アニーリングを行って 孔質金属酸化物半導体膜(7)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(7)の 厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 属酸化物半導体膜(7)の密着性を評価し、結 を表1に示した。

  光増感材の吸着
 実施例2において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(7)を形成した透明 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を 吸着させた。

  光電気セル(7)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(7)を作成 した。

 光電気セル(7)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。

 [実施例8]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(8)の調製
前記で調製した酸化チタン粒子(T7)分散液100g エチルセルロース8gを溶解し、テルピネオ ルを75g加えた溶液を、ロータリーエバポレ タにてTiO 2 濃度19重量%となるように濃縮し、多孔質金属 酸化物半導体膜形成用塗料(8)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(8)の形 成
 実施例2と同様にして、酸化チタン薄膜(1)が 形成された透明ガラス基板に、多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(8)をスクリーン印刷 および乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し その後450℃での焼成アニーリングを行って 孔質金属酸化物半導体膜(8)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(8)の 厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 属酸化物半導体膜(8)の密着性を評価し、結 を表1に示した。

  光増感材の吸着
 実施例2において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(8)を形成した透明 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を 吸着させた。

  光電気セル(8)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(8)を作成 した。

 光電気セル(8)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。

 [実施例9]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(9)の調製
 前記で調製した酸化チタン粒子(T8)分散液100 gにエチルセルロース8gを溶解し、テルピネオ ールを75g加えた溶液を、ロータリーエバポレ ータにてTiO 2 濃度19重量%となるように濃縮し、多孔質金属 酸化物半導体膜形成用塗料(9)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(9)の形 成
 実施例2と同様にして、酸化チタン薄膜(1)が 形成された透明ガラス基板に、多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(9)をスクリーン印刷 および乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し その後450℃での焼成アニーリングを行って 孔質金属酸化物半導体膜(9)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(9)の 厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 属酸化物半導体膜(9)の密着性を評価し、結 を表1に示した。

  光増感材の吸着
 実施例2において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(9)を形成した透明 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を 吸着させた。

  光電気セル(9)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(9)を作成 した。

 光電気セル(9)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。

 [実施例10]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(10)の調製
 前記で調製した酸化チタン粒子(T9)分散液100 gにエチルセルロース8gを溶解し、テルピネオ ールを75g加えた溶液を、ロータリーエバポレ ータにてTiO 2 濃度19重量%となるように濃縮し、多孔質金属 酸化物半導体膜形成用塗料(9)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(10)の 成
 実施例2と同様にして、酸化チタン薄膜(1)が 形成された透明ガラス基板に、多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(10)をスクリーン印 および乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し 、その後450℃での焼成アニーリングを行って 多孔質金属酸化物半導体膜(10)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(10)の 膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 金属酸化物半導体膜(10)の密着性を評価し、 果を表1に示した。

  光増感材の吸着
 実施例2において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(10)を形成した透 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素 吸着させた。

  光電気セル(10)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(10)を作 した。

 光電気セル(10)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。

 [実施例11]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(11)の調製
 前記で調製した酸化チタン粒子(T10)分散液10 0gにエチルセルロース8gを溶解し、テルピネ ールを75g加えた溶液を、ロータリーエバポ ータにてTiO 2 濃度19重量%となるように濃縮し、多孔質金属 酸化物半導体膜形成用塗料(9)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(11)の 成
 実施例2と同様にして、酸化チタン薄膜(1)が 形成された透明ガラス基板に、多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(11)をスクリーン印 および乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し 、その後450℃での焼成アニーリングを行って 多孔質金属酸化物半導体膜(11)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(11)の 膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 金属酸化物半導体膜(11)の密着性を評価し、 果を表1に示した。

  光増感材の吸着
 実施例2において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(11)を形成した透 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素 吸着させた。

  光電気セル(11)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(11)を作 した。

 光電気セル(11)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。

 [比較例1]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(R1)の調製
 酸化チタン微粒子分散液(触媒化成工業(株) :HPW-18NR、平均粒子径20nm、TiO 2 濃度20重量%)100gにエチルセルロース8gを溶解 、テルピネオールを75g加えた溶液を、ロー リーエバポレータにてTiO 2 濃度19重量%となるように濃縮し、多孔質金属 酸化物半導体膜形成用塗料(R1)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(R1)の 成
 実施例2と同様にして、酸化チタン薄膜(1)が 形成された透明ガラス基板に、多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(R1)をスクリーン印 および乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し 、その後450℃での焼成アニーリングを行って 多孔質金属酸化物半導体膜(R1)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R1)の膜 厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積 と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金 属酸化物半導体膜(R1)の密着性を評価し、結 を表1に示した。
光増感材の吸着
 実施例2において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(R1)を形成した透 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素 吸着させた。
光電気セル(R1)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(R1)を作 した。

 光電気セル(R1)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。

 [比較例2]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(R2)の調製
 酸化チタン微粒子分散液(触媒化成工業(株) :HPW-400C、平均粒子径400nm、TiO 2 濃度20重量%)100gにエチルセルロース8gを溶解 、テルピネオールを75g加えた溶液を、ロー リーエバポレータにてTiO 2 濃度19重量%となるように濃縮し、多孔質金属 酸化物半導体膜形成用塗料(R2)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(R2)の 成
 実施例2と同様にして、酸化チタン薄膜(1)が 形成された透明ガラス基板に、多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(R2)をスクリーン印 および乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し 、その後450℃での焼成アニーリングを行って 多孔質金属酸化物半導体膜(R2)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R2)の 膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 金属酸化物半導体膜(R2)の密着性を評価し、 果を表1に示した。

  光増感材の吸着
 実施例2において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(R2)を形成した透 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素 吸着させた。

  光電気セル(R2)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(R2)を作 した。

 光電気セル(R2)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。

 [比較例3]
  多孔質金属酸化物半導体膜形成用 塗料(R3)の調製
 比較例1と同様にして調製した多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(R1)40gと比較例2と同 にして調製した多孔質金属酸化物半導体膜 成用塗料(R2)60gとを混合してTiO 2 濃度19重量%の多孔質金属酸化物半導体膜形成 用塗料(R3)を調製した。

  多孔質金属酸化物半導体膜(R3)の 成
 実施例2と同様にして、酸化チタン薄膜(1)が 形成された透明ガラス基板に、多孔質金属酸 化物半導体膜形成用塗料(R3)をスクリーン印 および乾燥を膜厚が12μmになるまで繰り返し 、その後450℃での焼成アニーリングを行って 多孔質金属酸化物半導体膜(R3)を形成した。

 得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R3)の 膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容 積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質 金属酸化物半導体膜(R3)の密着性を評価し、 果を表1に示した。

  光増感材の吸着
 実施例2において、酸化チタン薄膜(1)および 多孔質金属酸化物半導体膜(R3)を形成した透 ガラス基板を用いた以外は同様にして色素 吸着させた。

  光電気セル(R3)の作成
 実施例1と同様にして、前記で調製した電極 を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素 ドープした酸化スズを電極として形成し、そ の上に白金を担持した透明ガラス基板を対向 して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極 間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極 間をリード線で接続して光電気セル(R3)を作 した。

 光電気セル(R3)について、Voc、Joc、FFおよ ηを測定し結果を表1に示した。